(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108684
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】乗物用シート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/68 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
B60N2/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013178
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】阿南 秀
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 宏之
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DB03
(57)【要約】
【課題】 連結パイプ等の連結部材とサイドフレームとの連結箇所を適切に補給可能の乗物用シートの一例を開示する。
【解決手段】 第1補強ブラケット34には、第1サイドフレーム31を挟んで一方側にて第1連結パイプ33Aに接合された第1接合部W1、当該第1サイドフレーム31を挟んで他方側にて第1連結パイプ33Aに接合された第2接合部W2、及び当該第1サイドフレーム31に接合された第3接合部W3a、W3bが設けられている。これにより、第1サイドフレーム31と第1連結パイプ33Aとの連結箇所が強固に補強された構造となる。延いては、クッションフレームの剛性が向上する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物に搭載される乗物用シートにおいて、
シートクッションの骨格を構成する第1サイドフレームであって、シート前後方向に延びる第1サイドフレームと、
前記第1サイドフレームに対してシート幅方向にずれた位置に配置され、シートクッションの骨格を構成する第2サイドフレームであって、シート前後方向に延びる第2サイドフレームと、
シート幅方向に延びる連結部材であって、前記第1サイドフレームと前記第2サイドフレームとを連結するとともに、少なくとも前記第1サイドフレームをシート幅方向に貫通した連結部材と、
前記第1サイドフレームと前記連結部材との連結箇所を補強する補強ブラケットとを備え、
前記補強ブラケットには、前記第1サイドフレーム31を挟んで一方側にて前記連結部材に接合された第1接合部、当該第1サイドフレーム31を挟んで他方側にて前記連結部材に接合された第2接合部、及び当該第1サイドフレームに接合された第3接合部が設けられている乗物用シート。
【請求項2】
前記第3接合部は、前記第1サイドフレームの側面のうち前記第2サイドフレームと反対側の側面にて当該第1サイドフレームに接合されている請求項1に記載の乗物用シート。
【請求項3】
前記第3接合部は、前記連結部材に対してシート前方側に位置する接合部、及び前記連結部材に対してシート後方側に位置する接合部を有する請求項1又は2に記載の乗物用シート。
【請求項4】
前記補強ブラケットには、乗物に直接的又は間接的に連結される連結部が設けられている請求項1又は2に記載の乗物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乗物に搭載される乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の乗物用シートでは、シート前後方向に延びる2本のサイドフレーム、シート幅方向に延びて当該2本のサイドフレームを連結する連結パイプ、並びに連結パイプとサイドフレームとの連結箇所を補強する補強ブラケットを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る補強ブラケットは、連結パイプ及びサイドフレームの内側面のみに接合されている。このため、十分な補給強度を得ることができない可能性がある。
【0005】
本開示は、上記点に鑑み、連結パイプ等の連結部材とサイドフレームとの連結箇所を適切に補給可能の乗物用シートの一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
乗物に搭載される乗物用シートは、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。すなわち、当該構成要件は、シートクッションの骨格を構成する第1サイドフレーム(31)であって、シート前後方向に延びる第1サイドフレーム(31)と、第1サイドフレーム(31)に対してシート幅方向にずれた位置に配置され、シートクッションの骨格を構成する第2サイドフレーム(32)であって、シート前後方向に延びる第2サイドフレーム(32)と、シート幅方向に延びる連結部材(33A)であって、第1サイドフレーム(31)と第2サイドフレーム(32)とを連結する連結部材(33A)と、第1サイドフレーム(31)と連結部材(33A)との連結箇所を補強する補強ブラケット(34)とである。
【0007】
そして、連結部材(33A)は、シート幅方向に第1サイドフレーム(31)を貫通しており、さらに、補強ブラケット(34)には、第1サイドフレーム(31)を挟んで一方側にて連結部材(33A)に接合された第1接合部(W1)、当該第1サイドフレーム(31)を挟んで他方側にて連結部材(33A)に接合された第2接合部(W2)、及び当該第1サイドフレーム(31)に接合された第3接合部(W3a、W3b)が設けられていることが望ましい。
【0008】
これにより、当該乗物用シートでは、第1サイドフレーム(31)と連結部材(33A)との連結箇所が強固に補強された構造となる。なお、第2サイドフレーム(32)と連結部材(33A)との連結箇所も第1サイドフレーム(31)と連結部材(33A)との連結箇所と同様な構成であってもよい。
【0009】
また、当該乗物用シートは、以下の構成であってもよい。
【0010】
すなわち、第3接合部(W3a、W3b)は、第1サイドフレーム(31)の側面のうち第2サイドフレーム(32)と反対側の側面(31A)にて当該第1サイドフレーム(31)に接合されていることが望ましい。
【0011】
これにより、当該乗物用シートの製造者は、例えば、第1サイドフレーム(31)と連結部材(33A)との接合工程と第3接合部(W3a、W3b)の接合工程とを連続的に施工することが可能となる。したがって、接合工数の大幅な増大を抑制でき得る。
【0012】
さらに、第3接合部は、第1連結パイプ33Aに対してシート前方側に位置する接合部(W3a)、及び第1連結パイプ33Aに対してシート後方側に位置する接合部(W3b)を有することが望ましい。これにより、第1サイドフレーム31と第1連結パイプ33Aとの連結箇所が強固に補強された構造となる。
【0013】
なお、補強ブラケット(34)には、乗物に直接的又は間接的に連結される連結部(34A)が設けられていることが望ましい。これにより、補強機能と連結機能とが、同一のブラケットにて実現され得る。
【0014】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施形態に係る乗物用シートを示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る乗物用シートのタンブル状態を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係るクッションフレームの分解図である。
【
図4】第1実施形態に係る第1補強ブラケットを示す図である。
【
図5】第1実施形態に係る第1補強ブラケット、第1サイドフレーム及び第1連結パイプの連結構造を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係る第1補強ブラケット、第1サイドフレーム及び第1連結パイプの連結構造を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係る第1補強ブラケット、第1サイドフレーム及び第1連結パイプの連結構造を示す図である。
【
図8】第2実施形態に係る乗物用シートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0017】
本実施形態は、車両等の乗物に搭載されるシート(以下、乗物用シートという。)に本開示が適用された例である。各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び部材又は部位の形状等を理解し易くするために記載されたものである。
【0018】
したがって、当該乗物用シートは、各図に付された方向に限定されない。各図に示された方向は、本実施形態に係る乗物用シートが車両に組み付けられた状態における方向である。斜線が付された図は、必ずしも断面図を示さない。
【0019】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示された乗物用シートは、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位のうち少なくとも1つを備える。
【0020】
(第1実施形態)
<1.乗物用シートの概要>
乗物用シート1は、
図1に示されるように、シートクッション3を少なくとも備える。シートクッション3は着席者の臀部を支持する。なお、当該乗物用シート1は、シートバック(図示せず。)も備える。シートバックは、シートクッション3の後端側に配置されて着席者の背部を支持する。
【0021】
シートクッション3は、クッションフレーム30及びクッションパッド(図示せず。)等を少なくとも有している。クッションフレーム30は、当該シートクッション3の骨格を構成する。
【0022】
クッションパッドは、ウレタン等の弾性部材である。当該クッションパッドは、少なくともクッションフレーム30の上面に配置される。なお、本実施形態に係る乗物用シート1は、所謂「タンブル機能付きの乗物用シート」である。
【0023】
なお、タンブル機能が実行されると、「シートクッション3の後端側がシート前方側上部に跳ね上がった状態(
図2参照)」となる。このとき、シートバックは、シートクッション3に向かい合うように倒伏した状態となる。
【0024】
<2.クッションフレームの構成>
<2.1 クッションフレームの概要>
クッションフレーム30は、
図3に示されるように、第1サイドフレーム31、第2サイドフレーム32、第1連結パイプ33A、第2連結パイプ33B、連結ワイヤー33C、第1補強ブラケット34及び第2補強ブラケット35等を少なくとも有する。
【0025】
なお、第1サイドフレーム31、第2サイドフレーム32、第1連結パイプ33A、第2連結パイプ33B、連結ワイヤー33C、第1補強ブラケット34及び第2補強ブラケット35は、SPCCやSPHC等の金属製である。
【0026】
本実施形態に係るクッションフレーム30は、ヒンジ機構36、37を介して車両に連結されている。ヒンジ機構36、37は、タンブル機能を実現するための機構であって、車両ボディに直接的又は間接的に固定されている。
【0027】
具体的には、クッションフレーム30は、ヒンジ機構36、37に設けられた回転中心軸36A、37Aを中心に揺動可能である。これにより、乗物用シート1のタンブル機能が実現される。
【0028】
第1サイドフレーム31及び第2サイドフレーム32は、
図1に示されるように、シート前後方向に延びる構造用強度部材である。第2サイドフレーム32は、第1サイドフレーム31に対してシート幅方向にずれた位置に配置されている。
【0029】
第1連結パイプ33A及び第2連結パイプ33Bは、シート幅方向に延びて第1サイドフレーム31と第2サイドフレーム32とを連結する連結部材の一例である。第2連結パイプ33Bは、第1サイドフレーム31の前端側と第2サイドフレーム32の前端側とを連結する。
【0030】
第1連結パイプ33Aは、第2連結パイプ33Bよりシート前後方向に後方側にずれた位置にて第1サイドフレーム31と第2サイドフレーム32とを連結する。具体的には、第1連結パイプ33Aの延び方向一端側は、第1サイドフレーム31をシート幅方向に貫通している。
【0031】
第1連結パイプ33Aの延び方向他端側は、第2サイドフレーム32をシート幅方向に貫通している。そして、第1連結パイプ33Aの延び方向一端側及び他端側それぞれは、各サイドフレーム31、32に溶接にて接合されている。
【0032】
連結ワイヤー33Cは、第1サイドフレーム31の後端側と第2サイドフレーム32の後端側とを連結する。なお、連結ワイヤー33Cは、主にクッションパッドを支持する機能を担う。
【0033】
第1補強ブラケット34は、第1サイドフレーム31と第1連結パイプ33Aとの連結箇所を補強する補強部材である。第2補強ブラケット35は、第2サイドフレーム32と第1連結パイプ33Aとの連結箇所を補強する補強部材である。
【0034】
クッションフレーム30は、連結ワイヤー33Cを除き、概ね、シート幅方向中央に対して対称な構造である。以下の説明は、第1補強ブラケット34を例にした「補強ブラケットの構造、並びに当該補強ブラケットとサイドフレーム及び補強部材との連結構造」の説明である。
【0035】
なお、「補強ブラケット」とは、第1補強ブラケット34及び第2補強ブラケット35のうちいずれか一方の補強ブラケット又は2つの補強ブラケットの総称を意味する。「サイドフレーム」とは、第1サイドフレーム31及び第2サイドフレーム32のうちいずれか一方のサイドフレーム又は2つのサイドフレームの総称を意味する。
【0036】
<2.2 補強ブラケットの構造等>
第1補強ブラケット34は、
図4に示されるように、連結部34A及び少なくとも2つの受け部34B、34C等を有する。連結部34Aは、車両ボディに直接的又は間接的に連結される部位である。
【0037】
なお、本実施形態に係る連結部34Aは、ヒンジ機構36を介して間接的に車両ボディに連結される。具体的には、連結部34Aは、ボルト等の締結具によりヒンジ機構36の可動部に連結固定される。
【0038】
各受け部34B、34Cは、第1連結パイプ33Aに接触して当該第1連結パイプ33Aを下側から支持するようにして、第1連結パイプ33Aに作用する荷重を受ける。このため、各受け部34B、34Cには、第1連結パイプ33Aが嵌り込む半円状の凹部34D、34Eが設けられている。
【0039】
受け部34Bは、連結部34Aのシート幅方向一端側(
図4では、右端側)に設けられている。受け部34Cは、連結部34Aのシート幅方向他端側(
図4では、左端側)に設けられている。このため、第1補強ブラケット34は、シート幅方向に平行な断面において、概ね、C字状又はコ字状に構成されている。
【0040】
本実施形態に係る第1補強ブラケット34は、連結部34A及び受け部34B、34Cが1枚の金属板からプレス加工にて一体成形された一体品である。なお、補強ビード部34F~34Hは、連結部34Aに対する受け部34B、34Cの曲げ剛性を増大させるものであって、当該プレス加工時に成形された部位である。
【0041】
そして、
図5~
図7に示されるように、第1補強ブラケット34には、溶接による接合として第1接合部W1、第2接合部W2及び第3接合部W3a、W3bが少なくとも存在する。
【0042】
第1接合部W1は、第1サイドフレーム31を挟んで一方側(
図5では、第1サイドフレーム31の右側)にて第1連結パイプ33Aに溶接された溶接ビードである。第2接合部W2は、第1サイドフレーム31を挟んで他方側(
図7では、第1サイドフレーム31の左側)にて第1連結パイプ33Aに溶接された溶接ビードである。
【0043】
第3接合部W3a、W3bは、第1サイドフレーム31に溶接された溶接ビードである。当該第3接合部W3a、W3bは、第1サイドフレーム31の側面のうち第2サイドフレーム32と反対側の側面31A(
図6では、第1サイドフレーム31の右側)にて当該第1サイドフレーム31に溶接された部位である。
【0044】
さらに、本実施形態では、少なくとも2箇所の第3接合部W3a、W3bが設けられている。そして、
図6に示されるように、第1の第3接合部W3aは、第1連結パイプ33Aに対してシート前方側に設けられている。第2の第3接合部W3bは、第1連結パイプ33Aに対してシート後方側に設けられている。
【0045】
<3.本実施形態に係る乗物用シート(特に、クッションフレーム)の特徴>
第1補強ブラケット34には、第1サイドフレーム31を挟んで一方側にて第1連結パイプ33Aに接合された第1接合部W1、当該第1サイドフレーム31を挟んで他方側にて第1連結パイプ33Aに接合された第2接合部W2、及び当該第1サイドフレーム31に接合された第3接合部W3a、W3bが設けられている。
【0046】
なお、本実施形態では、第2サイドフレーム32と第1連結パイプ33Aとの連結箇所も第1サイドフレーム31と第1連結パイプ33Aとの連結箇所と同様な構成である。
【0047】
これにより、当該乗物用シート1では、第1サイドフレーム31と第1連結パイプ33Aとの連結箇所が強固に補強された構造となる。第2サイドフレーム32と第1連結パイプ33Aとの連結箇所も強固に補強された構造となる。延いては、クッションフレーム30の剛性が向上する。
【0048】
第3接合部W3a、W3bは、第1サイドフレーム31の側面のうち第2サイドフレーム32と反対側の側面31Aにて当該第1サイドフレーム31に接合されている。
【0049】
これにより、当該乗物用シート1の製造者は、例えば、第1サイドフレーム31と第1連結パイプ33Aとの溶接工程と第3接合部W3a、W3bの溶接工程とを連続的に施工することが可能となる。したがって、溶接工数の大幅な増大を抑制でき得る。
【0050】
なお、第2補強ブラケット35に係る第3接合部も第1補強ブラケット34に係る第3接合部W3a、W3bと同様な構成である。このため、第2サイドフレーム32と第1連結パイプ33Aとの溶接工程と第3接合部の溶接工程とを連続的に施工できる。
【0051】
第3接合部は、第1連結パイプ33Aに対してシート前方側に位置する接合部W3a、及び第1連結パイプ33Aに対してシート後方側に位置する接合部W3bにて構成されている。これにより、第1サイドフレーム31と第1連結パイプ33Aとの連結箇所が強固に補強された構造となる。
【0052】
なお、第2サイドフレーム32と第1連結パイプ33Aとの連結箇所も第1サイドフレーム31と第1連結パイプ33Aとの連結箇所と同様な構成であるので、当該連結箇所が強固に補強された構造となる。
【0053】
(第2実施形態)
上述の実施形態に係る連結部34Aは、ヒンジ機構36を介して間接的に車両ボディに連結されていた。これに対して、本実施形態に係る連結部34A、つまり第1補強ブラケット34及び第2補強ブラケット35それぞれは、
図8に示されるように、スライド装置40を介して間接的に車両ボディに連結される。
【0054】
各スライド装置40は、車両ボディに対して固定される固定レール41、及び当該固定レール41に対してスライド可能な可動レール42等を少なくとも有して構成されている。第1補強ブラケット34及び第2補強ブラケット35それぞれの連結部34Aは、各可動レール42に連結固定されている。
【0055】
なお、上記の説明は、上述の実施形態との相違点に関する説明である。このため、上述の実施形態と同一の構成要件等は、上述の実施形態と同一の符号が付され、重複する説明は省略されている。
【0056】
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係る各接合部は溶接にて接合されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、接着剤にて各接合部が接合された構成、又は溶接による接合と接着剤による接合とが混在した構成であってもよい。
【0057】
上述の実施形態では、シート左側のサイドフレームを第1サイドフレームとし、シート右側のサイドフレームを第2サイドフレームとして説明した。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、シート右側のサイドフレームを第1サイドフレームとし、シート左側のサイドフレームを第1サイドフレームとしてもよい。
【0058】
上述の実施形態に係るクッションフレーム30は、連結ワイヤー33Cを除き、概ね、シート幅方向中央に対して対称な構造であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、シート幅方一方側又は他方側の補強ブラケットのみ上述の実施形態と同様な構成であってもよい。
【0059】
上述の実施形態に係る第3接合部W3a、W3bは、第1サイドフレーム31の側面のうち第2サイドフレーム32と反対側の側面にて当該第1サイドフレーム31に溶接されていた。
【0060】
しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、第3接合部W3a、W3bが第1サイドフレーム31の側面のうち第2サイドフレーム32と同一側の側面にて当該第1サイドフレーム31に溶接された構成であってもよい。
【0061】
上述の実施形態では、第1の第3接合部W3aは、第1連結パイプ33Aに対してシート前方側に設けられ、かつ、第2の第3接合部W3bは、第1連結パイプ33Aに対してシート後方側に設けられていた。
【0062】
しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、2つの第3接合部W3a、W3bが共に第1連結パイプ33Aに対してシート前方側又はシート後方側に設けられた構成、又は第3接合部W3a、W3bのうちいずれか一方が廃止された構成であってもよい。
【0063】
上述の実施形態に係る補強ブラケットは、連結部及び受け部が1枚の金属板からプレス加工にて一体成形されたC字状又はコ字状の一体品であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、鋳造にて一体成形された補強ブラケットであってもよい。
【0064】
上述の実施形態に係る乗物用シートは、第1補強ブラケット34及び第2補強ブラケット35が間接的に車両ボディに連結される構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、第1補強ブラケット34及び第2補強ブラケット35が直接的に車両ボディに連結される構成でもよい。
【0065】
上述の実施形態では、車両に本開示に係る乗物用シートを適用した。しかし、本明細書に開示された発明の適用はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、鉄道車両、船舶及び航空機等の乗物に用いられるシート、並びに劇場や家庭用等に用いられる据え置き型シートにも適用できる。
【0066】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0067】
1… 乗物用シート
3… シートクッション
30… クッションフレーム
31… 第1サイドフレーム
32… 第2サイドフレーム
33A… 第1連結パイプ
33B… 第2連結パイプ
34… 第1補強ブラケット
35… 第2補強ブラケット
36… ヒンジ機構
W1… 第1接合部
W2… 第2接合部
W3a、W3b… 第3接合部