(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108573
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】回転機械の位相調整装置、位相調整方法
(51)【国際特許分類】
F04D 29/62 20060101AFI20240805BHJP
F04D 29/60 20060101ALI20240805BHJP
F01D 25/34 20060101ALI20240805BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20240805BHJP
F16H 1/16 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
F04D29/62
F04D29/60 F
F04D29/60 B
F01D25/34
F01D25/00 X
F01D25/00 F
F16H1/16 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013005
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】310010564
【氏名又は名称】三菱重工コンプレッサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】大濱 靖士
【テーマコード(参考)】
3H130
3J009
【Fターム(参考)】
3H130AA20
3H130AB12
3H130AB40
3H130AB42
3H130AC30
3H130BA73A
3H130BA73C
3H130BA73D
3H130BA74A
3H130BA74C
3H130BA74D
3H130BA95A
3H130BA95C
3H130BA95D
3H130BA97A
3H130BA97C
3H130BA97D
3H130CA21
3H130CA22
3H130CB05
3H130DA02X
3H130DJ06X
3H130DJ08X
3H130EA01A
3H130EA01C
3H130EA01D
3H130EA07A
3H130EA07C
3H130EA07D
3H130ED03A
3H130ED03C
3H130ED03D
3J009EA19
3J009FA30
(57)【要約】
【課題】設置スペースを削減して容易に位相調整することが可能な回転機械の位相調整装置、位相調整方法を提供する。
【解決手段】ロータとステータとを備えた回転機械の位相調整装置であって、前記ロータの軸端に着脱可能に設けられたウォームホイールと、前記ステータに着脱可能に設けられて前記ウォームホイールに噛み合うウォーム部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータとステータとを備えた回転機械の位相調整装置であって、
前記ロータの軸端に着脱可能に設けられたウォームホイールと、
前記ステータに着脱可能に設けられて前記ウォームホイールに噛み合うウォーム部と、
を備える回転機械の位相調整装置。
【請求項2】
前記ウォームホイールは、
前記ロータの軸端に設けられたカップリングハブに着脱される
請求項1に記載の回転機械の位相調整装置。
【請求項3】
前記カップリングハブを下方から覆う前記ステータのエンドフランジ部に着脱可能なウォーム保持板を備え、
前記ウォーム部は、前記ウォーム保持板を介して前記エンドフランジ部に着脱される
請求項2に記載の回転機械の位相調整装置。
【請求項4】
前記カップリングハブと前記ウォームホイールとの間に挟まれるスペーサを備える
請求項2又は3に記載の回転機械の位相調整装置。
【請求項5】
前記スペーサは、
前記ロータの軸線が延びる軸線方向の第一側に設けられ、前記カップリングハブに固定するための第一取付部と、
前記軸線方向の第二側に設けられ、前記ウォームホイールを取り付けるための第二取付部と、を備える
請求項4に記載の回転機械の位相調整装置。
【請求項6】
請求項1に記載の回転機械の位相調整装置による位相調整方法であって、
前記ウォーム部を前記ステータに取り付ける工程と、
前記ウォーム部に噛み合うように前記ロータの軸端に前記ウォームホイールを取り付ける工程と、
ハンドツールにより前記ウォーム部をその軸線回りに回転させて前記ロータの位相を調整する工程と、
を含む
位相調整方法。
【請求項7】
前記ウォーム部に噛み合うように前記ロータの軸端に前記ウォームホイールを取り付ける工程では、
前記ロータの軸端に装着されているカップリングハブに前記ウォームホイールを取り付けて、
前記ウォーム部を前記ステータに取り付ける工程では、
カップリングハブを覆うエンドフランジ部の端部に、前記ウォーム部を支持するウォーム保持板を位置決めして取り付ける
請求項6に記載の位相調整方法。
【請求項8】
前記ウォーム部を前記ステータに取り付ける工程では、
前記エンドフランジ部の端部に前記ロータの軸線方向に延びるガイドバーを取り付けて、前記ガイドバーにより前記ウォーム保持板を案内させて前記ウォーム部と前記エンドフランジ部とを位置決めする
請求項7に記載の位相調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転機械の位相調整装置、位相調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用圧縮機、ターボ冷凍機、小型ガスタービンなどに用いられる回転機械が知られている。このような回転機械を組み立てる際には、シールの組み込みや、カップリングの組立を行う際に、ロータの周方向の位相を微調整する必要がある。しかし、大型の回転機械の場合、作業者がロータを手で回すことができないため、チェーンブロック等を用いて位相を調整する場合があった。
【0003】
特許文献1には、ロータの周方向の位相を調整するためのダイアフラムカップリングディスク装置が記載されている。この特許文献1のダイアフラムカップリングディスク装置は、油圧ストロークプッシュロッドの直動ラックのスライド動作をダイヤフラムカップリングの回転方向への力に変換することで、ロータの周方向の位相を調整することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第112096650号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているような装置では、油圧装置及び歯車を支持するための支持台等が必要になってしまうため、カップリングの下方に装置を設置するためのスペースが確保できないような場合に、設置が困難になるという課題がある。
また、特許文献1の装置では、油圧装置を駆動するために電源等が必要となるため、周囲環境等によっては設置が困難になる場合があるという課題がある。
【0006】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、設置スペースを削減して容易に位相調整することが可能な回転機械の位相調整装置、位相調整方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために以下の構成を採用する。
本開示の一態様によれば、回転機械の位相調整装置は、ロータとステータとを備えた回転機械の位相調整装置であって、前記ロータの軸端に着脱可能に設けられたウォームホイールと、前記ステータに着脱可能に設けられて前記ウォームホイールに噛み合うウォーム部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様によれば、位相調整方法は、上記位相調整装置による前記回転機械の位相調整方法であって、前記ウォーム部を前記ステータに取り付ける工程と、前記ウォーム部に噛み合うように前記ロータの軸端に前記ウォームホイールを取り付ける工程と、ハンドツールにより前記ウォーム部をその軸線回りに回転させて前記ロータの位相を調整する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、設置スペースを削減して容易に位相調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】この実施形態における回転機械及び位相調整装置の概略構成を示す構成図である。
【
図2】本開示の実施形態における位相調整装置近傍の拡大図である。
【
図3】本開示の実施形態における位相調整装置を軸線方向から見た図である。
【
図4】本開示の実施形態におけるスペーサのカップリング取付孔の断面図である。
【
図5】本開示の実施形態におけるスペーサのネジ穴の断面図である。
【
図6】本開示の実施形態における回転機械の位相調整方法のフローチャートである。
【
図7】本開示の実施形態における位相調整装置及びカップリングハブ未装着時の軸端近傍の部分断面図である。
【
図8】上記カップリングハブを取り付けた状態を示す部分断面図である。
【
図9】エンドフランジのネジ穴にガイドバーを取り付けた状態を示す部分断面図である。
【
図10】ウォーム保持板の挿通孔にガイドバーを挿通した状態を示す部分断面図である。
【
図11】ウォーム保持板をエンドフランジ部に取り付けた状態を示す部分断面図である。
【
図12】カップリングハブにスペーサを取り付けた状態を示す部分断面図である。
【
図13】ハンドツールをウォーム部に装着した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本開示の一実施形態における回転機械の位相調整装置、位相調整方法を図面に基づき説明する。なお、本実施形態では、回転機械として多段遠心圧縮機を一例にして説明する。
【0012】
(回転機械の構成)
図1は、この実施形態における回転機械及び位相調整装置の概略構成を示す構成図である。
図1に示すように、回転機械10は、ケーシング20と、回転軸(ロータ)30と、インペラ40と、軸受装置50と、エンドフランジ部(ステータ)53と、カップリングハブ60と、を備えている。
ケーシング20は、回転軸30の一部及びインペラ40を収容している。ケーシング20は、回転軸30の軸線Oの延びる方向(以下、この方向を軸線方向Daと称する)に延びる筒状をなしている。ケーシング20には、縮径及び拡径を繰り返す内部空間24が設けられている。
【0013】
回転軸30は、軸線方向Daに延びて、ケーシング20に対して軸線O回りに回転可能とされている。回転軸30の第一端部30a(
図1中、左側の端部)及び第二端部30b(
図1中、右側の端部)は、それぞれケーシング20の外部に配置されている。なお、以下の説明においては、軸線方向Daのうち第二端部30bから第一端部30aに向かう方向を軸線方向第一側Da1と称し、軸線方向Daのうち第一端部30aから第二端部30bに向かう方向を軸線方向第二側Da2と称する。
【0014】
インペラ40は、ケーシング20内に取り込まれたプロセスガスGを、遠心力を利用して圧縮する。インペラ40は、回転軸30に固定され、回転軸30と共に回転可能とされている。インペラ40は、軸線方向Daに間隔をあけて複数設けられて、それぞれケーシング20の内部空間24に収容されている。本実施形態では、インペラ40が六つ配置されている場合の一例を示しているが、インペラ40の数は、六つに限られない。
【0015】
軸受装置50は、回転軸30を軸線O回りに回転自在に支持する。本実施形態の回転機械10は、軸受装置50として、二つのジャーナル軸受装置50A,50Bと、一つのスラスト軸受装置50Cとを備えている。ジャーナル軸受装置50Aは、ケーシング20の一端部20aに配置されて、回転軸30の第一端部30aを軸線O回りに回転自在に支持している。ジャーナル軸受装置50Bは、ケーシング20の他端部20bの近傍に配置されて、回転軸30の第二端部30bを軸線O回りに回転自在に支持している。
【0016】
スラスト軸受装置50Cは、ケーシング20の一端部20aに近い位置に配置されている。スラスト軸受装置50Cは、回転軸30を回転可能としつつ回転軸30のスラスト方向への変位を規制する。本実施形態のスラスト軸受装置50Cは、回転軸30の第一端部30aを覆うカバー21を有している場合を例示している。
【0017】
ジャーナル軸受装置50Bは、軸受本体51と、軸受収容部52と、を備えている。軸受本体51は、回転軸30を回転自在に支持する。本実施形態の軸受本体51は、第二端部30bよりもケーシング20の他端部20bに近い位置で回転軸30を支持している。軸受収容部52は、軸受本体51を収容する。具体的には、軸受収容部52は、軸線Oを中心とした径方向Drの外側から軸受本体51を覆うように形成されている。軸受収容部52は、ケーシング20の他端部20bから軸線方向第二側Da2に突出するように形成されている。
【0018】
エンドフランジ部53は、回転軸30の軸端31を覆っている。ここで、回転軸30の軸端31とは、回転軸30のうち軸受収容部52よりも軸線方向第二側Da2に突出した部分である。エンドフランジ部53は、回転軸30の軸端31から径方向Drに間隔をあけて配置されている。本実施形態のエンドフランジ部53は、上半部54と下半部55とを備えている。上半部54は、軸端31の上半分を覆っており、下半部55は、軸端31の下半分を覆っている。上半部54は、下半部55に対して着脱可能とされている。本実施形態の上半部54及び下半部55は、それぞれ軸線方向Daから見て円弧状をなしている。下半部55は、上半部54の荷重を下方から支持している。そのため、下半部55の強度は、上半部54の強度よりも高くなっている。本実施形態の上半部54は、ケーシング20の他端部20bから軸線方向第二側Da2に向かって延びている。
【0019】
図2は、本開示の実施形態における位相調整装置近傍の拡大図である。
図2に示すように、本実施形態の下半部55は、軸受収容部52の下部から軸線方向第二側Da2に向かって延びている。
なお、エンドフランジ部53の上半部54と下半部55とは、上記構成に限られない。例えば、下半部55は、ケーシングの他端部20bから軸線方向第二側Da2に向かって延びるようにしてもよい。また、上半部54が軸受収容部52から軸線方向第二側Da2に向かって延びるようにしてもよい。
【0020】
エンドフランジ部53は、最も軸線方向第二側Da2に位置すると共に軸線方向第二側Da2を向く取付面56を有している。この取付面56は、軸線Oを中心とした周方向Dcに所定の間隔をあけて形成された複数のネジ穴57を有している。これらネジ穴57は、取付面56から軸線方向第一側Da1に向かって延びている。これら複数のネジ穴57は、本来、エンドフランジ部53にカップリングガード(図示せず)等を接続する目的で形成されたものである。なお、カップリングガード(図示せず)は、モータや蒸気タービン等の他の回転軸(図示せず)と、回転機械10の回転軸30と、を接続するためのカップリング部(図示せず)を覆う部材である。
【0021】
カップリングハブ60は、回転軸30の軸端31に取り付けられている。カップリングハブ60は、上述したカップリング部(図示せず)と連結される部材である。カップリングハブ60は、軸線Oを中心とした筒状に形成されたベース部61と、ベース部61の軸線方向第二側Da2の縁部から径方向Drの外側に向かって延びる結合部62と、を備えている。ベース部61は、回転軸30の軸端31に対して油圧嵌め等により装着されている。
【0022】
結合部62は、軸線方向第一側Da1を向く面62aと軸線方向第二側Da2を向く面62bとを有している。結合部62の軸線方向第二側Da2を向く面62bは、カップリングハブ60が回転軸30に装着された状態のときに、軸線方向Daにおける回転軸30の第二端部30bと同一位置か、又は第二端部30bよりも軸線方向第二側Da2の位置に配置される。本実施形態の結合部62は、軸線Oを中心とした円盤状をなしており、ボルト等の締結部材64を軸線方向Daに挿通可能な複数の挿通孔63を備えている。これら複数の挿通孔63は、円盤状をなす結合部62の外周に沿って間隔をあけて並んで形成されている。
【0023】
(位相調整装置)
図3は、本開示の実施形態における位相調整装置を軸線方向から見た図である。
位相調整装置70は、上述した回転機械10に取り付けられて、回転軸30の軸線O周りの位相を手動調整可能とする装置である。
図1から
図3に示すように、位相調整装置70は、ウォームホイール71と、スペーサ72と、ウォーム部73と、ウォーム保持板74と、を備えている。
【0024】
(ウォームホイール)
ウォームホイール71は、はすば歯車である。ウォームホイール71は、回転軸30の軸端31に着脱可能とされている。ウォームホイール71は、その中心を通る軸線O1と回転軸30の軸線Oとを一致させた姿勢で軸端31に装着される。本実施形態のウォームホイール71は、上述したカップリングハブ60の結合部62よりも大径に形成されている。さらに、本実施形態のウォームホイール71は、エンドフランジ部53の下半部55の円弧の半径よりも大きい直径を有している。つまり、ウォームホイール71の外周部71oは、エンドフランジ部53の取付面56よりも径方向外側Droに配置されている。
【0025】
本実施形態のウォームホイール71は、第一孔75と、第二孔76と、ホイール取付孔77(
図2、
図5参照)と、を備えている。第一孔75は、ウォームホイール71の軸線O1を中心とした円形に形成され、カップリングハブ60の結合部62よりも小径に形成されている。第二孔76は、ウォームホイール71の肉抜きを主目的として形成されている。第二孔76は、第一孔75の径方向外側Droに形成されるとともに、軸線O1を中心とした周方向に複数並んで形成されている。これら複数の第二孔76は、例えば、ウォームホイール71を吊り上げる際にロープやワイヤーを通したり、フックを掛けたりする際にも用いることができる。ホイール取付孔77は、ウォームホイール71を軸端31に着脱するためのボルト等の締結部材65を挿通可能に形成されている。ホイール取付孔77は、第一孔75の外周に複数形成されるとともに、周方向Dcに間隔をあけて並んで形成されている。
【0026】
(スペーサ)
スペーサ72は、ウォームホイール71の軸線方向Daの位置を調整するために設けられている。より具体的には、スペーサ72は、ウォームホイール71の軸線方向Daの位置を、カップリングハブ60の位置から軸線方向第二側Da2にオフセットさせる目的で設けられている。
図2、
図3に示すように、スペーサ72は、軸線方向Daから見てリング状をなし、軸線方向第一側Da1を向く第一面78と、軸線方向第二側Da2を向く第二面79と、を備えている。スペーサ72の厚さ、言い換えれば第一面78から第二面79までの寸法は、カップリングハブ60の面62bと、エンドフランジ部53の下半部55の取付面56との軸線方向Daの距離に応じて決定される。
【0027】
図4は、本開示の実施形態におけるスペーサのカップリング取付孔の断面図である。
図5は、本開示の実施形態におけるスペーサのネジ穴の断面図である。
図4、
図5に示すように、スペーサ72には、カップリング取付孔(第一取付部)81と、ネジ穴(第二取付部)82と、が形成されている。カップリング取付孔81は、スペーサ72をカップリングハブ60に結合させるために形成されており、ネジ穴82は、スペーサ72にウォームホイール71を結合させるために形成されている。
【0028】
図3に示すように、カップリング取付孔81は、周方向Dcに間隔をあけて複数形成されている。これら複数のカップリング取付孔81は、上述したカップリングハブ60の結合部62に形成された挿通孔63と対向可能な位置に形成されている。
図4に示すように、本実施形態で例示するスペーサ72は、締結部材64を構成するボルト83及びナット84によりカップリングハブ60に締結される。カップリング取付孔81は、スペーサ72を軸線方向Daに貫通している。
【0029】
本実施形態のカップリング取付孔81は、小径部85と、大径部86とを有している。小径部85は、ボルト83の軸部83aよりも僅かに大径に形成されている。一方で、大径部86は、ボルト83の頭部83bを収容可能に形成されている。大径部86は、ボルト83の頭部83bを収容した状態で、ボルト83の頭部83bの回転を規制するとともに、ボルト83の頭部83bがスペーサ72よりも軸線方向第二側Da2に突出しないように形成されている。
【0030】
図3、
図5に示すように、スペーサ72のネジ穴82は、周方向Dcに間隔をあけて複数形成されている。これら複数のネジ穴82は、上述したカップリング取付孔81とは周方向Dcで異なる位置に形成されている。ネジ穴82は、スペーサ72の第二面79に開口して軸線方向第一側Da1に向かって延びており、ウォームホイール71を結合するためのボルト等の締結部材65の雄ネジ部87を、軸線方向第二側Da2からねじ作用により締結させることが可能となっている。ここで、本実施形態で例示するスペーサ72は、第一位置決め凸部92と、第二位置決め凸部93と、を備えている。第一位置決め凸部92は、第一面78の外周縁から軸線方向第一側Da1に突出するリング状をなし、カップリングハブ60に対するスペーサ72の径方向Drの位置決めを行う。第二位置決め凸部93は、第二面79の内周縁から軸線方向第二側Da2に突出するリング状をなし、ウォームホイール71に対するスペーサ72の径方向Drの位置決めを行う。
【0031】
(ウォーム部)
図2、
図3に示すように、ウォーム部73は、はすば歯車であるウォームホイール71に噛み合うねじ歯車である。このウォーム部73を回動させることでウォームホイール71を軸線O1回りに従動させることができる。本実施形態のウォーム部73は、回転機械10の静止側の部材(言い換えれば、ステータ)であるエンドフランジ部53の下半部55に対してウォーム保持板74を介して着脱可能に設けられている。
【0032】
図3に示すように、ウォーム部73の軸線O2は、は、ウォームホイール71の外接円の接線方向に延びている。ウォーム部73は、その両端に軸部73aを有し、これら二つの軸部73aが、ウォーム軸受89により回転自在に支持されている。ウォーム部73の二つの軸部73aのうちの少なくとも一方は、軸線O2の延びる方向で二つのウォーム軸受89よりも外側に突出するように形成されている。そして、この外側に突出した部分73bには、後述するハンドツール100のソケット部が装着可能とされている。外側に突出した部分73bの形状としては、軸線O2方向に延びる六角柱や四角柱等を例示できる。
【0033】
ウォーム保持板74は、カップリングハブ60を下方から覆うエンドフランジ部53の下半部55に着脱可能となっている。ウォーム保持板74は、板状をなす保持板本体90と、ウォーム部73を回転自在に支持する上述したウォーム軸受89と、を有している。
【0034】
本実施形態の保持板本体90は、保持板本体90を軸線方向Daに貫通する複数の挿通孔91(
図2参照)を有している。これら複数の挿通孔91は、エンドフランジ部53の取付面56に形成された複数のネジ穴57とそれぞれ対向可能な位置に形成されている。これら複数の挿通孔91には、ボルト等の締結部材66が挿通される。そして、締結部材66がネジ作用によりネジ穴57に締結されることで、ウォーム保持板74がエンドフランジ部53に固定される。つまり、本実施形態のウォーム保持板74は、カップリングガード(図示せず)を接続するために形成されたエンドフランジ部53のネジ穴57を有効利用して、エンドフランジ部53に取り付けられる。
【0035】
本実施形態の保持板本体90は、取付面56から軸線Oを中心とした径方向Drの外周側にだけ延びるように形成されている。また、本実施形態の保持板本体90に形成された挿通孔91は、軸線方向第二側Da2から見て、ウォームホイール71と重なる位置に配置されている。
図3に示すように、本実施形態では、軸線方向第二側Da2から見て、保持板本体90の周方向Dcの寸法が、ウォームホイール71よりも径方向外側Droで、径方向外側Droに向かって徐々に減少してウォーム部73の寸法に近づく場合を例示している。なお、本実施形態では、保持板本体90が四つの挿通孔91を有する場合を一例にしたが、挿通孔91の数は四つに限られない。また、本実施形態のウォーム部73は、軸線方向第二側Da2から見てウォームホイール71の左斜め下方に配置されているが、ウォームホイール71の配置は、この配置に限られない。ウォーム部73は、軸線方向第二側Da2から見て、例えば、ウォームホイール71の鉛直下方や、右斜め下方に配置されていてもよい。
【0036】
(位相調整方法)
次に、本開示の実施形態における回転機械の位相調整方法について
図6から
図14を参照しながら説明する。
図6は、本開示の実施形態における回転機械の位相調整方法のフローチャートである。
図7は、本開示の実施形態における位相調整装置及びカップリングハブ未装着時の軸端近傍の部分断面図である。
図8は、上記カップリングハブを取り付けた状態を示す部分断面図である。
図9は、エンドフランジのネジ穴にガイドバーを取り付けた状態を示す部分断面図である。
図10は、ウォーム保持板の挿通孔にガイドバーを挿通した状態を示す部分断面図である。
図11は、ウォーム保持板をエンドフランジ部に取り付けた状態を示す部分断面図である。
図12は、カップリングハブにスペーサを取り付けた状態を示す部分断面図である。
図13は、ハンドツールをウォーム部に装着した状態を示す図である。
【0037】
図6に示すように、本実施形態の位相調整方法は、ロータの軸端にカップリングハブを取り付けるステップS11(以下、単にステップS11と称する)と、ウォーム部をステータに取り付けるステップS12(以下、単にステップS12と称する)と、ウォーム部に噛み合うようにロータの軸端にウォームホイールを取り付けるステップS13(以下、単にステップS13と称する)と、ハンドツールによりウォーム部をその軸線回りに回転させてロータの位相を調整するステップS14(以下、単にステップS14と称する)とを含む。
【0038】
ステップS11では、回転軸30の軸端31にカップリングハブ60を取り付ける。このステップS11は、軸端31にカップリングハブ60が取り付けられていない場合にのみ実施する。このステップS11では、
図7に示すようにカップリングハブ60が取り付けられていない回転軸30の軸端31に、
図8に示すようにカップリングハブ60を取り付ける。この際、カップリングハブ60を、ベース部61の軸線方向第二側Da2に結合部62を配置した姿勢として、回転軸30の軸端31をカップリングハブ60のベース部61に挿入して軸端31にカップリングハブ60を固定する。
【0039】
ステップS12では、ウォーム部73をエンドフランジ部53の下半部55に取り付ける。本実施形態では、ウォーム部73をウォーム保持板74に取り付けてから、ウォーム保持板74をエンドフランジ部53に取り付ける場合を一例にして説明する。さらに本実施形態では、ウォーム部73を取り付けたウォーム保持板74の重量が大きく、人力によって持ち上げることが困難な場合を一例にして説明する。
【0040】
本実施形態のステップS12では、
図9に示すように、まずエンドフランジ部53の下半部55の取付面(端部)56に形成されたネジ穴57に、軸線方向Daに延びる円柱状のガイドバー95を取り付ける。ガイドバー95の基部には、ネジ穴57にねじ込み可能な雄ネジが形成されている。本実施形態では、ガイドバー95の先端部が、挿通孔91へ挿通容易とするべく先細り形状とした場合を例示しているが、ガイドバー95の先端形状は、この形状に限られるものでは無い。また、ガイドバー95の本数は、特に限られるものでは無く、ウォーム保持板74に形成された挿通孔91の個数から2を減算した本数を上限に任意の本数を用いることができる。なお、ガイドバー95を複数とした場合、ウォーム保持板74の姿勢を安定させることができる点で有利となる。
【0041】
本実施形態のステップS12では、更に、ガイドバー95によりウォーム保持板74を案内させてウォーム部73とエンドフランジ部53の下半部55とを位置決めする。具体的には、
図10に示すように、ウォーム保持板74の挿通孔91にガイドバー95を挿入する。この際、クレーン等を用いてウォーム保持板74を吊り上げるようにしてもよい。
次いで、ウォーム保持板74をガイドバー95に沿って軸線方向第一側Da1にスライドさせる。そして、ウォーム保持板74をエンドフランジ部53の取付面56に突き当てる。これにより、全ての挿通孔91がネジ穴57と対向するように位置決めされた状態となる。この状態で、ガイドバー95の挿入されていない挿通孔91に、軸線方向第二側Da2から締結部材66を挿入し、締結部材66をネジ穴57に締結させる。その後、ガイドバー95をネジ穴57から外して、
図11に示すように、締結部材66によりネジ穴57に締結させる。これにより、全ての挿通孔91を介して締結部材66がネジ穴57に締結された状態となり、ステップS12を終了する。なお、本実施形態のステップS12では、ガイドバー95を用いる場合を一例にして説明したが、ウォーム部73の取り付けられたウォーム保持板74を人力で容易に持ち上げることが可能な場合等、ガイドバー95を用いずに取り付けるようにしてもよい。
【0042】
ステップS13では、ウォーム部73に噛み合うように、回転軸30の軸端31にウォームホイール71を取り付ける。
本実施形態のステップS13では、
図12に示すように、まずスペーサ72をカップリングハブ60に取り付ける。これには、締結部材64によってスペーサ72をカップリングハブ60の結合部62に締結させる。その後、ウォームホイール71を、例えばクレーン等で吊り上げて、スペーサ72のネジ孔82とウォームホイール71のホイール取付孔77との位相を合わせた状態で、ウォームホイール71をスペーサ72に突き当てる。この際、ウォームホイール71とウォーム部73とが噛み合うように、ウォーム部73を回転させる。そして、締結部材65をホイール取付孔77に挿入してネジ穴82に締結させる。これにより、
図2、
図3に示すように、回転機械10に位相調整装置70が装着された状態となる。
【0043】
図13に示すように、ステップS14では、ハンドツール100によりウォーム部73をその軸線O2回りに回転させる。すると、ウォーム部73の回転がウォームホイール71に伝達して、ウォームホイール71と共に回転軸30が回転する。作業者は、回転軸30の位相を確認しながら、ハンドツール100によりウォーム部73をさせる。これにより回転軸30の位相が所望の位相に調整される。本実施形態では、ハンドツール100として、ソケットレンチを用いる場合を例示しているが、他のハンドツールであってもよい。
【0044】
位相調整装置70は、回転軸30の位相調整が完了した後、上述した各ステップと逆手順で取り外される。
【0045】
(作用効果)
上述した実施形態によれば、エンドフランジ部53にウォーム部73を支持させて、ウォーム部73に噛み合うようにウォームホイール71を回転軸30の軸端31に取り付けることができる。そのため、回転機械10の周囲にウォーム部73を支持するスペースを確保する必要が無くなる。また、ウォーム部73を用いてウォームホイール71を回転させるため、大きな減速効果を容易に得ることができる。したがって、設置スペースを削減するとともに、容易に回転軸30を位相調整することが可能となる。
【0046】
上述した実施形態によれば、更に、ウォームホイール71が、回転軸30の軸端31に設けられたカップリングハブ60に着脱される。そのため、回転機械10の回転軸30の軸端31に既にカップリングハブ60が装着されている場合、この既設のカップリングハブ60を有効利用して、カップリングハブ60よりも大径のウォームホイール71を取り付けることができる。したがって、ウォームホイール71を取り付けるための専用の取り付け治具を用意する必要が無くなるため、位相調整装置70の部品点数増加を抑制することができる。
【0047】
上述した実施形態では、カップリングハブ60を下方から覆うエンドフランジ部53に着脱可能なウォーム保持板74を備え、ウォーム部73が、ウォーム保持板74を介してエンドフランジ部53に着脱される。そのため、エンドフランジ部53の取付面56の配置に関わらず、ウォーム部73を適切な位置に配置することができる。したがって、ウォーム保持板74のサイズや、ウォーム保持板74へのウォーム部73の取り付け位置を調整するだけ、様々な仕様の回転機械10に対して容易に適用させることが可能となる。
【0048】
上述した実施形態では、更に、スペーサ72によって、軸線方向第二側Da2にウォームホイール71をオフセット配置することができるため、スペーサ72の厚さ変更により、ウォームホイール71をウォーム部73に適切に噛み合う位置に配置させることができる。
【0049】
さらに、スペーサ72が、ウォームホイール71を取り付けるためのネジ穴82と、カップリングハブ60に固定するためのカップリング取付孔81と、を備えている。そのため、カップリングハブ60にスペーサ72を取り付けた後に、スペーサ72にウォームホイール71を取り付けることができる。したがって、スペーサ72を間に挟み込んでカップリングハブ60とウォームホイール71とをボルト、ナット等により固定する場合と比較して、容易に取り付け作業を行うことが可能となる。その結果、回転軸30の位相調整作業を行う作業者の負担を軽減することができる。
【0050】
上述した実施形態では、更に、ハンドツール100によりウォーム部73を回転させて、ウォームホイール71を従動させることができるため、小さなスペースしか確保できない場合であってもハンドツール100により容易に回転軸30の位相調整を行うことが可能となる。
【0051】
上述した実施形態では、更に、ガイドバー95を用いてウォーム保持板74の挿通孔91をエンドフランジ部53の取付面56に形成されたネジ穴57に対して正確に位置決めすることができるため、ウォーム保持板74の重量が大きい場合であっても容易にウォーム保持板74の取り付けを行うことが可能となる。
【0052】
(その他の実施形態)
本開示は上述した実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
例えば、上述した実施形態では、位相調整装置70によって位相調整する回転機械10が多段遠心圧縮機である場合について説明したが、回転機械10は、回転軸30を作業者の手で回転させることが困難な回転機械10であれば多段遠心圧縮機に限られない。
【0053】
また、上述した実施形態では、スペーサ72を用いる場合について説明したが、スペーサ72は、必要に応じて設ければ良く、省略してもよい。
【0054】
さらに、上述した実施形態では、エンドフランジ部53にウォーム部73が支持される場合について説明したが、ウォーム部73の支持される場所は、静止側(ステータ)であればエンドフランジ部53に限られるものではない。例えば、ケーシング20の他端部20bに支持させるようにしてもよい。また、ウォーム部73をステータに支持させる構造は、ウォーム部73とウォームホイール71とが噛み合うことが可能な構造であれば、上述したウォーム保持板74を用いる構造に限られない。
【0055】
上記実施形態では、ウォームホイール71をカップリングハブ60に取り付ける場合を一例にして説明した。しかし、ウォームホイール71は、回転軸30の第二端部30bにボルト等により直接取り付けるようにしたり、他の専用治具を用いて軸端31に取り付けるようにしたりしてもよい。
【0056】
さらに、上記実施形態では、ハンドツール100を用いて人力によりウォーム部73を回動させる場合を例示したが、例えば、電動ツール、エアツール、油圧ツール等の人力以外で駆動する工具を用いてもよい。
【0057】
<付記>
実施形態に記載の回転機械の位相調整装置、位相調整方法は、例えば以下のように把握される。
【0058】
(1)第1の態様によれば回転機械10の位相調整装置70は、ロータ30とステータ20,55とを備えた回転機械10の位相調整装置70であって、前記ロータ30の軸端31に着脱可能に設けられたウォームホイール71と、前記ステータ20,55に着脱可能に設けられて前記ウォームホイール71に噛み合うウォーム部73と、を備える。
ロータの例としては、回転軸が挙げられる。ステータの例としては、エンドフランジ部、ケーシング等が挙げられる。
【0059】
これにより、ステータ20,55にウォーム部73を支持させて、ウォーム部73に噛み合うようにウォームホイール71をロータ30の軸端31に取り付けることができる。その結果、設置スペースを削減するとともに、容易にロータ30を位相調整することが可能となる。
【0060】
(2)第2の態様によれば回転機械10の位相調整装置70は、(1)の回転機械10の位相調整装置70であって、前記ウォームホイール71は、前記ロータ30の軸端31に設けられたカップリングハブ60に着脱される。
これにより、カップリングハブ60を利用して、カップリングハブ60よりも大径のウォームホイール71を取り付けることができる。したがって、ウォームホイール71を取り付けるための専用の取り付け治具を用意する必要が無くなり、位相調整装置70の部品点数増加を抑制することができる。
【0061】
(3)第3の態様によれば回転機械10の位相調整装置70は、(2)の回転機械10の位相調整装置70であって、前記カップリングハブ60を下方から覆う前記ステータのエンドフランジ部53に着脱可能なウォーム保持板74を備え、前記ウォーム部73は、前記ウォーム保持板74を介して前記エンドフランジ部53に着脱される。
これにより、エンドフランジ部53の配置に関わらず、ウォーム部73を適切な位置に配置することができる。
【0062】
(4)第4の態様によれば回転機械10の位相調整装置70は、(2)又は(3)の回転機械10の位相調整装置70であって、前記カップリングハブ60と前記ウォームホイール71との間に挟まれるスペーサ72を備える。
これにより、スペーサ72の厚さを変更するだけで、ウォームホイール71の軸線方向Daの配置を変更することができる。
【0063】
(5)第5の態様によれば回転機械10の位相調整装置70は、(4)の回転機械10の位相調整装置70であって、前記スペーサ72は、前記ロータ30の軸線Oが延びる軸線方向Daの第一側Da1に設けられ、前記カップリングハブ60に固定するための第一取付部81と、前記軸線方向Daの第二側Da2に設けられ、前記ウォームホイール71を取り付けるための第二取付部82と、を備える。
これにより、ウォームホイール71を軸端31に容易に取り付けることが可能となる。
【0064】
(6)第6の態様によれば回転機械10の位相調整方法は、(1)から(5)の何れか一つの回転機械10の位相調整装置70による位相調整方法であって、前記ウォーム部73を前記ステータ20,55に取り付ける工程S12と、前記ウォーム部73に噛み合うように前記ロータ30の軸端31に前記ウォームホイール71を取り付ける工程S13と、ハンドツール100により前記ウォーム部73をその軸線O2回りに回転させて前記ロータ30の位相を調整する工程S14と、を含む。
これにより、小さなスペースしか確保できない場合であってもハンドツール100により容易にロータ30の位相調整を行うことが可能となる。
【0065】
(7)第7の態様によれば回転機械10の位相調整方法は、(6)の回転機械10の位相調整方法であって、前記ウォーム部73に噛み合うように前記ロータ30の軸端31にウォームホイール71を取り付ける工程S10では、前記ロータ30の軸端31に装着されているカップリングハブ60に前記ウォームホイール71を取り付けて、前記ウォーム部73を前記ステータ20,55に取り付ける工程S12では、カップリングハブ60を覆うエンドフランジ部53の端部56に、前記ウォーム部73を支持するウォーム保持板74を位置決めして取り付ける。
これにより、ウォームホイール71とウォーム部73とを回転機械10に容易に取り付けることができる。
【0066】
(8)第8の態様によれば回転機械10の位相調整方法は、(7)の回転機械10の位相調整方法であって、前記ウォーム部73を前記ステータ20,55に取り付ける工程S12では、前記エンドフランジ部53の端部56に前記ロータ30の軸線方向Daに延びるガイドバー95を取り付けて、前記ガイドバー95により前記ウォーム保持板74を案内させて前記ウォーム部73と前記エンドフランジ部53とを位置決めする。
これにより、ウォーム保持板74の重量が大きい場合であっても容易にウォーム保持板74の取り付けを行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0067】
10…回転機械 20…ケーシング 21…カバー 30…回転軸 30a…第一端部 30b…第二端部 40…インペラ 50…軸受装置 50A,50B…ジャーナル軸受装置 50C…スラスト軸受装置 51…軸受本体 52…軸受収容部 53…エンドフランジ部 54…上半部 55…下半部 56…取付面(端部) 57…ネジ穴 60…カップリングハブ 61…ベース部 62…結合部 62a,62b…面 63…挿通孔 64,65,66…締結部材 70…位相調整装置 71…ウォームホイール 72…スペーサ 73…ウォーム部 73a…軸部 74…ウォーム保持板 75…第一孔 76…第二孔 77…ホイール取付孔 78…第一面 79…第二面 81…カップリング取付孔(第一取付部) 82…ネジ穴(第二取付部) 83…ボルト 84…ナット 85…小径部 86…大径部 87…雄ネジ部 89…ウォーム軸受 90…保持板本体 91…挿通孔 92…第一位置決め凸部 93…第二位置決め凸部 95…ガイドバー 100…ハンドツール O,O1,O2…軸線