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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108627
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】高周波モジュール、及び通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/38 20150101AFI20240805BHJP
【FI】
H04B1/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013083
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西尾 圭介
【テーマコード(参考)】
5K011
【Fターム(参考)】
5K011AA06
5K011AA13
5K011BA04
5K011DA02
5K011DA12
5K011DA27
5K011JA01
(57)【要約】
【課題】高周波モジュールにおいて、送信フィルタの放熱性能の低下と、送信フィルタと受信フィルタの間のアイソレーションの低下と、を抑制する。
【解決手段】高周波モジュール1は、第1主面31を有する実装基板3と、電子部品40と、第2受信フィルタ132と、を備える。電子部品40は、送信フィルタと第1受信フィルタとを含み、実装基板3の第1主面31に配置されている。第2受信フィルタ132は、電子部品40上に積層配置されている。送信フィルタの通過帯域と、第2受信フィルタ132の通過帯域とは重ならない。実装基板3の厚さ方向D1からの平面視において、第1受信フィルタが位置している電子部品40の第1領域41は第2受信フィルタ132と重なり、送信フィルタが位置している電子部品40の第2領域42は、実装基板3の第1主面31上のフィルタのいずれとも重ならない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面及び第2主面を有する実装基板と、
送信フィルタと第1受信フィルタとを含み、前記実装基板の前記第1主面に配置されている電子部品と、
前記電子部品上に積層配置されている第2受信フィルタと、を備え、
前記送信フィルタの通過帯域と、前記第2受信フィルタの通過帯域とは重ならず、
前記実装基板の厚さ方向からの平面視において、
前記電子部品において前記第1受信フィルタが位置している第1領域は、前記第2受信フィルタと重なり、
前記電子部品において前記送信フィルタが位置している第2領域は、前記実装基板の前記第1主面に配置されているフィルタのいずれとも重ならない、
高周波モジュール。
【請求項2】
前記電子部品は、前記実装基板の厚さ方向に前記第1領域を貫通する貫通ビアを有しており、
前記貫通ビアは、
前記第2受信フィルタと接続されている第1端と、
前記実装基板又は前記第1受信フィルタに接続されている第2端と、を有する
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項3】
第3受信フィルタを更に備え、
前記高周波モジュールは、前記送信フィルタを通過する第1バンドの信号と、前記第3受信フィルタを通過する第2バンドの信号とを同時に用いて通信することが可能であり、
前記第3受信フィルタは、前記実装基板の前記第2主面に配置されている、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項4】
前記実装基板の厚さ方向からの平面視において、
前記電子部品の前記第2領域と、前記第3受信フィルタとは重ならない、
請求項3に記載の高周波モジュール。
【請求項5】
前記高周波モジュールは、
前記第2受信フィルタを通過する第3バンドの信号を用いて通信することが可能であり、
前記第3バンドの信号と、前記第1バンドの信号と、を同時に用いて通信しない、
請求項3又は4に記載の高周波モジュール。
【請求項6】
前記実装基板の前記第2主面に配置されているシールド部材を更に備え、
前記シールド部材は、前記第3受信フィルタの周囲に位置している、
請求項3に記載の高周波モジュール。
【請求項7】
前記第3受信フィルタを複数備え、
前記電子部品を第1電子部品としたとき、前記複数の第3受信フィルタは、前記実装基板の前記第2主面に配置されている第2電子部品に含まれる、
請求項3に記載の高周波モジュール。
【請求項8】
前記複数の第3受信フィルタの各々は、3GPP LTE規格のBand12、Band13及びBand14の各々の信号を通過させるフィルタを含む、
請求項7に記載の高周波モジュール。
【請求項9】
請求項1に記載の高周波モジュールと、
前記高周波モジュールに接続されている信号処理回路と、
を備える通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高周波モジュール及び通信装置に関し、特に、送信フィルタ及び受信フィルタを含む高周波モジュール及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のフィルタを含む高周波モジュールが開示されている。特許文献1において、第1通信バンドを通過帯域とする第1フィルタと、第1通信バンドと異なる第2通信バンドを通過帯域とする第2フィルタとが積層されている。複数のフィルタを含む高周波モジュールは、複数の受信フィルタを含む高周波モジュールだけでなく、いわゆるデュプレクサなど、受信フィルタと送信フィルタとを含む高周波モジュールが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/262028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、送信フィルタと受信フィルタとを含む高周波モジュールにおいて、特許文献1の高周波モジュールのように送信フィルタと他のフィルタとを積層すると、送信フィルタの放熱性能が十分でない場合がある。また、高周波モジュールにおいて、送信フィルタと受信フィルタとを積層すると、送信フィルタと受信フィルタとの間のアイソレーションが低下する場合がある。
【0005】
本発明は、送信フィルタ及び受信フィルタを含む高周波モジュール及び通信装置において、送信フィルタの放熱性能の低下を抑制し、かつ、送信フィルタと受信フィルタとの間でのアイソレーションの低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る高周波モジュールは、実装基板と、電子部品と、第2受信フィルタと、を備える。前記実装基板は、第1主面及び第2主面を有する。前記電子部品は、送信フィルタと第1受信フィルタとを含む。前記電子部品は、前記実装基板の前記第1主面に配置されている。前記第2受信フィルタは、前記電子部品上に積層配置されている。前記送信フィルタの通過帯域と、前記第2受信フィルタの通過帯域とは重ならない。前記実装基板の厚さ方向からの平面視において、第1領域は、前記第2受信フィルタと重なる。前記第1領域は、前記電子部品において前記第1受信フィルタが位置している領域である。前記実装基板の厚さ方向からの平面視において、第2領域は、前記実装基板の前記第1主面に配置されているフィルタのいずれとも重ならない。前記第2領域は、前記電子部品において前記送信フィルタが位置している領域である。
【0007】
本発明の一態様に係る通信装置は、前記高周波モジュールと、信号処理回路と、を備える。前記信号処理回路は、前記高周波モジュールに接続されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係る高周波モジュール又は通信装置によれば、送信フィルタの放熱性能の低下を抑制し、かつ、送信フィルタと受信フィルタとの間でのアイソレーションの低下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態1に係る高周波モジュールの断面図である。
図2図2は、同上の高周波モジュールに関し、第1電子部品及び第2電子部品の拡大断面図である。
図3図3は、同上の高周波モジュールを備える通信装置の回路構成図である。
図4図4は、実施形態2に係る高周波モジュールに関し、第1電子部品及び第2電子部品の拡大断面図である。
図5図5は、実施形態3に係る高周波モジュールの断面図である。
図6図6は、同上の高周波モジュールの回路構成図である。
図7図7は、実施形態3の変形例1に係る高周波モジュールの要部断面図である。
図8図8は、実施形態3の変形例2に係る高周波モジュールの平面図である。
図9図9は、実施形態4に係る高周波モジュールの回路構成図である。
図10図10は、同上の高周波モジュールの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る高周波モジュール及び通信装置について、図面を用いて説明する。以下の実施形態において参照する各図は、いずれも模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
(実施形態1)
(1)高周波モジュールの概要
実施形態1に係る高周波モジュール1の構成について、図面を用いて説明する。
【0012】
高周波モジュール1は、図3に示すように、例えば、通信装置10に用いられる。通信装置10は、例えば、スマートフォンのような携帯電話である。なお、通信装置10は、携帯電話であることに限定されず、例えば、スマートウォッチのようなウェアラブル端末等であってもよい。高周波モジュール1は、例えば、4G(第4世代移動通信)規格及び5G(第5世代移動通信)規格に対応可能な回路である。4G規格は、例えば、3GPP(登録商標、Third Generation Partnership Project) LTE(登録商標、Long Term Evolution)規格である。5G規格は、例えば、5G NR(New Radio)である。
【0013】
高周波モジュール1は、例えば、キャリアアグリゲーション及びデュアルコネクティビティに対応可能なモジュールである。キャリアアグリゲーション及びデュアルコネクティビティとは、複数の周波数帯域の電波を同時に使用する通信に用いられる技術をいう。
【0014】
通信装置10は、複数の通信バンドの通信を行う。より詳細には、通信装置10は、通信バンドの送信信号を送信し、複数の通信バンドの各々の受信信号を受信する。より詳細には、高周波モジュール1は、通信バンドB1の受信信号及び通信バンドB3の受信信号を受信する。また、高周波モジュール1は、通信バンドB1の送信信号を送信する。
【0015】
通信装置10は、1つの通信バンドの送信信号の送信と、他の1つの通信バンドの受信信号の受信とを同時に行う。より詳細には、高周波モジュール1は、通信バンドB1の送信信号の送信と、通信バンドB1の受信信号の受信とを同時に行う。
【0016】
複数の通信バンドの送信信号及び受信信号の一部は、例えば、FDD(Frequency Division Duplex)の信号である。なお、複数の通信バンドの送信信号及び受信信号は、FDDの信号に限定されず、例えば、TDD(Time Division Duplex)の信号であってもよい。FDDは、無線通信における送信と受信とに異なる周波数帯域を割り当てて、送信及び受信を行う無線通信技術である。TDDは、無線通信における送信と受信とに同一の周波数帯域を割り当てて、送信と受信とを時間とに切り替えて行う無線通信技術である。
【0017】
(2)高周波モジュールの回路構成
次に、実施形態1に係る高周波モジュール1の回路構成について、図3を参照して説明する。
【0018】
実施形態1に係る高周波モジュール1は、図3に示すように、第1スイッチ11と、送信フィルタ12と、第1受信フィルタ131と、第2受信フィルタ132と、第2スイッチ14と、を備える。高周波モジュール1は、整合回路241、242、243、244、245と、パワーアンプ16と、ローノイズアンプ171及び172とを更に備える。高周波モジュール1は、第2スイッチ14と、第3スイッチ15と、第4スイッチ18と、コントローラ231と、複数(図示例では6個)の外部接続端子19を更に備える。複数の外部接続端子19は、アンテナ端子191と、アンテナ端子192と、入力端子193と、第1出力端子194と、第2出力端子195と、を備える。
【0019】
(2.1)送信フィルタ及び受信フィルタ
送信フィルタ12は、通信バンドB1の送信帯域の信号を通過させるフィルタである。通信バンドB1は、例えば、5G NR規格のn5である。すなわち、送信フィルタ12は5G NR規格のn5の送信信号を通過させる。なお、送信フィルタ12は、3GPP LTE規格のBand26の送信信号を通過させるように設計されていてもよい。3GPP LTE規格のBand26の送信信号の周波数は5G NR規格のn5の送信信号の周波数を全て含む。したがって、3GPP LTE規格のBand26の送信信号を通過させるフィルタを、5G NR規格のn5の送信信号を通過させるフィルタとして用いることができる。
【0020】
第1受信フィルタ131、第2受信フィルタ132の各々は、互いに異なる通信バンドの受信帯域の信号を通過させるフィルタである。
【0021】
第1受信フィルタ131は、通信バンドB1の受信帯域の信号を通過させるフィルタである。すなわち、第1受信フィルタ131は、例えば、5G NR規格のn5の受信信号を通過させる。なお、第1受信フィルタ131は、3GPP LTE規格のBand26の受信信号を通過させるように設計されていてもよい。3GPP LTE規格のBand26の受信信号の周波数は5G NR規格のn5の受信信号の周波数を全て含む。したがって、3GPP LTE規格のBand26の受信信号を通過させるフィルタを、5G NR規格のn5の受信信号を通過させるフィルタとして用いることができる。
【0022】
第2受信フィルタ132は、通信バンドB3の受信帯域の信号を通過させるフィルタである。第2受信バンドは、例えば、3GPP LTE規格のBand71である。すなわち、第2受信フィルタ132は3GPP LTE規格のBand71の受信信号を通過させる。
【0023】
送信フィルタ12の通過帯域と、第2受信フィルタ132の通過帯域とは重ならない。ここで、「送信フィルタ12の通過帯域と、第2受信フィルタ132の通過帯域とは重ならない」とは、送信フィルタ12の通過帯域と第2受信フィルタ132の通過帯域とが完全同一の関係ではないことをいう。より詳細には、第2受信フィルタ132の通過帯域は、送信フィルタ12の通過帯域に含まれない周波数を含む。また、送信フィルタ12の通過帯域は、第2受信フィルタ132の通過帯域に含まれない周波数を含む。すなわち、送信フィルタ12を通過し、第2受信フィルタ132を通過しない信号が存在する。また、第2受信フィルタ132を通過し、送信フィルタ12を通過しない信号が存在する。
【0024】
送信フィルタ12及び第1受信フィルタ131、第2受信フィルタ132の各々は、例えば、1以上の弾性波共振子を有する弾性波フィルタである。
【0025】
(2.2)第1スイッチ
第1スイッチ11は、送信フィルタ12及び第1受信フィルタ131、第2受信フィルタ132の中からアンテナ端子191及びアンテナ端子192の各々に接続される経路を切り替えるためのスイッチである。第1スイッチ11は、共通端子111、112と、複数(図示例では5つ)の選択端子113~118と、を有する。
【0026】
共通端子111は、アンテナ端子191に接続されている。共通端子112は、アンテナ端子192に接続されている。選択端子113は、送信フィルタ12及び第1受信フィルタ131に接続されている。選択端子114は、第2受信フィルタ132に接続されている。選択端子115~118の各々は、受信フィルタ(図示しない)又はグランドに接続されている。
【0027】
第1スイッチ11は、例えば、共通端子111、112の各々を、選択端子113~118のいずれか1つに接続可能である。
【0028】
(2.3)パワーアンプ
パワーアンプ16は、送信信号を増幅する増幅器である。パワーアンプ16は、入力端子193と送信フィルタ12との間に設けられている。
【0029】
パワーアンプ16は、入力端子(図示せず)及び出力端子(図示せず)を有する。パワーアンプ16の入力端子は、入力端子193を介して外部回路(例えば、信号処理回路2)に接続される。パワーアンプ16の出力端子は、送信フィルタ12に接続されている。パワーアンプ16は、例えば、コントローラ231によって制御される。
【0030】
(2.4)ローノイズアンプ
ローノイズアンプ171及び172の各々は、受信信号を低雑音で増幅する増幅器である。
【0031】
ローノイズアンプ171及び172の各々は、入力端子(図示せず)及び出力端子(図示せず)を有する。ローノイズアンプ171の入力端子は、第1受信フィルタ131に接続されている。ローノイズアンプ171の出力端子は、第1出力端子194に接続されている。ローノイズアンプ172の入力端子は、第2受信フィルタ132に接続されている。ローノイズアンプ172の出力端子は、第2出力端子195に接続されている。
【0032】
(2.5)第2スイッチ
第2スイッチ14は、複数の受信フィルタの中からローノイズアンプ171に接続される経路を切り替えるためのスイッチである。第2スイッチ14は、共通端子140と、複数(図示例では3つ)の選択端子141~143と、を有する。
【0033】
共通端子140は、ローノイズアンプ171に接続されている。選択端子141は、第2受信フィルタ132に接続されている。選択端子142及び143の各々は、受信フィルタ(図示しない)又はグランドに接続されている。
【0034】
第2スイッチ14は、例えば、共通端子140を、選択端子141~143のいずれか1つに接続可能である。
【0035】
(2.6)第3スイッチ
第3スイッチ15は、複数の受信フィルタの中からローノイズアンプ172に接続される経路を切り替えるためのスイッチである。第3スイッチ15は、共通端子150と、複数(図示例では2つ)の選択端子151、152と、を有する。
【0036】
共通端子150は、ローノイズアンプ172に接続されている。選択端子151は、第1受信フィルタ131に接続されている。選択端子152は、受信フィルタ(図示しない)又はグランドに接続されている。
【0037】
第3スイッチ15は、例えば、共通端子150を、選択端子151、152のいずれか一方に接続可能である。
【0038】
(2.7)第4スイッチ
第4スイッチ18は、第1出力端子194と第2出力端子195の各々に接続される経路を切り替えるためのスイッチである。第4スイッチ18は、共通端子181、182と、複数(図示例では2つ)の選択端子183、184とを有する。
【0039】
共通端子181は、第1出力端子194に接続されている。共通端子182は、第2出力端子195に接続されている。選択端子183は、ローノイズアンプ171に接続されている。選択端子は、ローノイズアンプ172に接続されている。
【0040】
図3には第4スイッチ18内の接続態様を示していないが、例えば、第4スイッチ18は、共通端子181を、選択端子183及び184のいずれか一方に接続可能である。また、例えば、第4スイッチ18は、共通端子182を、選択端子183及び184のいずれか一方に接続可能である。
【0041】
(2.8)整合回路
整合回路241は、送信フィルタ12とパワーアンプ16との間に設けられている。整合回路241は、送信フィルタ12の入力端子(図示せず)のインピーダンスとパワーアンプ16の出力端子のインピーダンスとを整合させるための回路である。
【0042】
整合回路242は、第2スイッチ14とローノイズアンプ171との間に設けられている。整合回路242は、第2スイッチ14の共通端子140のインピーダンスとローノイズアンプ171の入力端子のインピーダンスとを整合させるための回路である。
【0043】
整合回路243は、第3スイッチ15とローノイズアンプ172との間に設けられている。整合回路243は、第3スイッチ15の共通端子150のインピーダンスとローノイズアンプ172の出力端子のインピーダンスとを整合させるための回路である。
【0044】
整合回路244は、アンテナ端子191と第1スイッチ11の共通端子111との間に設けられている。整合回路244は、アンテナ端子191に接続されるアンテナ71のインピーダンスと第1スイッチ11の共通端子111のインピーダンスとを整合させるための回路である。
【0045】
整合回路245は、アンテナ端子192と第1スイッチ11の共通端子112との間に設けられている。整合回路245は、アンテナ端子192に接続されるアンテナ72のインピーダンスと第1スイッチ11の共通端子112のインピーダンスとを整合させるための回路である。
【0046】
整合回路241~245の各々は、例えば、インダクタ、キャパシタのうち少なくとも1つを含む。
【0047】
(2.9)コントローラ
コントローラ231は、パワーアンプ16、ローノイズアンプ171又は172、および第1スイッチ11などの複数のスイッチを制御する機能を有する制御回路である。コントローラ231は、制御端子196に接続されている。コントローラ231は、制御端子196に接続される外部回路(例えば、信号処理回路2)からの制御信号に従って各半導体素子を制御する。
【0048】
(2.10)外部接続端子
複数の外部接続端子19は、外部回路(例えば、信号処理回路2)と電気的に接続するための端子である。複数の外部接続端子19は、アンテナ端子191と、アンテナ端子192と、入力端子193と、第1出力端子194と、第2出力端子195と、制御端子196と、複数のグランド端子(図示せず)と、を含む。
【0049】
アンテナ端子191には、アンテナ71が接続される。高周波モジュール1内において、アンテナ端子191は、第1スイッチ11を介していずれかのフィルタに接続される。
【0050】
アンテナ端子192には、アンテナ72が接続される。高周波モジュール1内において、アンテナ端子192は、第1スイッチ11を介していずれかのフィルタに接続される。
【0051】
入力端子193は、外部回路(例えば、信号処理回路2)からの送信信号を高周波モジュール1に入力するための端子である。高周波モジュール1内において、入力端子193は、パワーアンプ16の入力端子に接続されている。
【0052】
第1出力端子194は、高周波モジュール1からの受信信号を外部回路(例えば、信号処理回路2)へ出力するための端子である。高周波モジュール1内において、第1出力端子194は、ローノイズアンプ171又は172の出力端子に接続されている。
【0053】
第2出力端子195は、高周波モジュール1からの受信信号を外部回路(例えば、信号処理回路2)へ出力するための端子である。高周波モジュール1内において、第2出力端子195は、ローノイズアンプ171又は172の出力端子に接続されている。
【0054】
制御端子196は、外部回路(例えば、信号処理回路2)からの制御信号を高周波モジュール1に入力するための端子である。高周波モジュール1内において、制御端子196は、コントローラ231の入力端子(図示せず)に接続されている。
【0055】
複数のグランド端子は、通信装置10が備える外部基板(図示せず)のグランド電極と電気的に接続されてグランド電位が与えられる端子である。高周波モジュール1内において、複数のグランド端子は、実装基板3(図1参照)のグランド層(図示せず)に接続されている。グランド層は、高周波モジュール1の回路グランドである。
【0056】
(3)高周波モジュールの構造
次に、実施形態1に係る高周波モジュールの構造について、図1及び図2を参照して説明する。
【0057】
高周波モジュール1は、図1に示すように、実装基板3と、第1電子部品40と、電子部品45と、電子部品50と、電子部品51と、電子部品52と、外部接続端子19(図示しない)と、を備える。また、高周波モジュール1は、図1に示すように、樹脂層61、62と放熱ビア63とシールド電極(図示しない)を更に備える。
【0058】
高周波モジュール1は、外部基板(図示せず)に電気的に接続されている。外部基板は、例えば、携帯電話及び通信機器等の通信装置10(図3参照)のマザー基板である。
【0059】
(3.1)実装基板
実装基板3は、図1に示すように、第1主面31及び第2主面32を有する。第1主面31及び第2主面32は、実装基板3の厚さ方向D1(以下、「第1方向D1」ともいう)において互いに対向する。第2主面32は、高周波モジュール1が外部基板に設けられたときに、外部基板における実装基板3側の主面と対向する。実装基板3は、第1主面31に第1電子部品40、電子部品45、電子部品51、及び複数(図1は1つのみ示す)の電子部品52が実装され、第2主面32に電子部品50が実装される両面実装基板である。
【0060】
実装基板3は、複数の誘電体層が積層された多層基板である。実装基板3は、複数の導電層と、複数のビア導体(貫通電極を含む)と、を有する。複数の導電層は、グランド電位のグランド層を含む。複数のビア導体は、第1主面31及び第2主面32のそれぞれに実装されている素子(上述の第1電子部品40、電子部品45、電子部品50、電子部品51、及び電子部品52を含む)と実装基板3の導電層との電気的接続に用いられる。
【0061】
(3.2)電子部品
第1電子部品40は、図1に示すように、実装基板3の第1主面31に配置されている。第1電子部品40は、図2に示すように、送信フィルタ12及び第1受信フィルタ131を含む。
【0062】
第1電子部品40は、図2に示すように、第1受信フィルタ131を含む第1領域41と、送信フィルタ12を含む第2領域42とを含む。第1電子部品40において、第1領域41と第2領域42とは重複する空間が存在しない。また、送信フィルタ12は第1領域41には存在しておらず、第1受信フィルタ131は第2領域42には存在していない。
【0063】
電子部品45は、図1及び図2に示すように、実装基板3の第1主面31において、第1電子部品40に積層されて配置されている。より詳細には、電子部品45は、第1電子部品40の第1領域41上に配置されている。言い換えると、第2受信フィルタ132は、第1電子部品40上に積層配置されている。ここで、「第2受信フィルタ132が第1電子部品40上に積層配置されている」とは、第2受信フィルタ132を含む電子部品45が第1電子部品40に接している場合だけでなく、電子部品45と第1電子部品40とが第1方向D1に沿って並んでいる状態を含む。
【0064】
第1方向D1からの平面視において、電子部品45は、第1電子部品40の第1領域41と重なる。言い換えると、第1方向D1からの平面視において、第2受信フィルタ132は、第1電子部品40の第1領域41と重なる。より詳細には、第1方向D1からの平面視において、電子部品45は、第1電子部品40の第1領域41の存在範囲の全部又は一部の内部に位置している。
【0065】
また、第1方向D1からの平面視において、電子部品45は、第1電子部品40の第2領域42と重なる部分が存在しない。言い換えると、第1方向D1からの平面視において、第1電子部品40の第2領域42は、実装基板3の第1主面31に配置されているフィルタのいずれとも重ならない。ここで、「実装基板3の第1主面31に配置されているフィルタ」とは、高周波モジュール1において実装基板3で隔てられた第1主面31側の空間及び第2主面32側の空間のうち、第1主面側の空間に配置されているフィルタである。すなわち、第1電子部品40の第2領域42上には、フィルタが積層されていない。
【0066】
送信フィルタ12、第1受信フィルタ131及び第2受信フィルタ132の各々は、例えば、複数の直列腕共振子及び複数の並列腕共振子を含む弾性波フィルタである。弾性波フィルタは、例えば、弾性表面波を利用するSAW(Surface Acoustic Wave)フィルタである。さらに、送信フィルタ12、第1受信フィルタ131及び第2受信フィルタ132の各々は、複数の直列腕共振子のいずれかと直列に接続されるインダクタ及びキャパシタの少なくとも一方を含んでもよい。また、送信フィルタ12、第1受信フィルタ131及び第2受信フィルタ132の各々は、複数の並列腕共振子のいずれかと直列に接続されるインダクタ又はキャパシタを含んでもよい。
【0067】
電子部品50は、図1に示すように、実装基板3の第2主面32に配置されている。電子部品50は、ローノイズアンプ171及び172、第1スイッチ11、第2スイッチ14、第3スイッチ15及び第4スイッチ18を含む。なお、実装基板3の第2主面32に、更にコントローラ231を含む電子部品(図示しない)が配置されていてもよい。
【0068】
電子部品51は、図1に示すように、実装基板3の第1主面31に配置されている。電子部品51は、パワーアンプ16を含む。
【0069】
複数の電子部品52(図1には1つのみ示す)の各々は、実装基板3の第1主面31に配置されている。複数の電子部品52の各々は、整合回路241、242、243、244、245の各々を含む。図1に示す電子部品52は、整合回路244を含む。
【0070】
(3.3)樹脂層、シールド電極及び放熱ビア
樹脂層61は、図1に示すように、第1電子部品40、電子部品45、電子部品51及び電子部品52と、実装基板3の第1主面31とを覆っている。
【0071】
樹脂層62は、図1に示すように、電子部品50と、実装基板3の第2主面32とを覆っている。
【0072】
シールド電極(図示しない)は、樹脂層61及び樹脂層62の少なくとも一部を覆っている。
【0073】
複数の放熱ビア63は、実装基板3の第2主面32に配置されている。第1方向D1からの平面視において、複数の放熱ビア63の各々は、電子部品51と重なる。放熱ビア63は、パワーアンプ16の熱を外部基板(図示せず)に放熱するための伝熱部材である。
【0074】
(4)通信装置
通信装置10は、図3に示すように、高周波モジュール1と、信号処理回路2と、アンテナ71及び72と、を備える。また、通信装置10は、高周波モジュール1が実装された外部基板(図示せず)を更に備える。外部基板は、例えば、プリント配線板である。外部基板は、グランド電位が与えられるグランド電極を有する。
【0075】
(4.1)アンテナ
アンテナ71及び72の各々は、図3に示すように、高周波モジュール1のアンテナ端子191及び192に接続されている。アンテナ71及び72は、高周波モジュール1から出力された送信信号を電波にて放射する送信機能と、受信信号を電波として外部から受信して高周波モジュール1へ出力する受信機能と、を有する。
【0076】
(4.2)信号処理回路
信号処理回路2は、図3に示すように、RF信号処理回路21と、ベースバンド信号処理回路22と、を含む。信号処理回路2は、高周波モジュール1を通る信号を処理する。より詳細には、信号処理回路2は、送信信号及び受信信号を処理する。
【0077】
RF信号処理回路21は、例えば、RFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)である。RF信号処理回路21は、高周波信号に対する信号処理を行う。
【0078】
RF信号処理回路21は、ベースバンド信号処理回路22から出力された送信信号に対してアップコンバート等の信号処理を行い、信号処理が行われた送信信号を高周波モジュール1に出力する。また、RF信号処理回路21は、高周波モジュール1から出力された受信信号に対してダウンコンバート等の信号処理を行い、信号処理が行われた受信信号をベースバンド信号処理回路22に出力する。
【0079】
ベースバンド信号処理回路22は、例えば、BBIC(Baseband Integrated Circuit)である。ベースバンド信号処理回路22は、信号処理回路2の外部からの送信信号に対する所定の信号処理を行う。ベースバンド信号処理回路22で処理された受信信号は、例えば、画像表示のための画像信号として使用され、又は、通話のための音声信号として使用される。
【0080】
また、RF信号処理回路21は、高周波信号(送信信号、受信信号)の送受に基づいて、高周波モジュール1が有する第1スイッチ11、第2スイッチ14、第3スイッチ15及び第4スイッチ18の各々の接続を、コントローラ231を介して制御する制御部としての機能も有する。具体的には、RF信号処理回路21は、第1スイッチ11、第2スイッチ14、第3スイッチ15及び第4スイッチ18の各々の接続を切り替える。なお、制御部は、RF信号処理回路21の外部に設けられていてもよく、例えば、高周波モジュール1又はベースバンド信号処理回路22に設けられていてもよい。
【0081】
(5)効果
実施形態1に係る高周波モジュール1は、実装基板3と、第1電子部品40と、電子部品45とを備える。実装基板3は、第1主面31及び第2主面32を有する。第1電子部品40は、送信フィルタ12と第1受信フィルタ131とを含む。第1電子部品40は、実装基板3の第1主面31に配置されている。電子部品45は第2受信フィルタ132を含み、第1電子部品40上に積層配置されている。送信フィルタ12の通過帯域と、第2受信フィルタの通過帯域とは重ならない。実装基板3の厚さ方向である第1方向D1からの平面視において、第1電子部品40において第1受信フィルタ131が位置している第1領域41は、第2受信フィルタ132を含む電子部品45と重なる。また、実装基板3の厚さ方向である第1方向D1からの平面視において、第1電子部品40において送信フィルタ12が位置している第2領域42は、実装基板3の第1主面31上のフィルタのいずれとも重ならない。
【0082】
高周波モジュール1では、第1方向D1からの平面視において送信フィルタ12と第2受信フィルタ132とが重ならない。したがって、高周波モジュール1では、送信フィルタ12と第2受信フィルタ132との電磁気的な結合を低減させることができる。これにより、送信フィルタ12を通過する送信信号が第2受信フィルタ132を介して受信経路へ漏洩することを抑制できるため、第2受信フィルタ132を含む受信経路において、受信感度の劣化を低減させることができる。また、高周波モジュール1では、第1方向D1からの平面視において送信フィルタ12は実装基板3の第1主面31上のフィルタのいずれとも重ならない。送信フィルタ12は、大きな電力の送信信号を通過させるため発熱するが、高周波モジュール1では、送信フィルタ12上に他のフィルタが配置されないため、送信フィルタ12の放熱性能が向上する。また、高周波モジュール1では、送信フィルタ12の放熱による第2受信フィルタ132の温度変化が生じづらい。したがって、高周波モジュール1では、第2受信フィルタ132の温度変化による信号の通過特性の変動を低減することができる。
【0083】
(実施形態2)
実施形態2に係る高周波モジュール1は、図4に示すように、第1電子部品40に替えて第1電子部品40aを備える。第1電子部品40aは、複数(図4では2つ)の貫通ビア43を有する。
【0084】
第1電子部品40aは、第1受信フィルタ131を含む第1領域41に、複数の貫通ビア43を有する。複数の貫通ビア43は、第1方向D1(図1参照)に沿って第1電子部品40aを貫通する。より詳細には、複数の貫通ビア43の各々は、その内部あるいは内壁に配置される銅や銀などの導電性部材を備え、第1端431が電子部品45の第1端431側に設けられるバンプ電極などと接続されている。また、複数の貫通ビア43の各々は、第2端432が実装基板3の第1主面31(図1参照)と対向する。複数の貫通ビア43の各々の第2端432は、貫通ビア43や実装基板3又は第1電子部品40aの第1受信フィルタ131に接続される。なお、複数の貫通ビア43の第2端432などには、実装基板3と第1受信フィルタとを電気的に接続するためのバンプ電極などが配置される。
【0085】
複数の貫通ビア43の各々は、例えば、第1電子部品40aにおける第1受信フィルタ131の基板にレーザー等によって設けられる。
【0086】
実施形態2に係る高周波モジュール1では、第1電子部品40aの複数の貫通ビア43を用いて、電子部品45と実装基板3の第1主面31との間の接続を行うことができる。したがって、電子部品45と、電子部品45と接続される他の電子部品との間の経路の長さを短くすることができる。これにより、電子部品45と、電子部品45と接続される他の電子部品との間のインピーダンスの不整合が生じにくくなり、第2受信フィルタ132の挿入損失の悪化、又は、第2受信フィルタ132における阻止帯域の信号に対する減衰特性の悪化を低減することができる。
【0087】
なお、実施形態2に係る高周波モジュール1において、電子部品45は、第1電子部品40aと電子部品45との間の接続に、第1電子部品40aの貫通ビア43を用いてもよい。この場合も、上述の通り、第2受信フィルタ132の挿入損失の悪化、又は、第2受信フィルタ132における阻止帯域の信号に対する減衰特性の悪化を低減することができる。
【0088】
(実施形態3)
実施形態3に係る高周波モジュール1aについて、図5及び図6を参照して説明する。実施形態3に係る高周波モジュール1aに関し、実施形態1に係る高周波モジュール1と同様の構成要素については、同一の信号を付して説明を省略する。
【0089】
(1)高周波モジュールの回路構成
実施形態3に係る高周波モジュール1aは、図6に示すように、図3に示す高周波モジュール1の各構成要素に加えて、第3受信フィルタ133を更に備える。
【0090】
第3受信フィルタ133は、通信バンドB2の受信帯域の信号を通過させるフィルタである。ここで、高周波モジュール1aは、第1電子部品40(図5参照)の送信フィルタ12を通過する通信バンドB1の信号と、第3受信フィルタ133を通過する通信バンドB2の信号とを同時に用いて通信することが可能である。より詳細には、高周波モジュール1aは、通信バンドB1の送信帯域の信号の送信と、通信バンドB2の受信帯域の信号の受信とを同時に行うことが可能である。通信バンドB2は、例えば、3GPP LTE規格のBand12である。なお、高周波モジュール1aは、通信バンドB1の送信帯域の信号の送信と、通信バンドB3の受信帯域の信号の受信とを同時に行わない。すなわち、高周波モジュール1aは、送信フィルタ12を通過する通信バンドB1の信号と、第2受信フィルタ132を通過する通信バンドB3の信号と、を同時に用いて通信しない。
【0091】
第3受信フィルタ133は、例えば、1以上の弾性波共振子を有する弾性波フィルタである。
【0092】
第3受信フィルタ133は、第1スイッチ11の選択端子115に接続されている。すなわち、第3受信フィルタ133は、第1スイッチ11を介して、アンテナ71又はアンテナ72に接続可能である。また、第3受信フィルタ133は、第2スイッチ14の選択端子142に接続されている。すなわち、第3受信フィルタ133は、第2スイッチ14を介して、ローノイズアンプ171に接続可能である。
【0093】
(2)高周波モジュールの構造
高周波モジュール1aは、図5に示すように、図1に示す高周波モジュール1の各構成要素に加えて、第2電子部品54を更に備える。
【0094】
第2電子部品54は、図5に示すように、実装基板3の第2主面32に配置されている。第2電子部品54は、第3受信フィルタ133を含む。すなわち、第3受信フィルタ133は、実装基板3の第2主面32上に配置されている。また、第1方向D1からの平面視において、第1電子部品40の第2領域42と、第3受信フィルタ133とが重ならない。
【0095】
(3)効果
実施形態3に係る高周波モジュール1aは、第3受信フィルタ133を更に備える。高周波モジュール1aは、第1電子部品40を通過する通信バンドB1の送信信号と、第3受信フィルタ133を通過する通信バンドB2の受信信号とを同時に用いて通信することが可能である。第3受信フィルタ133を含む第2電子部品54は、実装基板3の第2主面32上に配置されている。これにより、第1電子部品40に含まれる送信フィルタ12と、第2電子部品54に含まれる第3受信フィルタ133との間に実装基板3が位置している。したがって、送信フィルタ12と、第3受信フィルタ133との間の電磁気的な結合を低減することができる。そのため、送信フィルタ12と第3受信フィルタ133との間のアイソレーションが向上する。
【0096】
さらに、実施形態3に係る高周波モジュール1aでは、第1方向D1からの平面視において、第1電子部品40の第2領域42と第3受信フィルタ133とが重ならない。したがって、送信フィルタ12と第3受信フィルタ133との間のアイソレーションが更に向上する。
【0097】
また、これにより、第3受信フィルタ133を含む受信経路において、受信感度の劣化を低減させることができる。
【0098】
また、実施形態3に係る高周波モジュール1aでは、通信バンドB3の信号と、通信バンドB1の信号と、を同時に用いて通信しない。したがって、第2受信フィルタ132を用いて通信バンドB3の受信信号を受信する際に送信フィルタ12を通信バンドB1の送信信号が通過していないため、第2受信フィルタ132を含む受信経路において、受信感度の劣化を低減させることができる。
【0099】
(変形例1)
実施形態3の変形例1に係る高周波モジュール1aでは、図7に示すように、第1方向D1からの平面視において、第1電子部品40の第2領域42と、第3受信フィルタ133とが重なっていてもよい。
【0100】
上述の通り、高周波モジュール1aでは、通信バンドB1の送信帯域の信号の送信と、通信バンドB2の受信帯域の信号の受信とを同時に行う。すなわち、高周波モジュール1aでは、第1電子部品40と第2電子部品54とを同時に信号が通過する。
【0101】
しかしながら、実施形態3の変形例に係る高周波モジュール1aにおいても、送信フィルタ12と、第3受信フィルタ133との間に実装基板3が位置している。したがって、送信フィルタ12と、第3受信フィルタ133との間の電磁気的な結合を低減することができる。これにより、送信フィルタ12と第3受信フィルタ133との間のアイソレーションが向上する。また、第3受信フィルタ133を含む受信経路において、受信感度の劣化を更に低減させることができる。
【0102】
(変形例2)
実施形態3の変形例2に係る高周波モジュール1aでは、図8に示すように、外部接続端子19が複数のシールド部材197を含む。なお、図8は、実施形態3の変形例2に係る高周波モジュール1bを第1方向D1に沿って、実装基板3の第2主面32側から見た図である。なお、図8では、実装基板3の第2主面32に、コントローラ231を含む電子部品53が配置されている。また、図8のX-X断面は、図5に対応する。
【0103】
複数のシールド部材197の各々は、グランドに接続されるグランド端子である。シールド部材197は、第2電子部品54の周囲に配置されている。ここで、「シールド部材197は、第2電子部品54の周囲に配置されている」とは、シールド部材197が、実装基板3の第2主面32を、第2電子部品54の存在する領域とそれ以外の領域とに区画していることをいう。より詳細には、シールド部材197は、第2電子部品54と、実装基板3の第2主面32に配置されている他の部品との間に配置されている。
【0104】
実施形態3の変形例2に係る高周波モジュール1bでは、送信フィルタ12と、第3受信フィルタ133との間の電磁気的な結合を更に低減することができる。そのため、送信フィルタ12と第3受信フィルタ133との間のアイソレーションが更に向上する。また、これにより、第3受信フィルタ133を含む受信経路において、受信感度の劣化を更に低減させることができる。
【0105】
(実施形態4)
実施形態4に係る高周波モジュール1bについて、図9を参照して説明する。実施形態4に係る高周波モジュール1bに関し、実施形態1に係る高周波モジュール1と同様の構成要素については、同一の信号を付して説明を省略する。
【0106】
(1)高周波モジュールの回路構成
実施形態4に係る高周波モジュール1bは、図9に示すように、図6に示す高周波モジュール1aの各構成要素に加えて、第3受信フィルタ134、第3受信フィルタ135を更に備える。すなわち、実施形態4に係る高周波モジュール1bは、第3受信フィルタを複数含む。
【0107】
第3受信フィルタ133は、通信バンドB21の受信帯域の信号を通過させるフィルタである。ここで、高周波モジュール1bは、通信バンドB1の送信帯域の信号の送信と、通信バンドB21の受信帯域の信号の受信とを同時に行う。通信バンドB21は、例えば、3GPP LTE規格のBand12である。
【0108】
第3受信フィルタ133は、第1スイッチ11の選択端子115に接続されている。すなわち、第3受信フィルタ133は、第1スイッチ11を介して、アンテナ71又はアンテナ72に接続可能である。また、第3受信フィルタ133は、第2スイッチ14の選択端子142に接続されている。すなわち、第3受信フィルタ133は、第2スイッチ14を介して、ローノイズアンプ171に接続可能である。
【0109】
第3受信フィルタ134は、通信バンドB22の受信帯域の信号を通過させるフィルタである。ここで、高周波モジュール1bは、通信バンドB1の送信帯域の信号の送信と、通信バンドB22の受信帯域の信号の受信とを同時に行う。また、通信バンドB21と、通信バンドB22とは異なる通信バンドである。通信バンドB22は、例えば、3GPP LTE規格のBand13である。
【0110】
第3受信フィルタ134は、第1スイッチ11の選択端子116に接続されている。すなわち、第3受信フィルタ134は、第1スイッチ11を介して、アンテナ71又はアンテナ72に接続可能である。また、第3受信フィルタ134は、第2スイッチ14の選択端子143に接続されている。すなわち、第3受信フィルタ134は、第2スイッチ14を介して、ローノイズアンプ171に接続可能である。
【0111】
第3受信フィルタ135は、通信バンドB23の受信帯域の信号を通過させるフィルタである。ここで、高周波モジュール1bは、通信バンドB1の送信帯域の信号の送信と、通信バンドB23の受信帯域の信号の受信とを同時に行う。また、通信バンドB23は、通信バンドB21及び通信バンドB22のいずれとも異なる通信バンドである。通信バンドB23は、例えば、3GPP LTE規格のBand14である。
【0112】
第3受信フィルタ135は、第1スイッチ11の選択端子117に接続されている。すなわち、第3受信フィルタ135は、第1スイッチ11を介して、アンテナ71又はアンテナ72に接続可能である。また、第3受信フィルタ135は、第2スイッチ14の選択端子144に接続されている。すなわち、第3受信フィルタ135は、第2スイッチ14を介して、ローノイズアンプ171に接続可能である。
【0113】
第3受信フィルタ133、第3受信フィルタ134、第3受信フィルタ135の各々は、例えば、1以上の弾性波共振子を有する弾性波フィルタである。
【0114】
(2)高周波モジュールの構造
高周波モジュール1bでは、図10に示すように、第1方向D1からの平面視において、第1電子部品40と、第2電子部品54aとが重なっている。ここで、実装基板3の第2主面32に配置されている第2電子部品54aは、第3受信フィルタ133(図9参照)と、第3受信フィルタ134(図9参照)と、第3受信フィルタ135(図9参照)と、を含む。すなわち、第1方向D1からの平面視において、第1電子部品40の第2領域42は、第3受信フィルタ133、134及び135のうち少なくとも1つの少なくとも一部と重なっている。
【0115】
(3)効果
実施形態4に係る高周波モジュール1bは、第3受信フィルタ133、第3受信フィルタ134及び第3受信フィルタ135を備える。高周波モジュール1bは、第1電子部品40を通過する通信バンドB1の送信信号と、第3受信フィルタ133を通過する通信バンドB21の受信信号、第3受信フィルタ134を通過する通信バンドB22の受信信号、第3受信フィルタ135を通過する通信バンドB23の受信信号のいずれか1つとを同時に用いて通信することが可能である。第2電子部品54は、第3受信フィルタ133、第3受信フィルタ134と、第3受信フィルタ135とを含む。これにより、高周波モジュール1bを小型化することができる。
【0116】
(変形例)
以下、実施形態1~4の変形例について説明する。
【0117】
実施形態1~4に係る高周波モジュール1、1a、1bは送信フィルタとして送信フィルタ12を含むが、これに限られず、高周波モジュール1、1a、1bは複数の送信フィルタを有してもよい。なお、高周波モジュール1、1a、1bが複数の送信フィルタを有する場合、実装基板3の第1主面31に配置されている送信フィルタは、第1方向D1からの平面視において、第1電子部品40の第2領域42と重なる部分を有さない。すなわち、第1方向D1からの平面視において、第1電子部品40の第2領域42は、実装基板3の第1主面31に配置されているフィルタのいずれとも重ならない。
【0118】
また、高周波モジュール1、1a、1bは、パワーアンプとしてパワーアンプ16を含むが、これに限られず、高周波モジュール1、1a、1bは複数のパワーアンプを含んでもよい。
【0119】
実施形態1~2に係る高周波モジュール1は受信フィルタとして第1受信フィルタ131及び第2受信フィルタ132を含む。実施形態3に係る高周波モジュール1aは受信フィルタとして第3受信フィルタ133を更に含む。実施形態4に係る高周波モジュール1bは受信フィルタとして第3受信フィルタ134及び第3受信フィルタ135を更に含む。これに限られず、高周波モジュール1、1a、1bは、更に受信フィルタを有してもよい。受信フィルタは、例えば、第1スイッチ11の選択端子の1つと、第2スイッチ14の選択端子の1つ又は第3スイッチ15の選択端子の1つとの間に接続されている。なお、第1方向D1からの平面視において、実装基板の第1主面31に配置されている受信フィルタはいずれも、第1電子部品40の第2領域42と重なる部分を有さない。すなわち、第1方向D1からの平面視において、第1電子部品40の第2領域42は、実装基板3の第1主面31に配置されているフィルタのいずれとも重ならない。
【0120】
実施形態4に係る高周波モジュール1bは第3受信フィルタとして第3受信フィルタ133、134及び135を備えるが、これに限られない。例えば、高周波モジュール1bは第3受信フィルタとして2つの受信フィルタを備えてもよいし、4以上の受信フィルタを備えてもよい。また、第2電子部品54aは全ての第3受信フィルタを含んでいる必要はなく、第3受信フィルタである受信フィルタの一部は、実装基板3の第2主面32に配置されている、第2電子部品54a以外の電子部品に含まれていてもよい。
【0121】
実施形態1~2に係る高周波モジュール1では、実装基板3は両面実装基板であり、実装基板3の第2主面32に電子部品50が配置されている。実施形態1~2に係る高周波モジュール1はこれに限られず、例えば、電子部品50のいずれか一方は実装基板3の第1主面31に配置されてもよい。また、例えば、実装基板3は片面実装基板であり、電子部品50の両方が実装基板3の第1主面31に配置されてもよい。
【0122】
実施形態1~4に係る高周波モジュール1、1a、1bでは、通信バンドB1が5G NR規格のn5であり、通信バンドB3が3GPP LTE規格のBand71であるが、これに限られない。高周波モジュール1、1a、1bが、通信バンドB1の送信信号の送信と通信バンドB3の受信信号の受信とを同時に行わない限りにおいて、通信バンドB1と通信バンドB3の組み合わせは任意の組み合わせであってよい。
【0123】
また、実施形態3~4に係る高周波モジュール1a、1bでは、通信バンドB1が5G NR規格のn5であり、通信バンドB2が3GPP LTE規格のBand12であるが、これに限られない。高周波モジュール1a、1bが、通信バンドB1の送信信号の送信と通信バンドB2の受信信号の受信とを同時に行う限りにおいて、通信バンドB1と通信バンドB2の組み合わせは任意の組み合わせであってよい。
【0124】
実施形態1~4に係る高周波モジュール1、1a、1bはアンテナ端子191、192を備え、各々がアンテナ71及び72に接続されるが、これに限られない。例えば、高周波モジュール1はアンテナ端子を1つだけ備え、1つのアンテナに接続されてもよい。また、例えば、高周波モジュール1、1a、1bは3つ以上のアンテナ端子を備え、各々がアンテナに接続されてもよい。
【0125】
実施形態3の変形例2に係る高周波モジュール1aでは、複数のシールド部材197の各々はグランドに接続されるグランド端子であるが、これに限られない。例えば、高周波モジュール1aは、単一のシールド部材を備え、そのシールド部材が実装基板3のグランド層に接続されていてもよい。シールド部材は例えば円柱状であってもよいし、板状であってもよい。
【0126】
本明細書において、「要素は、基板の第1主面に配置されている」は、要素が基板の第1主面上に直接実装されている場合だけでなく、基板で隔された第1主面側の空間及び第2主面側の空間のうち、第1主面側の空間に要素が配置されている場合を含む。つまり、「要素は、基板の第1主面に配置されている」は、要素が基板の第1主面上に、他の回路素子又は電極等を介して実装されている場合を含む。要素は、例えば、第1電子部品40であるが、第1電子部品40に限定されない。基板は、例えば、実装基板3である。基板が実装基板3である場合、第1主面は第1主面31であり、第2主面は第2主面32である。
【0127】
本明細書において、「要素は、基板の第2主面に配置されている」は、要素が基板の第2主面上に直接実装されている場合だけでなく、基板で隔された第1主面側の空間及び第2主面側の空間のうち、第2主面側の空間に要素が配置されている場合を含む。つまり、「要素は、基板の第2主面に配置されている」は、要素が基板の第2主面上に、他の回路素子又は電極等を介して実装されている場合を含む。要素は、例えば、電子部品50であるが、電子部品50に限定されない。基板は、例えば、実装基板3である。基板が実装基板3である場合、第1主面は第1主面31であり、第2主面は第2主面32である。
【0128】
(態様)
本明細書には、以下の態様が開示されている。
【0129】
第1の態様に係る高周波モジュール(1;1a;1b)は、実装基板(3)と、電子部品(40;40a)と、第2受信フィルタ(132)と、を備える。実装基板(3)は、第1主面(31)及び第2主面(32)を有する。電子部品(40)は、送信フィルタ(12)と第1受信フィルタ(131)とを含む。電子部品(40;40a)は、実装基板(3)の第1主面(31)に配置されている。第2受信フィルタ(132)は、電子部品(40;40a)上に積層配置されている。送信フィルタ(12)の通過帯域と、第2受信フィルタ(132)の通過帯域とは重ならない。実装基板(3)の厚さ方向(D1)からの平面視において、第1領域(41)は、第2受信フィルタ(132)と重なる。第1領域(41)は、電子部品(40;40a)において第1受信フィルタ(131)が位置している領域である。実装基板(3)の厚さ方向(D1)からの平面視において、第2領域(42)は、実装基板(3)の第1主面(31)に配置されているフィルタのいずれとも重ならない。第2領域(42)は、電子部品(40;40a)において送信フィルタ(12)が位置している領域である。
【0130】
上記態様に係る高周波モジュール(1;1a;1b)によれば、送信フィルタ(12)と第2受信フィルタ(132)との電磁気的な結合を低減させることができる。これにより、第2受信フィルタ(132)を含む受信経路において、受信感度の劣化を低減させることができる。また、送信フィルタ(12)上に他のフィルタが配置されないため、送信フィルタ(12)の放熱性能が向上する。また、送信フィルタ(12)の放熱による第2受信フィルタ(132)の温度変化が生じづらいため、第2受信フィルタ(132)の温度変化による信号の通過特性の変動を低減することができる。
【0131】
第2の態様に係る高周波モジュール(1)では、第1の態様において、電子部品(40)は、貫通ビア(43)を有している。貫通ビア(43)は、実装基板(3)の厚さ方向(D1)に第1領域(41)を貫通する。貫通ビア(43)は、第1端(431)と、第2端(432)と、を有する。貫通ビア(43)の第1端(431)は、第2受信フィルタ(132)と接続されている。貫通ビア(43)の第2端(432)は、実装基板(3)又は第1受信フィルタ(131)に接続されている。
【0132】
上記態様に係る高周波モジュール(1)によれば、第1電子部品(40a)の貫通ビア(43)を用いて、第2受信フィルタ(132)と実装基板(3)との間の接続、又は、第2受信フィルタ(132)と第1受信フィルタ(131)との間の接続を行うことができる。したがって、第2受信フィルタ(132)と、第2受信フィルタ(132)と接続される他の電子部品との間の経路の長さを短くすることができる。これにより、第2受信フィルタ(132)と、第2受信フィルタ(132)と接続される他の電子部品との間のインピーダンスの不整合が生じにくくなる。したがって、第2受信フィルタ(132)の挿入損失の悪化、又は、第2受信フィルタ(132)における阻止帯域の信号に対する減衰特性の悪化を低減することができる。
【0133】
第3の態様に係る高周波モジュール(1a;1b)は、第1又は第2の態様において、第3受信フィルタ(133;134;135)を更に備える。高周波モジュール(1a;1b)は、送信フィルタ(12)を通過する第1バンドの信号と、第3受信フィルタ(133;134;135)を通過する第2バンドの信号とを同時に用いて通信することが可能である。第3受信フィルタ(133;134;135)は、実装基板(3)の第2主面(32)に配置されている。
【0134】
上記態様に係る高周波モジュール(1a;1b)によれば、第1電子部品(40)に含まれる送信フィルタ(12)と、第3受信フィルタ(133;134;135)との間に実装基板(3)が位置している。したがって、送信フィルタ(12)と、第3受信フィルタ(133;134;135)との間の電磁気的な結合を低減することができる。そのため、送信フィルタ(12)と第3受信フィルタ(133;134;135)との間のアイソレーションが向上する。また、これにより、第3受信フィルタ(133;134;135)を含む受信経路において、受信感度の劣化を低減させることができる。
【0135】
第4の態様に係る高周波モジュール(1a;1b)では、第3の態様において、実装基板(3)の厚さ方向(D1)からの平面視において、電子部品(40)の第2領域(42)と、第3受信フィルタ(133;134;135)とは重ならない。
【0136】
上記態様に係る高周波モジュール(1a;1b)によれば、送信フィルタ(12)と、第3受信フィルタ(133;134;135)との間の電磁気的な結合を更に低減することができる。そのため、送信フィルタ(12)と第3受信フィルタ(133;134;135)との間のアイソレーションが更に向上する。また、これにより、第3受信フィルタ(133;134;135)を含む受信経路において、受信感度の劣化を更に低減させることができる。
【0137】
第5の態様に係る高周波モジュール(1a;1b)では、第3又は第4の態様において、第2受信フィルタ(132)を通過する第3バンドの信号を用いて通信することが可能である。高周波モジュール(1a;1b)は、第3バンドの信号と、第1バンドの信号と、を同時に用いて通信しない。
【0138】
上記態様に係る高周波モジュール(1a;1b)では、第2受信フィルタ(132)を用いて信号を受信する際に、送信フィルタ(12)を用いた信号の送信が行われないため、第2受信フィルタ(132)と送信フィルタ(12)との間の電磁気的な結合を低減することができる。したがって、第2受信フィルタ(132)を含む受信経路において、受信感度の劣化を低減させることができる。
【0139】
第6の態様に係る高周波モジュール(1a;1b)は、第3から第5の態様のいずれかにおいて、実装基板(3)の第2主面(32)に配置されているシールド部材(197)を更に備える。シールド部材(197)は、第3受信フィルタ(133;134;135)と、電子部品(40)の第2領域(42)との間に位置している。
【0140】
上記態様に係る高周波モジュール(1a;1b)によれば、送信フィルタ(12)と、第3受信フィルタ(133;134;135)との間の電磁気的な結合を更に低減することができる。そのため、送信フィルタ(12)と第3受信フィルタ(133;134;135)との間のアイソレーションが更に向上する。また、これにより、第3受信フィルタ(133;134;135)を含む受信経路において、受信感度の劣化を更に低減させることができる。
【0141】
第7の態様に係る高周波モジュール(1b)は、第3から第6の態様のいずれかにおいて、第3受信フィルタ(133;134;135)を複数備える。電子部品(40)を第1電子部品(40)としたとき、複数の第3受信フィルタ(133;134;135)は、実装基板(3)の第2主面(32)に配置されている第2電子部品(54a)に含まれる。
【0142】
上記態様に係る高周波モジュール(1a;1b)によれば、高周波モジュール(1b)を小型化することが可能となる。
【0143】
第8の態様に係る高周波モジュール(1b)では、第7の態様において、複数の第3受信フィルタ(133;134;135)の各々は、3GPP LTE規格のBand12、Band13及びBand14の各々の信号を通過させるフィルタを含む。
【0144】
上記態様に係る高周波モジュール(1b)は、第1バンドの信号と同時に通信可能な第2バンドの信号について、バンドの選択範囲を広げることが可能となる。
【0145】
第9の態様に係る通信装置(10)は、第1から第8のいずれかの態様に係る高周波モジュール(1;1a;1b)と、信号処理回路(2)と、を備える。信号処理回路(2)は、高周波モジュール(1;1a;1b)に接続されている。
【0146】
上記態様に係る通信装置(10)によれば、高周波モジュール(1;1a;1b)において、送信フィルタ(12)と第2受信フィルタ(132)との電磁気的な結合を低減させることができる。これにより、第2受信フィルタ(132)を含む受信経路において、受信感度の劣化を低減させることができる。また、送信フィルタ(12)上に他のフィルタが配置されないため、送信フィルタ(12)の放熱性能が向上する。また、送信フィルタ(12)の放熱による第2受信フィルタ(132)の温度変化が生じづらいため、第2受信フィルタ(132)の温度変化による信号の通過特性の変動を低減することができる。
【符号の説明】
【0147】
1、1a、1b 高周波モジュール
11 第1スイッチ
111 共通端子
112 共通端子
113 選択端子
114 選択端子
115 選択端子
116 選択端子
117 選択端子
118 選択端子
12 送信フィルタ
131 第1受信フィルタ
132 第2受信フィルタ
133 第3受信フィルタ
134 第3受信フィルタ
135 第3受信フィルタ
14 第2スイッチ
140 共通端子
141 選択端子
142 選択端子
143 選択端子
144 選択端子
15 第3スイッチ
150 共通端子
151 選択端子
152 選択端子
16 パワーアンプ
171 ローノイズアンプ
172 ローノイズアンプ
18 第4スイッチ
181 共通端子
182 共通端子
183 選択端子
184 選択端子
19 外部接続端子
191 アンテナ端子
192 アンテナ端子
193 入力端子
194 第1出力端子
195 第2出力端子
196 制御端子
197 シールド部材
231 コントローラ
241 整合回路
242 整合回路
243 整合回路
244 整合回路
245 整合回路
3 実装基板
31 第1主面
32 第2主面
40、40a 第1電子部品(電子部品)
41 第1領域
42 第2領域
43 貫通ビア
45 電子部品
50 電子部品
51 電子部品
52 電子部品
54、54a 第2電子部品
61 樹脂層
62 樹脂層
63 放熱ビア
71 アンテナ
72 アンテナ
2 信号処理回路
21 RF信号処理回路
22 ベースバンド信号処理回路
10 通信装置
D1 第1方向
B1 通信バンド
B2、B21、B22、B23 通信バンド
B3 通信バンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10