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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108463
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】生体情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20240805BHJP
   A61B 5/113 20060101ALI20240805BHJP
   A61B 5/08 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
A61B5/11 110
A61B5/113
A61B5/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012847
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 莉穂
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 啓介
(72)【発明者】
【氏名】谷本 雄大
(72)【発明者】
【氏名】小澤 尚志
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038SS08
4C038SV00
4C038SV01
4C038SX07
4C038VA04
4C038VB01
4C038VB31
4C038VC20
(57)【要約】
【課題】生体情報の取得に用いる信号の測定対象の人物への到達を遮る障害物が存在する場合でも、生体情報を取得できる生体情報処理システムを提供する。
【解決手段】本生体情報処理システムは、生体情報の測定に用いる信号を送信する送信部と、人物によって反射された上記信号を受信する受信部と、上記受信部によって受信された上記信号を基に上記人物の上記生体情報を生成する生成部と、上記送信部から送信された上記信号を上記人物に向けて反射し、上記人物によって反射された上記信号を上記受信部に向けて反射する反射部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報の測定に用いる信号を送信する送信部と、
人物によって反射された前記信号を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記信号を基に前記人物の前記生体情報を生成する生成部と、
前記送信部から送信された前記信号を前記人物に向けて反射し、前記人物によって反射された前記信号を前記受信部に向けて反射する反射部と、を備える、
生体情報処理システム。
【請求項2】
前記生成部は、前記信号を基に前記人物の呼吸に係る情報を生成する、
請求項1に記載の生体情報処理システム。
【請求項3】
前記信号は、電波である、
請求項1に記載の生体情報処理システム。
【請求項4】
前記反射部は可搬型であり、ユーザによって設置可能である、
請求項1に記載の生体情報処理システム。
【請求項5】
前記生成部は、前記反射部を介さずに前記人物によって反射された第1の反射波、及び、前記人物によって反射された後、さらに前記反射部に反射された第2の反射波の双方が前記受信部に入射し、かつ、前記第1の反射波及び前記第2の反射波が同一の前記人物によって反射された反射波である場合、前記第1の反射波及び前記第2の反射波のいずれかを用いて、前記生体情報を生成する、
請求項1に記載の生体情報処理システム。
【請求項6】
前記生成部は、前記第1の反射波及び前記第2の反射波のうち、強度の強い反射波を用いて、前記生体情報を生成する、
請求項5に記載の生体情報処理システム。
【請求項7】
前記生成部は、前記第1の反射波及び前記第2の反射波のうち、振幅の大きい反射波を用いて、前記生体情報を生成する、
請求項5に記載の生体情報処理システム。
【請求項8】
前記生成部は、前記第1の反射波及び前記第2の反射波のうち、位相の変化量の大きい反射波を用いて、前記生体情報を生成する、
請求項5に記載の生体情報処理システム。
【請求項9】
前記生体情報を示す想定信号を示す情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記生成部は、前記第1の反射波及び前記第2の反射波のうち、前記想定信号に近い波形の反射波を用いて、前記生体情報を生成する、
請求項5に記載の生体情報処理システム。
【請求項10】
前記受信部によって受信された前記信号を基に前記信号を反射した前記人物の被測定人数を算出し、算出した前記被測定人数を通知する通知部をさらに備える、
請求項1に記載の生体情報処理システム。
【請求項11】
前記生体情報の取得対象とする前記人物の指定人数の指定を受け付ける受付部をさらに備え、
前記通知部は、前記被測定人数と前記指定人数が一致するか否かをさらに通知する、
請求項10に記載の生体情報処理システム。
【請求項12】
前記反射部は、前記人物が滞在する部屋の天井または壁に設けられる、
請求項1に記載の生体情報処理システム。
【請求項13】
前記反射部は、前記人物が滞在する部屋に配置された家具に設けられる、
請求項1に記載の生体情報処理システム。
【請求項14】
測定対象エリアを示す情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記生成部は、前記受信部によって受信された前記信号が反射された反射点が前記測定対象エリアに属する対象信号を用いて、前記生体情報を生成する、
請求項1に記載の生体情報処理システム。
【請求項15】
前記反射部は、前記信号の反射方向を調整する、
請求項1に記載の生体情報処理システム。
【請求項16】
前記反射部の前記信号を反射する反射面には液晶が配置され、
前記液晶に加える電圧を制御する反射部制御部をさらに備え、
前記反射部制御部によって前記液晶に加える電圧が制御されることで、前記信号の反射方向が調整される、
請求項15に記載の生体情報処理システム。
【請求項17】
前記反射部の前記信号を反射する反射面には、バリキャップが装荷されたダイポールを十字状に配置したクロスダイポールが複数並んで配置され、
前記バリキャップに加える電圧を制御する反射部制御部をさらに備え、
前記反射部制御部によって前記バリキャップに加える電圧が制御されることで、前記信号の反射方向が調整される、
請求項15に記載の生体情報処理システム。
【請求項18】
前記反射部は、前記信号の到達範囲を調整する、
請求項1に記載の生体情報処理システム。
【請求項19】
前記反射部の前記信号を反射する反射面の形状を変更する反射部制御部をさらに備え、
前記反射部は、前記反射部制御部によって前記形状が変更されることで、前記信号の到達範囲を調整する、
請求項18に記載の生体情報処理システム。
【請求項20】
複数の前記反射部を備える、
請求項1に記載の生体情報処理システム。
【請求項21】
複数の前記送信部を備える、
請求項1に記載の生体情報処理システム。
【請求項22】
前記送信部による前記信号の送信方向を調整する調整部をさらに備える、
請求項1に記載の生体情報処理システム。
【請求項23】
前記調整部は、前記送信方向を変更させるトリガに応じて前記送信方向を調整する、
請求項22に記載の生体情報処理システム。
【請求項24】
前記調整部は、前記人物の体動を前記トリガとする、
請求項23に記載の生体情報処理システム。
【請求項25】
前記調整部は、前記受信部によって受信された前記信号に前記生体情報が含まれないことを前記トリガとして、前記送信部による前記信号の送信方向を切り替えるとともに、切り替えた送信方向の夫々において、前記受信部によって受信された前記信号に前記生体情報が含まれているか否かを判定し、前記受信部によって受信された前記信号に前記生体情報が含まれていると判定したときの前記送信部による前記信号の送信方向を、新たな前記送信部による前記信号の送信方向に決定する、
請求項23に記載の生体情報処理システム。
【請求項26】
前記調整部は、
前記送信方向を指定する指定方向を受け付ける受付部を含み、
前記指定方向の受け付けを前記トリガとして、前記信号の送信方向を前記指定方向に決定する、
請求項23に記載の生体情報処理システム。
【請求項27】
前記反射部は、折り畳み可能に形成される、
請求項1に記載の生体情報処理システム。
【請求項28】
前記送信部には、前記送信部による前記信号の送信方向から視認可能な指標が設けられる、
請求項1に記載の生体情報処理システム。
【請求項29】
前記指標の視認範囲を限定する視認範囲限定部をさらに備え、
前記視認範囲限定部によって限定される前記指標の前記視認範囲が前記受信部による前記信号の検出範囲に含まれる領域を形成するように、前記指標と前記視認範囲限定部との相対位置が決定される、
請求項28に記載の生体情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
種々のセンサやレーダーなどの非接触センサを用いて測定対象の人物の生体情報を取得する技術が実用に供されている。例えば、特許文献1では、マイクロ波センサを用いて複数種類の生体情報を取得することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-092726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の人物がいる環境下で生体情報を取得するような場合、測定対象とする複数の人物全体を非接触センサの検知範囲に含めるため、非接触センサが天井等の高い位置に設けられる。しかしながら、非接触センサが高い位置に設けられると非接触センサの落下等の安全性の問題が生じうるため、非接触センサは低い位置に設けられることが好ましい。しかしながら、非接触センサを低い位置に設けると、障害物による遮蔽が生じやすくなる。
【0005】
開示の技術の1つの側面は、生体情報の取得に用いる信号の測定対象の人物への到達を遮る障害物が存在する場合でも、生体情報を取得できる生体情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術の1つの側面は、次のような生体情報処理システムによって例示される。本生体情報処理システムは、生体情報の測定に用いる信号を送信する送信部と、人物によって反射された上記信号を受信する受信部と、上記受信部によって受信された上記信号を基に上記人物の上記生体情報を生成する生成部と、上記送信部から送信された上記信号を上記人物に向けて反射し、上記人物によって反射された上記信号を上記受信部に向けて反射する反射部と、を備える。
【0007】
上記生体情報処理システムであれば、測定対象の人物と送信部との間に、送信部から人物への信号の到達を阻害する何らかの障害物があったとしても、反射部を用いることで当該障害物を回避して送信部からの信号を人物に到達させることができる。そのため、送信部を天井等に配置しなくとも、当該障害物を回避して測定対象の人物の生体情報を取得できる。ここで、上記生成部は、上記信号を基に上記人物の呼吸に係る情報を生成してもよい。ここで、上記信号は電波であってもよい。
【0008】
上記生体情報処理システムは、次の特徴をさらに備えてもよい。上記反射部は可搬型であり、ユーザによって設置可能である。このような特徴を備えることで、生体情報処理システムの設置が容易になる。
【0009】
上記生体情報処理システムは、次の特徴をさらに備えてもよい。上記生成部は、上記反射部を介さずに上記人物によって反射された第1の反射波、及び、上記人物によって反射された後、さらに上記反射部に反射された第2の反射波の双方が上記受信部に入射し、かつ、上記第1の反射波及び上記第2の反射波が同一の上記人物によって反射された反射波
である場合、上記第1の反射波及び上記第2の反射波のいずれかを用いて、上記生体情報を生成する。このような特徴を備える生体情報処理システムであれば、第1の反射波と第2の反射波のうち、より生体情報の生成に好適な反射波を選択して、生体情報を生成することができる。ここで、選択する反射波は、強度の強い反射波、振幅の大きい反射波、位相の大きい反射波を挙げることができる。また、選択する反射波は、記憶部に記憶された上記生体情報を示す想定信号に近い波形の反射波であってもよい。
【0010】
上記生体情報処理システムは、次の特徴をさらに備えてもよい。上記受信部によって受信された上記信号を基に上記信号を反射した上記人物の被測定人数を算出し、算出した上記被測定人数を通知する通知部をさらに備える。このような特徴を備える生体情報処理システムであれば、測定対象外の人物が測定範囲に含まれていたり、測定対象の人物が測定範囲に含まれていなかったりすることを、ユーザに確認させることができる。ここで、通知部は、上記被測定人数と受付部によって受け付けられた指定人数が一致するか否かをさらに通知してもよい。このような特徴を備えることで、ユーザの上記確認をより容易なものとすることができる。
【0011】
上記生体情報処理システムの上記反射部は、上記人物が滞在する部屋の天井または壁に設けられてもよいし、上記人物が滞在する部屋に配置された家具に設けられてもよい。また、上記反射部は折り畳み可能に形成されてもよい。折り畳み可能に形成されることで、生体情報処理システムの収納時において、反射部を容易に収納することができる。
【0012】
上記生体情報処理システムは、次の特徴をさらに備えてもよい。測定対象エリアを示す情報を記憶する記憶部をさらに備え、上記生成部は、上記受信部によって受信された上記信号が反射された反射点が上記測定対象エリアに属する対象信号を用いて、上記生体情報を生成する。上記生体情報処理システムは、このような特徴を備えることで、測定対象の人物の位置に応じて、測定対象エリアを適宜決定することができる。
【0013】
上記生体情報処理システムは、次の特徴をさらに備えてもよい。上記反射部は、上記信号の反射方向を調整するものであってもよい。このような特徴を備える生体情報処理システムであれば、上記人物が滞在する空間における障害物の配置に応じて、好適な方向に上記信号を反射させることができる。
【0014】
上記生体情報処理システムは、次の特徴をさらに備えてもよい。上記反射部の上記信号を反射する反射面には液晶が配置され、上記液晶に加える電圧を制御する反射部制御部をさらに備え、上記反射部制御部によって上記液晶に加える電圧が制御されることで、上記信号の反射方向が調整される。また、上記反射部の上記信号を反射する反射面には、バリキャップが装荷されたダイポールを十字状に配置したクロスダイポールが複数並んで配置され、上記バリキャップに加える電圧を制御する反射部制御部をさらに備え、上記反射部制御部によって上記バリキャップに加える電圧が制御されることで、上記信号の反射方向が調整されてもよい。上記生体情報処理システムは、このような特徴を備えることで、反射部による信号の反射方向を制御できる。そのため、このような特徴を備える上記生体情報処理システムは、より柔軟に反射部の設置位置を決定することができる。
【0015】
上記生体情報処理システムは、次の特徴をさらに備えてもよい。上記反射部は、上記信号の到達範囲を調整する。このような特徴を備える生体情報処理システムであれば、このような特徴を備える上記生体情報処理システムは、より広い範囲に信号を到達させて複数の人物の生体情報を取得したり、生体情報の取得を阻害し得る物体を到達範囲外にしたりすることができる。
【0016】
ここで、上記到達範囲の調整は、上記反射部の上記信号を反射する反射面の形状を変更
する反射部制御部によって、上記形状が変更されることで、上記信号の到達範囲を調整するものであってもよい。
【0017】
また、上記生体情報処理システムは、複数の反射部を備えてもよいし、複数の送信部を備えてもよい。このような特徴を備える生体情報処理システムであれば、人物や障害物の位置に応じて、複数の反射部や複数の送信部を適宜配置することで、所望の人物の生体情報を取得できる。
【0018】
上記生体情報処理システムは、次の特徴をさらに備えてもよい。上記送信部による上記信号の送信方向を調整する調整部をさらに備える。このような特徴を備える生体情報処理システムであれば、生体情報処理システムと上記人物との位置関係等に応じて上記信号の送信方向を調整することで、上記人物の生体情報を取得できる。
【0019】
ここで、上記調整部による上記送信方向の調整は、例えば、トリガに応じて行われてもよい。上記トリガとしては、例えば、上記人物の体動、受付部によって受け付けられた送信方向の指定等を挙げることができる。
【0020】
また、上記受信部によって受信された上記信号に上記生体情報が含まれないことをトリガとして、上記送信部による上記信号の送信方向を切り替えるとともに、切り替えた送信方向の夫々において、上記受信部によって受信された上記信号に上記生体情報が含まれているか否かを判定し、上記受信部によって受信された上記信号に上記生体情報が含まれていると判定したときの上記送信部による上記信号の送信方向を、新たな上記送信部による上記信号の送信方向に決定してもよい。このような特徴を備える生体情報処理システムであれば、測定対象の人物が移動したとしても、当該人物の移動に追随して信号の送信方向を決定することができる。すなわち、このような特徴を備える生体情報処理システムは、測定対象の人物が移動しても、当該人物の生体情報の取得を継続することができる。
【0021】
上記生体情報処理システムは、次の特徴をさらに備えてもよい。上記送信部には、上記送信部による上記信号の送信方向から視認可能な指標が設けられる。このような特徴を備える生体情報処理システムであれば、上記指標を目視することで上記信号の送信方向が確認できるため、上記信号が上記人物に届く位置に上記送信部を設置することが容易になる。
【0022】
上記生体情報処理システムは、次の特徴をさらに備えてもよい。上記指標の視認範囲を限定する視認範囲限定部をさらに備え、上記視認範囲限定部によって限定される上記指標の上記視認範囲が上記受信部による上記信号の検出範囲に含まれる領域を形成するように、上記指標と上記視認範囲限定部との相対位置が決定される。このような特徴を備える生体情報処理システムによれば、目視確認によって送信部によって送信された信号の到達範囲を容易に確認できる。すなわち、測定対象の人物の位置を信号の到達範囲内とするように送信部の位置を決定することが容易になる。
【発明の効果】
【0023】
開示の技術によれば、生体情報の取得に用いる信号の測定対象の人物への到達を遮る障害物が存在する場合でも、生体情報を取得できる生体情報処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、実施形態に係る生体情報処理システムの一例を示す図である。
図2図2は、生体情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る生体情報処理装置の処理ブロックの一例を示す図である。
図4図4は、部屋を上方から見た第1の図である。
図5図5は、部屋を上方から見た第2の図である。
図6図6は、実施形態に係る生体情報処理装置の処理フローの一例である。
図7図7は、第1変形例に係る生体情報処理システムの一例を示す図である。
図8図8は、第1変形例に係る反射板を例示する図である。
図9図9は、第1変形例に係る生体情報処理装置の処理ブロックの一例を示す図である。
図10図10は、第2変形例に係る反射板の一例を示す図である。
図11図11は、第3変形例に係る反射板の一例を示す図である。
図12図12は、反射板において、ポンプによって送気された状態の一例を示す図である。
図13図13は、反射板において、ポンプによって吸気された状態の一例を示す図である。
図14図14は、第4変形例に係る生体情報処理システムの一例を示す図である。
図15図15は、第5変形例に係る生体情報処理装置の処理ブロックの一例を示す図である。
図16図16は、第5変形例における切替部の処理を模式的に示す図である。
図17図17は、第6変形例に係る生体情報処理装置の外観の一例を示す第1の図である。
図18図18は、第6変形例に係る生体情報処理装置の外観の一例を示す第2の図である。
図19図19は、第6変形例に係る生体情報処理装置の信号の到達範囲を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<適用例>
本発明の適用例について説明する。本適用例に係る生体情報処理システム100は、図1に例示するように、部屋50内に配置される。図1では、部屋50内に配置されたベッド52上において、二人の人物31、32が横になっている。本適用例において、生体情報処理装置1と人物32との間で人物31が横になっており、生体情報処理システム100は、人物32の生体情報を取得するものとする。
【0026】
生体情報処理システム100は、人物32を測定対象として生体情報を取得する。生体情報処理システム100は、生体情報処理装置1及び反射板2を含む。生体情報処理装置1は、生体情報の取得に用いる信号を送信する。そして、生体情報処理装置1は、人物32によって反射された信号を受信して人物32の生体情報を取得する。生体情報処理装置1は、ベッド52で横になる人物32と高さを略一致させるため、台51上に配置される。
【0027】
反射板2は、部屋50の壁53に設けられる。反射板2は、生体情報処理装置1によって送信された信号を人物32に向けて反射し、人物32によって反射された信号を生体情報処理装置1に向けて反射する。なお、反射板2は、壁53に設けられることに限定されず、部屋50の天井に設けられてもよいし、部屋50に配置された家具に設けられてもよい。
【0028】
本適用例では、上記の通り、生体情報処理装置1と人物32との間に人物31が存在する。そのため、生体情報処理装置1から見て人物31の背後には、生体情報処理装置1からの信号が届かない領域(以下、本明細書において「不感地帯」とも称する)が生じる。
生体情報処理装置1から見て人物31の背後に位置する人物32は、不感地帯内にいることになる。そのため、生体情報処理装置1からの信号を直接的に人物32に照射することは難しい。
【0029】
そこで、本適用例では、矢印A1によって例示されるように、生体情報処理装置1は、反射板2に向けて信号を送信する。生体情報処理装置1から反射板2に向けて送信された信号は、矢印A2によって例示されるように、反射板2によって人物32に向けて反射される。人物32にむけて反射された信号は、矢印A3によって例示されるように、人物32によって反射板2に向けて反射される。人物32によって反射された信号は、矢印A4によって例示されるように、反射板2によって生体情報処理装置1に向けて反射される。
【0030】
本適用例では、生体情報処理装置1は、直接的に人物32に向けて信号を送信するのではなく、反射板2による信号の反射を利用することで、生体情報処理装置1から直接的には信号を到達させることが難しい人物32に対して、信号を到達させることができる。そのため、本適用例によれば、生体情報処理装置1は、不感地帯内にいる人物の生体情報を取得することができる。
【0031】
<実施形態>
以下、図面を参照して実施形態についてさらに説明する。図1は、実施形態に係る生体情報処理システム100の一例を示す図である。生体情報処理システム100は、適用例でも説明した通り、生体情報処理装置1及び反射板2を備える。
【0032】
反射板2は、電波、超音波、音波等の生体情報処理装置1によって送信される信号を反射するように形成される。反射板2は、例えば、表面に液晶の層を形成し、液晶に加える電圧によって液晶の誘電率を制御して信号の反射方向を変えるものであって良い。また、反射板2は、表面にダイポール素子を十字上に並べた素子(クロスダイポール素子)を複数配置し、クロスダイポールに装荷したバリキャップの静電容量を制御することで各ダイポールの反射位相を変化させ、信号の反射方向を変えるものであってもよい。反射板2は、生体情報処理装置1からの信号を人物32に反射させるとともに、人物32によって反射された信号を生体情報処理装置1に反射させるように、壁53に配置される。反射板2は、例えば、生体情報処理装置1と人物32とを結ぶ直線上とは異なる場所に配置される。反射板2は、「反射部」の一例である。
【0033】
生体情報処理装置1は、反射板2に向けて信号を送信し、人物32によって反射された信号を基に人物32の生体情報を取得する装置である。生体情報としては、例えば、呼吸を示す情報、心拍を示す情報、及び、体動を示す情報を挙げることができる。
【0034】
続いて、生体情報処理装置1のハードウェア構成について説明する。図2は、生体情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。生体情報処理装置1は、送受信部101と、制御部102と、記憶部103と、出力部104と、入力部105と、を有する。送受信部101、制御部102、記憶部103、出力部104及び入力部105は、例えば、接続バスB1によって接続される。なお、送受信部101、制御部102、記憶部103、出力部104及び入力部105は、接続バスB1以外によって接続されてもよい。
【0035】
送受信部101は、送信部111と受信部112とを含む。送信部111は、人物の生体情報の測定に用いる信号を送信する。受信部112は、人物32から反射された信号を受信する。
【0036】
送信部111は、例えば、電波、光波、音波、超音波等を用いた信号を送信する。送信
部111は、電波を送信する場合、無変調、または周波数/位相/振幅変調された信号を生成する信号生成部と、信号生成部によって生成された信号を空間に放射する送信アンテナを有してもよい。ここで信号生成部は、Voltage Controlled Oscillator(VCO、電圧制御発振器)による発振器単独での構成でもよいし、VCOとPhase Locked Loop(PLL)回路を組み合わせた構成でもよいし、制御部102から送出されるベースバンド信号を変調器に入力する構成でもよい。また、信号生成部は、デジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器を備えてもよいし、Direct Digital Synthesizer(DDS)であってもよい。送信部111は、例えば、チャープ信号を送信する。送信部111が送信するチャープ信号としては、アップチャープ信号であってもよいし、ダウンチャープ信号であってもよい。送信部111は、「送信部」の一例である。
【0037】
また、受信部112は、例えば、人物32からの反射信号を受信する受信アンテナと、反射信号を復調してアナログベースバンド信号またはIntermediate Frequency(IF、中間周波数)信号を出力する乗算回路としてのミキサと、アナログベースバンド信号またはIF信号をデジタル信号に変換するA/D変換部を有する。受信部112は、「受信部」の一例である。
【0038】
制御部102は、例えば、Central Processing Unit(CPU)である。制御部102は、記憶部103に記憶されたプログラムを実行することで、生体情報処理装置1内の各部の制御や、各種情報処理等を行う。制御部102は、例えば、人物32から受信した信号を用いて、人物32の生体情報を生成する。
【0039】
記憶部103は、制御部102で実行されるプログラムや、制御部102において実行される処理で使用される各種データなどを記憶する。例えば、記憶部103は、例えば、Random Access Memory(RAM)、Read Only Memory(ROM)、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等である。
【0040】
出力部104は、制御部102が実行した処理の結果に応じてユーザに通知したり、外部の装置に結果に関するデータを出力したりする。なお、出力部104は、各種無線通信や有線通信等の種々の通信方法によって外部の装置に測定対象の人物の生体情報に関するデータを出力することができるよう構成されてよい。出力部104としては、例えば、ディスプレイ、スピーカ及びプリンタ等が挙げられる。
【0041】
入力部105は、ユーザからの入力を受け付ける。入力部105としては、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスを挙げることができる。
【0042】
図3は、実施形態に係る生体情報処理装置1の処理ブロックの一例を示す図である。生体情報処理装置1は、切替部11、判定部12、信号加算部13、情報生成部14及び通知部15を備える。生体情報処理装置1は、記憶部103に実行可能に展開されたコンピュータープログラムを制御部102が実行することで、上記生体情報処理装置1の、切替部11、判定部12、信号加算部13、情報生成部14及び通知部15等の各部としての処理を実行する。
【0043】
切替部11は、送信部111による信号の送信方向を切り替える。切替部11は、例えば、送信部111による信号の送信方向を反射板2に向ける。また、切替部11は、例えば、送信部111による信号の送信方向を人物32に向けてもよい。切替部11は、例えば、ユーザの指示に応じて送信部111による信号の送信方向を切り替えてもよい。切替部11は、例えば、受信部112によって受信された信号に生体情報が含まれない場合には、送信部111による信号の送信方向を反射板2に向けてもよい。なお、反射板2の方
向は、例えば、予め記憶部103に記憶されればよい。
【0044】
図4は、部屋50を上方から見た第1の図である。図4では、図1と同様に、ベッド52に人物31及び人物32の2人の人物が横になっている。ここで、生体情報処理装置1による生体情報の取得対象となる人物が人物32であるものとする。このような場合、人物32よりも人物31の方が生体情報処理装置1側にいるため、生体情報処理装置1から信号を直接人物32に向けて送信しても、矢印A5に例示されるように、人物31によって遮られて人物32には届かない。そこで、切替部11は、ユーザの指示に応じて、矢印A6に例示されるように、送信部111による信号の送信先を反射板2に向ける。送信部111から送信された信号は、反射板2によって反射されることで、矢印A7によって例示されるように、人物32に届くようになる。
【0045】
図5は、部屋50を上方から見た第2の図である。図5では、ベッド52に人物32が横になっているとともに、ベッド52上に障害物54が載っている。障害物54は、例えば、クッションやぬいぐるみ等の非生物である。障害物54は、人物32よりも生体情報処理装置1側に配置される。このような場合、人物32よりも障害物54の方が生体情報処理装置1側に配置されているため、生体情報処理装置1から信号を直接人物32に向けて送信しても、矢印A8に例示されるように、障害物54によって遮られて人物32には届かない。障害物54は非生物であるため、矢印A9によって例示される障害物54によって反射された信号には、生体情報は含まれない。そこで、切替部11は、受信部112によって受信された信号に生体情報が含まれない場合、矢印A10に例示されるように、送信部111による信号の送信方向を反射板2に切り替える。送信部111から送信された信号は、反射板2によって反射されることで、矢印A11によって例示されるように、人物32に届くようになる。切替部11は、「切替部」の一例である。
【0046】
図3に戻り、判定部12は、受信部112によって受信された信号が反射板2を経由した信号であるか否かを判定する。すなわち、判定部12は、人物32によって反射された信号が反射板2によってさらに反射されて受信部112が受信した信号(以下、「反射信号」とも称する)であるか、人物32によって反射されてから直接(反射板2を介さずに)受信部112が受信した信号(以下、「直接信号」とも称する)であるかを判定する。直接信号は、「第1の反射波」の一例である。反射信号は、「第2の反射波」の一例である。
【0047】
判定部12は、例えば、受信部112に入射した信号の夫々について、生体情報処理装置1からの距離と方位を算出する。判定部12は、算出した距離と方位とを基に、受信部112が受信した信号の空間分布に関する情報を生成する。判定部12は、例えば、予め記憶部103に記憶された反射板2の設置位置の領域内に含まれる反射点の信号については、反射信号と判定してもよい。また、判定部12は、例えば、予め記憶部103に記憶された反射板2の領域外となる反射点の信号については、直接信号と判定してもよい。なお、判定部12による距離と方位の判定については、公知の様々な技術を採用することができる。
【0048】
判定部12は、同一の人物32について反射信号と直接信号の双方が受信部112に入射している場合、反射信号と直接信号のいずれを用いて人物32の生体情報を取得するかを決定する。判定部12は、例えば、反射信号と直接信号のうち、電力が大きいものを生体情報を取得する信号として選択してもよい。判定部12は、例えば、反射信号と直接信号のうち、信号の振幅が大きいものを生体情報を取得する信号として選択してもよい。判定部12は、例えば、反射信号と直接信号のうち、信号の位相の変化量が大きいものを生体情報を取得する信号として選択してもよい。また、判定部12は、例えば、反射信号と直接信号のうち、予め記憶部103に記憶した想定信号に近い波形の信号を生体情報を取
得する信号として選択してもよい。想定信号を示す情報としては、例えば、波形や周波数を挙げることができる。なお、直接信号と反射信号とが同一の人物32に係る反射波であるか否かは、例えば、直接信号及び反射信号の夫々で生体情報を生成し、生成した生体情報が同一人物の者である場合に、直接信号と反射信号とが同一の人物32に係る反射波と判定部12は判定してよい。そして、その後の生体情報の生成では、直接信号と反射信号のいずれか一方を用いればよい。
【0049】
信号加算部13は、判定部12によって選択された信号を足し合わせることで信号加算を行う。信号加算部13は、例えば、送信部111によって送信されたチャープ信号と、判定部12によって選択された信号の周波数の差分の周波数成分を持つIF信号を生成する。このチャープ信号毎のIF信号を距離軸及び方位軸の少なくとも一方の軸の信号に変換し、信号加算を行ってもよい。
【0050】
情報生成部14は、信号加算部13によって加算された信号を用いて、生体情報を生成する。情報生成部14は、例えば、信号加算部13によって加算された信号の振幅または位相の経時変化から呼吸波形を示す生体情報を生成する。情報生成部14は、「生成部」の一例である。
【0051】
通知部15は、生体情報処理装置1によって生体情報の取得対象となった人数を出力部104に出力する。通知部15は、例えば、判定部12によって算出された反射点の数に応じて、人数を検出してもよい。通知部15は、例えば、検出された人数をディスプレイとしての出力部104に表示させてもよい。また、通知部15は、例えば、入力部105によって測定対象の人数の指定が受け付けられた場合、検出された人数と指定された人数とが一致しているか否かを出力部104に表示させてもよい。入力部105は、「受付部」の一例である。検出された人数は、「被測定人数」の一例である。指定された人数は、「指定人数」の一例である。
【0052】
<処理フロー>
図6は、実施形態に係る生体情報処理装置1の処理フローの一例である。図6では、受信部112によって受信された信号に生体情報が含まれるか否かによって、送信部111の送信方向を切り替える例について説明する。以下、図6を参照して実施形態に係る生体情報処理装置1の処理フローについて説明する。
【0053】
ステップS1では、送信部111はベッド52上の生体情報の測定対象の人物32に対してチャープ信号を送信し、受信部112は反射された信号を受信する。ステップS2では、信号加算部13は、ステップS1において送信部111が送信したチャープ信号と受信部112が受信した信号の周波数の差分の周波数成分を持つIF信号を足し合わせることで信号加算を行う。
【0054】
ステップS3では、切替部11は、ステップS2で信号加算部13によって加算された信号に生体情報が含まれているか否かを判定する。含まれている場合(ステップS2でYES)、処理はステップS7に進められる。含まれていない場合(ステップS2でNO)、処理はステップS4に進められる。
【0055】
ステップS4では、切替部11は、送信部111の送信方向を反射板2に向ける。ステップS5では、送信部111は、反射板2に向けてチャープ信号を送信する。受信部112は、反射された信号を受信する。ステップS6では、信号加算部13は、ステップS4で送信部111が送信したチャープ信号と受信部112が受信した信号の周波数の差分の周波数成分を持つIF信号を足し合わせることで信号加算を行う。
【0056】
ステップS7では、判定部12は、ステップS2またはステップS6で加算された信号を用いて、送信部111から反射点までの距離及び送信部111に対する反射点の方位を算出する。判定部12は、受信部112が受信した信号が直接信号であるか反射信号であるかを反射点を基に判定する。ここで、判定部12は、直接信号と反射信号の双方を受信部112が受信していると判定した場合には、例えば、反射信号と直接信号のうち、電力が大きいものを生体情報を取得する信号として選択する。
【0057】
ステップS8では、情報生成部14は、ステップS2またはステップS6において加算された信号の振幅または位相の経時変化から呼吸波形を示す生体情報を生成する。
【0058】
<実施形態の作用効果>
図1のように測定対象の人物32と生体情報処理装置1との間に人物31がいる場合や、図5のように測定対象の人物32と生体情報処理装置1との間に障害物54等の障害物がある場合、生体情報処理装置1からの信号が当該障害物によって遮られてしまうため、生体情報処理装置1からの信号を人物32に届かせることができなくなる。本実施形態では、送信部111は反射板2に向けて信号を送信し、反射板2は人物32に向けて信号を反射する。そして、人物32に届いた信号は、人物32によって反射板2に向けて反射され、人物32によって反射された信号を反射板2は生体情報処理装置1に向けて反射する。そのため、本実施形態によれば、測定対象の人物32と生体情報処理装置1との間に何らかの障害物がある場合であっても、当該障害物を回避して人物32の生体情報を取得できる。
【0059】
本実施形態では、生体情報処理装置1は切替部11を有する。切替部11は、送信部111の送信方向を反射板2に向ける方向と人物32に向ける方向とを切り替えることができる。そのため、本実施形態によれば、人物32と生体情報処理装置1との間に生体情報処理装置1からの信号を遮る障害物の有無に応じて、送信部111の送信方向を切り替えることができる。また、反射板2を介する場合と直接人物32に信号を送信する場合とでは、信号の到達範囲や人物32に信号が入射する角度が異なることから、本実施形態によれば、信号の到達範囲や角度を調整することができる。
【0060】
また、本実施形態によれば、図1に例示されるように人物31によって生じる不感地帯内に人物32がいる状態においても、反射板2を用いることで、人物31及び人物32の双方に送信部111からの信号が届くようにすることもできる。そのため、本実施形態によれば、測定対象の人物が複数存在する場合において、そのうちの一部の人物が他の人物による不感地帯内に存在する場合であっても、複数の人物の生体情報を取得することができる。
【0061】
<第1変形例>
実施形態では、生体情報処理装置1からの信号を人物32に向けて反射させる反射板2が用いられる。第1変形例では、反射方向を変更できる反射板を採用した構成について説明する。実施形態と共通の構成要素については同一の符号を付し、その説明は省略される。以下、図面を参照して、第1変形例について説明する。
【0062】
図7は、第1変形例に係る生体情報処理システム100Aの一例を示す図である。図7では、部屋50を上方から見た状態が例示される。生体情報処理システム100Aは、生体情報処理装置1に代えて生体情報処理装置1Aを備え、反射板2に代えて反射板2Aを備え、生体情報処理装置1Aと反射板2AとがネットワークN1によって接続される点で、実施形態に係る生体情報処理システム100とは異なる。
【0063】
反射板2Aは、生体情報処理装置1Aからの指示に応じて、信号の反射方向を調整する
。反射板2Aは、例えば、信号の反射方向を電気的に変更する。図8は、第1変形例に係る反射板2Aを例示する図である。図8では、反射板2Aを上から見た状態が例示される。図8に例示する反射板2Aは、板状の基部22と信号を反射する反射制御層21とを含む。反射制御層21は、例えば、ダイポールを十字上に配置したクロスダイポールまたは液晶によって形成される。反射制御層21がクロスダイポールによって形成される場合には、ダイポールの夫々に装荷したバリキャップの静電容量を制御してダイポール夫々の反射位相を変更し、反射制御層21による信号の反射方向を変更する。また、反射制御層21が液晶によって形成される場合には、液晶に加える電圧を制御することで液晶の誘電率を制御し、反射制御層21による信号の反射方向を変更する。
【0064】
ネットワークN1は、有線または無線によるコンピュータネットワークである。ネットワークN1は、例えば、有線Local Area Network(LAN)や無線LANである。ネットワークN1は、生体情報処理装置1Aと反射板2Aとを相互に通信可能に接続する。
【0065】
図9は、第1変形例に係る生体情報処理装置1Aの処理ブロックの一例を示す図である。生体情報処理装置1Aは、反射板制御部16をさらに備える点で、実施形態に係る生体情報処理装置1とは異なる。
【0066】
反射板制御部16は、反射板2Aの反射方向を制御する。反射板制御部16は、例えば、反射制御層21が液晶で形成されている場合には、液晶に加える電圧を変更する指示を反射板2Aに対して送信し、反射板2Aは反射板制御部16からの指示に応じて液晶に加える電圧を変更する。また、反射板制御部16は、例えば、反射制御層21がクロスダイポールによって形成されている場合には、ダイポールの夫々に装荷したバリキャップの静電容量を制御する指示を反射板2Aに対して送信し、反射板2Aは反射板制御部16からの指示に応じてバリキャップの静電容量を制御する。反射板制御部16は、「反射部制御部」の一例である。
【0067】
第1変形例によれば、反射板2Aによる信号の反射方向を調整できる。また、反射板2Aは、信号の入射角と反射角とを異なるものとすることができる。そのため、生体情報処理装置1A、反射板2A及び人物32の位置関係に応じて、より柔軟に反射板2Aの設置位置を決定することができる。
【0068】
<第2変形例>
第1変形例では、反射板2Aの反射制御層21を電気的に制御して反射板2Aによる信号の反射方向を調整する。第2変形例では、反射板2の向きを制御することで、信号の反射方向を調整する。実施形態と共通の構成要素については同一の符号を付し、その説明は省略される。以下、図面を参照して、第2変形例について説明する。
【0069】
図10は、第2変形例に係る反射板2Bの一例を示す図である。図10では、反射板2Bを上方から見た状態が例示される。反射板2Bは、基部22、支持部23及び反射面24を含む。反射板2Bは、基部22の背面に設けられた支持部23によって部屋50に取り付けられる。また、基部22の前面には反射面24が設けられる。
【0070】
支持部23は、支持部23を中心として反射面24の向きを変更可能に基部22及び反射面24を支持する。支持部23によって支持されることで、反射板2Bは、反射面24の向きを変更することができる。反射板2Bでは、反射面24の向きが変更されることで、信号の反射方向が変更される。
【0071】
ここで、反射板2Bは、生体情報処理装置1Aの反射板制御部16からの指示に応じて
、反射面24の向きを変更してもよい。また、反射板2Bは、ユーザの手によって、反射面24の向きを変更してもよい。
【0072】
第2変形例によっても、反射板2Bによる信号の反射方向を調整できる。そのため、生体情報処理装置1A、反射板2B及び人物32の位置関係に応じて、より柔軟に反射板2Bの設置位置を決定することができる。
【0073】
<第3変形例>
第1変形例及び第2変形例では信号の反射方向を変更できる反射板2A、2Bについて説明した。第3変形例では、反射する信号の照射範囲を変更できる構成について説明する。実施形態と共通の構成要素については同一の符号を付し、その説明は省略される。以下、図面を参照して、第1変形例について説明する。
【0074】
図11は、第3変形例に係る反射板2Cの一例を示す図である。図11では、反射板2Cを上方から見た状態が例示される。図11では、送信部111から送信された信号を模式的に示す矢印A12及び反射膜26によって反射された信号の到達範囲を模式的に示す三角形T1も例示される。
【0075】
反射板2Cは、箱状に形成された箱部材25と、箱部材25の開口を塞ぐように配置される反射膜26と、箱部材25と反射膜26とによって形成される内部空間28に対して空気の送気及び吸気を行うポンプ27と、を含む。反射膜26は弾性を有し、信号を反射する素材で形成される。ポンプ27は、ユーザの操作に応じて、または、生体情報処理装置1Aの反射板制御部16からの指示に応じて、内部空間28に対して送気や吸気を行う。反射膜26が平坦な状態において送信部111からの信号が反射板2Cに向けて送信されると、反射膜26によって反射された信号は三角形T1によって模式的に示される範囲に届くものとする。
【0076】
図12は、反射板2Cにおいて、ポンプ27によって送気された状態の一例を示す図である。図12では、送信部111から送信された信号を模式的に示す矢印A13及び反射膜26によって反射された信号の到達範囲を模式的に示す三角形T2も例示される。ポンプ27によって内部空間28に送気されると内部空間28内の圧力が高まることで、反射膜26が凸形状に変形する。反射膜26が凸形状に変形することで、反射膜26によって反射される信号の到達範囲を、三角形T1よりも広い三角形T2に広げることができる。
【0077】
図13は、反射板2Cにおいて、ポンプ27によって吸気された状態の一例を示す図である。図13では、送信部111から送信された信号を模式的に示す矢印A14及び反射膜26によって反射された信号の到達範囲を模式的に示す三角形T3も例示される。ポンプ27によって内部空間28から吸気されると内部空間28内の圧力が下がることで、反射膜26が凹形状に変形する。反射膜26が凹形状に変形することで、反射膜26によって反射される信号の到達範囲を、三角形T1よりも狭い三角形T3に制限することができる。
【0078】
第3変形例によれば、反射膜26を凸形状にすることで信号の到達範囲を拡大したり、反射膜26を凹形状にすることで信号の到達範囲を制限したりすることができる。第3変形例によれば、例えば、信号の到達範囲を拡大することで、より多くの人物の生体情報を取得することもできる。また、第3変形例によれば、例えば、信号の到達範囲を制限することで、生体情報の取得を阻害するもの(例えば、周期的な運動を行う機械等)を回避して、人物の生体情報を取得することができる。
【0079】
<第4変形例>
以上説明した実施形態及び各変形例では、送受信部101は一つであったが、第4変形例では、送受信部101を複数備える構成について説明する。実施形態と共通の構成要素については同一の符号を付し、その説明は省略される。以下、図面を参照して、第4変形例について説明する。
【0080】
図14は、第4変形例に係る生体情報処理システム100Bの一例を示す図である。図14では、部屋50を上方から見た状態が例示される。生体情報処理システム100Bは、生体情報処理装置1Cを備える点で、実施形態に係る生体情報処理システム100とは異なる。
【0081】
生体情報処理装置1Cは、生体情報処理装置1及び送受信部101Aを備える。送受信部101Aは、生体情報処理装置1の外部に設置され、生体情報処理装置1とネットワークN2によって接続される点を除いて、送受信部101と同様である。送受信部101Aの送信部111によって送信された信号は、送受信部101Aの受信部112によって受信される。送受信部101Aの受信部112によって受信された信号を示す情報は、ネットワークN2を介して生体情報処理装置1に送信され、処理される。
【0082】
第3変形例では、生体情報処理装置1及び送受信部101Aの夫々が互いに異なる方向に信号を送信することができる。そのため、第3変形例によれば、測定対象となる人物や信号の授受に障害となる障害物等の位置関係に応じて生体情報処理装置1及び送受信部101Aを適宜配置することで、測定対象となる人物を生体情報処理装置1Cによる生体情報の取得範囲内に収めることができる。なお、第3変形例では送受信部101Aがひとつ配置されているが、送受信部101Aは2つ以上配置されてもよい。
【0083】
<第5変形例>
実施形態に係る生体情報処理装置1は、切替部11によって信号の送信方向が切り替えられる。第4変形例では、測定対象の人物を追尾して信号の送信方向を調整する構成について説明する。実施形態と共通の構成要素については同一の符号を付し、その説明は省略される。以下、図面を参照して、第5変形例について説明する。
【0084】
図15は、第5変形例に係る生体情報処理装置1Bの処理ブロックの一例を示す図である。生体情報処理装置1Bは、切替部11に代えて切替部11Aを備える点で、実施形態に係る生体情報処理装置1とは異なる。
【0085】
切替部11Aは、人物32が移動したことで受信部112によって受信された信号に生体情報が含まれていないことをトリガとして、送信部111による信号の送信方向を切り替えながら、受信部112によって受信された信号に生体情報が含まれるか否かを判定する。そして、切替部11Aは、受信部112によって受信された信号に生体情報が含まれると判定した方向に、送信部111の送信方向を決定する。切替部11Aは、「調整部」の一例である。
【0086】
図16は、第5変形例における切替部11Aの処理を模式的に示す図である。図16Aでは、生体情報処理装置1の送信部111から送信された信号(矢印A20)は、反射板2によって反射されて人物32に届いている(矢印A21)。そのため、図16Aの状態では、受信部112が受信する信号には、人物32の生体情報が含まれる。
【0087】
図16Bの状態では、人物32の位置が図16Aにおける位置から移動してしまい、送信部111から送信された信号が人物32に届かなくなっている。そのため、図16Bの状態では、切替部11Aは、受信部112が受信する信号には、人物32の生体情報が含まれないと判定する。
【0088】
そこで、図16Cの矢印A22に例示されるように、切替部11Aは、送信部111による信号の送信方向を切り替えながら、切り替えた送信方向の夫々について、受信部112が受信する信号に生体信号が含まれるか否かを判定する。図16Cの例では、送信部111による信号の送信方向が矢印A23のときに、送信された信号が人物32に届いたものとする。すなわち、図16Cの例では、切替部11Aは、送信部111の送信方向が矢印A23のときに、受信部112が受信する信号に人物32の生体情報が含まれると判定する。
【0089】
図16Dでは、切替部11Aは、受信部112が受信する信号に生体情報が含まれると判定した矢印A23の方向に、送信部111の送信方向を維持する。
【0090】
第5変形例によれば、測定対象の人物が移動しても、当該人物の移動に追随して送信部111による信号の送信方向を決定することができる。そのため、第5変形例によれば、測定対象の人物が移動しても、当該人物の生体情報の取得を継続することができる。
【0091】
ここで、第5変形例では、人物32が移動(体動)したことで受信部112によって受信された信号に生体情報が含まれていないことをトリガとしたが、生体情報処理装置1Bは、他のことをトリガとして送信方向の調整を行ってもよい。例えば、入力部105によって受け付けられた送信方向の指定にしたがって送信部111による信号の送信方向が調整されてもよい。人物32の体動及び入力部105によって受け付けられた送信方向の指定は、「前記送信方向を変更させるトリガ」の一例である。また、入力部105によって受け付けられた送信方向の指定は、「指定方向」の一例である。
【0092】
<第6変形例>
第6変形例では、送信部111による信号が反射板を介して人物32に届くことの確認を支援するジグについて説明する。実施形態と共通の構成要素については同一の符号を付し、その説明は省略される。以下、図面を参照して、第6変形例について説明する。
【0093】
図17は、第6変形例に係る生体情報処理装置1Dの外観の一例を示す第1の図である。図17では、送信部111によって送信される信号が届く場所から生体情報処理装置1Dを見た状態の一例が例示される。生体情報処理装置1Dは、直方体の外装部材である筐体130を備える。筐体130内には、送受信部101、制御部102、記憶部103、出力部104及び接続バスB1が収容される。図17において、筐体130の高さ方向をZ方向、筐体130の幅方向をY方向、筐体130の厚さ方向をX方向とする。
【0094】
筐体130の前面130Aには、前面130Aの一部がX方向に窪んだ開口131が形成される。開口131は、X方向視において楕円形状となっている。開口131の底面131Aには、マーカー132が設けられる。マーカー132の位置は、Z方向視において送信部111の主放射方向111Aの中心と略重なるように配置される。マーカー132は、例えば、底面131Aのマーカー132以外の領域とは異なる色で塗られた記号であってもよい。また、マーカー132は、可視光を出射する光源であってもよい。マーカー132は、「指標」の一例である。
【0095】
図18は、第6変形例に係る生体情報処理装置1Dの外観の一例を示す第2の図である。図18では、送信部111によって送信される信号が届かない場所から生体情報処理装置1Dを見た状態の一例が例示される。送信部111によって送信される信号が届かない場所から生体情報処理装置1Dを見ると、窪んで形成された開口131内に配置されたマーカー132は目視できなくなる。一方、送信部111によって送信される信号が届く場所から生体情報処理装置1Dを見ると、図17に例示されるように、開口131内に配置
されたマーカー132は目視可能となる。開口131は、「視認範囲限定部」の一例である。
【0096】
図19は、第6変形例に係る生体情報処理装置1Dの信号の到達範囲を模式的に示す図である。図19では、生体情報処理装置1Dの送信部111によって送信された信号が反射板2によって反射された際の到達範囲が三角形T6によって模式的に示される。生体情報処理装置1Dの利用者が三角形T6内の位置P1から反射板2を見ると、図17に例示されるように、マーカー132が目視できる状態で反射板2に写った生体情報処理装置1Dを確認できる。また、生体情報処理装置1Dの利用者が三角形T6外の位置P2から反射板2を見ると、図18に例示されるように、マーカー132が目視できない状態で反射板2に写った生体情報処理装置1Dを確認できる。
【0097】
第6変形例によれば、目視確認によって生体情報処理装置1Dの送信部111によって送信された信号の到達範囲を容易に確認できる。すなわち、第6変形例によれば、測定対象の人物の位置を信号の到達範囲内とするように生体情報処理装置1Dの位置を決定することが容易になる。なお、筐体130は省略されてもよい。このような場合、マーカー132は、送信部111において、送信部111による信号の送信方向から視認可能な位置に設けられてもよい。
【0098】
<その他の変形>
以上説明した実施形態及び変形例では、反射板2は部屋50の壁53に配置された。しかしながら、反射板2は壁53以外の場所に配置されてもよい。反射板2は、例えば、部屋50の天井に取り付けられてもよい。また、反射板2は、例えば、部屋50内に配置された家具に取り付けられてもよい。
【0099】
なお、反射板2は、例えば、ユーザによって運搬可能な大きさ、重量で製造されたものであり、測定対象の人物と生体情報処理装置1との位置関係に応じて、ユーザによって設置される可搬型の物であってもよい。このような反射板2であれば、ユーザによって好適な位置に反射板2が設置可能となる。
【0100】
また、反射板2は、折り畳み可能なものであってもよい。折り畳み可能であれば、反射板2の収納スペースをコンパクトにすることができる。
【0101】
以上説明した実施形態及び変形例では、ひとつの反射板2が設けられたが、反射板2の数はひとつに限定されない。例えば、複数の反射板2を配置することで、送信部111からの信号が測定対象の人物に届くようにしてもよい。また、送信部111が複数配置されてもよい。測定対象の人物や部屋50内の障害物の配置等に応じて複数の反射板2や複数の送信部111を配置することで、所望の人物についての生体情報の取得が容易になる。
【0102】
ここで、送信部111によって送信された信号を反射した反射点の属する測定対象エリアに応じて、情報生成部14による生体情報の生成に用いるか否かを選択してもよい。すなわち、受信部112から反射点までの距離及び受信部112から反射点までの方向を指定することで、測定対象エリアを決定する。測定対象エリアの決定に用いられる距離及び方向は、例えば、入力部105によって受け付けられ、記憶部103に記憶される。また、測定対象エリアの決定に用いられる距離及び方向は複数の組み合わせが記憶部103に記憶され、昼間や夜間といった時間に応じて、これらの組み合わせが切り替えられることで、測定対象エリアが変更されてもよい。そして、受信部112が受信した信号の反射点の位置が、上記測定対象エリアに属している場合に、当該信号を情報生成部14による生体情報の生成に採用すればよい。このような変形例によれば、人物32の位置に応じて測定対象エリアを適宜決定することができる。
【0103】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。
【0104】
<コンピューターが読み取り可能な記録媒体>
コンピューターその他の機械、装置(以下、コンピューター等)に上記いずれかの機能を実現させる情報処理プログラムをコンピューター等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピューター等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0105】
ここで、コンピューター等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピューター等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピューター等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、Compact Disc-Recordable(CD-R)、Compact Disc-ReWriterable(CD-RW)、Digital Versatile Disc(DVD)、ブルーレイディスク(BD)、Digital Audio Tape(DAT)、8mmテープ、フラッシュメモリー、外付け型のハードディスクドライブやSolid State Drive(SSD)等がある。また、コンピューター等に固定された記録媒体として内蔵型のハードディスクドライブ、SSDやROM等がある。
【0106】
<付記1>
生体情報の測定に用いる信号を送信する送信部(111)と、
人物(32)によって反射された前記信号を受信する受信部(112)と、
前記受信部(112)によって受信された前記信号を基に前記人物(32)の生体情報を生成する生成部(14)と、
前記送信部(111)から送信された前記信号を前記人物(32)に向けて反射し、前記人物(32)によって反射された前記信号を前記受信部(112)に向けて反射する反射部(2)と、を備える、
生体情報処理システム(100)。
<付記2>
前記生成部(14)は、前記信号を基に前記人物の呼吸に係る情報を生成する、
付記1に記載の生体情報処理システム。
<付記3>
前記信号は、電波である、
付記1または2に記載の生体情報処理システム。
<付記4>
前記反射部(2)は可搬型であり、ユーザによって設置可能である、
付記1から3のいずれかひとつに記載の生体情報処理システム。
<付記5>
前記生成部(14)は、前記反射部(2)を介さずに前記人物によって反射された第1の反射波、及び、前記人物によって反射された後、さらに前記反射部(2)に反射された第2の反射波の双方が前記受信部(112)に入射し、かつ、前記第1の反射波及び前記第2の反射波が同一の前記人物(32)によって反射された反射波である場合、前記第1の反射波及び前記第2の反射波のいずれかを用いて、前記生体情報を生成する、
請求項1から4のいずれかひとつに記載の生体情報処理システム。
<付記6>
前記生成部(14)は、前記第1の反射波及び前記第2の反射波のうち、強度の強い反射波を用いて、前記生体情報を生成する、
付記5に記載の生体情報処理システム。
<付記7>
前記生成部(14)は、前記第1の反射波及び前記第2の反射波のうち、振幅の大きい反射波を用いて、前記生体情報を生成する、
付記5に記載の生体情報処理システム。
<付記8>
前記生成部(14)は、前記第1の反射波及び前記第2の反射波のうち、位相の変化量の大きい反射波を用いて、前記生体情報を生成する、
付記5に記載の生体情報処理システム。
<付記9>
前記生体情報を示す想定信号を示す情報を記憶する記憶部(103)をさらに備え、
前記生成部(14)は、前記第1の反射波及び前記第2の反射波のうち、前記想定信号に近い波形の反射波を用いて、前記生体情報を生成する、
付記5に記載の生体情報処理システム。
<付記10>
前記受信部(112)によって受信された前記信号を基に前記信号を反射した前記人物の被測定人数を算出し、算出した前記被測定人数を通知する通知部(15)をさらに備える、
付記1から9のいずれかひとつに記載の生体情報処理システム。
<付記11>
前記生体情報の取得対象とする前記人物の指定人数の指定を受け付ける受付部(105)をさらに備え、
前記通知部(15)は、前記被測定人数と前記指定人数が一致するか否かをさらに通知する、
付記10に記載の生体情報処理システム。
<付記12>
前記反射部(2)は、前記人物が滞在する部屋の天井または壁に設けられる、
付記1から11のいずれかひとつに記載の生体情報処理システム。
<付記13>
前記反射部(2)は、前記人物(32)が滞在する部屋に配置された家具に設けられる、
付記1から11のいずれかひとつに記載の生体情報処理システム。
<付記14>
測定対象エリアを示す情報を記憶する記憶部(103)をさらに備え、
前記生成部(14)は、前記受信部(112)によって受信された前記信号が反射された反射点が前記測定対象エリアに属する対象信号を用いて、前記生体情報を生成する、
付記1から13のいずれかひとつに記載の生体情報処理システム。
<付記15>
前記反射部(2A、2B)は、前記信号の反射方向を調整する、
付記1から14のいずれかひとつに記載の生体情報処理システム。
<付記16>
前記反射部(2A)の前記信号を反射する反射面(21)には液晶が配置され、
前記液晶に加える電圧を制御する反射部制御部(16)をさらに備え、
前記反射部制御部(16)によって前記液晶に加える電圧が制御されることで、前記信号の反射方向が調整される、
付記15に記載の生体情報処理システム。
<付記17>
前記反射部(2A)の前記信号を反射する反射面(21)には、バリキャップが装荷されたダイポールを十字状に配置したクロスダイポールが複数並んで配置され、
前記バリキャップに加える電圧を制御する反射部制御部(16)をさらに備え、
前記反射部制御部(16)によって前記バリキャップに加える電圧が制御されることで
、前記信号の反射方向が調整される、
付記15に記載の生体情報処理システム。
<付記18>
前記反射部(2C)は、前記信号の到達範囲を調整する、
付記1から17のいずれかひとつに記載の生体情報処理システム。
<付記19>
前記反射部(2C)の前記信号を反射する反射面(26)の形状を変更する反射部制御部(27)をさらに備え、
前記反射部(2C)は、前記反射部制御部(27)によって前記形状が変更されることで、前記信号の到達範囲を調整する、
付記18に記載の生体情報処理システム。
<付記20>
複数の前記反射部(2)を備える、
付記1から19のいずれかひとつに記載の生体情報処理システム。
<付記21>
複数の前記送信部(111)を備える、
付記1から20のいずれかひとつに記載の生体情報処理システム。
<付記22>
前記送信部(111)による前記信号の送信方向を調整する調整部(11)をさらに備える、
付記1から21のいずれかひとつに記載の生体情報処理システム。
<付記23>
前記調整部(11)は、前記送信方向を変更させるトリガに応じて前記送信方向を調整する、
付記22に記載の生体情報処理システム。
<付記24>
前記調整部(11)は、前記人物の体動を前記トリガとする、
付記23に記載の生体情報処理システム。
<付記25>
前記調整部(11)は、前記受信部(112)によって受信された前記信号に前記生体情報が含まれないことを前記トリガとして、前記送信部による前記信号の送信方向を切り替えるとともに、切り替えた送信方向の夫々において、前記受信部によって受信された前記信号に前記生体情報が含まれているか否かを判定し、前記受信部によって受信された前記信号に前記生体情報が含まれていると判定したときの前記送信部による前記信号の送信方向を、新たな前記送信部による前記信号の送信方向に決定する、
付記23に記載の生体情報処理システム。
<付記26>
前記調整部(11)は、
前記送信方向を指定する指定方向を受け付ける受付部(105)を含み、
前記指定方向の受け付けを前記トリガとして、前記信号の送信方向を前記指定方向に決定する、
付記23に記載の生体情報処理システム。
<付記27>
前記反射部(2)は、折り畳み可能に形成される、
付記1から26のいずれかひとつに記載の生体情報処理システム。
<付記28>
前記送信部(111)には、前記送信部(111)による前記信号の送信方向から視認可能な指標(132)が設けられる、
付記1から27のいずれかひとつに記載の生体情報処理システム。
<付記29>
前記指標(132)の視認範囲を限定する視認範囲限定部(131)をさらに備え、
前記視認範囲限定部(131)によって限定される前記指標(132)の前記視認範囲が前記受信部(112)による前記信号の検出範囲に含まれる領域を形成するように、前記指標(132)と前記視認範囲限定部(131)との相対位置が決定される、
付記28に記載の生体情報処理システム。
【符号の説明】
【0107】
1・・生体情報処理装置
1A・・生体情報処理装置
1B・・生体情報処理装置
1C・・生体情報処理装置
1D・・生体情報処理装置
11・・切替部
11A・・切替部
12・・判定部
13・・信号加算部
14・・情報生成部
15・・通知部
16・・反射板制御部
2・・反射板
2A・・反射板
2B・・反射板
2C・・反射板
21・・反射制御層
22・・基部
23・・支持部
24・・反射面
25・・箱部材
26・・反射膜
27・・ポンプ
28・・内部空間
31・・人物
32・・人物
50・・部屋
51・・台
52・・ベッド
53・・壁
54・・障害物
100・・生体情報処理システム
100A・・生体情報処理システム
100B・・生体情報処理システム
101・・送受信部
101A・・送受信部
102・・制御部
103・・記憶部
104・・出力部
105・・入力部
111・・送信部
111A・・主放射方向
112・・受信部
130・・筐体
131・・開口
131A・・底面
132・・マーカー
B1・・接続バス
N1・・ネットワーク
N2・・ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19