(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108616
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】電子部品及び電子部品装置
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
H01G4/30 201F
H01G4/30 513
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013061
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】永井 佑一
(72)【発明者】
【氏名】森田 健
(72)【発明者】
【氏名】高田 匡平
(72)【発明者】
【氏名】奥井 保弘
(72)【発明者】
【氏名】永島 義崇
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE01
5E082FF05
5E082FG26
5E082GG10
(57)【要約】
【課題】マイグレーションの進行を抑制する電子部品を提供する。
【解決手段】一対の外部電極5のそれぞれは、マイグレーションが相対的に生じやすい第二電極層E2を含む。一対の外部導体11のそれぞれは、第二電極層E2よりマイグレーションが生じがたい導体層13を含む。一対の外部導体11は、側面上において、第一方向D1で並んでいると共に、一対の外部電極5から離間している。内部電極7は、一方の外部電極5と一方の外部導体11と電気的に接続されている。内部電極9は、他方の外部電極5と他方の外部導体11と電気的に接続されている。一方の外部導体11は、一方の外部電極5と他方の外部導体11の間に位置している。他方の外部導体11は、他方の外部電極5と一方の外部導体11の間に位置している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向している第一端面及び第二端面と、前記第一端面と前記第二端面とを連結している側面と、を含む素体と、
前記素体内に配置されている複数の内部導体と、
それぞれがマイグレーションが相対的に生じやすい電極層を含む、前記第一端面に配置されている第一外部電極及び前記第二端面に配置されている第二外部電極と、
それぞれが前記電極層よりマイグレーションが生じがたい導体層を含み、前記側面上において、前記第一端面と前記第二端面とが互いに対向している方向で並んでいると共に前記第一外部電極と前記第二外部電極から離間している第一外部導体及び第二外部導体と、を備え、
前記複数の内部導体は、前記第一外部電極と前記第一外部導体と電気的に接続されている第一内部導体と、前記第二外部電極と前記第二外部導体と電気的に接続されている第二内部導体と、含み、
前記第一外部導体は、前記第一外部電極と前記第二外部導体の間に位置し、
前記第二外部導体は、前記第二外部電極と前記第一外部導体の間に位置している、電子部品。
【請求項2】
前記素体は、直方体形状を呈し、
前記側面は、前記第一端面と前記第二端面とに隣り合っている第一側面、第二側面、第三側面、及び第四側面を含み、
前記第一外部導体及び前記第二外部導体のそれぞれは、前記第一側面、前記第二側面、前記第三側面、及び前記第四側面上にわたって配置されている、請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記第一側面と前記第二側面とは、互いに対向しており、
前記第一内部導体は、前記第一外部導体に含まれると共に前記第一側面上に位置している部分と物理的に接続されており、
前記第二内部導体は、前記第二外部導体に含まれると共に前記第二側面上に位置している部分と物理的に接続されている、請求項2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記第一内部導体は、前記第一外部導体に含まれると共に前記第一側面上に位置している部分と物理的に接続されており、
前記第二内部導体は、前記第二外部導体に含まれると共に前記第一側面上に位置している部分と物理的に接続されている、請求項2に記載の電子部品。
【請求項5】
前記第一内部導体は、複数の箇所で、前記第一外部導体と物理的に接続されており、
前記第二内部導体は、複数の箇所で、前記第二外部導体と物理的に接続されている、請求項1に記載の電子部品。
【請求項6】
前記第一外部電極と前記第一外部導体との第一最短距離と、前記第二外部電極と前記第二外部導体との第二最短距離とは、前記第一外部導体と前記第二外部導体との最短距離より小さい、請求項1に記載の電子部品。
【請求項7】
前記側面は、実装面を構成するように配置される第一主面と、前記第一主面と対向している第二主面と、前記第一主面、前記第二主面、前記第一端面、及び前記第二端面と隣り合うと共に互いに対向している一対の側面を含み、
前記電極層は、前記第一主面の一部と、前記一対の端面のうち対応する端面の一部と、前記一対の側面のそれぞれの一部とを連続して覆うように形成されている導電性樹脂層を含み、
前記第一内部導体は、前記一対の側面が互いに対向している方向で前記第二内部導体に対向しており、前記第一外部導体に含まれると共に前記第一主面上に位置している部分と物理的に接続されており、
前記第二内部導体は、前記第二外部導体に含まれると共に前記第一主面上に位置している部分と物理的に接続されている、請求項1に記載の電子部品。
【請求項8】
前記側面は、実装面を構成するように配置される第一主面と、前記第一主面と対向している第二主面と、前記第一主面、前記第二主面、前記第一端面、及び前記第二端面と隣り合うと共に互いに対向している一対の側面を含み、
前記電極層は、前記第一主面の一部と、前記一対の端面のうち対応する端面の一部と、前記一対の側面のそれぞれの一部とを連続して覆うように形成されている導電性樹脂層を含み、
前記第一内部導体は、前記第一主面と前記第二主面とが互いに対向している方向で前記第二内部導体に対向しており、前記第一外部導体に含まれると共に前記一対の側面のうち少なくとも一つの側面上に位置している部分と物理的に接続されており、
前記第二内部導体は、前記第二外部導体に含まれると共に前記一対の側面のうち少なくとも一つの側面上に位置している部分と物理的に接続されている、請求項1に記載の電子部品。
【請求項9】
前記複数の内部導体のうち、前記第一主面と前記第二主面とが互いに対向している前記方向で、前記導電性樹脂層に含まれると共に前記第二主面寄りに位置する端縁と、前記第二主面との間に位置する内部導体は、前記第一外部導体及び前記第二外部導体のいずれにも物理的に接続されていない、請求項8に記載の電子部品。
【請求項10】
前記第一外部導体及び前記第二外部導体のそれぞれは、前記第一主面上と、前記一対の側面のそれぞれの一部上とにわたって配置されている、請求項7又は8に記載の電子部品。
【請求項11】
前記第一主面に直交する方向での、前記第一外部導体及び前記第二外部導体のそれぞれが含むと共に前記一対の側面のそれぞれの前記一部上に位置する部分の第一高さは、前記第一主面に直交する前記方向での前記導電性樹脂層の第二高さ以上である、請求項10に記載の電子部品。
【請求項12】
前記電極層は、複数の銀粒子を含む導電性樹脂層を含み、
前記導体層は、銀よりマイグレーションが生じがたい金属層を含む、請求項1に記載の電子部品。
【請求項13】
請求項1に記載の電子部品と、
前記電子部品が実装される電子機器と、を備え、
前記第一外部導体及び前記第二外部導体は、前記電子機器に物理的に接続されていない、電子部品装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品又は電子部品装置に関する。
【背景技術】
【0002】
知られている電子部品は、素体と、素体内に配置されている複数の内部導体と、素体上に配置されている複数の外部電極と、を備える(たとえば、特許文献1を参照)。複数の内部導体のそれぞれは、複数の外部電極のうち対応する外部電極と接続されている。複数の外部電極のそれぞれは、導電性樹脂層を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
導電性樹脂層は、たとえば、複数の金属粒子と、樹脂とを含む。この場合、外部電極にマイグレーションが生じるおそれがある。導電性樹脂層は、マイグレーションが相対的に生じやすい電極層の一例である。
マイグレーションは、たとえば、以下の事象により生じると考えられる。
電界が電極層に作用し、電極層に含まれる金属がイオン化する。発生した金属イオンは、外部電極間に生じる電界に引かれ、電極層から移動する。金属に作用する電界は、たとえば、外部電極間に生じる電界、又は、外部電極と、素体内に配置される内部導体との間に生じる電界を含む。電極層から移動する金属イオンは、たとえば、内部導体又は外部電極から供給される電子と反応し、素体の表面上に金属として析出する。
【0005】
本発明の一つの態様は、マイグレーションの進行を抑制する電子部品を提供することを目的とする。本発明の別の一つの態様は、マイグレーションの進行を抑制する電子部品装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様に係る電子部品は、互いに対向している第一端面及び第二端面と、第一端面と第二端面とを連結している側面と、を含む素体と、素体内に配置されている複数の内部導体と、第一端面に配置されている第一外部電極及び第二端面に配置されている第二外部電極と、側面上において、第一端面と第二端面とが互いに対向している方向で並んでいると共に第一外部電極と第二外部電極から離間している第一外部導体及び第二外部導体と、を備える。第一外部電極及び第二外部電極のそれぞれは、マイグレーションが相対的に生じやすい電極層を含む。第一外部導体及び第二外部導体のそれぞれは、電極層よりマイグレーションが生じがたい導体層を含む。複数の内部導体は、第一外部電極と第一外部導体と電気的に接続されている第一内部導体と、第二外部電極と第二外部導体と電気的に接続されている第二内部導体と、含む。第一外部導体は、第一外部電極と第二外部導体の間に位置している。第二外部導体は、第二外部電極と第一外部導体の間に位置している。
【0007】
上記一つの態様では、第一外部電極が含む電極層と第一外部導体が含む導体層とが、電気的に接続されていると共に、第二外部電極が含む電極層と第二外部導体が含む導体層とが、電気的に接続されている。電界が電極層に作用する場合、電界は、電極層だけでなく、電極層と電気的に接続されている導体層にも作用する。電界は、電極層に集中しがたく、導体層は、電極層に作用する電界を低く抑える。したがって、電界が電極層に作用する場合でも、電極層に含まれる金属がイオン化しがたい。マイグレーションが電極層に生じがたい。
導体層は、電極層よりマイグレーションが生じがたい。したがって、電界が導体層に作用する場合でも、マイグレーションが導体層に生じがたい。
第一外部導体は、第一外部電極と第二外部導体の間に位置している。第一外部電極が含む電極層と第一外部導体が含む導体層とが、電気的に接続されている。したがって、マイグレーションが、第一外部電極が含む電極層に生じる場合でも、マイグレーションの進行が抑制される。
第二外部導体は、第二外部電極と第一外部導体の間に位置している。第二外部電極が含む電極層と第二外部導体が含む導体層とが、電気的に接続されている。したがって、マイグレーションが、第二外部電極が含む電極層に生じる場合でも、マイグレーションの進行が抑制される。
これらの結果、上記一つの態様は、マイグレーションの進行を抑制する。
【0008】
上記一つの態様では、素体は、直方体形状を呈してもよく、側面は、第一端面と第二端面とに隣り合っている第一側面、第二側面、第三側面、及び第四側面を含んでもよい。第一外部導体及び第二外部導体のそれぞれは、第一側面、第二側面、第三側面、及び第四側面上にわたって配置されていてもよい。
第一外部導体及び第二外部導体のそれぞれが、第一側面、第二側面、第三側面、及び第四側面上にわたって配置されている構成は、マイグレーションの進行を確実に抑制する。
【0009】
上記一つの態様では、第一側面と第二側面とは、互いに対向してもよい。第一内部導体は、第一外部導体に含まれると共に第一側面上に位置している部分と物理的に接続されてもよい。第二内部導体は、第二外部導体に含まれると共に第二側面上に位置している部分と物理的に接続されてもよい。
【0010】
上記一つの態様では、第一内部導体は、第一外部導体に含まれると共に第一側面上に位置している部分と物理的に接続されてもよい。第二内部導体は、第二外部導体に含まれると共に第一側面上に位置している部分と物理的に接続されてもよい。
【0011】
上記一つの態様では、第一内部導体は、複数の箇所で、第一外部導体と物理的に接続されてもよい。第二内部導体は、複数の箇所で、第二外部導体と物理的に接続されてもよい。
第一内部導体が、複数の箇所で、第一外部導体と物理的に接続されると共に、第二内部導体が、複数の箇所で、第二外部導体と物理的に接続される構成は、マイグレーションの進行を確実に抑制する。
【0012】
上記一つの態様では、第一外部電極と第一外部導体との第一最短距離と、第二外部電極と第二外部導体との第二最短距離とは、第一外部導体と第二外部導体との最短距離より小さくてもよい。
第一最短距離と第二最短距離とが、第一外部導体と第二外部導体との最短距離より小さい構成は、マイグレーションが電極層から進行する場合でも、進行距離が短い。したがって、第一外部電極と第二外部電極とが短絡しがたい。
【0013】
上記一つの態様では、側面は、実装面を構成するように配置される第一主面と、第一主面と対向している第二主面と、第一主面、第二主面、第一端面、及び第二端面と隣り合うと共に互いに対向している一対の側面を含んでもよい。電極層は、第一主面の一部と、一対の端面のうち対応する端面の一部と、一対の側面のそれぞれの一部とを連続して覆うように形成されている導電性樹脂層を含んでもよい。第一内部導体は、一対の側面が互いに対向している方向で第二内部導体に対向してもよく、第一外部導体に含まれると共に第一主面上に位置している部分と物理的に接続されてもよい。第二内部導体は、第二外部導体に含まれると共に第一主面上に位置している部分と物理的に接続されてもよい。
導電性樹脂層が、対応する端面の一部を覆う構成は、導電性樹脂層が、対応する端面の全体を覆う構成に比して、ESR(等価直列抵抗)を低下させる。
第一内部導体が、第一主面上に位置している上記部分と物理的に接続されると共に、第二内部導体が、第一主面上に位置している上記部分と物理的に接続される構成は、第一内部導体と第二内部導体とが、一対の側面が互いに対向している方向で互いに対向している構成においても、マイグレーションが導電性樹脂層から進行するのを確実に抑制する。
【0014】
上記一つの態様では、側面は、実装面を構成するように配置される第一主面と、第一主面と対向している第二主面と、第一主面、第二主面、第一端面、及び第二端面と隣り合うと共に互いに対向している一対の側面を含んでもよい。電極層は、第一主面の一部と、一対の端面のうち対応する端面の一部と、一対の側面のそれぞれの一部とを連続して覆うように形成されている導電性樹脂層を含んでもよい。第一内部導体は、第一主面と第二主面とが互いに対向している方向で第二内部導体に対向してもよく、第一外部導体に含まれると共に一対の側面のうち少なくとも一つの側面上に位置している部分と物理的に接続されてもよい。第二内部導体は、第二外部導体に含まれると共に一対の側面のうち少なくとも一つの側面上に位置している部分と物理的に接続されてもよい。
導電性樹脂層が、対応する端面の一部を覆う構成は、導電性樹脂層が、対応する端面の全体を覆う構成に比して、ESRを低下させる。
第一内部導体が、上記少なくとも一つの側面上に位置している上記部分と物理的に接続されると共に、第二内部導体が、上記少なくとも一つの側面上に位置している上記部分と物理的に接続される構成は、第一内部導体と第二内部導体とが、第一主面と第二主面とが互いに対向している方向で互いに対向している構成においても、マイグレーションが導電性樹脂層から進行するのを確実に抑制する。
【0015】
上記一つの態様では、複数の内部導体のうち、第一主面と第二主面とが互いに対向している方向で、導電性樹脂層に含まれると共に第二主面寄りに位置する端縁と、第二主面との間に位置する内部導体は、第一外部導体及び第二外部導体のいずれにも物理的に接続されていなくてもよい。
【0016】
上記一つの態様では、第一外部導体及び第二外部導体のそれぞれは、第一主面上と、一対の側面のそれぞれの一部上とにわたって配置されていてもよい。
第一外部導体及び第二外部導体のそれぞれが、第一主面上と、一対の側面のそれぞれの一部上とにわたって配置されている構成は、第一外部導体及び第二外部導体の形成を容易にしつつ、マイグレーションの進行を確実に抑制する。
【0017】
上記一つの態様では、第一主面に直交する方向での、第一外部導体及び第二外部導体のそれぞれが含むと共に一対の側面のそれぞれの一部上に位置する部分の第一高さは、第一主面に直交する方向での導電性樹脂層の第二高さ以上であってもよい。
第一高さが第二高さ以上である構成は、マイグレーションの進行を確実に抑制する。
【0018】
上記一つの態様では、電極層は、複数の銀粒子を含む導電性樹脂層を含んでもよい。導体層は、銀よりマイグレーションが生じがたい金属層を含んでもよい。
導体層が、銀よりマイグレーションが生じがたい金属層を含む構成は、電極層が含む導電性樹脂層が、複数の銀粒子を含む構成においても、マイグレーションの進行を確実に抑制する。
【0019】
本発明の別の一つの態様に係る電子部品装置は、上記電子部品と、上記電子部品が実装される電子機器と、を備える。第一外部導体及び第二外部導体は、電子機器に物理的に接続されていない。
上記別の一つの態様は、上述したように、電子部品でのマイグレーションの進行を抑制する。
上記別の一つの態様では、第一外部導体及び第二外部導体が、電子機器に物理的に接続されていない。したがって、外力が電子機器から電子部品に作用する場合、外力は、第一外部導体及び第二外部導体を通して素体に作用しない。
電子機器は、第一外部導体及び第二外部導体が物理的に接続されるランドパターンを含む必要がない。したがって、上記別の一つの態様は、電子機器の構成が複雑化するのを防ぐ。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一つの態様は、マイグレーションの進行を抑制する電子部品を提供する。本発明の別の一つの態様は、マイグレーションの進行を抑制する電子部品装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、第一実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【
図2】
図2は、第一実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図3】
図3は、第一実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図4】
図4は、第一実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図5】
図5は、第一実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図6】
図6は、第一実施形態の一変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図7】
図7は、第一実施形態の一変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図8】
図8は、第一実施形態の一変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図9】
図9は、第一実施形態の別の一変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図10】
図10は、第一実施形態の別の一変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図11】
図11は、第二実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【
図12】
図12は、第二実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図13】
図13は、第二実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図14】
図14は、第二実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図15】
図15は、第二実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図16】
図16は、第二実施形態の一変形例に係る積層コンデンサの斜視図である。
【
図17】
図17は、第二実施形態の一変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図18】
図18は、第二実施形態の一変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図19】
図19は、第二実施形態の一変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図21】
図21は、第二実施形態の別の一変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図22】
図22は、第二実施形態の別の一変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図23】
図23は、第二実施形態の別の一変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図24】
図24は、第二実施形態の別の一変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図25】
図25は、第一実施形態に係る積層コンデンサを含む電子部品装置の断面構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0023】
(第一実施形態)
図1~
図5を参照して、第一実施形態に係る積層コンデンサC1の構成を説明する。
図1は、第一実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
図2、
図3、
図4、及び
図5は、第一実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
第一実施形態では、電子部品は、たとえば、積層コンデンサC1である。
【0024】
積層コンデンサC1は、
図1に示されるように、直方体形状を呈している素体3と、複数の外部電極5と、複数の外部導体11と、を備える。本実施形態では、積層コンデンサC1は、一対の外部電極5を備える。一対の外部電極5は、素体3の外表面に配置されている。一対の外部電極5は、互いに離間している。直方体形状は、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、又は、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状を含む。
【0025】
素体3は、互いに対向している一対の主面3aと、互いに対向している一対の側面3cと、互いに対向している一対の端面3eと、を含む。一対の主面3a、一対の側面3c、及一対の端面3eは、長方形状を呈している。一対の主面3aが対向している方向は、第二方向D2を含む。一対の側面3cが対向している方向は、第三方向D3を含む。一対の端面3eが対向している方向は、第一方向D1を含む。積層コンデンサC1は、電子機器にはんだ実装される。電子機器は、たとえば、回路基板又は電子部品を含む。積層コンデンサC1では、たとえば、主面3a又は側面3cが、電子機器と対向する。この場合、主面3a又は側面3cは、実装面を構成するように配置される。主面3a又は側面3cは、実装面である。
【0026】
第二方向D2は、各主面3aに直交する方向を含み、第三方向D3と直交している。第二方向D2は、主面3aと交差する方向に含まれる。第一方向D1は、各主面3aと各側面3cとに平行な方向を含み、第二方向D2と第三方向D3とに直交している。第三方向D3は、各側面3cに直交する方向を含み、第一方向D1は、各端面3eに直交する方向を含む。本実施形態では、素体3の第一方向D1での長さは、素体3の第二方向D2での長さより大きく、かつ、素体3の第三方向D3での長さより大きい。第一方向D1が、素体3の長手方向を含む。素体3の第二方向D2での長さと素体3の第三方向D3での長さとは、互いに同等であってもよい。素体3の第二方向D2での長さと素体3の第三方向D3での長さとは、互いに異なってもよい。
【0027】
一対の側面3cは、一対の主面3aを連結するように第二方向D2に延在している。一対の側面3cは、第一方向D1にも延在している。一対の端面3eは、一対の主面3aを連結するように第二方向D2に延在している。一対の端面3eは、第三方向D3にも延在している。
たとえば、一方の端面3eが第一端面を含む場合、他方の端面3eは第二端面を含む。
各主面3aは、素体3に含まれる側面でもある。素体3の側面は、一対の主面3a及び一対の側面3cを含む。たとえば、一方の側面3cが第一側面を含む場合、他方の側面3cが第二側面を含んでもよく、一方の主面3aが第三側面を含んでもよく、他方の主面3aが第四側面を含んでもよい。
【0028】
素体3は、四つの稜線部3gと、四つの稜線部3iと、四つの稜線部3jと、を含む。稜線部3gは、各端面3eと各主面3aとの間に位置している。稜線部3iは、各端面3eと各側面3cとの間に位置している。稜線部3jは、各主面3aと各側面3cとの間に位置している。本実施形態では、各稜線部3g,3i,3jは、湾曲するように丸められている。素体3には、いわゆるR面取り加工が施されている。各端面3eと各主面3aとは、稜線部3gを介して、間接的に隣り合っている。各端面3eと各側面3cとは、稜線部3iを介して、間接的に隣り合っている。各主面3aと各側面3cとは、稜線部3jを介して、間接的に隣り合っている。
【0029】
素体3は、第二方向D2に複数の誘電体層が積層されて構成されている。素体3は、積層されている複数の誘電体層を含む。素体3では、複数の誘電体層の積層方向が第二方向D2と一致する。各誘電体層は、たとえば、誘電体材料を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成されている。誘電体材料は、たとえば、BaTiO3系、Ba(Ti,Zr)O3系、又は(Ba,Ca)TiO3系などの誘電体セラミックを含む。実際の素体3では、各誘電体層は、各誘電体層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
素体3の第二方向D2での長さは、素体3の高さである。素体3の第三方向D3での長さは、素体3の幅である。素体3の第一方向D1での長さは、素体3の長さである。本実施形態では、素体3の高さは、0.1~2.5mmであり、素体3の幅は、0.1~5.0mmであり、素体3の長さは、0.2~5.7mmである。たとえば、素体3の高さは、2.5mmであり、素体3の幅は、2.5mmであり、素体3の長さは、3.2mmである。
【0030】
一対の外部電極5は、
図1に示されるように、素体3の第一方向D1での両端部にそれぞれ配置されている。各外部電極5は、一対の端面3eのうち対応する端面3eに配置されている。本実施形態では、各外部電極5は、一対の主面3a、一対の側面3c、及び一つの端面3eに配置されている。外部電極5は、
図2~
図4に示されるように、複数の電極部5a,5c,5eを含む。電極部5aは、主面3a上に配置されている。電極部5aは、稜線部3g上に配置されてもよい。電極部5cは、側面3c上に配置されている。電極部5cは、稜線部3i上に配置されてもよい。電極部5eは、端面3e上に配置されている。外部電極5は、稜線部3j上に配置されている電極部も含む。
外部電極5は、一対の主面3a、一対の側面3c、及び一つの端面3eの五つの面、並びに、稜線部3g,3i,3jに形成されている。互いに隣り合う電極部5a,5c,5eは、物理的かつ電気的に接続されている。各外部電極5は、
図2及び
図3にも示されるように、第一電極層E1、第二電極層E2、及び第三電極層E3を含む。第三電極層E3は、外部電極5の最外層を含む。各電極部5a,5c,5eは、第一電極層E1、第二電極層E2、及び第三電極層E3を含む。
【0031】
電極部5aの第一電極層E1は、主面3a上及び稜線部3g上に配置されている。電極部5aの第一電極層E1は、主面3aの一部と稜線部3gの全体とを覆っている。電極部5aの第一電極層E1は、主面3aの上記一部と稜線部3gの全体とに接している。電極部5aでは、第一電極層E1は、素体3と直接的に接している。主面3aの上記一部は、主面3aにおける端面3e寄りの一部領域である。電極部5aの第一電極層E1は、主面3a上に位置している。第一電極層E1は、主面3aに形成されていなくてもよい。第一電極層E1は、主面3a上に配置されていなくてもよい。
電極部5aの第二電極層E2は、第一電極層E1上及び主面3a上に配置されている。電極部5aでは、第二電極層E2は、第一電極層E1と主面3aの一部とを覆っている。電極部5aでは、第二電極層E2は、第一電極層E1と主面3aとに直接的に接している。電極部5aの第二電極層E2は、第一電極層E1を直接的に覆っている部分と、主面3aを直接的に覆っている部分とを含む。電極部5aでは、第二電極層E2に含まれると共に第一電極層E1を直接的に覆っている部分は、主面3aを間接的に覆っている。電極部5aの第二電極層E2は、主面3a上に位置している。主面3aは、第二電極層E2に覆われている領域と、第二電極層E2から露出している領域とを含む。
電極部5aの第三電極層E3は、第二電極層E2上に配置されている。電極部5aでは、第三電極層E3は、第二電極層E2を覆っている。電極部5aでは、第三電極層E3は、第二電極層E2と接している。電極部5aでは、第三電極層E3は、第二電極層E2と直接的に接している。電極部5aの第三電極層E3は、主面3a上に位置している。
【0032】
電極部5cの第一電極層E1は、側面3c上及び稜線部3i上に配置されている。電極部5cの第一電極層E1は、側面3cの一部と稜線部3iの全体とを覆っている。電極部5cの第一電極層E1は、側面3cの上記一部と稜線部3iの全体とに接している。電極部5cでは、第一電極層E1は、素体3と直接的に接している。側面3cの上記一部は、側面3cにおける端面3e寄りの一部領域である。電極部5cの第一電極層E1は、側面3c上に位置している。第一電極層E1は、側面3cに形成されていなくてもよい。第一電極層E1は、側面3c上に配置されていなくてもよい。
電極部5cの第二電極層E2は、第一電極層E1上及び側面3c上に配置されている。電極部5cでは、第二電極層E2は、第一電極層E1と側面3cの一部とを覆っている。電極部5cでは、第二電極層E2は、第一電極層E1と側面3cとに直接的に接している。電極部5cの第二電極層E2は、第一電極層E1を直接的に覆っている部分と、側面3cを直接的に覆っている部分とを含む。電極部5cでは、第二電極層E2に含まれると共に第一電極層E1を直接的に覆っている部分は、側面3cを間接的に覆っている。電極部5cの第二電極層E2は、側面3c上に位置している。側面3cは、第二電極層E2に覆われている領域と、第二電極層E2から露出している領域とを含む。
電極部5cの第三電極層E3は、第二電極層E2上に配置されている。電極部5cでは、第三電極層E3は、第二電極層E2を覆っている。電極部5cでは、第三電極層E3は、第二電極層E2と接している。電極部5cでは、第三電極層E3は、第二電極層E2と直接的に接している。電極部5cの第三電極層E3は、側面3c上に位置している。
【0033】
電極部5eの第一電極層E1は、端面3e上に配置されている。電極部5eの第一電極層E1は、端面3eの全体を覆っている。電極部5eの第一電極層E1は、端面3eの全体と接している。電極部5eでは、第一電極層E1は、端面3eと直接的に接している。
電極部5eの第二電極層E2は、第一電極層E1上に配置されている。電極部5eでは、第二電極層E2は、第一電極層E1の全体を覆っている。電極部5eでは、第二電極層E2は、第一電極層E1に直接的に接している。電極部5eの第二電極層E2は、第一電極層E1を直接的に覆っていると共に、端面3eを間接的に覆っている。電極部5eの第二電極層E2は、端面3e上に位置している。
電極部5eの第三電極層E3は、第二電極層E2上に配置されている。電極部5eでは、第三電極層E3は、第二電極層E2の全体を覆っている。電極部5eでは、第三電極層E3は、第二電極層E2の全体と接している。電極部5eでは、第三電極層E3は、第二電極層E2と直接的に接している。電極部5eの第三電極層E3は、端面3e上に位置している。
【0034】
第一電極層E1は、素体3の表面に付与された導電性ペーストを焼き付けることにより形成されている。第一電極層E1は、各主面3aの上記一部、各側面3cの上記一部、一つの端面3e、及び稜線部3g,3i,3jを覆うように形成されている。第一電極層E1は、導電性ペーストに含まれる金属成分(金属粒子)が焼結することにより形成されている。第一電極層E1は、焼結金属層を含む。第一電極層E1は、素体3に形成された焼結金属層を含む。本実施形態では、第一電極層E1は、Cuからなる焼結金属層を含む。第一電極層E1は、Niからなる焼結金属層を含んでもよい。第一電極層E1は、卑金属を含む。導電性ペーストは、たとえば、Cu又はNiからなる粒子、ガラス成分、有機バインダ、及び有機溶剤を含む。各電極部5a,5c,5eが含む第一電極層E1は、一体的に形成されている。
【0035】
第二電極層E2は、第一電極層E1上に付与された導電性樹脂ペーストを硬化させることにより形成されている。第二電極層E2は、第一電極層E1上と素体3上とにわたって形成されている。第一電極層E1は、第二電極層E2を形成するための下地金属層を含む。第二電極層E2は、第一電極層E1を覆う導電性樹脂層を含む。導電性樹脂ペーストは、たとえば、樹脂、導電性材料、及び有機溶媒を含む。樹脂は、たとえば、熱硬化性樹脂を含む。導電性材料は、たとえば、金属粒子を含む。金属粒子は、たとえば、銀粒子を含む。本実施形態では、第二電極層E2は、複数の銀粒子を含む。熱硬化性樹脂は、たとえば、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、又はポリイミド樹脂を含む。第二電極層E2は、稜線部3jの一部と接している。各電極部5a,5c,5eが含む第二電極層E2は、一体的に形成されている。
【0036】
第三電極層E3は、第二電極層E2上にめっき法により形成されている。第三電極層E3は、複数層構造を有してもよい。この場合、第三電極層E3は、たとえば、Niめっき層とはんだめっき層とを含む。Niめっき層は、第二電極層E2上に形成される。はんだめっき層は、Niめっき層上に形成される。はんだめっき層は、Niめっき層を覆っている。Niめっき層は、第二電極層E2に含まれる金属よりも耐はんだ喰われ性に優れている。第三電極層E3は、Niめっき層の代わりに、Snめっき層、Cuめっき層、又はAuめっき層を含んでもよい。はんだめっき層は、たとえば、Snめっき層、Sn-Ag合金めっき層、Sn-Bi合金めっき層、又はSn-Cu合金めっき層を含む。各電極部5a,5c,5eが含む第三電極層E3は、一体的に形成されている。
【0037】
図1~
図5に示されるように、積層コンデンサC1は、一対の外部導体11を備える。一対の外部導体11は、素体3の外表面に配置されている。一対の外部導体11は、素体3の側面(一対の主面3a及び一対の側面3c)上において、第一方向D1に並んでいる。一対の外部導体11は、第一方向D1で互いに離間している。各外部導体11は、各外部電極5から離間している。一対の外部導体11は、第一方向D1において、一対の外部電極5の間に位置している。
各外部導体11は、一対の主面3a上と一対の側面3c上とにわたって配置されている。各外部導体11は、各主面3aに配置されている部分11aと、各側面3cに配置されている部分11cとを含む。各外部導体11は、一対の部分11aと、一対の部分11cとを含む。本実施形態では、部分11aと部分11cとは、一体に形成されている。各外部導体11は、各稜線部3jにも配置されている。各部分11aと各部分11cとは、物理的に接続されているだけでなく、電気的に接続されている。
一方の外部導体11と、一方の外部電極5(電極部5a,5c)とは、第一方向D1で互いに隣り合っている。他方の外部導体11と、他方の外部電極5(電極部5a,5c)とは、第一方向D1で互いに隣り合っている。一方の外部導体11は、一方の外部電極5と、他方の外部導体11との間に位置している。他方の外部導体11は、他方の外部電極5と、一方の外部導体11との間に位置している。
【0038】
部分11aは、当該部分11aが配置されている同じ主面3a上に位置している電極部5aの間に配置されており、電極部5aから離間している。部分11aは、電極部5aの端縁に沿って延在している。部分11aは、第三方向D3に延在している。
第一方向D1で互いに隣り合う電極部5aと部分11aとの間隔W1aは、第一方向D1で互いに隣り合う一対の部分11aの間隔W2aより小さい。間隔W1aは、第一方向D1での電極部5aと部分11aとの最短距離である。間隔W2aは、第一方向D1での一対の部分11aの最短距離である。一方の外部導体11に含まれる部分11aと、一方の外部電極5に含まれる電極部5aとの間隔W1aと、他方の外部導体11に含まれる部分11aと、他方の外部電極5に含まれる電極部5aとの間隔W1aとは、同等でもよく、異なってもよい。たとえば、一方の外部導体11に含まれる部分11aと、一方の外部電極5に含まれる電極部5aとの間隔W1aが第一最短距離を含む場合、他方の外部導体11に含まれる部分11aと、他方の外部電極5に含まれる電極部5aとの間隔W1aは第二最短距離を含む。
【0039】
部分11cは、当該部分11cが配置されている同じ側面3c上に位置している電極部5cの間に配置されており、電極部5cから離間している。部分11cは、電極部5cの端縁に沿って延在している。部分11cは、第二方向D2に延在している。
第一方向D1で互いに隣り合う電極部5cと部分11cとの間隔W1cは、第一方向D1で互いに隣り合う一対の部分11cの間隔W2cより小さい。間隔W1cは、第一方向D1での電極部5cと部分11cとの最短距離である。間隔W2cは、第一方向D1での一対の部分11cの最短距離である。一方の外部導体11に含まれる部分11cと、一方の外部電極5に含まれる電極部5cとの間隔W1cと、他方の外部導体11に含まれる部分11cと、他方の外部電極5に含まれる電極部5cとの間隔W1cとは、同等でもよく、異なってもよい。たとえば、他方の外部導体11に含まれる部分11cと、一方の外部電極5に含まれる電極部5cとの間隔W1cが第一最短距離を含む場合、他方の外部導体11に含まれる部分11cと、他方の外部電極5に含まれる電極部5cとの間隔W1cは第二最短距離を含む。
間隔W1aと間隔W1cとは、同等でもよく、異なってもよい。間隔W2aと間隔W2cとは、同等でもよく、異なってもよい。
【0040】
外部導体11は、導体層13を含む。導体層13は、一対の部分11aと、一対の部分11cとを含む。導体層13は、たとえば、焼結金属層である。この場合、導体層13は、金属層を含む。焼結金属層である導体層13は、素体3の表面に付与された導電性ペーストを焼き付けることにより形成されている。導体層13は、素体3に形成された焼結金属層を含む。本実施形態では、導体層13は、Cuからなる焼結金属層を含む。導電性ペーストは、たとえば、Cuからなる粒子、ガラス成分、有機バインダ、及び有機溶剤を含む。導体層13は、Niからなる焼結金属層を含んでもよい。
たとえば、Cu及びNiは、銀(第二電極層E2に含まれている銀粒子)よりマイグレーションが生じがたい導電性材料である。銀は、一般的に、マイグレーションが相対的に生じやすい。外部電極5は、マイグレーションが相対的に生じやすい第二電極層E2を含む。外部導体11は、第二電極層E2よりマイグレーションが生じがたい導体層13を含む。導体層13は、銀を実質的に含まない。
外部導体11の表面には、めっき層が形成されていてもよい。めっき層は、たとえば、第三電極層E3と同じ構成を含んでもよい。
【0041】
導体層13は、導電性樹脂層であってもよい。導体層13が導電性樹脂層である場合、導体層13は、素体3上に付与された導電性樹脂を硬化させることにより形成されている。導電性樹脂は、たとえば、樹脂、複数の導電性粒子、及び有機溶媒を含む。樹脂は、たとえば、熱硬化性樹脂である。導電性粒子は、たとえば、金属粒子である。金属粒子は、たとえば、銅粒子である。導体層13が導電性樹脂層である構成では、導体層13は、複数の銅粒子を含む。熱硬化性樹脂は、たとえば、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、又はポリイミド樹脂である。導電性樹脂層である導体層13が含む導電性粒子は、炭素粒子であってもよい。導体層13が導電性樹脂層である構成でも、外部導体11は、第二電極層E2よりマイグレーションが生じがたい導体層13を含む。導体層13は、銀粒子を実質的に含まない。
【0042】
積層コンデンサC1は、
図2~
図5に示されるように、複数の内部電極7と複数の内部電極9とを備える。各内部電極7,9は、素体3内に配置されている内部導体に含まれる。積層コンデンサC1が備える複数の内部導体は、複数の内部電極7と複数の内部電極9とを含む。たとえば、内部電極7が第一内部導体を含む場合、内部電極9は第二内部導体を含む。
図3では、説明のため、各内部電極7,9は、意図的に、第三方向D3に互いにずれて図示されている。
各内部電極7,9は、積層型電子部品の内部導体として通常用いられる導電性材料からなる。導電性材料は、たとえば、卑金属を含む。導電性材料は、たとえば、Ni又はCuを含む。各内部電極7,9は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。本実施形態では、各内部電極7,9は、Niからなる。
【0043】
内部電極7と内部電極9とは、第二方向D2において異なる位置(層)に配置されている。内部電極7と内部電極9とは、素体3内において、第二方向D2に間隔を有して対向するように交互に配置されている。複数の内部電極7と複数の内部電極9とは、第二方向D2で交互に並んでいる。複数の内部電極7,9は、第二方向D2に並ぶように素体3内に配置されている。各内部電極7,9は、各主面3aと略平行な面内に位置している。すなわち、各内部電極7,9は、各側面3cと交差する方向に延在するように配置されている。本実施形態では、各内部電極7,9は、各側面3cと略直交する方向に延在するように配置されている。内部電極7と内部電極9とは、第二方向D2で互いに対向している。内部電極7と内部電極9とが対向している方向(第二方向D2)は、各主面3aと平行な方向(第三方向D3及び第一方向D1)と直交している。
【0044】
内部電極7と内部電極9とは、互いに極性が異なる。各内部電極7,9の一端は、一対の端面3eのうち対応する端面3eに露出している。各内部電極7,9は、対応する端面3eに露出している一端を含む。各電極部5eは、複数の内部電極7,9のうち対応する内部電極7,9の一端をすべて覆っている。各電極部5eは、対応する内部電極7,9と直接的に接続されている。各外部電極5は、対応する内部電極7,9と電気的に接続されている。本実施形態では、複数の内部電極7は、一方の外部電極5に物理的かつ電気的に接続されている。複数の内部電極9は、他方の外部電極5に物理的かつ電気的に接続されている。
【0045】
内部電極7と内部電極9とは、一対の外部導体11のうち対応する外部導体11に接続されている。内部電極7は、内部電極7が物理的かつ電気的に接続されている一方の外部電極5と第一方向D1で隣り合っている一方の外部導体11に電気的に接続されている。一方の外部電極5に含まれる第二電極層E2と、一方の外部導体11とは、内部電極7を通して、電気的に接続されている。内部電極9は、内部電極9が物理的かつ電気的に接続されている他方の外部電極5と第一方向D1で隣り合っている他方の外部導体11に電気的に接続されている。他方の外部電極5に含まれる第二電極層E2と、他方の外部導体11とは、内部電極9を通して、電気的に接続されている。
【0046】
内部電極7は、一対の接続部分7aを含む。一対の接続部分7aのそれぞれは、一対の側面3cのうち対応する側面3cに露出している。一対の接続部分7aのそれぞれは、対応する側面3cに露出している端を含む。各接続部分7aは、対応する側面3cに露出している端において、対応する側面3cに配置されている部分11cに物理的かつ電気的に接続されている。内部電極7は、複数の箇所で、対応する外部導体11に物理的に接続されている。本実施形態では、すべての内部電極7が、対応する外部導体11に物理的に接続されている。しかしながら、すべての内部電極7が、対応する外部導体11に物理的に接続されている必要はない。複数の内部電極7のうち、少なくとも一つの内部電極7が、対応する外部導体11に物理的に接続されていればよい。
【0047】
内部電極9は、一対の接続部分9aを含む。一対の接続部分9aのそれぞれは、一対の側面3cのうち対応する側面3cに露出している。一対の接続部分9aのそれぞれは、対応する側面3cに露出している端を含む。各接続部分9aは、対応する側面3cに露出している端において、対応する側面3cに配置されている部分11cに物理的かつ電気的に接続されている。内部電極9は、複数の箇所で、対応する外部導体11に物理的に接続されている。本実施形態では、すべての内部電極9が、対応する外部導体11に物理的に接続されている。しかしながら、すべての内部電極9が、対応する外部導体11に物理的に接続されている必要はない。複数の内部電極9のうち、少なくとも一つの内部電極9が、対応する外部導体11に物理的に接続されていればよい。同じ側面3cに露出している接続部分7aと接続部分9aとは、第一方向D1において、互いに離間している。
【0048】
本実施形態では、たとえば、複数の内部電極7は、他方の主面3aと隣り合う内部電極7Aを含む。内部電極7Aは、内部電極9と電気的に接続されていると共に他方の主面3a上に位置している電極部5aに含まれる第二電極層E2と、たとえば、第二方向D2で対向している。内部電極7Aと、内部電極9と電気的に接続されていると共に他方の主面3a上に位置している上記第二電極層E2とを、たとえば第二方向D2から見たとき、内部電極7Aと、内部電極9と電気的に接続されていると共に他方の主面3a上に位置している上記第二電極層E2とが、互いに重なっている。この場合、内部電極7Aと、内部電極9と電気的に接続されていると共に他方の主面3a上に位置している上記第二電極層E2との間に、電界が生じやすい。
本実施形態では、たとえば、複数の内部電極9は、一方の主面3aと隣り合う内部電極9Aを含む。内部電極9Aは、内部電極7と電気的に接続されていると共に一方の主面3a上に位置している電極部5aに含まれる第二電極層E2と、たとえば、第二方向D2で対向している。内部電極9Aと、内部電極7と電気的に接続されていると共に一方の主面3a上に位置している上記第二電極層E2とを、たとえば第二方向D2から見たとき、内部電極9Aと、内部電極7と電気的に接続されていると共に一方の主面3a上に位置している上記第二電極層E2とが、互いに重なっている。この場合、内部電極9Aと、内部電極7と電気的に接続されていると共に一方の主面3a上に位置している上記第二電極層E2との間に、電界が生じやすい。
【0049】
本実施形態では、複数の内部電極7は、内部電極9と電気的に接続されていると共に各側面3c上に位置している電極部5cに含まれる第二電極層E2と、たとえば、第三方向D3で対向している。複数の内部電極7と、内部電極9と電気的に接続されていると共に各側面3c上に位置している上記第二電極層E2とを、たとえば第三方向D3から見たとき、複数の内部電極7と、内部電極9と電気的に接続されていると共に各側面3c上に位置している上記第二電極層E2とが、互いに重なっている。この場合、複数の内部電極7と、内部電極9と電気的に接続されていると共に一方の各側面3c上に位置している上記第二電極層E2との間に、電界が生じやすい。
本実施形態では、複数の内部電極9は、内部電極7と電気的に接続されていると共に各側面3c上に位置している電極部5cに含まれる第二電極層E2と、たとえば、第三方向D3で対向している。複数の内部電極9と、内部電極7と電気的に接続されていると共に各側面3c上に位置している上記第二電極層E2とを、たとえば第三方向D3から見たとき、複数の内部電極9と、内部電極7と電気的に接続されていると共に各側面3c上に位置している上記第二電極層E2とが、互いに重なっている。この場合、複数の内部電極9と、内部電極7と電気的に接続されていると共に一方の各側面3c上に位置している上記第二電極層E2との間に、電界が生じやすい。
【0050】
本実施形態では、複数の内部電極7は、内部電極9と電気的に接続されている外部導体11(導体層13)と、たとえば、第三方向D3で対向している。したがって、複数の内部電極7と、内部電極9と電気的に接続されている外部導体11との間に、電界が生じるおそれがある。
本実施形態では、複数の内部電極9は、内部電極7と電気的に接続されている外部導体11(導体層13)と、たとえば、第三方向D3で対向している。したがって、複数の内部電極9と、内部電極7と電気的に接続されている外部導体11との間に、電界が生じるおそれがある。
【0051】
積層コンデンサC1では、外部電極5が含む第二電極層E2と、外部電極5と第一方向D1で隣り合う外部導体11が含む導体層13とが、電気的に接続されている。電界が第二電極層E2に作用する場合、電界は、第二電極層E2だけでなく、第二電極層E2と電気的に接続されている導体層13にも作用する。電界は、第二電極層E2に集中しがたく、導体層13は、第二電極層E2に作用する電界を低く抑える。したがって、電界が第二電極層E2に作用する場合でも、第二電極層E2に含まれる金属がイオン化しがたい。マイグレーションが第二電極層E2に生じがたい。
導体層13は、第二電極層E2よりマイグレーションが生じがたい。したがって、電界が導体層13に作用する場合でも、マイグレーションが導体層13に生じがたい。
一方の外部導体11は、一方の外部導体11と電気的に接続されている外部電極5(第二電極層E2)と、他方の外部導体11の間に位置している。したがって、マイグレーションが、一方の外部導体11と電気的に接続されている外部電極5が含む第二電極層E2に生じる場合でも、マイグレーションの進行が抑制される。
他方の外部導体11は、他方の外部導体11と電気的に接続されている外部電極5(第二電極層E2)と、他方の外部導体11の間に位置している。したがって、マイグレーションが、他方の外部導体11と電気的に接続されている外部電極5が含む第二電極層E2に生じる場合でも、マイグレーションの進行が抑制される。
これらの結果、積層コンデンサC1は、マイグレーションの進行を抑制する。
【0052】
積層コンデンサC1では、一対の外部導体11のそれぞれは、一対の主面3a及び一対の側面3c上にわたって配置されている。したがって、積層コンデンサC1は、マイグレーションの進行を確実に抑制する。
【0053】
積層コンデンサC1では、複数の内部電極7,9のそれぞれは、複数の箇所で、一対の外部導体11のうち対応する外部導体11と物理的に接続されている。したがって、積層コンデンサC1は、マイグレーションの進行を確実に抑制する。
【0054】
積層コンデンサC1では、間隔W1aは、間隔W2aより小さく、間隔W1cは、間隔W2cより小さい。したがって、積層コンデンサC1は、マイグレーションが第二電極層E2から進行する場合でも、進行距離が短い。この結果、一対の外部電極5が短絡しがたい。
【0055】
積層コンデンサC1では、第二電極層E2は、複数の銀粒子を含むと共に、導体層13は、銀よりマイグレーションが生じがたい金属層を含む。
積層コンデンサC1は、第二電極層E2が複数の銀粒子を含む構成においても、マイグレーションの進行を確実に抑制する。
【0056】
次に、
図6~
図8を参照して、第一実施形態の一変形例に係る積層コンデンサC1の構成を説明する。
図6、
図7、及び
図8は、第一実施形態の一変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
本変形例に係る積層コンデンサC1は、概ね、上述した第一実施形態に係る積層コンデンサC1と類似又は同じであるが、本変形例は、各内部電極7,9の構成に関して、上述した第一実施形態と相違する。以下、上述した第一実施形態と本変形例との相違点を主として説明する。
図6では、説明のため、各内部電極7,9は、意図的に、第三方向D3に互いにずれて図示されている。
【0057】
複数の内部電極7のそれぞれは、一つの接続部分7aを含む。各内部電極7は、一つの接続部分7aのみを含む。この接続部分7aは、一方の側面3cに露出している。各接続部分7aは、一方の側面3cに露出している端を含む。各接続部分7aは、一方の側面3cに露出している端において、一方の側面3cに配置されている部分11cに物理的かつ電気的に接続されている。本変形例でも、複数の内部電極7のうち、少なくとも一つの内部電極7が、対応する外部導体11に物理的に接続されていればよい。
複数の内部電極9のそれぞれは、一つの接続部分9aを含む。各内部電極9は、一つの接続部分9aのみを含む。この接続部分9aは、他方の側面3cに露出している。各接続部分9aは、他方の側面3cに露出している端を含む。各接続部分9aは、他方の側面3cに露出している端において、他方の側面3cに配置されている部分11cに物理的かつ電気的に接続されている。本変形例でも、複数の内部電極9のうち、少なくとも一つの内部電極9が、対応する外部導体11に物理的に接続されていればよい。
【0058】
本変形例に係る積層コンデンサC1では、内部電極7は、対応する外部導体11に含まれると共に一方の側面3c上に位置している部分11cと物理的に接続されている。内部電極9は、対応する外部導体11に含まれると共に他方の側面3c上に位置している部分11cと物理的に接続されている。
【0059】
次に、
図9及び
図10を参照して、第一実施形態の別の一変形例に係る積層コンデンサC1の構成を説明する。
図9及び
図10は、第一実施形態の別の一変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
本変形例に係る積層コンデンサC1は、概ね、上述した一変形例に係る積層コンデンサC1と類似又は同じであるが、本変形例は、各内部電極9の構成に関して、上述した一変形例と相違する。以下、上述した一変形例と本変形例との相違点を主として説明する。
図9では、説明のため、各内部電極7,9は、意図的に、第三方向D3に互いにずれて図示されている。
【0060】
複数の内部電極9のそれぞれは、一つの接続部分9aを含む。各内部電極9は、一つの接続部分9aのみを含む。この接続部分9aは、接続部分7aが露出している側面3cに露出している。接続部分7aと接続部分9aとは、同じ側面3cに露出している。各接続部分9aは、接続部分7aが露出している側面3cに露出している端を含む。各接続部分9aは、接続部分7aが露出している側面3cに露出している端において、一方の側面3cに配置されている部分11cに物理的かつ電気的に接続されている。
【0061】
本変形例に係る積層コンデンサC1では、内部電極7は、対応する外部導体11に含まれると共に一方の側面3c上に位置している部分11cと物理的に接続されている。内部電極9は、対応する外部導体11に含まれると共に一方の側面3c上に位置している部分11cと物理的に接続されている。
【0062】
(第二実施形態)
図11~
図15を参照して、第二実施形態に係る積層コンデンサC2の構成を説明する。
図11は、第二実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
図12、
図13、
図14、及び
図15は、第二実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
第二実施形態では、電子部品は、たとえば、積層コンデンサC2である。積層コンデンサC2は、概ね、積層コンデンサC1と類似又は同じであるが、積層コンデンサC2は、複数の外部電極5及び複数の内部電極7,9の構成に関して、積層コンデンサC1と相違する。以下、積層コンデンサC1と積層コンデンサC2との相違点を主として説明する。
【0063】
積層コンデンサC2は、
図11~
図15に示されるように、直方体形状を呈している素体3と、複数の外部電極5と、複数の内部電極7と、複数の内部電極9と、複数の外部導体11と、を備える。本実施形態では、積層コンデンサC2は、一対の外部電極5を備えると共に、一対の外部導体11を備える。素体3は、互いに対向している一対の主面3a,3bと、互いに対向している一対の側面3cと、互いに対向している一対の端面3eと、を含む。積層コンデンサC2では、主面3aが、電子機器と対向する。主面3aは、実装面を構成するように配置される。主面3aは、実装面である。
各主面3a,3bは、素体3に含まれる側面でもある。素体3の側面は、一対の主面3a,3b及び一対の側面3cを含む。たとえば、一方の側面3cが第一側面を含む場合、他方の側面3cが第二側面を含んでもよく、主面3aが第三側面を含んでもよく、主面,3bが第四側面を含んでもよい。
【0064】
各外部電極5は、複数の電極部5a,5b,5c,5eを含む。電極部5aは、主面3a上に配置されている。電極部5bは、主面3b上に配置されている。各電極部5a,5bは、稜線部3g上に配置されてもよい。電極部5cは、側面3c上に配置されている。電極部5cは、稜線部3i上に配置されてもよい。電極部5eは、端面3e上に配置されている。外部電極5は、稜線部3j上に配置されている電極部も含む。
外部電極5は、一対の主面3a,3b、一対の側面3c、及び一つの端面3eの五つの面、並びに、稜線部3g,3i,3jに形成されている。互いに隣り合う電極部5a,5b,5c,5eは、物理的かつ電気的に接続されている。各外部電極5は、
図13及び
図14にも示されるように、第一電極層E1、第二電極層E2、及び第三電極層E3を含む。各電極部5a,5c,5eは、第一電極層E1、第二電極層E2、及び第三電極層E3を含む。電極部5bは、第一電極層E1及び第三電極層E3を含む。
【0065】
電極部5bの第一電極層E1は、主面3b上及び稜線部3g上に配置されている。電極部5bの第一電極層E1は、主面3bの一部と稜線部3gの全体とを覆っている。電極部5bの第一電極層E1は、主面3bの上記一部と稜線部3gの全体とに接している。電極部5bでは、第一電極層E1は、素体3と直接的に接している。主面3bの上記一部は、主面3bにおける端面3e寄りの一部領域を含む。電極部5bの第一電極層E1は、主面3b上に位置している。第一電極層E1は、主面3bに形成されていなくてもよい。第一電極層E1は、主面3b上に配置されていなくてもよい。主面3bは、第一電極層E1に覆われている領域と、第一電極層E1から露出している領域とを含む。
電極部5bの第三電極層E3は、第一電極層E1上に配置されている。電極部5bでは、第三電極層E3は、第一電極層E1を覆っている。電極部5bでは、第三電極層E3は、第一電極層E1と接している。電極部5bでは、第三電極層E3は、第一電極層E1と直接的に接している。電極部5bの第三電極層E3は、主面3b上に位置している。電極部5bは、第二電極層E2を含まない。主面3bは、第二電極層E2で覆われていない。
【0066】
電極部5cの第二電極層E2は、第一電極層E1上及び側面3c上に配置されている。電極部5cでは、第二電極層E2は、第一電極層E1の一部と側面3cの一部とを覆っている。電極部5cでは、第二電極層E2は、第一電極層E1の上記一部と側面3cの上記一部とに直接的に接している。電極部5cの第二電極層E2は、電極部5cの第一電極層E1の上記一部を覆うように形成されている。側面3cの上記一部は、たとえば、側面3cにおける主面3a及び端面3e寄りの角領域を含む。側面3cは、第二電極層E2に覆われている領域と、第二電極層E2から露出している領域とを含む。電極部5cの第二電極層E2は、第一電極層E1を直接的に覆っている部分と、側面3cの上記一部を直接的に覆っている部分とを含む。電極部5cでは、第二電極層E2に含まれると共に第一電極層E1を直接的に覆っている部分は、側面3cを間接的に覆っている。電極部5cの第一電極層E1は、第二電極層E2に覆われている部分と、第二電極層E2から露出している部分とを含む。電極部5cの第二電極層E2は、側面3c上に位置している。
電極部5cの第三電極層E3は、第一電極層E1上及び第二電極層E2上に配置されている。電極部5cでは、第三電極層E3は、第二電極層E2の全体を覆っていると共に、第一電極層E1の、第二電極層E2から露出している部分の全体を覆っている。電極部5cでは、第三電極層E3は、第二電極層E2の全体と接していると共に、第一電極層E1の、第二電極層E2から露出している部分の全体と接している。電極部5cでは、第三電極層E3は、第一電極層E1及び第二電極層E2と直接的に接している。電極部5cの第三電極層E3は、側面3c上に位置している。
【0067】
電極部5cは、複数の領域5c1,5c2を含む。本実施形態では、電極部5cは、二つの領域5c1,5c2のみを含む。領域5c2は、領域5c1よりも主面3a寄りに位置している。領域5c1は、第一電極層E1及び第三電極層E3を含む。領域5c1は、第二電極層E2を含まない。領域5c2は、第一電極層E1、第二電極層E2、及び第三電極層E3を含む。領域5c1は、第一電極層E1が第二電極層E2から露出している領域を含む。領域5c2は、第一電極層E1が第二電極層E2で覆われている領域を含む。
【0068】
電極部5eの第二電極層E2は、第一電極層E1上に配置されている。電極部5eでは、第二電極層E2は、第一電極層E1の一部を覆っている。電極部5eでは、第二電極層E2は、第一電極層E1の上記一部に直接的に接している。電極部5eの第二電極層E2は、電極部5eの第一電極層E1の上記一部を覆うように形成されている。端面3eの一部は、たとえば、端面3eにおける主面3a寄りの一部領域を含む。電極部5eでは、第二電極層E2は、第一電極層E1が第二電極層E2と端面3eとの間に位置するように、端面3eの一部を間接的に覆っている。電極部5eの第一電極層E1は、第二電極層E2に覆われている部分と、第二電極層E2から露出している部分とを含む。
電極部5eの第三電極層E3は、第一電極層E1上及び第二電極層E2上に配置されている。電極部5eでは、第三電極層E3は、第二電極層E2の全体を覆っていると共に、第一電極層E1の、第二電極層E2から露出している部分の全体を覆っている。電極部5eでは、第三電極層E3は、第二電極層E2の全体と接していると共に、第一電極層E1の、第二電極層E2から露出している部分の全体と接している。電極部5eでは、第三電極層E3は、第一電極層E1及び第二電極層E2と直接的に接している。電極部5eの第三電極層E3は、端面3e上に位置している。
【0069】
電極部5eは、複数の領域5e1,5e2を含む。本実施形態では、電極部5eは、二つの領域5e1,5e2のみを含む。領域5e2は、領域5e1よりも主面3a寄りに位置している。領域5e1は、第一電極層E1及び第三電極層E3を含む。領域5e1は、第二電極層E2を含まない。領域5e2は、第一電極層E1、第二電極層E2、及び第三電極層E3を含む。電極部5eでは、第三電極層E3は、第一方向D1から見て、端面3eの全体を覆うように形成されている。本実施形態では、第三電極層E3は、端面3eの全体を間接的に覆っている。領域5e1は、第一電極層E1が第二電極層E2から露出している領域を含む。領域5e2は、第一電極層E1が第二電極層E2で覆われている領域を含む。
【0070】
積層コンデンサC2では、第二電極層E2は、主面3aの一部のみ、端面3eの一部のみ、及び一対の側面3cの各一部のみを連続して覆っている。第二電極層E2は、主面3aの一部のみ、端面3eの一部のみ、及び一対の側面3cの各一部のみを連続して覆うように設けられている部分を含む。端面3eの上記一部は、端面3eにおける主面3a寄りの一部を含む。側面3cの上記一部は、側面3cにおける主面3a寄りの一部を含む。第二電極層E2は、一方の稜線部3gの全体、稜線部3iの一部のみ、及び稜線部3jの一部のみを覆っている。第一電極層E1の、稜線部3iを覆っている部分の一部は、第二電極層E2から露出している。たとえば、各領域5c1,5e1が含む第一電極層E1は、第二電極層E2から露出している。
【0071】
外部導体11は、一対の部分11aと、一対の部分11cとを含む。本変形例では、一対の部分11aは、主面3aに配置されている部分11aと、主面3bに配置されている部分11aとを含む。本変形例でも、一対の部分11aと一対の部分11cとは一体に設けられている。すなわち、各外部導体11は、各稜線部3jにも配置されている。
【0072】
図12~
図15に示されるように、内部電極7と内部電極9とは、第三方向D3において異なる位置(層)に配置されている。内部電極7と内部電極9とは、素体3内において、第三方向D3に間隔を有して対向するように交互に配置されている。複数の内部電極7と複数の内部電極9とは、第三方向D3で交互に並んでいる。複数の内部電極7,9は、第三方向D3に並ぶように素体3内に配置されている。各内部電極7,9は、各側面3cと略平行な面内に位置している。すなわち、各内部電極7,9は、各主面3a,3bと交差する方向に延在するように配置されている。本実施形態では、各内部電極7,9は、各主面3a,3bと略直交する方向に延在するように配置されている。内部電極7と内部電極9とは、第二方向D2で互いに対向している。内部電極7と内部電極9とが対向している方向(第三方向D3)は、各側面3cと平行な方向(第二方向D2及び第一方向D1)と直交している。
図12では、説明のため、各内部電極7,9は、意図的に、第二方向D2に互いにずれて図示されている。
【0073】
内部電極7は、一対の接続部分7aを含む。一対の接続部分7aのそれぞれは、主面3aに露出している。一対の接続部分7aのそれぞれは、主面3aに露出している端を含む。各接続部分7aは、主面3aに露出している端において、主面3aに配置されている部分11aに物理的かつ電気的に接続されている。内部電極7は、複数の箇所で、対応する外部導体11に物理的に接続されている。本実施形態でも、複数の内部電極7のうち、少なくとも一つの内部電極7が、対応する外部導体11に物理的に接続されていればよい。
【0074】
内部電極9は、一対の接続部分9aを含む。一対の接続部分9aのそれぞれは、主面3aに露出している。一対の接続部分9aのそれぞれは、主面3aに露出している端を含む。各接続部分9aは、主面3aに露出している端において、主面3aに配置されている部分11aに物理的かつ電気的に接続されている。内部電極9は、複数の箇所で、対応する外部導体11に物理的に接続されている。本実施形態でも、複数の内部電極9のうち、少なくとも一つの内部電極9が、対応する外部導体11に物理的に接続されていればよい。主面3aに露出している接続部分7aと接続部分9aとは、第一方向D1において、互いに離間している。
【0075】
本実施形態では、たとえば、複数の内部電極7は、他方の側面3cと隣り合う内部電極7Aを含む。内部電極7Aは、内部電極9と電気的に接続されていると共に他方の側面3c上に位置している電極部5cに含まれる第二電極層E2と、たとえば、第三方向D3で対向している。内部電極7Aと、内部電極9と電気的に接続されていると共に他方の側面3c上に位置している上記第二電極層E2とを、たとえば第三方向D3から見たとき、内部電極7Aと、内部電極9と電気的に接続されていると共に他方の側面3c上に位置している上記第二電極層E2とが、互いに重なっている。この場合、内部電極7Aと、内部電極9と電気的に接続されていると共に他方の側面3c上に位置している上記第二電極層E2との間に、電界が生じやすい。
本実施形態では、たとえば、複数の内部電極9は、一方の側面3cと隣り合う内部電極9Aを含む。内部電極9Aは、内部電極7と電気的に接続されていると共に一方の側面3c上に位置している電極部5aに含まれる第二電極層E2と、たとえば、第三方向D3で対向している。内部電極9Aと、内部電極7と電気的に接続されていると共に一方の側面3c上に位置している上記第二電極層E2とを、たとえば第三方向D3から見たとき、内部電極9Aと、内部電極7と電気的に接続されていると共に一方の側面3c上に位置している上記第二電極層E2とが、互いに重なっている。この場合、内部電極9Aと、内部電極7と電気的に接続されていると共に一方の側面3c上に位置している上記第二電極層E2との間に、電界が生じやすい。
【0076】
本実施形態では、複数の内部電極7は、内部電極9と電気的に接続されていると共に主面3a上に位置している電極部5aに含まれる第二電極層E2と、たとえば、第二方向D2で対向している。複数の内部電極7と、内部電極9と電気的に接続されていると共に主面3a上に位置している上記第二電極層E2とを、たとえば第二方向D2から見たとき、複数の内部電極7と、内部電極9と電気的に接続されていると共に主面3a上に位置している上記第二電極層E2とが、互いに重なっている。この場合、複数の内部電極7と、内部電極9と電気的に接続されていると共に主面3a上に位置している上記第二電極層E2との間に、電界が生じやすい。
本実施形態では、複数の内部電極9は、内部電極7と電気的に接続されていると共に主面3a上に位置している電極部5aに含まれる第二電極層E2と、たとえば、第二方向D2で対向している。複数の内部電極9と、内部電極7と電気的に接続されていると共に主面3a上に位置している上記第二電極層E2とを、たとえば第二方向D2から見たとき、複数の内部電極9と、内部電極7と電気的に接続されていると共に主面3a上に位置している上記第二電極層E2とが、互いに重なっている。この場合、複数の内部電極9と、内部電極7と電気的に接続されていると共に主面3a上に位置している上記第二電極層E2との間に、電界が生じやすい。
【0077】
本実施形態では、複数の内部電極7は、内部電極9と電気的に接続されている外部導体11(導体層13)と、たとえば、第二方向D2で対向している。したがって、複数の内部電極7と、内部電極9と電気的に接続されている外部導体11との間に、電界が生じるおそれがある。
本実施形態では、複数の内部電極9は、内部電極7と電気的に接続されている外部導体11(導体層13)と、たとえば、第二方向D2で対向している。したがって、複数の内部電極9と、内部電極7と電気的に接続されている外部導体11との間に、電界が生じるおそれがある。
【0078】
積層コンデンサC2でも、外部電極5が含む第二電極層E2と、外部電極5と第一方向D1で隣り合う外部導体11が含む導体層13とが、電気的に接続されている。したがって、電界が第二電極層E2に作用する場合でも、第二電極層E2に含まれる金属がイオン化しがたい。マイグレーションが第二電極層E2に生じがたい。
電界が導体層13に作用する場合でも、マイグレーションが導体層13に生じがたい。
一方の外部導体11は、一方の外部導体11と電気的に接続されている外部電極5(第二電極層E2)と、他方の外部導体11の間に位置している。したがって、マイグレーションが、一方の外部導体11と電気的に接続されている外部電極5が含む第二電極層E2に生じる場合でも、マイグレーションの進行が抑制される。
他方の外部導体11は、他方の外部導体11と電気的に接続されている外部電極5(第二電極層E2)と、他方の外部導体11の間に位置している。したがって、マイグレーションが、他方の外部導体11と電気的に接続されている外部電極5が含む第二電極層E2に生じる場合でも、マイグレーションの進行が抑制される。
これらの結果、積層コンデンサC2も、マイグレーションの進行を抑制する。
【0079】
積層コンデンサC2では、第二電極層E2は、主面3aの一部と、対応する端面3eの一部と、側面3cの一部とを連続して覆うように形成されている。第二電極層E2は、対応する端面3eの一部のみを覆うように形成されている。したがって、積層コンデンサC2は、ESRを低下させる。
【0080】
次に、
図16~
図20を参照して、第二実施形態の一変形例に係る積層コンデンサC2の構成を説明する。
図16は、第二実施形態の一変形例に係る積層コンデンサの斜視図である。
図17、
図18、及び
図19は、第二実施形態の一変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
図20は、外部電極と外部導体とを示す図である。
本変形例に係る積層コンデンサC2は、概ね、上述した第二実施形態に係る積層コンデンサC2と類似又は同じであるが、本変形例は、各内部電極7,9及び複数の外部導体11の構成に関して、上述した第二実施形態と相違する。以下、上述した第二実施形態と本変形例との相違点を主として説明する。
図16では、説明のため、各内部電極7,9は、意図的に、第三方向D3に互いにずれて図示されている。
【0081】
図16、
図18、及び
図19に示されるように、各外部導体11は、一つの部分11aと、一対の部分11cとを含む。部分11aは、主面3aに配置されている。一対の部分11cは、一対の側面3cのそれぞれに配置されている。外部導体11は、他方の主面3bには配置されていない。本変形例でも、部分11aと部分11cとは一体に設けられている。すなわち、各外部導体11は、主面3aと隣り合っている各稜線部3jにも配置されている。
【0082】
部分11aは、電極部5aの端縁から離間している。部分11aは、電極部5aの端縁に沿って、第三方向D3に延在している。
各部分11cは、対応する電極部5cの領域5c2の端縁から離間している。各部分11cは、領域5c2の端縁に沿って、第二方向D2に延在している。電極部5cの領域5c1は、第二電極層E2を有していない。したがって、部分11cは、電極部5cの領域5c1の端縁に沿って、第二方向D2に延在していなくてもよい。部分11cは、領域5c2に対応する位置に設けられていればよく、領域5c1に対応する位置に設けられていなくてもよい。
【0083】
図20に示されるように、各外部導体11は、主面3a上と、一対の側面3cのそれぞれの一部上とにわたって配置されている。一対の部分11cは、一対の側面3cのそれぞれの上記一部上に位置している。第二方向D2での各部分11cの高さH1は、第二方向D2での第二電極層E2の高さH2以上である。高さH2は、たとえば、電極部5cの領域5c
2が含む第二電極層E2の高さである。各高さH1,H2は、たとえば、基準面PL1からの第二方向D2での高さである。基準面PL1は、主面3aを含む。
図20では、第三電極層E3の図示が省略されている。
【0084】
図17及び
図18に示されるように、内部電極7は、一つの接続部分7aを含む。本変形例では、内部電極7は、主面3aに露出する接続部分7aのみを含む。内部電極7(接続部分7a)は、対応する外部導体11が含む部分11aのみと物理的に接続されている。
図17及び
図19に示されるように、内部電極9は、一つの接続部分9aを含む。本変形例では、内部電極9は、主面3aに露出する接続部分9aのみを含む。内部電極9(接続部分9a)は、対応する外部導体11が含む部分11aのみと物理的に接続されている。
各内部電極7,9は、主面3bには露出していない。
【0085】
本変形例に係る積層コンデンサC2では、内部電極7と内部電極9とのそれぞれが、対応する外部導体11が含む部分11aと物理的に接続されている。したがって、内部電極7と内部電極9とが、第三方向D3で互いに対向している構成においても、本変形例に係る積層コンデンサC2は、マイグレーションが第二電極層E2から進行するのを確実に抑制する。
【0086】
本変形例に係る積層コンデンサC2では、各外部導体11が、主面3a上と、一対の側面3cのそれぞれの一部上とにわたって配置されている。各外部導体11は、主面3b上に形成される必要がない。各部分11cは、対応する側面3cにおいて、上記一部のみに形成されていればよい。したがって、本変形例に係る積層コンデンサC2は、各外部導体11の形成を容易にしつつ、マイグレーションの進行を確実に抑制する。
【0087】
本変形例に係る積層コンデンサC1では、高さH1は、高さH2以上である。したがって、本変形例に係る積層コンデンサC2は、マイグレーションの進行を確実に抑制する。
【0088】
次に、
図21~
図24を参照して、第二実施形態の別の一変形例に係る積層コンデンサC2の構成を説明する。
図21、
図22、
図23,及び
図24は、第二実施形態の別の一変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
本変形例に係る積層コンデンサC2は、概ね、上述した一変形例に係る積層コンデンサC2と類似又は同じであるが、本変形例は、各内部電極7,9の構成に関して、上述した一変形例と相違する。以下、上述した一変形例と本変形例との相違点を主として説明する。
図21では、説明のため、各内部電極7,9は、意図的に、第二方向D2に互いにずれて図示されている。
【0089】
内部電極7と内部電極9とは、積層コンデンサC1が含む内部電極7,9と同様に、第二方向D2において異なる位置(層)に配置されている。内部電極7と内部電極9とは、第二方向D2で互いに対向している。
図23及び
図24に示されるように、素体3は、領域31と領域33とを含む。領域31は、基準面PL2から主面3aまでの領域である。領域33は、基準面PL2から主面3bまでの領域である。基準面PL2は、たとえば、第二方向D2での、第二電極層E2の端縁E2eを含む。基準面PL2は、主面3a,3bに略平行であってもよい。端縁E2eは、たとえば、領域5c
2が含む第二電極層E2の端縁である。端縁E2eは、第二電極層E2に含まれると共に、主面3b寄りに位置する。
複数の内部電極7,9は、領域31に位置する複数の内部電極7B,9Bと、領域33に位置する複数の内部電極7C,9Cと、を含む。複数の内部電極7B,9Bは、基準面PL2と主面3aとの間に位置する。複数の内部電極7B,9Bは、第二方向D2において、端縁E2eと主面3aとの間に位置する。複数の内部電極7C,9Cは、基準面PL2と主面3bとの間に位置する。複数の内部電極7C,9Cは、第二方向D2において、端縁E2eと主面3bとの間に位置する。
【0090】
複数の内部電極7C,9Cは、一対の外部導体11のいずれにも物理的に接続されていない。各内部電極7Cは、接続部分7aを含まないと共に、一対の側面3cに露出していない。各内部電極9Cは、接続部分9aを含まないと共に、一対の側面3cに露出していない。
内部電極7Bは、対応する外部導体11が含む部分11cに物理的に接続されている。内部電極7Bは、少なくとも一つの接続部分7aを含む。すべての内部電極7Bが、対応する外部導体11(部分11c)に物理的に接続されている必要はなく、少なくとも一つの内部電極7Bが、対応する外部導体11に物理的に接続されていればよい。
内部電極9Bは、対応する外部導体11が含む部分11cに物理的に接続されている。内部電極9Bは、少なくとも一つの接続部分9aを含む。すべての内部電極9Bが、対応する外部導体11(部分11c)に物理的に接続されている必要はなく、少なくとも一つの内部電極9Bが、対応する外部導体11に物理的に接続されていればよい。
【0091】
本変形例に係る積層コンデンサC2では、内部電極7Bと内部電極9Bとのそれぞれが、対応する外部導体11が含む部分11cと物理的に接続されている。したがって、内部電極7と内部電極9とが、第二方向D2で互いに対向している構成においても、本変形例に係る積層コンデンサC2は、マイグレーションが第二電極層E2から進行するのを確実に抑制する。
【0092】
本変形例に係る積層コンデンサC2では、複数の内部電極7C,9Cは、一対の外部導体11のいずれにも物理的に接続されていない。
【0093】
次に、
図25を参照して、第一実施形態に係る積層コンデンサを含む電子部品装置を説明する。
図25は、電子部品装置の断面構成を示す図である。
【0094】
図25に示されるように、電子部品装置は、積層コンデンサC1と、電子機器EDと、を備える。電子機器EDは、たとえば、回路基板又は電子部品である。積層コンデンサC1は、電子機器EDにはんだ実装されている。電子機器EDは、主面EDaと、二つのパッド電極PEとを含む。各パッド電極PEは、主面EDaに配置されている。二つのパッド電極PEは、互いに離間している。積層コンデンサC1は、実装面である主面3aと主面EDaとが対向するように、電子機器EDに配置されている。各内部電極7,9は、主面EDaと略平行な面内に位置している。
電子部品装置は、積層コンデンサC1の代わりに、積層コンデンサC2を含んでもよい。
【0095】
積層コンデンサC1がはんだ実装される場合、溶融したはんだが外部電極5(第三電極層E3)を濡れ上がる。濡れ上がったはんだが固化することにより、はんだフィレットSFが外部電極5に形成される。互いに対応する外部電極5とパッド電極PEとは、はんだフィレットSFを介して連結されている。
各外部導体11は、電子機器EDに物理的に接続されていない。電子機器EDは、各外部導体11が物理的に接続されるランドパターンを含まない。各外部導体11は、電子機器EDから離間している。
【0096】
上記電子部品装置は、上述したように、積層コンデンサC1でのマイグレーションの進行を抑制する。
上記電子部品装置では、各外部導体11は、電子機器EDに物理的に接続されていない。したがって、外力が電子機器EDから積層コンデンサC1に作用する場合、外力は、各外部導体11を通して素体に作用しない。
電子機器EDは、各外部導体11が物理的に接続されるランドパターンを含む必要がない。したがって、上記電子部品装置は、電子機器EDの構成が複雑化するのを防ぐ。
【0097】
本明細書では、ある要素が他の要素上に配置されていると記述されている場合、ある要素は、他の要素上に直接的に配置されていてもよく、他の要素上に間接的に配置されていてもよい。ある要素が他の要素上に間接的に配置されている場合、介在要素が、ある要素と他の要素との間に存在している。ある要素が他の要素上に直接的に配置されている場合、介在要素は、ある要素と他の要素との間に存在しない。
本明細書では、ある要素が他の要素上に位置していると記述されている場合、ある要素は、他の要素上に直接的に位置していてもよく、他の要素上に間接的に位置していてもよい。ある要素が他の要素上に間接的に位置している場合、介在要素が、ある要素と他の要素との間に存在している。ある要素が他の要素上に直接的に位置している場合、介在要素は、ある要素と他の要素との間に存在しない。
本明細書では、ある要素が他の要素を覆うと記述されている場合、ある要素は、他の要素を直接的に覆っていてもよく、他の要素を間接的に覆っていてもよい。ある要素が他の要素を間接的に覆っている場合、介在要素が、ある要素と他の要素との間に存在している。ある要素が他の要素を直接的に覆っている場合、介在要素は、ある要素と他の要素との間に存在しない。
【0098】
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0099】
本実施形態及び変形例では、電子部品として積層コンデンサを例に説明したが、適用可能な電子部品は、積層コンデンサに限られない。適用可能な電子部品は、たとえば、積層インダクタ、積層バリスタ、積層圧電アクチュエータ、積層サーミスタ、積層固体電池部品、もしくは積層複合部品などの積層電子部品、又は、積層電子部品以外の電子部品である。
【0100】
上述した実施形態及び変形例の記載から把握されるとおり、本明細書では以下に示す態様の開示を含む。
(付記1)
互いに対向している第一端面及び第二端面と、前記第一端面と前記第二端面とを連結している側面と、を含む素体と、
前記素体内に配置されている複数の内部導体と、
それぞれがマイグレーションが相対的に生じやすい電極層を含む、前記第一端面に配置されている第一外部電極及び前記第二端面に配置されている第二外部電極と、
それぞれが前記電極層よりマイグレーションが生じがたい導体層を含み、前記側面上において、前記第一端面と前記第二端面とが互いに対向している方向で並んでいると共に前記第一外部電極と前記第二外部電極から離間している第一外部導体及び第二外部導体と、を備え、
前記複数の内部導体は、前記第一外部電極と前記第一外部導体と電気的に接続されている第一内部導体と、前記第二外部電極と前記第二外部導体と電気的に接続されている第二内部導体と、含み、
前記第一外部導体は、前記第一外部電極と前記第二外部導体の間に位置し、
前記第二外部導体は、前記第二外部電極と前記第一外部導体の間に位置している、電子部品。
(付記2)
前記素体は、直方体形状を呈し、
前記側面は、前記第一端面と前記第二端面とに隣り合っている第一側面、第二側面、第三側面、及び第四側面を含み、
前記第一外部導体及び前記第二外部導体のそれぞれは、前記第一側面、前記第二側面、前記第三側面、及び前記第四側面上にわたって配置されている、付記1に記載の電子部品。
(付記3)
前記第一側面と前記第二側面とは、互いに対向しており、
前記第一内部導体は、前記第一外部導体に含まれると共に前記第一側面上に位置している部分と物理的に接続されており、
前記第二内部導体は、前記第二外部導体に含まれると共に前記第二側面上に位置している部分と物理的に接続されている、付記2に記載の電子部品。
(付記4)
前記第一内部導体は、前記第一外部導体に含まれると共に前記第一側面上に位置している部分と物理的に接続されており、
前記第二内部導体は、前記第二外部導体に含まれると共に前記第一側面上に位置している部分と物理的に接続されている、付記2に記載の電子部品。
(付記5)
前記第一内部導体は、複数の箇所で、前記第一外部導体と物理的に接続されており、
前記第二内部導体は、複数の箇所で、前記第二外部導体と物理的に接続されている、付記1又は2に記載の電子部品。
(付記6)
前記第一外部電極と前記第一外部導体との第一最短距離と、前記第二外部電極と前記第二外部導体との第二最短距離とは、前記第一外部導体と前記第二外部導体との最短距離より小さい、請求項1~5のいずれか一つに記載の電子部品。
(付記7)
前記側面は、実装面を構成するように配置される第一主面と、前記第一主面と対向している第二主面と、前記第一主面、前記第二主面、前記第一端面、及び前記第二端面と隣り合うと共に互いに対向している一対の側面を含み、
前記電極層は、前記第一主面の一部と、前記一対の端面のうち対応する端面の一部と、前記一対の側面のそれぞれの一部とを連続して覆うように形成されている導電性樹脂層を含み、
前記第一内部導体は、前記一対の側面が互いに対向している方向で前記第二内部導体に対向しており、前記第一外部導体に含まれると共に前記第一主面上に位置している部分と物理的に接続されており、
前記第二内部導体は、前記第二外部導体に含まれると共に前記第一主面上に位置している部分と物理的に接続されている、付記1に記載の電子部品。
(付記8)
前記側面は、実装面を構成するように配置される第一主面と、前記第一主面と対向している第二主面と、前記第一主面、前記第二主面、前記第一端面、及び前記第二端面と隣り合うと共に互いに対向している一対の側面を含み、
前記電極層は、前記第一主面の一部と、前記一対の端面のうち対応する端面の一部と、前記一対の側面のそれぞれの一部とを連続して覆うように形成されている導電性樹脂層を含み、
前記第一内部導体は、前記第一主面と前記第二主面とが互いに対向している方向で前記第二内部導体に対向しており、前記第一外部導体に含まれると共に前記一対の側面のうち少なくとも一つの側面上に位置している部分と物理的に接続されており、
前記第二内部導体は、前記第二外部導体に含まれると共に前記一対の側面のうち少なくとも一つの側面上に位置している部分と物理的に接続されている、付記1に記載の電子部品。
(付記9)
前記複数の内部導体のうち、前記第一主面と前記第二主面とが互いに対向している前記方向で、前記導電性樹脂層に含まれると共に前記第二主面寄りに位置する端縁と、前記第二主面との間に位置する内部導体は、前記第一外部導体及び前記第二外部導体のいずれにも物理的に接続されていない、付記8に記載の電子部品。
(付記10)
前記第一外部導体及び前記第二外部導体のそれぞれは、前記第一主面上と、前記一対の側面のそれぞれの一部上とにわたって配置されている、付記7~9のいずれか一つに記載の電子部品。
(付記11)
前記第一主面に直交する方向での、前記第一外部導体及び前記第二外部導体のそれぞれが含むと共に前記一対の側面のそれぞれの前記一部上に位置する部分の第一高さは、前記第一主面に直交する前記方向での前記導電性樹脂層の第二高さ以上である、付記10に記載の電子部品。
(付記12)
前記電極層は、複数の銀粒子を含む導電性樹脂層を含み、
前記導体層は、銀よりマイグレーションが生じがたい金属層を含む、付記1~11のいずれか一つに記載の電子部品。
(付記13)
付記1~12のいずれか一つに記載の電子部品と、
前記電子部品が実装される電子機器と、を備え、
前記第一外部導体及び前記第二外部導体は、前記電子機器に物理的に接続されていない、電子部品装置。
【符号の説明】
【0101】
3…素体、3a,3b…主面、3c…側面、3e…端面、5…外部電極、7,9…内部電極、7a,9a…接続部分、11…外部導体、11a,11c…外部導体が含む部分、13…導体層、C1,C2…積層コンデンサ、D1…第一方向、D2…第二方向、D3…第三方向、E1…第一電極層、E2…第二電極層、E2e…第二電極層の端縁、E3…第三電極層、ED…電子機器、W1a,W1c,W2a,W2c…外部電極と外部導体との間隔、H1…外部導体の高さ、H2…第二電極層の高さ。