IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社大真空の特許一覧

特開2024-108488圧電振動デバイスの製造方法、圧電振動デバイス、および、シート基板
<>
  • 特開-圧電振動デバイスの製造方法、圧電振動デバイス、および、シート基板 図1
  • 特開-圧電振動デバイスの製造方法、圧電振動デバイス、および、シート基板 図2
  • 特開-圧電振動デバイスの製造方法、圧電振動デバイス、および、シート基板 図3
  • 特開-圧電振動デバイスの製造方法、圧電振動デバイス、および、シート基板 図4
  • 特開-圧電振動デバイスの製造方法、圧電振動デバイス、および、シート基板 図5
  • 特開-圧電振動デバイスの製造方法、圧電振動デバイス、および、シート基板 図6
  • 特開-圧電振動デバイスの製造方法、圧電振動デバイス、および、シート基板 図7
  • 特開-圧電振動デバイスの製造方法、圧電振動デバイス、および、シート基板 図8
  • 特開-圧電振動デバイスの製造方法、圧電振動デバイス、および、シート基板 図9
  • 特開-圧電振動デバイスの製造方法、圧電振動デバイス、および、シート基板 図10
  • 特開-圧電振動デバイスの製造方法、圧電振動デバイス、および、シート基板 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108488
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】圧電振動デバイスの製造方法、圧電振動デバイス、および、シート基板
(51)【国際特許分類】
   H03H 3/02 20060101AFI20240805BHJP
   H03H 9/02 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
H03H3/02 C
H03H9/02 K
H03H9/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012884
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000149734
【氏名又は名称】株式会社大真空
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100121027
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 公一
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 好清
【テーマコード(参考)】
5J108
【Fターム(参考)】
5J108EE03
5J108EE07
5J108EE18
5J108GG03
5J108GG16
5J108JJ04
5J108KK04
5J108MM01
(57)【要約】
【課題】個々の圧電振動片単独で圧電振動片の特性の測定を可能にする、シート基板を用いた圧電振動デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】圧電振動片およびサーミスタが収容されるベース10がマトリックス状に複数個連なって一体成形されたシート基板1を用いて複数個の圧電振動デバイスを製造する製造方法であって、ベース10の外底面には圧電振動片用の一対の外部接続端子61、62およびサーミスタ用の一対の外部接続端子63、64が形成され、シート基板1には一対の外部接続端子63、64に電気的に接続されたサーミスタ搭載用の一対の電極パッド41、42、および、電極パッド41と外部接続端子61とを電気的に接続する配線パターン40が形成されており、当該製造方法は、シート基板1において、配線パターン40をエネルギービームを用いて切断する切断工程を含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電振動片および他素子が収容される平面視矩形のベースがマトリックス状に複数個連なって一体成形されたシート基板を用いて、複数個の圧電振動デバイスを製造する圧電振動デバイスの製造方法であって、
前記シート基板は、複数の層からなる積層体であり、
前記複数の層における積層間に、前記複数のベースのうちの隣接するベース間を跨る配線パターンが形成されており、
それぞれの前記ベースの外底面には、当該ベースに収容される前記圧電振動片を当該ベースの外部に電気的に接続するための一対の圧電振動片用外部接続端子と、当該ベースに収容される前記他素子を当該ベースの外部に電気的に接続するための一対の他素子用外部接続端子とを含む複数の外部接続端子が形成されており、
それぞれの前記ベースには、当該ベースに収容される前記他素子が搭載され、前記配線パターンから引き出された一対の他素子用搭載パッドが設けられており、
前記シート基板には、それぞれの前記ベース単独の部分で、前記一対の他素子搭載用パッドのうちの一方の他素子搭載用パッドと、前記一対の圧電振動片用外部接続端子のうちの一方の圧電振動片用外部接続端子とを、電気的に接続する共通接続配線パターンが形成されており、
前記圧電振動デバイスの製造方法は、
前記シート基板において、前記共通接続配線パターンを、切断手段を用いて切断することにより、前記一方の他素子搭載用パッドと前記一方の圧電振動片用外部接続端子とを電気的に独立させる切断工程
を有することを特徴とする圧電振動デバイスの製造方法。
【請求項2】
前記共通接続配線パターンは、外部に露出していることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動デバイスの製造方法。
【請求項3】
それぞれの前記ベースの前記複数の外部接続端子の各々は、平面視で当該ベースの前記外底面の外周縁に対して当該ベースの内側に離間して形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電振動デバイスの製造方法。
【請求項4】
前記シート基板には、それぞれの前記ベース単独の部分で、前記一対の他素子搭載用パッドのうちの他方の他素子搭載用パッドと、前記一対の圧電振動片用外部接続端子のうちの他方の圧電振動片用外部接続端子とを、電気的に接続する共通接続配線パターンが形成されていないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電振動デバイスの製造方法。
【請求項5】
前記共通接続配線パターンの少なくとも一部は、絶縁材料で覆われていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電振動デバイスの製造方法。
【請求項6】
前記切断手段はエネルギービームであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電振動デバイスの製造方法。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の圧電振動デバイスの製造方法によって製造されたことを特徴とする圧電振動デバイス。
【請求項8】
圧電振動片および他素子が収容される平面視矩形のベースがマトリックス状に複数個連なって一体成形されたシート基板であって、
前記シート基板は、複数の層からなる積層体であり、
前記複数の層における積層間に、前記複数のベースのうちの隣接するベース間を跨る配線パターンが形成されており、
それぞれの前記ベースの外底面には、当該ベースに収容される前記圧電振動片を当該ベースの外部に電気的に接続するための一対の圧電振動片用外部接続端子と、当該ベースに収容される前記他素子を当該ベースの外部に電気的に接続するための一対の他素子用外部接続端子とを含む複数の外部接続端子が形成されており、
それぞれの前記ベースには、当該ベースに収容される前記他素子が搭載され、前記配線パターンから引き出された一対の他素子用搭載パッドが設けられており、
前記シート基板には、それぞれの前記ベース単独の部分で、前記一対の他素子搭載用パッドのうちの一方の他素子搭載用パッドと、前記一対の圧電振動片用外部接続端子のうちの一方の圧電振動片用外部接続端子とを、電気的に接続する共通接続配線パターンが形成されている
ことを特徴とするシート基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動デバイスを製造する圧電振動デバイスの製造方法、当該製造方法により製造される圧電振動デバイス、および、当該製造方法に用いられるシート基板に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電振動デバイスは、例えば、絶縁体からなり、上部が開放された容器状のベースと、ベースの内部空間に導電性接着剤等により保持された圧電振動片と、圧電振動片を覆ってベースの内部空間を密閉するようにベースの上縁部に接合された蓋とを有する。また、ベースの内底面には圧電振動片が電気的に接続される搭載パッドが設けられており、ベースの外底面にはこの搭載パッドに繋がる外部接続端子が設けられている。ベースの上縁部には、蓋を溶接するためのシール用金属が設けられている(例えば、特許文献1参照)。そして、一般に、搭載パッド、外部接続端子、シール用金属は、金めっき等が施されて酸化が防止されている。
【0003】
ところで、この種の圧電振動デバイスの製造方法の一例として、個々独立したベースに対して圧電振動片を順に搭載していき、その後、各ベースの上縁部に対して蓋を接合していくといった手法がある。しかしながら、この製造方法では、単位時間当たりに製造可能な水晶振動子の個数に限界があり、高い生産効率を実現することは困難である。
【0004】
この課題を解決する手法として、シート基板の上面に多数の凹部をマトリックス状に形成しておき、各凹部内に圧電振動デバイスを同時搭載するものである(例えば、特許文献2参照)。つまり、ベースをシート基板上で多数個取りすることによって生産効率の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6-90135号公報
【特許文献2】特開2001-217334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、ベースをシート基板上で多数個取りする生成方法では、電極等には金めっき等が施されている。そして、このめっきの膜厚を適切に得るためのめっき法として電解めっき法が挙げられるが、この電解めっき法を使用する場合、このめっきを施す領域の各金属部分(下地金属)の全てが電気的に導通されている必要がある。このため、個々の圧電振動片に周波数測定装置を接続して周波数測定を行った場合、測定対象の圧電振動片に対して電気的に接続している他の圧電振動片が導通して影響を与えることになり、測定対象の圧電振動片のみの周波数測定ができない。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑み、少なくとも圧電振動片を収容するベースをシート基板上で多数個取りする圧電振動デバイスの製造方法であって、個々の圧電振動片単独で圧電振動片の特性の測定を可能にする圧電振動デバイスの製造方法、当該製造方法により製造される圧電振動デバイス、および、当該製造方法に用いられるシート基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、本発明に係る圧電振動デバイスの製造方法は、圧電振動片および他素子が収容される平面視矩形のベースがマトリックス状に複数個連なって一体成形されたシート基板を用いて、複数個の圧電振動デバイスを製造する圧電振動デバイスの製造方法であって、前記シート基板は、複数の層からなる積層体であり、前記複数の層における積層間に、前記複数のベースのうちの隣接するベース間を跨る配線パターンが形成されており、それぞれの前記ベースの外底面には、当該ベースに収容される前記圧電振動片を当該ベースの外部に電気的に接続するための一対の圧電振動片用外部接続端子と、当該ベースに収容される前記他素子を当該ベースの外部に電気的に接続するための一対の他素子用外部接続端子とを含む複数の外部接続端子が形成されており、それぞれの前記ベースには、当該ベースに収容される前記他素子が搭載され、前記配線パターンから引き出された一対の他素子用搭載パッドが設けられており、前記シート基板には、それぞれの前記ベース単独の部分で、前記一対の他素子搭載用パッドのうちの一方の他素子搭載用パッドと、前記一対の圧電振動片用外部接続端子のうちの一方の圧電振動片用外部接続端子とを、電気的に接続する共通接続配線パターンが形成されており、前記圧電振動デバイスの製造方法は、前記シート基板において、前記共通接続配線パターンを、切断手段を用いて切断することにより、前記一方の他素子搭載用パッドと前記一方の圧電振動片用外部接続端子とを電気的に独立させる切断工程を有することを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、同一のベースの一方の圧電振動片用外部接続端子と一方の他素子用搭載パッドとを電気的に接続する共通接続配線パターンを、切断手段を用いて切断することにより、一方の圧電振動片用外部接続端子を一方の他素子用搭載パッドから電気的に独立させることができる。これにより、複数個のベースが一体的に連なったシート基板でも、各ベースにおいて圧電振動片と電気的に接続される一対の圧電振動片用外部接続端子の各々に測定プロープを接触させることにより、他のベースの影響を抑えて、圧電振動デバイスの特性を測定することができる。
【0010】
また、前記共通接続配線パターンは、外部に露出しているとしてもよい。
【0011】
この構成によれば、圧電振動片が蓋(リッド)によってベースの内部に気密封止された後であっても、共通接続配線パターンを切断することにより、一方の圧電振動片用外部接続端子を一方の他素子用搭載パッドから電気的に独立させることが可能となる。これにより、共通接続配線パターンの切断時の金属屑の圧電振動片への付着による絶縁不良等の不具合を防止することができる。
【0012】
また、それぞれの前記ベースの前記複数の外部接続端子の各々は、平面視で当該ベースの前記外底面の外周縁に対して当該ベースの内側に離間して形成されているとしてもよい。
【0013】
ところで、外部接続端子を形成する金属膜は、通常、下地金属層となるメタライズ層に、めっき層が積層された構成である。仮に複数の外部接続端子の各々が、平面視でベースの外底面の外周縁に対して内側に離間していない構成の場合は、シート基板をベースに分割して圧電振動デバイスを個片化する際に、外部接続端子のベースの外底面の外周縁近傍部分のめっき層が削られることになる。めっき層が削られると、めっき層で覆われていた下地金属層が外部に露出するため、下地金属層の種類によっては耐環境性の面で好ましくない場合がある。
【0014】
この構成によれば、複数の外部接続端子の各々が、平面視で外底面の外周縁に対して内側に離間して形成されているので、ベースを分割する際の分割手段と外部接続端子との干渉をなくすことができ、上記の問題の発生を防止できる。
【0015】
また、前記シート基板には、それぞれの前記ベース単独の部分で、前記一対の他素子搭載用パッドのうちの他方の他素子搭載用パッドと、前記一対の圧電振動片用外部接続端子のうちの他方の圧電振動片用外部接続端子とを、電気的に接続する共通接続配線パターンが形成されていないとしてもよい。
【0016】
この構成によれば、一方の他素子搭載用パッドだけに共通接続配線パターンが形成されているので、切断工程で切断する対象領域を最小限にすることができる。
【0017】
また、前記共通接続配線パターンの少なくとも一部は、絶縁材料で覆われているとしてもよい。
【0018】
この構成によれば、共通接続配線パターンの少なくとも一部が絶縁材料で覆われていることによって、切断工程における共通接続配線パターンの切断屑の飛散による絶縁不良を防止することができる。
【0019】
また、前記切断手段はエネルギービームであるとしてもよい。
【0020】
この構成によれば、例えばレーザビームなどのエネルギービームを切断手段として用いることにより、微小な領域であっても確実に切断を行うことができる。
【0021】
また、本発明に係る圧電振動デバイスは、上記の圧電振動デバイスの製造方法によって製造されたことを特徴としている。
【0022】
この構成によれば、複数個の圧電振動デバイスが連なった状態で、個々の圧電振動デバイスの特性を測定できるため、優れた特性の圧電振動デバイスを得ることができる。
【0023】
また、本発明に係るシート基板は、圧電振動片および他素子が収容される平面視矩形のベースがマトリックス状に複数個連なって一体成形されたシート基板であって、前記シート基板は、複数の層からなる積層体であり、前記複数の層における積層間に、前記複数のベースのうちの隣接するベース間を跨る配線パターンが形成されており、それぞれの前記ベースの外底面には、当該ベースに収容される前記圧電振動片を当該ベースの外部に電気的に接続するための一対の圧電振動片用外部接続端子と、当該ベースに収容される前記他素子を当該ベースの外部に電気的に接続するための一対の他素子用外部接続端子とを含む複数の外部接続端子が形成されており、それぞれの前記ベースには、当該ベースに収容される前記他素子が搭載され、前記配線パターンから引き出された一対の他素子用搭載パッドが設けられており、前記シート基板には、それぞれの前記ベース単独の部分で、前記一対の他素子搭載用パッドのうちの一方の他素子搭載用パッドと、前記一対の圧電振動片用外部接続端子のうちの一方の圧電振動片用外部接続端子とを、電気的に接続する共通接続配線パターンが形成されていることを特徴としている。
【0024】
この構成によれば、一方の他素子搭載用パッドは、一方の圧電振動片用外部接続端子と共通接続配線パターンによって電気的に接続されているので、共通接続配線パターンを切断することによって、複数個のベースが連なったシート基板で個々の圧電振動デバイスの特性の測定が可能になる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、同一のベースの一方の圧電振動片用外部接続端子と一方の他素子用搭載パッドとを電気的に接続する共通接続配線パターンを、切断手段を用いて切断することにより、一方の圧電振動片用外部接続端子を一方の他素子用搭載パッドから電気的に独立させることができる。これにより、複数個のベースが一体的に連なったシート基板でも、各ベースにおいて圧電振動片と電気的に接続される一対の圧電振動片用外部接続端子の各々に測定プロープを接触させることにより、他のベースの影響を抑えて、圧電振動デバイスの特性を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態に関わるシート基板の上面側の模式的な平面図である。
図2図1のシート基板の下面側の模式的な平面図(透視図)である。
図3図1のシート基板の模式的な断面図である。
図4図1のシート基板を構成する第1のセラミック層の上面側の模式的な平面図である。
図5図1のシート基板を構成する第2のセラミック層の上面側の模式的な平面図である。
図6図1のシート基板を構成する第2のセラミック層の下面側の模式的な平面図(透視図)である。
図7図1のシート基板を構成する第3のセラミック層の上面側の模式的な平面図である。
図8図1のシート基板を構成する第3のセラミック層の下面側の模式的な平面図(透視図)である。
図9】本実施形態に係る圧電振動デバイスの模式的な断面図である。
図10】第1変形例に関わる第2のセラミック層の上面側の模式的な平面図である。
図11】第2変形例に関わる第2のセラミック層の下面側の模式的な平面図(透視図)である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態に係る圧電振動デバイスの製造方法、当該製造方法により製造される圧電振動デバイス、および、当該製造方法に用いられるシート基板について図面を参照しつつ説明する。
【0028】
まず、シート基板1の構成について図1から図8を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るシート基板1の上面側の模式的な平面図である。図2図1のシート基板1の下面側の模式的な平面図(透視図)である。図3図1のシート基板1の模式的な断面図である。図4図1のシート基板1を構成する第1のセラミック層11の上面側の模式的な平面図である。図5図1のシート基板1を構成する第2のセラミック層12の上面側の模式的な平面図であり、図6図1のシート基板1を構成する第2のセラミック層12の下面側の模式的な平面図(透視図)である。図7図1のシート基板1を構成する第3のセラミック層13の上面側の模式的な平面図であり、図8図1のシート基板1を構成する第3のセラミック層13の下面側の模式的な平面図(透視図)である。なお、図1から図2および図4から図8中の[A]、[B]、[C]、[D]の同じ英字は図1から図2および図4から図8の対応位置の理解を容易にするために図示したものであり、図1から図2および図4から図8の各[A]は平面視で対応位置に、図1から図2および図4から図8の各[B]は平面視で対応位置に、図1から図2および図4から図8の各[C]は平面視で同じ対応位置に、図1から図2および図4から図8の各[D]は平面視で対応位置に図示している。なお、図1から図8において、シート基板1にマトリックス状に形成された複数個のベース10は同じ構造をしており、図1から図8において一部で付番を省略している。なお、変形例において用いる図10および図11における[A]~[D]は図1などと同様の位置関係にあり、また、図10及び図11において一部で付番を省略している。
【0029】
シート基板1は、平面視矩形のベース10がマトリックス状に複数個連なって一体成形されたシート基板であり、図3に示すように、アルミナ等のセラミックス材料からなる第1のセラミック層11、第2のセラミック層12および第3のセラミック層13を含む3層からなるセラミック積層体であり、第3のセラミック層13、第2のセラミック層12、第1のセラミック層11の順に積層されている。
【0030】
第2のセラミック層12は、平面視で矩形の平板状をしている。第1のセラミック層11は、平面視で外周が矩形状をし、平面視で矩形状の貫通孔16がマトリックス状に形成されている。なお、図1図4などでは3行3列のマトリックスに貫通孔16が設けられている様子を示しているが、マトリックスは他のものであってもよい。第3のセラミック層13は、平面視で外周が矩形状をし、平面視で矩形状の貫通孔17がマトリックス状に形成されている。なお、図2図7図8などでは3行3列のマトリックスに貫通孔17が設けられている様子を示しているが、マトリックスは他のものであってもよい。平面視で、第1のセラミック層11に形成された貫通孔16の中心と第3のセラミックに形成された貫通孔17に形成された貫通孔17の中心とは略重なっている。また、平面視で、貫通孔16の形成領域は貫通孔17の形成領域よりも大きく、貫通孔17の形成領域は貫通孔16の形成領域に完全に含まれている。
【0031】
第1のセラミック層11の上面には、[A]-[B]と平行な溝11Aが形成され、[B]-[C]と平行な溝11Bが形成されている。また、第3のセラミック層13の下面には、[A]-[B]と平行な溝13Aが形成され、[B]-[C]と平行な溝13Bが形成されている。平面視で、第1のセラミック層11の上面に形成された溝11Aと第3のセラミック層13に形成された溝13Aとは重なり合っており、第1のセラミック層11の上面に形成された溝11Bと第3のセラミック層13に形成された溝13Bとは重なり合っている。シート基板1の平面視で溝11Aおよび溝11Bで仕切られる(溝13Aおよび溝13Bで仕切られる)矩形状の領域部分の各々が1個のベース10に当たる。
【0032】
ベース10には、第2のセラミック層12の上面を底面とし、第1のセラミック層11の貫通孔16の部分により、第1のキャビティ18が形成され、第2のセラミック層12の下面を底面とし、第3のセラミック層13の貫通孔17の部分により、第2のキャビティ19が形成される。本実施形態では、第1のキャビティ18に圧電振動片101が収容され、第2のキャビティ19にサーミスタ102が収容される(図9参照)。
【0033】
第1のセラミック層11の上面には、ベース10毎に、図4に示すように、貫通孔16の周囲の全周に亘って金属層21が形成されている。金属層21は圧電振動デバイス100を構成するベース10の上面(第1のセラミック層11の上面)に圧電振動デバイス100を構成する蓋103を接合する際に利用されるものである。
【0034】
第1のセラミック層11には、ベース10毎に、図4に示すように、第1のセラミック層11を貫通する第1のスルーホール電極22が平面視で金属層21と重なる位置に形成されており、金属層21と第1のスルーホール電極22とは接合されて両者は電気的に接続されている。
【0035】
第2のセラミック層12の上面には、ベース10毎に、図5に示すように、一対の第1の電極パッド25および第2の電極パッド26が、それらの一部が平面視で第1のセラミック層11に形成された貫通孔16から露出するように、平面視矩形のベース10における一短辺側に形成されており、本実施形態では、一対の第1の電極パッド25および第2の電極パッド26に圧電振動片101が搭載される。
【0036】
第2のセラミック層12の上面には、ベース10毎に、図5に示すように、第1~第4のスルーホール接続電極27a~30aが4角の近傍に形成されている。第4のスルーホール接続電極30aと第2の電極パッド26とは繋がっており両者は電気的に接続されている。また、第2のセラミック層12の上面には、ベース10毎に、図5に示すように、第1の配線パターン31が形成されている。第1の配線パターン31と第1の電極パッド25とが繋がっており両者は電気的に接続されており、第1の配線パターン31と第2のスルーホール接続電極28aとが繋がっており両者は電気的に接続されている。
【0037】
第2のセラミック層12には、ベース10毎に、図5に示すように、第2のセラミック層12を貫通する第1のスルーホール電極27bが平面視で第1のスルーホール接続電極27aと重なる位置に形成されており、第1のスルーホール接続電極27aと第1のスルーホール電極27bとが接合されて両者は電気的に接続されている。また、第2のセラミック層12には、ベース10毎に、図5に示すように、第2のセラミック層12を貫通する第2のスルーホール電極28bが平面視で第2のスルーホール接続電極28aと重なる位置に形成されており、第2のスルーホール接続電極28aと第2のスルーホール電極28bとが接合されて両者は電気的に接続されている。また、第2のセラミック層12には、ベース10毎に、図5に示すように、第2のセラミック層12を貫通する第3のスルーホール電極29bが平面視で第3のスルーホール接続電極29aと重なる位置に形成されており、第3のスルーホール接続電極29aと第3のスルーホール電極29bとが接合されて両者は電気的に接続されている。また、第2のセラミック層12には、ベース10毎に、図5に示すように、第2のセラミック層12を貫通する第4のスルーホール電極30bが平面視で第4のスルーホール接続電極30aと重なる位置に形成されており、第4のスルーホール接続電極30aと第4のスルーホール電極30bとは接合されて両者は電気的に接続されている。
【0038】
第2のセラミック層12の上面には、ベース10毎に、図5に示すように、第5のスルーホール接続電極36が、平面視で第1のセラミック層11の第1のスルーホール電極22(図4参照)と重なり、かつ、平面視で第3のスルーホール接続電極29aと重なる位置に形成されている。第1のスルーホール電極22と第5のスルーホール接続電極36とは接合されて両者は電気的に接続されており、第3のスルーホール接続電極29aと第5のスルーホール接続電極36とは接合されて両者は電気的に接続されている。
【0039】
第2のセラミック層12の上面には、ベース10毎に、図5に示すように、2層からなる支持部(枕部)37が、収容する圧電振動片101の自由端に対応する位置に形成されている。支持部(枕部)37は、収容された圧電振動片101の振動時に圧電振動片101が第2のセラミック層12の上面に当たるのを防ぐためのものである。
【0040】
なお、図5では、各電極パッドなどで、平面視で第1のセラミック層11の貫通孔16と重ならない部分にはハッチを入れ、貫通孔16と重なる部分にはハッチを入れずに図示している。また、図5では、第2のセラミック層12の上面には、[A]-[B]と平行な溝、および、[B]-[C]と平行な溝が形成されていないが、個々のベース10の把握を容易にするために平面視で第1のセラミック層11の上面に形成された溝11Aおよび溝11Bと重なり合う位置に、点線を描いている。
【0041】
第2のセラミック層12の下面には、ベース10毎に、図6に示すように、平面視で矩形状をした一対の第1の電極パッド41および第2の電極パッド42が、平面視で第3のセラミック層13に形成された貫通孔17から露出するように、中央付近に形成されており、本実施形態では、一対の第1の電極パッド41および第2の電極パッド42にサーミスタ102が搭載される。
【0042】
第2のセラミック層12の下面には、ベース10毎に、図6に示すように、第1の電極パッド41から延びる第1の配線パターン43が形成されており、第1の配線パターン43は2つに枝分かれし、一方の枝および他方の枝それぞれが平面視矩形のベース10における[A]-[B]側の長辺にまで延びる。
【0043】
第2のセラミック層12の下面側には、ベース10毎に、図6に示すように、第2の電極パッド42から延びる第2の配線パターン44が形成されており、第2の配線パターン44は2つに枝分かれし、一方の枝は平面視矩形のベース10における[C]-[D]側の長辺にまで延び、他方の枝は平面視矩形のベース10における[B]-[C]側の短辺にまで延びる。
【0044】
第2のセラミック層12の下面側には、ベース10毎に、図6に示すように、第3の配線パターン45が形成されており、第3の配線パターン45は平面視矩形のベース10における[C]-[D]側の長辺から[D]-[A]側の短辺にまで折れ曲がって延びている。
【0045】
ベース10の第1の配線パターン43の一方の枝は、当該ベース10の[A]-[B]側に隣接するベース10(図6中の当該ベース10に対して上側のベース10:ここでは、「第1の隣接ベース10」と記載する。)の第2の配線パターン44の一方の枝と繋がっている。また、ベース10の第1の配線パターン43の他方の枝は、第1の隣接ベース10の第3の配線パターン45の一方の端と繋がっている。
【0046】
ベース10の第2の配線パターン44の一方の枝は、当該ベース10の[C]-[D]側に隣接するベース10(図6中の当該ベース10に対して下側のベース10:ここでは、「第3の隣接ベース10」と記載する。)の第1の配線パターン43の一方の枝と繋がっている。また、ベース10の第2の配線パターン44の他方の枝は、当該ベース10の[B]-[C]側に隣接するベース10(図6中の当該ベース10に対して右側のベース10:ここでは、「第2の隣接ベース10」と記載する。)の第3の配線パターン45の他方の端と繋がっている。
【0047】
ベース10の第3の配線パターン45の一方の端は、第3の隣接ベース10の第1の配線パターン43の他方の枝と繋がっている。また、ベース10の第3の配線パターン45の他方の端は、当該ベース10の[D]-[A]側に隣接するベース10(図6中の当該ベース10に対して左側のベース10:ここでは、「第4の隣接ベース10」と記載する。)の第2の配線パターン44の他方の枝と繋がっている。
【0048】
ベース10の第1の配線パターン43と第1の隣接ベース10の第2の配線パターン44および第3の配線パターン45とが、ベース10と第1の隣接ベース10との境界を跨る配線パターンを形成する。ベース10の第2の配線パターン44と第2の隣接ベース10の第3の配線パターン45とが、ベース10と第2の隣接ベース10との境界を跨る配線パターンを形成する。ベース10の第2の配線パターン44および第3の配線パターン45と第3の隣接ベース10の第1の配線パターン43とが、ベース10と第3の隣接ベース10との境界を跨る配線パターンを形成する。ベース10の第3の配線パターン45と第4の隣接ベース10の第2の配線パターン44とが、ベース10と第4の隣接ベース10との境界を跨る配線パターンを形成する。
【0049】
第2のセラミック層12の下面には、ベース10毎に、図6に示すように、第1の電極パッド41から延びる第4の配線パターン40が後述する第2のスルーホール接続電極47と重なる位置にまで延びる。第4の配線パターン40は、平面視で第1のセラミック層11の貫通孔16と重なる部分(第1のセラミック層11と重ならない部分)と、平面視で第1のセラミック層11の貫通孔16と重ならない部分(第1のセラミック層11と重なる部分)とを含む。第4の配線パターン40の[B]から[C]に向かう方向の長さD1と第1の電極パッド41の[B]から[C]に向かう方向の長さD2とを比較した場合、D1<D2となっている。第4の配線パターン40と第2のスルーホール接続電極47とが接合されて電気的に接続される。
【0050】
第4の配線パターン40がD1<D2となっていることにより、当該配線パターン40側に半田が引き寄せられにくくなるため、半田のフィレット(這い上がり)の形成を阻害しない。特に、第4の配線パターン40が、第1の電極パッド41および第2の電極パッド42の対向辺側に形成される場合は、溶融した半田をサーミスタ102側に留め易くなるため、サーミスタ102の安定した搭載が可能となる。このことは、第4の配線パターン40が、絶縁材料で覆われているか否かに関わらず効果的である。
【0051】
第4の配線パターン40の少なくとも一部(例えば、エネルギービームで切断される部分(カットラインCL)を少なくとも含む部分)は、アルミナなどの絶縁材料で覆われている。
【0052】
第2のセラミック層12の下面には、ベース10毎に、図6に示すように、第1のスルーホール接続電極46が、平面視で第1の配線パターン43と重なり、かつ、平面視で第1のスルーホール電極27bと重なる位置に形成されている。第1のスルーホール接続電極46と第1の配線パターン43とが接合されて両者は電気的に接続されており、第1のスルーホール接続電極46と第1のスルーホール電極27bとが接合されて両者は電気的に接続されている。第2のセラミック層12の下面には、ベース10毎に、図6に示すように、第1のスルーホール接続電極47が平面視で第2のスルーホール電極28bと重なる位置に形成されている。第2のスルーホール接続電極47と第2のスルーホール電極28bとが接合されて両者は電気的に接続されている。第2のセラミック層12の下面には、ベース10毎に、図6に示すように、第3のスルーホール接続電極48が、平面視で第2の配線パターン44と重なり、かつ、平面視で第3のスルーホール電極29bと重なる位置に形成されている。第3のスルーホール接続電極48と第2の配線パターン44とが接合されて両者は電気的に接続されており、第3のスルーホール接続電極48と第3のスルーホール電極29bとが接合されて両者は電気的に接続されている。第2のセラミック層12の下面には、ベース10毎に、図6に示すように、第4のスルーホール接続電極49が、平面視で第3の配線パターン45と重なり、かつ、平面視で第4のスルーホール電極30bと重なる位置に形成されている。第4のスルーホール接続電極49と第3の配線パターン45とが接合されて両者は電気的に接続されており、第4のスルーホール接続電49と第4のスルーホール電極30bとが接合されて両者は電気的に接続されている。
【0053】
なお、図6では、各電極パッドや各配線パターンなどで、平面視で第3のセラミック層13の貫通孔17と重ならない部分にはハッチを入れ、貫通孔17と重なる部分にはハッチを入れずに図示している。また、図6では、第2のセラミック層12の下面には、[A]-[B]と平行な溝、および、[B]-[C]と平行な溝が形成されていないが、個々のベース10の把握を容易にするために平面視で第1のセラミック層11の上面に形成された溝11Aおよび溝11Bと重なり合う位置に、点線を描いている。
【0054】
第3のセラミック層13の上面には、ベース10毎に、図7に示すように、第1のスルーホール接続電極51aが、平面視で第2のセラミック層12の下面に形成された第1のスルーホール接続電極46と重なる位置に形成されている。第1のスルーホール接続電極51aと第1のスルーホール接続電極46とが接合されて両者は電気的に接続されている。第3のセラミック層13の上面には、ベース10毎に、図7に示すように、第2のスルーホール接続電極52aが、平面視で第2のセラミック層12の下面に形成された第2のスルーホール接続電極47と重なる位置に形成されている。第2のスルーホール接続電極52aと第2のスルーホール接続電極47とが接合されて両者は電気的に接続されている。第3のセラミック層13の上面には、ベース10毎に、図7に示すように、第3のスルーホール接続電極53aが、平面視で第2のセラミック層12の下面に形成された第3のスルーホール接続電極48と重なる位置に形成されている。第3のスルーホール接続電極53aと第3のスルーホール接続電極48とが接合されて両者は電気的に接続されている。第3のセラミック層13の上面には、ベース10毎に、図7に示すように、第4のスルーホール接続電極54aが、平面視で第2のセラミック層12の下面に形成された第4のスルーホール接続電極49と重なる位置に形成されている。第4のスルーホール接続電極54aと第4のスルーホール接続電極49とが接合されて両者は電気的に接続されている。
【0055】
第3のセラミック層13には、ベース10毎に、図7に示すように、第3のセラミック層13を貫通する第1のスルーホール電極51bが平面視で第1のスルーホール接続電極51aと重なる位置に形成されており、第1のスルーホール接続電極51aと第1のスルーホール電極51bとが接合されて両者は電気的に接続されている。第3のセラミック層13には、ベース10毎に、図7に示すように、第3のセラミック層13を貫通する第2のスルーホール電極52bが平面視で第2のスルーホール接続電極52aと重なる位置に形成されており、第2のスルーホール接続電極52aと第2のスルーホール電極52bとが接合されて両者は電気的に接続されている。第3のセラミック層13には、ベース10毎に、図7に示すように、第3のセラミック層13を貫通する第3のスルーホール電極53bが平面視で第3のスルーホール接続電極53aと重なる位置に形成されており、第3のスルーホール接続電極53aと第3のスルーホール電極53bとが接合されて両者は電気的に接続されている。第3のセラミック層13には、ベース10毎に、図7に示すように、第3のセラミック層13を貫通する第4のスルーホール電極54bが平面視で第4のスルーホール接続電極54aと重なる位置に形成されており、第4のスルーホール接続電極54aと第4のスルーホール電極54bとが接合されて両者は電気的に接続されている。
【0056】
なお、図7では、第3のセラミック層13の下面には、[A]-[B]と平行な溝、および、[B]-[C]と平行な溝が形成されていないが、個々のベース10の把握を容易にするために平面視で第1のセラミック層11の上面に形成された溝11Aおよび溝11Bと重なり合う位置に、点線を描いている。
【0057】
第3のセラミック層13の下面には、ベース10毎に、図8に示すように、一対の第1の外部接続端子61および第2の外部接続端子62が平面視で当該ベース10の外周縁から離間して形成されており、一対の第1の外部接続端子61および第2の外部接続端子62の配置位置は対角関係にある。第1の外部接続端子61は、平面視矩形のベース10における[A]-[B]側の長辺および[B]-[C]側の短辺から間隔を空けて形成されている。第2の外部接続端子62は、平面視矩形のベース10における[C]-[D]側の長辺および[D]-[A]側の短辺から間隔を空けて形成されている。第1の外部接続端子61と第3のセラミック層13に形成された第2のスルーホール電極52bとが接合されて電気的に接続されている。第2の外部接続端子62と第3のセラミック層13に形成された第4のスルーホール電極54bとが接合されて電気的に接続されている。
【0058】
本実施形態では、一対の第1の外部接続端子61および第2の外部接続端子62は、第2のセラミック層12の上面に形成された一対の第1の電極パッド25および第2の電極パッド26に搭載される本実施形態では圧電振動片101を外部に電気的に接続するためのものである。第1の外部接続端子61は、第3のセラミック層13に形成された第2のスルーホール電極52b、第3のセラミック層13の上面に形成された第2のスルーホール接続電極52a、第2のセラミック層12の下面に形成された第2のスルーホール接続電極47、第2のセラミック層12に形成された第2のスルーホール電極28b、第2のセラミック層12の上面に形成されたに第2のスルーホール接続電極28a、第2のセラミック層12の上面に形成された第1の配線パターン31を介して、第1の電極パッド25に接続されている。第2の外部接続端子62は、第3のセラミック層13に形成された第4のスルーホール電極54b、第3のセラミック層13の上面に形成された第4のスルーホール接続電極54a、第2のセラミック層12の下面に形成された第4のスルーホール接続電極49、第2のセラミック層12に形成された第4のスルーホール電極30b、第2のセラミック層12の上面に形成されたに第4のスルーホール接続電極30aを介して、第2の電極パッド26に接続されている。
【0059】
第3のセラミック層13の下面には、ベース10毎に、図8に示すように、一対の第3の外部接続端子63および第4の外部接続端子64が平面視で当該ベース10の外周縁から離間して形成されており、一対の第3の外部接続端子63および第4の外部接続端子64の配置位置は対角関係にある。第3の外部接続端子63は、平面視矩形のベース10における[D]-[A]側の短辺および[A]-[B]側の長辺から間隔を空けて形成されている。第4の外部接続端子64は、平面視矩形のベース10における[B]-[C]側の短辺および[C]-[D]側の長辺から間隔を空けて形成されている。第3の外部接続端子63と第3のセラミック層13に形成された第1のスルーホール電極51bとが接合されて電気的に接続されている。第4の外部接続端子64と第3のセラミック層13に形成された第3のスルーホール電極53bとが接合されて電気的に接続されている。
【0060】
本実施形態では、一対の第3の外部接続端子63および第4の外部接続端子64は、第2のセラミック層12の下面に形成された一対の第1の電極パッド41および第2の電極パッド42に搭載される本実施形態ではサーミスタ102を外部に電気的に接続するためのものである。第3の外部接続端子63は、第3のセラミック層13に形成された第1のスルーホール電極51b、第3のセラミック層13の上面に形成された第1のスルーホール接続電極51a、第2のセラミック層12の下面に形成された第1のスルーホール接続電極46、第2のセラミック層12の下面に形成された第1の配線パターン43を介して、第1の電極パッド41に接続されている。第4の外部接続端子64は、第3のセラミック層13に形成された第3のスルーホール電極53b、第3のセラミック層13の上面に形成された第3のスルーホール接続電極53a、第2のセラミック層12の下面に形成された第3のスルーホール接続電極48、第2のセラミック層12の下面に形成された第2の配線パターン44を介して、第2の電極パッド42に接続されている。
【0061】
ベース10の第1の外部接続端子61は、シート基板1の内部などに形成される配線(第3のセラミック層13に形成されるスルーホール電極(51b、52b)、第3のセラミック層13の上面に形成されるスルーホール接続電極(51a、52a)、第2のセラミック層12の下面に形成されるスルーホール接続電極(46、47)、第2のセラミック層12の下面に形成される第4の配線パターン40、第2のセラミック層12の下面に形成される電極パッド(41)、第2のセラミック層12の下面に形成される配線パターン(43)など)により、当該ベース10の第3の外部接続端子63などと繋がって電気的に接続されている。
【0062】
ベース10の第2の外部接続端子62は、シート基板1の内部などに形成される配線(第3のセラミック層13に形成されるスルーホール電極(51b、53b、54b)、第3のセラミック層13の上面に形成されるスルーホール接続電極(51a、53a、54a)、第2のセラミック層12の下面に形成されるスルーホール接続電極(46、48、49)、第2のセラミック層12の下面に形成される配線パターン(43、44、45)など)により、当該ベース10の第4の外部接続端子64、当該ベース10の[D]-[A]側に隣接するベース10(図8中の当該ベース10に対して左側のベース10)の第4の外部接続端子64、当該ベース10の[C]-[D]側に隣接するベース10(図8中の当該ベース10に対して下側のベース10)の第3の外部接続端子63などと繋がって電気的に接続されている。
【0063】
ベース10の第3の外部接続端子63は、シート基板1の内部などに形成される配線(第3のセラミック層13に形成されるスルーホール電極(51b、52b、54b)、第3のセラミック層13の上面に形成されるスルーホール接続電極(51a、52a、54a)、第2のセラミック層12の下面に形成されるスルーホール接続電極(46、47、49)、第2のセラミック層12の下面に形成される配線パターン(43、45)、第2のセラミック層12の下面に形成される第4の配線パターン40、第2のセラミック層12の下面に形成される電極パッド(41)など)により、当該ベース10の第1の外部接続端子61、当該ベース10の[A]-[B]側に隣接するベース10(図8中の当該ベース10に対して上側のベース10)の第2の外部接続端子62などと繋がって電気的に接続されている。
【0064】
ベース10の第4の外部接続端子64は、シート基板1の内部などに形成される配線(第3のセラミック層13に形成されるスルーホール電極(51b、53b、54b)、第3のセラミック層13の上面に形成されるスルーホール接続電極(51a、53a、54a)、第2のセラミック層12の下面に形成されるスルーホール接続電極(46、48、49)、第2のセラミック層12の下面に形成される配線パターン(43、44、45)など)により、当該ベース10の第2の外部接続端子62、当該ベース10の[B]-[C]側に隣接するベース10(図8中の当該ベース10に対して右側のベース10)の第2の外部接続端子62、当該ベース10の[C]-[D]側に隣接するベース10(図8中の当該ベース10に対して下側のベース10)の第3の外部接続端子63などと繋がって電気的に接続されている。
【0065】
ここで、同一のベース10における第1の外部接続端子61(本実施形態では圧電振動片用)と第1の電極パッド41(本実施形態ではサーミスタ用)とに焦点を当てて第1の外部接続端子61と第1の電極パッド41の電気的な接続を記載する。第3のセラミック層13の下面(シート基板1の外底面)に形成された第1の外部接続端子61は、第3のセラミック層13に形成された第2のスルーホール電極52b、第3のセラミック層13の上面に形成された第2のスルーホール接続電極52a、第2のセラミック層12の下面に形成された第2のスルーホール接続電極47、第2のセラミック層12の下面に形成された第4の配線パターン40(共通接続配線パターンに該当)を介して、第2のセラミック層12の下面に形成された第1の電極パッド41と電気的に接続されている。つまり、同一のベース10における第1の外部接続端子61と第1の電極パッド41とは、ベース10単独の部分で、電気的に接続されている。
【0066】
また、同一のベース10における第1の外部接続端子61(本実施形態では圧電振動片用)と第3の外部接続端子63(本実施形態ではサーミスタ用)とに焦点を当てて第1の外部接続端子61と第3の外部接続端子63の電気的な接続を記載する。第3のセラミック層13の下面(シート基板1の外底面)に形成された第1の外部接続端子61は、第3のセラミック層13に形成された第2のスルーホール電極52b、第3のセラミック層13の上面に形成された第2のスルーホール接続電極52a、第2のセラミック層12の下面に形成された第2のスルーホール接続電極47、第2のセラミック層12の下面に形成された第4の配線パターン40(共通接続配線パターンに該当)、第2のセラミック層12の下面に形成された第1の電極パッド41、第2のセラミック層12の下面に形成された第1の配線パターン43、第2のセラミック層12の下面に形成された第1のスルーホール接続電極46、第3のセラミック層13の上面に形成された第1のスルーホール接続電極51a、第3のセラミック層13に形成された第1のスルーホール電極51bを介して、第3のセラミック層13の下面(シート基板1の外底面)に形成された第3の外部接続端子63と電気的に接続されている。つまり、同一のベース10における第1の外部接続端子61と第3の外部接続端子63とは、ベース10単独の部分で、電気的に接続されている。
【0067】
なお、ベース10単独の部分で、当該ベース10における第2の外部接続端子62(本実施形態では圧電振動片用)と第2の電極パッド42(本実施形態ではサーミスタ用)とを、電気的に接続する配線パターン(例えば、第2のセラミック層12の下面に第2の電極パッド42と第3の配線パターン45とを電気的に接続する配線パターン(共通接続配線パターン)など)が形成されていない。つまり、ベース10単独の部分では、当該ベース10における第2の外部接続端子62と第2の電極パッド42とは電気的に接続されていない。
【0068】
上記した外部接続端子(61~64)、スルーホール電極(51b~54b)、スルーホール接続電極(51a~54a)、電極パッド(41~42)、配線パターン(40、43~45)、スルーホール接続電極(46~49)、電極パッド(25~26)、スルーホール接続電極(27a~30a)、配線パターン(31)、スルーホール電極(27b~30b)、スルーホール接続電極(36)、スルーホール電極(22)、金属層(21)は、それぞれ、形成面から順に、モリブデン(Mo)メタライズ層、ニッケル(Ni)めっき層、金(Au)めっき層を積層することによって形成されている。なお、メタライズ層として、モリブデンの代わりに例えばタングステン(W)を用いてもよい。
【0069】
続いて、図1から図8を参照して説明したシート基板1を用いて、本実施形態にかかる圧電振動デバイスの製造方法で製造される圧電振動デバイス100の構成について図9を参照して説明する。図9は、本実施形態に係る圧電振動デバイス100の模式的な断面図である。
【0070】
圧電振動デバイス100は、ベース10と、ベース10の第1のキャビティ18に収容される圧電振動片101と、ベース10の第2のキャビティ19に収容されるサーミスタ102と、ベース10の第1のキャビティ18に収容された圧電振動片101を気密封止するための蓋103とを備える。ベース10は、断面視でH型構造をしている。
【0071】
第1のキャビティ18に収容される圧電振動片101は、その一対の電極がベース10の一対の電極パッド(第1の電極パッド25、第2の電極パッド26)に、金属バンプや導電性接着剤などの導電性接合部104を用いて、機械的および電気的に接続されている。
【0072】
第2のキャビティ19に収容されるサーミスタ102は、その一対の電極がベース10の一対の電極パッド(第1の電極パッド41、第2の電極パッド42)に、半田105を用いて、機械的および電気的に接続されている。
【0073】
続いて、図1から図8を参照して説明したシート基板1を用いて圧電振動デバイス100を製造する、本実施の形態に係る圧電振動デバイスの製造方法について説明する。
【0074】
本実施形態に係る圧電振動デバイスの製造方法を実施するのに先立って、シート基板1を用意する。なお、シート基板1の製造方法の概略は以下の通りである。第1のセラミック層11、第2のセラミック層12、第3のセラミック層13のそれぞれにモリブデンメタライズ層を形成した後、第1のセラミック層11、第2のセラミック層12、第3のセラミック層13を積層する(図3参照)。続いて、第1のセラミック層11の上面に金属スナップやレーザスナップなどにより溝11Aおよび11Bを形成し(図1参照)、第3のセラミック層13の下面に金属スナップやレーザスナップなどにより溝13Aおよび溝13Bを形成する(図2参照)。さらに続いて、第1から第3のセラミック層11~13の焼成および電解めっき法などによりモリブデンメタライズ層にニッケルめっき層の積層を行い、さらに続いて電解めっき法などによりニッケルめっき層に金めっき層を積層する。このようにして、シート基板1が製造される。ただし、シート基板1の製造方法は特に限定されるものではなく、図1から図8を参照して説明したシート基板1の構造を実現できるシート基板の製造方法であればよい。
【0075】
本実施形態に係る圧電振動デバイスの製造方法では、用意したシート基板1を構成する第2のセラミック層12の下面に対して、図2で第2のセラミック層12の下面に点線で描いたカットラインCL(第2のセラミック層12の下面に形成された第4の配線パターン40の[A]-[B]側から[C]-[D]側にかけての全体を含む)に沿ってエネルギービーム(レーザビームや電子ビームなど)を照射する。これにより、ベース10毎に、第2のセラミック層12の下面の図2で点線で描いたカットラインCLに沿って第4のパターン40を物理的に切断することによって、第1の電極パッド41と第2のスルーホール接続電極47とが電気的に切断され、結果として、第2のスルーホール接続電極47に電気的に接続されていた第1の外部接続端子61(本実施形態では圧電振動片用)と、第1の電極パッド41や第1の電極パッド41に電気的に接続されている第3の外部接続端子63との電気的な接続を切断して、第1の外部接続端子61を第1の電極パッド41や第3の外部接続端子63から電気的に独立させる(切断工程)。
【0076】
続いて、ベース10毎に、ベース10の第1のキャビティ18に圧電振動片101を収容する。このとき、圧電振動片101を第1のキャビティ18に収容した状態のベース10において周波数などの特性を測定する。続いて、ベース10毎に、シート基板1を構成する第1のセラミック層11の上面の開口を蓋103により塞ぎ、ベース10の第2のキャビティ19にサーミスタ102を収容する。続いて、第1のセラミック層11の上面に形成された溝11A、11Bおよび第3のセラミック層13の下面に形成された溝13A、13Bにより形成された溝を利用して、ベース10、圧電振動片101、サーミスタ102、蓋103を備える圧電振動デバイス100を個片化する。
【0077】
上記した実施形態によれば、切断工程において、ベース10の第1の外部接続端子61と第1の電極パッド41や第3の外部接続端子63とを電気的に接続するためにベース10の第2のセラミック層12の下面に形成された第4の配線パターン40をエネルギービームで切断して、第1の外部接続端子61と第1の電極パッド41や第3の外部接続端子63との電気的な接続を切断することにより、第1の外部接続端子61を第1の電極パッド41や第3の外部接続端子63などから電気的に独立させることができる。これにより、複数個(本実施形態では9個)のベース10が一体的に連なったシート基板1でも、各ベース10において圧電振動片101と電気的に接続される第1の外部接続端子61および第2の外部接続端子62の各々に測定プロープを接触させることにより、他のベース10の影響を抑えて、圧電振動デバイス100の特性を測定することができる。
【0078】
また、ベース10単独の部分で、当該ベース10における第2の外部接続端子62と第2の電極パッド42とを、電気的に接続する配線パターン(例えば、第2のセラミック層12の下面に第2の電極パッド42と第3の配線パターン45とを電気的に接続する配線パターン(共通接続配線パターン)など)が形成されていないので、切断工程でエネルギービームを照射する領域を、図2および図6で点線で描いたカットラインCLに抑えることができる。
【0079】
また、第1から第4の外部接続端子61~64は、通常、下地金属層となるメタライズ層に、めっき層が積層された構成である。仮に第1から第4の外部接続端子61~64の各々が、平面視でベース10の外底面の外周縁に対して内側に離間していない構成の場合は、シート基板1をベース10に分割して圧電振動デバイス100を個片化する際に、第1から第4の外部接続端子61~64のベース10の外底面の外周縁近傍部分のめっき層が削られることになる。めっき層が削られると、めっき層で覆われていた下地金属層が外部に露出するため、下地金属層の種類によっては耐環境性の面で好ましくない場合がある。例えば下地金属層がモリブデンメタライズ層であれば、熱水で腐食しやすいなどである。第1の外部接続端子61~64の各々が平面視でベース10の外底面の外周縁に対して内側に離間して形成されているので、ベースを分割する際の分割手段と第1から第4の外部接続端子61~64との干渉をなくすことができ、前記の問題の発生を防止できる。
【0080】
また、図2および図6で点線で描いたカットラインCLに沿ってエネルギービームを照射することによって、第4の配線パターン40を確実に分断して第1の外部接続端子61と第1の電極パッド41や第3の外部接続端子63との電気的な接続を切断することができる。
【0081】
また、エネルギービームを切断手段として用いることにより、微小な領域であっても確実に切断を行うことができる。
【0082】
また、第4の配線パターン40の少なくとも一部をアルミナなどの絶縁材料で覆われているので、切断工程における第4の配線パターン40の切断屑の飛散による絶縁不良を防止することができる。
【0083】
また、複数個の圧電振動デバイス100が連なった状態で、個々の圧電振動デバイス100の特性を測定できるため、優れた特性の圧電振動デバイス100を得ることができる。
【0084】
なお、圧電振動デバイスの製造方法、当該製造方法により製造される圧電振動デバイス、および、当該製造方法に用いられるシート基板は、上記に説明した圧電振動デバイスの製造方法、当該製造方法により製造される圧電振動デバイス100、および、当該製造方法に用いられるシート基板1に限定されるものではなく、種々の変更を加えたものとすることができる。
【0085】
例えば、上記実施形態では、ベース10単独で、第1の外部接続端子61と第1の電極パッド41や第3の外部接続端子63とを電気的に接続するために第4の配線パターン40を第2のセラミック層12の下面に形成しているが、第2の外部接続端子62と第2の電極パッド42や第4の外部接続端子64とを電気的に接続するための配線パターン(例えば、第2の電極パッド42と第3の配線パターン45とを接続する配線パターン)が第2のセラミック層12の下面に形成されていないが、これに限定されるものではなく、例えば、ベース10単独で、第1の外部接続端子61と第1の電極パッド41や第3の外部接続端子63とを電気的に接続するために第4の配線パターン40(第1の共通配線パターン)を第2のセラミック層12の下面に形成するとともに、第2の外部接続端子62と第2の電極パッド42や第4の外部接続端子64とを電気的に接続するための配線パターン(例えば、第2の電極パッド42と第3の配線パターン45とを接続する配線パターン:第2の共通接続配線パターン)を第2のセラミック層12の下面に形成するようにしてもよい。この場合、切断工程において、第1の共通接続配線パターン(第4の配線パターン40)を物理的に切断するとともに、第2の共通接続配線パターンも物理的に切断するようにしてもよい。このようにすれば、複数個のベース10が一体的に連なったシート基板1でも、各ベース10において圧電振動片と電気的に接続される一対の外部接続端子(第1の外部接続端子61、第2の外部接続端子62)の各々に測定プロープを接触させることにより、他のベースの影響を抑えて、圧電振動デバイスの特性を測定することができる。
【0086】
また、上記実施形態では、第4の配線パターン40は蓋103が所定位置に配置された状態では外部に露出しないようになっているが、これに限定されるものではなく、例えば、ベース10単独で、当該ベース10の第1の外部接続端子61と第1の電極パッド41とを電気的に接続するための共通接続配線パターンは、蓋103が所定位置に配置された状態で外部に露出するようなものであってもよい。この場合、圧電振動片101が蓋103によってベース10の内部に気密封止された後であっても共通接続配線パターンを切断することにより、第1の外部接続端子61を第1の電極パッド41から電気的に独立させることが可能となる。これにより、共通接続配線パターンの切断時の金属屑の圧電振動片100への付着による絶縁不良等の不具合を防止することができる。
【0087】
上記実施形態では、第4の配線パターン40の切断にエネルギービームを用いるとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、刃物などを用いるようにしてもよい。
【0088】
上記実施形態では、第2のセラミック層12の上面には、第1の電極パッド25と第2の電極パッド26とを電気的に接続する配線パターンが形成されていないが、これに限定されるものではなく、例えば、図10に示すように、第2のセラミック層12の上面に第1の電極パッド25と第2の電極パッド26とを電気的に接続する共通接続配線パターン201を形成するようにしてもよい。この場合、圧電振動デバイスの製造方法での切断工程で図10に点線で示すカットラインCL1に沿って共通接続配線パターン201を切断することになる。なお、共通接続配線パターン201を形成する場合、上記実施形態の第2のセラミック層12の下面に形成される第4の配線パターン40(共通接続配線パターン)が形成されるようにしてもよいし、形成されないようにしてもよい。
【0089】
上記実施形態では、第2のセラミック層12の下面には、第1の電極パッド41と第2の電極パッド42とを電気的に接続する配線パターンが形成されていないが、これに限定されるものではなく、例えば、図11に示すように、第2のセラミック層12の下面に第1の電極パッド41と第2の電極パッド42とを電気的に接続する共通接続配線パターン202を形成するようにしてもよい。この場合、圧電振動デバイスの製造方法での切断工程で図11に点線で示すカットラインCL2に沿って共通接続配線パターン202を切断することになる。なお、共通接続配線パターン202を形成する場合、上記実施形態の第2のセラミック層12の下面に形成される第4の配線パターン40(共通接続配線パターン)が形成されるようにしてもよいし、形成されないようにしてもよい。
【0090】
上記実施形態では、圧電振動片およびサーミスタを収容するサーミスタ内蔵型の圧電振動デバイス100を対象としているが、上記実施形態の内容は、圧電振動片のみを収容する圧電振動デバイスに対して適用可能である。
【0091】
上記実施形態では、圧電振動片101とともに搭載する素子はサーミスタ102としているが、これに限定されるものではなく、例えば、ダイオードなどの他の温度センサであってもよく、圧電振動片101とともに発振回路を構成する集積回路素子(IC素子)などであってもよい。
【0092】
上記実施形態では、ベース10の構造(パッケージの構造)を、断面視でH型構造としているが、これに限定されるものではなく、例えば、上方のみに開口したキャビティを有する、断面視で箱型構造としてもよい。また、ベース10を平板状とし、基板の一方の主面側に、圧電振動子と他の電子部品(例えば、圧電振動子とともに発振回路を構成するIC等)を搭載し、前記基板の一方の主面側に搭載された圧電振動子と他の電子部品とを樹脂で覆うようにモールドした構成の圧電振動デバイスであってもよい。
【0093】
上記実施形態でベース10に収容する圧電振動片101として、例えば、平板状の圧電振動板であってもよいし、メサ構造(中央部が外周部よりも厚肉の構造)の圧電振動板であってもよいし、逆メサ構造(中央部が外周部よりも薄肉の構造)の圧電振動板であってもよい。また、振動部(励振電極が形成される領域)と、振動部と間を空けて取り囲むように振動部よりも厚肉の外枠部と、振動部と外枠部とを連結する連結部とを一体的に成形された構造の圧電振動板(枠付き圧電振動板)であってもよい。この振動部の形状は、例えば、矩形(ATカット、SCカットなど)でもよいし、音叉形状(BTカット)でもよい。
【0094】
上記実施形態では、ベース10に圧電振動片101を収容するとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、ベース10に振動部が気密封止された圧電振動子を収容するとしてもよい。この圧電振動子は、例えば、水晶を3枚積層した構造(振動部の周囲を枠体で取り囲むように一体成形された水晶振動板の表裏に平板状の封止部材を接合した構造)を有する。
【0095】
また、上記実施形態の内容および変形例の内容を適宜組み合わせてもよい
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、圧電振動デバイスを製造する圧電振動デバイスの製造方法、当該製造方法により製造される圧電振動デバイス、および、当該製造方法に用いられるシート基板に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0097】
1: シート基板
10:ベース
11:第1のセラミック層
12:第2のセラミック層
13:第3のセラミック層
25:第1の電極パッド
26:第2の電極パッド
31:第1の配線パターン
40:第4の配線パターン
41:第1の電極パッド
42:第2の電極パッド
43:第1の配線パターン
44:第2の配線パターン
45:第3の配線パターン
61:第1の外部接続端子
62:第2の外部接続端子
63:第3の外部接続端子
64:第4の外部接続端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11