(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108443
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】認知行動療法の代理受診提示システム、プログラム及び方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/70 20180101AFI20240805BHJP
【FI】
G16H20/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012817
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】519255414
【氏名又は名称】ライフツービッツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117514
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敦朗
(72)【発明者】
【氏名】片山 崇
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】認知行動療法における認知行動療法の自己観察記録を行うモチベーションを維持させる。
【解決手段】連続する複数の連載コンテンツを進行させるイベント処理を記述したシナリオに従って、連載コンテンツの提供を順次進行させる分析部332と、連載コンテンツの一つとして精神療法又は心理療法に関するレッスンを進行させる生体情報取得部143と、発生した外的要因に対するクライエントの行動に関する行動的情報と当該外的要因に対するクライエントの認知に関する認知的情報とを当該クライエントの操作に基づいて記録する生体情報取得部143と、外的要因に対するクライエントの行動及び認知との相関を特徴付ける特徴キーワードを抽出する相関特徴分析部147とを備え、分析部332は、ワークモードが所定回数実行されるごとにレッスンモードを順次進行させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライエントに対する認知行動療法を、当該クライエントに成り代わって受診してみせる認知行動療法の代理受診提示システムであって、
外的要因の発生記録情報と、当該外的要因に対するクライエントの行動及び認知を自動思考情報として記録する自動思考記録部と、
前記発生記録情報及び自動思考情報に含まれるキーワードを特徴キーワードとして抽出するとともに、発生記録情報と抽出された特徴キーワードとの相関を因果関係データとして記録する因果関係解析部と、
前記因果関係データに含まれる前記特徴キーワード、及び前記因果関係データに従って、ユーザーからの問いかけ、及びその問いかけに対する回答を対話形式に文章化したクローン受診データとして生成し、前記クライエントに提示するクローン対応処理部と
を備えることを特徴とする認知行動療法の代理受診提示システム。
【請求項2】
各クライエントの前記発生記録情報及び前記自動思考情報とを関連付けて観察データとして蓄積する統計データ蓄積部と、
前記統計データ蓄積部に蓄積された観察データを、前記発生記録情報及び前記自動思考情報の相関パターンである事前学習モデルに従って分類した感情データを生成する感情生成部と、
特定のクライエントの自動思考情報と、前記感情データとを比較し、それらの一致度から当該クライアントの自動思考情報を分類するとともに、当該分類に係る感情データからの乖離率を算出する比較判定部と
をさらに備え、
前記因果関係解析部は、前記乖離率の算出に供された前記発生記録情報及び感情データに含まれるキーワードを特徴キーワードとして抽出するとともに、抽出された特徴キーワードを前記比較判定部が算出した前記乖離率に応じて重み付けをし、その重み付の度数に基づいて特徴キーワードを因果関係データとして記録する機能を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の認知行動療法の代理受診提示システム。
【請求項3】
前記因果関係データに含まれる前記特徴キーワード、前記乖離率を前記重み付に従って、ユーザーに問いかけとして文章化したコメントを生成してクライエントに提示するフィードバック処理部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の認知行動療法の代理受診提示システム。
【請求項4】
クライエントに対する認知行動療法を、当該クライエントに成り代わって受診してみせる認知行動療法の代理受診提示プログラムであって、コンピューターに、
外的要因の発生記録情報と、当該外的要因に対するクライエントの行動及び認知を自動思考情報として記録する自動思考記録部と、
前記発生記録情報及び自動思考情報に含まれるキーワードを特徴キーワードとして抽出するとともに、発生記録情報と抽出された特徴キーワードとの相関を因果関係データとして記録する因果関係解析部と、
前記因果関係データに含まれる前記特徴キーワード、及び前記因果関係データに従って、ユーザーからの問いかけ、及びその問いかけに対する回答を対話形式に文章化したクローン受診データとして生成し、前記クライエントに提示するクローン対応処理部として
機能させることを特徴とする認知行動療法の代理受診提示プログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
各クライエントの前記発生記録情報及び前記自動思考情報とを関連付けて観察データとして蓄積する統計データ蓄積部と、
前記統計データ蓄積部に蓄積された観察データを、前記発生記録情報及び前記自動思考情報の相関パターンである事前学習モデルに従って分類した感情データを生成する感情生成部と、
特定のクライエントの自動思考情報と、前記感情データとを比較し、それらの一致度から当該クライアントの自動思考情報を分類するとともに、当該分類に係る感情データからの乖離率を算出する比較判定部として
さらに機能させ、
前記因果関係解析部は、前記乖離率の算出に供された前記発生記録情報及び感情データに含まれるキーワードを特徴キーワードとして抽出するとともに、抽出された特徴キーワードを前記比較判定部が算出した前記乖離率に応じて重み付けをし、その重み付の度数に基づいて特徴キーワードを因果関係データとして記録する機能を有している
ことを特徴とする請求項4に記載の認知行動療法の代理受診提示プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、前記因果関係データに含まれる前記特徴キーワード、前記乖離率を前記重み付に従って、ユーザーに問いかけとして文章化したコメントを生成してクライエントに提示するフィードバック処理部としてさらに機能させることを特徴とする請求項5に記載の代理受診提示プログラム。
【請求項7】
クライエントに対する認知行動療法を、当該クライエントに成り代わって受診してみせる認知行動療法の代理受診提示方法であって、
外的要因の発生記録情報と、当該外的要因に対するクライエントの行動及び認知を自動思考情報としてコンピュータの自動思考記録部が記録する自動思考記録ステップと、
前記発生記録情報及び自動思考情報に含まれるキーワードを特徴キーワードとして抽出するとともに、発生記録情報と抽出された特徴キーワードとの相関を因果関係データとして、コンピュータの因果関係解析部が記録する因果関係解析ステップと、
コンピュータのクローン対応処理部が、前記因果関係データに含まれる前記特徴キーワード、及び前記因果関係データに従って、ユーザーからの問いかけ、及びその問いかけに対する回答を対話形式に文章化したクローン受診データとして生成し、前記クライエントに提示するクローン対応処理ステップと
を含むことを特徴とする認知行動療法の代理受診提示方法。
【請求項8】
各クライエントの前記発生記録情報及び前記自動思考情報とを関連付けて観察データとして統計データ蓄積部が蓄積する統計データ蓄積ステップと、
前記統計データ蓄積部に蓄積された観察データを、コンピュータの感情生成部が、前記発生記録情報及び前記自動思考情報の相関パターンである事前学習モデルに従って分類した感情データを生成する感情生成ステップと、
コンピュータの比較判定部が、特定のクライエントの自動思考情報と、前記感情データとを比較し、それらの一致度から当該クライアントの自動思考情報を分類するとともに、当該分類に係る感情データからの乖離率を算出する比較判定ステップと
をさらに含み、
前記因果関係解析部は、前記乖離率の算出に供された前記発生記録情報及び感情データに含まれるキーワードを特徴キーワードとして抽出するとともに、抽出された特徴キーワードを前記比較判定部が算出した前記乖離率に応じて重み付けをし、その重み付の度数に基づいて特徴キーワードを因果関係データとして記録する機能を有している
ことを特徴とする請求項7に記載の認知行動療法の代理受診提示方法。
【請求項9】
コンピュータのフィードバック処理部が、前記因果関係データに含まれる前記特徴キーワード、前記乖離率を前記重み付に従って、ユーザーに問いかけとして文章化したコメントを生成してクライエントに提示するフィードバック処理ステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の認知行動療法の代理受診提示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認知行動療法や行動療法等の精神療法又は心理療法において自己観察記録を行うにあたり、クライエントの思考パターンを分析し学習し、クライエント自身に成り代わったクローンAIを応用した認知行動療法の代理受診提示システム、プログラム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、認知行動療法や行動療法等の精神療法又は心理療法で用いられるマネジメント技法としてセルフモニタリング(自己観察)が提唱されている。このセルフモニタリングによれば自分の行動や出来事を記録することで目的の行動を強化したり、自身のやる気を上げる等の効果が期待できる(特許文献1参照)。
【0003】
ここで認知行動療法(CBT:Cognitive Behavioral Therapy)とは、学習理論に基づく行動療法的な技法と、認知療法或いは論理療法を基にする認知的アプローチとを用いて系統的に問題行動や症状を改善する科学的な治療法である。認知行動療法の治療では、問題や症状をクライエント自身がセルフケアできるようになることを目指し、治療者とクライエントが問題を共有し、お互いに共同で治療的な目標設定を、行い問題を解決してゆく。
【0004】
ところで、このセルフモニタリングでは、クライエント自身が、自分の行動や出来事を記録するとともに、その行動や出来事に対して思ったことや考えたこと、気づいたことを「自動思考」として記録する認知行動療法・認知再構成的な手法も提唱されている。この自動思考を記録する手法では、クライエント自身によって入力された「自動思考」、即ちクライエント自身の「考え」の文章のうち、どのような語に着目して感情を推定したかなど、自動思考と感情推定との因果関係を提示することにより、クライエントに気付きを促すフィードバックを行う。これにより、クライエント自身が考えるきっかけを与えることができ、十分に心的効果が期待できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したセルフモニタリングでは、クライエント自身によって入力された「自動思考=考え」といった文章に基づいて、自動思考と感情推定との因果関係を提示して、クライエントに気付きを促したりするものであるが、クライエント自身による自動思考に基づく感情推定であることから、クライエントにとっては主観的すぎて、却って自身に対する気づきや考えに至り難くなる可能性があった。
【0007】
そこで、この発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、認知行動療法において、クライエント自身に対する受診を、クライエントのクローンに代理させることにより、客観的に自身を見つめるきっかけを与えることのできる認知行動療法の代理受診提示システム、プログラム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、クライエントに対する認知行動療法を、当該クライエントに成り代わって受診してみせる認知行動療法の代理受診提示システムであって、
外的要因の発生記録情報と、当該外的要因に対するクライエントの行動及び認知を自動思考情報として記録する自動思考記録部と、
前記発生記録情報及び自動思考情報に含まれるキーワードを特徴キーワードとして抽出するとともに、発生記録情報と抽出された特徴キーワードとの相関を因果関係データとして記録する因果関係解析部と、
前記因果関係データに含まれる前記特徴キーワード、及び前記因果関係データに従って、ユーザーからの問いかけ、及びその問いかけに対する回答を対話形式に文章化したクローン受診データとして生成し、前記クライエントに提示するクローン対応処理部と
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、クライエントに対する認知行動療法を、当該クライエントに成り代わって受診してみせる認知行動療法の代理受診提示方法であって、
(1) 外的要因の発生記録情報と、当該外的要因に対するクライエントの行動及び認知を自動思考情報としてコンピュータの自動思考記録部が記録する自動思考記録ステップと、
(2) 前記発生記録情報及び自動思考情報に含まれるキーワードを特徴キーワードとして抽出するとともに、発生記録情報と抽出された特徴キーワードとの相関を因果関係データとして、コンピュータの因果関係解析部が記録する因果関係解析ステップと、
(3) コンピュータのクローン対応処理部が、前記因果関係データに含まれる前記特徴キーワード、及び前記因果関係データに従って、ユーザーからの問いかけ、及びその問いかけに対する回答を対話形式に文章化したクローン受診データとして生成し、前記クライエントに提示するクローン対応処理ステップと
を含むことを特徴とする。
【0010】
上記発明では、各クライエントの前記発生記録情報及び前記自動思考情報とを関連付けて観察データとして蓄積する統計データ蓄積部と、
前記統計データ蓄積部に蓄積された観察データを、前記発生記録情報及び前記自動思考情報の相関パターンである事前学習モデルに従って分類した感情データを生成する感情生成部と、
特定のクライエントの自動思考情報と、前記感情データとを比較し、それらの一致度から当該クライアントの自動思考情報を分類するとともに、当該分類に係る感情データからの乖離率を算出する比較判定部と
をさらに備え、
前記因果関係解析部は、前記乖離率の算出に供された前記発生記録情報及び感情データに含まれるキーワードを特徴キーワードとして抽出するとともに、抽出された特徴キーワードを前記比較判定部が算出した前記乖離率に応じて重み付けをし、その重み付の度数に基づいて特徴キーワードを因果関係データとして記録する機能を有していることが好ましい。
【0011】
上記発明では、前記因果関係データに含まれる前記特徴キーワード、前記乖離率を前記重み付に従って、ユーザーに問いかけとして文章化したコメントを生成してクライエントに提示するフィードバック処理部をさらに備えることが好ましい。
【0012】
なお、上述した本発明に係るシステムや方法は、所定の言語で記述された本発明のプログラムをコンピューター上で実行することにより実現することができる。すなわち、本発明のプログラムを、携帯端末装置やスマートフォン、ウェアラブル端末、モバイルPCその他の情報処理端末、パーソナルコンピューターやサーバーコンピューター等の汎用コンピューターのICチップ、メモリ装置にインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能を有するシステムを構築したり、本発明に係る方法を実施したりすることができる。
【0013】
また、本発明のプログラムは、例えば、通信回線を通じて配布することが可能であり、また、コンピューターで読み取り可能な記録媒体に記録することにより、スタンドアローンの計算機上で動作するパッケージアプリケーションとして譲渡することができる。この記録媒体として、具体的には、フレキシブルディスクやカセットテープ等の磁気記録媒体、若しくはCD-ROMやDVD-ROM等の光ディスクの他、RAMカードなど、種々の記録媒体に記録することができる。そして、このプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体によれば、汎用のコンピューターや専用コンピューターを用いて、上述したシステム及び方法を簡便に実施することが可能となるとともに、プログラムの保存、運搬及びインストールを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
以上述べたように、本発明によれば、認知行動療法におけるセルフモニタリング(自己観察)において、クライエント自身に対する受診を、クライエントのクローンに代理させることにより、客観的に自身を見つめるきっかけを与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態に係る認知行動療法的フィードバックシステムSの全体構成を概念的に示す説明図である。
【
図2】実施の形態に係る管理サーバー3の内部構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態に係る管理サーバー3内の分析部の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態に係る管理サーバー3内のフィードバック処理部の構成を示すブロック図である。
【
図5】実施形態に係るクライエント用のスマートフォン1の内部構成を示すブロック図である。
【
図6】実施形態に係る認知行動療法的フィードバックシステムの全体動作を示すフロー図である。
【
図7】実施形態に係る認知行動療法的フィードバックシステムのフィードバック実行時(セルフカウンセリングモード)における動作を示すフロー図である。
【
図8】実施形態に係る認知行動療法的フィードバックシステムのフィードバック実行時(クローン対応モード)における動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る認知行動療法的フィードバックシステム、方法及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、本発明は、上記した各実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0017】
(認知行動療法的フィードバックシステムの全体構成)
図1は、本実施形態に係る認知行動療法的フィードバックシステムの全体構成を示す概念図である。本発明の代理受診提示システム及び代理受診提示方法、プログラムは、認知行動療法的フィードバックシステムのクローン対応処理部として実装されている。 本実施形態に係る認知行動療法的フィードバックシステムは、複数のクライエントCL(CLa~c)に対して認知行動療法的なフィードバックを行う認知行動療法を実施するためのシステムであり、
図1に示すように、各クライエントCLが使用するスマートフォン1(1a~c)と、インターネット2上に設置された管理サーバー3とから概略構成される。なお、本実施形態ではスマートフォン1を情報処理端末装置の一例として説明するが、情報処理端末装置であれば、パーソナルコンピューターやタブレットPCなどを用いることができる。
【0018】
また、本発明に係る認知行動療法的フィードバックシステムや方法は、所定の言語で記述された本発明のプログラムをコンピューター上で実行することにより実現することができる。本実施形態では、本発明の認知行動療法的フィードバックプログラムを、スマートフォン1(1a~c)及び管理サーバー3のCPU上で実行することにより、本発明の認知行動療法的フィードバックシステムを構築することができる。
【0019】
管理サーバー3は、本実施形態では、認知行動療法の進行処理を行うサーバーであり、単一のサーバー装置、又は複数のサーバー装置群により実現することができ、ソフトウエアを実行することで複数の機能モジュールをCPU上に仮想的に構築し、それぞれの機能モジュールが協動して処理を実行する。また、この管理サーバー3は、通信機能によりインターネット2を通じて、データ送受信を行うことができるとともに、Webサーバー機能によりブラウザソフトを通じてWebページの提示などを行うことができる。
【0020】
スマートフォン1(1a,1b)は、無線通信を利用した携帯可能な情報処理端末装置であり、無線基地局22等の中継点と携帯電話機が無線で通信し、通話やデータ通信等の通信サービスを移動しつつ受けることができる。この携帯電話機の通信方式としては、例えば、3G(3rd. Generation)方式、LTE(Long Term Evolution)方式、5G方式等が挙げられる。また、このスマートフォン1は、通信機能の他、デジタルカメラ機能、アプリケーションソフトの実行機能、GPS(Global Positioning System)などによる位置情報取得機能等、種々の機能が搭載され、このような情報処理端末装置としては、タブレットPC等のモバイルコンピューターの他、スマートウォッチ、スマートスピーカーなどのIoT端末も含まれる。
【0021】
また、このスマートフォン1は、情報を表示する表示部としての液晶ディスプレイを備えるとともに、ユーザーが入力操作を行うための操作ボタン等の操作デバイスを備え、この操作デバイスとしては、液晶ディスプレイに重畳されて配置され、液晶ディスプレイ上の座標位置を指定するタッチ操作などによる操作信号を取得する入力部としてのタッチパネルが含まれる。具体的にこのタッチパネルは、ユーザーの指先やペンなどを用いたタッチ操作による圧力や静電検知その他によって操作信号を入力する入力デバイスであり、グラフィックを表示する液晶ディスプレイと、この液晶ディスプレイに表示されたグラフィックの座標位置に対応した操作信号を受け付けるタッチセンサとが重畳されて構成されている。
【0022】
そして、本実施形態では、クライエントCL(CLa~c)がスマートフォン1(1a~c)を使用する。クライエントCL側のスマートフォン1はクライエント用のアプリケーションがインストールされてクライエント専用端末として機能するようになっている。なお、保護者等によりクライエントCLに対する心療を監視する場合は、保護者用のスマートフォンにおいて保護者用のアプリケーションを実行する。保護者用のアプリケーションとしては、クライエント用アプリケーションからのアラートを受信してその内容を閲覧する機能などが備えられており、例えば、アラートを受信し閲覧するための専用アプリケーションのほか、電子メールアプリケーションや、ブラウザアプリケーション、メッセージアプリケーションなどの通信用のアプリケーションが備えられている。
【0023】
(各装置の内部構造)
次いで、上述した認知行動療法的フィードバックシステムを構成する各装置の内部構造について説明する。
図2~
図4は、本実施形態に係る管理サーバー3の内部構成を示すブロック図であり、
図5は、本実施形態に係るスマートフォン1の内部構成を示すブロック図である。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0024】
(1)管理サーバー
先ず、管理サーバー3の内部構成について説明する。管理サーバー3は、インターネット2上に配置されたサーバー装置であり、インターネット2を通じて、各スマートフォン1とデータの送受信を行えるようになっている。具体的に、管理サーバー3は、インターネット2を通じてデータ通信を行う通信インターフェース31と、利用者や利用者端末の権限を認証する認証部32と、認知行動療法全体の進行処理を実行する認知行動療法実行部33及びフィードバック処理部34と、各クライエントに対して各種コンテンツデータを配信する情報配信部36と、課金処理部37と、種々のデータベース群35(35a~35d)を備えている。
【0025】
データベース群35としては、人工知能の学習結果を蓄積するAI学習データベース35aと、クライエントやその保護者等の利用者に関する情報を蓄積するユーザーデータベース35bと、認知行動療法に関するワークモード中に実行されるワークシートや、レッスンモードで配信される連載コンテンツ、レッスン進行処理に関するシナリオデータ等を蓄積する認知行動療法データベース35cと、各クライエントごとのモニタリングに関するデータを蓄積する統計データベース35dとが含まれる。これらの各データベースとしては、単一のデータベースとしてもよく、複数のデータベースに分割し、相互にリレーションを設定することで各データ同士を紐付けたリレーショナルデータベースとすることができる。
【0026】
認知行動療法データベース35cは、レッスンモードで使用される精神療法又は心理療法に関する教材や動画など連続する複数の連載コンテンツを蓄積する記憶装置である。また、この認知行動療法データベース35cには、シナリオデータやワークシートなどのデータが記憶されている。
【0027】
ユーザーデータベース35bに蓄積される情報としては、クライエントや保護者等を識別する識別情報、或いはクライエントが使用している携帯端末装置を特定する識別子(ユーザーID、端末ID)と、パスワード等とを紐付けた認証情報が含まれ、ユーザーIDに紐付けられた利用者の個人情報や、端末装置の機種なども含まれる。また、ユーザーデータベース35bには、利用者ごと或いは利用者端末ごとの認証履歴(アクセス履歴)や、認知行動療法データベース35cとのリレーションによりクライエントごとのレッスン・ワーク進行に関する観察結果、ステイタス、ポイント、利用履歴等の他、決済情報等も蓄積される。
【0028】
統計データベース35dは、主として、各クライエントの発生記録情報及び自動思考情報とを関連付けて観察データとして蓄積する統計データ蓄積部である。この統計データベース35dに蓄積される情報は、ワークシートを通じて、多数のクライエントから収集した自己観察記録であり、各クライエントごとに発生記録情報、行動的情報、認知的情報及び特徴キーワード等が相互に関連付けられて蓄積されている。
【0029】
認証部32は、通信インターフェース31を通じて、各スマートフォン1と通信セッションを確立させ、その確立された通信セッションごとに認証処理を行うモジュールである。この認証処理としては、アクセス者であるクライエントやその保護者のスマートフォン1(1a~c)から認証情報を取得し、ユーザーデータベース35bを参照して、アクセス者を特定し、それらの権限を認証する。この認証部32による認証結果(ユーザーID、認証時刻、セッションID等)は、認知行動療法実行部33に送出されるとともに、認証部32を通じてユーザーデータベース35bに認証履歴として蓄積される。
【0030】
認証部32には、位置情報管理部32aが備えられており、認証されたクライエントの現在時刻及び現在位置をスマートフォン1側から取得し、ユーザーデータベース35bに記録するとともに、自動思考記録部331に入力する。
【0031】
認知行動療法実行部33は、認知行動療法のシナリオデータに従ってワークモード及びレッスンモードを展開させるべく種々のイベント処理を発生させて認知行動療法を進行させるモジュールであり、一定のルール・ロジック・アルゴリズムを含むスクリプトを実行し、レッスン、ワークの他、ミニゲーム、ムービーの再生等のイベント処理を発生させる。
【0032】
この認知行動療法実行部33で実行される認知行動療法のシナリオとしては、
(1)自分を客観視できるようにするセルフモニタリング
(2)認知のゆがみを矯正する認知再構成
(3)うつになったり気分が落ち込んだりしたときに行動量が落ち込むのを回復させるために、行動を活性化させて気分を挙げていくアプローチとしての行動活性化
(4)うつや気分が落ち込んだりしたときに併発される不眠に対するケア(具体的には、睡眠圧力を高めるために昼寝は避け、規則正しい睡眠生活を送らせる。眠れなくても朝決まった時間に起きる等)としての睡眠ケア
(5) うつやストレスの大半は人間関係。自分の意見を相手に伝える事ができずに抱え込むストレスを解消するために、相手に上手に意見を伝えるスキルであるアサーションスキルを学習するアサーション(コミュニケーションスキル)学習
(6)ストレスの要因となる困り事や悩み事、それらとの向き合い方を学習する問題解決スキル
などが含まれる。
【0033】
なお、管理サーバー3側の認知行動療法実行部33は、本実施形態では、同期処理部36aと、スマートフォン1側の同期処理部144とを通じて、スマートフォン1側の認知行動療法実行部141と協働するようになっており、認知行動療法進行処理やワーク分析処理の一部を管理サーバー3側で行い、グラフィック処理やイベント処理の一部をスマートフォン1側の認知行動療法実行部141で実行するようにしている。
【0034】
例えば、管理サーバー3側で、シナリオの進行、クライエントのレッスン進行レベルの他、ユーザーの分類や現在位置、現在時刻などに基づいて、発生し得るイベント処理を予測し、その発生条件を管理サーバー3側で発生させ、その条件をスマートフォン1側に送信し、管理サーバー3から受信した発生条件に基づいて、実際のイベント処理の発生やそのためのグラフィック処理は、スマートフォン1側で実行するようにしている。
【0035】
また、本実施形態に係る認知行動療法実行部33は、アラート監視機能を備えており、スマートフォン1側から発信されるアラート信号を常時監視し、アラート信号が検出されたときには、登録された連絡先(電話番号、電子メール等)にアラートメッセージを送信することができる。
【0036】
特に、認知行動療法実行部33は、認知行動療法に関わるモジュールとして、自動思考記録部331と、分析部332と、AI学習部333とを備えている。
自動思考記録部331は、外的要因の発生記録情報と、当該外的要因に対するクライエントの行動及び認知を自動思考情報として記録するモジュールである。この自動思考記録部331によって記録される自動思考情報には、クライエントが入力したテキストデータに加え、当該クライエントの表情を撮影した映像、又は当該クライエントの血流、音声、位置情報履歴などが含まれる。
【0037】
分析部332は、認知行動療法実行部33によるレッスン・ワークの進行に従って、クライエントが入力したワークを収集し、そのワークに記入された認知行動療法に応じてユーザーに対する評価を更新するモジュールである。このクライエントの分析は、管理サーバー3側で実行する場合と、スマートフォン1側で実行する場合と、管理サーバー3とスマートフォン1の両者が協働して実行する場合とがあり、分析部332は、管理サーバー3側で実行、或いは蓄積された分析結果と、スマートフォン1側で実行、蓄積された分析結果とを管理し、両者の分析結果を比較し、必要に応じて分析結果の全部又は一部をスマートフォン1側に配信して、両者の同期を図る。
【0038】
AI学習部333は、位置情報管理部32aが取得した現在情報に含まれる現在時刻及び現在位置に関する情報に基づいて、発生した外的要因を予測する機能も備えており、分析部332は、AI学習部333が予測した外的要因に関連する行動的情報、認知的情報及び前記特徴キーワードに基づくフィードバックを生成する。
【0039】
具体的にこのAI学習部333による予測としては、外的要因の発生が予想される時期、時刻、場所、移動速度、加速度を外的要因ごとにリストアップしたテーブルデータを参照し、現在時刻、現在位置や移動速度、加速度、方向などに基づいて、クライエントが現在いる場所や状況から、その時刻に発生しそうな外的要因を予測する。例えば、通勤・通学の時間帯に一定の速度以上で移動している場合には、クライエントが電車の車内にいる可能性が高く、通勤・通学時の電車内で発生し得るトラブルや「考え」、「感情」、「身体」の変容などについてテーブルデータを参照して、発生し得る外的要因の候補を抽出する。
【0040】
フィードバック処理部34は、このAI学習部333が予測した外的要因に関連するキーワードを用いてフィードバックを生成し、キャラクターから質問形式で予測した外的要因に関する入力を促すようにする。
【0041】
上記分析部332について詳述すると、
図3に示すように、分析部332には、自動思考取得部332aと、感情生成部332cと、認知歪み評価部332fと、評価実行部332gとが備えられている。
【0042】
自動思考取得部332aは、スマートフォン1を通じて、クライエントによって入力された各種情報を取得するモジュールである。ここで取得される自動思考としては、クライエントが自ら入力した行動記録などの他、生体情報解析部332lから入力される血流や体温、心拍数などの生体情報も含まれる。なお、この自動思考取得部332aにおける情報の取得としては、自動思考記録部331が記録したデータを読み出す場合や、通信インターフェース31を通じてスマートフォン1から直接受信する場合などが含まれる。
【0043】
自動思考取得部332aには反応分類部332bが備えられており、この反応分類部332bは、自動思考取得部332aが取得したデータを、分類して感情生成部332c及び認知歪み評価部332fに送出される。
【0044】
反応分類部332bは、統計データベース35dに蓄積された発生記録情報、行動的情報、認知的情報及び特徴キーワードに基づいて、クライエントの反応パターンを分類するモジュールである。
【0045】
感情生成部332cは、統計データ蓄積部に蓄積された観察データを、前記発生記録情報及び前記自動思考情報の相関パターンである事前学習モデルに従って分類した感情データを生成するモジュールである。本実施形態に係る感情生成部332cは、事前学習モデル管理部332dを備えている。事前学習モデル管理部332dは、AIによって予め学習モデルを生成し、管理するモジュールである。この感情生成部332cで生成された感情データは、比較判定部332eに入力される。
【0046】
認知歪み評価部332fは、特定のクライエントの自動思考情報と、AIが生成した感情データとを比較し、それらの一致度から当該クライアントの認知歪みを評価するモジュールであり、本実施形態では比較判定部332eを備えている。比較判定部332eは、特定のクライエントの自動思考情報と、感情データとを比較し、それらの一致度から当該クライアントの自動思考情報を分類するとともに、当該分類に係る感情データからの乖離率を算出するモジュールである。この認知歪み評価部332fで算出された乖離率は、評価実行部332gに入力される。
【0047】
評価実行部332gは、因果関係解析部332hと、クローン対応処理部332iと、質的評価算出部332jと、セルフカウンセリング管理部332kとを備えている。
【0048】
因果関係解析部332hは、当該乖離率の算出に供された前記発生記録情報及び感情データに含まれるキーワードを特徴キーワードとして抽出するとともに、抽出された特徴キーワードを前記比較判定部が算出した前記乖離率に応じて重み付けをし、その重み付の度数に基づいて特徴キーワードを因果関係データとして記録するモジュールである。
【0049】
因果関係解析部332hは、外的要因とその外的要因に対するクライエントの行動及び認知との相関を分析し、分析された相関を特徴付ける特徴キーワードを抽出する機能を備えており、ここで抽出された特徴キーワードは、発生記録情報、行動的情報、認知的情報と関連付けられて観察データ蓄積部である各データベース35a~dに蓄積される。
【0050】
クローン対応処理部332iは、因果関係データに含まれる特徴キーワード、及び因果関係データに従って、ユーザーからの問いかけ、及びその問いかけに対する回答を対話形式に文章化したクローン受診データとして生成し、クライエントに提示するモジュールである。
【0051】
質的評価算出部332jは、クライエントの認知歪みが改善された程度を客観的に評価するモジュールである。具体的には、比較判定部332eが算出した乖離率の変化に基づいて、クライエントの認知歪みの改善を計測する。この乖離率の変化は、乖離率が低減した程度を「改善」とみなしてその変化の程度を質的評価データとして、ユーザーデータベース35b及び課金処理部37に入力される。課金処理部37は、質的評価データに基づいて、各クライエントの改善の程度を算出し、その程度に応じた課金処理を実行する。
【0052】
セルフカウンセリング管理部332kは、統計データ蓄積部に蓄積された発生記録情報、自動思考情報、乖離率に基づいて、クライエントの反応パターンを分類するモジュールである。フィードバック処理部は、このセルフカウンセリング管理部332kが分類した反応パターンに従って、コメントを選択して提示する機能を備えている。
【0053】
フィードバック処理部34は、因果関係データに含まれる特徴キーワード、乖離率を重み付に従って、ユーザーに問いかけとして文章化したコメントを生成してクライエントに提示するモジュールである。
【0054】
そして、本実施形態においてフィードバック処理部34は、モード管理部34aと、各モードを実行するモジュール34b~34dと、出力情報生成部34fと、人的介入制御部34jとを有している。
【0055】
モード管理部34aは、クライエントに対する診療のためのシナリオに応じて、適切なフィードバック処理のモードを選択するモジュールである。モード管理部34aは、反応分類部332bが分類した反応パターンに従ってフィードバックを選択して提示する。なお、反応分類部332bではクライエントの反応パターンを分類するとともに、外的要因ごとの反応パターンの組み合わせ応じて、クライエントの属性をさらに分類している。このクライエント属性の分類に応じてモード管理部34aは、適切な対応処理(クローン対応、レッスン対応、インタビュー対応)を選択して各モジュール34b~dに実行させる。
【0056】
そして、このモード管理部34aは、各モードを実行するモジュールとして、クローン対応実行管理部34bと、レッスン実行管理部34cと、インタビュー実行管理部34dと、再評価実行部34eとを備えている。
【0057】
クローン対応実行管理部34bは、クローン対応処理部332iで処理されたクローン受診データを受け取り、実際にクライエントに提示する処理を実行するモジュールである。この提示処理は、出力情報生成部34fに備えられた各モジュールを適宜選択して、キャラクターによって発言させたり、チャットによる対話形式で提示させたり、ワークシートとして提供させることができる。
【0058】
レッスン実行管理部34cは、評価実行部332gによる評価に従って、連載コンテンツの一つとして精神療法又は心理療法に関する認知行動療法のレッスンを進行させるレッスンモードとして、連載コンテンツ「レッスンパート」をイベント処理の一つとして実行するモジュールである。この「レッスンパート」は、動物のキャラクターが画面上に登場し、物語を楽しく読み進めながら認知行動療法について学んでいく連載コンテンツであり、連続する複数のレッスンで構成されている。
【0059】
上記情報配信部36は、クライエントの操作による発生記録情報、行動的情報及び認知的情報の入力を受け付ける際にフィードバックを提示するモジュールであり、フィードバックの候補を複数作制して反応分類部332bが分類した反応パターンに従ってフィードバックを選択して提示する機能を有している。具体的に、情報配信部36は、同期処理部36aを備えている。
【0060】
再評価実行部34eは、フィードバック処理を実行するのに十分な情報が整っていないと判断されたとき、或いはフィードバックを実行している途中で、新たな課題が生じたときなどに、追加の情報又は分析が必要となった旨を分析部に通知し、再度、自動思考を取得させたり、分析を行わせたりするモジュールである。この再評価の要否判断は、例えば、適切なシナリオが検出されない場合、シナリオを完成させるための情報が不足していない場合などに実行される。
【0061】
出力情報生成部34fは、連続する複数の連載コンテンツを進行させるイベント処理を記述したシナリオに従って、前記連載コンテンツの提供を順次進行させるモジュールであり、本実施形態では各クライエントのレッスン進捗やワークシートの作成回数に基づいてシナリオを進行させる。シナリオデータとは、レッスンモード及びワークモードの展開を記述したスクリプトデータである。
【0062】
また、この出力情報生成部34fは、は、このシナリオデータに従って、スマートフォン1側での認知行動療法進行処理と、管理サーバー3側での認知行動療法進行処理とを同期させる機能を有している。具体的には、管理サーバー3側で、シナリオデータにおけるレッスンの進捗程度などに基づいて発生し得るイベント処理を予測し、その発生条件を管理サーバー3側で発生させ、その条件をスマートフォン1a側に送信する。
【0063】
出力情報生成部34fは、キャラクター制御部34gと、チャット実行部34hと、ワークシート生成部34iとを有している。
【0064】
キャラクター制御部34gは、AIが予測した外的要因に関連する行動的情報、認知的情報及び特徴キーワードに基づくフィードバックを生成するモジュールであり、ここで生成されたフィードバックは他のアドバイスとともにスマートフォン1側の出力制御部145に送出され、心理士のキャラクター等のセリフとして標示される。
【0065】
キャラクター制御部34gは、人物やクリーチャーなどのアニメーションやCGを、スマートフォン1側のディスプレイ13aに表示させるための表示データを生成するモジュールである。表示データは、グラフィックデータの他、画像データや、文字データ、動画データ、音声その他のデータを組み合わせて生成される。
【0066】
チャット実行部34hは、対話形式のやりとりをスマートフォン1側のディスプレイ13aに表示させるための表示データを生成するモジュールである。このチャット実行部34hは、AIや人的介入によるフィードバックを対話相手からのメッセージとしてクライエント側に送信するとともに、クライエントが入力した自動思考としてのメッセージを受信する。このチャット実行部34hで受信されたメッセージは、シナリオが用意された範囲であればそのシナリオに沿って対話を継続し、シナリオを逸脱するようなイレギュラーな反応が受信された場合には、再評価実行部34eを通じて再評価、再分析を要求してシナリオを修正、或いは差替えを行い、対話を継続させることができる。
【0067】
なお、再評価実行部34eは、出力情報生成部34f内の各モジュールを通じて、クライエントが入力したチャットやワークシートにおけるやりとりを監視し、そのやりとりの中から認知行動療法データベース35cに蓄積された監視用リストに列記されたキーワードや間接的言動が検出された場合には、再評価の要求を分析部332に送出し、分析部332にそのクライエントの反応タイプに応じて、その該当キーワード及び間接的言動の出現頻度を解析させ、アラートの要否、危険レベル、緊急性を判断させ、危険レベルが一定以上の場合に、人的介入制御部34jを通じて心理士やアドバイザー等に対してアラートを発信する機能を備えている。この再評価実行部34eによるアラートは、クライエントの保護者や臨床心理士、担当アドバイザー等のスマートフォンに直接送信してもよい。
【0068】
ワークシート生成部34iは、クライエントの操作に基づいて入力された自己観察記録(行動記録、認知記録等の認知行動療法)を記録し、記録された自己観察記録の分析を行うワークモードとして、ワークシートを実行するモジュールである。このワークシートでは、外的要因の発生記録情報と、発生した外的要因に対するクライエントの行動に関する行動的情報と、当該外的要因に対する前記クライエントの認知に関する認知的情報とを、当該クライエントの操作に基づいて記録する。
【0069】
人的介入制御部34jは、AIによる対応が困難である場合に、人間の心理士がフィードバックを行うためのモジュールであり、この人的介入制御部34jを介して、心理士が使用するPCやスマートフォンと接続し、心理士によるアドバイスなどをクライエントに送信できるようになっている。本実施形態では、人間の心理士が行うフィードバックのパターンをルール化して適用するための、テンプレートやデータベースから介入に必要なデータを、心理士が使用するPC等に送出する機能も備えられている。
【0070】
情報配信部36は、クライエントのレッスン進捗に基づき、認知行動療法実行部33による制御に従って、分析部332が実行した分析結果を同期させるべく、通信インターフェース31を通じて,これらのファイルを各スマートフォン1に配信するモジュールである。
【0071】
情報配信部36の同期処理部36aは、クライエントに対してフィードバックを提示するタイミングを指示するトリガー生成機能を備えている。このトリガー生成機能は、フィードバックの提示として、スマートフォン1側のアプリケーションを自動的に起動したり、アプリケーションから通知を出力させたり、アプリケーション内でキャラクターが自動的に話し始めたりといったイベント処理の発生タイミングを指示するモジュールであり、例えば、前回のレッスン修了時から一定の時間が経過したときに次回のレッスンの受講を促すフィードバックを出力する。
【0072】
(2)スマートフォン1(1a~c)
次いで、クライエント用のスマートフォン1の内部構成について説明する。本実施形態では、クライエントCLa~cがスマートフォン1a~cをそれぞれ使用する。これらスマートフォン1a~cのハードウェア構成は基本的に共通し、クライエントCL側のスマートフォン1にはクライエント用のアプリケーションがインストールされることによりクライエント専用端末として機能するようになっている。なお、保護者等側のスマートフォンには、クライエント用アプリケーションからのアラートを受信してその内容を閲覧できる機能が備えられていればよく、例えば、アラートを受信し閲覧するための専用アプリケーションのほか、電子メールアプリケーションや、ブラウザアプリケーション、メッセージアプリケーションなどの通信用のアプリケーションが備えられていればよい。
【0073】
ここでは、クライエント用のスマートフォン1について説明する。
図5に示すように、クライエントCLのスマートフォン1は、通信インターフェース11と、入力インターフェース12と、出力インターフェース13と、アプリケーション実行部14と、メモリ15とを備えている。なお、これらのハードウェア構成については、心理士用、保護者用のスマートフォンも同様である。
【0074】
通信インターフェース11は、データ通信を行うための通信インターフェースであり、無線等による非接触通信や、ケーブル、アダプタ手段等により接触(有線)通信をする機能を備えている。入力インターフェース12は、マウス、キーボード、操作ボタンやタッチパネル12aなどユーザー操作を入力するデバイスである。また、出力インターフェース13は、ディスプレイやスピーカーなど、映像や音響を出力するデバイスである。特に、この出力インターフェース13には、液晶ディスプレイなどのディスプレイ13aが含まれ、この表示部は、入力インターフェースであるタッチパネル12aに重畳されている。
【0075】
メモリ15は、OS(Operating System)やファームウェア、各種のアプリケーション用のプログラム、その他のデータ等などを記憶する記憶装置であり、このメモリ15内には、ユーザー或いは端末を識別するユーザーID或いは端末IDの他、管理サーバー3からダウンロードしたレッスンデータやワークシートを蓄積するとともに、アプリケーション実行部14で処理された入力データ等が蓄積される。特に、本実施形態では、メモリ15には、管理サーバー3から取得した、シナリオデータや、レッスンモードで用いられるムービーデータ、アラート発信時に参照される監視用リスト等が格納されている。
【0076】
アプリケーション実行部14は、一般のOSやゲームアプリケーション、ブラウザソフトなどのアプリケーションを実行するモジュールであり、通常はCPU等の演算処理装置により実現される。特に、クライエント用のスマートフォン1では、このアプリケーション実行部14で本発明に係る認知行動療法的フィードバックプログラムが実行され、表示データ生成部146と、出力制御部145と、位置情報取得部147と、認知行動療法実行部141とが仮想的に構築される。
【0077】
認知行動療法実行部141は、分析部332による制御に従って、レッスンモードやワークモードをイベント処理の一つとして実行させるモジュールである。本実施形態において認知行動療法実行部141は、シナリオに記述されている認知行動療法に関するルール、ロジック、アルゴリズムにより、ストーリーモードとゲームモードを順次展開させて、種々のイベント処理を発生させて認知行動療法を進行させる機能を有しており、管理サーバー3側の認知行動療法実行部33と同期しつつ、シナリオ進行、ユーザーのレッスン進捗、時刻、現在位置に応じて、レッスンムービーの再生、ワークシートの入力等のイベント処理を発生させる。
【0078】
また、認知行動療法実行部141は、本実施形態では、管理サーバー3側の認知行動療法実行部33と協働するようになっており、認知行動療法進行処理の一部を管理サーバー3側で行い、グラフィック処理やイベント処理の一部をスマートフォン1側の認知行動療法実行部141で処理するようにしている。例えば、イベント発生の条件などを管理サーバー3側で発生させ、その条件をスマートフォン1側に送信し、実際のイベント処理の発生(トリガー生成)処理やそのためのグラフィック処理をスマートフォン1側で処理する。
【0079】
そして、上記認知行動療法実行部141は、自動思考取得部142と、生体情報取得部143と、同期処理部144とを有している。
自動思考取得部142は、スマートフォン1に備えられた入力インターフェース12やカメラ、その他のセンサーを通じて、クライエントからの文字列や映像、その他の生体情報を取得するモジュールである。ここで取得される自動思考としては、クライエントが自ら入力した行動記録などの他、カメラ12bにより撮影される映像(クライエントの表情)、位置情報取得部147によって取得される位置情報、加速度センサ等の各種センサーで得られる信号、生体情報取得部143で取得される他のセンサーで計測された血流や体温、心拍数などの生体情報が含まれる。
【0080】
同期処理部144は、スマートフォン1側での処理と、管理サーバー3側での処理とを同期させたり連動させたりするモジュールである。表示データ生成部146は、ディスプレイ13aに表示させるための表示データを生成するモジュールである。表示データは、グラフィックデータの他、画像データや、文字データ、動画データ、音声その他のデータを組み合わせて生成される。
【0081】
位置情報取得部147は、現在時刻及び現在位置に関する情報を現在情報として取得するモジュールであり、本実施形態ではGPS等から現在位置情報が入力され、計時部から現在時刻情報が入力される。位置情報取得部147は、自機の位置を示す位置情報を取得し、記録する機能であり、この位置情報取得機能としては、例えば、GPSのように、衛星からの信号によって自機の位置を検出する方法や、
図1に示すように、携帯電話の無線基地局22や、Wifi通信のアクセスポイントからの電波強度などによって位置を検出する方法が含まれる。
【0082】
また、出力制御部145は、管理サーバー3からの指示に従ってフィードバックを提示するタイミングを制御するトリガー機能を備えている。このトリガー機能は、フィードバックの提示として、本アプリケーションを自動的に起動したり、アプリケーションからの通知を出力したり、アプリケーション内でキャラクターが自動的に話し始めたりといったイベント処理の発生タイミングを指示するモジュールであり、例えば、前回のレッスン修了時から一定の時間が経過したときに次回のレッスンの受講を促すフィードバックを出力する。
【0083】
なお、本実施形態では、現在位置や移動速度、現在時刻、経過時間が入力されることをトリガーとしてフィードバックするが、本発明はこれに限定されず、例えば、入力インターフェース12に接続されたカメラや体温計、心拍計、マイクなどの検出デバイスによる検出データに基づいて、外的要因を予測したり、トリガーデータを生成するようにしてもよい。これらの検出デバイスは、無線通信で接続されたウェアラブル端末に備えられたものとすることができる。
【0084】
(認知行動療法的フィードバックシステムの動作)
以上説明した認知行動療法的フィードバックシステムを動作させることによって、本発明の認知行動療法的フィードバック方法を実施することができる。
図6~
図8は、認知行動療法的フィードバックシステムの動作を示すフロー図である。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換及び追加が可能である。
【0085】
(1)全体動作
図6に示すように、先ず、ユーザー端末であるスマートフォン1側で、認知行動療法的フィードバックアプリケーションを起動して、自動思考の入力を行い、管理サーバー3側で取得される(S201,S101)。これを受けて管理サーバー3側では、事前学習モデルが参照され(S102)、感情データの生成が行われる(S103)。
【0086】
そして、クライエント自身が入力した自動思考と、AIが生成した感情データとを比較してその乖離率を算出し(S104)、認知歪みの評価を行う(S105)。次いで、この認知歪みの評価に基づいて、各種評価についての解析を実行する(S106)。本実施形態では、外的な事象と自動思考との相関や因果関係の解析、認知歪みの回復若しくは進行に関する質的評価、セルフカウンセリングのための診断などが実行される。
【0087】
この各種解析の結果に応じて、適切なフィードバックモードを選定し(S107)、その選定されたモードを通じてフィードバック処理が実行され、出力情報が生成される(S108)。この生成された出力情報は、クライエントのスマートフォン1に配信されるととともに、スマートフォン1側からのフィードバック応答処理を待って、スマートフォン1側のアプリケーションと同期処理を行い(S109及びS202)、フィードバックに必要なデータを送受しつつ通信セッションを進行させて各種モードによるフィードバックを実行する(S204)。
【0088】
その後、上述した各処理S201~203,S101~109は、アプリケーションが終了(S204における「Y」)するまで繰り返される(S204における「N」)。
【0089】
(2)フィードバック実行
上述したステップS203におけるフィードバック実行に係る処理について詳述する。
図7にフィードバック実行時におけるシーケンス図を示す。同図に示すように、先ず、管理サーバー3側で認知歪みの評価が実行された後(S301)、その評価値(ここでは、前述した「乖離率」)が閾値より大きいか否かを判断する(S302)。このステップS302において、評価値が閾値を超えると判断された場合(S302における「Y」)には、認知の歪みが発生していると判定し、この判定結果を以後のフィードバックに反映させる。一方、ステップS302において、評価値が閾値以下であると判断された場合(S302における「N」)には、認知の歪みは発生していないと判定し、この判定結果を以後のフィードバックに反映させる。
【0090】
評価値の判定が終了した後、評価値に応じてパターンルールを参照し、フィードバックモードに応じたキャラクター用やチャット用など、各モードに必要なシナリオを生成する(S304)。
【0091】
このシナリオの生成後、クライエントに対して認知再構成のための応答を開始し(S305)、スマートフォン1側ではこの認知再構成用のイベント処理を実行する(S401)。このイベント処理では、AIによる応答が実行され、例えば、AIによるキャラクターとの対話であったり、AIを相手とするチャットによる対話とすることができる。このイベント処理に従って、管理サーバー3側では、AI若しくは人的なフォローをキャラクターとの対話やチャットを通じて、クライエントに提供する(S306)。ここでのフォローとしては、「問いかけ」や「気づきの促し」、「励ましメッセージ」などのアプリケーション内の機能の他、他のメッセージアプリケーションや、電子メール、スマートスピーカー等を通じてのメッセージ出力などが挙げられる。
【0092】
そして、この認知再構成におけるクライエントの応答に基づいて、自動思考の文章と感情の因果関係を推定して、関連個所を明示する(S403)。このとき、クライエントの表情を伺う必要があるときには、ビデオチャットなどの機能を通じて、生体情報も合わせて取得する(S404)。なお、この認知再構成用のイベント処理におけるやりとりにおいてクライエント側からの応答は、新たな自動思考として管理サーバー3側で取得され、再評価の対象となる。
【0093】
その後、セルフカウンセリングを実施する(S405)。ここでは、自動思考を入力したり、ワークシートを入力したりするとともに、音声や映像、血流、心拍数などの生体情報も必要に応じて取得する(S406)。これら取得された自動思考及び生体情報は、管理サーバー3側へ送信され、記録される(S407,S307)。この自動思考及び生体情報を受信した際、再評価の要否を判断し(S308)、必要であれば(S308における「必要」)、認知歪みの評価(S301)以降の処理を再度実行する。一方、再評価が必要がなければ(S308における「不要」)、或いはモードを終了するときには(S408における「Y」)、ステップS203を終了する。
【0094】
(3)クローン対応モード
次いで、フィードバック処理におけるクローン対応モードについて詳述する。
図8にクローン対応モード実行時におけるシーケンス図を示す。同図に示すように、先ず、管理サーバー3側で認知歪みの評価が実行された後(S501)、その評価値(ここでは、前述した「乖離率」)が閾値より大きいか否かを判断する(S502)。このステップS502において、評価値が閾値を超えると判断された場合(S502における「Y」)には、認知の歪みが発生していると判定し、この判定結果を以後のフィードバックに反映させる。一方、ステップS502において、評価値が閾値以下であると判断された場合(S502における「N」)には、認知の歪みは発生していないと判定し、この判定結果を以後のフィードバックに反映させる。
【0095】
評価値の判定が終了した後、評価値に応じてパターンルールを参照し、クローン対応モードに応じたキャラクター用やチャット用などのシナリオを生成する(S504)。ここでは、AIで制御されたクローンを、クライエントとは別人格のキャラクターとして設定し、クローンが、クローン自身の認知再構成を基礎として、その認知再構成のための試行錯誤を、心理士やアドバイザーなどの第三者に問いかける形式となるように、シナリオを作成する。
【0096】
このクローン対応用のシナリオの生成後、クローンを通じて、クライエントに認知再構成の試行錯誤を提示するクローン対応イベントの実行を、スマートフォン1側に要求し(S505)、スマートフォン1側ではこのクローン対応のイベント処理を実行する(S601)。このクローン対応イベント処理では、AIによる心理士と、AIによるクローンとが、認知再構成を試行錯誤する問答を交わすようにして対話を実行する(S506)。このクローン対応イベント処理に従って、管理サーバー3側では、適宜、AI若しくは人的なフォローを、クライエントに対しても、キャラクターとの対話やチャットを通じて、クライエントに提供する。ここでのフォローとしては、「問いかけ」や「気づきの促し」、「励ましメッセージ」などのアプリケーション内の機能の他、他のメッセージアプリケーションや、電子メール、スマートスピーカー等を通じてのメッセージ出力などが挙げられる。
【0097】
そして、この認知再構成におけるクライエントの応答に基づいて、自動思考の文章と感情の因果関係を推定して、関連個所を明示する(S603)。このとき、クライエントの表情を伺う必要があるときには、ビデオチャットなどの機能を通じて、生体情報も合わせて取得する(S604)。なお、この認知再構成用のイベント処理におけるやりとりにおいてクライエント側からの応答は、新たな自動思考として管理サーバー3側で取得され、再評価の対象となる。
【0098】
その後、セルフカウンセリングを実施する(S605)。ここでは、自動思考を入力したり、ワークシートを入力したりするとともに、音声や映像、血流、心拍数などの生体情報も必要に応じて取得する(S606)。これら取得された自動思考及び生体情報は、管理サーバー3側へ送信され、記録される(S607,S507)。この自動思考及び生体情報を受信した際、再評価の要否を判断し(S508)、必要であれば(S508における「必要」)、認知歪みの評価(S501)以降の処理を再度実行する。一方、再評価が必要がなければ(S508における「不要」)、或いはモードを終了するときには(S608における「Y」)、ステップS203を終了する。
【0099】
(作用・効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、認知行動療法におけるセルフモニタリング(自己観察)において、一般的な「認知」からの乖離である「認知の歪み」の発生及びその程度をいち早く検出して解析し、アドバイスや問いかけなど適切なフィードバックを行うことができる。
【0100】
特に、本実施形態におけるクローン対応モードでは、クライエント自身のクローンに代理受診させる形で、セルフモニタリング(自己観察)を実行できるため、
自動思考と感情推定との因果関係を客観的に提示することができ、クライエントに気付きを促したり、クライエント自身が考えるきっかけを与えることができ、十分な心的効果が期待できる。
【符号の説明】
【0101】
CLa~c…クライエント
S…認知行動療法的フィードバックシステム
1(1a~c)…スマートフォン
2…インターネット
3…管理サーバー
11…通信インターフェース
12…入力インターフェース
12a…タッチパネル
13…出力インターフェース
13a…ディスプレイ
14…アプリケーション実行部
15…メモリ
22…無線基地局
31…通信インターフェース
32…認証部
32a…位置情報管理部
33…認知行動療法実行部
34…フィードバック処理部
34a…モード管理部
34b…クローン対応実行管理部
34c…レッスン実行管理部
34d…インタビュー実行管理部
34e…再評価実行部
34f…出力情報生成部
34g…キャラクター制御部
34h…チャット実行部
34i…ワークシート生成部
34j…人的介入制御部
35…情報配信部
35a…AI学習データベース
35b…ユーザーデータベース
35c…認知行動療法データベース
35d…統計データベース
36…同期処理部
37…課金処理部
141…認知行動療法実行部
142…自動思考取得部
143…生体情報取得部
144…同期処理部
145…出力制御部
146…表示データ生成部
147…位置情報取得部
331…自動思考記録部
332…分析部
332a…自動思考取得部
332b…反応分類部
332c…感情生成部
332d…事前学習モデル管理部
332e…比較判定部
332f…評価部
332g…評価実行部
332h…因果関係解析部
332i…クローン対応処理部
332j…質的評価算出部
332k…セルフカウンセリング管理部
332l…生体情報解析部
333…AI学習部