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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108622
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】移動システム
(51)【国際特許分類】
   B62D 53/00 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
B62D53/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013074
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】522465064
【氏名又は名称】フォロフライ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】小間 裕康
(72)【発明者】
【氏名】阿部 顯
(72)【発明者】
【氏名】横田 達寛
(57)【要約】
【課題】荷物の荷下ろしや積込が簡便な小型の運搬を容易に実現すること。
【解決手段】移動システムは、電力で駆動して移動する移動体1A又は1Bと、移動体1A又は1Bに対して着脱自在であり、移動体1A又は1Bに接続されている場合には当該移動体1A又は1Bに牽引されて移動する被牽引体2とを有する。被牽引体2は、バッテリ23を搭載するバッテリ搭載部21と、バッテリ23から出力される電力を、移動体1A又は1Bの移動の駆動用として供給する電力供給部22とを備える。移動体1A又は1Bは、被牽引体2から供給された電力を用いて移動体1A又は1Bを駆動する駆動部11A又は11Bを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力で駆動して移動する移動体と、
移動体に対して着脱自在であり、移動体に接続されている場合には当該移動体に牽引されて移動する被牽引体と、
を有する移動システムであって、
前記被牽引体又は前記移動体は、
バッテリを搭載するバッテリ搭載部と、
前記バッテリから出力される電力を、前記移動体の移動の駆動用として供給する電力供給部と、
を備え、
前記移動体は、
前記被牽引体から供給された前記電力を用いて、前記移動体を駆動する駆動部
を備える、
移動システム。
【請求項2】
前記バッテリ搭載部及び前記電力供給部は、
前記被牽引体に備えられている、
請求項1に際の移動システム。
【請求項3】
前記バッテリ搭載部は、前記バッテリを着脱自在な機構を有している
請求項1に記載の移動システム。
【請求項4】
前記被牽引体は、
前記バッテリの電力を用いた機能を発揮させる機能部
をさらに有する請求項1に記載の移動システム。
【請求項5】
前記被牽引体は、
所定の手法で発電する発電部と、
前記発電部により発電された電力を用いて、前記バッテリ搭載部に搭載された前記バッテリを充電する充電部と、
をさらに有する請求項1に記載の移動システム。
【請求項6】
前記移動体は、電気自動車である、
請求項1に記載の移動システム。
【請求項7】
前記移動体は、電動アシスト牽引車である、
請求項1に記載の移動システム。
【請求項8】
前記移動体は、所定条件での移動が可能なバッテリをさらに搭載している、
請求項1に記載の移動システム。
【請求項9】
前記被牽引体は、取り外し可能な荷物積載部を有している、
請求項1に記載の移動システム。
【請求項10】
前記荷物積載部は、前記バッテリ搭載部を配置している、
請求項7に記載の移動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トレーラーを用いた荷物の運送が行われていた(例えば特許文献1参照)。トレーラーとは、キャブが付いておらず、エンジンと運転席がないため、自走することができないトラックである。トレーラーを移動させるためには、当該トレーラーを牽引する牽引車であるトラクタが必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014―008945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術を含め従来のトレーラーは、6t程度の大型のものであるため、2t程度の小型の運搬には不適であった。
また、2t程度の小型の運搬では、従来トラックが利用されているが、荷物の荷下ろしや積込がトレーラーと比較して不便であった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、荷物の荷下ろしや積込が簡便な小型の運搬を容易に実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の移動システムは、
電力で駆動して移動する移動体と、
移動体に対して着脱自在であり、移動体に接続されている場合には当該移動体に牽引されて移動する被牽引体と、
を有する移動システムであって、
前記被牽引体又は前記移動体は、
バッテリを搭載するバッテリ搭載部と、
前記バッテリから出力される電力を、前記移動体の移動の駆動用として供給する電力供給部と、
を備え、
前記移動体は、
前記被牽引体から供給された前記電力を用いて、前記移動体を駆動する駆動部
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、荷物の荷下ろしや積込が簡便な小型の運搬を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態の移動システムの構成例の概要を示すイメージ図である。
図2図1の移動システムを活用することで実現可能となるビジネスモデルの一例であって、新たな物流スキームの概要を示す図である。
図3】本発明の一実施形態の移動システムの構成例であって、被牽引体が図1の例とは異なる例の概要を示すイメージ図である。
図4】本発明の一実施形態の移動システムの構成例であって、被牽引体が図1及び図3の例とは異なる例の概要を示すイメージ図である。
図5】本発明の一実施形態の移動システムの構成例であって、被牽引体が図1図3及び図4の例とは異なる例の概要を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態の移動システムの構成例の概要を示すイメージ図である。
【0011】
本発明の一実施形態の移動システム1は、電力で駆動して移動する移動体1A及び1Bと、被牽引体2とから構成されている。被牽引体2は、移動体1A又は1Bに対して着脱自在であり、移動体1A又は1Bに接続されている場合には当該移動体1A又は1Bに牽引されて移動する。
【0012】
移動体1Aは、長距離の移動が可能な電気自動車として構成され、バッテリから供給された電力を用いて移動体1Aを駆動する駆動部11Aを有している。
移動体1Bは、倉庫内等においてユーザUが手動で被牽引体2を移動する動作をアシストする電動アシスト牽引車として構成され、バッテリから供給された電力を用いて移動体1Bを駆動する駆動部11Bを有している。
なお、バッテリは、本実施形態では被牽引体2に搭載されたバッテリ23が採用されているが、特にこれに限定されず、移動体1A又は1Bに搭載されていてもよい。また、バッテリは、被牽引体2又は移動体1A若しくは1Bに固定されたものでもよいが、本実施形態では被牽引体2又は移動体1A若しくは1Bから着脱自在であり交換可能なものが採用されている。即ち、本実施形態では、図1の右方に示すように、充電量が減少した古いバッテリ23Oをバッテリ搭載部21から取り外し、充電済みの新しいバッテリ23Nをバッテリ搭載部21に取り付けることができる。
【0013】
被牽引体2は、図2の例では荷物Lを運搬可能なトレーラーとして構成され、バッテリ搭載部21と電力供給部22を有している。バッテリ搭載部21は、バッテリ23を搭載する。電力供給部23は、バッテリ23から出力される電力を、移動体1A又は1Bの移動の駆動用として供給する。
ここで、トレーラーやトレーラーに積載された荷物Lは重量が重いことが通常である。そのため、トレーラーを用いて荷物Lを運搬するためには、相当のエネルギーが必要となる。そのため、通常の電気自動車に積載されるバッテリに蓄えられたエネルギーのみでは、航続距離が短くなってしまう。
しかしながら、本実施形態の被牽引体2は、バッテリ23から、移動体1A又は1Bの移動の駆動用の電力が供給される。これにより、移動体1A又は1Bの航続距離を延長することができる。
【0014】
なお、バッテリ搭載部21,電力供給部22、及びバッテリ23は、本実施形態では被牽引体2に搭載されているが、特にこれに限定されない。即ち、上述したようにバッテリ23が移動体1A又は1Bに搭載される仕様ならば、バッテリ搭載部21及び電力供給部22も移動体1A又は1Bに搭載される。
このように、移動体1A又は1Bにバッテリ23が搭載されることにより、移動体1A又は1Bにバッテリ23に搭載されたバッテリの分だけ航続距離が延長される。また、同様の航続距離を前提とすれば、その分だけ被牽引体2に荷物Lを搭載するスペースが確保されるといえる。
さらに言えば、被牽引体2から移動体1A又は1Bを切り離した場合、移動体1A又は1Bが被牽引体2のバッテリ23からの給電を受けずとも、移動可能となる。
【0015】
これにより、例えば、以下のような移動体1A及び被牽引体2運用が可能となる。
まず、第1の運転手により運転される第1の移動体1Aが第1の地点から第2の地点まで第1の被牽引体2を牽引して移動する。
そして、第1の移動体1Aは、第1の被牽引体2を切り離し、第2の被牽引体2と接続される。
このとき、移動体1A又は1Bにバッテリ23が搭載されることにより、第1の移動体1Aは、第1の移動体1A自身に搭載されたバッテリ23から給電された電力を用いて第1の被牽引体2から第2の被牽引体2まで移動することができる。
そして、第1の移動体1Aは、第2の地点から第1の地点まで第2の被牽引体2を牽引して移動する。
このように、移動体1A又は1Bにバッテリ23が搭載されることにより、移動体1Aで牽引する被牽引体2を切り替える作業が容易となるのである。
【0016】
さらに言えば、第2の運転手により運転される第2の移動体1Aが第3の地点まで第1の被牽引体2を牽引して移動すべきものであるとする。このような場合、第2の移動体1Aの到着まで、第1の被牽引体2のバッテリ23の充電がなされることで、スムーズな第1の被牽引体2の第1の地点から第3の地点までの移動が可能となる。
なお、第1の被牽引体2のバッテリ23は、第2の地点において充電済みのバッテリ23Nに交換されてもよい。
【0017】
このような移動体1A及び被牽引体2の運用により、被牽引体2の間での荷物Lの積み替えが不要となる。また、第1の運転手にとっては、第2の被牽引体2を牽引して出発地である第1の地点に戻ることになる。即ち、適切な第2の地点が設定されることにより、第1の運転手は、自身の自宅等のある第1の地点で1日(例えば8時間)の牽引(運送)の仕事を完了することが可能となる。即ち、このような移動体1A及び被牽引体2の運用により、運転手の労働環境等の改善に資するのである。
【0018】
また、従来のトレーラーは6t以上の大型の運送の用途が多く、2t程度の小型の運送の用途では、荷台部分を分離できないトラックが採用されていた。
これに対して、本実施形態では、電気自動車として構成される移動体1A及び被牽引体2により、2t程度の小型のものとして実現が可能になる。これにより、荷物の荷下ろしや積込が簡便な小型の運搬を容易に実現することができ、その結果、汎用性の高い各種各様なビジネスモデルの実現が可能になる。
さらに荷物Lを運搬可能なトレーラーとして構成される被牽引体2は、移動体1Aが倉庫等に到着すると、当該移動体1Aから取り外し、電動アシスト牽引車として構成される移動体1Bに接続させることが容易に可能である。移動体1Bは、被牽引体2に搭載されたバッテリ23の電力により駆動して移動する。従って、ユーザUAは、移動体1Bのアシストにより力をさほど使わなくても、荷物Lが載る被牽引体2を容易に牽引することが可能になる。
【0019】
さらに、このような本実施形態の移動システムを採用することで、荷物管理 IOT・IT化が可能になり、積込・荷下ろしの簡易性が図れ、移動体1A又は1Bと被牽引体2との接合(接続)の簡易性が図れる。被牽引体2については、手押し可能であることからフォークリフト不要になる。
【0020】
図2は、図1の移動システムを活用することで実現可能となるビジネスモデルの一例であって、新たな物流スキームの概要を示している。
図2の例では、家等の建築物を建築する現場と、建築物の材料(木材等)を作成する工場との間の物流スキームが示されている。
【0021】
例えば、現場と工場との間は、移動体1Aを含む通常の自動車で2乃至3時間程度を要する距離であり、建築物の材料が午後1時に現場に配送されるものとする。
この場合、午前9時頃に、電気自動車として構成される移動体1A及び被牽引体2が、空の状態(荷物Lが無い状態)で工場に到着して待機しておけば足りる。
【0022】
工場において、空の状態の被牽引体2は、移動体1Aから取り外されて、積込専用人員により荷物Lが搭載される。
積込専用人員は、荷物Lを被牽引体2に積込むといった簡単な作業をするだけでよい。
また、倉庫内において荷物の積込場所と、移動体1Aの待機場所とが離れていたとしても、積込専用人員は、電動アシスト牽引車として構成される移動体1Bを用いることで、荷物Lが搭載された被牽引体2を、移動体1Aの待機場所まで移動させることが容易にできる。
したがって、積込専用人員は、高齢者等でも採用可能になる。
ここで、被牽引体22は、移動体1Aから取り外されてと記載したが、工場に1以上ストックしておいてもよい。これにより、積込専用人員は、各種材料の夫々を複数の被牽引体2に適宜積込むことができる。これにより、積込待機時間も無くなるし、納期変更の対応が可能になる。
【0023】
移動体1Aは、荷物Lが搭載された被牽引体2を接続すると、午前10乃至11時に工場を出発し、午後1時に現場に到着する。
予め午後1時配送の旨が現場に伝達されていれば、現場の者(例えば大工)がその時間以降に材料(荷物L)を用いて建築をする工程を立ておき、その時間に荷物Lを搬入して建築の作業を開始することができる。
なお、移動体1Aの到着場所と現場とが離れていたとしても、現場の者は、電動アシスト牽引車として構成される移動体1Bを用いることで、荷物Lが搭載された被牽引体2を、現場まで移動させることが容易にできる。
このように、現場の者が、現場搬入をすることができ、かつ、待機時間は無いことになる。
【0024】
また、移動体1Aは、被牽引体22を容易に接続することができ、かつ、容易に運転することができる。そこで、移動体1Aのドライバーとして女性を採用することで、女性育成助成が可能になる。
【0025】
以上、被牽引体2として、荷物Lを運搬するトレーラーである場合の図1及び図2の例について説明したが、特にこれに限定されず、例えば図3乃至図5の夫々の例を採用することができる。
【0026】
図3は、本発明の一実施形態の移動システムの構成例であって、被牽引体が図1の例とは異なる例の概要を示すイメージ図である。
【0027】
図3の例の被牽引体2は、図1の例と同様にバッテリ搭載部21及び電力供給部22を有すると共に、さらに、太陽光パネル等の発電部24と、当該発電部24により発電された電力を用いて、バッテリ搭載部21に搭載されたバッテリ23を充電する充電部25とを有している。なお、発電部24は、所定の手法で発電できるものであれば足り、太陽光パネルに特に限定されず、例えばディーゼル発電部であってもよい。
これにより、バッテリ23を交換しなくても、移動体1A又は1Bを長時間駆動して移動させることが可能になる。
また、後述の図4に示すように、バッテリ23の電力が、移動体1A又は1Bの駆動以外の用途で使用される場合には、図3の例の被牽引体2を採用すると好適である。
【0028】
図4は、本発明の一実施形態の移動システムの構成例であって、被牽引体が図1及び図3の例とは異なる例の概要を示すイメージ図である。
図4の例の被牽引体2は、図1の例と同様にバッテリ搭載部21及び電力供給部22を有すると共に、さらに、バッテリ23の電力を用いた機能を発揮させる機能部26を有している。
なお、機能部26が発揮させる機能は、バッテリ23の電力を少なくとも一部に用いるものであれば足り、特に限定されない。例えば、機能部26は、冷蔵庫や冷凍庫、ステージ、キャンピングカーの居住部分等各種各様な形態を取ることが可能である。
ここで、図4の例のように被牽引体2は、機能部26を有する場合、電力の消費量は大きくなるため、上述のように、図3に示す発電部24及び充電部25を有すると好適である。
【0029】
図5は、本発明の一実施形態の移動システムの構成例であって、被牽引体が図1図3及び図4の例とは異なる例の概要を示すイメージ図である。
図5の例の被牽引体2は、図1の例と同様に荷物Lを運搬するトレーラーとして構成されており、図1の例と同様にバッテリ搭載部21及び電力供給部22を有する。ただし、図5の例の被牽引体2は、図1の例とは異なり、本体部2Aと、当該本体部2Bから取り外し可能な荷物積載部2Bを有している。
即ち、図5の左方に示すように、荷物Lを移動体1Aが運搬して走行中の場合、当該移動体1Aに接続された被牽引体2の本体部2Aに対して、荷物積載部2Bが固着されている。
一方、移動体1Aが工場や現場等に到着して、荷物Lを積込んだり積み下ろしたりする場合には、図5の右方に示すように、荷物積載部2Bは被牽引体2から取り外される。
工場や現場等において、ユーザUが被牽引体2を牽引して移動させる場合には、図1の例のような被牽引体2の全体よりも、図4の例のような軽量かつコンパクトな荷物積載部2Bだけを移動させればよいので、ユーザUにとって便宜である。
さらに、図5の例に示すように、荷物積載部2Bが、バッテリ搭載部21及び電力供給部22を配置していると、図4の右方に示すように、ユーザUは、電動アシスト牽引車として構成される移動体1Bを用いて荷物積載部2Bを牽引することができるので、ユーザUにとってさらに便宜である。
また、図氏はしないが、荷物積載部2Bは、N個(Nは2以上の整数値)に分割して本体部2Aに搭載されるようにしてもよい。これにより、1個の荷物積載部2Bは、より軽量かつコンパクトになるので、ユーザUにとって便宜である。
以上まとめると、荷物搭載部2Bを採用することで、例えば、2t現場で2ラック化、及び、低床・パネル高の運送が可能になる。また、電動アシスト牽引車として構成される移動体1Bと併用することで、小運搬対策になり、狭小地パネル可能になる。
【0030】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0031】
上述の実施形態では、移動体1Aは、図面において普通自動車や軽自動車の形状で図示されているが、特にこれに限定されない。即ち、移動体1Aは、普通車の範囲に限定されず任意の大きさの車種区分であってもよく、電気自動車であれば足りる。具体的には例えば、移動体1Aは、大型車の区分であってもよく、いわゆる電気式のトレーラーヘッドであってもよい。
【0032】
また、上述の実施形態では、被牽引体2は、移動体1A又は1Bに対して着脱自在であり、移動体1A又は1Bに接続されている場合には当該移動体1A又は1Bに牽引されて移動するものであるとした。そして、主に、被牽引体2にバッテリ23が搭載された例を用いて説明した。
しかしながら、被牽引体2に限らず、以下のようなものにバッテリ23を搭載することで、上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
即ち例えば、車両本体の前後を可分とする構造としたもの(以下、「可分車両」と呼ぶ)に対してバッテリ23を搭載することで、上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
具体的には例えば、荷物を積載できる商用車等いわゆるバンと呼ばれる種類の車両において、運転席及び助手席の後部の位置において分割可能とする。即ち、車両を可分車両の前半部と後半部に分割可能にする。この場合、可分車両の後半部は、荷物Lの積載が可能な部分となる。
このような可分車両の後半部にバッテリ23を搭載する。これにより、上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0033】
また例えば、移動体1A又は1Bを駆動するための電力を供給するバッテリの搭載場所は、上述の実施形態では被牽引体2とされたが、特にこれに限定されず移動体1A又は1Bとされてもよい。この場合、移動体1B等の小サイズの場合にはバッテリも小容量となるため、被牽引体2側にブースターを搭載するようにしてもよい。
また、上述の実施形態のようにバッテリが被牽引体2に搭載されている場合でも、被牽引体2の接続が解除された移動体1A又は1Bを移動させる必要がでてくるため、移動体1A又は1Bの所定条件内での移動を可能とするための補助バッテリを、移動体1A又は1Bに搭載してもよい。
【0034】
以上まとめると、本発明が適用される移動システムは、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される移動システムは、
電力で駆動して移動する移動体(例えば図1の移動体1A又は1B)と、
移動体に対して着脱自在であり、移動体に接続されている場合には当該移動体に牽引されて移動する被牽引体(例えば図1の被牽引体2)と、
を有する移動システムであって、
前記被牽引体又は前記移動体は、
バッテリ(例えば図1のバッテリ23)を搭載するバッテリ搭載部(例えば図1のバッテリ搭載部21)と、
前記バッテリから出力される電力を、前記移動体の移動の駆動用として供給する電力供給部(例えば図1の電力供給部22)と、
を備え、
前記移動体は、
前記被牽引体から供給された前記電力を用いて、前記移動体を駆動する駆動部(例えば図1の駆動部11A又は11B)
を備えれば足りる。
【0035】
これにより、荷物の荷下ろしや積込が簡便な小型の運搬を容易に実現することができる。
【0036】
前記バッテリ搭載部及び前記電力供給部は、
前記被牽引体に備えられている(例えば図1参照)、
ようにすることができる。
【0037】
前記バッテリ搭載部は、前記バッテリを着脱自在な機構を有している(例えば図1参照)
ようにすることができる。
【0038】
前記被牽引体は、
前記バッテリの電力を用いた機能を発揮させる機能部(例えば図4の機能部26)
をさらに有することができる。
【0039】
前記被牽引体は、
所定の手法で発電する発電部(例えば図3の太陽光パネル等の発電部24)と、
前記発電部により発電された電力を用いて、前記バッテリ搭載部に搭載された前記バッテリを充電する充電部(例えば図3の充電部25)と、
をさらに有することができる。
【0040】
前記移動体(例えば図1の移動体1A)は、電気自動車である、
ようにすることができる。
【0041】
前記移動体(例えば図1の移動体1B)は、電動アシスト牽引車である、
ようにすることができる。
【0042】
前記移動体は、所定条件での移動が可能なバッテリをさらに搭載している、
ようにすることができる。
【0043】
前記被牽引体は、取り外し可能な荷物積載部(例えば図5の荷物積載部2B)を有している、
ようにすることができる。
【0044】
前記荷物積載部は、前記バッテリ搭載部を配置している(例えば図5参照)、
ようにすることができる。
【符号の説明】
【0045】
1A,1B:移動体、2:被牽引体、2A:本体部、2B:荷物積載部、11A,11B:駆動部、21:バッテリ搭載部、22:電力供給部、23,23O,23N:バッテリ、24:発電部、25:充電部、26:機能部、U:ユーザ、L:荷物
図1
図2
図3
図4
図5