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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108471
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】櫛
(51)【国際特許分類】
   A45D 24/00 20060101AFI20240805BHJP
   A45D 24/02 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
A45D24/00 J
A45D24/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012858
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】599083411
【氏名又は名称】株式会社 MTG
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 敬
(57)【要約】
【課題】髪の毛を良好に梳かすことができ、使い勝手のよい櫛を提供する。
【解決手段】櫛1は、並んで設けられた複数本の櫛歯11,21を備えており、各櫛歯11,21は、付け根部11T,21Tから先端部11S,21Sに向けて先細りであり、並んだ方向に隣接する櫛歯11,21に対向する一対の対向面11A,21Aと、一対の対向面11A,21Aの外縁を連結した外側面とを有し、外側面の面積よりも各対向面11A,21Aの面積が広い扁平形状であり、櫛歯11,21が延びる方向に直交する面で切断した櫛歯11,21の断面形状において、対向面11A,21A及び外側面11B,21Bは外側に膨らむ湾曲面によって連続している。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並んで設けられた複数本の櫛歯を備えており、
各前記櫛歯は、付け根部から先端部に向けて先細りであり、並んだ方向に隣接する前記櫛歯に対向する一対の対向面と、前記一対の対向面の外縁を連結した外側面とを有し、前記外側面の面積よりも各前記対向面の面積が広い扁平形状であり、
前記櫛歯が延びる方向に直交する面で切断した前記櫛歯の断面形状において、前記対向面及び前記外側面は外側に膨らむ湾曲面によって連続して形成されている櫛。
【請求項2】
各前記櫛歯は、前記櫛歯が延びる方向に直交する面で切断した前記櫛歯の断面形状において、前記対向面の曲率半径よりも前記外側面の曲率半径が小さい請求項1に記載の櫛。
【請求項3】
各前記櫛歯の付け根部を所定間隔毎に連結した基部を備えており、
前記櫛歯及び前記基部はめっき被膜を形成している請求項1及び2のいずれか一項に記載の櫛。
【請求項4】
各前記櫛歯の付け根部を所定間隔毎に連結した基部を備えており、
各前記櫛歯が前記基部から下方に延びた状態において、各前記櫛歯が並んだ方向に直交する面で切断した前記基部の断面形状における前記櫛歯側の形状は、左右中央部が最も下方に位置し、左右中央部から上方に向けて左右に広がる傾斜面を有し、
各前記櫛歯の付け根部は前記傾斜面に連続して延びており、前記基部の各前記櫛歯が並んだ方向の端部に近づくにつれて前記傾斜面に連続して延びる前記櫛歯の付け根部の長さが長くなる請求項1及び2のいずれか一項に記載の櫛。
【請求項5】
各前記櫛歯の付け根部を所定間隔毎に連結した基部を備えており、
前記基部は、
基部本体と、
前記基部本体に取り付けられたカバーと、
前記基部本体と前記カバーとによって形成された収容部に収容した錘と、
を有している請求項1及び2のいずれか一項に記載の櫛。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は櫛に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は従来の櫛を開示している。この櫛は、一列に並んで設けられた複数本の櫛歯と、各櫛歯の付け根部を所定間隔毎に連結した基部とを備えている。各櫛歯は、付け根部から先端部に向けて延びた長い帯状の薄板である。各櫛歯及び基部はめっき処理が施されている。この櫛は、各櫛歯及び基部がめっき処理されているため、表面が滑らかになっている。このため、この櫛は、髪の毛を梳かす際に髪の毛との接触摩擦が軽減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7089321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の櫛は、各櫛歯が帯状の薄板であるため、各櫛歯の側部及び先端部に角部がある。このため、この櫛は、髪の毛を梳かす際、この角部が髪の毛に引っかかる等によって、櫛通りが悪くなり、使い勝手に支障が生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、髪の毛を良好に梳かすことができ、使い勝手のよい櫛を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の櫛は、並んで設けられた複数本の櫛歯を備えており、
各前記櫛歯は、付け根部から先端部に向けて先細りであり、並んだ方向に隣接する前記櫛歯に対向する一対の対向面と、前記一対の対向面の外縁を連結した外側面とを有し、前記外側面の面積よりも各前記対向面の面積が広い扁平形状であり、
前記櫛歯が延びる方向に直交する面で切断した前記櫛歯の断面形状において、前記対向面及び前記外側面は外側に膨らむ湾曲面によって連続して形成されている。
【0007】
この櫛の各櫛歯は、付け根部から先端部に向けて先細りである。このため、この櫛は、髪の毛を梳かす際に髪の毛と髪の毛との間に各櫛歯が入りやすい。この櫛の各櫛歯は、櫛歯が延びる方向に直交する面で切断した各櫛歯の断面形状において、対向面及び外側面を外側に膨らむ湾曲面によって連続して形成されている。このため、この櫛の各櫛歯は、湾曲面が連続しており、角部がない。このため、この櫛は、髪の毛を梳かす際に髪の毛に引っかかりにくく、櫛通りがよい。ここでいう「対向面の面積」とは、櫛歯が延びている方向に直交する方向において、一対の対向面のうち1個の対向面を正面から見た際の対向面の面積である。「外側面の面積」とは、櫛歯が延びている方向に直交する方向において、外側面に向き合う方向から見た際の外側面の面積である。
【0008】
したがって、本発明の櫛は、良好に髪の毛を梳かすことができ、使い勝手がよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1の櫛を示す正面図である。
図2】実施例1の櫛を示す平面図である。
図3】実施例1の櫛であって、カバーを取り外した状態を示す正面図である。
図4】実施例1の櫛であって、カバーを基部から取り外した状態を示す斜視図である。
図5】実施例1の櫛であって、カバーと1個の錘を基部から取り外した状態を示す斜視図である。
図6】実施例1の櫛であって、カバーを基部から取り外した状態を示す平面図である。
図7図2に示す矢視Z1-Z1断面図である。
図8図1に示す矢視X1-X1断面図である。
図9図1に示す矢視Y1-Y1断面図である。
図10図1に示す矢視Y2-Y2断面図である。
図11図1に示す矢視Y3-Y3断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
本発明の各前記櫛歯は、前記櫛歯が延びる方向に直交する面で切断した前記櫛歯の断面形状において、前記対向面の曲率半径よりも前記外側面の曲率半径を小さくし得る。この櫛の各櫛歯は、櫛歯が延びる方向に直交する面で切断した各櫛歯の断面形状において、対向面の曲率半径よりも外側面の曲率半径が小さい。このため、この櫛は、各櫛歯の外側面を小さい湾曲面にすることによって、髪の毛を梳かす際に髪の毛と髪の毛との間に各櫛歯が入りやすく、櫛通りがよい。
【0011】
本発明の櫛は、各前記櫛歯の付け根部を所定間隔毎に連結した基部を備えており、前記櫛歯及び前記基部はめっき被膜を形成し得る。この櫛は、めっき被膜によって表面が滑らかになり、髪の毛を梳かす際に髪の毛との接触摩擦が軽減される。このため、この櫛は、櫛通りがよく、良好に髪の毛を梳かすことができ、使い勝手がよい。この櫛の櫛歯は、めっき被膜によって耐久性が向上している。この櫛は、めっき皮膜によって静電気の発生を抑制することができる。
【0012】
本発明の櫛は、各前記櫛歯の付け根部を所定間隔毎に連結した基部を備えており、各前記櫛歯が前記基部から下方に延びた状態において、各前記櫛歯が並んだ方向に直交する面で切断した前記基部の断面形状における前記櫛歯側の形状は、左右中央部が最も下方に位置し、左右中央部から上方に向けて左右に広がる傾斜面を有し、各前記櫛歯の付け根部は前記傾斜面に連続して延びており、前記基部の各前記櫛歯が並んだ方向の端部に近づくにつれて前記傾斜面に連続して延びる前記櫛歯の付け根部の長さが長くなり得る。この櫛は、髪の毛を梳かす際、各櫛歯が並んだ方向の基部の端部が櫛を把持した使用者の手から離れている。このため、この櫛は、基部の端部の方が櫛歯の付け根部分まで髪の毛を入り込ませて使用される。この櫛は、基部の端部に近づくにつれて、基部の傾斜面に連続して延びる櫛歯の付け根部の長さが長いため櫛通りをよくすることができる。このため、この櫛は、櫛通りがよく、良好に髪の毛を梳かすことができ、使い勝手がよい。
【0013】
本発明の櫛は、各前記櫛歯の付け根部を所定間隔毎に連結した基部を備えており、前記基部は、基部本体と、基部本体に取り付けられたカバーと、前記基部本体と前記カバーとによって形成された収容部に収容した錘と、を有し得る。この櫛は、基部に収容した錘によって、髪の毛を梳かす際の安定感が増し、使い勝手がよい。
【0014】
本発明の櫛の錘は棒状であり得る。この櫛は、錘を基部が延びている方向に沿って収容することができる。このため、この櫛は、櫛歯が並んだ方向の重量バランスを良好に保ち、安定して髪の毛を梳かすことができ、使い勝手がよい。
【0015】
本発明の櫛は、各前記櫛歯の付け根部を所定間隔毎に連結した基部を備えており、前記基部は、各前記櫛歯が並んだ方向の中央部に摘み部を有し、各前記櫛歯が並んだ方向において前記摘み部の両側に分かれて2個の錘を有し得る。この櫛は、各櫛歯が並んだ方向の中央部から両側において重さや形状が異なった場合でも、2個の錘の重さを調整することによって、重心を適切な位置にすることができるため、使い勝手がよい。この櫛は、各錘の重さを変更することによって、使用者の好みに合わせた重さや、バランスにすることができる。
【0016】
本発明の各櫛歯の先端部は半球状であり得る。この櫛は、髪の毛を梳かす際、各櫛歯の先端部が頭皮に引っかかりにくい。このため、この櫛は、櫛通りがよく、良好に髪の毛を梳かすことができ、使い勝手がよい。ここで言う半球状は、完全に球の半分でなくてもよく、櫛歯が延びている方向に直交する面で切断した先端部の断面形状が完全な円形でなくてもよい。
【0017】
本発明の櫛は、各前記櫛歯の付け根部を所定間隔毎に連結した基部を備えており、各前記櫛歯は、各前記櫛歯が並んだ方向の中央部から一方向側に並んだ第1櫛歯群と、中央部から他方向側に並んだ第2櫛歯群とを有しており、第1櫛歯群と、第2櫛歯群とは、櫛歯の形状、及び隣り合う櫛歯同士の間隔の少なくともいずれか一方が異なり得る。この櫛は、使用者が基部の各櫛歯が並んだ方向の中央部を指で摘んで把持し、第1櫛歯群及び第2櫛歯群のいずれか一方を利用して髪の毛を梳かすことができる。このため、この櫛は、使い勝手がよい。
【0018】
本発明の櫛は、各前記櫛歯の付け根部を所定間隔毎に連結した基部を備えており、前記基部は、各前記櫛歯が並んだ方向の中央部に摘み部を有し、前記摘み部は、前記基部が左右方向に延び、前記基部から各前記櫛歯が下方に延びた状態において、上から見た平面視における左右中央部の厚みが薄くくびれており、下方に向けて厚みを増加し得る。この櫛は、基部の摘み部を使用者が摘みやすく、使い勝手がよい。
【0019】
次に、本発明の櫛を具体化した実施例1について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
<実施例1>
実施例1の櫛1は、図1及び図2に示すように、複数本の櫛歯11,21、及び基部50を備えている。複数本の櫛歯11,21は一列に並んで設けられている。複数本の櫛歯11,21は、第1櫛歯群10を構成する複数本の櫛歯11、第2櫛歯群20を構成する複数本の櫛歯21、1本の左端櫛歯30、及び1本の右端櫛歯40である。基部50は、左右方向に延びている。左右方向は、各櫛歯11,21が並んだ方向である。基部50は、後述する基部本体60に、第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20の各櫛歯11,21の付け根部11T,21Tを所定間隔毎に連結している。
【0021】
説明の便宜上、第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21が並んでいる方向を左右方向とし、第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21が延びている方向を上下方向とし、左右方向に直交し、かつ上下方向に直交する方向を前後方向とする。各図に示す3次元の直交座標系において、X軸の正方向は「左方向」、X軸の負方向は「右方向」、Y軸の正方向は「上方向」、Y軸の負方向は「下方向」、Z軸の正方向は「前方向」、Z軸の負方向は「後方向」である。
【0022】
基部50の上縁50Uは、図1に示すように、前から見た正面視(以下、「正面視」という。)において、僅かに上方に膨らんで湾曲している。基部50は左右対称形状である。基部50の下縁50Dは、図1図3及び図7に示すように、左右両端から中央部に向けて僅かに下方に傾斜している。基部50の下縁50Dの中央部は、下方に膨らんで湾曲している。
【0023】
基部50は、図3から図7に示すように、基部本体60、カバー70、及び2個の錘80を有している。基部本体60は、左右方向に延びている。基部本体60は左右対称形状である。基部本体60の櫛歯11,21側の形状は、図9から図11に示すように、基部本体60の前後方向に平行な垂直断面形状(以下、「基部本体60の垂直断面形状」という。)において、左右中央部が最も下方に位置し、左右中央部から上方に向けて左右に広がる傾斜面61、62を有している。基部本体60の櫛歯11,21側の形状は、基部50の櫛歯11,21側の形状である。前後方向に平行な垂直断面は、第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21が並んだ方向に直交する面で切断した断面である。基部本体60の垂直断面形状において、基部本体60の左右中央に位置する下端面63は、水平である。基部本体60の垂直断面形状において、基部本体60の下端面63の左右方向の幅は、基部本体60の延びている方向の全域に亘って略一定である。基部本体60の垂直断面形状において、基部本体60の櫛歯11,21側の傾斜面61,62は、基部本体60の下端面63の左右両端に連続する一対の第1傾斜面61と、各第1傾斜面61の上端に連続する一対の第2傾斜面62とを有している。基部本体60の垂直断面形状において、第1傾斜面61の傾斜は第2傾斜面62の傾斜よりも緩やかである。すなわち、前後方向に延びる水平線と第1傾斜面61とがなす仰角α1,α2,α3は、前後方向に延びる水平線と第2傾斜面62とがなす仰角β1,β2,β3よりも小さい。基部本体60の垂直断面形状における第1傾斜面61の傾斜及び第2傾斜面62の傾斜角度は、基部本体60の左右中央部よりも基部本体60の左右両端部が急である。すなわち、前後方向に延びる水平線と第1傾斜面61とがなす仰角α3は仰角α2より大きく、仰角α2は仰角α1より大きい。また、前後方向に延びる水平線と第2傾斜面62とがなす仰角β3は仰角β2より大きく,仰角β2は仰角β1より大きい。
【0024】
基部本体60の左右両端部は、図1から図7に示すように、左右両端から中央部に向けて延びた上面64を有している。左右両端部の上面64は、基部本体60にカバー70を取り付けた状態において、露出している。左右両端部の上面64は、図11に示すように、基部本体60の垂直断面形状において、上方に膨らんだ湾曲面である。
【0025】
基部本体60の左右両端部の間に設けられた中央部は、図5及び図6に示すように、中央上面65を有している。中央上面65は、基部本体60の左右両端部の上面よりも下方に位置している。中央上面65は、上面視において、左右方向に長く延びる一対の前後中央上面65Aと前後中央上面65Aのそれぞれの左右両端を連結した前後方向に延びる左右中央上面65Bを有している。前後中央上面65A、及び左右中央上面65Bは、前後方向に水平な面である。各前後中央上面65Aは、図3に示すように、左右両端から左右中央に向けて下方に傾斜している。各前後中央上面65Aは左右中央が最も低い位置になっている。各前後中央上面65Aは、正面視及び後ろから見た背面視(以下、「背面視」という。)において、左右両端から左右中央に向けて上方に僅かに膨らんで湾曲している。
【0026】
各前後中央上面65Aは、図5及び図6に示すように、4個ずつの切欠き凹部65Mが形成されている。各切欠き凹部65Mは、左右方向に長く、各前後中央上面65Aの前後中央側の縁に沿って形成されている。各切欠き凹部65Mは、各前後中央上面65Aの左右中心を対称にして、各前後中央上面65Aの左右に2個ずつ形成されている。
【0027】
基部本体60は、図5及び図6に示すように、一対の前後中央上面65Aの間に左右一対の溝部66を形成している。各溝部66は、基部本体60の中央上面65が設けられている部分の左右両側に形成されている。各溝部66は各錘80の一部分を前後から挟み込むように形成されている。各溝部66は、上方及び左右中央部側に開口している。各溝部66の左右外側を閉じた面は、図5及び図7に示すように、左右外方向に凹んだ凹部66Aが形成されている。
【0028】
基部本体60は、図3から図7に示すように、中央部に上方に伸びた板部67を有している。板部67は、基部本体60の前後中央に設けられ、左右方向に長い薄板である。板部67は、基部本体60を射出成形する際に形成される図示しないランナーを一部に連結したものである。ランナーは、基部本体60及び各櫛歯11,21にクロムメッキ被膜を形成した後に板部67から切断されている。板部67は、上縁部に上下方向にのびるスリット67Aが形成されている。スリット67Aは、左右中央よりも左側に形成されている。板部67は、図3及び図5に示すように、中央下部の前面及び後面の夫々に凹部67Bが形成されている。凹部67Bは、正面視において、略矩形状である。
【0029】
2個の錘80は、図3から図7に示すように、基部本体60の板部67の左右両側に1個ずつ各溝部66に一部分を挟み込まれるように配置されて固定される。各錘80は左右方向に長い棒状である。各錘80は、図10に示すように、各錘80の前後方向に平行な垂直断面形状において、縦長矩形状である。各錘80は同一形状である。各錘80は同じ重さである。各錘80はステンレス製である。この櫛1は、基部本体60の板部67の左右両側に1個ずつ錘80を配置することによって、重心を左右方向の中心に位置させている。
【0030】
カバー70は、図1から図5に示すように、正面視、及び背面視において、同一形状である。カバー70は、基部本体60に取り付けられた状態において、左右方向に延びている。カバー70は、上壁部71、前壁部72、及び後壁部73を有している。正面視において、カバー70の上端縁は僅かに上方に膨らんで湾曲している。カバー70の上壁部71の上面は、図9及び図10に示すように、上壁部71の前後方向に平行な垂直断面形状において、上方に膨らんだ湾曲面である。上壁部71は、図3から図5,及び図7に示すように、左右両端部に鉤部74を有している。各鉤部74は、下方に延びる垂下部74Aと、各垂下部74Aの左右外側面から外方向に突出した凸部74Bとを有している。各鉤部74の凸部74Bは、図7に示すように、基部本体60にカバー70を取り付けた状態において、基部本体60の各溝部66の左右外側の面に形成された凹部66Aに入り込む。これによって、基部本体60からカバー70を取り外そうとすると、各鉤部74が基部本体60の各溝部66の左右外側の面に形成された凹部66Aに引っかかる。
【0031】
カバー70の前壁部72は、図5及び図9に示すように、カバー70の上壁部71の前縁に沿って下方に垂下している。前壁部72の前面は、上壁部71の上面に連続している。カバー70の後壁部73は、カバー70の上壁部71の後縁に沿って下方に垂下している。後壁部73の後面は、上壁部71の上面に連続している。前壁部72と後壁部73とは、その間に左右方向に延びる隙間を形成している。前壁部72の下面72A、及び後壁部73の下面73Aは、前後方向に水平な面である。
【0032】
カバー70の前壁部72及び後壁部73は、図3及び図4に示すように、下面から僅かに突出した突出片75を4個ずつ設けている。各突出片75は、左右方向に長い。前壁部72の各突出片75は、前壁部72の下面の後縁に沿って延びている。後壁部73の各突出片75は、後壁部73の下面の前縁に沿って延びている。基部本体60にカバー70を取り付けた状態において、カバー70の前壁部72及び後壁部73の各突出片75の下端部は、基部本体60の各中央上面65に形成された各切欠き凹部65Mに差し込まれる。これによって、基部本体60にカバー70を取り付けた状態において、基部本体60に対するカバー70の左右方向の位置決めがされる。基部本体60にカバー70を取り付けた状態において、カバー70の前壁部72の下面72A、及び後壁部73の下面73Aは、図9に示すように、基部本体60の各前後中央上面65Aに対向する。
【0033】
カバー70の後壁部73は、図4に示すように、左右中央部の下部に前方向に向けて突出した凸部73Bを有している。カバー70の前壁部72も同様に、左右中央部の下部に後方向に向けて突出した凸部を有している。基部本体60にカバー70を取り付けた状態において、カバー70の前壁部72の凸部及び後壁部73の凸部73Bは、基部本体60の板部67の前面及び後面の夫々に形成された凹部67Bに入り込む。これによって、基部本体60からカバー70を取り外そうとすると、各カバー70の前壁部72の凸部及び後壁部73の凸部73Bが基部本体60の板部67の前面及び後面の夫々に形成された各凹部67Bに引っかかる。
【0034】
カバー70は、図7に示すように、上壁部71の下面、前壁部72の後面、及び後壁部73の前面に連結した1個の第1垂下片76A、及び一対の第2垂下片76Bを有している。基部本体60にカバー70を取り付けた状態において、第1垂下片76Aは、基部本体60の板部67に形成されたスリット67Aに挿入される。これによって、カバー70は、基部本体60に所定の向きで取り付けられる。基部本体60にカバー70を取り付けた状態において、一対の第2垂下片76Bは、基部本体60の板部67を左右方向から挟み込むように位置する。これによって、カバー70は、基部本体60に対する左右方向の位置決めがされる。
【0035】
カバー70の上壁部71は、図2に示すように、上から見た平面視(以下、「平面視」という。)において、左右中央部の前後方向の厚みが薄くくびれている。カバー70の前壁部72の前面及び後壁部73の後面は、上壁部71のくびれ形状に沿って下方に垂下している。このため、カバー70の左右中央部の前壁部72の前面及び後壁部73の後面は、左右中央部が内側凹んで湾曲している。カバー70の左右中央部は、図9に示すように、下方に向けて外側に広がるように傾斜し、前後方向の厚みを徐々に増加している。カバー70の左右中央部の前壁部72の前面及び後壁部73は摘み部77である。
【0036】
カバー70は、図3から図5図7,及び図10に示すように、2個の錘80を収容して基部本体60に取り付けられる。つまり、各錘80の一部分は、基部本体60に形成された溝部66に挟み込まれて収容され、各錘80の他の部分は、基部本体60に取り付けられたカバー70の前壁部72と後壁部73との間に収容される。このように、カバー70と基部本体60は、錘80を収容する収容部を形成している。基部本体60に取り付けられたカバー70の前壁部72と後壁部73との間には、基部本体60の板部67も収容される。基部本体60にカバー70を取り付けることによって、板部67に残るランナーの切断跡や製造時に形成される金型のバリ等をカバー70によって隠蔽することができる。カバー70は基部本体60に接着固定される。錘80はカバー70及び基部本体60の少なくとも一方に接着固定される。カバー70は、ABS樹脂基材上にクロムメッキ被膜を形成している。
【0037】
左端櫛歯30は、図1,及び図3から図5に示すように,基部本体60の左端部に連結し下方に向けて延びている。右端櫛歯40は、基部本体60の右端部に連結し、下方に向けて延びている。左端櫛歯30及び右端櫛歯40の水平断面形状は、図8に示すように、六角形状である。水平断面は、第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21が延びる方向に直交する面で切断した断面である。
【0038】
第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21は、左端櫛歯30と右端櫛歯40との間に設けられている。第1櫛歯群10は第2櫛歯群20の左側に設けられている。第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21は、基部本体60から下方に向けて平行に延びている。各櫛歯11,21は、左右方向に一列に並んで設けられている。
【0039】
各櫛歯11,21は、図8に示すように、左右方向に隣接する櫛歯11,21に対向する一対の対向面11A,21A、及び一対の対向面11A,21Aの外縁を連結した外側面11B,21Bを有している。各櫛歯11,21は、前後方向のいずれか一方から見た外側面11B,21Bの面積よりも、左右方向のいずれか一方から見た各対向面11A,21Aの面積が広い扁平形状である。各櫛歯11,21の水平断面形状において、各櫛歯11,21の対向面11A,21A及び外側面11B,21Bは、外側に膨らむ湾曲面によって連続して形成されている。
【0040】
各櫛歯11,21の水平断面形状において、外側面11B,21Bの曲率半径は、対向面11A,21Aの曲率半径よりも小さい。詳しくは、第1櫛歯群10を構成する各櫛歯11の上端から下端までの4分の1から4分の3の範囲において、水平断面形状における外側面11Bの曲率半径は、0.08mmから0.11mmである。この範囲において、各櫛歯11の水平断面形状における外側面11Bの曲率半径は、0.05mmから0.15mmであればよい。各櫛歯11の上端から下端までの4分の1から4分の3の範囲において、水平断面形状における対向面11Aの曲率半径は、0.6mmから2.3mmである。この範囲において、各櫛歯11の水平断面形状における対向面11Aの曲率半径は、0.5mmから2.5mmであればよい。各櫛歯11の上端から下端までの4分の1から4分の3の範囲において、水平断面形状における外側面11Bの曲率半径と対向面11Aの曲率半径との比は、1:2から1:75であればよく、好ましくは、1:3から1:50であり、更に好ましくは、1:7から1:25であればよい。
【0041】
第2櫛歯群20を構成する各櫛歯21の上端から下端までの4分の1から4分の3の範囲において、水平断面形状における外側面21Bの曲率半径は、0.09mmから0.11mmである。この範囲において、各櫛歯21の水平断面形状における外側面21Bの曲率半径は、0.05mmから0.15mmであればよい。各櫛歯21の上端から下端までの4分の1から4分の3の範囲において、水平断面形状における対向面21Aの曲率半径は、0.9mmから3.9mmである。この範囲において、各櫛歯21の水平断面形状における対向面21Aの曲率半径は、0.8mmから4.0mmであればよい。各櫛歯21の上端から下端までの4分の1から4分の3の範囲において、水平断面形状における外側面21Bの曲率半径と対向面21Aの曲率半径との比は、1:2から1:100であればよく、好ましくは、1:5から1:70であり、更に好ましくは、1:9から1:40であればよい。
【0042】
各櫛歯11,21の上下方向の1/2の位置を通る水平断面形状における外側面11B,21Bの曲率半径は、0.08mmから0.11mmであり、対向面11A,21Aの曲率半径は、1.3mmから2.1mmである。各櫛歯11,21の上端から下端までの4分の1から4分の3の範囲において、水平断面形状における外側面11B,21Bの曲率半径と対向面11A,21Aの曲率半径との比は、1:2から1:100であればよく、好ましくは1:3から1:80であり、更に好ましくは1:7から1:40であればよい。
【0043】
第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21の付け根部11T,21Tは、図1図3図4,及び図8から図11に示すように、基部本体60の下端面63、第1傾斜面61、及び第2傾斜面62に連結している。第1傾斜面61、及び第2傾斜面62に連結した第1櫛歯群10を構成する各櫛歯11の付け根部11Tの長さは、図1図3図4,及び図9から図11に示すように、基部本体60の左側端部に近づくにつれて、長くなっている。第1傾斜面61、及び第2傾斜面62に連結した第2櫛歯群20を構成する各櫛歯21の付け根部21Tの長さは、図1図3,及び図4に示すように、基部本体60の右側端部に近づくにつれて、長くなっている。
【0044】
第1櫛歯群10を構成する各櫛歯11の間隔は、図1図3から図5図7,及び図8に示すように、第2櫛歯群20の各櫛歯21の間隔よりも広い。正面視において、第1櫛歯群10において各櫛歯11は等間隔に設けられ、第2櫛歯群20において各櫛歯21は等間隔に設けられている。基部本体60の下端面63よりも下方において、第1櫛歯群10を構成する各櫛歯11の左右方向の幅は、略一定である。基部本体60の下端面63よりも下方において、第2櫛歯群20を構成する各櫛歯21の左右方向の幅は、略一定である。基部本体60の下端面63よりも下方において、第1櫛歯群10を構成する各櫛歯11の左右方向の幅は、第2櫛歯群20を構成する各櫛歯21の左右方向の幅よりも大きい。
【0045】
第1櫛歯群10を構成する各櫛歯11を左から見た左側面視(以下、「左側面視」という。)において、図9から図11に示すように、各櫛歯11は、付け根部11Tから先端部11Sに向けて左右幅が徐々に狭くなる先細り形状である。第2櫛歯群20を構成する各櫛歯21も同様に先細り形状である。櫛歯11,21の左側面視において直線状に延びる左右外縁の傾斜角度は、全ての櫛歯11,21おいて同一である。第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21の先端部11S,21Sは、図1図3から図5図7,及び図9から図11に示すように、半球状である。第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21、左端櫛歯30、及び右端櫛歯40の各先端は、水平方向に延びる同一直線上に並んでいる。第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21の先端から基部本体60の下端面63までの長さは、図7に示すように、左右中央部から左右両側に向けて徐々に長くなっている。
【0046】
基部本体60、第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21、左端櫛歯30、及び右端櫛歯40は、射出成形によって一体的に形成されており、ABS樹脂基材上にクロムメッキ被膜を形成している。
【0047】
以上説明したように、実施例1の櫛1は、一列に並んで設けられた複数本の櫛歯11,21を備えており、第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21は、付け根部11T,21Tから先端部11S,21Sに向けて先細りであり、左右方向に隣接する櫛歯11,21に対向する一対の対向面11A,21Aと、一対の対向面11A,21Aの外縁を連結した外側面11B,21Bとを有し、外側面11B,21Bの面積よりも各対向面11A,21Aの面積が広い扁平形状であり、櫛歯11,21の水平断面形状において、対向面11A,21A及び外側面11B,21Bは外側に膨らむ湾曲面によって連続して形成されている。
【0048】
この櫛1の第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21は、付け根部11T,21Tから先端部11S,21Sに向けて先細りである。このため、この櫛1は、髪の毛を梳かす際に髪の毛と髪の毛との間に各櫛歯11,21が入りやすい。これら各櫛歯11,21は、各櫛歯11,21の水平断面形状において、対向面11A,21A及び外側面11B,21Bを外側に膨らむ湾曲面によって連続して形成されている。このため、これら各櫛歯11,21は、湾曲面が連続しており、角部がない。このため、この櫛1は、髪の毛を梳かす際に髪の毛に引っかかりにくく、櫛通りがよい。
【0049】
したがって、実施例1の櫛1は、良好に髪の毛を梳かすことができ、使い勝手がよい。
【0050】
実施例1の各櫛歯11,21は、各櫛歯11,21の水平断面形状において、対向面11A,21Aの曲率半径よりも外側面11B,21Bの曲率半径が小さい。このため、この櫛1は、各櫛歯11,21の外側面11B,21Bを小さい湾曲面にすることによって、髪の毛を梳かす際に髪の毛と髪の毛との間に各櫛歯11,21が入りやすく、櫛通りがよい。
【0051】
実施例1の櫛1は、第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21の付け根部11T,21Tを所定間隔毎に連結した基部50を備えており、櫛歯11,21及び基部50はクロムメッキ被膜を形成している。この櫛1は、クロムメッキ被膜によって表面が滑らかになり、髪の毛を梳かす際に髪の毛との接触摩擦が軽減される。このため、この櫛1は、櫛通りがよく、良好に髪の毛を梳かすことができ、使い勝手がよい。この櫛1の櫛歯11,21は、クロムメッキ皮膜によって耐久性が向上している。この櫛1は、クロムメッキ皮膜によって静電気の発生を抑制することができる。
【0052】
実施例1の櫛1は、第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21の付け根部11T,21Tを所定間隔毎に連結した基部50を備えており、各櫛歯11,21が基部50から下方に延びた状態において、基部本体60の垂直断面形状における櫛歯11,21側の形状は、左右中央部が最も下方に位置し、左右中央部から上方に向けて左右に広がる第1傾斜面61及び第2傾斜面62を有し、各櫛歯11,21の付け根部11T,21Tは第1傾斜面61及び第2傾斜面62に連続して延びており、基部50の左右両端部に近づくにつれて傾斜面61,62に連続して延びる櫛歯11,21の付け根部11T,21Tの長さが長くなる。この櫛1は、髪の毛を梳かす際、基部50の左右両端部が櫛1を把持した使用者の手から離れている。このため、この櫛1は、基部50の左右両端部の方が櫛歯11,21の付け根部11T,21T分まで髪の毛を入り込ませて使用される。この櫛1は、基部50の左右両端部に近づくにつれて、基部50の傾斜面61,62に連続して延びる櫛歯11,21の付け根部11T,21Tの長さが長いため櫛通りをよくすることができる。このため、この櫛1は、櫛通りがよく、良好に髪の毛を梳かすことができ、使い勝手がよい。
【0053】
実施例1の櫛1は、第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21の付け根部11T,21Tを所定間隔毎に連結した基部50を備えており、基部50は、基部本体60と、基部本体60に取り付けられたカバー70と、基部本体60とカバー70とによって形成された収容部に収容した2個の錘80と、を有している。この櫛1は、基部50に収容した錘80によって、髪の毛を梳かす際の安定感が増し、使い勝手がよい。
【0054】
実施例1の櫛1の各錘80は棒状である。この櫛1は、各錘80を基部50が延びている方向に沿って収容することができる。このため、この櫛1は、櫛歯11,21が並んだ方向の重量バランスを良好に保ち、安定して髪の毛を梳かすことができ、使い勝手がよい。
【0055】
実施例1の第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21の先端部11S,21Sは半球状である。この櫛1は、髪の毛を梳かす際、各櫛歯11,21の先端部11S,21Sが頭皮に引っかかりにくい。このため、この櫛1は、櫛通りがよく、良好に髪の毛を梳かすことができ、使い勝手がよい。
【0056】
実施例1の櫛1は、第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21の付け根部11T,21Tを所定間隔毎に連結した基部50を備えており、各櫛歯11,21は、左右中央部から左方向に並んだ第1櫛歯群10と、左右中央部から右方向に並んだ第2櫛歯群20とを有しており、第1櫛歯群10を構成する各櫛歯11の左右方向の幅と第2櫛歯群20を構成する各櫛歯21の左右方向の幅と、隣り合う櫛歯11,21同士の間隔とが異なる。この櫛1は、使用者が基部50の左右中央部を指で摘んで把持し、第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20のいずれか一方を利用して髪の毛を梳かすことができる。このため、この櫛1は、使い勝手がよい。
【0057】
実施例1の櫛1は、第1櫛歯群10及び第2櫛歯群20を構成する各櫛歯11,21の付け根部11T,21Tを所定間隔毎に連結した基部50を備えており、基部50は、左右中央部に摘み部77を有し、摘み部77は、基部50が左右方向に延び、基部50から櫛歯11,21が下方に延びた状態において、平面視における左右中央部の厚みが薄くくびれており、下方に向けて厚みを増加している。この櫛1は、基部50の摘み部77を使用者が摘みやすく、使い勝手がよい。
【0058】
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例1に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1の櫛の基部は、複数の櫛歯を一体的に形成した基部本体、カバー、及び錘を有している。これに対し、櫛は、錘をインサートして基部本体とカバーを一体的に形成してもよい。この場合、錘をインサートしなくてもよい。
(2)実施例1の櫛は、複数の櫛歯、及び基部本体にクロムメッキ被膜を形成している。これに対し、複数の櫛歯、及び基部本体にクロム以外に金属のめっき被膜を形成してもよいし、めっき被膜を形成しなくてもよい。
(3)実施例1の櫛は、櫛歯の形状、及び隣り合う櫛歯の間隔が異なる第1櫛歯群と第2櫛歯群とを備えている。これに対し、櫛は、櫛歯の形状、及び隣り合う櫛歯の間隔が同じ一種類の櫛歯を備えていてもよい。
(4)実施例1の櫛の第1櫛歯群と第2櫛歯群は、櫛歯の左右方向の幅、及び隣り合う櫛歯の間隔が異なっている。これに対し、第1櫛歯群と第2櫛歯群は、櫛歯の形状が同じであり、隣り合う櫛歯の間隔が異なっていてもよいし、櫛歯の形状が異なり、隣り合う櫛歯の間隔が同じであってもよい。
(5)実施例1の櫛は、基部の左右両端部に近づくにつれて傾斜面に連続して延びる櫛歯の付け根部の長さが長くなっている。これに対し、傾斜面に連続して延びる櫛歯の付け根部の長さは一定であってもよい。
(6)実施例1の櫛は2個の棒状の錘を有している。これに対し、櫛に設けられる錘は、1個及び3個以上のいずれかであってよい。櫛に設けられる錘は棒状でなくてもよい。櫛は錘を有していなくてもよい。
(7)実施例1の櫛は2個の錘をカバー及び基部本体の少なくとも一方に接着固定した。これに対し、錘は、使用者が自由に交換することができてもよい。この場合、櫛の重さを使用者の好みに変更することができたり、複数の錘を交換することができれば、櫛の重さのバランスを使用者の好みに合わせて変更することができたりする。
(8)実施例1の櫛の各櫛歯の先端部は半球状である。これに対し、各櫛歯の先端部は湾曲面でもよい。
(9)実施例1の櫛は、基部の左右中央部に、平面視において、厚みが薄くくびれた摘み部を有している。これに対し、櫛の摘み部は、厚みが薄くくびれていなくてもよい。
(10)実施例1の櫛は、基部の左右方向の全体に櫛歯が連結し、基部に摘み部が設けられている。これに対し、櫛は、基部の左右一方の端部から持ち手を延ばしてもよい。
(11)実施例1の櫛は第1櫛歯群及び第2櫛歯群を構成する櫛歯の全てが扁平形状であり、各櫛歯は水平面で切断した櫛歯の断面形状において、対向面及び外側面が外側に膨らむ湾曲面によって連続して形成された形状である。これに対し、このような形状の櫛歯は櫛歯の全体数の少なくとも30%以上、好ましくは半分以上、より好ましくは80%以上あればよい。
(12)各櫛歯は、水平断面形状において、対向面の曲率半径は、0.4mmから4.5mmであればよく、外側面の曲率半径は、0.05mmから0.15mmであればよい。
【符号の説明】
【0059】
1…櫛
10…第1櫛歯群
11,21…櫛歯
11A,21A…対向面
11B,21B…外側面
11T,21T…付け根部
11S,21S…先端部
20…第2櫛歯群
50…基部
61,62…傾斜面(61…第1傾斜面、62…第2傾斜面)
60…基部本体
70…カバー
77…摘み部
80…錘
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11