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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010841
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】検査装置および検査方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 17/06 20060101AFI20240118BHJP
   H04N 17/02 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
H04N17/06
H04N17/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112377
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋山 将人
【テーマコード(参考)】
5C061
【Fターム(参考)】
5C061BB01
5C061BB02
5C061BB09
5C061CC07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】検査対象画像の不良箇所を視覚的に把握する検査装置及び検査方法を提供する。
【解決手段】検査装置(パーソナルコンピュータ)は、検査対象画像の第1画素に対して、前記第1画素の画素値が透過色の設定範囲内であれば前記第1画素の画素値を変更せず、前記第1画素の画素値が前記透過色の設定範囲外であれば前記第1画素の画素値を第1の色に相当する画素値に変更する画像処理部(CPU51)と、前記画像処理部によって画像処理された後の前記検査対象画像を表示する表示部(55)と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象画像の第1画素に対して、前記第1画素の画素値が透過色の設定範囲内であれば前記第1画素の画素値を変更せず、前記第1画素の画素値が前記透過色の設定範囲外であれば前記第1画素の画素値を第1の色に相当する画素値に変更する画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理された後の前記検査対象画像を表示する表示部と、
を備える、検査装置。
【請求項2】
前記透過色の設定範囲は、前記検査対象画像内での前記第1画素の位置に応じて可変する、請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記画像処理部は、前記検査対象画像の第2画素に対して、前記第2画素の画素値が黒色の設定範囲内であれば前記第2画素の画素値を変更せず、前記第2画素の画素値が前記黒色の設定範囲外であれば前記第2画素の画素値を第2の色に相当する画素値に変更する、請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記検査対象画像は、カラーバー画像である、請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
前記第1の色は黒色であり、前記第2の色は白色である、請求項3に記載の検査装置。
【請求項6】
前記検査対象画像は、アナログ映像を録画して得られる画像である、請求項1~5のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項7】
検査対象画像の第1画素に対して、前記第1画素の画素値が透過色の設定範囲内であれば前記第1画素の画素値を変更せず、前記第1画素の画素値が前記透過色の設定範囲外であれば前記第1画素の画素値を第1の色に相当する画素値に変更する画像処理工程と、
前記画像処理工程によって画像処理された後の前記検査対象画像を表示する表示工程と、
を備える、検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、録画された画像を検査する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で開示されている検査技術では、検査対象データと判定値との比較結果によって検査対象データの良否が判定される。
【0003】
特許文献1で開示されている検査技術は、画像の表示を用いることなく検査を実施することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-118436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で開示されている検査技術では、検査対象データが不良であると判定された場合に検査対象データの不良箇所を視覚的に把握することができない。その結果、不良が発生した原因の追究に時間を要する。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みて、検査対象画像の不良箇所を視覚的に把握することができる検査技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的な本発明の検査装置は、検査対象画像の第1画素に対して、前記第1画素の画素値が透過色の設定範囲内であれば前記第1画素の画素値を変更せず、前記第1画素の画素値が前記透過色の設定範囲外であれば前記第1画素の画素値を第1の色に相当する画素値に変更する画像処理部と、前記画像処理部によって画像処理された後の前記検査対象画像を表示する表示部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
例示的な本発明によると、検査対象画像の不良箇所を視覚的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るドライブレコーダの概略ブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係るパーソナルコンピュータの概略ブロック図である。
図3】カラーバー画像を示す図である。
図4】カラーバー画像の各色の画素値を示す表である。
図5】パーソナルコンピュータが実行する検査の処理を示すフローチャートである。
図6】透過色の設定範囲及び黒色の設定範囲の一例を示す表である。
図7】ドライブレコーダが不良品である場合にパーソナルコンピュータが表示するカラーバー画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係るドライブレコーダ3の概略ブロック図である。ドライブレコーダ3には、後部カメラ1及び車内カメラ2が接続される。後部カメラ1は、車両の後部に搭載され、車両の後方を撮影する。車内カメラ2は、車両の車内に搭載され、車内を撮影する。ドライブレコーダ3は、車両の車内に搭載され、後部カメラ1及び車内カメラ2によって撮影された映像を記録する。
【0012】
ドライブレコーダ3に対して、ドライブレコーダ3自体の録画機能を利用した検査が出荷前に実施される。そして、検査で良品と判定されたものが出荷される。したがって、検査が実施されるときには、後部カメラ1、車内カメラ2、及びドライブレコーダ3は、車両に搭載されていない。
【0013】
後部カメラ1及び車内カメラ2は、検査モードを有しており、検査モードでは撮影映像ではなく定型映像を出力する。定型映像は、例えばカラーバー映像である。カラーバー映像の詳細については後述する。なお、出荷前の検査において、後部カメラ1及び車内カメラ2がドライブレコーダ3に接続されるのではなく、定型映像を出力する映像出力装置がドライブレコーダ3に接続されてもよい。
【0014】
ドライブレコーダ3は、TVI(Transport Video Interface)レシーバ31及び32と、マイクロコンピュータ33と、カードスロット34と、を備える。
【0015】
TVIレシーバ31は、後部カメラ1から出力されるアナログ映像に対して所定の画像処理を行い、所定の形式のデジタル画像データを生成する。TVIレシーバ32は、車内カメラ12から出力されるアナログ映像に対して所定の画像処理を行い、所定の形式のデジタル画像データを生成する。所定の画像処理には、例えば、A/D変換、輝度補正、コントラスト補正等が含まれる。所定の形式は、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)形式等である。
【0016】
ドライブレコーダ3に設けられるTVIレシーバの個数は、本実施形態の2個に限定されない。ドライブレコーダ3に設けられるTVIレシーバの個数は、例えば、1個でもよく、3個でもよい。ドライブレコーダ3に接続されるカメラは、本実施形態の後部カメラ1及び車内カメラ2に限定されない。例えば、車両の前方を撮影する前部カメラがドライブレコーダ3に接続されるカメラに含まれてもよい。また、ドライブレコーダ3に接続されるカメラの少なくとも一つがドライブレコーダ3に内蔵されてもよい。
【0017】
マイクロコンピュータ33は、ドライブレコーダ3の装置全体に対する制御を行う。詳細には、マイクロコンピュータ33は、演算処理を行うことで各種の制御機能を実現するCPU(Central Processing Unit)と、演算処理の作業領域となるRAM(Random Access Memory)と、各種のデータを記憶する不揮発性メモリと、を備える。不揮発性メモリは、例えばハードディスク、フラッシュメモリ等で構成される。不揮発性メモリは、ファームウェアとしてのプログラム、設定パラメータ等を記憶する。マイクロコンピュータ33は、ドライブレコーダ3の各部を制御する機能として、後部カメラ1及び車内カメラ2の撮影映像を含む車両の運転状況に関する情報を、マイクロSD(登録商標)カード4に記録する記録機能を有する。
【0018】
カードスロット34は、マイクロコンピュータ33とマイクロSDカード4との間のインターフェースを提供する。カードスロット34は、マイクロSDカード4を着脱可能に構成される。本実施形態では、外部メモリとしてマイクロSDカード4が用いられているが、マイクロSDカード4以外の外部メモリが用いられてもよい。マイクロSDカード4以外の外部メモリが用いられる場合には、カードスロット34に代わる構成要素が外部メモリの種類に応じてドライブレコーダ3に備えられる。例えば、マイクロSDカード4以外の外部メモリが光ディスクである場合、カードスロット34の代わりに光ディスク装置がドライブレコーダ3に備えられる。
【0019】
カードスロット34にマイクロSDカード4が装着されることにより、マイクロコンピュータ33は、マイクロSDカード4からのデータの読み取り、マイクロSDカード4へのデータの書き込みが可能になる。
【0020】
ドライブレコーダ3は、TVIレシーバ31及び32、マイクロコンピュータ33、並びにカードスロット34に加えて、マイク、操作部、計時回路、加速度センサ、GPS(Global Positioning System)受信部等を備える。
【0021】
図2は、本発明の実施形態に係るパーソナルコンピュータ5の概略ブロック図である。パーソナルコンピュータ5は、CPU51と、ROM52と、RAM53と、操作部54と、表示部55と、カードスロット56と、バス57と、を備える。パーソナルコンピュータ5は、検査装置の一例である。ドライブレコーダ3によって記録された定型映像を格納するマイクロSDカード4がカードスロット56に装着された状態で、パーソナルコンピュータ5は検査を実行する。
【0022】
CPU51、ROM52、RAM53、操作部54、表示部55、及びカードスロット56は、バス57を介して互いに接続される。
【0023】
CPU51は、演算処理を行うことで各種の制御機能を実現する。ROM52は、オペレーションシステム、検査プログラム等の各種プログラム、設定パラメータ等を記憶する。RAM53は、演算処理の作業領域となる。パーソナルコンピュータ5が検査を実行する際には、CPU51は画像処理部として機能する。
【0024】
操作部54は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等であり、ユーザの操作内容をCPU51に伝える。
【0025】
表示部55は、例えば液晶ディスプレイ等であり、CPU51から供給される画像データに基づく画像を表示する。
【0026】
カードスロット56は、CPU51とマイクロSDカード4との間のインターフェースを提供する。カードスロット56は、マイクロSDカード4を着脱可能に構成される。
【0027】
次に、カラーバー映像について説明する。カラーバー映像は、図3に示すカラーバー画像を複数フレーム含む動画である。図3に示すカラーバー画像は、表示領域である領域R1~R8と、非表示領域である領域R9とによって構成される。領域R9は、領域R1~R8を囲っており、領域R1~R8とは異なる色(例えばグレー)である。領域R1~R8は表示領域を水平方向に八等分して得られる各領域である。
【0028】
領域R1は、a行目~b行目且つc列目~(c+d)列目の画素を含む領域であり、白色である。
【0029】
領域R2は、a行目~b行目且つ(c+d+1)列目~(c+2d)列目の画素を含む領域であり、黄色である。
【0030】
領域R3は、a行目~b行目且つ(c+2d+1)列目~(c+3d)列目の画素を含む領域であり、シアン色である。
【0031】
領域R4は、a行目~b行目且つ(c+3d+1)列目~(c+4d)列目の画素を含む領域であり、緑色である。
【0032】
領域R5は、a行目~b行目且つ(c+4d+1)列目~(c+5d)列目の画素を含む領域であり、マゼンタ色である。
【0033】
領域R6は、a行目~b行目且つ(c+5d+1)列目~(c+6d)列目の画素を含む領域であり、赤色である。
【0034】
領域R7は、a行目~b行目且つ(c+6d+1)列目~(c+7d)列目の画素を含む領域であり、青色である。
【0035】
領域R8は、a行目~b行目且つ(c+7d+1)列目~(c+8d)列目の画素を含む領域であり、黒色である。
【0036】
上記a、b、c、dはそれぞれ自然数であり、bはaより大きい。
【0037】
図4は、カラーバー画像の各色の画素値を示す表である。カラーバー画像の各色の画素値は、R値、G値、B値によって構成される。
【0038】
パーソナルコンピュータ5は、ドライブレコーダ3によって記録されマイクロSDカード4に格納されている定型映像を構成するカラーバー画像を検査対象画像として、検査を実行する。
【0039】
図5は、パーソナルコンピュータ5が実行する検査の処理を示すフローチャートである。ユーザが検査の開始を指示する操作を操作部54に対して行うと、パーソナルコンピュータ5は、図5に示すフローチャートの動作を開始する。
【0040】
まず初めに、CPU51は、カラーバー画像をマイクロSDカード4から読み取る(ステップS1)。
【0041】
次に、CPU51は、カラーバー画像の領域R1~R7の各画素に関して、画素値が透過色の設定範囲内であるか否かを判定する(ステップS2)。CPU51は、図6に示す透過色の設定範囲及び黒色の設定範囲の一例に準拠してステップS2の判定処理を行う。
【0042】
具体的には、CPU51は、カラーバー画像の領域R1の各画素に関して、白色の透過色設定範囲を用いてステップS2の判定処理を行う。CPU51は、R値200以上且つG値200以上且つB値200以上という透過色の設定範囲内である画素の画素値を変更せず、透過色の設定範囲外である画素の画素値をステップS3において第1の色に相当する画素値に変更する。本実施形態のように検査対象画像がカラーバー画像である場合、第1の色は、白色、黄色、シアン色、緑色、マゼンタ色、赤色、青色以外の色にすればよい。第1の色は、視覚上他の色と区別しやすい黒色が最も好ましい。なお、黒色に相当する画素値は、R値0且つG値0且つB値0である。
【0043】
同様に、具体的には、CPU51は、カラーバー画像の領域R2の各画素に関して、黄色の透過色設定範囲を用いステップS2の判定処理を行う。CPU51は、R値200以上且つG値200以上且つB値0という透過色の設定範囲内である画素の画素値を変更せず、透過色の設定範囲外である画素の画素値をステップS3において第1の色に相当する画素値に変更する。
【0044】
同様に、具体的には、CPU51は、カラーバー画像の領域R3の各画素に関して、シアン色の透過色設定範囲を用いステップS2の判定処理を行う。CPU51は、R値0且つG値200以上且つB値200以上という透過色の設定範囲内である画素の画素値を変更せず、透過色の設定範囲外である画素の画素値をステップS3において第1の色に相当する画素値に変更する。
【0045】
同様に、具体的には、CPU51は、カラーバー画像の領域R4の各画素に関して、緑色の透過色設定範囲を用いステップS2の判定処理を行う。CPU51は、R値0且つG値200以上且つB値0という透過色の設定範囲内である画素の画素値を変更せず、透過色の設定範囲外である画素の画素値をステップS3において第1の色に相当する画素値に変更する。
【0046】
同様に、具体的には、CPU51は、カラーバー画像の領域R5の各画素に関して、マゼンタ色の透過色設定範囲を用いステップS2の判定処理を行う。CPU51は、R値200以上且つG値0且つB値200以上という透過色の設定範囲内である画素の画素値を変更せず、透過色の設定範囲外である画素の画素値をステップS3において第1の色に相当する画素値に変更する。
【0047】
同様に、具体的には、CPU51は、カラーバー画像の領域R6の各画素に関して、赤色の透過色設定範囲を用いステップS2の判定処理を行う。CPU51は、R値200以上且つG値0且つB値0という透過色の設定範囲内である画素の画素値を変更せず、透過色の設定範囲外である画素の画素値をステップS3において第1の色に相当する画素値に変更する。
【0048】
同様に、具体的には、CPU51は、カラーバー画像の領域R7の各画素に関して、青色の透過色設定範囲を用いステップS2の判定処理を行う。CPU51は、R値0且つG値0且つB値200以上という透過色の設定範囲内である画素の画素値を変更せず、透過色の設定範囲外である画素の画素値をステップS3において第1の色に相当する画素値に変更する。
【0049】
上述したステップS2及びS3の処理によって、画素の画素値が正常(透過色の設定範囲内)であれば黒色以外の色となるカラーバー画像の領域R1~R7では、画素の画素値が異常(透過色の設定範囲外)であれば第1の色になるため、カラーバー画像の領域R1~R7における不良箇所が明確に可視化される。
【0050】
また、CPU51は、透過色の設定範囲をカラーバー画像内での画素の位置に応じて可変させている。これにより、カラーバー画像のような黒色以外の色を複数有する画像を検査対象画像とした場合でも、黒色以外の色となる検査対象画像の領域を適切に検査することができる。例えば、ROM52が、図6に示す色と透過色の設定範囲との関係、及び、色とカラーバー画像の画素との関係を格納し、CPU51が、これら2つの関係を参照して上述したステップS2及びS3の処理を行ってもよい。また、例えば、ROM52が、透過色の設定範囲と透過色の設定範囲との関係を格納し、CPU51が、この関係を参照して上述したステップS2及びS3の処理を行ってもよい。
【0051】
本実施形態では、上述したように検査対象画像はカラーバー画像である。カラーバー画像では複数の色の配置が規則的であるため、検査対象画像がカラーバー画像である場合、透過色の設定範囲をカラーバー画像内での画素の位置に応じて可変させることが容易になる。また、カラーバー画像では複数の色の配置が規則的であるため、検査対象画像がカラーバー画像である場合、ステップS2の処理対象である画素と、後述するステップS4の処理対象である画素との分類も容易になる。
【0052】
CPU51は、カラーバー画像の領域R1~R7の各画素に関する画像処理が終わると、カラーバー画像の領域R8の各画素に関して、画素値が黒色の設定範囲内であるか否かを判定する(ステップS4)。CPU51は、図6に示す透過色の設定範囲及び黒色の設定範囲の一例に準拠してステップS4の判定処理を行う。
【0053】
具体的には、CPU51は、カラーバー画像の領域R8の各画素に関して、黒色設定範囲を用いてステップS4の判定処理を行う。CPU51は、R値0且つG値0且つB値0という黒色設定範囲内である画素の画素値を変更せず、黒色設定範囲外である画素の画素値をステップS5において第2の色に相当する画素値に変更する。第2の色は、黒色以外の色にすればよい。第2の色は、視覚上他の色と区別しやすい白色が最も好ましい。なお、白色に相当する画素値は、R値255且つG値255且つB値255である。
【0054】
上述したステップS4及びS5の処理によって、画素の画素値が正常(黒色設定範囲内)であれば黒色となるカラーバー画像の領域R8では、画素の画素値が異常(黒色設定範囲外)であれば第2の色になるため、カラーバー画像の領域R8における不良箇所が明確に可視化される。また、上述したステップS4及びS5の処理によって、画素の画素値が正常であれば黒色となる領域の検査も可能となるため、検査が可能ととなる領域の色の制限がなくなる。
【0055】
CPU51は、カラーバー画像の領域R8の各画素に関する画像処理が終わると、画像処理後のカラーバー画像を表示部55に表示させる(ステップS6)。これにより、ユーザが画像処理後のカラーバー画像を目視できるようになり、ユーザがカラーバー画像の不良箇所を視覚的に把握することができる。
【0056】
ステップS6が終了すると、図6に示すフローチャートの処理が終了する。なお、検査結果を映像(動画)とする場合には、ステップS6が終了すると、ステップS1に戻り、例えば次フレームのカラーバー画像をCPU51がマイクロSDカード4から読み取るようにすればよい。
【0057】
ドライブレコーダ3が良品である場合、表示部55によって表示されるカラーバー画像は、後部カメラ1及び車内カメラ2から出力されるカラーバー画像と同一の色配置となる。
【0058】
ドライブレコーダ3が不良品であり、CPU51がマイクロSDカード4から読み取ったカラーバー画像が下記(1)~(8)の特徴を有する画像である場合、第1の色が黒色であれば、表示部55によって表示されるカラーバー画像は図7に示す画像となる。
(1)領域R1の各画素の画素値がR値190且つG値190且つB値190である。
(2)領域R2の各画素の画素値がR値240且つG値240且つB値0である。
(3)領域R3の各画素の画素値がR値0且つG値100且つB値100である。
(4)領域R4の各画素の画素値がR値0且つG値240且つB値0である。
(5)領域R5の各画素の画素値がR値240且つG値0且つB値240である。
(6)領域R6の各画素の画素値がR値240且つG値0且つB値0である。
(7)領域R7の各画素の画素値がR値0且つG値0且つB値190である。
(8)領域R8の各画素の画素値がR値0且つG値0且つB値0である。
【0059】
本実施形態では、後部カメラ1及び車内カメラ2から出力される映像がアナログ映像であるため、検査対象画像(カラーバー画像)はアナログ映像を録画して得られる画像である。検査対象画像がアナログ映像を録画して得られる画像である場合、検査対象画像の縦方向(垂直方向、列方向)あるいは横方向(水平方向、行方向)にノイズが発生することがある。例えば、検査対象画像の縦方向にノイズが発生した場合、例えば図7に示す画像のように色が透過しない領域が縦方向に延びるため、ユーザが縦方向にノイズが発生したことを視覚的に把握することができる。
【0060】
本明細書の、発明を実施するための形態に開示される種々の技術的特徴は、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。また、本明細書の、発明を実施するための形態に開示される複数の実施形態および変形例は可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
【0061】
例えば、本実施形態では、画素値としてR値、G値、及びB値が用いられたが、R値、G値、及びB値の代わりにCb値及びCr値が用いられてもよい。
【0062】
また例えば、本実施形態では、ドライブレコーダ3が検査対象の機器であるが、ドライブレコーダ3以外の画像処理装置が検査対象の機器であってもよい。
【0063】
また例えば、本実施形態では、ドライブレコーダ3からパーソナルコンピュータ5への画像データの伝送がマイクロSDカード4を介して行われるが、検査対象の機器と検査装置とが有線通信又は無線通信を行って画像データが伝送されてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 後部カメラ
2 車内カメラ
3 ドライブレコーダ
4 マイクロSDカード
5 パーソナルコンピュータ
31、32 TVIレシーバ
33 マイクロコンピュータ
34 カードスロット
51 CPU
52 ROM
53 RAM
54 操作部
55 表示部
56 カードスロット
57 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7