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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108577
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】メモリデバイス
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/27 20230101AFI20240805BHJP
   H10B 43/50 20230101ALI20240805BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
H10B43/27
H10B43/50
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013009
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 洋
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP76
5F083ER21
5F083GA10
5F083GA27
5F083JA02
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA37
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083NA01
5F083ZA01
5F101BA46
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
(57)【要約】
【課題】メモリデバイスの製造コストを抑制すること。
【解決手段】実施形態のメモリデバイスは、基板と、メモリセルアレイと、ロウデコーダと、センスアンプとを含む。ロウデコーダモジュールは、第1方向と交差する第2方向に2分割された第1転送領域XR1及び第2転送領域XR2に割り当てられ、第1転送領域XR1及び第2転送領域XR2は、第1方向にずれて配置される。センスアンプモジュールは、第1方向に2分割された第1センスアンプ領域SR1及び第2センスアンプ領域SR2に割り当てられる。第1センスアンプ領域SR1及び第2センスアンプ領域SR2は、第2方向にずれて配置される。第1センスアンプ領域SR1は、第1領域MR1と重なり且つ第1転送領域XR1と第1方向に隣り合うように配置される。第2センスアンプ領域SR2は、第2領域MR2と重なり且つ第2転送領域XR2と第1方向に隣り合うように配置される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と
前記基板の上方に設けられ、第1方向に並んだ第1領域及び第2領域のそれぞれにおいて前記基板の鉛直方向に並んだ複数のメモリセルの組を含むメモリセルアレイと、
前記基板上に設けられ、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域を介して前記メモリセルアレイに接続され、前記メモリセルアレイに電圧を印加するように構成されたロウデコーダモジュールと、
前記基板上に設けられ、前記第1領域及び前記第2領域のそれぞれを介して前記メモリセルアレイに接続され、前記メモリセルアレイからデータを読み出すように構成されたセンスアンプモジュールと、を備え、
前記ロウデコーダモジュールは、前記第1方向と交差する第2方向に2分割された第1転送領域及び第2転送領域に割り当てられ、前記第1転送領域及び前記第2転送領域は、前記第1方向にずれて配置され、
前記センスアンプモジュールは、前記第1方向に2分割された第1センスアンプ領域及び第2センスアンプ領域に割り当てられ、前記第1センスアンプ領域及び前記第2センスアンプ領域は前記第2方向にずれて配置され、前記第1センスアンプ領域は、前記第1領域と重なり且つ前記第1転送領域と前記第1方向に隣り合うように配置され、前記第2センスアンプ領域は、前記第2領域と重なり且つ前記第2転送領域と前記第1方向に隣り合うように配置される、
メモリデバイス。
【請求項2】
前記第1転送領域は、前記第2領域と重なった部分と、前記第2センスアンプ領域と前記第2方向に隣り合った部分とを有し、
前記第2転送領域は、前記第1領域と重なった部分と、前記第1センスアンプ領域と前記第2方向に隣り合った部分とを有する、
請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記第1センスアンプ領域の前記第1方向における幅は、前記メモリセルアレイの前記第1領域に含まれた部分の前記第1方向における幅よりも狭く、
前記第2センスアンプ領域の前記第1方向における幅は、前記メモリセルアレイの前記第2領域に含まれた部分の前記第1方向における幅よりも狭い、
請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記第1転送領域と前記第1領域とが重なった領域の前記第1方向における幅は、前記第1転送領域と前記第2領域とが重なった領域の前記第1方向における幅よりも狭く、
前記第2転送領域と前記第1領域とが重なった領域の前記第1方向における幅は、前記第2転送領域と前記第2領域とが重なった領域の前記第1方向における幅よりも広い、
請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
各々が前記第2方向に延伸して設けられた部分を有し、前記メモリセルアレイに接続された複数のビット線と、
各々が前記第1方向に延伸して設けられた部分を有し、前記複数のビット線と前記センスアンプモジュールとの間を接続する複数の交差ビット線と、をさらに備え、
前記複数の交差ビット線は、前記第1センスアンプ領域と前記第1転送領域との両方と重なる交差ビット線と、前記第2センスアンプ領域と前記第2転送領域との両方と重なる交差ビット線とを含む、
請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記センスアンプモジュールは、前記複数のビット線にそれぞれ接続された複数のセンスアンプユニットを含み、前記複数のセンスアンプユニットは、前記第2方向に並んだ第1の数のセンスアンプユニットを含むセンスアンプグループ単位に分類され、前記センスアンプグループは、前記第1センスアンプ領域と前記第2センスアンプ領域とのそれぞれにおいて前記第1方向に並んで配置され、1つのセンスアンプグループと重なるように設けられたビット線の数は、前記第1の数よりも少ない、
請求項5に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記センスアンプユニットは、対応付けられた交差ビット線に電気的に接続されたセンスノードと、前記センスノードの電圧に基づいてデータを判定するように構成されたセンスアンプ部と、前記センスアンプ部により判定されたデータを記憶するように構成された少なくとも1つのラッチ回路とを含む、
請求項6に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
前記基板と前記メモリセルアレイとの間に設けられた複数の接合金属をさらに備え、
前記複数のビット線と前記センスアンプモジュールとの間は、前記複数の接合金属のいずれかを介して電気的に接続され、
前記複数の接合金属のそれぞれは、逆テーパー形状に設けられた第1部分と、テーパー形状且つ前記第1部分上に設けられた第2部分とを有する、
請求項5に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
前記交差ビット線は、対応付けられた接合金属とビット線との間に接続される、
請求項8に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
前記メモリセルアレイに接続され、前記鉛直方向に並んだ複数のワード線と、
前記複数のワード線にそれぞれ対応付けられた複数のコンタクトと、をさらに備え、
前記コンタクトは、対応付けられたワード線に前記基板側から接し、前記複数のワード線のうち前記対応付けられたワード線以外のワード線を貫通する部分を有しない、
請求項8に記載のメモリデバイス。
【請求項11】
前記メモリセルアレイに接続され、前記鉛直方向に並んだ複数のワード線と、
前記複数のワード線にそれぞれ対応付けられた複数のコンタクトと、
前記複数のコンタクトのそれぞれの側面に設けられた絶縁膜と、をさらに備え、
前記コンタクトは、対応付けられたワード線に前記基板側から接し、前記複数のワード線のうち前記対応付けられたワード線と前記基板とに間に設けられたワード線を貫通し、貫通しているワード線との間が前記絶縁膜により絶縁される、
請求項8に記載のメモリデバイス。
【請求項12】
前記メモリセルアレイは、第1サブアレイと、前記第1サブアレイの上方に設けられた第2サブアレイとを含み、前記第1サブアレイ及び前記第2サブアレイのそれぞれは、前記鉛直方向に並んだ複数のメモリセルの組を含み、
各々が前記第2方向に延伸して設けられた部分を有し、前記基板と前記第1サブアレイとの間に設けられ、前記第1サブアレイに接続された複数の第1ビット線と、
各々が前記第2方向に延伸して設けられた部分を有し、前記第1サブアレイと前記第2サブアレイとの間に設けられ、前記複数の第1ビット線にそれぞれ電気的に接続された複数の第2ビット線と、を備え、
各々が前記第1方向に延伸して設けられた部分を有し、前記複数の第1ビット線と前記センスアンプモジュールとの間を接続する複数の交差ビット線と、をさらに備え、
前記複数の交差ビット線は、前記第1センスアンプ領域と前記第1転送領域との両方と重なる交差ビット線と、前記第2センスアンプ領域と前記第2転送領域との両方と重なる交差ビット線とを含む、
請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項13】
前記第1サブアレイに接続され、前記鉛直方向に並んだ複数の第1ワード線と、
前記第2サブアレイに接続され、前記鉛直方向に並んだ複数の第2ワード線と、をさらに備え、
前記複数の第1ワード線は、前記複数の第2ワード線にそれぞれ接続される、
請求項12に記載のメモリデバイス。
【請求項14】
前記複数の第1ワード線にそれぞれ対応付けられた複数の第1コンタクトと、
前記複数の第2ワード線にそれぞれ対応付けられた複数の第2コンタクトと、をさらに備え、
前記第1コンタクトは、対応付けられた第1ワード線に前記基板側から接し、前記複数の第1ワード線のうち前記対応付けられた第1ワード線以外の第1ワード線を貫通する部分を有さず、
前記第2コンタクトは、対応付けられた第2ワード線に前記基板側から接し、前記複数の第2ワード線のうち前記対応付けられた第2ワード線以外の第2ワード線を貫通する部分を有しない、
請求項13に記載のメモリデバイス。
【請求項15】
前記複数の第1ワード線に含まれた少なくとも1つの第1ワード線を貫通するように設けられ、前記複数の第1ワード線にそれぞれ対応付けられた複数の第3コンタクトをさらに備え、
前記複数の第1ワード線は、対応付けられた第1コンタクト、第3コンタクト、及び第2コンタクトを経由して、それぞれ前記複数の第2ワード線と電気的に接続される、
請求項14に記載のメモリデバイス。
【請求項16】
前記複数の第1ワード線にそれぞれ対応付けられた複数の第1コンタクトと、
前記複数の第2ワード線にそれぞれ対応付けられた複数の第2コンタクトと、
前記複数の第1コンタクトと前記複数の第2コンタクトとのそれぞれの側面に設けられた絶縁膜と、をさらに備え、
前記第1コンタクトは、対応付けられた第1ワード線に前記基板側から接し、前記複数の第1ワード線のうち前記対応付けられた第1ワード線と前記基板とに間に設けられた第1ワード線を貫通し、貫通している第1ワード線との間が前記絶縁膜により絶縁され、
前記第2コンタクトは、対応付けられた第2ワード線に前記基板側から接し、前記複数の第2ワード線のうち前記対応付けられた第2ワード線と前記基板とに間に設けられた第2ワード線を貫通し、貫通している第2ワード線との間が前記絶縁膜により絶縁される、
請求項13に記載のメモリデバイス。
【請求項17】
前記複数の第1ワード線に含まれた少なくとも1つの第1ワード線を貫通するように設けられ、前記複数の第1ワード線にそれぞれ対応付けられた複数の第3コンタクトをさらに備え、
前記複数の第1ワード線は、対応付けられた第1コンタクト、第3コンタクト、及び第2コンタクトを経由して、それぞれ前記複数の第2ワード線と電気的に接続される、
請求項16に記載のメモリデバイス。
【請求項18】
各々が前記メモリセルアレイと、前記ロウデコーダモジュールと、前記センスアンプモジュールとを含み、第1プレーン及び第2プレーンを含む複数のプレーンをさらに備え、
前記第1プレーンの第1センスアンプ領域、第2センスアンプ領域、第1転送領域、及び第2転送領域の配置は、前記第1プレーンの第1センスアンプ領域、第2センスアンプ領域、第1転送領域、及び第2転送領域の配置を前記第1方向に反転させた配置と同様である、
請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項19】
前記複数のプレーンは、前記第1方向に隣り合う第3プレーン及び第4プレーンをさらに含み、
前記第3プレーンの第1センスアンプ領域、第2センスアンプ領域、第1転送領域、及び第2転送領域の配置は、前記第1プレーンの第1センスアンプ領域、第2センスアンプ領域、第1転送領域、及び第2転送領域の配置を前記第2方向に反転させた配置と同様であり、
前記第4プレーンの第1センスアンプ領域、第2センスアンプ領域、第1転送領域、及び第2転送領域の配置は、前記第2プレーンの第1センスアンプ領域、第2センスアンプ領域、第1転送領域、及び第2転送領域の配置を前記第2方向に反転させたものと同様である、
請求項18に記載のメモリデバイス。
【請求項20】
前記複数のプレーンは、前記第1方向に隣り合う第5プレーン及び第6プレーンをさらに含み、
前記第5プレーンの第1センスアンプ領域、第2センスアンプ領域、第1転送領域、及び第2転送領域の配置は、前記第3プレーンの第1センスアンプ領域、第2センスアンプ領域、第1転送領域、及び第2転送領域の配置を前記第2方向に反転させた配置と同様であり、
前記第6プレーンの第1センスアンプ領域、第2センスアンプ領域、第1転送領域、及び第2転送領域の配置は、前記第4プレーンの第1センスアンプ領域、第2センスアンプ領域、第1転送領域、及び第2転送領域の配置を前記第2方向に反転させたものと同様である、
請求項19に記載のメモリデバイス。
【請求項21】
前記複数のプレーンのうち隣り合う2つプレーンは、高耐圧トランジスタが形成されるウェル領域を共有している、
請求項18乃至請求項20のいずれかに記載のメモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、メモリデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
データを不揮発に記憶することが可能なNAND型フラッシュメモリが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-153080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メモリデバイスの製造コストを抑制すること。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のメモリデバイスは、基板と、メモリセルアレイと、ロウデコーダモジュールと、センスアンプモジュールとを含む。メモリセルアレイは、基板の上方に設けられ、第1方向に並んだ第1領域及び第2領域のそれぞれにおいて基板の鉛直方向に並んだ複数のメモリセルの組を含む。ロウデコーダモジュールは、基板上に設けられ、第1領域と第2領域との間の第3領域を介してメモリセルアレイに接続され、メモリセルアレイに電圧を印加するように構成される。センスアンプモジュールは、基板上に設けられ、第1領域及び第2領域のそれぞれを介してメモリセルアレイに接続され、メモリセルアレイからデータを読み出すように構成される。ロウデコーダモジュールは、第1方向と交差する第2方向に2分割された第1転送領域及び第2転送領域に割り当てられ、第1転送領域及び前記第2転送領域は、前記第1方向にずれて配置される。センスアンプモジュールは、第1方向に2分割された第1センスアンプ領域及び第2センスアンプ領域に割り当てられる。第1センスアンプ領域及び第2センスアンプ領域は、第2方向にずれて配置される。第1センスアンプ領域は、第1領域に含まれ且つ第1転送領域と第1方向に隣り合うように配置される。第2センスアンプ領域は、第2領域に含まれ且つ第2転送領域と第1方向に隣り合うように配置される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係るメモリデバイスの全体構成の一例を示すブロック図。
図2】第1実施形態に係るメモリデバイスが備えるメモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図。
図3】第1実施形態に係るメモリデバイスが備えるロウデコーダモジュールの回路構成の一例を示す回路図。
図4】第1実施形態に係るメモリデバイスが備えるデータレジスタ及びセンスアンプモジュールの回路構成の一例を示す回路図。
図5】第1実施形態に係るメモリデバイスが備えるセンスアンプモジュールに含まれたセンスアンプユニットの回路構成の一例を示す回路図。
図6】第1実施形態に係るメモリデバイスの外観の一例を示す斜視図。
図7】第1実施形態に係るメモリデバイスが備える接合面の平面レイアウトの一例を示す模式図。
図8】第1実施形態に係るメモリデバイスが備えるメモリ層の平面レイアウトの一例を示す平面図。
図9】第1実施形態に係るメモリデバイスが備えるメモリ層のメモリ領域における平面レイアウトの一例を示す平面図。
図10】第1実施形態に係るメモリデバイスが備えるメモリ層のメモリ領域における断面構造の一例を示す、図9のX-X線に沿った断面図。
図11】第1実施形態に係るメモリデバイスが備えるメモリ層に含まれたメモリピラーの断面構造の一例を示す、図10のXI-XI線に沿った断面図。
図12】第1実施形態に係るメモリデバイスが備えるメモリ層の引出領域における平面レイアウトの一例を示す平面図。
図13】第1実施形態に係るメモリデバイスが備えるメモリ層の引出領域における断面構造の一例を示す、図12のXII-XIII線に沿った断面図。
図14】第1実施形態に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図。
図15】第1実施形態に係るメモリデバイスにおけるメモリ層とCMOS層との接続に使用される配線のレイアウトの一例を示す模式図。
図16】第1実施形態に係るメモリデバイスが備えるロウデコーダモジュールのレイアウトの一例を示す平面図。
図17】第1実施形態に係るメモリデバイスにおける積層配線とロウデコーダモジュールとの接続に使用される接合パッドの配置の一例を示す平面図。
図18】第1実施形態に係るメモリデバイスが備えるセンスアンプモジュールのレイアウトの一例を示す平面図。
図19】第1実施形態に係るメモリデバイスにおけるビット線とセンスアンプモジュールとの接続に使用される接合パッドの配置の一例を示す平面図。
図20】第1比較例に係るメモリデバイスにおける回路配置の一例を示す模式図。
図21】第2比較例に係るメモリデバイスにおける回路配置の一例を示す模式図。
図22】第1実施形態に係るメモリデバイスにおける回路配置の一例を示す模式図。
図23】第2実施形態に係るメモリデバイスの全体構成の一例を示すブロック図。
図24】第2実施形態に係るメモリデバイスが備えるメモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図。
図25】第2実施形態に係るメモリデバイスが備えるロウデコーダモジュールの回路構成の一例を示す回路図。
図26】第2実施形態に係るメモリデバイスの外観の一例を示す斜視図。
図27】第2実施形態に係るメモリデバイスが備える接合面の平面レイアウトの一例を示す模式図。
図28】第2実施形態に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す、ワード線の延伸方向に沿った断面図。
図29】第2実施形態に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す、ビット線の延伸方向に沿った断面図。
図30】第2実施形態に係るメモリデバイスにおける積層配線とロウデコーダモジュールとの接続に使用される接合パッドの配置の一例を示す平面図。
図31】第3実施形態に係るメモリデバイスの全体構成の一例を示すブロック図。
図32】第3実施形態における2プレーン構造のメモリデバイスの回路配置の一例を示す平面図。
図33】第3実施形態における4プレーン構造のメモリデバイスの回路配置の一例を示す平面図。
図34】第3実施形態における6プレーン構造のメモリデバイスの回路配置の一例を示す平面図。
図35】第1変形例に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図。
図36】第2変形例に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図。
図37】接合パッドの接合部の詳細な断面構造の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、各実施形態について図面を参照して説明する。各実施形態は、発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示している。図面は、模式的又は概念的なものである。各図面の寸法や比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。構成の図示は、適宜省略されている。図面に付加されたハッチングは、構成要素の素材や特性とは必ずしも関連していない。略同一の機能及び構成を有する構成要素には、同一の符号が付加されている。参照符号に付加された数字などは、同じ参照符号により参照され、且つ類似した要素同士を区別するために使用される。
【0008】
<1>第1実施形態
第1実施形態は、メモリセルが形成された基板と、メモリセルにアクセスするためのCMOS回路が形成された基板とが接合された構成を有するメモリデバイス1のアーキテクチャーに関する。以下に、第1実施形態の詳細について説明する。
【0009】
<1-1>メモリデバイス1の全体構成
まず、メモリデバイス1の全体構成について説明する。メモリデバイス1は、データを不揮発に記憶することが可能なNAND型フラッシュメモリの一種である。
【0010】
図1は、第1実施形態に係るメモリデバイス1の全体構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、メモリデバイス1は、外部のメモリコントローラ2によって制御される。メモリデバイス1は、例えば、メモリセルアレイ10、入出力回路11、ロジックコントローラ12、レジスタ回路13、シーケンサ14、ドライバ回路15、ロウデコーダモジュール16、データレジスタ17、及びセンスアンプモジュール18を備える。
【0011】
メモリセルアレイ10は、複数のメモリセルの集合である。メモリセルアレイ10は、
複数のブロックBLK0~BLKn(“n”は、1以上の整数)を含む。ブロックBLKは、例えば、データの消去の単位に対応し、複数のページを含む。ページは、データの読み出し及び書き込みが実行される単位に対応する。メモリセルアレイ10には、複数のビット線BL0~BLm(“m”は1以上の整数)と、複数のワード線WL(図示せず)とが設けられる。各メモリセルは、ビット線BL及びワード線WLの組に関連付けられる。ビット線BL及びワード線WLの組に複数のメモリセルが関連付けられる場合、これらの複数のメモリセルは、選択トランジスタによって個別にアクセス可能に構成される。
【0012】
入出力回路11は、メモリコントローラ2との間の入出力信号の送受信(入出力)を司るインターフェース回路である。入出力信号は、例えば、データDAT、ステータス情報、アドレス、コマンドなどを含む。入出力回路11は、データDATを、データレジスタ17とメモリコントローラ2とのそれぞれとの間で入出力し得る。入出力回路11は、レジスタ回路13から転送されたステータス情報を、メモリコントローラ2に出力し得る。入出力回路11は、メモリコントローラ2から転送されたアドレス及びコマンドのそれぞれを、レジスタ回路13に出力し得る。
【0013】
ロジックコントローラ12は、メモリコントローラ2から入力された制御信号に基づいて、入出力回路11及びシーケンサ14のそれぞれを制御するコントローラである。ロジックコントローラ12は、メモリコントローラ2からの信号の入力、又はメモリコントローラ2に対する信号の出力を、入出力回路11に命令する。また、ロジックコントローラ12は、入出力回路11が受信した入出力信号がデータDAT、コマンド、及びアドレスの何れであることを、入出力回路11に通知する。
【0014】
レジスタ回路13は、ステータス、アドレス、及びコマンドを一時的に記憶する回路である。ステータスは、シーケンサ14の制御に基づいて更新され、入出力回路11を介してメモリコントローラ2に転送される。アドレスは、ブロックアドレス、ページアドレス、カラムアドレスなどを含み得る。コマンドは、メモリデバイス1の様々な動作に関する命令を含む。
【0015】
シーケンサ14は、メモリデバイス1の全体の動作を制御するコントローラである。シーケンサ14は、レジスタ回路13に記憶されたコマンド及びアドレスに基づいて、読み出し動作、書き込み動作、消去動作などを実行する。
【0016】
ドライバ回路15は、読み出し動作、書き込み動作、消去動作などで使用される電圧を生成する回路である。ドライバ回路15は、生成した電圧を、ロウデコーダモジュール16やセンスアンプモジュール18などに供給する。
【0017】
ロウデコーダモジュール16は、動作対象のブロックBLKの選択や、ワード線WLなどの配線への電圧の転送に使用される回路である。ロウデコーダモジュール16は、複数のロウデコーダRD0~RDnを含む。ロウデコーダRD0~RDnは、それぞれブロックBLK0~BLKnに関連付けられている。ロウデコーダRDの詳細な構成については後述する。
【0018】
データレジスタ17は、データDATを一時的に記憶する回路である。データレジスタ17は、データDATを、入出力回路11とセンスアンプモジュール18のそれぞれとの間で入出力し得る。データレジスタ17は、キャッシュメモリと呼ばれてもよい。
【0019】
センスアンプモジュール18は、各ビット線BLへの電圧の転送や、データの読み出しに使用される回路である。センスアンプモジュール18は、複数のセンスアンプユニットSAU0~SAUmを含む。センスアンプユニットSAU0~SAUmは、それぞれ複数のビット線BL0~BLmに関連付けられている。センスアンプユニットSAUの詳細な構成については後述する。
【0020】
なお、メモリデバイス1及びメモリコントローラ2の組み合わせが、1つの半導体装置を構成してもよい。このような半導体装置としては、例えば、SDTMカードのようなメモリカードや、SSD(solid state drive)などが挙げられる。メモリセルアレイ10、ロウデコーダモジュール16、及びセンスアンプモジュール18の組は、例えば、“プレーンPL”と呼ばれる。メモリデバイス1は、複数のプレーンPLを備えていてもよい。
【0021】
<1-2>メモリデバイスの回路構成
次に、第1実施形態に係るメモリデバイス1の回路構成について説明する。以下では、高耐圧なMOSトランジスタのことを、“HV(High-Voltage)トランジスタ”と呼ぶ。HVトランジスタよりも低耐圧なMOSトランジスタのことを、“LV(Low-Voltage)トランジスタ”と呼ぶ。LVトランジスタは、例えば、HVトランジスタよりも薄いゲート絶縁膜を有し、HVトランジスタよりも高速に動作し得る。
【0022】
<1-2-1>メモリセルアレイ10の回路構成
図2は、第1実施形態に係るメモリデバイス1が備えるメモリセルアレイ10の回路構成の一例を示す回路図である。図2は、メモリセルアレイ10に含まれた複数のブロックBLKのうち1つのブロックBLKを示している。図2に示すように、ブロックBLKには、選択ゲート線SGD0~SGD4と、選択ゲート線SGSと、ワード線WL0~WL7と、ビット線BL0~BLmと、ソース線SLとのそれぞれが接続される。なお、選択ゲート線SGD0~SGD4と、選択ゲート線SGSと、ワード線WL0~WL7とのそれぞれは、ブロックBLK毎に設けられる。ビット線BL0~BLmとソース線SLとのそれぞれは、複数のブロックBLKで共有される。
【0023】
ブロックBLKは、例えば、5つのストリングユニットSU0~SU4を含む。各ストリングユニットSUは、複数のNANDストリングNSを含む。複数のNANDストリングNSは、それぞれビット線BL0~BLmに関連付けられる。各NANDストリングNSは、関連付けられたビット線BLとソース線SLとの間に接続される。各ビット線BLは、複数のブロックBLK間で同一のカラムアドレスが割り当てられたNANDストリングNSにより共有される。
【0024】
各NANDストリングNSは、例えば、メモリセルトランジスタMT0~MT7と、選択トランジスタST1及びST2とを含む。各メモリセルトランジスタMTは、制御ゲート及び電荷蓄積層を有するメモリセルであり、データを不揮発に保持(記憶)する。メモリセルトランジスタMTは、チャージトラップ型のメモリセルと、フローティングゲート型のメモリセルとのいずれでもよい。選択トランジスタST1及びST2のそれぞれは、ストリングユニットSUの選択に使用される。
【0025】
各NANDストリングNSにおいて、選択トランジスタST1、メモリセルトランジスタMT7~MT0、及び選択トランジスタST2は、ビット線BLからソース線SLに向かって、この順に直列に接続される。具体的には、選択トランジスタST1のドレイン端及びソース端は、関連付けられたビット線BLと、直列に接続されたメモリセルトランジスタMT7~MT0の一端(すなわち、メモリセルトランジスタMT7のドレイン端)とにそれぞれ接続される。選択トランジスタST2のドレイン端及びソース端は、直列に接続されたメモリセルトランジスタMT7~MT0の他端(すなわち、メモリセルトランジスタMT0のソース端)と、ソース線SLとにそれぞれ接続される。
【0026】
選択ゲート線SGD0~SGD4は、それぞれストリングユニットSU0~SU4に関連付けられる。各選択ゲート線SGDは、関連付けられたストリングユニットSUに含まれた複数の選択トランジスタST1のそれぞれのゲート端に接続される。選択ゲート線SGSは、関連付けられたブロックBLKに含まれた複数の選択トランジスタST2のそれぞれのゲート端に接続される。ワード線WL0~WL7は、関連付けられたブロックBLKに含まれたメモリセルトランジスタMT0~MT7のそれぞれの制御ゲート端にそれぞれ接続される。
【0027】
同じストリングユニットSUに含まれ且つ同じワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTの集合は、例えば、“セルユニットCU”と呼ばれる。例えば、各メモリセルトランジスタMTが1ビットデータを記憶する場合のセルユニットCUの記憶容量が、“1ページデータ”として定義される。セルユニットCUは、各メモリセルトランジスタMTが記憶するデータのビット数に応じて2ページデータ以上を記憶し得る。
【0028】
なお、メモリセルアレイ10は、その他の回路構成であってもよい。例えば、ブロックBLKに含まれたストリングユニットSUの数や、NANDストリングNSに含まれたメモリセルトランジスタMT並びに選択トランジスタST1及びST2のそれぞれの数は、任意の数に設計され得る。
【0029】
<1-2-2>ロウデコーダモジュール16の回路構成
図3は、第1実施形態に係るメモリデバイス1が備えるロウデコーダモジュール16の回路構成の一例を示す回路図である。図3は、ドライバ回路15及びメモリセルアレイ10のそれぞれとロウデコーダモジュール16との接続関係と、ロウデコーダRD0の詳細な回路構成とを示している。図3に示すように、ロウデコーダモジュール16に含まれた各ロウデコーダRDは、ドライバ回路15に接続された信号線CG0~CG7、SGDD0~SGDD4、SGSD、USGD、及びUSGSのそれぞれに接続される。また、各ロウデコーダRDは、メモリセルアレイ10内の関連付けられたブロックBLKのワード線WL0~WL7、並びに選択ゲート線SGS及びSGD0~SGD4に接続される。
【0030】
ロウデコーダRD0は、例えば、トランジスタTR0~TR19、転送ゲート線TG及びbTG、並びにブロックデコーダBDを含む。なお、ロウデコーダRD0以外のロウデコーダRDの回路構成は、関連付けられたブロックBLKが異なることを除いて、ロウデコーダRD0と同様である。
【0031】
トランジスタTR0~TR19のそれぞれは、N型のHVトランジスタである。トランジスタTR0~TR13のそれぞれのドレイン端は、信号線SGSD、CG0~CG7、SGDD0~SGDD4にそれぞれ接続される。トランジスタTR0~TR13のそれぞれのソース端は、ブロックBLK0の選択ゲート線SGS、ワード線WL0~WL7、並びに選択ゲート線SGD0~SGD4にそれぞれ接続される。トランジスタTR14のドレイン端及びソース端は、信号線USGSと、ブロックBLK0の選択ゲート線SGSとにそれぞれ接続される。トランジスタTR15~TR19のそれぞれのドレイン端は、信号線USGDに接続される。トランジスタTR15~TR19のそれぞれのソース端は、ブロックBLK0の選択ゲート線SGD0~SGD4にそれぞれ接続される。トランジスタTR0~TR13のそれぞれのゲート端は、転送ゲート線TGに接続される。トランジスタTR14~TR19のそれぞれのゲート端は、転送ゲート線bTGに接続される。
【0032】
ブロックデコーダBDは、ブロックアドレスをデコードする機能を有する回路である。ブロックデコーダBDは、ブロックアドレスのデコード結果に基づいて、転送ゲート線TGに“H”レベル及び“L”レベルの一方の電圧を印加し、転送ゲート線bTGに“H”レベル及び“L”レベルの他方の電圧を印加する。具体的には、選択されたブロックBLKに対応するブロックデコーダBDは、“H”レベル及び“L”レベルの電圧をそれぞれ転送ゲート線TG及びbTGに印加する。非選択のブロックBLKに対応するブロックデコーダBDは、“L”レベル及び“H”レベルの電圧をそれぞれ転送ゲート線TG及びbTGに印加する。これにより、信号線CG0~CG7のそれぞれの電圧が、選択されたブロックBLKのワード線WL0~WL7にそれぞれ転送され、信号線SGDD0~SGDD4及びSGSDのそれぞれの電圧が、選択されたブロックBLKの選択ゲート線SGD0~SGD4及びSGSにそれぞれ転送され、信号線USGD及びUSGSのそれぞれの電圧が、非選択のブロックBLKの選択ゲート線SGD及びSGSにそれぞれ転送される。
【0033】
なお、ロウデコーダモジュール16は、その他の回路構成であってもよい。例えば、ロウデコーダモジュール16が含むトランジスタTRの数は、各ブロックBLKに設けられた配線の数に応じて変更され得る。信号線CGは、複数のブロックBLK間で共有されることから、“グローバルワード線”と呼ばれてもよい。ワード線WLは、ブロック毎に設けられることから、“ローカルワード線”と呼ばれてもよい。信号線SGDD及びSGSDのそれぞれは、複数のブロックBLK間で共有されることから、“グローバル転送ゲート線”と呼ばれてもよい。選択ゲート線SGD及びSGSのそれぞれは、ブロック毎に設けられることから、“ローカル転送ゲート線”と呼ばれてもよい。
【0034】
<1-2-3>データレジスタ17及びセンスアンプモジュール18の回路構成
図4は、第1実施形態に係るメモリデバイス1が備えるデータレジスタ17及びセンスアンプモジュール18の回路構成の一例を示す回路図である。図4に示すように、データレジスタ17は、例えば、複数のラッチ回路XDL0~XDLmを含む。各センスアンプユニットSAUは、例えば、バスDBUS及びLBUS、トランジスタT0、ラッチ回路SDL、ADL、BDL及びCDL、センスアンプ部SA、並びにビット線接続部BLHUを含む。
【0035】
各ラッチ回路XDLは、データを一時的に保持することが可能な回路である。各ラッチ回路XDLは、センスアンプモジュール18と入出力回路11との間のデータDATの入出力に使用される。複数のラッチ回路XDL0~XDLmのそれぞれは、複数のセンスアンプユニットSAU0~SAUmにそれぞれ関連付けられている。各ラッチ回路XDLは、複数のセンスアンプユニットSAUにより共有されてもよい。複数のラッチ回路XDL0~XDLmのそれぞれは、バスDBUSを介して、関連付けられたセンスアンプユニットSAUに接続される。各ラッチ回路XDLは、DBUSを介して、関連付けられたセンスアンプユニットSAUとデータを送受信可能に構成される。
【0036】
各センスアンプユニットSAUのトランジスタT0は、関連付けられたDBUS及びLBUS間の信号の転送を制御する。各センスアンプユニットSAUのトランジスタT0の一端は、関連付けられたDBUSに接続される。各センスアンプユニットSAUのトランジスタT0の他端は、関連付けられたLBUSに接続される。各センスアンプユニットのトランジスタT0のゲート端には、制御信号DSWが入力される。制御信号DSWは、例えば、シーケンサ14により生成される。
【0037】
各センスアンプユニットSAUのLBUSは、ラッチ回路SDL、ADL、BDL及びCDLと、センスアンプ部SAとのそれぞれに接続される。ラッチ回路SDL、ADL、BDL及びCDLのそれぞれは、データを一時的に保持することが可能な回路である。センスアンプ部SAは、ビット線BLの電圧に基づいたデータの判定や、ビット線BLへの電圧の印加に使用される回路である。センスアンプ部SAは、読み出し動作時に制御信号STBがアサートされると、関連付けられたビット線BLの電圧に基づいて、選択されたメモリセルトランジスタMTから読み出されたデータが“0”であるか“1”であるかを判定する。ラッチ回路SDL、ADL、BDL及びCDL、並びにセンスアンプ部SAは、LBUSを介してデータを送受信可能に構成される。各センスアンプ部SAは、ビット線接続部BLHUを介して、関連付けられたビット線BLに接続される。ビット線接続部BLHUは、例えば、消去動作においてNANDストリングNSのチャネルに印加される高電圧が、センスアンプ部SAに印加されないようにするための保護回路である。
【0038】
(センスアンプユニットSAUの回路構成)
図5は、第1実施形態に係るメモリデバイス1が備えるセンスアンプモジュール18に含まれたセンスアンプユニットSAUの回路構成の一例を示す回路図である。図5に示すように、センスアンプ部SAは、例えば、トランジスタT1~T8、キャパシタCP、並びにノードND1、ND2、SEN及びSRCを含む。ビット線接続部BLHUは、例えば、トランジスタT9を含む。ラッチ回路SDLは、例えば、インバータIV0及びIV1、トランジスタT10及びT11、並びにノードSINV及びSLATを含む。トランジスタT1は、P型のLVトランジスタである。トランジスタT2~T8、T10及びT11のそれぞれは、N型のLVトランジスタである。トランジスタT9は、N型のHVトランジスタである。
【0039】
トランジスタT1のソース端、ドレイン端、及びゲート端は、それぞれ電源線、ノードND1、及びノードSINVに接続される。電源線には、例えば、電源電圧VDDが印加される。トランジスタT2のドレイン端及びソース端は、それぞれノードND1及びND2に接続される。トランジスタT2のゲート端には、制御信号BLXが入力される。トランジスタT3のドレイン端及びソース端は、それぞれノードND1及びSENに接続される。トランジスタT3のゲート端には、制御信号HLLが入力される。トランジスタT4のドレイン端及びソース端は、それぞれノードSEN及びND2に接続される。トランジスタT4のゲート端には、制御信号XXLが入力される。トランジスタT5のドレイン端は、ノードND2に接続される。トランジスタT5のゲート端には、制御信号BLCが入力される。トランジスタT6のドレイン端、ソース端、及びゲート端は、それぞれノードND2、SRC、及びSINVに接続される。ノードSRCには、例えば、接地電圧VSSが印加される。トランジスタT7のソース端及びゲート端は、それぞれ接地ノード及びノードSENに接続される。接地ノードには、例えば、接地電圧VSSが印加される。トランジスタT8のドレイン端及びソース端は、それぞれバスLBUSとトランジスタT7のドレイン端とに接続される。トランジスタT8のゲート端には、制御信号STBが入力される。キャパシタCPの一方電極は、ノードSENに接続される。キャパシタCPの他方電極には、クロック信号CLKが入力される。
【0040】
トランジスタT9のドレイン端及びソース端は、それぞれトランジスタT8のソース端と、関連付けられたビット線BLとに接続される。トランジスタT9のゲート端には、制御信号BLSが入力される。
【0041】
トランジスタT10の一端及び他端は、バスLBUS及びノードSINVにそれぞれ接続される。トランジスタT10のゲート端には、制御信号STIが入力される。トランジスタT11の一端及び他端は、バスLBUS及びノードSLATにそれぞれ接続される。トランジスタT11のゲート端には、制御信号STLが入力される。インバータIV0の入力ノード及び出力ノードは、それぞれノードSLAT及びSINVに接続される。インバータIV1の入力ノード及び出力は、それぞれノードSINV及びSLATに接続される。ラッチ回路SDLは、ノードSLATにデータを保持し、ノードSINVにノードSLATに保持されるデータの反転データを保持する。なお、ラッチ回路ADL、BDL及びCDLのそれぞれの構成は、データを保持するノードと、反転データを保持するノードと、トランジスタT10及びT11のそれぞれに入力される制御信号とのそれぞれがラッチ回路SDLと独立に用意される点を除いて、ラッチ回路SDLと同様である。
【0042】
なお、制御信号BLX、HLL、XXL、BLC、STB、BLS、STI及びSTL、並びにクロック信号CLKのそれぞれは、例えば、シーケンサ14によって生成される。センスアンプモジュール18は、その他の回路構成であってもよい。例えば、各センスアンプユニットSAUが備えるラッチ回路の数は、メモリセルトランジスタMTが記憶するビット数などに応じて変更され得る。センスアンプユニットSAUは、簡単な論理演算を実行することが可能な演算回路を有していてもよい。センスアンプモジュール18は、各ページの読み出し動作において、ラッチ回路を用いた演算処理を適宜実行することによって、メモリセルトランジスタMTに記憶されているデータを確定(判定)し得る。
【0043】
<1-3>メモリデバイスの構造
次に、第1実施形態に係るメモリデバイス1の構造について説明する。以下で参照される図面では、3次元の直交座標系が使用される。X方向は、ワード線WLの延伸方向に対応する。Y方向は、ビット線BLの延伸方向に対応する。Z方向は、基準とされる基板の表面に対する鉛直方向に対応する。XZ平面は、X方向及びZ方向のそれぞれと平行な平面に対応する。本明細書における“上下”は、Z方向に基づいて定義され、基準とされる基板から離れる方向を正方向(上方)とする。基準とされる基板としては、例えば、図面において最下部に配置された基板が使用される。基板の表(おもて)面は、トランジスタ(CMOS回路)が形成される側の面に対応する。基板の裏面は、おもて面に対して反対側の面に対応する。
【0044】
<1-3-1>メモリデバイス1の外観
図6は、第1実施形態に係るメモリデバイス1の外観の一例を示す斜視図である。図6に示すように、メモリデバイス1は、例えば、下方から順に、第1基板W1、CMOS層100、メモリ層200、第2基板W2、及び配線層300が積層された構造を有する。
【0045】
CMOS層100は、第1基板W1を利用して形成されたCMOS回路を含む。CMOS層100は、例えば、入出力回路11、ロジックコントローラ12、レジスタ回路13、シーケンサ14、ドライバ回路15、ロウデコーダモジュール16、データレジスタ17、及びセンスアンプモジュール18を含む。メモリ層200は、第2基板W2を利用して形成されたメモリセルアレイ10を含む。配線層300は、例えば、メモリデバイス1の表面で露出している複数のパッドPDを含む。複数のパッドPDは、メモリデバイス1とメモリコントローラ2との接続に使用される。
【0046】
第1基板W1及び第2基板W2のそれぞれは、シリコン基板である。第1基板W1は、メモリデバイス1の回路設計に応じた不純物拡散領域を有する。メモリデバイス1は、CMOS層100とメモリ層200との間に接合面を有する。接合面は、接合された2つの基板の境界部分に対応する。本例では、第1基板W1及び第2基板W2の接合処理により、第1基板W1上のCMOS層100の表面と第2基板W2上のメモリ層200の表面とが接合される。なお、第2基板W2は、第1基板W1及び第2基板W2の接合後に除去されてもよい。この場合、メモリデバイス1は、第2基板W2を有しない。
【0047】
<1-3-2>接合面の平面レイアウト
図7は、第1実施形態に係るメモリデバイス1が備える接合面の平面レイアウトの一例を示す模式図である。図7は、CMOS層100とメモリ層200との接合面におけるレイアウトを示し、第1基板W1を基準とした座標軸を表示している。図7に示すように、メモリ層200は、例えば、メモリ領域MR1及びMR2、引出領域HR、並びに入出力領域IOR1を有する。CMOS層100は、例えば、転送領域XR1及びXR2、センスアンプ領域SR1及びSR2、周辺回路領域PR1及びPR2、並びに入出力領域IOR2を有する。
【0048】
メモリ領域MR1及びMR2は、データの記憶に使用され、複数のNANDストリングNSを含む。メモリ領域MR1及びMR2は、X方向に並んでいる。引出領域HRは、メモリ領域MR1及びMR2の間に配置される。引出領域HRは、メモリ領域MR1及びMR2に設けられた積層配線と、転送領域XR1及びXR2に設けられたトランジスタとの間の接続に使用される領域である。入出力領域IOR1は、入出力回路11に関連する回路などを含む。入出力領域IOR1は、メモリ領域MR1及びMR2並びに引出領域HRのそれぞれとY方向に隣り合っている。
【0049】
転送領域XR1及びXR2は、ロウデコーダモジュール16を含む。センスアンプ領域SR1及びSR2は、例えば、データレジスタ17及びセンスアンプモジュール18を含む。周辺回路領域PR1及びPR2は、シーケンサ14などを含む。入出力領域IOR2は、入出力回路11に関連する回路を含む。センスアンプ領域SR1、転送領域XR1、及び周辺回路領域PR1は、この順に、X方向に並んでいる。周辺回路領域PR2、転送領域XR2、及びセンスアンプ領域SR2は、この順に、X方向に並んでいる。センスアンプ領域SR1、転送領域XR1、及び周辺回路領域PR1の組は、センスアンプ領域SR2、転送領域XR2、及び周辺回路領域PR2の組とY方向に隣り合っている。センスアンプ領域SR1及びSR2は、離れて配置され、例えば、X方向に隣り合った部分を有しない。センスアンプ領域SR1は、周辺回路領域PR2と、転送領域XR2の一部とのそれぞれとY方向に隣り合っている。センスアンプ領域SR2は、周辺回路領域PR1と、転送領域XR1の一部とのそれぞれとY方向に隣り合っている。転送領域XR1及びXR2は、Y方向に隣り合った部分を有する。
【0050】
センスアンプ領域SR1と、周辺回路領域PR2と、転送領域XR1及びXR2のそれぞれの一部とは、メモリ領域MR1とZ方向に重なっている。センスアンプ領域SR2と、周辺回路領域PR1と、転送領域XR1及びXR2のそれぞれの一部とは、メモリ領域MR2とZ方向に重なっている。転送領域XR1及びXR2のそれぞれの一部は、引出領域HRとZ方向に重なっている。入出力領域IOR2は、入出力領域IOR1とZ方向に重なっている。メモリ領域MR1と転送領域XR1とが重なっている部分の面積は、メモリ領域MR1と転送領域XR2とが重なっている部分の面積よりも小さい。メモリ領域MR2と転送領域XR2とが重なっている部分の面積は、メモリ領域MR2と転送領域XR1とが重なっている部分の面積よりも小さい。また、転送領域XR1とメモリ領域MR1とが重なった領域のX方向における幅は、転送領域XR1とメモリ領域MR2とが重なった領域のX方向における幅よりも狭い。転送領域XR2とメモリ領域MR1とが重なった領域のX方向における幅は、転送領域XR2とメモリ領域MR2とが重なった領域のX方向における幅よりも広い。
【0051】
メモリ層200は、CMOS層100との接合面において、複数の接合パッドBPを有する。メモリ領域MR1及びMR2、引出領域HR、並びに入出力領域IOR1のそれぞれは、少なくとも1つの接合パッドBPを含む。メモリ領域MR1及びMR2の接合パッドBPは、例えば、ビット線BLに接続される。引出領域HRの接合パッドBPは、例えば、メモリ領域MR1及びMR2に設けられた積層配線のいずれか(例えば、ワード線WL)に接続される。入出力領域IOR1の接合パッドBPは、例えば、配線層300を介してパッドPDに電気的に接続される。
【0052】
CMOS層100は、メモリ層200との接合面において、複数の接合パッドBPを有する。センスアンプ領域SR1及びSR2、転送領域XR1及びXR2、並びに入出力領域IOR2のそれぞれは、少なくとも1つの接合パッドBPを含む。周辺回路領域PR1及びPR2に、接合パッドBPが設けられてもよい。転送領域XR1及びXR2の接合パッドBPは、例えば、ロウデコーダRDのトランジスタTRに接続される。センスアンプ領域SRの接合パッドBPは、例えば、センスアンプユニットSAUのトランジスタT9に接続される。入出力領域IOR2の接合パッドBPは、例えば、入出力回路11のトランジスタに接続される。
【0053】
CMOS層100とメモリ層200との接合面において、メモリ層200に設けられた複数の接合パッドBPは、それぞれCMOS層100に設けられた複数の接合パッドBPと対向配置される。そして、メモリデバイス1において、対向配置された2つの接合パッドBPの組は、接合されている(図7の“接合”)。これにより、対向配置された2つの接合パッドBPの間が電気的に接続され、CMOS層100及びメモリ層200間の回路が電気的に接続される。なお、接合パッドBPは、接合金属と呼ばれてもよい。
【0054】
以上のように、メモリデバイス1のCMOS層100は、平面視において、引出領域HRを介してX方向に2分割されて配置されたセンスアンプ領域SR1及びSR2と、引出領域HRと重なり且つY方向に2分割された転送領域XR1及びXR2を備える。そして、センスアンプ領域SR1及びSR2が、Y方向にずれて配置され、転送領域XR1及びXR2が、X方向にずれて配置される。すなわち、平面視において、2分割されたセンスアンプ領域SR及び転送領域XRのそれぞれは、点対称状に配置される。具体的には、センスアンプ領域SR1及びSR2は、平面視において、例えば、引出領域HRの中央部分を基準として点対称状に配置される。転送領域XR1及びXR2は、平面視において、例えば、引出領域HRの中央部分を基準として点対称状に配置される。
【0055】
なお、メモリ領域MR1及びMR2、引出領域HR、転送領域XR1及びXR2、センスアンプ領域SR1及びSR2、周辺回路領域PR1及びPR2の配置は、適宜変更され得る。入出力領域IORと周辺回路領域PRは、互いの領域をシェアしてもよい。
【0056】
<1-3-3>メモリ層200の構造
次に、メモリ層200の詳細な構造について説明する。なお、以下では、メモリセルアレイ10が8つのブロックBLK0~BLK7を備える場合を例示する。また、メモリ領域MR1及びMR2間で共通の構造については、メモリ領域MRの構造として説明する。
【0057】
(1:メモリ層200の平面レイアウト)
図8は、第1実施形態に係るメモリデバイス1が備えるメモリ層200の平面レイアウトの一例を示す平面図である。図8は、メモリ領域MR1及びMR2、並びに引出領域HRを抽出して示している。図8に示すように、複数のブロックBLKのそれぞれは、X方向に延伸して設けられる。複数のブロックBLKは、Y方向に並んでいる。メモリセルアレイ10は、例えば、複数のスリットSLTと、複数のスリットSHEとを含む。
【0058】
各スリットSLTは、X方向に沿って延伸して設けられた部分を有し、X方向に沿ってメモリ領域MR1、引出領域HR、及びメモリ領域MR2を横切っている。複数のスリットSLTは、Y方向に並んでいる。各スリットSLTは、例えば、絶縁体が埋め込まれた構造を有する。各スリットSLTは、当該スリットSLTを介して隣り合う配線(例えば、ワード線WL0~WL7、並びに選択ゲート線SGD及びSGS)を分断している。メモリセルアレイ10では、スリットSLTによって区切られた領域のそれぞれが、1つのブロックBLKに対応している。
【0059】
複数のスリットSHEは、メモリ領域MR1においてY方向に並んだ複数のスリットSHEと、メモリ領域MR2においてY方向に並んだ複数のスリットSHEとを含む。各スリットSHEは、X方向に沿って延伸して設けられた部分を有し、X方向に沿ってメモリ領域MR1又はMR2を横切っている。本例では、メモリ領域MR1及びMR2のそれぞれにおいて、Y方向に隣り合う2つのスリットSLTの間のそれぞれに、4つのスリットSHEが配置されている。各スリットSHEは、例えば、絶縁体が埋め込まれた構造を有する。各スリットSHEは、当該スリットSHEを介して隣り合う配線(少なくとも、選択ゲート線SGD)を分断している。メモリセルアレイ10では、隣り合うスリットSLT及びSHEの組、又は隣り合う2つのスリットSHEの組によって区切られた領域のそれぞれが、1つのストリングユニットSUに対応している。
【0060】
また、引出領域HRは、X方向に2分割されて配置されたサブ引出領域SHR1及びSHR2を含む。サブ引出領域SHR1は、メモリ領域MR1と隣り合っている。サブ引出領域SHR2は、メモリ領域MR2と隣り合っている。各ブロックBLKの積層配線は、例えば、サブ引出領域SHR1又はSHR2に配置されたコンタクトを介して、ロウデコーダモジュール16に接続される。以下では、ブロックBLK(i*4)及びBLK(i*4+3)(“i”は0以上の整数)のそれぞれの積層配線が、サブ引出領域SHR1に設けられたコンタクトに接続され、ブロックBLK(i*4+1)及びBLK(i*4+2)のそれぞれの積層配線が、サブ引出領域SHR2に設けられたコンタクトに接続される場合について説明する。この場合、引出領域HRでは、ブロックBLK0~BLK3に対応する部分の構造が、Y方向に繰り返し配置される。
【0061】
なお、メモリセルアレイ10の平面レイアウトは、その他のレイアウトであってもよい。例えば、隣り合う2つのスリットSLTの間に配置されるスリットSHEの数は、任意の数に設計され得る。各ブロックBLKが備えるストリングユニットSUの数は、隣り合う2つのスリットSLTの間に配置されたスリットSHEの数に基づいて変更され得る。
【0062】
(2:メモリ領域MRの平面レイアウト)
図9は、第1実施形態に係るメモリデバイス1が備えるメモリ層200のメモリ領域MRにおける平面レイアウトの一例を示す平面図である。図9は、1つのブロックBLK(ストリングユニットSU0~SU4)を含む領域を示している。図9に示すように、メモリデバイス1は、メモリ領域MRにおいて、例えば、複数のメモリピラーMPと、複数のコンタクトCVと、複数のビット線BLとを含む。
【0063】
各メモリピラーMPは、1つのNANDストリングNSとして機能する。複数のメモリピラーMPは、隣り合う2つのスリットSLTの間の領域において、例えば、24列の千鳥状に配置される。例えば、紙面の上側から数えて、5列目のメモリピラーMPと、10列目のメモリピラーMPと、15列目のメモリピラーMPと、20列目のメモリピラーMPとのそれぞれに、1つのスリットSHEが重なって配置される。
【0064】
各ビット線BLは、Y方向に延伸して設けられた部分を有する。複数のビット線BLは、X方向に並んでいる。各ビット線BLは、ストリングユニットSU毎に、少なくとも1つのメモリピラーMPと重なるように配置される。本例では、1つのメモリピラーMPに、2つのビット線BLが重なって配置されている。メモリピラーMPは、重なって配置された複数のビット線BLのうち1つのビット線BLに、コンタクトCVを介して電気的に接続される。なお、異なる2つの選択ゲート線SGDに接したメモリピラーMPとビット線BLとの間のコンタクトCVは、省略され得る。
【0065】
なお、メモリ領域MRにおける平面レイアウトは、その他のレイアウトであってもよい。例えば、隣り合う2つのスリットSLTの間に配置されるメモリピラーMPやスリットSHEなどの数及び配置は、適宜変更され得る。各メモリピラーMPと重なるビット線BLの数は、任意の数に設計され得る。
【0066】
(3:メモリ領域MRの断面構造)
図10は、第1実施形態に係るメモリデバイス1が備えるメモリ層200のメモリ領域MRにおける断面構造の一例を示す、図9のX-X線に沿った断面図である。図10は、第1基板W1と接合される前の第2基板W2に形成されたメモリセルアレイ10の構造の一例を示し、第2基板W2を基準とした座標軸を表示している。図10に示すように、メモリ層200は、メモリ領域MRにおいて、例えば、導電体層20~26、絶縁体層30~35、及びコンタクトV0及びV1を含む。
【0067】
導電体層20は、第2基板W2上に設けられる。導電体層20上に、絶縁体層30が設けられる。絶縁体層30上に、導電体層21及び絶縁体層31が交互に設けられる。最上層の導電体層22上に、絶縁体層32が設けられる。絶縁体層32上に、導電体層23が設けられる。導電体層23上に、絶縁体層33が設けられる。絶縁体層33上に、導電体層24が設けられる。導電体層24上に、コンタクトV0が設けられる。コンタクトV0上に、導電体層25が設けられる。導電体層25上に、コンタクトV1が設けられる。コンタクトV1上に、導電体層26が設けられる。コンタクトV0、導電体層25及びコンタクトV1は、絶縁体層34によって覆われている。絶縁体層34は複数の絶縁体層により構成され得る。絶縁体層34上に、絶縁体層35が設けられる。以下では、導電体層24及び25が設けられた高さの層のことを、それぞれ配線層M0及びM1と呼ぶ。導電体層26及び絶縁体層35が設けられた高さの層のことを、“接合層B1”と呼ぶ。
【0068】
導電体層21、22、及び23のそれぞれは、例えば、XY平面に沿って広がった板状に形成される。導電体層24は、例えば、Y方向に延伸したライン状に形成される。導電体層20、21及び23は、それぞれソース線SL、選択ゲート線SGS、及び選択ゲート線SGDとして使用される。複数の導電体層22は、下方から順に、それぞれワード線WL0~WL7として使用される。導電体層24は、ビット線BLとして使用される。コンタクトV0及びV1は、柱状に設けられる。導電体層24と25との間は、コンタクトV0を介して接続される。導電体層25と導電体層26との間は、コンタクトV1を介して接続される。導電体層26は、接合層B1に含まれ、第1基板W1と第2基板W2との接合に使用される接合パッドBPに対応する。導電体層26は、例えば、銅を含む。
【0069】
スリットSLTは、XZ平面に沿って広がった板状に形成された部分を有し、絶縁体層30~32、及び導電体層21~23を分断している。各メモリピラーMPは、Z方向に沿って延伸して設けられ、絶縁体層30~32、及び導電体層21~23を貫通している。各メモリピラーMPは、例えば、コア部材40、半導体層41、及び積層膜42を含む。コア部材40は、Z方向に沿って延伸して設けられた絶縁体である。半導体層41は、コア部材40を覆っている。半導体層41の下部は、導電体層20に接している。積層膜42は、半導体層41の側面を覆っている。半導体層41の上に、コンタクトCVが設けられる。半導体層41と導電体層24との間は、コンタクトCVを介して接続される。
【0070】
なお、図示された領域には、2つのメモリピラーMPのうち、1つのメモリピラーMPに対応するコンタクトCVが示されている。当該領域においてコンタクトCVが接続されていないメモリピラーMPには、図示されない領域においてコンタクトCVが接続される。メモリピラーMPと導電体層21とが交差した部分は、選択トランジスタST2として機能する。メモリピラーMPと導電体層22とが交差した部分は、メモリセルトランジスタMTとして機能する。メモリピラーMPと導電体層23とが交差した部分は、選択トランジスタST1として機能する。
【0071】
(4:メモリピラーMPの断面構造)
図11は、第1実施形態に係るメモリデバイス1が備えるメモリ層200に含まれたメモリピラーMPの断面構造の一例を示す、図10のXI-XI線に沿った断面図である。図11は、メモリピラーMPと導電体層22とを含み且つソース線SLの表面と平行な断面を表示している。図11に示すように、積層膜42は、例えば、トンネル絶縁膜43、絶縁膜44、及びブロック絶縁膜45を含む。
【0072】
コア部材40は、例えば、メモリピラーMPの中央部分に設けられる。半導体層41は、コア部材40の側面を囲っている。トンネル絶縁膜43は、半導体層41の側面を囲っている。絶縁膜44は、トンネル絶縁膜43の側面を囲っている。ブロック絶縁膜45は、絶縁膜44の側面を囲っている。導電体層22は、ブロック絶縁膜45の側面を囲っている。半導体層41は、メモリセルトランジスタMT0~MT7並びに選択トランジスタST1及びST2のチャネル(電流経路)として使用される。トンネル絶縁膜43及びブロック絶縁膜45のそれぞれは、例えば、酸化シリコンを含む。絶縁膜44は、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層として使用され、例えば、窒化シリコンを含む。これにより、メモリピラーMPの各々が、1つのNANDストリングNSとして機能する。
【0073】
(5:引出領域HRの平面レイアウト)
図12は、第1実施形態に係るメモリデバイス1が備えるメモリ層200の引出領域HRにおける平面レイアウトの一例を示す平面図である。図12は、ブロックBLK1に対応し、且つ引出領域HRのうちサブ引出領域SHR2に対応する部分と、メモリ領域MR2の一部とを抽出して示している。図12に示すように、サブ引出領域SHR2において、ブロックBLK1の選択ゲート線SGS、ワード線WL0~WL7、及び選択ゲート線SGDのそれぞれの端部は、テラス部分を有する。また、メモリ層200は、引出領域HRにおいて、複数のコンタクトCCを含む。
【0074】
テラス部分は、積層配線のうち上層の配線層(導電体層)と重ならない部分に対応する。複数のテラス部分により形成される構造は、階段(step)、段丘(terrace)、畦石(rimstone)などと類似している。本例では、X方向に段差を有する階段構造が、選択ゲート線SGSの端部と、ワード線WL0~WL7のそれぞれの端部と、選択ゲート線SGDの端部とによって形成される。言い換えると、引出領域HRでは、段差が、選択ゲート線SGSとワード線WL0との間と、ワード線WL0とワード線WL1との間と、…、ワード線WL6とワード線WL7との間と、ワード線WL7と選択ゲート線SGDとの間とのそれぞれに形成される。メモリ領域MR1及びMR2の選択ゲート線SGS及びワード線WL0~WL7は、引出領域HR内のハイウェイ部分HWを介して連続的に設けられている。ハイウェイ部分HWは、スリットSLTに沿ってメモリ領域MR1及びMR2間で連続的に設けられた導電体層の部分に対応する。
【0075】
コンタクトCCは、ロウデコーダモジュール16と積層配線との間の接続に使用される導電体である。ブロックBLK2に対応付けられた複数のコンタクトCCは、サブ引出領域SHR2に設けられた選択ゲート線SGS及びSGD、並びにワード線WL0~WL7のそれぞれのテラス部分にそれぞれ接続される。メモリ領域MR1内の選択ゲート線SGDとメモリ領域MR2内の選択ゲート線SGDとは、同じストリングユニットSUに対応付けられている場合、例えば、コンタクトCCと配線層M1とを介して短絡される。
【0076】
なお、本例において、サブ引出領域SHR1とブロックBLK0とが重なる部分のレイアウトは、サブ引出領域SHR2とブロックBLK1とが重なる部分のレイアウトをX方向及びY方向のそれぞれに反転させたレイアウトと同様である。また、引出領域HRとブロックBLK2及びBLK3とが重なる部分のレイアウトは、引出領域HRとブロックBLK0及びBLK1とが重なる部分のレイアウトをY方向に反転させたレイアウトと同様である。これに限定されず、引出領域HRの平面レイアウトは、適宜変更され得る。
【0077】
(6:引出領域HRの断面構造)
図13は、第1実施形態に係るメモリデバイス1が備えるメモリ層200の引出領域HRにおける断面構造の一例を示す、図12のXII-XIII線に沿った断面図である。図13は、第1基板W1と接合される前の第2基板W2に形成されたメモリセルアレイ10の構造の一例を示し、第2基板W2を基準とした座標軸を表示している。図13に示すように、メモリ層200は、サブ引出領域SHR2において、例えば、複数のコンタクトCCと、複数のコンタクトV0及びV1と、複数の導電体層27、28及び29とを含む。サブ引出領域SHR2において、導電体層21~23のそれぞれの端部は、階段状に設けられ、絶縁体層33によって覆われている。絶縁体層34及び35は、サブ引出領域SHR2にもメモリ領域MRと同様に設けられている。
【0078】
複数のコンタクトCCは、選択ゲート線SGS、ワード線WL0~WL7、及び選択ゲート線SGDのそれぞれのテラス部分上に、それぞれ設けられる。各コンタクトCCは、絶縁体層33を貫通している。複数のコンタクトCCのそれぞれの上に、1つの導電体層27が設けられる。導電体層27は、配線層M0に含まれる。各導電体層27上に、コンタクトV0が設けられる。図13には、複数のコンタクトV0のうち選択ゲート線SGSに対応するコンタクトV0のみが示されている。コンタクトV0上に、導電体層28が設けられる。導電体層28は、配線層M1に含まれる。導電体層28上に、コンタクトV1が設けられる。導電体層27及び28と複数のコンタクトV0及びV1とは、絶縁体層34によって覆われている。コンタクトV1上に、導電体層29が設けられる。導電体層29は、絶縁体層35を貫通している。導電体層29は、接合層B1に含まれ、第1基板W1と第2基板W2との接合に使用される接合パッドBPに対応する。
【0079】
導電体層27、28及び29とコンタクトCC、V0及びV1との組は、導電体層21~23のいずれかと、ロウデコーダモジュール16との間を接続するための配線及びコンタクトに対応する。図示が省略されているが、導電体層22及び23のそれぞれも同様に、対応付けられた導電体層27、28及び29とコンタクトCC、V0及びV1との組を介して、ロウデコーダモジュール16に接続される。
【0080】
<1-3-4>メモリデバイス1の断面構造
図14は、第1実施形態に係るメモリデバイス1の断面構造の一例を示す断面図である。図14は、メモリデバイス1におけるメモリ領域MR2とサブ引出領域SHR2とを含む断面を示し、第1基板W1を基準とした座標軸を表示している。また、図14は、センスアンプ領域SR内のトランジスタT9に対応する構成と、転送領域XR2内のトランジスタTR1に対応する構成とを抽出して示している。図14に示すように、メモリデバイス1は、メモリ層200に対応して、図10に示されたメモリ層200の構造が上下に反転した構造と、図13に示されたサブ引出領域SHR2の構造が上下に反転した構造とを有する。第1基板W1は、図示が省略された複数のウェル領域を含む。複数のウェル領域のそれぞれには、例えば、トランジスタが形成される。複数のウェル領域の間は、例えば、STI(Shallow Trench Isolation)によって分離される。CMOS層100は、例えば、絶縁体層50及び51、導電体層GC及び52~59、並びにコンタクトCS及びC0~C3を含む。
【0081】
絶縁体層50は、第1基板W1上に設けられる。絶縁体層50は、第1基板W1上に設けられた回路を覆っている。絶縁体層50は、複数の絶縁体層により構成され得る。また、絶縁体層50は、下方から順に、配線層D0、D1、及びD2を含む。配線層D0、D1、及びD2のそれぞれには、CMOS層100の配線が設けられる。絶縁体層51は、絶縁体層50上に設けられる。絶縁体層51は、絶縁体層35に接している。絶縁体層51及び35の境界部分が、第1基板W1と第2基板W2との接合面に対応する。絶縁体層51は、例えば、シリコン酸化膜である。以下では、絶縁体層51が設けられた高さの層のことを、“接合層B2”と呼ぶ。
【0082】
導電体層GCは、第1基板W1上のゲート絶縁膜上に設けられる。センスアンプ領域SR内の導電体層GCは、例えば、トランジスタT9のゲート電極として使用される。転送領域XR2内の導電体層GCは、例えば、トランジスタTR1のゲート電極として使用される。コンタクトC0は、各導電体層GC上に設けられる。センスアンプ領域SRに含まれた2つのコンタクトCSは、第1基板W1に設けられた2つの不純物拡散領域(図示せず)に接続される。例えば、図示されたセンスアンプ領域SR2の2つの不純物拡散領域は、トランジスタT8のソース端及びドレイン端にそれぞれ対応する。同様に、転送領域XR2に含まれた2つのコンタクトCSは、第1基板W1に設けられた2つの不純物拡散領域(図示せず)に接続される。例えば、図示された転送領域XR2の2つの不純物拡散領域は、トランジスタTR1のソース端及びドレイン端にそれぞれ対応する。
【0083】
センスアンプ領域SR2内のコンタクトCS及びC0のそれぞれの上に、導電体層52が設けられる。導電体層52は、配線層D0に含まれる。導電体層52上に、コンタクトC1を介して導電体層53が設けられる。導電体層53は、配線層D1に含まれる。導電体層53上に、コンタクトC2を介して導電体層54が設けられる。導電体層54は、配線層D2に含まれる。導電体層54上に、コンタクトC3を介して導電体層55が設けられる。導電体層55は、接合層B2に含まれ、第1基板W1と第2基板W2との接合に使用される接合パッドBPに対応する。導電体層55は、例えば、銅を含む。導電体層55上に、対向配置された導電体層26が接している。これにより、導電体層24(ビット線BL)が、第1基板W1上に設けられたトランジスタT9に電気的に接続される。その他の導電体層24も同様に、導電体層52~55並びにコンタクトCS及びC1~C3などを介して、第1基板W1上に設けられたトランジスタに接続される。また、配線層M1内の各導電体層25は、対応付けられたビット線BLとトランジスタT9との位置関係に応じて、X方向に延伸して設けられた部分を有し得る。以下では、導電体層25のことを、“交差ビット線CBL(Crossed bit line)”とも呼ぶ。
【0084】
転送領域XR2内のコンタクトCS及びC0のそれぞれの上に、導電体層56が設けられる。導電体層56は、配線層D0に含まれる。導電体層56上に、コンタクトC1を介して導電体層57が設けられる。導電体層57は、配線層D1に含まれる。導電体層57上に、コンタクトC2を介して導電体層58が設けられる。導電体層58は、配線層D2に含まれる。導電体層58上に、コンタクトC3を介して導電体層59が設けられる。導電体層59は、接合層B2に含まれ、第1基板W1と第2基板W2との接合に使用される接合パッドBPに対応する。導電体層59は、例えば、銅を含む。導電体層59上に、対向配置された導電体層29が接している。これにより、導電体層23(ワード線WL0)が、第1基板W1上に設けられたトランジスタTR1に電気的に接続される。その他の導電体層21~23も同様に、導電体層56~59並びにコンタクトCS及びC1~C3などを介して、第1基板W1上に設けられたトランジスタに接続される。また、例えば、配線層D1内の各導電体層57は、対応付けられた積層配線(例えば、ワード線WL)とトランジスタTRとの位置関係に応じて、X方向に延伸して設けられた部分を有し得る。
【0085】
第2基板W2上には、絶縁体層70が設けられる。絶縁体層70は、配線層300に含まれる。配線層300は、CMOS層100及びメモリ層200のいずれかに含まれた回路に接続される導電体層を含む。当該導電体層は、例えば、絶縁体層70を貫通して設けられたパッドPDに接続される(図示せず)。
【0086】
<1-3-5>メモリセルアレイ10とCMOS回路とを接続する配線のレイアウト
図15は、第1実施形態に係るメモリデバイス1におけるメモリセルアレイ10とCMOS回路とを接続する配線のレイアウトの一例を示す模式図である。図15の(A)は、センスアンプ領域SR1及び転送領域XR1を含み且つXZ平面に沿った断面における配線のレイアウトを示している。図15の(B)は、センスアンプ領域SR2及び転送領域XR2を含み且つXZ平面に沿った断面における配線のレイアウトを示している。
【0087】
図15の(A)に示すように、センスアンプ領域SR1のX方向における幅は、メモリ領域MR1のX方向における幅よりも狭い。センスアンプ領域SR1及び転送領域XR1を含む断面において、センスアンプ領域SR1の上方のメモリピラーMPに接続されたビット線BLは、X方向に延伸した配線(交差ビット線CBL)を介して、センスアンプ領域SR1内のセンスアンプユニットSAUに接続される。メモリ領域MR1内の交差ビット線CBLの長さは、対応付けられたセンスアンプユニットSAUとメモリピラーMPとの位置関係に応じて設計される。また、メモリ領域MR1内の一部の交差ビット線CBLのX方向に延伸した部分の長さは、転送領域XR1とのZ方向の重なり幅に応じて長く設計される。以下では、交差ビット線CBLのレイアウトに利用され、メモリ領域MRと転送領域XRとの重なった部分のX方向における長さのことを、“CBL長”とも呼ぶ。
【0088】
転送領域XR1のX方向における幅は、引出領域HRのX方向における幅よりも広い。センスアンプ領域SR1及び転送領域XR1を含む断面において、引出領域HR内のコンタクトCCに接続されたワード線WLなどは、X方向に延伸した配線(例えば、導電体層37)を介して、対応付けられたロウデコーダRDに接続される。メモリ領域MR1内の導電体層37の長さは、対応付けられたコンタクトCCとロウデコーダRDとの位置関係に応じて設計される。
【0089】
図15の(B)に示すように、センスアンプ領域SR2のX方向における幅は、メモリ領域MR2のX方向における幅よりも狭い。センスアンプ領域SR2及び転送領域XR2を含む断面において、センスアンプ領域SR2の上方のメモリピラーMPに接続されたビット線BLは、交差ビット線CBLを介して、センスアンプ領域SR2内のセンスアンプユニットSAUに接続される。メモリ領域MR2内の交差ビット線CBLの長さは、対応付けられたセンスアンプユニットSAUとメモリピラーMPとの位置関係に応じて設計される。また、メモリ領域MR2内の一部の交差ビット線CBLのX方向に延伸した部分の長さは、転送領域XR2とのZ方向の重なり幅に応じて長く設計される。メモリ領域MR2におけるCBL長は、例えば、メモリ領域MR1におけるCBL長と同じである。
【0090】
転送領域XR2のX方向における幅は、引出領域HRのX方向における幅よりも広い。センスアンプ領域SR2及び転送領域XR2を含む断面において、引出領域HR内のコンタクトCCに接続されたワード線WLなどは、X方向に延伸した配線(例えば、導電体層37)を介して、対応付けられたロウデコーダRDに接続される。メモリ領域MR2内の導電体層37の長さは、対応付けられたコンタクトCCとロウデコーダRDとの位置関係に応じて設計される。
【0091】
なお、CMOS層100に設けられる配線層及びコンタクトの数は、任意の数に設計され得る。以上で説明されたビット線BLとロウデコーダRDとを接続する経路と、ワード線WLとセンスアンプユニットSAUとを接続する経路とは、あくまで一例である。交差ビット線CBLは、接合面に対してCMOS層100側に設けられても良い。交差ビット線CBLは、導電体層25以外の導電体層であってもよい。ワード線WL並びに選択ゲート線SGD及びSGSのいずれかとロウデコーダRDとの間の接続に使用され且つX方向に延伸する配線(例えば、導電体層37)は、接合面に対してメモリ層200側に設けられても良い。メモリ層200の回路とCMOS層100内の回路とを接続する為の配線のレイアウトは、適宜変更され得る。
【0092】
(1:ロウデコーダモジュール16の接続に使用される配線のレイアウト)
図16は、第1実施形態に係るメモリデバイス1が備えるロウデコーダモジュール16のレイアウトの一例を示す平面図である。図16は、ロウデコーダモジュール16が8つのブロックBLK0~BLK7に対応付けられた8つのロウデコーダRD8を有する場合を例示している。図16に示すように、本例では、ロウデコーダRD0~RD3が転送領域XR1に配置され、ロウデコーダRD4~RD7が転送領域XR2に配置されている。
【0093】
各ロウデコーダRDは、X方向に沿って延伸した領域に設けられている。転送領域XR1において、ロウデコーダRD0~RD3は、Y方向に並んでいる。転送領域XR2において、ロウデコーダRD4~RD7は、Y方向に並んでいる。各ブロックBLKのY方向における幅は、例えば、ロウデコーダRDのY方向における幅と略同じである。各転送領域XRでは、X方向に並ぶ複数のロウデコーダRDの組が、Y方向に配列されてもよい。この場合、各ブロックBLKのY方向における幅は、例えば、X方向に並ぶ複数のロウデコーダRDの組のY方向の幅と略同じになるように設計される。
【0094】
図17は、第1実施形態に係るメモリデバイス1における積層配線とロウデコーダモジュール16との接続に使用される接合パッドBPの配置の一例を示す平面図である。図17は、ブロックBLK0~BLK3と引出領域HRとが重なる領域におけるコンタクトCC、導電体層28、及び接合層B1の接合パッドBPの配置を示している。図17に示すように、複数の接合パッドBPは、サブ引出領域SHR1及びSHR2のそれぞれにおいて、各ブロックBLKと重なるように配置される。そして、各コンタクトCCは、対応付けられたブロックBLKの上方、又は対応付けられたブロックBLKと隣り合うブロックBLKと重なるように配置された接合パッドBPに接続される。各導電体層28は、対応付けられたコンタクトCC及び接合パッドBPの配置に応じて、Y方向に延伸して設けられた部分を有する。
【0095】
具体的には、サブ引出領域SHR1内でブロックBLK0に接続された各コンタクトCCは、サブ引出領域SHR1とブロックBLK0とが重なる領域と、サブ引出領域SHR1とブロックBLK1とが重なる領域とのいずれかに配置された接合パッドBPに接続される。サブ引出領域SHR2内でブロックBLK1に接続された各コンタクトCCは、サブ引出領域SHR2とブロックBLK0とが重なる領域と、サブ引出領域SHR2とブロックBLK1とが重なる領域とのいずれかに配置された接合パッドBPに接続される。サブ引出領域SHR2内でブロックBLK2に接続された各コンタクトCCは、サブ引出領域SHR2とブロックBLK2とが重なる領域と、サブ引出領域SHR2とブロックBLK3とが重なる領域とのいずれかに配置された接合パッドBPに接続される。サブ引出領域SHR1内でブロックBLK3に接続された各コンタクトCCは、サブ引出領域SHR1とブロックBLK2とが重なる領域と、サブ引出領域SHR1とブロックBLK3とが重なる領域とのいずれかに配置された接合パッドBPに接続される。
【0096】
(2:センスアンプモジュール18の接続に使用される配線のレイアウト)
図18は、第1実施形態に係るメモリデバイス1が備えるセンスアンプモジュール18のレイアウトの一例を示す平面図である。図18に示すように、センスアンプ領域SR1及びSR2のそれぞれでは、例えば、Y方向に並んだ9個のセンスアンプユニットSAUの組が、X方向に並んでいる。以下では、センスアンプ領域SRにおいてY方向に並んだセンスアンプユニットSAUの組のことを、“センスアンプグループSAG”と呼ぶ。
【0097】
各センスアンプグループSAGが形成される領域のX方向における長さは、例えば、8本のビット線BLが設けられる長さ(図18の“8BL”)と略同じになるように設計される。センスアンプ領域SR1において、各センスアンプグループSAGが形成される領域のY方向における長さ(図18の“9SAU”)は、転送領域XR1のY方向における長さよりも短い。センスアンプ領域SR2において、各センスアンプグループSAGが形成される領域のY方向における長さは、転送領域XR2のY方向における長さよりも短い。
【0098】
センスアンプ領域SR1内で転送領域XR1と最も近いセンスアンプグループSAGは、X方向に延伸して設けられた交差ビット線CBLを介して、転送領域XR1とZ方向に重なる領域に形成されたビット線BLと接続される。センスアンプ領域SR2内で転送領域XR2と最も近いセンスアンプグループSAGは、X方向に延伸して設けられた交差ビット線CBLを介して、転送領域XR2とZ方向に重なる領域に形成されたビット線BLと接続される。
【0099】
各センスアンプグループSAGに含まれるセンスアンプユニットSAUの数は、任意の数に変更され得る。メモリデバイス1では、センスアンプグループSAGのY方向における長さが、各転送領域XRのY方向における長さよりも短く設計されていればよい。また、各センスアンプグループSAGが形成される領域のX方向における長さは、センスアンプグループSAGに含まれたセンスアンプユニットSAUの数よりも少ない本数のビット線BLがX方向に並んだ場合のX方向における長さ以下に設計されていればよい。
【0100】
言い換えると、1つのセンスアンプグループSAGが含むセンスアンプユニットSAUの個数は、ビット線BLのピッチに基づいて設計される。そして、メモリデバイス1では、センスアンプユニットSAUのX方向における長さの基準とされるビット線BLの本数が、1つのセンスアンプグループSAGに接続されるビット線BLの本数よりも少ない。つまり、メモリデバイス1では、少なくともセンスアンプユニットSAUのX方向における長さが、センスアンプグループSAGに含まれたセンスアンプユニットSAUの数よりも少ない本数のビット線BLのピッチに基づいて設計されていればよい。
【0101】
図19は、第1実施形態に係るメモリデバイス1におけるビット線BLとセンスアンプモジュール18との接続に使用される接合パッドBPの配置の一例を示す平面図である。図19は、ビット線BL、交差ビット線CBL、接合パッドBPの一部の配置と、引出領域HR、メモリ領域MR2、センスアンプ領域SR2、及び転送領域XR2との位置関係を適宜省略して示している。図19に示すように、複数のビット線BLが、X方向に並んでいる。所定の数の交差ビット線CBLは、Y方向に並んでいる。Y方向に並んでいる所定の数の交差ビット線CBLは、X方向にずれて配置されている。各交差ビット線CBLは、例えば、コンタクトCVを介して、対応付けられたビット線BLに電気的に接続される。そして、所定の数の交差ビット線CBLの複数組が、X方向に並んでいる。
【0102】
メモリ領域MR2と引出領域HRとの境界(図19の“アレイ端”)の最も近くに配置されたビット線BLは、少なくともアレイ端からセンスアンプ領域SR2内まで延伸して設けられた交差ビット線CBLを介して、対応付けられた接合パッドBPに接続される。転送領域XR2と重なっているビット線BLには、少なくとも転送領域XR2及びセンスアンプ領域SR2の境界(図19の“センスアンプ端”)を跨ぐように設けられた交差ビット線CBLが接続される。メモリ領域MR1に対応付けられた複数の交差ビット線CBLの配置は、例えば、メモリ領域MR2に対応付けられた複数の交差ビット線CBLの配置をX方向に反転された配置と同様である。
【0103】
なお、Y方向に並ぶ所定の数の交差ビット線CBLの本数は、例えば、センスアンプグループSAGが形成される領域のX方向における長さに対応付けられたビット線BLの本数(本例では、“8BL”)よりも多くなるように設計される。また、交差ビット線CBLのY方向のピッチは、例えば、(1)センスアンプグループSAGが形成される領域のY方向の長さを、(2)センスアンプグループSAGが形成される領域内の交差ビット線CBLの本数で割った数値に基づいて設計される。(1)/(2)の計算結果は、CBL長が短くなるほど大きくなり、CBL長が短くなるほど小さくなる。
【0104】
<1-4>第1実施形態の効果
以上で説明された第1実施形態に係るメモリデバイス1に依れば、メモリデバイス1の製造コストを抑制することが出来る。以下に、第1実施形態の効果の詳細について比較例を用いて説明する。
【0105】
メモリデバイスは、大まかにメモリセルアレイ10とCMOS回路とに分類される。メモリデバイスのビットコストを抑制するためには、メモリデバイスのチップ面積のうちメモリセルアレイ10に対応する領域の占める割合(セル占有率)を拡大することが好ましい。これに対して、接合構造を有するメモリデバイスが知られている。接合構造は、メモリセルアレイ10が形成される基板と、CMOS回路が形成される基板とが分離され、これらの基板が接合された構造である。接合構造は、メモリセルアレイ10とCMOS回路とを重ねることができるため、セル占有率を大きくすることができる。
【0106】
そして、接合構造を有するメモリデバイスにおいて、交差ビット線CBLを利用した構造(CBLアーキテクチャー)が考えられている。CBLアーキテクチャーでは、ビット線BLとセンスアンプユニットSAUとの接続に、ビット線BLと直交する交差ビット線CBLが使用される。これにより、センスアンプモジュール18とロウデコーダモジュール16の一部とが、メモリセルアレイ10と重なるように配置され得る。その結果、CBLアーキテクチャーは、メモリセルアレイ10と階段構造との下に、センスアンプユニットSAUやロウデコーダRDを効率よく配置することができる。
【0107】
一方で、メモリセルが積層された構造を有するメモリデバイスでは、メモリセルの積層数の増大に伴いロウデコーダRDの数が増加する。そして、ロウデコーダRDの数の増加に伴う転送領域XRの面積の増大は、階段構造が形成される引出領域HRの面積の増大よりも大きい場合がある。さらに、デザインルール縮小が進行すると、センスアンプグループSAGの高さ(センスアンプグループSAGが形成された領域のX方向における長さ)が低く(短く)なる傾向がある。つまり、メモリセルの積層数の増大とデザインルール縮小は、交差ビット線CBLの配線ピッチの縮小の要因となり得る。
【0108】
図20は、第1比較例に係るメモリデバイス1Xにおける回路配置の一例を示す模式図である。メモリデバイス1Xは、メモリデバイス1に対して回路配置のみが異なる構成を有する。図20に示すように、メモリデバイス1Xは、メモリデバイス1と同様に、X方向に2分割されたセンスアンプが、矩形の領域に設けられたロウデコーダを挟むように配置される。そして、ロウデコーダ上に、最小ピッチで階段構造が設けられている。この場合、ロウデコーダの面積に対して階段構造の面積が小さくなり、CBL長が長くなる。この場合、交差ビット線CBLの配線ピッチが縮小される必要性がある。配線ピッチの縮小は、液浸露光装置の利用やマルチパターニング技術の利用など、高コストな半導体製造工程が利用される。従って、メモリデバイス1Xでは、製造コストが上昇し得る。
【0109】
図21は、第2比較例に係るメモリデバイス1Yおける回路配置の一例を示す模式図である。メモリデバイス1Yは、メモリデバイス1Xにおいて階段構造の面積を増やした場合の回路配置の一例に対応する。図21に示すように、交差ビット線CBLの配線ピッチを縮小するためにCBL長を短くするために、階段面積を増やすことが考えられる。しかしながら、メモリデバイス1Yでは、階段面積が増えたことに伴いチップ面積が増大するため、製造コストが上昇し得る。
【0110】
これに対して、第1実施形態に係るメモリデバイス1は、1プレーンPLにおけるX方向の中央部に階段構造が配置された構成において、2分割されたセンスアンプモジュール18及びロウデコーダモジュール16のそれぞれが点対称状に配置された構成を有する。図22は、第1実施形態に係るメモリデバイス1における回路配置の一例を示す模式図である。図22に示すように、メモリデバイス1では、CBL長が短くなるように、センスアンプ領域SR1及び転送領域XR1の境界部分がずれて配置され、センスアンプ領域SR2及び転送領域XR2の境界部分がずれて配置されている。
【0111】
その結果、第1実施形態に係るメモリデバイス1では、半分のプレーンPL単位に対して、CBL長が短く設計され得る。すなわち、メモリデバイス1では、交差ビット線CBLの配線ピッチが緩和され得る。さらに、メモリデバイス1は、第1比較例と同様に最小ピッチで階段構造を設けることができる。つまり、メモリデバイス1では、高コストな半導体製造工程が削減され、且つチップ面積の増大が抑制され得る。従って、第1実施形態に係るメモリデバイス1は、メモリデバイス1の製造コストを抑制することが出来る。
【0112】
<2>第2実施形態
第2実施形態に係るメモリデバイス1Aは、メモリセルアレイ10が積層された構造と、第1実施形態で説明されたアーキテクチャーとが組み合わされた構成を有する。以下に、第2実施形態の詳細について、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0113】
<2-1>メモリデバイス1Aの全体構成
図23は、第2実施形態に係るメモリデバイス1Aの全体構成の一例を示すブロック図である。図23に示すように、メモリデバイス1Aは、例えば、メモリセルアレイ10A、入出力回路11、ロジックコントローラ12、レジスタ回路13、シーケンサ14、ドライバ回路15A、ロウデコーダモジュール16A、データレジスタ17、及びセンスアンプモジュール18を備える。メモリデバイス1Aにおける入出力回路11、ロジックコントローラ12、レジスタ回路13、シーケンサ14、データレジスタ17、及びセンスアンプモジュール18のそれぞれの詳細は、第1実施形態と同様である。
【0114】
メモリセルアレイ10Aは、サブアレイ101a及び101bを有する。サブアレイ101a及び101bは、異なる基板を用いて形成される。サブアレイ101aは、複数のサブブロックSBLKa(0)~SBLKa(n)(“n”は、1以上の整数)を含む。サブアレイ101bは、複数のサブブロックSBLKb(0)~SBLKb(n)を含む。メモリセルアレイ10Aでは、サブブロックSBLKa(k)及びSBLKb(k)(“k”は0以上n以下の整数)の組が、1つのブロックBLKkを構成する。言い換えると、メモリセルアレイ10Aは、各々が、サブアレイ101aに含まれた1つのサブブロックSBLKaと、サブアレイ101bに含まれた1つのサブブロックSBLKbとの組で構成される複数のブロックBLK0~BLKnを有する。なお、メモリセルアレイ10Aは、3つ以上のサブアレイ101を備えていてもよい。この場合、ブロックBLKは、複数のサブアレイ101のそれぞれのサブブロックSBLKの組により構成される。
【0115】
ドライバ回路15A及びロウデコーダモジュール16Aのそれぞれは、メモリセルアレイ10Aの回路構成に適合するように構成される。ドライバ回路15Aは、サブアレイ101a及びサブアレイ101bに設けられた各種配線に印加する電圧を生成する。ロウデコーダモジュール16Aは、ブロックBLK0~BLKnにそれぞれ関連付けられた複数のロウデコーダRD0~RDnを含む。ロウデコーダモジュール16Aは、ドライバ回路15Aによって生成された電圧を、サブアレイ101a及びサブアレイ101bに設けられた各種配線に転送する。
【0116】
<2-2>メモリデバイス1Aの回路構成
次に、第1実施形態に係るメモリデバイス1Aの回路構成について説明する。
【0117】
<2-2-1>メモリセルアレイ10Aの回路構成
図24は、第2実施形態に係るメモリデバイス1Aが備えるメモリセルアレイ10Aの回路構成の一例を示す回路図である。図24は、メモリセルアレイ10Aに含まれた複数のブロックBLKのうち1つのブロックBLKを示している。図24に示すように、第2実施形態のブロックBLKには、選択ゲート線SGDa0~SGDa4と、選択ゲート線SGDb0~SGDb4と、選択ゲート線SGSと、ワード線WL0~WL7と、ビット線BL0~BLmと、ソース線SLとのそれぞれが接続される。なお、選択ゲート線SGDa0~SGDa4と、選択ゲート線SGDb0~SGDb4と、選択ゲート線SGSと、ワード線WL0~WL7とのそれぞれは、ブロックBLK毎に設けられる。ビット線BL0~BLmとソース線SLとのそれぞれは、複数のブロックBLKで共有される。
【0118】
第2実施形態のブロックBLKは、例えば、サブブロックSBLKaに含まれた5つのストリングユニットSUa0~SUa4と、サブブロックSBLKbに含まれた5つのストリングユニットSUb0~SUb4とを含む。各ストリングユニットSUaは、複数のNANDストリングNSaを含む。各ストリングユニットSUbは、複数のNANDストリングNSaを含む。複数のNANDストリングNSaは、それぞれビット線BL0~BLmに関連付けられる。複数のNANDストリングNSbは、それぞれビット線BL0~BLmに関連付けられる。NANDストリングNSa及びNSbのそれぞれは、関連付けられたビット線BLとソース線SLとの間に接続される。
【0119】
各NANDストリングNSaは、例えば、メモリセルトランジスタMTa0~MTa7と、選択トランジスタSTa1及びSTa2とを含む。選択トランジスタSTa1及びSTa2のそれぞれは、ストリングユニットSUaの選択に使用される。各NANDストリングNSaにおいて、選択トランジスタSTa1、メモリセルトランジスタMTa7~MTa0、及び選択トランジスタSTa2は、ビット線BLからソース線SLに向かって、この順に直列に接続される。各NANDストリングNSbは、例えば、メモリセルトランジスタMTb0~MTb7と、選択トランジスタSTb1及びSTb2とを含む。選択トランジスタSTb1及びSTb2のそれぞれは、ストリングユニットSUbの選択に使用される。各NANDストリングNSbにおいて、選択トランジスタSTb1、メモリセルトランジスタMTb7~MTb0、及び選択トランジスタSTb2は、ビット線BLからソース線SLに向かって、この順に直列に接続される。
【0120】
選択ゲート線SGDa0~SGDa4は、それぞれストリングユニットSUa0~SUa4に関連付けられる。各選択ゲート線SGDaは、関連付けられたストリングユニットSUaに含まれた複数の選択トランジスタSTa1のそれぞれのゲート端に接続される。選択ゲート線SGDb0~SGDb4は、それぞれストリングユニットSUb0~SUb4に関連付けられる。各選択ゲート線SGDbは、関連付けられたストリングユニットSUbに含まれた複数の選択トランジスタSTb1のそれぞれのゲート端に接続される。選択ゲート線SGSは、関連付けられたブロックBLKに含まれた複数の選択トランジスタSTa2のそれぞれのゲート端と、複数の選択トランジスタSTb2のそれぞれのゲート端とに接続される。ワード線WL(K)(“K”は、例えば0以上7以下の整数)は、関連付けられたブロックBLKに含まれた複数のメモリセルトランジスタMTa(K)のそれぞれの制御ゲート端と、複数のメモリセルトランジスタMTb(K)のそれぞれの制御ゲート端とに接続される。
【0121】
以上のように、メモリセルアレイ10Aでは、組み合わされたブロックBLKa及びBLKbの組において、ワード線WLが共有されている。そして、ストリングユニットSU毎に、選択ゲート線SGDが設けられる。選択ゲート線SGSは、ブロックBLK内で共有されてもよいし、ストリングユニットSU毎に設けられてもよい。
【0122】
なお、メモリセルアレイ10Aは、その他の回路構成であってもよい。例えば、ブロックBLKに含まれたストリングユニットSUa及びSUbの数や、NANDストリングNSaに含まれたメモリセルトランジスタMTa並びに選択トランジスタSTa1及びSTa2のそれぞれの数や、NANDストリングNSbに含まれたメモリセルトランジスタMTb並びに選択トランジスタSTb1及びSTb2のそれぞれの数は、任意の数に設計され得る。メモリセルアレイ10Aが3つ以上のサブアレイ101を備える場合、例えば、同じブロックBLK内の複数のサブブロックSBLK間においてワード線WLが共有され、且つ選択ゲート線SGDが独立に制御可能に接続される。
【0123】
<2-2-2>ロウデコーダモジュール16Aの回路構成
図25は、第2実施形態に係るメモリデバイス1Aが備えるロウデコーダモジュール16Aの回路構成の一例を示す回路図である。図25は、ドライバ回路15A及びメモリセルアレイ10Aのそれぞれとロウデコーダモジュール16Aとの接続関係と、1つのロウデコーダRDの詳細な回路構成とを示している。図25に示すように、第2実施形態のロウデコーダRDは、ドライバ回路15Aに接続された信号線CG0~CG7、SGDDa0~SGDDa4、SGDDb0~SGDDb4、SGSD、USGD、及びUSGSのそれぞれに接続される。また、第2実施形態のロウデコーダRDは、メモリセルアレイ10A内の関連付けられたブロックBLKのワード線WL0~WL7、並びに選択ゲート線SGS、SGDa0~SGDa4、及びSGDb0~SGDb4に接続される。
【0124】
第2実施形態のロウデコーダRDは、例えば、トランジスタTR0~TR29、転送ゲート線TG及びbTG、並びにブロックデコーダBDを含む。トランジスタTR0~TR8及びTR14と、ブロックデコーダBDとのそれぞれの詳細は、第1実施形態のロウデコーダRDと同様である。
【0125】
トランジスタTR20~TR29のそれぞれは、N型のHVトランジスタである。トランジスタTR9~TR13及びTR20~TR24のそれぞれのドレイン端は、信号線SGDDa0~SGDDa4、SGDDb0~SGDDb4にそれぞれ接続される。トランジスタTR9~TR13及びTR20~TR24のそれぞれのソース端は、関連付けられたブロックBLKの選択ゲート線SGDa0~SGDa4、SGDb0~SGDb4にそれぞれ接続される。トランジスタTR15~TR19及びTR25~TR29のそれぞれのドレイン端は、信号線USGDに接続される。トランジスタTR15~TR19及びTR25~TR29のそれぞれのソース端は、関連付けられたブロックBLKの選択ゲート線SGDa0~SGDa4及びSGDb0~SGDb4にそれぞれ接続される。トランジスタTR9~TR13及びTR20~TR24のそれぞれのゲート端は、転送ゲート線TGに接続される。トランジスタTR15~TR19及びTR25~TR29のそれぞれのゲート端は、転送ゲート線bTGに接続される。
【0126】
なお、ロウデコーダモジュール16Aは、その他の回路構成であってもよい。ロウデコーダモジュール16Aが含むトランジスタTRの数は、各ブロックBLKに設けられた配線の数に応じて変更され得る。メモリセルアレイ10Aが3つ以上のサブアレイ101を備える場合、ブロックBLK内の選択ゲート線SGDを独立に制御可能なようにトランジスタTRが設けられる。
【0127】
<2-3>メモリデバイス1Aの構造
次に、第2実施形態に係るメモリデバイス1Aの構造について説明する。
【0128】
<2-3-1>メモリデバイス1Aの外観
図26は、第2実施形態に係るメモリデバイス1Aの外観の一例を示す斜視図である。図26に示すように、メモリデバイス1Aは、例えば、下方から順に、第1基板W1、CMOS層100、メモリ層200a、メモリ層200b、第3基板W3、及び配線層300が積層された構造を有する。
【0129】
第2実施形態のCMOS層100は、例えば、入出力回路11、ロジックコントローラ12、レジスタ回路13、シーケンサ14、ドライバ回路15A、ロウデコーダモジュール16A、データレジスタ17、及びセンスアンプモジュール18を含む。メモリ層200aは、第2基板W2を利用して形成されたサブアレイ101aを含む。本例において、第2基板W2は、第1基板W1及び第2基板W2の接合後に除去されている。メモリ層200bは、第3基板W3を利用して形成されたサブアレイ101bを含む。
【0130】
第3基板W3は、シリコン基板である。メモリデバイス1Aは、CMOS層100及びメモリ層200a間と、メモリ層200a及び200b間とのそれぞれに接合面を有する。本例では、第1基板W1及び第2基板W2の接合処理により、第1基板W1上のCMOS層100の表面と第2基板W2上のメモリ層200aの表面とが接合される。また、第1基板W1及び第2基板W2の接合後の基板(接合基板)と、第3基板W3との接合処理により、接合基板上のメモリ層200aの表面と第3基板W3上のメモリ層200bの表面とが接合される。なお、第3基板W3は、接合基板及び第3基板W3の接合後に除去されてもよい。この場合、メモリデバイス1Aは、第3基板W3を有しない。
【0131】
<2-3-2>接合面の平面レイアウト
図27は、第2実施形態に係るメモリデバイス1Aが備える接合面の平面レイアウトの一例を示す模式図である。図27は、メモリ層200a及び200bの接合面におけるレイアウトを示し、第1基板W1を基準とした座標軸を表示している。なお、メモリデバイス1Aにおいて、CMOS層100とメモリ層200aとの接合面の構成は、第1実施形態におけるCMOS層100とメモリ層200との接合面の構成と同様である。図27に示すように、メモリ層200aは、例えば、メモリ領域MRa1及びMRa2、引出領域HR、並びに入出力領域IORa1を有する。メモリ層200bは、例えば、メモリ領域MRb1及びMRb2、引出領域HR、並びに入出力領域IORb1を有する。
【0132】
メモリ領域MRa1、MRa2、MRb1及びMRb2のそれぞれは、データの記憶に使用され、複数のNANDストリングNSを含む。引出領域HRaは、メモリ領域MRa1及びMRa2に設けられた積層配線と、転送領域XR1及びXR2に設けられたトランジスタとの間の接続に使用される領域である。引出領域HRbは、メモリ領域MRb1及びMRb2に設けられた積層配線と、引出領域HRaに設けられた配線との間の接続に使用される領域である。入出力領域IORa1及びIORb1のそれぞれは、入出力回路11に関連する回路などを含む。
【0133】
メモリ層200aにおけるメモリ領域MRa1及びMRa2、引出領域HRa、並びに入出力領域IORa1の配置は、第1実施形態のメモリ層200におけるメモリ領域MR1及びMR2、引出領域HR、並びに入出力領域IOR1の配置と同様である。また、メモリ層200bにおけるメモリ領域MRb1及びMRb2、引出領域HRb並びに入出力領域IORb1の配置は、第1実施形態のメモリ層200におけるメモリ領域MR1及びMR2、引出領域HR、並びに入出力領域IOR1の配置と同様である。メモリ領域MRa1及びMRa2は、メモリ領域MRb1及びMRb2とそれぞれZ方向に重なっている。引出領域HRaは、引出領域HRbとZ方向に重なっている。入出力領域IORa1は、入出力領域IORb1とZ方向に重なっている。
【0134】
メモリ層200aは、メモリ層200bとの接合面において、複数の接合パッドBPを有する。メモリ領域MRa1及びMRa2、引出領域HRa、並びに入出力領域IORa1のそれぞれは、少なくとも1つの接合パッドBPを含む。メモリ領域MRa1及びMRa2の接合パッドBPは、例えば、ビット線BLに接続される。引出領域HRaの接合パッドBPは、例えば、メモリ領域MRa1及びMRa2に設けられた積層配線のいずれか(例えば、ワード線WL)に接続される。入出力領域IORa1の接合パッドBPは、例えば、CMOS層100を介して入出力回路11のトランジスタに電気的に接続される。
【0135】
メモリ層200bは、メモリ層200aとの接合面において、複数の接合パッドBPを有する。メモリ領域MRb1及びMRb2、引出領域HRb、並びに入出力領域IORb1のそれぞれは、少なくとも1つの接合パッドBPを含む。メモリ領域MRb1及びMRb2の接合パッドBPは、例えば、ビット線BLに接続される。引出領域HRbの接合パッドBPは、例えば、メモリ領域MRb1及びMRb2に設けられた積層配線のいずれか(例えば、ワード線WL)に接続される。入出力領域IORb1の接合パッドBPは、例えば、配線層300を介してパッドPDに電気的に接続される。
【0136】
メモリ層200a及び200bの接合面において、メモリ層200aに設けられた複数の接合パッドBPは、それぞれメモリ層200bに設けられた複数の接合パッドBPと対向配置される。そして、メモリデバイス1Aにおいて、対向配置された2つの接合パッドBPの組は、接合されている(図27の“接合”)。これにより、対向配置された2つの接合パッドBPの間が電気的に接続され、メモリ層200a及び200b間の回路が電気的に接続される。
【0137】
<2-3-3>メモリデバイス1Aの断面構造
次に、第2実施形態に係るメモリデバイス1Aの断面構造について説明する。
【0138】
メモリデバイス1Aにおいて、CMOS層100の断面構造は、第1実施形態と同様である。メモリ層200a及び200bのそれぞれは、例えば、第1実施形態のメモリ層200と同様の構成を含む。以下では、メモリ層200と同様の構成要素については、メモリ層200aに含まれる場合に参照符号の末尾に“a”が付加され、メモリ層200bに含まれる場合に参照符号の末尾に“b”が付加される。
【0139】
(ワード線WLの延伸方向に沿った断面)
図28は、第2実施形態に係るメモリデバイス1Aの断面構造の一例を示す、ワード線WLの延伸方向(X方向)に沿った断面図である。図28は、メモリデバイス1Aにおけるメモリ領域MR2とサブ引出領域SHR2とを含む断面を示し、第1基板W1を基準とした座標軸を表示している。図28に示すように、メモリ層200aは、例えば、第1実施形態のメモリ層200に対して、第2基板W2が省略され、絶縁体層80及び81、導電体層82、及びコンタクトV2が追加された構成を有する。メモリ層200bは、例えば、第1実施形態のメモリ層200に対して、第2基板W2が第3基板W3に置き換えられた構成を有する。第3基板W3上には、第1実施形態のメモリ層200と同様に、絶縁体層70(配線層300)が設けられる。
【0140】
メモリ層200aにおいて、導電体層24a(ビット線BL)は、第1実施形態のメモリ層200と同様に、導電体層25a、26a、52~55、並びにコンタクトV0a、V1a、C1~C3及びCSなどを介して、第1基板W1上に設けられたセンスアンプ部SA(トランジスタT9)に接続される。同様に、導電体層22a(例えば、ワード線WL1)は、導電体層27a~29a及び56~59、並びにコンタクトV0a、V1a、C1~C3及びCSなどを介して、第1基板W1上のロウデコーダRD(例えば、トランジスタTR2)に接続される。導電体層21a及び23aも、導電体層22aと同様に、第1基板W1上のロウデコーダRDに接続される。
【0141】
メモリ層200aにおいて、絶縁体層80は、導電体層20a上に設けられる。絶縁体層81は、絶縁体層80上に設けられる。絶縁体層81は、メモリ層200a及び200bの接合面に接している。以下では、絶縁体層81が設けられた高さの層を、“接合層B3”と呼ぶ。導電体層82は、接合層B3に含まれ、接合パッドBPに対応する。接合層B3に含まれた導電体層82の数は、少なくともメモリ層200aに含まれたコンタクトCCの数に対応する。コンタクトV2は、サブ引出領域SHR2に含まれる。コンタクトV2は、メモリ層200aの積層配線のテラス部分を貫通して設けられ、対応付けられた導電体層27aと導電体層82との間を接続している。コンタクトV2の側面は、スペーサSPによって覆われている。このスペーサSPは、コンタクトV2とメモリ層200aの積層配線との間を絶縁している。
【0142】
メモリ層200bにおいて、絶縁体層35bは、メモリ層200a及び200bの接合面に接している。以下では、絶縁体層35bが設けられた高さの層を、“接合層B3”と呼ぶ。また、メモリ層200bにおいて、第1実施形態のメモリ層200の配線層M0及びM1に対応する層を、それぞれ配線層M2及びM3と呼ぶ。各導電体層29bは、メモリ層200aの導電体層82と対向配置され、接合される。これにより、導電体層22b(例えば、ワード線WL1)は、導電体層27b~29b並びにコンタクトV0b及びV1bなどを介して、メモリ層200aにおいて対応付けられた導電体層82に電気的に接続される。その結果、同じワード線WL1に対応付けられた導電体層22a及び22bの間が、コンタクトV2を介して電気的に接続される。導電体層21b及び23bも、導電体層22bと同様に、コンタクトV2を介して、対応付けられた導電体層21a及び23aとそれぞれ電気的に接続される。
【0143】
(ビット線BLの延伸方向に沿った断面)
図29は、第2実施形態に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す、ビット線BLの延伸方向(Y方向)に沿った断面図である。図29は、メモリデバイス1Aにおけるメモリ領域MR2を含む断面を示し、第1基板W1を基準とした座標軸を表示している。図29に示すように、メモリ層200aは、例えば、導電体層83と、コンタクトV3とをさらに含む。
【0144】
導電体層83は、接合層B3に含まれ、接合パッドBPに対応する。接合層B3に含まれた導電体層83の数は、少なくともメモリ層200aに含まれたビット線BLの数に対応する。コンタクトV3は、メモリ領域MR2に含まれる。コンタクトV3は、絶縁体層33aを貫通して設けられ、対応付けられた導電体層24aと導電体層83との間を接続している。スペーサSPは、コンタクトV3の側面を覆うように設けられる。コンタクトV3は、メモリ層200aの積層配線を貫通して設けられてもよい。コンタクトV3は、例えば、コンタクトV2と一括で形成される。
【0145】
各導電体層26bは、メモリ層200aの導電体層83と対向配置され、接合される。これにより、導電体層24b(ビット線BL)は、導電体層25b及び26b並びにコンタクトV0b及びV1bなどを介して、メモリ層200aにおいて対応付けられた導電体層24aに電気的に接続される。その結果、同じビット線BLに対応付けられた導電体層24a及び24bの間が、コンタクトV3を介して電気的に接続される。
【0146】
<2-3-4>接合パッドBPの詳細なレイアウト
図30は、第2実施形態に係るメモリデバイス1Aにおける積層配線とロウデコーダモジュール16Aとの接続に使用される接合パッドBPの配置の一例を示す平面図である。図30は、ブロックBLK0~BLK3と引出領域HRとが重なる領域におけるコンタクトCC及びV2、導電体層28a、並びに接合層B1の接合パッドBPの配置を示している。図30に示すように、第2実施形態の引出領域HRにおけるコンタクトCC及び接合パッドBPのそれぞれの配置は、第1実施形態のロウデコーダモジュール16と同様である。そして、第2実施形態の引出領域HRでは、コンタクトV2が、対応付けられたコンタクトCCが接続されたブロックBLKに対して隣り合うブロックBLKに配置される。
【0147】
具体的には、サブ引出領域SHR1内でブロックBLK0に接続された各コンタクトCCは、サブ引出領域SHR1とブロックBLK1とが重なる領域に配置されたコンタクトV2に接続される。サブ引出領域SHR2内でブロックBLK1に接続された各コンタクトCCは、サブ引出領域SHR2とブロックBLK0とが重なる領域に配置されたコンタクトV2に接続される。サブ引出領域SHR2内でブロックBLK2に接続された各コンタクトCCは、サブ引出領域SHR2とブロックBLK3とが重なる領域に配置されたコンタクトV2に接続される。サブ引出領域SHR1内でブロックBLK3に接続された各コンタクトCCは、サブ引出領域SHR1とブロックBLK2とが重なる領域に配置されたコンタクトV2に接続される。
【0148】
以上で説明されたメモリデバイス1Aの構造において、コンタクトV2は、その他の配線やコンタクトを介して接合層B3の接合パッドBPに接続されてもよい。引出領域HRにおいて、接合層B1における接合パッドBPの配置と、接合層B3における接合パッドBPの配置とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。第2実施形態に係るメモリデバイス1Aのその他の構成は、第1実施形態に係るメモリデバイス1と同様である。
【0149】
<2-4>第2実施形態の効果
第2実施形態に係るメモリデバイス1Aは、複数のメモリ層200a及び200bを備えることによって、第1実施形態に係るメモリデバイス1よりも記憶容量を増大させることができる。また、第2実施形態に係るメモリデバイス1Aは、第1実施形態と同様に、メモリデバイス1Aの製造コストを抑制することが出来る。
【0150】
<3>第3実施形態
第3実施形態に係るメモリデバイス1Bは、複数のプレーンPLを備える構造と、第1及び第2実施形態で説明されたアーキテクチャーとが組み合わされた構成を有する。以下に、第3実施形態の詳細について、第1及び第2実施形態と異なる点を主に説明する。
【0151】
<3-1>メモリデバイス1Bの全体構成
図31は、第3実施形態に係るメモリデバイス1Bの全体構成の一例を示すブロック図である。図31に示すように、メモリデバイス1Bは、複数のプレーンPLと、シーケンサ14Aとを備える。図31は、メモリデバイス1Bが2つのプレーンPL1及びPL2を備える場合を示している。各プレーンPLは、少なくともメモリセルアレイ10、ロウデコーダモジュール16、及びセンスアンプモジュール18を有する。各プレーンPLは、ドライバ回路15などを共有していてもよいし、個別に有していてもよい。シーケンサ14Aは、複数のプレーンPLを独立に制御可能に構成される。第3実施形態に係るメモリデバイス1Bのその他の構成は、第1実施形態に係るメモリデバイス1又は第2実施形態に係るメモリデバイス1Aと同様である。
【0152】
<3-2>メモリデバイス1Bの平面レイアウト
以下に、メモリデバイス1Bの平面レイアウトの一例について、メモリデバイス1Bが2つのプレーンPLを備える場合(2プレーン構造)と、4つのプレーンPLを備える場合(4プレーン構造)と、6つのプレーンPLを備える場合(6プレーン構造)とのそれぞれの回路配置の一例について順に説明する。
【0153】
(1:2プレーン構造の場合)
図32は、第3実施形態における2プレーン構造のメモリデバイス1B-1の回路配置の一例を示す平面図である。図32に示すように、メモリデバイス1B-1は、2つのプレーンPL1及びPL2を備える。プレーンPL1及びPL2は、X方向に隣り合っている。プレーンPL2におけるセンスアンプ領域SR1及びSR2並びに転送領域XR1及びXR2の配置は、プレーンPL1におけるセンスアンプ領域SR1及びSR2並びに転送領域XR1及びXR2の配置をX方向に反転させた配置と同様である。
【0154】
プレーンPL1のセンスアンプ領域SR1は、プレーンPL2のセンスアンプ領域SR1とX方向に隣り合っている。プレーンPL1のセンスアンプ領域SR2は、プレーンPL2のセンスアンプ領域SR2と、プレーンPL1及びPL2のそれぞれの引出領域HRを介してX方向に離れている。メモリデバイス1B-1では、例えば、周囲がプレーンPL1及びPL2のそれぞれのセンスアンプ領域SR1及び転送領域XR2に接した領域が、プレーンPL1及びPL2間で共有され得る。
【0155】
(2:4プレーン構造の場合)
図33は、第3実施形態における4プレーン構造のメモリデバイス1B-2の回路配置の一例を示す平面図である。図33に示すように、メモリデバイス1B-2は、4つのプレーンPL1~PL4を備える。メモリデバイス1B-2のプレーンPL1及びPL2のそれぞれにおけるセンスアンプ領域SR1及びSR2並びに転送領域XR1及びXR2の配置は、2プレーン構造のメモリデバイス1B-1と同様である。プレーンPL3及びPL4は、それぞれプレーンPL1及びPL2とY方向に隣り合っている。プレーンPL3におけるセンスアンプ領域SR1及びSR2並びに転送領域XR1及びXR2の配置は、プレーンPL1におけるセンスアンプ領域SR1及びSR2並びに転送領域XR1及びXR2の配置をY方向に反転させた配置と同様である。プレーンPL4におけるセンスアンプ領域SR1及びSR2並びに転送領域XR1及びXR2の配置は、プレーンPL2におけるセンスアンプ領域SR1及びSR2並びに転送領域XR1及びXR2の配置をY方向に反転させた配置と同様である。
【0156】
プレーンPL3及びPL4のそれぞれのセンスアンプ領域SR1は、X方向に隣り合っている。プレーンPL3のセンスアンプ領域SR1及び転送領域XR1は、それぞれプレーンPL1のセンスアンプ領域SR1及び転送領域XR1とY方向に隣り合っている。プレーンPL4のセンスアンプ領域SR1及び転送領域XR1は、それぞれプレーンPL2のセンスアンプ領域SR1及び転送領域XR1とY方向に隣り合っている。メモリデバイス1B-2では、メモリデバイス1B-2の中央近傍に、各プレーンPLのセンスアンプ領域SR1が配置されている。メモリデバイス1B-2では、例えば、周囲がプレーンPL1及びPL3のそれぞれのセンスアンプ領域SR2及び転送領域XR1に接した領域が、プレーンPL1及びPL3間で共有され得る。メモリデバイス1B-2では、例えば、周囲がプレーンPL2及びPL4のそれぞれのセンスアンプ領域SR2及び転送領域XR1に接した領域が、プレーンPL1及びPL3間で共有され得る。メモリデバイス1B-2のその他の構成は、メモリデバイス1B-1と同様である。
【0157】
(3:6プレーン構造の場合)
図34は、第3実施形態における6プレーン構造のメモリデバイス1B-3の回路配置の一例を示す平面図である。図34に示すように、メモリデバイス1B-3は、6つのプレーンPL1~PL6を備える。メモリデバイス1B-3のプレーンPL1~PL4のそれぞれにおけるセンスアンプ領域SR1及びSR2並びに転送領域XR1及びXR2の配置は、4プレーン構造のメモリデバイス1B-2と同様である。プレーンPL5及びPL6は、それぞれプレーンPL3及びPL4とY方向に隣り合っている。プレーンPL5におけるセンスアンプ領域SR1及びSR2並びに転送領域XR1及びXR2の配置は、プレーンPL1におけるセンスアンプ領域SR1及びSR2並びに転送領域XR1及びXR2の配置と同様である。プレーンPL6におけるセンスアンプ領域SR1及びSR2並びに転送領域XR1及びXR2の配置は、プレーンPL2におけるセンスアンプ領域SR1及びSR2並びに転送領域XR1及びXR2の配置と同様である。
【0158】
プレーンPL5及びPL6のそれぞれのセンスアンプ領域SR1は、X方向に隣り合っている。プレーンPL5のセンスアンプ領域SR2及び転送領域XR2は、それぞれプレーンPL3のセンスアンプ領域SR2及び転送領域XR2とY方向に隣り合っている。プレーンPL6のセンスアンプ領域SR2及び転送領域XR2は、それぞれプレーンPL4のセンスアンプ領域SR2及び転送領域XR2とY方向に隣り合っている。メモリデバイス1B-3では、プレーンPL3~PL6のそれぞれのセンスアンプ領域SR1及び転送領域XR2によって囲まれた領域が、プレーンPL3~PL6間で共有され得る。メモリデバイス1B-3のその他の構成は、メモリデバイス1B-2と同様である。
【0159】
<3-3>第3実施形態の効果
第3実施形態に係るメモリデバイス1Bは、複数のプレーンPLの配置に応じて、複数のプレーンPL間でCMOS回路やウェル領域を共有できる。例えば、メモリデバイス1Bでは、隣り合うプレーンPLで隣接する周辺回路領域PRにおいて、HVトランジスタを形成するためのウェル領域を共有することができる。その結果、CMOS回路を効率よく配置することができ、CMOS回路の面積を縮小することができる。従って、第3実施形態に係るメモリデバイス1Bは、第1実施形態と同様の効果と併せて、さらに複数のプレーンPLを備えるメモリデバイス1Bの製造コストを抑制することができる。
【0160】
<4>変形例など
以下に、上記実施形態で説明されたメモリデバイス1の変形例などについて説明する。
【0161】
上記実施形態では、引出領域HRに形成されたテラス部分にコンタクトCCが接続される場合について例示したが、これに限定されない。メモリデバイス1は、引出領域HRにテラス部分が設けられない場合においても、あるコンタクトCCと関連付けられた配線との組が、他の積層配線と短絡することなく電気的に接続される構造を有していればよい。以下に、第1実施形態においてテラス部分が形成されない場合を第1変形例とし、第2実施形態においてテラス部分が形成されない場合を第2変形例として説明する。
【0162】
図35は、第1変形例に係るメモリデバイス1の断面構造の一例を示す断面図である。図35は、第1実施形態で説明された図14と同様の領域を示している。図35に示すように、第1変形例に係るメモリデバイス1では、導電体層21~23のそれぞれが、テラス部分を有しない。この場合、図示が省略されているが、メモリ領域MR1からメモリ領域MR2に亘って、導電体層21~23のそれぞれが板状に設けられている。そして、第1変形例における各コンタクトCCは、配線層M0と接続先の導電体層との間の導電体層を貫通している。それから、第1変形例における各コンタクトCCの側面には、スペーサSPが設けられている。これにより、第1変形例における各コンタクトCCは、第1実施形態のコンタクトCCと同様に機能することができる。
【0163】
図36は、第2変形例に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図である。図36は、第2実施形態で説明された図28と同様の領域を示している。図36に示すように、第2変形例に係るメモリデバイス1Aでは、導電体層21a~23a及び21b~23bのそれぞれが、テラス部分を有しない。この場合、図示が省略されているが、メモリ領域MR1からメモリ領域MR2に亘って、導電体層21a~23a及び21b~23bのそれぞれが板状に設けられている。そして、第2変形例におけるメモリ層200aの各コンタクトCCは、配線層M0と接続先の導電体層との間の導電体層を貫通している。それから、第2変形例におけるメモリ層200aの各コンタクトCCの側面には、スペーサSPが設けられている。同様に、第2変形例におけるメモリ層200bの各コンタクトCCは、配線層M2と接続先の導電体層との間の導電体層を貫通している。そして、第2変形例におけるメモリ層200bの各コンタクトCCの側面には、スペーサSPが設けられている。これにより、第2変形例における各コンタクトCCは、第2実施形態のコンタクトCCと同様に機能することができる。
【0164】
図37は、接合パッドBPの接合部の詳細な断面構造の一例を示す断面図である。図37に示すように、図37は、CMOS層100の導電体層55(接合パッドBP)とメモリ層200の導電体層26(接合パッドBP)と、これらの接合パッドBPに接続される一部のコンタクト及び配線を示している。図37に示すように、対向配置される2つの接合パッドBPは、形成時のエッチング方向に基づいて、異なるテーパー形状を有し得る。具体的には、第1基板W1を利用して形成された導電体層55(接合パッドBP)は、例えば、逆テーパー形状を有している。第2基板W2を利用して形成された導電体層26(接合パッドBP)は、例えば、テーパー形状を有している。逆テーパー形状に形成された接合パッドBPは、接合処理により上下に反転されて接合されるため、第1基板W1を基準とした場合にテーパー形状とみなされ得る。その他の部分で対向配置される2つの接合パッドBPの形状も、導電体層55及び26と同様に形成され得る。
【0165】
また、対向配置される2つの接合パッドBPの組は、接合処理時の位置合わせに応じて、ずれて接合され得る。このため、導電体層55の上面と導電体層26の下面とは、段差を形成し得る。対向配置される2つの接合パッドBPの組は、境界を有していてもよいし、一体化されていてもよい。接合パッドBPと、当該接合パッドBPに接続されるコンタクトとは、一体で形成されてもよい。接合パッドBPに接続されるコンタクトは、複数であってもよい。例えば、導電体層55(接合パッドBP)は、複数のコンタクトC3を介して導電体層54に接続されてもよい。同様に、導電体層26(接合パッドBP)は、複数のコンタクトV1を介して導電体層25に接続されてもよい。
【0166】
上記実施形態において、メモリデバイス1の回路構成、平面レイアウト、及び断面構造のそれぞれは、適宜変更され得る。例えば、メモリピラーMPの半導体層41とソース線SLとの間は、メモリピラーMPの側面を介して接続されてもよい。メモリピラーMPは、複数のピラーがZ方向に2本以上連結された構造を有していてもよい。メモリピラーMPは、選択ゲート線SGDに対応するピラーと、ワード線WLに対応するピラーとが連結された構造を有していてもよい。各コンタクトは、Z方向に連結された複数のコンタクトによって接続されてもよい。複数のコンタクトの連結部分には、導電体層が挿入されてもよい。メモリデバイス1が備える配線層やコンタクトの数は、適宜変更され得る。
【0167】
上記実施形態で説明に使用された図面では、メモリピラーMPがZ方向において同一径を有している場合を例示したが、これに限定されない。メモリピラーMPは、テーパー形状、逆テーパー形状、又はボーイング形状を有していてもよい。同様に、スリットSLT及びSHEのそれぞれが、テーパー形状、逆テーパー形状、又はボーイング形状を有していてもよい。同様に、各コンタクトが、テーパー形状、逆テーパー形状、又はボーイング形状を有していてもよい。メモリピラーMP並びにコンタクトV0~V3、CC及びC3のそれぞれの断面構造は、円形であってもよいし、楕円形であってもよい。
【0168】
上記実施形態では、CMOS層100の上方にメモリ層200が設けられる場合について例示したが、メモリ層200の上方にCMOS層100が設けられてもよい。この場合、例えば、CMOS層100上に配線層300(パッドPD)が設けられる。
【0169】
本明細書において“接続”は、電気的に接続されていることを示し、例えば、間に別の素子を介することを除外しない。“電気的に接続される”は、電気的に接続されたものと同様に動作することが可能であれば、絶縁体を介していてもよい。“テーパー形状”は、基準とされる基板から離れるにつれて細くなる形状のことを示している。“逆テーパー形状”は、基準とされる基板から離れるにつれて太くなる形状のことを示している。“柱状”は、メモリデバイス1の製造工程において形成されたホール内に設けられた構造体であることを示している。“径”は、基板の表面と平行な断面における、ホール等の内径のことを示している。“幅”は、例えば、X方向又はY方向における構成要素の長さのことを示している。“半導体層”は、“導電体層”と呼ばれてもよい。
【0170】
本明細書において“領域”は、基準とされる基板によって含まれる構成と見なされてもよい。例えば、第1基板W1がメモリ領域MRと引出領域HRとを含むと規定された場合、メモリ領域MRと引出領域HRとは、第1基板W1の上方の異なる領域にそれぞれ関連付けられる。“高さ”は、例えば計測対象の構成と第1基板W1とのZ方向の間隔に対応している。“高さ”の基準としては、第1基板W1以外の構成が使用されてもよい。“平面位置”は、平面レイアウトにおける構成要素の位置を示している。“上面(平面)視”は、例えば、第2基板W2側から第1基板W1を見ることに対応する。
【0171】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0172】
1…メモリデバイス、1A,1B,1B-1,1B-2,1B-3…メモリデバイス、2…メモリコントローラ、10,10A…メモリセルアレイ、101,101a,101b…サブアレイ、11…入出力回路、12…ロジックコントローラ、13…レジスタ回路、14,14A…シーケンサ、15,15A…ドライバ回路、16,16A…ロウデコーダモジュール、17…データレジスタ、18…センスアンプモジュール、20~29,20a~29a,20b~29b…導電体層、30~35…絶縁体層、37…導電体層、40…コア部材、41…半導体層、42…積層膜、43…トンネル絶縁膜、44…絶縁膜、45…ブロック絶縁膜、50,51…絶縁体層、52~59…導電体層、70…絶縁体層、80,81…絶縁体層、82,83…導電体層、100…CMOS層、200,200a,200b…メモリ層、300…配線層、D0~D2,M0~M3…配線層、B1~B4…接合層、MR1,MR2,MRa1,MRb1…メモリ領域、HR,HRa,HRb…引出領域、SHR1,SHR2…サブ引出領域、SR1,SR2…センスアンプ領域、XR1,XR2…転送領域、PR1,PR2…周辺回路領域、IOR1,IOR2,IORa1,IORb1…入出力領域、W1,W2,W3…基板、C0~C3,V0,V0a,V0b,V1~V3…コンタクト、PL,PL1~PL6…プレーン、BLK…ブロック、SBLKa,SBLKb…サブブロック、SU,SUa,SUb…ストリングユニット、MT,MTa,MTb…メモリセルトランジスタ、ST1,ST2,STa1,STa2,STb1,STb2…選択トランジスタ、BL…ビット線、WL…ワード線、SGD,SGDa,SGDb,SGS…選択ゲート線、CG,SGDD,SGSD,SGDDa,SGDDb…信号線、IV0,IV1…インバータ、ND1,ND2…ノード、RD…ロウデコーダ、SAU…センスアンプユニット、T0~T9,TR0~TR29…トランジスタ、SDL,ADL,BDL,CDL,XDL…ラッチ回路
図1
図2
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