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特開2024-108287マグネシウムイオン生成放出装置及びマグネシウムイオン生成放出方法
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  • 特開-マグネシウムイオン生成放出装置及びマグネシウムイオン生成放出方法 図1
  • 特開-マグネシウムイオン生成放出装置及びマグネシウムイオン生成放出方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108287
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】マグネシウムイオン生成放出装置及びマグネシウムイオン生成放出方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/463 20230101AFI20240805BHJP
   C02F 1/465 20230101ALI20240805BHJP
【FI】
C02F1/463
C02F1/465
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012576
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】593035696
【氏名又は名称】杉本 幹生
(71)【出願人】
【識別番号】305040732
【氏名又は名称】杉本 由起江
(71)【出願人】
【識別番号】303056151
【氏名又は名称】杉本 慧子
(71)【出願人】
【識別番号】399036202
【氏名又は名称】城戸 敏弘
(71)【出願人】
【識別番号】523036155
【氏名又は名称】山崎 政幸
(74)【上記4名の代理人】
【識別番号】593035696
【氏名又は名称】杉本 幹生
(72)【発明者】
【氏名】杉本 幹生
【テーマコード(参考)】
4D061
【Fターム(参考)】
4D061DA02
4D061DA04
4D061DA08
4D061DB18
4D061DC13
4D061EA02
4D061EB21
4D061EB28
4D061EB29
4D061EB31
(57)【要約】
【課題】水液中でマグネシウムの研磨研削材による微粉化と未酸化表面露出と同時にマグネシウムイオンを併せて長期間生成放出させることができるマグネシウムイオン生成放出装置の提供。
【解決手段】周壁に水液の流通する複数の通水孔1aを有する容器内に、複数個の金属マグネシウム材2と金属マグネシウムより電気陰性度が高く(大きく)研削研磨を兼ねた複数個の物質3を収容して成る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周壁に水液の流通する複数の通水孔を有する容器内に、複数個の金属マグネシウム材と金属マグネシウムより電気陰性度が高い(大きい)複数個の物質を収容して成ることを特徴とするマグネシウムイオン生成放出装置。
【請求項2】
請求項1記載のマグネシウムイオン生成放出装置において、
前記金属マグネシウム材より電気陰性度が高い(大きい)複数個の物質が、金属マグネシウム材の研削研磨を兼ねた物質であることを特徴とするマグネシウムイオン生成放出装置。
【請求項3】
請求項2記載のマグネシウムイオン生成放出装置において、
前記金属マグネシウム材の研削研磨を兼ねた物質が、金属マグネシウム材よりは硬度の高い金属であることを特徴とするマグネシウムイオン生成放出装置。
【請求項4】
請求項2記載のマグネシウムイオン生成放出装置において、
前記金属マグネシウム材の研削研磨を兼ねた物質が、炭素材(活性炭,コークス,木炭,竹炭,他)であることを特徴とするマグネシウムイオン生成放出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水液中で金属マグネシウムよりも電気陰性度の高い(大きい)研磨研削材をつかい金属マグネシウムを微粉化すると同時に金属マグネシウムの未酸化表面を露出、電気陰性度の高い(大きい)材(例えば炭素材)を接触させることにより電位差をつけて局部電池を形成しマグネシウムイオンを生成溶出させる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、数個の、金属マグネシウム(Mg)単体を50重量%以上含有する粒子を、水を透過する網体で封入してなることを特徴とする洗濯用洗浄補助用品がある(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5312663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術にあっては、複数個の金属マグネシウムを単に収容しただけであるため、以下の理由によりマグネシウム本来の機能が発揮できず効果が得られない。
即ち、マグネシウムは特性で酸素や水や塩素,その他化学物質に即時反応して硬質の酸化被膜を形成する為にマグネシウムどうしの摺れ合いでは研磨研削は不可能でマグネシウムの機能と作用は極端に大幅低下するので、長期間マグネシウムイオンを生成放出することができないという問題がある。
【0005】
本発明の解決しようとする課題は、水液中でマグネシウムの研磨研削材による微粉化と未酸化表面露出と同時にマグネシウムイオンを併せて長期間生成放出させることができるマグネシウムイオン生成放出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため請求項1記載のマグネシウムイオン生成放出装置は、周壁に水液の流通する複数の通水孔を有する容器内に、複数個の金属マグネシウム材と金属マグネシウムより電気陰性度が高い(大きい)複数個の物質を収容して成ることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2記載のマグネシウムイオン生成放出装置は、請求項1記載のマグネシウムイオン生成放出装置において、
前記金属マグネシウム材より電気陰性度が高い(大きい)複数個の物質が、金属マグネシウム材の研削研磨を兼ねた物質であることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3記載のマグネシウムイオン生成放出装置は、請求項2記載のマグネシウムイオン生成放出装置において、
前記金属マグネシウム材の研削研磨を兼ねた物質が、金属マグネシウム材よりは硬度の高い金属であることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4記載のマグネシウムイオン生成放出装置は、請求項2記載のマグネシウムイオン生成放出装置において、
前記金属マグネシウム材の研削研磨を兼ねた物質が、硬質で高純度(炭素含有率の高い)の炭素材(活性炭,コークス,木炭,竹炭など)であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載のマグネシウムイオン生成放出装置では、上述のように、周壁に水液の流通する複数の通水孔を有する容器内に、複数個の金属マグネシウム材と金属マグネシウム材とは電気陰性度が高い(大きい)複数個の物質を収容して成るため、これを水液中に没する状態にすることにより、水液中で複数個の金属マグネシウムと金属マグネシウム材とは電気陰性度が高い(大きい)複数個の物質とが触れ合うことで、
2種の接触部分で電気陰性度差による電位差で局部電池が起こり、電気陰性度の低い(小さい)方の金属マグネシウムが継続してイオン化し水液中にマグネシウムイオンを生成放出する。
即ち、水および水に溶存する酸素や残留塩素その他の化学物質とマグネシウムイオンが瞬間的に反応し、水と反応すれば、水中の浮遊不純物に凝集作用する〈水酸化マグネシウム〉と凝集物に取り込まれ浮力を発揮する〈水素気泡〉を発生する。
また、溶存する酸素や残留する溶存塩素とマグネシウム微粉および未酸化マグネシウム露出部が反応して〈酸化マグネシウム〉や〈塩化マグネシウム〉を合成して、水をアルカリ還元して残留塩素を無害化する。
またアルカリ還元した水は皮脂汚れその他汚れを落とす効果がある。
【0011】
また、これを例えば洗濯物と一緒に洗濯機の中に入れて洗濯すれば、マグネシウムイオン生成放出装置が洗濯機の水液回転作用で洗濯液中で乱舞振動し、容器内に収容された複数個の金属マグネシウム材と金属マグネシウム材より電気陰性度が高い(大きい)複数個の物質とが乱舞衝突接触して金属マグネシウムが研削研磨されて微粉化されると共に、微粉化された金属マグネシウムとマグネシウムより電位の高い(大きい)物質が互いに接触することで、酸化還元電位差や電気陰性度差などの電位差が発生し、その作用で金属マグネシウム材からマグネシウムの電子が流出し、マグネシウム電子を容器内に備えた物質が不可逆的に奪取(受け取る)するから余った金属マグネシウムの陽子は行き場を失い安定する為に媒体となる水液中へマグネシウムイオンとなって溶出する。
更に、金属マグネシウム材を擦り研磨して酸化被膜を剥ぎ削り微粉を発生し未酸化部分を露出させ2種密着で電位差(電気陰性度,酸化還元電位,電極電位等の差)をつけて継続的にイオン化を賦活する。
従って、洗濯器で使用すれば洗濯物の洗浄効果を高めることができる。
【0012】
また、これを風呂で使用すれば体の皮脂汚れを落とす効果が得られると共に、風呂の湯の残留塩素を無害化することができる。
【0013】
請求項2記載のマグネシウムイオン生成放出装置では、上述のように、前記金属マグネシウム材とは電気陰性度が高い(大きい)複数個の物質が、金属マグネシウム材の研削研磨を兼ねた物質とすることで、金属マグネシウムを擦り研磨して酸化被膜を剥ぎ削り微粉を発生し未酸化部分を露出させ2種密着で電位差(電気陰性度,酸化還元電位,電極電位等の差)をつけて継続的にイオン化を賦活する効果を高めることができる。
【0014】
請求項3記載のマグネシウムイオン生成放出装置では、上述のように、前記金属マグネシウム材の研削研磨を兼ねた物質が、金属マグネシウム材の電気陰性度より高く(大きく)硬度の高い金属とすることで、金属マグネシウムを擦り研磨して酸化被膜を剥ぎ削り微粉を発生し未酸化部分を露出させ2種密着で電位差(電気陰性度,酸化還元電位,電極電位等の差)をつけて継続的にイオン化を賦活する効果を高めることができる。
【0015】
請求項4記載のマグネシウムイオン生成放出装置では、上述のように、前記金属マグネシウム材の研削研磨を兼ねた物質を、硬質で炭素含有率の高い(高純度)炭素材(活性炭,コークス,木炭,竹炭など)にすることで、金属マグネシウムを擦り研磨して酸化被膜を剥ぎ削り微粉を発生し未酸化部分を露出させ2種密着で電位差(電気陰性度,酸化還元電位,電極電位等の差)をつけて継続的にイオン化を賦活する効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施例1のマグネシウムイオン生成放出装置を示す一部切欠平面図である。
図2】実施例2のマグネシウムイオン生成放出装置を示す一部切欠正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下にこの発明の実施例を説明する。
【実施例0018】
まず、この実施例1のマグネシウムイオン生成放出装置は、図1に示すように、周壁に水液の流通する複数の通水孔1aを有する容器1内に、複数個の金属マグネシウム材2と金属マグネシウム2より電気陰性度が高い(大きい)複数個の物質3を収容する。
なお、この実施例1では、前記容器1として、電気陰性度を有しないゴム又は樹脂性の中空容器を用い、前記と金属マグネシウム2より電気陰性度が高い(大きい)複数個の物質3として、ステンレスのネジを用いる場合を例にとって説明する。
【0019】
次に、この実施例1の作用・効果を説明する。
この実施例1のマグネシウムイオン生成放出装置では、上述のように、周壁に水液の流通する複数の通水孔1aを有する1容器内に、複数個の金属マグネシウム材2と金属マグネシウム材2とは電気陰性度が高い(大きい)複数個の物質3を収容して成るため、これを水液中に没する状態にすることにより、水液中で複数個の金属マグネシウム2と金属マグネシウム材2とは電気陰性度が高い(大きい)複数個の物質(ステンレスのネジ)3とが触れ合うことで、2種の接触部分で電気陰性度による電位差で局部電池が起こり、電気陰性度の低い(小さい)方の金属マグネシウム2が継続してイオン化し水液中にマグネシウムイオンを生成放出する。
即ち、水および水に溶存する酸素や残留塩素その他の化学物質とマグネシウムイオンが瞬間的に反応し、水と反応すれば、水中の浮遊不純物に凝集作用する〈水酸化マグネシウム〉と凝集物に取り込まれ浮力を発揮する〈水素気泡〉を発生する。
また、溶存する酸素や残留する溶存塩素とマグネシウム微粉および未酸化マグネシウム露出部が反応して〈酸化マグネシウム〉や〈塩化マグネシウム〉を合成して、水をアルカリ還元して残留塩素を無害化する。
またアルカリ還元した水は皮脂汚れその他汚れを落とす効果がある。
【0020】
これを例えば洗濯物と一緒に洗濯機の中に入れて洗濯すれば、マグネシウムイオン生成放出装置が洗濯機の水液回転作用で洗濯液中で乱舞振動し、容器内に収容された複数個の金属マグネシウム材2と金属マグネシウム材2より電気陰性度が高い(大きい)複数個の物質(ステンレスのネジ)3とが乱舞衝突接触して金属マグネシウム材2が微粉化されると共に、微粉化された金属マグネシウムとマグネシウムより電位の高い(大きい)物質(ステンレスのネジ)3が互いに接触することで、酸化還元電位差や電気陰性度差などの電位差が発生し、その作用で金属マグネシウム材2からマグネシウムの電子が流出し、マグネシウム電子を容器1内に備えた物質(ステンレスのネジ)が不可逆的に奪取(受け取る)するから余った金属マグネシウムの陽子は行き場を失い安定する為に媒体となる水液中へマグネシウムイオンとなって溶出する。
更に、金属マグネシウム材2を擦り研磨して酸化被膜を剥ぎ削り微粉を発生し未酸化部分を露出させ2種密着で電位差(電気陰性度,酸化還元電位,電極電位等の差)をつけて継続的にイオン化を賦活する。
従って、洗濯器で使用すれば洗濯物の洗浄効果を高めることができる。
【0021】
また、これを風呂で使用すれば体の皮脂汚れを落とす効果が得られると共に、風呂の湯の残留塩素を無害化することができる。
【0022】
次に、他の実施例について説明する。この他の実施例の説明にあたっては、前記実施例1と同様の構成部分についてはその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【実施例0023】
この実施例2のマグネシウムイオン生成放出装置は、前記容器1として、図2に示すように、細かな織り目だが通水可能な布地袋あるいは網袋を用いた点が前記実施例とは異なる。他の構成は前記実施例1と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
この実施例では上記構成より成るため、例えば、風呂の湯内で揉むことにより、複数個の金属マグネシウム材2と金属マグネシウム材2より電気陰性度が高い(大きい)複数個の物質3とが互いに接触すると共に、金属マグネシウム材2より電気陰性度が高い(大きい)複数個の物質3が金属マグネシウム材2を擦り研磨して酸化被膜を剥ぎ削り微粉を発生し未酸化部分を露出させ2種密着で電位差(電気陰性度,酸化還元電位,電極電位等の差)をつけて継続的にイオン化を賦活する。
【0024】
以上本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
【0025】
例えば、炭素材3としては、金属マグネシウムの研磨を兼ねた植物の炭化物やコークス粒(石炭ピッチの炭化物)の混合を用いることができる。
また、水液とは、汎用の液全般であり、海水液、淡水液、純水液、工業排水液、産業排水液などを示す。この水液を処理することにより、海でも河川でも湖池でも自然水液域に放出することもできる。
【0026】
また、用途としては、下水処理の浄化槽からの出口やプールの管路に備えて処理水を通過させれば内容物が流水力で圧迫密接や揺動し擦れ合いで局部電池の維持形成で発生するマグネシウムイオンと溶け込んだ化学物質(残留塩素,その他)との反応で弊害を無くし放流放出環境に悪影響を与えない。
また、擦り研磨することも接触して電位差がつく、繊維状ステンレス材や繊維状鉄材とマグネシウム材との組合せも発明範囲に含まれる。
図1
図2