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特開2024-108619情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108619
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0273 20230101AFI20240805BHJP
【FI】
G06Q30/0273
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013067
(22)【出願日】2023-01-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】江田 哲平
(72)【発明者】
【氏名】下平 正人
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】コンテンツの製作に対する出資のインセンティブを与える。
【解決手段】第1コンテンツの製作に出資した1以上の出資者それぞれに第1コンテンツの一部を構成する構成要素を割り当てる割当部131と、1以上の出資者それぞれと、該出資者に割当てられた、第1コンテンツにおける構成要素を示す構成要素識別情報と、を関連付けたトークンの発行を指示する発行指示部132と、発行されたトークンに対応する構成要素に適用するための適用コンテンツを取得する適用コンテンツ取得部133と、トークンに関連付けられた構成要素識別情報が示す構成要素に適用コンテンツ取得部133が取得した適用コンテンツを適用した第2コンテンツを生成する生成部134と、を有する情報処理装置1である。
【選択図】図3



【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コンテンツの製作に出資した出資者に第1コンテンツの一部を構成する構成要素を割り当てる割当部と、
前記出資者と、該出資者に割当てられた、前記第1コンテンツにおける構成要素を示す構成要素識別情報と、を関連付けたトークンの発行を指示する発行指示部と、
前記トークンに対応する構成要素に適用するための適用コンテンツを取得する適用コンテンツ取得部と、
前記トークンに関連付けられた構成要素識別情報が示す構成要素に前記適用コンテンツ取得部が取得した前記適用コンテンツを適用した第2コンテンツを生成する生成部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記第1コンテンツの制作に出資する出資者と、出資の内容と、を取得する取得部をさらに有し、
前記割当部は、前記出資者に、前記出資の内容に基づいて構成要素を割り当てる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記適用コンテンツ取得部は、前記トークンの保有者と関連付けられた前記適用コンテンツを取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記割当部は、前記第1コンテンツの製作に出資した1以上の出資者それぞれに、前記第1コンテンツの一部を構成する1以上の構成要素の少なくともいずれかを割り当て、
前記発行指示部は、前記1以上の出資者それぞれと、該出資者それぞれに割当てられた、前記第1コンテンツにおける構成要素を示す構成要素識別情報と、を関連付けた、1以上のトークンの発行を指示し、
前記適用コンテンツ取得部は、前記1以上のトークンに対応する構成要素それぞれに適用するための1以上の適用コンテンツを取得し、
前記生成部は、前記1以上のトークンに関連付けられた構成要素識別情報が示すそれぞれの構成要素に、前記適用コンテンツ取得部が取得した前記1以上の適用コンテンツを適用した第2コンテンツを生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成部は、前記トークンの保有者からの要求に基づいて前記第2コンテンツを生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記発行指示部は、前記トークンを示すトークン識別情報と、該トークンを発行された前記出資者を示すユーザ識別情報と、を関連付けてブロックチェーンに記録させる、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記発行指示部は、前記出資者と、該出資者に割当てられた、前記第1コンテンツにおける構成要素を示す構成要素識別情報と、該構成要素に適用する前記適用コンテンツを取得するための情報と、を関連付けた前記トークンを前記ブロックチェーンに記録させる、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記発行指示部は、前記出資者と、該出資者に割当てられた、前記第1コンテンツにおける構成要素を示す構成要素識別情報と、前記ブロックチェーンの外部に記憶された、該構成要素に適用する前記適用コンテンツを取得するための情報にアクセスするための情報と、を関連付けた前記トークンを前記ブロックチェーンに記録させる、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記トークンに関連付けられたユーザから、他のユーザに対して、前記トークンの移転の指示を受付ける受付部と、
前記受付部が前記トークンの譲渡を受付けると、前記トークンと、前記他のユーザと、の関連付けを指示する移転指示部と、
をさらに有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記移転指示部は、前記受付部が前記トークンの移転の指示を受付けると、前記トークンを示すトークン識別情報と、前記トークンの新たな保有者を示すユーザ識別情報と、を関連付けてブロックチェーンに記録させる、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記受付部は、前記トークンの売却に伴う前記トークンの移転の指示を受付ける、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが実行する、
第1コンテンツの製作に出資した出資者に第1コンテンツの一部を構成する構成要素を割り当てるステップと、
前記出資者と、該出資者に割当てられた、前記第1コンテンツにおける構成要素を示す構成要素識別情報と、を関連付けたトークンの発行を指示するステップと、
前記トークンに対応する構成要素に適用するための適用コンテンツを取得するステップと、
前記トークンに関連付けられた構成要素識別情報が示す構成要素に前記適用コンテンツを適用した第2コンテンツを生成するステップと、
を有する、情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
第1コンテンツの製作に出資した出資者に第1コンテンツの一部を構成する構成要素を割り当てるステップと、
前記出資者と、該出資者に割当てられた、前記第1コンテンツにおける構成要素を示す構成要素識別情報と、を関連付けたトークンの発行を指示するステップと、
前記トークンに対応する構成要素に適用するための適用コンテンツを取得するステップと、
前記トークンに関連付けられた構成要素識別情報が示す構成要素に前記適用コンテンツを適用した第2コンテンツを生成するステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツに設定された広告枠に広告を表示する権利を落札対象とするオークションが成立した場合に、コンテンツに設定された広告枠に広告コンテンツを組み込む技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-18536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術においては、コンテンツの広告枠を獲得するために支払う費用が高額となり、獲得した広告枠を他人に譲渡するためには再度のオークションが必要となり手間がかかることから出資者に対しての訴求力に欠けるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、他人に譲渡可能なトークンを発行することで、コンテンツの製作に対する出資のインセンティブを与えることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置においては、第1コンテンツの製作に出資した出資者に第1コンテンツの一部を構成する構成要素を割り当てる割当部と、前記出資者と、該出資者に割当てられた、前記第1コンテンツにおける構成要素を示す構成要素識別情報と、を関連付けたトークンの発行を指示する発行指示部と、前記トークンに対応する構成要素に適用するための適用コンテンツを取得する適用コンテンツ取得部と、前記トークンに関連付けられた構成要素識別情報が示す構成要素に前記適用コンテンツ取得部が取得した前記適用コンテンツを適用した第2コンテンツを生成する生成部と、を有する。
【0007】
前記第1コンテンツの制作に出資する出資者と、出資の内容と、を取得する取得部をさらに有し、前記割当部は、前記出資者に、前記出資の内容に基づいて構成要素を割り当ててもよい。
【0008】
前記適用コンテンツ取得部は、前記トークンの保有者と関連付けられた前記適用コンテンツを取得してもよい。
【0009】
前記割当部は、前記第1コンテンツの製作に出資した1以上の出資者それぞれに、前記第1コンテンツの一部を構成する1以上の構成要素の少なくともいずれかを割り当て、前記発行指示部は、前記1以上の出資者それぞれと、該出資者それぞれに割当てられた、前記第1コンテンツにおける構成要素を示す構成要素識別情報と、を関連付けた、1以上のトークンの発行を指示し、前記適用コンテンツ取得部は、前記1以上のトークンに対応する構成要素それぞれに適用するための1以上の適用コンテンツを取得し、前記生成部は、前記1以上のトークンに関連付けられた構成要素識別情報が示すそれぞれの構成要素に、前記適用コンテンツ取得部が取得した前記1以上の適用コンテンツを適用した第2コンテンツを生成してもよい。
【0010】
前記生成部は、前記トークンの保有者からの要求に基づいて前記第2コンテンツを生成してもよい。
【0011】
前記発行指示部は、前記トークンを示すトークン識別情報と、該トークンを発行された前記出資者を示すユーザ識別情報と、を関連付けてブロックチェーンに記録させてもよい。
【0012】
前記発行指示部は、前記出資者と、該出資者に割当てられた、前記第1コンテンツにおける構成要素を示す構成要素識別情報と、該構成要素に適用する前記適用コンテンツを取得するための情報と、を関連付けた前記トークンを前記ブロックチェーンに記録させてもよい。
【0013】
前記発行指示部は、前記出資者と、該出資者に割当てられた、前記第1コンテンツにおける構成要素を示す構成要素識別情報と、前記ブロックチェーンの外部に記憶された、該構成要素に適用する前記適用コンテンツを取得するための情報にアクセスするための情報と、を関連付けた前記トークンを前記ブロックチェーンに記録させてもよい。
【0014】
前記トークンに関連付けられたユーザから、他のユーザに対して、前記トークンの移転の指示を受付ける受付部と、前記受付部が前記トークンの譲渡を受付けると、前記トークンと、前記他のユーザと、の関連付けを指示する移転指示部と、をさらに有してもよい。
【0015】
前記移転指示部は、前記受付部が前記トークンの移転の指示を受付けると、前記トークンを示すトークン識別情報と、前記トークンの新たな保有者を示すユーザ識別情報と、を関連付けてブロックチェーンに記録させてもよい。
【0016】
前記受付部は、前記トークンの売却に伴う前記トークンの移転の指示を受付けてもよい。
【0017】
本発明の第2の態様の情報処理方法においては、コンピュータが実行する、第1コンテンツの製作に出資した出資者に第1コンテンツの一部を構成する構成要素を割り当てるステップと、前記出資者と、該出資者に割当てられた、前記第1コンテンツにおける構成要素を示す構成要素識別情報と、を関連付けたトークンの発行を指示するステップと、前記トークンに対応する構成要素に適用するための適用コンテンツを取得するステップと、前記トークンに関連付けられた構成要素識別情報が示す構成要素に前記適用コンテンツを適用した第2コンテンツを生成するステップと、を有する。
【0018】
本発明の第3の態様のプログラムにおいては、コンピュータに、第1コンテンツの製作に出資した出資者に第1コンテンツの一部を構成する構成要素を割り当てるステップと、前記出資者と、該出資者に割当てられた、前記第1コンテンツにおける構成要素を示す構成要素識別情報と、を関連付けたトークンの発行を指示するステップと、前記トークンに対応する構成要素に適用するための適用コンテンツを取得するステップと、前記トークンに関連付けられた構成要素識別情報が示す構成要素に前記適用コンテンツを適用した第2コンテンツを生成するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、コンテンツの製作に対する出資のインセンティブを与えることができるようにするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。
図2】実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。
図3】情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
図4】発行されたトークンの一例を示す図である。
図5】記憶部12が記憶する出資条件テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図6】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[情報処理システムSの概要]
図1及び図2は、実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。情報処理システムSは、コンテンツの製作についての出資を集め、製作されたコンテンツに出資者が指定する所定のコンテンツを適用したコンテンツを生成するためのシステムである。情報処理システムSは、情報処理装置1及びコンテンツサーバ2及びブロックチェーンBを有する。情報処理システムSは、ユーザが使用する情報端末をさらに有していてもよい。
【0022】
情報処理装置1は、ベースとなるコンテンツ(以下、第1コンテンツと言う)に、コンテンツについての権利の保有者が指定するコンテンツ(以下、適用コンテンツと言う)を適用したコンテンツ(以下、第2コンテンツと言う)を生成する。
【0023】
第1コンテンツは、一例として、小説等のテキスト、静止画像、動画像等のコンテンツである。第1コンテンツは、複数の構成要素を含む。構成要素は、第1コンテンツにおいて、当該構成要素に対応する適用コンテンツを適用する箇所を示す。換言すれば、構成要素は、第1コンテンツにおいて、文字列、動画像、静止画像又は音等の適用コンテンツが表示又は再生される時刻、表示位置又はその両方を示す。適用コンテンツは、対応する構成要素に適用されるコンテンツである。適用コンテンツは、例えば、構成要素に対応する箇所に挿入される文字列、音、画像等である。
【0024】
図1を用いて、第1コンテンツである映画のエンドクレジットに、適用コンテンツとして第1コンテンツについての権利の保有者の名称を表示する例を取り上げ、情報処理装置1が第2コンテンツを生成する処理の概要を説明する。第1コンテンツ(S1)においては、適用コンテンツを表示するための表示位置である構成要素(E1及びE2)が設定されている。情報処理装置1は、構成要素E1及びE2についてのトークンを取得する。トークンにおいては、構成要素に関する権利を有する保有者と、構成要素に適用する適用コンテンツ又はその取得方法(例えば適用コンテンツを取得するためのURI(Universal Resource Identifier))と、が関連付けられている。
【0025】
情報処理装置1は、取得したトークンに基づいて適用コンテンツを取得する。図1の例においては、構成要素E1に適用する適用コンテンツとして文字列「C」を、構成要素E2に適用する適用コンテンツとして文字列「D」を取得する。情報処理装置1は、取得した適用コンテンツを第1コンテンツにおける構成要素に適用する。図1の例においては、適用コンテンツとして取得した文字列(「C」及び「D」)を、構成要素が示す箇所(E1及びE2)に挿入した第2コンテンツ(S2)を生成する。
【0026】
情報処理装置1は、さらに、第1コンテンツの制作に出資をした出資者に、第1コンテンツの一部を構成する構成要素に適用コンテンツを適用する権利を割当て、構成要素を割り当てられた出資者の真正性を証明するためのトークンを発行させる。また情報処理装置1は、発行されたトークンを取引するためのマーケットプレイスに接続される。また、情報処理装置1は、例えばサーバである。以下では、原始的にトークンを取得した者を特に出資者と言い、発行されたトークンの保有者として、トークンにおいて関連付けられている者を「保有者」という。出資者と保有者とは同一である場合がある。出資者及び保有者は自然人であってもよいし、法人であってもよい。
【0027】
コンテンツサーバ2は、第1コンテンツ及び適用コンテンツを記憶し、情報処理装置1から取得した要求に応じて第1コンテンツ及び適用コンテンツを送信する。ブロックチェーンBは、ブロックチェーンを用いてトークンを記録するためのプラットフォームである。ブロックチェーンBは、ブロックチェーンに参加する複数のノードで構成され、それぞれのノードは、トークンの発生、変更または削除を記録した分散台帳を保有する。
【0028】
情報処理システムSにおける処理について説明する。情報処理装置1は、出資情報を取得する(図2における(1))。出資情報は、出資内容を示す情報である。出資情報は、第1コンテンツの制作に出資をするユーザ又は事業者である出資者を示す出資者ID(IDentification)と、当該ユーザ又は事業者が出資した金額と、を含む。出資情報は、出資方法を含んでもよい。出資方法は、例えば現金による出資、株式交換による出資、STO(Security Token Offering)等の出資の方法を示す情報である。情報処理装置1は、出資者が使用する情報端末から出資情報を取得してもよいし、不図示の外部装置から出資情報を取得してもよい。
【0029】
情報処理装置1は、取得した出資情報が示す出資内容に基づいて構成要素を割り当てる(図2における(2))。一例として、情報処理装置1は、出資条件と、当該出資条件を満たした場合に割り当てる構成要素と、を関連付けて予め記憶しておき、出資情報に含まれる出資内容が出資条件を満たす構成要素を、出資情報に含まれる出資者に割り当てる。情報処理装置1は、構成要素を割り当てられた出資者それぞれについてのトークンを発行する(図2における(3))。情報処理装置1がトークンを発行してもよいし、他のトークンの発行体にトークンを発行することを依頼してもよい。情報処理装置1は、トークンをブロックチェーンに記録させる(図2における(4))。情報処理装置1は、発行されたトークンをそれぞれの出資者に送信してもよい。
【0030】
情報処理装置1は、生成要求を取得する(図2における(5))。生成要求は、第2コンテンツの生成を要求するための情報である。生成要求は、生成要求を送信するユーザのユーザIDと、生成対象の第1コンテンツを識別するコンテンツIDと、を含む。生成要求にはコンテンツIDに加えて又は代えて発行されたトークンを識別するトークンIDが含まれていてもよい。
【0031】
情報処理装置1は、生成要求に含まれるコンテンツIDに対応する第1コンテンツ及び、第1コンテンツに含まれるそれぞれの構成要素に対応する適用コンテンツを取得する(図2における(6))。適用コンテンツは、対応する構成要素に適用されるコンテンツである。適用コンテンツは、トークンの保有者に関連付けられたコンテンツであり、トークンの保有者が指定するコンテンツである。適用コンテンツは、例えば、構成要素に対応する箇所に挿入される文字列、音、画像等である。なお、生成要求にトークンIDが含まれる場合、情報処理装置1は、生成要求に含まれるトークンIDに対応する第1コンテンツ及び適用コンテンツを取得してもよい。情報処理装置1は、生成要求に含まれるユーザIDにさらに基づいて適用コンテンツを取得してもよい。
【0032】
情報処理装置1は、取得した第1コンテンツ及び適用コンテンツに基づいて第2コンテンツを生成する(図2における(7))。情報処理装置1は、生成した第2コンテンツを、生成要求を送信した保有者の情報端末に送信する(図2における(8))。
【0033】
情報処理システムSがこのように構成されることで、コンテンツの製作に対する出資のインセンティブを与えることができるようにするという効果を奏する。
【0034】
[情報処理装置1の構成]
図3は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。制御部13は、割当部131、発行指示部132、適用コンテンツ取得部133、生成部134、取得部135、受付部136及び移転指示部137を有する。
【0035】
通信部11は、ネットワークを介して他の装置とデータの送受信をするための通信インターフェースである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。
【0036】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、割当部131、発行指示部132、適用コンテンツ取得部133、生成部134、取得部135、受付部136及び移転指示部137として機能する。制御部13は、トークンを発行する発行部(不図示)として機能してもよい。
【0037】
取得部135は、出資情報を取得する。割当部131は、第1コンテンツの製作に出資した出資者に第1コンテンツの一部を構成する構成要素を割り当てる。割当部131は、取得部135が取得した出資情報に含まれる出資者に第1コンテンツの構成要素を割り当てる。割当部131が構成要素を割り当てる処理の詳細については後述する。
【0038】
発行指示部132は、出資者と、該出資者に割当てられた、第1コンテンツにおける構成要素を示す構成要素識別情報と、を関連付けたトークンの発行を指示する。発行指示部132は、外部装置にトークンの発行を指示してもよいし、トークンを発行する発行部にトークンの発行を指示してもよい。発行指示部132は、発行されたトークンをブロックチェーンに記録させる。発行指示部132は、一例として、発行されたトークンを含む記録指示をブロックチェーンBに送信し、発行されたトークンをブロックチェーンBに記録させる。
【0039】
図4は、発行されたトークンのデータ構造の一例を示す図である。図4に示すトークンにおいては、「トークンID」、「コンテンツID」、「構成要素ID」、「保有者ID」、「取得先URI」及び「更新日時」を含む。「トークンID」は、トークンを識別するためのIDである。「コンテンツID」は、当該トークンが対象とする第1コンテンツを示すIDである。構成要素IDは、当該トークンが対象とする構成要素を示すIDである。「保有者ID」は、当該トークンが対象とする構成要素についての権利の保有者を示すIDであり、一例として、ブロックチェーン参加者に付されたアドレスである。「取得先URI」は、当該トークンが対象とする構成要素に対応する適用コンテンツを取得するためのURIである。「更新日時」は、当該トークンが発行又は更新された日時を示す。
【0040】
適用コンテンツ取得部133は、発行されたトークンに対応する構成要素に適用するための適用コンテンツを取得する。一例として、受付部136が生成要求を取得した場合に、適用コンテンツ取得部133は、生成要求に含まれる第1コンテンツを示すコンテンツID又はトークンIDに対応するトークンと、第1コンテンツと、をブロックチェーンBから取得する。適用コンテンツ取得部133は、取得したトークンに含まれる取得先URIが示すリソースにアクセスし、適用コンテンツを取得する。なお、トークンに含まれる適用コンテンツを取得するための情報が、当該トークンに適用コンテンツが含まれていることを示す場合、適用コンテンツ取得部133は、当該トークンに含まれる適用コンテンツを取得してもよい。適用コンテンツは、ブロックチェーンBに記憶されていてもよいし、外部装置に記憶されていてもよい。すなわち、取得先URIが示すリソースは、ブロックチェーンBに記憶されたデータを示していてもよいし、外部装置に記憶されたリソースを示していてもよい。
【0041】
生成部134は、トークンに関連付けられた構成要素識別情報が示す構成要素に適用コンテンツ取得部133が取得した適用コンテンツを適用した第2コンテンツを生成する。生成部134は、上述したように取得した適用コンテンツを構成要素に対応する箇所に挿入してもよいし、適用コンテンツが構成要素に対応する箇所において表示または再生されるように関連付けてもよい。生成部134は、生成した第2コンテンツを、生成要求を送信した情報端末に送信してもよいし、記憶部12に記憶してもよい。
【0042】
情報処理装置1がこのように構成されることで、コンテンツの製作に対する出資のインセンティブを与えることができる。
【0043】
受付部136は、生成要求を送信した保有者を認証してもよい。この場合、記憶部12は、保有者を認証するための認証情報を記憶している。一例として、受付部136は、生成要求を取得すると、生成要求を送信した情報端末に認証情報の送信を要求し、当該情報端末から取得した認証情報が、記憶部12が記憶している認証情報と一致するかを検証する。情報処理装置1は、当該情報端末から取得した認証情報と、記憶部12が記憶している認証情報と、が一致する場合に、後続の処理を実行する。
【0044】
割当部131の処理について説明する。割当部131は、取得部135が取得した出資情報に含まれる出資内容に基づいて構成要素を割り当てる。一例として、記憶部12は、出資条件と、当該条件を満たした場合に割り当てる構成要素と、を関連付けた出資条件テーブルを記憶する。図5は、記憶部12が記憶する出資条件テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図5(a)に示す出資条件テーブルにおいては、「コンテンツID」、「構成要素ID」及び「出資条件」を含む。「コンテンツID」及び「構成要素ID」は、当該レコードが対象とするコンテンツ及び構成要素を示す。「出資条件」は、当該レコードが対象とする構成要素を割り当てる条件を示す情報であり、「出資金額」及び「出資時期」を含む。「出資金額」は、金額面における条件を示し、当該条件を上回る金額を含む出資情報を取得した場合に当該構成要素を割り当てることを示す。「出資時期」は、当該構成要素を割り当てるための出資情報を受付ける期間を示す。「出資条件」においては、さらに出資方法における条件を示す情報が含まれていてもよい。
【0045】
取得部135が出資情報を取得した場合に、割当部131は、出資情報に含まれる金額及び出資情報を取得した時期に基づいて、記憶部12が記憶する出資条件テーブルにおいて取得した出資情報に含まれる金額及び時期に対応する構成要素を出資情報に含まれる出資者に割り当てる。
【0046】
図5(b)は、出資条件テーブルの別の構成例を示す。図5(b)に示す出資条件テーブルにおいては、「訴求力」が関連付けられている。「訴求力」は、当該構成要素の視聴者に対する訴求力の大きさを示す情報である。訴求力は、一例として、訴求力が高い順に「A」、「B」、「C」と表される。訴求力においてはさらに多くの段階が設定されてもよいし、同一の段階に複数の構成要素が設定されてもよい。
【0047】
この場合、割当部131は、所定の期間内に取得した1以上の出資情報のうち、出資情報に含まれる出資金額が大きい順に優先的に訴求力の高い構成要素を割り当ててもよい。
【0048】
ところで、第1コンテンツに含まれる構成要素の数は複数であってもよい。この場合、受付部136は、複数の出資者それぞれについての出資情報を取得する。割当部131は、取得した出資情報それぞれが示す第1コンテンツの製作に出資した1以上の出資者それぞれに、第1コンテンツの一部を構成する1以上の構成要素の少なくともいずれかを割り当てる。構成要素の数が複数である場合、適用コンテンツ取得部133は、発行された1以上のトークンに対応する構成要素それぞれに適用するための1以上の適用コンテンツを取得し、生成部134は、1以上のトークンに関連付けられた構成要素識別情報が示すそれぞれの構成要素に、適用コンテンツ取得部133が取得した1以上の適用コンテンツを適用したコンテンツを生成する。
【0049】
情報処理装置1は、発行されたトークンの移転を受け付け、トークンの移転をブロックチェーンに記録させるよう構成されてもよい。
【0050】
受付部136は、トークンに関連付けられたユーザから、他のユーザに対して、トークンの移転の指示を受付ける。受付部136は、移転指示をトークンの保有者が使用する情報端末から取得する。移転指示は、トークンの移転を指示するための情報であり、移転対象のトークンを示すトークンID、該トークンの保有者を示す保有者ID、移転先の保有者を示す保有者IDを含む。移転指示においては、トークンを移転する理由がさらに含まれていてもよい。トークンを移転する理由においては、例えば法人の合併、相続、贈与又は売却等を示す情報を含む。
【0051】
移転指示部137は、受付部136がトークンの移転の指示を受付けると、トークンと、他のユーザと、の関連付けを指示する。すなわち、移転指示部137は、受付部136が取得した移転指示に基づいて、移転指示に含まれるトークンIDが示すトークンを移転先の保有者IDと、関連付けてブロックチェーンBに記録させる。
【0052】
情報処理装置1がこのように構成されることで、トークンの流動性を高めることでトークンの価値を向上させ、より多くの出資者に対して第1コンテンツの出資に対する意欲を喚起することができる。
【0053】
[情報処理装置1における処理の流れ]
図6は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、出資情報を取得する時点から開始している。
【0054】
取得部135は、出資情報を取得する(S01)。割当部131は、取得部135が取得した出資情報に基づいて第1コンテンツの構成要素を割り当てる(S02)。発行指示部132は、構成要素を割り当てられた出資者を示す出資者IDと、当該出資者に割り当てられた構成要素を示す構成要素IDと、を関連付けたトークンの発行を指示する(S03)。
【0055】
受付部136は、生成要求を取得する(S04)。適用コンテンツ取得部133は、生成要求に含まれるコンテンツID又はトークンIDに対応する適用コンテンツを取得する(S05)。適用コンテンツ取得部133は、第1コンテンツをさらに取得してもよい。生成部134は、第1コンテンツと、取得した適用コンテンツと、に基づいて第2コンテンツを生成する(S06)。
【0056】
[情報処理装置1による効果]
情報処理装置1においては、コンテンツの製作に対する出資のインセンティブを与えることができるようにするという効果を奏する。
【0057】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0058】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0059】
1 情報処理装置
2 コンテンツサーバ
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 割当部
132 発行指示部
133 適用コンテンツ取得部
134 生成部
135 取得部
136 受付部
137 移転指示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6