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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108277
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/02 20060101AFI20240805BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240805BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20240805BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
G03G15/02 103
G03G21/00 510
G03G21/00 310
G03G21/14
G03G15/08 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012564
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】平野 草太
(72)【発明者】
【氏名】吉元 俊二
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】柴田 千晴
(72)【発明者】
【氏名】小森 彩香
【テーマコード(参考)】
2H077
2H134
2H200
2H270
【Fターム(参考)】
2H077AD06
2H077BA07
2H077BA09
2H077DA16
2H077DB21
2H077DB25
2H077GA04
2H134GA01
2H134GA02
2H134GA10
2H134GB02
2H134HA12
2H134HA16
2H134HF13
2H134HF14
2H134HF16
2H134KB20
2H134KC02
2H134KG03
2H134KG04
2H134KG05
2H134KG08
2H134KH16
2H200FA16
2H200GA52
2H200GB02
2H200GB15
2H200HA02
2H200HA29
2H200HB12
2H200HB22
2H200JA02
2H200JA29
2H200JB07
2H200JB32
2H200JB42
2H200LA24
2H200LB15
2H200LB18
2H200LB39
2H200PA05
2H200PA10
2H270KA09
2H270KA26
2H270LA02
2H270LA04
2H270LA07
2H270LA44
2H270LA60
2H270LA67
2H270LA87
2H270LA91
2H270MC16
2H270MC32
2H270MC38
2H270MC39
2H270MC52
2H270MC71
2H270MD29
2H270MF17
2H270NC01
2H270NC07
2H270RA10
2H270RA14
2H270RC13
2H270RC14
2H270RC16
2H270RC17
2H270RC18
2H270ZC03
(57)【要約】
【課題】帯電ローラに蓄積した逆帯電トナーを適切に除去することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】制御部は、画像形成処理を実行していないときに、帯電ローラ53上の逆帯電トナーを回収する際に、現像ローラ61を離間位置に位置させる離間処理と、帯電ローラ53に、帯電ローラ53上の逆帯電トナーが帯電ローラ53から感光ドラムに移動するようなバイアスを印加する逆帯電トナー吐出処理と、逆帯電トナー吐出処理の後、帯電ローラ53に、画像形成する場合よりも絶対値が大きいバイアスを印加して、感光ドラム52上の逆帯電トナーを第1の極性に帯電させる順帯電処理と、感光ドラム52上の順帯電トナーを、感光ドラム52から転写ベルト73に転写し、転写ベルト73上の順帯電トナーをベルトクリーナ90で回収するドラム順帯電トナー回収処理と、を実行する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光ドラムと、
前記感光ドラムを帯電させる帯電ローラと、
帯電後の前記感光ドラムに形成された静電潜像に第1の極性に帯電した順帯電トナーを供給して前記感光ドラムにトナー像を形成する現像ローラと、
前記感光ドラムに接触する無端状のベルトと、
前記感光ドラムに形成されたトナー像を被転写体に転写する転写ローラであって、前記ベルトを挟んで前記感光ドラムと向かい合う転写ローラと、
転写後に前記感光ドラム上に残ったトナーを回収するクリーニングローラと、
前記ベルト上のトナーを回収するベルトクリーナと、
前記現像ローラを、前記感光ドラムに接触した接触位置と、前記感光ドラムから離間した離間位置との間で移動させる接触離間機構と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記帯電ローラに前記第1の極性のバイアスを印加して前記感光ドラムを前記第1の極性に帯電させ、前記現像ローラから前記感光ドラムに順帯電トナーを供給してトナー像を形成し、前記トナー像を前記感光ドラムと前記転写ローラの間で被転写体に転写する画像形成処理を実行可能であり、
前記画像形成処理を実行していないときに、前記帯電ローラに蓄積された、前記第1の極性とは逆の第2の極性に帯電した逆帯電トナーを順帯電化して前記帯電ローラから回収する、順帯電による回収処理として、
接触離間機構を制御することで前記現像ローラを離間位置に位置させる離間処理と、
前記帯電ローラに、前記帯電ローラ上の逆帯電トナーが前記帯電ローラから前記感光ドラムに移動するようなバイアスを印加する逆帯電トナー吐出処理と、
前記逆帯電トナー吐出処理の後、前記帯電ローラに、画像形成する場合よりも絶対値が大きいバイアスを印加して、前記感光ドラム上の逆帯電トナーを前記第1の極性に帯電させる順帯電処理と、
前記感光ドラム上の順帯電トナーを、前記感光ドラムから前記ベルトに転写し、前記ベルト上の順帯電トナーを前記ベルトクリーナで回収するドラム順帯電トナー回収処理と、
を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記逆帯電トナー吐出処理において、前記帯電ローラに、前記第2の極性のバイアスを印加することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記逆帯電トナー吐出処理において、前記帯電ローラに、前記第1の極性で前記感光ドラムの表面電位より絶対値が小さい電位のバイアスを印加することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記感光ドラムの表面に対向して配置された除電装置であって、前記感光ドラムの回転方向における、前記転写ローラと前記感光ドラムが向かい合う転写位置と、前記クリーニングローラと前記感光ドラムが向かい合うクリーニング位置との間に位置する除電装置をさらに備え、
前記制御部は、
前記画像形成処理において、前記除電装置をONにして前記感光ドラムの表面を除電し、
前記逆帯電トナー吐出処理において、前記除電装置をOFFにして前記感光ドラムの表面電位を前記第1の極性に保つことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記逆帯電トナー吐出処理において、前記クリーニングローラに前記第1の極性のバイアスを印加して、逆帯電トナーを前記第1の極性に帯電させることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記感光ドラムの表面に対向して配置された除電装置であって、前記感光ドラムの回転方向における、前記転写ローラと前記感光ドラムが向かい合う転写位置と、前記クリーニングローラと前記感光ドラムが向かい合うクリーニング位置との間に位置する除電装置をさらに備え、
前記制御部は、
前記画像形成処理において、前記除電装置をONにして前記感光ドラムの表面を除電し、
前記逆帯電トナー吐出処理において、前記除電装置をONにして前記感光ドラムの表面を除電するとともに、前記帯電ローラに、前記第2の極性のバイアスを印加して前記帯電ローラから前記感光ドラムに逆帯電トナーを移動させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記感光ドラムの表面に対向して配置された除電装置であって、前記感光ドラムの回転方向における、前記転写ローラと前記感光ドラムが向かい合う転写位置と、前記クリーニングローラと前記感光ドラムが向かい合うクリーニング位置との間に位置する除電装置をさらに備え、
前記制御部は、
前記画像形成処理において、前記除電装置をONにして前記感光ドラムの表面を除電し、
前記逆帯電トナー吐出処理において、
前記除電装置をONにして前記感光ドラムの表面を除電し、
前記帯電ローラに、前記第1の極性で前記感光ドラムの表面電位より絶対値が小さい電位のバイアスを印加し、
前記クリーニングローラに前記第1の極性のバイアスを印加することで、前記感光ドラムの表面を前記第1の極性に帯電させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記順帯電処理において、前記クリーニングローラに前記第1の極性のバイアスを印加して、逆帯電トナーを前記第1の極性に帯電させることすることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記現像ローラと、トナーを収容するトナーケースとを有する現像カートリッジを備え、
前記制御部は、
前記現像カートリッジのトナーがエンプティか否かを判定するエンプティ判定処理を実行可能であり、
前記エンプティ判定処理で前記現像カートリッジのトナーがエンプティでないと判定した場合、前記画像形成処理を実行していないときに、前記順帯電による回収処理を実行し、
前記エンプティ判定処理で前記現像カートリッジのトナーがエンプティであると判定した場合、前記画像形成処理を実行していないときに、前記帯電ローラに蓄積された逆帯電トナーを前記帯電ローラから回収する、トナーエンプティ時の回収処理として、
前記逆帯電トナー吐出処理と、
前記接触位置に位置する前記現像ローラに、前記第1の極性のバイアスを印加することにより、前記感光ドラム上の逆帯電トナーを前記感光ドラムから前記現像ローラに移動させて回収する、現像カートリッジへの回収処理と、
を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記トナーエンプティ時の回収処理を実行した後は、前記現像カートリッジが交換されるまでは、画像形成を実行しないことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記エンプティ判定処理において、前記現像カートリッジの交換後の総印刷枚数が所定枚数を超えた場合に、前記現像カートリッジのトナーがエンプティであると判定することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記帯電ローラと接触する帯電ローラクリーナであって、前記帯電ローラ上のトナーとの摩擦により、トナーを前記第1の極性に帯電させることが可能な材料からなる帯電ローラクリーナをさらに備え、
前記制御部は、
前記画像形成処理を実行していないときに、前記帯電ローラに蓄積された、前記第2の極性に帯電した逆帯電トナーを、前記帯電ローラクリーナと逆帯電トナーの摩擦を利用して前記帯電ローラから回収する、摩擦帯電による回収処理を実行可能であり、
前記摩擦帯電による回収処理は、
前記離間処理と、
前記帯電ローラ上の逆帯電トナーと前記帯電ローラクリーナとの摩擦により、前記逆帯電トナーを前記第1の極性に帯電させる摩擦帯電処理と、
前記摩擦帯電処理により前記第1の極性に帯電した順帯電トナーを前記帯電ローラから前記感光ドラムに移動させるようなバイアスを、前記帯電ローラに印加する摩擦帯電トナー吐出処理と、
前記ドラム順帯電トナー回収処理と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記制御部は、温度が所定温度以上、かつ、湿度が所定湿度以上の場合に、前記順帯電による回収処理を実行し、温度が所定温度未満、または、湿度が所定湿度未満の場合に、前記摩擦帯電による回収処理を実行することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記制御部は、
前記画像形成処理において、前記転写ローラに前記第2の極性のバイアスを印加し、
ドラム順帯電トナー回収処理において、前記転写ローラに前記第2の極性のバイアスを印加することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光ドラムを帯電させる帯電ローラを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
帯電ローラを備える画像形成装置においては、正規の極性と逆に帯電したトナーが帯電ローラに蓄積することがある。このため、帯電ローラの清掃動作において、逆帯電トナーを帯電ローラから感光ドラムに付着させ、正規の極性に帯電させた上で現像スリーブに移動させ、現像装置に回収する画像形成装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-071296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、逆帯電したトナーを現像装置に回収し続けると、その後の画像形成の品質に悪影響が出る可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、帯電ローラに蓄積した逆帯電トナーを適切に除去することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
画像形成装置は、感光ドラムと、感光ドラムを帯電させる帯電ローラと、帯電後の感光ドラムに形成された静電潜像に第1の極性に帯電した順帯電トナーを供給して感光ドラムにトナー像を形成する現像ローラと、感光ドラムに接触する無端状のベルトと、感光ドラムに形成されたトナー像を被転写体に転写する転写ローラであって、ベルトを挟んで感光ドラムと向かい合う転写ローラと、転写後に感光ドラム上に残ったトナーを回収するクリーニングローラと、ベルト上のトナーを回収するベルトクリーナと、現像ローラを、感光ドラムに接触した接触位置と、感光ドラムから離間した離間位置との間で移動させる接触離間機構と、制御部と、を備える。
制御部は、帯電ローラに第1の極性のバイアスを印加して感光ドラムを第1の極性に帯電させ、現像ローラから感光ドラムに順帯電トナーを供給してトナー像を形成し、トナー像を感光ドラムと転写ローラの間で被転写体に転写する画像形成処理を実行可能である。
また、制御部は、画像形成処理を実行していないときに、帯電ローラに蓄積された、第1の極性とは逆の第2の極性に帯電した逆帯電トナーを順帯電化して帯電ローラから回収する、順帯電による回収処理として、接触離間機構を制御することで現像ローラを離間位置に位置させる離間処理と、帯電ローラに、帯電ローラ上の逆帯電トナーが帯電ローラから感光ドラムに移動するようなバイアスを印加する逆帯電トナー吐出処理と、逆帯電トナー吐出処理の後、帯電ローラに、画像形成する場合よりも絶対値が大きいバイアスを印加して、感光ドラム上の逆帯電トナーを第1の極性に帯電させる順帯電処理と、感光ドラム上の順帯電トナーを、感光ドラムからベルトに転写し、ベルト上の順帯電トナーをベルトクリーナで回収するドラム順帯電トナー回収処理と、を実行する。
【0007】
この画像形成装置では、制御部は、現像ローラを離間位置に位置させた状態で、逆帯電トナー吐出処理により帯電ローラ上の逆帯電トナーを帯電ローラから感光ドラムに移動させる。そして、制御部は、順帯電処理により感光ドラム上の逆帯電トナーを第1の極性に帯電させ、ドラム順帯電トナー回収処理により感光ドラム上の順帯電トナーを、感光ドラムからベルトに転写し、ベルト上の順帯電トナーをベルトクリーナで回収する。このため、帯電ローラに蓄積した逆帯電トナーを、適切に除去することができる。
【0008】
制御部は、逆帯電トナー吐出処理において、帯電ローラに、第2の極性のバイアスを印加してもよい。
【0009】
制御部は、逆帯電トナー吐出処理において、帯電ローラに、第1の極性で感光ドラムの表面電位より絶対値が小さい電位のバイアスを印加してもよい。
【0010】
逆帯電トナー吐出処理において、帯電ローラに第2の極性のバイアスを印加しないことで、帯電ローラにバイアスを印加する電気回路を簡素化することができる。
【0011】
画像形成装置は、感光ドラムの表面に対向して配置された除電装置であって、感光ドラムの回転方向における、転写ローラと感光ドラムが向かい合う転写位置と、クリーニングローラと感光ドラムが向かい合うクリーニング位置との間に位置する除電装置をさらに備えていてもよい。この場合、制御部は、画像形成処理において、除電装置をONにして感光ドラムの表面を除電し、逆帯電トナー吐出処理において、除電装置をOFFにして感光ドラムの表面電位を第1の極性に保ってもよい。
【0012】
逆帯電トナー吐出処理において、除電装置をOFFにして、感光ドラムの表面電位を第1の極性に保つことで、逆帯電トナーを帯電ローラから感光ドラムに移動させやすい。
【0013】
制御部は、逆帯電トナー吐出処理において、クリーニングローラに第1の極性のバイアスを印加して、逆帯電トナーを第1の極性に帯電させることもできる。
【0014】
これにより、感光ドラム上の逆帯電トナーの順帯電化を補助することができる。また、逆帯電トナー吐出処理において、感光ドラムの表面電位を高く保つことで、逆帯電トナーを帯電ローラから感光ドラムに移動させやすい。
【0015】
画像形成装置は、感光ドラムの表面に対向して配置された除電装置であって、感光ドラムの回転方向における、転写ローラと感光ドラムが向かい合う転写位置と、クリーニングローラと感光ドラムが向かい合うクリーニング位置との間に位置する除電装置をさらに備えることができる。この場合、制御部は、画像形成処理において、除電装置をONにして感光ドラムの表面を除電し、逆帯電トナー吐出処理において、除電装置をONにして感光ドラムの表面を除電するとともに、帯電ローラに、第2の極性のバイアスを印加して帯電ローラから感光ドラムに逆帯電トナーを移動させてもよい。
【0016】
画像形成装置は、感光ドラムの表面に対向して配置された除電装置であって、感光ドラムの回転方向における、転写ローラと感光ドラムが向かい合う転写位置と、クリーニングローラと感光ドラムが向かい合うクリーニング位置との間に位置する除電装置をさらに備えることができる。この場合、制御部は、画像形成処理において、除電装置をONにして感光ドラムの表面を除電する。そして、制御部は、逆帯電トナー吐出処理において、除電装置をONにして感光ドラムの表面を除電し、帯電ローラに、第1の極性で感光ドラムの表面電位より絶対値が小さい電位のバイアスを印加し、クリーニングローラに第1の極性のバイアスを印加することで、感光ドラムの表面を第1の極性に帯電させることができる。
【0017】
逆帯電トナー吐出処理において、帯電ローラに第2の極性のバイアスを印加しないことで、帯電ローラにバイアスを印加する電気回路を簡素化することができる。
【0018】
制御部は、順帯電処理において、クリーニングローラに第1の極性のバイアスを印加して、逆帯電トナーを前記第1の極性に帯電させてもよい。
【0019】
これにより、感光ドラム上の逆帯電トナーの順帯電化を補助することができる。
【0020】
画像形成装置は、現像ローラと、トナーを収容するトナーケースとを有する現像カートリッジを備えることができる。
この場合に、制御部は、現像カートリッジのトナーがエンプティか否かを判定するエンプティ判定処理を実行可能であり、エンプティ判定処理で現像カートリッジのトナーがエンプティでないと判定した場合、画像形成処理を実行していないときに、順帯電による回収処理を実行し、エンプティ判定処理で現像カートリッジのトナーがエンプティであると判定した場合、画像形成処理を実行していないときに、帯電ローラに蓄積された逆帯電トナーを帯電ローラから回収する、トナーエンプティ時の回収処理を実行してもよい。
トナーエンプティ時の回収処理は、逆帯電トナー吐出処理と、接触位置に位置する現像ローラに、第1の極性のバイアスを印加することにより、感光ドラム上の逆帯電トナーを感光ドラムから現像ローラに移動させて回収する、現像カートリッジへの回収処理と、を実行する。
【0021】
トナーエンプティ時に限り、帯電ローラ上の逆帯電トナーを現像カートリッジに回収することで、現像カートリッジに逆帯電トナーを回収しても、その後の画像形成に影響を与えることがない。
【0022】
制御部は、トナーエンプティ時の回収処理を実行した後は、現像カートリッジが交換されるまでは、画像形成を実行しないように構成されていてもよい。
【0023】
制御部は、エンプティ判定処理において、現像カートリッジの交換後の総印刷枚数が所定枚数を超えた場合に、現像カートリッジのトナーがエンプティであると判定することができる。
【0024】
画像形成装置は、帯電ローラと接触する帯電ローラクリーナであって、帯電ローラ上のトナーとの摩擦により、トナーを第1の極性に帯電させることが可能な材料からなる帯電ローラクリーナをさらに備えることができる。この場合、制御部は、画像形成処理を実行していないときに、帯電ローラに蓄積された、第2の極性に帯電した逆帯電トナーを、帯電ローラクリーナと逆帯電トナーの摩擦を利用して帯電ローラから回収する、摩擦帯電による回収処理を実行可能であってもよい。
摩擦帯電による回収処理は、離間処理と、帯電ローラ上の逆帯電トナーと帯電ローラクリーナとの摩擦により、逆帯電トナーを第1の極性に帯電させる摩擦帯電処理と、摩擦帯電処理により第1の極性に帯電した順帯電トナーを帯電ローラから感光ドラムに移動させるようなバイアスを、帯電ローラに印加する摩擦帯電トナー吐出処理と、ドラム順帯電トナー回収処理と、を含む。
【0025】
摩擦帯電による回収処理により、帯電ローラ上の逆帯電トナーを、最終的にベルトクリーナで回収することができる。
【0026】
制御部は、温度が所定温度以上、かつ、湿度が所定湿度以上の場合に、順帯電による回収処理を実行し、温度が所定温度未満、または、湿度が所定湿度未満の場合に、摩擦帯電による回収処理を実行することができる。
【0027】
制御部は、画像形成処理において、転写ローラに第2の極性のバイアスを印加し、ドラム順帯電トナー回収処理において、転写ローラに第2の極性のバイアスを印加することができる。
【発明の効果】
【0028】
上述の画像形成装置によれば、帯電ローラに蓄積した逆帯電トナーを適切に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】実施形態に係る画像形成装置を示す図である。
図2】画像形成部の要部とバイアス印加回路を説明する図である。
図3】接触離間機構を説明する図(a),(b)である。
図4】画像形成時のトナーの移動を説明する図である。
図5】クリーニングローラのトナーの回収を説明する図である。
図6】トナーエンプティ時の回収処理を説明する図である。
図7】摩擦帯電による回収処理を説明する図である。
図8】逆帯電トナー吐出処理の第1の例を説明する図である。
図9】逆帯電トナー吐出処理の第2の例を説明する図である。
図10】逆帯電トナー吐出処理の第3の例を説明する図である。
図11】逆帯電トナー吐出処理の第4の例を説明する図である。
図12】順帯電処理およびドラム順帯電トナー回収処理を説明する図である。
図13】順帯電処理の他の例を説明する図である。
図14】第1実施形態における制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
図15】逆バイアスによる回収処理を説明する図である。
図16】逆バイアスによる回収処理の他の例を説明する図である。
図17】第2実施形態における制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[第1実施形態]
次に、第1実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、シートSにカラー画像またはモノクロ画像を形成可能なカラープリンタである。画像形成装置1は、筐体2と、シート供給部3と、画像形成部4と、シート排出部8と、ベルトクリーナ90と、制御部100とを備える。
【0031】
シート供給部3は、被転写体の一例としてのシートSを収容するシートトレイ3Aと、押圧板3Bと、シート供給機構3Cとを備える。シート供給部3は、シートトレイ3A内のシートSを押圧板3Bによってシート供給機構3Cに寄せ、シート供給機構3Cによって1枚ずつ分離して画像形成部4に供給する。
【0032】
画像形成部4は、露光ユニット40と、プロセスユニット50と、転写ユニット70と、定着ユニット80とを備える。
【0033】
露光ユニット40は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した図示しない光源や、ポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備える。露光ユニット40は、一点鎖線で示す光ビームを後述する感光ドラム52に照射することで、感光ドラム52の表面を露光する。
【0034】
プロセスユニット50は、ドロワ51と、4つの感光ドラム52と、4つの帯電ローラ53と、4つの除電装置54と、4つのクリーニングローラ55と、紙粉回収ローラ56と、4つの帯電ローラクリーナ57と、4つの現像カートリッジ60とを備える。
【0035】
ドロワ51は、感光ドラム52や帯電ローラ53などを保持する部材であり、フロントカバー2Aを開いた状態で、筐体2の開口を通して筐体2に対して着脱可能となっている。これにより、感光ドラム52および帯電ローラ53などは交換可能となっている。また、ドロワ51は、各現像カートリッジ60を着脱可能に支持している。これにより、現像カートリッジ60は、ドロワ51を筐体2内から引き出した状態で個別に交換可能となっている。
【0036】
図2に示すように、感光ドラム52は、ブラックに対応する第1感光ドラム52Kと、イエローに対応する第2感光ドラム52Yと、マゼンタに対応する第3感光ドラム52Mと、シアンに対応する第4感光ドラム52Cとを含む。4つの感光ドラム52は、シートSの搬送方向の上流から下流に向けて(前から後に向けて)、第2感光ドラム52Y、第3感光ドラム52M、第4感光ドラム52C、第1感光ドラム52Kの順に並んで配置されている。
【0037】
本明細書および図面においては、各色に対応して設けられた部材について、色を区別する場合には、符号にY,M,C,Kを付し、色を区別しない場合には、符号にY,M,C,Kを付さない。
【0038】
帯電ローラ53は、感光ドラム52を帯電させるローラである。各帯電ローラ53は、金属のシャフトを導電性のゴムで被覆してなる。帯電ローラ53は、第1感光ドラム52Kを帯電させる第1帯電ローラ53Kと、第2感光ドラム52Yを帯電させる第2帯電ローラ53Yと、第3感光ドラム52Mを帯電させる第3帯電ローラ53Mと、第4感光ドラム52Cを帯電させる第4帯電ローラ53Cとを含む。
【0039】
除電装置54は、感光ドラム52の表面に対向して配置されている。詳しくは、除電装置54は、感光ドラム52の回転方向において、転写ローラ74と感光ドラム52が向かい合う転写位置と、クリーニングローラ55と感光ドラム52が向かい合うクリーニング位置との間に位置する。除電装置54は、第1除電装置54Kと、第2除電装置54Yと、第3除電装置54Mと、第4除電装置54Cとを含む。除電装置54は、それぞれ、図示しない光源と、光源からの光を対応する感光ドラム52の表面に均一に導くためのライトガイドなどを備える。
【0040】
除電装置54は、感光ドラム52の表面に光を照射して感光ドラム52の表面電位の絶対値を低下させる。本実施形態では、除電装置54は、対応する感光ドラム52の表面電位をおよそ0Vに低下させる。
【0041】
クリーニングローラ55は、感光ドラム52からシートSへのトナーの転写後に、感光ドラム52の表面に残ったトナーを回収するローラである。クリーニングローラ55は、金属のシャフトを導電性のスポンジで被覆してなる。クリーニングローラ55は、第1クリーニングローラ55Kと、第2クリーニングローラ55Yと、第3クリーニングローラ55Mと、第4クリーニングローラ55Cとを含む。
【0042】
紙粉回収ローラ56は、クリーニングローラ55Yと接触して回転するローラである。紙粉回収ローラ56はバイアスが印加されることでクリーニングローラ55Yの表面の紙粉を回収する。
【0043】
図1に戻り、帯電ローラクリーナ57は、帯電ローラ53と接触して回転するローラである。帯電ローラクリーナ57は、金属のシャフトに、導電性または非導電性の材料を被覆してなる。帯電ローラクリーナ57は、帯電ローラ53上のトナーとの摩擦により、トナーを第1の極性に帯電させることが可能な材料からなる。本実施形態において、第1の極性は正である。帯電ローラクリーナ57は、帯電ローラ53に従動して回転する。その際、帯電ローラクリーナ57と帯電ローラ53の間でわずかなスリップが生じるため、帯電ローラクリーナ57は帯電ローラ53よりもわずかに遅い周速で回転する。
【0044】
本実施形態のように、画像形成時にトナーを正に帯電させる場合、トナーが、スチレンアクリル系樹脂や、ポリエステル系樹脂からなるのであれば、帯電ローラ53の材料をフッ素樹脂などから選択し、帯電ローラクリーナ57の表面の材料をウレタン、シリコーンゴム、フッ素樹脂などから選択すればよい。このような材料を選択することで、帯電ローラ53上にある負に帯電した逆帯電トナーと帯電ローラクリーナ57との摩擦により、逆帯電トナーを正に帯電させることができる。本実施形態における、トナー、帯電ローラ53、帯電ローラクリーナ57の材料の組み合わせは一例である。逆帯電トナーを第1の極性に帯電させることが可能であれば他の材料の組み合わせでもよい。
【0045】
現像カートリッジ60は、ブラックのトナーを収容する第1現像カートリッジ60Kと、イエローのトナーを収容する第2現像カートリッジ60Yと、マゼンタのトナーを収容する第3現像カートリッジ60Mと、シアンのトナーを収容する第4現像カートリッジ60Cとを含む。本実施形態では、トナーは、正帯電性の乾式トナーである。
【0046】
現像カートリッジ60は、それぞれ、現像ローラ61と、供給ローラ62と、層厚規制ブレード63と、トナーを収容するトナーケース64と、アジテータ65とを備える。現像カートリッジ60は、トナーケース64内のトナーをアジテータ65によって攪拌しながら、供給ローラ62に供給する。供給ローラ62に供給されたトナーは、現像ローラ61に供給され、回転する現像ローラ61と層厚規制ブレード63との間で一定の厚さに規制されて現像ローラ61上に担持される。
【0047】
現像ローラ61は、帯電後の感光ドラム52に形成された静電潜像に、第1の極性に帯電したブラックのトナーを供給して感光ドラム52Kにブラックのトナー像を形成する。以下の説明において、第1の極性に帯電したトナーを、単に「順帯電トナー」ともいう。また、一部のトナーは、第1の極性とは逆の第2の極性に帯電することがあり、以下、第2の極性に帯電したトナーを、単に「逆帯電トナー」ともいう。
【0048】
図2に示すように、現像ローラ61は、第1現像カートリッジ60Kの第1現像ローラ61Kと、第2現像カートリッジ60Yの第2現像ローラ61Yと、第3現像カートリッジ60Mの第3現像ローラ61Mと、第4現像カートリッジ60Cの第4現像ローラ61Cとを含む。
【0049】
図1に戻り、転写ユニット70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、ベルトの一例としての転写ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備える。転写ベルト73は、駆動ローラ71と従動ローラ72の間に架け渡された無端状のベルトであり、第1感光ドラム52K、第2感光ドラム52Y、第3感光ドラム52Mおよび第4感光ドラム52Cに接触する。
【0050】
転写ローラ74は、転写ベルト73を挟んで感光ドラム52と向かい合い、感光ドラム52に形成されたトナー像をシートSに転写する。図2に示すように、転写ローラ74は、第1転写ローラ74Kと、第2転写ローラ74Yと、第3転写ローラ74Mと、第4転写ローラ74Cとを含む。
【0051】
図1に示すように、定着ユニット80は、シートSを加熱する加熱ローラ81と、加熱ローラ81との間でシートSを挟む加圧ローラ82とを備える。シート排出部8は、シートSを搬送する搬送ローラ8Aと、シートSを筐体2の外に排出する排出ローラ8Bとを備える。
【0052】
ベルトクリーナ90は、ベルトクリーニングローラ91と、回収ローラ92と、掻き取りブレード93と、貯留部94と、ベルトクリーニングローラ91との間で転写ベルト73を挟むバックアップローラ95とを備える。ベルトクリーナ90は、転写ベルト73上のトナーを貯留部94に回収するように構成されている。
【0053】
詳しくは、ベルトクリーニングローラ91は、転写ベルト73に接触し、転写ベルト73の表面に付着したトナーを回収する。制御部100は、転写ベルト73の表面に付着した順帯電トナーを回収する場合、ベルトクリーニングローラ91に、第2の極性のバイアスを印加する。本実施形態では、第2の極性は、負である。ベルトクリーニングローラ91に負のバイアスを印加することで、正に帯電した順帯電トナーを転写ベルト73からクリーニングローラ91に移動させることができる。
【0054】
回収ローラ92は、ベルトクリーニングローラ91に接触し、ベルトクリーニングローラ91上のトナーを回収する。掻き取りブレード93は、回収ローラ92に接触し、回収ローラ92上のトナーを掻き取る。貯留部94は、掻き取りブレード93によって回収ローラ92上から掻き落とされたトナーを収容する。
【0055】
制御部100は、CPU、RAM、ROM、入出力回路などを備える。制御部100は、ROMなどに記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって制御を実行する。
【0056】
図2に示すように、画像形成装置1は、温湿度センサ105と、帯電バイアス印加回路110と、現像バイアス印加回路120と、転写バイアス印加回路130と、ドラムクリーニングバイアス印加回路140と、ベルトクリーニングバイアス印加回路150と、紙粉回収バイアス印加回路160とを備える。各バイアス印加回路110~160は、制御部100に接続され、制御部100によって制御される。
【0057】
温湿度センサ105は、画像形成装置1が使用される環境の温度および湿度を検出するセンサである。温湿度センサ105は、筐体2の適宜な位置に配置されている。温湿度センサ105は、制御部100に接続されている。
【0058】
帯電バイアス印加回路110は、帯電ローラ53K,53Y,53M,53Cにバイアスを印加するための回路であり、帯電ローラ53K,53Y,53M,53Cに接続されている。
【0059】
現像バイアス印加回路120は、現像ローラ61K,61Y,61M,61Cにバイアスを印加するための回路であり、現像ローラ61K,61Y,61M,61Cに接続されている。
【0060】
転写バイアス印加回路130は、転写ローラ74K,74Y,74M,74Cにバイアスを印加するための回路であり、転写ローラ74K,74Y,74M,74Cに接続されている。
【0061】
ドラムクリーニングバイアス印加回路140は、クリーニングローラ55K,55Y,55M,55Cにバイアスを印加するための回路であり、クリーニングローラ55K,55Y,55M,55Cに接続されている。
【0062】
ベルトクリーニングバイアス印加回路150は、ベルトクリーニングローラ91にバイアスを印加するための回路であり、ベルトクリーニングローラ91に接続されている。
【0063】
紙粉回収バイアス印加回路160は、紙粉回収ローラ56にバイアスを印加するための回路であり、紙粉回収ローラ56に接続されている。
【0064】
図3(a),(b)に示すように、画像形成装置1は、接触離間機構200を備える。接触離間機構200は、現像ローラ61を、図3(a)に示すように、対応する感光ドラム52に接触させる接触位置と、図3(b)に示すように、対応する感光ドラム52から離間させる離間位置との間で移動させるための機構である。
【0065】
本実施形態では、現像カートリッジ60は、ドロワ51(図1参照)に対して、現像ローラ61が対応する感光ドラム52に接触する状態となる位置と、現像ローラ61が対応する感光ドラム52から離間する状態となる位置との間で移動可能に支持されている。接触離間機構200は、現像カートリッジ60を移動させることで、現像ローラ61を接触位置と離間位置との間で移動させるように構成されている。制御部100は、接触離間機構200を制御することで現像ローラ61を離間位置に位置させる離間処理と、現像ローラ61を接触位置に位置させる接触処理を実行可能である。なお、離間処理により現像ローラ61を離間位置に位置させるとは、接触位置にある現像ローラ61を離間位置に移動させる場合のほか、離間位置にある現像ローラ61を離間位置にしたままにしておくことを含む意味である。同様に、接触処理により現像ローラ61を接触位置に位置させるとは、離間位置にある現像ローラ61を接触位置に移動させる場合のほか、接触位置にある現像ローラ61を接触位置にしたままにしておくことを含む意味である。
【0066】
画像形成装置1は、印刷の指令や画像データを含む印刷ジョブが入力される前の待機状態にあるとき、図3(b)に示すように、4つの現像ローラ61のすべてが離間位置に位置している。
制御部100は、カラー印刷モードと、モノクロ印刷モードとを実行可能である。カラー印刷モードは、第1感光ドラム52K、第2感光ドラム52Y、第3感光ドラム52Mおよび第4感光ドラム52Cを用いてトナー像をシートSに転写することで、シートSにカラー画像を形成するモードである。モノクロ印刷モ―ドは、第1現像ローラ61Kのみを接触位置に位置させ、第1感光ドラム52Kのみを用いてトナー像をシートSに転写することで、シートSにモノクロ画像を形成するモードである。
【0067】
次に、制御部100による画像形成処理、画像形成後のクリーニングローラ55からのトナー回収処理および帯電ローラ53からの逆帯電トナーの回収処理について説明する。
【0068】
1.画像形成処理
図4に示すように、制御部100は、画像形成時において、現像ローラ61に第1の極性のバイアスを印加し、帯電ローラ53に第1の極性のバイアスを印加し、クリーニングローラ55に第2の極性のバイアスを印加し、転写ローラ74に第2の極性のバイアスを印加し、ベルトクリーニングローラ91に第2の極性のバイアスを印加する。例えば、制御部100は、現像ローラ61に+400Vのバイアスを印加し、帯電ローラ53に+1300Vのバイアスを印加し、クリーニングローラ55に-300Vのバイアスを印加し、転写ローラ74に極性が負のバイアスを印加して電流が10μAになるように制御し、ベルトクリーニングローラ91に極性が負のバイアスを印加して電流が35μAになるように制御する。そして、制御部100は、除電装置54をONにして感光ドラム52の表面を除電する。なお、図面では、極性が負のバイアスを印加する場合に、電流の値にマイナスの符号を付して示す。に、転写ローラ74のバイアスを負の電流値で示す。また、ベルトクリーニングローラ91に負の電圧を印加して所定電流に制御する場合に、ベルトクリーニングローラ91のバイアスを負の電流値で示す。除電装置54をONにするとは、OFFであったものをONに切り替える場合の他、ONの状態にある除電装置54をONのままにしておくことを含む。同様に、除電装置54をOFFにするとは、ONであったものをOFFに切り替える場合の他、OFFの状態にある除電装置54をOFFのままにしておくことを含む。
【0069】
上記の制御により、感光ドラム52の表面電位は、帯電ローラ53によって第1の極性に帯電されることで+600V程度となる。そして、感光ドラム52の表面は、レーザ光が照射された部分のみが、表面電位がおよそ+100Vに下がる。正に帯電した順帯電トナーは、現像ローラ61から、感光ドラム52の表面のうちの、レーザ光が照射された部分に供給されてトナー像を形成する。このトナー像は、感光ドラム52と転写ローラ74の間の転写位置において、シートSに転写される。
【0070】
トナーのうち負に帯電した逆帯電トナーと、感光ドラム52からシートSに移動できなかった一部の順帯電トナーは、転写位置を過ぎても感光ドラム52の表面に付着したままとなる。なお、図において、黒丸は、順帯電トナーを示し、白丸は逆帯電トナーを示す。
【0071】
感光ドラム52の表面に残った残トナーのうち、順帯電トナーは、-300Vのクリーニングローラ55に移動する。また、逆帯電トナーは、クリーニングローラ55には移動せずに、+1300Vの帯電ローラ53に移動する。逆帯電トナーは、帯電ローラ53において、一部もしくは大部分が第1の極性に帯電されることも考えられるが、長い時間、画像形成処理を実行すると、帯電ローラ53には、徐々に逆帯電トナーが蓄積する。
【0072】
2.画像形成後のクリーニングローラからのトナー回収処理
制御部100は、印刷ジョブがすべて終わった後、クリーニングローラ55からトナーを回収する。図5に示すように、制御部100は、クリーニングローラ55からのトナー回収処理において、接触離間機構200により現像ローラ61を離間位置に位置させ、帯電ローラ53に+900Vのバイアスを印加し、クリーニングローラ55に+500Vのバイアスを印加し、転写ローラ74に極性が負のバイアスを印加して電流が10μAになるように制御し、ベルトクリーニングローラ91に極性が負のバイアスを印加して電流が35μAになるように制御する。そして、制御部100は、除電装置54をONにする。
【0073】
上記の制御により、クリーニングローラ55に捕捉されていた順帯電トナーは、クリーニングローラ55から感光ドラム52に移動する。そして、感光ドラム52から転写ベルト73の表面に移動し、さらに、転写ベルト73からベルトクリーニングローラ91に移動して、ベルトクリーナ90の貯留部94に回収される。一方、帯電ローラ53に付着している逆帯電トナーは、帯電ローラ53に付着したままとなる。画像形成およびクリーニングローラ55からのトナー回収処理だけでは、帯電ローラ53に逆帯電トナーが蓄積されることとなる。なお、本実施形態では、画像形成処理およびクリーニングローラ55からのトナー回収処理において、帯電ローラ53上の逆帯電トナーは、帯電ローラクリーナ57との摩擦により、少しずつ順帯電トナーとなるが、画像形成時において、次々と逆帯電トナーが発生することで、帯電ローラ53には、逆帯電トナーが蓄積する。
【0074】
3.帯電ローラからの逆帯電トナーの回収処理
第1実施形態の画像形成装置1は、帯電ローラ53に蓄積した逆帯電トナーの回収方法として、(1)トナーエンプティ時の回収処理、(2)摩擦帯電による回収処理、および、(3)順帯電による回収処理を、状況に応じて使い分ける。
【0075】
(1)トナーエンプティ時の回収処理
制御部100は、現像カートリッジ60のトナーがエンプティになったときに限り、帯電ローラ53に蓄積された逆帯電トナーを現像カートリッジ60に回収する。このため、制御部100は、現像カートリッジ60のトナーがエンプティか否かを判定するエンプティ判定処理を実行可能である。
【0076】
具体的には、制御部100は、エンプティ判定処理において、現像カートリッジ60の交換後の総印刷枚数が所定枚数を超えた場合に、現像カートリッジ60のトナーがエンプティであると判定する。総印刷枚数が所定枚数を超えた場合、現像ローラ61の劣化によりトナー像が悪化する可能性があるからである。トナーのエンプティの判定方法は、これに限定されない。例えば、現像カートリッジ60の交換後における現像ローラ61の総回転回数が所定回数を超えた場合に、トナーがエンプティであると判定してもよい。この場合には、現像ローラ61の劣化によりトナー像が悪化したり、現像ローラ61とトナーシールの摩耗によりトナー漏れが発生したりする可能性があるからである。また、現像カートリッジ60の交換後における現像した画像のドットカウントが所定の数を超えた場合に、トナーがエンプティであると判定してもよい。この場合には、トナー不足により、完全な画像が形成できない可能性があるからである。トナーのエンプティの判定は、上記の総印刷枚数、総回転回数、ドットカウントの複数の条件のうち、1つのみで行ってもよいし、複数の条件のうちの1つまたは複数が満たされた場合にエンプティを判定してもよい。
【0077】
制御部100は、エンプティ判定処理で現像カートリッジ60のトナーがエンプティであると判定した場合、画像形成処理を実行していないときに、帯電ローラ53に蓄積された逆帯電トナーを帯電ローラ53から回収する、トナーエンプティ時の回収処理を実行する。トナーエンプティ時の回収処理は、逆帯電トナー吐出処理と、現像カートリッジ60への回収処理とを含む。
【0078】
図6に示すように、逆帯電トナー吐出処理は、帯電ローラ53に、帯電ローラ53上の逆帯電トナーが帯電ローラ53から感光ドラム52に移動するようなバイアスを印加する処理である。制御部100は、除電装置54をONにして感光ドラム52の表面を除電するとともに、帯電ローラ53に、第2の極性のバイアスを印加する。例えば、制御部100は、帯電ローラ53に-500Vのバイアスを印加する。これにより、感光ドラム52の表面電位よりも帯電ローラ53の電位の方が低くなり、負に帯電した逆帯電トナーは、帯電ローラ53から感光ドラム52に移動する。
【0079】
帯電ローラ53から逆帯電トナーを吐き出す場合に帯電ローラ53に印加するバイアスは、直流電圧であってもよいし、交流電圧であってもよいし、直流電圧と交流電圧を異なるタイミングで印加してもよい。帯電ローラ53に印加するバイアスに交流電圧を含む場合、バイアスの値は、交流電圧の実効値とする。帯電ローラ53に印加するバイアスに交流電圧を印加する場合、逆帯電トナーを帯電ローラ53と感光ドラム52の間で揺さぶることで、逆帯電トナー53を感光ドラム52に移動させやすくなる。
【0080】
交流電圧により効率的に逆帯電トナー53を感光ドラム52に移動させようとする場合、交流電圧の変動範囲は、感光ドラム52の表面電位を跨がないことが望ましい。また、交流電圧の周波数は、帯電ローラ53と感光ドラム52のニップ幅の長さを帯電ローラ53の外周面が通過する間に、少なくとも1周期の電圧変動が起こる程度に高い周波数であることが望ましい。つまり、感光ドラム52の周速をVdrm、交流電圧の変動の周期をTv、帯電ローラ53と感光ドラム52のニップ幅の長さをLnipとした場合、
Tv≦Lnip/Vdrm
を満たすことが望ましい。帯電ローラ53から逆帯電トナーを吐き出す場合に帯電ローラ53に印加するバイアスが、直流電圧、交流電圧および直流電圧と交流電圧の組み合わせのいずれでもよいことは、トナーエンプティ時の回収処理の場合に限らず、以下に説明する他の逆帯電トナー吐出処理においても同様である。
【0081】
逆帯電トナー吐出処理の他の例として、制御部100は、除電装置54をOFFにするとともに、帯電ローラ53に、第1の極性で感光ドラム52の表面電位より絶対値が小さい電位のバイアスを印加してもよい。この場合には、画像形成処理の最後に、除電装置54を所定時間OFFにしておけば、感光ドラム52の表面の電荷が残ることで、感光ドラム52の表面電位は+200V程度となる。そのため、帯電ローラ53に、例えば0Vを印加すれば、負に帯電した逆帯電トナーは、帯電ローラ53から感光ドラム52に移動する。なお、本願において、感光ドラム52の表面電位より絶対値が小さい電位は、0Vを含むものとする。
【0082】
現像カートリッジ60への回収処理は、接触位置に位置する現像ローラ61に、第1の極性のバイアスを印加することにより、感光ドラム52上の逆帯電トナーを感光ドラム52から現像ローラ61に移動させて回収する処理である。現像カートリッジ60への回収処理の前の時点で、現像ローラ61が離間位置にあった場合には、制御部100は、接触離間機構200を制御して、現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる。現像カートリッジ60への回収処理の前の時点で、現像ローラ61が接触位置にあった場合には、制御部100は、現像ローラ61を接触位置に位置させたままにする。
【0083】
なお、逆帯電トナー吐出処理および現像カートリッジ60への回収処理において、転写ローラ74に極性が負のバイアスを印加して電流が10μAになるように制御し、ベルトクリーニングローラ91に極性が負のバイアスを印加して電流が35μAになるように制御する。これにより、感光ドラム52の表面に順帯電トナーが残っていた場合には、転写ベルト73を介してベルトクリーナ90に回収される。もっとも、逆帯電トナー吐出処理における転写ローラ74へのバイアスと、ベルトクリーニングローラ91のバイアスは任意の値であってよい。
【0084】
制御部100は、トナーエンプティ時の回収処理を実行した後は、現像カートリッジ60が交換されるまでは、画像形成を実行しない。
【0085】
制御部100は、エンプティ判定処理で現像カートリッジ60のトナーがエンプティでないと判定した場合は、トナーエンプティ時の回収処理を実行しない。制御部100は、エンプティ判定処理で現像カートリッジ60のトナーがエンプティでないと判定した場合は、(2)摩擦帯電による回収処理、または、(3)順帯電による回収処理を実行する。具体的には、制御部100は、温湿度センサ105で検出した温度Tが所定温度Tth以上、かつ、湿度Hが所定湿度Hth以上の場合に、順帯電による回収処理を実行し、温度Tが所定温度Tth未満、または、湿度Hが所定湿度Hth未満の場合に、摩擦帯電による回収処理を実行する。
【0086】
(2)摩擦帯電による回収処理
図7に示すように、摩擦帯電による回収処理は、画像形成処理を実行していないときに、帯電ローラ53に蓄積された、第2の極性に帯電した逆帯電トナーを、帯電ローラクリーナ57と逆帯電トナーの摩擦を利用して帯電ローラ53から回収する処理である。具体的に、摩擦帯電による回収処理は、離間処理と、摩擦帯電処理と、摩擦帯電トナー吐出処理と、ドラム順帯電トナー回収処理とを含む。
【0087】
離間処理は、接触離間機構200を制御することで現像ローラ61を離間位置に位置させる処理である。現像ローラ61を離間位置に移動させる場合、そのタイミングは、摩擦帯電トナー吐出処理を開始する前であってもよいし、後であってもよい。望ましくは、摩擦帯電トナー吐出処理を開始する前、つまり、順帯電トナーを帯電ローラ53から感光ドラム52に移動させるようなバイアスを印加する前に、現像ローラ61を離間位置に移動させるとよい。
【0088】
摩擦帯電処理は、帯電ローラ53上の逆帯電トナーと帯電ローラクリーナ57との摩擦により、逆帯電トナーを第1の極性に帯電させる処理である。制御部100は、摩擦帯電処理において、帯電ローラ53を回転駆動する。帯電ローラクリーナ57は、帯電ローラ53に従動する際に、帯電ローラ53上の逆帯電トナーと擦れ合う。
【0089】
摩擦帯電トナー吐出処理は、摩擦帯電処理により第1の極性に帯電した順帯電トナーを帯電ローラ53から感光ドラム52に移動させるようなバイアスを、帯電ローラ53に印加する処理である。このため、制御部100は、帯電ローラ53に第1の極性のバイアスを印加する。例えば、制御部100は、帯電ローラ53に+100V~+600Vのバイアスを印加する。帯電ローラ53と感光ドラム52の間で放電が起こると、トナーの帯電状態が変化するおそれがある。帯電ローラ53におよそ+600~+650Vを超えるバイアスを印加すると帯電ローラ53と感光ドラム52の間で放電が起こる。
摩擦帯電トナー吐出処理を実行する場合は、順帯電トナーの帯電状態を変えずに帯電ローラ53から感光ドラム52に移動させるため、帯電ローラ53に+600V以下のバイアスを印加することが望ましい。
【0090】
ドラム順帯電トナー回収処理は、感光ドラム52上の順帯電トナーを、感光ドラム52から転写ベルト73に転写し、転写ベルト73上の順帯電トナーをベルトクリーナ90で回収する処理である。このため、制御部100は、ドラム順帯電トナー回収処理において、転写ローラ74に第2の極性のバイアスを印加し、ベルトクリーニングローラ91に第2の極性のバイアスを印加する。例えば、制御部100は、転写ローラ74に第2の極性である負のバイアスを印加して電流が10μAになるように制御し、ベルトクリーニングローラ91に第2の極性である負のバイアスを印加して電流が35μAになるように制御する。これにより、感光ドラム52上の順帯電トナーは、感光ドラム52から転写ベルト73に移動し、さらに、転写ベルト73からベルトクリーニングローラ91に移動する。
【0091】
制御部100は、摩擦帯電処理、摩擦帯電トナー吐出処理およびドラム順帯電トナー回収処理を同時に並行して行うとよい。これにより、帯電ローラ53からの逆帯電トナーを速やかにベルトクリーナ90に回収することができる。
【0092】
制御部100は、摩擦帯電トナー吐出処理において除電装置をONにして感光ドラムの表面を除電するとよい。これにより、感光ドラム52の表面電位が低くなり、帯電ローラ53から感光ドラム52へ順帯電トナーを移動させやすい。もっとも、制御部100は、摩擦帯電トナー吐出処理において除電装置54をOFFにしても構わない。この場合には、制御部100は、帯電ローラ53に、第1の極性で、感光ドラム52の表面電位より絶対値が大きいバイアスを印加すればよい。
【0093】
制御部100は、摩擦帯電による回収処理において、クリーニングローラ55に第2の極性のバイアスを印加するとよい。これにより、転写位置で感光ドラム52から転写ベルト73に移動できなかった順帯電トナーを、クリーニングローラ55で回収することができる。
【0094】
摩擦帯電による回収処理は、帯電ローラ53上の逆帯電トナーを、帯電ローラクリーナ57との摩擦により徐々に第1の極性に帯電させるため、帯電ローラ53の回転で10回転以上の時間をかけて行うとよい。
【0095】
(3)順帯電による回収処理
順帯電による回収処理は、画像形成処理を実行していないときに、帯電ローラ53に蓄積された、逆帯電トナーを順帯電化して帯電ローラ53から回収する処理である。順帯電による回収処理は、離間処理と、逆帯電トナー吐出処理と、順帯電処理と、ドラム順帯電トナー回収処理とを含む。
【0096】
逆帯電トナー吐出処理は、帯電ローラ53に、帯電ローラ53上の逆帯電トナーが帯電ローラ53から感光ドラム52に移動するようなバイアスを印加する処理である。逆帯電トナー吐出処理は、例えば、図8図11のような4種類の処理方法がある。
【0097】
図8に示すように、制御部100は、逆帯電トナー吐出処理の第1の例において、離間処理により現像ローラ61を離間位置に位置させた状態で、帯電ローラ53に0Vのバイアスを印加し、クリーニングローラ55に第2の極性である-300Vのバイアスを印加し、転写ローラ74に第2の極性である負のバイアスを印加して電流が10μAになるように制御し、ベルトクリーニングローラ91に第2の極性である負のバイアスを印加して電流が35μAになるように制御する。また、制御部100は、除電装置54をOFFにして感光ドラム52の表面電位を第1の極性に保つ。なお、逆帯電トナー吐出処理の第1の例は、トナーエンプティ時の回収処理において説明した、逆帯電トナー吐出処理と同様の処理である。この場合には、画像形成処理の最後に、除電装置54を所定時間OFFにしておけば、感光ドラム52の表面の電荷が残ることで、感光ドラム52の表面電位は残留電荷により+200V程度となる。そのため、帯電ローラ53に蓄積されていた逆帯電トナーは、感光ドラム52に移動する。転写位置においては、転写ローラ74に第2の極性のバイアスが印加されているため、逆帯電トナーは感光ドラム52から転写ベルト73には移動しない。また、クリーニングローラ55は、第2の極性のバイアスが印加されているため、逆帯電トナーは感光ドラム52からクリーニングローラ55には移動しない。すなわち、逆帯電トナー吐出処理の第1の例により、帯電ローラ53に付着していた逆帯電トナーは、感光ドラム52の表面に蓄積される。
【0098】
図9に示すように、制御部100は、逆帯電トナー吐出処理の第2の例において、離間処理により現像ローラ61を離間位置に位置させた状態で、帯電ローラ53に0Vのバイアスを印加し、クリーニングローラ55に第1の極性である+1000Vのバイアスを印加し、転写ローラ74に第2の極性である負のバイアスを印加して電流が10μAになるように制御し、ベルトクリーニングローラ91に第2の極性である負のバイアスを印加して電流が35μAになるように制御する。また、制御部100は、除電装置54をOFFにして感光ドラム52の表面電位を第1の極性に保つ。この場合、感光ドラム52の表面電位は第1の例の場合よりも高い350V程度となり、帯電ローラ53に蓄積されていた逆帯電トナーは、感光ドラム52に移動する。また、クリーニングローラ55に+1000Vの高電圧を印加することで、クリーニングローラ55と感光ドラム52の間で放電が起こり、一部の逆帯電トナーは、第1の極性に帯電する。なお、この際、第1の極性に帯電した順帯電トナーは、クリーニングローラ55に付着する可能性もあるが、+1000V以上の放電が起こる高圧が印加されている場合、順帯電トナーの多くはクリーニングローラ55に付着せずに、感光ドラム52に付着する。また、仮に、順帯電トナーがクリーニングローラ55付着したとしても、後のドラム順帯電トナー回収処理においてクリーニングローラ55から感光ドラム52に吐き出される。転写位置においては、転写ローラ74に第2の極性のバイアスが印加されているため、逆帯電トナーは感光ドラム52から転写ベルト73には移動しない。すなわち、逆帯電トナー吐出処理の第2の例により、帯電ローラ53に付着していた逆帯電トナーは、感光ドラム52の表面に蓄積される。
【0099】
図10に示すように、制御部100は、逆帯電トナー吐出処理の第3の例において、離間処理により現像ローラ61を離間位置に位置させた状態で、帯電ローラ53に-500Vのバイアスを印加し、クリーニングローラ55に第2の極性である-300Vのバイアスを印加し、転写ローラ74に第2の極性である-10μAのバイアスを印加し、ベルトクリーニングローラ91に第2の極性である-35μAのバイアスを印加する。また、制御部100は、除電装置54をONとする。なお、逆帯電トナー吐出処理の第3の例は、トナーエンプティ時の回収処理において説明した、逆帯電トナー吐出処理の他の例と同様の処理である。この場合、感光ドラム52の表面電位は0V程度となり、帯電ローラ53に蓄積されていた逆帯電トナーは、感光ドラム52に移動する。転写位置においては、転写ローラ74に第2の極性のバイアスが印加されているため、逆帯電トナーは感光ドラム52から転写ベルト73には移動しない。また、クリーニングローラ55は、第2の極性のバイアスが印加されているため、逆帯電トナーは感光ドラム52からクリーニングローラ55には移動しない。すなわち、逆帯電トナー吐出処理の第3の例により、帯電ローラ53に付着していた逆帯電トナーは、感光ドラム52の表面に蓄積される。
【0100】
図11に示すように、制御部100は、逆帯電トナー吐出処理の第4の例において、離間処理により現像ローラ61を離間位置に位置させた状態で、帯電ローラ53に0Vのバイアスを印加し、クリーニングローラ55に第1の極性である+1000Vのバイアスを印加し、転写ローラ74に第2の極性である負のバイアスを印加して電流が10μAになるように制御し、ベルトクリーニングローラ91に第2の極性である負のバイアスを印加して電流が35μAになるように制御する。また、制御部100は、除電装置54をONとする。この場合、感光ドラム52の表面電位は第1の例の場合よりも高い+300V程度となり、帯電ローラ53に蓄積されていた逆帯電トナーは、感光ドラム52に移動する。また、クリーニングローラ55に+1000Vの高電圧を印加することで、クリーニングローラ55と感光ドラム52の間で放電が起こり、一部の逆帯電トナーは、第1の極性に帯電する。なお、この際、第1の極性に帯電した順帯電トナーは、クリーニングローラ55に付着する可能性もあるが、+1000V以上の放電が起こる高圧が印加されている場合、順帯電トナーの多くはクリーニングローラ55に付着せずに、感光ドラム52に付着する。また、仮に、順帯電トナーがクリーニングローラ55付着したとしても、後のドラム順帯電トナー回収処理においてクリーニングローラ55から感光ドラム52に吐き出される。転写位置においては、転写ローラ74に第2の極性のバイアスが印加されているため、逆帯電トナーは感光ドラム52から転写ベルト73には移動しない。すなわち、逆帯電トナー吐出処理の第4の例により、帯電ローラ53に付着していた逆帯電トナーは、感光ドラム52の表面に蓄積される。
【0101】
制御部100は、上述の逆帯電トナー吐出処理を、帯電ローラ53が少なくとも1回転以上回転する間、実行する。制御部100は、逆帯電トナー吐出処理を帯電ローラ53が2回転以上回転する間実行することが望ましい。
【0102】
順帯電処理は、逆帯電トナー吐出処理の後、帯電ローラ53に、画像形成する場合よりも絶対値が大きいバイアスを印加して、感光ドラム52上の逆帯電トナーを第1の極性に帯電させる処理である。制御部100は、逆帯電トナー吐出処理とは別の期間に順帯電処理を実行する。順帯電処理は、例えば、図12および図13のような2種類の処理方法がある。
【0103】
図12に示すように、制御部100は、順帯電処理の第1の例においては、帯電ローラ53に、例えば+1600Vのバイアスを印加する。また、制御部100は、クリーニングローラ55に-300Vのバイアスを印加し、除電装置54をOFFとする。これにより、帯電ローラ53と感光ドラム52の間で放電が起こり、その際、感光ドラム52上の逆帯電トナーが第1の極性に帯電して順帯電トナーとなる。同時に、感光ドラム52の表面電位は、帯電ローラ53により帯電されることで、850V程度となる。クリーニングローラ55は、第2の極性のバイアスが印加されることにより、逆帯電トナーは、クリーニングローラ55に移動しない。
【0104】
順帯電処理の第2の例は、図13に示すように、第1の例に対してクリーニングローラ55に+1000Vの高電圧のバイアスを印加したものである。クリーニングローラ55に+1000Vの高電圧を印加すると、クリーニングローラ55と感光ドラム52の間で放電が起こり、逆帯電トナーの一部が第1の極性に帯電して順帯電トナーとなる。これにより、順帯電化を補助することができる。なお、この際、第1の極性に帯電した順帯電トナーは、クリーニングローラ55に付着する可能性もあるが、+1000V以上の放電が起こる高圧が印加されている場合、順帯電トナーの多くはクリーニングローラ55に付着せずに、感光ドラム52に付着する。
【0105】
ドラム順帯電トナー回収処理は、摩擦帯電による回収処理の説明において説明したのと同じ処理である。例えば、制御部100は、転写ローラ74に第2の極性である負のバイアスを印加して電流が10μAになるように制御し、ベルトクリーニングローラ91に第2の極性である負のバイアスを印加して電流が35μAになるように制御する。これにより、順帯電処理によって第1の極性に帯電した順帯電トナーは、感光ドラム52から転写ベルト73に移動し、さらに、転写ベルト73からベルトクリーニングローラ91に移動する。
【0106】
次に、第1実施形態における制御部100による処理の一例を説明する。図14に示す処理は、制御部100が印刷ジョブを受信したときに実行される。制御部100は、印刷ジョブを受信すると、トナーエンプティフラグF(以下、「フラグF」と省略する。)が1であるかを判定する(S101)。フラグFは、エンプティと判定された場合に1となり、エンプティと判定されていない場合に0であるとする。図示は省略するが、フラグFは、現像カートリッジ60が新品に交換された場合に、制御部100により0にリセットされる。
【0107】
制御部100は、フラグFが1であると判定した場合(S101,Yes)、現像カートリッジ60のトナーがエンプティであると判定された後、現像カートリッジ60が交換されていないということなので、制御部100は、画像形成処理を実行せずに、トナー交換を促す報知等をして処理を終了する。制御部100は、フラグFが1でないと判定した場合(S101,No)、1枚のシートSの画像形成処理(S102)を実行する。制御部100は、画像形成処理のたびにエンプティ判定処理(S103)を実行し、現像カートリッジ60のトナーがエンプティであると判定した場合には(S103,Yes)、フラグFを1にして(S105)、ステップS110に進む。制御部100は、現像カートリッジ60のトナーがエンプティでないと判定した場合には(S103,No)、印刷ジョブが終了したかを判定し(S104)、終了していないと判定すれば(S104,No)、ステップS102に戻って次のシートSについて画像形成処理を実行する。
【0108】
制御部100は、ステップS104で印刷ジョブが終了したと判定した場合(S104,Yes)、およびステップS105の後、クリーニングローラ55からのトナー回収処理を実行する(S110)。クリーニングローラ55からの回収処理の後、制御部100は、フラグFが1であるかを判定する(S120)。制御部100は、フラグFが1であると判定した場合(S120,Yes)、トナーエンプティ時の回収処理を実行して(S121)、処理を終了する。制御部100は、フラグFが1でないと判定した場合(S120,No)、さらに、温度Tが所定温度Tth以上、かつ、湿度Hが所定湿度Hth以上であるかを判定する(S130)。制御部100は、温度Tが所定温度Tth以上、かつ、湿度Hが所定湿度Hth以上ではないと判定した場合(S130,No)、摩擦帯電による回収処理を実行して(S131)、処理を終了する。一方、制御部100は、温度Tが所定温度Tth以上、かつ、湿度Hが所定湿度Hth以上であると判定した場合(S130,Yes)、順帯電による回収処理を実行して(S132)、処理を終了する。
【0109】
以上に説明した第1実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。トナーエンプティ時の回収処理では、トナーエンプティ時に限り、帯電ローラ53上の逆帯電トナーを現像カートリッジ60に回収することで、現像カートリッジ60に逆帯電トナーを回収しても、その後の画像形成に影響を与えることがない。このため、帯電ローラ53に蓄積した逆帯電トナーを、適切に除去することができる。
【0110】
摩擦帯電による回収処理では、制御部100は、現像ローラ61を離間位置に位置させた状態で、帯電ローラ53上の逆帯電トナーと帯電ローラクリーナ57との摩擦により、逆帯電トナーを第1の極性に帯電させる。そして、制御部100は、摩擦帯電トナー吐出処理により、帯電ローラ53上の順帯電トナーを帯電ローラ53から感光ドラム52に移動させ、ドラム順帯電トナー回収処理により、感光ドラム52上の順帯電トナーを、感光ドラム52から転写ベルト73に転写し、転写ベルト73上の順帯電トナーをベルトクリーナ90で回収する。このため、帯電ローラ53に蓄積した逆帯電トナーを、適切に除去することができる。
【0111】
順帯電による回収処理では、制御部100は、現像ローラ61を離間位置に位置させた状態で、逆帯電トナー吐出処理により帯電ローラ53上の逆帯電トナーを帯電ローラ53から感光ドラム52に移動させる。そして、制御部100は、順帯電処理により感光ドラム52上の逆帯電トナーを第1の極性に帯電させ、ドラム順帯電トナー回収処理により、感光ドラム52上の順帯電トナーを、感光ドラム52から転写ベルト73に転写し、転写ベルト73上の順帯電トナーをベルトクリーナ90で回収する。このため、帯電ローラ53に蓄積した逆帯電トナーを、適切に除去することができる。
【0112】
通常時は、摩擦帯電による回収処理を実行することで、簡易に帯電ローラ53から逆帯電トナーを回収することができるとともに、摩擦帯電による順帯電化が困難な高温かつ高湿時には、順帯電による回収処理を実行することで、確実に帯電ローラ53から逆帯電トナーを回収することができる。
【0113】
逆帯電トナー吐出処理において、帯電ローラ53に第1の極性で感光ドラム52の表面電位より絶対値が小さい電位のバイアスを印加し、第2の極性のバイアスを印加しないことで、帯電ローラ53にバイアスを印加するための電気回路を簡素化することができる。
【0114】
逆帯電トナー吐出処理において、除電装置54をOFFにして感光ドラム52の表面電位を第1の極性に保つことで、逆帯電トナーを帯電ローラ53から感光ドラム52に移動させやすい。
【0115】
順帯電処理において、クリーニングローラ55に第1の極性のバイアスを印加することで、感光ドラム52上の逆帯電トナーの順帯電化を補助することができる。
【0116】
逆帯電トナー吐出処理において、クリーニングローラ55に第1の極性のバイアスを印加することにより、感光ドラム52上の逆帯電トナーの順帯電化を補助することができる。また、逆帯電トナー吐出処理において、感光ドラム52の表面電位を高く保つことで、逆帯電トナーを帯電ローラ53から感光ドラム52に移動させやすい。
【0117】
摩擦帯電トナー吐出処理において、除電装置54をONにすることで、感光ドラム52の表面電位が低くなり、第1の極性に帯電した順帯電トナーが帯電ローラ53から感光ドラム52に移動しやすくなる。
【0118】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、前記したトナーエンプティ時の回収処理と、逆バイアスによる回収処理を状況に応じて使い分ける形態である。第2実施形態は、機械的な構成およびトナーエンプティ時の回収処理については第1実施形態と同じであるので、同様の部分は説明を適宜省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0119】
逆バイアスによる回収処理は、画像形成処理を実行していないときに、帯電ローラ53に蓄積された、逆帯電トナーを、逆帯電させたまま帯電ローラ53から回収する処理である。逆バイアスによる回収処理は、離間処理と、逆帯電トナー吐出処理と、ドラム逆帯電トナー回収処理とを含む。
【0120】
離間処理は、説明済みであるので、説明を省略する。
逆帯電トナー吐出処理は、トナーエンプティ時の回収処理および順帯電による回収処理における逆帯電トナー吐出処理と同様である。ここでは、図15に示すように、一例として、制御部100は、除電装置54をONにして感光ドラム52の表面を除電するとともに、帯電ローラ53に、第2の極性のバイアスを印加する。例えば、制御部100は、帯電ローラ53に-500Vのバイアスを印加する。これにより、感光ドラム52の表面電位よりも帯電ローラ53の電位の方が低くなり、負に帯電した逆帯電トナーは、帯電ローラ53から感光ドラム52に移動する。
【0121】
また、図16に示す他の例のように、制御部100は、除電装置54をOFFにして感光ドラムの表面電位を第1の極性に保つとともに、帯電ローラ53に、第1の極性で感光ドラム52の表面電位より絶対値が小さい電位のバイアスを印加してもよい。この場合には、画像形成処理の最後に、除電装置54を所定時間OFFにしておけば、感光ドラム52の表面の電荷が残ることで、感光ドラム52の表面電位は+200V程度となるので、帯電ローラ53に、例えば0Vを印加すれば、負に帯電した逆帯電トナーは、帯電ローラ53から感光ドラム52に移動する。なお、感光ドラム52の表面電位より絶対値が小さい電位は、第1実施形態と同様に0Vを含む。
【0122】
ドラム逆帯電トナー回収処理は、逆帯電トナー吐出処理の後、感光ドラム52上の逆帯電トナーを、感光ドラム52から転写ベルト73に転写し、転写ベルト73上の逆帯電トナーをベルトクリーナ90で回収する処理である。制御部100は、ドラム逆帯電トナー回収処理において、転写ローラ74に第1の極性のバイアスを印加し、ベルトクリーニングローラ91に第1の極性のバイアスを印加する。例えば、制御部100は、転写ローラ74に正のバイアスを印加して電流が10μAになるように制御し、ベルトクリーニングローラ91に正のバイアスを印加して電流が35μAとなるように制御する。
【0123】
制御部100は、逆帯電トナー吐出処理と、ドラム逆帯電トナー回収処理を、同時に並行して実行してもよい。
【0124】
第2実施形態において、制御部100は、トナーがエンプティであると判定した場合に限り、トナーエンプティ時の回収処理を実行し、トナーがエンプティでないと判定した場合には、逆バイアスによる回収処理を実行する。制御部100は、トナーエンプティ時の回収処理を実行した後は、現像カートリッジ60が交換されるまでは、画像形成を実行しない。エンプティ判定処理は、第1実施形態と同様である。
【0125】
次に、第2実施形態における制御部100による処理の一例を説明する。図17に示す処理は、制御部100が印刷ジョブを受信したときに実行される。図17において、ステップS101~S121は、第1実施形態と同じであるので説明を省略する。制御部100は、ステップS120において、フラグFが1でないと判定した場合(S120,No)、逆バイアスによる回収処理を実行して(S140)、処理を終了する。
【0126】
以上に説明した第2実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。トナーエンプティ時の回収処理では、トナーエンプティ時に限り、帯電ローラ53上の逆帯電トナーを現像カートリッジ60に回収することで、現像カートリッジ60に逆帯電トナーを回収しても、その後の画像形成に影響を与えることがない。このため、帯電ローラ53に蓄積した逆帯電トナーを、適切に除去することができる。
【0127】
逆バイアスによる回収処理では、制御部100は、現像ローラ61を離間位置に位置させた状態で、逆帯電トナー吐出処理により、帯電ローラ53に、帯電ローラ53上の逆帯電トナーが帯電ローラ53から感光ドラム52に移動するようなバイアスを印加する。そして、制御部100は、逆帯電トナー吐出処理の後、ドラム逆帯電トナー回収処理により、感光ドラム52上の逆帯電トナーを、感光ドラム52から転写ベルト73に転写し、転写ベルト73上の逆帯電トナーをベルトクリーナ90で回収する。このため、帯電ローラ53に蓄積した逆帯電トナーを、適切に除去することができる。
【0128】
逆帯電トナー吐出処理において、帯電ローラ53に第1の極性で感光ドラム52の表面電位より絶対値が小さい電位のバイアスを印加し、第2の極性のバイアスを印加しないことで、帯電ローラ53にバイアスを印加するための電気回路を簡素化することができる。
【0129】
逆帯電トナー吐出処理において、除電装置54をOFFにすることで、感光ドラム52の表面電位を第1の極性に保つことで、逆帯電トナーを帯電ローラ53から感光ドラム52に移動させやすい。
【0130】
以上に実施形態について説明したが、画像形成装置は以下に例示するように適宜変形して実施することができる。
【0131】
第1実施形態においては、トナーエンプティ時の回収処理、摩擦帯電による回収処理および順帯電による回収処理を、状況に応じて使い分けていたが、画像形成装置は、トナーエンプティ時の回収処理、摩擦帯電による回収処理および順帯電による回収処理のいずれか1つまたは2つのみを実装してもよい。
【0132】
第2実施形態においては、トナーエンプティ時の回収処理と逆バイアスによる回収処理を、状況に応じて使い分けていたが、画像形成装置は、トナーエンプティ時の回収処理および逆バイアスによる回収処理のいずれか1つのみを実装してもよい。
【0133】
各バイアスの具体的な値は、あくまで例示に過ぎず、画像形成装置の部材に合わせて適宜な値のバイアスで実施することができることは言うまでもない。
【0134】
前記実施形態では、帯電ローラクリーナ57は、ローラであったが、帯電ローラクリーナは、回転せずに帯電ローラと摺接する部材であってもよい。
【0135】
前記実施形態では、無端状のベルトとして、感光ドラム52との間でシートSを搬送する転写ベルト73を例示したが、例えば、ベルトは、感光ドラムから転写されたトナー像をシートなどに転写する中間転写ベルトであってもよい。また、前記実施形態では、感光ドラム52に形成されたトナー像が転写される被転写体として、シートSを例示したが、例えば、被転写体は、中間転写ベルトであってもよい。言い換えると、被転写体は、無端状のベルトであってもよい。
【0136】
前記実施形態では、画像形成装置としてカラープリンタを例示したが、例えば、画像形成装置は、感光ドラム、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、クリーニングローラなどを1つずつ備えるモノクロプリンタであってもよい。また、画像形成装置は、例えば、複写機や複合機などであってもよい。また、画像形成装置は、例えば、除電装置を備えない構成であってもよい。
【0137】
前記実施形態では、正帯電性のトナーを用いる画像形成装置1を例示したが、例えば、画像形成装置は、負帯電性のトナーを用いるものであってもよい。なお、画像形成装置が負帯電性のトナーを用いるものである場合、各バイアスの正負は、前記した実施形態とは逆になる。
【0138】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0139】
1 画像形成装置
52 感光ドラム
53 帯電ローラ
54 除電装置
55 クリーニングローラ
57 帯電ローラクリーナ
60 現像カートリッジ
61 現像ローラ
64 トナーケース
70 転写ユニット
74 転写ローラ
90 ベルトクリーナ
100 制御部
105 温湿度センサ
200 接触離間機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17