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▶ 寺川 昌法の特許一覧

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  • 特開-インターネット通信装置 図1
  • 特開-インターネット通信装置 図2
  • 特開-インターネット通信装置 図3
  • 特開-インターネット通信装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108433
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】インターネット通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
H04M11/00 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012791
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】523034313
【氏名又は名称】寺川 昌法
(74)【代理人】
【識別番号】100195143
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 幸男
(72)【発明者】
【氏名】寺川 昌法
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201BC05
5K201DB02
5K201EA05
5K201EB02
5K201EB07
5K201EC08
5K201EE14
5K201EF04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】インフラ破壊時でもすぐに使用できるインターネット通信装置を提供する。
【解決手段】インターネット通信装置は、受給電のための蓄電池7、太陽電池モジュール8、エンジン発電機等のその他の外部電源へ接続するための外部電源接続インターフェイス9、固定回線によるインターネットアクセスか低軌道衛星コンステレーションによるアクセスかをすぐに切換えられるように、Wi-Fiルーター2、低軌道衛星コンステレーション用地上端末アンテナ3、パッケージ機器操作インターフェイス1等をパッケージにして可搬ボックスへ収容するか又は外面に取り付けておく。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受給電のための蓄電池、Wi-Fiルーター、外部電源接続インターフェイス、太陽電池モジュール、低軌道衛星コンステレーション用地上端末アンテナ、前記機器を操作するためのパッケージ機器操作インターフェイスをパッケージにしてフォークリフト又は玉掛けをしてクレーンで設置する可搬ボックスへ収容し、または一部機器は外面に取り付けて、前記パッケージ機器操作インターフェイスにより、前記端末アンテナ、低軌道衛星コンステレーションを介したインターネットへのアクセスか又はWi-Fiルーター、固定回線を介したインターネットへのアクセスかを選択するようにしたインターネット通信装置
【請求項2】
前記パッケージに充電スポットを接続すると共にWi-Fiルーターの利用者又
は充電スポットの利用者へ課金をして又は課金をせずに利用させるようにする
ための課金選択回路を接続した請求項1に記載したインターネット通信装置
【請求項3】
前記パッケージにネットワークカメラを接続した請求項1または2に記載し
たインターネット通信装置


















【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は平常時には固定回線を利用してインターネットにアクセスし、地震、水害、津波等の災害や戦乱等により電力網や前記固定回線が利用できなくなった場合には既存の電力網以外の電力を使用して、すぐに衛星を介してインターネットへアクセスして通信を確保するようにバックアップ機能をあらかじめパッケージ化したインターネット通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の発明は緊急災害時に平常時の通信回線が利用できなくなっても代替通信回線が確保でき、防災情報の伝達が確実にできるようにするためのものである。
そのために接続可能な少なくとも2以上の通信回線を備え、それらのうち1つを特定の通信回線として接続を確立して平常時の情報の伝達を行い、他の通信回線を緊急災害時に特定の通信回線の代替通信回線として接続を確立したままの状態を保持して情報の伝達を行うものである。
【0003】
特許文献2の発明は地震によって津波が発生した場合に小型の水門や防潮版の管理者へも即座に通報できる津波通報システムに関するもので、地震によって津波が発生した際に官公庁などからインターネット通信網を介して配信される各種防災情報を管理用コンピューターが取り込むと通報装置にて各管理者の所有する固定電話や携帯電話などへ自動的に通報を行うものである。
【0004】
特許文献3の発明は災害発生時に適切な災害情報を使用者に提供することが可能な防災ネットワークシステムに係るものである。
サーバーが通常時に端末からのインターネットによる通常情報要求に応答して端末に通常情報を送信する通常情報管理手段と災害発生時に端末と無線LANで接続する無線LAN接続手段と端末からの災害情報要求に応答して端末に災害情報を送信する防災情報管理手段を有するものである。
【0005】
特許文献4の発明は広域防災地域を想定する緊急通報手段の構築を行うものであり、外部防災等情報手段と優先受信する個人の所持する携帯通信情報端末と、緊急通報手段を防災管理する危機情報管理手段と緊急通報のための優先通信手段と緊急通報手段の公共報知手段により緊急優先通報手段を構築するものである。
【0006】
前記いずれの特許文献に記載の発明も本願発明の、災害等により電力網や固定回線が利用出来なくなった場合にはすぐに既存の電力網以外の電力を使用して、衛星を介してインターネットへアクセスするようにバックアップ機能をあらかじめパッケージ化したインターネット通信装置とは異なる。
なお、本明細書等で固定回線というときには衛星インターネットアクセスではなくて光回線、4G、5G回線等の既存の通信回線のことを言う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006-13789
【特許文献2】特開2005-250829
【特許文献3】特開2005-242438
【特許文献4】特開2005-174111
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
地震、水害、津波等の災害や戦乱によるインフラの破壊等でインターネット通信の固定回線が損傷を受けて使用できなくなると緊急対応に大いに不便であり、時には命の危険にまで係わってくることにもなる。
その際、急いで必要機器を集めて代替インターネット通信をしようとしても混乱の中で機器が集められなかったり、集めるのに多大な時間を要し緊急対応ができなくなる恐れもある。
そこで本発明においては平常時には利用料が安価な固定回線によるインターネットへのアクセスを利用し、電力網やインターネット通信の固定回線が使えなくなった時にはバックアップ体制を整えておいてすぐに既存の電力網以外から電力を得て代替インターネット通信を確保することをまず目的とする。
【0009】
更に被災等をしていない平常時にはインターネット通信装置を例えば有料で一般の利用に供して、投資をして装置を所有する者が収益を上げられるようにし、災害等の時には一般の人が例えば無料で利用できるようにするという選択ができるようにするという課題も解決しようとする。
【0010】
更にネットワークカメラを設けておいて、被災の状況をインターネットで関係者等へ知らせるようにしたいという課題また防犯という課題も解決しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
受給電のための蓄電池、太陽電池モジュール、Wi-Fi(登録商標、以下省略)ルーター、外部電源接続インターフェイス、低軌道衛星コンステレーション用地上端末アンテナ、前記諸機器を操作するための操作インターフェイスをパッケージにしてフォークリフト又は玉掛けをしてクレーンで設置する可搬ボックスへ収容し、または外面に取り付けて、前記操作インターフェイスにより、前記地上端末アンテナ、低軌道衛星コンステレーションを介したインターネットへのアクセスか又は前記Wi-Fiルーター、固定回線を介したインターネットへのアクセスかを選択するようにした。
なお、低軌道衛星コンステレーションとは特定の方式に基づく人工衛星の一群またはシステムのことあり、静止衛星よりも地球に近い距離に配置される。
【0012】
前記パッケージに充電スポットも接続してWi-Fiルーターの利用者又はスマホ等の充電のための充電スポットの利用者へ課金をして又は課金をせずに利用させるようにするための課金選択回路を接続してもよい。
前記パッケージにネットワークカメラを接続して、被災状況をインターネットを通して送信するようにしてもよい。またそれを防犯に役立ててもよい。
【発明の効果】
【0013】
災害や戦乱等でインフラが破壊されて電力網やインターネット通信の固定回線の機能が不全に陥ってもバックアップ体制を整えておくことにより、すぐに低軌道衛星コンステレーションの地上端末用アンテナを利用してインターネットへアクセスできる。また、津波避難タワーやビルの屋上等に設置しておけば津波に襲われても衛星コンステレーションを利用してインターネットへのアクセスを確保できる。
【0014】
また、インフラの破壊等により電力網が使用できなくなっても太陽電池モジュールを利用できるし、エンジン発電機等のその他の外部電源も利用できる。なお、常時低軌道衛星コンステレーションを使用してインターネットへアクセスをするのではなく、平常時には利用料の低い固定回線を利用してインターネットアクセスをし、インフラ破壊時に低軌道衛星コンステレーションを利用したインターネットへアクセスをすることにより維持費を大きく下げられる。
【0015】
更に低軌道衛星コンステレーションを利用したインターネットアクセスの場合、空が開けた場所でしか使用できないが固定回線を利用するインターネットへのアクセスの場合にはそれにこだわらずに使用に便利な場所で使用できる。
従って平常時には空が開けている場所にこだわらずに使用に便利な場所で使用し、災害時等には空が開けた場所へ容易に移動して使用するということができるので本インターネット通信装置の災害対策等用の装置としての効果は特に大きい。
【0016】
また、必要機器がパッケージ化されて可搬ボックスへ収容又は一部機器は外面に取り付けられているのでインフラの被害時に各種必要機器を調達して組み立て構成して、初めインターネットへアクセスできるようになるのではなく、すぐにインターネットを利用できる。従って災害時等に緊急にインターネットへアクセスする必要があるときには極めて効果が大きい。
【0017】
また、ネットワークカメラを、前記パッケージに接続することにより災害等の状況をインターネットを通して関係者等へ送信することにより災害等の状況を知らせて対策、救援をし易くすることもできる。更に防犯の効果もある。
前記ネットワークカメラは平常時にはもちろん機能するし、被災等によりインフラが破壊されても本インターネット通信装置のバックアップ機能により、ネットワークカメラの機能を果たす。
【0018】
更に前記可搬ボックスはトラック等で輸送してフォークリフト又は玉掛をしてクレーンで任意の場所に容易に設置できるので災害時に機動性が高く利用できる。また、前記可搬ボックスをトラックの荷台に設置した状態で使用してもよい。
【0019】
更に前記パッケージに課金選択回路を組み入れることによりWi-Fiルーターの利用者又は充電スポットの利用者への課金の有無を選択することができて、例えば災害時ではない平時には利用者へ課金して前記インターネット送受信装置の所有者は収益を上げ、災害時等には課金をしないで一般の利用に供するということもできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態のうち、使用機器をパッケージ化した状態を表す説明図である。更にパッケージにネットワークカメラが追加された実施形態も表している。
図2】本発明の一実施形態のうち、パッケージの使用機器を追加した状態を表す説明図である。
図3】外部電源からの電力供給の説明図である。
図4】本発明の実施のために使用する可搬ボックスの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。なお、実施形態は
以下のものに限定されるものではなく本発明の範囲内で実施形態を適宜変更し
得る。
【0022】
図1は本発明の一実施形態のうち、使用機器をパッケージ化した状態を表す説明図である。なお、本明細書他でパッケージというときは、特定の目的を達成するためにあらかじめひとまとまりにセットしたという意味である。
Wi-Fiルーター2、固定回線6を介してインターネット5へアクセスするか、低軌道衛星コンステレーション用の地上端末アンテナ3から衛星4を介してインターネット5へアクセスするかを選択する切換回路も有しているタッチパネル式のビジュアルインターフェイスであるパッケージ操作インターフェイス1で行う。パッケージ操作インターフェイス1はパッケージ内の機器を操作するための電子回路等からなっているものである。
平常時にはWi-Fiルーター2、固定回線6を介してインターネット5へアクセスし、電力網、固定回線6等のインフラが破壊された使用できなくなった災害時等にはバックアップ体制による外部電力を利用し、地上端末アンテナ3、衛星4を介してインターネット5ヘアクセスする。
また、他の実施形態としてネットワークカメラ21を前記パッケージに追加接続してある。
なお、図1図3において各機器を結ぶ線は各機器の関連を表す説明用の線である。
【0023】
電力は平常時には外部電源接続インターフェイス9を通して商用電源又は太陽電池モジュール8から供給される。
この際商用電源又は太陽電池モジュールから直接供給されてもよいし、蓄電池7を経て供給されてもよい。
後者であれば余剰電力は蓄電池に蓄電されるので蓄電池の充電が確保されパッケージシステムの電力冗長性が高まる。なお、後者の場合、外部電源と蓄電池7の間に蓄電コントローラーを入れて過充電を防止するようにすると良い。
なお、低軌道衛星コンステレーションの地上端末アンテナ3を有線LANで前記パッケージ機器に接続するか、もしくはパッケージを構成しているWi-Fiルーター2経由で接続する。
【0024】
図2図1に示した前記諸機器からなるパッケージへ充電インターフェイス
10,課金選択回路11及びスマホ等への充電スポット12を追加したもので
ある。
充電インターフェイス10はスマホ等を充電のために接続するコンセント等か
らなる。なお、図1に示した諸機器のうち一部の機器は記載を省略している。
Wi-Fiルーター2の利用者又は充電スポット12の利用者に課金するか否かは
課金選択回路11で選択可能である。非災害時には一般の利用者へ課金し、災害
時等には課金しないで利用に供するようにしてもよい。
課金選択回路11は課金するか否かを設定することができる電気回路から成る
ものである。パッケージ機器操作インターフェイス1に内蔵されていても
よい。
【0025】
図3図1に示した諸機器のパッケージへ諸外部電源の接続を追加する説明
図である。なお、図1に示した諸機器のうち一部の機器は記載を省略している。
外部電源接続インターフェイス9を介して当該電源が使えるか否かの状況に応
じて商用電源コンセント13、ポータブル電源15、エンジン発電機16、電気
自動車等用充電装置14に接続されて蓄電池7が充電される。
外部電源接続インターフェイス9は外部の電源へ接続するためのコンセント、
スイッチ等からなるものである。
なお、少なくとも商用電源は蓄電コントローラーを介して常時蓄電池7へ接続
しておくと良い。常に蓄電池7の充電量を確保してパッケージシステムの冗長
性を高めておくためである。なお、蓄電池コントローラーとは過充電にならない
ように充電のON、OFFのコントロールをするものである。
【0026】
図4は本発明に係るインターネット通信装置に利用する諸機器を収容する
可搬ボックスの説明図である。なお、一部機器は可搬ボックス17の外面に取り
付けてもよい。
平常時及び災害等の時に使用する諸機器がセットになっていてすぐに使用で
きるようにパッケージ化された状態で可搬ボックス17に収容されるか外面に
取り付けられる。太陽電池モジュール8、低軌道衛星コンスタレーション用地上
端末アンテナ3も設けられている。太陽電池モジュール8は必要に応じて複数
個使用される。太陽電池モジュールは可搬ボックス17の側面に取り付けても
よい。
【0027】
フォークリフト又はクレーンを使用して必要な場所に設置される。トラック等
の上に載せて使用してもよい。フォークリフトのフォーク用穴19が設けられ
ている。アイボルト20を使用して玉掛をしてクレーンが使用されることもあ
る。ドア18が設けられていて内部に置かれた諸機器に対する作業ができる。
更にネットワークカメラ21が取り付けられている状態も表している。
なお、前記可搬ボックス17の大きさは限定されないが例えば一辺が1.8m位
の立方体である。
【0028】
なお、本発明に係るインターネット送受信装置との関連で地震センサー、水位
センサー、防災スピーカー、サーチライトを設けてもよい。本インターネット送
受信装置の所有者、管理者が地震の状況、水害の状況を早急に知ることができ、
また、防災スピーカーにより地域の人たちへ災害の状況を直接連絡できるし、サ
-チライトによって被災者の位置を知らせて救助を求めることもできるからで
ある。
また、外部の太陽電池モジュールと接続できるようにインターフェイスを設け
て再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社(小売り電気事業者)が一定期
間固定価格で買い取ることを国が約束する制度であるFIT制度を利用して平
時は余剰電力を売電して収益化してもよい。
【0029】
また、本件のインターネット送受信装置は災害時等だけでなく山や離島等の
僻地であって既存の電力網を利用できずまた既存の固定回線よりなる通信イン
フラが利用できない場合でもインターネットへアクセスできる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明に係るインターネット送受信装置は産業的に生産されるものであるし、
災害時等に産業活動を維持することにも貢献し得るので産業上の利用性は高い。
【符号の説明】
【0031】
1 パッケージ機器操作インターフェイス
2 Wi-Fiルーター
3 低軌道衛星コンステレーション用地上端末アンテナ
4 衛星
5 インターネット
6 固定回線
7 蓄電池
8 太陽電池モジュール
9 外部電源接続インターフェイス
10 充電インターフェイス
11 課金選択回路
12 充電スポット
13 商用電源コンセント
14 電気自動車等用充電装置
15 ポータブル電源
16 エンジン発電機
17 可搬ボックス
18 可搬ボックスドア
19 フォークリフト用フォーク穴
20 アイボルト
21 ネットワークカメラ






















図1
図2
図3
図4