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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108377
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240805BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
B41J29/38 204
B41J29/38 202
B41J29/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012706
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】楠本 至央
(72)【発明者】
【氏名】榎本 勝則
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS02
2C061HJ03
2C061HK07
2C061HK11
2C061HN15
2C061HV12
2C061HV32
(57)【要約】
【課題】適切に印刷処理を実行することを課題とする。
【解決手段】ジョブ給紙トレイ(トレイ1)が指定されているが、ジョブメディアタイプは指定されていない場合に、デフォルトメディアタイプがAUTOに設定されていれば、ジョブ給紙トレイ(トレイ1)に対してトレイ情報で指定されているメディアタイプ(Thick)が変数MTに設定される。また、ジョブ給紙トレイ(MPトレイ)が指定されているが、ジョブメディアタイプは指定されていない場合に、デフォルトメディアタイプがPlainに設定されていれば、ジョブ給紙トレイ(MPトレイ)に対してトレイ情報で指定されているメディアタイプ(Plain)とデフォルトメディアタイプ(Plain)と一致する場合に、変数MTがデフォルトメディアタイプ(Plain)に設定される。これにより、適切な印刷処理を実行することができる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラを備える印刷装置であって、
前記コントローラは、
取得した画像データに、用紙種類と供給トレイとが指定されている場合には、画像データに指定されている供給トレイから供給される印刷用紙に、画像データに指定されている用紙種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷するように構成され、
取得した画像データに、供給トレイは指定されているが、用紙種類が指定されていない場合には、前記印刷装置に、デフォルトの用紙種類が指定されていなければ、取得した画像データに指定されている供給トレイに指定されている用紙種類を印刷対象の用紙種類として選択し、前記印刷装置に、デフォルトの用紙種類が指定されていれば、当該デフォルトの用紙種類と、取得した画像データに指定されている供給トレイに指定されている用紙種類と、が一致する場合に、当該デフォルトの用紙種類を印刷対象の用紙種類として選択し、画像データに指定されている供給トレイから供給される印刷用紙に、選択した用紙種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷するように構成される、印刷装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
画像データを取得するより前に、デフォルトの用紙種類を指定しない指示を受け付けている場合に、印刷装置にデフォルトの用紙種類が指定されていないと判断して、取得した画像データに指定されている供給トレイに指定されている用紙種類を印刷対象の用紙種類として選択するように構成される、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
デフォルトの用紙種類を指定しない指示を受け付けた場合に、デフォルトの用紙種類を指定しないことをメモリに記憶しておき、画像データを取得した際に、前記メモリを参照してデフォルトの用紙種類が指定されているか否かを判断するように構成される、請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
画像データを取得するより前に、デフォルトの用紙種類を指定しない選択肢とデフォルトの用紙種類を指定する選択肢とを含む選択画面において当該デフォルトの用紙種類を指定しない選択肢の操作による指示を受け付けている場合に、印刷装置にデフォルトの用紙種類が指定されていないと判断して、取得した画像データに指定されている供給トレイに指定されている用紙種類を印刷対象の用紙種類として選択するように構成される、請求項2又は3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記コントローラは、
印刷装置にデフォルトの用紙種類が指定されているが、当該デフォルトの用紙種類と取得した画像データに指定されている供給トレイに指定されている用紙種類とが一致しない場合に、印刷対象の用紙種類を選択せずにエラーを報知するように構成される、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記コントローラは、
印刷装置にデフォルトの用紙種類が指定されており、当該デフォルトの用紙種類と画像データに指定されている供給トレイに指定されている用紙種類とが一致しない場合であっても、画像データを取得するより前に、前記印刷装置に、印刷処理の継続が設定されていれば、エラーを報知せずに、デフォルトの用紙種類を印刷対象の用紙種類として選択し、画像データに指定されている供給トレイから供給される印刷用紙に、選択した用紙種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷するように構成される、請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記コントローラは、
ブラウザを有する情報処理装置からアクセスされた場合にウェブページに関する情報を返信して、当該情報に基づいて前記情報処理装置で表示された前記選択画面において前記デフォルトの用紙種類を指定しない選択肢の操作による指示を受け付けた場合に、印刷装置でデフォルトの用紙種類が指定されていないことをメモリに記憶しておき、画像データを取得した際に、前記メモリを参照してデフォルトの用紙種類が指定されているか否かを判断するように構成される、請求項4に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記印刷装置のデフォルトの用紙種類は、メモリ内の管理情報ベースに記憶されており、
前記コントローラは、
デフォルトの用紙種類を指定しない指示をネットワークから受け付けた場合に、デフォルトの用紙種類を指定しないことを前記管理情報ベースに記憶しておき、画像データを取得した際に、前記管理情報ベースを参照してデフォルトの用紙種類が指定されているか否かを判断するように構成される、請求項3に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記コントローラは、
前記印刷装置の印刷設定の印刷指示を受け付けた場合に、前記印刷装置でデフォルトの用紙種類が指定されていないことをメモリに記憶していれば、前記印刷装置でデフォルトの用紙種類が指定されていないことを印刷するように構成される、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記コントローラは、
印刷装置にデフォルトの用紙種類が指定されていなければ、取得した画像データに指定されている供給トレイに指定されている用紙種類を印刷対象の印刷用紙の用紙種類として選択する際に、印刷装置で用紙種類を自動決定することが指定されている、または、用紙種類も、用紙種類を自動決定することも、指定されていない場合に、取得した画像データに指定されている供給トレイに指定されている用紙種類を印刷対象の印刷用紙の用紙種類として選択するように構成される、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項11】
コントローラを備える印刷装置であって、
前記コントローラは、
取得した画像データに、用紙種類は指定されているが、供給トレイが指定されていない場合には、自動的に決定した供給トレイから供給される印刷用紙に、画像データに指定されている用紙種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷するように構成され、
取得した画像データに、供給トレイと用紙種類とが指定されていない場合には、前記印刷装置にデフォルトの用紙種類が指定されていなければ、印刷対象の印刷用紙の供給元として自動的に決定した供給トレイに指定されている用紙種類を印刷対象の用紙種類として選択し、前記印刷装置にデフォルトの用紙種類が指定されていれば、当該デフォルトの用紙種類と自動的に決定した供給トレイに指定されている用紙種類とが一致する場合に、当該デフォルトの用紙種類を印刷対象の用紙種類として選択し、自動的に決定した供給トレイから供給される印刷用紙に、選択した用紙種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷するように構成される、印刷装置。
【請求項12】
前記コントローラは、
画像データを取得する前に、デフォルトの用紙種類を指定しない指示を受け付けている場合に、印刷装置にデフォルトの用紙種類が指定されていないと判断して自動的に決定した画像データに指定されている供給トレイの用紙種類を印刷対象の用紙種類として選択するように構成される、請求項11に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記コントローラは、
デフォルトの用紙種類を指定しない指示を受け付けた場合に、デフォルトの用紙種類を指定しないことをメモリに記憶しておき、画像データを取得した際に、前記メモリを参照してデフォルトの用紙種類が指定されているか否かを判断するように構成される、請求項12に記載の印刷装置。
【請求項14】
前記コントローラは、
画像データを取得する前に、デフォルトの用紙種類を指定しない選択肢とデフォルトの用紙種類を指定する選択肢とを含む選択画面において当該デフォルトの用紙種類を指定しない選択肢の操作による指示を受け付けている場合に、印刷装置にデフォルトの用紙種類が指定されていないと判断して、自動的に決定した供給トレイに指定されている用紙種類を印刷対象の用紙種類として選択するように構成される、請求項12又は13に記載の印刷装置。
【請求項15】
前記コントローラは、
印刷装置にデフォルトの用紙種類が指定されているが、当該デフォルトの用紙種類と自動的に決定した供給トレイに指定されている用紙種類とが一致しない場合に、印刷対象の用紙種類を選択せずにエラーを報知するように構成される、請求項11に記載の印刷装置。
【請求項16】
前記コントローラは、
印刷装置にデフォルトの用紙種類が指定されており、当該デフォルトの用紙種類と自動的に決定した供給トレイに指定されている用紙種類とが一致しない場合であっても、画像データを取得するより前に、前記印刷装置に、印刷処理の継続が設定されていれば、エラーを報知せずに、デフォルトの用紙種類を印刷対象の用紙種類として選択し、自動的に決定した供給トレイから供給される印刷用紙に、選択した用紙種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷するように構成される、請求項15に記載の印刷装置。
【請求項17】
前記コントローラは、
ブラウザを有する情報処理装置からアクセスされた場合にウェブページに関する情報を返信して、当該情報に基づいて前記情報処理装置で表示された前記選択画面において前記デフォルトの用紙種類を指定しない選択肢の操作による指示を受け付けた場合に、印刷装置にデフォルトの用紙種類が指定されていないことをメモリに記憶しておき、画像データを取得した際に、前記メモリを参照してデフォルトの用紙種類が指定されているか否かを判断するように構成される、請求項14に記載の印刷装置。
【請求項18】
前記印刷装置のデフォルトの用紙種類は、メモリ内の管理情報ベースに記憶されており、
前記コントローラは、
デフォルトの用紙種類を指定しない指示をネットワークから受け付けた場合に、デフォルトの用紙種類を指定しないことを前記管理情報ベースに記憶しておき、画像データを取得した際に、前記管理情報ベースを参照してデフォルトの用紙種類が指定されているか否かを判断するように構成される、請求項13に記載の印刷装置。
【請求項19】
前記コントローラは、
前記印刷装置の印刷設定の印刷指示を受け付けた場合に、前記印刷装置にデフォルトの用紙種類が指定されていないことをメモリに記憶していれば、前記印刷装置でデフォルトの用紙種類が指定されていないことを印刷するように構成される、請求項11に記載の印刷装置。
【請求項20】
前記コントローラは、
印刷対象の印刷用紙の供給元として自動的に供給トレイを決定する際に、画像データに指定されている用紙種類と、同じ用紙種類が指定されている供給トレイを、印刷対象の印刷用紙の供給元として自動的に供給トレイを決定するように構成される、請求項11に記載の印刷装置。
【請求項21】
コントローラを備える印刷装置であって、
前記コントローラは、
取得した画像データに、用紙種類と供給トレイとが指定されている場合には、画像データに指定されている供給トレイから供給される印刷用紙に、画像データに指定されている用紙種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷するように構成され、
取得した画像データに指定されている用紙種類と、取得した画像データに指定されている供給トレイに指定されている用紙種類とが一致する場合には、当該用紙種類を印刷対象の用紙種類として選択し、画像データに指定されている供給トレイから供給される印刷用紙に、選択した用紙種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷し、取得した画像データに指定されている用紙種類と、取得した画像データに指定されている供給トレイに指定されている用紙種類とが一致しない場合に、印刷対象の用紙種類を選択せずにエラーを報知するように構成される、印刷装置。
【請求項22】
前記コントローラは、
取得した画像データに指定されている用紙種類と、取得した画像データに指定されている供給トレイに指定されている用紙種類とが一致しない場合であっても、画像データを取得するより前に、前記印刷装置に、印刷処理の継続が設定されていれば、エラーを報知せずに、画像データに指定されている用紙種類を印刷対象の用紙種類として選択し、画像データに指定されている供給トレイから供給される印刷用紙に、選択した用紙種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷するように構成される、請求項21に記載の印刷装置。
【請求項23】
コントローラを備える印刷装置であって、
前記コントローラは、
取得した画像データに、用紙種類と供給トレイとが指定されている場合には、画像データに指定されている供給トレイから供給される印刷用紙に、画像データに指定されている用紙種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷するように構成され、
取得した画像データに、用紙種類は指定されているが、供給トレイが指定されていない場合に、供給トレイのうちの、当該供給トレイに指定されている用紙種類と画像データに指定されている用紙種類とが一致する供給トレイを印刷対象の印刷用紙の供給トレイとして選択し、選択した供給トレイから供給される印刷用紙に、画像データに指定されている用紙種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷するように構成される、印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷用紙の用紙種類と供給トレイとが指定されている場合に、指定されている供給トレイから供給される印刷用紙に、指定されている用紙種類の印刷用紙に対応する設定で印刷処理を実行する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献には、印刷用紙の用紙種類と供給トレイとが指定されている場合に、指定されている供給トレイから供給される印刷用紙に、指定されている用紙種類の印刷用紙に対応する設定で印刷処理を実行する印刷装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-34517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、適切に印刷処理を実行することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、実施例に開示する印刷装置は、コントローラを備える印刷装置であって、前記コントローラは、取得した画像データに、用紙種類と供給トレイとが指定されている場合には、画像データに指定されている供給トレイから供給される印刷用紙に、画像データに指定されている用紙種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷するように構成され、取得した画像データに、供給トレイは指定されているが、用紙種類が指定されていない場合には、前記印刷装置に、デフォルトの用紙種類が指定されていなければ、取得した画像データに指定されている供給トレイに指定されている用紙種類を印刷対象の用紙種類として選択し、前記印刷装置に、デフォルトの用紙種類が指定されていれば、当該デフォルトの用紙種類と、取得した画像データに指定されている供給トレイに指定されている用紙種類と、が一致する場合に、当該デフォルトの用紙種類を印刷対象の用紙種類として選択し、画像データに指定されている供給トレイから供給される印刷用紙に、選択した種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷するように構成される。
【0006】
また、上記課題を解決するために、実施例に開示する印刷装置は、コントローラを備える印刷装置であって、前記コントローラは、取得した画像データに、用紙種類は指定されているが、供給トレイが指定されていない場合には、自動的に決定した供給トレイから供給される印刷用紙に、画像データに指定されている用紙種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷するように構成され、取得した画像データに、供給トレイと用紙種類とが指定されていない場合には、前記印刷装置にデフォルトの用紙種類が指定されていなければ、自動的に決定した供給トレイに指定されている用紙種類を印刷対象の用紙種類として選択し、前記印刷装置にデフォルトの用紙種類が指定されていれば、当該デフォルトの用紙種類と自動的に決定した供給トレイに指定されている用紙種類とが一致する場合に、当該デフォルトの用紙種類を印刷対象の用紙種類として選択し、自動的に決定した供給トレイから供給される印刷用紙に、選択した用紙種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷するように構成される。
【0007】
また、上記課題を解決するために、実施例に開示する印刷装置は、コントローラを備える印刷装置であって、前記コントローラは、取得した画像データに、用紙種類と供給トレイとが指定されている場合には、画像データに指定されている供給トレイから供給される印刷用紙に、画像データに指定されている用紙種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷するように構成され、取得した画像データに指定されている用紙種類と、取得した画像データに指定されている供給トレイに指定されている用紙種類とが一致する場合には、当該用紙種類を印刷対象の用紙種類として選択し、画像データに指定されている供給トレイから供給される印刷用紙に、選択した用紙種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷し、取得した画像データに指定されている用紙種類と、取得した画像データに指定されている供給トレイに指定されている用紙種類とが一致しない場合に、印刷対象の用紙種類を選択せずにエラーを報知するように構成される。
【0008】
また、上記課題を解決するために、実施例に開示する印刷装置は、コントローラを備える印刷装置であって、前記コントローラは、取得した画像データに、用紙種類と供給トレイとが指定されている場合には、画像データに指定されている供給トレイから供給される印刷用紙に、画像データに指定されている用紙種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷するように構成され、取得した画像データに、用紙種類は指定されているが、供給トレイが指定されていない場合に、供給トレイのうちの、当該供給トレイに指定されている用紙種類と画像データに指定されている用紙種類とが一致する供給トレイを印刷対象の印刷用紙の供給トレイとして選択し、選択した供給トレイから供給される印刷用紙に、画像データに指定されている用紙種類の印刷用紙に対応する設定で当該画像データに基づく画像を印刷するように構成される。
【発明の効果】
【0009】
実施例に開示する印刷装置によれば、適切に印刷処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】通信システムのブロック図である。
図2】制御プログラム34のフローチャートを示す図である。
図3】制御プログラム34のフローチャートを示す図である。
図4】制御プログラム34のフローチャートを示す図である。
図5】制御プログラム34のフローチャートを示す図である。
図6】制御プログラム34のフローチャートを示す図である。
図7】制御プログラム34のフローチャートを示す図である。
図8】選択画面70を示す図である。
図9】選択画面80を示す図である。
図10】データ記憶領域36に記憶される印刷設定値を示す図である。
図11】印刷ジョブと印刷設定値とによって設定される変数MTと対象供給トレイとを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る通信システムのブロック図である。図1に示す通信システムは、MFP(印刷装置の一例)10とPC(情報処理装置の一例)50とを備える。
【0012】
MFP10は、CPU(コントローラの一例)12、メモリ14、ユーザI/F15、スキャナ20、プリンタ22、ネットワークI/F24、USBI/F26を主に備えている。I/Fは、インタフェースの略である。これらの構成要素は、バス32を介して互いに通信可能とされている。
【0013】
CPU12は、メモリ14内の制御プログラム34に従って処理を実行する。また、CPU12は、EWS(Embedded Web Serverの略)プログラム35に従った処理を実行することにより、ウェブサーバとして機能する。CPU12がEWSプログラム35に従って動作することで実現するウェブサーバのことを、EWSとも呼ぶ。また、メモリ14(メモリの一例)は、データ記憶領域36を備える。データ記憶領域36は、制御プログラム34等の実行に必要なデータなどを記憶する領域である。なお、メモリ14は、RAM、フラッシュメモリ、CPU12が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。メモリ14は、さらに、HDD、MFP10に着脱されるUSBメモリ等の可搬記憶媒体などが組み合わされていてもよい。メモリ14は、RAMなどの単体でもよい。
【0014】
また、メモリ14は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体の一例であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0015】
また、ユーザI/F15は、ディスプレイ16と入力I/F18とを有する。ディスプレイ16は、MFP10の各種情報を表示する液晶ディスプレイである。ディスプレイは、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイ等の他の表示方式のディスプレイでも良い。入力I/F18は、例えば、ディスプレイ16と一体的に構成されているタッチパネルであり、ディスプレイ16上に表示されたアイコン,ボタン等へのユーザ操作を受け付ける。また、タッチパネル以外にも、ハードキー等であってもよい。また、ディスプレイ単体、入力I/F単体をユーザインタフェースの一例と見なしてもよい、
【0016】
スキャナ20は、例えば、CCDやCISなどの読取センサを有し、原稿の読取りに応じた画像データを生成する。プリンタ22は、シートやディスクなどの被記録媒体に画像を印刷する印刷動作を実行する。シートを用紙とも呼ぶ。プリンタ22の記録方式としては、インクジェット方式や、電子写真方式などを採用することができる。
【0017】
ネットワークI/F24は、ネットワークプロトコル、例えばHTTP、を用いてデバイスと通信を行うためのものであり、ネットワーク60を介してPC50と通信可能とされている。また、USBI/F26は、USBプロトコルを用いてデバイスと通信を行うためのものであり、PC50と通信可能とされている。
【0018】
なお、本明細書では、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPU12の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」等の処理は、CPU12の処理を表している。CPUによる処理は、OSのAPIを用いたハードウェア制御も含む。本明細書では、OSの記載を省略して各プログラムの動作を説明する。すなわち、以下の説明において、「プログラムBがハードウェアCを制御する」という趣旨の記載は、「プログラムBがOSのAPIを用いてハードウェアCを制御する」ことを指してもよい。また、プログラムに記述された命令に従ったCPU12の処理を、省略した文言で記載することがある。例えば、「CPU12が行う」のように記載することがある。また、プログラムに記述された命令に従ったCPU12の処理を、「プログラムAが行う」のようにCPUを省略した文言で記載することがある。また、CPU12の処理を含む、MFP10の各構成による処理を「MFP10が行う」のように、各構成を省略した文言で記載することがある。
【0019】
なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU12が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPUがデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「要求する」、「指示する」とは、要求していることを示す情報や、指示していることを示す情報を相手に出力することを示す概念である。また、要求していることを示す情報や指示していることを示す情報のことを、単に、「要求」、「指示」とも記載する。
【0020】
また、CPU12による、情報Aは事柄Bであることを示しているか否かを判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか否かを判断する」のように概念的に記載することがある。CPU12による、情報Aが事柄Bであることを示しているか、事柄Cであることを示しているか、を判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか事柄Cであるかを判断する」のように概念的に記載することがある。
【0021】
画像データの印刷に係る処理を、図2乃至図7に示すフローチャートを用いて説明する。まず、デフォルトメディアタイプの設定値の設定指示が入力されたか否かを判断する(S100)。そして、デフォルトメディアタイプの設定値の設定指示が入力された場合(S100:YES)に、デフォルトメディアタイプの設定値を設定する(S102)。設定値を設定することを、設定値を変更すると呼んでもよい。なお、MFP10で設定可能なデフォルトメディアタイプは、メディアタイプを指定する指定メディアタイプと、メディアタイプを指定しない無指定メディアタイプとの一方である。指定メディアタイプは、印刷用紙の種類の具体的な名称であり、Plain(普通紙),Thick(厚紙),Thicker(超厚紙),Envelopes(封筒),Bond(Bond紙),Thin(薄紙),Recyecled(再生紙),Glossy(光沢紙)等である。一方、無指定メディアタイプは、印刷用紙の種類の具体的な名称を指定することなく、MFP10で自動的に任意の種類に設定されることを示すAUTOである。このため、MFP10では、Plain(普通紙),Thick(厚紙),Thicker(超厚紙)等の指定メディアタイプとAUTOの無指定メディアタイプとのうちから1のメディアタイプが設定される。
【0022】
詳しくは、入力I/F18を利用してデフォルトメディアタイプの設定値が設定される際には、図8に示すように、選択画面70がディスプレイ16に表示される。選択画面70には、Plain(普通紙),Thick(厚紙),Thicker(超厚紙)の指定メディアタイプを選択する複数の選択肢72aと、AUTOの無指定メディアタイプを選択する選択肢72bとが表示され、任意の選択肢72が操作されることで、デフォルトメディアタイプが設定される。
【0023】
また、EWSプログラム35を利用してデフォルトメディアタイプの設定値が設定される際には、PC50のディスプレイに、図9に示す選択画面80が表示される。詳しくは、PC50は、ブラウザを用いてMFP10にアクセスして、EWS情報に基づくウェブページの表示要求をMFP10に送信する。ウェブページの表示要求を受信すると、EWSとして機能するCPU12は、選択画面80を示すウェブページデータをPC50に送信する。ウェブページデータを受信したPC50のブラウザは、ウェブページデータが示す選択画面80をPC50のディスプレイに表示させる。PC50のユーザは、PC60のユーザI/Fを用いて、ブラウザに表示された選択画面80を操作することができる。ブラウザへの操作内容を示す情報は、PC60から、MFP10に送信される。ウェブページデータに基づく画面への操作内容を示す情報をMFP10が受信することを、単に、画面を介して操作を受け付ける、画面を介して入力される、と呼んでもよい。ウェブページを介して操作を受け付ける、ウェブページを介して入力される、と呼んでもよい。選択画面80には、メディアタイプを選択するための選択欄82が表示されており、その選択欄82では、Plain(普通紙),Thick(厚紙),Thicker(超厚紙)の指定メディアタイプを選択する複数の選択肢と、AUTOの無指定メディアタイプを選択する選択肢とのうちの何れか1つの選択肢を選択することができる。そして、選択欄82でメディアタイプが選択され、送信ボタン84が操作されることで、操作内容を示す情報は、PC60から、MFP10に送信されて、MFP10において、選択欄82で選択されたメディアタイプがMFP10でデフォルトメディアタイプとして設定される。
【0024】
また、MFP10は、PC50からネットワーク60を介して、管理情報ベース38に記憶させるための、デフォルトメディアタイプの設定値を受信すると、デフォルトメディアタイプの設定値を、MFP10のデータ記憶領域36に含まれる管理情報ベース38に設定する。管理情報ベース38は、MFP10での印刷設定や作動状態を示す情報のデータベースであり、デフォルトメディアタイプの設定値も含まれている。
【0025】
また、MFP10は、PC50からデフォルトメディアタイプの設定値を指定するPJLコマンドを、USBI/F26、または、ネットワークI/F24を介して受信すると、そのPJLコマンドで指定されているデフォルトメディアタイプの設定値を、データ記憶領域36に設定する。
【0026】
また、MFP10は、PC50の一括設定アプリから、USBI/F26、または、ネットワークI/F24を介して、デフォルトメディアタイプの設定値を受信すると、メモリ14に、デフォルトメディアタイプの設定値を設定する。一括設定アプリは、MFP10の設定値を設定するためのアプリケーションである。なお、管理情報ベース38による設定でも、PJLコマンドによる設定でも、一括設定アプリによる設定でも、Plain(普通紙),Thick(厚紙),Thicker(超厚紙)の指定メディアタイプを選択する複数の選択肢と、AUTOの無指定メディアタイプを選択する選択肢とのうちの何れか1つの選択肢を指定することができる。
【0027】
なお、データ記憶領域36に記憶される印刷設定値では、図10に示すように、デフォルトメディアタイプだけでなく、トレイ情報とAUTOトレイ情報とオートコンティニュー情報とが記憶されている。トレイ情報は、MFP10の供給トレイ、具体的には、MPトレイとトレイ1との各々に対して指定されており、各供給トレイに収容されている印刷用紙のメディアタイプと用紙サイズとを示す情報である。このため、トレイ情報に基づいて、MPトレイにA4サイズの普通紙を示す設定値が指定されており、トレイ1にA3サイズの厚紙を示す設定値が指定されていることがわかる。なお、トレイ情報は、供給トレイに印刷用紙が収納されたときにユーザにより設定される。また、設定された以降、ユーザにより、変更することもできる。
【0028】
また、トレイ選択設定は、MFP10が供給トレイを自動的に決定する際に用いられる設定値である。印刷用紙の供給トレイとしてAUTOが指定されている場合に、トレイ選択設定に従ってジョブ供給トレイが自動的に決定される。なお、トレイ選択設定は、印刷処理が実行される前にユーザにより設定される。
【0029】
また、オートコンティニュー情報は、印刷処理の継続を指定するか否かを示す情報であり、後に詳しく説明するメディアタイプエラーと用紙サイズエラーとの何れかが発生した場合であっても、印刷処理を継続するか否かを示す情報である。なお、オートコンティニュー情報は、印刷処理が実行される前にユーザにより設定される。このように印刷設定値としてデフォルトメディアタイプとトレイ情報とトレイ選択設定とオートコンティニュー情報とが印刷ジョブの実行前、つまり、MFP10が印刷ジョブを受信する前にデータ記憶領域36に記憶されている。また、MFP10は、印刷設定値の印刷指示を受け付けた場合に、印刷設定値を印刷する。これにより、ユーザは、図10に示す印刷設定値を含む印刷処理を実行するための各種設定値を確認することができる。
【0030】
制御プログラム34は、PC50からネットワークI/F24若しくはUSBI/F26を介して印刷ジョブを受信した場合(S104:YES)に、印刷ジョブでメディアタイプが指定されているか否かを判断する(S106)。具体的には、印刷ジョブにジョブメディアタイプが含まれているか否かを判断する。印刷ジョブには、印刷対象の画像データとメディアタイプ(以下、「ジョブメディアタイプ」と記載する)と供給トレイ(以下、「ジョブ供給トレイ」と記載する)とを含むことが可能である。ジョブメディアタイプは、印刷ジョブに含まれる画像データに基づく画像が印刷される際の印刷用紙の用紙種類を指定するものであり、Plain,Thick等の指定メディアタイプが指定される。また、ジョブ供給トレイは、印刷ジョブに含まれる画像データに基づく画像が印刷される際の供給トレイを指定するものであり、MPトレイ,トレイ1,AUTOの何れかが指定される。そして、印刷ジョブにジョブメディアタイプが含まれている場合(S106:YES)に、変数MTを印刷ジョブに含まれるジョブメディアタイプに設定する(S108)。一方、印刷ジョブにジョブメディアタイプが含まれていない場合(S106:NO)に、変数MTをデフォルトメディアタイプに設定する(S112)。
【0031】
供給トレイ決定サブルーチン(S110)では、図4に示すように、印刷ジョブに含まれるジョブ供給トレイがAUTOに指定されているか否かを判断する(S200)。ジョブ供給トレイがAUTOに指定されている場合(S200:YES)に、データ記憶領域36に記憶されているトレイ選択設定が優先度設定に設定されているか否かを判断する(S202)。なお、トレイ選択設定は、「MPトレイ>トレイ1」と「トレイ1>MPトレイ」と「MPトレイOnly」と「トレイ1Only」とのうちの何れかに設定される。「MPトレイ>トレイ1」と「トレイ1>MPトレイ」とは、ジョブ供給トレイをMPトレイとトレイ1との何れかの供給トレイに優先的に決定するトレイ選択設定であり、「MPトレイ>トレイ1」においてMPトレイが優先的に決定され、「トレイ1>MPトレイ」においてトレイ1が優先的に決定される。なお、以下の説明において、「MPトレイ>トレイ1」と「トレイ1>MPトレイ」とを、優先度設定と記載する。一方、「MPトレイOnly」と「トレイ1Only」とは、ジョブ供給トレイをMPトレイとトレイ1との何れか一方のみに決定するトレイ選択設定であり、「MPトレイOnly」においてMPトレイのみに決定され、「トレイ1Only」においてトレイ1のみに決定される。そして、トレイ選択設定が優先度設定に設定されていない場合(S202:NO)、つまり、「MPトレイOnly」若しくは「トレイ1Only」に設定されている場合に、印刷処理時に印刷用紙を供給する供給トレイ、つまり、印刷対象の供給トレイ(以下、「対象供給トレイ」と記載する)を、トレイ選択設定で設定されている供給トレイ、つまり、「MPトレイ」若しくは「トレイ1」に設定する(S204)。
【0032】
次に、変数MTがAUTOに設定されているか否かを判断する(S206)。すなわち、印刷ジョブにジョブメディアタイプが含まれておらず、デフォルトメディアタイプにAUTOが設定されているか否かを判断する。そして、変数MTがAUTOに設定されている場合(S206:YES)に、ジョブ用紙サイズと対象トレイ用紙サイズとが一致するか否かを判断する(S208)。ここで、ジョブ用紙サイズは、印刷ジョブに含まれる、用紙サイズを示す情報である。また、対象トレイ用紙サイズは、トレイ情報において対象供給トレイに指定されている用紙サイズである。例えば、S204で対象供給トレイにMPトレイが設定されている場合において、図10に示す印刷設定値のトレイ情報では、MPトレイの用紙サイズとしてA4サイズが指定されている。すなわちジョブ用紙サイズがA4サイズならば、ジョブ用紙サイズと対象トレイ用紙サイズとが一致すると判断され(S208:YES)、供給トレイ決定サブルーチンが終了する。一方、ジョブ用紙サイズと対象トレイ用紙サイズとが一致しないと判断された場合(S208:NO)には、エラー表示決定サブルーチンが実行される(S210)。
【0033】
また、S206で変数MTがAUTOに設定されていない場合(S206:NO)、すなわち、印刷ジョブにジョブメディアタイプが含まれている場合、あるいは、印刷ジョブにジョブメディアタイプが含まれていないが、デフォルトメディアタイプにAUTO以外の設定値に設定されている場合に、ジョブ用紙サイズと対象トレイ用紙サイズとが一致し、且つ、変数MTとトレイメディアタイプとが一致するか否かを判断する(S212)。ここで、トレイメディアタイプは、トレイ情報において対象供給トレイに指定されているメディアタイプである。例えば、S204で対象供給トレイにトレイ1が設定されている場合において、図10に示す印刷設定値のトレイ情報では、トレイ1のメディアタイプとしてThickが指定されている。このため、トレイメディアタイプはThickとなる。すなわち、変数MTがThickの場合には、変数MTとトレイメディアタイプとが一致すると判断する。また、対象供給トレイにトレイ1が設定されている場合において、図10に示す印刷設定値のトレイ情報では、トレイ1の用紙サイズとしてA3が指定されている。すなわち、ジョブ用紙サイズがA3サイズの場合には、ジョブ用紙サイズと対象トレイ用紙サイズとが一致すると判断する。このように、ジョブ用紙サイズと対象トレイ用紙サイズとが一致し、且つ、変数MTとトレイメディアタイプとが一致すると判断された場合(S212:YES)に、供給トレイ決定サブルーチンが終了する。一方、ジョブ用紙サイズと対象トレイ用紙サイズとの一致と、変数MTとトレイメディアタイプとの一致との一方のみが成立、若しくは両方が成立しなかった場合(S212:NO)には、エラー表示決定サブルーチンが実行される(S210)。
【0034】
エラー表示決定サブルーチンでは、図7に示すように、オートコンティニューがONに設定されているか否かを判断する(S270)。つまり、データ記憶領域36に記憶されている印刷設定値が参照されて、オートコンティニュー情報がONに設定されているか否かを判断する。オートコンティニュー情報がOFFに設定されている場合(S272:NO)に、ジョブ用紙サイズと対象トレイ用紙サイズとが一致するか否かを判断する(S272)。ここで、ジョブ用紙サイズと対象トレイ用紙サイズとが一致する場合(S272:YES)には、S212において、ジョブ用紙サイズと対象トレイ用紙サイズとは一致するが、変数MTとトレイメディアタイプとは一致しないと判断されていることになる。ディスプレイ16にはメディアタイプエラー画面が表示される(S274)。メディアタイプエラー画面には、メディアタイプが一致していないことを示すコメントが表示され、メディアタイプが一致していないが印刷を継続するための印刷継続ボタンと、印刷をキャンセルするためのキャンセルボタンとが表示される。そして、メディアタイプエラー画面で印刷継続ボタンとキャンセルボタンとの何れかが操作されると、エラー表示決定サブルーチンが終了し、供給トレイ決定サブルーチンも終了する。
【0035】
一方、S272でジョブ用紙サイズと対象トレイ用紙サイズとが一致しない場合(S272:NO)には、S208、または、S212において、少なくとも、ジョブ用紙サイズと対象トレイ用紙サイズとは一致しないと判断されていることになる。ディスプレイ16には用紙サイズエラー画面が表示される(S276)。用紙サイズエラー画面には、用紙サイズが一致していないことを示すコメントが表示され、用紙サイズが一致していないが印刷を継続するための印刷継続ボタンと、印刷をキャンセルするためのキャンセルボタンとが表示される。そして、用紙サイズエラー画面で印刷継続ボタンとキャンセルボタンとの何れかが操作されると、エラー表示決定サブルーチンが終了し、供給トレイ決定サブルーチンも終了する。
【0036】
また、供給トレイ決定サブルーチンのS200において、ジョブ供給トレイがAUTOに指定されていない場合(S200:NO)、つまり、ジョブ供給トレイがMPトレイとトレイ1との何れかに指定されている場合に、対象供給トレイを、ジョブ供給トレイ、つまり、「MPトレイ」若しくは「トレイ1」に設定する(S214)。そして、S206以降の処理が実行される。
【0037】
また、供給トレイ決定サブルーチンのS202において、トレイ選択設定が優先度設定に設定されている場合(S202:YES)に、複数トレイ決定サブルーチンを実行する(S216)。複数トレイ決定サブルーチンでは、図5に示すように、変数トレイをトレイ選択設定での一番優先度の高いトレイに設定する(S230)。例えば、トレイ選択設定が「MPトレイ>トレイ1」である場合に、変数トレイはMPトレイに設定される。次に、変数MTがAUTOであるか否かを判断する(S232)。そして、変数MTがAUTOである場合(S232:YES)に、ジョブ用紙サイズと変数トレイ用紙サイズとが一致するか否かを判断する(S234)。ここで、変数トレイ用紙サイズは、変数トレイに設定されている供給トレイにトレイ情報で指定されている用紙サイズである。つまり、例えば、S230で変数トレイにMPトレイが設定されている場合において、図10に示す印刷設定値のトレイ情報では、MPトレイの用紙サイズとしてA4サイズが指定されている。このため、変数トレイ用紙サイズはA4サイズとなる。そして、ジョブ用紙サイズがA4サイズの場合に、ジョブ用紙サイズと変数トレイ用紙サイズとが一致すると判断され(S234:YES)、対象供給トレイを変数トレイ、つまり、MPトレイに設定する(S235)。そして、供給トレイ決定サブルーチンが終了する。
【0038】
また、S234でジョブ用紙サイズと変数トレイ用紙サイズとが一致しない場合(S234:NO)、例えば、ジョブ用紙サイズがA3サイズであり、変数トレイがMPトレイに設定されていれば、ジョブ用紙サイズ(A3)と変数トレイ用紙サイズ(A4)とが一致しない場合となり、変数トレイがトレイ選択設定で一番優先度が低いトレイであるか否かを判断する(S236)。ここで、S232でトレイ選択設定が「MPトレイ>トレイ1」である場合に変数トレイがMPトレイに設定されているため、変数トレイ(=MPトレイ)はトレイ選択設定で一番優先度が低いトレイでないと判断する(S236:NO)。そして、変数トレイを、トレイ選択設定で現時点での変数トレイの次に優先度が高いトレイに設定する(S238)。つまり、トレイ選択設定が「MPトレイ>トレイ1」であり、現時点で変数トレイがMPトレイに設定されている場合に、変数トレイがトレイ1に書き換えられる。そして、S234に戻る。つまり、変数トレイがトレイ1である場合に、ジョブ用紙サイズと変数トレイ用紙サイズとが一致するか否かを判断する(S234)。そして、図10に示すトレイ情報では、トレイ1の用紙サイズとしてA3サイズが指定されているため、変数トレイ用紙サイズはA3である。この際、ジョブ用紙サイズがA3サイズである場合には、ジョブ用紙サイズ(A3)と変数トレイ用紙サイズ(A3)とが一致すると判断して(S234:YES)、対象供給トレイを変数トレイ、つまり、トレイ1に設定する(S235)。そして、供給トレイ決定サブルーチンが終了する。一方、変数トレイ用紙サイズはA3であり、ジョブ用紙サイズがB3サイズである場合には、ジョブ用紙サイズ(B3)と変数トレイ用紙サイズ(A3)とが一致しないと判断して(S234:NO)、変数トレイがトレイ選択設定で一番優先度が低いトレイであるか否かを判断する(S236)。ここで、S238でトレイ選択設定が「MPトレイ>トレイ1」である場合に変数トレイがトレイ1に設定されているため、変数トレイ(=トレイ1)はトレイ選択設定で一番優先度が低いトレイであると判断する(S236:YES)。そして、対象供給トレイをトレイ選択設定で一番優先度が高いトレイに設定する(S239)。つまり、トレイ選択設定が「MPトレイ>トレイ1」である場合に対象供給トレイをMPトレイに設定する。そして、先に説明したエラー表示決定サブルーチンを実行して(S240)、複数トレイ決定サブルーチンが終了する。
【0039】
また、複数トレイ決定サブルーチンのS232において変数MTがAUTOでない場合(S232:NO)、すなわち、印刷ジョブにジョブメディアタイプが含まれている場合、あるいは、印刷ジョブにジョブメディアタイプが含まれていないが、デフォルトメディアタイプにAUTO以外の設定値に設定されている場合に、候補トレイを「無」に設定する(S242)。そして、ジョブ用紙サイズと変数トレイ用紙サイズとが一致し、且つ、変数MTとトレイメディアタイプとが一致するか否かを判断する(S244)。この際、ジョブ用紙サイズと変数トレイ用紙サイズとが一致し、且つ、変数MTとトレイメディアタイプとが一致する場合(S244:YES)に、対象供給トレイを変数トレイに設定して(S235)、複数トレイ決定サブルーチンが終了する。
【0040】
一方、ジョブ用紙サイズと変数トレイ用紙サイズとの一致と、変数MTとトレイメディアタイプとの一致との一方のみ、若しくは両方が成立しない場合(S244:NO)に、ジョブ用紙サイズと変数トレイ用紙サイズとが一致しないこと、および、変数MTとトレイメディアタイプとが一致しないこと、の両方が成立するかを判断する(S246)。この際、ジョブ用紙サイズと変数トレイ用紙サイズとの一致と、変数MTとトレイメディアタイプとの一致との両方でなく、一方のみが成立しない場合(S246:NO)に、候補トレイを変数トレイに設定する(S248)。例えば、変数トレイがMPトレイであり、ジョブ用紙サイズがA4サイズである場合には、変数トレイ用紙サイズ(A4)とジョブ用紙サイズ(A4)とは一致すると判断されるが、変数MTがThickであれば、変数MT(Thick)とトレイメディアタイプ(MPトレイのメディアタイプ:Plain)とは一致しないと判断される。つまり、ジョブ用紙サイズと変数トレイ用紙サイズとは一致するが、変数MTとトレイメディアタイプとが一致しないと判断され、候補トレイが「無」から変数トレイ(MPトレイ)に書き換えられる。また、例えば、変数トレイがトレイ1であり、ジョブ用紙サイズがA4サイズである場合には、変数トレイ用紙サイズ(A3)とジョブ用紙サイズ(A4)とは一致しないと判断されるが、変数MTがThickであれば、変数MT(Thick)とトレイメディアタイプ(トレイ1のメディアタイプ:Thick)とは一致すると判断される。つまり、ジョブ用紙サイズと変数トレイ用紙サイズとは一致しないが、変数MTとトレイメディアタイプとが一致すると判断され、候補トレイが「無」から変数トレイ(トレイ1)に書き換えられる。そして、候補トレイが「無」から変数トレイに書き換えられると、つまり、候補トレイが変数トレイに設定されると、S250に進む。一方、S246でジョブ用紙サイズと変数トレイ用紙サイズとの一致と、変数MTとトレイメディアタイプとの一致との両方が成立しない場合(S246:YES)に、S248の処理がスキップされ、S250に進む。つまり、候補トレイが「無」から変数トレイに書き換えられることなく、S250に進む。
【0041】
続いて、S250では、S236と同様に、変数トレイがトレイ選択設定で一番優先度が低いトレイであるか否かを判断する(S250)。そして、変数トレイがトレイ選択設定で一番優先度が低いトレイでない場合(S250:NO)に、S238と同様に、変数トレイを、トレイ選択設定で現時点での変数トレイの次に優先度が高いトレイに設定する(S252)。そして、S244に戻る。
【0042】
また、S250で変数トレイがトレイ選択設定で一番優先度が低いトレイである場合(S250:YES)に、候補トレイが「無」であるか否かを判断する(S254)。この際、例えば、S248において候補トレイが変数トレイに設定されていれば、候補トレイは「無」でない(S254:NO)ため、対象供給トレイを候補トレイに設定する(S256)。一方、例えば、S248において候補トレイが変数トレイに一度も設定されていなければ、候補トレイは「無」である(S254:YES)ため、対象供給トレイをトレイ選択設定で一番優先度が高い供給トレイに設定する(S239)。そして、S239若しくはS256で対象供給トレイが設定されると、上述したエラー表示決定サブルーチンを実行して(S240)、そのエラー表示決定サブルーチンが終了すると、メインルーチンに戻る。
【0043】
メインルーチンでは、供給トレイ決定サブルーチン(S110)の後に、エラーが発生したか否かを判断する(S114)。つまり、メディアタイプエラー画面若しくは用紙サイズエラー画面においてエラーの発生が表示されたか否かを判断する。そして、エラーが発生した場合(S114:YES)に、メディアタイプエラー画面若しくは用紙サイズエラー画面において印刷継続ボタンが操作されたか否かを判断する(S116)。この際、メディアタイプエラー画面若しくは用紙サイズエラー画面において印刷継続ボタンが操作されている場合(S116:YES)に、S120に進む。一方、S114でエラーが発生していない場合(S114:NO)にも、S120に進む。
【0044】
S120では、変数MTがAUTOに設定されているか否かを判断する(S120)。そして、変数MTがAUTOに設定されている場合(S120:YES)に、変数MTを対象供給トレイのメディアタイプに設定する(S122)。ここで、対象供給トレイのメディアタイプは、対象供給トレイに設定されている供給トレイに対して、図10の印刷設定値のトレイ情報で指定されているメディアタイプである。つまり、例えば、対象供給トレイにMPトレイが設定されている場合に、トレイ情報においてMFトレイのメディアタイプとして「Plain」が指定されているため、対象供給トレイのメディアタイプは、「Plain」である。このため、変数MTを「Plain」に設定する。そして、対象供給トレイから供給される印刷用紙に、変数MT応じた印刷設定で、すなわち、対象供給トレイに指定されているメディアタイプに応じた印刷設定で、印刷ジョブに含まれる画像データの画像の印刷処理を実行する(S124)。これにより、制御プログラム34の処理が終了する。
【0045】
また、S120で変数MTがAUTO以外に設定されている場合(S120:NO)に、S122の処理がスキップされる。このため、S122の処理がスキップされた場合に、変数MTは、S106で印刷ジョブにメディアタイプが含まれていればジョブメディアタイプであり、S106で印刷ジョブにメディアタイプが含まれていなければAUTO以外のデフォルトメディアタイプである。そして、対象供給トレイから供給される印刷用紙に、変数MTに応じた印刷設定で、すなわち、ジョブメディアタイプ、若しくはAUTO以外のデフォルトメディアタイプに応じた印刷設定で、印刷ジョブに含まれる画像データの画像の印刷処理を実行する(S124)。これにより、制御プログラム34の処理が終了する。
【0046】
なお、S116でメディアタイプエラー画面若しくは用紙サイズエラー画面において印刷継続ボタンが操作されていない場合(S116:NO)、つまり、キャンセルボタンが操作されている場合に、印刷ジョブが破棄されて(S126)、S100に戻る。つまり、S104で受信した印刷ジョブに基づく印刷処理がキャンセルされる。
【0047】
このように、制御プログラム34に従った処理が実行されることで、図11に示すように、印刷ジョブ及び印刷設定値に応じた印刷処理が実行、若しくは印刷処理がキャンセルされる。具体的には、図11の(1)に示すように、ジョブ給紙トレイが「AUTO」であり、トレイ選択設定が「MPトレイ>トレイ1」であるため、対象供給トレイが優先的に「MPトレイ」に設定される。また、ジョブメディアタイプが指定されておらずデフォルトメディアタイプが「AUTO」であるため、変数MTが対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ「Plain」に設定される。そして、MPトレイから供給される印刷用紙に、Plainに対応する設定で印刷処理が実行される。
【0048】
また、図11の(2)に示すように、ジョブ給紙トレイが「AUTO」であり、トレイ選択設定が「トレイ1Only」であるため、対象供給トレイが「トレイ1」に設定される。また、ジョブメディアタイプが指定されておらずデフォルトメディアタイプが「AUTO」であるため、変数MTが対象供給トレイ(トレイ1)のメディアタイプ「Thick」に設定される。そして、トレイ1から供給される印刷用紙に、Thickに対応する設定で印刷処理が実行される。
【0049】
また、図11の(3)に示すように、ジョブ給紙トレイが「トレイ1」であるため、対象供給トレイが「トレイ1」に設定される。また、ジョブメディアタイプが指定されておらずデフォルトメディアタイプが「AUTO」であるため、変数MTが対象供給トレイ(トレイ1)のメディアタイプ「Thick」に設定される。そして、トレイ1から供給される印刷用紙に、Thickに対応する設定で印刷処理が実行される。
【0050】
また、図11の(4)に示すように、ジョブ給紙トレイが「AUTO」であり、トレイ選択設定が「MPトレイ>トレイ1」であるため、対象供給トレイが優先的に「MPトレイ」に設定される。また、ジョブメディアタイプが指定されておらずデフォルトメディアタイプが「Plain」であり、対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)と一致するため、変数MTがデフォルトメディアタイプ「Plain」に設定される。そして、MPトレイから供給される印刷用紙に、Plainに対応する設定で印刷処理が実行される。
【0051】
また、図11の(5)に示すように、ジョブ給紙トレイが「MPトレイ」であるため、対象供給トレイが「MPトレイ」に設定される。また、ジョブメディアタイプが指定されておらずデフォルトメディアタイプが「Thick」であるため、変数MTが「Thick」に設定される。ただし、変数MT(Thick)と対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)と一致しないため、オートコンティニューがOFFである場合に、メディアタイプエラー画面が表示され、その画面でキャンセルボタンが操作された場合に印刷処理がキャンセルされる。このため、印刷時に使用される変数MT及び対象供給トレイは無しとなる。一方、図11の(6)では、印刷ジョブ及び印刷設定値が、オートコンティニュー情報を除いて、図11の(5)と同じである。このため、対象供給トレイが「MPトレイ」に設定され、変数MTが「Thick」に設定され、変数MT(Thick)と対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)と一致しない。ただし、オートコンティニューがONに設定されているため、メディアタイプエラー画面は表示されず、MPトレイから供給される印刷用紙に、Thickに対応する設定で印刷処理が実行される。
【0052】
また、図11の(7)に示すように、ジョブ給紙トレイが「AUTO」であり、トレイ選択設定が「MPトレイ>トレイ1」であるため、対象供給トレイが優先的に「MPトレイ」に設定される。また、ジョブメディアタイプが「Thick」であるため、変数MTが「Thick」に設定されるが、対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)と一致しないため、対象供給トレイが優先度の低い「トレイ1」に再設定される。再設定された対象供給トレイ(トレイ1)のメディアタイプは「Thick」は、変数MT(Thick)と一致する。このため、トレイ1から供給される印刷用紙に、Thickに対応する設定で印刷処理が実行される。
【0053】
また、図11の(8)に示すように、ジョブ給紙トレイが「AUTO」であり、トレイ選択設定が「MPトレイOnly」であるため、対象供給トレイが「MPトレイ」に設定される。また、ジョブメディアタイプが指定されておらずデフォルトメディアタイプが「Thick」であるため、変数MTが「Thick」に設定される。ただし、変数MT(Thick)と対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)と一致しないため、オートコンティニューがOFFである場合に、メディアタイプエラー画面が表示され、その画面でキャンセルボタンが操作された場合に印刷処理がキャンセルされる。このため、印刷時に使用される変数MT及び対象供給トレイは無しとなる。一方、図11の(9)では、印刷ジョブ及び印刷設定値が、オートコンティニュー情報を除いて、図11の(8)と同じである。このため、対象供給トレイが「MPトレイ」に設定され、変数MTが「Thick」に設定され、変数MT(Thick)と対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)と一致しない。ただし、オートコンティニューがONに設定されているため、メディアタイプエラー画面は表示されず、MPトレイから供給される印刷用紙に、Thickに対応する設定で印刷処理が実行される。
【0054】
また、図11の(10)に示すように、ジョブ給紙トレイが「AUTO」であり、トレイ選択設定が「MPトレイ>トレイ1」であるため、対象供給トレイが優先的に「MPトレイ」に設定される。また、ジョブメディアタイプが「Thicker」であるため、変数MTが「Thicker」に設定される。ただし、変数MT(Thicker)と対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)と一致しないため、対象供給トレイが優先度の低い「トレイ1」に再設定される。再設定された対象供給トレイ(トレイ1)のメディアタイプは「Thick」も、変数MT(Thicker)と一致しない。このため、オートコンティニューがOFFである場合に、メディアタイプエラー画面が表示され、その画面でキャンセルボタンが操作された場合に印刷処理がキャンセルされる。このため、印刷時に使用される変数MT及び対象供給トレイは無しとなる。一方、図11の(11)では、印刷ジョブ及び印刷設定値が、オートコンティニュー情報を除いて、図11の(10)と同じである。このため、対象供給トレイが「MPトレイ」に設定され、変数MTが「Thicker」に設定され、変数MT(Thicker)と対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)と一致しない。ただし、図11の(11)では、オートコンティニューがONに設定されているため、メディアタイプエラー画面は表示されず、MPトレイから供給される印刷用紙に、Thickerに対応する設定で印刷処理が実行される。
【0055】
また、図11の(12)に示すように、ジョブ給紙トレイが「MPトレイ」であるため、対象供給トレイが「MPトレイ」に設定される。また、ジョブメディアタイプが「Thick」であるため、変数MTが「Thick」に設定される。ただし、変数MT(Thick)と対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)と一致しないため、オートコンティニューがOFFである場合に、メディアタイプエラー画面が表示され、その画面でキャンセルボタンが操作された場合に印刷処理がキャンセルされる。このため、印刷時に使用される変数MT及び対象供給トレイは無しとなる。一方、図11の(13)では、印刷ジョブ及び印刷設定値が、オートコンティニュー情報を除いて、図11の(12)と同じである。このため、対象供給トレイが「MPトレイ」に設定され、変数MTが「Thick」に設定され、変数MT(Thick)と対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)と一致しない。ただし、オートコンティニューがONに設定されているため、メディアタイプエラー画面は表示されず、MPトレイから供給される印刷用紙に、Thickに対応する設定で印刷処理が実行される。
【0056】
また、図11の(14)に示すように、ジョブ給紙トレイが「MPトレイ」であるため、対象供給トレイが「MPトレイ」に設定される。また、ジョブメディアタイプが指定されておらずデフォルトメディアタイプが「Plain」であり、対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)と一致するため、変数MTがデフォルトメディアタイプ「Plain」に設定される。そして、MPトレイから供給される印刷用紙に、Plainに対応する設定で印刷処理が実行される。
【0057】
また、図11の(15)に示すように、ジョブ給紙トレイが「MPトレイ」であるため、対象供給トレイが「MPトレイ」に設定される。また、ジョブメディアタイプが「Plain」であり、対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)と一致するため、変数MTがデフォルトメディアタイプ「Plain」に設定される。そして、MPトレイから供給される印刷用紙に、Plainに対応する設定で印刷処理が実行される。
【0058】
上記した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0059】
上述した図11の(3)に示すように、ジョブ給紙トレイ(トレイ1)が指定されているが、ジョブメディアタイプは指定されていない場合に、デフォルトメディアタイプがAUTOに設定されていれば、ジョブ給紙トレイ(トレイ1)に対してトレイ情報で指定されているメディアタイプ(Thick)が変数MTに設定される。そして、ジョブ給紙トレイ(トレイ1)から供給される印刷用紙に、変数MT(Thick)に対応する設定で印刷処理が実行される。また、図11の(14)に示すように、ジョブ給紙トレイ(MPトレイ)が指定されているが、ジョブメディアタイプは指定されていない場合に、デフォルトメディアタイプがPlainに設定されていれば、ジョブ給紙トレイ(MPトレイ)に対してトレイ情報で指定されているメディアタイプ(Plain)とデフォルトメディアタイプ(Plain)と一致する場合に、変数MTがデフォルトメディアタイプ(Plain)に設定される。そして、ジョブ給紙トレイ(MPトレイ)から供給される印刷用紙に、変数MT(Plain)に対応する設定で印刷処理が実行される。これにより、適切な印刷処理を担保することができる。
【0060】
また、印刷ジョブの取得前に、デフォルトメディアタイプとしてAUTOに設定する旨の指示を受け付けている場合に、デフォルトでメディアタイプが指定されていないと判断されて、図11の(3)に示すように、ジョブ給紙トレイ(トレイ1)に対してトレイ情報で指定されているメディアタイプ(Thick)が変数MTに設定される。これにより、指示に応じたメディアタイプでの印刷処理を行うことができる。
【0061】
また、デフォルトメディアタイプとしてAUTOに設定する旨の指示を受け付けている場合に、図10に示すように、印刷設定値のデフォルトメディアタイプとしてAUTOがデータ記憶領域36に記憶される。そして、変数MTの設定時にデータ記憶領域36が参照される。これにより、適切に変数MTを設定することができる。
【0062】
また、選択画面70,80においてAUTOが選択された場合に、デフォルトでメディアタイプが指定されていないと判断される。これにより、デフォルトでメディアタイプを指定しない場合の操作性が向上する。
【0063】
また、図11の(5)に示すように、ジョブ供給トレイが「MPトレイ」に指定されており、デフォルトメディアタイプが「Thick」に設定されている場合に、デフォルトメディアタイプ(Thick)とジョブ供給トレイ(MPトレイ)に対応するトレイ情報のメディアタイプ(Plain)と一致しないため、メディアタイプエラー画面が表示される。これにより、メディアタイプの不一致をユーザに告知することができる。一方で、図11の(6)に示すように、デフォルトメディアタイプ(Thick)とジョブ供給トレイ(MPトレイ)に対応するトレイ情報のメディアタイプ(Plain)と一致しない場合であっても、オートコンティニューがONとされている場合には、ジョブ給紙トレイ(MPトレイ)から供給される印刷用紙に、デフォルトメディアタイプ(Thick)に対応する設定で印刷処理が実行される。これにより、ユーザの意思に応じて印刷処理を継続することができる。
【0064】
また、PC50がブラウザを用いてMFP10にアクセスすることでPC50に選択画面80が表示され、その選択画面においてデフォルトメディアタイプが設定され、設定されたデフォルトメディアタイプが印刷設定値としてデータ記憶領域36に記憶される。これにより、容易にデフォルトメディアタイプを設定することができる。
【0065】
また、PC50がネットワーク60を介してMFP10のメモリ14に記憶されている管理情報ベース38にアクセスし、PC50がデフォルトメディアタイプの設定指示を出力することで、管理情報ベース38においてデフォルトメディアタイプが設定される。これにより、容易にデフォルトメディアタイプを設定することができる。
【0066】
また、印刷設定値を含む印刷処理を実行するための総合印刷設定値が、総合印刷設定値の印刷指示を受け付けた場合に印刷される。これにより、デフォルトメディアタイプ「AUTO」が設定されているときに、デフォルトメディアタイプ「AUTO」が設定されていること、および、印刷設定値を含む印刷処理を実行するための各種設定値を確認することができる。
【0067】
また、デフォルトメディアタイプ「AUTO」は、デフォルトの用紙種類が指定されていないことを示すものであり、MFP10で用紙種類を自動的に決定することを示すものである。これにより、供給トレイに合わせた用紙種類を設定することができる。
【0068】
また、上述した図11の(1)に示すように、ジョブ供給トレイが「AUTO」であるため、対象供給トレイがトレイ選択設定に従って「MPトレイ」に設定される。また、ジョブメディアタイプが指定されておらず、デフォルトメディアタイプが「AUTO」であるため、対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)が変数MTに設定される。そして、ジョブ給紙トレイ(MPトレイ)から供給される印刷用紙に、変数MT(Plain)に対応する設定で印刷処理が実行される。また、図11の(4)に示すように、ジョブ供給トレイが「AUTO」であるため、対象供給トレイがトレイ選択設定に従って「MPトレイ」に設定される。また、ジョブメディアタイプが指定されておらず、デフォルトメディアタイプが「Plain」であり、対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)と一致するため、変数MTがデフォルトメディアタイプ(Plain)に設定される。そして、対象給紙トレイ(MPトレイ)から供給される印刷用紙に、変数MT(Plain)に対応する設定で印刷処理が実行される。これにより、適切な印刷処理を担保することができる。
【0069】
また、図11の(8)に示すように、ジョブ供給トレイが「AUTO」であるため、対象供給トレイがトレイ選択設定に従って「MPトレイ」に設定される。また、ジョブメディアタイプが指定されておらず、デフォルトメディアタイプが「Thick」であり、対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)と一致しない。このため、メディアタイプエラー画面が表示される。これにより、メディアタイプの不一致をユーザに告知することができる。一方で、図11の(9)に示すように、デフォルトメディアタイプ(Thick)と対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)と一致しない場合であっても、オートコンティニューがONとされている場合には、対象給紙トレイ(MPトレイ)から供給される印刷用紙に、デフォルトメディアタイプ(Thick)に対応する設定で印刷処理が実行される。これにより、ユーザの意思に応じて印刷処理を継続することができる。
【0070】
また、図11の(7)に示すように、ジョブ給紙トレイが「AUTO」である場合に、トレイ選択設定が「MPトレイ>トレイ1」であるため、対象供給トレイが優先的に「MPトレイ」に設定される。また、ジョブメディアタイプが「Thick」であるため、変数MTが「Thick」に設定されるが、対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)と一致しないため、対象供給トレイが優先度の低い「トレイ1」に再設定される。再設定された対象供給トレイ(トレイ1)のメディアタイプは「Thick」は、変数MT(Thick)と一致する。このため、トレイ選択設定に従って自動的に決定された対象給紙トレイ(トレイ1)から供給される印刷用紙に、変数MT(Thick)に対応する設定で印刷処理が実行される。つまり、対象供給トレイがトレイ選択設定に従って自動的に決定される場合に、ジョブメディアタイプ(Thick)と同じ種類のメディアタイプがトレイ情報で指定されている供給トレイ(トレイ1)を対象供給トレイとして自動的に決定する。これにより、ジョブメディアタイプと一致する用紙種類の印刷用紙を、印刷対象の印刷用紙とすることができる。
【0071】
また、図11の(15)に示すように、ジョブ給紙トレイが「MPトレイ」であるため、対象供給トレイが「MPトレイ」に設定される。また、ジョブメディアタイプが「Plain」であり、対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)と一致するため、変数MTがデフォルトメディアタイプ「Plain」に設定される。そして、MPトレイから供給される印刷用紙に、Plainに対応する設定で印刷処理が実行される。また、図11の(12)に示すように、ジョブ給紙トレイが「MPトレイ」であるため、対象供給トレイが「MPトレイ」に設定される。また、ジョブメディアタイプが「Thick」であるため、変数MTが「Thick」に設定される。ただし、変数MT(Thick)と対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)とが一致しないため、オートコンティニューがOFFである場合に、メディアタイプエラー画面が表示され、その画面でキャンセルボタンが操作された場合に印刷処理がキャンセルされる。一方、図11の(13)では、変数MT(Thick)と対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)とが一致しないが、オートコンティニューがONに設定されているため、メディアタイプエラー画面は表示されず、MPトレイから供給される印刷用紙に、Thickに対応する設定で印刷処理が実行される。これにより、適切な印刷処理を担保することができる。
【0072】
また、図11の(7)に示すように、ジョブ給紙トレイが「AUTO」である場合に、トレイ選択設定が「MPトレイ>トレイ1」であるため、対象供給トレイが優先的に「MPトレイ」に設定される。また、ジョブメディアタイプが「Thick」であるため、変数MTが「Thick」に設定されるが、対象供給トレイ(MPトレイ)のメディアタイプ(Plain)と一致しないため、対象供給トレイが優先度の低い「トレイ1」に再設定される。再設定された対象供給トレイ(トレイ1)のメディアタイプは「Thick」は、変数MT(Thick)と一致する。このため、トレイ選択設定に従って自動的に決定された対象給紙トレイ(トレイ1)から供給される印刷用紙に、変数MT(Thick)に対応する設定で印刷処理が実行される。つまり、MPトレイとトレイ1とのうちの、各供給トレイにトレイ情報で指定されているメディアタイプがジョブメディアタイプ(Thick)と一致する供給トレイ(トレイ1)を、対象供給トレイとして自動的に決定する。これにより、ジョブメディアタイプと一致する用紙種類の印刷用紙を、印刷対象の印刷用紙とすることができる。
【0073】
なお、上述した実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。例えば、上述した各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更できる。つまり、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施形態では、デフォルトメディアタイプとして、「AUTO」が選択されることで、デフォルトの用紙種類が指定されていないこと、つまり、用紙種類を自動的に決定することを示している。一方で、デフォルトメディアタイプとして、「AUTO」が選択されず、「Plain」,「Thick」等の指定メディアタイプも選択されていない場合にも、用紙種類を自動的に決定することを示している。つまり、選択画面70,80で選択可能な「AUTO」,「Plain」,「Thick」等の選択肢の中から何れの選択肢も選択されていない場合にも、用紙種類を自動的に決定することを示している。
【0074】
また、上記実施例では、図11の(6)に示すように、デフォルトメディアタイプ(Thick)とジョブ供給トレイ(MPトレイ)に対応するトレイ情報のメディアタイプ(Plain)と一致しない場合であっても、オートコンティニューがONとされている場合には、ジョブ給紙トレイ(MPトレイ)から供給される印刷用紙に、デフォルトメディアタイプ(Thick)に対応する設定で印刷処理が実行されるが、ジョブ給紙トレイ(MPトレイ)から供給される印刷用紙に、ジョブ供給トレイ(MPトレイ)に対応するトレイ情報のメディアタイプ(Plain)に対応する設定で印刷処理が実行されてもよい。なお、図11の(9)及び(13)においても、同様に、ジョブ給紙トレイ(MPトレイ)から供給される印刷用紙に、ジョブ供給トレイ(MPトレイ)に対応するトレイ情報のメディアタイプ(Plain)に対応する設定で印刷処理が実行されてもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、印刷設定値のトレイ情報がユーザにより設定されているが、供給トレイに印刷用紙が収納されたときに、MFP10が、センサを用いてメディアタイプ、用紙サイズを検出して、自動的に設定してもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、印刷ジョブのジョブメディアタイプとして、Plain,Thick等の指定メディアタイプのみが指定されているが、指定メディアタイプだけでなく無指定メディアタイプ、つまり、AUTOも指定することができるように構成されてもよい。このようにジョブメディアタイプがAUTOに指定される場合に、図2のS106においてNOと判断されるように構成されてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、印刷装置としてMFP10が採用されているが、スキャナ20を備えないプリンタ22の単機能を有する装置が採用されてもよい。
MFPではなく、スキャナ20を備えない、プリンタ単能機でもよいことも述べてください。
【0078】
また、上記実施形態では、CPU12によって図2乃至図7に示す処理が実行される例を説明したが、これら処理は、CPU12に限らず、ASICや他の論理集積回路により実行されてもよいし、これら処理が、CPU等やASIC、他の論理集積回路が協働することにより実行されてもよい。
【符号の説明】
【0079】
10:MFP、12:CPU、36:データ記憶領域、38:管理情報ベース、60:ネットワーク、70:選択画面、80:選択画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11