(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010832
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】制御装置、圧縮システムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
F25B 49/02 20060101AFI20240118BHJP
G01F 23/263 20220101ALI20240118BHJP
【FI】
F25B49/02 550
G01F23/263
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112363
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】竹之下 和広
【テーマコード(参考)】
2F014
【Fターム(参考)】
2F014EA00
(57)【要約】
【課題】圧縮機内の油面の高さを精度良く検知することができる制御装置、圧縮システムおよび制御方法を提供する。
【解決手段】制御装置は、冷媒を圧縮する圧縮機内部の油の温度と圧力を表す情報と油の油面の高さを検知する油面センサの検知結果とを取得する取得部と、温度と圧力を表す情報に基づき油の希釈度を推定し、推定した希釈度に基づいて検知結果を補正する補正部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮する圧縮機内部の油の温度と圧力を表す情報と前記油の油面の高さを検知する油面センサの検知結果とを取得する取得部と、
前記温度と前記圧力を表す情報に基づき前記油の希釈度を推定し、推定した前記希釈度に基づいて前記検知結果を補正する補正部と
を備える制御装置。
【請求項2】
前記圧力は、前記圧縮機内部を冷却するインジェクション回路に設けられた圧力センサの計測結果である
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記油面センサが静電容量式のレベルセンサである
請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記油面センサは、静電容量を検知し、検知した前記静電容量に基づき、前記油の希釈度が所定の値であることを前提として前記油面の高さを算出した結果を前記検知結果として出力するものであり、
前記補正部は、前記温度と前記圧力を表す情報に基づき前記油の希釈度を推定し、前記検知結果に基づき前記油面センサが検知した前記静電容量を算出し、前記推定した希釈度に基づき算出した前記静電容量を補正し、補正した前記静電容量に基づき前記油面の高さを算出する
請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機内部の油を貯留するオイルポッドと、
前記オイルポッドに設けられ、前記油の油面の高さを検知する油面センサと、
制御装置とを備え、
前記制御装置が、
前記圧縮機内部の油の温度と圧力を表す情報と前記油面センサの検知結果とを取得する取得部と、
前記温度と前記圧力を表す情報に基づき前記油の希釈度を推定し、推定した前記希釈度に基づいて前記検知結果を補正する補正部と
を備える
圧縮システム。
【請求項6】
冷媒を圧縮する圧縮機内部の油の温度と圧力を表す情報と前記油の油面の高さを検知する油面センサの検知結果とを取得するステップと、
前記温度と前記圧力を表す情報に基づき前記油の希釈度を推定し、推定した前記希釈度に基づいて前記検知結果を補正するステップと
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、圧縮システムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されている冷凍サイクル装置では、圧縮機の密閉ケースと冷媒吸込管との間にキャピラリチューブと開閉弁を設けた油取出管が接続されている。また、キャピラリチューブを挟む2箇所の位置に1対の温度センサが設けられる。この構成では、密閉ケース内の潤滑油の油面が適正な油面位置に達していれば開閉弁を開放した際に、潤滑油が油取出管に流入する。一方、密閉ケース内の潤滑油の油面が適正な油面位置に達していなければ開閉弁を開放した際に、冷媒が油取出管に流入する。この構成では、1対の温度センサの温度差に基づいて、密閉ケース内の潤滑油の油面が適正な油面位置に達しているのか否かを確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の冷凍サイクル装置では、圧縮機内の油面の高さを精度良く検知することはできないという課題があった。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、圧縮機内の油面の高さを精度良く検知することができる制御装置、圧縮システムおよび制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る制御装置は、冷媒を圧縮する圧縮機内部の油の温度と圧力を表す情報と前記油の油面の高さを検知する油面センサの検知結果とを取得する取得部と、前記温度と前記圧力を表す情報に基づき前記油の希釈度を推定し、推定した前記希釈度に基づいて前記検知結果を補正する補正部とを備える。
【0007】
本開示に係る圧縮システムは、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機内部の油を貯留するオイルポッドと、前記オイルポッドに設けられ、前記油の油面の高さを検知する油面センサと、制御装置とを備え、前記制御装置が、前記圧縮機内部の油の温度と圧力を表す情報と前記油面センサの検知結果とを取得する取得部と、前記温度と前記圧力を表す情報に基づき前記油の希釈度を推定し、推定した前記希釈度に基づいて前記検知結果を補正する補正部とを備える。
【0008】
本開示に係る制御方法は、冷媒を圧縮する圧縮機内部の油の温度と圧力を表す情報と前記油の油面の高さを検知する油面センサの検知結果とを取得するステップと、前記温度と前記圧力を表す情報に基づき前記油の希釈度を推定し、推定した前記希釈度に基づいて前記検知結果を補正するステップとを含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の制御装置、圧縮システムおよび制御方法によれば、圧縮機内の油面の高さを精度良く検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態に係る圧縮システムの構成例を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る制御装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図3】本開示の実施形態に係る制御装置の動作例を説明するための模式図であり、圧力および温度と希釈率との対応関係の例を示す。
【
図4】本開示の実施形態に係る油面センサの特性の例を説明するための模式図であり、油面高さと静電容量との対応関係の例を示す。
【
図5】本開示の実施形態に係る油面センサの特性の例を説明するための模式図であり、希釈率と静電容量変化比との対応関係の例を示す。
【
図6】本開示の実施形態に係る制御装置の動作例を説明するための模式図であり、希釈率と静電容量変化比との対応関係の例を示す。
【
図7】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第一実施形態>
(圧縮システムの構成)
以下、本開示の実施形態に係る制御装置、圧縮システムおよび制御方法について、
図1~
図6を参照して説明する。
図1は、本開示の実施形態に係る圧縮システムの構成例を示す図である。
図2は、本開示の実施形態に係る制御装置の動作例を示すフローチャートである。
図3は、本開示の実施形態に係る制御装置の動作例を説明するための模式図であり、圧力および温度と希釈率との対応関係の例を示す。
図4は、本開示の実施形態に係る油面センサの特性の例を説明するための模式図であり、油面高さと静電容量との対応関係の例を示す。
図5は、本開示の実施形態に係る油面センサの特性の例を説明するための模式図であり、希釈率と静電容量変化比との対応関係の例を示す。
図6は、本開示の実施形態に係る制御装置の動作例を説明するための模式図である。なお、各図において同一または対応する構成には同一の符号を用いて説明を適宜省略する。
【0012】
図1に示す圧縮システム1は、例えば大容量のCO2冷凍機に設けられる圧縮システムであり、高段圧縮機11と、低段圧縮機21と、制御盤3と、それらの周辺装置等を備える。本実施形態では、冷媒が二酸化炭素である。ただし、本開示の実施形態はこれに限定されない。
【0013】
高段圧縮機11は、冷媒を圧縮する圧縮機であり、高段圧縮機11内部に充填される油(潤滑油、冷凍機油等ともいう)を貯留するオイルポッド12が管13で接続されている。オイルポッド12内の油面高さは、高段圧縮機11内の油面高さと一致する。オイルポッド12内の油面高さは、油面センサ14で検知される。高段圧縮機11には、低段圧縮機21で圧縮された冷媒が、インタークーラ41、アキュムレータ42、キャピラリ43およびストレーナ44等を介して導入される。また、高段圧縮機11には、図示していないインジェクション回路から逆止弁17を介して冷却用の冷媒が供給される。高段圧縮機11の下部には温度センサ15が設けられている。また、インジェクション回路には、逆止弁17の高段圧縮機11側に圧力センサ16が設けられている。温度センサ15は、高段圧縮機11内部の油の温度を計測する。圧力センサ16は、高段圧縮機11内部の油の圧力を計測する。
【0014】
低段圧縮機21は、冷媒を圧縮する圧縮機であり、低段圧縮機21内部に充填される油を貯留するオイルポッド22が管23で接続されている。オイルポッド22内の油面高さは、低段圧縮機21内の油面高さと一致する。オイルポッド22内の油面高さは、油面センサ24で計測される。低段圧縮機21には、図示していないアキュムレータ等を介して冷媒が導入される。また、低段圧縮機21には、図示していないインジェクション回路から逆止弁27を介して冷却用の冷媒が供給される。低段圧縮機21の下部には温度センサ25が設けられている。また、インジェクション回路には、逆止弁27の低段圧縮機21側に圧力センサ26が設けられている。温度センサ25は、低段圧縮機21内部の油の温度を計測する。圧力センサ26は、低段圧縮機21内部の油の圧力を計測する。
【0015】
油面センサ14および油面センサ24は、本実施形態において、静電容量式のレベルセンサであり、また、液面センサの一例である。油面センサ14および油面センサ24は、内部に信号処理回路等を備え、センサに接する油の範囲によって変化する静電容量に基づき油面の高さを算出し、油面の高さを算出した結果を検知結果として出力する。その際、油面センサ14および油面センサ24は、静電容量を検知し、検知した静電容量に基づき、油の希釈度が所定の値であることを前提として油面の高さを算出し、算出した結果を検知結果として出力する。なお、以下では、この所定の値の希釈度を基準希釈度(あるいは基準希釈率)ともいう。高段圧縮機11および低段圧縮機21内部の油は、油の希釈度によって誘電率が変化する。そのため、希釈度が変化すると、油面センサ14および油面センサ24が出力する静電容量が変化し、油面の高さの算出結果に誤差が生じる。油面センサ14および油面センサ24は、例えば希釈度(希釈率)が0%であることを前提として油面の高さを算出する。なお、希釈度は、油に溶け込む冷媒の量の度合いであり、冷媒量/(冷媒量+油量)で求められる。希釈率は、希釈度を百分率で表した値である。
【0016】
一方、制御盤3は、圧縮システム1(あるいは圧縮システム1を含む冷凍機)の各部を制御する。制御盤3は、本開示に係る制御装置の一構成例である。本実施形態において、制御盤3は、取得部31と補正部32を備える。取得部31は、冷媒を圧縮する高段圧縮機11および低段圧縮機21内部の油の温度と圧力を表す情報と油の油面の高さを検知する油面センサ14および油面センサ24の検知結果とを取得する。油の温度を表す情報は、温度センサ15および温度センサ25の各検知結果を表す情報である。油の圧力を表す情報は、圧力センサ16および圧力センサ26の各検知結果を表す情報である。
【0017】
補正部32は、温度と圧力を表す情報に基づき油の希釈度を推定し、推定した希釈度に基づいて油面センサ14および油面センサ24の検知結果を補正する。補正部32は、例えば、温度と圧力を表す情報に基づき油の希釈度を推定し、油面センサ14および油面センサ24の検知結果に基づき油面センサ14および油面センサ24が検知した静電容量を算出し、推定した希釈度に基づき算出した静電容量を補正し、補正した静電容量に基づき油面の高さを算出する。
【0018】
(圧縮システムの動作例)
次に、
図2~
図6を参照して、本実施形態の動作例について説明する。
図1に示す取得部31と補正部32は、所定の周期で繰り返し
図2に示す処理を実行する。なお、取得部31および補正部32は、並列的に油面センサ14の検知結果と油面センサ24の検知結果を取得し、補正する。油面センサ14と油面センサ24が同一仕様である場合、処理の内容は同一である。以下では、油面センサ14について代表して説明する。
【0019】
図2に示す処理では、まず、取得部31が、圧力、温度および油面高さを取得する。取得部31は、圧力センサ16から油の圧力の計測結果、温度センサ15から油の温度の計測結果、ならびに、油面センサ14から油面の高さの計測結果(算出結果)を取得する(S1)。
【0020】
次に、補正部32が、高段圧縮機11内の油の希釈率を算出する(S2)。補正部32は、例えば、
図3に示すような、温度(℃)と圧力(MPa)と希釈率(%)との対応関係を示すテーブルを用いて、希釈率を算出する。
【0021】
次に、補正部32は、油面センサ14が算出した油面高さに基づき基準希釈率における静電容量を算出する(S3)。
図4は、油面センサ14における静電容量と油面高さとの変換特性の例を示す。上述したように、静電容量式油面センサである油面センサ14は、センサに接する油の高さに応じて変化する静電容量から油面高さを算出している。なお、油面センサ14は、希釈率0%として油面高さを算出している。
図4に示す例の場合、油面センサ14は、油面高さを下式によって算出する。Cは静電容量(pF)、hは油面高さ(mm)である。
【0022】
【0023】
ステップS3において補正部32は、
図4に示す変換特性を用いて、取得した油面高さの値hを、希釈率0%での静電容量の値Cに変換する。
【0024】
次に、補正部32は、ステップS3で算出した静電容量をステップS2で算出した希釈率に基づき基準希釈率における静電容量に補正する(S4)。次に、補正部32は、補正した静電容量に基づき補正後の油面高さを算出する(S5)。
【0025】
図5は、希釈率の変化に応じた静電容量の変化の例を示す。静電容量は冷凍機油とCO2の希釈率によって変化し、希釈率が高くなるほど静電容量が下がる。希釈率によって静電容量が低下するため、補正部32は、下式により、静電容量を静電容量変化比で割り希釈率0%相当の静電容量に補正後、油面高さを算出する。
【0026】
【0027】
ここで、xは希釈率である。yはxを変数とする静電容量変化比を表す近似関数である。
【0028】
図6は、希釈率50%にて油面センサが100mmを示した場合における
図2に示す処理の例を示す。この場合、ステップS3では希釈率0%での静電容量と油面高さの関係から静電容量は40.8pFとなる。
【0029】
また、ステップS4では、希釈率が50%であるため、希釈率が0%の静電容量と比較して0.89倍になっていると推定される。このため、希釈率0%相当の静電容量は、40.8pF/0.89=45.8pFとなる。
【0030】
また、ステップS5では、希釈率0%相当の静電容量45.8pFから油面高さを求めると、128mmとなる。
【0031】
(作用・効果)
本実施形態によれば、温度と圧力を表す情報に基づき油の希釈度を推定し、推定した希釈度に基づいて油面センサの検知結果を補正するので、希釈度が変化しても圧縮機内部の油面の高さを正確に算出することができる。すなわち、本実施形態によれば、圧縮機内の油面の高さを精度良く検知することができる。
【0032】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0033】
〈コンピュータ構成〉
図7は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ90は、プロセッサ91、メインメモリ92、ストレージ93、および、インタフェース94を備える。
上述の制御盤3(取得部31および補正部32)は、コンピュータ90に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ93に記憶されている。プロセッサ91は、プログラムをストレージ93から読み出してメインメモリ92に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ92に確保する。
【0034】
プログラムは、コンピュータ90に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージに既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、他の実施形態においては、コンピュータは、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。この場合、プロセッサによって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0035】
ストレージ93の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ93は、コンピュータ90のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース94または通信回線を介してコンピュータ90に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ90に配信される場合、配信を受けたコンピュータ90が当該プログラムをメインメモリ92に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ93は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0036】
<付記>
各実施形態に記載の制御装置(制御盤3)は、例えば以下のように把握される。
【0037】
(1)第1の態様に係る制御装置(制御盤3)は、冷媒を圧縮する圧縮機(高段圧縮機11および低段圧縮機21)内部の油の温度と圧力を表す情報と前記油の油面の高さを検知する油面センサ(油面センサ14および24)の検知結果とを取得する取得部31と、前記温度と前記圧力を表す情報に基づき前記油の希釈度を推定し、推定した前記希釈度に基づいて前記検知結果を補正する補正部32とを備える。本態様および以下の各態様によれば、圧縮機内の油面の高さを精度良く検知することができる。
【0038】
(2)第2の態様に係る制御装置(制御盤3)は、(1)の制御装置(制御盤3)であって、前記圧力は、前記圧縮機内部を冷却するインジェクション回路に設けられた圧力センサ(圧力センサ16および26)の計測結果である。
【0039】
(3)第3の態様に係る制御装置(制御盤3)は、(1)または(2)の制御装置(制御盤3)であって、前記油面センサが静電容量式のレベルセンサである。
【0040】
(4)第4の態様に係る制御装置(制御盤3)は、(3)の制御装置(制御盤3)であって、前記油面センサは、静電容量を検知し、検知した前記静電容量に基づき、前記油の希釈度が所定の値であることを前提として前記油面の高さを算出した結果を前記検知結果として出力するものであり、前記補正部は、前記温度と前記圧力を表す情報に基づき前記油の希釈度を推定し、前記検知結果に基づき前記油面センサが検知した前記静電容量を算出し、前記推定した希釈度に基づき算出した前記静電容量を補正し、補正した前記静電容量に基づき前記油面の高さを算出する。
【0041】
(5)第5の態様に係る圧縮システム1は、冷媒を圧縮する圧縮機(高段圧縮機11および低段圧縮機21)と、前記圧縮機内部の油を貯留するオイルポッド12および22と、前記オイルポッドに設けられ、前記油の油面の高さを検知する油面センサ14および24と、制御装置(制御盤3)とを備え、前記制御装置が、前記圧縮機内部の油の温度と圧力を表す情報と前記油面センサの検知結果とを取得する取得部31と、前記温度と前記圧力を表す情報に基づき前記油の希釈度を推定し、推定した前記希釈度に基づいて前記検知結果を補正する補正部32とを備える。
【0042】
(6)第6の態様に係る制御方法は、冷媒を圧縮する圧縮機内部の油の温度と圧力を表す情報と前記油の油面の高さを検知する油面センサの検知結果とを取得するステップ(S1)と、 前記温度と前記圧力を表す情報に基づき前記油の希釈度を推定し、推定した前記希釈度に基づいて前記検知結果を補正するステップ(S2~S5)とを含む。
【符号の説明】
【0043】
1…圧縮システム
11…高段圧縮機
12…オイルポッド
21…低段圧縮機
22…オイルポッド
14、24…油面センサ
15、25…温度センサ
16、26…圧力センサ
3…制御盤
31…取得部
32…補正部