(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108245
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】カバー材、改装建具及び建具
(51)【国際特許分類】
E06B 1/62 20060101AFI20240805BHJP
E06B 1/56 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
E06B1/62 A
E06B1/56 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012513
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】大東 正樹
(72)【発明者】
【氏名】筒井 淳司
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011JA01
2E011JA02
2E011KA06
2E011KB03
2E011KB04
2E011KC02
2E011KC03
2E011KC04
2E011KD14
2E011KF01
2E011KG06
2E011KH01
2E011LB02
2E011LB03
2E011LB04
2E011LC02
2E011LD02
2E011LD03
2E011LD04
2E011LD07
2E011LE05
2E011LE07
2E011LF01
(57)【要約】
【課題】枠連結部材を覆うように延びる隣り合うカバー材同士の間の隙間を隠す隙間塞ぎ部材を安定して取り付けることができるカバー材を提供すること。
【解決手段】カバー材90は、窓を連窓または段窓する際の枠連結部材5を隠すカバー材であって、カバー材90は、一方側枠3Aに配置される一方側カバー材84と、他方側枠3Bに配置される他方側カバー材85と、一方側カバー材84と他方側カバー材85との隙間を塞ぐ隙間塞ぎ部材9と、を備え、隙間塞ぎ部材9は、一方側カバー材84と他方側カバー材85との間の隙間を塞ぐように一方側カバー材84の室内側の面及び他方側カバー材85の室内側の面に跨って配置される塞ぎ面部911と、塞ぎ面部911の背面に接続され一方側カバー材84と他方側カバー材85との間に配置される隙間配置部912と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓を連窓または段窓する際の枠連結部材を隠すカバー材であって、
前記カバー材は、一方側枠に配置される一方側カバー材と、他方側枠に配置される他方側カバー材と、前記一方側カバー材と前記他方側カバー材との隙間を塞ぐ隙間塞ぎ部材と、を備え、
前記隙間塞ぎ部材は、
前記一方側カバー材と前記他方側カバー材との間の隙間を塞ぐように前記一方側カバー材の室内側の面及び前記他方側カバー材の室内側の面に跨って配置される塞ぎ面部と、
前記塞ぎ面部の背面に接続され前記一方側カバー材と前記他方側カバー材との間に配置される隙間配置部と、を有する、カバー材。
【請求項2】
前記隙間塞ぎ部材は、前記一方側カバー材及び前記他方側カバー材に嵌合する嵌合部を有する、請求項1に記載のカバー材。
【請求項3】
前記隙間配置部は、中空部を有するホロー部により構成される、請求項1又は2に記載のカバー材。
【請求項4】
前記隙間塞ぎ部材は、前記枠連結部材との間に配置されるスペーサ部を有する、請求項1又は2に記載のカバー材。
【請求項5】
枠連結部材を介して連窓または段窓される建具を改装する改装建具であって、
前記枠連結部材の見付方向の一方側に配置される一方側既設枠と、
前記一方側既設枠の内周側に配置される一方側新設枠と、
前記枠連結部材の見付方向の他方側に配置される他方側既設枠と、
前記一方側既設枠の内周側に配置される他方側新設枠と、
請求項1に記載のカバー材と、を備え、
前記一方側新設枠は、前記カバー材の前記一方側枠により構成され、
前記他方側新設枠は、前記カバー材の前記他方側枠により構成され、
前記一方側カバー材は、前記一方側既設枠の室内側に配置され前記一方側新設枠に取り付けられ見付方向に延びて形成され、
前記他方側カバー材は、前記他方側既設枠の室内側に配置され前記他方側新設枠に取り付けられ見付方向に延びて形成され、
前記隙間塞ぎ部材は、前記一方側カバー材と前記他方側カバー材とに跨って配置される改装建具。
【請求項6】
一方側枠と、
前記一方側枠に配置される一方側カバー材と、
他方側枠と、
前記他方側枠に配置される他方側カバー材と、
請求項1に記載のカバー材と、を備える建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カバー材、改装建具及び建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物躯体の開口部をリフォーム等で改装する方法として開口部に新たな建具を設置するカバー工法が採用されている。カバー工法において、建物躯体の開口部に設けられる既設枠と、既設枠の内周側に配置される新設枠と、既設枠と新設枠との間に配置されるアタッチメントと、新設枠の室内側を覆うカバー材と、を備える改装建具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、方立(枠連結部材)を挟んで隣り合う窓部が左右方向に連窓される連窓の建具をカバー工法で改装することがある。この場合、隣り合う窓部は方立を介して連窓されており、カバー工法により改装する場合に、隣り合う窓部それぞれから見付方向の外側に延びるカバー材同士が互いに近づくように延びることで、方立の室内側の正面を覆うように構成されている。
【0005】
この場合、方立の室内側の正面を覆うように一方のカバー材及び他方のカバー材同士が互いに近づくように延びる構成において、一方のカバー材及び他方のカバー材同士の間には、隙間が形成されることがある。そのため、カバー材同士の間の隙間を覆うように、カバー材同士に跨るように樹脂プレートを貼り付けることがある。樹脂プレートを貼り付けてカバー材同士の間の隙間を覆う場合、樹脂プレートがめくれたり剥がれたりして脱落する懸念がある。この懸念は、無目(枠連結部材)を挟んで隣り合う窓部が上下方向に段窓される段窓の建具の場合も同様である。
【0006】
本開示は、窓を連窓または段窓する際の枠連結部材を隠す構成において、枠連結部材の見付方向の両側それぞれから枠連結部材を覆うように延びる隣り合うカバー材同士の間の隙間を隠す隙間塞ぎ部材を安定して取り付けることができるカバー材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、窓を連窓または段窓する際の枠連結部材を隠すカバー材であって、前記カバー材は、一方側枠に配置される一方側カバー材と、他方側枠に配置される他方側カバー材と、前記一方側カバー材と前記他方側カバー材との隙間を塞ぐ隙間塞ぎ部材と、を備え、前記隙間塞ぎ部材は、前記一方側カバー材と前記他方側カバー材との間の隙間を塞ぐように前記一方側カバー材の室内側の面及び前記他方側カバー材の室内側の面に跨って配置される塞ぎ面部と、前記塞ぎ面部の背面に接続され前記一方側カバー材と前記他方側カバー材との間に配置される隙間配置部と、を有する、カバー材に関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態の連窓の改装建具を室内側から見た正面図である。
【
図3】第2実施形態の連窓の改装建具を示す断面図である。
【
図4】第3実施形態の連窓の改装建具を示す断面図である。
【
図5】第4実施形態の連窓の改装建具を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の改装建具1は、例えば、マンション等のビルなどの建物躯体の開口部に設けられる。
図1は、改装建具1を室内側から見た様子を示している。改装建具1は、方立5(枠連結部材)を介して連窓される建具を改装する改装建具であり、方立5を挟んで、方立5の左右にすでに設置されている既設枠2A,2Bに、新設枠3A,3Bを取り付ける改修を行って形成される。
【0010】
本明細書において、「見付方向」とは、改装建具1における障子11の面材の面方向を意味し、「見込方向」とは、上記面材の厚さ方向(即ち、奥行き方向)を意味する。「見込方向」は室内外方向でもある。「見付面」は、改装建具1における室外側及び室内側に面するそれぞれの面を意味し、「見込面」は、改装建具1において室内外方向に延びる面を意味する。図面において、改装建具1の見込方向の室外側を室外側X1とし、改装建具1の見込方向の室内側を室内側X2とする。改装建具1の見付方向における横方向を左右方向とする。
【0011】
本実施形態の改装建具1は、
図1に示すように、方立5を挟んで、左右方向に隣接して配置される2つの窓部10A,10Bを備える。2つの窓部10A,10Bは、方立5を介して、左右に隣接して配置される。本実施形態においては、例えば、方立5の一方側に配置される窓部10Aは、引き違いタイプの窓部(
図1における左側)であり、方立5の他方側に配置される窓部10Bは、FIXタイプの窓部(
図1における右側)である。なお、窓部の種類は限定されない。
【0012】
改装建具1は、
図1に示すように、左右方向の一方側及び他方側において、連窓の2つの窓部10A,10Bの既設枠2A,2B(一方側既設枠、他方側既設枠)それぞれの内周側に、アタッチメント4A,4B(
図2参照)を介して、新設枠3A,3B(一方側枠、他方側枠)(一方側新設枠、他方側新設枠)を取り付けることで構成される。
【0013】
改装建具1は、既設枠2A,2Bと、既設枠2A,2Bを接続する既設の方立5(
図2参照)と、新設枠3A,3Bと、アタッチメント4A,4B(
図2参照)と、を有する。新設枠3A,3Bは、アタッチメント4A,4Bを介して、既設枠2A,2Bの内周側に配置される。新設枠3Aの内側には、障子11,11が開閉可能に納められる。新設枠3Bの内側には、FIX障子12が配置される。
【0014】
既設枠2A,2Bは、アルミニウム製、アルミ樹脂複合製又は樹脂製の形材により、矩形の枠状に形成される。既設枠2A,2Bは、方立5を挟んで、左右方向(見付方向)の一方側及び他方側に設けられる。既設枠2Aは、既設上枠21A、既設下枠22A、既設外側縦枠23及び既設縦枠24を枠組みして構成される。既設枠2Bは、既設上枠21B、既設下枠22B、既設外側縦枠26及び既設縦枠25を枠組みして構成される。
【0015】
新設枠3A,3Bは、矩形の枠状に形成される。新設枠3A,3Bは、アルミニウム製の形材により構成される。新設枠3Aは、
図1に示すように、新設上枠31A、新設下枠32A及び一対の新設縦枠34(
図2参照)を枠組みして構成される。新設枠3Bは、新設上枠31B、新設下枠32B及び一対の新設縦枠35(
図2参照)を枠組みして構成される。
【0016】
アタッチメント4A,4Bは、既設枠2A,2Bと新設枠3A,3Bの間に配置され、新設枠3A,3Bを既設枠2A,2Bに固定するための部材である。アタッチメント4A,4Bは、アタッチメント上枠(図示せず)と、アタッチメント下枠(図示せず)と、左右一対のアタッチメント縦枠44,45(
図2参照)と、を有する。アタッチメント上枠、アタッチメント下枠及び左右一対のアタッチメント縦枠44,45は、それぞれ、例えば、アルミニウム製の形材により構成される。
【0017】
まず、2つの既設枠2A,2Bを方立5により接続する構造について説明する。方立5は、既設の連窓の建具において、
図2に示すように、一方側の既設枠2Aの既設縦枠24及び他方側の既設枠2Bの既設縦枠25を接続する。方立5を挟んで左右方向の一方側には、既設枠2Aの既設縦枠24が配置され、方立5を挟んで左右方向の他方側には、既設枠2Bの既設縦枠25が配置される。
【0018】
方立5を挟んで左右方向の一方側に配置される既設縦枠24は、室内外方向に延びる室内外方向延在板241と、室内外方向延在板241の室外側X1の端部から窓部10Aの左右方向の内側に延びる室外側突出板242と、室内外方向延在板241の室内側X2の端部から左右方向の内側に延びる室内側延出板243と、室内外方向延在板241の室外側X1の端部から左右方向の外側に突出する室外側L字片244と、室内外方向延在板241の室内側X2の端部から左右方向の外側に突出する室内側L字片245と、を有する。
【0019】
方立5を挟んで左右方向の他方側に配置される既設縦枠25は、室内外方向に延びる室内外方向延在板251と、室内外方向延在板251の室外側X1の端部から左右方向の内側に延びる室外側突出板252と、室内外方向延在板251の室内側X2の端部から左右方向の内側に延びる室内側延出板253と、室内外方向延在板251の室外側X1の端部から左右方向の外側に突出する室外側L字片254と、室内外方向延在板251の室内側X2の端部から左右方向の外側に突出する室内側L字片255と、を有する。
【0020】
方立5は、左右方向の一方側の既設縦枠24及び他方側の既設縦枠25を連結する。方立5は、
図2に示すように、T字状の方立本体51と、室内側X2に配置される接続部材52と、室内側X2に配置される方立室内側カバー材53と、を有する。
【0021】
T字状の方立本体51は、見付方向に平行な板材により構成される室外側カバー部511と、室外側カバー部511の左右方向の中央から室内外方向に延びる室内外方向延在縦壁512と、室内外方向延在縦壁512の室内側X2の端部において室外側カバー部511に平行に形成される平行板部513と、平行板部513の室内側X2の面からL字状に突出するL字接続部514と、を有する。
【0022】
室外側カバー部511は、方立5の左右方向の一方側に配置される既設縦枠24の室外側X1の面及び他方側に配置される既設縦枠25の室外側X1の面に跨るように、左右方向(見付方向)に延びる。室外側カバー部511の左右方向の両端部の室内側X2の面には、それぞれ、気密材511aが取り付けられる。気密材511aは、それぞれ、室外側カバー部511の左右方向の両端部の室内側X2の面と既設縦枠24,25の室外側X1の面との間に配置される。
【0023】
接続部材52は、ネジ103により、方立本体51の室内側X2の端部に形成されるL字接続部514に固定される。接続部材52は、室内外方向に厚さを有すると共に、左右方向に延びる板状に形成される。接続部材52は、既設縦枠24,25の室内側X2の面に跨って左右方向に延びる。
【0024】
接続部材52の左右方向の一方側は、既設縦枠24の室内側L字片245の室内側X2の見付面に当接してネジ101により固定され、接続部材52の左右方向の他方側は、既設縦枠25の室内側L字片255の室内側X2の見付面に当接してネジ102により固定される。
【0025】
方立室内側カバー材53は、室外側X1が開放するコ字状に形成され、方立5の室内側X2において、接続部材52及び接続部材52を固定するネジ101,102,103を覆うように配置される。
【0026】
次に、方立5の左右方向の一方側に接続される既設縦枠24側の改装構造について説明する。方立5の左右方向の一方側に接続される既設縦枠24の内周側には、アタッチメント縦枠44(
図2参照)を介して、新設縦枠34が配置される。アタッチメント縦枠44は、既設縦枠24と新設縦枠34とを接続する。アタッチメント縦枠44は、例えば、アルミニウム製の形材により構成される。
【0027】
アタッチメント縦枠44は、既設縦枠24及び新設縦枠34の間に配置され、上下方向に延びる長尺の部材である。アタッチメント縦枠44は、既設縦枠24の内周側に接続される。アタッチメント縦枠44は、既設縦枠24の左右方向の内側に配置され、既設縦枠24に固定される。
【0028】
アタッチメント縦枠44は、室内外方向に延びる。アタッチメント縦枠44は、室内外方向に延びる室内外方向延在板441と、室内外方向延在板441の室内側X2の端部に配置され室内外方向に延びる室内側端部延出部442(室内側延出部)と、室内外方向延在板441の室内外方向の室外側X1の端部寄りに形成され左右方向の外側に突出する突出片443と、を有する。
【0029】
室内外方向延在板441は、室内外方向の途中において、ネジ141により、既設縦枠24の室内外方向延在板241に固定される。
【0030】
突出片443は、既設縦枠24の室外側突出板242の室内側X2の面に沿って左右方向の外側に突出する。室内外方向延在板441の室外側X1の端部には、縦枠カバー部54が固定される。
【0031】
室内外方向延在板441の室外側X1の端部の左右方向の内側の面には、縦枠カバー部54が固定される。縦枠カバー部54は、室内側X2の端部に形成されL字状に形成されるL字接続部541と、L字接続部541の室外側X1の端部に配置されるL字カバー部543(室外側部分)と、を有する。
【0032】
L字接続部541は、アタッチメント縦枠44の室内外方向延在板441の室外側X1の端部の左右方向の内側の面に沿って配置され室内外方向延在板541aと、室内外方向延在板541aの室外側X1の端部から左右方向の外側に延びる見付方向延在板541bと、を有する。室内外方向延在板541aは、段差状に形成される。室内外方向延在板541aは、アタッチメント縦枠44の室内外方向延在板441の室外側X1の端部にネジ142により固定される。
【0033】
見付方向延在板541bの左右方向の外側の端部において、見付方向延在板541bの室内側X2の面には、気密材545が取り付けられる。気密材545は、既設縦枠24の左右方向の内側において、L字接続部541の見付方向延在板541bと既設縦枠24の室外側突出板242の室外側X1の面との間に配置される。
【0034】
L字カバー部543は、縦枠カバー部54の室外側X1の端部に配置される。L字カバー部543は、既設縦枠24よりも室外側X1に突出して配置され、室内側X2及び左右方向の内側に向けて開放するL字状に形成される。L字カバー部543は、新設縦枠34の室外側X1に配置される。L字カバー部543は、新設縦枠34の室外側X1の端部の少なくとも一部を覆うように配置される。
【0035】
新設縦枠34は、アタッチメント縦枠44の内周側(アタッチメント縦枠44の左右方向の内側)に、スペーサ部材641を介して、取り付けられる。新設縦枠34は、アタッチメント縦枠44の室内外方向延在板441の左右方向の内側の面との間に、板状のスペーサ部材641を挟んだ状態で、スペーサ部材641の左右方向の内側の面に配置される。
【0036】
スペーサ部材641は、1枚以上のシートによって構成される。スペーサ部材641を構成するシートの厚み及びシートの積層数は、アタッチメント縦枠44と新設縦枠34との間の隙間の大きさ等に応じて適宜設定される。
【0037】
新設縦枠34は、新設縦枠室外側中空部341と、新設縦枠室内側中空部342と、室外側気密材取付部346と、を有する。
【0038】
新設縦枠室外側中空部341及び新設縦枠室内側中空部342は、いずれも室内外方向に延びる細長い長方形状の中空状に形成され、室内外方向に並んで配置される。新設縦枠室外側中空部341が室外側X1に配置され、新設縦枠室内側中空部342が室内側X2に配置されている。
【0039】
新設縦枠室外側中空部341は、新設縦枠34の室内外方向の中央付近において、ネジ143により、アタッチメント縦枠44の室内外方向延在板441に固定される。
【0040】
ネジ143は、左右方向の内側から外側に向けて順に、新設縦枠室外側中空部341の左右方向の外側面板341a及びアタッチメント縦枠44の室内外方向延在板441を貫通する。これにより、ネジ143は、新設縦枠室外側中空部341及びアタッチメント縦枠44の室内外方向延在板441を共締めにより固定することで、新設縦枠室外側中空部341をアタッチメント縦枠44に固定する。新設縦枠室外側中空部331の左右方向の外側面板331bには、ネジ141を通すための貫通孔341cが設けられ、ネジ141が貫通孔341cを通されて、ネジ141により、新設縦枠室外側中空部341及びアタッチメント縦枠44の室内外方向延在板441が固定される。ネジ141が通された後に、貫通孔341cには、キャップ341dが取り付けられる。
【0041】
新設縦枠室内側中空部342の室内側X2の面は、L字状接続部材345を介して、アタッチメント縦枠44の室内側端部延出部442に固定される。L字状接続部材345は、室内側X2及び左右方向の内側に開放して形成され、室内外方向に延びる室内外方向延在板345aと、左右方向に延びる新設枠固定板345bと、を有する。室内外方向延在板345aは、ピン部材144により、新設縦枠室内側中空部342の室内側X2の面に固定される。新設枠固定板345bは、ネジ145により、アタッチメント縦枠44の室内側端部延出部442に固定される。
【0042】
新設縦枠34の新設縦枠室内側中空部342の左右方向の内側の面における室内側X2の端部には、樹脂製のアングル部材74が取り付けられる。アングル部材74には、室内側化粧カバー84(一方側カバー材)が取り付けられる。室内側化粧カバー84は、室外側X1及び左右方向の外側が開放されたL字状に形成され、左右方向(見付方向)に延びる。室内側化粧カバー84は、既設縦枠24、アタッチメント縦枠44及び新設縦枠34の室内側X2に配置され、アタッチメント縦枠44の室内側X2の端部側及び新設縦枠34の室内側X2の端部側を覆うように配置される。室内側化粧カバー84の詳細については後述する。
【0043】
室外側気密材取付部346は、新設縦枠34の室外側X1の端部において、室外側X1に向けて開放して形成される。室外側気密材取付部346には、気密材346aが取り付けられる。気密材346aは、新設縦枠34の室外側X1の端部の室外側X1の面と、縦枠カバー部54のL字カバー部543の左右方向の内側(見付方向の内側)に突出する突出板543aの室内側X2の面との間に配置される。
【0044】
次に、方立5の左右方向の他方側に接続される既設縦枠25側の改装構造について説明する。方立5の左右方向の一方側に接続される既設縦枠25の内周側には、アタッチメント縦枠45(
図2参照)を介して、新設縦枠35が配置される。アタッチメント縦枠45は、既設縦枠25と新設縦枠35とを接続する。アタッチメント縦枠45は、例えば、アルミニウム製の形材により構成される。
【0045】
アタッチメント縦枠45は、既設縦枠25及び新設縦枠35の間に配置され、上下方向に延びる長尺の部材である。アタッチメント縦枠45は、既設縦枠25の内周側に接続される。アタッチメント縦枠45は、既設縦枠25の左右方向の内側に配置され、既設縦枠25に固定される。
【0046】
アタッチメント縦枠45は、室内外方向に延びる。アタッチメント縦枠45は、室内外方向に延びる室内外方向延在板451と、室内外方向延在板451の室内側X2の端部に配置され室内外方向に延びる室内側端部延出部452(室内側延出部)と、室内外方向延在板451の室内外方向の室外側X1の端部寄りに形成され左右方向の外側に突出する突出片453と、を有する。
【0047】
室内外方向延在板451は、室内外方向の途中において、ネジ151により、既設縦枠25の室内外方向延在板251に固定される。
【0048】
突出片453は、既設縦枠25の室外側突出板252の室内側X2の面に沿って左右方向の外側に突出する。室内外方向延在板451の室外側X1の端部には、縦枠カバー部55が固定される。
【0049】
室内外方向延在板451の室外側X1の端部の左右方向の内側の面には、縦枠カバー部55が固定される。縦枠カバー部55は、室内側X2の端部に形成されL字状に形成されるL字接続部551と、L字接続部551の室外側X1の端部に配置されるL字カバー部553(室外側部分)と、を有する。
【0050】
L字接続部551は、アタッチメント縦枠45の室内外方向延在板451の室外側X1の端部の左右方向の内側の面に沿って配置され室内外方向延在板551aと、室内外方向延在板551aの室外側X1の端部から左右方向の外側に延びる見付方向延在板551bと、を有する。室内外方向延在板551aは、段差状に形成される。室内外方向延在板551aは、アタッチメント縦枠45の室内外方向延在板451の室外側X1の端部にネジ152により固定される。
【0051】
見付方向延在板551bの左右方向の外側の端部において、見付方向延在板551bの室内側X2の面には、気密材555が取り付けられる。気密材555は、既設縦枠25の左右方向の内側において、L字接続部551の見付方向延在板551bと既設縦枠25の室外側突出板252の室外側X1の面との間に配置される。
【0052】
L字カバー部553は、縦枠カバー部55の室外側X1の端部に配置される。L字カバー部553は、既設縦枠25よりも室外側X1に突出して配置され、室内側X2及び左右方向の内側に向けて開放するL字状に形成される。L字カバー部553は、新設縦枠35の室外側X1に配置される。L字カバー部553は、新設縦枠35の室外側X1の端部の少なくとも一部を覆うように配置される。
【0053】
新設縦枠35は、アタッチメント縦枠45の内周側(アタッチメント縦枠45の左右方向の内側)に、スペーサ部材651を介して、取り付けられる。新設縦枠35は、アタッチメント縦枠45の室内外方向延在板451の左右方向の内側の面との間に、板状のスペーサ部材651を挟んだ状態で、スペーサ部材651の左右方向の内側の面に配置される。
【0054】
スペーサ部材651は、1枚以上のシートによって構成される。スペーサ部材651を構成するシートの厚み及びシートの積層数は、アタッチメント縦枠45と新設縦枠35との間の隙間の大きさ等に応じて適宜設定される。
【0055】
新設縦枠35は、新設縦枠外側中空部351と、新設縦枠内側中空部352と、室外側気密材取付部356と、を有する。
【0056】
新設縦枠外側中空部351及び新設縦枠内側中空部352は、いずれも室内外方向に延びる細長い長方形状の中空状に形成され、左右方向に並んで配置される。新設縦枠外側中空部351が左右方向の外側に配置され、新設縦枠内側中空部352が左右方向の内側に配置されている。新設縦枠室外側中空部341及び新設縦枠内側中空部352の室内側X2の端面は、室内外方向において同じ位置に配置され、面一に形成されている。新設縦枠内側中空部352の室内外方向の長さは、新設縦枠外側中空部351の室内外方向の長さよりも短く形成される。
【0057】
室外側気密材取付部356は、新設縦枠35の新設縦枠外側中空部351の室外側X1の端部において、室外側X1に向けて開放して形成される。室外側気密材取付部356には、気密材356aが取り付けられる。気密材356aは、新設縦枠35の室外側X1の端部の室外側X1の面と、縦枠カバー部55のL字カバー部553の左右方向の内側(見付方向の内側)に突出する突出板553aの室内側X2の面との間に配置される。
【0058】
新設縦枠内側中空部352の室内側X2の面は、L字状接続部材355を介して、アタッチメント縦枠45の室内側端部延出部452に固定される。L字状接続部材355は、室内側X2及び左右方向の内側に開放して形成され、室内外方向に延びる室内外方向延在板355aと、左右方向に延びる新設枠固定板355bと、を有する。室内外方向延在板355aは、ピン部材154により、新設縦枠内側中空部352の室内側X2の面に固定される。新設枠固定板355bは、ネジ155により、アタッチメント縦枠45の室内側端部延出部452に固定される。
【0059】
新設縦枠35の新設縦枠内側中空部352の左右方向の内側の面における室内側X2の端部には、樹脂製のアングル部材75が取り付けられる。アングル部材75には、室内側化粧カバー85(他方側カバー材)が取り付けられる。室内側化粧カバー85は、室外側X1及び左右方向の外側が開放されたL字状に形成され、左右方向(見付方向)に延びる。室内側化粧カバー85は、既設縦枠25、アタッチメント縦枠45及び新設縦枠35の室内側X2に配置され、アタッチメント縦枠45の室内側X2の端部側及び新設縦枠35の室内側X2の端部側を覆うように配置される。室内側化粧カバー85の詳細については後述する。
【0060】
新設縦枠内側中空部352の室外側X1の端部には、新設縦枠内側中空部352の室外側X1の端部から左右方向の内側に突出する支持突出部353が設けられている。支持突出部353と、アングル部材75に取り付けられた支持部材354との間には、FIX障子12が収められている。
【0061】
次に、方立5の左右方向の一方側に配置される窓部10Aの室内側化粧カバー84(一方側カバー材)と、方立5の左右方向の他方側に配置される窓部10Bの室内側化粧カバー85(他方側カバー材)とについて詳細に説明すると共に、室内側化粧カバー84,85との間に配置される隙間塞ぎ部材9について説明する。窓部10Aの室内側化粧カバー84(一方側カバー材)、窓部10Bの室内側化粧カバー85(他方側カバー材)、及び、室内側化粧カバー84,85との間に配置される隙間塞ぎ部材9は、本開示のカバー材90を構成する。カバー材90は、窓を連窓する際の方立(枠連結部材)を室内側X2から隠すカバー材である。
【0062】
室内側化粧カバー84、85は、
図2に示すように、アングル部材74,75に固定される固定部841,851と、固定部841,851の室外側X1に接続される中空部842,852と、中空部842,852の室内側X2の端部からそれぞれが近づく側に左右方向(見付方向)に延びる室内側カバー壁843,853と、を有する。室内側カバー壁843,853の室外側X1の面には、複数の突起843a,853aが形成され、突起843a,853aの付け根には切り取り溝843b,853bが形成されている。室内側カバー壁843,853は、いずれかの切り取り溝843b,853bに沿って、カッターの刃を滑らせることによって、あるいは手で折ることによって、簡単に切断することができる。
【0063】
室内側化粧カバー84,85は、それぞれ、室内側カバー壁843,853の先端同士が互いに近づく側に延びることで、方立5の室内側X2を覆うように配置されている。室内側化粧カバー84,85の間には、隙間塞ぎ部材9が配置される。
【0064】
隙間塞ぎ部材9は、室内側化粧カバー84,85に跨って配置され、室内側化粧カバー84,85の間の隙間を塞ぐ。隙間塞ぎ部材9は、室内側外面板911(塞ぎ面部)と、室内側外面板911の室外側X1の背面に接続され室内側化粧カバー84,85の室内側カバー壁843,853の先端同士の間に配置される隙間配置部912と、隙間配置部912の室外側X1の端部から左右方向の両側に突出する一対の挟み込み壁913と、隙間配置部912の室外側X1の端部から室外側X1に延びる室外側延出板914(スペーサ部)と、を有する。
【0065】
室内側外面板911は、室内側化粧カバー84,85の室内側カバー壁843,853の室内側X2の面に沿って配置される。室内側外面板911は、室内側化粧カバー84,85の間の隙間を塞ぐように、室内側化粧カバー84の室内側X2の面及び室内側化粧カバー85の室内側X2の面に跨って、左右方向に延びて配置される。
【0066】
室内側外面板911の背面の両端部には、一対の突起911aが形成されており、室内側外面板911の背面の左右方向の中央には、凸部911bが形成されている。一対の突起911a及び凸部911bは、室内側化粧カバー84,85の室内側カバー壁843,853の面に当接する。
【0067】
隙間配置部912は、室内側化粧カバー84,85の室内側カバー壁843,853の先端同士の間に配置される。隙間配置部912は、室内側外面板911の左右方向の中央において、室内側外面板911の背面に接続され、室外側X1の背面から室外側X1に突出する。
【0068】
一対の挟み込み壁913は、室内側化粧カバー84,85の室内側カバー壁843,853を室内側外面板911との間に挟み込む位置において左右方向の両側に突出する。一対の挟み込み壁913は、それぞれ、室内側化粧カバー84,85の室内側カバー壁843,853の室外側X1の面に沿って配置される。一対の挟み込み壁913の室内側X2の面には、複数の嵌合突起913a(嵌合部)が形成される。複数の嵌合突起913aは、室内側化粧カバー84,85の室内側カバー壁843,853の室外側X1の面から突出する複数の突起843a,853aに嵌合する。
【0069】
室外側延出板914は、隙間配置部912の室外側X1の端部から室外側X1に延びる。室外側延出板914は、室外側X1の先端が、方立5の室内側X2に取り付けられた方立室内側カバー材53の室内側X2の面に当接又は近接する位置に配置されている。室外側延出板914は、室内側化粧カバー84,85の室内側カバー壁843,853と方立室内側カバー材53との間に亘って配置され、室内側化粧カバー84,85の室内側カバー壁843,853と方立室内側カバー材53との間の室内外方向の隙間を埋めるスペーサとして機能する。
【0070】
室外側延出板914には、左右方向の両側に突出する一対の突起914aが、室内外方向に複数並んで配置される。突起914aの付け根には切り取り溝914bが形成されている。室外側延出板914は、いずれかの切り取り溝914bに沿って、カッターの刃を滑らせることによって、あるいは手で折ることによって、簡単に切断することができる。いずれかの切り取り溝914bに沿って切断することにより、室内側化粧カバー84,85の室内側カバー壁843,853と方立室内側カバー材53との間の室内外方向の隙間の大きさに応じて、室外側延出板914の室内外方向の長さを調整できる。
【0071】
以上のように構成される隙間塞ぎ部材9を室内側化粧カバー84,85の間に取り付ける場合には、上下方向の一方側から、複数の嵌合突起913aを、室内側化粧カバー84,85の室内側カバー壁843,853の複数の突起843a,853aに嵌合させた状態で、隙間塞ぎ部材9をスライドさせて挿入して室内側化粧カバー84,85に取り付けてもよいし、室内側化粧カバー84,85のいずれか一方側において、複数の嵌合突起913aを、室内側化粧カバー84,85の室内側カバー壁843,853の複数の突起843a,853aに嵌合させた後に、室内側化粧カバー84,85のいずれか他方側において、複数の嵌合突起913aを、室内側化粧カバー84,85の室内側カバー壁843,853の複数の突起843a,853aに嵌合させることで、隙間塞ぎ部材9を室内側化粧カバー84,85に取り付けてもよい。
【0072】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態のカバー材90は、窓を連窓する際の方立5を隠すカバー材であって、カバー材90は、新設枠3Aに配置される室内側化粧カバー84と、新設枠3Bに配置される室内側化粧カバー85と、室内側化粧カバー84と室内側化粧カバー85との隙間を塞ぐ隙間塞ぎ部材9と、を備え、隙間塞ぎ部材9は、室内側化粧カバー84と室内側化粧カバー85との間の隙間を塞ぐように室内側化粧カバー84の室内側X2の面及び室内側化粧カバー85の室内側X2の面に跨って配置される室内側外面板911と、室内側外面板911の背面に接続され室内側化粧カバー84と室内側化粧カバー85との間に配置される隙間配置部912と、を有する。これにより、室内側外面板911を室内側化粧カバー84の室内側X2の面及び室内側化粧カバー85の室内側X2の面に跨って配置した状態で、室内側化粧カバー84と室内側化粧カバー85との間に隙間配置部912を配置できるため、室内側化粧カバー84と室内側化粧カバー85とを安定した状態で、隙間塞ぎ部材9を取り付けることができる。
【0073】
本実施形態においては、隙間塞ぎ部材9は、室内側化粧カバー84及び室内側化粧カバー85に嵌合する嵌合突起913aを有する。これにより、隙間塞ぎ部材9を貼り付けたりせずに、隙間塞ぎ部材9を嵌合させるだけで、隙間塞ぎ部材9を簡単に取り付けることができる。また、隙間塞ぎ部材9を、室内側化粧カバー84及び室内側化粧カバー85に嵌合により取り付けることができるため、隙間塞ぎ部材9の脱落を抑制できる。
【0074】
本実施形態においては、隙間塞ぎ部材9は、方立5との間に配置される室外側延出板914を有する。これにより、室外側延出板914は、方立5と室内側化粧カバー84,85との間のスペーサとして機能し、室内側化粧カバー84,85が室外側X1に押されて凹んでしまうことを抑制できる。また、室外側延出板914を板材により構成することで、簡単な構成で、方立5と室内側化粧カバー84,85との間に配置するスペーサとして機能させることができる。
【0075】
次に、
図3により、第2実施形態のカバー材90Aの隙間塞ぎ部材9Aについて説明する。第2実施形態において、上述の第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0076】
図3に示すように、第2実施形態の室内側化粧カバー84A,85Aの室内側カバー壁843A,853Aの左右方向の先端までの長さは、第1実施形態の室内側化粧カバー84,85の室内側カバー壁843,853の左右方向の先端までの長さと比べて、短く形成される。そのため、第2実施形態の室内側化粧カバー84A,85Aの室内側カバー壁843A,853Aの間の左右方向の隙間の長さは、第1実施形態の室内側化粧カバー84,85の室内側カバー壁843,853の間の左右方向の隙間の大きさよりも大きく形成される。
【0077】
第2実施形態の隙間塞ぎ部材9Aは、室内側化粧カバー84A,85Aに跨って配置され、室内側化粧カバー84A,85Aの間の隙間を塞ぐ。隙間塞ぎ部材9Aは、室内側外面板921(塞ぎ面部)と、室内側外面板921の室外側X1の背面に接続され室内側化粧カバー84A,85Aの室内側カバー壁843A,853Aの先端同士の間に配置される中空状に形成される隙間配置中空部922と、隙間配置中空部922の側面の室外側X1の端部から左右方向の両側に突出する一対の挟み込み壁923と、隙間配置中空部922と方立室内側カバー材53との間に配置されるスペーサ部材924(スペーサ部)と、を有する。
【0078】
室内側外面板921は、室内側化粧カバー84A,85Aの室内側カバー壁843A,853Aの室内側X2の面に沿って配置される。室内側外面板921は、室内側化粧カバー84A,85Aの間の隙間を塞ぐように、室内側化粧カバー84Aの室内側X2の面及び室内側化粧カバー85Aの室内側X2の面に跨って、左右方向に延びて配置される。
【0079】
室内側外面板921の背面の両端部には、一対の突起921aが形成されており、室内側外面板921の背面の左右方向の中央に配置される隙間配置中空部922の両端には、一対の凸部921bが形成されている。一対の突起921a及び一対の凸部921bは、室内側化粧カバー84A,85Aの室内側カバー壁843A,853Aの室内側X2の面に当接する。
【0080】
隙間配置中空部922は、室内側化粧カバー84A,85Aの室内側カバー壁843A,853Aの先端同士の間に配置される。隙間配置中空部922は、室内側外面板921の背面に接続され、室内側外面板921の左右方向の中央において、室外側X1の背面から室外側X1に突出する。隙間配置中空部922は、左右方向に延びる断面形状が長方形状の中空状の中空部を有し、室内外方向に幅を有すると共に、左右方向に延びる。隙間配置中空部922は、中空部を有するホロー部により構成される。
【0081】
一対の挟み込み壁923は、室内側化粧カバー84A,85Aの室内側カバー壁843A,853Aを室内側外面板921との間に挟み込む位置において左右方向の両側に突出する。一対の挟み込み壁923は、それぞれ、室内側化粧カバー84A,85Aの室内側カバー壁843A,853Aの室外側X1の面に沿って配置される。一対の挟み込み壁923の室内側X2の面には、複数の嵌合突起923a(嵌合部)が形成される。複数の嵌合突起923aは、室内側化粧カバー84A,85Aの室内側カバー壁843A,853Aの室外側X1の面から突出する複数の突起843a,853aに嵌合する。
【0082】
スペーサ部材924は、隙間配置中空部922と方立5の室内側X2に取り付けられた方立室内側カバー材53との間に配置される。スペーサ部材924は、断面形状が左右方向に延びる長方形状に形成され、隙間配置中空部922と方立5の室内側X2に取り付けられた方立室内側カバー材53との間との隙間を埋めるように配置される。スペーサ部材924は、隙間配置中空部922と方立室内側カバー材53との間に亘って配置され、隙間配置中空部922と方立室内側カバー材53との間の室内外方向の隙間を埋めるスペーサとして機能する。
【0083】
第2実施形態のカバー材90Aによれば、第1実施形態と同様の効果に加えて、隙間配置中空部922が中空部を有するホロー部により構成されるため、断熱性能を向上できる。
【0084】
次に、
図4により、第3実施形態のカバー材90Bの隙間塞ぎ部材9Bについて説明する。
図4に示すように、第3実施形態の隙間塞ぎ部材9Bは、第2実施形態の隙間塞ぎ部材9Aの隙間配置中空部922に代えて、2つの隙間配置中空部922a及び隙間配置中空部922bを有する。第3実施形態において、上述の第2実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0085】
図4に示すように、2つの隙間配置中空部922a及び隙間配置中空部922bは、断面形状が左右方向(見付方向)に延びる細長状の中空状の中空部を有し、室内外方向に並んで配置される。2つの隙間配置中空部922a及び隙間配置中空部922bは、いずれも、中空部を有するホロー部により構成される。
【0086】
第3実施形態のカバー材90Bによれば、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果に加えて、2つの隙間配置中空部922a及び隙間配置中空部922bの中空部が室内外方向に並んで配置されるため、二重の中空部を備えることにより、二重の断熱性能を有し、断熱性能を向上できる。
【0087】
次に、
図5により、第4実施形態のカバー材90Cの隙間塞ぎ部材9Cについて説明する。
図5に示すように、第4実施形態の隙間塞ぎ部材9Cは、第2実施形態の隙間塞ぎ部材9Aのスペーサ部材924(スペーサ部)に代えて、室外側延出板925を有する。第4実施形態において、上述の第2実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0088】
室外側延出板925は、第1実施形態の室外側延出板914と同様の構成である。
図5に示すように、室外側延出板925は、隙間配置中空部922の室外側X1の端部から室外側X1に延びる。室外側延出板914は、室外側X1の先端が、方立5の室内側X2に取り付けられた方立室内側カバー材53の室内側X2の面に当接又は近接する位置に配置されている。室外側延出板914は、室内側化粧カバー84A,85Aの室内側カバー壁843A,853Aと方立室内側カバー材53との間に配置され、室内側化粧カバー84A,85Aの室内側カバー壁843A,853Aと方立室内側カバー材53との間の室内外方向の隙間を埋めるスペーサとして機能する。
【0089】
室外側延出板925には、左右方向の両側に突出する突起925aが、室内外方向に複数並んで配置される。突起925aの付け根には切り取り溝925bが形成されている。室外側延出板925の突起925a及び切り取り溝925bは、第1実施形態の室外側延出板914の突起914a及び切り取り溝914bと同様の構成であるため、第1実施形態の説明を援用して、その説明を省略する。
【0090】
第4実施形態のカバー材90Cによれば、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0091】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、前記実施形態においては、既設枠と新設枠との間にアタッチメントを設けて構成したが、これに限定されない。既設枠と新設枠との間にアタッチメントを設けなくてもよく、既設枠に新設枠を直接取り付ける構成としてもよい。
【0092】
前記実施形態においては、窓を枠連結部材によって連結した構造について、窓を方立(枠連結部材)によって連窓した構造に適用する場合について説明したが、これに限定されない。窓を無目(枠連結部材)によって段窓した構造に適用してもよい。
【0093】
前記実施形態においては、カバー材を改装建具に適用した場合について説明したが、これに限定されない。カバー材を、改装建具ではない建具に適用してもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 改装建具、2A 既設枠(一方側既設枠)、2B 既設枠(他方側既設枠)、3A 新設枠(一方側枠、一方側新設枠)、3B 新設枠(他方側枠、他方側新設枠)、5 方立(枠連結部材)、9,9A,9B、9C 隙間塞ぎ部材、84 室内側化粧カバー(一方側カバー材)、85 室内側化粧カバー(他方側カバー材)、90,90A,90B、90C カバー材、911 室内側外面板(塞ぎ面部)、912 隙間配置部、913a 嵌合突起(嵌合部)、914 室外側延出板(スペーサ部)、921 室内側外面板(塞ぎ面部)、923a 嵌合突起(嵌合部)、925 室外側延出板(スペーサ部)