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  • 特開-ショーケース 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108451
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】ショーケース
(51)【国際特許分類】
   A47F 3/06 20060101AFI20240805BHJP
   A47F 5/00 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
A47F3/06
A47F5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012829
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000213493
【氏名又は名称】中野冷機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088720
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞一
(72)【発明者】
【氏名】松田 徹
【テーマコード(参考)】
3B110
3B118
【Fターム(参考)】
3B110GA28
3B110JA09
3B110JA13
3B118AA11
3B118BB04
3B118BB11
3B118CA12
3B118DA12
(57)【要約】
【課題】商品陳列棚の下面の左右方向中央部にロックレバーが設けられている場合、商品陳列棚に商品を陳列する作業中に陳列作業中の商品や作業者の体がロックレバーに当たることを防止し、商品陳列棚のロックが解除されて商品陳列棚が不意に手前側にスライドすることを防止する。
【解決手段】本体ケース内に上下方向に配列され、前方下がりに傾斜させて前後方向スライド可能な複数の商品陳列棚4を有し、商品陳列棚4の下面の左右方向中央部に前後方向に延出させて上下方向回動可能に取付けられたロックレバー13と、商品陳列棚4の下面に取付けられてロックレバー13を囲むことにより陳列作業中の商品や作業者の体がロックレバー13に当たることを防止するロックレバーガード部14と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面形状コの字型に形成された本体ケースと、
前記本体ケース内に上下方向に配列され、前方下がりに傾斜させて前後方向スライド可能な複数の商品陳列棚と、
前記本体ケース内に、前記商品陳列棚の下面に近接させて位置固定に配置されたロックレバー係止部と、
前記商品陳列棚の下面の左右方向中央部に前後方向に延出させて取付けられ、その前後方向の中間部に位置する支点を中心として上下方向回動可能に設けられ、回動操作する操作部を手前側に有して上向きに突出して下側から前記ロックレバー係止部に係止可能な爪部を奥側に有するロックレバーと、
前記商品陳列棚の下面に取付けられ、その商品陳列棚の下側に位置する他の商品陳列棚で陳列作業されている商品や作業中の作業者の体が前記ロックレバーに当たることを防止するとともに正面側から前記操作部を操作可能となるように前記ロックレバーを囲むロックレバーガード部と、
を有することを特徴とするショーケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショーケース本体内に前方下がりに傾斜させた複数段の商品陳列棚が上下方向に配置され、各商品陳列棚が前後方向にスライド可能とされたショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗では、前方下がりに傾斜させた複数段の商品陳列棚が上下方向に配置されたショーケースが使用されている。そして、このようなショーケースでは、各商品陳列棚を前後方向にスライド可能とし、商品陳列棚に商品を陳列する作業時には商品陳列棚を前方にスライドさせて引き出すことにより、その商品陳列棚への商品の陳列作業を容易に行えるようにしたものが知られている。
【0003】
商品陳列棚が前後方向にスライド可能である場合、商品陳列棚を後方にスライドさせた商品陳列位置でロックし、商品陳列棚を前方にスライドさせる場合にはそのロックを解除するロック機構が設けられている。このロック機構の構造としては、従来は、商品陳列棚の両側に一対のロックレバーを備えたものが知られており、ロック機構のロック解除のために両手を使用していた。しかし近年では、下記特許文献1に記載されたように、商品陳列棚の下面の左右幅方向の中央部に1つのロックレバーを設け、ロックの解除を片手で行えるようにしたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-245222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ロックレバーを商品陳列棚の下面の左右幅方向の中央部に設けた場合には、ある商品陳列棚に商品の陳列作業を行っている際に、陳列作業中の商品や作業者の体がその商品陳列棚の上方に位置する他の商品陳列棚のロックレバーに当たることがある。それにより、そのロックレバーのロックが解除され、商品陳列棚が作業者の意に反して不意に手前側(作業者側)に向けてスライドするという事態が発生することがある。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的は、商品陳列棚に商品の陳列作業を行っている場合に、陳列作業中の商品や作業者の体がその商品陳列棚の上方に位置する他の商品陳列棚の下面に設けられているロックレバーに当たることを防止し、ロックレバーのロックが外れて商品陳列棚が作業者の意に反して不意に手前側にスライドすることを防止できるようにしたショーケースに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るショーケースは、断面形状コの字型に形成された本体ケースと、前記本体ケース内に上下方向に配列され、前方下がりに傾斜させて前後方向スライド可能な複数の商品陳列棚と、前記本体ケース内に、前記商品陳列棚の下面に近接させて位置固定に配置されたロックレバー係止部と、前記商品陳列棚の下面の左右方向中央部に前後方向に延出させて取付けられ、その前後方向の中間部に位置する支点を中心として上下方向回動可能に設けられ、回動操作する操作部を手前側に有して上向きに突出して下側から前記ロックレバー係止部に係止可能な爪部を奥側に有するロックレバーと、前記商品陳列棚の下面に取付けられ、その商品陳列棚の下側に位置する他の商品陳列棚で陳列作業されている商品や作業中の作業者の体が前記ロックレバーに当たることを防止するとともに正面側から前記操作部を操作可能となるように前記ロックレバーを囲むロックレバーガード部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るショーケースでは、商品陳列棚の下面にロックレバーとロックレバーを囲むロックレバーガード部とが取付けられ、ロックレバーの爪部がロックレバー係止部に係止されることにより商品陳列棚は位置固定に保持されている。或る商品陳列棚で商品陳列作業を行っている場合、陳列作業中の商品や作業者の体がその商品陳列棚の上方に位置する他の商品陳列棚の下面に取付けられているロックレバーに当たることがロックレバーガード部により防止される。これにより、陳列作業中の商品や作業者の体がロックレバーに当たることによりロックレバーが上下に回動してロック状態が解除されるということが防止され、商品陳列棚が作業者の意に反して手前側にスライドすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ショーケースを断面にして示す側面図である。
図2】ロックレバーとロックレバーガード部とを示す側面図である。
図3】ロックレバーガード部とロックレバーとを正面側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態について、図面に基いて説明する。図1は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗内に設置されているショーケース1を示す断面側面図である。このショーケース1は、断面形状コの字型に形成されたショーケース本体2を有しており、ショーケース本体2の内部には商品陳列室3が形成されている。商品陳列室3内には、上下方向に複数段の商品陳列棚4が設けられている。これらの商品陳列棚4は、前方下がりに傾斜させて配置されるとともに、前後方向にスライド可能に設けられている。
【0011】
ショーケース本体2内には、商品陳列室3を囲むように通風路5が形成されている。通風路5の上方側の一端には、ショーケース本体2の正面側上部に位置して下向きに開口する吹出口6が設けられている。通風路5の下方側の他端には、ショーケース本体2の正面側下部に位置して上向きに開口する吸込口7が設けられている。通風路5内には、空気を吸込口7から吸込んでその空気を吹出口6から吹出すように駆動されるファン8と、通風路5内を流れる空気を冷却する冷却器9とが配置されている。
【0012】
ショーケース本体2には、商品陳列室3と通風路5とを仕切る部材である背面板10が設けられている。この背面板10には、左右方向で対をなす複数組のブラケット11が上下方向に取付けられ、左右方向で対をなすブラケット11によって商品陳列棚4がスライド可能に支持されている。ブラケット11には、商品陳列棚4を最奥側位置(商品陳列位置)へスライドさせた場合に、その位置で商品陳列棚4のスライドレール部を保持するディテント機構(図示せず)が設けられている。
【0013】
左右方向で対をなすブラケット11の間には、ロックレバー係止部12が取付けられている。このロックレバー係止部12は、商品陳列棚4を最奥側位置(商品陳列位置)にスライドさせた場合、その商品陳列棚4の下面に近接して位置するように配置されている。
【0014】
商品陳列棚4の正面側の左右幅方向の略中央部には、ロックレバー13とロックレバーガード部14とが設けられている。これらのロックレバー13とロックレバーガード部14とは、商品陳列棚4の下面にロックレバーガード部14が取付けられ、このロックレバーガード部14にロックレバー13が取付けられている。
【0015】
まず、ロックレバー13の形状、取付構造について説明する。ロックレバーガード部14には、左右幅方向の両側に位置するロックレバー取付部15が設けられており、これらのロックレバー取付部15の間に支軸16が左右方向水平向きに取付けられている。ロックレバー13は、前後方向に延出して設けられており、その前後方向の中間部が支軸16により支持され、ロックレバー13は支軸16を支点として上下方向に回動可能とされている。ロックレバー13の手前側には、ロックレバー13を上下方向に回動操作する操作部13aが設けられ、ロックレバー13の奥側には上向きに突出する爪部13bが設けられている。この爪部13bは、商品陳列棚4を最奥側位置(商品陳列位置)へスライドさせたときに、図示しないスプリングにより付勢されてロックレバー係止部12に下側から係止されるようになっている。
【0016】
つぎに、ロックレバーガード部14の形状、取付構造について説明する。ロックレバーガード部14は、商品陳列棚4の下面に固定され、ロックレバー13を囲むような形状に形成され、特に、ロックレバー13の下方を囲む下部ガード部14aが前後方向に一対形成されている。これにより、その商品陳列棚4の下側に位置する他の商品陳列棚4で商品の陳列作業を行っている場合、陳列作業されている商品や作業中の作業者の体がロックレバー13に当たることが防止される。また、ロックレバーガード部14の正面側には開放部14bが形成されており、この開放部14bに臨んでロックレバー13の操作部13aが位置している。さらに、開口部14bの下縁部には、その下縁部を奥側方向に向けて切り欠いた切欠部14cが形成されている。そして、ロックレバー13の操作部13aの下端部がこの切欠部14cに臨んで位置している。操作部13aの下端部が切欠部14cに臨んで位置していることにより、ロックレバー13のロックを外すために操作部13aを押し上げる方向に操作するとき、指が操作部13aに掛かりやすくなり、ロックレバー13のロックを外すときの操作性が向上する。
【0017】
このような構成において、このショーケース1では、各商品陳列棚4が前後方向にスライド可能に設けられており、商品陳列棚4に商品を陳列する場合には、図1に示す上から2段目の商品陳列棚4のように、その商品陳列棚4を手前側にスライドさせた状態で行っている。
【0018】
最奥側位置にスライドしている商品陳列棚4は、ロックレバー13が図2の実線で示す位置に回動しており、爪部13bがロックレバー係止部12に係止されている。さらに、ブラケット11に設けられているディテント機構が商品陳列棚4のスライドレール部を保持しており、商品陳列棚4は最奥側位置で安定して保持されている。
【0019】
商品陳列棚4に商品を陳列するためにその商品陳列棚4を手前側にスライドさせる場合には、開放部14bに臨んで位置しているロックレバー13の操作部13aを商品陳列棚4の正面側から押し上げるように操作し、図2の仮想線で示すようにロックレバー13を回動させる。この回動操作により、爪部13bが下方へ移動し、爪部13bのロックレバー係止部12への係止状態が解除される。この状態から商品陳列棚4を手前側に引っ張ることにより、ディテント機構によるスライドレール部の保持が解除され、商品陳列棚4は図1に示す上から2段目の商品陳列棚4のように手前側にスライドする。
【0020】
ここで、図1に示す上から2段目の商品陳列棚4のように、その商品陳列棚4を手前側にスライドさせて商品の陳列作業を行っている場合、本発明のロックレバーガード部14を有していないと、陳列作業を行っている商品や陳列作業を行っている作業者の体がその商品陳列棚4の上方に位置する他の商品陳列棚4のロックレバー13に当たる場合がある。これに対して本願発明では、下部ガード部14aを有するロックレバーガード部14によりロックレバー13が囲まれている。このため、或る商品陳列棚4への商品の陳列作業中に、陳列作業中の商品や作業者の体がその商品陳列棚4の上方に位置する他の商品陳列棚4のロックレバー13に当たることが防止される。これにより、商品の陳列作業中に、商品や作業者の体がロックレバー13に当たってそのロックレバー13のロック状態が解除されるということが防止され、商品陳列棚4が作業者の意に反して手前側にスライドするということが防止され、商品陳列作業の安全性を高めることができる。
【符号の説明】
【0021】
1 ショーケース
2 ショーケース本体
3 商品陳列室
4 商品陳列棚
5 通風路
6 吹出口
7 吸込口
8 ファン
9 冷却器
10 背面板
11 ブラケット
12 ロックレバー係止部
13 ロックレバー
13a 操作部
13b 爪部
14 ロックレバーガード部
14a 下部ガード部
14b 開放部
14c 切欠部
15 ロックレバー取付部
16 支軸
図1
図2
図3