(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108568
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】ゲーム支援装置、ゲーム支援システム、ゲーム支援方法、プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
A63F 13/798 20140101AFI20240805BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20240805BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20240805BHJP
【FI】
A63F13/798
A63F13/80 A
A63F13/53
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012999
(22)【出願日】2023-01-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-10
(71)【出願人】
【識別番号】598138327
【氏名又は名称】株式会社ドワンゴ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】小田桐 優理
(57)【要約】
【課題】各遊戯者が実施する戦略タイプを選択して評価情報を取得することが可能なゲーム支援装置、ゲーム支援システム、ゲーム支援方法、プログラム、及び記録媒体を提供する。
【解決手段】ゲームの各局面において全ての遊戯者が知り得る第1情報、及び第1遊戯者のみが知り得る第2情報を取得する牌譜情報取得部11と、各遊戯者が実行する戦略タイプを取得する戦略情報取得部12と、第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報に基づいて、ゲームの開始後の第1局面において第1遊戯者が知り得ない第1局面に関する他の遊戯者に関する情報である他者情報を生成する生成部14と、他者情報を用いて、第1局面以降の少なくとも一つの局面を予測する予測部15と、予測した局面の集計結果に基づいた評価情報を提示する提示部17を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊戯者が局面を変化させる手を選択することを順次繰り返して勝敗を競うゲームを支援するゲーム支援装置であって、
前記ゲームの各局面において全ての遊戯者が知り得る第1情報、及び第1遊戯者のみが知り得る第2情報を取得するゲーム情報取得部と、
各遊戯者が実行する戦略情報を取得する戦略情報取得部と、
前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報に基づいて、前記ゲームの開始後の任意の局面において前記第1遊戯者が知り得ない前記任意の局面に関する他の遊戯者に関する情報である他者情報を生成する生成部と、
前記他者情報を用いて、前記任意の局面以降の少なくとも一つの局面を予測する予測部と、
前記予測した局面の集計結果に基づいた評価情報を提示する提示部と、
を備えるゲーム支援装置。
【請求項2】
前記予測部は、前記任意の局面からゲーム終了までの各局面を予測する
請求項1に記載のゲーム支援装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記他者情報を複数生成し、
前記予測部は、各他者情報のそれぞれに対して複数通りの局面を予測する
請求項1または2に記載のゲーム支援装置。
【請求項4】
前記ゲーム支援装置は、ネットワークを経由して遊戯者端末に接続されており、
前記任意の局面は、前記遊戯者端末を操作するユーザにより設定される局面である
請求項1または2に記載のゲーム支援装置。
【請求項5】
前記戦略情報は複数設定されており、前記戦略情報取得部は、複数の前記戦略情報のうちのいずれかを取得する
請求項1または2に記載のゲーム支援装置。
【請求項6】
前記予測部による予測結果に基づき、前記ゲームの途中経過または結果を評価した評価情報を算出する算出部、を更に備え、
前記提示部は、前記評価情報を提示する
請求項1または2に記載のゲーム支援装置。
【請求項7】
ゲーム支援装置と、前記ゲーム支援装置に接続された少なくとも一つのユーザ端末とを備え、前記ゲーム支援装置が、複数の遊戯者が局面を変化させる手を選択することを順次繰り返して勝敗を競うゲームにおいて、前記ユーザ端末を操作する一の遊戯者を支援するゲーム支援システムであって、
前記ゲーム支援装置は、
前記ゲームの各局面において全ての遊戯者が知り得る第1情報、及び第1遊戯者のみが知り得る第2情報を取得するゲーム情報取得部と、
各遊戯者が実行する戦略情報を取得する戦略情報取得部と、
前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報に基づいて、前記ゲームの開始後の任意の局面において前記第1遊戯者が知り得ない前記任意の局面に関する他の遊戯者に関する情報である他者情報を生成する生成部と、
前記他者情報を用いて、前記任意の局面以降の少なくとも一つの局面を予測する予測部と、
前記予測した局面の集計結果に基づいた評価情報を提示する提示部と、
を備えるゲーム支援システム。
【請求項8】
複数の遊戯者が局面を変化させる手を選択することを順次繰り返して勝敗を競うゲームを支援するゲーム支援方法であって、
前記ゲームの各局面において全ての遊戯者が知り得る第1情報、及び第1遊戯者のみが知り得る第2情報を取得するステップと、
各遊戯者が実行する戦略情報を取得するステップと、
前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報に基づいて、前記ゲームの開始後の任意の局面において前記第1遊戯者が知り得ない前記任意の局面に関する他の遊戯者に関する情報である他者情報を生成するステップと、
前記他者情報を用いて、前記任意の局面以降の少なくとも一つの局面を予測するステップと、
前記予測した局面の集計結果に基づいた評価情報を提示するステップと、
を備えるゲーム支援方法。
【請求項9】
複数の遊戯者が局面を変化させる手を選択することを順次繰り返して勝敗を競うゲームを支援するゲーム支援プログラムであって、
前記ゲームの各局面において全ての遊戯者が知り得る第1情報、及び第1遊戯者のみが知り得る第2情報を取得するステップと、
各遊戯者が実行する戦略情報を取得するステップと、
前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報に基づいて、前記ゲームの開始後の任意の局面において前記第1遊戯者が知り得ない前記任意の局面に関する他の遊戯者に関する情報である他者情報を生成するステップと、
前記他者情報を用いて、前記任意の局面以降の少なくとも一つの局面を予測するステップと、
前記予測した局面の集計結果に基づいた評価情報を提示するステップ
をコンピュータに実行させるゲーム支援プログラム。
【請求項10】
複数の遊戯者が局面を変化させる手を選択することを順次繰り返して勝敗を競うゲームを支援するゲーム支援プログラムを記録した記録媒体であって、
前記ゲームの各局面において全ての遊戯者が知り得る第1情報、及び第1遊戯者のみが知り得る第2情報を取得するステップと、
各遊戯者が実行する戦略情報を取得するステップと、
前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報に基づいて、前記ゲームの開始後の任意の局面において前記第1遊戯者が知り得ない前記任意の局面に関する他の遊戯者に関する情報である他者情報を生成するステップと、
前記他者情報を用いて、前記任意の局面以降の少なくとも一つの局面を予測するステップと、
前記予測した局面の集計結果に基づいた評価情報を提示するステップ
をコンピュータに実行させるゲーム支援プログラムを記録した記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲーム支援装置、ゲーム支援システム、ゲーム支援方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
麻雀ゲーム、カードゲームなどの不完全情報ゲーム、及び将棋、チェスなどの完全情報ゲームの進行を遊戯者が学習するためのゲーム支援装置が提案されている。
【0003】
特許文献1には、ゲーム進行中の任意の局面である第1局面において、全ての遊戯者が知り得る第1情報、及び第1遊戯者のみが知り得る第2情報を取得し、これらの情報を用いて、第1遊戯者が第1局面において実行すべき手の候補を評価し、その評価情報を第1遊戯者に提示することが開示されている。第1遊戯者は、提示された評価情報を参考にして自身が実行すべき手を学習し、ゲームの実力を向上させることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、第1遊戯者及び他の遊戯者がどのような戦略タイプで遊戯するのかを選択することについて開示されていない。例えば、他の遊戯者がリスクを背負ってでも強気に勝負するタイプであるのか、或いは、安全性を考慮して勝負するのをやめるタイプであるのか、などの戦略タイプを選択することができない。このため、学習の範囲が限定的になってしまうという問題があった。
【0006】
本開示は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、各遊戯者が実施する戦略情報を選択して評価情報を取得することが可能なゲーム支援装置、ゲーム支援システム、ゲーム支援方法、プログラム、及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の一態様のゲーム支援装置は、複数の遊戯者が局面を変化させる手を選択することを順次繰り返して勝敗を競うゲームを支援するゲーム支援装置であって、前記ゲームの各局面において全ての遊戯者が知り得る第1情報、及び第1遊戯者のみが知り得る第2情報を取得するゲーム情報取得部と、各遊戯者が実行する戦略情報を取得する戦略情報取得部と、前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報に基づいて、前記ゲームの開始後の任意の局面において前記第1遊戯者が知り得ない前記任意の局面に関する他の遊戯者に関する情報である他者情報を生成する生成部と、前記他者情報を用いて、前記任意の局面以降の少なくとも一つの局面を予測する予測部と、前記予測した局面の集計結果に基づいた評価情報を提示する提示部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、各遊戯者が実施する戦略情報を選択して評価情報を取得することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係るゲーム支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るゲーム支援装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、ユーザが入力する第1情報、及び第2情報を示す説明図である。
【
図4】
図4は、
図3に示した第1情報、及び第2情報に基づいて生成される他の遊戯者の手牌を示す説明図である。
【
図5】
図5は、選択画像D1の例を示す説明図である。
【
図6A】
図6Aは、予測モデルで予測された牌譜の候補を表示するリストボックスの例を示す説明図である。
【
図6B】
図6Bは、手牌生成モデルで生成された複数の「相手の手牌」の候補を表示するリストボックスの例を示す説明図である。
【
図6C】
図6Cは、戦略タイプの候補を表示するリストボックスの例を示す説明図である。
【
図7A】
図7Aは、予測モデルにより生成された牌譜の例を示す説明図である。
【
図7B】
図7Bは、
図7Aに示した牌譜において、他の遊戯者の手牌を非表示としたときの例を示す説明図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係るゲーム支援システムの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本開示の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本開示の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本開示の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0011】
図1は、実施形態に係るゲーム支援システムの構成を示すブロック図である。本実施形態ではゲームの一例として不完全情報ゲームである麻雀ゲームを例に挙げて説明する。麻雀ゲームは、複数の遊戯者が局面を変化させる手を選択することを順次繰り返して勝敗を競うゲームである。ゲーム支援システムは、麻雀ゲームを支援するゲーム支援装置を含む。なお、本開示は、カードゲームなどの麻雀ゲーム以外の不完全情報ゲーム、及び将棋、チェスなどの完全情報ゲームについても適用することが可能である。
【0012】
図1に示すように実施形態に係るゲーム支援システムは、ゲームサーバ100に組み込まれたゲーム支援装置1、及び複数(図では4つ)の遊戯者端末2、2A、2B、2C(ユーザ端末)を備えている。ゲームサーバ100は、ネットワーク3を経由して各遊戯者端末2、2A、2B、2Cに接続されている。ゲーム支援装置1は、ゲームサーバ100とは別の装置であってもよいし、遊戯者端末に組み込まれてもよい。本実施形態では、ユーザpが遊戯者端末2を操作して、麻雀ゲームのシミュレーションを実施する例について説明する。
【0013】
以下では、ユーザpが遊戯者端末2を操作して麻雀ゲームにおける任意の局面(これを「第1局面」という)の牌譜を入力し、この第1局面から麻雀ゲームが終了するまでの各遊戯者の手をオンラインによりシミュレーションする例について説明する。
【0014】
麻雀ゲームにおける「局面」とは、麻雀ゲームの進行中において、各遊戯者(例えば、4人の遊戯者)が手を選択したときの、場の状況を指す。例えば、南家が5巡目に牌を自模ったときの場の状況、打牌したときの場の状況、などを全て「局面」と呼ぶ。「牌譜」とは、ある局面における牌の情報を指す。
【0015】
麻雀ゲームにおける「手」とは、麻雀ゲームの進行に伴って遊戯者が実施する行為を指す。例えば、牌を自摸る、打牌する、鳴く(ポン、チー、カン)、和了する、などの行為を指す。
【0016】
図1に示す遊戯者端末2を操作するユーザpが、麻雀ゲームを実施する一人の遊戯者(以下、「第1遊戯者P1」という)であるものとする。麻雀ゲームにおける他の3人の遊戯者を、「他の遊戯者P2~P4」という。なお、他の遊戯者は3人に限定されるものではなく、1人、2人であってもよい。
【0017】
以下では、麻雀ゲームで使用される牌のうち、萬子(マンズ)を「○マン」、筒子(ピンズ)を「○ピン」、索子(ソウズ)を「○ソウ」と表記する。
【0018】
図2は、ゲーム支援装置1の詳細な構成を示すブロック図である。
図2に示すようにゲーム支援装置1は、牌譜情報取得部11(ゲーム情報取得部)と、戦略情報取得部12と、ゲーム情報記憶部13と、生成部14と、予測部15と、算出部16と、提示部17、を備えている。
【0019】
ゲーム支援装置1が備える各部は、演算処理装置、記憶装置等を備えたコンピュータにより構成して、各部の処理がプログラムによって実行されるものとしてもよい。このプログラムはゲーム支援装置1が備える記憶装置に記憶されており、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどの記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0020】
牌譜情報取得部11は、ユーザpが入力した第1局面における牌譜を取得する。ユーザpが遊戯者端末2を操作して麻雀ゲームの任意の局面における牌譜を入力すると、この牌譜はネットワーク3を経由してゲームサーバ100に送信される。牌譜情報取得部11は、ゲームサーバ100に送信された牌譜を取得する。
【0021】
図3は、ユーザpが入力した第1局面における牌譜の例を示す説明図である。牌譜には、全ての遊戯者(第1遊戯者P1及び他の遊戯者P2~P4)が知り得る第1情報、及び第1遊戯者P1のみが知り得る第2情報が含まれる。即ち、牌譜情報取得部11は、麻雀ゲームの各局面において全ての遊戯者が知り得る第1情報、及び第1遊戯者のみが知り得る第2情報を取得するゲーム情報取得部の一例である。
【0022】
第1情報は、麻雀ゲーム進行中におけるある局面における河、副露の情報を含む。「河」とは、
図3の符号q1~q4に示すように麻雀ゲームを実施する各遊戯者P1~P4の捨牌を指す。「副露」とは、符号ra1に示すように各遊戯者P1~P4がポン、チー、カンにより露出した牌を指す。これらの情報は全ての遊戯者P1~P4に対して露出されるので、全ての遊戯者が知り得る情報である。
【0023】
第2情報は、麻雀ゲーム進行中のある局面における手牌を含む。「手牌」とは、
図3の符号r1に示すように遊戯者P1のみが知り得る情報であり、例えば13個の牌である。他の遊戯者P2~P4は、第1遊戯者P1の手牌r1を知ることができない。また、第1遊戯者P1は、他の遊戯者P2~P4の手牌r2~r4を知ることができない。
【0024】
遊戯者端末2を操作するユーザpは、任意の局面の牌譜を入力することができる。例えば、ユーザpが過去にオンラインの麻雀ゲームで実施した任意の局面における牌譜を入力することができる。
【0025】
また、ユーザpが牌譜を適宜設定して入力することも可能である。即ち、実際に行われた麻雀ゲームの局面ではなく、ユーザpが第1局面の牌譜を適宜設定することも可能である。
【0026】
図2に戻って、戦略情報取得部12は、ユーザpが入力する戦略タイプ(戦略情報)を取得する。ユーザが遊戯者端末2を操作して、第1遊戯者P1及び他の遊戯者P2~P4が実行する戦略タイプを入力すると、この戦略タイプはネットワーク3を経由してゲームサーバ100に送信される。戦略情報取得部12は、ゲームサーバ100に送信された戦略タイプを取得する。即ち、戦略情報取得部12は、各遊戯者P1~P4が実行する戦略情報(戦略タイプ)を取得する。
【0027】
本実施形態では、戦略タイプとして、「第1タイプ」、「第2タイプ」、「第3タイプ」、「第4タイプ」の4つが設定されている場合を例に挙げて説明する。なお、本実施形態では、戦略情報として、上記した第1~第4タイプの4つの戦略タイプを用いる例について説明するが、上記以外の戦略情報を採用してもよい。
【0028】
「第1タイプ」は、門前(メンゼン)を基本として進行する戦略タイプ、即ちポン、チーなどの副露を多用せずにゲームを進行する戦略タイプである。
【0029】
「第2タイプ」は副露を多用してゲームを進行する戦略タイプである。即ち、他の遊戯者が捨てた牌をポン、チーなどの鳴きにより取得して和了を目指す戦略タイプである。
【0030】
「第3タイプ」は、リスクを背負うことを回避し、守備的にゲームを進行する戦略タイプである。例えば、他の遊戯者が立直した場合には、自身の和了を優先せず安全な牌を捨てることを優先してゲームを進行させる。
【0031】
「第4タイプ」は、複数の戦略タイプを混合してゲームを進行する戦略タイプである。
【0032】
ユーザpは、第1局面以後の各遊戯者P1~P4の手をシミュレーションする際に、各遊戯者P1~P4がどのような戦略タイプで麻雀ゲームを進行するのかを設定することができる。例えば、第1遊戯者P1の戦略タイプを「第1タイプ」、他の遊戯者P2~P4の戦略タイプを「第4タイプ」に設定することができる。
【0033】
ゲーム情報記憶部13は、牌譜情報取得部11及び戦略情報取得部12で取得した各情報を記憶する。また、後述する生成部14、予測部15、算出部16、提示部17による結果を記憶する。
【0034】
生成部14は、他の遊戯者P2~P4の手牌を生成する手牌生成モデルを備えている。生成部14は、牌譜情報取得部11で取得された第1情報、第2情報、及び戦略情報取得部12で取得された各遊戯者P1~P4の戦略タイプに基づき、手牌生成モデルを用いて、第1遊戯者P1が知り得ない情報である他の遊戯者P2~P4の手牌(他者情報)を生成する。即ち、生成部14は、第1情報、第2情報、及び各遊戯者P1~P4の戦略情報に基づいて、ゲームの開始後の第1局面において第1遊戯者P1が知り得ない第1局面に関する他の遊戯者に関する情報である他者情報を生成する。
【0035】
手牌生成モデルは、過去に入力された各情報(第1情報、第2情報、及び戦略タイプ)に基づき、種々の局面において他の遊戯者P2~P4がどのような手牌であるかを深層学習することにより得られるモデルである。
【0036】
手牌生成モデルは、例えばLSTM(Long short-term memory)や拡散モデル(diffusion model)などのニューラルネットワークを用いた深層学習により、現在の局面における上記各情報を入力とし、他の遊戯者P2~P4の手牌を出力する学習済みのモデルである。
【0037】
従って、ユーザpにより入力された第1情報、第2情報、及び戦略タイプを、手牌生成モデルに入力することにより、他の遊戯者P2~P4の手牌(第1遊戯者P1が知り得ない情報)を生成することができる。なお、深層学習の詳細については周知の技術であるので詳細な説明を省略する。
【0038】
図3に示したように、ユーザpは例えば、各遊戯者P1~P4の河q1~q4、副露ra1、第1遊戯者P1の手牌r1、及び各遊戯者P1~P4の戦略タイプを、上述した手牌生成モデルに入力する。
【0039】
手牌生成モデルにより、他の遊戯者P2~P4の手牌(他者情報)が生成される。例えば、
図4に示すように他の遊戯者P2~P4の手牌r2~r4が生成される。
【0040】
図2に示す予測部15は、麻雀ゲームにおけるある局面において、各遊戯者P1~P4が実施する手を予測する予測モデルを備えている。
【0041】
予測モデルは、過去に入力された複数の局面における牌譜、各遊戯者の手牌、各遊戯者が実施した手の情報に基づき、それぞれの局面において各遊戯者がどのような手を実施するかを深層学習したモデルである。
【0042】
予測モデルは、各遊戯者P1~P4の戦略タイプごとに、各遊戯者P1~P4の手を予測する。予測モデルは、上述した手牌生成モデルと同様に、LSTMや拡散モデルなどの深層学習により、現在の局面における遊戯者が実施した手を入力とし、各局面において実施する手を出力する学習済みのモデルである。
【0043】
予測部15は、上述した第1情報、第2情報、戦略タイプ、及び、他の遊戯者P2~P4の手牌(手配生成モデルで生成された手牌)に基づき、ユーザpが設定した第1局面からゲームが終了するまでの、各局面における複数通りの牌譜を予測する。「ゲームが終了する」とは、いずれかの遊戯者が和了(ロンまたはツモ)する、または流局することを指す。
【0044】
例えば、第1局面以降のある局面において、第1遊戯者P1の捨牌の候補として3通り、例えば「北」、「9ピン」、「3マン」が挙げられる場合に、予測部15は、「北」、「9ピン」、及び「3マン」をそれぞれ打牌した場合において、その後における麻雀ゲームの牌譜を100通り予測する。予測した牌譜をゲーム情報記憶部13に記憶する。なお、麻雀ゲームの牌譜は100通りに限定されず、100通り以外としてもよい。
【0045】
即ち予測部15は、他者情報を用いて、第1局面以降の少なくとも一つの局面を予測する。予測部15は、第1局面からゲーム終了までの各局面を予測する。
【0046】
算出部16は、予測部15による予測結果に基づき、いずれかの遊戯者P1~P4が打牌するごとに、麻雀ゲームの進行に関する評価情報を算出する。「評価情報」は、シミュレーション結果を集計して算出されるゲームの進行、結果などに関する情報を指す。評価情報は、局終了時平均順位、局終了時○位率、予想半荘終了時順位、予想半荘終了時順位、予想半荘終了〇位率、予想半荘終了時pt収支、和了率、和了リーチ率、和了副露率、和了ダマ率、和了時ツモ率、和了時ロン率、平均和了点、平均和了素点、平均翻数、放銃率、ツモられ率、流局率、横移動率、リーチ率、先制リーチ率、追っかけリーチ率、リーチ時和了率、平均テンパイ順目、副露率、副露時和了率、各役についての和了率、などとすることができる。算出部16は、算出した評価情報をゲーム情報記憶部13に記憶する。即ち、算出部16は予測部15による予測結果に基づき、ゲームの途中経過または結果を評価した評価情報を算出する。
【0047】
提示部17は、予測部15による予測結果、及び算出部16で算出された評価情報をゲーム情報記憶部13から読み出す。提示部17は、ゲーム情報記憶部13から読み出した情報に基づき、ユーザpが設定した任意の局面(第1局面)からゲーム終了までのシミュレーション結果を示す画像(以下、「シミュレーション画像」という)を生成する。
【0048】
提示部17は、遊戯者端末2を操作するユーザpからの要求に応じて、シミュレーション画像を遊戯者端末2に送信する。シミュレーション画像には、上述した牌譜、評価情報を含む評価結果が表示されている(後述する
図5参照)。シミュレーション画像は、ネットワーク3を経由して遊戯者端末2に設置されたディスプレイ(図示省略)に表示される。
【0049】
図5、
図6A、
図7A、
図7Bは、シミュレーション画像の例を示す説明図である。
図5は評価結果及び所望の項目を選択するための選択画像D1の例を示す説明図である。
図6Aは、
図5に示した選択画像D1において「シミュレーション数」の項目をクリックしたときに表示されるリストボックスの例を示す説明図である。
図7A、
図7Bは、
図5に示した選択画像D1において、所望の牌譜を選択したときに表示される牌譜画像D2の例を示す説明図である。
【0050】
図5に示すように、選択画像D1にはユーザpが設定した第1局面におけるシミュレーション結果が表示されている。具体的に選択画像D1には、「南一局」、「ドラ表」などの局情報、各遊戯者P1~P4の点数、第1遊戯者P1の手牌X1、第1遊戯者の打牌X2、各遊戯者P1~P4の戦略タイプX3、シミュレーション結果を示すシミュレーション数X4、和了率、局収支、などの評価情報が含まれている。即ち、提示部17は、予測部15が予測した局面の集計結果に基づいた評価情報を提示する。
【0051】
手牌X1は、ユーザpが入力した第1局面における牌譜に含まれる第2情報である。手牌X1において、打牌する候補として、8ソウ、1ソウが挙げられている。符号D11は、手牌X1において8ソウを打牌した場合、符号D12は1ソウを打牌した場合のシミュレーション結果を示している。
【0052】
戦略タイプX3は、ユーザpが設定した各遊戯者P1~P4の戦略タイプを示している。
図5に示す例では、第1遊戯者の戦略タイプが「第1タイプ」、他の遊戯者P2~P4の戦略タイプが「第4タイプ」に設定された例を示している。
【0053】
シミュレーション数X4には、「100」の文字がリンク形式で表示されている。ユーザpがこのリンクにカーソルを合わせる或いはクリックすることにより、予測部15によりシミュレーションした牌譜を選択することができる。例えば
図6Aに示すように、「牌譜1」、「牌譜2」、・・のように、100通りの項目を示すリストボックス31が表示される。
【0054】
ユーザpは、
図6Aに示した各項目のうち、任意の項目を選択することにより、第1局面以降の、各遊戯者P1~P4の手を示す牌譜を100通りから選択可能である。ユーザpが牌譜を選択することにより、例えば
図7A、
図7Bに示す牌譜画像D2を表示させることができる。
【0055】
なお、生成部14において「相手の手牌」を複数通り(例えば、100通り)生成し、ユーザが任意の「相手の手牌」を選択するようにしてもよい。例えば、
図5に示す選択画像D1に「相手の手牌」を示す文字をリンク形式で表示し、ユーザpがこのリンクにカーソルを合わせる或いはクリックすることにより
図6Bに示すように複数通りの「相手の手牌」を示すリストボックス32が表示されるようにしてもよい。具体的には、「相手1」、「相手2」、・・のように、相手の手牌を示す項目を表示して、ユーザpに選択を促すようにしてもよい。
【0056】
ユーザpは、
図6Bに示した各項目のうち、任意の項目を選択することにより、相手の手牌を100通りから選択することが可能になる。
【0057】
図7Aは牌譜画像D2の例を示す説明図である。
図7Aに示すように牌譜画像D2には、各遊戯者P1~P4の河q1~q4、手牌r1~r4、戦略タイプs1~s4が表示されている。
【0058】
図7Aに示す例では、第1遊戯者P1は「第1タイプ」、他の遊戯者P2~P4は「第4タイプ」の戦略タイプに設定されている。
【0059】
更に
図7Aに示すように牌譜画像D2には、1コマ送りアイコンY1、1コマ戻りアイコンY2、表示切替アイコンY3が表示されている。
【0060】
1コマ送りアイコンY1は、局面を1つ先に進めるためのアイコンである。1コマ戻りアイコンY2は、局面を1つ前に戻すためのアイコンである。表示切替アイコンY3は、他の遊戯者P2~P4の手牌の表示、非表示を切り替えるためのアイコンである。
【0061】
ユーザpは、ディスプレイ(図示省略)に表示されている1コマ送りアイコンY1をクリックすることにより、1つ先の局面(1回の手が進められた局面)を表示させることができる。ユーザpは、1コマ戻りアイコンY2をクリックすることにより、1つ前の局面を表示させることができる。
【0062】
従って、1コマアイコンY1をクリックし続けることにより、初期的に設定した第1局面から、この局が終了するまで(和了または流局まで)の牌譜を連続的に画面表示させることができる。
【0063】
ユーザpは、表示切替アイコンY3をクリックすることにより、他の遊戯者P2~P4の手牌の表示、非表示を切り替えることができる。
【0064】
図7Bは、他の遊戯者P2~P4の手牌を非表示とした場合の表示例を示す説明図であり、ユーザpは第1遊戯者P1の手牌r1のみを見ることができ、他の遊戯者P2~P4の手牌r2~r4を見ることができない。
【0065】
なお上記した例では、ユーザpが各遊戯者P1~P4の戦略タイプを初期的に設定する例について示しているが、例えば、
図6Cに示すように、
図5に示した選択画像D1上の戦略タイプX3をリンク形式で表示し、ユーザpが選択画像D1上で任意の戦略タイプを選択するようにしてもよい。具体的には、ユーザpが戦略タイプX3のリンクにカーソルを合わせる或いはクリックすることにより、
図6Cに示すように、「第1タイプ」~「第4タイプ」の項目を示すリストボックス33を表示し、所望の項目を選択することにより、各遊戯者P1~P4の戦略タイプを設定するようにしてもよい。
【0066】
次に、上述のように構成された本実施形態に係るゲーム支援装置の処理手順を、
図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0067】
初めに
図8のステップS11において、牌譜情報取得部11は、シミュレーションを実施する局面の設定を受け付ける。遊戯者端末2において、ユーザpが任意の局面を設定すると、この任意の局面(第1局面)の牌譜はネットワーク3を経由してゲーム支援装置1に送信され、牌譜情報取得部11にて取得される。
【0068】
例えば、ユーザpが過去にオンラインの麻雀ゲームを実施したときの、任意の局面を設定する。具体的には、第1局面における第1情報(河、副露)、及び第2情報(第1遊戯者P1の手牌)を入力する。これらの情報は、ネットワーク3を経由してゲーム支援装置1の牌譜情報取得部11にて取得される。これらの情報はゲーム情報記憶部13に記憶される。
【0069】
ステップS12において、ユーザpは遊戯者端末2において、第1遊戯者P1及び他の遊戯者P2~P4の戦略タイプ(戦略情報)を設定する。例えば、遊戯者P1の戦略タイプを「第1タイプ」、他の遊戯者P2~P4の戦略タイプを「第4タイプ」に設定する。なお、他の3人の遊戯者P2~P4の戦略タイプを異なるように設定してもよい。各遊戯者P1~P4の戦略タイプは、ゲーム情報記憶部13に記憶される。
【0070】
ステップS13において、生成部14は、上述した第1情報、第2情報、及び戦略タイプを上述した手牌情報生成モデルに入力することにより、他の遊戯者P2~P4の手牌を生成する。その結果、例えば
図4に示したように、他の遊戯者P2~P4の手牌r2~r4が生成される。
【0071】
ステップS14において、予測部15は、第1情報、第2情報、各遊戯者P1~P4の戦略タイプ、及び生成部14で生成された他の遊戯者P2~P4の手牌に基づき、第1局面からゲーム終了までの各局面を予測する。予測部15は、予測した局面の集計結果をゲーム情報記憶部13に記憶する。なお、ゲーム終了までの局面を予測せず、第1局面以降の所望の局面まで予測してもよい。
【0072】
ステップS15において提示部17は、予測部15により予測された各局面の集計結果に基づいた評価情報を示すシミュレーション画像を生成する。提示部17は、生成したシミュレーション画像を、ネットワーク3を経由してユーザpが操作する遊戯者端末2に送信する。
【0073】
その結果、例えば
図5に示した選択画像D1が遊戯者端末2のディスプレイに表示される。 ユーザpは、
図5に示す選択画像D1において、牌譜を選択する。具体的には、
図5に示すシミュレーション数X4のリンクをクリックすることにより、
図6Aに示したリストボックス31が表示される。ユーザpは、リストボックス31に表示されている「牌譜1」~「牌譜100」のうちのいずれかをクリックして、任意の牌譜を選択することができる。即ち、ユーザpは、他の遊戯者P2~P4の手牌を100通りから選択し、且つ、牌譜を100通りから選択して、シミュレーション結果を表示させることができる。
【0074】
例えば、
図7Aに示す牌譜画像D2が表示される。前述したように牌譜画像D2には、1コマ送りアイコンY1、1コマ戻しアイコンY2が表示されており、これらのアイコンY1、Y2をクリックすることにより、局面を1コマずつ先に送ることができ、また1コマずつ戻すことができる。
【0075】
更に、表示切替アイコンY3を操作することにより、前述の
図7Aに示したように他の遊戯者P2~P4の手牌r2~r4を表示することや、
図7Bに示したように他の遊戯者P2~P4の手牌r2~r4を非表示にすることができる。
【0076】
このように、実施形態に係るゲーム支援装置1では、ユーザpが選択した第1局面の牌譜、及び各遊戯者P1~P4の戦略タイプを入力することにより、第1局面以後の他の遊戯者P2~P4の手を予測した牌譜、和了率などの評価情報を含む評価結果を取得することが可能になる。
【0077】
従って例えばユーザpが過去にオンラインで麻雀ゲームを実施したときの、任意の局面以降の他の遊戯者P2~P4が実行する手をシミュレーションした評価結果を画面表示して見ることができる。ユーザpは、自身が実施した手が適切であったか否かの学習材料としてこの画像を用いることができる。
【0078】
また、各遊戯者P1~P4の戦略タイプを設定できる。例えば、前述した第1~第4タイプなどの戦略タイプを設定できる。従って、各遊戯者P1~P4の戦略タイプに応じたシミュレーションによる牌譜、評価情報を含む評価結果を得ることができ、ユーザpの学習の範囲を広げることが可能になる。
【0079】
本実施形態では、第1局面からゲーム終了までの各局面をシミュレーションした評価結果を取得するので、ユーザpはゲーム全体の流れを分析することが可能になる。
【0080】
本実施形態では、他の遊戯者P2~P4の手牌を複数通り予測するので、ユーザpは多くの局面について、ゲームの流れを分析することが可能になる。
【0081】
本実施形態では、ユーザpが遊戯者端末2を操作し、ネットワーク3を経由して送信した牌譜、及び戦略タイプを取得してシミュレーションを実施するので、ユーザpは容易な操作でシミュレーションを実施することが可能になる。
【0082】
なお、上述した実施形態では、ゲーム支援装置1と遊戯者端末2がネットワーク3を介して接続され、遊戯者端末2を操作するユーザpがオンラインで麻雀ゲームのシミュレーションを実施する例について説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、ゲーム支援装置1をスタンドアローン型とすることも可能である。
【0083】
また、本実施形態では麻雀ゲームを例に挙げて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、複数の遊戯者が局面を変化させる手を選択することを順次繰り返して勝敗を競うその他ゲームにおいても適用することが可能である。例えば、カードゲーム、花札などの不完全情報ゲーム、或いは将棋、チェスなどの完全情報ゲームにおいても適用することが可能である。
【符号の説明】
【0084】
1 ゲーム支援装置
2、2A、2B、2C 遊戯者端末
3 ネットワーク
11 牌譜情報取得部(ゲーム情報取得部)
12 戦略情報取得部
13 ゲーム情報記憶部
14 生成部
15 予測部
16 算出部
17 提示部
31、32、33 リストボックス
100 ゲームサーバ
D1 選択画像
D2 牌譜画像
P1 第1遊戯者
P2~P4 他の遊戯者
【手続補正書】
【提出日】2023-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の一態様のゲーム支援装置は、複数の遊戯者が局面を変化させる手を選択することを順次繰り返して勝敗を競うゲームにおける前記遊戯者の前記手の選択を支援するゲーム支援装置であって、前記ゲームの各局面において全ての遊戯者が知り得る第1情報、及び第1遊戯者のみが知り得る第2情報を取得するゲーム情報取得部と、各遊戯者が実行する戦略情報を取得する戦略情報取得部と、前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報を手牌生成モデルに入力して、前記ゲームの開始後の任意の局面において前記第1遊戯者が知り得ない前記任意の局面に関する他の遊戯者に関する他者情報を生成する生成部と、前記他者情報を予測モデルに入力して、前記任意の局面以降の少なくとも一つの局面を予測する予測部と、前記予測した局面の集計結果に基づいた評価情報を提示する提示部とを備え、前記手牌生成モデルは、前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報、並びに、他の遊戯者に関する他者情報を深層学習し、前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報を入力すると前記他の遊戯者に関する他者情報を出力するモデルであり、前記予測モデルは、過去に入力された複数の局面における情報、並びに、各遊戯者が実施した手の情報を深層学習し、局面の情報を入力すると各遊戯者が実施する手を出力するモデルである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
図1に示す遊戯者端末2を操作するユーザpが、麻雀ゲームを実施する一人の遊戯者(
一の遊戯者;以下、「第1遊戯者P1」という)であるものとする。麻雀ゲームにおける他の3人の遊戯者を、「他の遊戯者P2~P4」という。なお、他の遊戯者は3人に限定されるものではなく、1人、2人であってもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊戯者が局面を変化させる手を選択することを順次繰り返して勝敗を競うゲームにおける前記遊戯者の前記手の選択を支援するゲーム支援装置であって、
前記ゲームの各局面において全ての遊戯者が知り得る第1情報、及び第1遊戯者のみが知り得る第2情報を取得するゲーム情報取得部と、
各遊戯者が実行する戦略情報を取得する戦略情報取得部と、
前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報を手牌生成モデルに入力して、前記ゲームの開始後の任意の局面において前記第1遊戯者が知り得ない前記任意の局面に関する他の遊戯者に関する他者情報を生成する生成部と、
前記他者情報を予測モデルに入力して、前記任意の局面以降の少なくとも一つの局面を予測する予測部と、
前記予測した局面の集計結果に基づいた評価情報を提示する提示部と、
を備え、
前記手牌生成モデルは、前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報、並びに、他の遊戯者に関する他者情報を深層学習し、前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報を入力すると前記他の遊戯者に関する他者情報を出力するモデルであり、
前記予測モデルは、過去に入力された複数の局面における情報、並びに、各遊戯者が実施した手の情報を深層学習し、局面の情報を入力すると各遊戯者が実施する手を出力するモデルである
ゲーム支援装置。
【請求項2】
前記予測部は、前記任意の局面からゲーム終了までの各局面を予測する
請求項1に記載のゲーム支援装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記他者情報を複数生成し、
前記予測部は、各他者情報のそれぞれに対して複数通りの局面を予測する
請求項1または2に記載のゲーム支援装置。
【請求項4】
前記ゲーム支援装置は、ネットワークを経由して遊戯者端末に接続されており、
前記任意の局面は、前記遊戯者端末を操作するユーザにより設定される局面である
請求項1または2に記載のゲーム支援装置。
【請求項5】
前記戦略情報は複数設定されており、前記戦略情報取得部は、複数の前記戦略情報のうちのいずれかを取得する
請求項1または2に記載のゲーム支援装置。
【請求項6】
前記予測部による予測結果に基づき、前記ゲームの途中経過または結果を評価した評価情報を算出する算出部、を更に備え、
前記提示部は、前記評価情報を提示する
請求項1または2に記載のゲーム支援装置。
【請求項7】
ゲーム支援装置と、前記ゲーム支援装置に接続された少なくとも一つのユーザ端末とを備え、前記ゲーム支援装置が、複数の遊戯者が局面を変化させる手を選択することを順次繰り返して勝敗を競うゲームにおいて、前記ユーザ端末を操作する一の遊戯者の前記手の選択を支援するゲーム支援システムであって、
前記ゲーム支援装置は、
前記ゲームの各局面において全ての遊戯者が知り得る第1情報、及び一の遊戯者のみが知り得る第2情報を取得するゲーム情報取得部と、
各遊戯者が実行する戦略情報を取得する戦略情報取得部と、
前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報を手牌生成モデルに入力して、前記ゲームの開始後の任意の局面において前記一の遊戯者が知り得ない前記任意の局面に関する他の遊戯者に関する他者情報を生成する生成部と、
前記他者情報を予測モデルに入力して、前記任意の局面以降の少なくとも一つの局面を予測する予測部と、
前記予測した局面の集計結果に基づいた評価情報を提示する提示部と、
を備え、
前記手牌生成モデルは、前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報、並びに、他の遊戯者に関する他者情報を深層学習し、前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報を入力すると前記他の遊戯者に関する他者情報を出力するモデルであり、
前記予測モデルは、過去に入力された複数の局面における情報、並びに、各遊戯者が実施した手の情報を深層学習し、局面の情報を入力すると各遊戯者が実施する手を出力するモデルである
ゲーム支援システム。
【請求項8】
複数の遊戯者が局面を変化させる手を選択することを順次繰り返して勝敗を競うゲームにおける前記遊戯者の前記手の選択を支援するゲーム支援方法であって、
前記ゲームの各局面において全ての遊戯者が知り得る第1情報、及び第1遊戯者のみが知り得る第2情報を取得するステップと、
各遊戯者が実行する戦略情報を取得するステップと、
前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報を、手牌生成モデルに入力して、前記ゲームの開始後の任意の局面において前記第1遊戯者が知り得ない前記任意の局面に関する他の遊戯者に関する他者情報を生成するステップと、
前記他者情報を予測モデルに入力して、前記任意の局面以降の少なくとも一つの局面を予測するステップと、
前記予測した局面の集計結果に基づいた評価情報を提示するステップと、
を備え、
前記手牌生成モデルは、前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報、並びに、他の遊戯者に関する他者情報を深層学習し、前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報を入力すると前記他の遊戯者に関する他者情報を出力するモデルであり、
前記予測モデルは、過去に入力された複数の局面における情報、並びに、各遊戯者が実施した手の情報を深層学習し、局面の情報を入力すると各遊戯者が実施する手を出力するモデルである
ゲーム支援方法。
【請求項9】
複数の遊戯者が局面を変化させる手を選択することを順次繰り返して勝敗を競うゲームにおける前記遊戯者の前記手の選択を支援するゲーム支援プログラムであって、
前記ゲームの各局面において全ての遊戯者が知り得る第1情報、及び第1遊戯者のみが知り得る第2情報を取得するステップと、
各遊戯者が実行する戦略情報を取得するステップと、
前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報を手牌生成モデルに入力して、前記ゲームの開始後の任意の局面において前記第1遊戯者が知り得ない前記任意の局面に関する他の遊戯者に関する他者情報を生成するステップと、
前記他者情報を、予測モデルに入力して、前記任意の局面以降の少なくとも一つの局面を予測するステップと、
前記予測した局面の集計結果に基づいた評価情報を提示するステップ
をコンピュータに実行させ、
前記手牌生成モデルは、前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報、並びに、他の遊戯者に関する他者情報を深層学習し、前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報を入力すると前記他の遊戯者に関する他者情報を出力するモデルであり、
前記予測モデルは、過去に入力された複数の局面における情報、並びに、各遊戯者が実施した手の情報を深層学習し、局面の情報を入力すると各遊戯者が実施する手を出力するモデルである
ゲーム支援プログラム。
【請求項10】
複数の遊戯者が局面を変化させる手を選択することを順次繰り返して勝敗を競うゲームにおける前記遊戯者の前記手の選択を支援するゲーム支援プログラムを記録した記録媒体であって、
前記ゲームの各局面において全ての遊戯者が知り得る第1情報、及び第1遊戯者のみが知り得る第2情報を取得するステップと、
各遊戯者が実行する戦略情報を取得するステップと、
前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報を、手牌生成モデルに入力して、前記ゲームの開始後の任意の局面において前記第1遊戯者が知り得ない前記任意の局面に関する他の遊戯者に関する他者情報を生成するステップと、
前記他者情報を、予測モデルに入力して、前記任意の局面以降の少なくとも一つの局面を予測するステップと、
前記予測した局面の集計結果に基づいた評価情報を提示するステップ
をコンピュータに実行させ、
前記手牌生成モデルは、前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報、並びに、他の遊戯者に関する他者情報を深層学習し、前記第1情報、第2情報、及び各遊戯者の戦略情報を入力すると前記他の遊戯者に関する他者情報を出力するモデルであり、
前記予測モデルは、過去に入力された複数の局面における情報、並びに、各遊戯者が実施した手の情報を深層学習し、局面の情報を入力すると各遊戯者が実施する手を出力するモデルであるゲーム支援プログラムを記録した記録媒体。