(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108454
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】動吸振装置および天井構造
(51)【国際特許分類】
F16F 15/02 20060101AFI20240805BHJP
E04B 9/00 20060101ALI20240805BHJP
E04B 9/18 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
F16F15/02 C
E04B9/00 A
E04B9/18 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012835
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】594192095
【氏名又は名称】株式会社昭和サイエンス
(71)【出願人】
【識別番号】000128038
【氏名又は名称】株式会社エヌ・エス・ピー
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100168321
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敦
(72)【発明者】
【氏名】永松 英夫
(72)【発明者】
【氏名】内田 岳男
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 権也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 欣也
【テーマコード(参考)】
3J048
【Fターム(参考)】
3J048AA01
3J048AD06
3J048BF02
3J048EA38
(57)【要約】
【課題】天井ボードからの衝撃をうけても弾性部が天井ボードから離れることがなく、かつ、動吸振性能の安定した管理が可能な動吸振装置を提供する。
【解決手段】動吸振装置は、質量部21の下面に設けられる第1弾性部22と、上方への移動が規制された状態で2本の野縁に取り付けられる一対の取付部31と、一対の取付部31に固定されているとともに、一対の取付部31が野縁に取り付けられた状態において、質量部21および第1弾性部22の荷重を野縁に預け、かつ、第1弾性部22の下面が野縁の下面よりも下に位置するように質量部21および第1弾性部22を保持する延伸部32を有する保持手段と、質量部21の上に設けられているとともに天井ボードが野縁に取り付けられた状態において一対の取付部31と天井ボードとの間で圧縮される第2弾性部23とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔を空けて配列された2本の野縁と前記2本の野縁の下面に固定された天井ボードとを備えた天井に設置される動吸振装置であって、
質量部と、
前記質量部の下面に設けられる少なくとも1個の第1弾性部と、
上方への移動が規制された状態で前記2本の野縁に取り付けられる一対の取付部と、
前記一対の取付部に固定されているとともに、前記一対の取付部が前記野縁に取り付けられた状態において、前記質量部および前記第1弾性部の荷重を前記野縁に預け、かつ、前記第1弾性部の下面が前記野縁の下面よりも下に位置するように前記質量部および前記第1弾性部を保持する保持手段と、
前記質量部の上に設けられているとともに前記天井ボードが野縁に取り付けられた状態において前記一対の取付部と前記天井ボードとの間で圧縮される少なくとも1個の第2弾性部と、
を備える動吸振装置。
【請求項2】
前記保持手段は、前記一対の取付部の間で延びる延伸部と、前記延伸部に固定された圧縮部とを有し、
前記延伸部は、前記第1弾性部の下面が前記延伸部の下面よりも下方に突出した状態で前記質量部の下面を受ける支持面を有し、
前記圧縮部は、前記第2弾性部の上であって、前記天井ボードが野縁に取り付けられた状態において当該圧縮部と前記天井ボードとの間で前記第2弾性部を圧縮する位置に配置されている、
請求項1に記載の動吸振装置。
【請求項3】
前記第2弾性部は、前記圧縮部の下面および前記質量部の上面にそれぞれ固定されている、
請求項2に記載の動吸振装置。
【請求項4】
前記保持手段は、前記一対の取付部の間で延びる延伸部と、当該延伸部の下面および前記質量部の上面に固定された前記第2弾性部とを含む、
請求項1に記載の動吸振装置。
【請求項5】
前記保持手段は、前記一対の取付部のそれぞれに固定され、互いに分離した一対の延伸部と、当該一対の延伸部のそれぞれの下面に固定された前記第2弾性部とを含む、
請求項1に記載の動吸振装置。
【請求項6】
前記質量部、前記第1弾性部、および前記第2弾性部が組となったユニットを複数備え、
前記保持手段は、前記一対の取付部の間で延びる延伸部と、当該延伸部の下面に固定された複数の前記第2弾性部とを含む、
請求項1に記載の動吸振装置。
【請求項7】
複数の前記第1弾性部のうち少なくとも隣接する2つの前記第1弾性部の下面に固定されて前記2つの第1弾性部同士を連結する連結板をさらに備える、
請求項1~6のいずれか1項に記載の動吸振装置。
【請求項8】
前記連結板と前記天井ボードとの間に介在し、前記連結板および前記天井ボードの少なくとも一方に対し、前記天井ボードと前記連結板との間の摩擦抵抗よりも小さな摩擦抵抗を有する低摩擦部材をさらに備える、
請求項7に記載の動吸振装置。
【請求項9】
所定の配列方向に互いに間隔を空けて配列された2本の野縁と、
前記野縁の下面に固定される天井ボードと、
前記天井ボードの上面に設置される請求項1~6のいずれか1項に記載の動吸振装置と、
を備えた天井構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井ボードの上に載置された動吸振装置および天井構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物における上下階間での床衝撃音の遮音対策として、下階の天井下地に制振材や動吸振器(ダイナミックダンパ)などの振動を低減させる装置を組み込む手法が取られることがある。
【0003】
例えば特許文献1では、弾性部と当該弾性部上に設けられた質量部とを有するダイナミックダンパを、2本の野縁の下面に固定された天井ボード上に設置することができるように構成された動吸振装置が提案されている。ダイナミックダンパを天井ボードに設置することにより、上層階から伝わった床衝撃音によって下層階の天井ボードが振動した時に、弾性体を介して質量体を所定の共振周波数で共振させることができ、この共振による反力によって天井の振動を低減することができる。
【0004】
具体的には、特許文献1に記載の動吸振装置は、上記のダイナックダンパと、上方への移動が規制された状態で2本の野縁に取り付けられる一対の取付部と、ダイナミックダンパを保持する保持手段とを備える。保持手段は、一対の取付部に固定されているとともに、一対の取付部が野縁に取り付けられた状態において、ダイナミックダンパの質量部および弾性部の荷重を野縁に預け、かつ、弾性部の下面が野縁の下面よりも下に位置するように質量部および弾性部を保持する。
【0005】
このダイナミックダンパを天井に施工する場合、天井ボードを取り付ける前の一対の野縁に一対の取付部を取り付け、ダイナミックダンパの質量部が保持手段の支持面上に載置された状態で保持手段が質量部を保持し、かつ、ダイナミックダンパの弾性部の下面を野縁の下面よりも下方に配置する。その後、天井ボードを野縁の下面に取り付ける。このとき、ダイナミックダンパは、弾性部の下面が天井ボードの上面に接して持ち上げられることにより、質量部が保持手段の支持面から上方に離れて野縁から離脱した状態で天井ボードに載置され、施工が完了する。そのため、ダイナミックダンパを容易に施工することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の特許文献1の構造では、振動を抑制したい天井ボードにダイナミックダンパを直接設置できるため、振動抑制効果が高いという利点がある。
【0008】
しかし、天井ボード施工後の状態では、上記の構造のダイナミックダンパは天井ボード上に載置されただけで自立した状態なので、天井ボードが衝撃を受けたときにその衝撃により、質量部が上方へ動いてダイナミックダンパが天井ボードから飛び上がるおそれがある。ダイナミックダンパの飛び上がりにより弾性部が天井ボードから離脱した場合には、ダイナミックダンパは動吸振機能を発揮することが困難になる。
【0009】
さらに、ダイナミックダンパの弾性部は質量部および弾性部の重量のみで天井ボードに当接した状態を維持するため、天井ボードの上面が不陸(凸凹)であったりした場合には弾性部と天井ボードとの間に隙間が生じ、弾性部のバネ定数が安定しにくくなる。そのため、動吸振性能の管理、詳しくは、動吸振性能のチューニングの管理を安定して行うことが可能である。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、天井ボードからの衝撃をうけても弾性部が天井ボードから離れることがなく、かつ、動吸振性能の安定した管理が可能な動吸振装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、種々検討した結果、上記目的は、以下の発明により達成されることを見出した。
【0012】
本発明の動吸振装置は、互いに間隔を空けて配列された2本の野縁と前記2本の野縁の下面に固定された天井ボードとを備えた天井に設置される動吸振装置であって、質量部と、前記質量部の下面に設けられる少なくとも1個の第1弾性部と、上方への移動が規制された状態で前記2本の野縁に取り付けられる一対の取付部と、前記一対の取付部に固定されているとともに、前記一対の取付部が前記野縁に取り付けられた状態において、前記質量部および前記第1弾性部の荷重を前記野縁に預け、かつ、前記第1弾性部の下面が前記野縁の下面よりも下に位置するように前記質量部および前記第1弾性部を保持する保持手段と、前記質量部の上に設けられているとともに前記天井ボードが野縁に取り付けられた状態において前記一対の取付部と前記天井ボードとの間で圧縮される少なくとも1個の第2弾性部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
かかる構成では、一対の取付部は、上方への移動が規制された状態で2本の野縁に取り付けられる。保持手段は、一対の取付部に固定されているとともに、一対の取付部が野縁に取り付けられた状態において、質量部および当該質量部の下面に設けられる少なくとも1個の第1弾性部の荷重を野縁に預け、かつ、第1弾性部の下面が野縁の下面よりも下に位置するように質量部および第1弾性部を保持する。さらに、この構成では、少なくとも1個の第2弾性部は、質量部の上に設けられているとともに天井ボードが野縁に取り付けられた状態において一対の取付部と前記天井ボードとの間で圧縮される。
【0014】
上記の構成の動吸振装置を天井に施工する場合、天井ボードを取り付ける前の2本の野縁にそれぞれ取付部を取り付けることにより、保持手段によって保持された質量部および第1弾性部のうち、第1弾性部の下面を2本の野縁の下面よりも下方に配置する。その後、天井ボードを2本の野縁の下面に取り付ける。このとき、質量部、第1弾性部、および第2弾性部は、第1弾性部の下面が天井ボードの上面に接して持ち上げられ、それとともに質量部の上側の第2弾性部が一対の取付部と天井ボードとの間(具体的には、一対の取付部に固定された保持手段と天井ボードとの間)で圧縮される。これにより、質量部が第2弾性部からの反力を上方から受けることにより、質量部の下側の第1弾性部が下方に圧縮された状態で、質量部が2本の野縁から離れた状態で天井ボードに載置される。これにより、質量部および第1弾性部および第2弾性部が動吸振機能を発揮可能な状態になる。
【0015】
上記の天井ボードの施工後の状態では、質量部が第2弾性部からの反力を上方から受けることにより、質量部の下側の第1弾性部は天井ボードに押し付けられる。そのため、天井ボードからの衝撃をうけても弾性部が天井ボードから離れることがなくなる。したがって、質量部、第1弾性部、および第2弾性部は、動吸振機能を安定して発揮することが可能である。
【0016】
また、第2弾性部からの反力により、第1弾性部は天井ボードに押し付けられて当該天井ボードに隙間なく密着するので、質量部の上下両側の第1弾性部および第2弾性部のバネ定数が安定する。そのため、動吸振性能の管理、詳しくは、動吸振性能のチューニングの管理を安定して行うことが可能である。
【0017】
上記の動吸振装置において、前記保持手段は、前記一対の取付部の間で延びる延伸部と、前記延伸部に固定された圧縮部とを有し、前記延伸部は、前記第1弾性部の下面が前記延伸部の下面よりも下方に突出した状態で前記質量部の下面を受ける支持面を有し、前記圧縮部は、前記第2弾性部の上であって、前記天井ボードが野縁に取り付けられた状態において当該圧縮部と前記天井ボードとの間で前記第2弾性部を圧縮する位置に配置されているのが好ましい。
【0018】
かかる構成によれば、上記の動吸振装置を天井に施工する場合、隣接する2本の野縁に一対の取付部を取り付け、保持手段における一対の取付部の間で延びる延伸部の支持面に質量部をあらかじめ載せておく。そして、延伸部の下面よりも下方に突出した第1弾性部の下面が天井ボードの上面に接触した状態で天井ボードを野縁に下方から取り付けることにより、保持手段の圧縮部は、延伸部に固定された状態で、当該圧縮部と前記天井ボードとの間で第2弾性部を上方から圧縮する。この第2弾性部の圧縮状態を維持しながら、第1弾性部の下面が天井ボードの上面に接して持ち上げられることにより、支持面から質量部が離れる。そのため、質量部および第1弾性部が保持手段から分離された状態で動吸振機能を確実に発揮することが可能である。
【0019】
上記の動吸振装置において、前記第2弾性部は、前記圧縮部の下面および前記質量部の上面にそれぞれ固定されているのが好ましい。
【0020】
かかる構成によれば、第1弾性部、質量部、および第2弾性部が圧縮部に固定されるので、動吸振装置の施工性が良好になる。
【0021】
上記の動吸振装置において、前記保持手段は、前記一対の取付部の間で延びる延伸部と、当該延伸部の下面および前記質量部の上面に固定された前記第2弾性部とを含むのが好ましい。
【0022】
かかる構成によれば、保持手段では、質量部および第1弾性部の荷重を延伸部の下面および質量部の上面に固定された第2弾性部を介して受け、一対の取付部は、延伸部が受けた当該荷重を前記2本の野縁に預けた状態で前記2本の野縁に取り付けられる。そして、天井ボードが野縁の下面に取り付けられた状態では、第2弾性部は、延伸部と天井ボードの間で圧縮される。このため、保持手段では延伸部とは別に第2弾性部を圧縮するための圧縮部を別途設ける必要が無くなるので、保持手段の簡素化が可能になる。そのため、動吸振装置の部品点数の削減ならびに製造コストの低減が可能になる。
【0023】
上記の動吸振装置において、前記保持手段は、前記一対の取付部のそれぞれに固定され、互いに分離した一対の延伸部と、当該一対の延伸部のそれぞれの下面に固定された前記第2弾性部とを含むのが好ましい。
【0024】
かかる構成によれば、2本の野縁にそれぞれ取り付けられた一対の取付部のそれぞれには、保持手段における互いに分離した一対の延伸部が固定されているので、それぞれの延伸部を短くしても、各延伸部の下面に固定された第2弾性部は、延伸部と天井ボードの間で確実に圧縮される。したがって延伸部の小型化が可能になる。
【0025】
上記の動吸振装置において、前記質量部、前記第1弾性部、および前記第2弾性部が組となったユニットを複数備え、前記保持手段は、前記一対の取付部の間で延びる延伸部と、当該延伸部の下面に固定された複数の前記第2弾性部とを含むのが好ましい。
【0026】
かかる構成によれば、質量部、第1弾性部、および第2弾性部が組となったユニットが複数あり、天井ボードが野縁の下面に取り付けられた状態では、複数のユニットが天井に設置される。これにより、各ユニットの質量部を小型化しても、天井ボードの重量に比べて大きな総重量の質量部を容易に設置することが可能になり、施工性が向上する。しかも、各ユニットの第2弾性部は、延伸部と天井ボードの間で圧縮されるので、各ユニットにおいて、天井ボードからの衝撃をうけても第1弾性部が天井ボードから離れることがなく、かつ、動吸振性能の安定した管理が可能になる。
【0027】
上記の動吸振装置において、複数の前記第1弾性部のうち少なくとも隣接する2つの前記第1弾性部の下面に固定されて前記2つの第1弾性部同士を連結する連結板をさらに備えるのが好ましい。
【0028】
かかる構成では、連結板は、少なくとも隣接する2つの第1弾性部の下面に固定されて2つの弾性部同士を連結するため、保持手段および取付部により質量部、複数の第1弾性部、第2弾性部および連結板の荷重が野縁に預けられた状態で、天井ボードを下方から取り付ける際に、天井ボードを水平方向に移動させた場合でも、隣接する2つの第1弾性部が連結板によって連結され、かつ、複数の第1弾性部と天井ボードとの間に連結板が介在しているので、個々の第1弾性部が単独で天井ボードに追随しなくなる。その結果、複数の第1弾性部のそれぞれが施工時において変形することを防止することが可能である。
【0029】
上記の動吸振装置において、前記連結板と前記天井ボードとの間に介在し、前記連結板および前記天井ボードの少なくとも一方に対し、前記天井ボードと前記連結板との間の摩擦抵抗よりも小さな摩擦抵抗を有する低摩擦部材をさらに備えるのが好ましい。
【0030】
かかる構成によれば、連結板と天井ボードとの間に低摩擦部材が介在しているので、質量部、複数の第1弾性部、第2弾性部を野縁に取り付けた後に天井ボードを水平方向に移動させても、連結板が天井ボードに対して相対的に滑ることにより連結板が天井ボードに追随しにくくなり、第1弾性部の変形をより確実に防止することが可能である。
【0031】
本発明の天井構造は、所定の配列方向に互いに間隔を空けて配列された2本の野縁と、前記野縁の下面に固定される天井ボードと、前記天井ボードの上面に設置される上記の動吸振装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明の動吸振装置およびそれを備えた天井構造によれば、天井ボードからの衝撃をうけても弾性部が天井ボードから離れることがなく、かつ、動吸振性能の安定した管理をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の実施形態に係る天井に備え付けられる動吸振装置の施工例であって、動吸振装置を野縁間に取り付けた直後であって天井ボードを野縁に固定する前の施工途中の状態を示す模式的に示す説明図である。
【
図2】
図1の動吸振装置において圧縮部材を取り外した状態で斜め上方から見た斜視図である。
【
図3】
図1の動吸振装置を斜め下方から見た斜視図である。
【
図5】
図2の動吸振部材および下側の第1弾性部間を連結する連結板の斜視図である。
【
図6】
図5の動吸振部材の質量部および上側の第2弾性部を第1弾性部から分離した状態を示す分解斜視図である。
【
図8】
図2の動吸振装置を野縁が延びる方向から見た図であって視認容易化のために支持部材を断面にして示した図である。
【
図9】
図8の野縁の下面に天井ボードが固定されることにより、天井ボードによって連結板およびその上方の動吸振部材が押し上げられるとともに圧縮部材によって第1弾性部および第2弾性部が圧縮される工程を示す工程説明図である。
【
図10】本発明の変形例に係る動吸振装置として連結板の下面に低摩擦部材を追加した例を示す図である。
【
図11】本発明の他の変形例に係る動吸振装置として2つの取付部の間に延伸部が架け渡された構造の架橋保持圧縮部材を備えた例を示す断面接面図である。
【
図12】本発明のさらに他の変形例に係る
図11の架橋保持圧縮部材と複数の第1弾性部および複数の第2弾性部とを組み合わせた例を示す断面接面図である。
【
図13】本発明のさらに他の変形例に係る
図12の架橋保持圧縮部材を分割することにより2つのユニット化された分割保持圧縮部材を備えた例を示す断面接面図である。
【
図14】本発明のさらに他の変形例に係る
図11の架橋保持圧縮部材と複数のユニット化された動吸振部材とを組み合わせた例を示す断面接面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態に係る天井および動吸振装置について図面に基づいて説明する。
【0035】
(天井)
図1および
図9に示される天井1は、本実施形態の動吸振装置10が野縁2に複数台設置された構成を有する。具体的には、天井1は、複数本(
図1では3本)の床梁4と、複数本(2本またはそれ以上、
図1では8本)の野縁2と、複数本(
図1では3本)の野縁受3と、野縁2の下面2aに固定される天井ボード5(
図9参照)と、複数の動吸振装置10と、を備える。
【0036】
床梁4は、上層階の床材を支えるためのものであり、
図1に示すように一方向に延びる鋼からなる構造材である。床梁4は、平板形状に形成された上下一対のフランジ4A,4Bと、これらのフランジを接続するウェブ4Cと、を有するH形鋼である。
図1に示すように、床梁4は、所定の方向において間隔を空けて平行に配列されている。この床梁4の配列方向を以下「方向D1」という。
【0037】
野縁2は、中空部が設けられた四角柱状の細長い構造材である。
図1に示すように、野縁2は、床梁4の配列方向D1に延び、方向D1と直交する方向において互いに間隔を空けて平行に配列されている。この野縁2の配列方向を以下「方向D2」という。野縁2の方向D2両側の側面には、方向D1に延びる、方向D1に直交する断面の形状がV字状の溝(被係合部)2b、2c(
図8参照)が設けられている。
【0038】
図1に示すように、野縁受3は、方向D2に延びる細長い構造材であり、野縁2の上面に配置されている。野縁受3は、平板形状に形成された上下一対のフランジ3A,3Bと、これらの一端部同士を接続する平板状のウェブ3Cと、を有する溝形鋼である。野縁受3は、方向D1において互いに間隔を空けて平行に配置されている。野縁受3と野縁2とは、互いに格子状に組み付けられている。
【0039】
図1に示すように、野縁受3は、各床梁4に対して平行に配置されている。床梁4は、下側のフランジ4Bに設けられた取付具4D、および野縁受3のフランジ3Aを貫通するボルト4Eを有し、野縁受3はボルト4Eにより取付具4Dに固定されている。
【0040】
天井ボード5は、例えば石膏ボードにより構成されており、
図9に示すように野縁2の下面2aに跨って固定されている。天井ボード5は、隣り合う両野縁2の間隔よりも幅が大きく、野縁2の下面2aに固定されている。また、天井ボード5は、動吸振装置10の複数の動吸振部材20が載置される上面5aを有する。
【0041】
動吸振装置10は、上層階の床から下層階の天井1へ伝わる床衝撃音を低減するものであり、
図1に示すように隣り合う2本の野縁2に跨るように複数配置されている。動吸振装置10は、方向D1において互いに間隔を空けて配置され、方向D1に延びる列が方向D2に複数並んでいる。
図1では、方向D2に隣り合う列において、一方の列の動吸振装置10同士の間となる位置に、他方の列の動吸振装置10が配置されている。
【0042】
(動吸振装置)
動吸振装置10の詳細な構造について、
図2~
図7を主に参照して説明する。
【0043】
図2~
図7に示すように、動吸振装置10は、それぞれ少なくとも1つの質量部21、質量部21の下側の複数(本実施形態では4個)の第1弾性部22、および質量部21の上側の複数(4個)の第2弾性部23を有する3個の動吸振部材20と、各動吸振部材20内の後述の4個の第1弾性部22間の連結を行う3枚の連結板40と、3個の動吸振部材20を一括して支持する支持部材30と、支持部材30に固定され、3個の動吸振部材20における上側の弾性部、すなわち第2弾性部23を下方に圧縮する圧縮部材50とを備える。
【0044】
各動吸振部材20は、1つの質量部21と、質量部21の下面21aに固定された少なくとも1個(本実施形態では4個)の第1弾性部22と、質量部21の上面21bに固定された少なくとも1個(本実施形態では4個)の第2弾性部23とを有する。質量部21は、直方体形状の金属板、具体的には鋼板からなり、質量部21の下面21aは、角が丸みを帯びた正方形または長方形である。動吸振部材20それぞれの質量部21の厚さ、方向D1における長さ、および方向D2における長さが同一である。
【0045】
(第1弾性部の説明)
4個の第1弾性部22は、質量部21の下面21aから下方に延び、本実施形態では、正方形の下面21aの四隅付近の部分から下方に延び、当該下面21aに接着などによって固定される。さらに具体的には、第1弾性部22は、質量部21の下面21aの四隅よりも内側の部分の領域から下方に延びるように設けられる。なお、本発明の動吸振装置は、第1弾性部22を少なくとも1つ有していればよい。
【0046】
第1弾性部22は、質量部21の下面21aに方向D1および方向D2に互いに離間して配置された4個設けられている。
【0047】
第1弾性部22は、弾性材料として機能する天然ゴムなどで製造され、
図6に示されるように、連結板40が固定可能な下面22aを有する角柱などのブロック状の形状を有している。
【0048】
天然ゴムを用いた弾性部の同調周波数を低くする際には、第1弾性部および第2弾性部のバネ定数を小さくする必要がある。本実施形態では、個々の第1弾性部22のバネ定数を小さくするために、1つの質量部21当たり複数個の小型の第1弾性部22を設置している。この構成では、個々の第1弾性部22は天井ボード5の施工時にせん断変形しやすくなるので、本実施形態では隣接する少なくとも2個の第1弾性部22を以下のように連結板40によって連結することにより変形を抑制している。
【0049】
(第2弾性部の説明)
4個の第2弾性部23は、質量部21の上面21bから上方に延び、本実施形態では、正方形の上面21bの四隅付近の部分から上方に延びる。さらに具体的には、第2弾性部23は、質量部21の上面21bの四隅よりも内側の部分の領域から上方に延び、当該上面21bに接着などによって固定される。なお、第2弾性部23は、質量部21の上に配置されていればよく、質量部21に固定されていなくてもよく、圧縮部材50の下面に固定されている形態、または、質量部21および圧縮部材50の間に固定されずに単に介在されている状態でもよい。さらに、本発明の動吸振装置は、第2弾性部23を少なくとも1つ有していればよい。
【0050】
第2弾性部23は、質量部21の下側の第1弾性部22と対応するように、質量部21の上面21bに方向D1および方向D2に互いに離間して配置された4個設けられている。
【0051】
第2弾性部23は、第1弾性部22と同様に、弾性材料として機能する天然ゴムなどで製造され、
図6に示されるように、圧縮部材50と当接可能な上面23aを有する角柱などのブロック状の形状を有している。
【0052】
第2弾性部23は、質量部21の上に設けられているとともに天井ボード5が野縁2に取り付けられた状態において、後述の一対の取付部31と天井ボード5との間(具体的には、一対の取付部31に固定された圧縮部材50と天井ボード5との間)で圧縮される。本実施形態では、第2弾性部23は、圧縮部材50の本体部51の下面51aと質量部21の上面21bにそれぞれ接着などにより固定されている。
【0053】
(連結板の説明)
3枚の連結板40は、各動吸振部材20内の第1弾性部22間の連結を行う。具体的には、連結板40は、4個の第1弾性部22を連結可能な面積を有する正方形形状の板材である。連結板40は、各動吸振部材20の4個の第1弾性部22の下面22aに接着などにより強固に固定して4個の第1弾性部22を連結し、D2およびD1方向の個々の動きを規制する。
【0054】
本実施形態では、連結板40は、各動吸振部材20の4個の第1弾性部22のすべてを連結する広さの正方形形状を有しているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明では、連結板40は、複数の第1弾性部22のうち少なくとも隣接する2つの第1弾性部22の下面22aに固定されて2つの第1弾性部22同士を連結するように構成されていればよい。したがって、連結板40は、方向D2に並ぶ2個の第1弾性部22同士を連結する長方形形状であってもよい。
【0055】
なお、連結板40で天井ボード5の振動を受けるためには、連結板40の面積は小さい方が、天井ボード5との隙間ができにくい点で好ましい。
【0056】
連結板40は、例えば鋼板または塩化ビニルシートなどで製造される
【0057】
(支持部材の説明)
支持部材30は、野縁2の下面2aに天井ボード5が取り付けられることにより少なくとも1つの質量部21、複数の第1弾性部22、複数の第2弾性部23および連結板40の荷重を天井ボード5に預けることができるように、第1弾性部22の下面22aおよび当該下面22aに固定された連結板40の下面40bが2本の野縁2の下面2aよりも下に位置した状態で2本の野縁2に取付可能に構成されている。さらに、支持部材30(具体的には、後述の延伸部32)は、後述の圧縮部材50との間で複数の第2弾性部23を圧縮する機能を有する。
【0058】
具体的には、
図4に示されるように、支持部材30は、隣り合う2本の野縁2のそれぞれに取り付け可能な一対の取付部31と、取付部31の間で方向D2に延びる延伸部32とを有する。支持部材30は、一枚の金属板からなり、当該金属板を所定の形状に切り出し、折り曲げて形成されたものである。
【0059】
一対の取付部31は、上方への移動が規制された状態で2本の野縁2に取り付けられるように構成されている。本実施形態では、取付部31は、水平に方向D1に延びる天板31aと、天板31aの延伸部32側の端部から延伸部32に向かって下向きに延びる内側壁31bと、天板31aの延伸部32と反対側の端部から下方に延びる外側壁31cとを有する。内側壁31bおよび外側壁31cは、野縁2から外れにくいように、野縁2の両側の側面に設けられた溝2b、2c(
図8参照)に係合可能な係合凸部31b1、31c1をそれぞれ有する。
【0060】
延伸部32は、方向D2に延びる長方形の2つの開口32aを有する。2つの開口32aは、方向D1に離れて配置されている。各開口32aは、3つの動吸振部材20の方向D2に並ぶ6個の第1弾性部22が挿入可能な大きさを有する。具体的には、開口32aは、天井ボード5の取付時に動吸振部材20が持ち上げられたときに動吸振部材20の各第1弾性部22が開口32aの縁に接触しない程度の大きさを有する。
【0061】
2つの開口32aの間には、方向D2に延びる中央延伸部32bが形成されている。中央延伸部32bは、第1弾性部22が開口32aに挿入され、かつ連結板40の下面40bが延伸部32の下面32dよりも下方に突出した状態(
図8参照)で、質量部21の下面21aを受けることが可能である。言い換えれば、延伸部32は、少なくとも中央延伸部32bの上面において質量部21を受けることが可能な支持面32eを有する。
【0062】
本実施形態では、中央延伸部32bの下側には、上記の第1弾性部22間を連結する正方形状の3枚の連結板40が配置されている。すなわち、中央延伸部32bと3枚の連結板40とは上下方向に重なり合う位置関係にある。
【0063】
内側壁31bの高さは、
図8に示されるように、取付部31が野縁2に上方から取り付けられ、かつ質量部21の下面21aが支持面32eで支持された状態で、延伸部32の下面32dが野縁2の下面2aよりも上方に位置し、かつ、連結板40の下面40bが野縁2の下面2aよりも下方に位置するように設定されている。
【0064】
具体的には、本実施形態の支持部材30では、取付部31が野縁2に取り付けられ、かつ質量部21の下面21aが支持面32eで支持された状態で、野縁2の下面2aに天井ボード5を固定すると、
図9に示すように、動吸振部材20は、連結板40を介在した状態で天井ボード5によって持ち上げられ、天井ボード5の上面5aに載置される。このとき、支持部材30と動吸振部材20とは互いに非接触の状態となる。
【0065】
また、延伸部32は、延伸部32の補強のために、方向D1における両端から上向きに立ち上がり、方向D2に延びる一対の側壁32cを有する。
【0066】
なお、
図7~8では、質量部21の下面21aおよび支持面32eを視認容易にするために、側壁32cは省略されている。
【0067】
(圧縮部材の説明)
圧縮部材50は、第2弾性部23の上面23aに当接した状態で支持部材30一対の取付部31および延伸部32のうちのいずれか(本実施形態では延伸部32)に固定され、支持面32eに質量部21が載置した状態、又は少なくとも野縁2の下面2aに天井ボード5が取り付けられる状態において、第2弾性部23を下方に圧縮するように構成されている。
【0068】
具体的には、
図7に示されるように、圧縮部材50は、方向D2に延びる長尺な平板状の本体部51と、本体部51の補強のために本体部51の方向D1における両端から上向きに立ち上がるとともに方向D2に延びる一対の側壁52と、本体部51の下面51aの四隅から下方に延びる4本の支柱53とを有する。圧縮部材50は、支持部材30の延伸部32の上面側(支持面32e側)に固定される。具体的には、圧縮部材50の本体部51が支持部材30の延伸部32と対向した状態で4本の支柱53が延伸部32の四隅の取付孔32fにねじ止めなどで固定されることにより、圧縮部材50が支持部材30の延伸部32に固定される。
【0069】
(本発明の保持手段についての説明)
上記実施形態の動吸振装置10は、言い換えれば、質量部21および第1弾性部22を保持する保持手段として、支持部材30の延伸部32および圧縮部材50(圧縮部)を備えている。
【0070】
延伸部32は、一対の取付部31に固定されているとともに、一対の取付部31が野縁2に取り付けられた状態において、質量部21および第1弾性部22の荷重を野縁2に預け、かつ、第1弾性部22の下面22aが野縁の下面2aよりも下に位置するように質量部21および第1弾性部22を保持する。
【0071】
圧縮部としての圧縮部材50は、一対の取付部31および延伸部32のうちのいずれかに固定されていればよく、本実施形態では、延伸部32に固定されている。圧縮部材50の本体部51は、第2弾性部23の上であって、少なくとも天井ボード5が野縁2に取り付けられた状態において当該圧縮部材50の本体部51と天井ボード5との間で第2弾性部23を圧縮する位置に配置されている。
【0072】
(動吸振装置の施工方法)
本実施形態に係る動吸振装置10を天井1に施工する方法について説明する。
【0073】
まず、支持部材30の開口32aに対して、質量部21が固定された各動吸振部材20の第1弾性部22を挿入する。これにより、質量部21は、延伸部32の支持面32eに支持された状態となる。
【0074】
ついで、各動吸振部材20の4個の第1弾性部22の下面22aに連結板40を接着などにより固定して4個の第1弾性部22同士を連結する。
【0075】
その後、圧縮部材50を各動吸振部材20の第2弾性部23に当接させながら支持部材30の延伸部32に固定する。具体的には、圧縮部材50の本体部51の下面51aを第2弾性部23の上面23aに当接した状態で、支柱53の下端を延伸部32にねじ止めなどにより固定する。これにより、天井ボード5を取り付ける前の状態では、各動吸振部材20の第2弾性部23は、圧縮部材50により下方にあらかじめ圧縮(予圧縮)される。
【0076】
次に、隣り合う野縁2に支持部材30の一対の取付部31を上方から覆い被さるように取り付け、支持部材30をこれらの野縁2の間に架け渡す。
【0077】
このとき、支持面32eに支持された動吸振部材20の第1弾性部22の下面22aに固定された連結板40の下面40bが野縁2の下面2aより下方に配置される。それとともに、延伸部32の下面32dが野縁2の下面2aよりも上方に位置する状態となる。この状態で野縁2に天井ボード5を取り付けることにより、第1弾性部22の下面22aが連結板40を介して天井ボード5の上面5aに接触し、天井ボード5により動吸振部材20および連結板40が予圧縮された第2弾性部23の反力に抗しながら持ち上げられ、第1弾性部22および第2弾性部23の両方が圧縮された状態になる。このとき、第2弾性部23の反力により第1弾性部22がその下面22aに取り付けられた連結板40を介して天井ボード5に押し当てられながら、支持面32eから質量部21が離れる。これにより、動吸振部材20は、動吸振機能を発揮可能な状態となる。
【0078】
このように、動吸振部材20が支持部材30に支持された状態の動吸振装置10を隣り合う野縁2に架け渡し、これらの野縁2に天井ボード5を取り付けるという簡素な手順で、天井1に動吸振装置10を容易に施工することができる。
【0079】
(床衝撃音の低減作用)
天井ボード5の上面5aにそれぞれ独立して載置された動吸振部材20は、以下のようにして上層階の床から下層階の天井1へ伝わる床衝撃音を低減させるように作用する。すなわち、上層階の床から伝わる床衝撃音により天井ボード5が振動し、その振動が天井ボード5の上面にある連結板40を介して動吸振部材20に伝達されるが、その一方で質量部21は慣性力により元の位置に留まろうとする。これにより、質量部21の上下両側の第1弾性部22および第2弾性部23は弾性変形し、質量部21は天井ボード5に対して相対的に振動する。そして、質量部21の振動による反力が第1弾性部22を介して天井ボード5に伝えられ、天井ボード5の振動が抑制され、床衝撃音が低減される。
【0080】
動吸振部材20は、それぞれ質量部21の大きさが異なるようにすれば、それぞれ異なる共振周波数を有するようになる。そのため、天井1に伝わる床衝撃音が複数の異なる周波数成分を有する場合、例えば複数のピークを下げる必要が生じる場合であっても、動吸振部材20の共振周波数を各床衝撃音の帯域に対応する共振周波数に設定しておくことにより、いずれの床衝撃音とも低減することができる。
【0081】
(本実施形態の特徴)
(1)
上記のように構成された本実施形態の動吸振装置10およびそれを備えた天井構造では、支持部材30一対の取付部31は、上方への移動が規制された状態で2本の野縁2に取り付けられる。保持手段に含まれる延伸部32は、一対の取付部31に固定されているとともに、一対の取付部31が野縁2に取り付けられた状態において、質量部21および当該質量部21の下面21aに設けられる少なくとも1個の第1弾性部22の荷重を野縁2に預け、かつ、第1弾性部22の下面22aが野縁2の下面2aよりも下に位置するように質量部21および第1弾性部22を保持する。さらに、この構成では、少なくとも1個の第2弾性部23は、質量部21の上に設けられているとともに天井ボード5が野縁に取り付けられた状態において一対の取付部31と天井ボード5との間(具体的には延伸部32を介して一対の取付部31に固定された圧縮部材50と天井ボード5の間)で圧縮される。
【0082】
上記の構成の動吸振装置10を天井に施工する場合、天井ボード5を取り付ける前の2本の野縁2にそれぞれ取付部31を取り付けることにより、延伸部32(保持手段)によって保持された質量部21および第1弾性部22のうち、第1弾性部22の下面22aを2本の野縁2の下面2aよりも下方に配置する。その後、天井ボード5を2本の野縁2の下面2aに取り付ける。このとき、質量部21、第1弾性部22、および第2弾性部23は、第1弾性部22の下面22aが天井ボード5の上面5aに接して持ち上げられて当該第1弾性部22が圧縮され、それとともに質量部21の上側の第2弾性部23が一対の取付部31と天井ボード5との間(具体的には延伸部32を介して一対の取付部31に固定された圧縮部材50と天井ボード5の間)で圧縮され、これら第1弾性部22および第2弾性部23の両方が圧縮された状態になる。これにより、質量部21が第2弾性部23からの反力を上方から受けることにより、質量部21の下側の第1弾性部22が下方に圧縮された状態で、質量部21が2本の野縁2から離れた状態で天井ボード5に載置される。これにより、質量部21および第1弾性部22および第2弾性部23が動吸振機能を発揮可能な状態になる。
【0083】
上記の天井ボード5の施工後の状態では、質量部21が第2弾性部23からの反力を上方から受けることにより、質量部21の下側の第1弾性部22は天井ボード5に押し付けられる。そのため、天井ボード5からの衝撃をうけても弾性部が天井ボード5から離れることがなくなる。したがって、質量部21、第1弾性部22、および第2弾性部23は、動吸振機能を安定して発揮することが可能である。
【0084】
また、第2弾性部23からの反力により、第1弾性部22は天井ボード5に押し付けられて当該天井ボード5に隙間なく密着するので、質量部21の上下両側の第1弾性部22および第2弾性部23のバネ定数が安定する。そのため、動吸振性能の管理、詳しくは、動吸振性能のチューニングの管理を安定して行うことが可能である。
【0085】
さらに、天井ボード5を下方から取り付ける際に、天井ボード5を水平方向に移動させた場合でも、連結板40により第1弾性部のせん断変形に対する剛性が連結板40のないときに比べて大きくなることから、天井ボード5の施工時における第1弾性部22の変形を防止することが可能である。
【0086】
また、上記の構成では、天井ボード5に設置する動吸振装置10が動吸振性能を安定して発揮することが可能であるので、動吸振装置10の設置個数の削減を図ることが可能になり、施工省力化・コストダウンが可能となる。
【0087】
(2)
上記実施形態の動吸振装置10では、質量部21および第1弾性部22を保持する保持手段は、一対の取付部31の間で延びる延伸部32と、延伸部32に固定された圧縮部材50(圧縮部)とを有する。
【0088】
延伸部32は、第1弾性部22の下面22aが延伸部32の下面よりも下方に突出した状態で質量部21の下面21aを受ける支持面32eを有する。
【0089】
圧縮部材50(圧縮部)の本体部51は、第2弾性部23の上であって、少なくとも天井ボード5が野縁2に取り付けられた状態において当該本体部51と天井ボード5との間で第2弾性部23を圧縮する位置に配置されている。
【0090】
かかる構成によれば、上記の動吸振装置10を天井に施工する場合、隣接する2本の野縁2に支持部材30の一対の取付部31を取り付け、一対の取付部31の間で延びる延伸部32の支持面32eに質量部21をあらかじめ載せておく。そして、延伸部32の下面よりも下方に突出した第1弾性部22の下面22aが天井ボード5の上面に接触した状態で天井ボード5を野縁2に下方から取り付けることにより、圧縮部材50(圧縮部)は、延伸部32に固定された状態で、当該圧縮部材50の本体部51と天井ボード5との間で第2弾性部23を上方から圧縮する。この第2弾性部23の圧縮状態を維持しながら、質量部21が第2弾性部23からの反力を上方から受け、第1弾性部22の下面22aが天井ボード5の上面に接して持ち上げられることにより、質量部21の下側の第1弾性部22が下方に圧縮された状態で支持面32eから質量部21が離れる。そのため、質量部21および第1弾性部22が延伸部32から分離された状態で動吸振機能を確実に発揮することが可能である。
【0091】
なお、上記実施形態では、圧縮部材50(圧縮部)延伸部32に固定されているが、延伸部32を介さずに一対の取付部31に直接固定されてもよい。
【0092】
(3)
また、上記実施形態の動吸振装置10では、第2弾性部23は、圧縮部材50(圧縮部)の本体部51の下面51aおよび質量部21の上面21bにそれぞれ固定されている。
【0093】
かかる構成によれば、第1弾性部22、質量部21、および第2弾性部23が圧縮部材50(圧縮部)に固定されるので、動吸振装置10の施工性が良好になる。
【0094】
また、この構成では、天井ボード5の取付後の状態では、支持面32eから質量部21が離れるように第1弾性部22および第2弾性部23のバネ定数が設定されている。
【0095】
(4)
また、上記実施形態の動吸振装置10は、複数の第1弾性部22のうち少なくとも隣接する2つの第1弾性部22の下面22aに固定されて2つの第1弾性部22同士を連結する連結板40を備えている。
【0096】
かかる構成では、連結板40は、少なくとも隣接する2つの第1弾性部22の下面22aに固定されて2つの弾性部同士を連結するため、支持部材30の取付部31および延伸部32(保持手段)により質量部21、複数の第1弾性部22、第2弾性部23および連結板40の荷重が野縁2に預けられるとともに支持部材30の延伸部32と圧縮部材50との間で第2弾性部23を圧縮した状態で、天井ボード5を下方から取り付ける際に、天井ボード5を水平方向に移動させた場合でも、隣接する2つの弾性部が連結板40によって連結され、かつ、複数の弾性部と天井ボード5との間に連結板40が介在しているので、個々の第1弾性部22が単独で天井ボード5に追随しなくなる。その結果、複数の第1弾性部22のそれぞれが施工時において変形することを防止することが可能である。
【0097】
したがって、第1弾性部22のバネ定数を小さくするために小型の第1弾性部22を複数個用いる場合でも、個々の第1弾性部22の変形を防止することが可能である。
【0098】
また、各動吸振部材20では4個の第1弾性部22を連結板40によって連結することにより各第1弾性部22の鉛直方向のバネ定数は変えずに水平方向のバネ定数を大きくすることが可能になる。これにより、施工時においてせん断変形を生じさせにくい動吸振部材20を構成することができる。
【0099】
また、上記の構成では、複数の第1弾性部22の施工時における変形を防いで個々の第1弾性部22が目標値により近い弾性を発揮することにより、動吸振部材20による天井ボード5の振動低減効率がさらに向上する。これにより、動吸振部材20の設置個数のさらなる削減が図られ、さらなる施工省力化およびコストダウンが可能となる。
【0100】
(5)
本実施形態の動吸振装置10では、連結板40は、天井ボード5とゴムである第1弾性部22との間の摩擦抵抗よりも小さな摩擦抵抗となる材料である鋼板で形成されている。つまり、連結板40の天井ボード5に対する摩擦抵抗は、第1弾性部22の天井ボード5に対する摩擦抵抗よりも小さい。そのため、動吸振装置10を野縁2に取り付けた後に天井ボード5を水平方向に移動させても、連結板40が天井ボード5に対して相対的に滑ることにより連結板40が天井ボード5に追随しにくくなり、第1弾性部22の変形を確実に防止することが可能である。
【0101】
なお、本実施形態のように第1弾性部22および第2弾性部23がゴムで形成されている場合においても、第1弾性部22および第2弾性部23を中空の形状(例えば、樽形状)にすれば、第1弾性部22および第2弾性部23のバネ定数を抑えることが可能になる。そのため、第1弾性部22および第2弾性部23を天井ボード5の制振に適した弾性になるように形成することが可能になる。
【0102】
(6)
本実施形態の動吸振装置10では、複数の第1弾性部22は、1つの質量部21の下面に設けられる。この構成では、1つの質量部21の下面に設けられる個々の第1弾性部22を小型化してバネ定数を小さくすることが可能である。
【0103】
(変形例)
(A)
本発明の変形例として、
図10に示されるように、連結板40と天井ボード5(
図9参照)との間に介在し、連結板40および天井ボード5の少なくとも一方に対し、天井ボード5と連結板40との間の摩擦抵抗よりも小さな摩擦抵抗を有する低摩擦部材60をさらに備えるようにしてもよい。
図10には、連結板40の下面に低摩擦部材60が接着などにより固定されている例が示されている。
【0104】
かかる構成によれば、連結板40と天井ボード5との間に低摩擦部材60が介在しているので、動吸振装置10を野縁2に取り付けた後に天井ボード5を水平方向に移動させても、連結板40が天井ボード5に対して相対的に滑ることにより連結板40が天井ボード5に追随しにくくなり、第1弾性部22の変形をより確実に防止することが可能である。
【0105】
たとえば、連結板40を鋼板で製造する際、滑りやすくするために鋼板の下面にテフロン(登録商標)加工等(すなわちフッ素樹脂加工)を施して低摩擦部材60を形成することで連結板40は天井ボード5に対してさらに滑りやすくなる。
【0106】
なお、低摩擦部材60は、第1弾性部22と天井ボード5との間に介在し、天井ボード5と第1弾性部22との間の摩擦抵抗よりも小さな摩擦抵抗となるように天井ボード5または連結板40の少なくとも一方に設けるものであればよいので、
図10に示されるように連結板40の下面40bに設けられる形態だけでなく、天井ボード5の上面に設けられる形態、または連結板40の下面40bおよび天井ボード5の上面の両方に設けられる形態でもよい。
【0107】
(B)
上記の実施形態では、質量部21、第1弾性部22、および第2弾性部23の全荷重を当該支持部材30の延伸部32で直接受けているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の変形例として、延伸部が第2弾性部を介して質量部および第1弾性部の荷重を受ける構造にしてもよい。
【0108】
具体的には、
図11~14に示される以下の変形例(C)~(F)のように、野縁2に取り付けられる取付部72と天井ボード5の施工時に第2弾性部23を下方に圧縮する延伸部71が一体化された部材(
図11~12および
図14の架橋保持圧縮部材70および
図13の分割保持圧縮部材80)を用いればよい。
【0109】
ここで、
図11は、2つの取付部72の間に延伸部71が架け渡された構造の架橋保持圧縮部材70を備えた例の基本構造を示し、野縁2の間に1つの動吸振部材20を備える。
図12は、
図11の架橋保持圧縮部材70と複数の第1弾性部22および複数の第2弾性部23とを組み合わせた構造を示す。
図13は、
図12の架橋保持圧縮部材70を分割することにより2つのユニット化された分割保持圧縮部材80を備えた構造を示す。
図14は、
図11の架橋保持圧縮部材70と複数のユニット化された動吸振部材20とを組み合わせた構造を示す。
図11~14の構造は、いずれも第2弾性部23が延伸部71に接着などにより固定されており、天井ボード5の設置前の状態では動吸振部材20が延伸部71にぶら下がった状態になっている。
【0110】
図11~12および
図14の架橋保持圧縮部材70を備えた構造、および
図13の分割保持圧縮部材80を備えた構造では、いずれも、質量部21および第1弾性部22を保持する保持手段は、一対の取付部72の間で延びる延伸部71と、当該延伸部71の下面および質量部の上面に固定された第2弾性部23とを含む構成を有している。
【0111】
したがって、保持手段では、質量部21および第1弾性部22の荷重を延伸部71の下面および質量部21の上面21bに固定された第2弾性部23を介して受け、一対の取付部72は、延伸部71が受けた当該荷重を前記2本の野縁2に預けた状態で2本の野縁2に取り付けられる。そして、天井ボード5が野縁2の下面に取り付けられた状態では、天井ボード5により第1弾性部22が圧縮され、それとともに第2弾性部23は、延伸部71と天井ボード5の間で圧縮される。このため、保持手段では延伸部71とは別に第2弾性部23を圧縮するための圧縮部(上記の圧縮部材50など)を別途設ける必要が無くなるので、保持手段の簡素化が可能になる。そのため、動吸振装置の部品点数の削減ならびに製造コストの低減が可能になる。
【0112】
以下、
図11~14に示される変形例についてさらに詳しく説明する。
【0113】
(C)
図11に示される変形例の構造は、野縁2間に設置された1つの動吸振部材20(具体的には、質量部21,第1弾性部22、第2弾性部23をそれぞれ1個備えた構造)と、2つの取付部72の間に第2弾性部23を下方に圧縮する延伸部71が架け渡された構造の架橋保持圧縮部材70とを備えた基本的な構造を有する。この構造では、天井ボード5を2本の野縁2の下面に取り付けることにより、天井ボード5により第1弾性部22が圧縮され、それとともに、延伸部71から第2弾性部23が下方に圧縮されることにより、第2弾性部23からの反力により第1弾性部22が天井ボード5の上面に押し付けられるので、動吸振部材20の飛び跳ね防止および動吸振性能の安定した管理が可能である。
【0114】
(D)
図12は、
図11の架橋保持圧縮部材70と複数の第1弾性部22および複数の第2弾性部23とを組み合わせた変形例の構造を示す。
図12に示される構造では、第1弾性部22のバネ定数を小さくするときに天井ボード5に対する接触面積が小さい複数の第1弾性部22が1個の質量部21の下面に取り付けられている。この構造では、天井ボード5施工時の第1弾性部22のせん断変形を防ぐために上記実施形態のように連結板40によって複数の第1弾性部22を連結するのが好ましい。
【0115】
(E)
図13は、
図12の架橋保持圧縮部材70を分割することにより2つのユニット化された分割保持圧縮部材80を備えた変形例の構造を示す。2つの分割保持圧縮部材80は、それぞれ、第2弾性部23を下方に圧縮する延伸部71と、延伸部71が固定されるとともに野縁2に取り付けられる取付部72とをそれぞれ備えている。
【0116】
すなわち、
図13示される構造では、取付部72は、2本の野縁2にそれぞれ個別に取り付けられている。延伸部71は、取付部72にそれぞれ個別に固定されている。2つの延伸部71は、一対の取付部72の間で水平に延びているが、互いに分離している。延伸部71は、それぞれ個別に、少なくとも1つの第2弾性部23を下方に圧縮する。したがって、この構成では、質量部21および第1弾性部22を保持する保持手段は、一対の取付部72のそれぞれに固定され、互いに分離する一対の延伸部71と、当該一対の延伸部71のそれぞれの下面に固定された第2弾性部23とを含む。
【0117】
この
図13に示される構造では、2本の野縁2にそれぞれ取り付けられた一対の取付部72のそれぞれには、保持手段における互いに分離した一対の延伸部71が固定されているので、それぞれの延伸部71を短くしても、各延伸部71の下面に固定された第2弾性部23は、延伸部71と天井ボード5の間で確実に圧縮される。したがって延伸部71の小型化が可能になる。
【0118】
また、この構成では、延伸部71を野縁2間にかけ渡して設けずに各野縁2に剛的に固定した2つの延伸部71を介して動吸振部材20を設置することが可能である。
【0119】
なお、2つに分割された延伸部71は、第2弾性部23への圧縮を確実に行うために延伸部71の剛性を上げるためのリブなどの補強部を備えているのが好ましい。または、延伸部71および第2弾性部23を板バネなどにより一体構造にして延伸部71および第2弾性部23の全体で所定の圧縮力が得られる構造にしてもよい。
【0120】
(F)
図14は、
図11の架橋保持圧縮部材70と複数のユニット化された動吸振部材20とを組み合わせた変形例の構造を示す。
【0121】
この
図14に示される構造は、質量部21、第1弾性部22、および第2弾性部23が組となったユニット化された動吸振部材20を複数備えている。
【0122】
支持部材30は、野縁2の下面2aに天井ボード5が取り付けられることにより複数のユニット化された動吸振部材20の荷重を天井ボード5に預けるとともに架橋保持圧縮部材70の延伸部71と天井ボード5との間で第1弾性部22および第2弾性部23を圧縮することができるように、複数のユニット化された動吸振部材20のそれぞれの第1弾性部22の下面22aが2本の野縁2の下面2aよりも下に位置した状態で2本の野縁2に取付可能に構成されている。したがって、この構成では、質量部21および第1弾性部22を保持する保持手段は、一対の取付部72の間で延びる延伸部71と、当該延伸部71の下面に固定された複数の第2弾性部23とを含む。
【0123】
この
図14に示される構成によれば、質量部21、第1弾性部22、および第2弾性部23が組となったユニット化された動吸振部材20が複数あり、天井ボード5が野縁2の下面に取り付けられた状態では、複数のユニット化された動吸振部材20が天井に設置される。これにより、各ユニット化された動吸振部材20の質量部21を小型化しても、天井ボード5の重量に比べて大きな総重量の質量部21を容易に設置することが可能になり、施工性が向上する。しかも、各ユニットの第1弾性部22および第2弾性部23は、延伸部71と天井ボード5の間で圧縮されるので、各ユニット化された動吸振部材20において、天井ボード5からの衝撃をうけても第1弾性部22が天井ボード5から離れることがなく、かつ、動吸振性能の安定した管理が可能になる。
【0124】
上記のように複数のユニット化された動吸振部材20を設置することにより、各ユニット化された動吸振部材20の質量部21を小さくすることが可能になり、その際に1つの架橋保持圧縮部材70に複数のユニット化された動吸振部材20を設置することができる。
【0125】
(G)
なお、本実施形態では、連結板40は、各動吸振部材20の4個の第1弾性部22を連結する正方形形状を有しているが、1つの支持部材30に対して複数の動吸振部材20が並んで配置されている構成では、複数の動吸振部材20のすべての第1弾性部22を1枚の連結板40で連結してもよい。その場合も、複数の第1弾性部22のそれぞれが施工時において変形することを防止することが可能である。
【0126】
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0127】
1 天井
2 野縁
2a 下面
4 床梁
5 天井ボード
5a 上面
10 動吸振装置
20 動吸振部材
21 質量部
22 弾性部
22a 下面
30 支持部材
31 取付部
32 延伸部(保持手段)
32d 下面
32e 支持面
40 連結板
40a 上面
40b 下面
50 圧縮部材(保持手段)
60 低摩擦部材
70 架橋保持圧縮部材
71 延伸部(保持手段)
72 取付部
80 分割保持圧縮部材