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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108422
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】医療デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
A61M25/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012777
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細見 椋
(72)【発明者】
【氏名】伏屋 友希弘
(72)【発明者】
【氏名】栗田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】白石 竜也
(72)【発明者】
【氏名】南 英里奈
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA80
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB05
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB16
4C267BB38
4C267BB40
4C267CC20
4C267CC22
(57)【要約】
【課題】柔軟性と十分な拡張径の得やすさの両立が可能なダイレータを提供する。
【解決手段】ダイレータ1は、基端から先端に向かって縮径するテーパ部23と、テーパ部23に隣接しかつ長軸方向に沿って延設された外径一定のストレート部22、24と、を有するコアシャフト21と、テーパ部23およびストレート部22、24の外周面上に設けられ、長軸方向に沿って隣り合う部分に隙間を有して螺旋状に延びる凸部31と、を備える。凸部31は、テーパ部23上に位置する第1凸部32と、ストレート部22、24上に位置する第2凸部33、34とを有し、第1凸部32の剛性は、第2凸部33、34の剛性よりも低い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端から先端に向かって縮径するテーパ部と、前記テーパ部に隣接しかつ長軸方向に沿って延設された外径一定のストレート部と、を有するコアシャフトと、
前記テーパ部および前記ストレート部の外周面上に設けられ、前記長軸方向に沿って隣り合う部分に隙間を有して螺旋状に延びる凸部と、を備える医療デバイスであって、
前記凸部は、前記テーパ部上に位置する第1凸部と、前記ストレート部上に位置する第2凸部と、を有し、
前記第1凸部の剛性は、前記第2凸部の剛性よりも低い医療デバイス。
【請求項2】
前記第1凸部は、樹脂材料からなり、前記第2凸部は、金属材料からなる、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記第1凸部と前記第2凸部とは、横断面が同一形状である、請求項1または請求項2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記ストレート部は、前記テーパ部の基端側に設けられている、または、前記テーパ部の先端側および基端側に設けられている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項5】
基端から先端に向かって縮径するテーパ部と、前記テーパ部に隣接しかつ長軸方向に沿って延設された外径一定のストレート部と、を有するコアシャフトと、
前記テーパ部および前記ストレート部の外周面上に設けられ、前記長軸方向に沿って隣り合う部分に隙間を有して螺旋状に延びる凸部と、を備える医療デバイスであって、
前記凸部は、前記テーパ部に位置する第1凸部と、前記ストレート部に位置する第2凸部と、を有し、
前記第1凸部は、前記第2凸部よりも高剛性である医療デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
胃や肝臓などの臓器等の壁に開けた孔や、胆管や膵管などの体腔内の狭窄部等を拡張するための医療デバイスが知られている。
【0003】
このような医療デバイスはコアシャフトにテーパ部が設けられており、このテーパ部を孔に押し込むことで孔の拡張が行われる。このテーパ部およびこれに隣接するストレート部の外周面上に螺旋状の凸部を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2014-524807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の医療デバイスにおいて、コアシャフトと凸部とを硬い材料(例えば、ステンレス鋼等)で構成した場合、十分な拡張径を得ることができるが、柔軟性が低下し、血管等の屈曲部の通過が難しくなると考えられる。コアシャフトと凸部とを柔らかい材料(例えば、樹脂等)で構成した場合、柔軟性はよくなるが、十分な拡張径を得がたいと考えられる。
【0006】
本開示は、柔軟性と十分な拡張径の得やすさの両立が可能な医療デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、本開示の一態様にかかる医療デバイスは、基端から先端に向かって縮径するテーパ部と、前記テーパ部に隣接しかつ長軸方向に沿って延設された外径一定のストレート部と、を有するコアシャフトと、前記テーパ部および前記ストレート部の外周面上に設けられ、前記長軸方向に沿って隣り合う部分に隙間を有して螺旋状に延びる凸部と、を備える医療デバイスであって、前記凸部は、前記テーパ部上に位置する第1凸部と、前記ストレート部上に位置する第2凸部と、を有し、前記第1凸部の剛性は、前記第2凸部の剛性よりも低い。
【0008】
前記第1凸部は、樹脂材料からなり、前記第2凸部は、金属材料からなっていてもよい。
【0009】
前記第1凸部と前記第2凸部とは、横断面が同一形状であってもよい。
【0010】
前記ストレート部は、前記テーパ部の基端側に設けられていてもよいし、または、前記テーパ部の先端側および基端側に設けられてもよい。
【0011】
本開示の一態様にかかる医療デバイスは、基端から先端に向かって縮径するテーパ部と、前記テーパ部に隣接しかつ長軸方向に沿って延設された外径一定のストレート部と、を有するコアシャフトと、前記テーパ部および前記ストレート部の外周面上に設けられ、前記長軸方向に沿って隣り合う部分に隙間を有して螺旋状に延びる凸部と、を備える医療デバイスであって、前記凸部は、前記テーパ部に位置する第1凸部と、前記ストレート部に位置する第2凸部と、を有し、前記第1凸部は、前記第2凸部よりも高剛性である。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、柔軟性と十分な拡張径の得やすさの両立が可能な医療デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態にかかるダイレータの概略的側面図である。
図2】第2実施形態にかかるダイレータの概略的側面図である。
図3】第3実施形態にかかるダイレータの概略的側面図である。
図4】第4実施形態にかかるダイレータの概略的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明するが、本開示は、当該図面に記載の実施形態にのみ限定されるものではない。なお、図面に示した寸法は、実施内容の理解を容易にするために示した寸法であり、実際の寸法に対応するものではない。
【0015】
<第1実施形態>
本開示の第1実施形態にかかる医療デバイスについて、図面を参照しつつ説明する。図1は、第1実施形態にかかる医療デバイスとしてのダイレータ1の概略的側面図である。図1において、先端チップ11側が体内に挿入される先端側(遠位側)、把持部41側が医師等の手技者によって操作される基端側(手元側、近位側)である。
【0016】
ダイレータ1は、先端チップ11と、コアシャフト21と、螺旋状の凸部31と、把持部41とを備える。先端チップ11は、ダイレータ1の最先端部に位置している。先端チップ11は、コアシャフト21の先端にロウ材(銀錫ロウ材、金錫ロウ材等)を流し込んで形成されており、その形状は略円筒形状であり、内腔11aを有する。
【0017】
コアシャフト21は、テーパ部とストレート部とを有する部材である。テーパ部は、基端から先端に向かって縮径している。ストレート部は、テーパ部に隣接しかつ長軸方向に沿って延設され、一定の外径を有している。
【0018】
テーパ部とストレート部との長軸方向における位置関係(前後関係)は特に限定されない。例えば、ダイレータの先端から、テーパ部、ストレート部の順で配置されていてもよく、ストレート部、テーパ部の順で配置されていてもよく、ストレート部、テーパ部、ストレート部の順で配置されていてもよい。
【0019】
本実施形態のコアシャフト21は、1又は複数の金属素線21wをコアシャフト21の長軸周りへ螺旋状に巻回したコイル体で構成されている。コアシャフト21は、基端から先端へ貫通する内腔21aを有する。内腔21aには、例えば、ガイドワイヤ(不図示)等が挿通される。
【0020】
コアシャフト21は、先端側から順に、第1ストレート部22と、テーパ部23と、第2ストレート部24と、基端部25とを有する。第1ストレート部22は、先端チップ11の基端に接続され、先端チップ11の基端から基端側に向かって延びている。テーパ部23は、第1ストレート部22の基端に接続され、その基端から先端に向かって縮径している。第2ストレート部24は、テーパ部23の基端に接続され、テーパ部23の基端から基端側に向かって延びている。基端部25は、第2ストレート部24の基端に接続され、第2ストレート部24の基端から基端側に向かって延びている。第1、2ストレート部22、24は、一定の外径を有する。
【0021】
コアシャフト21を構成する素線21wは、体腔内に挿通されることから、抗血栓性、可撓性および生体適合性を有していることが好ましい。このような素線を構成する材料としては、例えば、ステンレス鋼およびニッケル-チタン等の超弾性合金等の金属材料、または、樹脂材料が挙げられる。
【0022】
凸部31は、テーパ部およびストレート部の外周面上に設けられた部位である。凸部31は、長軸方向に沿って隣り合う部分に隙間を有して、螺旋状に延びている。凸部31は、テーパ部23に位置する第1凸部32と、第1、2ストレート部22、24に位置する第2凸部33、34とを有する。
【0023】
第1凸部32は、1本または複数本の素線32wをテーパ部23の外周面にコアシャフト21とは反対向きに巻回したコイル体32Cで構成されている。各第2凸部33は、1本または複数本の素線33w、34wを第1、2ストレート部22、24の外周面にコアシャフト21とは反対向きに巻回したコイル体33C、34Cで構成されている。
【0024】
第1凸部32の剛性は、第2凸部33、34の剛性よりも低く構成されている。例えば、第1凸部32は、樹脂材料からなり、第2凸部33、34は、金属材料からなる。第2凸部33、34の金属材料は、第1凸部32の樹脂材料よりもヤング率が大きい。第1凸部32の素線32wを構成する材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂等の樹脂材料が挙げられる。第2凸部33、34の素線33w、34wを構成する材料としては、例えば、ステンレス鋼、ニッケル-チタン合金等の超弾性合金材料等の金属材料が挙げられる。第1凸部32と第2凸部33、34とは、横断面が略円状であり、同一形状である。第1凸部32の横断面とは、第1凸部32に沿って延びる長軸であって、螺旋状に延びる長軸に直交する断面のことである。第2凸部33、34についても同様である。
【0025】
コアシャフト21と第1凸部32および第2凸部33、34との接合方法としては、例えば、ロウ材により蝋付けしたり、接着剤により接着したり、溶接する方法等が挙げられる。
【0026】
把持部41は、手技者がダイレータ1を体内に押し込んだり、回転操作を行ったりする部位である。この把持部41は、先端がコアシャフト21の基端部25の基端に接続されており、コアシャフト21の内腔21aに連通する内腔41aを有している。把持部41の形状は、例えば、手技者がダイレータ1を操作しやすい形状に形成することができる。内腔11a、内腔21a、および内腔41aによりルーメンLが形成される。ルーメンLには、例えば、ガイドワイヤなどが挿通される。
【0027】
次に、当該ダイレータ1の使用態様の一例について説明する。
【0028】
導入針(不図示)を用いて処置する部位(例えば、胃や肝臓等の臓器の壁など、以下、「被拡径部」ともいう)に孔を開けた後、この孔をダイレータ1を用いて拡張する手技について例示する。まず、導入針を用いて被拡径部を穿刺して孔を開ける。次いで、導入針の内腔にガイドワイヤを挿入した後、導入針を抜き取る。
【0029】
次に、ガイドワイヤの基端を当該ダイレータ1の内腔Lに差し入れ、ダイレータ1を身体に挿入する。次いで、把持部41を操作しながらコアシャフト21を回転させずにガイドワイヤに沿って血管等の屈曲部を通過させ、ダイレータ1の先端部を被拡径部の直前までデリバリーする。次いで、先端チップ11を被拡径部の孔に挿入し、把持部41を操作してコアシャフト21を回転させてダイレータ1を押し進め、被拡径部の孔を拡張する。この際、コアシャフト21の回転操作による螺旋状の第1凸部32のネジ作用等によりテーパ部23が前進するため、テーパ部23による孔の拡張が行われる。
【0030】
以上のように、ダイレータ1では、第1凸部32の剛性は、第2凸部33、34の剛性よりも低く構成されているので、屈曲部を通過時に必要な柔軟性を得ることができる。第2凸部33、34は、第1凸部32よりも高剛性であるので、孔の拡張径を十分に得ることができる。このように、本実施形態のダイレータ1によれば、屈曲部通過時の柔軟性および孔の十分な拡張径の得やすさの両立を図ることができる。
【0031】
<第2実施形態>
本開示の第2実施形態にかかるダイレータについて、図面を参照しつつ説明する。図2は、第2実施形態にかかるダイレータ101の概略的側面図である。図2において、先端チップ11側が体内に挿入される先端側(遠位側)、把持部41側が医師等の手技者によって操作される基端側(手元側、近位側)である。なお、本実施形態のダイレータ101は、第1実施形態のダイレータ1と基本的には同じ構造であるため、同じ部材については同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0032】
ダイレータ101は、先端チップ11と、コアシャフト121と、螺旋状の凸部131と、把持部41とを備える。コアシャフト121は、テーパ部とストレート部とを有する部材である。テーパ部は、基端から先端に向かって縮径している。ストレート部は、テーパ部に隣接しかつ長軸方向に沿って延設され、一定の外径を有している。
【0033】
本実施形態のコアシャフト121は、1又は複数の金属素線121wをコアシャフト121の長軸周りへ螺旋状に巻回したコイル体で構成されている。コアシャフト121は、基端から先端へ貫通する内腔121aを有する。内腔121aには、例えば、ガイドワイヤ(不図示)等が挿通される。内腔11a、内腔121a、および内腔41aによりルーメンLが形成される。コアシャフト121は、先端側から順に、テーパ部23と、ストレート部24と、基端部25とを有する。テーパ部23の先端には、先端チップ11が接続されている。
【0034】
凸部131は、テーパ部およびストレート部の外周面上に設けられた部位である。凸部131は、長軸方向に沿って隣り合う部分に隙間を有して、螺旋状に延びている。凸部131は、テーパ部23に位置する第1凸部32と、ストレート部24に位置する第2凸部34とを有する。
【0035】
本実施形態のダイレータ101によっても、第1実施形態のダイレータ1と同様に、屈曲部通過時の柔軟性および孔の十分な拡張径の得やすさの両立を図ることができる。
【0036】
<第3実施形態>
本開示の第3実施形態にかかるダイレータについて、図面を参照しつつ説明する。図3は、第3実施形態にかかるダイレータ201の概略的側面図である。図3において、先端チップ11側が体内に挿入される先端側(遠位側)、把持部41側が医師等の手技者によって操作される基端側(手元側、近位側)である。なお、本実施形態のダイレータ201において、第1実施形態のダイレータ1と同じ部材については同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0037】
ダイレータ201は、先端チップ11と、コアシャフト221と、螺旋状の凸部31と、把持部41とを備える。コアシャフト221は、テーパ部とストレート部とを有する部材である。テーパ部は、基端から先端に向かって縮径している。ストレート部は、テーパ部に隣接しかつ長軸方向に沿って延設され、一定の外径を有している。
【0038】
本実施形態のコアシャフト221は、一体的に形成された中空形状のシャフトで構成されている。コアシャフト221は、基端から先端へ貫通する内腔221aを有する。内腔11a、内腔221a、および内腔41aによりルーメンLが形成される。コアシャフト221は、先端側から順に、第1ストレート部222と、テーパ部223と、第2ストレート部224と、基端部225とを有する。
【0039】
第1ストレート部222は、先端チップ11の基端に接続され、先端チップ11の基端から基端側に向かって延びている。テーパ部223は、第1ストレート部222の基端に接続され、その基端から先端に向かって縮径している。第2ストレート部224は、テーパ部223の基端に接続され、テーパ部223の基端から基端側に向かって延びている。基端部225は、第2ストレート部224の基端に接続され、第2ストレート部224の基端から基端側に向かって延びている。第1、2ストレート部222、224は、一定の外径を有する。
【0040】
コアシャフト221を構成する材料は、体腔内に挿通されることから、抗血栓性、可撓性および生体適合性を有していることが好ましい。このような材料としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの樹脂材料;ステンレス鋼、超弾性合金(ニッケル-チタン合金)などの金属材料等が挙げられる。
【0041】
凸部31は、テーパ部およびストレート部の外周面上に設けられている。凸部31は、テーパ部223に位置する第1凸部32と、第1、2ストレート部222、224に位置する第2凸部33、34とを有する。
【0042】
コアシャフト221と第1凸部32および第2凸部33、34との接合方法としては、例えば、ロウ材により蝋付けしたり、接着剤により接着したり、溶接する方法等が挙げられる。
【0043】
本実施形態のダイレータ201によっても、第1実施形態のダイレータ1と同様に、屈曲部通過時の柔軟性および孔の十分な拡張径の得やすさの両立を図ることができる。
【0044】
<第4実施形態>
本開示の第4実施形態にかかるダイレータについて、図面を参照しつつ説明する。図4は、第4実施形態にかかるダイレータ301の概略的側面図である。図4において、先端チップ11側が体内に挿入される先端側(遠位側)、把持部41側が医師等の手技者によって操作される基端側(手元側、近位側)である。なお、本実施形態のダイレータ301において、第3実施形態のダイレータ201と同じ部材については同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0045】
ダイレータ301は、先端チップ11と、コアシャフト221と、螺旋状の凸部331と、把持部41とを備える。
【0046】
凸部331は、テーパ部、またはテーパ部およびストレート部の外周面上に設けられた部位である。凸部331は、長軸方向に沿って隣り合う部分に隙間を有している。凸部331は、具体的には、例えば、テーパ部やストレート部の外周面から半径方向外側に突出し、かつ長軸方向に連続または断続した一条または多条の突起部で構成することができる。本実施形態では、凸部331とコアシャフト221とが一体的に形成されている。凸部331は、テーパ部223に位置する第1凸部332と、第1、2ストレート部222、224に位置する第2凸部333、334とを有する。
【0047】
本実施形態においてコアシャフト221および凸部331を構成する材料は、ステンレス鋼、超弾性合金(ニッケル-チタン合金)などの金属材料等が挙げられる。凸部331は、コアシャフト221と鋳造等により一体に成型されている。第1凸部332に熱処理等を行うことにより、第1凸部332の剛性は、第2凸部333、334の剛性よりも低く構成されている。
【0048】
本実施形態のダイレータ301によっても、第1実施形態のダイレータ1と同様に、屈曲部通過時の柔軟性および孔の十分な拡張径の得やすさの両立を図ることができる。
【0049】
以上、本開示の実施形態について述べてきたが、上述した実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。上述した実施形態の構成のうちの一部を削除したり、他の構成に置換したりしてもよく、上述した実施形態の構成に他の構成を追加等してもよい。
【0050】
例えば、第3、4実施形態において、コアシャフト221は、第1ストレート部222を有していたが、第1ストレート部222を有さなくてもよい。この場合には、先端チップ11の基端にテーパ部223が接続される。
【0051】
また、上述した実施形態では、第1凸部32を構成する材料は、樹脂材料であり、第2凸部33、34を構成する材料は、金属材料であった。しかし、第1凸部32の剛性を、第2凸部33、34の剛性よりも低くできれば、第1凸部32を構成する材料および第2凸部33、34を構成する材料は、樹脂材料であってもよいし、金属材料であってもよい。また、第1凸部32、332の剛性を第2凸部33、34、333、334の剛性よりも低く構成した。しかし、第1凸部32、332の剛性を、第2凸部33、34、333、334の剛性よりも高く構成してもよい。当該構成を有するダイレータによれば、十分な拡張径を得ることができる。
【符号の説明】
【0052】
1、101、201、301:ダイレータ
21、121:コアシャフト
22、222:第1ストレート部
23、223:テーパ部
24、224:第2ストレート部
31、331:凸部
32、332:第1凸部
33、34、333、334:第2凸部

図1
図2
図3
図4