(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108519
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】基準電源回路
(51)【国際特許分類】
G05F 3/20 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
G05F3/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012934
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】根塚 智裕
(72)【発明者】
【氏名】マキンワ コフィ アフォラビ アントニー
(72)【発明者】
【氏名】タン ゾン
【テーマコード(参考)】
5H420
【Fターム(参考)】
5H420NA23
5H420NB02
5H420NB22
5H420NB25
5H420NB27
5H420NB28
5H420NB31
5H420NC14
5H420NE22
(57)【要約】
【課題】基準電圧の温特非線形性を小さく抑えつつ、従来回路と比べて動作速度を高める。
【解決手段】基準電源回路1は、直流電源線L1、L2間に直列接続された電流源2およびBJT3を備え、電流源2がBJT3のコレクタ電流を供給することによりBJT3を所定のコレクタ電流密度で動作させた際におけるBJT3のベース・エミッタ間電圧VBEを基準電圧として出力する。BJT3のベース電流を供給するベース電流供給回路4は、直流電源線L1、L2間に直列接続された電流源5、トランジスタM1およびトランジスタM2を備える。トランジスタM1のドレインは、電流源5を介して直流電源線L1に接続されるとともにトランジスタM2のゲートに接続される。トランジスタM1のゲートは、BJT3のコレクタに接続される。トランジスタM1のソースは、BJT3のベースおよびトランジスタM2のドレインに接続される。トランジスタM2のソースは、直流電源線L2に接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の直流電源線(L1、L2)間に直列接続されたコレクタ電流供給回路(2)およびバイポーラトランジスタ(3)を備え、前記コレクタ電流供給回路が前記バイポーラトランジスタのコレクタ電流を供給することにより前記バイポーラトランジスタを所定のコレクタ電流密度で動作させた際における前記バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧を基準電圧として出力する基準電源回路であって、
前記バイポーラトランジスタのベース電流を供給するベース電流供給回路(4)を備え、
前記ベース電流供給回路は、
前記一対の直流電源線間に直列接続された電流源(5)、第1MOSトランジスタ(M1)および第2MOSトランジスタ(M2)を備え、
前記第1MOSトランジスタのドレインは、前記電流源を介して前記一対の直流電源線のうち高電位側である高電位側電源線(L1)に接続されるとともに前記第2MOSトランジスタのゲートに接続され、
前記第1MOSトランジスタのゲートは、前記バイポーラトランジスタのコレクタに接続され、
前記第1MOSトランジスタのソースは、前記バイポーラトランジスタのベースおよび前記第2MOSトランジスタのドレインに接続され、
前記第2MOSトランジスタのソースは、前記一対の直流電源線のうち低電位側である低電位側電源線(L2)に接続される基準電源回路。
【請求項2】
前記バイポーラトランジスタを第1バイポーラトランジスタとし、前記コレクタ電流供給回路を第1コレクタ電流供給回路とし、前記ベース電流供給回路を第1ベース電流供給回路とすると、
さらに、
前記一対の直流電源線間に直列接続された第2コレクタ電流供給回路(32)および第2バイポーラトランジスタ(33)と、
前記1ベース電流供給回路と同様の構成を有し、前記第2バイポーラトランジスタのベース電流を供給する第2ベース電流供給回路(34)と、
を備え、
前記第1コレクタ電流供給回路が前記第1バイポーラトランジスタのコレクタ電流を供給することにより前記第1バイポーラトランジスタを所定のコレクタ電流密度で動作させた際における前記第1バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧を第1基準電圧として出力するとともに、前記第2コレクタ電流供給回路が前記第2バイポーラトランジスタのコレクタ電流を供給することにより前記第2バイポーラトランジスタを前記第1バイポーラトランジスタとは異なるコレクタ電流密度で動作させた際における前記第2バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧を第2基準電圧として出力する請求項1に記載の基準電源回路。
【請求項3】
さらに、前記バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間に直列接続された複数の抵抗(Ra、Rb、Rc)からなる分圧回路(42)を備え、
前記バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧を前記基準電圧として出力するとともに、前記バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧を前記分圧回路により分圧した分圧電圧を分圧した基準電圧である分圧基準電圧として出力し、
前記分圧回路は、その分圧比を任意の値に調整可能な構成である請求項1または2に記載の基準電源回路。
【請求項4】
前記分圧回路は、
相対的に大きい抵抗値の前記抵抗である第1抵抗(Rb)の直列回路からなる第1分圧回路(43)と、
相対的に小さい抵抗値の前記抵抗である第2抵抗(Rc)の直列回路からなる第2分圧回路(44)と、
を備え、
前記バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧を前記第1分圧回路により分圧した分圧電圧を第1分圧基準電圧として出力するとともに、前記バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧を前記第2分圧回路により分圧した分圧電圧を第2分圧基準電圧として出力する請求項3に記載の基準電源回路。
【請求項5】
さらに、ゲートが前記バイポーラトランジスタのコレクタに接続されるとともに、ソースが前記バイポーラトランジスタのベースに接続される電流供給用のMOSトランジスタ(M3)を備える請求項1または2に記載の基準電源回路。
【請求項6】
さらに、ゲートが前記バイポーラトランジスタのコレクタに接続されるとともに、ソースが前記バイポーラトランジスタのベースに接続される電流供給用のMOSトランジスタ(M3)を備える請求項3または4に記載の基準電源回路。
【請求項7】
前記第1MOSトランジスタは、ネイティブ閾値MOSトランジスタである請求項1または2に記載の基準電源回路。
【請求項8】
前記第2MOSトランジスタの閾値電圧の値は、前記第1MOSトランジスタが飽和領域で動作可能となるような値に設定されている請求項1または2に記載の基準電源回路。
【請求項9】
前記第1MOSトランジスタおよび前記電流供給用のMOSトランジスタは、いずれもネイティブ閾値MOSトランジスタである請求項5に記載の基準電源回路。
【請求項10】
前記第1MOSトランジスタおよび前記電流供給用のMOSトランジスタは、いずれもネイティブ閾値MOSトランジスタである請求項6に記載の基準電源回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基準電圧を出力する基準電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2つのダイオード接続されたバイポーラジャンクショントランジスタを互いに異なるコレクタ電流密度で動作させ、それらのうち一方のベース・エミッタ間電圧VBEと、それらの各ベース・エミッタ間電圧の差である差電圧ΔVBEと、を基準電圧として出力する構成の基準電源回路がある。なお、本明細書では、バイポーラジャンクショントランジスタのことをバイポーラトランジスタまたはBJTと省略することがある。上記基準電源回路では、BJTのベース電流IBおよび電流増幅率βの温度特性に起因して電圧VBEおよび差電圧ΔVBEの温度特性が非線形となる温特非線形性が課題となっていた。
【0003】
一方、非特許文献1には、BJTのコレクタにゲートが接続されるとともにBJTのベースにソースが接続されるMOSトランジスタを備えたソースフォロワを設け、そのソースフォロワによりBJTのベース電流IBを供給する構成を採用することにより、電圧VBEおよび差電圧ΔVBEの温特非線形性を低減する基準電源回路が開示されている。なお、以下の説明では、非特許文献1に開示された基準電源回路のことを従来回路と称することとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Rushil K. Kumar, Hui Jiang, Kofi A. A. Makinwa, “An Energy-Efficient BJT-Based Temperature-to-Digital Converter with ±0.13°C (3σ) Inaccuracy from -40 to 125°C”, 2019 IEEE Asian Solid-State Circuits Conference, pp. 107-108
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来回路では、出力インピーダンスを十分に低下させることが難しいため、電圧VBEまたは差電圧ΔVBEが後段の回路の動作に応じて低下した際に元の電圧レベルに回復するまでの時間が長期化するおそれがある。言い換えると、従来回路は、動作速度が低速であるという課題がある。このようなことから、従来回路では、特に、スイッチトキャパシタ回路で構成されるA/D変換器や温度センサなどに基準電圧を供給する用途に適用される場合、セトリングに比較的長い時間を要するおそれがあった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、基準電圧の温特非線形性を小さく抑えつつ、従来回路と比べて動作速度を高めることができる基準電源回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の基準電源回路は、一対の直流電源線(L1、L2)間に直列接続されたコレクタ電流供給回路(2)およびバイポーラトランジスタ(3)を備え、前記コレクタ電流供給回路が前記バイポーラトランジスタのコレクタ電流を供給することにより前記バイポーラトランジスタを所定のコレクタ電流密度で動作させた際における前記バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧を基準電圧として出力する回路である。前記基準電源回路は、前記バイポーラトランジスタのベース電流を供給するベース電流供給回路(4)を備える。そのため、上記構成によれば、従来回路と同様、基準電圧の温特非線形性を小さく抑えることができる。
【0008】
ただし、前記ベース電流供給回路は、その構成が従来回路のものとは異なっている。すなわち、前記ベース電流供給回路は、前記一対の直流電源線間に直列接続された電流源(5)、第1MOSトランジスタ(M1)および第2MOSトランジスタ(M2)を備える。前記第1MOSトランジスタのドレインは、前記電流源を介して前記一対の直流電源線のうち高電位側である高電位側電源線(L1)に接続されるとともに前記第2MOSトランジスタのゲートに接続される。前記第1MOSトランジスタのゲートは、前記バイポーラトランジスタのコレクタに接続される。前記第1MOSトランジスタのソースは、前記バイポーラトランジスタのベースおよび前記第2MOSトランジスタのドレインに接続される。前記第2MOSトランジスタのソースは、前記一対の直流電源線のうち低電位側である低電位側電源線(L2)に接続される。
【0009】
このように、前記ベース電流供給回路は、FVFの回路構成となっている。なお、FVFは、Flipped Voltage Followerの略称である。つまり、上記構成では、FVFの回路構成であるベース電流供給回路によりバイポーラトランジスタのベース電流を供給するようになっている。一般的に、FVFは、ソースフォロワに対して出力インピーダンスを1桁以上低くすることができる。そのため、上記構成によれば、従来回路に比べて動作速度を高めることができる。したがって、上記構成によれば、スイッチトキャパシタ回路で構成されるA/D変換器や温度センサなどに基準電圧を供給する用途に適用される場合であっても、そのセトリングの時間を短く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る基準電源回路の構成を模式的に示す図
【
図2】比較例に係る基準電源回路の構成を模式的に示す図
【
図3】第2実施形態に係る基準電源回路の構成を模式的に示す図
【
図4】第3実施形態に係る基準電源回路の構成を模式的に示す図
【
図5】第4実施形態に係る基準電源回路の構成を模式的に示す図
【
図6】第4実施形態に係る分圧回路の具体的な構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について
図1および
図2を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の基準電源回路1は、一対の直流電源線L1、L2間に直列接続された電流源2およびBJT3を備え、電流源2がBJT3のコレクタ電流を供給することによりBJT3を所定のコレクタ電流密度で動作させた際におけるBJT3のベース・エミッタ間電圧VBEを基準電圧として出力する回路である。以下の説明では、ベース・エミッタ間電圧VBEのことを電圧VBEと省略することがある。
【0013】
基準電源回路1は、出力する電圧VBEの供給先となる各種の回路とともにICとして構成されている。なお、ICは、Integrated Circuitの略称である。基準電源回路1は、一対の直流電源線L1、L2を介して電源電圧VDDの供給を受けて動作する。つまり、上記構成では、直流電源線L1の電位が電源電圧VDDとなっており、直流電源線L2の電位が回路の基準電位、つまりグランドとなっている。この場合、高電位側の直流電源線L1が高電位側電源線に相当するとともに、低電位側の直流電源線L2が低電位側電源線に相当する。
【0014】
電流源2は、一定のバイアス電流Ibias1を出力する定電流源であり、直流電源線L1とノードN1との間に接続されている。BJT3は、NPN形であり、そのコレクタはノードN1に接続されており、そのエミッタは直流電源線L2に接続されている。BJT3のベースは、基準電圧の出力ノードとなるノードN2に接続されている。つまり、電流源2およびBJT3は、直流電源線L1、L2間に直列接続されている。このような構成により、電流源2から出力されるバイアス電流Ibias1が、BJT3のコレクタ電流として供給される。つまり、この場合、電流源2は、BJT3のコレクタ電流を供給するコレクタ電流供給回路として機能する。
【0015】
基準電源回路1は、BJT3のベース電流を供給するベース電流供給回路4を備えている。ベース電流供給回路4は、直流電源線L1、L2間に直列接続された電流源5および第1MOSトランジスタM1および第2MOSトランジスタM2を備える。なお、以下の説明では、第1MOSトランジスタM1および第2MOSトランジスタM2のことを、それぞれトランジスタM1およびトランジスタM2と省略することがある。
【0016】
電流源5は、一定のバイアス電流Ibias2を出力する定電流源であり、直流電源線L1とノードN3との間に接続されている。トランジスタM1、M2は、いずれもNチャネル型MOSトランジスタである。トランジスタM1のドレインは、ノードN3に接続されている。つまりトランジスタM1のドレインは、電流源5を介して直流電源線L1に接続されている。また、トランジスタM1のドレインは、トランジスタM2のゲートに接続されている。
【0017】
トランジスタM1のゲートは、ノードN1、つまりBJT3のコレクタに接続されている。トランジスタM1のソースは、ノードN2、つまりBJT3のベースに接続されている。トランジスタM2のドレインは、ノードN2に接続されている。つまり、トランジスタM1のソースは、トランジスタM2のドレインに接続されている。トランジスタM2のソースは、直流電源線L2に接続されている。このように、ベース電流供給回路4は、FVFの回路構成となっている。
【0018】
上記構成において、トランジスタM1は、NVT、つまりネイティブ閾値MOSトランジスタであり、その閾値電圧Vtの値は、概ね0Vとなっている。また、上記構成において、トランジスタM2は、HVT、つまり高Vtトランジスタであり、その閾値電圧Vtの値は、比較的高い値となっている。具体的には、トランジスタM2の閾値電圧Vtの値は、次のような値となっている。
【0019】
すなわち、トランジスタM2の閾値電圧Vtの値および一対の直流電源線L1、L2により供給される電源電圧VDDの値は、トランジスタM1が飽和領域で動作可能となるような値に設定されている。言い換えると、トランジスタM2の閾値電圧Vtの値および電源電圧VDDの値は、トランジスタM1のドレイン電圧が、そのソース電圧、つまり電圧VBEに対して確実に高い電圧となるような値に設定されている。
【0020】
以上説明した本実施形態により得られる効果について、従来回路に相当する比較例との比較により説明する。
図2に示すように、比較例の基準電源回路101は、本実施形態の基準電源回路1に対し、ベース電流供給回路4に代えてベース電流供給回路102を備えている点などが異なっている。ベース電流供給回路102は、ベース電流供給回路4に対し、トランジスタM2が省かれている点、トランジスタM1および電流源5の接続形態が変更されている点などが異なっている。
【0021】
この場合、トランジスタM1のドレインが直流電源線L1に接続されているとともに、そのソースが電流源5を介して直流電源線L2に接続されている。このように、ベース電流供給回路102は、ソースフォロワの回路構成となっている。つまり、比較例の基準電源回路101では、ソースフォロワの回路構成であるベース電流供給回路102によりBJT3のベース電流を供給するようになっている。
【0022】
このような比較例の構成によれば、電圧VBEの温特非線形性を低減することができるものの、出力インピーダンスを十分に低下させることが難しいため、動作速度の点において改善の余地があった。これに対し、本実施形態の基準電源回路1では、FVFの回路構成であるベース電流供給回路4によりBJT3のベース電流を供給するようになっている。一般的に、FVFは、ソースフォロワに対して出力インピーダンスを1桁以上低くすることができる。
【0023】
そのため、本実施形態の構成によれば、比較例と同様の効果が得られるとともに、比較例に比べて動作速度を高めることができる。したがって、本実施形態の基準電源回路1によれば、スイッチトキャパシタ回路で構成されるA/D変換器や温度センサなどに電圧VBEを供給する用途に適用される場合であっても、そのセトリングの時間を短く抑えることができる。そして、本実施形態の基準電源回路1は、比較例の基準電源回路101に対し、回路素子としてトランジスタM2のみが追加されており、電流源の数が同じであることから、電力消費量を比較例と同程度に抑えることができる。
【0024】
本実施形態では、ベース電流供給回路4を構成するトランジスタM1としてNVTが用いられている。このようにすれば、トランジスタM1の閾値電圧が略0Vとなることから、BJT3のコレクタ電圧を概ね電圧VBEと同じ電圧に抑えることができ、電源電圧VDDが比較的小さい値である場合でも、電流源2によるコレクタ電流の供給動作を確実に行い得るようになる。また、本実施形態では、ベース電流供給回路4を構成するトランジスタM2としてHVTが用いられている。このようにすれば、トランジスタM1のドレイン電圧が、そのソース電圧、つまり電圧VBEに対して確実に高い電圧となるような値に設定し、トランジスタM1を確実に飽和領域で動作するように設定可能となる。
【0025】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について
図3を参照して説明する。
図3に示すように、本実施形態の基準電源回路21は、
図1に示した第1実施形態の基準電源回路1に対し、トランジスタM3が追加されている点などが異なっている。トランジスタM3は、Nチャネル型のMOSトランジスタであり、そのドレインは、直流電源線L1に接続されている。トランジスタM3のゲートは、ノードN1、つまりBJT3のコレクタに接続されている。トランジスタM3のソースは、ノードN2、つまりBJT3のベースに接続されている。このような構成において、トランジスタM3は、電流供給用のMOSトランジスタとして機能する。上記構成において、トランジスタM3は、トランジスタM1と同様、NVTであり、その閾値電圧Vtの値は、概ね0Vとなっている。
【0026】
第1実施形態の基準電源回路1では、電源電圧VDD側、つまり電源側への駆動力がバイアス電流Ibias2により制限されていた。これに対し、本実施形態の基準電源回路21では、ゲートがBJT3のコレクタに接続されるとともに、ソースがBJT3のベースに接続されるトランジスタM3が追加されている。このような構成によれば、第1実施形態の構成に比べ、電源側への駆動力を高めることができる。そのため、本実施形態によれば、例えば電圧VBEの供給先である後段の回路の動作により電圧VBEの電位が低下したとしても、電源側への駆動力が高いことから、元のレベルまで比較的短い時間で回復し易くなるというメリットがある。
【0027】
また、本実施形態では、追加したトランジスタM3は、トランジスタM1と同様にNVTとなっている。このようにすれば、トランジスタM1とトランジスタM3のそれぞれの電流密度やオーバードライブ電圧の大きさなどのバイアス条件を同様のレベルに設定することができ、温度の変化や製造工程に起因したばらつきに対して安定的な回路の特性を得易くなるというメリットがある。
【0028】
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について
図4を参照して説明する。
図4に示すように、本実施形態の基準電源回路31は、
図1に示した第1実施形態の基準電源回路1が備える構成に加え、電流源32、BJT33およびベース電流供給回路34を備えている。なお、本実施形態では、電流源2が第1コレクタ電流供給回路に相当し、BJT3が第1バイポーラトランジスタに相当し、ベース電流供給回路4が第1ベース電流供給回路に相当する。
【0029】
電流源32は、電流源2と同様に一定のバイアス電流Ibias1を出力する定電流源であり、直流電源線L1とノードN31との間に接続されている。BJT33は、NPN形であり、そのコレクタはノードN31に接続されており、そのエミッタは直流電源線L2に接続されている。BJT33のベースは、基準電圧の出力ノードとなるノードN32に接続されている。つまり、電流源32およびBJT33は、直流電源線L1、L2間に直列接続されている。このような構成により、電流源32から出力されるバイアス電流Ibias1が、BJT33のコレクタ電流として供給される。つまり、この場合、電流源32は、BJT33のコレクタ電流を供給する第2コレクタ電流供給回路として機能する。
【0030】
ベース電流供給回路34は、ベース電流供給回路4と同様の構成を有し、BJT33のベース電流を供給する。ベース電流供給回路34は、直流電源線L1、L2間に直列接続された電流源35および第1MOSトランジスタM31および第2MOSトランジスタM32を備える。なお、以下の説明では、第1MOSトランジスタM31および第2MOSトランジスタM32のことを、それぞれトランジスタM31およびトランジスタM32と省略することがある。
【0031】
電流源35は、電流源5と同様に一定のバイアス電流Ibias2を出力する定電流源であり、直流電源線L1とノードN33との間に接続されている。トランジスタM31、M32は、いずれもNチャネル型MOSトランジスタである。トランジスタM31のドレインは、ノードN33に接続されている。つまりトランジスタM31のドレインは、電流源35を介して直流電源線L1に接続されている。また、トランジスタM31のドレインは、トランジスタM32のゲートに接続されている。
【0032】
トランジスタM31のゲートは、ノードN31、つまりBJT33のコレクタに接続されている。トランジスタM31のソースは、ノードN32、つまりBJT33のベースに接続されている。トランジスタM32のドレインは、ノードN32に接続されている。つまり、トランジスタM31のソースは、トランジスタM32のドレインに接続されている。トランジスタM32のソースは、直流電源線L2に接続されている。このように、ベース電流供給回路34は、ベース電流供給回路4と同様にFVFの回路構成となっている。上記構成において、トランジスタM31はトランジスタM1と同様にNVTであり、トランジスタM32はトランジスタM2と同様にHVTである。
【0033】
BJT33は、BJT3と同様のトランジスタをN個並列接続した構成となっている。ただし、Nは2以上の正の整数である。そのため、BJT33とBJT3のサイズ比は、「N:1」となっている。本実施形態では、上記サイズ比は、具体的には「8:1」となっている。
【0034】
上記構成の基準電源回路31は、電流源2がBJT3のコレクタ電流を供給することによりBJT3を所定のコレクタ電流密度で動作させた際におけるBJT3のベース・エミッタ間電圧VBEHを第1基準電圧として出力する。また、上記構成の基準電源回路31は、電流源32がBJT33のコレクタ電流を供給することによりBJT33をBJT3とは異なるコレクタ電流密度で動作させた際におけるBJT33のベース・エミッタ間電圧VBELを第2基準電圧として出力する。以下の説明では、ベース・エミッタ間電圧VBEH、VBELのことを電圧VBEH、VBELと省略することがある。
【0035】
本実施形態では、電圧VBEH、VBELは、例えば0.4~0.7V程度の電圧値となる。ただし、BJT33とBJT3とに互いに同一のコレクタ電流が流れるとともにBJT33とBJT3とのサイズ比が「8:1」であり、BJT33とBJT3とが互いに異なるコレクタ電流密度で動作することから、電圧VBEH、VBELの各電圧値には差が生じる。具体的には、電圧VBEHが電圧VBELよりも、例えば数十mV高い電圧値となる。電圧VBEH、VBELの供給先の回路では、これらの差である差電圧ΔVBE(=VBEH-VBEL)も基準電圧として用いられる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の基準電源回路31では、BJT33のベース電流を供給するベース電流供給回路34は、BJT3のベース電流を供給するベース電流供給回路4と同様の回路構成、具体的にはFVFの回路構成となっている。したがって、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、本実施形態の基準電源回路31によれば、その動作速度が高められることから、スイッチトキャパシタ回路で構成されるA/D変換器や温度センサなどに2つの基準電圧である電圧VBEH、VBELを供給する用途に適用される場合であっても、それらのセトリングの時間を短く抑えることができる。
【0037】
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について
図5および
図6を参照して説明する。
図5に示すように、本実施形態の基準電源回路41は、
図4に示した第3実施形態の基準電源回路31に対し、第2実施形態において説明したものと同様のトランジスタM3と、BJT3のベース・エミッタ間に直列接続された複数の抵抗からなる分圧回路42と、が追加されている点などが異なっている。
【0038】
基準電源回路41は、電圧VBEHを基準電圧として出力するとともに、電圧VBEHを分圧回路42により分圧した2つの分圧電圧VCTATP、VCTATNを、分圧した基準電圧である分圧基準電圧として出力する。分圧回路42は、その分圧比を任意の値に調整可能な構成となっている。分圧回路42の具体的な構成としては、例えば
図6に示すような構成例を採用することができる。
【0039】
図6に示す構成例の分圧回路42は、BJT3のベース・エミッタ間、つまりノードN2と直流電源線L2との間に接続されている。分圧回路42は、抵抗Raと、複数の抵抗Rbの直列回路からなる第1分圧回路43と、複数の抵抗Rcの直列回路からなる第2分圧回路44と、を備えている。抵抗Ra、第1分圧回路43および第2分圧回路44は、ノードN2と直流電源線L2との間に、この順番で直列接続されている。
【0040】
本実施形態では、抵抗Raの抵抗値は「7・R」となっており、抵抗Rbの抵抗値は「R/16」となっており、抵抗Rcの抵抗値は「R/128」となっている。なお、Rは、任意の抵抗値である。つまり、この場合、抵抗Rbは、相対的に大きい抵抗値の抵抗である第1抵抗に相当する。また、抵抗Rcは、相対的に小さい抵抗値の抵抗である第2抵抗に相当する。
【0041】
第1分圧回路43は、複数のスイッチSWを備えている。複数のスイッチSWは、いずれも、その一方の端子が複数の抵抗Rbの各端子のいずれかに接続されているとともに、その他方の端子が出力ノードNo1に接続されている。第1分圧回路43の複数のスイッチSWは、それらのうちいずれか1つだけがオンされ、それ以外はオフされるようになっている。上記構成によれば、出力ノードNo1から、電圧VBEHを第1分圧回路43により分圧した分圧電圧VCTATPが出力される。分圧電圧VCTATPは、第1分圧基準電圧に相当する。また、上記構成の第1分圧回路43は、その分圧比を、複数のスイッチSWのオンオフに応じて任意の値に調整することができる。
【0042】
第2分圧回路44は、複数のスイッチSWを備えている。第2分圧回路44の複数のスイッチSWは、いずれも、その一方の端子が複数の抵抗Rcの各端子のいずれかに接続されているとともに、その他方の端子が出力ノードNo2に接続されている。複数のスイッチSWは、それらのうちいずれか1つだけがオンされ、それ以外はオフされるようになっている。上記構成によれば、出力ノードNo2から、電圧VBEHを第2分圧回路44により分圧した分圧電圧VCTATNが出力される。分圧電圧VCTATNは、第2分圧基準電圧に相当する。また、上記構成の第2分圧回路44は、その分圧比を、複数のスイッチSWのオンオフに応じて任意の値に調整することができる。
【0043】
この場合、第1分圧回路43の分圧比の変更の分解能、つまり分圧電圧VCTATPの調整の分解能は、抵抗Rbの抵抗値が「R/16」であり、抵抗Rcの抵抗値が「R/128」であることから、第2分圧回路44と比べて粗いものとなっている。そのため、第1分圧回路43は、粗調整用の分圧回路として機能する。また、この場合、第2分圧回路44の分圧比の変更の分解能、つまり分圧電圧VCTATNの調整の分解能は、第1分圧回路43と比べて細かいものとなっている。そのため、第2分圧回路44は、微調整用の分圧回路として機能する。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の基準電源回路41は、電圧VBEHを分圧する分圧回路42を備え、分圧回路42により分圧電圧した分圧電圧VCTATP、VCTATNを分圧基準電圧として出力するようになっている。つまり、本実施形態では、基準電源回路41に電圧VBEHのトリミング回路を形成することができるため、実装が容易ではない温度センサやA/D変換器のスイッチトキャパシタ回路にトリミング回路を実装する必要がなくなる。また、上記構成によれば、分圧電圧VCTATP、VCTATNを差動の基準電源として用いることにより、電圧VBEHを適切に分圧した上でA/D変換器や温度センサに入力することができる。
【0045】
通常、電圧VBEHは、数十mV程度の電圧値である差電圧ΔVBE(=VBEH-VBEL)に比べて1桁程度大きい値であるが、電圧VBEHを分圧した分圧基準電圧VCTATP、VCTATNを利用すること、具体的には分圧基準電圧VCTATPと分圧電圧VCTATNの差を取ること(=VCTATP-VCTATN)により、差電圧ΔVBEと同程度の電圧値することができる。このようにすれば、基準電圧の供給先となるA/D変換器や温度センサを構成するスイッチトキャパシタ回路の容量の比を極端なものにする必要がなくなり、スイッチトキャパシタ回路の面積や消費電力を低減することができる。
【0046】
スイッチトキャパシタ回路によって電圧VBEHをより細かく調整、つまり分圧しようとすることは、回路面積が大きくなったり、容量値が大きくなったりするおそれがある。これに対し、本実施形態のように基準電源回路41が複数の抵抗による分圧回路42を備えた構成とすれば、回路全体としての小型化を図ること、または、電圧VBEHのレベルを一層細かく調整することなどが可能となる。本実施形態によれば、電圧VBEHのレベルを一層細かく調整することができるため、例えば基準電圧をA/D変換器の基準として用いる場合において温度特性をより細かく調整することができるというメリットが得られる。
【0047】
また、本実施形態の分圧回路42では、粗調整用の分圧回路として機能する第1分圧回路43と微調整用の分圧回路として機能する第2分圧回路44とが直列に接続されている。このような構成によれば、第1分圧回路43および第2分圧回路44のそれぞれの動作のために複数の電流経路を設ける必要が無くなることから、その分だけ、分圧回路42での消費電力を低く抑えることができる。
【0048】
本実施形態の基準電源回路41は、ゲートがBJT3のコレクタに接続されるとともに、ソースがBJT3のベースに接続されるトランジスタM3を備えている。このような構成によれば、次のような効果が得られる。すなわち、上記構成では、分圧回路42に電流を流す必要がある。本実施形態の基準電源回路41では、分圧回路42に流す電流を、バイアス電流Ibias2を出力する電流源5からだけではなく、トランジスタM3からも供給することができるため、分圧電圧VCTATP、VCTATNの供給先の負荷の増減に対応し易い、つまり様々な負荷電流に対応し易いというメリットがある。
【0049】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で任意に変形、組み合わせ、あるいは拡張することができる。
上記各実施形態で示した数値などは例示であり、それに限定されるものではない。
【0050】
第1実施形態などでは、互いにサイズ比が異なるBJT3およびBJT33に互いに同等のコレクタ電流が流れるような構成となっていたが、これに代えて、互いに同じ面積比の2つのBJTに互いに異なるコレクタ電流が流れるような構成とすることもできる。
【0051】
トランジスタM1としては、NVTに限らずともよく、電源電圧VDDの電圧値によっては、他の種類のトランジスタを用いることもできる。トランジスタM2としては、HVTに限らずともよく、トランジスタM1を飽和動作可能とすることができるのであれば、他の種類のトランジスタを用いることもできる。
【0052】
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0053】
本開示は、特許請求の範囲に記載の発明に加え、以下のような発明を含む。
[1]
一対の直流電源線(L1、L2)間に直列接続されたコレクタ電流供給回路(2)およびバイポーラトランジスタ(3)を備え、前記コレクタ電流供給回路が前記バイポーラトランジスタのコレクタ電流を供給することにより前記バイポーラトランジスタを所定のコレクタ電流密度で動作させた際における前記バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧を基準電圧として出力する基準電源回路であって、
前記バイポーラトランジスタのベース電流を供給するベース電流供給回路(4)を備え、
前記ベース電流供給回路は、
前記一対の直流電源線間に直列接続された電流源(5)、第1MOSトランジスタ(M1)および第2MOSトランジスタ(M2)を備え、
前記第1MOSトランジスタのドレインは、前記電流源を介して前記一対の直流電源線のうち高電位側である高電位側電源線(L1)に接続されるとともに前記第2MOSトランジスタのゲートに接続され、
前記第1MOSトランジスタのゲートは、前記バイポーラトランジスタのコレクタに接続され、
前記第1MOSトランジスタのソースは、前記バイポーラトランジスタのベースおよび前記第2MOSトランジスタのドレインに接続され、
前記第2MOSトランジスタのソースは、前記一対の直流電源線のうち低電位側である低電位側電源線(L2)に接続される基準電源回路。
[2]
前記バイポーラトランジスタを第1バイポーラトランジスタとし、前記コレクタ電流供給回路を第1コレクタ電流供給回路とし、前記ベース電流供給回路を第1ベース電流供給回路とすると、
さらに、
前記一対の直流電源線間に直列接続された第2コレクタ電流供給回路(32)および第2バイポーラトランジスタ(33)と、
前記1ベース電流供給回路と同様の構成を有し、前記第2バイポーラトランジスタのベース電流を供給する第2ベース電流供給回路(34)と、
を備え、
前記第1コレクタ電流供給回路が前記第1バイポーラトランジスタのコレクタ電流を供給することにより前記第1バイポーラトランジスタを所定のコレクタ電流密度で動作させた際における前記第1バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧を第1基準電圧として出力するとともに、前記第2コレクタ電流供給回路が前記第2バイポーラトランジスタのコレクタ電流を供給することにより前記第2バイポーラトランジスタを前記第1バイポーラトランジスタとは異なるコレクタ電流密度で動作させた際における前記第2バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧を第2基準電圧として出力する[1]に記載の基準電源回路。
[3]
さらに、前記バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間に直列接続された複数の抵抗からなる分圧回路(42)を備え、
前記バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧を前記基準電圧として出力するとともに、前記バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧を前記分圧回路により分圧した分圧電圧を分圧した基準電圧である分圧基準電圧として出力し、
前記分圧回路は、その分圧比を任意の値に調整可能な構成である[1]または[2]に記載の基準電源回路。
[4]
前記分圧回路は、
相対的に大きい抵抗値の前記抵抗である第1抵抗(Rb)の直列回路からなる第1分圧回路(43)と、
相対的に小さい抵抗値の前記抵抗である第2抵抗(Rc)の直列回路からなる第2分圧回路(44)と、
を備え、
前記バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧を前記第1分圧回路により分圧した分圧電圧を第1分圧基準電圧として出力するとともに、前記バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧を前記第2分圧回路により分圧した分圧電圧を第2分圧基準電圧として出力する[3]に記載の基準電源回路。
[5]
さらに、ゲートが前記バイポーラトランジスタのコレクタに接続されるとともに、ソースが前記バイポーラトランジスタのベースに接続される電流供給用のMOSトランジスタ(M3)を備える[1]から[4]のいずれか一項に記載の基準電源回路。
[6]
前記第1MOSトランジスタおよび前記電流供給用のMOSトランジスタは、いずれもネイティブ閾値MOSトランジスタである[5]に記載の基準電源回路。
[7]
前記第1MOSトランジスタは、ネイティブ閾値MOSトランジスタである[1]から[4]のいずれか一項に記載の基準電源回路。
[8]
前記第2MOSトランジスタの閾値電圧の値は、前記第1MOSトランジスタが飽和領域で動作可能となるような値に設定されている[1]から[7]のいずれか一項に記載の基準電源回路。
【符号の説明】
【0054】
1、21、31、41…基準電源回路、2、32…電流源、3、33…BJT、4、34…ベース電流供給回路、5、35…電流源、42…分圧回路、43…第1分圧回路、44…第2分圧回路、M1、M31…第1MOSトランジスタ、M2、M32…第2MOSトランジスタ、M3…トランジスタ、Ra…抵抗、Rb…抵抗、Rc…抵抗。