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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108430
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】原稿搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/04 20060101AFI20240805BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
B65H1/04 320A
B65H1/04 310A
H04N1/00 567C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012787
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】白鳥 由貴
【テーマコード(参考)】
3F343
5C062
【Fターム(参考)】
3F343FA03
3F343FB01
3F343FC12
3F343GA02
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA12
3F343HD02
3F343HE02
3F343HE11
3F343KB03
3F343KB17
3F343LA04
3F343LA13
3F343LC04
3F343LD12
5C062AA05
5C062AA31
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB10
5C062AB20
5C062AB30
5C062AB31
5C062AB32
5C062AB33
5C062AB35
5C062AC02
5C062AC11
5C062AC66
5C062AC68
5C062AC70
5C062AD02
5C062AD03
5C062AE01
5C062AE15
5C062AF10
(57)【要約】
【課題】異なる幅の原稿の斜行を抑制しながら給送することが出来る原稿搬送装置を提供する。
【解決手段】原稿を載置する給送トレイ110と、給送トレイ110に設けられ、給送トレイ110に対し原稿の幅方向に移動可能で、原稿の幅方向の端部を規制する一対の第1規制部材と、給送トレイ110に設けられ、給送トレイ110に対し原稿の幅方向に移動可能で、原稿の幅方向の端部を規制する一対の第2規制部材と、を備え、第1規制部材は第2規制部材に収容できることを特徴とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を載置する給送トレイと、
前記給送トレイに設けられ、前記給送トレイに対し前記原稿の幅方向に移動可能で、前記原稿の幅方向の端部を規制する一対の第1規制部材と、
前記給送トレイに設けられ、前記給送トレイに対し前記原稿の幅方向に移動可能で、前記原稿の幅方向の端部を規制する一対の第2規制部材と、を備え、
前記第1規制部材は前記第2規制部材に収容できることを特徴とする原稿搬送装置。
【請求項2】
前記第2規制部材は、前記第1規制部材の一部を収容するスペースを有することを特徴とする請求項1に記載の原稿搬送装置。
【請求項3】
前記第1規制部材が前記第2規制部材の前記スペースに収容された状態において、前記第1規制部の規制面と前記第2規制部の規制面が一致することを特徴とする請求項2に記載の原稿搬送装置。
【請求項4】
前記第1規制部材の可動範囲の前記給送トレイの原稿載置面は、前記第2規制部材の可動範囲の前記給送トレイの原稿載置面よりも凹部となっていることを特徴とする請求項1に記載の原稿搬送装置。
【請求項5】
第1規制部材の上面は、前記給送トレイの原稿載置面と同一平面上にあることを特徴とする請求項4に記載の原稿搬送装置。
【請求項6】
前記第1規制部材の原稿載置面は、凹部を持つことを特徴とする請求項4または5に記載の原稿搬送装置。
【請求項7】
前記第1規制部材は、前記第2規制部材の可動範囲の内側を移動することができることを特徴とする請求項1に規制の原稿搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を搬送する搬送装置に関し、特に原稿を搬送しながら画像を読み取る画像読取装置を含む。
【背景技術】
【0002】
複写機、スキャナ、プリンタ等において、複数枚の原稿を1枚ずつ搬送する機構を備えたものが知られている。例えば、スキャナでは小切手、ドキュメント等の原稿束が原稿台上に載置され、給紙機構によりこれを1枚ずつ分離して搬送しながら、原稿の画像を読み取る画像読取装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-53231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような原稿搬送装置において、複数の異なる幅の原稿を積載可能な給送トレイ(給紙台)が原稿搬送装置に設けられており、給送トレイは各原稿の幅方向をガイドして給送時に各原稿の斜行を抑制している。給送トレイの縁は、原稿載置面の下側から、ハガキ、B5縦の横幅、A4縦の横幅、そしてB4縦の横幅の順に、給送トレイの中心から左右均等寸法になるように振り分けて階段状に形成されていて、各原稿の幅方向をガイドしている。
【0005】
このような構成の場合、積載可能な原稿の幅を複数対応させるために、給送トレイの厚さが厚くなる。また、原稿は、最も下側に積載された小原稿から給紙され、給紙が進むと小原稿の載置スペースに、上側に積載された大原稿の搬送方向中央部がたるみ、原稿の幅がガイドされずに斜行が発生する課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記を鑑み、本発明に係る原稿搬送装置は、
原稿を載置する給送トレイと、
前記給送トレイに設けられ、前記給送トレイに対し前記原稿の幅方向に移動可能で、前記原稿の幅方向の端部を規制する一対の第1規制部材と、
前記給送トレイに設けられ、前記給送トレイに対し前記原稿の幅方向に移動可能で、前記原稿の幅方向の端部を規制する一対の第2規制部材と、を備え、
前記第1規制部材は前記第2規制部材に収容できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上述した本発明によれば、異なる幅の原稿の斜行を抑制しながら給送することが出来る原稿搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の概略図。
図2】本発明の第一実施形態に係る画像読取装置の他の上面図。
図3図1の画像読取装置の制御ユニットのブロック図。
図4】本発明の第一実施形態に係る画像読取装置の正面図。
図5】本発明の第一実施形態に係る画像読取装置の他の正面図。
図6】本発明の第一実施形態に係る画像読取装置の概略図。
図7】本発明の第一実施形態に係る画像読取装置の断面図。
図8】本発明の第一実施形態に係る画像読取装置の概略図。
図9】本発明の第一実施形態に係る画像読取装置の概略図。
図10】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の断面図。
図11】本発明の第一実施形態に係る画像読取装置の概略図。
図12】本発明の第一実施形態に係る画像読取装置の断面図。
図13】本発明の第一実施形態に係る画像読取装置の拡大図。
図14】本発明の第二実施形態に係る画像読取装置の概略図。
図15】本発明の第二実施形態に係る画像読取装置の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
図1は本発明の実施形態に係る画像読取装置Aの概略図である。図2は、本発明の実施形態に係る画像読取装置Aの排出トレイ2を収納した状態の上面図である。
【0010】
<装置の構成>
画像読取装置Aは、給送トレイ110に積載された一又は複数の搬送媒体Sを1つずつ装置内に経路RTにて搬送してその画像を読み取り、排出トレイ2に排出する装置である。読み取る搬送媒体Sは、例えば、OA紙、チェック、小切手、名刺、カード類等の原稿であり、厚手の原稿であっても、薄手の原稿であってもよい。カード類は、例えば、保険証、免許証、クレジットカード等を挙げることができる。搬送媒体Sには、パスポートなどの冊子も含まれる。冊子を読み取り対象とする場合、透明なホルダなどに収容し搬送する。
【0011】
給送トレイ110には、配置される搬送媒体Sの大きさに合わせて搬送方向に対して直交する方向にスライド可能に取り付けられたガイド部材112が設けられている。また、給送トレイ110の中央には、引き出して使用することのできる給紙延長トレイ113が設けられている。
【0012】
<給紙>
経路RTに沿って搬送媒体Sを給送する給送機構として、第1搬送部10が設けられている。第1搬送部10は本実施形態の場合、送りローラ11と、送りローラ11に対向配置される分離ローラ12と、を備え、給送トレイ110上の搬送媒体Sを搬送方向D1に一つずつ順次搬送する。送りローラ11には、モータ等の駆動部3から伝達部5を介して駆動力が伝達され、図中矢印方向(経路RTに沿って搬送媒体Sを搬送させる正方向)に回転駆動される。伝達部5は、例えば電磁クラッチであり、駆動部3からの送りローラ11への駆動力を断続する。
【0013】
<駆動部>
駆動部3と送りローラ11とを接続する伝達部5は、例えば、本実施形態では、通常時において駆動力が伝達される状態とし、搬送媒体Sを逆送または停止する場合には駆動力を遮断する。送りローラ11は伝達部5により駆動力の伝達が遮断されると、自由回転可能な状態となる。なお、このような伝達部5は、送りローラ11を一方向のみに駆動させる場合には設けなくてもよい。
【0014】
<分離構造>
送りローラ11に対向配置される分離ローラ12は、搬送媒体Sを1枚ずつ分離するためのローラであり、送りローラ11に対して一定圧で圧接している。この圧接状態を確保するため、分離ローラ12は揺動可能に設けると共に送りローラ11へ付勢されるように構成される。分離ローラ12は、トルクリミッタ12aを介して駆動部3から駆動力が伝達され、実線矢印方向(送りローラ11の正方向とは逆方向)に回転駆動される。
【0015】
分離ローラ12はトルクリミッタ12aにより駆動力伝達が規制されるため、送りローラ11と当接している際は送りローラ11に連れ回りする方向(破線矢印方向)に回転する。これにより、複数の搬送媒体Sが送りローラ11と分離ローラ12との圧接部に搬送されてきた際には、1つを残して2つ以上の搬送媒体Sが下流に搬送されないようにせき止められる。
【0016】
なお、本実施形態では分離ローラ12と送りローラ11とで分離機構を構成したが、このような分離機構は必ずしも設けなくてもよく、経路RTに搬送媒体Sを1つずつ順次給送する給送機構であればよい。また、分離機構を設ける場合においては、分離ローラ12のような構成の代わりに、搬送媒体Sに摩擦力を付与する分離パッドを送りローラ11に圧接させて、同様の分離作用を持たせるようにしてもよい。
【0017】
<搬送構造>
第1搬送部10の搬送方向下流側にある搬送機構としての第2搬送部20は、駆動ローラ21と、駆動ローラ21に従動する従動ローラ22とを備え、第1搬送部10から搬送されてきた搬送媒体Sをその下流側へ搬送する。駆動ローラ21にはモータ等の駆動部4から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。従動ローラ22は駆動ローラ21に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ21に連れ回る。この従動ローラ22は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ21に対して付勢された構成としてもよい。
【0018】
このような第2搬送部20よりも搬送方向下流側にある第3搬送部30は、駆動ローラ31と、駆動ローラ31に従動する従動ローラ32とを備え、第2搬送部20から搬送されてきた搬送媒体Sを排出トレイ2へ搬送する。つまり、この第3搬送部30は排出機構として機能する。
【0019】
駆動ローラ31にはモータ等の駆動部4から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。従動ローラ32は駆動ローラ31に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ31に連れ回る。この従動ローラ32は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ31に対して付勢された構成としてもよい。
【0020】
排出トレイ2は、画像読取装置Aに対して回動可能なように、画像読取装置Aの下方に設けられた第1ヒンジ101を介して軸支されている。また、第1ヒンジ101側の第1排出トレイ2aとその先端側に接続された第1延長トレイ2bから構成されている。第1延長トレイ2bは第1排出トレイ2aに対して摺動可能に支持されている。
【0021】
<画像読取構造、制御>
ここで、本実施形態の画像読取装置Aでは、第2搬送部20と第3搬送部30との間に配置される画像読取ユニット70によって画像の読み取りを行うため、第2搬送部20及び第3搬送部30は搬送媒体Sを定速搬送する。搬送速度は常に第1搬送部10の搬送速度以上とすることで、先行搬送媒体Sに後続搬送媒体Sが追いついてしまう事態を確実に回避できる。例えば、本実施形態では、第2搬送部20及び第3搬送部30による搬送媒体Sの搬送速度を、第1搬送部10による搬送媒体Sの搬送速度よりも速くなるように速度制御するようにした。
【0022】
なお、第2搬送部20及び第3搬送部30による搬送媒体Sの搬送速度と、第1搬送部10による搬送媒体Sの搬送速度とを同一条件とした場合でも、駆動部3を制御して後続搬送媒体Sの給送開始タイミングを間欠的にずらすことにより先行搬送媒体Sと後続搬送媒体Sとの間に最低限の間隔を形成することも可能である。
【0023】
<重送検出>
第1搬送部10と第2搬送部20との間に配置される重送検出センサ40は、静電気等で紙などの搬送媒体S同士が密着し、第1搬送部10を通過してきた場合、つまり重なって搬送される重送状態の場合に、原稿の挙動や状態を検出するセンサの一例である。重送検出センサ40としては、種々のものが利用可能であるが本実施形態の場合には超音波センサであり、超音波の発信部41とその受信部42とを備え、紙等の搬送媒体Sが重送されている場合と1つずつ搬送されている場合とで、搬送媒体Sを通過する超音波の減衰量が異なることを原理として重送を検出する。
【0024】
<レジストセンサ>
このような重送検出センサ40よりも搬送方向下流側に配置される媒体検出センサ50は第2搬送部20よりも上流側で、第1搬送部10よりも下流側に配置された搬送路RT上流側の原稿の挙動や状態を検出する検出センサとしての一例であり、第1搬送部10により搬送される搬送媒体Sの位置、詳細には、媒体検出センサ50の検出位置に搬送媒体Sの端部が到達又は通過したか否かを検出する。
【0025】
媒体検出センサ50としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合には光学センサであり、発光部51とその受光部52とを備え、搬送媒体Sの到達又は通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として搬送媒体Sを検出する。
【0026】
本実施形態の場合、搬送媒体Sの先端が媒体検出センサ50で検出された時点で、搬送媒体Sが重送検出センサ40により重送を検出可能な位置に到達しているように、上記の媒体検出センサ50は重送検出センサ40の近傍においてその下流側に設けられている。
【0027】
なお、この媒体検出センサ50は、上記の光学センサに限定されず、例えば、搬送媒体Sの端部が検知できるイメージセンサ等のセンサを用いてもよいし、経路RTに突出したレバー型のセンサでもよい。
【0028】
媒体検出センサ50とは別の媒体検出センサ60が画像読取ユニット70よりも上流側に配置されている。第2搬送部20よりも下流側に配置された下流側の検出センサとしての一例であり、第2搬送部20により搬送される搬送媒体Sの位置を検出する。
【0029】
媒体検出センサ60としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合、媒体検出センサ50と同様に光センサであり、発光部61と受光部62とを備え、搬送媒体Sの到達又は通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として搬送媒体Sを検出する。なお、本実施形態では、第2搬送部20の搬送方向上流側と下流側のそれぞれに媒体検出センサ50、60を配置したが、何れか一方だけでもよい。
【0030】
<CISの配置>
媒体検出センサ60よりも下流側にある画像読取ユニット70は、例えば、光学的に走査し、電気信号に変換して画像データとして読み取るものであり、内部にLED等の光源、イメージセンサ、レンズアレー等を備えている。本実施形態の場合、画像読取ユニット70は経路RTの両側に一つずつ配置されており、搬送媒体Sの表裏面を読み取る。しかし、経路RTの片側にのみ一つ配置して、搬送媒体Sの片面のみを読み取る構成としてもよい。また、本実施形態では、画像読取ユニット70を経路RTの両側に対向配置した構造としているが、例えば、経路RTの方向に間隔をあけて配置してもよい。
【0031】
<制御部>
図3を参照して制御部80について説明する。図3は画像読取装置Aの制御部80のブロック図である。
【0032】
制御部80はCPU81、記憶部82、操作部83、通信部84、アクチュエータ85、インターフェース部86、センサ87を備える。CPU81は記憶部82に記憶されたプログラムを実行することにより、画像読取装置A全体の制御を行う。記憶部82は例えばRAM、ROM等から構成される。操作部83は、例えば、スイッチやタッチパネル等で構成され、操作者からの操作を受け付ける。
【0033】
通信部84は、外部装置との情報通信を行うインターフェースである。外部装置としてPC(パソコン)を想定した場合、通信部84としては、例えば、USBインターフェースやSCSIインターフェースを挙げることができる。また、このような有線通信のインターフェースの他、通信部84は無線通信のインターフェースとしてもよく、有線通信、無線通信の双方のインターフェースを備えていてもよい。
【0034】
インターフェース部86はアクチュエータ85やセンサ87とのデータの入出力を行うI/Oインターフェースである。アクチュエータ85には、駆動部3、駆動部4、伝達部5等が含まれる。センサ87には、重送検出センサ40、媒体検出センサ50及び60、画像読取ユニット70等が含まれる。
【0035】
<PCからの開始指示受信による駆動>
画像読取装置Aの基本的な動作について説明する。制御部80は、例えば画像読取装置Aが接続された外部パソコンから画像読み取りの開始指示を受信すると、第1搬送部10乃至第3搬送部30の駆動を開始する。給送トレイ110に積載された搬送媒体Sはその最も下に位置する搬送媒体Sから1つずつ搬送される。
【0036】
また、後述するように、画像読取装置Aの操作部83に設けられたスタートキーによって画像の読み取りを開始し、その後画像読取の開始を外部パソコンに通知するようにしてもよい。
【0037】
<重送時の制御>
搬送の途中で搬送媒体Sは重送検出センサ40により重送の有無が判定され、重送が無いと判定されると搬送が継続される。なお、重送があると判定された場合には、搬送を停止するか、第1搬送部10による後続搬送媒体Sの取り込みを停止して、重送状態にある搬送媒体Sをそのまま排出するようにしてもよい。
【0038】
<レジストセンサの出力に応じた読取開始>
制御部80は、媒体検出センサ60の検出結果に基づくタイミングで、第2搬送部20により搬送されてきた搬送媒体Sの、画像読取ユニット70による画像の読み取りを開始し、読み取った画像を一次記憶して順次外部パソコンへ送信する。画像が読み取られた搬送媒体Sは第3搬送部30により排出トレイ2に排出されてその搬送媒体Sの画像読取処理が終了する。
【0039】
<表示パネルの構成>
図4は、本発明の一実施形態に係る画像読取装置Aの排出トレイ2を展開した状態の正面図である。より正確には、画像読取装置Aの正面側に傾斜して設けられた正面パネル90に対して垂直な方向から見た図であり、装置を載置した状態における正面よりもやや上方から見た状態の図である。
【0040】
正面上部の正面パネル90には表示パネル93が設けられ、その内部には操作部83の一例としての操作キー群122が設けられている。
【0041】
操作キー群122には、画像読取装置Aの動作を開始するためのスタートキー、ストップキーなどが設けられており、操作キー群122に隣接するようにして表示部94が設けられている。
【0042】
<排紙構造>
正面下部の下部パネル91には排出開口92が設けられており、第3搬送部30によって搬送された搬送媒体Sが排出される。
【0043】
図5は本発明の一実施形態に係る画像読取装置Aの排出トレイ2を収納した状態の正面図である。排出トレイ2は、画像読取装置Aに対して回動可能なように、画像読取装置Aの下方に設けられた第1ヒンジ101を介して軸支されており、第1排出トレイ2aによって本体前面を覆うように構成されている。
【0044】
第1排出トレイ2aは、第1ヒンジ101を支点として回動可能に画像読取装置Aの本体100に取り付けられている。第1排出トレイ2aは、正面パネル90と同サイズで形成され、図4に示すような排出トレイ2の収納状態において、第1ヒンジ101を支点として回動し、正面パネル90を覆うように折り畳まれる。排出トレイ2を正面パネル90側に折り畳んだ状態において、排出開口92は開放されており、搬送された搬送媒体Sの排出が可能となっている。
【0045】
<給送ガイド部材詳細>
図6は、本発明の第一実施形態に係る給送トレイ110の概要を示した図である。
【0046】
給送トレイ110上には、原稿載置面110p上の搬送方向に対し、幅方向に対称移動可能な第1規制部材111a、111bと、第2規制部材112a、112bが設けられている。第1規制部材111a、111bは一対の左右対称部材で、第2規制部材112a、112bも同様に一対の左右対称部材である。第1規制部材111a、111bをまとめて第1規制部材111と呼び、第2規制部材112a、112bをまとめて第2規制部材112と呼ぶ。
【0047】
第1規制部材111と第2規制部材112は、それぞれ給送トレイ110の幅方向の中心位置を基準にラックとピニオンギアで構成される連動機構を有している。第1規制部材111の111aと111bは、連動して幅方向に対称移動し、原稿幅に合わせて間隔を調整できるように構成される。第2規制部材112も同様に、112aと112bが連動して幅方向に対称移動し、原稿幅に合わせて間隔を調整できるように構成される。第1規制部材111と第2規制部材112はそれぞれ独立して移動させることができ、それぞれに好適な原稿幅に合わせて調節できる。
【0048】
また、第1規制部材111は第2規制部材112の可動範囲の内側、つまりは第2規制部材112aと第2規制部材112bの間を移動する。
【0049】
図7(a)は、図6に指示するA-A断面の全体図、図7(b)は給送トレイ110内部の拡大図である。
【0050】
第1規制部材111と第2規制部材112のラックとピニオンギアは、図7(b)に示すように重ねて配置される。第1規制部材111は上側のラック115aとピニオンギア114aを使用し、第2規制部材112は下側のラック115bとピニオンギア114bを使用する。
【0051】
第1規制部材111とラック115a、第2規制部材112とラック115bはそれぞれ不図示の取り付け部が設けられていて、図6に示す給送トレイ110のスライド溝110kを通って図6のように取付けられる。
【0052】
図8は、プラスチックカード等の小原稿S1を積載した時の様子で、図9図8のように小原稿S1を載置した上に大原稿S2を積載した時の様子である。第2規制部材112のほうが第1規制部材111よりも幅広の原稿を規制している。複数の異なる幅の原稿を積載する際は図8図9の手順で行う。
【0053】
図10は、図9に指示するB-B断面図である。
【0054】
第1規制部材111は給送トレイ110の原稿載置面110pから突出し、第1規制部材111の上面は、大原稿S2の積載面の一部を構成する。第1規制部材111の突出高さは、小原稿S1をガイドする最低限の高さ且つ、大原稿S2の給送を阻害しない高さとする。第1規制部材111の突出部の上面は、例えば、コロを設けたり、摩擦係数の低いシート等を貼ったりする手段により、給送ローラが大原稿S2を給送する時、大原稿S2と第1規制部材111の突出部の上面に生じる摩擦力を軽減することができ、より好適に給送出来る。
【0055】
図11に示すように、第2規制部材112aは第1規制部材111aを収容するスペースを持ち、第2規制部材112bも同様に不図示の第1規制部材111bを収容するスペースを持つ。同じ幅の原稿を積載する時、図11のように使用する。第2規制部材112は、原稿搬送装置が給送可能な最大積載枚数の厚みをガイド出来る十分な高さを持つ。
【0056】
図12は、図11に指示するC-C断面図の一部である。
【0057】
第1規制部材111aを第2規制部材112bに収容する時、第1規制部材111aの面111fと第2規制部材112aの面112fが突き当たることで、第1規制部材111aの規制面111kと、第2規制部材112aの規制面112kの位置が一致する。
【0058】
第2規制部材112bは上述した第2規制部材112aの対称形状で、同様に第1規制部材111bを第2規制部材112bに収容する時、第1規制部材111bの規制面と第2規制部材112bの規制面の位置が一致する。
【0059】
図13は、図11の第1規制部材111aと第2規制部材112aの拡大図である。
【0060】
第1規制部材111aの原稿載置面111pは凹部111hを持つ。第1規制部材111bも同様に不図示の凹部を持つ。
【0061】
前述の通り、第1規制部材111の突出部の高さは最小限の高さであるため、ユーザーが第1規制部材111の突出部を持って移動させるのは困難である。そのため、ユーザーは第1規制部材111を移動させる時は、凹部111hに指を置いて操作することで、第1規制部材111を良好に移動させることが出来る。
【0062】
第1規制部材111の原稿載置面111pに指掛けである凹部111hを付けるために、凹部111hを含む原稿載置面111pの幅は、原稿載置面111pと原稿載置面112pの間で段差ができて給送を妨げることが無いように、第2規制部材112の原稿載置面112pの幅と同等であることが好ましい。
【0063】
第1規制部材111と第2規制部材112の原稿載置面の幅は各規制部材の強度が保たれる程度であれば、より小さい方が望ましい。
【0064】
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、小原稿S1と大原稿S2のように異なる幅の原稿を給送する時、第1規制部材111は給送トレイ110の原稿載置面110pから突出しているため、大原稿S2が第1規制部材111の上面の一部に覆いかぶさるように載置される構成を示した。しかし、第1規制部材111が給送トレイの原稿載置面111pから突出せずに、小原稿S1と大原稿S2のように異なる幅の原稿を積載することも可能である。
【0065】
図14は第2実施形態の概略図を示す。
【0066】
第2実施形態でも、第1規制部材211は第2規制部材212の可動範囲の内側、つまりは第2規制部材212aと第2規制部材212bの間を移動する。
【0067】
第2実施形態では、給送トレイ210の原稿載置面210pは、第1規制部材211の可動範囲が凹部213となっている。また、第2規制部材212は第1規制部材211を収容する時、第1規制部材211の規制面と第2規制部材212の規制面の位置が一致する。
【0068】
図15は、図14に指示するD-D断面図である。
【0069】
第1規制部材211aの上面211tは給送トレイの原稿載置面210pと同一平面上にあり、大原稿S2の原稿載置面の一部となる。第1規制部材211bも同様である。
【0070】
第1規制部材211の上面211tが、給送トレイの原稿載置面210pと同一平面上にあることで上面211tと給送トレイの原稿載置面210pに段差ができにくく、大原稿S2の給送の阻害を防ぐことができる。
【0071】
また、第1規制部材211の上面211tは、第1規制部材211の高さが給送トレイの原稿載置面210pより高くなければ同一平面上でなくとも良い。その際、給送トレイの原稿載置面210pと上面211tの段差は大原稿S2の給送を阻害しない程度であり、第1規制部材211の高さは小原稿S1を載置しガイドできる最低限の高さであるとする。
【0072】
上記の実施例以外にも、例えば、大原稿S2が第1規制部材に覆いかぶさるように給送トレイ110に載置されているときに、移動させた第1規制部材と第1規制部材の間の距離が大きい場合、大原稿S2がたわんでしまい給送が阻害されるのを防ぐために、第1規制部材の可動量を制限するか固定することで第1規制部材を収納することなく大原稿S2の給送の阻害を防いでも良い。その際の第1規制部材の高さは大原稿S2の給紙の阻害を防ぐために、小原稿S1を載置できる程度により低い方が好ましい。
【0073】
なお、上記のように第1規制部材を第2規制部材に収容しない場合は、凹部111hのような指掛けはなくても良く、その際は、指掛けを含む第1規制部材111の原稿載置面111pにあたる原稿載置面は、強度が保たれれば実施例より小さい最低限の幅であるか、無くても良い。
【符号の説明】
【0074】
A 画像読取装置
S 搬送媒体
S1 大原稿
S2 小原稿
1 載置台
2 排出トレイ
2a 第1排出トレイ
2b 第1延長トレイ
3 駆動部
4 駆動部
5 伝達部
10 第1搬送部
11 送りローラ
12 分離ローラ
13 原稿ストッパー
20 第2搬送部
30 第3搬送部
70 画像読取ユニット
80 制御部
90 正面パネル
100 本体
101 第1ヒンジ
103 上部ユニット
104 下部ユニット
105 本体ヒンジ
106 カバー部材
110 給送トレイ

図1
図2
図3
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