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特開2024-108408電子ゲーム提供装置、電子ゲーム提供プログラム、及び、電子ゲーム提供方法
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  • 特開-電子ゲーム提供装置、電子ゲーム提供プログラム、及び、電子ゲーム提供方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108408
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】電子ゲーム提供装置、電子ゲーム提供プログラム、及び、電子ゲーム提供方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20240805BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240805BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20240805BHJP
【FI】
A63F13/79 520
A63F13/69
A63F13/792
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012756
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 伊吹
(57)【要約】
【課題】電子ゲーム内でユーザがゲーム媒体を所有可能であり、ユーザ間においてゲーム媒体の貸し借りが可能な電子ゲームにおいて、ユーザ間におけるゲーム媒体の貸し借りのための新しい仕組みを提供する。
【解決手段】貸出処理部32は、電子ゲームの第1ユーザからの指示に応じて、第1ユーザが所有するゲーム媒体の状態を、第1ユーザ以外の第2ユーザが借りることができる状態である貸出可能状態とする。特典付与部34は、第1ユーザが所有するゲーム媒体が貸出可能状態となったことに応じて、第1ユーザに特典を付与する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ゲームの第1ユーザが所有する、前記電子ゲーム内のオブジェクトであるゲーム媒体の状態を、前記第1ユーザ以外の前記電子ゲームのユーザである第2ユーザが前記ゲーム媒体を借りることができる状態である貸出可能状態とする貸出処理部と、
前記ゲーム媒体が前記貸出可能状態となったことに応じて、前記第1ユーザに特典を付与する特典付与部と、
を備えることを特徴とする電子ゲーム提供装置。
【請求項2】
前記特典付与部は、前記ゲーム媒体が前記貸出可能状態である期間が長い程、より有益な前記特典を前記第1ユーザに付与する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子ゲーム提供装置。
【請求項3】
前記特典付与部は、前記貸出可能状態である前記ゲーム媒体の数が多い程、より有益な前記特典を前記第1ユーザに付与する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子ゲーム提供装置。
【請求項4】
前記ゲーム媒体は、1又は複数の属性を有しており、
前記特典付与部は、前記貸出可能状態である前記ゲーム媒体が有する前記属性に応じて、前記第1ユーザに付与する前記特典を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子ゲーム提供装置。
【請求項5】
前記ゲーム媒体は、前記第1ユーザが有償で入手した有償ゲーム媒体、及び、前記第1ユーザが無償で入手した無償ゲーム媒体を含み、
前記特典付与部は、前記有償ゲーム媒体が前記貸出可能状態である場合、前記無償ゲーム媒体が前記貸出可能状態である場合よりも、より有益な前記特典を前記第1ユーザに付与する、
ことを特徴とする請求項4に記載の電子ゲーム提供装置。
【請求項6】
前記特典付与部は、前記第2ユーザが前記ゲーム媒体を借りたことに応じて、さらに前記第1ユーザに特典を付与する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子ゲーム提供装置。
【請求項7】
前記貸出処理部は、前記第2ユーザからの対価の支払いに応じて、前記ゲーム媒体を前記第2ユーザに貸し出す、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子ゲーム提供装置。
【請求項8】
前記対価は、第2ユーザが前記ゲーム媒体を借りている期間が長い程大きくなる、
ことを特徴とする請求項7に記載の電子ゲーム提供装置。
【請求項9】
前記電子ゲームは、ゲーム進行の単位であるターンを複数有するターン制ゲームであり、
前記貸出処理部は、複数のターンのうちの一部のターンのみ、前記ゲーム媒体を前記第2ユーザに貸し出す、
ことを特徴とする請求項8に記載の電子ゲーム提供装置。
【請求項10】
前記ゲーム媒体は、1又は複数の属性を有しており、
前記対価は、前記ゲーム媒体が有する前記属性に応じて決定される、
ことを特徴とする請求項7に記載の電子ゲーム提供装置。
【請求項11】
前記ゲーム媒体はNFTである、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子ゲーム提供装置。
【請求項12】
前記貸出処理部は、前記第1ユーザからの指示に応じて、前記ゲーム媒体の状態を、前記貸出可能状態から、前記第2ユーザが前記ゲーム媒体を借りることができない状態である貸出不可状態に変更する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子ゲーム提供装置。
【請求項13】
前記貸出処理部は、前記第1ユーザが指定した前記ゲーム媒体のセットを前記貸出可能状態とする、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子ゲーム提供装置。
【請求項14】
コンピュータを、
電子ゲームの第1ユーザが所有する、前記電子ゲーム内のオブジェクトであるゲーム媒体の状態を、前記第1ユーザ以外の前記電子ゲームのユーザである第2ユーザが前記ゲーム媒体を借りることができる状態である貸出可能状態とする貸出処理部と、
前記ゲーム媒体が前記貸出可能状態となったことに応じて、前記第1ユーザに特典を付与する特典付与部と、
として機能させることを特徴とする電子ゲーム提供プログラム。
【請求項15】
コンピュータが、電子ゲームの第1ユーザが所有する、前記電子ゲーム内のオブジェクトであるゲーム媒体の状態を、前記第1ユーザ以外の前記電子ゲームのユーザである第2ユーザが前記ゲーム媒体を借りることができる状態である貸出可能状態とする貸出処理ステップと、
コンピュータが、前記ゲーム媒体が前記貸出可能状態となったことに応じて、前記第1ユーザに特典を付与する特典付与ステップと、
を含むことを特徴とする電子ゲーム提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ゲーム提供装置、電子ゲーム提供プログラム、及び、電子ゲーム提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子ゲーム内でユーザがゲーム媒体を所有可能であり、ユーザ間においてゲーム媒体の貸し借りが可能な電子ゲームが提案されている。例えば、特許文献1には、電子ゲームの第1ユーザから対価の支払いを受け付けたことに応じて、第1ユーザとは異なる第2ユーザが所有するゲーム媒体を第1ユーザに使用させる電子ゲーム提供プログラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-116839号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、電子ゲーム内でユーザがゲーム媒体を所有可能であり、ユーザ間においてゲーム媒体の貸し借りが可能な電子ゲームにおいて、ユーザ間におけるゲーム媒体の貸し借りのための新しい仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、電子ゲームの第1ユーザが所有する、前記電子ゲーム内のオブジェクトであるゲーム媒体の状態を、前記第1ユーザ以外の前記電子ゲームのユーザである第2ユーザが前記ゲーム媒体を借りることができる状態である貸出可能状態とする貸出処理部と、前記ゲーム媒体が前記貸出可能状態となったことに応じて、前記第1ユーザに特典を付与する特典付与部と、を備えることを特徴とする電子ゲーム提供装置である。
【0006】
望ましくは、前記特典付与部は、前記ゲーム媒体が前記貸出可能状態である期間が長い程、より有益な前記特典を前記第1ユーザに付与する。
【0007】
望ましくは、前記特典付与部は、前記貸出可能状態である前記ゲーム媒体の数が多い程、より有益な前記特典を前記第1ユーザに付与する。
【0008】
望ましくは、前記ゲーム媒体は、1又は複数の属性を有しており、前記特典付与部は、前記貸出可能状態である前記ゲーム媒体が有する前記属性に応じて、前記第1ユーザに付与する前記特典を決定する。
【0009】
望ましくは、前記ゲーム媒体は、前記第1ユーザが有償で入手した有償ゲーム媒体、及び、前記第1ユーザが無償で入手した無償ゲーム媒体を含み、前記特典付与部は、前記有償ゲーム媒体が前記貸出可能状態である場合、前記無償ゲーム媒体が前記貸出可能状態である場合よりも、より有益な前記特典を前記第1ユーザに付与する。
【0010】
望ましくは、前記特典付与部は、前記第2ユーザが前記ゲーム媒体を借りたことに応じて、さらに前記第1ユーザに特典を付与する。
【0011】
望ましくは、前記貸出処理部は、前記第2ユーザからの対価の支払いに応じて、前記ゲーム媒体を前記第2ユーザに貸し出す。
【0012】
望ましくは、前記対価は、第2ユーザが前記ゲーム媒体を借りている期間が長い程大きくなる。
【0013】
望ましくは、前記電子ゲームは、ゲーム進行の単位であるターンを複数有するターン制ゲームであり、前記貸出処理部は、複数のターンのうちの一部のターンのみ、前記ゲーム媒体を前記第2ユーザに貸し出す。
【0014】
望ましくは、前記ゲーム媒体は、1又は複数の属性を有しており、前記対価は、前記ゲーム媒体が有する前記属性に応じて決定される。
【0015】
望ましくは、前記ゲーム媒体はNFTである。
【0016】
望ましくは、前記貸出処理部は、前記第1ユーザからの指示に応じて、前記ゲーム媒体の状態を、前記貸出可能状態から、前記第2ユーザが前記ゲーム媒体を借りることができない状態である貸出不可状態に変更する。
【0017】
望ましくは、前記貸出処理部は、前記第1ユーザが指定した前記ゲーム媒体のセットを前記貸出可能状態とする。
【0018】
また、本発明は、コンピュータを、電子ゲームの第1ユーザが所有する、前記電子ゲーム内のオブジェクトであるゲーム媒体の状態を、前記第1ユーザ以外の前記電子ゲームのユーザである第2ユーザが前記ゲーム媒体を借りることができる状態である貸出可能状態とする貸出処理部と、前記ゲーム媒体が前記貸出可能状態となったことに応じて、前記第1ユーザに特典を付与する特典付与部と、として機能させることを特徴とする電子ゲーム提供プログラムである。
【0019】
また、本発明は、コンピュータが、電子ゲームの第1ユーザが所有する、前記電子ゲーム内のオブジェクトであるゲーム媒体の状態を、前記第1ユーザ以外の前記電子ゲームのユーザである第2ユーザが前記ゲーム媒体を借りることができる状態である貸出可能状態とする貸出処理ステップと、コンピュータが、前記ゲーム媒体が前記貸出可能状態となったことに応じて、前記第1ユーザに特典を付与する特典付与ステップと、を含むことを特徴とする電子ゲーム提供方法である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、電子ゲーム内でユーザがゲーム媒体を所有可能であり、ユーザ間においてゲーム媒体の貸し借りが可能な電子ゲームにおいて、ユーザ間におけるゲーム媒体の貸し借りのための新しい仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態に係る電子ゲーム提供システムの構成概略図である。
図2】本実施形態に係る電子ゲーム提供サーバの構成概略図である。
図3】ゲーム媒体DBの内容の例を示す概念図である。
図4】ユーザDBの内容の例を示す概念図である。
図5】第1ユーザに対して特典を付与する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本実施形態に係る電子ゲーム提供システム10の構成概略図である。電子ゲーム提供システム10は、1又は複数のユーザ端末12、及び、電子ゲーム提供装置としての電子ゲーム提供サーバ14を含んで構成される。ユーザ端末12と電子ゲーム提供サーバ14は、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)などから構成される通信回線16を介して互いに通信可能に接続される。
【0023】
電子ゲーム提供システム10においては、ユーザ(プレイヤ)がユーザ端末12を用いて電子ゲーム提供サーバ14にアクセスすることによって、電子ゲーム提供サーバ14から電子ゲームがユーザに提供される。
【0024】
ユーザ端末12は、例えば、据置型又は携帯型のゲーム専用機、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、あるいはスマートフォンなどから構成されるが、これらに限られるものではない。ユーザ端末12は、電子ゲーム提供サーバ14が提供する電子ゲーム(以下単に「電子ゲーム」と記載する)を実行可能であればどのような装置であってもよい。
【0025】
ユーザ端末12は、通信回線16を介して電子ゲーム提供サーバ14と通信するための通信インターフェース、ユーザの命令を受け付けるための入力インターフェース、種々の画面(特に電子ゲームのゲーム画面)を表示するディスプレイ、データを記憶するためのメモリ、各処理を実行するプロセッサなどを含んで構成される。
【0026】
電子ゲーム提供サーバ14は、例えば、サーバコンピュータなどから構成されるが、これに限られるものではない。電子ゲーム提供サーバ14は、以下に説明する電子ゲームをユーザに提供可能であれば、どのような装置であってもよい。電子ゲーム提供サーバ14は、1つのコンピュータによって実現されてもよく、複数のコンピュータの協働により実現されてもよい。
【0027】
本実施形態に係る電子ゲームは、電子ゲーム内でユーザがゲーム媒体を所有可能であり、ユーザ間においてゲーム媒体の貸し借りが可能なゲームである。ゲーム媒体としては、ユーザが使用可能なものであってもよい。電子ゲーム内でユーザが所有可能なゲーム媒体(以下単に「ゲーム媒体」と記載する)とは、電子ゲーム内のオブジェクトであり、例えば、ゲーム内ポイント、ゲーム内通貨、各種オブジェクト(例えばカード、キャラクタ、アイテム)などがある。なお、ゲーム媒体としては、上記に限られるものではなく、電子ゲーム内においてユーザが所有可能であり、電子ゲーム内において一定の価値を有する(換言すればユーザ間において貸し借りを行う価値を有する)ものであればどのようなものであってもよい。
【0028】
図2は、電子ゲーム提供サーバ14の構成概略図である。
【0029】
通信インターフェース20は、NIC(Network Interface Card)などから構成される。通信インターフェース20は、通信回線16を介して、ユーザ端末12と通信する機能を発揮する。
【0030】
メモリ22は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、eMMC(embedded Multi Media Card)、ROM(Read Only Memory)あるいはRAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。メモリ22には、電子ゲーム提供サーバ14の各部を動作させるための電子ゲーム提供プログラムが記憶される。なお、電子ゲーム提供プログラムは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ又はCD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体に格納することもできる。電子ゲーム提供サーバ14は、そのような記憶媒体から電子ゲーム提供プログラムを読み取って実行することができる。また、図2に示すように、メモリ22には、ゲーム媒体DB(Data Base)24及びユーザDB26が記憶される。
【0031】
図3は、ゲーム媒体DB24の内容の例を示す図である。ゲーム媒体DB24は、電子ゲーム内でユーザが所有可能なゲーム媒体に関する情報が格納されるデータベースである。図3に示すように、ゲーム媒体DB24には、ゲーム媒体を一意に識別するゲーム媒体IDと、当該ゲーム媒体の属性が互いに関連付けられている。
【0032】
本実施形態では、各ゲーム媒体は1又は複数の属性を有している。属性としては、これらに限られるものではないが、例えば、当該ゲーム媒体のレアリティ(電子ゲーム内における当該ゲーム媒体の貴重度)、当該ゲーム媒体が有償であるか無償であるかを示す有償無償情報、及び、当該ゲーム媒体が有償である場合における当該ゲーム媒体の価格、などがある。
【0033】
また、上述のように、ゲーム媒体としては、カードやキャラクタのみならず、ゲーム内ポイントあるいはゲーム内通貨があってよい。例えば、互いに価値が異なる、複数種類のゲーム内ポイントやゲーム内通貨があれば(例えば通常のゲーム進行で取得可能な通常ポイントと、特別な条件で取得可能な特別ポイントなど)、ゲーム媒体DB24において、各ゲーム内ポイントや各ゲーム内通貨の種類に対して、その価値を表す属性(図3の例ではレアリティ)が関連付けられていてもよい。
【0034】
ゲーム媒体としては、ユーザが金銭などの代価を支払うことで取得可能な(つまり有償で取得可能な)有償ゲーム媒体と、ユーザが無償で取得可能な無償ゲーム媒体があってよい。なお、有償ゲーム媒体の取得方法としては、例えば、オンラインショップでの購入、あるいは、有償のランダム抽選(ガチャなど)などがある。また、無償ゲーム媒体の取得方法としては、電子ゲームの新規開始時のプレゼントとして受け取ること、あるいは、無償のランダム抽選などがある。ただし、ゲーム媒体の取得方法は、これらの方法に限定されるものではなく、どのような取得方法であってもよい。
【0035】
本実施形態の電子ゲームで用いられるゲーム媒体(特にカード、キャラクタ、アイテムなど)は、NFT(Non-Fungible Token)であるとよい。NFTとは、ブロックチェーンなどの技術によって偽造が防止された、鑑定書あるいは保有証明書付きのデジタルデータを意味する。また、NFTには個別のシリアルナンバーが付されており、それを一意に識別することが可能となっている。ゲーム媒体をNFTとすることで、例えば、ユーザ間で安心してゲーム媒体の売買取引を行うことも可能となり得る。
【0036】
図4は、ユーザDB26の内容の例を示す図である。ユーザDB26は、電子ゲーム提供サーバ14に登録されたユーザ(換言すれば電子ゲームのプレイヤとして登録されたユーザ)に関する情報が格納されるデータベースである。図4に示す通り、ユーザDB26には、ユーザを一意に識別するユーザID、当該ユーザが電子ゲームにおいて所有している(取得済みの)ゲーム媒体のゲーム媒体ID、当該ゲーム媒体がゲーム内ポイントあるいはゲーム内通貨である場合は、その所有量などが互いに関連付けられている。なお、ユーザIDは、ユーザが電子ゲーム提供サーバ14にユーザ登録した際に、後述のプロセッサ28が当該ユーザに付与するものである。この他、ユーザDB26においては、ユーザが電子ゲームにログインするために必要な認証情報(例えばパスワードなど)が各ユーザIDに関連付けられる。
【0037】
また、図4に示すように、ユーザDB26においては、各ユーザが所有する各ゲーム媒体のゲーム媒体IDに対して、当該ゲーム媒体の貸出可否を示す貸出可否情報、貸出可の場合における当該ゲーム媒体が貸出可能となった時刻を示す貸出可能開始時刻、当該ゲーム媒体が他のユーザに貸し出された場合における当該ゲーム媒体の貸出先である貸出先ユーザのユーザID、貸し出されたゲーム媒体がゲーム内ポイント又はゲーム内通貨である場合における貸出量、及び、当該ゲーム媒体が貸出先ユーザに貸し出された時刻を示す貸出開始時刻が関連付けられている。これらの情報のユーザDB26への登録方法や参照方法については後述する。
【0038】
図2に戻り、プロセッサ28は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、あるいは、プログラマブル論理デバイスなどから構成される。プロセッサ28としては、1つの処理装置によるものではなく、物理的に離れた位置に存在する複数の処理装置の協働により構成されるものであってもよい。プロセッサ28は、メモリ22に記憶された電子ゲーム提供プログラムによって、ゲーム進行処理部30、貸出処理部32、及び、特典付与部34としての機能を発揮する。
【0039】
ゲーム進行処理部30は、電子ゲームを進行させるための処理を実行する。まず、ユーザがユーザ端末12から電子ゲーム提供サーバ14にアクセスすると、ゲーム進行処理部30は、当該ユーザを認証するための認証処理を実行する。例えば、ゲーム進行処理部30は、ユーザIDとパスワードを入力するための画面をユーザ端末12のディスプレイに表示させる。当該画面においてユーザがユーザIDとパスワードを入力すると、当該ユーザID及びパスワードがユーザ端末12から電子ゲーム提供サーバ14に送信される。ゲーム進行処理部30は、受信したユーザID及びパスワード、並びにユーザDB26に登録された情報に基づいて、当該ユーザを認証する。なお、認証処理によってユーザが認証できなかった場合、ゲーム進行処理部30は当該ユーザには電子ゲームを提供しない。
【0040】
貸出処理部32は、電子ゲームのユーザが所有するゲーム媒体の状態を当該ユーザ以外の他のユーザが借りることができる状態である貸出可能状態とする処理を行う。以下、本明細書では、ゲーム媒体の貸出元となるユーザを第1ユーザと、第1ユーザ以外のユーザであって、第1ユーザが所有するゲーム媒体の貸出先(借主)となるユーザを第2ユーザと記載する。
【0041】
貸出処理部32は、第1ユーザからの指示に応じて、第1ユーザが所有するゲーム媒体を貸出可能状態とする。
【0042】
具体的には、貸出処理部32は、ユーザDB26を参照して、第1ユーザが所有しているゲーム媒体の一覧を第1ユーザのユーザ端末12の表示部に表示させる。第1ユーザは、自らが使用するユーザ端末12において、当該一覧を参照し、貸出可能としたいゲーム媒体を指定する。貸出可能としたいゲーム媒体がゲーム内ポイント又はゲーム内通貨である場合には、貸出可能としたい量(ポイント数など)も併せて指定する。ユーザ端末12は、貸出可能としたいゲーム媒体の指定を受けると、当該ゲーム媒体に関する貸出指示情報を電子ゲーム提供サーバ14に送信する。貸出指示情報は、第1ユーザのユーザIDと、第1ユーザに貸出可能と指定されたゲーム媒体のゲーム媒体IDとが関連付けられた情報である。当該ゲーム媒体がゲーム内ポイント又はゲーム内通貨である場合には、貸出指示情報には、第1ユーザが指定した量を示す情報もさらに関連付けられる。
【0043】
貸出処理部32は、第1ユーザのユーザ端末12から貸出指示情報を受信すると、貸出指示情報が示す第1ユーザのゲーム媒体を貸出可能状態とする。具体的には、貸出処理部32は、ユーザDB26において、貸出指示情報が示すユーザID及びゲーム媒体IDの組み合わせに対する貸出可否情報を「可」とする。また、貸出指示情報が示すゲーム媒体がゲーム内ポイント又はゲーム内通貨である場合には、貸出処理部32は、ユーザDB26において、貸出指示情報が示すユーザID及びゲーム媒体IDの組み合わせに対する貸出可否情報を、当該貸出指示情報が示す量(例えば200ポイントなど)とする。貸出可否情報に「可」又は貸出可能な量が設定されることにより、当該ゲーム媒体が貸出可能状態となる。さらに、貸出処理部32は、貸出指示情報が示すユーザID及びゲーム媒体IDの組み合わせに対する貸出可能開始時刻を、当該貸出指示情報の受信時刻とする。
【0044】
貸出処理部32は、第1ユーザが指定したゲーム媒体のセットを貸出可能状態としてもよい。例えば、自分が所有している複数のゲーム媒体(この場合はキャラクタやカードなど)から、ゲーム媒体のセット(例えば5つのゲーム媒体からなるデッキ)を選択して、選択したゲーム媒体のセットを用いて行うゲームがある。そのようなゲームにおいては、複数のゲーム媒体の組み合わせが重要となる場合もある。あくまで一例ではあるが、このような場合にゲーム媒体のセットが貸出可能であることが有意義となり得る。ゲーム媒体のセットを貸出可能とする場合、貸出指示情報には、複数のゲーム媒体IDと、それらがセットであることを示す情報が含まれ、貸出処理部32は、貸出指示情報に含まれる複数のゲーム媒体をセットとして取り扱えばよい。
【0045】
貸出処理部32は、第1ユーザのゲーム媒体が貸出可能状態となったことを他のユーザに通知する。例えば、現在電子ゲームをプレイしているユーザのユーザ端末12の表示部に、第1ユーザのゲーム媒体が貸出可能状態となったことを表示する。具体的には、貸出処理部32は、ユーザからの要求に応じて、現在貸出可能状態となっているゲーム媒体の一覧を当該ユーザのユーザ端末12の表示部に表示させる。貸出処理部32は、ユーザDB26において、貸出可否情報に「可」又は貸出可能な量が設定されているゲーム媒体を、現在貸出可能状態となっているゲーム媒体として特定することができる。
【0046】
貸出処理部32は、第1ユーザからの指示に応じて、第1ユーザが所有しているゲーム媒体の状態を、貸出可能状態から、他のユーザ(第2ユーザ)が当該ゲーム媒体を借りることができない状態である貸出不可状態に変更可能であってよい。
【0047】
具体的には、第1ユーザは、ユーザ端末12において、自らが所有する、貸出可能状態であるゲーム媒体であって貸出不可状態に変更したいゲーム媒体を指定する。ユーザ端末12は、貸出不可状態に変更したいゲーム媒体の指定を受けると、当該ゲーム媒体に関する貸出停止情報を電子ゲーム提供サーバ14に送信する。貸出停止情報は、第1ユーザのユーザIDと、第1ユーザに貸出不可状態に変更したいと指定されたゲーム媒体のゲーム媒体IDとが関連付けられた情報である。
【0048】
貸出処理部32は、第1ユーザのユーザ端末12から貸出停止情報を受信すると、貸出停止情報が示す第1ユーザのゲーム媒体を貸出不可状態とする。具体的には、貸出処理部32は、ユーザDB26(図4参照)において、貸出停止情報が示すユーザID及びゲーム媒体IDの組み合わせに対する貸出可否情報を「否」とする。貸出可否情報に「否」が設定されることにより、当該ゲーム媒体が貸出不可状態となる。
【0049】
貸出処理部32は、ユーザ端末12からの貸出停止情報が示すゲーム媒体が、第2ユーザに貸出中である場合(詳細後述)は、当該ゲーム媒体を貸出不可状態にはしないようにする(当該第2ユーザへの当該ゲーム媒体の貸し出しを継続する)とよい。
【0050】
なお、第1ユーザが所有するゲーム媒体が貸出可能状態となると、第1ユーザは、当該ゲーム媒体が貸出不可状態となるまで、当該ゲーム媒体を使用することができなくなる。
【0051】
貸出処理部32は、第2ユーザからの指示に応じて、第1ユーザが所有するゲーム媒体であって貸出可能状態であるゲーム媒体を、第2ユーザに貸し出して貸出状態とする。
【0052】
具体的には、第2ユーザは、自らが使用するユーザ端末12において、貸出可能状態となっているゲーム媒体の中から、借りたいゲーム媒体を指定する。借りたいゲーム媒体がゲーム内ポイント又はゲーム内通貨である場合には、借りたい量も併せて指定する。ユーザ端末12は、借りたいゲーム媒体の指定を受けると、当該ゲーム媒体に関する借用指示情報を電子ゲーム提供サーバ14に送信する。借用指示情報は、第2ユーザのユーザIDと、第2ユーザから借りたいと指定されたゲーム媒体を所有する第1ユーザのユーザIDと、当該ゲーム媒体のゲーム媒体IDとが関連付けられた情報である。当該ゲーム媒体がゲーム内ポイント又はゲーム内通貨である場合には、借用指示情報には、第2ユーザが指定した量を示す情報もさらに関連付けられる。
【0053】
貸出処理部32は、第2ユーザのユーザ端末12から借用指示情報を受信すると、借用指示情報が示す第1ユーザのゲーム媒体を貸出状態とする。具体的には、貸出処理部32は、ユーザDB26において、借用指示情報が示す第1ユーザのユーザID及びゲーム媒体IDの組み合わせに対する貸出先ユーザを、借用指示情報が示す第2ユーザのユーザIDとする。貸出先ユーザに第2ユーザのユーザIDが設定されることにより、当該ゲーム媒体が貸出状態となる。また、借用指示情報が示すゲーム媒体がゲーム内ポイント又はゲーム内通貨である場合には、貸出処理部32は、ユーザDB26において、借用指示情報が示す第1ユーザのユーザID及びゲーム媒体IDの組み合わせに対する貸出量を、借用指示情報が示す量(例えば100ポイントなど)とする。さらに、貸出処理部32は、借用指示情報が示す第1ユーザのユーザID及びゲーム媒体IDの組み合わせに対する貸出開始時刻を、当該借用指示情報の受信時刻とする。
【0054】
ゲーム媒体を借りた第2ユーザは、当該ゲーム媒体を返却するまで、当該ゲーム媒体を使用することができる。当該ゲーム媒体が貸出状態である場合は、貸出可能状態に引き続き、第1ユーザは当該ゲーム媒体を使用することができない。
【0055】
第2ユーザは、貸出可能状態のゲーム媒体を借りる期間を予め定めることができる。その場合、借用指示情報には、第2ユーザから指示された貸出終了時刻が含まれる。貸出処理部32は、借用指示情報に貸出終了時刻が含まれる場合、ユーザDB26において、借用指示情報が示す第1ユーザのユーザID及びゲーム媒体IDの組み合わせに対して、借用指示情報が示す貸出終了時刻をさらに関連付けておく。これにより、貸出終了時刻となると、貸出状態であった当該ゲーム媒体が自動的に第1ユーザに返却される。
【0056】
第2ユーザは、ゲーム媒体を借りる期間を自由に設定可能であってよい。例えば、電子ゲームが、ゲーム進行の単位であるターンを複数有するターン制ゲームである場合においては、第2ユーザは、そのうちの一部のターンのみ(例えば1ターンのみ)、ゲーム媒体を借りることが可能であってよい。換言すれば、貸出処理部32は、電子ゲームが有する複数のターンのうちの一部のターンのみ、ゲーム媒体を第2ユーザに貸し出すことが可能である。これにより、第2ユーザは、ゲーム媒体を借りるための対価を低減させつつ、数ターンのみ強いキャラクタを第1ユーザから借りるなどすることができる。なお、第2ユーザは、必ずしもゲーム媒体を借りる期間を予め定めておく必要はない。
【0057】
貸出処理部32は、第2ユーザからの対価の支払いに応じて、第1ユーザが所有するゲーム媒体を第2ユーザに貸し出すようにしてもよい。この場合、第2ユーザは、当該ゲーム媒体を借りるとき(すなわち、ユーザ端末12から借用指示情報を電子ゲーム提供サーバ14に送信するとき)に、対価の支払い手続きをしてもよいし、当該ゲーム媒体の返却時に対価の支払い手続きをするようにしてもよい。
【0058】
ゲーム媒体を借りるために第2ユーザが支払う対価は、第2ユーザがゲーム媒体を借りている期間が長い程大きくなるとよい。貸出処理部32は、ユーザDB26に記憶されている当該ゲーム媒体の貸出開始時刻と、第2ユーザが指定した貸出終了時刻又は第2ユーザが当該ゲーム媒体を返却した時点の時刻との差分により、第2ユーザが当該ゲーム媒体を借りている期間を取得することができる。
【0059】
また、ゲーム媒体を借りるために第2ユーザが支払う対価は、当該ゲーム媒体の属性に応じて決定されるとよい。貸出処理部32は、ゲーム媒体DB24を参照することで、当該ゲーム媒体の属性を特定することができる。例えば、当該ゲーム媒体のレアリティが高い程、当該ゲーム媒体を借りるための対価が大きいとよい。また、当該ゲーム媒体が有償である場合は、当該ゲーム媒体が無償である場合に比して、当該ゲーム媒体を借りるための対価が大きいとよい。あるいは、当該ゲーム媒体の価格が高い程、当該ゲーム媒体を借りるための対価が大きいとよい。
【0060】
特典付与部34は、電子ゲームのユーザに対して特典を付与する。特典付与部34が付与する特典は、どのようなものであってもよいが、例えば電子ゲーム内においてユーザが有利となるような特典であるとよい。
【0061】
特に、本実施形態では、特典付与部34は、第1ユーザが所有するゲーム媒体が貸出可能状態となったことに応じて、第1ユーザに特典を付与する。換言すれば、特典付与部34は、ユーザDB26において、第1ユーザのユーザID、及び、第1ユーザが所有するゲーム媒体のゲーム媒体IDの組み合わせに対する貸出可否情報に「可」又は貸出可能な量が設定されたことに応じて、第1ユーザに特典を付与する。ここでは、特典付与部34は、第1ユーザのゲーム媒体が第2ユーザに実際に貸し出された(当該ゲーム媒体が貸出状態になった)ことではなく、貸出可能状態となったことに応じて第1ユーザに特典を付与することに留意されたい。
【0062】
特典付与部34が第1ユーザに特典を付与するタイミングは、電子ゲーム提供サーバ14の管理者などによって適宜設定されてよい。例えば、特典付与部34は、第1ユーザのゲーム媒体が貸出可能状態となったタイミングで第1ユーザに特典を付与してもよし、第1ユーザのゲーム媒体が貸出可能状態である限りにおいて、定期的に第1ユーザに特典を付与するようにしてもよいし、第1ユーザのゲーム媒体が貸出可能状態から貸出不能状態に変更したタイミング(つまり貸し出しを止めたタイミング)で第1ユーザに特典を付与するようにしてもよい。
【0063】
特典付与部34は、第1ユーザが所有するゲーム媒体が貸出可能状態である期間が長い程、より有益な特典を第1ユーザに付与するとよい。特典付与部34は、ユーザDB26に記憶されているゲーム媒体の貸出可能開始時刻と、特典を付与する時点の時刻との差分により、当該ゲーム媒体の貸出可能状態である期間を取得することができる。より有益な特典とは、これに限るものではないが、例えば、第1ユーザが電子ゲーム内でより有利になるような特典(例えば、より有力なカードやキャラクタ、あるいは、より多くのゲーム内ポイントやゲーム内通貨)である。なお、特典付与部34が、第1ユーザのゲーム媒体が貸出可能状態である限りにおいて定期的に第1ユーザに特典を付与する場合、複数回の特典付与機会に付与される特典が互いに同じであっても、ゲーム媒体が貸出可能状態である期間が長い程、第1ユーザへの特典付与機会が多くなり、結果として、ユーザにより有益な特典が付与されることになる。したがって、第1ユーザのゲーム媒体が貸出可能状態である限りにおいて定期的に第1ユーザに特典を付与する、ということは、第1ユーザが所有するゲーム媒体が貸出可能状態である期間が長い程、より有益な特典を第1ユーザに付与することになる。
【0064】
また、特典付与部34は、貸出可能状態である第1ユーザのゲーム媒体の数が多い程、より有益な特典を第1ユーザに付与するとよい。特典付与部34は、ユーザDB26を参照することで、第1ユーザが貸出可能状態としているゲーム媒体の数を特定することができる。なお、ゲーム媒体がゲーム内ポイントやゲーム内通貨の場合、貸出可能状態である第1ユーザのゲーム媒体の数が多い程より有益な特典を第1ユーザに付与する、とは、第1ユーザが貸出可能としているゲーム内ポイントやゲーム内通貨の量が多い程より有益な特典を第1ユーザに付与することを含む。
【0065】
また、特典付与部34は、貸出可能状態である第1ユーザのゲーム媒体が有する属性に応じて、第1ユーザに付与する特典を決定するようにしてもよい。特典付与部34は、ゲーム媒体DB24を参照することで、第1ユーザが貸出可能状態としているゲーム媒体の属性を特定することができる。例えば、特典付与部34は、第1ユーザが貸出可能状態としているゲーム媒体のレアリティが高い程、より有益な特典を第1ユーザに付与するとよい。また、特典付与部34は、第1ユーザが貸出可能状態としているゲーム媒体が有償である場合は、第1ユーザが貸出可能状態としているゲーム媒体のゲーム媒体が無償である場合に比して、より有益な特典を第1ユーザに付与するとよい。あるいは、特典付与部34は、第1ユーザが貸出可能状態としているゲーム媒体の価格が高い程、より有益な特典を第1ユーザに付与するとよい。
【0066】
特典付与部34は、第1ユーザのゲーム媒体が貸出可能状態である期間、貸出可能状態である第1ユーザのゲーム媒体の数、及び、貸出可能状態である第1ユーザのゲーム媒体が有する属性、の少なくとも2つの組み合わせに応じて、第1ユーザに付与する特典を決定してもよい。
【0067】
特典付与部34は、第1ユーザが所有するゲーム媒体が貸出可能状態となった後、第2ユーザが当該ゲーム媒体を借りたことに応じて、さらに第1ユーザに特典を付与してもよい。換言すれば、特典付与部34は、ユーザDB26において、第1ユーザのユーザID、及び、貸出可能状態であった第1ユーザのゲーム媒体のゲーム媒体IDの組み合わせに対する貸出先ユーザに第2ユーザのユーザIDが設定されたことに応じて、第1ユーザに特典を付与してもよい。
【0068】
本実施形態に係る電子ゲーム提供システム10の概要は以上の通りである。電子ゲーム提供システム10によれば、第1ユーザは、自ら所有するゲーム媒体を貸出可能状態とすることで特典を得ることができる。これにより、第1ユーザがゲーム媒体を貸出可能状態とすることを促すことができ、電子ゲーム内におけるゲーム媒体の貸し借りを活性化させることができる。
【0069】
以下、図5に示すフローチャートに従って、第1ユーザに対して特典を付与する処理の流れを説明する。
【0070】
ステップS10において、ゲーム進行処理部30は、ユーザ端末12を用いてアクセスしてきたユーザを認証する。ゲーム進行処理部30は、ユーザを認証した後、電子ゲームの提供を開始する。
【0071】
ステップS12において、貸出処理部32は、第1ユーザからの指示に応じて、第1ユーザが所有するゲーム媒体を貸出可能状態とする。具体的には、貸出処理部32は、ユーザDB26において、第1ユーザのユーザID、及び、第1ユーザから指示を受けたゲーム媒体のゲーム媒体IDの組み合わせに対する貸出可否情報を「可」又は貸出可能な量に設定する。ステップS12が貸出処理ステップに相当する。
【0072】
ステップS14において、特典付与部34は、第1ユーザに特典を付与する。ステップS14が特典付与ステップに相当する。
【0073】
ステップS16において、貸出処理部32は、ステップS12で貸出可能状態となったゲーム媒体が第2ユーザに借りられたか否かを判定する。当該ゲーム媒体が第2ユーザに借りられた場合、具体的には、電子ゲーム提供サーバ14が、第2ユーザのユーザ端末12から借用指示情報を受信し、貸出処理部32が、ユーザDB26において、借用指示情報が示す第1ユーザのユーザID及びゲーム媒体IDの組み合わせに対する貸出先ユーザを、借用指示情報が示す第2ユーザのユーザIDとした場合は、ステップS18に進む。当該ゲーム媒体が第2ユーザに借りられなかった場合、換言すれば、電子ゲーム提供サーバ14が第2ユーザのユーザ端末12から借用指示情報を受信しなかった場合は処理を終了する。
【0074】
ステップS18において、特典付与部34は、第1ユーザにさらに特典を付与する。
【0075】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0076】
[発明の構成]
[構成1]
電子ゲームの第1ユーザが所有する、前記電子ゲーム内のオブジェクトであるゲーム媒体の状態を、前記第1ユーザ以外の前記電子ゲームのユーザである第2ユーザが前記ゲーム媒体を借りることができる状態である貸出可能状態とする貸出処理部と、
前記ゲーム媒体が前記貸出可能状態となったことに応じて、前記第1ユーザに特典を付与する特典付与部と、
を備えることを特徴とする電子ゲーム提供装置。
[構成2]
前記特典付与部は、前記ゲーム媒体が前記貸出可能状態である期間が長い程、より有益な前記特典を前記第1ユーザに付与する、
ことを特徴とする構成1に記載の電子ゲーム提供装置。
[構成3]
前記特典付与部は、前記貸出可能状態である前記ゲーム媒体の数が多い程、より有益な前記特典を前記第1ユーザに付与する、
ことを特徴とする構成1又は2に記載の電子ゲーム提供装置。
[構成4]
前記ゲーム媒体は、1又は複数の属性を有しており、
前記特典付与部は、前記貸出可能状態である前記ゲーム媒体が有する前記属性に応じて、前記第1ユーザに付与する前記特典を決定する、
ことを特徴とする構成1~3のいずれか1項に記載の電子ゲーム提供装置。
[構成5]
前記ゲーム媒体は、前記第1ユーザが有償で入手した有償ゲーム媒体、及び、前記第1ユーザが無償で入手した無償ゲーム媒体を含み、
前記特典付与部は、前記有償ゲーム媒体が前記貸出可能状態である場合、前記無償ゲーム媒体が前記貸出可能状態である場合よりも、より有益な前記特典を前記第1ユーザに付与する、
ことを特徴とする構成4に記載の電子ゲーム提供装置。
[構成6]
前記特典付与部は、前記第2ユーザが前記ゲーム媒体を借りたことに応じて、さらに前記第1ユーザに特典を付与する、
ことを特徴とする構成1から5のいずれか1項に記載の電子ゲーム提供装置。
[構成7]
前記貸出処理部は、前記第2ユーザからの対価の支払いに応じて、前記ゲーム媒体を前記第2ユーザに貸し出す、
ことを特徴とする構成1から6のいずれか1項に記載の電子ゲーム提供装置。
[構成8]
前記対価は、第2ユーザが前記ゲーム媒体を借りている期間が長い程大きくなる、
ことを特徴とする構成7に記載の電子ゲーム提供装置。
[構成9]
前記電子ゲームは、ゲーム進行の単位であるターンを複数有するターン制ゲームであり、
前記貸出処理部は、複数のターンのうちの一部のターンのみ、前記ゲーム媒体を前記第2ユーザに貸し出す、
ことを特徴とする構成8に記載の電子ゲーム提供装置。
[構成10]
前記ゲーム媒体は、1又は複数の属性を有しており、
前記対価は、前記ゲーム媒体が有する前記属性に応じて決定される、
ことを特徴とする構成7から9のいずれか1項に記載の電子ゲーム提供装置。
[構成11]
前記ゲーム媒体はNFTである、
ことを特徴とする構成1から10のいずれか1項に記載の電子ゲーム提供装置。
[構成12]
前記貸出処理部は、前記第1ユーザからの指示に応じて、前記ゲーム媒体の状態を、前記貸出可能状態から、前記第2ユーザが前記ゲーム媒体を借りることができない状態である貸出不可状態に変更する、
ことを特徴とする構成1から11のいずれか1項に記載の電子ゲーム提供装置。
[構成13]
前記貸出処理部は、前記第1ユーザが指定した前記ゲーム媒体のセットを前記貸出可能状態とする、
ことを特徴とする構成1から12のいずれか1項に記載の電子ゲーム提供装置。
[構成14]
コンピュータを、
電子ゲームの第1ユーザが所有する、前記電子ゲーム内のオブジェクトであるゲーム媒体の状態を、前記第1ユーザ以外の前記電子ゲームのユーザである第2ユーザが前記ゲーム媒体を借りることができる状態である貸出可能状態とする貸出処理部と、
前記ゲーム媒体が前記貸出可能状態となったことに応じて、前記第1ユーザに特典を付与する特典付与部と、
として機能させることを特徴とする電子ゲーム提供プログラム。
[構成15]
コンピュータが、電子ゲームの第1ユーザが所有する、前記電子ゲーム内のオブジェクトであるゲーム媒体の状態を、前記第1ユーザ以外の前記電子ゲームのユーザである第2ユーザが前記ゲーム媒体を借りることができる状態である貸出可能状態とする貸出処理ステップと、
コンピュータが、前記ゲーム媒体が前記貸出可能状態となったことに応じて、前記第1ユーザに特典を付与する特典付与ステップと、
を含むことを特徴とする電子ゲーム提供方法。
【符号の説明】
【0077】
10 電子ゲーム提供システム、12 ユーザ端末、14 電子ゲーム提供サーバ、16 通信回線、20 通信インターフェース、22 メモリ、24 ゲーム媒体DB、26 ユーザDB、28 プロセッサ、30 ゲーム進行処理部、32 貸出処理部、34 特典付与部。
図1
図2
図3
図4
図5