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  • 特開-車両樹脂パネル 図1
  • 特開-車両樹脂パネル 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108204
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】車両樹脂パネル
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/10 20060101AFI20240805BHJP
   B62D 37/02 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
B60J5/10 R
B62D37/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012434
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003812
【氏名又は名称】弁理士法人いくみ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸 浩史
(57)【要約】
【課題】熱ひずみに由来する変形を抑制できる車両樹脂パネルを提供すること。
【解決手段】アウターパネル3は、周端部が固定される。アウターパネル3は、所定の肉厚を有する下面部37と、下面部37から連続して形成され、下面部37の厚み方向に膨出するハイマウントストップランプ実装部39とを備える。下面部37の厚みT1に対する、ハイマウントストップランプ実装部39の厚みT2の比率(T2/T1)が、88%以下である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周端部が固定される車両樹脂パネルであり、
前記車両樹脂パネルは、
所定の肉厚を有する平面部と、
前記平面部から連続して形成され、前記平面部の厚み方向に膨出する膨出部と
を備え、
前記平面部の厚みに対する、前記膨出部の厚みの比率が、88%以下である、車両樹脂パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両樹脂パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両樹脂パネルが、車両外板パネルおよび車両内板パネルの分野において、使用されている。樹脂パネルは、樹脂材料からなり、例えば、車両のスポイラーとして、使用される。
【0003】
より具体的には、以下のリヤスポイラーが、提案されている。リヤスポイラーは、車体後部に支持されている。リヤスポイラーの後部下面には、後方および下方に開放するストップランプ収容部が形成されている。ストップランプ収容部には、ハイマウントストップランプが収容されている(例えば、特許文献1(図5)参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-62439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、上記のリヤスポイラーにおいて、ストップランプ収容部は、後部下側の平面部から車両外側に向かって膨出するように形成される場合がある。
【0006】
また、リヤスポイラー以外の車両樹脂パネルにおいても、外部パーツ実装部として、平面部から膨出する膨出部が、形成される場合がある。さらに、意匠性の観点から、車両樹脂パネルに、平面部から膨出する膨出部が、形成される場合がある。
【0007】
しかし、車両樹脂パネルに、平面部から膨出する膨出部が形成される場合、車両樹脂パネルに、熱ひずみに由来する変形が生じやすいという不具合がある。
【0008】
本発明は、熱ひずみに由来する変形を抑制できる車両樹脂パネルである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明[1]は、周端部が固定される車両樹脂パネルであり、前記車両樹脂パネルは、所定の肉厚を有する平面部と、前記平面部から連続して形成され、前記平面部の厚み方向に膨出する膨出部とを備え、前記平面部の厚みに対する、前記膨出部の厚みの比率が、88%以下である、車両樹脂パネルを、含んでいる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の車両樹脂パネルによれば、熱ひずみに由来する変形を抑制できる。
【0011】
すなわち、従来、車両において、車両樹脂パネルは、熱膨張する場合がある。しかし、車両樹脂パネルの周端部は、通常、車両に固定されている。そのため、車両樹脂パネルが熱膨張すると、熱膨張部分は、車両樹脂パネルの外側に向かうことができず、内側に向かう応力を発生させる。
【0012】
このような場合、車両樹脂パネルが平面部および膨出部を有していると、車両樹脂パネルの熱膨張部分が、平面部および膨出部に起因して、応力集中を生じさせる。
【0013】
より具体的には、平面部および膨出部の境界部分において、車両樹脂パネルの屈曲点を起点として、応力集中が生じる。集中した応力は、例えば、平面部に伝搬され、さらに、平面部を介して、その他の平坦な部位に伝搬される。
【0014】
平面部、および、その他の平坦な部位は、応力による変形を生じやすい。そのため、応力が伝搬されると、平面部、および、その他の平坦な部位において、熱ひずみに由来する変形(凹み)が生じる場合がある。
【0015】
これに対して、上記の車両樹脂パネルでは、膨出部が平面部に対して薄肉に形成されている。より具体的には、平面部の厚みに対する膨出部の厚みの比率が所定値以下である。
【0016】
そのため、上記の車両樹脂パネルにおいて、膨出部に起因した応力集中が生じる場合にも、その応力は、膨出部に集中しやすく、平面部およびその他の平坦な部位に伝搬されにくい。その結果、上記の車両樹脂パネルによれば、熱ひずみに由来する変形を、抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の車両樹脂パネルの一実施形態を備える車両パネルの分解斜視図である。
図2図2は、図1の車両樹脂パネルの平面部および膨出部を拡大して示す部分拡大斜視図である。
図3図3は、図1に示す車両樹脂パネルの厚み方向に沿った部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.車両樹脂パネルの全体構成
図1は、本発明の車両樹脂パネルの一実施形態を示す。また、図1は、車両樹脂パネルを備える車両パネルの一実施形態を示す。
【0019】
図1において、車両パネル1は、例えば、車両のドアパネルである。ドアパネルとしては、例えば、サイドドアパネルおよびバックドアパネルが挙げられる。ドアパネルとして、好ましくは、バックドアパネルが挙げられる。車両パネル1がバックドアパネルである場合、車両パネル1は、例えば、図示しないヒンジを介して、図示しない車両本体に取り付けられる。これにより、車両パネル1は、車両本体に対して開閉可能に接続される。なお、図1には、バックドアパネルを分解して示している。
【0020】
図1において、車両パネル1は、インナーパネル2と、車両樹脂パネルとしてのアウターパネル3とを備えている。
【0021】
インナーパネル2は、車両パネル1の内板である。インナーパネル2の形状は、車両パネル1の形状に応じて、適宜設定される。
【0022】
インナーパネル2は、例えば、所望の凹凸形状を有する板部材である。より具体的には、インナーパネル2は、図1の紙面左図が参照されるように、窓部材を嵌合するための開口部20を備えている。また、インナーパネル2は、ハイマウントストップランプを接続するためのハイマウントストップランプ接続部22を備えている。
【0023】
また、図1が参照されるように、インナーパネル2の外周端部、および、開口部20の内周端部には、接着剤4を塗布するための接着用凸部21が形成されている。接着用凸部21は、接着剤4を介して、アウターパネル3に接着される。
【0024】
インナーパネル2は、任意の材料から形成される。例えば、インナーパネル2は、金属材料および/または樹脂材料からなる。好ましくは、インナーパネル2は、樹脂材料からなる。インナーパネル2が樹脂材料からなる場合、インナーパネル2は、例えば、射出成形によって、一体成形品として得られる。樹脂材料としては、特に制限されず、公知の樹脂材料が挙げられる。
【0025】
アウターパネル3は、車両パネル1の外板である。アウターパネル3の形状は、車両パネル1の形状に応じて、適宜設定される。
【0026】
より具体的には、アウターパネル3は、アンダーパネル31、ミドルパネル32およびアッパーパネル33を備えている。アンダーパネル31、ミドルパネル32およびアッパーパネル33は、互いに組み付けられるとともに、開口部20を囲むように配置され、インナーパネル2の接着用凸部21に接着される。これにより、アウターパネル3の周端部の全周が、インナーパネル2に固定される。
【0027】
アンダーパネル31は、例えば、所望の凹凸形状を有する板部材である。より具体的には、アンダーパネル31は、図1の紙面右図が参照されるように、ナンバープレートを取り付けるためのナンバープレート用凹部34を備えている。アンダーパネル31は、ミドルパネル32に組み付けられる。また、アンダーパネル31は、開口部20の下側に配置され、接着剤4を介して、インナーパネル2の接着用凸部21に接着される。
【0028】
ミドルパネル32は、例えば、所望の凹凸形状を有する板部材である。より具体的には、ミドルパネル32は、図1の紙面右図が参照されるように、一対の板部材として、形成される。一対のミドルパネル32は、アンダーパネル31およびアッパーパネル33に組み付けられる。また、ミドルパネル32は、開口部20の左右に対向配置され、接着剤4を介して、インナーパネル2の接着用凸部21に接着される。
【0029】
アッパーパネル33は、例えば、所望の凹凸形状を有する板部材である。アッパーパネル33は、ルーフパネル(図示せず)と隣接し、車両の上側に配置されるスポイラーを含む。より具体的には、アッパーパネル33は、図2が参照されるように、車両後側に向かって突出するスポイラー凸部35を有している。
【0030】
スポイラー凸部35は、上面部36と、平面部としての下面部37と、下面部37から膨出する膨出部としてのハイマウントストップランプ実装部39とを備えている。つまり、アウターパネル3は、上面部36と下面部37とハイマウントストップランプ実装部39とを、備えている。
【0031】
上面部36は、所定の肉厚を有し、車両前後方向に沿って延びる板部である。上面部36は、車両上側から下側に向かって傾斜するように配置されている。下面部37は、所定の肉厚を有する平面部であり、上面部36から折り返される板部である。下面部37は、上面部36から連続して形成されている。つまり、下面部37は、上面部36と一体的に形成されている。また、下面部37は、車両前後方向(例えば、水平方向)と略平行となるように、配置されている。ハイマウントストップランプ実装部39は、下面部37から連続して形成されている。つまり、ハイマウントストップランプ実装部39は、下面部37と一体的に形成されている。ハイマウントストップランプ実装部39は、下面部37の厚み方向に沿って、車両外側に向けて膨出する形状を有している。より具体的には、ハイマウントストップランプ実装部39は、下面部37から車両外側に向けて折れ曲がる板部材からなり、後方および下方に開放する箱枠形状を有している。また、ハイマウントストップランプ実装部39には、ハイマウントストップランプの配線を通過させるための配線孔38が形成されている。スポイラー凸部35(上面部36、下面部37およびハイマウントストップランプ実装部39)は、例えば、射出成形により、一体成形品として形成されている。
【0032】
アッパーパネル33(スポイラー凸部35を含む。)は、ミドルパネル32に組み付けられる。また、アッパーパネル33は、開口部20の上側に配置され、接着剤4を介して、インナーパネル2の接着用凸部21に接着される。
【0033】
アウターパネル3(アンダーパネル31、ミドルパネル32およびアッパーパネル33)は、樹脂材料から形成される。樹脂材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリエステルおよびポリアクリルが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。樹脂材料は、添加剤を含有できる。添加剤としては、例えば、充填材(強化繊維など)、着色剤、耐熱安定剤、耐光安定性、酸化防止剤および離型剤が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。添加剤の含有割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。アウターパネル3を樹脂材料から形成する方法は、特に制限されず、公知の樹脂成形法が採用される。成形方法としては、例えば、射出成形、圧縮成形およびインフレーション成形が挙げられ、好ましくは、射出成形が挙げられる。
【0034】
2.アウターパネルの肉厚
アウターパネル3の肉厚は、目的および用途に応じて、適宜設定されるが、図3が参照されるように、スポイラー凸部35のハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)は、スポイラー凸部35の下面部37(平面部)よりも、薄肉に形成されている。
【0035】
下面部37(平面部)の厚みT1は、例えば、一定である。下面部37(平面部)の厚みT1は、例えば、1.0mm以上、好ましくは、2.0mm以上、より好ましくは、2.5mm以上である。また、下面部37(平面部)の厚みT1は、例えば、10mm以下、好ましくは、5.0mm以下、より好ましくは、3.0mm以下である。下面部37(平面部)の厚みT1は、とりわけ好ましくは、2.7mmである。
【0036】
ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の厚みT2は、例えば、一定である。ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の厚みT2は、下面部37(平面部)の厚みT1よりも小さい。より具体的には、ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の厚みT2は、例えば、0.8mm以上、好ましくは、1.0mm以上、より好ましくは、1.6mm以上である。また、ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の厚みT2は、例えば、8.0mm以下、好ましくは、3.0mm以下、より好ましくは、2.0mm以下である。ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の厚みT2は、とりわけ好ましくは、1.8mmである。
【0037】
下面部37(平面部)の厚みT1とハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の厚みT2との差(T2-T1)は、例えば、0.1mm以上、好ましくは、0.2mm以上である。また、下面部37(平面部)の厚みT1とハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の厚みT2との差(T2-T1)は、例えば、2.0mm以下、好ましくは、1.0mm以下である。下面部37(平面部)の厚みT1とハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の厚みT2との差(T2-T1)は、とりわけ好ましくは、0.9mmである。
【0038】
そして、下面部37(平面部)の厚みT1に対する、ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の厚みT2の比率(T2/T1)が、88%以下、好ましくは、80%以下、より好ましくは、75%以下、さらに好ましくは、70%以下である。また、下面部37(平面部)の厚みT1に対する、ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の厚みT2の比率(T2/T1)が、例えば、50%以上、好ましくは、60%以上である。下面部37(平面部)の厚みT1に対する、ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の厚みT2の比率(T2/T1)は、とりわけ好ましくは、67%である。
【0039】
言い換えると、下面部37(平面部)に対する、ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の薄肉化率(T1-T2/T1)が、12%以上、好ましくは、20%以上、より好ましくは、25%以上、さらに好ましくは、30%以上である。また、下面部37(平面部)に対する、ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の薄肉化率(T1-T2/T1)は、例えば、50%以下、好ましくは、40%以下である。ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の薄肉化率(T1-T2/T1)は、とりわけ好ましくは、33%である。
【0040】
また、上面部36の厚みT3は、好ましくは、下面部37(平面部)の厚みT1と同じである。すなわち、上面部36の厚みT3は、例えば、1.0mm以上、好ましくは、2.0mm以上である。また、上面部36の厚みT3は、例えば、10mm以下、好ましくは、5.0mm以下である。
【0041】
また、下面部37(平面部)の厚みT1に対する、上面部36の厚みT3の比率(T3/T1)は、例えば、100%である。
【0042】
また、上面部36の厚みT3に対する、ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の厚みT2の比率(T2/T3)が、88%以下、好ましくは、80%以下、より好ましくは、75%以下、さらに好ましくは、70%以下である。また、上面部36の厚みT3に対する、ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の厚みT2の比率(T2/T3)が、例えば、50%以上、好ましくは、60%以上である。
【0043】
3.作用効果
上記のアウターパネル3によれば、熱ひずみに由来する変形を抑制できる。
【0044】
すなわち、従来、車両において、アウターパネル3は、熱膨張する場合がある。しかし、アウターパネル3の周端部は、通常、車両に固定されている。そのため、アウターパネル3が熱膨張すると、熱膨張部分は、アウターパネル3の外側に向かうことができず、内側に向かう応力を発生させる。
【0045】
このような場合、アウターパネル3(スポイラー凸部35)が下面部37(平面部)およびハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)を有していると、アウターパネル3の熱膨張部分が、下面部37(平面部)およびハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)に起因して、応力集中を生じさせる。
【0046】
より具体的には、下面部37(平面部)およびハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の境界部分において、アウターパネル3の屈曲点を起点として、応力集中が生じる。集中した応力は、例えば、下面部37(平面部)に伝搬され、さらに、下面部37(平面部)を介して、上面部36(その他の平坦な部位)に伝搬される。
【0047】
下面部37(平面部)、および、上面部36(その他の平坦な部位)は、平面を有するため、応力による変形を生じやすい。そのため、応力が伝搬されると、下面部37(平面部)、および、上面部36(その他の平坦な部位)において、熱ひずみに由来する変形(凹み)が生じる場合がある。
【0048】
これに対して、上記のアウターパネル3では、ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)が下面部37(平面部)に対して薄肉に形成されている。より具体的には、下面部37(平面部)の厚みT1に対するハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の厚みT2の比率(T2/T1)が所定値以下である。
【0049】
そのため、上記のアウターパネル3において、ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)に起因した応力集中が生じる場合にも、その応力は、ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)に集中しやすく、下面部37(平面部)、および、上面部36(その他の平坦な部位)に伝搬されにくい。その結果、上記のアウターパネル3(スポイラー凸部35)によれば、熱ひずみに由来する変形を、抑制できる。
【0050】
また、ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)は、下面部37(平面部)、および、上面部36(その他の平坦な部位)に比べて、その形状に応じて、優れた耐変形性を有している。そのため、応力がハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)に集中する場合にも、ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)の変形は、抑制される。
【0051】
また、ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)は、スポイラー凸部35の下側に配置されるため、応力がハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)に集中し、ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)が変形する場合であっても、車両パネル1の美観に対する影響が小さい。つまり、ハイマウントストップランプ実装部39(膨出部)が変形する場合にも、スポイラー凸部35の上面部36(その他の平坦な部位)が変形する場合に比べて、車両パネル1の意匠性を維持できる。
【0052】
4.変形例
上記の説明では、車両樹脂パネルとしてアッパーパネル33のスポイラー凸部35を例示して説明したが、車両樹脂パネルは、周端部が固定され、樹脂材料からなるパネルであれば、特に制限されない。例えば、車両樹脂パネルとして、アンダーパネル31を採用することができる。また、車両樹脂パネルとして、ミドルパネル32を採用することができる。また、車両樹脂パネルとして、インナーパネル2を採用することもできる。
【0053】
また、上記の説明では、膨出部としてハイマウントストップランプ実装部39を例示して説明したが、本発明は、上記に限定されない。例えば、膨出部は、ハイマウントストップランプ以外の外部パーツ(例えば、ワイパーおよびウォッシャー)を実装する実装部であってもよい。また、膨出部は、美観の観点から形成される意匠凸部であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 車両パネル
2 インナーパネル
3 アウターパネル
37 下面部
39 ハイマウントストップランプ実装部
図1
図2
図3