(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108528
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】運行計画作成システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20240805BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012947
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小森 瑞巴
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC42
5L050CC42
(57)【要約】
【課題】送迎車両の運行計画を容易に作成可能な技術の提供。
【解決手段】イベント会場におけるイベントの開始時刻を取得するイベント情報取得部と、前記イベントに参加する利用者から、前記イベント会場の周辺に存在する駐車場の予約と、前記イベント会場に向かう送迎車両への前記駐車場における乗車人数の予約と、を受け付ける予約受付部と、前記イベントの開始時刻と、複数の利用者から受け付けた前記駐車場の予約および前記乗車人数の予約と、に基づいて、複数の前記駐車場を巡回し、前記イベントの開始時刻前に前記イベント会場に到着する前記送迎車両の数を決定し、前記送迎車両の運行計画を作成する運行計画作成部と、を備える運行計画作成システムを構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベント会場におけるイベントの開始時刻を取得するイベント情報取得部と、
前記イベントに参加する利用者から、前記イベント会場の周辺に存在する駐車場の予約と、前記イベント会場に向かう送迎車両への前記駐車場における乗車人数の予約と、を受け付ける予約受付部と、
前記イベントの開始時刻と、複数の利用者から受け付けた前記駐車場の予約および前記乗車人数の予約と、に基づいて、複数の前記駐車場を巡回し、前記イベントの開始時刻前に前記イベント会場に到着する前記送迎車両の数を決定し、前記送迎車両の運行計画を作成する運行計画作成部と、
を備える運行計画作成システム。
【請求項2】
前記運行計画作成部は、
前記乗車人数が閾値以下の前記駐車場を除く複数の前記駐車場を巡回する前記運行計画を作成する、
請求項1に記載の運行計画作成システム。
【請求項3】
前記予約受付部は、
前記イベントの開始時刻前に予約の受け付けを締め切り、
前記運行計画を、前記イベントの開始時刻前に前記利用者に対して通知する通知部をさらに備える、
請求項1または請求項2に記載の運行計画作成システム。
【請求項4】
前記運行計画は、前記駐車場で前記送迎車両に乗車する合計人数を含み、
前記合計人数を含む前記運行計画を、前記送迎車両の運転者に対して通知する通知部をさらに備える、
請求項1または請求項2に記載の運行計画作成システム。
【請求項5】
イベント会場におけるイベントの終了時刻を取得するイベント情報取得部と、
前記イベントに参加する利用者から、前記イベント会場の周辺に存在する駐車場の予約と、前記イベント会場を出発した送迎車両からの前記駐車場における降車人数の予約と、を受け付ける予約受付部と、
前記イベントの終了時刻と、複数の利用者から受け付けた前記駐車場の予約および前記降車人数の予約と、に基づいて、複数の前記駐車場を巡回し、前記イベントの終了時刻後に前記イベント会場から出発する前記送迎車両の数を決定し、前記送迎車両の運行計画を作成する運行計画作成部と、
を備える運行計画作成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運行計画作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、目的地周辺の駐車場を案内する技術が知られている。例えば、特許文献1においては、目的地周辺の第1範囲に存在する駐車場を除外して検索して検索結果を表示させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術によれば、イベント会場が目的地である場合において、イベント開始前および開始後におけるイベント会場の周辺の混雑が緩和される。しかし、イベント会場へのアクセスに負担がかかるため、駐車場を巡回する送迎車両を運行することで、利用者の負担を軽減することが考えられる。駐車場を巡回するには利用者に運行計画を伝達する必要があるが、多様な人数、駐車場の数、位置等に鑑みて、利用者を送迎可能な運行計画を人為的に作成することは困難である。
【0005】
本発明は、前記課題に鑑みなされたもので、送迎車両の運行計画を容易に作成可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の配送計画支援システムは、イベント会場におけるイベントの開始時刻を取得するイベント情報取得部と、前記イベントに参加する利用者から、前記イベント会場の周辺に存在する駐車場の予約と、前記イベント会場に向かう送迎車両への前記駐車場における乗車人数の予約と、を受け付ける予約受付部と、前記イベントの開始時刻と、複数の利用者から受け付けた前記駐車場の予約および前記乗車人数の予約と、に基づいて、複数の前記駐車場を巡回し、前記イベントの開始時刻前に前記イベント会場に到着する前記送迎車両の数を決定し、前記送迎車両の運行計画を作成する運行計画作成部と、を備える。
【0007】
すなわち、配送計画支援システムにおいては、利用者が予約した駐車場と、当該駐車場における送迎車両への乗車人数が特定される。この結果、駐車場の位置毎に、送迎車両に乗車する乗車人数が特定される。また、イベント会場におけるイベントの開始時刻が特定される。この結果、各駐車場とイベント会場との位置関係から、イベントの開始時刻に間に合うような順路、経路を特定可能になる。また、各駐車場での乗車人数から、駐車場に到達する順序や各地点間の経路に従って巡回する際に必要な送迎車両の数が特定可能であり、送迎車両の運行計画を容易に作成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】運行計画作成システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2Aは予約情報の例を示す図であり、
図2Bは運行計画情報の例を示す図であり、
図2Cはイベント会場とイベント会場の周辺の駐車場を示す図である。
【
図3】仮の運行計画作成処理を示すフローチャートである。
【
図5】運行計画決定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)運行計画作成システムの構成:
(2)仮の運行計画作成処理:
(3)予約受付処理:
(4)運行計画決定処理:
(5)他の実施形態:
【0010】
(1)運行計画作成システムの構成:
図1は、運行計画作成システム10の構成を示すブロック図である。運行計画作成システム10は、利用者端末100、運転者端末200および管理者端末300と協働するシステムである。運行計画作成システム10は、利用者端末100、運転者端末200および管理者端末300と、通信可能である。
【0011】
利用者端末100は、イベントに参加する利用者が利用する端末である。当該利用者は、イベントに参加するために、乗用車でイベント会場の周辺まで移動する利用者である。イベント会場には、イベントに参加する利用者が利用可能な駐車場が予め用意されている。利用者は、当該駐車場に乗用車を駐車させ、イベント会場の周辺を巡回する送迎車両に乗車して駐車場からイベント会場まで移動する。駐車場を利用するため、利用者は、利用者端末100を操作して予め駐車場の予約を行う。また、利用者は同乗者とともにイベントに参加する場合がある。このため、利用者は、利用者端末100を操作して予め送迎車両に乗車する乗車人数も予約する。
【0012】
運転者端末200は、送迎車両を走行させる運転者が利用する端末である。当該運転者は、イベント会場の周辺を巡回する送迎車両の運転者であり、運転者端末200を用いて運行計画を確認しながら、運行計画に従って送迎車両を走行させる。管理者端末300は、送迎車両の運行管理者が利用する端末である。当該管理者は、送迎車両の台数を増減する権限を有し、運行計画作成システム10からの当あわせに応じて送迎車両の台数の増減の可否を決定する。
【0013】
運行計画作成システム10は、利用者から駐車場および駐車場での乗車人数の予約を受け付け、当該予約に基づいて運行計画を作成するサーバ装置である。運行計画が作成されると、利用者および運転者に対して運行計画を通知する。
図1においては、利用者端末100および運転者端末200が一台ずつ示されているが、これらの端末は複数台となり得る。すなわち、複数の利用者が各利用者の端末を用いて予約を行う。また、複数台の送迎車両の各運転者が各運転者の端末を用いて送迎車両を運行する。
【0014】
利用者端末100は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部120と、通信部110と、ユーザI/F部130と、を備えている。制御部120は、図示しない記録媒体やROMに記憶された種々のプログラムを実行することができる。通信部110は、運行計画作成システム10と通信を行うための装置である。利用者端末100による運行計画作成システム10との情報の送受信は、通信部110を介して行われる。ユーザI/F部130は、ユーザの指示を入力し、また、ユーザに各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネル式のディスプレイ等の表示部、スピーカー等の出力部及びユーザによる指示の入力部を備えている。
【0015】
制御部120は、図示しないプログラムの処理により、通信部を介して運行計画作成システム10から予約画面に表示すべき情報を取得し、ユーザI/F部130の表示部に表示させる。利用者は、予約画面を視認しながらユーザI/F部130の入力部を操作して利用者が乗用車を駐車させる駐車場と、当該駐車場において送迎車両に乗車する人の乗車人数と、を含む予約情報を指定する。予約情報の入力を受け付けると、制御部120は、予約情報を運行計画作成システム10に送信する。
【0016】
運行計画作成システム10は、複数の利用者から予約情報を収集し、予約入力の締め切り後に必要に応じて仮の運行計画を修正して運行計画を確定する。確定した運行計画を示す情報は、運行計画作成システム10から利用者端末100に送信される。制御部120は、当該運行計画を示す情報をユーザI/F部130の表示部に表示させる。この結果、利用者は、予約した駐車場への送迎車両の到着時刻を知ることができる。なお、案内の態様は種々の態様であって良く、利用者が駐車すべき駐車場や当該駐車場への送迎車両の到着時刻等が案内されても良い。また、仮の運行計画の修正により、利用者が入力した予約情報と異なる駐車場に乗用車を駐車させる必要がある利用者に対しては、変更後の駐車場が案内される。
【0017】
運転者端末200は、CPU,ROM,ROM等を備える制御部220と、通信部210と、ユーザI/F部230と、を備えている。制御部220は、図示しない記録媒体やROMに記憶された種々のプログラムを実行することができる。通信部210は、運行計画作成システム10と通信を行うための装置である。運転者端末200による運行計画作成システム10との情報の送受信は、通信部210を介して行われる。ユーザI/F部230は、ユーザの指示を入力し、また、ユーザに各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネル式のディスプレイ等の表示部、スピーカー等の出力部及びユーザによる指示の入力部を備えている。
【0018】
制御部220は、図示しないプログラムの処理により、通信部を介して運行計画作成システム10から運行計画を示す情報を取得し、ユーザI/F部230の表示部に表示させる。運転者は、表示部を視認しながら自身が運転する送迎車両の運行計画を把握し、当該運行計画に従って送迎車両を運転し、駐車場を巡回して利用者をイベント会場まで連れて行く。
【0019】
管理者端末300は、CPU,ROM,ROM等を備える制御部320と、通信部310と、ユーザI/F部330と、を備えている。制御部320は、図示しない記録媒体やROMに記憶された種々のプログラムを実行することができる。通信部310は、運行計画作成システム10と通信を行うための装置である。管理者端末300による運行計画作成システム10との情報の送受信は、通信部310を介して行われる。ユーザI/F部330は、ユーザの指示を入力し、また、ユーザに各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネル式のディスプレイ等の表示部、スピーカー等の出力部及びユーザによる指示の入力部を備えている。
【0020】
制御部320は、図示しないプログラムの処理により、通信部を介して運行計画作成システム10から送迎車両の台数の増減の可否の問合せを受信する。問合せが行われると、管理者は、送迎車両の台数の増減の可否を決定し、ユーザI/F部330の入力部を操作して増減の可否を入力する。増減の可否を示す情報は、通信部310を介して運行計画作成システム10に送信される。運行計画作成システム10は、当該増減の可否に応じて運行計画を作成する。
【0021】
運行計画作成システム10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20と、記録媒体30と、通信部40と、を備えている。制御部20は、記録媒体30やROMに記憶された種々のプログラムを実行する。本実施形態の制御部20は、このプログラムの1つとして、運行計画作成プログラム21を実行する。制御部20は、運行計画作成プログラム21の処理により、利用者から予約を受け付け予約に応じた運行計画を作成する。通信部40は、利用者端末100および運転者端末200と通信を行うための装置である。運行計画作成システム10による利用者端末100、運転者端末200、管理者端末300との情報の送受信は、通信部40を介して行われる。
【0022】
記録媒体30には、イベント情報30a,地図情報30b,予約情報30c,運行計画情報30dが記録される。イベント情報30aは、イベントに関する情報であり、本実施形態においてイベント情報30aは、イベントの名称,イベント会場の位置,イベントの開始時刻および終了時刻を含んでいる。イベント情報30aが示すイベントは、当該イベントが開催されるイベント会場への利用者の送迎の対象になるイベントであり、複数のイベントが存在しても良い。
【0023】
地図情報30bは、道路区間の端点に対応するノードの位置を示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ、ノード同士を接続するリンクを示すリンクデータ、道路周辺に存在する施設を示す施設データ等を含んでいる。ここで、ノードは、交差点に対応し、リンクは、交差点から交差点までの道路区間に対応する。リンクデータには、国道、県道といった道路種別が割り当てられている。リンクデータにはリンクコストを示す情報が対応付けられる。
【0024】
施設データは、施設の名称,属性,位置等を示す情報であり、施設データが示す施設には、イベント会場と、駐車場と、が含まれる。駐車場は、乗用車を駐車可能な施設であり、施設の属性が駐車場である場合、少なくとも駐車場の位置および名称と、駐車可能な車両の数を示す情報と、イベントに参加する利用者が利用可能であるか否かを示す情報と、が施設データに含まれている。
【0025】
予約情報30cは、利用者が予約した駐車場と当該駐車場における乗車人数とを示す情報である。
図2Aは、本実施形態にかかる予約情報30cの例を示す図である。本実施形態においては、予約を行った利用者の識別情報(利用者ID)に対して駐車場の名称と、乗車人数と、利用者が参加するイベントの識別情報(イベントID)と、が対応付けられて予約情報30cが定義される。なお、
図2Aにおいて、駐車場の名称は、P1,P2等である。予約情報30cには、同一のイベントに際して駐車場を利用する複数の利用者による予約を示す情報が含まれ得る。また、予約情報30cには、異なるイベントのそれぞれについての予約を示す情報が含まれ得る。
【0026】
運行計画情報30dは、送迎車両がイベント会場の周辺に存在する駐車場を巡回する際に従うべき計画であり、種々の態様で定義可能である。本実施形態において、運行計画情報30dは、送迎車両の時刻表である。
図2Bは、運行計画情報30dの態様を説明するための図であり、
図2Bは、仮の運行計画を示している。本実施形態において、運行計画には、運行計画が確定される前の仮の運行計画が存在する。確定後の運行計画は、仮の運行計画の一部が修正されて作成される可能性があるが、情報のフォーマットは共通であるため、ここでは、両者を区別せずに運行計画情報30dを説明する。
【0027】
図2Bに示す運行計画情報30dは、開始時刻が12:30のイベントのイベント会場に、周辺の駐車場から利用者を連れてくる送迎車両の時刻表である。すなわち、イベント会場の周辺には、駐車場P1~駐車場P8が存在し、各駐車場に送迎車両が巡回する。
図2Bに示す例では、6台の送迎車両が巡回することとなっており、それぞれに第1便~第6便という便名が割り当てられている。そして、各便が各駐車場およびイベント会場に到着する時刻が決められ、イベントの識別情報が対応付けられることで運行計画情報30dが定義される。
【0028】
例えば、第1便は、駐車場P1に10:15に到着予定であり、以後、駐車場P2に10:35,駐車場P3に10:45,駐車場P4に11:05、イベント会場に11:15に到着予定である。送迎車両は、各時刻に各駐車場に到着した後に、予定された乗車人数の利用者を乗せて次の地点に向かい、最後にイベント会場に到着すると、利用者を降車させる。むろん、
図2Bに示す時刻表は一例であり、イベント会場に到着した送迎車両が再度巡回しても良いし、運行計画情報30dには、駐車場とイベント会場とを含む地点間の経路が含まれていても良い。
【0029】
本実施形態に係る運行計画には、駐車場において送迎車両に乗車する人の乗車人数が含まれる。但し、仮の運行計画においては乗車人数が未定であり、運行計画が確定すると各駐車場で送迎車両に乗車する人の合計人数も確定する。
図2Bにおいては、仮の運行計画が示されているため、各駐車場における乗車人数が未定であり、仮の値として送迎車両の最大乗員人数(60人)が対応付けられている。
【0030】
制御部20が、運行計画作成プログラム21を実行すると、制御部20は、イベント情報取得部21a,予約受付部21b,運行計画作成部21c,通知部21dとして機能する。イベント情報取得部21aは、イベント会場におけるイベントの開始時刻を取得する機能である。制御部20は、イベント情報取得部21aの機能により、イベント情報30aを参照し、運行計画作成対象のイベントの識別情報が対応付けられたイベントについて、イベントの名称,イベント会場の位置,イベントの開始時刻および終了時刻を取得する。
【0031】
予約受付部21bは、イベントに参加する利用者から、イベント会場の周辺に存在する駐車場の予約と、イベント会場に向かう送迎車両への駐車場における乗車人数の予約と、を受け付ける機能である。制御部20は、予約受付部21bの機能により、通信部40を介して利用者端末100と通信し、利用者が指定したイベントの識別情報、駐車場および当該駐車場における乗車人数を予約情報として取得する。取得した予約情報には、利用者の識別情報が対応付けられて予約情報30cとして記録媒体30に保存される。
【0032】
なお、本実施形態においては、イベントの開始時刻に応じて予約が締め切られる。具体的には、イベントの開始時刻の前日の特定時刻(例えば、21:00)に当該イベントに参加する利用者からの予約は締め切られる。予約が締め切られると、締め切り前に入力された予約に基づいて、運行計画が作成される。
【0033】
運行計画作成部21cは、イベントの開始時刻と、複数の利用者から受け付けた駐車場の予約および乗車人数の予約と、に基づいて、複数の駐車場を巡回し、イベントの開始時刻前にイベント会場に到着する送迎車両の数を決定し、送迎車両の運行計画を作成する機能である。すなわち、制御部20は、運行計画作成部21cの機能により、複数の利用者を駐車場からイベント会場に連れて行くための運行計画を作成する。運行計画は、種々の手法で実施されてよく、本実施形態において制御部20は、仮の運行計画を利用者に提示しながら予約を受け付け、予約を締め切った後に必要に応じて仮の運行計画を修正することによって運行計画を作成する。当該運行計画の作成処理は、後述する。以上の構成によれば、送迎車両の運行計画を容易に作成可能である。
【0034】
通知部21dは、利用者および運転者に走行計画を通知する機能である。本実施形態において、制御部20は、通知部21dの機能により、運行計画を、イベントの開始時刻前に利用者に対して通知する。利用者に対する通知のタイミングは、イベントの開始時刻前であれば良く、種々のタイミングであって良い。本実施形態においては、イベント開始時刻から既定時間前のタイミングで利用者に通知されることが想定されている。
【0035】
利用者に対する通知内容は、種々の内容であって良いが、本実施形態においては、運行計画としての時刻表が利用者に提供される。すなわち、制御部20は、イベント情報30aを参照し、イベント開始時刻の既定時間前になったか否か判定する。イベント開始時刻の既定時間前になった場合、制御部20は、運行計画情報30dを参照し、当該イベントのイベント会場に送迎を行うための運行計画を取得する。そして、制御部20は、当該イベントへの参加を予約した利用者に対して、当該運行計画を送信する。この結果、利用者端末100においては、ユーザI/F部130の表示部に運行計画が表示される。従って、利用者は、自身が予約した駐車場に何時までに到着すべきか知ることができる。
【0036】
なお、本実施形態においては、予約が受け付けられない利用者や、予約した駐車場と異なる駐車場に駐車する必要がある利用者が存在し得る。制御部20は、予約が受け付けられない利用者に対して、予約が受け付けられなかったことを示す情報を送信し、ユーザI/F部130の表示部に表示させる。この結果、利用者は、代替手段を考えるなどの対策をとることができる。さらに、制御部20は、予約した駐車場と異なる駐車場に駐車する必要がある利用者に対して、変更後の駐車場、乗車すべき送迎車両および運行計画を送信し、ユーザI/F部130の表示部に表示させる。この結果、利用者は、自身が駐車すべき駐車場と乗車すべき送迎車両と、乗車時刻を把握することができる。
【0037】
さらに、制御部20は、通知部21dの機能により、合計人数を含む運行計画を、送迎車両の運転者に対して通知する。すなわち、本実施形態にかかる運行計画情報30dには、各駐車場において送迎車両に乗車すべき人の合計人数が含まれている。そこで、制御部20は、運転者端末200に対して、当該合計人数を含む運行計画を送信する。この結果、運転者端末200においては、ユーザI/F部230の表示部に、各駐車場において送迎車両に乗車すべき人の合計人数を含む運行計画が表示される。従って、運転者は、自身が運転する送迎車両が各駐車場に到着すべき時刻、各駐車場で乗車させるべき利用者の数を把握することができる。このため、乗車人数を間違えて送迎車両を運行させる可能性を低減することができる。むろん、利用者が送迎車両に乗車する際には、利用者による予約の有無や予約した利用者の認証等が行われてもよい。
【0038】
(2)仮の運行計画作成処理:
次に、運行計画作成システム10により実行される仮の運行計画作成処理を説明する。仮の運行計画作成処理は、イベント毎に実行される。また、仮の運行計画作成処理は、その運行計画に従って送迎される利用者が参加するイベントについての予約が開始する前に実行される。
図3は、仮の運行計画作成処理を示すフローチャートである。当該フローチャートは、あるイベントについて仮の運行計画を作成する際に実行される処理を示している。
【0039】
仮の運行計画作成処理が開始されると、制御部20は、運行計画作成部21cの機能により、駐車場情報を取得する(ステップS100)。具体的には、制御部20は、イベント情報30aを参照し、運行計画の作成対象となるイベントのイベント会場の位置を取得する。また、制御部20は、地図情報30bを参照し、当該イベント会場の位置から既定の距離以内に存在し、イベントに参加する利用者が利用可能であることを示す情報が対応付けられた駐車場を取得する。
【0040】
図2Cにおいては、イベント会場の周辺において、このような駐車場P1~駐車場P8が取得されたことを想定した例を示している。
図2Cにおいては、イベント会場を矩形で示し、イベント会場の周辺に存在する駐車場P1~駐車場P8を黒丸で示している。
【0041】
次に、制御部20は、運行計画作成部21cの機能により、イベント開始時刻を取得する(ステップS105)。具体的には、制御部20は、イベント情報30aを参照し、運行計画の作成対象となるイベントの開始時刻を取得する。
【0042】
次に、制御部20は、運行計画作成部21cの機能により、地点間所要時間を取得する(ステップS110)。本実施形態において、送迎車両はイベント会場から遠い駐車場を先に巡回し、近い駐車場ほど後に巡回していき、最後にイベント会場に到着するルートで利用者をイベント会場に連れて行く。そこで、制御部20は、イベント会場から遠い駐車場から近い駐車場へ向けて巡回していく際の二地点間の所要時間を取得する。
【0043】
なお、遠い地域に散在する駐車場の全てに巡回すると効率が悪いため、送迎車両は予め決められた地域毎に巡回を行ってもよい。本実施形態においては、地域毎に巡回する例が想定されており、例えば、
図2Cに示す例においては、イベント会場の北側に存在する駐車場を巡回する送迎車両と、イベント会場の南側に存在する駐車場を巡回する送迎車両とに分けて運行計画が作成される。このため、
図2Cに示す例においては、駐車場P1,P2,P3,P4の順に巡回しイベント会場に到達する送迎車両と、駐車場P5,P6,P7,P8の順に巡回しイベント会場に到達する送迎車両と、のそれぞれについて運行計画が作成される。
【0044】
この例において、制御部20は、駐車場P1,P2,P3,P4の順に巡回しイベント会場に到達するルートについて、駐車場P1-P2間、駐車場P2-P3間、駐車場P3-P4間、駐車場P4-イベント会場間の所要時間を取得する。さらに、制御部20は、駐車場P5,P6,P7,P8の順に巡回しイベント会場に到達するルートについて、駐車場P5-P6間、駐車場P6-P7間、駐車場P7-P8間、駐車場P8-イベント会場間の所要時間を取得する。所要時間は種々の手法で取得されて良く、本実施形態において制御部20は、地図情報30bを参照し、リンクコストに基づいて二地点間の経路を探索し、各経路を構成する区間毎の平均旅行時間を累積することによって所要時間を取得する。
【0045】
次に、制御部20は、運行計画作成部21cの機能により、イベント開始時刻以前に到着する複数の仮の運行計画を作成する(ステップS115)。本実施形態において制御部20は、ステップS110で取得した地点間所要時間を送迎車両の巡回地域毎に累積することで最初の駐車場からイベント会場までの所要時間を取得する。例えば、
図2Cに示す例において、駐車場P1-P2間、駐車場P2-P3間、駐車場P3-P4間、駐車場P4-イベント会場間の所要時間のそれぞれが、20分、10分、20分、10分である場合、最初の駐車場P1からイベント会場までの所要時間は1時間である。
【0046】
そこで、制御部20は、イベント会場までの所要時間を要する巡回を行った後に、イベント開始時刻より前にイベント会場に到着するように、最初の駐車場P1を出発する運行計画を作成する。このため、制御部20は、まず、イベント開始時刻からマージンの時間を減じた時刻から1時間前に最初の駐車場P1を出発する仮の運行計画を作成する。
【0047】
図2Cに示す例において、イベント開始時刻が12:30、マージンが15分、イベント会場までの所要時間が1時間だとすると、制御部20は、12:30から15分を減じた12:15にイベント会場に到着する便において、最初の駐車場P1の到着時刻は11:15となる。最初の駐車場P1以降の各駐車場P2,P3,P4への到着時刻は、ステップS110で取得した所要時間によって特定される。このように、各駐車場への到着時刻が算出されると、
図2Bに示す第3便のように仮の運行計画が作成される。
【0048】
第3便についての仮の運行計画が作成されると、制御部20は、第3便において最初の駐車場P1に到着する時刻より一定時間前に最初の駐車場P1に到着する仮の運行計画を複数個生成し、第2便、第1便の仮の運行計画とする。
図2Bに示す例においては、第3便より30分前に最初の駐車場P1に到着する仮の運行計画が第2便、第3便より1時間前に最初の駐車場P1に到着する仮の運行計画が第1便である。
【0049】
巡回ルートが複数の地域に渡っている場合、制御部20は、各地域について同様の処理を行って、仮の運行計画を作成する。例えば、
図2Cに示す例においては、イベント会場の南側の地域に存在する駐車場P5~駐車場P8について、
図2Bに示すような第4便~第6便の仮の運行計画を作成する。制御部20は、以上のようにして作成した仮の運行計画に対して、各駐車場において送迎車両に乗車する合計人数(但し、仮の運行計画では未定であるため、送迎車両の最大乗員人数である60人)を対応付け、イベントの識別情報を対応付けて運行計画情報30dとして記録媒体30に保存する。
【0050】
(3)予約受付処理:
次に、運行計画作成システム10により実行される予約受付処理を説明する。各イベントの予約受付処理は、イベントの予約開始から締め切りまでの間に実行可能である。予約開始は、仮の運行計画が作成された後であれば良く、本実施形態においては、イベント開始時刻が属する日から既定の日数(例えば、1ヶ月)だけ前の日の特定時刻に予約が開始される。イベントの締め切りは、上述のように、イベントの開始時刻の前日の特定時刻である。
【0051】
利用者は、イベントの予約開始から締め切りまでの間において、利用者端末100のユーザI/F部130を操作し、予約したいイベントを指示して予約受付の要求を行う。当該要求は、イベントの識別情報とともに運行計画作成システム10に送信される。運行計画作成システム10が当該要求を受信すると、制御部20は、予約受付処理を開始する。
【0052】
図4は、予約受付処理を示すフローチャートである。予約受付処理において、制御部20は、予約受付部21bの機能により、駐車場選択画面を表示させる(ステップS200)。すなわち、制御部20は、駐車場選択画面を表示させるための情報を利用者端末100に送信し、ユーザI/F部130の表示部に当該駐車場選択画面を表示させる。
【0053】
駐車場選択画面は、イベント会場の周辺の駐車場を選択する画面である。そこで、制御部20は、イベント情報30aを参照し、利用者端末100から送信されたイベントの識別情報に対応付けられたイベント会場の位置を特定する。そして、制御部20は、地図情報30bを参照し、当該イベント会場の位置から既定の距離以内に存在し、イベントに参加する利用者が利用可能であることを示す情報が対応付けられた駐車場を取得する。そして、制御部20は、地図情報30bを参照し、これらの駐車場を示すアイコンが重畳された地図を含む駐車場選択画面を表示させるための画像データを生成し、利用者端末100に送信する。なお、本実施形態における駐車場選択画面は一例であり、他の画面構成であっても良い。例えば、仮の運行計画が表示されても良い。
【0054】
利用者端末100のユーザI/F部130の表示部に駐車場選択画面が表示されると、利用者はユーザI/F部130の入力部を操作し、自身が駐車したい駐車場を選択する。選択が行われると、選択された駐車場を示す情報が利用者端末100から運行計画作成システム10に送信される。
【0055】
そこで、制御部20は、予約受付部21bの機能により、駐車場が選択されたか否かを判定する(ステップS205)。すなわち、制御部20は、選択された駐車場を示す情報が利用者端末100から送信された場合、駐車場が選択されたと判定する。駐車場が選択されたと判定されない場合、制御部20は、ステップS200以降の処理を繰り返す。
【0056】
一方、ステップS205において、駐車場が選択されたと判定された場合、制御部20は、予約受付部21bの機能により、選択された駐車場における乗車時刻を表示する(ステップS210)。すなわち、制御部20は、運行計画情報30dを参照し、予約対象となっているイベントに関して作成済の仮の運行計画を取得し、利用者が選択した駐車場に送迎車両が到着する時刻を取得する。
図2Bに示す例であれば、同一の駐車場に対応付けられた時刻は3種存在する。例えば、駐車場P1であれば、10:15,10:45,11:15の3種の時刻が取得される。
【0057】
制御部20は、取得した時刻を乗車時刻として利用者端末100に送信する。この結果、利用者端末100のユーザI/F部130の入力部にはこれらの乗車時刻が表示される。利用者は、ユーザI/F部130の入力部を操作し、乗車時刻を選択することができる。また、所望の時刻が含まれない場合、駐車場の変更指示を入力することができる。利用者が入力を行うと、乗車時刻または駐車場の変更指示が運行計画作成システム10に送信される。
【0058】
制御部20は、予約受付部21bの機能により、駐車場の変更指示を受信したか否かを判定する(ステップS215)。駐車場の変更指示を受信したと判定された場合、制御部20は、ステップS200以降の処理を繰り返す。ステップS215において、駐車場の変更指示を受信したと判定されない場合、制御部20は、乗車時刻が選択されたか否かを判定する(ステップS220)。ステップS220で乗車時刻が選択されたと判定されない場合、制御部20は、ステップS210以降の処理を繰り返す。
【0059】
ステップS220で乗車時刻が選択されたと判定された場合、制御部20は、予約受付部21bの機能により、利用者の識別情報に駐車場と乗車時刻とイベントの識別情報を対応付けて保存する(ステップS225)。すなわち、制御部20は、予約を行った利用者の予約情報30cを記録媒体30に保存する。
【0060】
(4)運行計画決定処理:
次に、運行計画作成システム10により実行される運行計画決定処理を説明する。各イベントの運行計画決定処理は、イベントに関する予約の締め切り後、利用者への運行計画の通知タイミングより前に実行される。運行計画決定処理が開始されると、制御部20は、
図5に示す処理を実行する。
【0061】
具体的には、まず制御部20は、運行計画作成部21cの機能により、全利用者の予約情報を取得する(ステップS300)。すなわち、制御部20は、予約情報30cを参照し、運行計画の決定対象となるイベントの識別情報が対応付けられた全ての予約情報を取得する。
【0062】
次に、制御部20は、運行計画作成部21cの機能により、全ての予約の受付が可能であるか否かを判定する(ステップS305)。すなわち、制御部20は、運行計画に含まれる全ての便で累計の乗車人数が最大乗車人数を超えない場合に、全ての予約の受付が可能であると判定する。具体的には、制御部20は、運行計画情報30dを参照し、運行計画の決定対象となるイベントの識別情報が対応付けられた仮の運行計画作成処理を取得する。そして、ステップS300で取得した予約情報を参照し、各駐車場において予約された乗車人数の累計を取得する。この結果、各駐車場で送迎車両に乗車する合計人数が取得される。
【0063】
制御部20は、当該合計人数を各駐車場に対応付けて仮の運行計画を更新する。
図6Aおよび
図6Bは、各駐車場で送迎車両に乗車する合計人数が各駐車場に対応付けられた状態を示す。例えば、
図6Aに示す第1便において、駐車場P1で乗車する利用者の合計人数は10人、
図6Bに示す第2便において、駐車場P2で乗車する利用者の合計人数は3人である。
【0064】
また、制御部20は、各便の全ての駐車場で利用者が乗車した場合の合計人数を取得し、仮の運行計画に対応付ける。
図6A、
図6Bにおいては、各便のイベント会場への到着時刻の下部に全ての利用者の合計人数が示されている。例えば、
図6Aに示す例において、第1便のイベント会場の到着時刻11:15の下部に示された66人は、第1便が駐車場P1~駐車場P4で乗車させる利用者の合計人数である。
図6Aに示す例においては、第1便、第5便、第6便で送迎車両の最大乗車人数を超えている。一方、
図6Bにおいては、全ての便で送迎車両の最大乗車人数を超えていない。
【0065】
制御部20は、全ての駐車場で利用者が乗車した場合の合計人数が、最大乗車人数を超えている送迎車両が一台でも存在する場合に、全ての予約の受付が可能と判定しない。従って、
図6Aに示す例であれば、制御部20は、全ての予約の受付が可能と判定しない。全ての駐車場で利用者が乗車した場合の合計人数が、最大乗車人数を超えている送迎車両が一台も存在しない場合に、制御部20は、全ての予約の受付が可能と判定する。従って、
図6Bに示す例であれば、制御部20は、全ての予約の受付が可能と判定する。
【0066】
ステップS305において、全ての予約の受付が可能であると判定された場合、制御部20は、運行計画作成部21cの機能により、乗車人数が閾値未満の駐車場、時刻の組合せが存在するか否か判定する(ステップS310)。すなわち、乗車人数が閾値未満である場合、その時刻においてその駐車場で利用者を送迎車両で迎えに行くことが非効率であると見なされる。このため、閾値は、送迎車両の効率を決定する値として予め決められる。本実施形態において、閾値は5人である。従って、更新された運行計画において、駐車場において乗車する利用者の合計人数が5人未満である場合、乗車人数が閾値未満の駐車場、時刻の組合せが存在すると判定される。例えば、
図6Bに示す第2便において、駐車場P2で乗車する利用者の合計人数は3人であるため、
図6Bに示す例であれば、乗車人数が閾値未満の駐車場、時刻の組合せが存在すると判定される。仮に、
図6Bに示す例において、駐車場P2で乗車する利用者の合計人数が5人以上であれば、乗車人数が閾値未満の駐車場、時刻の組合せが存在すると判定されない。
【0067】
ステップS310において、乗車人数が閾値未満の駐車場、時刻の組合せが存在すると判定されない場合、制御部20は、通知部21dの機能により、運行計画を決定し、利用者に通知する(ステップS330)。すなわち、ステップS310において、乗車人数が閾値未満の駐車場、時刻の組合せが存在すると判定されずに、ステップS330が実行される場合、仮の運行計画において全ての予約を充足可能であり、かつ、過度に非効率でもない。そこで、制御部20は、仮の運行計画通り、すなわち、駐車場において予約通りの乗車人数が送迎車両に乗車するように、仮の運行計画を実行対象の運行計画とする。そして、制御部20は、当該運行計画を利用者端末100および運転者端末200に送信する。
【0068】
一方、ステップS310において、乗車人数が閾値未満の駐車場、時刻の組合せが存在すると判定された場合、制御部20は、送迎車両の増減の可否を問い合わせる(ステップS315)。具体的には、制御部20は、各駐車場における乗車人数が対応付けられた仮の運行計画を、管理者端末300に送信する。管理者端末300においては、ユーザI/F部330の表示部に当該運行計画を表示させる。
【0069】
ステップS310において、乗車人数が閾値未満の駐車場、時刻の組合せが存在すると判定された後にステップS315が実行される場合、
図6Bに示すように、駐車場と時刻との組合せの少なくとも一つにおいて、乗車人数が閾値未満である。管理者は、当該運行計画に基づいて、送迎車両を増減するか否か決定する。すなわち、乗車人数が閾値未満の駐車場、時刻の組合せが存在する場合、当該時刻に当該駐車場に送迎車両が向かうのは効率が良くない。乗車人数が閾値未満になる駐車場および時刻の組合せが複数存在する場合は、さらに効率が良くない。
【0070】
そこで、管理者は、効率を向上させるために、送迎車両を増減させるか否か判断する。管理者は送迎車両を増減させるか否か判断し、ユーザI/F部330の入力部を操作して台数を増減させるか否かを示す情報を入力する。増減させる場合、当該情報には増加する台数、減少する台数が含まれる。当該情報は、管理者端末300から運行計画作成システム10に送信される。
【0071】
台数を増減させるか否か、増減させる場合にはその台数を示す情報が運行計画作成システム10に送信されると、制御部20は、送信された情報に基づいて、送迎車両の増減があるか否か判定する(ステップS320)。ステップS320において、送迎車両の増減があると判定されない場合、制御部20は、運行計画作成部21cの機能により、仮の運行計画を修正し、この結果、予約が修正された利用者にその旨を通知し、修正を受諾するか否か問い合わせる(ステップS325)。本実施形態においては、乗車人数が閾値未満の駐車場、時刻の組合せが存在する場合、送迎車両は、当該時刻に当該駐車場に行かず、スキップする。従って、当該駐車場において当該時刻に送迎車両に乗車する予約を行った利用者は、送迎車両を利用できない。当該利用者の予約について、制御部20は、他の駐車場および時刻の組合せにおいて利用者が乗車するように運行計画を修正する。この構成によれば、過度に効率の悪い運行計画が作成されにくくすることができる。
【0072】
修正の方法には、種々の方法がある。例えば、制御部20は、最大乗車人数以下の便を選択し、その便のいずれかの駐車場および時刻を、元の予約に近い順に選択したり、ランダムに選択したりすることで利用者を代替の駐車場および時刻に振り分ける。例えば、
図6Bに示す例で第2便が駐車場P2をスキップするように運行計画を修正する際に、11:05に駐車場P2を予約した3人は、他の時刻及び駐車場、例えば、11:35に駐車場P2に到着する第3便に乗車するように運行計画が修正される。
【0073】
以上のようにして運行計画が修正されると、制御部20は、変更された予約を行った利用者の識別情報を特定し、各利用者の利用者端末100に対して修正後の駐車場および時刻を送信する。利用者端末100においては、ユーザI/F部130の表示部に予約が受け付けられず、代替の駐車場、時刻に修正されたことを示す情報と、当該修正を受諾するか否か促すメッセージが表示される。利用者は、ユーザI/F部130の入力部を操作して、修正を受諾するか否か入力する。入力結果は、運行計画作成システム10に送信される。
【0074】
制御部20は、各利用者が受諾したか否かを特定し、通知部21dの機能により、受諾しなかった利用者に予約不可を通知する(ステップS345)。具体的には、制御部20は、受諾しなかった利用者の識別情報を特定し、当該利用者が利用する利用者端末100に対して、予約が不可能であることを示す情報を送信する。利用者端末100においては、ユーザI/F部130の表示部に予約が受け付けられなかったことを示す情報を表示させる。この結果、利用者は、自身の予約が受け付けられなかったことを認識し、代替手段を検討することができる。
【0075】
なお、ステップS325の説明においては、利用者を代替の駐車場および時刻に振り分けることが想定されているが、他の駐車場および時刻の組合せにおいて利用者が乗車できる席が足りなかった場合、足りない席についての振り分けは不可能である。従って、乗車不可能な人数分の予約は、予約が不可能とされる。予約が不可能な利用者は、例えば、予約申し込みが遅い利用者から順に選択される。この場合、制御部20は、当該利用者に対してステップS325において受諾するか否かの問合せを行わず、ステップS345において、当該利用者に対して予約が不可能であることを通知する。
【0076】
次に、制御部20は、ステップS330を実行する。すなわち、制御部20は、ステップS325およびS345において修正された運行計画を実行対象の運行計画として決定する。この際、制御部20は、予約と異なる駐車場および時刻に送迎車両に乗るべき利用者に対しては、駐車場および時刻を案内する。むろん、予約と同一の駐車場および時刻に送迎車両に乗る利用者に対して、駐車場および時刻が案内されても良い。なお、予約の振り分けができなかった場合、制御部20は、仮の運行計画を、実行対象の運行計画として決定する。
【0077】
一方、ステップS320において、送迎車両の減便があると判定された場合、制御部20は、乗車人数が閾値未満の駐車場、時刻の組合せを含む便を仮の運行計画から削除する。例えば、
図6Bに示す例であれば、第2便が削除される。この場合、制御部20は、減少した車両を予約した利用者に代替車両を通知し、受諾するか否か問合せを行う(ステップS335)。すなわち、送迎車両が減便されると、減便された送迎車両を予約していた利用者は、他の便で送迎が行われるように運行計画が修正される。
【0078】
修正の方法には、種々の方法がある。例えば、制御部20は、最大乗車人数以下の便を選択し、その便のいずれかの駐車場および時刻を、元の予約に近い順に選択したり、ランダムに選択したりすることで利用者を代替の駐車場および時刻に振り分ける。例えば、
図6Bに示す例で第2便が減便された場合、制御部20は、第2便を予約した利用者毎の乗車人数を特定し、当該乗車人数毎に、他の駐車場および時刻に移動させて運行計画を修正する。以上の修正において最大乗車人数を超えてしまうなど、修正が不可能な場合、制御部20は、予約申し込みが遅い利用者から順に予約が不可能であると見なす。
【0079】
以上のようにして運行計画が修正されると、制御部20は、第2便を予約した利用者の識別情報を特定し、各利用者の利用者端末100に対して修正後の駐車場および時刻を送信する。利用者端末100においては、ユーザI/F部130の表示部に予約が受け付けられず、代替の駐車場、時刻に修正されたことを示す情報と、当該修正を受諾するか否か促すメッセージが表示される。利用者は、ユーザI/F部130の入力部を操作して、修正を受諾するか否か入力する。入力結果は、運行計画作成システム10に送信される。
【0080】
制御部20は、各利用者が受諾したか否かを特定し、通知部21dの機能により、受諾しなかった利用者に予約不可を通知する(ステップS345)。具体的には、制御部20は、受諾しなかった利用者の識別情報を特定し、当該利用者が利用する利用者端末100に対して、予約が不可能であることを示す情報を送信する。利用者端末100においては、ユーザI/F部130の表示部に予約が受け付けられなかったことを示す情報を表示させる。この結果、利用者は、自身の予約が受け付けられなかったことを認識し、代替手段を検討することができる。
【0081】
なお、本実施形態においては、乗車人数が閾値未満の駐車場、時刻の組合せを含む便を仮の運行計画から削除することとしているが、他の便を削除して予約の振り分けを行ってもよい。さらに、減便した便の予約を他の便に振り分ける際に、利用者が乗車できる席が足りなかった場合、足りない席についての振り分けは不可能である。従って、乗車不可能な人数分の予約は、予約が不可能とされる。予約が不可能な利用者は、例えば、予約申し込みが遅い利用者から順に選択される。この場合、制御部20は、当該利用者に対してステップS325において受諾するか否かの問合せを行わず、ステップS345において、当該利用者に対して予約が不可能であることを通知する。
【0082】
次に、制御部20は、ステップS330を実行する。すなわち、制御部20は、ステップS335で修正した運行計画を実行対象の運行計画として決定する。また、制御部20は、ステップS335の通知に応じて受諾を行った利用者と、減便対象ではなかった便を予約していた利用者と、の識別情報を特定する。そして、制御部20は、これらの利用者が利用する利用者端末100に対して、決定された運行計画を送信する。また、実行対象の運行計画に含まれる送迎車両の運転者が利用する運転者端末200に対して、決定された運行計画を送信する。この際、制御部20は、予約と異なる駐車場および時刻に送迎車両に乗るべき利用者に対しては、駐車場および時刻を案内する。むろん、予約と同一の駐車場および時刻に送迎車両に乗る利用者に対して、駐車場および時刻が案内されても良い。
【0083】
一方、ステップS320において、送迎車両の増便があると判定された場合、制御部20は、乗車人数が閾値未満の駐車場、時刻の組合せを含む便を仮の運行計画において、当該駐車場、時刻の組合せをスキップするように仮の運行計画を修正する。例えば、
図6Bに示す例であれば、第2便において駐車場P2がスキップされる。この場合、制御部20は、スキップされる時刻および駐車場を予約していた利用者を増加した車両に割り当てるように運行計画を修正する。そして、制御部20は、割り当てられた利用者に通知し、受諾するか否か問合せを行う(ステップS340)。すなわち、送迎車両が増便される場合、スキップされる駐車場および時刻の組合せを予約していた利用者は、増加した車両で送迎が行われるように運行計画が修正される。このような増便は、乗車人数が閾値未満の駐車場、時刻の組合せが多数存在する場合に選択され得る。
【0084】
以上のようにして運行計画が修正されると、制御部20は、増加した車両に割り当てられた利用者が利用する利用者端末100に対して駐車場および時刻を送信し、修正後の予約と、当該修正を受諾するか否か促すメッセージを表示させる(ステップS340)。利用者は、修正を受諾するか否か入力する。制御部20は、ステップS345において、各利用者が受諾したか否かを特定し、通知部21dの機能により、受諾しなかった利用者に予約不可を通知する。この結果、利用者は、自身の予約が受け付けられなかったことを認識し、代替手段を検討することができる。次に、制御部20は、ステップS330を実行する。すなわち、制御部20は、ステップS340およびS345において修正された運行計画を実行対象の運行計画として決定し、利用者に通知する。この際、制御部20は、予約と異なる駐車場および時刻に送迎車両に乗るべき利用者に対しては、駐車場および時刻を案内する。むろん、予約と同一の駐車場および時刻に送迎車両に乗る利用者に対して、駐車場および時刻が案内されても良い。
【0085】
一方、ステップS305において、全ての予約の受付が可能であると判定されない場合、制御部20は、ステップS310をスキップしてS315を実行し、管理者端末300に仮の運行計画を表示させ、車両増減の可否を問い合わせる。ステップS305において、全ての予約の受付が可能であると判定された後にステップS315が実行される場合、
図6Aに示すように、少なくとも1つの便で最大乗車人数を超える予約が受け付けられている。
【0086】
管理者は、ステップS315の問合せに応じ、仮の運行計画に基づいて、送迎車両を増減するか否か決定する。すなわち、全ての予約の受付が可能ではない場合、少なくとも1便の送迎車両で最大乗車人数を超える予約が存在する。従って、送迎車両を増便させることができれば、最大乗車人数を超えた予約も受け付け可能になる可能性が高まる。一方、最大乗車人数を超える便が存在する場合であっても、利用者が予約した駐車場および時刻の組合せを修正すれば、便の増減が不要となる場合や、減便が可能となる場合がある。
【0087】
制御部20は、ステップS320において管理者による増減の決定結果を特定する。ステップS320において、送迎車両の増減があると判定されない場合、制御部20は、運行計画作成部21cの機能により、仮の運行計画を修正し、この結果、予約が修正された利用者にその旨を通知し、修正を受諾するか否か問い合わせる(ステップS325)。本実施形態において制御部20は、少なくとも1便の送迎車両で最大乗車人数を超える予約が存在する場合、最大乗車人数を超えている送迎車両において利用者の数が最大乗車人数以下となるまで利用者を抽出する。本実施形態においては、予約申し込みが遅い利用者から優先的に抽出される。
【0088】
抽出後に、空席がある送迎車両が存在しなければ、抽出された利用者は予約不可能と見なされる。また、空席がある送迎車両が存在すれば、抽出された利用者の中から予約申し込みが早い順に空席への振り分けを行う。振り分けの結果、振り分け可能な空席がなくなったら、残りの利用者は予約不可能と見なされる。振り分けや予約不可能な利用者の決定が行われると、制御部20は、その結果に応じて仮の運行計画を修正する。
【0089】
以上のようにして運行計画が修正されると、制御部20は、変更された予約を行った利用者の利用者端末100に対して修正後の駐車場および時刻を送信し、当該修正を受諾するか否か促すメッセージを表示させる。利用者は、修正を受諾するか否か回答する。
【0090】
制御部20は、ステップS345において、各利用者が受諾したか否かを特定し、通知部21dの機能により、受諾しなかった利用者に予約不可を通知する。この結果、利用者は、自身の予約が受け付けられなかったことを認識し、代替手段を検討することができる。次に、制御部20は、ステップS330を実行する。すなわち、制御部20は、ステップS325およびS345において修正された運行計画を実行対象の運行計画として決定し、利用者に通知する。この際、制御部20は、予約と異なる駐車場および時刻に送迎車両に乗るべき利用者に対しては、駐車場および時刻を案内する。むろん、予約と同一の駐車場および時刻に送迎車両に乗る利用者に対して、駐車場および時刻が案内されても良い。
【0091】
一方、ステップS320において、送迎車両の減便があると判定された場合、制御部20は、管理者に指定された台数の送迎車両を仮の運行計画から削除する。ステップS305において、全ての予約の受付が可能であると判定されない場合であっても、特定の便に空席が過度に多い場合には、減便されることがあり得る。なお、減便される送迎車両は管理者に指定されても良いし、最も空席が多い送迎車両が選択されてもよい。さらに、制御部20は、減便後に残った送迎車両から最大乗車人数を超えている送迎車両を選択し、当該送迎車両において利用者の数が最大乗車人数以下となるまで利用者を抽出する。本実施形態においては、予約申し込みが遅い利用者から優先的に抽出される。
【0092】
抽出後に、空席がある送迎車両が存在しなければ、抽出された利用者および減便された送迎車両を予約していた利用者は予約不可能と見なされる。また、空席がある送迎車両が存在すれば、抽出された利用者および減便された送迎車両を予約していた利用者の中から予約申し込みが早い順に空席への振り分けを行う。振り分けの結果、振り分け可能な空席がなくなったら、残りの利用者は予約不可能と見なされる。振り分けや予約不可能な利用者の決定が行われると、制御部20は、その結果に応じて仮の運行計画を修正する。
【0093】
以上のようにして運行計画が修正されると、制御部20は、修正された利用者の利用者端末100に対して修正後の駐車場および時刻を送信し、修正後の予約と、当該修正を受諾するか否か促すメッセージを表示させる(ステップS335)。利用者は、修正を受諾するか否か入力する。制御部20は、ステップS345において、各利用者が受諾したか否かを特定し、通知部21dの機能により、受諾しなかった利用者に予約不可を通知する。この結果、利用者は、自身の予約が受け付けられなかったことを認識し、代替手段を検討することができる。次に、制御部20は、ステップS330を実行する。すなわち、制御部20は、ステップS335およびS345において修正された運行計画を実行対象の運行計画として決定し、利用者に通知する。この際、制御部20は、予約と異なる駐車場および時刻に送迎車両に乗るべき利用者に対しては、駐車場および時刻を案内する。むろん、予約と同一の駐車場および時刻に送迎車両に乗る利用者に対して、駐車場および時刻が案内されても良い。
【0094】
一方、ステップS320において、送迎車両の増便があると判定された場合、制御部20は、仮の運行計画を修正し、送迎車両を増加させる。例えば、
図6Aに示す例であれば、第7便以降の便が追加される。この場合、制御部20は、仮の運行計画における送迎車両から最大乗車人数を超えている送迎車両を選択し、当該送迎車両において利用者の数が最大乗車人数以下となるまで利用者を抽出する。本実施形態においては、予約申し込みが遅い利用者から優先的に抽出される。
【0095】
制御部20は、抽出された利用者を増便された送迎車両に割り当てるように運行計画を修正する。以上のようにして運行計画が修正されると、制御部20は、増加した車両に割り当てられた利用者が利用する利用者端末100に対して駐車場および時刻を送信し、修正後の予約と、当該修正を受諾するか否か促すメッセージを表示させる(ステップS340)。利用者は、修正を受諾するか否か入力する。制御部20は、ステップS345において、各利用者が受諾したか否かを特定し、通知部21dの機能により、受諾しなかった利用者に予約不可を通知する。この結果、利用者は、自身の予約が受け付けられなかったことを認識し、代替手段を検討することができる。次に、制御部20は、ステップS330を実行する。すなわち、制御部20は、ステップS340およびS345において修正された運行計画を実行対象の運行計画として決定し、利用者に通知する。この際、制御部20は、予約と異なる駐車場および時刻に送迎車両に乗るべき利用者に対しては、駐車場および時刻を案内する。むろん、予約と同一の駐車場および時刻に送迎車両に乗る利用者に対して、駐車場および時刻が案内されても良い。以上のように、本実施形態において制御部20は、仮の運行計画を利用者に提示し、利用者から受け付けた予約に基づいて、管理者に仮の運行計画から送迎車両を増減させるか否か問い合わせる。管理者から送迎車両の増減の希望を受け付けると、制御部20は、希望に従って、増減させ、または増減を行わず、送迎車両の台数を決定する。そして、制御部20は、決定した台数の送迎車両で予約を可能な限り充足するように運行計画を作成する。
【0096】
(5)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば上述の実施形態を構成する各装置は、より多数の装置で構成されても良い。このような例としては、
図1に示す運行計画作成システム10がクラウドサーバによって実現される構成が挙げられる。さらに、より少数の装置によって運行計画作成システム10が実現されても良い。例えば、管理者端末300と運行計画作成システム10とは一体の装置であっても良い。さらに、運行計画作成システム10を構成する各部(イベント情報取得部21a、予約受付部21b、運行計画作成部21c、通知部21d)の少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在してもよい。また、上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。
【0097】
さらに、上述の実施形態は、イベント開始時刻以前に利用者を駐車場からイベント会場に連れて行く構成であるが、イベント終了時刻以後に利用者をイベント会場から駐車場に連れて行く構成が採用されてもよい。このような構成は、例えば、
図1と同様な構成において、制御部20が実行する処理の一部を変更することによって実現可能である。具体的には、制御部20は、予約受付部21bにおいて、イベント会場の周辺に存在する駐車場の予約と、イベント会場を出発した送迎車両からの駐車場における降車人数の予約と、を受け付ける。なお、行き帰りまとめて予約可能にするのであれば、駐車場の予約と降車人数の予約は、イベント開始前の駐車場の予約と乗車人数の予約と同一であっても良い。
【0098】
運行計画作成部21cは、仮の運行計画を作成し、予約に応じて修正することで運行計画を作成することができる。すなわち、仮の運行計画は
図2Bに示す例と進行方向が逆になり、イベントの終了時刻より後にイベント会場を出発し、例えば、駐車場P4,P3,P2,P1の順に巡回する便や駐車場P8,P7,P6,P4の順に巡回する便が仮の運行計画となる。ここでも、同一駐車場に異なる時間に到着する複数の便が存在しても良い。そして、利用者の予約が締め切られた後に、制御部20が
図5と同様の処理を実行すれば、仮の運行計画から実行対象の運行計画を作成することができる。
【0099】
イベント開始前の運行計画を作成する構成において、イベント情報取得部は、イベント会場におけるイベントの開始時刻を取得することができればよい。すなわち、イベント情報取得部は、利用者がイベントの開始時刻に間に合うように運行計画を作成するための情報を取得できれば良い。イベント会場は、利用者が参加するイベントが開催される会場であり、各種の建築物等であっても良いし、公園や海などの特定の範囲であっても良い。
【0100】
むろん、イベントの種類や規模等は限定されない。イベントの開始時刻は、利用者がイベントの開始に間に合うような運行計画を作成するための指標になれば良く、各種の定義が可能である。例えば、イベント会場の開場時刻と、開演時刻とが、分かれて決められている場合、開始時刻はそのいずれかであっても良いし、双方であっても良い。また、これらの時刻にマージンが設けられて開始時刻が定義されても良い。いずれにしても、開演に間に合うように開始時刻が定義され、運行計画が作成されれば良い。
【0101】
予約受付部は、イベントに参加する利用者から、イベント会場の周辺に存在する駐車場の予約と、イベント会場に向かう送迎車両への駐車場における乗車人数の予約と、を受け付けることができればよい。すなわち、予約受付部は、利用者から予約を受け付けることにより、利用者が送迎車両に乗車する駐車場およびその駐車場において送迎車両に乗車する乗車人数(すなわち、車両の同乗者を含む合計人数)を取得することができればよい。
【0102】
駐車場は、イベント会場の周辺に存在すれば良く、例えば、イベント会場から所定距離以内の範囲に存在すれば良いが、イベント会場から第1距離より遠く、第2距離より近い範囲に存在していてもよい。また、駐車場は、利用者が乗用車等を駐車させることが可能な場所であれば良く、駐車可能な台数は限定されないが、送迎車両が巡回するため、ある程度の規模があることが好ましい。例えば、駐車可能な台数が閾値以上の駐車場が予約の対象となっても良い。また、駐車場は、車両を駐車可能な任意の場所であっても良いし、特定の場所、例えば、送迎車両の巡回先の候補となり得ることが予め決まっている提携駐車場であっても良い。
【0103】
乗車人数は、駐車場を予約した利用者とともに送迎車両に搭乗する人の合計数であればよく、多くの場合、利用者が駐車場に駐車させた車両に乗っていた人の合計である。予約受付部は、利用者から予約を受け付け、運行計画が作成される際に参照できるように、予約内容を示す情報を記憶媒体に保存しておけば良い。
【0104】
運行計画作成部は、イベントの開始時刻と、複数の利用者から受け付けた駐車場の予約および乗車人数の予約と、に基づいて、複数の駐車場を巡回し、イベントの開始時刻前にイベント会場に到着する送迎車両の数を決定し、送迎車両の運行計画を作成することができればよい。すなわち、運行計画作成部は、送迎車両によって、駐車場を予約した利用者をイベントの開始時刻前にイベント会場まで連れて行くことできるように運行計画を作成することができればよい。なお、運行計画は、全ての利用者をイベントの開始時刻前にイベント会場まで連れて行くことできるであることが好ましいが、上述の実施形態のように、送迎車両の運搬可能人数を超える場合には、一部の利用者の予約を受け付けないように構成されても良い。むろん、送迎車両の運搬可能人数を超えるような予約を受け付けないような構成でもよい。さらに、運行計画を作成するための処理は、上述の実施形態のような処理に限定されず、公知のアルゴリズムによってVRP(Vehicle Routing Problem)を解くなどして運行計画が作成されても良い。
【0105】
以上のようなシステム及びプログラムは、単独の装置として実現される場合もあれば、複数の装置で共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、システムの一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0106】
10…運行計画作成システム、20…制御部、21…運行計画作成プログラム、21a…イベント情報取得部、21b…予約受付部、21c…運行計画作成部、21d…通知部、30…記録媒体、30a…イベント情報、30b…地図情報、30c…予約情報、30d…運行計画情報、40…通信部、100…利用者端末、110…通信部、120…制御部、130…ユーザI/F部、200…運転者端末、210…通信部、220…制御部、230…ユーザI/F部、300…管理者端末、310…通信部、320…制御部、330…ユーザI/F部