(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108628
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】点字ブロック及び点字ブロックの動作方法
(51)【国際特許分類】
E01F 9/559 20160101AFI20240805BHJP
G09B 21/00 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
E01F9/559
G09B21/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013084
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】宮口 涼
(72)【発明者】
【氏名】山口 敦子
(72)【発明者】
【氏名】松本 光一
(72)【発明者】
【氏名】川上 元太
(72)【発明者】
【氏名】菊地 泰二
(72)【発明者】
【氏名】二村 龍太郎
【テーマコード(参考)】
2D064
【Fターム(参考)】
2D064AA04
2D064BA01
2D064EA12
2D064EA14
2D064EA21
2D064EB05
2D064FA05
(57)【要約】
【課題】視覚の弱い歩行者の移動時における安全性を向上させるシステムを簡素な構成で提供する。
【解決手段】歩行者を検出し、歩行者検出信号を出力する検出部と、隣接する他の点字ブロックの接続部と接続する複数の接続部と、出力部と、所定の条件に基づいて出力指示信号を生成する制御と、歩行者検出信号及び出力指示信号を送受信する制御と、出力指示信号を受信した場合、出力部を発光又は振動させる制御とを行う制御部と、を備え、制御部は、検出部が歩行者を検出した場合、接続部から歩行者検出信号を送信し、複数の接続部のうち2つの接続部が隣接する他の点字ブロックと接続していて、2つの接続部の一方において歩行者検出信号を受信している状態で歩行者を検出した場合に2つの接続部の他方から出力指示信号を送信する、及び2つの接続部の一方において出力指示信号を受信した場合、2つの接続部の他方から送信する、点字ブロックを提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行者を検出し、歩行者検出信号を出力する検出部と、
隣接する他の点字ブロックの接続部と1対1で接続する複数の接続部と、
発光又は振動を発生する出力部と、
所定の条件に基づいて出力指示信号を生成する制御と、前記複数の接続部のいずれかまたは全てを介して前記歩行者検出信号及び前記出力指示信号を送受信する制御と、隣接する他の点字ブロックから前記出力指示信号を受信した場合、前記出力部を発光又は振動させる制御とを行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記検出部が歩行者を検出した場合、前記複数の接続部の全てから前記歩行者検出信号を送信し、
前記複数の接続部のうち2つの接続部が隣接する他の点字ブロックと接続していて、前記2つの接続部の一方において前記歩行者検出信号を受信している状態で前記検出部が歩行者を検出した場合に前記出力指示信号を生成して前記2つの接続部の他方から前記出力指示信号を送信する、及び前記複数の接続部のうち2つの接続部が隣接する他の点字ブロックと接続していて、前記2つの接続部の一方において前記出力指示信号を受信した場合、受信した前記出力指示信号を前記2つの接続部の他方から送信する、点字ブロック。
【請求項2】
前記制御部は、前記出力部から発光または振動を発生させた状態で所定期間、前記出力指示信号を受信しない場合、発光または振動を停止させる、請求項1に記載の点字ブロック。
【請求項3】
前記出力指示信号を受信した場合、前記制御部は、所定期間、前記出力部から発光または振動を発生させ、前記出力指示信号を受信した時点から所定期間経過後に前記出力指示信号を送信する、請求項1に記載の点字ブロック。
【請求項4】
前記出力指示信号は、転送世代情報を含み、
前記制御部は、前記転送世代情報に基づいて前記出力部から発光または振動を発生し、前記出力指示信号を受信すると前記転送世代情報を1つ増加して前記隣接する他の点字ブロックの制御部に前記出力指示信号を送信する、請求項1に記載の点字ブロック。
【請求項5】
歩行者を検出し、歩行者検出信号を出力する検出部と、
隣接する他の点字ブロックの接続部と1対1で接続する複数の接続部と、
発光又は振動を発生する出力部と、
所定の条件に基づいて出力指示信号を生成する制御と、前記複数の接続部のいずれかまたは全てを介して前記歩行者検出信号及び前記出力指示信号を送受信する制御と、隣接する他の点字ブロックから前記出力指示信号を受信した場合、前記出力部を発光または振動させる制御とを行う制御部と、
を備える点字ブロックの動作方法であって、
前記検出部が歩行者を検出した場合、前記複数の接続部の全てから前記歩行者検出信号を送信し、
前記複数の接続部のうち2つの接続部が隣接する他の点字ブロックと接続していて、前記2つの接続部の一方において前記歩行者検出信号を受信している状態で前記検出部が歩行者を検出した場合に前記出力指示信号を生成して前記2つの接続部の他方から前記出力指示信号を送信する、及び前記複数の接続部のうち2つの接続部が隣接する他の点字ブロックと接続していて、前記2つの接続部の一方において前記出力指示信号を受信した場合、受信した前記出力指示信号を前記2つの接続部の他方から送信する、点字ブロックの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は点字ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
点字ブロックは、視覚障がい者が安全に歩行するためにあるが、混雑時など点字ブロックが見えない場合、点字ブロックの歩行者がいる場合にあらかじめ注意が向けられていなかった場合に周囲の人が気づかずに障がい者の進路を妨害してしまうことがある。そのため、視覚障がい者のための点字ブロックに機能を付加して視覚障がい者の歩行を助ける試みがなされている。特許文献1には、特定の歩行者の移動ルートを予測して予測した移動ルートを示すように点字ブロックを光らせるシステムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、特定の歩行者の位置情報を取得するとともに特定の歩行者の移動ルートを予測する必要があり、実現のためには大掛かりなシステム構成となってしまうという課題があった。本開示は、視覚の弱い歩行者の移動時における安全性を向上させるシステムを簡素な構成で提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の点字ブロックは、
歩行者を検出し、歩行者検出信号を出力する検出部と、
隣接する他の点字ブロックの接続部と1対1で接続する複数の接続部と、
発光又は振動を発生する出力部と、
所定の条件に基づいて出力指示信号を生成する制御と、前記複数の接続部のいずれかまたは全てを介して前記歩行者検出信号及び前記出力指示信号を送受信する制御と、隣接する他の点字ブロックから前記出力指示信号を受信した場合、前記出力部を発光又は振動させる制御とを行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記検出部が歩行者を検出した場合、前記複数の接続部の全てから前記歩行者検出信号を送信し、
前記複数の接続部のうち2つの接続部が隣接する他の点字ブロックと接続していて、前記2つの接続部の一方において前記歩行者検出信号を受信している状態で前記検出部が歩行者を検出した場合に前記出力指示信号を生成して前記2つの接続部の他方から前記出力指示信号を送信する、及び前記複数の接続部のうち2つの接続部が隣接する他の点字ブロックと接続していて、前記2つの接続部の一方において前記出力指示信号を受信した場合、受信した前記出力指示信号を前記2つの接続部の他方から送信する、点字ブロックである。
【0006】
本開示の点字ブロックの動作方法は、
歩行者を検出し、歩行者検出信号を出力する検出部と、
隣接する他の点字ブロックの接続部と1対1で接続する複数の接続部と、
発光又は振動を発生する出力部と、
所定の条件に基づいて出力指示信号を生成する制御と、前記複数の接続部のいずれかまたは全てを介して前記歩行者検出信号及び前記出力指示信号を送受信する制御と、隣接する他の点字ブロックから前記出力指示信号を受信した場合、前記出力部を発光または振動させる制御とを行う制御部と、
を備える点字ブロックの動作方法であって、
前記検出部が歩行者を検出した場合、前記複数の接続部の全てから前記歩行者検出信号を送信し、
前記複数の接続部のうち2つの接続部が隣接する他の点字ブロックと接続していて、前記2つの接続部の一方において前記歩行者検出信号を受信している状態で前記検出部が歩行者を検出した場合に前記出力指示信号を生成して前記2つの接続部の他方から前記出力指示信号を送信する、及び前記複数の接続部のうち2つの接続部が隣接する他の点字ブロックと接続していて、前記2つの接続部の一方において前記出力指示信号を受信した場合、受信した前記出力指示信号を前記2つの接続部の他方から送信する、点字ブロックの動作方法である。
【発明の効果】
【0007】
本開示により、視覚の弱い歩行者の移動時における安全性を向上させるシステムを簡素な構成で提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1にかかる点字ブロックの概略図である。
【
図2】実施の形態1にかかる点字ブロックの構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1にかかる点字ブロック上を歩行者が歩いたときに歩行者検出信号と出力指示信号を送受信する図である。
【
図4】実施の形態1にかかる点字ブロックが歩行者検出した場合のフローチャートである。
【
図5】実施の形態1にかかる点字ブロックが出力指示信号を受信した場合のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。しかしながら、特許請求の範囲にかかる発明を以下の実施の形態に限定するものではない。また、実施の形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0010】
(実施の形態1にかかる点字ブロックの説明)
図1は、実施の形態1にかかる点字ブロックの概略図である。
図2は、実施の形態1にかかる点字ブロックの構成を示すブロック図である。
図1及び2を参照しながら、実施の形態1にかかる点字ブロックを説明する。
【0011】
図1に示されるように、実施の形態1にかかる点字ブロック10は、上下左右4方向に隣接する他の点字ブロックと歩行者検出信号及び出力指示信号を送受信可能な複数の接続部12を備える。以下、点字ブロックは4角形の形状であるとして説明するが、点字ブロックは4角形でなくても良い。3角形、または5角形以上の多角形でもよい。また点字ブロックには多角形の辺の部分に接続部12を備えるが、すべての辺の部分に接続部12を備える必要は無い。
【0012】
図2に示されるように、実施の形態1にかかる点字ブロック10は、検出部11と、複数の接続部12と、出力部13と、制御部14と、を備える。
【0013】
検出部11は、歩行者を検出する機能を有する部分である。検出部11は、点字ブロック10が歩行者に踏まれている状態の検出を行う。例えば検出部11は、感圧センサまたは接触センサ等により歩行者を検出する。また、検出部11は、歩行者検出信号を出力する。
【0014】
接続部12は、4方向に備えられた接点であり、隣接する他の点字ブロックの接続部12と1対1で接続する。接続部12は、他の点字ブロックとの接続状態を制御部14に送信する機能を有する。
【0015】
出力部13は外部への情報の出力を行う。出力部13は、例えば発光するLED(light Emitting Diode)を用いることができる。外部への情報出力は、発光だけでなく、例えば振動を発生させてもよい。出力部13は、制御部14の制御により発光または振動する。
【0016】
制御部14は、所定の条件に基づいて出力指示信号を生成する。また、制御部14は、複数の接続部12のいずれかまたは全てを介して隣接する点字ブロック10に対し各種信号を送受信する。また、制御部14は、出力部13を制御し、発光または振動させる。
【0017】
点字ブロック10の各構成の動作を説明する。検出部11が歩行者を検出すると、制御部14は各接続部12から歩行者検出信号を出力させる。歩行者検出用信号は隣接する点字ブロック10の接続部12で受信されて隣接する点字ブロック10の制御部14に送られる。制御部14は、下記いずれかの条件が満たされた場合に接続部12を介して出力指示信号を生成し、出力する。
【0018】
1.隣接する点字ブロック10から歩行者検出信号を受信している状態で検出部11が歩行者を検出したとき、かつ接続数が2つの場合。この場合、制御部14は、歩行者検出信号を受信していない接続部12から出力指示信号を送信する。
2.隣接する点字ブロック10から出力指示信号を受信し、かつ接続数が2つの場合。この場合、制御部14は、歩行者検出信号を受信していない接続部12から出力指示信号を出力する。
【0019】
すなわち、複数の接続部12のうち2つの接続部が隣接する他の点字ブロックと接続しており、2つの接続部12の一方において歩行者検出信号を受信している状態で歩行者検出部が歩行者を検出した場合、制御部14は、出力指示信号を送信する。また、複数の接続部12のうち2つの接続部12が隣接する他の点字ブロックと接続しており、2つの接続部12の一方において出力指示信号を受信した場合、制御部14は、2つの接続部12の他方から出力指示信号を送信する。
【0020】
点字ブロック10にある4つの接続部12のうち2つの接続部12が隣接する他の点字ブロックの接続部と接続されている場合に、歩行者の進行方向が特定できるので出力指示信号を送信する。3つまたは4つの接続部12が隣接する他の点字ブロックの接続部と接続されている場合は、点字ブロックが分岐しているので歩行者の進行方向が特定できないと判断し、出力指示信号の送信を中止する。
【0021】
(実施の形態1にかかる点字ブロック10の動作方法の説明)
図3は、実施の形態1にかかる点字ブロック10上を歩行者が歩いたときに歩行者検出信号と出力指示信号を送受信する図である。
図3を参照しながら、実施の形態1にかかる点字ブロック10の動作方法を説明する。説明のために各点字ブロック10を第1ブロックから第10ブロックとする。
【0022】
図3(a)は、点字ブロック10上に歩行者がいない状態を示す。
図3(b)は、点字ブロック10上を歩行者が一歩進んだ状態を示す。このとき、第1ブロックが歩行者を検出し、第2ブロックに歩行者検出信号を送信する。
【0023】
図3(c)は、点字ブロック10上を歩行者が二歩進んだ状態を示す。このとき、第2ブロックは、第1ブロック及び第3ブロックに歩行者検出信号を送信する。また、第2ブロックは、出力指示信号の送信条件を満たすため、第3ブロックに出力指示信号を送信する。第3ブロックは、出力指示信号を受信すると、発光または振動を発生させる。さらに第3ブロックは、出力指示信号の送信条件を満たすため、第4ブロックへ出力信号を送信する。
【0024】
第4ブロックから第7ブロックは、第3ブロックと同じ処理が行われる。第8ブロックは、出力指示信号を受信し、発光または振動を発生させる。しかしながら、第8ブロックは、隣接する他の点字ブロックが3つあり、出力指示信号の条件を満たさないため出力指示信号の送信を行わない。
【0025】
図3(d)は、
図3(c)から歩行者がさらに一歩進んだ状態を示す。第1ブロックは、歩行者検出信号の送信を終了する。第2ブロックは、引き続き歩行者検出信号を第1ブロック及び第3ブロックに送信する。第2ブロックは、第1ブロックから歩行者検出信号を受信しなくなるため、第3ブロックへの出力指示信号の送信を終了する。第3ブロックから第8ブロックは、
図3(c)の第2ブロックから第8ブロックと同様の処理が行われ、第4ブロックから第8ブロックが点灯する。
【0026】
図3(e)は、歩行者が点字ブロック10上から離れた状態を示す。この場合、第2ブロックの歩行者検出信号が失われ、第4ブロックから第8ブロックの出力指示信号が終了し、発光または振動を停止する。
【0027】
(実施の形態1にかかる点字ブロック10が歩行者検出した場合の処理の説明)
図4は、実施の形態1にかかる点字ブロック10が歩行者検出した場合のフローチャートである。
図4を参照しながら、実施の形態1にかかる点字ブロック10が歩行者検出した場合の処理を説明する。
【0028】
図4に示されるように、点字ブロック10の検出部11が歩行者を検出した場合、まず、制御部14は、隣接したすべての点字ブロック10に対し接続部12から歩行者検出信号を送信する(ステップS401)。次に、制御部14は、接続部12から歩行者検出信号を受信しているか否か判定する(ステップS402)。
【0029】
歩行者検出信号を受信していない場合(ステップS402のNoの場合)、処理を終了する。歩行者検出信号を受信している場合(ステップS402のYesの場合)、複数の接続部12の接続数が2であるか否か判定する(ステップS403)。
【0030】
接続数が2でない場合(ステップS403のNoの場合)、処理を終了する。接続数が2の場合(ステップS403のYesの場合)、歩行者検出信号の非受信の接続部12に出力指示信号を送信して(ステップS404)、処理を終了する。
【0031】
(実施の形態1にかかる点字ブロックが出力指示信号を受信した場合の説明)
図5は、実施の形態1にかかる点字ブロック10が出力指示信号を受信した場合のフローチャートである。
図5を参照しながら、実施の形態1にかかる点字ブロック10が出力指示信号を受信した場合を説明する。
【0032】
接続部12から出力指示信号を受信した場合、制御部14は、接続数が2であるか否か判定する(ステップS501)。接続数が2でない場合(ステップS501のNoの場合)、処理を終了する。接続数が2である場合(ステップS501のYesの場合)、制御部14は、出力指示信号の非受信の接続部12を介して出力指示信号の送信を開始して(ステップS502)、処理を終了する。
【0033】
以上のように、視覚の弱い歩行者の移動時における安全性を向上させるシステムを簡素な構成で提供することができる。
【0034】
(変形例1)
上記説明では、歩行者検出信号を受信した点字ブロックが歩行者を検出した場合、隣接するブロックが2つの場合に出力指示信号を送信し、出力指示信号を受信したブロックは、無条件で発光または振動する例を示した。その変形例として、歩行者検出信号を受信した点字ブロックが歩行者を検出した場合、隣接するブロックが3以上の場合でも出力指示信号を送信してもよい。この場合、出力指示信号を受信したブロックに隣接するブロックが2つの場合に発光または振動し、3つ以上の場合に発光または振動しない構成としてもよい。この構成により点字ブロックの分岐点の一つ先のブロックを発光または振動させることができる。
【0035】
(変形例2)
上記説明では、歩行者が2つの点字ブロックを順に踏むことで制御部14が出力指示信号を出力したが、3つ以上の点字ブロックを連続して踏んだ場合に制御部14が出力指示信号を出力する構成としてもよい。3つ以上の点字ブロックを連続して踏んだ場合に出力指示信号を出力する構成とすることで、歩行者の進行方向をより確実に特定できる。例えば、2つの点字ブロックを踏んだ状態で進行方向を迷っているような場合、迷っている状態では出力せずに進行方向が決まってから出力できる。
【0036】
(変形例3)
制御部14は、出力部13から発光または振動を発生させた状態で所定期間、出力指示信号を受信しない場合、発光または振動を停止させてもよい。歩行者が迷って立ち止まっているときに、発光または振動を停止することができる。
【0037】
(変形例4)
各点字ブロック10は、出力指示信号を受信すると所定期間、出力部13に出力させ、出力指示信号を受信した時点から所定期間経過後に隣接する他の点字ブロック10に出力指示信号を送信してもよい。このようにすることで、歩行者を検出した点字ブロック10を起点として歩行者の進行方向に向かって順次、点字ブロック10の発光または振動を行うことができる。
【0038】
(実施の形態2にかかる点字ブロックの説明)
実施の形態2にかかる点字ブロック20は、実施の形態1で説明した点字ブロック10と同一構成であるが制御部14の操作が一部異なる。実施形態2では、出力指示信号に転送世代情報を含む。各点字ブロック20の制御部14は、出力指示信号を受信すると、転送世代情報を1つインクリメント(増加)して隣接する他の点字ブロックに転送する。各点字ブロック20は、受信した出力指示信号に含まれる転送世代情報に基づいて発光または振動する。
【0039】
具体的には、転送世代情報に基づき、以下の1または2の動作を行う。
1.転送世代情報が所定の値未満の場合、制御部14は、出力部13を発光または振動させ、転送世代情報が所定の値以上の場合、制御部14は、出力部13を発光または振動させない。
【0040】
2.転送世代情報の大きさによって発光強度または発生する振動の大きさを変える。例えば、転送世代情報の値をN、発光強度または発生する振動の大きさをTとする場合、
T=a/N2(aは定数)
とする。
【0041】
転送世代情報に基づいて発光または振動を制御することで、歩行者に対して所定の距離以上である点字ブロック20は、発光または振動を行わない、または歩行者との距離に応じて発光または振動の発生の仕方を変えることができる。
【0042】
(実施の形態3にかかる点字ブロック30の説明)
実施の形態3にかかる点字ブロック30は、点字ブロック10または点字ブロック20の構成に加え、視覚障がい者を検出する機能を備える。例えば、視覚障がい者が使用する白杖の先に視覚障がい者を特定する通信チップを埋め込み、点字ブロック30に通信チップ検出部を持たせる。これにより視覚障がい者を検出し、視覚障がい者を検出した場合に点字ブロック30が上記動作を行う構成にできる。
【0043】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、隣接する他の点字ブロックとの接続方法は、物理的な接点に限定されない。例えば、物理的な接点でなく、数センチ程度の通信可能距離を有する近接無線通信等で接続する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0044】
10、20、30 点字ブロック、11 検出部、12 接続部、13 出力部、14 制御部