(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108328
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】印刷制御システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
G06F3/12 326
G06F3/12 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012637
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】山本 敬之
(72)【発明者】
【氏名】高本 明男
(72)【発明者】
【氏名】坂井 俊文
(57)【要約】
【課題】適切なプリンターを案内する印刷制御システムの提供。
【解決手段】印刷制御システム100は、ユーザー位置取得部121と、行動情報取得部122と、プリンター位置取得部123と、印刷情報取得部124と、選択部125と、案内部126と、を含む。ユーザー位置取得部121は、ユーザーの位置を取得する。行動情報取得部122は、ユーザーの行動情報を取得する。プリンター位置取得部123は、複数のプリンター200のそれぞれの位置を取得する。印刷情報取得部124は、印刷情報を取得する。選択部125は、印刷情報と、ユーザーの位置及び行動情報と、プリンター200の位置に基づいてプリンター200を自動選択する。案内部126は、自動選択されたプリンター200で印刷情報の印刷を行う案内をする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの位置を取得するユーザー位置取得部と、
前記ユーザーの行動情報を取得する行動情報取得部と、
複数のプリンターのそれぞれの前記位置を取得するプリンター位置取得部と、
印刷情報を取得する印刷情報取得部と、
前記印刷情報と、前記ユーザーの前記位置及び前記行動情報と、前記プリンターの前記位置に基づいて前記プリンターを自動選択する選択部と、
自動選択された前記プリンターで前記印刷情報の印刷を行う案内をする案内部と、
を含むことを特徴とする印刷制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷制御システムにおいて、
前記選択部は、
前記ユーザーが前記行動情報から予想される移動を行う場合に、前記ユーザーが印刷物を受け取って所定位置に到達するまでの時間が最も早くなる前記プリンターを選択することを特徴とする印刷制御システム。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷制御システムにおいて、
前記所定位置は、
移動している前記ユーザーの目的地であることを特徴とする印刷制御システム。
【請求項4】
請求項3に記載の印刷制御システムにおいて、
前記選択部は、
前記行動情報と前記ユーザーの前記位置に基づいて、前記目的地を予想することを特徴とする印刷制御システム。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷制御システムにおいて、
前記選択部は、
前記ユーザーが到着してから印刷が完了する前記プリンターを選択することを特徴とする印刷制御システム。
【請求項6】
請求項4に記載の印刷制御システムにおいて、
前記選択部は、
前記行動情報から機械学習を行った結果を用いて前記目的地を予想することを特徴とする印刷制御システム。
【請求項7】
請求項4に記載の印刷制御システムにおいて、
前記選択部は、
前記行動情報から前記ユーザーが避けている前記位置を今回も避ける移動を行うものとして前記目的地を予想することを特徴とする印刷制御システム。
【請求項8】
請求項4に記載の印刷制御システムにおいて、
前記選択部は、
前記行動情報から前記ユーザーが避けている人を今回も避ける移動を行うものとして前記目的地を予想することを特徴とする印刷制御システム。
【請求項9】
請求項2に記載の印刷制御システムにおいて、
前記所定位置は、
前記ユーザーの現在地であることを特徴とする印刷制御システム。
【請求項10】
請求項2に記載の印刷制御システムにおいて、
前記所定位置は、
前記プリンターの前記位置であることを特徴とする印刷制御システム。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の印刷制御システムにおいて、
前記選択部は、
前記行動情報から予想される移動を行う場合に、印刷完了時の前記ユーザーの前記位置である予想位置に近い前記プリンターを選択することを特徴とする印刷制御システム。
【請求項12】
請求項11に記載の印刷制御システムにおいて、
前記選択部は、
前記予想位置から、前記行動情報に基づき予想される前記ユーザーの進行方向側に位置する前記プリンターの内、最も前記ユーザーに近い前記プリンターを選択することを特徴とする印刷制御システム。
【請求項13】
請求項1に記載の印刷制御システムにおいて、
前記選択部は、
前記ユーザーの指示に応じて自動選択した前記プリンターと異なる前記プリンターを選択することを特徴とする印刷制御システム。
【請求項14】
ユーザーの位置を取得するユーザー位置取得部と、
前記ユーザーの行動情報を取得する行動情報取得部と、
複数のプリンターのそれぞれの前記位置を取得するプリンター位置取得部と、
印刷情報を取得する印刷情報取得部と、
前記印刷情報と、前記ユーザーの前記位置及び前記行動情報と、前記プリンターの前記位置に基づいて前記プリンターを選択する選択部と、
選択された前記プリンターで前記印刷情報の印刷を行う案内をする案内部として、
コンピューターを機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷制御システム及びプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンターごとに印刷ジョブを管理する管理画面を表示する印刷制御システムが知られている。特許文献1には、対象となるプリンターで印刷できない印刷ジョブをグレーアウトして表示する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の手法は、指定した印刷ジョブが、他のプリンターのうちどのプリンターで印刷することが最適であるかをユーザーに示していないので、ユーザーは代替となるプリンターを探す手間が生じる。そのため、印刷に係る業務効率の改善ができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、ユーザーの位置を取得するユーザー位置取得部と、前記ユーザーの行動情報を取得する行動情報取得部と、複数のプリンターのそれぞれの前記位置を取得するプリンター位置取得部と、印刷情報を取得する印刷情報取得部と、前記印刷情報と、前記ユーザーの前記位置及び前記行動情報と、前記プリンターの前記位置に基づいて前記プリンターを自動選択する選択部と、自動選択された前記プリンターで前記印刷情報の印刷を行う案内をする案内部と、を含む印刷制御システムに関係する。
【0006】
また、本開示の一態様は、ユーザーの位置を取得するユーザー位置取得部と、前記ユーザーの行動情報を取得する行動情報取得部と、複数のプリンターのそれぞれの前記位置を取得するプリンター位置取得部と、印刷情報を取得する印刷情報取得部と、前記印刷情報と、前記ユーザーの前記位置及び前記行動情報と、前記プリンターの前記位置に基づいて前記プリンターを選択する選択部と、選択された前記プリンターで前記印刷情報の印刷を行う案内をする案内部として、コンピューターを機能させるプログラムに関係する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】本実施形態の処理例を説明するフローチャート。
【
図3】第1選択処理の処理例を説明するフローチャート。
【
図4】ユーザーと各プリンターの位置関係の例を説明する図。
【
図7】ユーザーと各プリンターの位置関係の別の例を説明する図。
【
図8】ユーザーと各プリンターの位置関係の別の例を説明する図。
【
図9】ユーザーと各プリンターの位置関係の別の例を説明する図。
【
図10】第2選択処理の処理例を説明するフローチャート。
【
図11】第3選択処理の処理例を説明するフローチャート。
【
図12】ユーザーと各プリンターの位置関係の別の例を説明する図。
【
図13】ユーザーと各プリンターの位置関係の別の例を説明する図。
【
図14】印刷制御システムの別の構成例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが必須構成要件であるとは限らない。また、特許請求の範囲に記載された全ての発明が、以下から読み取れる課題や効果の全てに対応するものではない。
【0009】
図1は、本実施形態の印刷制御システム100の構成例を説明するブロック図である。本実施形態の印刷制御システム100は、ユーザー位置取得部121と、行動情報取得部122と、プリンター位置取得部123と、印刷情報取得部124と、選択部125と、案内部126と、を含む。なお、選択部125と案内部126については
図2で後述する。
【0010】
印刷制御システム100は、例えばプリンター200を不図示の通信部を介して制御する制御サーバーであり、以下に述べる各種処理を行う。なお、
図1ではプリンター200は1台のみを図示しているが、印刷制御システム100が制御するプリンター200は2台以上あってもよく、詳細は
図4等で後述する。また、印刷制御システム100が行う処理に係る情報等は、印刷制御システム100と接続するそれぞれのプリンター200の間で共有できるようになっている。これにより、後述するように、ユーザーはプリンター200の不図示の表示部を通じて代替のプリンター200の情報等を閲覧できる。また、ユーザーはプリンター200の不図示の操作部を入力操作することによって、印刷制御システム100に対してコマンドの送信等を行うこともできる。
【0011】
また、印刷制御システム100は、プリンター200と接続している所定の電子機器に対して、当該プリンター200を介して後述の処理に係る情報等を共有できるようにしてもよい。所定の電子機器は、例えばパーソナルコンピューターであって、印刷物の原稿を作成するソフトウェアーがインストールされているものである。これにより、例えばユーザーは、当該ソフトウェアーのユーザーインターフェースを介して、後述する代替のプリンター200の情報等を閲覧できる。また、ユーザーは当該ユーザーインターフェースを介して、印刷制御システム100に対してコマンドの送信等を行うこともできる。なお、当該ユーザーインターフェースを用いて印刷設定を行った後に印刷処理を実行し、再度印刷処理を行う場合、当該ユーザーインターフェースには前回の印刷設定が引き継がれている場合が有る。
【0012】
また、印刷制御システム100は、ユーザーが所有する不図示の携帯端末装置と接続することもできる。携帯端末装置は例えばスマートフォン、タブレットPC等である。当該携帯端末装置には、印刷情報を閲覧可能なソフトウェアーがインストールされていてもよい。これにより、ユーザーは当該携帯端末装置の不図示の表示部上で、後述する代替のプリンター200の情報等を閲覧できる。或いは、当該携帯端末装置に、印刷物の原稿を作成するソフトウェアーがインストールされてもよい。また、ユーザーは当該携帯端末装置の不図示の操作部を入力操作することによって、印刷制御システム100に対してコマンドの送信等を行うこともできる。
【0013】
プリンター200は、インクジェットプリンター、ドットインパクトプリンター、熱転写プリンター、レーザープリンター、またはレーベルプリンター等、種々の構成が知られており、本実施形態の手法を広い範囲のプリンター200に適用できる。また、プリンター200は、スキャナーやファクシミリ等が一体となった複合機であってもよい。なお、レーベルプリンターは、データを記録可能なCD(Compact Disc)等のディスクの記録面にデータを書き込み、当該ディスクのレーベル面に画像を印刷する装置である。また、レーベルプリンターは、ディスクパブリッシャーまたはディスクデュプリケーターとも呼ぶ。
【0014】
本実施形態の印刷制御システム100はプロセッサーにより実現できる。例えばプロセッサーは、
図1に不図示のメモリーから本実施形態のプログラムを読み出し実行することで、ユーザー位置取得部121と、行動情報取得部122と、プリンター位置取得部123と、印刷情報取得部124と、選択部125と、案内部126として機能する。なお、ここでのメモリーは例えば
図12で後述する記憶部140であってもよい。プロセッサーは、例えば各部の機能が個別のハードウェアーで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアーで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアーを含み、そのハードウェアーは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、プロセッサーは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置や、1又は複数の回路素子により構成することもできる。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。但し、プロセッサーはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサーを用いることが可能である。またプロセッサーはASICによるハードウェアー回路であってもよい。またプロセッサーは、アナログ信号を処理するアンプ回路やフィルター回路等を含んでもよい。
【0015】
なお、前述は印刷制御システム100としての制御サーバーにプリンター200、電子機器、携帯端末装置が接続している構成としたが、これらを全て含めて印刷制御システム100としてもよいし、一部を省略してもよく、種々の変形実施が可能である。
【0016】
ユーザー位置取得部121は、ユーザーの位置を取得する。ここでの「位置」とは例えば地図上での位置を示す、現在の位置情報であるが、当該位置情報を得るためにプロセッサー等が処理するデータを意味することもある。また、ここでの位置情報は、所定の基準からの相対距離と方向を示す情報であってもよい。例えば印刷制御システム100のプロセッサーは、ユーザー位置取得部121に係るプログラムを読み出し、例えば以下の処理を実行することで、ユーザー位置取得部121として機能し、ユーザーの位置を取得することが実現できる。
【0017】
例えばユーザーが所有する不図示の携帯端末装置に含まれるIMU(Inertial Measurement Unit)が、印刷制御システム100と接続されている。当該携帯端末装置のIMUは、取得した物理量データに対して慣性航法演算処理を行い、慣性航法測位データを求める。また、印刷制御システム100は、不図示のGPS(Global Positioning System)受信部とGPS受信用アンテナを有するGPSデバイスを含む。当該GPS受信部は、GPS受信用アンテナを介してGPS衛星から受信した信号に基づいてGPS測位データを検出する。そしてユーザーが所有する携帯端末装置のプロセッサーは、求められた慣性航法測位データとGPS測位データに基づいて、当該携帯端末装置の位置を算出する。そしてユーザー位置取得部121はユーザーが所有する携帯端末装置の位置を、当該携帯端末装置から取得し、ユーザーの位置として扱うことができる。以降の説明において、IMU、GPSデバイス等の位置検出が可能なデバイスを位置検出デバイスと呼ぶ。なお、ユーザー位置取得部121が慣性航法測位データとGPS測位データとを取得して携帯端末装置の位置を算出してもよいし、携帯端末装置をユーザー位置取得部121の一部として印刷制御システム100をとらえてもよい。なお、ユーザーの位置の取得方法は上記に限らず、例えば、室内を撮影しているカメラが撮影した画像からユーザーの顔認識を行うことでユーザーの位置を取得してもよい。
【0018】
行動情報取得部122は、ユーザーの行動情報を取得する。行動情報は、ユーザーが行った行動内容を示す情報であり、例えば前述した位置検出デバイスから算出した移動軌跡の情報であるが、例えばヒートマップの情報であってもよい。ここでのヒートマップは、例えばサーモグラフィー技術を用いて、所定のエリア毎に、所定期間内にユーザーが通った回数を色の濃淡、色の違い等に対応づけて表示したものである。また、スケジュール管理ソフトウェアーに登録されている情報、フロアの入退室履歴、それぞれのプリンター200の使用頻度等、印刷制御システム100が収集可能な情報を行動情報としてもよい。また、スケジュール管理ソフトウェアーに登録されている登録情報に所定の規則性が有る場合は、当該規則性を行動情報に含めてもよい。所定の規則性とは、例えば所定の打ち合わせが、同じ曜日かつ同じ時間帯かつ同じ位置で行われること等である。
【0019】
プリンター位置取得部123は、プリンター200の位置を取得する。プリンター200の位置は、例えばプリンター200がフロア内に設置された後に持ち運びされずに固定したままである場合、当該フロアの地図の情報であるマップ情報にそれぞれのプリンター200の位置を含め、当該フロアのマップ情報を
図1に不図示の記憶部140に記憶させる。プリンター位置取得部123は、後述する処理を行うときに、記憶部140から当該フロアのマップ情報に基づいて必要なプリンター200の位置を取得する。なお、マップ情報、ユーザー及びプリンター200の位置の情報は例えば2次元空間情報であるが、3次元空間情報であってもよい。また、マップ情報、ユーザー及びプリンター200の位置の情報は、同じ座標系で作成された情報、または同じ座標系に換算することで相対的な位置関係を計算できる情報である。なお、プリンター200が持ち運び可能なモバイル型である場合、ユーザーの位置情報と同様に位置検出デバイス等を含ませることでプリンター位置情報を取得してもよい。
【0020】
印刷情報取得部124は、印刷情報を取得する。本実施形態の印刷情報は、例えばジョブの情報であるが、他の情報を含んでもよい。ここでのジョブとは、例えばプリンター200が一度の印刷処理を実行する際に用いられるデータの集合である印刷ジョブであるが、プリンター200がレーベルプリンターである場合は、ディスクの記録面に書き込む処理に用いられるデータの集合をさらに含む。ジョブは、当該ジョブを一意に識別するための識別情報と、印刷や書き込みの対象となるデータと、を少なくとも含む。他の情報とは、例えば当該ジョブの日時情報、ジョブを実行したプリンター200の識別情報、データ容量、設定情報等である。ジョブの日時情報には、例えばジョブの発行を受付した時刻、ジョブの実行完了時刻等である。設定情報は、印刷用紙のサイズ、カラー/モノクロ設定、両面/片面印刷設定、印刷枚数、書き込みを行うディスクの枚数等である。
【0021】
また、前述の行動情報と関連付けられる情報を、印刷情報としてもよい。例えば毎週月曜日の午前中の打ち合わせは、モノクロ設定かつ両面印刷設定で印刷が行われる一方、来客用の会議室に対応する位置で行われる打ち合わせでは、カラー設定かつ片面印刷設定で印刷が行われること等を印刷情報として扱ってよい。また、所定の者が所定のフロア内に位置しているときは、所定のフロア内のプリンター200はモノクロ設定で印刷が行われる一方、当該所定の者が当該所定のフロア内に位置していないときは、所定のフロア内のプリンター200はカラー設定で印刷が行われること等を印刷情報として扱ってよい。
【0022】
図2は、本実施形態の手法に係る処理例を説明するフローチャートである。
図2の処理は、印刷制御システム100が所定の状況を検出したときに行われる。所定の状況とは、ユーザーがプリンター200を指定する必要がある状況であって、指定したプリンター200が例えばオフラインになっているまたは指定したプリンター200の電源が入っていない等の状況であるが、これに限らず、プリンター200の種類に固有の状況も含まれる。例えばプリンター200がレーベルプリンターである場合、ユーザーが発行したジョブがBD(Blu-ray(登録商標) Disc)に関するジョブであるのに対し、前回実行したプリンター200はCDまたはDVD(Digital Versatile Disc)にしか対応していない等の状況も該当する。また例えばプリンター200がインクジェットプリンターである場合、ユーザーが発行したジョブがA3の用紙サイズに関するジョブであるのに対し、前回実行したプリンター200はA4迄の用紙サイズにしか対応していない等の状況も該当する。
【0023】
図2において、印刷情報システム10は、印刷情報と、ユーザーの位置及び行動情報と、プリンター200の位置に基づいてプリンター200を選択する処理(ステップS10)を行う。ステップS10は、前述のプロセッサーが本実施形態のプログラムを読み込み、実行することで、選択部125として機能していることを示している。言い換えれば、選択部125は、印刷情報と、ユーザーの位置及び行動情報と、プリンター200の位置に基づいてプリンター200を自動選択する。ステップS10における印刷情報は、前述の印刷情報取得部124が取得した情報である。同様に、ステップS10におけるユーザーの位置及び行動情報はユーザー位置取得部121と行動情報取得部122がそれぞれ取得した情報であり、ステップS10におけるプリンター200の位置は、プリンター位置取得部123が取得した情報である。
【0024】
選択部125は、例えば発行されたジョブに対応可能なプリンター200を探索する。そして対応可能なプリンター200が複数有る場合、当該プリンターの位置がユーザーの位置に近いこと、当該プリンター200がヒートマップ上でユーザーが通る可能性の高い色に対応する位置に位置していること、ユーザーが当該プリンター200を選択した割合が高いこと等を考慮して、選択部125は最適なプリンター200を選択する。また、これに限らず、例えば選択部125は、ユーザーのスケジュールを考慮し、当該プリンター200の位置が当該スケジュールに対応する位置、例えば移動先に近いことを考慮してもよい。また、例えば前述の位置検出デバイスからのデータによって、ユーザーの移動軌跡が分かる場合、当該移動軌上に当該プリンター200が位置しているか否かを考慮してもよい。
【0025】
その後印刷情報システム10は、選択したプリンター200を案内する処理(ステップS20)を行う。ステップS20は、前述のプロセッサーが本実施形態のプログラムを読み込み実行することで、案内部126として機能していることを示している。案内部126は、例えば選択部125が選択したプリンター200に関する情報を画像化する機能と、画像化したプリンター200の情報を表示する機能を有する。また、案内部126は、印刷物の原稿を作成するソフトウェアーがインストールされているコンピューターやその他のユーザーの傍にあるコンピューターに対して、当該画像化したプリンター200の情報を表示させる機能を有する。なお、案内部126は、画像を用いた視覚による案内に代えて音声を用いた聴覚による案内を行ってもよいし、視覚による案内と聴覚による案内の両方を行ってもよい。
【0026】
また、例えば図示は省略するが、ユーザーは、前述の印刷物の原稿を作成するソフトウェアーを用いて原稿を作成し、前述のユーザーインターフェースを開いたとする。前述のように、当該ユーザーインターフェースにおいて前回の設定が引き継がれるが、前回の設定に係るプリンター200が、今回の印刷処理に対応しているとは限らない。そこで、案内部126は、前回の設定に係るプリンター200の情報をグレーアウト表示し、ステップS10で選択されたプリンター200の情報を強調して表示してもよい。また、前回のプリンター200では今回発行したジョブが対応せず、ステップS10で選択されたプリンター200にジョブを送信するように推奨するメッセージを表示してもよい。
【0027】
以上のことから、本実施形態の印刷制御システム100は、ユーザー位置取得部121と、行動情報取得部122と、プリンター位置取得部123と、印刷情報取得部124と、選択部125と、案内部126と、を含む。ユーザー位置取得部121は、ユーザーの位置を取得する。行動情報取得部122は、ユーザーの行動情報を取得する。プリンター位置取得部123は、複数のプリンター200のそれぞれの位置を取得する。印刷情報取得部124は、印刷情報を取得する。選択部125は、印刷情報と、ユーザーの位置及び行動情報と、プリンター200の位置に基づいてプリンター200を自動選択する。案内部126は、自動選択されたプリンター200で印刷情報の印刷を行う案内をする。
【0028】
このように、本実施形態の印刷制御システム100は、ユーザー位置取得部121と、行動情報取得部122と、プリンター位置取得部123と、印刷情報取得部124を含むことから、印刷情報と、ユーザーの位置及び行動情報と、プリンター200の位置を取得することができる。また、印刷制御システム100は、選択部125と案内部126をさらに含むことから、ユーザーの位置及び行動情報と、プリンター200の位置を考慮して、発行されたジョブを実行するための代替となるプリンター200のうち、最適なプリンター200を自動選択し、当該最適なプリンター200についてユーザーに案内することができる。このようにすることで、ユーザーは、代替となるプリンター200を探索する負担を軽減することができる。これにより、印刷に係る業務の効率を上げることができる。これまで、印刷に対応していないプリンター200の存在を示すとともに、ユーザーの行動情報を考慮した上で最適なプリンター200を選択し、当該最適なプリンター200をユーザーに案内する手法は開示されていない。
【0029】
また、本実施形態の手法はプログラムとして実現してもよい。つまり、本実施形態のプログラムは、ユーザー位置取得部121と、行動情報取得部122と、プリンター位置取得部123と、印刷情報取得部124と、選択部125と、案内部126としてコンピューターを機能させる。ユーザー位置取得部121は、ユーザーの位置を取得する。行動情報取得部122は、ユーザーの行動情報を取得する。プリンター位置取得部123は、複数のプリンター200のそれぞれの位置を取得する。印刷情報取得部124は、印刷情報を取得する。選択部125は、印刷情報と、ユーザーの位置及び行動情報と、プリンター200の位置に基づいてプリンター200を自動選択する。案内部126は、自動選択されたプリンター200で印刷情報の印刷を行う案内をする。このようにすることで、上記と同様の効果を得ることができる。
【0030】
本実施形態の手法は、以上に限らず種々の変形実施が可能である。例えば選択部125は、複数のプリンター200から代替のプリンター200を選択するに当り、印刷物を持って帰るまでに要する時間を考慮してもよい。具体的には例えば
図2のステップS10は、
図3に示す第1選択処理(ステップS100)と組み合わせた処理にしてもよい。
【0031】
図3の第1選択処理(ステップS100)について説明する。印刷制御システム100はユーザーとプリンター200の位置を取得する(ステップS110)。ステップS110は例えば前述のように、ユーザー位置取得部121がユーザーの位置情報を取得する処理と、プリンター位置取得部123がプリンター200の位置を取得する処理である。なお、ステップS110で取得したプリンター200の位置は、発行したジョブを実行できるプリンター200の位置であるものとする。
【0032】
その後、行動情報取得部122は、それぞれのプリンター200の位置までに要する所要時間を取得する(ステップS120)。具体的には例えば行動情報取得部122は、ステップS110で取得した位置に基づき、ユーザーの現在位置からそれぞれのプリンターの位置までの距離を算出し、当該距離を一般人の平均移動速度で除算することで、所要時間に変換する処理を行う。なお行動情報取得部122は、ユーザーの平均移動速度を行動情報として取得し、当該距離を当該ユーザーの平均移動速度で除算することで、所要時間を算出してもよい。また、行動情報取得部122は、当該ユーザーの経路と移動に要した時間の関係についての情報を行動情報として取得し、当該情報に基づき所要時間を算出してもよく、種々の方法を採用することができる。その後、印刷情報取得部124は、それぞれのプリンター200で処理している各ジョブが完了する時間を取得する(ステップS130)。例えば印刷情報取得部124は、それぞれのプリンター200に対して、発行されたジョブのデータ容量等に基づいてジョブの処理時間を算出させ、算出した処理時間をプリンター200から受信する。
【0033】
その後、選択部125は、所定条件を満たすプリンター200が存在するか否かを判断する処理(ステップS140)を行う。所定条件については
図5で後述する。選択部125は、所定条件を満たすプリンター200が存在すると判断した場合(ステップS140でYES)、所定条件を満たし、かつ、所定時間が最も短いプリンター200を選択する(ステップS150)ことでフローは終了する。所定時間とは、ユーザーがジョブの発行を行ったタイミングからユーザーが印刷物を受け取って所定位置に到達するタイミングまでに要する時間である。具体的には、ユーザーが現在地からプリンター200まで移動する時間と、プリンター200のそばでユーザーが印刷完了を待つ必要がある場合にはその待機時間と、ユーザーがプリンター200から所定位置まで移動する時間との合計を所定時間とする。所定位置は、ユーザーの行動情報から予想される位置であり、具体例については後述する。なお、ユーザーはジョブの発行を行って直ぐに印刷物を取りに向かうものとする。一方、選択部125は、所定条件を満たすプリンター200が存在しないと判断した場合(ステップS140でNO)、所定時間が最も短いプリンター200を選択する(ステップS160)ことでフローは終了する。このように、本実施形態の印刷制御システム100において、選択部125は、ユーザーが行動情報から予想される移動を行う場合に、ユーザーが印刷物を受け取って所定位置に到達するまでの時間が最も早くなるプリンター200を選択する。このようにすることで、印刷制御システム100は、印刷物を受け取って所定位置に到達するまでの時間が最も早くなるプリンター200をユーザーに案内することができる。
【0034】
図4を用いて、
図3の第1選択処理(ステップS100)の具体的な適用例について説明する。
図4は、ユーザーが所定のプリンター200にジョブを送信したが、当該所定のプリンター200では当該ジョブが実行できず、代替のプリンター200として、第1プリンター200-1、第2プリンター200-2、第3プリンター200-3が有るものとする。例えばA0に示す位置にユーザーが位置し、A1に示す位置に第1プリンター200-1が位置し、A2に示す位置に第2プリンター200-2が位置し、A3に示す位置に第3プリンター200-3が位置している。また、
図4において、A0に示す位置がユーザーの自席であり、ユーザーは第1プリンター200-1、第2プリンター200-2、第3プリンター200-3のいずれかに発行したジョブに基づく印刷を行い、当該ジョブに係る印刷物を取得した後に引き続き当該自席に戻るものとする。つまり、本実施形態の印刷制御システム100において、所定位置は、ユーザーの現在地である。このようにすることで、印刷制御システム100は、印刷物を受け取って現在地に戻るまでの時間が最も短いプリンター200をユーザーに案内することができる。
【0035】
なお、所定位置がユーザーの現在地であることは、例えばユーザーがスケジュール管理ソフトウェアーに自席に待機する時間帯を登録し、行動情報取得部122が当該登録情報を取得し、選択部125は当該ジョブが発行されたタイミングが当該登録情報に係る時間帯に含まれていること等によって判断される。また、例えば所定の職場における印刷状況として、
図4の状況が最も頻度が高い場合、行動情報取得部122はスケジュール管理ソフトウェアーに何も登録されていない時間帯に当該ジョブが発行されたことを、所定位置がユーザーの現在地であることに相当する行動情報として取得してもよい。頻度が高い状況は通常の状況であり、スケジュール管理ソフトウェアーに登録する状況ではないとも考えられるからである。
【0036】
図4において、ユーザーから第1プリンター200-1までの距離を距離LA11とし、ユーザーから第2プリンター200-2までの距離は距離LA21とし、ユーザーから第3プリンター200-3までの距離は距離LA31とする。また、A0に示す位置からA1に示す位置に向かって到達するのに要する時間を時間TA11とし、A1に示す位置からA0に示す位置に向かって到達するのに要する時間を時間TB11とする。また、A0に示す位置からA2に示す位置に向かって到達するのに要する時間を時間TA21とし、A2に示す位置からA0に示す位置に向かって到達するのに要する時間を時間TB21とする。同様に、A0に示す位置からA3に示す位置に向かって到達するのに要する時間を時間TA31とし、A3に示す位置からA0に示す位置に向かって到達するのに要する時間を時間TB31とする。
【0037】
また、
図4において、ユーザーが第1プリンター200-1に対してジョブを発行したタイミングで、第1プリンター200-1が処理しているジョブが終了するまでに要する時間を時間TC11とし、ユーザーが第1プリンター200-1に対して発行したジョブの処理に要する時間をTD11とする。同様に、ユーザーが第2プリンター200-2に対してジョブを発行したタイミングで、第2プリンター200-2が処理しているジョブが終了するまでに要する時間を時間TC21とし、ユーザーが第2プリンター200-2に対して発行したジョブの処理に要する時間をTD21とする。同様に、ユーザーが第3プリンター200-3に対してジョブを発行したタイミングで、第3プリンター200-3が処理しているジョブが終了するまでに要する時間を時間TC31とし、ユーザーが第3プリンター200-3に対して発行したジョブの処理に要する時間をTD31とする。
【0038】
ここで
図3のステップS140の所定条件について説明する。
図5に示すように、時間TA11が、時間TC11と時間TD11の合計よりも短い場合は、ユーザーが発行したジョブが実行している間に、ユーザーが第1プリンター200-1に到達することから、発行したジョブに係る印刷物を他人に持ち去られる可能性は低い。言い換えれば、時間TA11が、時間TC11と時間TD11の合計よりも長い場合は、ユーザーが発行したジョブの実行が終了した後、ユーザーが第1プリンター200-1に到達することから、当該ジョブの実行が終了してからユーザーが到達する迄の間に、発行したジョブに係る印刷物を他人に持ち去られる可能性が高くなる。つまり、
図5に示すように「時間TA11<時間TC11+時間TD11」の関係を満たしていることが
図3のステップS140の所定条件であり、当該所定条件を満たしているプリンター200を案内することが、ユーザーにとって便宜である。以上のことから、本実施形態の印刷制御システム100において、選択部125は、ユーザーが到着してから印刷が完了するプリンター200を選択する。このようにすることで、ユーザーは、発行したジョブに係る印刷が完了する前にプリンター200に到着することができる。これにより、印刷物を確実に取得することができる。なお、印刷物を他人に持ち去られる可能性をユーザーが気にしない状況であれば、すべてのプリンター200が所定条件を満たしているとしてもよい。印刷物を他人に持ち去られる可能性をユーザーが気にしない状況であるか否かは、ユーザーが設定してもよいし、ユーザーの行動状況から自動的に設定してもよい。
【0039】
なお、
図3の例ではステップS140の所定条件を満たしていない場合は、ステップS160が行われるが、所定条件を満たしていない場合、代替となるプリンター200は存在しないと判断してもよく、具体例は
図11で後述する。
【0040】
なお、
図6は、例えば
図4の第1プリンター200-1にジョブを発行した場合における所定条件の例であるが、
図4の第2プリンター200-2、第3プリンター200-3についても同様に適用される。つまり、第2プリンター200-2にジョブを発行した場合における所定条件は「時間TA21<時間TC21+時間TD21」の関係を満たしていることであり、第3プリンター200-3にジョブを発行した場合における所定条件は「時間TA31<時間TC31+時間TD31」の関係を満たしていることである。詳細は省略するが、
図4の所定条件は、
図7、
図8の例においても同様に適用できる。
【0041】
図4の場合における所定時間について具体的に説明する。ユーザーが第1プリンター200-1を選択した場合において、A0に示す位置を出発し、印刷物を取得して再度A0に示す位置に戻るまでに要する時間を時間TT11とすると「時間TT11=max(時間TA11、時間TC11+時間TD11)+時間TB11」という関係が成り立つ。ここで、max(時間TA11、時間TC11+時間TD11)は、時間TA11と、時間TC11と時間TD11の合計のうち、長い方の時間である。同様に、ユーザーが第2プリンター200-2を選択した場合において、A0に示す位置を出発し、印刷物を取得して再度A0に示す位置に戻るまでに要する時間を時間TT21とすると「時間TT21=max(時間TA21、時間TC21+時間TD21)+時間TB21」という関係が成り立つ。同様に、ユーザーが第3プリンター200-3を選択した場合において、A0に示す位置を出発し、印刷物を取得して再度A0に示す位置に戻るまでに要する時間を時間TT31とすると「時間TT31=max(時間TA31、時間TC31+時間TD31)+時間TB31」という関係が成り立つ。つまり
図3のステップS150またはステップS160の所定時間は、時間TA11、時間TB11、時間TC11、時間TD11、時間TA21、時間TB21、時間TC21、時間TD21、時間TA31、時間TB31、時間TC31及び時間TD31を具体的に求めた上で、判断される。
【0042】
また、図示は省略するが、
図4に示す状況において、ステップS140でNOと判断し、ステップS160を行うが、ステップS160に替えて、ユーザーが発行したジョブが完了したタイミングにおいて、当該タイミングにおけるユーザーの位置である予想位置に最も近いプリンター200を選択してもよい。
図7、
図8の例でも同様である。例えば第1プリンター200-1を選択した場合、ユーザーが発行したジョブが完了したタイミングから、さらに第1プリンター200-1に到達するまでに要する時間を時間TE11すると、「時間TE11=時間TA11-(時間TC11+時間TD11)」という関係が成り立つ。同様に、例えば第2プリンター200-2を選択した場合、ユーザーが発行したジョブが完了したタイミングから、さらに第2プリンター200-2に到達するまでに要する時間を時間TE21すると、「時間TE21=時間TA21-(時間TC21+時間TD21)」という関係が成り立つ。同様に、例えば第3プリンター200-3を選択した場合、ユーザーが発行したジョブが完了したタイミングから、さらに第3プリンター200-3に到達するまでに要する時間を時間TE31すると、「時間TE31=時間TA31-(時間TC31+時間TD31)」という関係が成り立つ。そして選択部125は、時間TE11、時間TE21、時間TE31をそれぞれ比較し、最も短い時間に係るプリンター200を、代替のプリンター200として選択する。つまり、本実施形態の印刷制御システム100において、選択部125は、行動情報から予想される移動を行う場合に、印刷完了時のユーザーの位置である予想位置に近いプリンター200を選択する。このようにすることで、印刷完了時にユーザーがプリンター200の位置に到達できない場合、さらにプリンター200の位置までに要する時間を最小限にできる。
【0043】
なお、
図2、
図3の処理は、前述したように、所定のプリンター200では発行したジョブが実行できないことを前提に、代替のプリンター200として、第1プリンター200-1、第2プリンター200-2、第3プリンター200-3を選択する例であるが、本実施形態の手法はこれに限られない。例えば、ユーザーが指定したプリンター200でも発行したジョブを実行できるが、他により適したプリンター200を案内することを目的に、本実施形態の手法を適用してもよい。
【0044】
例えばユーザーが通常使用するプリンター200が第1プリンター200-1であるとする。そしてユーザーが第1プリンター200-1を指定してジョブを発行したとする。このとき、印刷制御システム100は、第1プリンター200-1が当該ジョブを実行できるか否かに関わらず、
図3の第1選択処理(ステップS100)を行い、選択部125がステップS160で第2プリンター200-2を選択したとする。
【0045】
このような場合、案内部126は、以下のように案内を行う。例えば
図6のB10に示すユーザーインターフェースの画面において、B11に示すように、通常使用するプリンター200として第1プリンター200-1が自動選択されている。ここでの自動選択とは、例えば前回行った印刷処理の設定を引き継いだことによって選択されていることをいうが、例えば不図示の設定画面等を通じて予め選択されていたことを含んでもよい。そしてユーザーはB12に示すアイコンを選択すると、B20に示す画面が表示される。B20に示す画面において、B21に示すように、より適したプリンター200として第2プリンター200-2を推奨するダイアログボックスが表示される。このように、本実施形態の印刷制御システム100において、選択部125は、ユーザーの指示に応じて自動選択したプリンター200(第1プリンター200-1)と異なるプリンター200(第2プリンター200-2)を選択する。このようにすることで、印刷制御システム100は、指示したプリンター200である第1プリンター200-1よりも適したプリンター200である第2プリンター200-2をユーザーに案内することができる。
【0046】
なお、
図4は、ユーザーがジョブを発行したタイミングにおけるユーザーの位置に、印刷物を持って戻るケースであるが、本実施形態の手法を適用できるケースはこれに限られない。例えばユーザーが印刷物を持って、ジョブを発行したタイミングにおけるユーザーの位置と異なる位置である目的地に移動するケースにも、本実施形態の手法を適用できる。つまり、本実施形態の印刷制御システム100において、所定位置は、移動しているユーザーの目的地である。このようにすることで、印刷制御システム100は、現在位置から移動を開始し、印刷物を受け取って目的地に到達するまでの時間が最も短いプリンター200をユーザーに案内することができる。
【0047】
例えば
図7のA20に示す位置にユーザーが位置し、A21に示す位置に第1プリンター200-1が位置し、A22に示す位置に第2プリンター200-2が位置し、A23に示す位置に第3プリンター200-3が位置しているものとする。そしてユーザーから第1プリンター200-1までの距離を距離LA12とし、ユーザーから第2プリンター200-2までの距離は距離LA22とし、ユーザーから第3プリンター200-3までの距離は距離LA32とする。また、A20に示す位置からA21に示す位置に向かい、到達するのに要する時間を時間TA12とし、A20に示す位置からA22に示す位置に向かい、到達するのに要する時間を時間TA22とし、A20に示す位置からA23に示す位置に向かい、到達するのに要する時間を時間TA32とする。
【0048】
図7に示す例は、
図4に示す例と異なり、ユーザーは印刷物を取得した後に、A24に示す位置に向かう。例えばA24の示す位置で打ち合わせを行うため、A21に示す位置で打ち合わせに用いる印刷物に係るジョブを発行し、当該ジョブを取得したらそのまま打ち合わせに向かう状況等が、
図7に相当する。なお、所定位置が、移動しているユーザーの目的地であることが、例えばユーザーがスケジュール管理ソフトウェアーに会議の時間帯を登録し、行動情報取得部122が当該登録情報を取得し、選択部125は当該登録情報と、当該ジョブが発行されたタイミングが当該会議の開始直前のタイミングであること等に基づいて判断される。また行動情報取得部122は、当該登録情報で含まれる会議の場所の情報がA24に示す目的地であるという行動情報を取得し、選択部125は、ユーザーはA24に示す位置に向かうものとしてプリンター200を選択する。このように、本実施形態の印刷制御システム100において、選択部125は、行動情報とユーザーの位置に基づいて、目的地を予想する。このようにすることで、印刷制御システム100は、ユーザーが印刷物を持って向かう目的地を予想することができる。これにより、代替となるプリンター200の選択の精度を向上させることができる。
【0049】
図7において、A21に示す位置からA24に示す位置までの距離を距離LB12とし、A21に示す位置からA24に示す位置までの移動に要する時間を時間TB12とする。同様に、A22に示す位置からA24に示す位置までの距離を距離LB22とし、A22に示す位置からA24に示す位置までの移動に要する時間を時間TB22とする。同様に、A23に示す位置からA24に示す位置までの距離を距離LB32とし、A22に示す位置からA24に示す位置までの移動に要する時間を時間TB32とする。
【0050】
図7の例の場合、
図3のステップS150等の所定時間は、
図4と同様に求めることができる。ユーザーが第1プリンター200-1を選択した場合において、A20に示す位置を出発し、印刷物を取得してA24に示す位置に到達するまでに要する時間を時間TT12とすると「時間TT12=max(時間TA12、時間TC12+時間TD12)+時間TB12」という関係が成り立つ。ここで、max(時間TA12、時間TC12+時間TD12)は、時間TA12と、時間TC12と時間TD12の合計のうち、長い方の時間である。同様に、ユーザーが第2プリンター200-2を選択した場合において、A20に示す位置を出発し、印刷物を取得してA24に示す位置に到達するまでに要する時間を時間TT22とすると「時間TT22=max(時間TA22、時間TC22+時間TD22)+時間TB22」という関係が成り立つ。同様に、ユーザーが第3プリンター200-3を選択した場合において、A20に示す位置を出発し、印刷物を取得してA24に示す位置に到達するまでに要する時間を時間TT32とすると「時間TT32=max(時間TA32、時間TC32+時間TD32)+時間TB31」という関係が成り立つ。
【0051】
図7の例に対して
図3のステップS150等の所定時間は、時間TA12、時間TB12、時間TC12、時間TD12、時間TA22、時間TB22、時間TC22、時間TD22、時間TA32、時間TB32、時間TC32、時間TD32を具体的に求めた上で判断される。
【0052】
また、例えば
図7に示す状況において、ユーザーがA20に示す位置に位置するタイミングでユーザーが発行したジョブが速やかに完了する場合も考えられる。このような場合、
図3のステップS140でNOとなりステップS160が実行されるが、選択部125はステップS160に替えて、A20の位置とA24に示す位置を結ぶ線上に位置する第1プリンター200-1を選択してもよい。また、図示は省略するが、A20の位置とA24に示す位置を結ぶ線上に、代替となりえる複数のプリンター200が位置する場合は、その中でA20に示す位置に最も近い位置に位置するプリンター200を選択してもよい。このように、本実施形態の印刷制御システム100において、選択部125は、予想位置(A20の位置)から、行動情報に基づき予想されるユーザーの進行方向側(A20の位置からA24の位置に向かう側)に位置するプリンター200の内、最もユーザーに近いプリンター200を選択する。このようにすることで、印刷完了時にユーザーがプリンター200の位置に到達できない場合、ユーザーが印刷物を受け取って目的地迄に要する時間を最小限にできる。
【0053】
また、例えばユーザーがプリンター200で印刷物を取得すると、当該プリンター200に併設されているテーブル等で打ち合わせ等を行うケースにも、本実施形態の手法を適用できる。つまり、本実施形態の印刷制御システム100において所定位置は、プリンター200の位置である。このようにすることで、印刷制御システム100は、現在位置から移動を開始し、目的地でもある、印刷物を受け取る位置に到達するまでの時間が最も短いプリンター200をユーザーに案内することができる。なお、所定位置がプリンター200の位置であることは、例えばフロアマップ情報から読み取れる特徴を行動情報として取得し、当該行動情報に基づいて判断される。
【0054】
例えば
図8のA30に示す位置にユーザーが位置し、C1に示すテーブルと併せて第1プリンター200-1が位置し、C2に示すテーブルと併せて第2プリンター200-2が位置し、C3に示すテーブルと併せて第3プリンター200-3が位置しているものとする。そしてA30に示す位置から第1プリンター200-1の位置までの距離を距離LA13とし、A30に示す位置から第2プリンター200-2の位置までの距離を距離LA23とし、A30に示す位置から第3プリンター200-3の位置までの距離を距離LA33とする。また、A30に示す位置から第1プリンター200-1の位置までに到達するのに要する時間を時間TA13とし、A30に示す位置から第2プリンター200-2の位置までに到達するのに要する時間を時間TA23とし、A30に示す位置から第3プリンター200-3の位置までに到達するのに要する時間を時間TA33とする。
【0055】
図8の例において、ユーザーが第1プリンター200-1に対してジョブを発行したタイミングで、第1プリンター200-1が処理しているジョブが終了するまでに要する時間を時間TC13とし、ユーザーが第1プリンター200-1に対して発行したジョブの処理に要する時間を時間TD13とする。同様に、
図8の例において、ユーザーが第2プリンター200-2に対してジョブを発行したタイミングで、第2プリンター200-2が処理しているジョブが終了するまでに要する時間を時間TC23とし、ユーザーが第2プリンター200-2に対して発行したジョブの処理に要する時間を時間TD23とする。同様に、
図8の例において、ユーザーが第3プリンター200-3に対してジョブを発行したタイミングで、第3プリンター200-3が処理しているジョブが終了するまでに要する時間を時間TC33とし、ユーザーが第3プリンター200-3に対して発行したジョブの処理に要する時間を時間TD33とする。
【0056】
前述したように、
図8の例では、印刷物を取得したプリンター200の位置が目的地であるから、当該プリンター200から目的地までの時間はゼロとして扱うことができる。したがって、ユーザーが第1プリンター200-1を選択した場合において、A30に示す位置を出発し、印刷物を取得して目的地に到達するまでに要する時間を時間TT13とすると「時間TT13=max(時間TA13、時間TC13+時間TD13)」という関係が成り立つ。同様に、ユーザーが第2プリンター200-2を選択した場合において、A30に示す位置を出発し、印刷物を取得して目的地に到達するまでに要する時間を時間TT23とすると「時間TT23=max(時間TA23、時間TC23+時間TD23)」という関係が成り立つ。同様に、ユーザーが第3プリンター200-3を選択した場合において、A30に示す位置を出発し、印刷物を取得して目的地に到達するまでに要する時間を時間TT33とすると「時間TT33=max(時間TA33、時間TC33+時間TD33)」という関係が成り立つ。
【0057】
図8の例に対して
図3のステップS150等の所定時間は、時間TA13、時間TC13、時間TD13、時間TA23、時間TC23、時間TD23、時間TA33、時間TC33、時間TD33を具体的に求めた上で判断される。
【0058】
なお、
図4、
図7、
図8の例は、ユーザーがジョブを発行した位置と、プリンター200の位置が異なる例であるが、本実施形態の手法はこれに限らず、例えばプリンター200の位置の付近でユーザーがジョブを発行する場合にも本実施形態の手法を適用できる。
【0059】
例えば
図9のA41に示す位置に第1プリンター200-1が位置し、A42に示す位置に第2プリンター200-2が位置し、A43に示す位置に第3プリンター200-3が位置しているものとする。また、
図9の第1プリンター200-1から第2プリンター200-2までの距離を距離LA41とし、第1プリンター200-1から第3プリンター200-3までの距離を距離LA51とし、第2プリンター200-2から第3プリンター200-3までの距離を距離LA61とする。また、第1プリンター200-1から第2プリンター200-2に向かって到達するのに要する時間を時間TA41とし、第2プリンター200-2から第1プリンター200-1に向かって到達するのに要する時間を時間TB41とする。同様に、第1プリンター200-1から第3プリンター200-3に向かって到達するのに要する時間を時間TA51とし、第3プリンター200-3から第1プリンター200-1に向かって到達するのに要する時間を時間TB51とする。また、ユーザーはA41に示す、第1プリンター200-1の位置に位置しているものとする。
【0060】
また、
図9において、ユーザーが第1プリンター200-1に対してジョブを発行したタイミングで、第1プリンター200-1が処理しているジョブが終了するまでに要する時間を時間TC14とし、ユーザーが第1プリンター200-1に対して発行したジョブの処理に要する時間をTD14とする。同様に、ユーザーが第2プリンター200-2に対してジョブを発行したタイミングで、第2プリンター200-2が処理しているジョブが終了するまでに要する時間を時間TC24とし、ユーザーが第2プリンター200-2に対して発行したジョブの処理に要する時間をTD24とする。同様に、ユーザーが第3プリンター200-3に対してジョブを発行したタイミングで、第3プリンター200-3が処理しているジョブが終了するまでに要する時間を時間TC34とし、ユーザーが第3プリンター200-3に対して発行したジョブの処理に要する時間をTD34とする。
【0061】
図9の例の場合、プリンター200同士の距離、所要時間の情報を要するが、ユーザーの位置からそれぞれのプリンター200までの距離、所要時間の情報は要しない点で、
図4、
図7、
図8の例と異なる。
【0062】
また、
図9においてユーザーが第1プリンター200-1を指定してジョブを発行したところ、第1プリンター200-1は当該ジョブを実行できないものとする。この場合、
図3の第1選択処理(ステップS100)に替えて、
図10の第2選択処理(ステップS200)を
図2のステップS10と組み合わせることで、選択部125は、代替のプリンター200として、第2プリンター200-2と第3プリンター200-3のどちらが適しているかを適切に判断し、選択することができる。
【0063】
図10において、印刷制御システム100は、
図3のステップS110と同様に、ユーザーとそれぞれのプリンター200の位置を取得する(ステップS210)。その後、行動情報取得部122は、他のプリンター200までの所要時間を取得する(ステップS220)。その後、印刷情報取得部124は、それぞれのプリンター200で処理している各ジョブが完了する時間を取得する。その後選択部125は、所定条件を満たすプリンター200が存在するか否かを判断する処理(ステップS240)を行う。
【0064】
ステップS240における所定条件は、
図3のステップS140の所定条件と同様である。具体的には例えば
図9において第1プリンター200-1から第2プリンター200-2に代替したい場合の所定条件は「時間TA41<(時間TC24+時間TD24)」となり、第1プリンター200-1から第3プリンター200-3に代替したい場合の所定条件は「時間TA51<(時間TC34+時間TD34)」となる。
【0065】
その後選択部125は、所定条件を満たすプリンター200が存在すると判断した場合(ステップS240でYES)、所定条件を満たし、かつ、所定時間が最も短いプリンター200を選択する(ステップS250)ことでフローが終了する。一方、選択部125は、所定条件を満たすプリンター200が存在しないと判断した場合(ステップS240でNO)、所定時間が最も短いプリンター200を選択し(ステップS260)、フローを終了する。
【0066】
図9の例の場合、
図10のステップS250等の所定時間は、以下のように求めることができる。例えば代替として第2プリンター200-2を選択した場合、A41に示す位置を出発し、印刷物を取得して再びA41に示す位置に到達するまでに要する時間を時間TT24とすると「時間TT24=max(時間TA41、時間TC24+時間TD24)+時間TB41」という関係が成り立つ。同様に、例えば代替として第3プリンター200-3を選択した場合において、A41に示す位置を出発し、印刷物を取得して再びA41に示す位置に到達するまでに要する時間を時間TT34とすると「時間TT34=max(時間TA51、時間TC34+時間TD34)+時間TB51」という関係が成り立つ。そして選択部125は時間TT24、時間TT34を比較して、そのうちの最短時間を選択する。つまり時間TA41、時間TB41、時間TA51、時間TB51、時間TC24、時間TD24、時間TC34、時間TD34を具体的に求めた上で時間TT24、時間TT34の大小が比較される。
【0067】
なお、第1プリンター200-1が発行したジョブを実行できる場合にも第2選択処理(ステップS200)を行ってもよい。ユーザーが第1プリンター200-1を指定してジョブを実行する場合の所要時間を時間TT14とすると、時間TT14=時間TC14+時間TD14であり、ステップS250等において、選択部125は時間TT14、時間TT24、時間TT34を比較する。このとき、時間TT14が最も短い場合、選択部125は代替するよりも第1プリンター200-1でジョブを実行することが最善と判断し、案内部126は代替のプリンター200を案内する表示を行わなければよい。
【0068】
なお説明は省略するが、
図9においてユーザーがA42に示す第2プリンター200-2の位置に位置し、ユーザーが第2プリンター200-2を指定してジョブを発行したところ、第2プリンター200-2は当該ジョブを実行できない場合についても、同様に代替のプリンター200を案内できる。また、ユーザーがA43に示す第3プリンター200-3の位置に位置し、ユーザーが第3プリンター200-3を指定してジョブを発行したところ、第3プリンター200-3は当該ジョブを実行できない場合についても、同様に代替のプリンター200を案内できる。
【0069】
また、本実施形態の手法は、認証印刷に対応しているプリンター200に対しても適用することができる。認証印刷において、ユーザーはプリンター200の前に立ち、ユーザー認証を行うことから、ユーザーとそれぞれのプリンター200の位置関係は
図9と同様になる。認証印刷を行う場合、
図10の第2選択処理(ステップS200)に替えて、
図11の第3選択処理(ステップS300)を
図3のステップS10と組み合わせることで、代替となるプリンター200のうち最適なプリンター200を選択することができる。
【0070】
第3選択処理について説明する。印刷制御システム100は、ユーザー認証が実行されたか否かを判断する処理(ステップS310)を行う。印刷制御システム100は、ユーザー認証が実行されたと判断した場合(ステップS310でYES)、ステップS320以降を行う。一方、印刷制御システム100は、ユーザー認証が実行されていないと判断した場合(ステップS310でNO)、再度ステップS310を行う。その後、
図9のステップS210、ステップS220、ステップS230と同様に、ユーザーとそれぞれのプリンター200の位置を取得し(ステップS320)、他のプリンター200までの所要時間を取得し(ステップS330)、それぞれのプリンター200で処理している各ジョブが終了するまでの時間を取得する(ステップS340)。その後選択部125は、所定条件を満たすプリンター200が存在するか否かを判断する処理(ステップS350)を行う。ステップS350の所定条件は、
図10のステップS240の所定条件と同じである。選択部125は、所定条件を満たすプリンター200が存在すると判断した場合(ステップS350でYES)、所定条件を満たし、かつ、所定時間が最も短いプリンター200を選択する(ステップS360)。一方、選択部125は、所定条件を満たすプリンター200が存在しないと判断した場合(ステップS350でNO)、フローを終了する。つまり、
図10の場合、
図9と異なり、所定条件を満たすプリンター200が存在しない場合、代替のプリンター200として選択され得るプリンター200は存在しないものとして扱う。ユーザー認証を行ったにも関わらず、発行したジョブに係る印刷物を他人に持ち去られる可能性が有る状況を作ると、認証印刷の意義が失われるからである。例えばユーザーが第1プリンター200-1を指定してジョブを発行したところ、第1プリンター200-1は当該ジョブを実行できず、かつ選択部125が
図10のステップS350でNOと判断した場合、案内部126は第1プリンター200-1の表示部にエラーを表示する。なお、第1プリンター200-1が、ユーザーが発行したジョブを実行できる場合、ユーザーが認証を行った第1プリンター200-1でジョブを実行すればよい。
【0071】
また、本実施形態の手法は上記に限られず、例えばユーザー避けたい位置が有る場合、それをさらに考慮してもよい。例えば
図12のA51に示す位置に第1プリンター200-1が位置し、A52に示す位置に第2プリンター200-2が位置し、A53に示す位置に第3プリンター200-3が位置している。
図12において、第1プリンター200-1から第2プリンター200-2までの距離を距離LA42とし、第1プリンター200-1から第3プリンター200-3までの距離を距離LA52とする。また、第1プリンター200-1から第2プリンター200-2に向かって到達するまでに要する時間を時間TA42とし、第2プリンター200-2から第1プリンター200-1に向かって到達するまでに要する時間を時間TB42とする。同様に、第1プリンター200-1から第3プリンター200-3に向かって到達するまでに要する時間を時間TA52とし、第3プリンター200-3から第1プリンター200-1に向かって到達するまでに要する時間を時間TB52とする。また、ユーザーはA51に示す、第1プリンター200-1の位置に位置しているものとする。
【0072】
図12においては、D51に示す人物の視野に係る領域をD52で示している。例えば、ユーザーが、D51に示す位置に位置する人物から、作業に集中したい事情等から、近辺への立ち入りを控えて欲しい通知を受けたとする。つまりD52に示す領域は、ユーザーにとって出入りを避けたい領域である。D52に示す領域はユーザーによって設定されてもよいし、ユーザーの行動情報から自動で設定されてもよい。例えば当該通知の内容は、前述のスケジュール管理ソフトウェアーに登録する等により、ユーザーの行動情報として扱うことができる。あるいは、D52に示す領域の情報をスケジュール管理ソフトウェアーに登録してもよい。また、
図12に示すように、第2プリンター200-2の位置はD52に示す領域と重畳しているが、第3プリンター200-3の位置はD52に示す領域と重畳していないものとする。
【0073】
このような状況のもとで、ユーザーが第1プリンター200-1を指定してジョブを発行したところ、第1プリンター200-1では当該ジョブを実行できなかったものとする。この場合において、選択部125は、第2プリンター200-2、第3プリンター200-3のどちらかを選択することになるが、前述のように第2プリンター200-2はD52に示す領域と重畳していることから、第2プリンター200-2を選択の候補から除外し、第3プリンター200-3を選択する。なお、
図12においては、距離LA42は距離LA52より十分短いことから時間TA42は時間TA52より短く、時間TB42は時間TB52より短い。そのため
図10の第2選択処理(ステップS200)を行った場合、選択部125は第2プリンター200-2を選択する可能性が有るが、上記のように行動情報を優先すると、選択部125は第2プリンター200-2を選択の対象から除外し、第3プリンター200-3を選択する。以上のことから、本実施形態の印刷制御システム100において、選択部125は、行動情報からユーザーが避けている位置を今回も避ける移動を行うものとして目的地を予想する。このようにすることで、印刷制御システム100は、ユーザーが避けたい位置を避けながら目的地に到達できるように、プリンター200を選択することができる。なお、図示は省略するが、ユーザーが避けた位置を含むことなくプリンター200に到達できる経路が複数有る場合、選択部125は、それぞれの経路についての移動時間を計算し、それぞれの移動時間に基づいてステップS240を行ってもよい。
【0074】
また、例えば、ユーザー及び所定の人物の移動履歴の関係を行動情報として考慮してもよい。例えば
図13において、A61に示す位置に第1プリンター200-1が位置し、A62に示す位置に第2プリンター200-2が位置し、A63に示す位置に第3プリンター200-3が位置しているものとする。また、第1プリンター200-1から第2プリンター200-2に向かって到達するまでに要する時間を時間TA43とし、第2プリンター200-2から第1プリンター200-1に向かって到達するまでに要する時間を時間TB43とする。同様に、第1プリンター200-1から第3プリンター200-3に向かって到達するまでに要する時間を時間TA53とし、第3プリンター200-3から第1プリンター200-1に向かって到達するまでに要する時間を時間TB53とする。また、ユーザーはA60に示す位置に位置し、ユーザーは通常、A60の位置に最も近い第1プリンター200-1を使用しているものとする。
【0075】
例えばA60に示す位置に位置するユーザーと、D61に示す位置に位置する人物が同じフロアに居るとき、A61に示す位置に位置するユーザーの移動履歴はA62の点線のように示され、D61に示す位置に位置する人物の移動履歴はD62の点線のように示されるものとする。A61の点線、D62に示す点線は、例えばユーザーが所持する携帯端末装置に含まれる位置検出デバイス等の測定データから行動情報として取得できる。所定の事情によって、A61の点線によって作られる領域と、D62に示す点線から作られる領域は重畳していない。所定の事情とは、例えばD61に示す位置に位置する人物が、ユーザーが所属する組織における要職に相当する人物等であるため、ユーザーが当該人物の通行を妨げにならないように配慮しなければならない事情である。
【0076】
そしてユーザーが第1プリンター200-1を指定してジョブを発行したところ、第1プリンター200-1は当該ジョブが実行できなかったとする。この場合において、選択部125は、第2プリンター200-2、第3プリンター200-3のどちらかを選択することになるが、第2プリンター200-2はD62に示す点線で作られる領域と重畳していることから、第2プリンター200-2を選択の候補から除外し、第3プリンター200-3を選択する。このようにすることで、A61に示す位置に位置するユーザーは、D61に示す位置に位置する人物と鉢合わせすることを防ぐことができる。
【0077】
なお、当該人物の現在位置が、D61に示す位置から一定距離以上離れている場合、選択部125は、上記した移動履歴を考慮せず、
図10の第2選択処理(ステップS200)をそのまま行うことで、代替のプリンター200を選択してもよい。
図13においては、距離LA43は距離LA53より十分短いことから、時間TA43は時間TA53より短く、時間TB43は時間TB53より短いので、
図10のステップS250またはステップS260によって、選択部125は第2プリンター200-2を選択する可能性が有るが、それは構わない。所定の人物の現在位置が、D61に示す位置から一定距離以上離れていることで、ユーザーが印刷物を取りに第2プリンター200-2との間を往復しても、ユーザーが当該人物と鉢合わせする可能性は極めて低くなるからである。以上のことから、本実施形態の印刷制御システム100において、選択部125は、行動情報からユーザーが避けている人を今回も避ける移動を行うものとして目的地を予想する。このようにすることで、印刷制御システム100は、ユーザーが避けたい人を避けながら目的地に到達できるように、プリンター200を選択することができる。
【0078】
また、上記した本実施形態の手法に機械学習技術を適用してもよい。具体的には、
図14のように印刷制御システム100は、入力部110と、処理部120と、出力部130と、記憶部140を含み、記憶部140は学習済モデル142を含むように構成することで、機械学習を用いたによる代替のプリンター200の案内を実現できる。なお、
図12の処理部120は後述する推論処理を行う機能を少なくとも有するが、
図1に示したユーザー位置取得部121、行動情報取得部122、プリンター位置取得部123、印刷情報取得部124、選択部125及び案内部126の機能を有してもよい。言い換えれば、
図14に図示は省略しているが、処理部120は、
図1のユーザー位置取得部121、行動情報取得部122、プリンター位置取得部123、印刷情報取得部124、選択部125及び案内部126をさらに含んでもよい。
【0079】
入力部110は、外部から入力データを受信するインターフェースである。処理部120は、記憶部140から学習済モデル142を読み出し実行することによって、推論処理部して機能する。出力部130は、処理部120が推定したデータを出力データとして外部に送信するインターフェースである。
【0080】
学習済モデル142は、例えば不図示のニューラルネットワークを含む。ニューラルネットワークは、データが入力される入力層と、入力層からの出力に基づいて演算を行う中間層と、中間層からの出力に基づいてデータを出力する出力層を有する。所与の層に含まれるノードは、隣接する層のノードと結合される。各結合には重み付け係数が設定されている。各ノードは、前段のノードの出力と重み付け係数を乗算し、乗算結果の合計値を求める。さらに各ノードは、合計値に対してバイアスを加算し、加算結果に活性化関数を適用することによって当該ノードの出力を求める。この処理を、入力層から出力層へ向けて順次実行することによって、ニューラルネットワークの出力が求められる。なお活性化関数は、例えばシグモイド関数やReLU関数等である。なおニューラルネットワークには種々の構成のモデルが知られており、本実施形態ではそれらを広く適用可能である。例えばニューラルネットワークは、CNN(Convolutional Neural Network)であってもよいし、RNN(Recurrent Neural Network)であってもよいし、他のモデルであってもよい。
【0081】
学習済モデル142は、例えば不図示の学習装置によって学習される。具体的には例えば、学習装置の不図示の記憶部に、初期値の重み付け係数が設定された未学習モデルを記憶させる。そして学習データのうちの入力データをニューラルネットワークに入力し、そのときの重み付け係数を用いた順方向の演算を行うことによって出力を求める。学習装置は、当該出力と、学習データのうちの正解ラベルとに基づいて、誤差関数を演算する。そして誤差関数を小さくするように、重み付け係数を更新する。重み付け係数の更新では、例えば出力層から入力層に向かって重み付け係数を更新していく誤差逆伝播法を利用可能である。このようにニューラルネットワークの重み付け係数が最適化されることで、当該未学習モデルは学習済モデル142となる。なお、機械学習のデータセットとして、例えば印刷制御システム100に関与する全てのプリンター200について電源がオンの状態またはオフの状態を示すデータを入力データとし、ユーザーが選択したプリンター200を正解ラベルとするデータセットが挙げられる。
【0082】
また、印刷制御システム100が学習装置を兼ねてもよい。例えば印刷制御システム100の記憶部140に未学習モデルを記憶させ、一定期間は学習段階とする。例えば印刷制御システム100上においては、学習モードと推論モードを切り替え可能にし、未学習モデルを記憶させてから一定期間は学習モードとし、ユーザーが実際に選択したプリンター200の実績データを蓄積する。その後、印刷制御システム100は推論モードに切り替える。これにより、ユーザーが所定のプリンター200を指定してジョブを印刷しようとしても、当該所定のプリンター200の電源がオフであるためにジョブが印刷できない状況において、処理部120は電源がオンになっている代替のプリンター200を、出力部130を介して出力する。
【0083】
また、例えば本実施形態の学習済モデル142を、未学習モデルに戻すようにしてもよい。例えば職場等においてフロア変更が生じると、プリンター200の位置情報が変更されることがある。この場合、ニューラルネットワークの重み付け係数を再度変更する必要が有る。具体的には例えば
図15のB30に示すユーザーインターフェースの画面例において、ユーザーがB31に示すアイコンを選択することで、印刷制御システム100は、学習済モデル142に係るニューラルネットワークの重み付け係数を初期値に戻す処理を行う。
【0084】
また、例えば機械学習のデータセットは、ユーザーの行動情報を入力データとし、目的地を正解ラベルとしてもよい。例えばユーザーの携帯端末装置の位置検出デバイスの測定データに基づく移動軌跡を入力データとし、実際にユーザーが到達した目的地を正解ラベルとして機械学習を行う。そしてユーザーがジョブを発行した場合、選択部125は、出力部130から出力された目的地の位置に近い位置に位置するプリンター200を選択してもよい。このように、本実施形態の印刷制御システム100において、選択部125は、行動情報から機械学習を行った結果を用いて目的地を予想する。このようにすることで、機械学習を用いて適切なプリンター200を案内する印刷制御システム100を構築することができる。
【0085】
以上に説明したように、本実施形態の印刷制御システムは、ユーザー位置取得部と、行動情報取得部と、プリンター位置取得部と、印刷情報取得部と、選択部と、案内部と、を含む。ユーザー位置取得部は、ユーザーの位置を取得する。行動情報取得部は、ユーザーの行動情報を取得する。プリンター位置取得部は、複数のプリンターのそれぞれの位置を取得する。印刷情報取得部は、印刷情報を取得する。選択部は、印刷情報と、ユーザーの位置及び行動情報と、プリンターの位置に基づいてプリンターを自動選択する。案内部は、自動選択されたプリンターで印刷情報の印刷を行う案内をする。
【0086】
本実施形態によれば、ユーザーの位置及び行動情報と、プリンターの位置を考慮して、発行されたジョブを実行するための代替となるプリンターを自動選択し、ユーザーに案内することができる。これにより、ユーザーは、代替となるプリンターを探索する負担を軽減することができる。これにより、印刷に係る業務の効率を上げることができる。
【0087】
また、選択部は、ユーザーが行動情報から予想される移動を行う場合に、ユーザーが印刷物を受け取って所定位置に到達するまでの時間が最も早くなるプリンターを選択してもよい。
【0088】
このようにすることで、印刷制御システムは、印刷物を受け取って所定位置に到達するまでの時間が最も早くなるプリンターをユーザーに案内することができる。
【0089】
また、所定位置は、移動しているユーザーの目的地であってもよい。
【0090】
このようにすることで、印刷制御システムは、現在位置から移動を開始し、印刷物を受け取って目的地に到達するまでの時間が最も短いプリンターをユーザーに案内することができる。
【0091】
また、選択部は、行動情報とユーザーの位置に基づいて、目的地を予想してもよい。
【0092】
このようにすることで、印刷制御システムは、ユーザーが印刷物を持って向かう目的地を予想することができる。これにより、代替えとなるプリンターの選択の精度を向上させることができる。
【0093】
また、選択部は、ユーザーが到着してから印刷が完了するプリンターを選択してもよい。
【0094】
このようにすることで、ユーザーは、発行したジョブに係る印刷が完了する前にプリンターに到着することができる。
【0095】
また、選択部は、行動情報から機械学習を行った結果を用いて目的地を予想してもよい。
【0096】
このようにすることで、機械学習を用いて適切なプリンターを案内する印刷制御システムを構築することができる。
【0097】
また、選択部は、行動情報からユーザーが避けている位置を今回も避ける移動を行うものとして目的地を予想してもよい。
【0098】
このようにすることで、印刷制御システムは、ユーザーが避けたい位置を避けながら目的地に到達できるように、プリンターを選択することができる。
【0099】
また、選択部は、行動情報からユーザーが避けている人を今回も避ける移動を行うものとして目的地を予想してもよい。
【0100】
このようにすることで、印刷制御システムは、ユーザーが避けたい人を避けながら目的地に到達できるように、プリンターを選択することができる。
【0101】
また、所定位置は、ユーザーの現在地であってもよい。
【0102】
このようにすることで、印刷制御システムは、印刷物を受け取って現在地に戻るまでの時間が最も短いプリンターをユーザーに案内することができる。
【0103】
また、所定位置は、プリンターの位置であってもよい。
【0104】
このようにすることで、印刷制御システムは、現在位置から移動を開始し、目的地としての印刷物を受け取る位置に到達するまでの時間が最も短いプリンターを、ユーザーに案内することができる。
【0105】
また、選択部は、行動情報から予想される移動を行う場合に、印刷完了時のユーザーの位置である予想位置に近いプリンターを選択してもよい。
【0106】
このようにすることで、印刷完了時にユーザーがプリンターの位置に到達できない場合、さらにプリンターの位置までに要する時間を最小限にできる。
【0107】
また、選択部は、予想位置から、行動情報に基づき予想されるユーザーの進行方向側に位置するプリンターの内、最もユーザーに近いプリンターを選択してもよい。
【0108】
このようにすることで、印刷完了時にユーザーがプリンターの位置に到達できない場合、ユーザーが印刷物を受け取って目的地迄に要する時間を最小限にできる。
【0109】
また選択部は、ユーザーの指示に応じて自動選択したプリンターと異なるプリンターを選択してもよい。
【0110】
このようにすることで、印刷制御システムは、指示したプリンターよりも適したプリンターをユーザーに案内することができる。
【0111】
また、本実施形態のプログラムは、ユーザー位置取得部と、行動情報取得部と、プリンター位置取得部と、印刷情報取得部と、選択部と、案内部としてコンピューターを機能させる。ユーザー位置取得部は、ユーザーの位置を取得する。行動情報取得部は、ユーザーの行動情報を取得する。プリンター位置取得部は、複数のプリンターのそれぞれの位置を取得する。印刷情報取得部は、印刷情報を取得する。選択部は、印刷情報と、ユーザーの位置及び行動情報と、プリンターの位置に基づいてプリンターを自動選択する。案内部は、自動選択されたプリンターで印刷情報の印刷を行う案内をする。
【0112】
また、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。また印刷制御システム及びプログラム等の構成及び動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。例えば、複数の構成要素が一体となっていてもよいし、一つの構成要素が複数の装置が協働することで実現されていてもよい。
【0113】
また、本発明は、印刷制御システムやプログラムとしてとらえるほかに、印刷装置を含む印刷システムとしてとらえることもできるし、印刷方法や印刷物を生産する方法としてとらえることもできる。
【符号の説明】
【0114】
100…印刷制御システム、110…入力部、120…処理部、121…ユーザー位置取得部、122…行動情報取得部、123…プリンター位置取得部、124…印刷情報取得部、125…選択部、126…案内部、130…出力部、140…記憶部、142…学習済モデル、200…プリンター、200-1…第1プリンター、200-2…第2プリンター、200-3…第3プリンター、LA11,LA12,LA13,LA21,LA22,LA23,LA31,LA32,LA33,LA41,LA42,LA43,LA51,LA52,LA53,LA61,LB12,LB22,LB32…距離、TA11,TA12,TA13,TA21,TA22,TA23,TA31,TA32,TA33,TA41,TA42,TA43,TA51,TA52,TA53,TB11,TB12,TB21,TB22,TB31,TB32,TB41,TB42,TB43,TB51,TB52,TB53,TC11,TC12,TC13,TC14,TC21,TC22,TC23,TC24,TC31,TC32,TC33,TC34,TD11,TD12,TD13,TD14,TD21,TD22,TD23,TD24,TD31,TD32,TD33,TD34,TE11,TE21,TE31,TT11,TT12,TT13,TT14,TT21,TT22,TT23,TT24,TT31,TT32,TT33,TT34…時間