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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108493
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】予約情報案内システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240805BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012892
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小森 瑞巴
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC13
5L050CC13
(57)【要約】
【課題】駐車場の回転率が良くなる可能性を高めることが可能な技術の提供。
【解決手段】イベント会場におけるイベントの開始時刻と終了時刻との少なくとも一方を取得するイベント情報取得部と、前記イベントに参加する利用者から、前記イベント会場の周辺の駐車場の予約を受け付ける駐車場受付部と、前記イベントの開始時刻から定まる前記駐車場の利用可能期間の開始時刻と、前記イベントの終了時刻から定まる前記駐車場の利用可能期間の終了時刻と、の少なくとも一方を取得し、前記利用者に案内する時刻案内部と、を備える予約情報案内システムを構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベント会場におけるイベントの開始時刻と終了時刻との少なくとも一方を取得するイベント情報取得部と、
前記イベントに参加する利用者から、前記イベント会場の周辺の駐車場の予約を受け付ける駐車場受付部と、
前記イベントの開始時刻から定まる前記駐車場の利用可能期間の開始時刻と、前記イベントの終了時刻から定まる前記駐車場の利用可能期間の終了時刻と、の少なくとも一方を取得し、前記利用者に案内する時刻案内部と、
を備える予約情報案内システム。
【請求項2】
前記利用可能期間の開始時刻は、
前記イベントの開始時刻から所定時間を減じた時刻であり、
前記利用可能期間の終了時刻は、
前記イベントの終了時刻に前記所定時間を加えた時刻である、
請求項1に記載の予約情報案内システム。
【請求項3】
前記所定時間は、
前記イベント会場と前記駐車場との間を前記利用者が移動する場合の所要時間に基づいて特定される、
請求項2に記載の予約情報案内システム。
【請求項4】
前記所定時間は、
前記イベント会場と前記駐車場との間を前記利用者が移動する場合の所要時間に、前記駐車場に併設された施設での滞在時間を加えた値に基づいて特定される、
請求項2に記載の予約情報案内システム。
【請求項5】
前記時刻案内部は、
前記利用可能期間の開始時刻が前記駐車場に併設された施設の営業時間外である場合には案内せず、
前記利用可能期間の終了時刻が前記駐車場に併設された施設の営業時間外である場合には案内しない、
請求項1または請求項2に記載の予約情報案内システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予約情報案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者がイベントに参加する際に、イベント会場の周辺まで車両で移動し、車両を駐車場に駐車させた後に、イベントに参加する場合がある。従来、イベントに参加する利用者が利用する駐車場を予約する技術が知られている。例えば、特許文献1には、イベント予約と駐車場予約とを一括で実行する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-77655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イベントの参加者が利用可能な駐車場が、イベントの開始前や終了後の長期にわたって使用されていると、駐車場の回転率が悪くなってしまう。
【0005】
本発明は、前記課題に鑑みなされたもので、駐車場の回転率が良くなる可能性を高めることが可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の予約情報案内システムは、イベント会場におけるイベントの開始時刻と終了時刻との少なくとも一方を取得するイベント情報取得部と、前記イベントに参加する利用者から、前記イベント会場の周辺の駐車場の予約を受け付ける駐車場受付部と、前記イベントの開始時刻から定まる前記駐車場の利用可能期間の開始時刻と、前記イベントの終了時刻から定まる前記駐車場の利用可能期間の終了時刻と、の少なくとも一方を取得し、前記利用者に案内する時刻案内部と、を備える。
【0007】
すなわち、予約情報案内システムにおいては、駐車場を予約する利用者に、駐車場の利用可能期間の開始時刻と、駐車場の利用可能期間の終了時刻と、の少なくとも一方が案内される。駐車場の利用可能期間の開始時刻が案内されると、利用者が当該利用可能期間の開始前に車両を駐車場に駐車させる可能性が低くなる。また、駐車場の利用可能期間の終了時刻が案内されると、利用者が当該利用可能期間の終了後に至るまで継続的に車両を駐車場に駐車させておく可能性が低くなる。従って、イベントの参加者がイベントに関連して駐車場の駐車枠を占有している期間が予定通りの期間に限定される可能性が高くなる。このため、利用者が過度に長期にわたって駐車している期間が短くなり、駐車場の回転率が良くなる可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】予約情報案内システムの構成を示すブロック図である。
図2図2Aは予約情報の例を示す図であり、図2Bは利用可能期間を説明するための図である。
図3】予約受付処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)予約情報案内システムの構成:
(2)予約受付処理:
(3)他の実施形態:
【0010】
(1)予約情報案内システムの構成:
図1は、予約情報案内システム10の構成を示すブロック図である。予約情報案内システム10は、利用者端末100と協働するシステムである。予約情報案内システム10は、利用者端末100と、通信可能である。
【0011】
利用者端末100は、イベントに参加する利用者が利用する端末である。当該利用者は、イベントに参加するために、車両でイベント会場の周辺まで移動する利用者である。イベント会場には、イベントに参加する利用者が利用可能な駐車場が予め用意されている。利用者は、当該駐車場に車両を駐車させ、徒歩またはイベント会場の周辺を巡回する送迎車両によって駐車場からイベント会場まで移動する。駐車場を利用するため、利用者は、利用者端末100を操作して予め駐車場の予約を行う。
【0012】
本実施形態において、駐車場は、店舗等の施設に併設され、施設を利用する施設利用者が施設に行くために車両を駐車させる駐車場である。すなわち、本実施形態において、当該施設の運営者等はイベントの主催者等と提携し、イベント開催時にイベントの参加者が当該駐車場を利用することを許可している。
【0013】
予約情報案内システム10は、利用者から駐車場の予約を受け付けるサーバ装置である。利用者が駐車場を指定して予約を行うと、予約情報案内システム10は、利用者に対して駐車場の利用可能期間を案内する。イベントに参加する利用者は、イベント当日に予約した駐車場に車両を駐車させ、イベント会場に移動してイベントに参加する。また、イベント終了後には、イベント会場から駐車場に移動し、駐車してあった車両に乗車して車両で移動する。
【0014】
このような、状況において、施設の運営者は、イベントへの参加のために駐車場が利用されることを許可しているが、イベントに参加する利用者の車両が長期にわたって駐車されていると、施設利用者による駐車場への駐車を妨げる可能性がある。このため、施設の運営者から見ると、イベントに参加する利用者による駐車場の利用期間は可能な限り短いことが好ましい。
【0015】
そこで、予約情報案内システム10は、利用者が駐車場を予約した際に、当該利用者が当該駐車場を利用して良い利用可能期間を特定し、当該利用可能期間を案内する。この結果、利用者は、利用可能期間の開始時刻より前に駐車場に車両を駐車させてはいけないことを認識することができる。このため、利用開始期間の開始前に利用者が駐車場に駐車させる可能性を低減することができる。また、利用者は、利用可能期間の終了時刻より前に駐車場から車両を移動させるべきであることを認識することができる。このため、利用可能期間の終了後に利用者が駐車場に駐車させ続ける可能性を低減することができる。この結果、駐車場の回転率が良くなる可能性を高めることが可能である。
【0016】
以上のようなシステムを構成する利用者端末100は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部120と、通信部110と、ユーザI/F部130と、を備えている。制御部120は、図示しない記録媒体やROMに記憶された種々のプログラムを実行することができる。通信部110は、予約情報案内システム10と通信を行うための装置である。利用者端末100による予約情報案内システム10との情報の送受信は、通信部110を介して行われる。ユーザI/F部130は、ユーザの指示を入力し、また、ユーザに各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネル式のディスプレイ等の表示部、スピーカー等の出力部及びユーザによる指示の入力部を備えている。
【0017】
制御部120は、図示しないプログラムの処理により、通信部を介して予約情報案内システム10から予約のための画面に表示すべき情報を取得し、ユーザI/F部130の表示部に表示させる。利用者は、予約のための画面を視認しながらユーザI/F部130の入力部を操作して利用者が車両を駐車させる駐車場と、駐車場内の駐車枠と、を含む予約情報を指定する。予約情報の入力を受け付けると、制御部120は、予約情報を予約情報案内システム10に送信する。
【0018】
予約情報案内システム10は、利用者が指定した予約情報を受信し、利用可能期間を決定する。利用可能期間を決定するための処理の詳細は後述する。利用可能期間を決定すると、予約情報案内システム10は、利用可能期間を示す情報を利用者端末100に送信する。制御部120は、当該利用可能期間を示す情報をユーザI/F部130の表示部に表示させる。この結果、利用者は、予約した駐車場の利用可能期間、すなわち、利用可能期間の開始時刻および終了時刻を知ることができる。
【0019】
予約情報案内システム10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20と、記録媒体30と、通信部40と、を備えている。制御部20は、記録媒体30やROMに記憶された種々のプログラムを実行する。本実施形態の制御部20は、このプログラムの1つとして、予約情報案内プログラム21を実行する。制御部20は、予約情報案内プログラム21の処理により、利用者から駐車場の予約を受け付ける。通信部40は、利用者端末100と通信を行うための装置である。予約情報案内システム10による利用者端末100との情報の送受信は、通信部40を介して行われる。
【0020】
記録媒体30には、イベント情報30a,地図情報30b,予約情報30cが記録される。イベント情報30aは、イベントに関する情報であり、本実施形態においてイベント情報30aは、イベントの名称,イベント会場の位置,イベントの開始時刻および終了時刻を含んでいる。イベント情報30aが示すイベントには複数のイベントが存在しても良い。この場合、各イベントはイベントの識別情報によって区別される。
【0021】
地図情報30bは、道路区間の端点に対応するノードの位置を示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ、ノード同士を接続するリンクを示すリンクデータ、道路周辺に存在する施設を示す施設データ等を含んでいる。ここで、ノードは、交差点に対応し、リンクは、交差点から交差点までの道路区間に対応する。リンクデータには、国道、県道といった道路種別が割り当てられている。リンクデータにはリンクコストを示す情報が対応付けられる。
【0022】
施設データは、施設の名称,属性,位置等を示す情報であり、施設データが示す施設には、イベント会場と、駐車場と、が含まれる。駐車場は、車両を駐車可能な施設であり、施設の属性が駐車場である場合、少なくとも駐車場の位置および名称を示す情報が施設データに含まれる。本実施形態においては、駐車場が、イベントの際に利用可能な駐車場である場合、駐車場を示す施設データには、イベントの際に利用可能な駐車場であることを示す情報が含まれる。なお、本実施形態においては、イベントに参加する利用者が、イベントの際に利用可能な駐車場において車両を駐車させる際の駐車枠が決まっている。このため、イベントの際に利用可能な駐車場を示す施設データには、イベントの際に利用可能な駐車枠の識別情報が含まれている。
【0023】
予約情報30cは、利用者が予約した駐車場および駐車場内の予約枠と、当該駐車場における利用可能期間と、を示す情報である。図2Aは、本実施形態にかかる予約情報30cの例を示す図である。本実施形態においては、予約を行った利用者の識別情報(利用者ID)に対して当該利用者が参加するイベントの識別情報(イベントID)と、駐車場の名称と、駐車枠と、利用可能期間と、が対応付けられて予約情報30cが定義される。なお、本実施形態において、利用可能期間は開始時刻と終了時刻によって定義される。図2Aにおいては、利用者IDが0001の利用者が予約した駐車場P1の利用可能期間の開始時刻はTps1であり、終了時刻はTpe1である。
【0024】
制御部20が、予約情報案内プログラム21を実行すると、制御部20は、イベント情報取得部21a,駐車場受付部21b,時刻案内部21cとして機能する。イベント情報取得部21aは、イベント会場におけるイベントの開始時刻と終了時刻との少なくとも一方を取得する機能である。本実施形態において、制御部20は、イベント情報取得部21aの機能により、利用者が参加しようとしているイベントの識別情報が対応付けられたイベント情報30aを参照し、当該イベントの開始時刻および終了時刻を取得する。
【0025】
駐車場受付部21bは、イベントに参加する利用者から、イベント会場の周辺の駐車場の予約を受け付ける機能である。制御部20は、駐車場受付部21bの機能により、通信部40を介して利用者端末100と通信し、利用者が指定したイベントの識別情報、駐車場および当該駐車場内の駐車枠を予約情報として取得する。取得した予約情報には、利用者の識別情報が対応付けられて予約情報30cとして記録媒体30に保存される。
【0026】
時刻案内部21cは、イベントの開始時刻から定まる駐車場の利用可能期間の開始時刻と、イベントの終了時刻から定まる駐車場の利用可能期間の終了時刻と、の少なくとも一方を取得し、利用者に案内する機能である。本実施形態において、制御部20は、イベントの開始時刻から所定時間を減じることで駐車場の利用可能期間の開始時刻を取得する。具体的には、制御部20は、利用者が予約したイベントの識別情報が対応付けられたイベント情報30aを参照し、イベントの開始時刻およびイベント会場の位置を取得する。
【0027】
さらに、制御部20は、地図情報30bを参照し、イベント会場と駐車場との間を利用者が移動する場合の所要時間を取得する。具体的には、制御部20は、地図情報30bが示すリンクコストに基づいて、イベント会場と駐車場との間の経路を探索する。さらに、制御部20は、当該経路を構成する各道路区間の距離を各道路区間での利用者の移動速度(徒歩の場合は徒歩の平均速度、送迎車両の場合は送迎車両の平均車速)で除することによって各道路区間の移動の所要時間を取得する。そして、制御部20は、経路を構成する道路区間の移動の所要時間を累積することによってイベント会場と駐車場との間を利用者が移動する場合の所要時間を取得する。なお、当該所要時間には所定のマージン時間が加えられていても良い。そして、制御部20は、イベントの開始時刻から当該所要時間を減じた値を利用可能期間の開始時刻とみなす。
【0028】
さらに、制御部20は、イベントの終了時刻に所定時間を加えることで駐車場の利用可能期間の開始時刻を取得する。具体的には、制御部20は、利用者が予約したイベントの識別情報が対応付けられたイベント情報30aを参照し、イベントの終了時刻を取得する。そして、制御部20は、イベントの終了時刻に、イベント会場と駐車場との間を利用者が移動する場合の所要時間を加えた値を利用可能期間の終了時刻とみなす。なお、駐車場からイベント会場まで移動する際の経路や所要時間が、イベント会場から駐車場まで移動する際の経路や所要時間と異なる場合、所要時間は行き帰りのそれぞれについて算出されても良い。
【0029】
図2Bは、利用可能期間とイベントの開始時刻、終了時刻との関係を示す図である。図2Bにおいては、実線の矢印で時間軸を示しており、イベントEV1の開始時刻および終了時刻を、開始時刻をTes、終了時刻Teeとして示している。利用可能期間の開始時刻Tpsは、イベントの開始時刻Tesから利用者の移動の所要時間を減じた値である。また、利用可能期間の終了時刻Tpeは、イベントの終了時刻Teeから利用者の移動の所要時間を減じた値である。このため、利用可能期間は、開始時刻Tpsから終了時刻Tpeまでの期間である。
【0030】
制御部20は、利用可能期間の開始時刻および終了時刻を取得すると、利用者が予約した駐車場、駐車枠、利用可能期間の開始時刻および終了時刻を示す情報を、利用者端末100に対して送信する。利用者端末100においては、ユーザI/F部130の表示部にこれらの情報を表示させる。この結果、利用者は、駐車場、駐車枠、利用可能期間の開始時刻および終了時刻を認識することができる。このため、利用可能期間の開始前に利用者が駐車場に車両を駐車させたり、利用可能期間の終了後に利用者が駐車場に駐車させ続けたりする可能性を低減することができる。この結果、駐車場の回転率が良くなる可能性を高めることが可能である。
【0031】
(2)予約受付処理:
次に、予約情報案内システム10により実行される予約受付処理を説明する。各イベントの予約受付処理は、各イベントの駐車場の予約開始から締め切りまでの間に実行可能である。本実施形態においては、イベント開始時刻が属する日から既定の日数(例えば、1ヶ月)だけ前の日の特定時刻に予約が開始される。イベントの締め切りは、イベントの開始時刻の前日の特定時刻である。
【0032】
利用者は、イベントの予約開始から締め切りまでの間において、利用者端末100のユーザI/F部130を操作し、予約したいイベントを指示して予約受付の要求を行う。当該要求は、イベントの識別情報とともに予約情報案内システム10に送信される。予約情報案内システム10が当該要求を受信すると、制御部20は、当該イベントに参加する利用者の予約受付処理を開始する。
【0033】
図3は、予約受付処理を示すフローチャートである。予約受付処理において、制御部20は、駐車場受付部21bの機能により、駐車場選択画面を表示させる(ステップS200)。すなわち、制御部20は、駐車場選択画面を表示させるための情報を利用者端末100に送信し、ユーザI/F部130の表示部に当該駐車場選択画面を表示させる。
【0034】
駐車場選択画面は、イベント会場の周辺の駐車場を選択する画面である。制御部20は、イベント情報取得部21aの機能により、イベント情報30aを参照し、利用者端末100から送信されたイベントの識別情報に対応付けられたイベント会場の位置を特定する。そして、制御部20は、地図情報30bを参照し、当該イベント会場の位置から既定の距離以内に存在し、イベントの際に利用可能な駐車場を取得する。そして、制御部20は、地図情報30bを参照し、これらの駐車場を示すアイコンが重畳された地図を含む駐車場選択画面を表示させるための画像データを生成し、利用者端末100に送信する。
【0035】
利用者端末100のユーザI/F部130の表示部に駐車場選択画面が表示されると、利用者はユーザI/F部130の入力部を操作し、自身が駐車したい駐車場を選択する。選択が行われると、選択された駐車場を示す情報が利用者端末100から予約情報案内システム10に送信される。
【0036】
そこで、制御部20は、駐車場受付部21bの機能により、駐車場が選択されたか否かを判定する(ステップS205)。すなわち、制御部20は、選択された駐車場を示す情報が利用者端末100から送信された場合、駐車場が選択されたと判定する。駐車場が選択されたと判定されない場合、制御部20は、ステップS200以降の処理を繰り返す。
【0037】
一方、ステップS205において、駐車場が選択されたと判定された場合、制御部20は、駐車場受付部21bの機能により、選択された駐車場内の駐車枠を選択するための駐車枠選択画面を表示させる(ステップS210)。すなわち、制御部20は、駐車枠選択画面を表示させるための情報を利用者端末100に送信し、ユーザI/F部130の表示部に当該駐車枠選択画面を表示させる。
【0038】
駐車枠選択画面は、駐車場内に存在する駐車枠を選択する画面である。制御部20は、駐車場受付部21bの機能により、地図情報30bを参照し、利用者が選択した駐車場の施設データを特定し、当該駐車場に存在する駐車枠を特定する。また、制御部20は、予約情報30cを参照し、利用者が選択した駐車場において予約済の駐車枠を特定する。さらに、制御部20は、利用者が選択した駐車場において予約済ではない駐車枠を予約可能な駐車枠として特定する。そして、制御部20は、予約可能な駐車枠を含む駐車枠選択画面を表示させるための画像データを生成し、利用者端末100に送信する。
【0039】
利用者端末100のユーザI/F部130の表示部に駐車枠選択画面が表示されると、利用者はユーザI/F部130の入力部を操作し、自身が駐車したい駐車枠を選択する。選択が行われると、選択された駐車枠を示す情報が利用者端末100から予約情報案内システム10に送信される。
【0040】
制御部20は、駐車場受付部21bの機能により、駐車枠が選択されたか否かを判定し(ステップS215)、駐車枠が選択されたと判定されない場合、制御部200以降の処理を繰り返す。ステップS215において、駐車枠が選択されたと判定された場合、制御部20は、利用者が指定した駐車場の名称と駐車枠の識別情報を、利用者およびイベントの識別情報に対応付けて予約情報30cとして記録媒体30に保存する(ステップS220)。
【0041】
次に、制御部20は、時刻案内部21cの機能により、利用可能期間を取得する(ステップS225)。制御部20は、時刻案内部21cの機能により、利用者が予約した駐車場とイベント会場との間の経路を取得し、当該経路の移動に要する所要時間を取得する。また、制御部20は、イベント情報取得部21aの機能により、利用者が予約したイベントの識別情報が対応付けられたイベント情報30aを参照し、イベントの開始時刻および終了時刻を取得する。そして、制御部20は、イベントの開始時刻から所要時間を減じて利用可能期間の開始時刻を取得し、イベントの終了時刻に所要時間を加えて利用可能期間の終了時刻を取得する。利用可能期間の開始時刻および終了時刻は、利用者の識別情報に対応付けられて予約情報30cに追記される。
【0042】
次に、制御部20は、予約された駐車場、駐車枠および利用可能期間を表示させる(ステップS230)。すなわち、制御部20は、ステップS200で選択された駐車場、ステップS210で選択された駐車枠、ステップS225で取得された利用可能期間を表示させるための情報を利用者端末100に送信し、ユーザI/F部130の表示部に表示させる。以上の結果、利用者は、駐車場、駐車枠、利用可能期間の開始時刻および終了時刻を認識することができる。
【0043】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば上述の実施形態を構成する各装置は、より多数の装置で構成されても良い。このような例としては、図1に示す予約情報案内システム10がクラウドサーバによって実現される構成が挙げられる。さらに、より少数の装置によって予約情報案内システム10が実現されても良い。例えば、予約情報案内システム10が備えるユーザI/F部を用いて予約を実行可能であっても良い。
【0044】
さらに、予約情報案内システム10を構成する各部(イベント情報取得部21a、駐車場受付部21b、時刻案内部21c)の少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在してもよい。また、上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。さらに、上述の実施形態は、利用可能期間の開始時刻および終了時刻が決定され、案内される構成であったが、開始時刻および終了時刻の一方が決定され、案内される構成であっても良い。さらに、駐車枠を指定せずに駐車場を予約するような構成が採用されても良い。
【0045】
さらに、利用可能期間の決定方法は、上述の実施形態のような方法に限定されない。施設の運営者がイベントの参加者に駐車場を提供する場合、イベントの行き帰りの際に施設に立ち寄ってもらうことを望む場合がある。この場合に、施設に立ち寄ることができるように駐車場の利用可能期間が設定されてもよい。このような構成は、上述の実施形態において、ステップS225を変更することによって実現可能である。
【0046】
具体的には、制御部20は、イベント会場と駐車場との間を利用者が移動する場合の所要時間に、駐車場に併設された施設での滞在時間を加えた値に基づいて、利用可能期間を決定する。すなわち、制御部20は、イベントの開始時刻から所要時間および滞在時間を減じることで利用可能期間の開始時刻を取得する。また、制御部20は、イベントの終了時刻に所要時間および滞在時間を加えることで利用可能期間の終了時刻を取得する。
【0047】
なお、駐車場に併設された施設での滞在時間は、例えば、統計等によって施設毎に特定されれば良い。また、利用可能期間の開始時刻、終了時刻の少なくとも一方は、所要時間および滞在時間に基づいて決定されるが、他方は所要時間によって決定され、滞在時間は考慮されないような構成であっても良い。以上の構成によれば、イベントに参加する利用者が、施設を利用する可能性を高めることができる。
【0048】
さらに、特定の条件下においては利用可能期間の開始時刻や終了時刻を案内しないように構成されていても良い。例えば、上述の実施形態において、制御部20は、時刻案内部21cの機能により、利用可能期間の開始時刻が駐車場に併設された施設の営業時間外である場合に案内しない構成であっても良い。すなわち、利用可能期間の開始時刻が施設の営業時間の開始前であれば、イベントの利用者が施設の駐車場に車両を駐車させても施設の営業に影響はない。このため、利用者が、利用可能期間の開始時刻より前に駐車場に車両を駐車させることを妨げない構成とすれば、利用者の利便性をより向上させることができる。また、利用可能期間の開始時刻の直後にイベントに参加する多くの利用者が駐車場に車両を駐車させることによって渋滞が誘発されることを防止することができる。
【0049】
さらに、制御部20は、時刻案内部21cの機能により、利用可能期間の終了時刻が駐車場に併設された施設の営業時間外である場合には案内しない構成であっても良い。すなわち、利用可能期間の終了時刻が施設の営業時間の終了後であれば、イベントの利用者が施設の駐車場から車両を移動させるタイミングが多少遅くなったとしても施設の営業に影響はない。このため、利用者が、利用可能期間の終了時刻より後に駐車場に車両を駐車させることを妨げない構成とすれば、利用者の利便性をより向上させることができる。また、利用可能期間の終了時刻の直前にイベントに参加した多くの利用者が駐車場から車両を移動させることによって渋滞が誘発されることを防止することができる。
【0050】
イベント情報取得部は、イベント会場におけるイベントの開始時刻と終了時刻との少なくとも一方を取得することができればよい。すなわち、イベント情報取得部は、利用者による駐車場の利用可能期間を特定するための情報を取得できれば良い。イベント会場は、利用者が参加するイベントが開催される会場であり、各種の建築物等であっても良いし、公園や海などの特定の範囲であっても良い。むろん、イベントの種類や規模等は限定されない。
【0051】
イベントの開始時刻は、利用者が駐車場の利用可能期間の開始時刻を特定するための指標になれば良く、各種の定義が可能である。例えば、イベント会場の開場時刻と、開演時刻とが、分かれて決められている場合、開始時刻はそのいずれかであっても良いし、双方であっても良い。また、これらの時刻にマージンが設けられて開始時刻が定義されても良い。いずれにしても、イベントの開始時刻に応じて利用開始期間の開始時刻が特定されれば良い。
【0052】
イベントの終了時刻は、利用者が駐車場の利用可能期間の終了時刻を特定するための指標になれば良く、各種の定義が可能である。例えば、イベント会場の閉場時刻と、終演時刻とが、分かれて決められている場合、終了時刻はそのいずれかであっても良いし、双方であっても良い。また、これらの時刻にマージンが設けられて終了時刻が定義されても良い。いずれにしても、イベントの終了時刻に応じて利用開始期間の終了時刻が特定されれば良い。
【0053】
駐車場受付部は、イベントに参加する利用者から、イベント会場の周辺の駐車場の予約を受け付けることができればよい。すなわち、駐車場受付部が利用者から予約を受け付けることにより、利用開始期間の開始時刻、終了時刻を特定する対象となる駐車場が決まる。
【0054】
時刻案内部は、イベントの開始時刻から定まる駐車場の利用可能期間の開始時刻と、イベントの終了時刻から定まる駐車場の利用可能期間の終了時刻と、の少なくとも一方を取得し、利用者に案内することができればよい。すなわち、時刻案内部は、駐車場の利用者に対して、当該駐車場の利用可能期間を案内し、当該利用開始期間外に駐車場が利用される可能性を低減させることができればよい。
【0055】
利用可能期間は、利用者の車両を駐車場に駐車させておくことが可能な期間であり、例えば、予約の際に決められる。利用者は、利用可能期間外には、駐車場を利用しないことが期待されているが、例外的な扱いで駐車可能であっても良い。例えば、利用可能期間内であれば無料で駐車場を利用可能であるが、利用可能期間外においては有料になるような構成であっても良い。また、利用可能期間内よりも利用可能期間外の方が、時間単価が高額になるような構成であっても良い。
【0056】
以上のようなシステム及びプログラムは、単独の装置として実現される場合もあれば、複数の装置で共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、システムの一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0057】
10…予約情報案内システム、20…制御部、21…予約情報案内プログラム、21a…イベント情報取得部、21b…駐車場受付部、21c…時刻案内部、30…記録媒体、30a…イベント情報、30b…地図情報、30c…予約情報、40…通信部、100…利用者端末、110…通信部、120…制御部、130…ユーザI/F部、200…制御部
図1
図2
図3