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特開2024-108441スタッドタイヤ用モールドの製造方法およびそのモールド並びにスタッドタイヤの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108441
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】スタッドタイヤ用モールドの製造方法およびそのモールド並びにスタッドタイヤの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/02 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
B29C33/02
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012815
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】長岡 拓弥
【テーマコード(参考)】
4F202
【Fターム(参考)】
4F202AH20
4F202CA21
4F202CU01
4F202CU14
(57)【要約】
【課題】各モールドピンをトレッド成形面に精度よく設計仕様どおりに突設できるモールドの製造方法およびこのモールド並びにスタッドタイヤの製造方法を提供する。
【解決手段】各モールドピン5の長手方向の中途に設けたフランジ部7の底面側をモールドピン5の軸方向に対して直交する平坦面7bに形成し、そのモールドピン5の突出先端6bと平坦面7bとの軸方向長さを予め決定した所定長さLに設定し、トレッド成形面2の各ピン穴3の周辺領域をそのピン穴3の深さ方向に対して直交する平坦面4の凸状または凹状に形成して、各モールドピン5を、対応するピン穴3に挿入して平坦面7b、4どうしを突合せることによりトレッド成形面2に突設してモールド1を製造し、このモールド1を使用してグリーンタイヤGTを加硫して製造したベースタイヤBTの設置穴13にスタッドピン15を打込んでスタッドタイヤSTを製造する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド成形面に多数のピン穴を形成し、それぞれの前記ピン穴にモールドピンを挿入することでそれぞれの前記モールドピンを前記トレッド成形面に突設するスタッドタイヤ用モールドの製造方法において、
それぞれの前記モールドピンの長手方向の中途にフランジ部を設けて、前記フランジ部の底面側を前記モールドピンの軸方向に対して直交する平坦面に形成するとともにそのモールドピンの突出先端と前記平坦面との前記軸方向長さを予め決定した所定長さに設定し、前記トレッド成形面のそれぞれの前記ピン穴の周辺領域をそのピン穴の深さ方向に対して直交する平坦面の凸状または凹状に形成し、それぞれの前記モールドピンを、対応する前記ピン穴に挿入してそのモールドピンの前記フランジ部の底面側の前記平坦面とそのピン穴の周辺領域の前記平坦面とを突合せることにより前記トレッド成形面に突設するスタッドタイヤ用モールドの製造方法。
【請求項2】
マスタ型からゴム型、石膏型、前記モールドに順次、その表面の形状を転写することにより前記モールドに前記トレッド成形面を形成し、前記マスタ型、前記ゴム型および前記石膏型の表面にそれぞれの前記ピン穴の周辺領域の前記平坦面に対応する平坦面形成部を設けておく請求項1に記載のスタッドタイヤ用モールドの製造方法。
【請求項3】
それぞれの前記ピン穴の周辺領域の前記平坦面の平面視形状を、それぞれの前記ピン穴の前記トレド成形面での配置に応じて設定して、前記トレッド成形面に平面視形状が異なる複数種類の前記平坦面を形成する請求項1または2に記載のスタッドタイヤ用モールドの製造方法。
【請求項4】
トレッド成形面に形成されている多数のピン穴のそれぞれにモールドピンが挿入されて前記トレッド成形面に突設されているスタッドタイヤ用モールドにおいて、
それぞれの前記モールドピンの長手方向の中途のフランジ部の底面側が前記モールドピンの軸方向に対して直交する平坦面に形成されていて、そのモールドピンの突出先端と前記平坦面との前記軸方向長さが予め決定した所定長さに設定されていて、前記トレッド成形面のそれぞれの前記ピン穴の周辺領域がそのピン穴の深さ方向に対して直交する平坦面の凸状または凹状に形成されていて、それぞれの前記モールドピンが、対応する前記ピン穴に挿入されてそのモールドピンの前記フランジ部の底面側の前記平坦面とそのピン穴の周辺領域の前記平坦面とを突合せた状態で前記トレッド成形面に突設されているスタッドタイヤ用モールド。
【請求項5】
請求項1または2に記載のスタッドタイヤ用モールドの製造方法により製造されたモールドを用いてグリーンタイヤを加硫することでベースタイヤを製造して、前記モールドの前記トレッド成形面に突設されたそれぞれの前記モールドピンにより、前記ベースタイヤのトレッド面に設置穴を形成し、前記トレッド面の所定位置に形成されたそれぞれの前記設置穴にスタッドピンを打込むスタッドタイヤの製造方法。
【請求項6】
請求項3に記載のスタッドタイヤ用モールドの製造方法により製造されたモールドを用いてグリーンタイヤを加硫することでベースタイヤを製造して、前記モールドの前記トレッド成形面に突設されたそれぞれの前記モールドピンにより、前記ベースタイヤのトレッド面に設置穴を形成し、前記トレッド面の所定位置に形成されたそれぞれの前記設置穴にスタッドピンを打込むスタッドタイヤの製造方法。
【請求項7】
前記モールドのそれぞれの前記モールドピンが挿入されている前記ピン穴の周辺領域の前記平坦面、または、そのモールドピンの前記フランジ部の底面側の前記平坦面に対して平行に形成した前記フランジ部の表面を基準にして、それぞれの前記モールドピンの前記トレッド成形面に対する突出高さおよび突出方向を測定し、その測定結果が予め設定された許容範囲内である前記モールドを前記グリーンタイヤの加硫に使用して前記ベースタイヤを製造する請求項5に記載のスタッドタイヤの製造方法。
【請求項8】
前記モールドのそれぞれの前記モールドピンが挿入されている前記ピン穴の周辺領域の前記平坦面、または、そのモールドピンの前記フランジ部の底面側の前記平坦面に対して平行に形成した前記フランジ部の表面を基準にして、それぞれの前記モールドピンの前記トレッド成形面に対する突出高さおよび突出方向を測定し、その測定結果が予め設定された許容範囲内である前記モールドを前記グリーンタイヤの加硫に使用して前記ベースタイヤを製造する請求項6に記載のスタッドタイヤの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタッドタイヤ用モールドの製造方法およびそのモールド並びにスタッドタイヤの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スタッドタイヤを製造するには、スタッドピンが打込まれる設置穴がトレッド面に多数形成されたベースタイヤが必要になる。このベースタイヤを製造するための加硫用モールドには、そのトレッド成形面に設置穴を形成するためのモールドピンが多数突設される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このモールドのトレッド成形面にそれぞれのモールドピンが設計仕様どおりに突設されていないと、ベースタイヤには規格どおりに設置穴が形成されない。これ伴って、このベースタイヤを用いて製造されるスタッドタイヤでは、それぞれのスタッドピンを規定どおりに打ち込むには不利になる。したがって、それぞれのスタッドピンが規格どおりに打ち込まれた高品質のスタッドタイヤを製造するには、トレッド成形面にそれぞれのモールドピンが設計仕様どおりの位置、突出高さおよび突出向きで突設されていることが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭58-119403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
モールドのトレッド成形面は、タイヤ幅方向およびタイヤ周方向に湾曲している曲面である。そのため、トレッド成形面に対してそれぞれのモールドピンが挿入されるピン穴を精度よく設計仕様どおりの位置に形成できても、それぞれのピン穴にモールドピンを精度よく設計仕様どおりの突出高さおよび突出向きで突設することは難しい。それ故、それぞれのモールドピンをトレッド成形面に設計仕様どおりに突設するには改善の余地がある。
【0006】
そこで本発明の目的は、それぞれのモールドピンをトレッド成形面に精度よく設計仕様どおりに突設できるスタッドタイヤ用モールドの製造方法およびそのモールド並びにそのモールドを使用したスタッドタイヤの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明のスタッドタイヤ用モールドの製造方法は、トレッド成形面に多数のピン穴を形成し、それぞれの前記ピン穴にモールドピンを挿入することでそれぞれの前記モールドピンを前記トレッド成形面に突設するスタッドタイヤ用モールドの製造方法において、それぞれの前記モールドピンの長手方向の中途にフランジ部を設けて、前記フランジ部の底面側を前記モールドピンの軸方向に対して直交する平坦面に形成するとともにそのモールドピンの突出先端と前記平坦面との前記軸方向長さを予め決定した所定長さに設定し、前記トレッド成形面のそれぞれの前記ピン穴の周辺領域をそのピン穴の深さ方向に対して直交する平坦面の凸状または凹状に形成し、それぞれの前記モールドピンを、対応する前記ピン穴に挿入してそのモールドピンの前記フランジ部の底面側の前記平坦面とそのピン穴の周辺領域の前記平坦面とを突合せることにより前記トレッド成形面に突設することを特徴とする。
【0008】
本発明のスタッドタイヤ用モールドは、トレッド成形面に形成されている多数のピン穴のそれぞれにモールドピンが挿入されて前記トレッド成形面に突設されているスタッドタイヤ用モールドにおいて、それぞれの前記モールドピンの長手方向の中途のフランジ部の底面側が前記モールドピンの軸方向に対して直交する平坦面に形成されていて、そのモールドピンの突出先端と前記平坦面との前記軸方向長さが予め決定した所定長さに設定されていて、前記トレッド成形面のそれぞれの前記ピン穴の周辺領域がそのピン穴の深さ方向に対して直交する平坦面の凸状または凹状に形成されていて、それぞれの前記モールドピンが、対応する前記ピン穴に挿入されてそのモールドピンの前記フランジ部の底面側の前記平坦面とそのピン穴の周辺領域の前記平坦面とを突合せた状態で前記トレッド成形面に突設されていることを特徴とする。
【0009】
本発明のスタッドタイヤの製造方法は、上記のスタッドタイヤ用モールドの製造方法により製造されたモールドを用いてグリーンタイヤを加硫することでベースタイヤを製造して、前記モールドの前記トレッド成形面に突設されたそれぞれの前記モールドピンにより、前記ベースタイヤのトレッド面に設置穴を形成し、前記トレッド面の所定位置に形成されたそれぞれの前記設置穴にスタッドピンを打込むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のスタッドタイヤ用モールドの製造方法によれば、前記モールドピンの長手方向の中途に設けた前記フランジ部の底面側の平坦面と、前記ピン穴の周辺領域の前記平坦面とを突合せた状態にして、それぞれの前記モールドピンを前記トレッド成形面に突設することで、それぞれの前記モールドピンの前記トレッド成形面からの突出方向を挿入した前記ピン穴の深さ方向と同じ方向に設定できる。それぞれの前記ピン穴を機械加工することでその位置および深さ方向は、精度よく所望どおりにできるので、それぞれの前記モールドピンの位置および突出方向を設計仕様どおりにするには有利になる。また、前記モールドピンが挿入されているそれぞれのピン穴の周辺領域の前記平坦面からそのモールドピンの突出先端までの高さは予め決定された所定長さになる。そして、それぞれの前記ピン穴の周辺領域の前記平坦面とその位置での前記トレッド成形面との上下差は、それぞれの前記ピン穴の周辺領域の前記平坦面を公知の手法で精度よく所望どおりにできるので、それぞれの前記モールドピンの前記トレッド成形面からの突出高さを設計仕様どおりにするには有利になる。したがって、それぞれの前記モールドピンを設計仕様どおりに精度よくトレッド成形面に突設することが可能になる。
【0011】
本発明のスタッドタイヤ用モールドによれば、それぞれの前記モールドピンが設計仕様どおりに精度よくトレッド成形面に突設された状態になる。
【0012】
本発明のスタッドタイヤの製造方法によれば、それぞれの前記モールドピンが設計仕様どおりに精度よくトレッド成形面に突設されている前記モールドを用いてグリーンタイヤを加硫してベースタイヤを製造するので、前記ベースタイヤのトレッド面には、それぞれの前記モールドピンによって、規格どおりの位置、深さおよび深さ方向で設置穴が形成され易くなる。その結果、前記ベースタイヤの前記トレッド面の所定位置に形成されたそれぞれの前記設置穴にスタッドピンを打込むことにより、それぞれのスタッドピンが規格どおりに打ち込まれた高品質のスタッドタイヤを製造するには有利になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】スタッドタイヤ用モールドの実施形態をタイヤ縦断面視で例示する説明図である。
図2図1のモールドをタイヤ横断面視で例示する説明図である。
図3図1のモールドのトレッド成形面を平面視で例示する説明図である。
図4図1の一部拡大図である。
図5図4の平面図である。
図6図4のモールドピンを挿入する前のトレッド成形面を例示する説明図である。
図7図6の平面図である。
図8図6のピン穴にモールドピンを挿入する工程を例示する説明図である。
図9図1のモールドを製造する工程を模式的に例示する説明図である。
図10】モールドの別の実施形態を一部拡大してタイヤ横断面視で例示する説明図である。
図11図10の平面図である。
図12図10のモールドピンを挿入する前のトレッド成形面を例示する説明図である。
図13図12の平面図である。
図14図12のピン穴にモールドピンを挿入する工程を例示する説明図である。
図15図1に例示したモールドを用いてグリーンタイヤを加硫して製造されたベースタイヤのトレッド面をタイヤ縦断面視で例示する説明図である。
図16図15のベースタイヤを用いて製造されるスタッドタイヤのトレッド面をタイヤ縦断面視で例示する説明図である。
図17図16のトレッド面を平面視で例示する説明図である。
図18図10に例示したモールドを用いてグリーンタイヤを加硫して製造されたベースタイヤのトレッド面をタイヤ縦断面視で例示する説明図である。
図19図18のベースタイヤを用いて製造されるスタッドタイヤのトレッド面をタイヤ縦断面視で例示する説明図である。
図20】別のスタッドタイヤのトレッド面を平面視で例示する説明図である。
図21図4のモールドピンの突設状態を測定する工程を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、スタッドタイヤ用モールドの製造方法およびそのモールド並びにそのモールドを使用したスタッドタイヤの製造方法を、図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0015】
図1図5に例示するスタッドタイヤ用モールド1(以下、モールド1という)の実施形態は、いわゆるセクショナルタイプのセクタモールドである。タイヤの加硫工程では、複数のモールド1を組み付けて円環状にして、この円環状に組み付けた一群のモールド1を一対の円環状のサイドモールドにより挟んだ状態にして型閉めする。型締めした一群のモールド1の中では、後述するようにグリーンタイヤGTが加硫されることによりベースタイヤBTが製造される。
【0016】
モールド1はセクショナルタイプに限定されず、いわゆる上下二分割タイプでもよい。図中の矢印W、Cはそれぞれ、製造されるスタッドタイヤST(ベースタイヤBT)の幅方向、周方向を示している。尚、図面ではモールド1に形成されているタイヤ溝形成突起は省略している。スタッドタイヤST(ベースタイヤBT)に形成されているタイヤ溝も図示を省略する。
【0017】
モールド1はトレッド成形面2を有している。トレッド成形面2は、図2に例示するようにタイヤ幅方向Wでは幅方向中央部から両端部に向かって緩やか湾曲していて、図1に例示するようにタイヤ周方向Cでは円弧状に湾曲していて、製造されるタイヤ仕様に応じた曲面になっている。トレッド成形面2には多数のピン穴3が所定位置に形成されている。
【0018】
図5図6に例示するように、それぞれのピン穴3はその設置位置でトレッド成形面2に対して直交する方向に延在している。即ち、ピン穴3の深さ方向は、そのピン穴3の平面視中心軸3zの位置でのトレッド成形面2に対して直交する方向(法線方向)になっている。
【0019】
トレッド成形面2のそれぞれのピン穴3の周辺領域は、そのピン穴3の深さ方向に対して直交する平坦面4(4a)に形成されている。この実施形態では、平坦面4はトレッド成形面2から突出した凸状の平坦面4aになっている。この平坦面4(4a)は例えば、ピン穴3の平面視中心軸3zを中心にして後述するフランジ部7の直径の50%超100%以下を半径にした円の内側領域である。このピン穴3の平面視中心軸3zの位置でのトレッド成形面2と平坦面4aとの上下差t(平坦面4aの最大高さt)は例えば0.01mm~0.3mmである。
【0020】
この実施形態では、平坦面4aの平面視の外形は円形であるが、その他の形状(例えば楕円形、三角形、四角形などの多角形)にすることもできる。或いは、これら外形の内部に切欠きや模様を付すなどによって平坦面4aの平面視形状は種々の形状にすることができる。
【0021】
それぞれのピン穴3には、モールドピン5が挿入されることでトレッド成形面2に突設されている。即ち、図6図7に例示するピン穴3に、図8に例示するようにモールドピン5が挿入されることにより、図4に例示するようにモールドピン5がトレッド成形面2に突設される。
【0022】
図8に例示するように直線状のモールドピン5は、その長手方向の中途にピン軸径よりも外周側に突出したフランジ部7を有している。フランジ部7に対してモールドピン5の長手方向一方側はフランジ部7も含めて突出部分6になっていて、モールドピン5の長手方向他方側は埋入部分8になっている。突出部分6の先端部は拡径した頭部6aになっていて、頭部6aの先端が突出先端6bである。
【0023】
フランジ部7の底面側は、モールドピン5の軸方向に対して直交する平坦面7bに形成されている。また、この実施形態では、フランジ部7の表面7aは平坦面7bと平行な平坦面になっている。突出先端6bは、モールドピン5の軸方向に対して直交する平坦面になっている(平坦面を有している)。突出先端6bと平坦面7bとの軸方向長さは予め決定した所定長さLに設定されている。
【0024】
モールド1のトレッド成形面2では、フランジ部7を含む突出部分6はピン穴3から突出していて、埋入部分8はピン穴3に埋入されている。詳述すると、対応するピン穴3に挿入されているそれぞれのモールドピン5は、そのフランジ部7の平坦面7bとそのピン穴3の周辺領域の平坦面4aとを突合せた状態でトレッド成形面2に突設されている。
【0025】
図4に例示するようにこの実施形態では、それぞれのモールドピン5のトレッド成形面2からの突出高さHは、ピン穴3の平面視中心軸3zの位置でのトレッド成形面2と平坦面4aとの上下差t(平坦面4aの最大高さt)を、突出先端6bと平坦面7bとの軸方向長さL(予め決定した所定長さ)に加えた値(H=L+t)になる。また、それぞれのモールドピン5の突出方向は、挿入したピン穴3の深さ方向と同じ方向になる。
【0026】
次に、図1図5に例示したモールド1を製造する手順の一例を説明する。
【0027】
モールド1のトレッド成形面2の所定位置に機械加工によってピン穴3を形成する。これにより、トレッド成形面2に多数のピン穴3を形成する。トレッド成形面2のそれぞれのピン穴3の周辺領域をそのピン穴3の深さ方向に対して直交する平坦面4aに形成する。この平坦面4aも機械加工によって形成するとよい。
【0028】
また、それぞれのモールドピン5の長手方向の中途にフランジ部7を設けて、フランジ部7の底面側をモールドピン5の軸方向に対して直交する平坦面7bに形成する。さらに、モールドピン5の突出先端6bと平坦面7bとの軸方向長さを予め決定した所定長さLに設定しておく。それぞれのモールドピン5は機械加工によって上述した仕様に仕上げておく。
【0029】
次いで、図8に例示するように、それぞれのモールドピン5を、対応するピン穴3に挿入して、図4図5に例示するように、そのモールドピン5のフランジ部7の平坦面7bとそのピン穴3の周辺領域の平坦面4aとを突合せることによりトレッド成形面2に突設する。それぞれのモールドピン5を、ピン穴3に挿入する作業は手作業で行うこともできるが、ロボットアームなどの公知の制御機器によって行うとよい。
【0030】
このトレッド成形面2は、図9(A)~(D)に例示するように、マスタ型9からゴム型10、石膏型11、モールド1に順次、その表面の形状を転写することで形成することができる。詳述すると、図9(A)に例示するように、製造するベースタイヤBTのトレッド面12と同じ形状の表面9aを有するマスタ型9を公知の方法で製造する。次いで、このマスタ型9の表面9aにゴムを流し込んで固化させてゴム型10を製造する。この表面9aでマスタ型9とゴム型10とを分離させると、図9(B)に例示するように、ゴム型10の表面10aにはマスタ型9の表面9aが転写されている。次いで、ゴム型10の表面10aに石膏を流し込んで固化させて石膏型11を製造する。この表面10aでゴム型10と石膏型11とを分離させると、図9(C)に例示するように、石膏型11の表面11aにはゴム型10の表面10aが転写されている。次いで、石膏型11の表面11aに溶融金属を流し込んで固化させてモールド1を製造する。この表面11aで石膏型11とモールド1とを分離させると、図9(D)に例示するように、モールド1の表面には石膏型11の表面11aが転写されたトレッド成形面2が形成される。
【0031】
図9に例示するようにしてトレッド成形面2を形成する場合は、マスタ型9、ゴム型10および石膏型11の表面9a、10a、11aにそれぞれのピン穴3の周辺領域の平坦面4aに対応する平坦面形成部9b、10b、11bを設けておくとよい。これにより、最終的にトレッド成形面2を形成した時に、平坦面4aを同時に形成することができる。形成した平坦面4aには必要に応じて機械加工によって設計仕様どおりに仕上げる。トレッド成形面2に凸状の平坦面4aを形成する場合は、平坦面形成部9b、11bは凹状の平坦面形状になり、平坦面形成部10bは凸状の平坦面形状になる。
【0032】
図10図11に例示するモールド1の実施形態は、トレッド成形面2に対して窪ませた凹状の平坦面4bを有している。このモールド1は、図1図5に例示するモールド1では平坦面4が凸状の平坦面4aであるのに対して、凹状の平坦面4bであることだけが図1図5に例示するモールド1との相違点である。
【0033】
図12図13に例示するピン穴3に、図14に例示するようにモールドピン5が挿入されることにより、図10に例示するようにモールドピン5がトレッド成形面2に突設されている。ピン穴3の平面視中心軸3zの位置でのトレッド成形面2と平坦面4bとの上下差t(平坦面4bの最小深さt)は例えば0.01mm~0.3mmである。
【0034】
このモールド1では、それぞれのモールドピン5のトレッド成形面2からの突出高さHは、ピン穴3の平面視中心軸3zの位置でのトレッド成形面2と平坦面4bとの上下差t(平坦面4bの最小深さt)を、突出先端6bと平坦面7bとの軸方向長さL(予め決定した所定長さ)から差し引いた値(H=L―t)になる。それぞれのモールドピン5の突出方向は、挿入したピン穴3の深さ方向と同じ方向である。
【0035】
このモールド1を製造する手順は、図1図5に例示したモールド1と同様であり、凸状の平坦面4aを凹状の平坦面4aにするだけが相違点である。図9に例示した同様の手順によってこのモールド1のトレッド成形面2を形成することもできる。尚、この実施形態のようにトレッド成形面2に凹状の平坦面4bを形成する場合は、図9の平坦面形成部9b、11bは凸状の平坦面形状になり、平坦面形成部10bは凹状の平坦面形状になる。
【0036】
既述したモールド1の製造方法によれば、それぞれのモールドピン5を、フランジ部7の底面側の平坦面7bと、ピン穴3の周辺領域の平坦面4(4a、4b)とを突合せた状態にしてトレッド成形面2に突設することで、トレッド成形面2からの突出方向を挿入したピン穴の深さ方向と同じ方向に設定できる。そして、それぞれのピン穴3を機械加工することでその位置および深さ方向は、精度よく所望どおりにできるので、それぞれのモールドピン5の位置および突出方向を設計仕様どおりにするには有利になる。
【0037】
また、モールドピン5が挿入されているピン穴3の周辺領域の平坦面4(4a、4b)からそのモールドピン5の突出先端6bまでの高さは予め決定された所定長さLである。ピン穴3の周辺領域の平坦面4(4a、4b)とその位置でのトレッド成形面2との上下差tは、その平坦面4(4a、4b)を、図9に例示したマスタ型9の表面9aをモールド1のトレッド成形面2に転写する手法や機械加工などの公知の手法で精度よく所望どおりにできる。それ故、それぞれのモールドピン5のトレッド成形面2からの突出高さHを設計仕様どおりにするには有利になる。
【0038】
その結果、それぞれのモールドピン5を設計仕様どおりに精度よくトレッド成形面2に突設することが可能になる。即ち、既述したモールド1では、トレッド成形面2側の平坦面4(4a、4b)と、モールドピン5側の平坦面7bとを突き合せる構造にすることで、それぞれのモールドピン5が設計仕様どおりに精度よくトレッド成形面2に突設された状態になる。
【0039】
次に、図1図5に例示したモールド1を用いて、スタッドタイヤSTを製造する手順の一例を説明する。
【0040】
まず、公知の方法でグリーンタイヤGTを成形し、次いで、図1図5に例示したモールド1を用いてグリーンタイヤGを公知の方法で加硫する。この加硫工程では、グリーンタイヤGTが型締めされたモールド1の中で型付けされて図15に例示するベースタイヤBTが製造される。このベースタイヤBTのトレッド面12には、それぞれのモールドピン5によって設置穴13が形成される。トレッド面12のそれぞれの設置穴13の周辺領域には、モールド1の平坦面4aが転写された平坦面14bが形成される。この実施形態ではモールド1に凸状の平坦面4aが形成されているので、トレッド面12には凹状の平坦面14bが形成される。
【0041】
次いで、図16に例示するように、トレッド面12の所定位置に形成されたそれぞれの設置穴13にスタッドピン15を、公知の打込み装置によって打込むことにより、図16図17に例示するスタッドタイヤSTを製造する。スタッドピン15は、頭部15aとフランジ状の根元部15bとを有し、頭部15aの上面には突起15cが上方に突出している。頭部15aと根元部15bとはより細径の連結体によって連結されている。スタッドピン15は図示した仕様に限定されず、所望の種々の仕様にすることができる。このスタッドピン15では突起15cが直方体であるが様々な形状の突起15cを採用することができる。
【0042】
打込みが完了したスタッドピン15は、根元部15bが設置穴13に埋入され、頭部15aがトレッド面12に露出し、突起部15cがトレッド面12から外側に突出した状態になっている。予め設定された仕様のスタッドピン15がそれぞれの設置穴13に対して予め設定された打込み状態で打込まれることで所望仕様のスタッドタイヤSTになる。
【0043】
図17に例示するように、このスタッドタイヤSTでは、トレッド面12のスタッドピン15の周辺領域は、モールド1の平坦面4aに起因して凹状の平坦面14bが形成されている。この平坦面14bは、スタッドピン15の頭部15aの外縁よりも外周側に延在しているので、スタッドタイヤSTのトレッド面12を目視すると平坦面14bの形状(外形)を把握することができる。
【0044】
図10図11に例示したモールド1を用いて、スタッドタイヤSTを製造する手順は、図1図5に例示したモールド1を用いる場合と同様である。図10図11に例示したモールド1は、トレッド成形面2に凹状の平坦面4bを有している。そのため、図18に例示するベースタイヤBTが製造される。このベースタイヤBTでは、トレッド面12の設置穴13の周辺領域には凸状の平坦面14aが形成される。次いで、図19に例示するように、トレッド面12の所定位置に形成されたそれぞれの設置穴13にスタッドピン15を、公知の打込み装置によって打込むことによりスタッドタイヤSTが製造される。図19に例示するスタッドタイヤSTでは、トレッド面12のスタッドピン15の周辺領域は、凸状の平坦面14aが形成されている。この平坦面14aは、スタッドピン15の頭部15aの外縁よりも外周側に延在しているので、スタッドタイヤSTのトレッド面12を目視すると平坦面14aの形状(外形)を把握することができる。
【0045】
既述したスタッドタイヤSTの製造方法によれば、既述したモールド1を用いてグリーンタイヤGTを加硫してベースタイヤBTを製造するので、ベースタイヤBTのトレッド面12には、それぞれのモールドピン5によって、規格どおりの位置、深さおよび深さ方向で設置穴13が形成され易くなる。その結果、ベースタイヤBTのトレッド面12の所定位置に形成されたそれぞれの設置穴13にスタッドピン15を打込むことにより、それぞれのスタッドピン15が規格どおりに打ち込まれた高品質のスタッドタイヤSTを製造するには有利になる。
【0046】
図17に例示したスタッドタイヤSTでは、それぞれのスタッドピン15は、同じ仕様、かつ、同じ打ち込み状態であるが、1本のスタッドタイヤSTに対して、仕様が異なる複数種類(例えば二種類)のスタッドピン15が使用されることもある。或いは、1本のスタッドタイヤSTに対して、一種類のスタッドピン15を異なる打込み状態で打込んで、打込み状態を複数種類(例えば二種類)に異ならせたスタッドピン15を混在させることもある。
【0047】
図20に例示するスタッドタイヤSTのトレッド面12には、同じ仕様のスタッドピン15が突設されているが、突起15cの向きが異なっている。即ち、一方のスタッドピン15(図20では右上に配置されている)の突起15cはタイヤ周方向Cに対して左側に角度dで傾斜していて、このスタッドピン15のトレッド面12の周辺領域は、平面視で単純な円形の平坦面14bになっている。他方のスタッドピン15(図20では左下に配置されている)の突起15cは右側に角度dで傾斜していて、このスタッドピン15のトレッド面12の周辺領域は、平面視で単純な円形の平坦面14bに円形模様が付されていて二重円形の平坦面14bになっている。この円形模様は、モールド1の平坦面4aを加工しておくことで、グリーンタイヤGTを加硫してベースタイヤBTを製造した時に形成できる。
【0048】
図20に例示するように、打込まれるスタッドピン15の仕様や打ち込み状態の違いに応じて、それぞれのスタッドピン15が打込まれる設置穴13の周辺領域の平坦面14bの平面視の形状を異ならせて、スタッドピン15の仕様や打ち込み状態と、設置穴13の周辺領域の平坦面14bの平面視の形状とを関連付けることもできる。即ち、設置穴13の周辺領域の平坦面14bの平面視形状がA形状の場合は、その設置穴13に打込むスタッドピン15はA仕様、或いは、A打ち込み状態に設定し、平坦面14bの平面視形状がB形状の場合は、その設置穴13に打込むスタッドピン15はB仕様、或いは、B打ち込み状態に設定する。このように関連付けることで、所定の仕様や打ち込み状態のスタッドピン15が、適正な設置穴13に打込まれているか否かを、スタッドタイヤSTのトレッド面12を目視することで確認できるメリットがある。
【0049】
このようなスタッドタイヤSTを製造するモールド1では、それぞれのピン穴3の周辺領域の平坦面4の平面視形状を、それぞれのピン穴3のトレッド成形面2での配置に応じて設定し、モールド1に平面視形状が異なる複数種類の平坦面4を形成すればよい。このようなモールド1を製造することで、図20に例示するスタッドタイヤSTを製造することが可能になる。
【0050】
グリーンタイヤGTの加硫には、トレッド成形面2の所定位置に突設されているそれぞれのモールドピン5の突出高さHおよび突出方向が、予め設定された許容範囲内になっているモールド1を使用する。そこで、それぞれのモールド1に対して、モールドピン5の突出高さHおよび突出方向を測定する。
【0051】
図21に例示するように、上述したモールド1では、それぞれのモールドピン5のトレッド成形面2に対する突出高さHおよび突出方向を、それぞれのピン穴3の周辺領域の平坦面4(4a)、または、この平坦面4(4a)に対して平行に形成したそれぞれのモールドピン5のフランジ部7の表面7aを基準にして測定する。例えば、平坦面4aを基準にする場合は、レーザセンサなどの公知の非接触タイプの測定機16から平坦面4aまでの上下距離x2と突起先端6bまでの上下距離x1とを測定して、上下距離x2から上下距離x1を差引くことで平坦面4aから突起先端6bまでの高さLを測定する。凸状の平坦面4aとトレッド成形面2との上下差tは、平坦面4aを形成する際に予め把握されているので、この上下差tを高さLの測定値に加えることで突起高さHを算出する。この算出した突起高さHが許容範囲か否かを判断する。
【0052】
フランジ部7の表面7aを基準する場合は、測定機16から表面7aまでを上下距離x2として測定する。フランジ部7の高さ(厚み)は、フランジ部7を形成する際に予め把握されているので、測定した上下距離x2にこのフランジ部7の高さを加えた値が高さLの測定値になる。この高さLの測定値に上下差tを加えることで突起高さHを算出する。
【0053】
モールドピン5の突出方向は、ピン穴3の深さ方向(平面視中心軸3Zの軸方向)と実質的に同じと見做すことができる。そして、トレッド成形面2に対するピン穴3の深さ方向はピン穴3を形成する際に把握されている。そこで、平坦面4aを基準にする場合は、測定機16により平坦面4aの離間した2点のそれぞれについて測定機16との上下距離x2を測定し、その測定値とその2点の離間距離とによって、ピン穴3の深さ方向(平面視中心軸3Zの軸方向)に対する平坦面4aの傾斜角度を突出角度として算出する。表面7aを基準にする場合も同様にして、ピン穴3の深さ方向(平面視中心軸3Zの軸方向)に対する平坦面4aの傾斜角度を突出角度として算出する。この算出した突起角度が許容範囲か否かを判断する。
【0054】
このように平坦面4a、7aを基準にすることで、簡潔に精度よく突起高さHおよび突出方向を把握するには有利になる。そして、それぞれのモールドピン5の突起高さHおよび突出方向の測定結果が、予め設定された許容範囲内であるモールド1をグリーンタイヤGTの加硫に使用してベースタイヤBTを製造する。尚、図10図11に例示した凹状の平坦面4bを有するモールド1でも、図21に例示した方法と同様に、平坦面4(4b)、または、この平坦面4(4b)に対して平行に形成したそれぞれのモールドピン5のフランジ部7の表面7aを基準にして、それぞれのモールドピン5のトレッド成形面2に対する突出高さHおよび突出方向を測定すればよい。
【符号の説明】
【0055】
1 モールド
2 トレッド成形面
3 ピン穴
4(4a、4b) 平坦面
5 モールドピン
6 突出部分
6a 頭部
6b 突出先端
7 フランジ部
7a 表面
7b 底面側の平坦面
8 埋入部分
9 マスタ型
9a 表面
9b 平坦面形成部
10 ゴム型
10a 表面
10b 平坦面形成部
11 石膏型
11a 表面
11b 平坦面形成部
12 トレッド面
13 設置穴
14(14a、14b) 平坦面
15 スタッドピン
15a 頭部
15b 根元部
15c 突起
16 測定機
GT グリーンタイヤ
BT ベースタイヤ
ST スタッドタイヤ
図1
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