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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108320
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240805BHJP
   B41J 2/175 20060101ALI20240805BHJP
   B41J 2/165 20060101ALI20240805BHJP
   B41J 2/17 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
B41J2/01 301
B41J2/175 503
B41J2/165 203
B41J2/17 201
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012629
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】倉又 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 利雄
(72)【発明者】
【氏名】井上 健
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EC57
2C056JA13
2C056JC13
2C056KC02
2C056KD10
(57)【要約】
【課題】ノズルの目詰まりが生じるおそれを低減できる液体吐出装置を提供する。
【解決手段】液体吐出装置11は、溶剤を含む液体を収容する液体収容部16が取り付けられる液体吐出装置であって、液体を吐出するノズル14が開口するヘッド13と、ヘッドに接触することによってノズルと通じる空間を形成するキャップ22と、液体収容部とキャップとに接続される雰囲気流路23と、液体収容部内、キャップ内、及び、雰囲気流路内の少なくとも何れかの雰囲気を除湿する除湿部27と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶剤を含む液体を収容する液体収容部が取り付けられる液体吐出装置であって、
前記液体を吐出するノズルが開口するヘッドと、
前記ヘッドに接触することによって前記ノズルと通じる空間を形成するキャップと、
前記液体収容部と前記キャップとに接続される雰囲気流路と、
前記液体収容部内、前記キャップ内、及び、前記雰囲気流路内の少なくとも何れかの雰囲気を除湿する除湿部と、を備えることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記雰囲気流路に位置し、前記ノズルから前記キャップに排出された前記液体を吸引する吸引部を備え、
前記液体収容部は、前記吸引部によって吸引された前記液体を収容することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記ノズルから排出される前記液体を受ける受容部と、
前記雰囲気流路と前記受容部とに接続される接続流路と、を備え、
前記液体収容部は、前記受容部が受けた前記液体を収容することを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記液体収容部と前記キャップとに接続される吸引流路と、
前記吸引流路に位置し、前記ノズルから前記キャップに排出された前記液体を吸引する吸引部と、を備え、
前記液体収容部は、前記吸引部によって吸引された前記液体を収容することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記ノズルから排出される前記液体を受ける受容部と、
前記吸引流路と前記受容部とに接続される接続流路と、を備え、
前記液体収容部は、前記受容部が受けた前記液体を収容することを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記除湿部は、除湿剤を収容する除湿剤収容部を有し、
前記除湿剤収容部は、前記キャップに位置することを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載に液体吐出装置。
【請求項7】
前記除湿部は、除湿剤を収容する除湿剤収容体を有することを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項8】
前記除湿剤収容体は、着脱可能に構成されることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
【請求項9】
前記除湿部は、ドライエアを供給するドライエア供給機構を有することを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項10】
前記ドライエア供給機構は、前記キャップに向けてドライエアを供給することを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、溶剤を含む液体を吐出するヘッドと、ヘッドに接触するキャップとを備える液体吐出装置が記載されている。キャップは、気化した溶剤が供給される状態でヘッドに接触することによって、ヘッドを保湿する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-122543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、溶剤を含む液体が吸湿性を有することと、溶剤を含む液体が水を含むと液体中の顔料が異物化することとを見出した。そのため、キャップ内の雰囲気が水を含んでいると、ノズルにおける液体中の顔料が異物化することによってノズルに目詰まりを生じるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する液体吐出装置は、溶剤を含む液体を収容する液体収容部が取り付けられる液体吐出装置であって、前記液体を吐出するノズルが開口するヘッドと、前記ヘッドに接触することによって前記ノズルと通じる空間を形成するキャップと、前記液体収容部と前記キャップとに接続される雰囲気流路と、前記液体収容部内、前記キャップ内、及び、前記雰囲気流路内の少なくとも何れかの雰囲気を除湿する除湿部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】液体吐出装置の第1実施例を示す模式図である。
図2】キャッピング時の模式図である。
図3】液体吐出装置の第2実施例を示す模式図である。
図4】液体吐出装置の第3実施例を示す模式図である。
図5】液体吐出装置の第4実施例を示す模式図である。
図6】液体吐出装置の変更例を示す模式図である。
図7図6とは異なる変更例を示す模式図である。
図8図6及び図7とは異なる変更例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、液体吐出装置の一実施例について図を参照しながら説明する。液体吐出装置は、例えば、用紙、布帛などの媒体に液体の一例であるインクを吐出することによって、文字、写真などの画像を印刷するインクジェット式のプリンターである。液体は、溶剤が主溶媒であり、顔料が溶媒中に分散したインク、いわゆるエコソルベントインクである。
【0008】
<第1実施例>
[液体吐出装置]
図1に示すように、液体吐出装置11は、筐体12を備える。
【0009】
液体吐出装置11は、ヘッド13を備える。ヘッド13は、液体を吐出するように構成される。ヘッド13には、ノズル14が開口する。詳しくは、ヘッド13は、1以上のノズル14が開口するノズル面15を有する。ヘッド13は、ノズル14から液体を吐出する。ヘッド13は、媒体99に液体を吐出することによって、媒体99に画像を印刷する。
【0010】
液体吐出装置11には、1以上の液体収容部16が取り付けられる。液体吐出装置11は、例えば、装着部17を備える。装着部17は、液体収容部16が装着されるように構成される。
【0011】
液体収容部16は、溶剤を含む液体を収容する。液体収容部16は、例えば、カートリッジ、タンクなどである。液体収容部16は、装着部17に対して着脱可能である。液体収容部16は、装着部17に装着されることによって、筐体12に収容される。液体収容部16は、液体吐出装置11において固定されてもよい。すなわち、液体吐出装置11は、液体収容部16を備えてもよい。
【0012】
装着部17には、液体収容部16の一例として、印刷用収容部18が装着される。印刷用収容部18は、印刷に使用される液体を収容する。印刷用収容部18は、装着部17に装着されることによって、ヘッド13と接続される。印刷用収容部18が収容する液体は、ヘッド13に供給される。印刷用収容部18は、装着部17に装着されることに限らず、例えばヘッド13に搭載されてもよい。
【0013】
装着部17には、液体収容部16の一例として、保湿用収容部19が装着される。保湿用収容部19は、保湿に使用される液体を収容する。保湿用収容部19は、装着部17に装着されることによって、後述するメンテナンス機構21と接続される。保湿用収容部19に収容される液体は、保湿用収容部19内で蒸発する。その結果、保湿用収容部19内で気化した溶剤がメンテナンス機構21に供給される。
【0014】
保湿用収容部19は、メンテナンスに伴いノズル14から排出される廃液を収容する廃液収容部である。そのため、廃液が蒸発することによって、気化した溶剤がメンテナンス機構21に供給される。すなわち、廃液が再利用される。保湿用収容部19は、廃液収容部に限らず、保湿専用の液体を収容する保湿液収容部でもよい。
【0015】
図1及び図2に示すように、液体吐出装置11は、メンテナンス機構21を備える。メンテナンス機構21は、ヘッド13をメンテナンスするように構成される。メンテナンス機構21は、ヘッド13をメンテナンスすることによって、ヘッド13の吐出性能を維持したり回復したりする。メンテナンス機構21は、例えば、キャッピング、フラッシング、クリーニングなどによって、ヘッド13をメンテナンスする。
【0016】
キャッピングは、メンテナンス機構21がノズル14を覆う動作である。キャッピングによって、ノズル14が保湿される。これにより、ノズル14に目詰まりが生じるおそれが低減される。メンテナンス機構21は、ヘッド13をキャッピングすることによって、ヘッド13をメンテナンスする。
【0017】
フラッシングは、ノズル14から液体が適宜排出される動作である。フラッシングによって、ノズル14に目詰まりが生じるおそれが低減される。メンテナンス機構21は、フラッシングによる液体を受けることによって、ヘッド13をメンテナンスする。フラッシングによって排出される液体は、廃液である。
【0018】
クリーニングは、ノズル14から液体が強制的に排出される動作である。クリーニングによって、ノズル14から液体とともに気泡、異物などが排出される。クリーニングは、例えば、加圧クリーニング、及び、吸引クリーニングを含む。加圧クリーニングは、ヘッド13内を加圧することによってノズル14から液体を排出させる動作である。吸引クリーニングは、ヘッド13内を吸引することによってノズル14から液体を排出させる動作である。メンテナンス機構21は、クリーニングによる液体を受けることによって、ヘッド13をメンテナンスする。クリーニングによって排出される液体は、廃液である。
【0019】
メンテナンス機構21は、キャップ22を有する。キャップ22は、ヘッド13に接触することによって、ノズル14と通じる空間を形成する。すなわち、キャップ22は、ヘッド13をキャッピングする。一例では、キャップ22は、ノズル面15に接触することによってノズル14を覆う。キャッピングにおいて、ヘッド13がキャップ22に対して接近してもよいし、キャップ22がヘッド13に対して接近してもよい。
【0020】
キャップ22は、ノズル14から廃液を受けてもよい。キャップ22は、例えば、クリーニングによって排出される液体を受けてもよい。キャップ22は、例えば、フラッシングによって排出される液体を受けてもよい。
【0021】
メンテナンス機構21は、雰囲気流路23を有する。雰囲気流路23は、キャップ22と液体収容部16とに接続される。一例では、雰囲気流路23は、キャップ22と保湿用収容部19とに接続される。これにより、雰囲気流路23を通じて、保湿用収容部19からキャップ22内に気化した溶剤が供給される。その結果、キャップ22内の雰囲気は、気化した溶剤を含む。キャップ22内の雰囲気が気化した溶剤を含むことによって、キャッピングにおいてノズル14が効果的に保湿される。
【0022】
雰囲気流路23を通じて、キャップ22が受けた廃液が保湿用収容部19に流れる。雰囲気流路23とは別の流路を通じて、キャップ22が受けた廃液が保湿用収容部19に流れてもよい。雰囲気流路23は、キャップ22と印刷用収容部18とに接続されてもよい。この場合、印刷用収容部18からキャップ22内に気化した溶剤が供給される。
【0023】
メンテナンス機構21は、吸引部24を有してもよい。吸引部24は、キャップ22内を吸引するように構成される。一例では、吸引部24は、雰囲気流路23に位置する。吸引部24は、例えば、チューブポンプである。吸引部24は、ノズル14からキャップ22に排出された液体を吸引する。キャップ22がヘッド13をキャッピングする状態で吸引部24がキャップ22内を吸引することによって、吸引クリーニングが実行される。キャップ22内が開放された状態で吸引部24がキャップ22内を吸引することによって、キャップ22が受けた廃液が保湿用収容部19に流れる。したがって、保湿用収容部19は、吸引部24によって吸引された液体を収容する。
【0024】
メンテナンス機構21は、受容部25を有してもよい。受容部25は、ヘッド13から排出される液体を受けるように構成される。詳しくは、受容部25は、フラッシングによる液体を受ける。受容部25は、例えば、トレイ、ボックスなどである。
【0025】
メンテナンス機構21は、接続流路26を有してもよい。接続流路26は、受容部25と接続される。一例では、接続流路26は、雰囲気流路23と接続される。詳しくは、接続流路26は、雰囲気流路23において、吸引部24と保湿用収容部19との間に接続される。接続流路26を通じて、受容部25が受けた廃液が保湿用収容部19に流れる。したがって、保湿用収容部19は、受容部25が受けた液体を収容する。
【0026】
接続流路26は、雰囲気流路23において、キャップ22と吸引部24との間に接続されてもよい。接続流路26が雰囲気流路23に接続されることによって、保湿用収容部19からキャップ22に気化した溶剤が供給されやすい。接続流路26は、雰囲気流路23に接続されることに限らず、保湿用収容部19に接続されてもよい。
【0027】
[除湿部]
メンテナンス機構21は、除湿部27を有する。除湿部27は、雰囲気を除湿するように構成される。除湿部27は、液体収容部16内、キャップ22内、及び、雰囲気流路23内の少なくとも何れかの雰囲気を除湿する。除湿部27は、例えば、保湿用収容部19内、キャップ22内、及び、雰囲気流路23内の少なくとも何れかの雰囲気を除湿する。
【0028】
除湿部27は、保湿用収容部19内、キャップ22内、及び、雰囲気流路23内の少なくとも何れかの雰囲気を除湿することによって、キャップ22内の雰囲気を除湿する。保湿用収容部19、キャップ22、及び、雰囲気流路23はそれぞれ繋がっているため、除湿部27が何れかの雰囲気を除湿することによって、キャップ22内の雰囲気が除湿される。これにより、キャップ22内の雰囲気は、気化した溶剤を含む且つ除湿された状態となる。
【0029】
液体は、吸湿性を有する。液体が空気中の水蒸気を含むと、液体中の顔料が膨らんだり、顔料が凝集したりすることによって、顔料が異物化するおそれがある。そのため、ノズル14に位置する液体が水を含むと、ノズル14に目詰まりが生じるおそれがある。したがって、キャッピングにおいて、キャップ22内の雰囲気に水が含まれていると、ノズル14に目詰まりが生じるおそれがある。
【0030】
液体収容部16に収容される液体、特に保湿用収容部19に収容される液体は、空気中の水蒸気を含みやすい。これは、保湿用収容部19が大気に開放されているためである。また、空気中の水蒸気が保湿用収容部19、雰囲気流路23などを透過することによって、保湿用収容部19に収容される液体が水蒸気を含むこともある。そのため、気化した溶剤とともに水蒸気が保湿用収容部19からキャップ22に供給されやすい。よって、キャップ22内の雰囲気を除湿することが肝要である。
【0031】
除湿部27は、除湿剤収容部28を有する。除湿剤収容部28は、除湿剤29を収容するように構成される。除湿剤29は、例えば、シリカゲル、モレキュラーシーブなどである。除湿剤収容部28は、キャップ22に位置する。詳しくは、除湿剤収容部28は、キャップ22に形成される凹部である。すなわち、一例では、キャップ22が除湿部27を有するともいえる。除湿剤収容部28は、キャップ22内に位置する。除湿剤収容部28は、除湿剤29によってキャップ22内の雰囲気を除湿する。これにより、キャップ22内の雰囲気は、気化した溶剤を含む且つ除湿された状態となる。
【0032】
除湿剤収容部28は、キャップ22が受ける廃液が除湿剤29に接触するように位置する。すなわち、キャップ22が受ける廃液は、除湿剤収容部28を通過する。除湿剤29は、除湿剤収容部28に敷き詰められている。除湿剤収容部28は、除湿剤29を補充可能である。除湿剤収容部28は、キャップ22が受ける廃液が除湿剤29に接触するように位置することに限らず、キャップ22が受ける廃液が除湿剤29に接触しないように位置してもよい。例えば、除湿剤収容部28は、キャップ22内の空間と通じるポケットでもよい。
【0033】
[作用及び効果]
次に、上述した液体吐出装置11の作用及び効果について説明する。
(1-1)除湿部27は、液体収容部16内、キャップ22内、及び、雰囲気流路23内の少なくとも何れかの雰囲気を除湿する。上記構成によれば、雰囲気流路23を通じて、液体収容部16からキャップ22に気化した溶剤が供給される。液体収容部16、キャップ22、及び、雰囲気流路23はそれぞれ繋がっているため、除湿部27が何れかの雰囲気を除湿することによって、キャップ22内の雰囲気が除湿される。したがって、キャップ22内の雰囲気は、気化した溶剤を含む且つ除湿された状態となる。よって、ノズル14に目詰まりが生じるおそれが低減される。
【0034】
(1-2)液体収容部16は、雰囲気流路23に位置する吸引部24によって吸引された液体を収容する。上記構成によれば、キャップ22に排出された液体に含まれる溶剤によって、ノズル14を保湿できる。すなわち、キャップ22に排出された液体を、ノズル14の保湿に再利用できる。
【0035】
(1-3)液体収容部16は、受容部25が受けた液体を収容する。上記構成によれば、受容部25が受けた液体に含まれる溶剤によって、ノズル14を保湿できる。すなわち、受容部25が受けた液体を、ノズル14の保湿に再利用できる。
【0036】
(1-4)除湿剤収容部28は、キャップ22に位置する。上記構成によれば、除湿剤29によってキャップ22内の雰囲気を除湿できる。これにより、キャップ22内の雰囲気が効果的に除湿される。
【0037】
<第2実施例>
次に、液体吐出装置11の第2実施例について説明する。第2実施例では、上述の第1実施例と異なる点について主に説明する。
【0038】
[吸引流路]
図3に示すように、メンテナンス機構21は、吸引流路31を有してもよい。吸引流路31は、液体収容部16とキャップ22とに接続される。詳しくは、吸引流路31は、保湿用収容部19とキャップ22とに接続される。第2実施例では、第1実施例と異なり、吸引部24は、吸引流路31に位置する。接続流路26は、受容部25と吸引流路31とに接続される。キャップ22が受けた廃液は、吸引流路31を通じて保湿用収容部19に収容される。受容部25が受けた廃液は、接続流路26及び吸引流路31を通じて保湿用収容部19に収容される。すなわち、第2実施例では、気化した溶剤がキャップ22に供給される流路と、キャップ22から廃液が流れる流路とが、分けられている。
【0039】
[作用及び効果]
次に、上述した液体吐出装置11の作用及び効果について説明する。
(2-1)液体収容部16は、吸引流路31に位置する吸引部24によって吸引された液体を収容する。上記構成によれば、キャップ22に排出された液体に含まれる溶剤によって、ノズル14を保湿できる。すなわち、キャップ22に排出された液体を、ノズル14の保湿に再利用できる。
【0040】
(2-2)液体収容部16は、受容部25が受けた液体を収容する。上記構成によれば、受容部25が受けた液体に含まれる溶剤によって、ノズル14を保湿できる。すなわち、受容部25が受けた液体を、ノズル14の保湿に再利用できる。
【0041】
<第3実施例>
次に、液体吐出装置11の第3実施例について説明する。第3実施例では、上述の第1実施例と異なる点について主に説明する。
【0042】
[除湿部]
図4に示すように、除湿部27は、除湿剤収容部28に代えて、除湿剤収容体32を有してもよい。除湿剤収容体32は、除湿剤29を収容するように構成される。除湿剤収容体32は、例えば、ケースである。
【0043】
除湿剤収容体32は、筐体12内に位置する。除湿剤収容体32は、例えば、液体収容部16、キャップ22、及び、雰囲気流路23の何れかに接続される。詳しくは、除湿剤収容体32は、保湿用収容部19、キャップ22、及び、雰囲気流路23の何れかに接続される。保湿用収容部19内、キャップ22内、及び、雰囲気流路23内の何れかの雰囲気を除湿剤29が除湿する。これにより、キャップ22内の雰囲気が除湿される。したがって、キャップ22内の雰囲気は、気化した溶剤を含む且つ除湿された状態となる。
【0044】
図4に示す例では、除湿剤収容体32は、雰囲気流路23に接続される。詳しくは、除湿剤収容体32は、雰囲気流路23の途中に位置する。そのため、気化した溶剤は、保湿用収容部19からキャップ22に供給される過程で、除湿剤29を通過する。除湿剤収容体32は、保湿用収容部19に接続されてもよいし、キャップ22に接続されてもよい。
【0045】
除湿剤収容体32は、液体収容部16、キャップ22、及び、雰囲気流路23の何れかに接続されることに限らず、例えば筐体12に取り付けられてもよい。この場合、除湿剤収容体32は、筐体12内の雰囲気を除湿する。液体収容部16内、キャップ22内、及び、雰囲気流路23内は、筐体12内と通じている。そのため、筐体12内の雰囲気が除湿されることによって、液体収容部16内、キャップ22内、及び、雰囲気流路23内などの雰囲気も除湿される。すなわち、キャップ22内の雰囲気が除湿される。その結果、キャップ22内の雰囲気は、気化した溶剤を含む且つ除湿された状態となる。
【0046】
除湿剤収容体32は、着脱可能に構成されてもよい。詳しくは、除湿剤収容体32は、接続対象に対して着脱可能である。これにより、除湿剤29を交換できる。一例では、除湿剤収容体32は、雰囲気流路23に対して着脱可能である。
【0047】
[作用及び効果]
次に、上述した液体吐出装置11の作用及び効果について説明する。
(3-1)除湿部27は、除湿剤収容体32を有する。上記構成によれば、除湿剤29によってキャップ22内の雰囲気が除湿される。
【0048】
(3-2)除湿剤収容体32は、着脱可能に構成される。詳しくは、除湿剤収容体32は、雰囲気流路23に対して着脱可能である。上記構成によれば、除湿剤収容体32を取り外すことによって、除湿剤29を交換できる。
【0049】
<第4実施例>
次に、液体吐出装置11の第4実施例について説明する。第4実施例では、上述の第1実施例と異なる点について主に説明する。
【0050】
[除湿部]
図5に示すように、除湿部27は、除湿剤29に限らず、ドライエアを供給することによって雰囲気を除湿してもよい。一例では、除湿部27は、ドライエア供給機構33を有する。ドライエア供給機構33は、ドライエアを供給する機構である。ドライエア供給機構33は、例えば、ファン、ポンプなどを有する。これにより、ドライエア供給機構33は、ドライエアを送る。
【0051】
ドライエアは、気化した溶剤を含む雰囲気を除湿したエアであってもよいし、気化した溶剤を含まない雰囲気を除湿したエアであってもよい。ドライエア供給機構33は、液体収容部16内、キャップ22内、及び、雰囲気流路23内の雰囲気を除湿したドライエアを供給してもよいし、筐体12内又は筐体12外の雰囲気を除湿したドライエアを供給してもよい。ドライエア供給機構33は、後述するドライエア生成機構34によって生成されたドライエアを供給する。
【0052】
図5に示す例では、ドライエア供給機構33は、液体収容部16内、キャップ22内、及び、雰囲気流路23内の少なくとも何れかにドライエアを供給する。ドライエア供給機構33は、例えば、雰囲気流路23に接続される。ドライエア供給機構33は、液体収容部16に接続されてもよいし、キャップ22に接続されてもよい。ドライエア供給機構33は、液体収容部16内、キャップ22内、及び、雰囲気流路23内の少なくとも何れかにドライエアを供給することによって、キャップ22内の雰囲気を除湿する。
【0053】
気化した溶剤を含まないドライエアをドライエア供給機構33が供給する場合、キャップ22内がドライエアで置換されることによって、キャップ22内の雰囲気に含まれる溶剤量が減少する。このとき、キャップ22内の雰囲気に含まれる水蒸気量も併せて減少する。そのため、結果的に、キャップ22内の雰囲気は、気化した溶剤を含む且つ除湿された状態となる。
【0054】
ドライエア供給機構33は、キャップ22内に向けてドライエアを供給するとよい。一例では、ドライエア供給機構33は、保湿用収容部19からキャップ22内に向けてドライエアを供給する。これにより、キャップ22内の雰囲気が効果的に除湿される。
【0055】
液体吐出装置11は、ドライエア生成機構34からドライエアを取り込むように構成される。詳しくは、ドライエア供給機構33が、ドライエア生成機構34からドライエアを取り込む。ドライエア生成機構34は、液体吐出装置11が備える構成でもよいし、液体吐出装置11とは別の構成でもよい。
【0056】
ドライエア生成機構34は、ドライエアを生成するように構成される。ドライエア生成機構34は、取り込んだ雰囲気を冷却することによって、雰囲気中の水蒸気を結露させる。これにより、ドライエア生成機構34は、取り込んだ雰囲気を除湿する。ドライエア生成機構34は、冷却した雰囲気を常温に戻すことによって、ドライエアを生成する。ドライエア生成機構34は、例えば、取り込んだ雰囲気を冷媒により冷却する。冷媒は、水、ガスなどである。ドライエア生成機構34は、例えば、取り込んだ雰囲気と冷却した雰囲気とで熱交換させることによって、冷却した雰囲気を常温に戻す。
【0057】
ドライエア生成機構34は、生成したドライエアをドライエア供給機構33に供給する。一例では、ドライエア生成機構34は、ドライエア供給機構33に接続される。これにより、ドライエア生成機構34は、ドライエア供給機構33にドライエアを効果的に供給できる。
【0058】
ドライエア生成機構34は、ドライエア供給機構33を介して取り込んだ雰囲気からドライエアを生成してもよいし、ドライエア供給機構33を介さず取り込んだ雰囲気からドライエアを生成してもよい。ドライエア生成機構34は、気化した溶剤を含む雰囲気からドライエアを生成してもよいし、気化した溶剤を含まない雰囲気からドライエアを生成してもよい。すなわち、ドライエア生成機構34は、液体収容部16内、キャップ22内、及び、雰囲気流路23内の雰囲気からドライエアを生成してもよいし、筐体12内又は筐体12外の雰囲気からドライエアを生成してもよい。
【0059】
[作用及び効果]
次に、上述した液体吐出装置11の作用及び効果について説明する。
(4-1)除湿部27は、ドライエアを供給するドライエア供給機構33を有する。上記構成によれば、ドライエアによって、キャップ22内の雰囲気が除湿される。
【0060】
(4-2)ドライエア供給機構33は、キャップ22内に向けてドライエアを供給する。上記構成によれば、気化した溶剤を含む雰囲気が除湿された状態でキャップ22内を効果的に満たす。
【0061】
<変更例>
第1実施例から第4実施例は、以下のように変更できる。上記実施例及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせることができる。
【0062】
図6に示すように、ドライエア生成機構34は、ドライエア供給機構33と接続されなくともよい。ドライエア生成機構34は、例えば、筐体12内に位置する。この場合、ドライエア生成機構34が生成するドライエアは、筐体12内に供給される。筐体12内のドライエアをドライエア供給機構33が取り込むことによって、キャップ22内の雰囲気が気化した溶剤を含む且つ除湿された状態となる。
【0063】
図7に示すように、ドライエア供給機構33は、液体収容部16、キャップ22、及び、雰囲気流路23の何れにも接続されていなくともよい。ドライエア供給機構33は、筐体12内にドライエアを供給する。液体収容部16内、キャップ22内、及び、雰囲気流路23内は、筐体12内と通じている。そのため、筐体12内がドライエアで満たされることによって、液体収容部16内、キャップ22内、及び、雰囲気流路23内などの雰囲気もドライエアで満たされる。すなわち、キャップ22内の雰囲気が除湿される。ドライエア供給機構33は、キャップ22内に向けてドライエアを供給してもよい。ドライエア供給機構33は、例えば、図7において白抜き矢印で示す方向にドライエアを供給してもよい。受容部25の開口、液体収容部16の開口などからドライエアが取り込まれてもよい。
【0064】
図8に示すように、ドライエア生成機構34は、筐体12外に位置してもよい。ドライエア生成機構34は、筐体12外の雰囲気からドライエアを生成してもよい。ドライエア供給機構33は、筐体12外から筐体12内にドライエアを取り込んでもよい。これにより、筐体12内がドライエアで満たされる。その結果、キャップ22内の雰囲気が除湿される。ドライエア供給機構33は、キャップ22に向けてドライエアを供給してもよい。ドライエア供給機構33は、例えば、図8において白抜き矢印で示す方向にドライエアを供給してもよい。
【0065】
・液体吐出装置11が液体収容部16を備える場合、除湿剤収容部28は、液体収容部16内に位置してもよい。すなわち、液体収容部16は、除湿部27を有してもよい。この場合、液体収容部16の雰囲気が除湿剤29によって除湿される。その結果、キャップ22内の雰囲気が除湿される。
【0066】
<技術的思想>
以下に、上述した実施例及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0067】
(A)液体吐出装置は、溶剤を含む液体を収容する液体収容部が取り付けられる液体吐出装置であって、前記液体を吐出するノズルが開口するヘッドと、前記ヘッドに接触することによって前記ノズルと通じる空間を形成するキャップと、前記液体収容部と前記キャップとに接続される雰囲気流路と、前記液体収容部内、前記キャップ内、及び、前記雰囲気流路内の少なくとも何れかの雰囲気を除湿する除湿部と、を備える。
【0068】
上記構成によれば、雰囲気流路を通じて、液体収容部からキャップに気化した溶剤が供給される。液体収容部、キャップ、及び、雰囲気流路はそれぞれ繋がっているため、除湿部が何れかの雰囲気を除湿することによって、キャップ内の雰囲気が除湿される。したがって、キャップ内の雰囲気は、気化した溶剤を含む且つ除湿された状態である。よって、ノズルに目詰まりが生じるおそれが低減される。
【0069】
(B)上記液体吐出装置は、前記雰囲気流路に位置し、前記ノズルから前記キャップに排出された前記液体を吸引する吸引部を備え、前記液体収容部は、前記吸引部によって吸引された前記液体を収容してもよい。上記構成によれば、キャップに排出された液体に含まれる溶剤によって、ノズルを保湿できる。すなわち、キャップに排出された液体を、ノズルの保湿に再利用できる。
【0070】
(C)上記液体吐出装置は、前記ノズルから排出される前記液体を受ける受容部と、前記雰囲気流路と前記受容部とに接続される接続流路と、を備え、前記液体収容部は、前記受容部が受けた前記液体を収容してもよい。上記構成によれば、受容部が受けた液体に含まれる溶剤によって、ノズルを保湿できる。すなわち、受容部が受けた液体を、ノズルの保湿に再利用できる。
【0071】
(D)上記液体吐出装置は、前記液体収容部と前記キャップとに接続される吸引流路と、前記吸引流路に位置し、前記ノズルから前記キャップに排出された前記液体を吸引する吸引部と、を備え、前記液体収容部は、前記吸引部によって吸引された前記液体を収容してもよい。上記構成によれば、キャップに排出された液体に含まれる溶剤によって、ノズルを保湿できる。すなわち、キャップに排出された液体を、ノズルの保湿に再利用できる。
【0072】
(E)上記液体吐出装置は、前記ノズルから排出される前記液体を受ける受容部と、前記吸引流路と前記受容部とに接続される接続流路と、を備え、前記液体収容部は、前記受容部が受けた前記液体を収容してもよい。上記構成によれば、受容部が受けた液体に含まれる溶剤によって、ノズルを保湿できる。すなわち、受容部が受けた液体を、ノズルの保湿に再利用できる。
【0073】
(F)上記液体吐出装置において、前記除湿部は、除湿剤を収容する除湿剤収容部を有し、前記除湿剤収容部は、前記キャップに位置してもよい。上記構成によれば、除湿剤によってキャップ内の雰囲気が除湿される。
【0074】
(G)上記液体吐出装置において、前記除湿部は、除湿剤を収容する除湿剤収容体を有してもよい。上記構成によれば、除湿剤によって、キャップ内の雰囲気が除湿される。
(H)上記液体吐出装置において、前記除湿剤収容体は、着脱可能に構成されてもよい。上記構成によれば、除湿剤収容体を取り外すことによって、除湿剤を交換できる。
【0075】
(I)上記液体吐出装置において、前記除湿部は、ドライエアを供給するドライエア供給機構を有してもよい。上記構成によれば、ドライエアによって、キャップ内の雰囲気が除湿される。
【0076】
(J)上記液体吐出装置において、前記ドライエア供給機構は、前記キャップに向けてドライエアを供給してもよい。上記構成によれば、ドライエアによって、キャップ内の雰囲気が効果的に除湿される。
【符号の説明】
【0077】
11…液体吐出装置、12…筐体、13…ヘッド、14…ノズル、15…ノズル面、16…液体収容部、17…装着部、18…印刷用収容部、19…保湿用収容部、21…メンテナンス機構、22…キャップ、23…雰囲気流路、24…吸引部、25…受容部、26…接続流路、27…除湿部、28…除湿剤収容部、29…除湿剤、31…吸引流路、32…除湿剤収容体、33…ドライエア供給機構、34…ドライエア生成機構、99…媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8