(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108349
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20240805BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012662
(22)【出願日】2023-01-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2022年10月20日 メドピア株式会社が提供するプラットフォームサービス 2023年 1月31日 「リアルワールドデータ」に関する製薬企業のマーケティング・メディカルアフェアーズ向け無料オンラインセミナー(オンライン)
(71)【出願人】
【識別番号】505071066
【氏名又は名称】メドピア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230116816
【弁護士】
【氏名又は名称】成川 弘樹
(74)【代理人】
【識別番号】100146123
【弁理士】
【氏名又は名称】木本 大介
(72)【発明者】
【氏名】石見 陽
(72)【発明者】
【氏名】遊佐 芳胤
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】レセプト情報に基づくターゲット医師を推定する。
【解決手段】情報処理方法は、登録医師に関する登録医師情報を記憶する記憶装置及びコンピュータを用いて、匿名加工レセプト情報を取得するステップを備え、匿名加工レセプト情報からダミーリストを生成するステップを備え、ダミーリスト及び登録医師情報に基づいて、ダミーリストと類似するターゲットリストを生成するステップを備え、ターゲットリストは、ターゲット医師の登録医師情報を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録医師に関する登録医師情報を記憶する記憶装置及びコンピュータを用いて、
匿名加工レセプト情報を取得するステップを備え、
前記匿名加工レセプト情報からダミーリストを生成するステップを備え、
前記ダミーリスト及び前記登録医師情報に基づいて、前記ダミーリストと類似するターゲットリストを生成するステップを備え、
前記ターゲットリストは、ターゲット医師の登録医師情報を含む、
情報処理方法。
【請求項2】
ユーザから患者に関する検索条件を取得するステップを備え、
前記ダミーリストを生成するステップは、前記匿名加工レセプト情報から、前記検索条件に該当する患者の母集団を前記ダミーリストとして生成する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記記憶装置は、医療施設に関する施設情報を記憶し、
前記ターゲットリストを生成するステップは、
前記ダミーリストと前記施設情報とを突合することにより、前記ターゲット医師に対応する候補施設の候補施設識別情報を特定し、
前記登録医師情報を参照し、前記候補施設識別情報に関連付けられた登録医師情報を、前記ターゲット医師の登録医師情報として特定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記ターゲットリストを生成するステップは、前記ダミーリスト及び前記施設情報において、前記医療施設の所在地が一致する施設の施設識別情報を特定する、
請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記ターゲットリストを生成するステップは、更に、前記ダミーリスト及び前記施設情報において、前記医療施設の経営体情報及び病床数情報の少なくとも1つにおいて一致する施設の施設識別情報を特定する、
請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記ターゲットリストを生成するステップは、
前記ダミーリストに含まれる診療科情報及び前記施設情報に含まれる診療科情報の類似度を計算し、
前記類似度が所定の閾値以上である診療科情報に関連付けられた施設識別情報を前記候補施設識別情報として特定する、
請求項3~請求項5の何れかに記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記ターゲットリストをユーザに提示するステップを備え、
前記ターゲットリストを提示するステップは、
前記ターゲット医師が3人以上の場合、前記ターゲットリストを提示し、
前記ターゲット医師が3人未満の場合、前記ターゲットリストの提示を省略する、
請求項1~請求項5の何れかに記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記ターゲットリストを生成するステップは、
前記ターゲット医師が3人以上の場合、当該複数のターゲット医師のターゲットリストを生成し、
前記ターゲット医師が3人未満の場合、前記ターゲット医師が3人以上になるように、前記ターゲットリストの生成を再実行する、
請求項1~請求項5の何れかに記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記記憶装置は、医療施設に関する施設情報を記憶し、
前記ターゲットリストを生成するステップは、前記ダミーリスト及び前記施設情報において、前記医療施設の所在地が一致又は類似する施設の施設識別情報を特定する、
請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記ターゲットリストを生成するステップは、前記ターゲット医師が3人以上になるように、ランダムに選択されたターゲット医師を前記ターゲットリストに含める、
請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記ターゲットリストを生成するステップは、機械学習により学習されたターゲットモデルを用いて、前記ターゲットリストを生成し、
前記ターゲットモデルには、前記ダミーリストに含まれる施設情報と前記登録医師情報に含まれる施設情報の相関関係が記述される、
請求項1~請求項5の何れかに記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記ターゲットリストを生成するステップは、医師別の処方量の変化を示す情報を生成する、
請求項1~請求項5の何れかに記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記ターゲットリストを生成するステップは、施設別の処方量の変化を示す情報を生成する、
請求項1~請求項5の何れかに記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記ターゲットリストを生成するステップは、患者別の処方量の変化を示す情報を生成する、
請求項1~請求項5の何れかに記載の情報処理方法。
【請求項15】
匿名加工レセプト情報を取得する手段を備え、
前記匿名加工レセプト情報からダミーリストを生成する手段を備え、
前記ダミーリストと、登録医師に関する登録医師情報と、に基づいて、前記ダミーリストと類似するターゲットリストを生成する手段を備え、
前記ターゲットリストは、ターゲット医師の登録医師情報を含む、
情報処理装置。
【請求項16】
コンピュータを、
匿名加工レセプト情報を取得する手段として機能させ、
前記匿名加工レセプト情報からダミーリストを生成する手段として機能させ、
前記ダミーリストと、登録医師に関する登録医師情報と、に基づいて、前記ダミーリストと類似するターゲットリストを生成する手段として機能させ、
前記ターゲットリストは、ターゲット医師の登録医師情報を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理装置、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
レセプト情報には、患者の診療に関する詳細な情報が記載される。レセプト情報は、例えば、医学研究(例えば、疫学研究)に用いられる。そのため、レセプト情報は、医療関係者にとって、有用な情報を含んでいる。
【0003】
レセプト情報の取扱について、様々な技術が知られている。例えば、特許文献1の情報提供システムは、保険者から一時的に取得した被保険者のレセプト情報に基づく匿名の情報と、レセプト情報を識別する匿名のレセプト識別情報とが対応付けられた提供用情報を生成する提供用情報生成部と、提供用情報をレセプト情報の送信元の保険者のサーバ装置に送信する提供用情報応答部と、療養担当者の端末装置からの提供用情報の提供要求に対して、提供される情報の対象者である被保険者の認証を行う認証処理部と、認証に成功した場合、レセプト識別情報に基づいて保険者のサーバ装置から提供用情報を取得する提供用情報取得部と、得られた提供用情報を要求元の療養担当者の端末装置に送信する提供用情報送信部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レセプト情報は、医学研究以外にも有用な情報を含む。例えば、製薬会社がレセプト情報を使用することによって、自社の医薬品のプロモーション先として適切な医師(以下「ターゲット医師」という)を知ることができる。
【0006】
しかし、特許文献1は、情報漏洩の可能性を低減するものではあるが、ターゲット医師を推定するものではない。
【0007】
本発明の目的は、レセプト情報に基づくターゲット医師を推定することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、
登録医師に関する登録医師情報を記憶する記憶装置及びコンピュータを用いて、
匿名加工レセプト情報を取得するステップを備え、
前記匿名加工レセプト情報からダミーリストを生成するステップを備え、
前記ダミーリスト及び前記登録医師情報に基づいて、前記ダミーリストと類似するターゲットリストを生成するステップを備え、
前記ターゲットリストは、ターゲット医師の登録医師情報を含む、
情報処理方法である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1の情報処理システムの機能ブロック図である。
【
図4】本実施形態のユーザデータベースのデータ構造を示す図である。
【
図5】本実施形態の登録医師データベースのデータ構造を示す図である。
【
図6】本実施形態の施設データベースのデータ構造を示す図である。
【
図7】本実施形態の匿名加工レセプトデータベースのデータ構造を示す図である。
【
図8】本実施形態のターゲットリスト生成処理のシーケンス図である。
【
図9】
図8のターゲットリストの生成のフローチャートである。
【
図10】
図8の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【
図11】変形例2のターゲットリスト生成処理のシーケンス図である。
【
図12】
図11の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】
本実施形態において、各用語は医科の意味で用いられる。
「登録医師」とは、本実施形態のサーバ30に登録されている医師をいう。
「ユーザ」とは、本実施形態のクライアント装置10を使用する者(例えば、製薬会社の営業担当者)をいう。
【0012】
(1)情報処理システムの構成
情報処理システムの構成を説明する。
図1は、本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2は、
図1の情報処理システムの機能ブロック図である。
【0013】
図1に示すように、情報処理システム1は、クライアント装置10と、サーバ30とを備える。
クライアント装置10及びサーバ30は、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続される。
【0014】
クライアント装置10は、サーバ30にリクエストを送信するコンピュータ(「情報処理装置」の一例)である。クライアント装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。
【0015】
サーバ30は、クライアント装置10から送信されたリクエストに応じたレスポンスをクライアント装置10に提供するコンピュータ(「情報処理装置」の一例)である。サーバ30は、例えば、ウェブサーバである。
【0016】
(1-1)クライアント装置の構成
クライアント装置10の構成を説明する。
【0017】
図2に示すように、クライアント装置10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14とを備える。
【0018】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0019】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理において用いられるパラメータ、関数、及び、モデル
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0020】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0021】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、クライアント装置10の機能を実現するように構成される。プロセッサ12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、これらの組み合わせである。
【0022】
入出力インタフェース13は、クライアント装置10に接続される入力デバイスからユーザの指示を取得し、かつ、クライアント装置10に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0023】
通信インタフェース14は、クライアント装置10とサーバ30との間の通信を制御するように構成される。
【0024】
(1-2)サーバの構成
サーバ30の構成を説明する。
【0025】
図2に示すように、サーバ30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。
【0026】
記憶装置31は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0027】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理において用いられるパラメータ、関数、及び、モデル
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0028】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0029】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、サーバ30の機能を実現するように構成される。プロセッサ32は、例えば、CPU、GPU、ASIC、FPGA、又は、これらの組み合わせである。
【0030】
入出力インタフェース33は、サーバ30に接続される入力デバイスからユーザの指示を取得し、かつ、サーバ30に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0031】
通信インタフェース34は、サーバ30とクライアント装置10との間の通信を制御するように構成される。
【0032】
(2)実施形態の概要
本実施形態の概要を説明する。
図3は、本実施形態の概要の説明図である。
【0033】
図3に示すように、登録医師は、患者に対して診療行為を行う。
診療行為が行われると、当該診療行為に対応するレセプト情報が生成される。レセプト情報は、特定の個人を識別することができないように、氏名等の個人に関する情報の一部を削除し、且つ、復元可能な規則性を有しない記号等に置き換える加工(以下「匿名加工化」という)が施された後、サーバ30に保存される。つまり、サーバ30に保存されたレセプト情報は、匿名加工化されたレセプト情報(以下「匿名加工レセプト情報」という)である。
サーバ30は、匿名加工化レセプト情報を用いて、ダミーリストを生成する。ダミーリストとは、匿名加工レセプト情報から抽出された医師情報の集合であって、且つ、同一抽出条件に該当する医療施設を一単位とした医師情報である。ダミーリストの医師情報は、ターゲット医師の集合(以下「ターゲット医師群」という)を示す。「同一抽出条件に該当する医療施設」とは、匿名加工レセプト情報において、一定条件に該当する医療施設である。「一定条件」とは、同一の抽出条件について、同一の値を持っていることを意味する。つまり、「同一抽出条件に該当する医療施設を一単位とした情報」とは、同一の抽出条件について同一の値を持っている医療施設の施設情報である。ダミーリストは、ユーザには、提供されない。
サーバ30は、ダミーリストを参考に、ダミーリストに類似したターゲットリストを生成する。ターゲットリストは、ダミーリストと類似するターゲット医師群を示す。
サーバ30は、ターゲットリストをユーザに提示する。
【0034】
ユーザは、ターゲットリストを参照して、所望のターゲット医師にコンタクトすることができる。
【0035】
(3)データベース
本実施形態のデータベースを説明する。以下のデータベースは、記憶装置31に記憶される。
【0036】
(3-1)ユーザデータベース
本実施形態のユーザデータベースを説明する。
図4は、本実施形態のユーザデータベースのデータ構造を示す図である。
【0037】
図4のユーザデータベースには、ユーザ情報が格納されている。ユーザ情報は、ユーザに関する情報である。
ユーザデータベースは、「ユーザID」フィールドと、「ユーザ名」フィールドと、「ユーザ属性」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0038】
「ユーザID」フィールドには、ユーザ識別情報が格納される。ユーザ識別情報は、ユーザを識別する情報である。
【0039】
「ユーザ名」フィールドには、ユーザ名情報が格納される。ユーザ名情報は、ユーザ名に関する情報である。
【0040】
「ユーザ属性」フィールドには、ユーザ属性情報が格納される。ユーザ属性情報は、ユーザの属性に関する情報である。「ユーザ属性」フィールドは、「性別」フィールドと、を含む。
【0041】
「性別」フィールドには、性別情報が格納される。性別情報は、ユーザの性別に関する情報である。
【0042】
(3-2)登録医師データベース
本実施形態の登録医師データベースを説明する。
図5は、本実施形態の登録医師データベースのデータ構造を示す図である。
【0043】
図5の登録医師データベースには、登録医師情報が格納されている。登録医師情報は、登録医師に関する情報である。
登録医師データベースは、「登録医師ID」フィールドと、「登録医師名」フィールドと、「登録医師属性」フィールドと、「登録医師診療科」フィールドと、「勤務先施設ID」フィールドと、「勤務開始年月日」フィールドと、「卒業大学」フィールドと、「専門資格」フィールドと、「会員コンタクト」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0044】
「登録医師ID」フィールドには、登録医師識別情報が格納される。登録医師識別情報は、登録医師を識別する情報である。
【0045】
「登録医師名」フィールドには、登録医師名情報が格納される。登録医師名情報は、登録医師の氏名に関する情報である。
【0046】
「登録医師属性」フィールドには、登録医師属性情報が格納される。登録医師属性情報は、登録医師の属性に関する情報である。「登録医師属性」フィールドは、「登録医師生年月日」フィールドと、「登録医師性別」フィールドと、を含む。
【0047】
「登録医師生年月日」フィールドには、登録医師生年月日情報が格納される。登録医師生年月日情報は、登録医師の年齢に関する情報である。
【0048】
「登録医師性別」フィールドには、登録医師性別情報が格納される。登録医師性別情報は、登録医師の性別に関する情報である。
【0049】
「登録医師診療科」フィールドには、登録医師診療科情報が格納される。登録医師診療科情報は、登録医師の診療科に関する情報である。
【0050】
「勤務先施設ID」フィールドには、勤務先施設識別情報が格納される。勤務先施設識別情報は、登録医師の勤務先の医療施設の施設識別情報である。
【0051】
「勤務開始年月日」フィールドには、勤務開始年月日情報が格納される。勤務開始年月日情報は、登録医師が勤務先の医療施設での勤務を開始した年月日に関する情報である。
【0052】
「卒業大学」フィールドには、卒業大学情報が格納される。卒業大学情報は、登録医師が卒業した大学に関する情報である。
【0053】
「専門資格」フィールドには、専門資格情報が格納される。専門資格情報は、登録医師が保有する専門資格に関する情報である。
【0054】
「会員コンタクト」フィールドには、会員コンタクト情報が格納される。会員コンタクト情報は、登録医師の連絡先に関する情報である。
【0055】
(3-3)施設データベース
本実施形態の施設データベースを説明する。
図6は、本実施形態の施設データベースのデータ構造を示す図である。
【0056】
図6の施設データベースには、施設情報が格納されている。施設情報は、医療施設に関する情報である。
施設データベースは、「施設ID」フィールドと、「施設名」フィールドと、「施設種別」フィールドと、「施設所在地」フィールドと、「経営体」フィールドと、「施設病床数」フィールドと、「診療科」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0057】
「施設ID」フィールドには、施設識別情報が格納される。施設識別情報は、医療施設を識別する情報である。
【0058】
「施設名」フィールドには、施設名情報が格納される。施設名情報は、医療施設の名称に関する情報である。
【0059】
「施設種別」フィールドには、施設種別情報が格納される。施設種別情報は、医療施設の種別に関する情報である。
【0060】
「施設所在地」フィールドには、施設所在地情報が格納される。施設所在地情報は、医療施設の所在地に関する情報である。施設所在地情報は、例えば、医療施設が所在する都道府県を示す都道府県コード、及び、医療施設が所在する市区町村を示す市区町村コードの組合せである。
【0061】
「経営体」フィールドには、経営体情報が格納される。経営体情報は、医療施設の経営母体(例えば、法人名)に関する情報である。
【0062】
「施設病床数」フィールドには、施設病床数情報が格納される。施設病床数情報は、医療施設の病床数に関する情報である。施設病床数情報は、病床の数又は病床の数に応じて決まるランク(以下「病床数ランク」という)を示す情報である。
【0063】
「診療科」フィールドには、施設診療科情報が格納される。施設診療科情報は、医療施設が受付可能な診療科目に関する情報である。
【0064】
(3-4)匿名加工レセプトデータベース
本実施形態の匿名加工レセプトデータベースを説明する。
図7は、本実施形態の匿名加工レセプトデータベースのデータ構造を示す図である。
【0065】
図7の匿名加工レセプトデータベースには、レセプト情報が格納されている。レセプト情報は、レセプトに関する情報である。
匿名加工レセプトデータベースは、「レセプトID」フィールドと、「診療年月日」フィールドと、「請求年月日」フィールドと、「保険点数」フィールドと、「患者ID」フィールドと、「患者生年月日」フィールドと、「患者性別」フィールドと、「患者家族ID」フィールドと、「施設ID」フィールドと、「保険者識別コード」フィールドと、「傷病」フィールドと、「医薬品」フィールドと、「診療行為」フィールドと、「特定機材」フィールドと、「第1標榜診療科」フィールドと、「診療科」フィールドと、「施設種別」フィールドと、「病床数」フィールドと、「施設所在地」フィールドと、「経営体」フィールドと、「二次医療圏」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0066】
「レセプトID」フィールドには、レセプト識別情報のハッシュ値(「匿名加工化された情報」の一例)が格納される。レセプト識別情報は、レセプトを識別する情報である。
【0067】
「診療年月日」フィールドには、診療年月日情報が格納される。診療年月日情報は、診療が実施された年月日に関する情報である。
【0068】
「請求年月日」フィールドには、請求年月日情報が格納される。請求年月日情報は、診療費が請求された年月日に関する情報である。
【0069】
「患者ID」フィールドには、患者識別情報のハッシュ値が格納される。患者識別情報は、患者を識別する情報である。
【0070】
「患者生年月日」フィールドには、患者生年月日情報が格納されている。患者生年月日情報は、患者の生年月日に関する情報である。
【0071】
「患者性別」フィールドには、患者性別情報が格納されている。患者性別情報は、患者の性別に関する情報である。
【0072】
「患者家族ID」フィールドには、患者識別情報のハッシュ値が格納される。患者家族識別情報は、患者の家族を識別する情報である。
【0073】
「施設ID」フィールドには、患者が受診した医療施設の施設識別情報のハッシュ値が格納される。
【0074】
「保険者識別コード」フィールドには、保険者識別コードのハッシュ値が格納される。保険者識別コードは、保険者を識別する情報である。
【0075】
「傷病」フィールドには、患者傷病情報が格納される。患者傷病情報は、患者の傷病に関する情報である。
【0076】
「医薬品」フィールドには、患者医薬品情報が格納される。患者医薬品情報は、患者に提供された医薬品(つまり、処方薬)に関する情報である。
【0077】
「診療行為」フィールドには、診療行為情報が格納される。診療行為情報は、患者が受けた診療行為に関する情報である。
【0078】
「特定機材」フィールドには、特定機材情報が格納される。特定機材情報は、患者が受けた診療行為において用いられた特定機材に関する情報である。
【0079】
「第1標榜診療科」フィールドには、第1標榜診療科情報が格納される。第1標榜診療科情報は、第1標榜診療科に関する情報である。
【0080】
「診療科」フィールドには、受診診療科情報が格納される。受診診療科情報は、患者が受診した診療科目に関する情報である。
【0081】
「施設種別」フィールドには、施設種別情報が格納される。
【0082】
「病床数」フィールドには、施設病床数情報が格納される。
【0083】
「施設所在地」フィールドには、施設所在地情報が格納される。
【0084】
「経営体」フィールドには、経営体情報が格納される。
【0085】
「二次医療圏」フィールドには、二次医療圏情報が格納される。二次医療圏情報は、二次医療圏に関する情報(例えば、二次医療圏コード)である。
【0086】
(4)ターゲットリスト生成処理
本実施形態のターゲットリスト生成処理を説明する。
図8は、本実施形態のターゲットリスト生成処理のシーケンス図である。
図9は、
図8のターゲットリストの生成のフローチャートである。
図10は、
図8の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【0087】
図8のトリガは、ユーザが、クライアント装置10を用いて、サーバ30が提供するサービスに自身のユーザ識別情報でログインしたことである。
【0088】
図8に示すように、クライアント装置10は、ターゲットリスト生成リクエスト(S1110)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P1110(
図10)をディスプレイに表示する。
画面P1110は、操作オブジェクトB1110a~B1110bと、フィールドオブジェクトF1110と、を含む。
【0089】
操作オブジェクトB1110aは、ターゲットリスト生成リクエストを発行させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0090】
操作オブジェクトB1110bは、集計リクエストを発行させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0091】
フィールドオブジェクトF1110は、検索条件の入力を受け付けるオブジェクトである。
【0092】
ユーザがフィールドオブジェクトF1110aに患者に関する検索条件(一例として、傷病に関する条件、及び、治療に利用されている医薬品に関する条件)を入力し、且つ、操作オブジェクトB1110aを操作すると、プロセッサ12は、ターゲットリスト生成リクエストデータをサーバ30に送信する。ターゲットリスト生成リクエストデータは、例えば、以下の情報を含む。
・検索条件
【0093】
ステップS1110の後、サーバ30は、対象セグメントの抽出(S1130)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、匿名加工レセプトデータベース(
図7)を参照して、ターゲットリスト生成リクエストデータに含まれる検索条件に該当するレコード(以下「対象レコード」という)を特定する。
より具体的には、プロセッサ32は、検索条件に傷病に関する条件が含まれる場合、当該条件に合致する患者傷病情報が格納されたレコードを対象レコードとして特定する。
プロセッサ32は、検索条件に医薬品に関する条件が含まれる場合、当該条件に合致する患者医薬品情報が格納されたレコードを対象レコードとして特定する。
【0094】
ステップS1130の後、ダミーリストの生成(S1131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、当該レコードの情報を含むダミーリストを生成する。ダミーリストには、例えば、以下の情報が含まれる。
・レセプト識別情報のハッシュ値
・施設識別情報のハッシュ値
・施設種別情報
・病床数ランク
・第1標榜診療科情報
・診療科情報
・都道府県コード
・市区町村コード
・経営体情報
・二次医療圏コード
プロセッサ32は、ダミーリストを記憶装置31に記憶する。
【0095】
ステップS1131の後、サーバ30は、ターゲットリストの生成(S1132)を実行する。
【0096】
図9に示すように、サーバ30は、突合(S11320)を実行する。
【0097】
ステップS11320の第1例では、プロセッサ32は、ステップS1132で得られたダミーリスト、及び、施設データベース(
図6)について、以下の項目が同一である施設データベースの施設識別情報を、ターゲット登録医師に対応する候補施設の施設識別情報(以下「候補施設識別情報」という)として特定する。
・施設所在地情報
【0098】
ステップS11320の第2例では、プロセッサ32は、ステップS1132で得られたダミーリスト、及び、施設データベース(
図6)について、以下の項目の少なくとも1つが同一である施設データベースの施設識別情報を候補施設識別情報として特定する。
・施設所在地情報
・経営体情報
・施設病床数情報
【0099】
ステップS11320の後、サーバ30は、ステップS11321で得られた候補施設識別情報の数と所定の閾値THとを比較する。
候補施設識別情報の数が閾値TH未満の場合(S11321-NO)、ステップS11322が実行される。
候補施設識別情報の数が閾値TH以上の場合(S11321-YES)、ステップS11323が実行される(つまり、ステップS11322は省略される)。
【0100】
ステップS11321の後、サーバ30は、類似度の計算(S11322)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ダミーリストの診療科情報と、施設データベース(
図8)のうち候補施設識別情報に関連付けられた設診療科情報と、の類似度を計算する。
プロセッサ32は、候補施設識別情報のうち当該類似度が一定の閾値以上の候補施設識別情報を特定する。
【0101】
ステップS11322の後、サーバ30は、ターゲット登録医師の特定(S11323)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、医師データベース(
図5)を参照して、ステップS11320で得られた候補施設識別情報、又は、ステップS11322で得られた候補施設識別情報に関連付けられた登録医師識別情報を含むレコードをターゲット登録医師レコードとして特定する。
【0102】
ステップS11323の後、サーバ30は、ターゲットリストの生成(S11324)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ターゲットリストを生成する。ターゲットリストは、ステップS11323で特定されたターゲット登録医師レコードの登録医師情報を含む。
プロセッサ32は、ターゲットリストを記憶装置31に記憶する。
【0103】
図8に示すように、ステップS1132の後、サーバ30は、ターゲットリスト生成レスポンス(S1133)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ターゲットリスト生成レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。ターゲットリスト生成レスポンスデータは、例えば、以下の情報を含む。
・ターゲットリスト
【0104】
ステップS1133の後、クライアント装置10は、表示(S1111)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P1111(
図10)をディスプレイに表示する。
画面P1111には、ターゲットリストが表示される。
【0105】
(5)本実施形態の小括
本実施形態によれば、レセプト情報からターゲットリストを生成し、且つ、当該ターゲットリストをユーザに提示する。ターゲットリストは、登録医師情報を含む。これにより、レセプト情報に基づくターゲット医師を推定することができる。その結果、ユーザは、コンタクト対象となるターゲット医師を容易に特定するができる。
【0106】
本実施形態によれば、ユーザが指定した検索条件に該当する患者の母集団をダミーリストとして生成してもよい。
これにより、ユーザの所望の医師を含むターゲットリストが得られる確率を向上させることができる。
【0107】
本実施形態によれば、ダミーリストと施設データベース(
図6)の施設情報とを突合することにより、ターゲット医師に対応する医療施設として特定してもよい。
これにより、ユーザの所望の医師を含むターゲットリストが得られる確率を向上させることができる。
【0108】
本実施形態によれば、ダミーリストと施設データベース(
図6)の所在地情報とを突合することにより、ターゲット医師に対応する医療施設として特定してもよい。
これにより、ユーザの所望の医師を含むターゲットリストが得られる確率をさらに向上させることができる。
【0109】
本実施形態によれば、ダミーリストと施設データベース(
図6)の経営体情報及び病床数情報の少なくとも1つとを突合することにより、ターゲット医師に対応する医療施設として特定してもよい。
これにより、ユーザの所望の医師を含むターゲットリストが得られる確率をさらに向上させることができる。
【0110】
本実施形態によれば、ダミーリストに含まれる診療科情報及び登録医師データベースに含まれる診療科情報の類似度が所定の閾値以上である診療科情報に関連付けられた登録医師データベースの医師情報を、ダミーリストの医師情報と対応する対応医師情報であると判定してもよい。
これにより、ユーザの所望の医師を含むターゲットリストが得られる確率をさらに向上させることができる。
【0111】
(6)変形例
本実施形態の変形例を説明する。
【0112】
(6-1)変形例1
変形例1を説明する。変形例1は、機械学習により得られた学習済モデルを用いてターゲットリストを生成する例である。
【0113】
(6-1-1)変形例1のターゲットリスト生成処理
変形例1のターゲットリスト生成処理を説明する。
【0114】
変形例1では、クライアント装置10は、
図8と同様に、ターゲットリスト生成リクエスト(S1110)を実行する。
【0115】
ステップS1110の後、サーバ30は、
図8と同様に、ダミーリストの生成(S1131)を実行する。
【0116】
ステップS1131の後、サーバ30は、ターゲットリストの生成(S1132)を実行する。
具体的には、記憶装置31には、ターゲットモデルが記憶されている。ターゲットモデルには、匿名加工レセプト情報と登録医師識別情報との相関関係が記述されている。
プロセッサ32は、ステップS1131で得られたダミーリストをターゲットモデルに与えることにより、ダミーリストの各レコードに対応する登録医師識別情報を出力する。
プロセッサ32は、ターゲットリストを生成する。ターゲットリストは、ターゲットモデルから出力された登録医師識別情報を含む。
【0117】
ステップS1132の後、サーバ30は、
図8と同様に、ターゲットリスト生成レスポンス(S1133)を実行する。
【0118】
ステップS1133の後、サーバ30は、
図8と同様に、表示(S1111)を実行する。
【0119】
(6-1-2)変形例1の小括
変形例1によれば、学習済モデルを用いて、ダミーリストからターゲットリストを生成する。これにより、レセプト情報により近似するターゲットリストを得ることができる。
【0120】
(6-2)変形例2
変形例2を説明する。変形例2は、匿名加工レセプト情報から集計可能な診療に関する情報(以下「診療情報」という)の変化をユーザに提示する例である。
【0121】
(6-2-1)変形例2の集計処理
変形例2の集計処理を説明する。
図11は、変形例2の集計処理のシーケンス図である。
図12は、
図11の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【0122】
図10のトリガは、ユーザが、クライアント装置10を用いて、サーバ30が提供するサービスに自身のユーザ識別情報でログインしたことである。
【0123】
クライアント装置10は、集計リクエスト(S2110)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P1110(
図10)をディスプレイに表示する。
ユーザが操作オブジェクトB1110bを操作すると、プロセッサ12は、集計リクエストデータをサーバ30に送信する。
【0124】
ステップS2110の後、集計(S2130)を実行する。
【0125】
ステップS2130の第1例は、施設別の処方量の集計の一例である。
ステップS2130の第1例では、プロセッサ32は、匿名加工レセプトデータベース(
図7)を参照して、施設に関する項目別の処方量を集計する。
より具体的には、プロセッサ32は、「医薬品」フィールドの情報と、以下の情報の少なくとも1つと、に基づく処方量を集計する。
・病床数
・経営体
・診療科
・施設所在地
【0126】
ステップS2130の第2例は、患者別の処方量の集計の一例である。
ステップS2130の第2例では、プロセッサ32は、匿名加工レセプトデータベース(
図7)を参照して、患者に関する項目別の処方量を集計する。
より具体的には、プロセッサ32は、「医薬品」フィールドの情報と、以下の情報の少なくとも1つと、に基づく処方量を集計する。
・性別
・年齢(患者生年月日情報に基づく)
・疾患(傷病情報に基づく)
・患者家族の有無(患者家族識別情報のハッシュ値に基づく)
・医療費(保険点数情報に基づく)
・処方薬(医薬品情報に基づく)
・利用された医療機器(特定基材情報に基づく)
【0127】
ステップS2130の第2例では、匿名加工レセプトデータベース(
図7)は、入院日情報と、退院日情報と、を含んでもよい。入院日情報は、入院年月日に関する情報である。退院日情報は、退院年月日に関する情報である。
プロセッサ32は、入院日情報及び退院日情報に基づいて、入院日数(退院年月日-入院年月日)を計算してもよい。プロセッサ32は、「医薬品」フィールドの情報と、入院日数に基づく処方量を集計する。
プロセッサ32は、診療年月日情報及び退院日情報に基づいて、退院後日数(最新の診療年月日-退院年月日)を計算する。プロセッサ32は、「医薬品」フィールドの情報と、退院後日数に基づく処方量を集計する。
【0128】
ステップS2130の第3例では、プロセッサ32は、登録医師別の処方量の集計の一例である。
ステップS2130の第3例では、プロセッサ32は、匿名加工レセプトデータベース(
図7)及び登録医師データベース(
図5)を参照して、登録医師に関する項目別の処方量を集計する。
より具体的には、プロセッサ32は、「医薬品」フィールドの情報と、以下の情報の少なくとも1つと、に基づく処方量を集計する。
・診療行為
・処方薬剤(医薬品情報に基づく)
・性別(登録医師性別情報に基づく)
・年齢(登録医師生年月日情報に基づく)
・診療科
・開業医又は勤務医(勤務先施設識別情報に基づく)
・持ち患者数
・勤続年数(勤続年月日情報に基づく)
【0129】
ステップS2130の第4例は、施設別の患者数の集計の一例である。
ステップS2130の第4例では、プロセッサ32は、匿名加工レセプトデータベース(
図7)を参照して、施設に関する項目別の患者数を集計する。
より具体的には、プロセッサ32は、以下の情報の少なくとも1つ毎に、一定期間における匿名加工レセプトデータのレコード数を集計する。
・病床数
・経営体
・診療科
・施設所在地
【0130】
ステップS2130の第5例は、患者別の患者数の集計の一例である。
ステップS2130の第5例では、プロセッサ32は、匿名加工レセプトデータベース(
図7)を参照して、患者に関する項目別の患者数を集計する。
より具体的には、プロセッサ32は、以下の情報の少なくとも1つ毎に、一定期間における匿名加工レセプトデータベースのレコード数を集計する。
・性別
・年齢(患者生年月日情報に基づく)
・疾患(傷病情報に基づく)
・患者家族の有無(患者家族識別情報のハッシュ値に基づく)
・医療費(保険点数情報に基づく)
・処方薬(医薬品情報に基づく)
・利用された医療機器(特定基材情報に基づく)
【0131】
ステップS2130の第5例では、匿名加工レセプトデータベース(
図7)は、入院日情報と、退院日情報と、を含んでもよい。入院日情報は、入院年月日に関する情報である。退院日情報は、退院年月日に関する情報である。
プロセッサ32は、入院日情報及び退院日情報に基づいて、入院日数(退院年月日-入院年月日)を計算してもよい。プロセッサ32は、入院日数毎に、一定期間における匿名加工レセプトデータベースのレコード数を集計する。
プロセッサ32は、診療年月日情報及び退院日情報に基づいて、退院後日数(最新の診療年月日-退院年月日)を計算する。プロセッサ32は、退院後日数毎に、一定期間における匿名加工レセプトデータベースのレコード数を集計する。
【0132】
ステップS2130の第6例では、プロセッサ32は、登録医師別の患者数の集計の一例である。
ステップS2130の第6例では、プロセッサ32は、匿名加工レセプトデータベース(
図7)及び登録医師データベース(
図5)を参照して、登録医師に関する項目別に、一定期間における匿名加工レセプトデータベースのレコード数を集計する。
より具体的には、プロセッサ32は、以下の情報の少なくとも1つ毎に、一定期間における匿名加工レセプトデータベースのレコード数を集計する。
・診療行為
・処方薬剤(医薬品情報に基づく)
・性別(登録医師性別情報に基づく)
・年齢(登録医師生年月日情報に基づく)
・診療科
・開業医又は勤務医(勤務先施設識別情報に基づく)
【0133】
ステップS2130の第1例~第6例は、互いに組合せ可能である。
【0134】
ステップS2131の後、集計レスポンス(S2131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、集計レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。集計レスポンスデータは、例えば、以下の情報を含む。
・ステップS2130で得られた集計結果(一例として、施設所在地別の処方量、診療科別の処方量、年齢別の処方量、及び、これらの処方量の推移、並びに、施設所在地別の患者数、診療科別の患者数、年齢別の患者数、及び、これらの患者数の推移の少なくとも1つ)
【0135】
ステップS2131の後、クライアント装置10は、表示(S2111)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P2110~P2111(
図12)をディスプレイに表示する。
【0136】
画面P2110は、集計レスポンスデータに含まれる施設所在地別の処方量(S2130の第1例)の集計結果の例である。
【0137】
画面P2111は、集計レスポンスデータに含まれる医師の年齢別の処方量(S2130の第6例)の推移の集計結果の例である。
【0138】
(6-2-2)変形例2の小括
変形例2によれば、ユーザに対して処方量の変化を提示する。これにより、ユーザは、処方量の変化に合わせてターゲット医師を選別することができる。
【0139】
(6-3)変形例3
変形例3を説明する。変形例3は、ターゲット登録医師が3人以上であるか否かに応じて、ターゲットリスト生成処理のプロセスを切り替える例である。
【0140】
(6-3-1)変形例3のターゲットリスト生成処理
変形例3のターゲットリスト生成処理を説明する。
【0141】
(6-3-1-1)変形例3のターゲットリスト生成処理の第1例
変形例3のターゲットリスト生成処理の第1例を説明する。
【0142】
変形例3のターゲットリスト生成処理の第1例では、クライアント装置10は、
図8と同様に、ターゲットリスト生成リクエスト(S1110)を実行する。
【0143】
ステップS1110の後、サーバ30は、
図8と同様に、対象セグメントの抽出(S1130)~ターゲットリストの生成(S1132)を実行する。
【0144】
ステップS1132の後、サーバ30は、ターゲットリスト生成レスポンス(S1133)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ステップS1132で得られたターゲットリストに含まれる登録医師情報の数が所定の基準値(例えば、3)以上である場合、ターゲットリスト生成レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。
【0145】
プロセッサ32は、ステップS1132で得られたターゲットリストに含まれる登録医師情報の数が基準値未満である場合、ターゲットリスト生成レスポンスデータの送信を省略する(つまり、ステップS1133の実行)を省略する。
【0146】
ステップS1133の後、クライアント装置10は、
図8と同様に、表示(S1111)を実行する。
【0147】
(6-3-1-2)変形例3のターゲットリスト生成処理の第2例
変形例3のターゲットリスト生成処理の第2例を説明する。
【0148】
変形例3のターゲットリスト生成処理の第2例では、クライアント装置10は、
図8と同様に、ターゲットリスト生成リクエスト(S1110)を実行する。
【0149】
ステップS1110の後、サーバ30は、
図8と同様に、対象セグメントの抽出(S1130)~ターゲットリストの生成(S1132)を実行する。
【0150】
ステップS1132の後、サーバ30は、ステップS1132で得られたターゲットリストに含まれる登録医師情報の数が基準値以上である場合、S1133を実行する。
【0151】
サーバ30は、ステップS1132で得られたターゲットリストに含まれる登録医師情報の数が基準値未満である場合、当該登録医師情報の数が増えるように、ステップS1132を再実行する。
【0152】
ステップS1132の再実行の第1例として、プロセッサ32は、ステップS11320において、ステップS1132で得られたダミーリスト、及び、施設データベース(
図6)について、同一の施設所在地を示す施設所在地情報だけでなく、類似する施設所在地(例えば、当該施設所在地に隣接する地域)を示す施設所在地情報に対応する施設識別情報を、候補施設識別情報として特定する。
ステップS11320の後、プロセッサ32は、
図9と同様に、ステップS11321~S11324を実行する。
【0153】
ステップS1132の再実行の第2例として、プロセッサ32は、
図9と同様に、ステップS11320~S11323を実行する。
ステップS11323の後、プロセッサ32は、ステップS1132で得られたターゲットリストに含まれる登録医師情報に対して、登録医師データベース(
図5)からランダムに抽出された登録医師識別情報に関連付けられた登録医師情報を追加する。
【0154】
ステップS1132の後、サーバ30は、
図8と同様に、ターゲットリスト生成レスポンス(S1133)を実行する。
【0155】
ステップS1133の後、クライアント装置10は、
図8と同様に、表示(S1111)を実行する。
【0156】
(6-3-2)変形例3の小括
変形例3によれば、ターゲットリストに含まれる登録医師情報が3人以上になることが保証される。これにより、ターゲットリストの医師の個人情報が特定可能な状態でユーザに提供されることを防ぐことができる。
【0157】
(7)その他の変形例
その他の変形例を説明する。
【0158】
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、クライアント装置10と接続されてもよい。記憶装置31は、ネットワークNWを介して、サーバ30と接続されてもよい。
【0159】
上記の情報処理の各ステップは、クライアント装置10及びサーバ30の何れでも実行可能である。
例えば、クライアント装置10が上記の情報処理の全てのステップを実行可能である場合、クライアント装置10は、サーバ30にリクエストを送信することなく、スタンドアロンで動作する情報処理装置として機能する。
【0160】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0161】
1 :情報処理システム
10 :クライアント装置
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
30 :サーバ
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
33 :入出力インタフェース
34 :通信インタフェース