(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108410
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】庖丁及び鋏研ぎ器
(51)【国際特許分類】
B24B 3/36 20060101AFI20240805BHJP
B24B 3/52 20060101ALI20240805BHJP
B24D 3/00 20060101ALI20240805BHJP
B24D 3/06 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
B24B3/36 M
B24B3/52 A
B24D3/00 320B
B24D3/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012761
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】594035460
【氏名又は名称】有限会社竹内快速鋸
(74)【代理人】
【識別番号】100066821
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 建治
(74)【代理人】
【識別番号】100180149
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 修
(72)【発明者】
【氏名】竹内 英治
【テーマコード(参考)】
3C063
3C158
【Fターム(参考)】
3C063AA02
3C063AB07
3C063BB02
3C063BC02
3C063BG01
3C063BH03
3C063BH09
3C063CC13
3C063EE04
3C063FF08
3C158AA02
3C158AA09
3C158CB05
3C158DB01
3C158DB02
3C158DB08
3C158DB09
(57)【要約】
【課題】庖丁や裁ち鋏の研ぎ回数を増大できると共に、製品寿命を著しく延命にした庖丁及び鋏研ぎ器を提供する。
【解決手段】握持体aの上面部1の所定個所に水平面状部5を有する砥石bを水平状に装着し、握持体aの上面部1に、右端部に鋭角状傾斜部2を形成する左側蓋体cをスライド自在に装着し、握持体aの上面部1に左端部に鋭角状傾斜部3を形成する右側蓋体dをスライド自在に装着し、左側蓋体cの鋭角状傾斜部2と右側蓋体dの鋭角状傾斜部3を砥石bの表面部5aに対向状に配備して、刃挿入部4を形成して組立てられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
握持体の上面部の所定個所に水平面状部を有する砥石を水平状に装着し、前記握持体の上面部に、右端部に鋭角状傾斜部を形成せしめる左側蓋体をスライド自在に装着せしめ、且前記握持体の上面部に左端部に前記鋭角状傾斜部の傾斜角度よりも小さい傾斜角度の鋭角状傾斜部を形成せしめる右側蓋体をスライド自在に装着せしめると共に、前記左側蓋体の鋭角状傾斜部と前記右側蓋体の鋭角状傾斜部を、前記砥石の表面部の上方部位に対向状に配備して、刃挿入部を形成せしめ組立てられていることを特徴とする庖丁及び鋏研ぎ器。
【請求項2】
前記左側蓋体が、左端部に前記右側蓋体の左端部に形成する鋭角状傾斜部の傾斜角度よりも小さい傾斜角度の第2の鋭角状傾斜部を形成せしめると共に、前記右側蓋体の右端部に、前記左側蓋体の右端部に形成する鋭角状傾斜部と同形状の第3の鋭角状傾斜部を形成せしめることを特徴とする請求項1に記載の庖丁及び鋏研ぎ器。
【請求項3】
前記砥石が、鉄材にクロームメッキを施した砥石の表面部と裏面部もしくは多角形状の水平面状部に、ダイヤモンドの粉末をコーティングせしめ形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の庖丁及び鋏研ぎ器。
【請求項4】
前記砥石の表面部が、前記握持体の上面部と同一面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の庖丁及び鋏研ぎ器。
【請求項5】
前記握持体の上面部に、前記砥石を収納する嵌挿部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の庖丁及び鋏研ぎ器。
【請求項6】
細長孔を有する前記左側蓋体と細長孔を有する前記右側蓋dが、前記握持体の上面部に突設するネジ孔付き突出部に、ボルトを前記細長孔を通して螺着せしめ組立てられていることを特徴とする請求項1に記載の庖丁及び鋏研ぎ器。
【請求項7】
前記砥石が、断面形状が三角形状又は四角形状又は多角形状であることを特徴とする請求項1に記載の庖丁及び鋏研ぎ器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、庖丁及び鋏研ぎ器の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来庖丁研ぎ器として、特許第3991158号が開示されており、該庖丁研ぎ器は、研磨砥石とゲージとなる砥石とを対向状に軸杆とナットを介して握持体に回転自在に装着せしめた構造であり、そのため庖丁を研ぐ際に、必ず前記両砥石間の挿入部に、庖丁の刃部を挿入し、挿入した庖丁を握ったまま2~3回前後に往復運動をするだけで切れ味の良い庖丁研ぎがなされていた。
【0003】
さらに、従来庖丁研ぎ器とその使用方法として、特許第6226164号が開示されており、前記特許の庖丁研ぎ器も前記した特許第3991158号の庖丁研ぎ器と同様、ダイヤモンド粉末をコーティングする円盤状研磨砥石と、ダイヤモンド粉末をコーティングしない円盤状研磨砥石とを対向状に軸杆を貫通しナットで軸着せしめた粗砥用砥石体と、仕上用砥石体を並列状に回転自在に握持体の上面部に嵌着せしめた構造である。そのため庖丁を研ぐ際に、必ず両砥石間の挿入部に庖丁の刃部を挿入しなければならなかった。
【0004】
前記した従来の庖丁研ぎ器は、庖丁研ぎ体の研磨砥石が、庖丁の刃部を研ぐ際に必ず同一の庖丁挿入部に刃部が挿入し前後に2~3回擦ると云う手法のため、ダイヤモンド粉末をコーティングした円盤状研磨砥石のダイヤモンドが、稍早く剥がれると云う弊害があった。そのため製品寿命が短命であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3991158号公報
【特許文献2】特許第6226164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は以下のとおりである。
【0007】
本発明は、所定の厚みを有し、表面部と裏面部にダイヤモンド粉末をコーティングした砥石を、握持体の上面部に水平状に装着し、右端部に鋭角状傾斜部を有するスライド自在な左側蓋体と、左端部に鋭角状傾斜部を有する右側蓋体を対向状にして、且前記砥石の上面部にして且前記握持体の上面部に配備せしめ組立てた構成なので、前記両側蓋体の位置を前記砥石の上面を左右何れかの方向にスライドせしめ固着することによって、庖丁もしくは裁ち鋏の研ぎ回数を従来のものに比し著しく増大せしめることができると共に、従来の庖丁研ぎ器よりも製品寿命を著しく延命にした。
【0008】
さらに本発明は、前記左側蓋体の左端部に前記右側蓋体の左端部に形成する鋭角状傾斜部の傾斜角度よりも傾斜角度が小さい第2の鋭角状傾斜部を形成すると共に、前記右側蓋体の右端部に前記左側蓋体の右端部に形成する鋭角状傾斜部と同じ傾斜角度を有する第3の鋭角状傾斜部を形成することによって、庖丁もしくは裁ち鋏の刃先の挿入を容易にすると共に、前記庖丁等の刃を極めて容易に研ぎ上げると共に、従来の庖丁研ぎ器よりも製品寿命を著しく延命にした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、握持体aの上面部1の所定個所に水平面状部5を有する砥石bを水平状に装着し、前記握持体aの上面部1に、右端部に鋭角状傾斜部2を形成せしめる左側蓋体cをスライド自在に装着せしめ、且前記握持体aの上面部1に左端部に前記鋭角状傾斜部2の傾斜角度よりも小さい傾斜角度の鋭角状傾斜部3を形成せしめる右側蓋体dをスライド自在に装着せしめると共に、前記左側蓋体cの鋭角状傾斜部2と前記右側蓋体dの鋭角状傾斜部3を、前記砥石bの表面部5aの上方部位に対向状に配備して、刃挿入部4を形成せしめ組立てられていることを特徴とする庖丁及び鋏研ぎ器である。
【0010】
課題を解決するための手段として、請求項2に記載の発明は、前記左側蓋体cが、左端部に前記右側蓋体dの左端部に形成する鋭角状傾斜部3の傾斜角度よりも小さい傾斜角度の第2の鋭角状傾斜部3aを形成せしめると共に、前記右側蓋体dの右端部に、前記左側蓋体cの右端部に形成する鋭角状傾斜部2と同形状の第3の鋭角状傾斜部2aを形成せしめることを特徴とする請求項1に記載の庖丁及び鋏研ぎ器である。
【0011】
課題を解決するための手段として、請求項3に記載の発明は、前記砥石bが、鉄材にクロームメッキを施した砥石bの表面部5aと裏面部6もしくは多角形状の水平面状部5に、ダイヤモンドの粉末をコーティングせしめ形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の庖丁及び鋏研ぎ器である。
【0012】
課題を解決するための手段として、請求項4に記載の発明は、前記砥石bの表面部5aが、前記握持体aの上面部1と同一面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の庖丁及び鋏研ぎ器である。
【0013】
課題を解決するための手段として、請求項5に記載の発明は、前記握持体aの上面部1に、前記砥石bを収納する嵌挿部7が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の庖丁及び鋏研ぎ器である。
【0014】
課題を解決するための手段として、請求項6に記載の発明は、細長孔8を有する前記左側蓋体cと細長孔9を有する前記右側蓋体dが、前記握持体aの上面部1に突設するネジ孔付き突出部10、11に、ボルト12を前記細長孔8、9を通して螺着せしめ組立てられていることを特徴とする請求項1に記載の庖丁及び鋏研ぎ器である。
【0015】
課題を解決するための手段として、請求項7に記載の発明は、前記砥石bが、断面形状が三角形状又は四角形状又は多角形状であることを特徴とする請求項1に記載の庖丁及び鋏研ぎ器である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、上述のとおりの構成なので、握持体の上面部に、前記左右両側蓋体を対向状に固着せしめ形成された刃挿入部に、庖丁もしくは裁ち鋏の刃先を前記砥石の表面部もしくは裏面部に刃先が当るまで挿入し、刃先が当たったら前記握持体を左手で握持したまま庖丁等の柄部を握り締めている右手を前後に3~4回擦るだけで切れ味の良い庖丁もしくは鋏の刃を研ぎ上げることができる。
【0017】
また本発明は、前記握持体の上面部に固定せしめた前記左右両側蓋体を緩め、左右両サイドにスライドし、再度締め付ければ、未使用状態のダイヤモンド粉末をコーティングした砥石の砥ぎ面上に僅かの距離をスライドさせるだけで、庖丁等刃部の刃挿入部をスライドして形成できると共に、砥石の表面部の砥ぎ面全部を研ぎ上げ後は、前記砥石を転覆して裏面部を上面にするか、もしくは他面部(断面が三角形状、四角形状もしくは多角形状)を上面にすれば、常に新鮮な庖丁の刃部の研ぎ面を利用して長期間にわたり研ぐことができる。
【0018】
本発明は、さらに前記したように、対向状に組立てられている左右両側蓋体の間隔を調整することによって、庖丁の刃部よりも厚い構造の裁ち鋏の刃部をも挿入可能な刃挿入部を極めて簡単に形成できる。そのため前記裁ち鋏の刃部をも極めて容易に研ぐことができる。
【0019】
本発明は、前記左側蓋体の左端部に第2の鋭角状傾斜部を形成し、さらに前記右側蓋体の右端部に第3の鋭角状傾斜部を形成せしめ、前記左右両蓋体の第2、第3の鋭角状傾斜部を、前記砥石の表面部の上方部位に対向状に組み替えて配備し、固定することによって、刃の厚みが異なる庖丁もしくは鋏の刃先を含む刃部を、極めて容易に挿入し、研ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の請求項1~7に記載の発明の実施の形態は共通しているので、図面に基づき一括して以下のとおり説明する。
【0026】
図において符号aは細長形状に形成せしめた握持体である。該握持体aには、上面部1の所定個所、例えば中央部に、後述する砥石bを収納せしめる
図1、2に図示する嵌挿部7を形成する。該嵌挿部7は、前記砥石bを収納した際に、庖丁の刃部(図示なし)もしくは裁ち鋏の刃部(図示なし)の研ぎ工程時において、突然離脱しない構造であって、構造上限定しない。
【0027】
さらに本発明における前記砥石bの構造は、図面図示のように所定の厚さの板状をした鉄材を設け、該鉄材の平面状の表面部5aと裏面部6に、ダイヤモンドの粉末を、前記した2件の従来の庖丁研ぎ器を構成する円盤状研磨砥石にダイヤモンド粉末をコーティングしたものと同様にて付着せしめ形成する。
【0028】
本発明の前記研ぎ器において使用する砥石bは、板状以外に
図4、5に図示した断面形状が三角形状もしくは四角形状ものを使用することもある。さらに前記以外の多角形状をした構造のものでもよい。
【0029】
そして前記砥石bを構成する水平面状部5には、前記したと同様にダイヤモンドの粉末をコーティングする。
【0030】
図において符号cは握持体aの上面部1に、右端部に鋭角状傾斜部2を形成せしめ、且上面部に細長孔8を形成せしめた左側蓋体である。
【0031】
さらに前記蓋体cの左端部には、前記右側蓋体dの左端部に形成する鋭角状傾斜部3の傾斜角度よりも小さい傾斜角度の第2の鋭角状傾斜部3aを形成する。
【0032】
符号dは左端部に鋭角状傾斜部3と、上面部に細長孔9を有する右側蓋体である。
【0033】
前記右側蓋体dの右端部には、前記左側蓋体cの右端部に形成する鋭角状傾斜部2と同形状の第3の鋭角状傾斜部2aを形成する。
【0034】
前記左側蓋体cの右端部に形成した鋭角状傾斜部2と、前記右側蓋体dの左端部に形成した鋭角状傾斜部3の傾斜角度は、
図1、4、5に図示するように、刃挿入部4から庖丁等の刃部等が挿入しやすくするために若干傾斜角度が相違している。
【0035】
符号10は、前記握持体aの上面部1に突出するネジ孔付き突出部であって、ボルト12を左側蓋体cの細長孔8に螺着する。その際前記左側蓋体cは、前記握持体aの上面部1を左右何れかの方向にスライドするように、前記握持体aの上面部1に平行状に突設する係止部13が、前記左側蓋体cの底面部14の内側部15に接触し係止されている。そして前記左側蓋体cは、細長い前記細長孔8の長さ分突出部10と螺着している前記ボルト12によって離脱せずにスライドする。
【0036】
図において符号11は、前記握持体aの上面部1に突出するネジ孔付き突出部であって、ボルト12を右側蓋体dの細長孔9に螺着する。その際前記右側蓋体dは、前記握持体aの上面部1を左右何れかの方向にスライドするように、前記握持体aの上面部1に平行状に突設する係止部13が、前記右側蓋体dの底面部14の内側部15に接触し係止されている。そして前記右側蓋体dは、細長い前記細長孔9の長さ分だけ突出部11と螺着している前記ボルト12によって離脱せずにスライドする。
【0037】
<庖丁の刃部及び鋏の刃部の研ぎ方法(その1)>
(a)庖丁の刃部の研ぎ方法について説明すると以下のとおりである。
【0038】
庖丁の刃部を研ぐときは、
図1、3に図示したように、握持体aの上面部1に左側蓋体cの鋭角状傾斜部2と、右側蓋体dの鋭角状傾斜部3とを対向状に砥石bの上方部位に位置するようにボルト12を弛緩せしめ、弛緩後は固定して刃挿入部4を形成する。
【0039】
前記刃挿入部4に、右手で握持している庖丁の刃部を先頭に挿入する。
【0040】
前記のように挿入せしめた庖丁の刃先は、若干傾斜した状態で砥石bの表面部5aに接触している。
【0041】
しかる後、握持している庖丁を前後方向に3~4回擦ると、庖丁の刃部が研ぎ上がる。
【0042】
(b)鋏の刃部の研ぎ方法について説明すると以下のとおりである。
【0043】
鋏の刃部は、庖丁の刃部より厚いので、対向状になっている左側蓋体cの鋭角状傾斜部2と、右側蓋体dの鋭角状傾斜部3との間隔を、前記庖丁の刃部の研ぎ時の刃挿入部4の間隔より若干広くする。その作業工程は、ボルト12、12を弛め左右両サイドの蓋体c、dを、左右両サイドにスライドさせて前記ボルト12、12を締付ける。
【0044】
上記のようにして、刃挿入部4を若干広くしておき、鋏の刃部を前記刃挿入部4に挿入する。刃先は若干傾斜して砥石bの表面部5aに接触する。
【0045】
しかる後、握持している鋏を前後方向に3~4回擦ると鋏の刃部は研ぎ上がる。
【0046】
<庖丁の刃部及び鋏の刃部の研ぎ方法(その2)>
(a)
図1~5に図示されていないが、前記左側蓋体cの左端部に形成した第2の鋭角状傾斜部3aを
図1~5に図示した状態に、さらに前記右側蓋体dの右端部に形成した第3の鋭角状傾斜部2aを
図1~5に図示した状態に配備する工程を以下のとおり説明する。
【0047】
(b)
図1~5に図示している左右両サイドのボルト12を弛めて左右両サイドの蓋体c、dを取外してやる。
【0048】
しかる後、前記右側蓋体dを左側蓋体cのように握持体aの上面部1に配備し、ボルト12を前記突出部10に螺入し、締め付ける(図示なし)。
【0049】
他方前記左側蓋体cを取外し後は、
図1~5に図示するように、第2の鋭角状傾斜部3aが左後方に位置せしめ握持体aの上面部1に配備し、ボルト12を突出部11に螺入し、締め付ける(図示なし)。
【0050】
前記のように、握持体aの上面部1の砥石bの表面部5aの上方部位に前記第3の鋭角状傾斜部2aと第2の鋭角状傾斜部3aが対向状に配備されると刃挿入部4が形成される。
【0051】
前記刃挿入部4には、所定厚さの刃を有する庖丁もしくは鋏を挿入せしめ研ぎ上げることができる。
【0052】
<砥石を転覆して裏面部を表面にする方法及び多角形状の水平面部を使用する方法>
本発明の庖丁及び鋏研ぎ器は、砥石bの表面部5aの面全部を使って研ぎ作業が終了したら、前記砥石bを転覆させ、表面部5aを裏面にし、裏面部6を表面にして嵌挿部7に嵌挿する。
【0053】
しかる後、前記両サイドの蓋体c、dを前記両サイドの鋭角状傾斜部2、3を対向状にして、所定の間隔を設けしかる後、庖丁の刃部もしくは鋏の刃部が挿入可能な刃挿入部4を形成する。
【0054】
さらに、三角形状もしくは四角形状もしくは多角形状の各水平面部5を使用する場合は、未使用の水平面部5を嵌挿部7への嵌挿を変更して、前記握持体aの上面部1と水平状にして研ぎ作業をする。
【0055】
以上本発明の実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
【符号の説明】
【0056】
a 握持体
b 砥石
c 左側蓋体
d 右側蓋体
1 上面部
2 鋭角状傾斜部
2a 第3の鋭角状傾斜部
3 鋭角状傾斜部
3a 第2の鋭角状傾斜部
4 刃挿入部
5 水平面状部
5a 表面部
6 裏面部
7 嵌挿部
8 細長孔
9 細長孔
10 突出部
11 突出部
12 ボルト
13 係止部
14 底面部
15 内側部