(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108686
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
F24F 11/54 20180101AFI20240805BHJP
F24F 11/64 20180101ALI20240805BHJP
F24F 11/80 20180101ALI20240805BHJP
【FI】
F24F11/54
F24F11/64
F24F11/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013182
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】593063161
【氏名又は名称】株式会社NTTファシリティーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】中満 達也
(72)【発明者】
【氏名】福光 超
(72)【発明者】
【氏名】笹倉 康佑
(72)【発明者】
【氏名】河野 千怜
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA33
3L260BA73
3L260CA04
3L260EA22
3L260EA28
3L260FA03
3L260GA01
(57)【要約】
【課題】 設定器までの移動および操作の煩わしさの抑制、在館者の意図しない設定調整の抑制、および、空調装置の制御と紐づいた所定の動作を在館者が記憶することなく空調装置の制御可能とする制御装置を提供する。
【解決手段】 カード700を含む画像を撮影するカメラ部301から画像情報を取得する取得部101と、カード700の形態に関する情報に基づいて、カード700の面の法線を回転中心とした位相に基づいて在館者の温冷感を推定するために機械学習を行った学習済の学習モデルに、取得部101が取得した画像情報を入力することで温冷感を推定する推定部109と、推定部109により推定された在館者の温冷感に基づいて、空調装置500の制御に用いられる第1設定値を求める際に用いられる第2設定値であって在館者の温冷感に基づく前記第2設定値を変更する算出部110と、が設けられたことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調装置を制御する制御装置であって、
板状のカードを含む画像を撮影するカメラ部から画像情報を取得する取得部と、
前記板状のカードの形態に関する情報に基づいて、前記カードの面の法線を回転中心とした位相に基づいて在館者の温冷感を推定するために機械学習を行った学習済の学習モデルに、前記取得部が取得した前記画像情報を入力することで前記在館者の温冷感を推定する推定部と、
前記推定部により推定された前記在館者の温冷感に基づいて、前記空調装置の制御に用いられる第1設定値を求める際に用いられる第2設定値であって前記在館者の温冷感に基づく前記第2設定値を変更する算出部と、
が設けられたことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記学習モデルは前記位相を前記カードの面の形状に基づいて、前記在館者の温冷感を推定するために機械学習を行った学習済の前記学習モデルであって、
前記推定部は、前記カードの面の形状を含む前記画像情報を前記学習モデルに入力することで前記在館者の温冷感を推定することを特徴とする請求項1に記載された制御装置。
【請求項3】
前記学習モデルは前記位相を前記カードの面に描かれた図形に基づいて、前記在館者の温冷感を推定するために機械学習を行った学習済の前記学習モデルであって、
前記推定部は、前記カードの面に描かれた図形を含む前記画像情報を前記学習モデルに入力することで前記在館者の温冷感を推定することを特徴とする請求項1に記載された制御装置。
【請求項4】
前記学習モデルは前記位相を前記カードの面に付された色彩の組み合わせに基づいて、前記在館者の温冷感を推定するために機械学習を行った学習済の前記学習モデルであって、
前記推定部は、前記カードの面に付された色彩の組み合わせを含む前記画像情報を前記学習モデルに入力することで前記在館者の温冷感を推定することを特徴とする請求項1に記載された制御装置。
【請求項5】
前記学習モデルは前記位相を前記カードの面に描かれた前記図形の位置、および、前記カードの面に付された前記色彩の位置の少なくとも一つに基づいて、前記在館者の温冷感を推定するために機械学習を行った学習済の前記学習モデルであって、
前記推定部は、前記カードの面に描かれた前記図形の位置、および、前記カードの面に付された前記色彩の位置の少なくとも一つが含まれた前記画像情報を前記学習モデルに入力することで前記在館者の温冷感を推定することを特徴とする請求項1に記載された制御装置。
【請求項6】
前記カードの面に付された前記色彩の組み合わせが、グラデーションであることを特徴とする請求項3および請求項4に記載された制御装置。
【請求項7】
前記カードの面に描かれた前記図形、および、前記カードの面に付された前記色彩が、温度により色が変化する感温インキで描かれたことを特徴とする請求項3および請求項4に記載された制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスに設けられた空調装置を設定調整する方法として、共用部である壁面に取り付けられた設定器を用いて設定調整する方法が知られている。共用部である壁面に設定器を取り付けることで、在館者の誰でも設定調整できるようにすることができる。
【0003】
また、上述の設定調整する方法の他に、カメラに向かって予め定めた所定の動作を行うことで、設定器と離れた自席から空調装置を設定調整する方法(例えば、特許文献1参照。)や、カメラ画像を用いて在館者の着衣量や活動量を把握し、着衣量や活動量に基づいて空調装置を自動で設定調整する方法も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような、壁面に取り付けられた設定器で設定調整する場合には、設定器までの移動や操作が煩わしく、また、特定の在館者によって設定調整される場合は、調整頻度が少なくなりがちで、無駄な空調コストが発生するといった問題があった。
【0006】
また上述のように、カメラに向かって予め定めた所定の動作を行うことで、空調装置を設定調整する場合には、在館者は意図しないうちに、予め定めた所定の動作および着衣を変化させる動作を行い、その動作をカメラおよびカメラ画像に把握されることがある。その場合、在館者が意図していない設定調整が行われるといった問題があった。
【0007】
さらに、カメラに向かって予め定めた所定の動作を行うことで、空調装置を設定調整する場合には、在館者が空調装置の制御と紐づいた所定の動作を記憶する必要があり、記憶できていない場合は操作できないという問題があった。
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、設定器までの移動および操作の煩わしさの抑制、在館者の意図しない設定調整の抑制、および、空調装置の制御と紐づいた所定の動作を在館者が記憶することなく空調装置の制御可能とする制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の一態様に係る制御装置は空調装置を制御する制御装置であって、板状のカードを含む画像を撮影するカメラ部から画像情報を取得する取得部と、前記板状のカードの形態に関する情報に基づいて、前記カードの面の法線を回転中心とした位相に基づいて在館者の温冷感を推定するために機械学習を行った学習済の学習モデルに、前記取得部が取得した前記画像情報を入力することで前記在館者の温冷感を推定する推定部と、前記推定部により推定された前記在館者の温冷感に基づいて、前記空調装置の制御に用いられる第1設定値を求める際に用いられる第2設定値であって前記在館者の温冷感に基づく前記第2設定値を変更する算出部と、が設けられたことを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様に係る制御装置によれば、カードの面の法線を回転中心とした位相に基づいて、在館者の温冷感が推定され、推定された在館者の温冷感に基づいて、第2設定値が変更される。言い換えると取得部が取得した画像情報にカードが含まれていない場合には、空調装置の設定が誤って変更されることがない。
【0011】
上記発明の一態様においては、前記学習モデルは前記位相を前記カードの面の形状に基づいて、前記在館者の温冷感を推定するために機械学習を行った学習済の前記学習モデルであって、前記推定部は、前記カードの面の形状を含む前記画像情報を前記学習モデルに入力することで前記在館者の温冷感を推定することが好ましい。
【0012】
このように、カードの面の形状により位相が識別される画像情報に基づいて、在館者の温冷感が推定されることにより、在館者の温冷感が誤って推定されにくくなる。
カードの面の形状とは、カード本体の面の形状のことであり、外形のことである。後述するカードの面に描かれた図形とは、カードに描かれた図形のことである点において異なる。なおカードの面の形状としては、180°回転した後の図形が回転前の図形に重なる2回回転対称な図形が好ましい。例えば、2回回転対称な図形にはひし形や長方形などの矩形が含まれる。
【0013】
上記発明の一態様においては、前記学習モデルは前記位相を前記カードの面に描かれた図形に基づいて、前記在館者の温冷感を推定するために機械学習を行った学習済の前記学習モデルであって、前記推定部は、前記カードの面に描かれた図形を含む前記画像情報を前記学習モデルに入力することで前記在館者の温冷感を推定することが好ましい。
【0014】
このように、カードの面に描かれた図形により位相が識別される画像情報に基づいて、在館者の温冷感が推定されることにより、在館者の温冷感が誤って推定されにくくなる。
カードの面に描かれた図形とは、カードに描かれた図形のことである。上述のカードの面の形状とは、カードの外形であることである点において異なる。なおカードの面に描かれた図形とは、90°回転した後の図形が回転前の図形に重なる4回回転対称な図形以外が好ましい。4回回転対称な図形以外の図形には矢印や正三角形や長方形やひし形が含まれる。
【0015】
上記発明の一態様においては、前記学習モデルは前記位相を前記カードの面に付された色彩の組み合わせに基づいて、前記在館者の温冷感を推定するために機械学習を行った学習済の前記学習モデルであって、前記推定部は、前記カードの面に付された色彩の組み合わせを含む前記画像情報を前記学習モデルに入力することで前記在館者の温冷感を推定することが好ましい。
【0016】
このように、カードの面に付された色彩の組み合わせにより位相が識別される画像情報に基づいて、在館者の温冷感が推定されることにより、在館者の温冷感が誤って推定されにくくなる。
【0017】
なお、カードの面に付された色彩の組み合わせとは、カード本体の面の色彩およびカード本体の面の色彩と異なる色彩の組み合わせのことである。例えば、カード本体の面の色彩が赤色の場合に、カードの面に白色が付されることが含まれる。
【0018】
上記発明の一態様においては、前記学習モデルは前記位相を前記カードの面に描かれた前記図形の位置、および、前記カードの面に付された前記色彩の位置の少なくとも一つに基づいて、前記在館者の温冷感を推定するために機械学習を行った学習済の前記学習モデルであって、前記推定部は、前記カードの面に描かれた前記図形の位置、および、前記カードの面に付された前記色彩の位置の少なくとも一つが含まれた前記画像情報を前記学習モデルに入力することで前記在館者の温冷感を推定することが好ましい。
【0019】
このように、カードの面に描かれた図形の位置、および、カードの面に付された色彩の位置の少なくとも一つにより位相が識別される画像情報に基づいて、在館者の温冷感が推定されることにより、在館者の温冷感が誤って推定されにくくなる。
【0020】
なおカードの面に描かれた図形の位置、および、カードの面に付された色彩の位置としては、カードの面の周辺部に配置されることが好ましい。言い換えると、カードに描かれた図形および付された色彩は、カードの面の中心部には配置されない。
【0021】
上記発明の一態様においては、前記カードの面に付された前記色彩の組み合わせが、グラデーションであることが好ましい。
このように、カードの面にグラデーションが付されることによって、カードの位相を識別される画像情報に基づいて、在館者の温冷感が誤って推定されにくくなる。
【0022】
上記発明の一態様においては、前記カードの面に描かれた前記図形、および、前記カードの面に付された前記色彩が、温度により色が変化する感温インキで描かれたことが好ましい。
【0023】
このように、感温インキを用いて図形が描かれること、および、感温インキを用いて色彩が付されることにより、空調装置の制御対象である室内の温度に基づいて感温インキを用いて描かれた図形の色彩、および、感温インキを用いて付された色彩が変化する。温度により色彩が変化することにより、在館者の温冷感が誤って推定されにくくなる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の制御装置によれば、カードの面の法線を回転中心としたカードの位相に基づいて空調装置の設定値を変更するため、設定器までの移動および操作の煩わしさの抑制、在館者の意図しない設定調整の抑制、および、空調装置の制御と紐づいた所定の動作を在館者が記憶することなく空調装置の制御可能とする効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】第1実施形態の制御装置の構成を説明するブロック図である。
【
図2】目標設定部が算出した設定値に基づいて、空調装置の設定を変更する処理を説明するフローチャートである。
【
図3】算出部が算出した設定値に基づいて、空調装置の設定を変更する処理を説明するフローチャートである。
【
図4】第1実施形態のカードの位相を説明する模式図である。
【
図5】第1実施形態のカードの位相を説明する模式図である。
【
図6】カードの位相の範囲を説明する模式図である。
【
図7】第2実施形態の制御装置が空調機の設定の設定を変更する処理を説明するフローチャートである。
【
図8】第2実施形態のカードの位相を説明する模式図である。
【
図9】第2実施形態のカードの位相を説明する模式図である。
【
図10】第2実施形態のカードの位相を説明する模式図である。
【
図11】第2実施形態のカードの位相を説明する模式図である。
【
図12】第3実施形態の制御装置が空調機の設定の設定を変更する処理を説明するフローチャートである。
【
図13】第3実施形態のカードの位相を説明する模式図である。
【
図14】第3実施形態のカードの位相を説明する模式図である。
【
図15】第3実施形態のカードの位相を説明する模式図である。
【
図16】第3実施形態のカードの位相を説明する模式図である。
【
図17】第4実施形態の制御装置が空調機の設定の設定を変更する処理を説明するフローチャートである。
【
図18】第4実施形態のカードの位相を説明する模式図である。
【
図19】第4実施形態のカードの位相を説明する模式図である。
【
図20】第4実施形態のカードの位相を説明する模式図である。
【
図21】第4実施形態のカードの位相を説明する模式図である。
【
図22】第5実施形態の制御装置が空調機の設定の設定を変更する処理を説明するフローチャートである。
【
図23】カードのグラデーションを説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔第1の実施形態〕
この発明の第1の実施形態に係る制御装置100について説明する。本実施形態の制御装置100は、建物に設置された空調装置500を操作するための装置である。
【0027】
空調装置500は、建物の室内の空気を吸入して冷却し、冷却した空気を建物の室内に供給する構成を有する。具体的には、図示しない室外機との間で冷媒を循環させることにより空気と冷媒との間で熱交換を行い、空気を冷却する構成を有する。室外機は、空気から熱を奪った冷媒が熱を外気に放出する構成を有する。
【0028】
空調装置500には、熱交換により吸入した空気を冷却する熱交換部(図示しない。)と、熱交換した空気を送り出す空調機ファン(図示しない。)と、が設けられている。熱交換部や空調機ファンは、公知の構成を有するものが使用される。
【0029】
空調装置500は、オフィスに設置されていることが好ましい。なお、空調装置500はオフィス以外の建築物に設置されてもよい。例えば、住宅や学校の教室に設置されてもよい。また、空調装置500は建築物以外の交通手段などに設置されてもよい。
【0030】
制御装置100は、
図1に示すように、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するサーバやコンピュータ等の情報処理装置である。制御装置100は、複数の空調装置500と、情報通信可能に接続されている。制御装置100に、接続される空調装置500の台数は1台でもよいし、複数台でもよい。
【0031】
制御装置100は、ROM等には、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェースを協働させて、少なくとも取得部101、記憶部102、着衣量演算部103、代謝量演算部104、選定部105、第1演算部106、第2演算部107、目標設定部108、推定部109、算出部110、画像判定部111、識別部112、および、制御部113として機能させるプログラムが記憶されている。
【0032】
取得部101は、後述する撮影装置300と撮影した画像情報を通信取得可能に接続されている。取得部101は、環境情報、および、撮影装置300が撮影した在館者を含む画像情報を取得する機能を有する。
【0033】
環境情報とは、制御対象であるオフィスの室内温度、湿度、気流速度、および、放射温度が含まれた情報のことである。室内温度と湿度の取得には、温湿度計を用いてもよい。気流速度の取得には、風速計を用いてもよい。放射温度の測定には放射温度計を用いてもよい。なお、各環境情報の取得手段には、公知の技術を用いてもよい。
【0034】
在館者を含む画像情報には、在館者の温冷感および温冷感の度合を推定するための情報が含まれることが好ましい。具体的には、カード700が画像情報に含まれることが好ましい。更に画像情報に含まれるカード700の画像は、カード700の面の法線を回転中心とした位相(以後、カード700の位相とも記載する。)が識別可能であることが好ましい。
【0035】
カード700は在館者が温冷感を示すために用いる板状の物体であり、言い換えると、在館者の温冷感と紐づけられた物体である。在館者がカード700を用いて温冷感を示す方法は後述する。
【0036】
なお、本実施形態では
図4と
図5に示すように、カード700の面の形状が長方形である例に適用して説明する。なお、カード700の面の形状は、長方形であってもよいし、位相を識別できる菱形などの他の形状であってもよい。
【0037】
また、本実施形態でカード700の一方の面が赤色、他方の面が青色に着色されている例に適用して説明する。例えば、暑いと感じる場合には赤色のカード700の面を表示し、寒いと感じる場合には青色のカード700の面を表示する。
【0038】
なお、カード700に着色する色は、青色および赤色であってもよいし、互いに識別可能な他の色の組み合わせであってもよい。さらに、上述のように1枚のカード700の一方の面が赤色、他方の面が青色に着色してもよいし、2枚のカード700をそれぞれ青色および赤色に着色してもよい。なお、カード700に着色される色は、感温インキを用いてもよい。
【0039】
カード700の位相は在館者が温冷感の度合を示す指標であり、言い換えると、在館者の温冷感の度合と紐づけられた物体である。在館者がカード700の位相を用いて温冷感の度合を示す方法は後述する。
【0040】
着衣量とは、在館者の着衣している服の種類や枚数を示したパラメータである。例えば、在館者の着衣している衣服の袖の長さと上着の枚数を示す。
活動量とは、在館者の運動強度に関するパラメータのことであり、就寝時の運動量を基準にして様々な運動量を数値化したパラメータのことである。例えば、安静に座ったままの時は1METとなり、平地を普通に歩いているときは、4METsとなる。このMETの数字が大きくなるほど、活動量が多いことを示している。
【0041】
表面温度情報とは、在館者の外表面の温度の情報である。表面温度情報の取得手段には、後述する撮影装置300に含まれるカメラ部301をサーモカメラ等の公知の技術を用いてもよい。
【0042】
記憶部102は、情報記憶媒体であって、在館者の温冷感を推定するための情報を記憶する機能を有する。記憶される情報には、取得部101が取得した情報、後述する選定部105が選定した代表者の情報、後述する第1演算部106が算出するPMV値、後述する第2演算部107が算出する平均PMV値、後述する推定部109が推定した在館者の温冷感、後述するカード700の法線に基づいて重み付け係数が付された在館者の温冷感を推定するための学習モデル、後述する着衣量演算部103が着衣量を求めるために予め登録された情報、および、後述する代謝量演算部104が活動量を求めるための情報が含まれていることが好ましい。記憶部102はSDメモリーカード700などのフラッシュメモリであってもよいし、その他の形式の記録媒体であってもよい。
【0043】
着衣量演算部103は、取得部101が取得した在館者の着衣量の画像情報に基づいて、在館者の着衣量を求める機能を有する。なお、画像情報に複数の在館者が含まれる場合は、着衣量演算部103は在館者一人ごとに着衣量を求めることができる。着衣量演算部103における具体的な演算内容は後述する。
【0044】
代謝量演算部104は、取得部101が取得した在館者の表面温度情報に基づいて、在館者の表面温度を求めて、この在館者の表面温度に基づいて活動量を求める機能を有する。なお、画像情報に複数の在館者が含まれる場合は、代謝量演算部104は在館者一人ごとに活動量を求めることができる。
【0045】
選定部105は、取得部101が取得した画像情報に含まれる在館者の中から代表者を選定する機能を有する。選定部105における具体的な選定内容は後述する。
第1演算部106は、空調装置500の制御に用いられる第1設定値を求める際に用いられる第2設定値であって、在館者の温冷感に基づく第2設定値を変更する機能を有する。なお、本実施形態では、第1設定値は、空調装置500の設定値を具体例として説明し、第2設定値はPMV値を具体例として説明する。
【0046】
PMV値とは、温度、湿度、放射温度、気流速度、着衣量、および、活動量の6つの要素を変数とした快適方程式により算出されるパラメータのことである。なお、PMV値は、-3(寒い)~+3(暑い)の範囲をとるが、PMV値=0の場合、統計的に約95%の人が快適と感じ、PMV値が+0.5~-0.5の場合、統計的に約90%の人が快適と感じる。このPMV値が所定の範囲内で収まるように、空調を制御することが好ましい。
【0047】
言い換えると、第1演算部106は、取得部101が取得した室内温度、湿度、気流速度、放射温度、代表者の着衣量、および、代表者の表面温度情報に基づいて、快適方程式を用いて選定部105が選定した代表者のPMV値を算出する機能を有する。
【0048】
第2演算部107は、第1演算部106が繰り返し算出した複数のPMV値の平均PMV値を所定の時間ごとに算出する機能を有する。選定部105における具体的な演算内容は後述する。
【0049】
目標設定部108は、第2演算部107が算出した平均PMV値に基づいて、空調装置500の設定値を変更する信号を発信する機能を有する。言い換えると、目標設定部108は、制御装置100とは離れた位置に設置される空調装置500の設定値を変更する信号を発信できる。信号を発信する手段は、公知の技術を用いてもよい。
【0050】
算出部110は、後述する推定部109が推定した在館者の温冷感と温冷感の度合に基づいて、目標設定部108が変更した空調装置500の設定を変更する信号を後述する制御部113に発信する機能を有する。言い換えると、算出部110は、制御装置100とは離れた位置に設置される空調装置500の設定値を変更する信号を発信できる。信号を発信する手段は、公知の技術を用いてもよい。
【0051】
画像判定部111は記憶部102に記憶された画像情報に、
図4と
図5に示すように、カード700およびカード700の位相が含まれているか判定する機能を有する。画像判定部111における具体的な判定する処理として、公知の判定処理を用いることができる。
【0052】
識別部112は記憶部102に記憶された画像情報に含まれたカード700の位相を識別する機能を有する。識別部112における具体的な判定する処理として、公知の判定処理を用いることができる。
【0053】
推定部109は学習モデルに、取得部101が取得したカード700およびカード700の位相が含まれた画像情報を入力することで、在館者の温冷感および温冷感の度合を推定する機能を有する。
【0054】
学習モデルとは、カード700およびカード700の位相が表示された場合に、在館者の温冷感および温冷感の度合を推定する機械学習を行った学習モデルである。機械学習は公知の学習方法を用いることができる。
【0055】
制御部113は、算出部110が発信した空調装置500の設定を変更する信号を受信する。算出部110の発信した信号に基づいて、制御部113は空調装置500の設定を変更する機能を有する。信号を受信する手段は、公知の技術を用いてもよい。
【0056】
撮影装置300は、建物内に設置され、在館者を撮影する装置である。撮影装置300は、カメラ部301と通信部302を有する。なお、撮影装置300は建物内にある既存のカメラ機能を有するカメラを用いてもよいし、制御装置100に組み込まれてもよいし、独立して構成されてもよい。本実施形態では、撮影装置300は制御装置100と独立して構成されている場合について説明する。
【0057】
カメラ部301は、在館者を含む建物内を撮影する機能およびその撮影した在館者の表面温度を撮影する機能を有する。カメラ部301は公知の撮影方法を用いることができる。
【0058】
通信部302は、カメラ部301が撮影した画像情報を、制御装置100の取得部101に通信する機能を有する。通信する手段は、公知の技術を用いてもよい。例えば、有線による通信接続でもよいし、無線による通信であってもよい。
【0059】
次に、上記の構成の制御装置100における動作について説明する。第1に、オフィスにおける空調装置500の空気調和について説明し、第2に撮影装置300における動作について説明し、第3に制御装置100における制御について説明し、第4に学習モデルの学習について説明する。
【0060】
まず、空調装置500は、空調ファンを回転させることにより、オフィスの室内の空気を空調装置500の内部に吸入する。吸入する空気は、在館者から熱が放射された空気や、オフィスに設けられた電子機器から排出された空気である。
【0061】
吸入された空気は、熱交換部(図示しない。)において冷却される。具体的には、吸入された空気は、室外機(図示しない。)との間で循環する冷媒に熱を奪われて温度が低下する。熱を奪われた冷媒は室外機において熱を外気に放出する。熱を放出した冷媒は再び熱交換部において吸入された空気の熱を奪う。
【0062】
熱交換部において冷却された空気は、空調機ファン(図示しない。)によってオフィスの室内へ送り出される。オフィスの室内に送り出された空気は、PMV値に基づいて在館者が快適に過ごせる空気調和をおこなう。オフィスの室内に送り出された空気は、再び、空調装置500に吸入される。
【0063】
次に、制御装置100における制御について
図2と
図3を参照して説明する。まず、目標設定部108が空調装置500の設定を変更する制御について、
図2を参照して説明する。
【0064】
制御装置100における制御が開始されると、取得部101は、撮影装置300の通信部302から任意のタイミングで画像情報を取得する(S2)。取得する画像情報は、撮影装置300のカメラ部301が撮影した在館者を含むオフィスの室内の画像情報である。画像情報には、複数の在館者が含まれてもよいし、一人の在館者が含まれてもよい。撮影された画像は、通信部302によって制御装置100の取得部101に送信される。
【0065】
なお取得部101は、画像情報の取得とは別に、環境情報も取得する。環境情報を取得するタイミングは、画像情報の取得と同じタイミングであってもよいし、異なるタイミングであってもよい。
【0066】
取得部101が取得した画像情報と環境情報は、記憶部102に記憶される。また記憶部102には、予め衣服と着衣量を紐づけたデータと運動量と活動量を紐づけたデータが記憶される。記憶部102が記憶した画像情報に基づいて、着衣量演算部103は在館者の着衣量を算出し、代謝量演算部104は在館者の活動量を算出する(S3)。着衣量および活動量は、画像情報に含まれる在館者の全てに対して算出される。
【0067】
具体的には、着衣量演算部103は、画像情報に含まれる在館者の衣服を検出する。衣服が検出されると、着衣量演算部103は記憶部102に記憶された衣服のデータから、検出された衣服と対応する衣服のデータを求める。対応する衣服のデータが求められると、着衣量演算部103は対応する衣服と紐づけされた着衣量を在館者の着衣量として算出する。
【0068】
具体的には、代謝量演算部104は、画像情報に含まれる在館者の運動量を検出する。運動量が検出されると、代謝量演算部104は記憶部102に記憶された運動量のデータから、検出された運動量と対応する運動量のデータを求める。対応する運動量が求められると、代謝量演算部104は対応する運動量と紐づけされた活動量を在館者の着衣量として算出する。
【0069】
選定部105は、記憶部102に記憶された画像情報に含まれる在館者から代表者を選定する(S4)。画像情報に含まれる在館者が一人の場合には、その在館者が代表者として想定される。画像情報に含まれる在館者が複数の場合には、次に説明する通りに選定される。
【0070】
選定部105は、着衣量演算部103により求められた着衣量に基づいて代表者を選定する。具体的には、選定部105は、求められた着衣量に基づいて在館者をグループ分けし、最も多くの在館者が所属するグループから一人の代表者を選定する。一人の代表者を選定する方法は、公知の選定方法を用いることができる。
【0071】
例えば、画像情報に長袖の衣服を着た在館者が三人と半袖の衣服を着た在館者が一人含まれていた場合には、多数グループである長袖の衣服を着た三人の在館者の中から代表者が一人選定される。選定部105によって選定された在館者の着衣量および活動量は、代表者の着衣量および活動量として記憶部102に記憶される(S5)。
【0072】
代表者の着衣量および活動量が記憶されると、第1演算部106はPMV値を求める(S6)。具体的には、記憶部102に記憶された代表者の着衣量、代表者の活動量、画像情報、および、環境情報に基づいて、PMV値を求める。PMV値を求める演算処理の方法は、公知の方法を用いることができる。求められたPMV値は、記憶部102に記憶される。
【0073】
S6の処理が終了すると、予め決められた所定の時間ごとに、S2に戻り上述の処理を再び行う(REの場合)。制御装置100における制御が開始されて最初のS6の処理が終了してから、予め決められた所定の時間よりも長い予め決められた別の所定の時間が経過した場合(GOの場合)には、第2演算部107が平均PMV値を算出する(S7)。また、直近のS7の処理に移行したS6の処理が終了したときから、予め決められた別の所定の時間が経過した場合(GOの場合)にも、S6の処理からS7の処理に移行する。
【0074】
なお本実施形態では、予め決められた所定の時間は10分であり、予め決められた別の所定の時間は30分である例に適用して説明する。なお、予め決められた所定の時間は10分よりも長くてもよいし、短くてもよい。予め決められた別の所定の時間は30分よりも長くてもよいし、短くてもよい。
【0075】
第2演算部107は別の所定の時間の間に記憶部102に記憶された複数のPMV値を取得し、取得した複数のPMV値に基づいて平均PMV値を算出する。平均PMV値は、複数のPMV値を足し合わせた値を、複数のPMV値の数で割った値である。言い換えると、まず10分間ごとに第1演算部106によって算出されたPMV値が、記憶部102に記憶される。第2演算部107は30分に記憶された3つのPMV値に基づいて平均PMV値を算出する。その後は、第1演算部106によって10分間ごとにPMV値が算出されるたびに、第2演算部107は、直近30分間の平均PMV値を算出する。平均PMV値は記憶部102に記憶される。
【0076】
記憶部102に記憶された平均PMV値に基づいて、制御部113は空調装置500の設定を変更する(S8)。具体的には、在館者が暑いと感じる場合には、算出された平均PMV値が、+0.5になるように、空調装置500の設定を変更する。例えば、空調装置500の設定温度を低くする変更を行う。在館者が寒いと感じる場合には、算出された平均PMV値が、-0.5になるように、空調装置500の設定を変更する。例えば、空調装置500の設定温度を高くする変更を行う。空調装置500の設定が変更された後は、再びS2に戻り上述の処理を繰り返し行う。
【0077】
次に算出部110が空調装置500の設定を変更する制御について、
図3を参照して説明する。なお、取得部101が画像情報を取得する処理と撮影装置300の処理に関しては、
図2で示す目標設定部108が空調装置500の設定を変更する制御と同様ため説明を省略する。
【0078】
制御装置100における制御が開始されると、取得部101は撮影装置300の通信部302から任意のタイミングで画像情報を取得する(S11)。取得部101が取得した画像情報は、記憶部102に記憶される。
【0079】
記憶部102に記憶された画像情報にカード700が含まれているか、画像判定部111は判定する処理を行う(S12)。カード700が含まれていた場合(YESの場合)には、S11の処理にて記憶部102に記憶された画像情報に含まれるカード700の位相を、識別部112は識別する処理を行う(S13)。
【0080】
具体的には、
図4と
図5とで示すように、画像情報に含まれる長方形のカード700の長辺が横向きかつ短辺が縦向き(以後、横向きとも記載する。)であるか、または、長方形のカード700の長辺が縦向きかつ短辺が横向き(以後、縦向きとも記載する。)であるかを、識別部112は識別する。なお、識別部112は上述のカード700の2種類の位相の他に、別の位相を識別してもよい。言い換えると、識別部112はカード700が横向きか縦向きかの少なくとも二種類以上の位相を識別する。
【0081】
図6に示すように、横向きとはカード700の長辺が延びる方向(長方形のカード700における長軸方向とも記載する。)が+45°から-45°の角度範囲に収まる場合である。縦向きとは、カード700の長辺が延びる方向(長方形のカード700における短軸方向とも記載する。)が+45°から+135°の角度範囲に収まる場合である。
【0082】
ここで、角度は水平方向が0°であり、0°から半時計回り方向に向かって角度の値が増える。また、カード700の長辺が延びる方向が+45°と一致する場合や、-45°と一致する場合は、横向きにも縦向きにも該当しない。
【0083】
S12の処理において、カード700が含まれてない場合(NOの場合)には、再びS11の処理に戻り上述の処理を繰り返し行う。S13の処理が終了すると、推定部109はカード700に基づいて在館者の温冷感を推定し、カード700の位相に基づいて在館者の温冷感の度合を推定する(S14)。具体的には、推定部109はS11の処理にて記憶部102に記憶された画像情報を学習モデルに入力して、在館者の温冷感および温冷感の度合を推定する処理を行う。
【0084】
温冷感の度合は、重み付け係数に関連する。例えば、重み付け係数の値が大きくなるに伴い、温冷感の度合いが大きくなる。言い換えると、重み付け係数の値が大きくなるに伴い、感じる暑さの程度が大きくなる、または、感じる寒さの程度がより寒くなる。
【0085】
なお本実施形態では、カード700が横向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が小さくなり、カード700が縦向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値は大きくなる例に適用して説明する。なお、カード700が横向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が大きくなり、カード700が縦向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値は小さくなってもよい。
【0086】
学習モデルはカード700およびカード700の位相に基づいて在館者の温冷感および温冷感の度合を、推定する機械学習を行った学習済のモデルである。学習モデルに対する機械学習については後述する。
【0087】
S14の処理において、推定された在館者の温冷感および温冷感の度合は、記憶部102に記憶される。記憶部102に記憶された温冷感および温冷感の度合に基づいて、算出部110はPMV値を変更する(S15)。PMV値を変更する演算処理の方法は、公知の方法を用いることができる。
【0088】
算出部110によって変更されたPMV値は記憶部102に記憶される。記憶部102に記憶されたPMV値に基づいて、制御部113は空調装置500の設定を変更する(S16)。その後、制御装置100はS11に戻り上述の処理を繰り返す。
【0089】
次に学習モデルの機械学習について説明する。
本実施形態では、制御装置100とは異なる情報処理装置において学習モデルの機械学習を行う例に適用して説明する。機械学習が行われた学習モデルは、制御装置100による制御が行われる前に記憶部102に記憶される。
【0090】
また、制御装置100による制御が行われた後に、更に機械学習が行われた学習モデルが記憶部102に記憶されてもよい。この場合、先に記憶された学習モデルが、更に機械学習が行われた学習モデルに置き換えられる。
【0091】
なお、学習モデルの機械学習は、上述のように異なる情報処理装置において行われてもよいし、制御装置100において行われてもよい。制御装置100において機械学習が行われる場合には、制御装置100に機械学習を行う機械学習部200が設けられる。また、異なる情報処理装置において学習モデルの一方に対する機械学習を行い、制御装置100において他方に対する機械学習を行ってもよい。
【0092】
学習モデルの機械学習では、カード700が含まれる画像情報と、在館者の温冷感と、が紐づけされた教師データ(training dataとも表記する。)が用いられる。
【0093】
例えば、赤いカード700が含まれる画像情報に対しては、暑いという温冷感が紐づけられる。青いカード700が含まれる画像情報に対しては、寒いという温冷感が紐づけられる。
【0094】
更に、学習モデルの機械学習では、カード700の位相が含まれる画像情報と、在館者の温冷感の度合と、が紐づけされた教師データが用いられる。
本実施形態では、カード700が横向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が小さくなり、カード700が縦向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値は大きくなる例に適用して説明する。なお、カード700が横向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が大きくなり、カード700が縦向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値は小さくなってもよい。
【0095】
また、上述のカード700と在館者の温冷感とが紐づけられた教師データと、カード700の位相と在館者の温冷感の度合とが紐づけられた教師データはどちらか片方だけ適用してもよいし、両方同時に適用することもできる。
【0096】
なお、学習モデルにおける具体的な機械学習については、公知の教師あり学習を用いることができ、教師あり学習における演算処理の具体的内容を限定するものではない。また、学習モデルの教師データ、および、学習モデルの教師データの作成方法についても、公知の作成方法を用いることができ、具体的な作成方法を限定するものではない。
【0097】
上記の構成の制御装置100によれば、カード700に基づいて在館者の温冷感は推定される。更に、カード700の位相に基づいて在館者の温冷感は推定される。言い換えると、在館者の温冷感および温冷感の度合に基づいて第2設定値を変更する。つまり、画像情報にカード700が検出されない場合には、第2設定値は変更されない。
【0098】
カード700およびカード700の位相に基づいて推定された温冷感および温冷感の度合に基づいて、第2設定値および空調装置500の制御が行われるため、設定器までの移動および操作の煩わしさの抑制、在館者の意図しない設定調整の抑制、および、空調装置500の制御と紐づいた所定の動作を在館者が記憶することなく空調装置500の制御可能とする制御装置100を提供することができる。
【0099】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の制御装置100Aの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、推定部109A、画像判定部111A、および、識別部112Aが異なる。よって、本実施形態においては、第1の実施形態と第2の実施形態と相違する構成のみ説明し、同じ構成の説明は省略する。
【0100】
第2実施形態の制御装置100AのROM等には、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェースを協働させて、少なくとも取得部101、記憶部102、着衣量演算部103、代謝量演算部104、選定部105、第1演算部106、第2演算部107、目標設定部108、推定部109A、算出部110、画像判定部111A、識別部112A、および、制御部113として機能させるプログラムが記憶されている。
【0101】
画像判定部111Aは記憶部102に記憶された画像情報に、カード700Aおよびカード700Aの位相が含まれているか判定する機能を有する。画像判定部111Aにおける具体的な判定する処理として、公知の判定処理を用いることができる。
【0102】
カード700Aは在館者が温冷感を示すために用いる板状の物体であり、言い換えると、在館者の温冷感と紐づけられた物体である。在館者がカード700Aを用いて温冷感を示す方法は後述する。なお、カード700Aの面に付される色は、実施形態1のカード700と同様のため記載を省略する。
【0103】
本実施形態では
図8、
図9、
図10、および、
図11に示すように、カード700Aの面の形状が長方形であり、カード700Aの面に矢印の図形が描かれている例に適用して説明する。なお、カード700Aの面の形状は、長方形であってもよいし、位相を識別できる菱形などの他の形状であってもよい。また、カード700Aの面に描かれた図形の形状は、正三角形であってもよいし、位相を識別できる長方形やひし形などの他の形状であってもよい。
【0104】
識別部112Aは記憶部102に記憶された画像情報に含まれたカード700Aの位相を識別する機能を有する。識別部112Aにおける具体的な判定する処理として、公知の判定処理を用いることができる。
【0105】
推定部109Aは学習モデルAに、取得部101が取得したカード700Aおよびカード700Aの位相が含まれた画像情報を入力することで、在館者の温冷感および温冷感の度合を推定する機能を有する。
【0106】
次に、上記の構成の制御装置100Aにおける動作について
図7を参照して説明する。なお本実施形態においては、第1の実施形態と第2の実施形態と相違する、算出部110が空調装置500の設定を変更する処理のみ説明する。S2からS8の処理およびS11の処理については、第1実施形態と同一であるため説明を省略する。
【0107】
S11の処理が終了すると、記憶部102に記憶された画像情報にカード700Aが含まれているか、画像判定部111Aは判定する処理を行う(S22)。カード700Aが含まれていた場合(YESの場合)には、S11の処理にて記憶部102に記憶された画像情報に含まれるカード700Aの位相を、識別部112Aは識別する処理を行う(S23)。
【0108】
具体的には、画像情報に含まれる長方形のカード700Aが、
図8で示すように、横向き、かつ、カード700Aの面に描かれる矢印の向きが上向きであるか(以後、上向きとも記載する。)、長方形のカード700A、
図9で示すように、が縦向き、かつ、カード700Aの面に描かれる矢印の向きが左向きであるか(以後、左向きとも記載する。)長方形のカード700Aが、
図10で示すように、横向き、かつ、カード700Aの面に描かれる矢印の向きが下向きであるか(以後、下向きとも記載する。)、または、長方形のカード700Aが、
図11で示すように、縦向き、かつ、カード700Aの面に描かれる矢印の向きが右向きであるか(以後、右向きとも記載する。)であるかを、識別部112Aは識別する。
【0109】
上向きとは、カード700Aの長辺が延びる方向が+45°から-45°の角度範囲に収まる場合である。左向きとは、カード700Aの長辺が延びる方向が+45°から+135°の角度範囲に収まる場合である。下向きとは、カード700Aの長辺が延びる方向が+135°から-135°の角度範囲に収まる場合である。右向きとは、カード700Aの長辺が延びる方向が-45°から-135°の角度範囲に収まる場合である。
【0110】
ここで、角度は水平方向が0°であり、0°から半時計回り方向に向かって角度の値が増える。また、カード700Aの長辺が延びる方向が+45°と一致する場合や、-45°と一致する場合は、横向きにも縦向きにも該当しない。
【0111】
なお、識別部112Aは、上述のカード700Aの4種類の位相の他に、別の位相を識別してもよい。言い換えると、識別部112Aは、カード700Aが上向き、左向き、下向き、および、右向き以外の位相を識別してもよい。また、上向き、左向き、下向き、および、右向きの位置の他に別の位相を加えた5種類以上の位相を識別してもよいし、3種類以下の位相を識別してもよい。
【0112】
S22の処理において、カード700Aが含まれてない場合(NOの場合)には、再びS11の処理に戻り上述の処理を繰り返し行う。S23の処理が終了すると、推定部109Aはカード700Aに基づいて在館者の温冷感を推定し、カード700Aの位相に基づいて在館者の温冷感の度合を推定する(S24)。具体的には、推定部109AはS11の処理にて記憶部102に記憶された画像情報を学習モデルAに入力して、在館者の温冷感および温冷感の度合を推定する処理を行う。
【0113】
なお本実施形態では、カード700Aが上向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が一番小さくなり、カード700Aが左向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が二番目に小さくなり、カード700Aが下向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が三番目に小さくなり、カード700Aが右向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が四番目に小さくなる例に適用して説明する。なお、カード700Aの位相と在館者の温冷感の重み付けの関係は上述の例以外でもよい。
【0114】
学習モデルAはカード700Aおよびカード700Aの位相に基づいて在館者の温冷感および温冷感の度合を、推定する機械学習を行った学習済のモデルである。学習モデルAに対する機械学習については後述する。
【0115】
S24の処理の終了後の制御装置100Aの処理については、第1実施形態と同様のため説明を省略する。
次に学習モデルAの機械学習について説明する。
【0116】
本実施形態では、制御装置100Aとは異なる情報処理装置において学習モデルAの機械学習を行う例に適用して説明する。なお、カード700Aの色と紐づけられた在館者の温冷感に関する機械学習は、実施形態1と同様の説明は省略する。
【0117】
学習モデルAの機械学習は、上述のように異なる情報処理装置において行われてもよいし、制御装置100Aにおいて行われてもよい。制御装置100Aにおいて機械学習が行われる場合には、制御装置100Aに機械学習を行う機械学習部200Aが設けられる。また、異なる情報処理装置において学習モデルAの一方に対する機械学習を行い、制御装置100Aにおいて他方に対する機械学習を行ってもよい。
【0118】
また、制御装置100Aによる制御が行われた後に、更に機械学習が行われた学習モデルAが記憶部102に記憶されてもよい。この場合、先に記憶された学習モデルAが、更に機械学習が行われた学習モデルAに置き換えられる。
【0119】
学習モデルAの機械学習では、カード700Aの位相が含まれる画像情報と、在館者の温冷感の度合と、が紐づけされた教師データが用いられる。
本実施形態では、カード700Aが上向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が一番小さくなり、カード700Aが左向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が二番目に小さくなり、カード700Aが下向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が三番目に小さくなり、カード700Aが右向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が四番目に小さくなる例に適用して説明する。なお、上述のカード700Aの位相と在館者の温冷感の重み付け係数の値との関係については、上述の例以外でもよい。
【0120】
また、学習モデルAにおける具体的な機械学習については、公知の教師あり学習を用いることができ、教師あり学習における演算処理の具体的内容を限定するものではない。また、学習モデルAの教師データ、および、学習モデルAの教師データの作成方法についても、公知の作成方法を用いることができ、具体的な作成方法を限定するものではない。
【0121】
このようにカード700Aに矢印の図形を描くことで、制御装置100Aはカード700Aの位相を少なくとも4位相以上識別できる。また、カード700Aの面に描かれた図形により位相が識別される画像情報に基づいて、在館者の温冷感が推定されることにより、在館者の温冷感が誤って推定されにくくなる。
【0122】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態の制御装置100Bの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、推定部109B、画像判定部111B、および、識別部112Bが異なる。よって、本実施形態においては、第1の実施形態と第3の実施形態と相違する構成のみ説明し、同じ構成の説明は省略する。
【0123】
第3実施形態の制御装置100Bには、ROM等には、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェースを協働させて、少なくとも取得部101、記憶部102、着衣量演算部103、代謝量演算部104、選定部105、第1演算部106、第2演算部107、目標設定部108、推定部109B、算出部110、画像判定部111B、識別部112B、および、制御部113として機能させるプログラムが記憶されている。
【0124】
画像判定部111Bは記憶部102に記憶された画像情報に、
図13、
図14、
図15、および、
図16に示すように、カード700Bおよびカード700Bの位相が含まれているか判定する機能を有する。画像判定部111Bにおける具体的な判定する処理として、公知の判定処理を用いることができる。
【0125】
カード700Bは在館者が温冷感を示すために用いる板状の物体であり、言い換えると、在館者の温冷感と紐づけられた物体である。在館者がカード700Bを用いて温冷感を示す方法は後述する。なお、カード700Bの形状に関しては、実施形態1と同様のため説明を省略する。
【0126】
本実施形態では、カード700Bの一方の面が赤色、他方の面が青色に着色されている例に適用して説明する。例えば、暑いと感じる場合には赤色のカード700Bの面を表示し、寒いと感じる場合には青色のカード700Bの面を表示する。
【0127】
なお、カード700Bに着色する色は、青色および赤色であってもよいし、互いに識別可能な他の色の組み合わせであってもよい。さらに、上述のように1枚のカード700Bの一方の面が赤色、他方の面が青色に着色してもよいし、2枚のカード700Bをそれぞれ青色および赤色に着色してもよい。
【0128】
また、カード700Bの赤色の面には、
図13、
図14、
図15、および、
図16に示すように、カード700Bの長辺の真ん中を境界に、白色が付されている例に適用して説明する。言い換えると、カード700Bの長辺の真ん中を境界に、一方の側には赤色であり、他方の側には白色が付されている。なお、白色が付される位置に関しては、カード700Bの赤色の面にどこでもよい。
【0129】
また、カード700Bの青色の面には、カード700Bの長辺の真ん中を境界に、白色が付されている例に適用して説明する。言い換えると、カード700Bの長辺の真ん中を境界に、一方の側には青色であり、他方の側には白色が付されている。なお、白色が付される位置に関しては、カード700Bの青色の面にどこでもよい。
【0130】
識別部112Bは記憶部102に記憶された画像情報に含まれたカード700Bの位相を識別する機能を有する。識別部112Bにおける具体的な判定する処理として、公知の判定処理を用いることができる。
【0131】
推定部109Bは学習モデルBに、取得部101が取得したカード700Bおよびカード700Bの位相が含まれた画像情報を入力することで、在館者の温冷感および温冷感の度合を推定する機能を有する。
【0132】
次に、上記の構成の制御装置100Bにおける動作について、
図12を参照して説明する。なお本実施形態においては、第1の実施形態と第2の実施形態と相違する、算出部110が空調装置500の設定を変更する処理のみ説明する。S2からS8の処理およびS11の処理については、第1実施形態と同一であるため説明を省略する。
【0133】
S11の処理が終了すると、記憶部102に記憶された画像情報にカード700Bが含まれているか、画像判定部111Bは判定する処理を行う(S32)。カード700Bが含まれていた場合(YESの場合)には、S11の処理にて記憶部102に記憶された画像情報に含まれるカード700Bの位相を、識別部112Bは識別する処理を行う(S33)。
【0134】
具体的には、画像情報に含まれる長方形のカード700Bが左向きであるか、長方形のカード700Bが下向きであるか、長方形のカード700Bが右向きであるか、または、長方形のカード700Bが上向きであるかであるかを、識別部112Bは識別する。
【0135】
左向きとは、
図13に示すように、カメラ部301から見てカード700Bの右側に赤色、左側に白色が配色されている状態である。またカード700Bの右側に赤色、左側に白色が配色されている状態を基準に、カード700Bの長辺が延びる方向が+45°から-45°の角度範囲に収まる場合も左向きに含まれる。
【0136】
下向きとは、
図14に示すように、カメラ部301から見てカード700Bの上側に赤色、下側に白色が配色されている状態である。またカード700Bの右側に赤色、左側に白色が配色されている状態を基準に、カード700Bの長辺が延びる方向が+45°から+135°の角度範囲に収まる場合も左向きに含まれる。
【0137】
右向きとは、
図15に示すように、カメラ部301から見てカード700Bの左側に赤色、右側に白色が配色されている状態である。またカード700Bの右側に赤色、左側に白色が配色されている状態を基準に、カード700Bの長辺が延びる方向が+135°から-135°の角度範囲に収まる場合も左向きに含まれる。
【0138】
上向きとは、
図16に示すように、カメラ部301から見てカード700Bの下側に赤色、上側に白色が配色されている状態である。またカード700Bの右側に赤色、左側に白色が配色されている状態を基準に、カード700Bの長辺が延びる方向が-45°から-135の角度範囲に収まる場合も左向きに含まれる。
【0139】
ここで、角度は水平方向が0°であり、0°から半時計回り方向に向かって角度の値が増える。また、カード700Bの長辺が延びる方向が+45°と一致する場合や、-45°と一致する場合や、+135°と一致する場合や、-135°と一致する場合は、左向きにも下向きにも右向きにも上向きにも該当しない。
【0140】
なお、識別部112Bは、上述のカード700Bの4種類の位相の他に、別の位相を識別してもよい。言い換えると、識別部112Bは、カード700Bが左向き、下向き、右向き、および、上向き以外の位相を識別してもよい。また、左向き、下向き、右向き、および、上向きの位置の他に別の位相を加えた5種類以上の位相を識別してもよいし、3種類以下の位相を識別してもよい。
【0141】
S32の処理において、カード700Bが含まれてない場合(NOの場合)には、再びS11の処理に戻り上述の処理を繰り返し行う。S33の処理が終了すると、推定部109Bはカード700Bに基づいて在館者の温冷感を推定し、カード700Bの位相に基づいて在館者の温冷感の度合を推定する(S34)。具体的には、推定部109BはS11の処理にて記憶部102に記憶された画像情報を学習モデルBに入力して、在館者の温冷感および温冷感の度合を推定する処理を行う。
【0142】
なお本実施形態では、カード700Bが左向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が一番小さくなり、カード700Bが下向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が二番目に小さくなり、カード700Bが右向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が三番目に小さくなり、カード700Bが上向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が四番目に小さくなる例に適用して説明する。なお、カード700Bの位相と在館者の温冷感の重み付けの関係は上述の例以外でもよい。
【0143】
学習モデルBはカード700Bおよびカード700Bの位相に基づいて在館者の温冷感および温冷感の度合を、推定する機械学習を行った学習済のモデルである。学習モデルBに対する機械学習については後述する。
【0144】
S34の処理の終了後の制御装置100Bの処理については、第1実施形態と同様のため説明を省略する。
次に学習モデルBの機械学習について説明する。
【0145】
本実施形態では、制御装置100Bとは異なる情報処理装置において学習モデルBの機械学習を行う例に適用して説明する。
学習モデルBの機械学習は、上述のように異なる情報処理装置において行われてもよいし、制御装置100Bにおいて行われてもよい。
【0146】
制御装置100Bにおいて機械学習が行われる場合には、制御装置100Bに機械学習を行う機械学習部200Bが設けられる。また、異なる情報処理装置において学習モデルBの一方に対する機械学習を行い、制御装置100Bにおいて他方に対する機械学習を行ってもよい。
【0147】
また、制御装置100Bによる制御が行われた後に、更に機械学習が行われた学習モデルBが記憶部102に記憶されてもよい。この場合、先に記憶された学習モデルBが、更に機械学習が行われた学習モデルBに置き換えられる。
【0148】
学習モデルの機械学習では、カード700Bが含まれる画像情報と、在館者の温冷感と、が紐づけされた教師データが用いられる。
例えば、赤いカード700Bが含まれる画像情報に対しては、暑いという温冷感が紐づけられる。青いカード700Bが含まれる画像情報に対しては、寒いという温冷感が紐づけられる。
【0149】
更に、学習モデルBの機械学習では、カード700Bの位相が含まれる画像情報と、在館者の温冷感の度合と、が紐づけされた教師データが用いられる。
本実施形態では、カード700Bが左向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が一番小さくなり、カード700Bが下向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値は二番目に小さくなり、カード700Bが右向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が三番目に小さくなり、カード700Bが右向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値は四番目に小さくなる例に適用して説明する。なお、上述のカード700Bの位相と在館者の温冷感の重み付け係数の値との関係については、上述の例以外でもよい。
【0150】
また、学習モデルBにおける具体的な機械学習については、公知の教師あり学習を用いることができ、教師あり学習における演算処理の具体的内容を限定するものではない。また、学習モデルBの教師データ、および、学習モデルBの教師データの作成方法についても、公知の作成方法を用いることができ、具体的な作成方法を限定するものではない。
【0151】
このようにカード700Bに付された色彩の組み合わせにより、制御装置100Bはカード700Bの位相を少なくとも4位相以上識別できる。また、700Bに付された色彩の組み合わせにより位相が識別される画像情報に基づいて、在館者の温冷感が推定されることにより、在館者の温冷感が誤って推定されにくくなる。
【0152】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態の制御装置100Cの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、推定部109C、画像判定部111C、および、識別部112Cが異なる。よって、本実施形態においては、第1の実施形態と第2の実施形態と相違する構成のみ説明し、同じ構成の説明は省略する。
【0153】
第4実施形態の制御装置100CのROM等には、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェースを協働させて、少なくとも取得部101、記憶部102、着衣量演算部103、代謝量演算部104、選定部105、第1演算部106、第2演算部107、目標設定部108、推定部109C、算出部110、画像判定部111C、識別部112C、および、制御部113として機能させるプログラムが記憶されている。
【0154】
画像判定部111Cは記憶部102に記憶された画像情報に、
図18、
図19、
図20、および、
図21に示すように、カード700Cおよびカード700Cの位相が含まれているか判定する機能を有する。画像判定部111Cにおける具体的な判定する処理として、公知の判定処理を用いることができる。
【0155】
カード700Cは在館者が温冷感を示すために用いる板状の物体であり、言い換えると、在館者の温冷感と紐づけられた物体である。在館者がカード700Cを用いて温冷感を示す方法は後述する。なお、カード700Cの面に付される色およびカード700Cの形状については、実施形態1のカード700と同様のため記載を省略する。
【0156】
本実施形態では
図18、
図19、
図20、および、
図21に示すように、カード700Cの面の形状が長方形であり、カード700Cの面の周辺部に円の図形が描かれている例に適用して説明する。なお、カード700Cの面に描かれている図形は、円以外の図形でもよいし、図形の代わりにカード700Cの面の色とは違う色が付されてもよい。
【0157】
周辺部は、カード700Cの面の中心よりも外周に近い領域である。中心部は、カード700Cの外周よりも面の中心に近い領域である。言い換えれば、カード700Cの面の中央が中心部となり、中心部の周囲が周辺部となる。中心部と周辺部の境目は、面の中心に近い位置であってもよいし、外周に近い位置であってもよい。また、中心部と周辺部との間に、どちらにも属さない中間部がってもよい。
【0158】
識別部112Cは記憶部102に記憶された画像情報に含まれたカード700Cの位相を識別する機能を有する。識別部112Cにおける具体的な判定する処理として、公知の判定処理を用いることができる。
【0159】
推定部109Cは学習モデルCに、取得部101が取得したカード700Cおよびカード700Cの位相が含まれた画像情報を入力することで、在館者の温冷感および温冷感の度合を推定する機能を有する。
【0160】
次に、上記の構成の制御装置100Cにおける動作について、
図17を参照して説明する。なお本実施形態においては、第1の実施形態と第4の実施形態と相違する、算出部110が空調装置500の設定を変更する処理のみ説明する。S2からS8の処理およびS11の処理については、第1実施形態と同一であるため説明を省略する。
【0161】
S11の処理が終了すると、記憶部102に記憶された画像情報にカード700Cが含まれているか、画像判定部111Cは判定する処理を行う(S42)。カード700Cが含まれていた場合(YESの場合)には、S11の処理にて記憶部102に記憶された画像情報に含まれるカード700Cの位相を、識別部112Cは識別する処理を行う(S43)。
【0162】
具体的には、画像情報に含まれる長方形のカード700Cが右向きであるか、長方形のカード700Cが上向きであるか、長方形のカード700Cが左向きであるか、または、長方形のカード700Cが下向きであるかであるかを、識別部112Cは識別する。
【0163】
右向きとは、カメラ部301から見てカード700Cの右上に円が配置されている状態である。またカード700Cの右上に円が配置されている状態を基準に、カード700Cの長辺が延びる方向が+45°から-45°の角度範囲に収まる場合も左向きに含まれる。
【0164】
上向きとは、カメラ部301から見てカード700Cの左上に円が配置されている状態である。またカード700Cの右上に円が配置されている状態を基準に、カード700Cの長辺が延びる方向が+45°から+135°の角度範囲に収まる場合も左向きに含まれる。
【0165】
左向きとは、カメラ部301から見てカード700Cの左下に円が配置されている状態である。またカード700Cの右上に円が配置されている状態を基準に、カード700Cの長辺が延びる方向が+135°から-135°の角度範囲に収まる場合も左向きに含まれる。
【0166】
下向きとは、カメラ部301から見てカード700Cの右下に円が配置されている状態である。またカード700Cの右上に円が配置されている状態を基準に、カード700Cの長辺が延びる方向が-45°から-135の角度範囲に収まる場合も左向きに含まれる。
【0167】
ここで、角度は水平方向が0°であり、0°から半時計回り方向に向かって角度の値が増える。また、カード700Cの長辺が延びる方向が+45°と一致する場合や、-45°と一致する場合や、+135°と一致する場合や、-135°と一致する場合は、左向きにも下向きにも右向きにも上向きにも該当しない。
【0168】
なお識別部112Cは、上述のカード700Cの4種類の位相の他に、別の位相を識別してもよい。言い換えると、識別部112Cは、カード700Cが右向き、上向き、左向き、および、下向き以外の位相を識別してもよい。また、右向き、上向き、左向き、および、下向きの位置の他に別の位相を加えた5種類以上の位相を識別してもよいし、3種類以下の位相を識別してもよい。
【0169】
S42の処理において、カード700Cが含まれてない場合(NOの場合)には、再びS11の処理に戻り上述の処理を繰り返し行う。S43の処理が終了すると、推定部109Cはカード700Cに基づいて在館者の温冷感を推定し、カード700Cの位相に基づいて在館者の温冷感の度合を推定する(S44)。具体的には、推定部109CはS11の処理にて記憶部102に記憶された画像情報を学習モデルCに入力して、在館者の温冷感および温冷感の度合を推定する処理を行う。
【0170】
なお本実施形態では、カード700Cが右向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が一番小さくなり、カード700Cが上向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が二番目に小さくなり、カード700Cが左向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が三番目に小さくなり、カード700Cが下向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が四番目に小さくなる例に適用して説明する。なお、カード700Cの位相と在館者の温冷感の重み付けの関係は上述の例以外でもよい。
【0171】
学習モデルCはカード700Cおよびカード700Cの位相に基づいて在館者の温冷感および温冷感の度合を、推定する機械学習を行った学習済のモデルである。学習モデルCに対する機械学習については後述する。
【0172】
S44の処理の終了後の制御装置100Cの処理については、第1実施形態と同様のため説明を省略する。
次に学習モデルCの機械学習について説明する。
【0173】
本実施形態では、制御装置100Cとは異なる情報処理装置において学習モデルCの機械学習を行う例に適用して説明する。なお、カード700Cの色と紐づけられた在館者の温冷感に関する機械学習は、実施形態1と同様の説明は省略する。
【0174】
学習モデルCの機械学習は、上述のように異なる情報処理装置において行われてもよいし、制御装置100Cにおいて行われてもよい。制御装置100Cにおいて機械学習が行われる場合には、制御装置100Cに機械学習を行う機械学習部200Cが設けられる。また、異なる情報処理装置において学習モデルCの一方に対する機械学習を行い、制御装置100Cにおいて他方に対する機械学習を行ってもよい。
【0175】
また、制御装置100Cによる制御が行われた後に、更に機械学習が行われた学習モデルCが記憶部102に記憶されてもよい。この場合、先に記憶された学習モデルCが、更に機械学習が行われた学習モデルCに置き換えられる。
【0176】
学習モデルCの機械学習では、カード700Cの位相が含まれる画像情報と、在館者の温冷感の度合と、が紐づけされた教師データが用いられる。
本実施形態では、カード700Cが右向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が一番小さくなり、カード700Cが上向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が二番目に小さくなり、カード700Cが左向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が三番目に小さくなり、カード700Cが下向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が四番目に小さくなる例に適用して説明する。なお、上述のカード700Cの位相と在館者の温冷感の重み付け係数の値との関係については、上述の例以外でもよい。
【0177】
また、学習モデルCにおける具体的な機械学習については、公知の教師あり学習を用いることができ、教師あり学習における演算処理の具体的内容を限定するものではない。また、学習モデルCの教師データ、および、学習モデルCの教師データの作成方法についても、公知の作成方法を用いることができ、具体的な作成方法を限定するものではない。
【0178】
このようにカード700Cの周辺部に円の図形を描くことで、制御装置100Cはカード700Cの位相を少なくとも4位相以上識別できる。また、カード700Cの面に描かれた円の位置、および、カード700Cの面に付された色彩の位置の少なくとも一つにより位相が識別される画像情報に基づいて、在館者の温冷感が推定されることにより、在館者の温冷感が誤って推定されにくくなる。
【0179】
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態の制御装置100Dの基本構成は、第3の実施形態と同様であるが、第3の実施形態とは、推定部109D、画像判定部111D、および、識別部112Dが異なる。よって、本実施形態においては、第3の実施形態と第5の実施形態と相違する構成のみ説明し、同じ構成の説明は省略する。
【0180】
第5実施形態の制御装置100DのROM等には、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェースを協働させて、少なくとも取得部101、記憶部102、着衣量演算部103、代謝量演算部104、選定部105、第1演算部106、第2演算部107、目標設定部108、推定部109D、算出部110、画像判定部111D、識別部112D、および、制御部113として機能させるプログラムが記憶されている。
【0181】
画像判定部111Dは記憶部102に記憶された画像情報に、カード700Dおよびカード700Dの位相が含まれているか判定する機能を有する。画像判定部111Dにおける具体的な判定する処理として、公知の判定処理を用いることができる。
【0182】
カード700Dは在館者が温冷感を示すために用いる板状の物体であり、言い換えると、在館者の温冷感と紐づけられた物体である。在館者がカード700Dを用いて温冷感を示す方法は後述する。なお、カード700Dの形状に関しては、実施形態1と同様のため説明を省略する。
【0183】
本実施形態では、
図23で示すように、カード700Dの一方の面が暖色のグラデーション、他方の面が寒色のグラデーションに着色されている例に適用して説明する。例えば、暑いと感じる場合には暖色のカード700Dの面を表示し、寒いと感じる場合には寒色のカード700Dの面を表示する。
【0184】
なお、上述のように1枚のカード700Dの一方の面が暖色のグラデーション、他方の面が寒色のグラデーションに着色してもよいし、2枚のカード700Dをそれぞれ暖色のグラデーションおよび寒色のグラデーションに着色してもよい。
【0185】
暖色のグラデーションは、長方形のカード700Dの面の一方の短辺側に赤色が付されて、他方の短辺側に向かうにつれて、徐々に色が白色に変化する色調のグラデーションである。なお、暖色のグラデーションの色は、赤と白以外の組み合わせでもよいし、グラデーションの種類は一方の短辺から他方の短辺に向かって色調が変化する以外でもよい。
【0186】
寒色のグラデーションは、長方形のカード700Dの面の一方の短辺側に青色が付されて、他方の短辺側に向かうにつれて、徐々に色が白色に変化する色調のグラデーションである。なお、寒色のグラデーションの色は、青と白以外の組み合わせでもよいし、グラデーションの種類は一方の短辺から他方の短辺に向かって色調が変化する以外でもよい。
【0187】
識別部112Dは記憶部102に記憶された画像情報に含まれたカード700Dの位相を識別する機能を有する。識別部112Dにおける具体的な判定する処理として、公知の判定処理を用いることができる。
【0188】
推定部109Dは学習モデルDに、取得部101が取得したカード700Dおよびカード700Dの位相が含まれた画像情報を入力することで、在館者の温冷感および温冷感の度合を推定する機能を有する。
【0189】
次に、上記の構成の制御装置100Dにおける動作について、
図22を参照して説明する。なお本実施形態においては、第3の実施形態と第5の実施形態と相違する、算出部110が空調装置500の設定を変更する処理のみ説明する。S2からS8の処理およびS11の処理については、第1実施形態と同一であるため説明を省略する。
【0190】
S11の処理が終了すると、記憶部102に記憶された画像情報にカード700Dが含まれているか、画像判定部111Dは判定する処理を行う(S52)。カード700Dが含まれていた場合(YESの場合)には、S11の処理にて記憶部102に記憶された画像情報に含まれるカード700Dの位相を、識別部112Dは識別する処理を行う(S53)。
【0191】
具体的には、画像情報に含まれる長方形のカード700Dが左向きであるか、長方形のカード700Dが下向きであるか、長方形のカード700Dが右向きであるか、または、長方形のカード700Dが上向きであるかであるかを、識別部112Dは識別する。
【0192】
左向きとは、カメラ部301から見てカード700Dの右側に赤色かつ左側に白色のグラデーションが付されている状態である。またカード700Dの右側に赤色かつ左側に白色が配色されている状態を基準に、カード700Dの長辺が延びる方向が+45°から-45°の角度範囲に収まる場合も左向きに含まれる。
【0193】
下向きとは、カメラ部301から見てカード700Dの上側に赤色かつ下側に白色のグラデーションが付されている状態である。またカード700Dの右側に赤色かつ左側に白色が配色されている状態を基準に、カード700Dの長辺が延びる方向が+45°から+135°の角度範囲に収まる場合も左向きに含まれる。
【0194】
右向きとは、カメラ部301から見てカード700Dの左側に赤色かつ右側に白色のグラデーションが付されている状態である。またカード700Dの右側に赤色かつ左側に白色が配色されている状態を基準に、カード700Dの長辺が延びる方向が+135°から-135°の角度範囲に収まる場合も左向きに含まれる。
【0195】
上向きとは、カメラ部301から見てカード700Dの下側に赤色かつ上側に白色のグラデーションが付されている状態である。またカード700Dの右側に赤色かつ左側に白色が配色されている状態を基準に、カード700Dの長辺が延びる方向が-45°から-135の角度範囲に収まる場合も左向きに含まれる。
【0196】
ここで、角度は水平方向が0°であり、0°から半時計回り方向に向かって角度の値が増える。また、カード700Dの長辺が延びる方向が+45°と一致する場合や、-45°と一致する場合や、+135°と一致する場合や、-135°と一致する場合は、左向きにも下向きにも右向きにも上向きにも該当しない。
【0197】
なお、識別部112Dは、上述のカード700Dの4種類の位相の他に、別の位相を識別してもよい。言い換えると、識別部112Dは、カード700Dが左向き、下向き、右向き、および、上向き以外の位相を識別してもよい。また、左向き、下向き、右向き、および、上向きの位置の他に別の位相を加えた5種類以上の位相を識別してもよいし、3種類以下の位相を識別してもよい。
【0198】
S52の処理において、カード700Dが含まれてない場合(NOの場合)には、再びS11の処理に戻り上述の処理を繰り返し行う。S53の処理が終了すると、推定部109Dはカード700Dに基づいて在館者の温冷感を推定し、カード700Dの位相に基づいて在館者の温冷感の度合を推定する(S54)。具体的には、推定部109DはS11の処理にて記憶部102に記憶された画像情報を学習モデルDに入力して、在館者の温冷感および温冷感の度合を推定する処理を行う。
【0199】
なお本実施形態では、カード700Dが左向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が一番小さくなり、カード700Dが下向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が二番目に小さくなり、カード700Dが右向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が三番目に小さくなり、カード700Dが上向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が四番目に小さくなる例に適用して説明する。なお、カード700Dの位相と在館者の温冷感の重み付けの関係は上述の例以外でもよい。
【0200】
学習モデルDはカード700Dおよびカード700Dの位相に基づいて在館者の温冷感および温冷感の度合を、推定する機械学習を行った学習済のモデルである。学習モデルDに対する機械学習については後述する。
【0201】
S54の処理の終了後の制御装置100Dの処理については、第1実施形態と同様のため説明を省略する。
次に学習モデルDの機械学習について説明する。
【0202】
本実施形態では、制御装置100Dとは異なる情報処理装置において学習モデルDの機械学習を行う例に適用して説明する。
学習モデルDの機械学習は、上述のように異なる情報処理装置において行われてもよいし、制御装置100Dにおいて行われてもよい。
【0203】
制御装置100Dにおいて機械学習が行われる場合には、制御装置100Dに機械学習を行う機械学習部200Dが設けられる。また、異なる情報処理装置において学習モデルDの一方に対する機械学習を行い、制御装置100Dにおいて他方に対する機械学習を行ってもよい。
【0204】
また、制御装置100Dによる制御が行われた後に、更に機械学習が行われた学習モデルDが記憶部102に記憶されてもよい。この場合、先に記憶された学習モデルDが、更に機械学習が行われた学習モデルDに置き換えられる。
【0205】
学習モデルDの機械学習では、カード700Dが含まれる画像情報と、在館者の温冷感と、が紐づけされた教師データが用いられる。
例えば、暖色のグラデーションのカード700Dが含まれる画像情報に対しては、暑いという温冷感が紐づけられる。寒色のグラデーションのカード700Dが含まれる画像情報に対しては、寒いという温冷感が紐づけられる。
【0206】
更に、学習モデルDの機械学習では、カード700Dの位相が含まれる画像情報と、在館者の温冷感の度合と、が紐づけされた教師データが用いられる。
本実施形態では、カード700Dが左向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が一番小さくなり、カード700Dが下向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値は二番目に小さくなり、カード700Dが右向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値が三番目に小さくなり、カード700Dが右向きの場合には、在館者の温冷感の重み付け係数の値は四番目に小さくなる例に適用して説明する。なお、上述のカード700Dの位相と在館者の温冷感の重み付け係数の値との関係については、上述の例以外でもよい。
【0207】
また、学習モデルDにおける具体的な機械学習については、公知の教師あり学習を用いることができ、教師あり学習における演算処理の具体的内容を限定するものではない。また、学習モデルDの教師データ、および、学習モデルDの教師データの作成方法についても、公知の作成方法を用いることができ、具体的な作成方法を限定するものではない。
【0208】
このようにカード700Dに付されたグラデーションにより、制御装置100Dはカード700Dの位相を少なくとも4位相以上識別できる。また、700Dに付されたグラデーションにより位相が識別される画像情報に基づいて、在館者の温冷感が推定されることにより、在館者の温冷感が誤って推定されにくくなる。
【0209】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、本発明を上記の実施形態に適用したものに限られることなく、これらの実施形態を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定するものではない。
【符号の説明】
【0210】
100,100A,100B,100C,100D…制御装置、101…取得部、102…記憶部、103…着衣量演算部、104…代謝量演算部、105…選定部、106…第1演算部、107…第2演算部、108…目標設定部、109,109A,109B,109C,109D…推定部、110…算出部、111,111A,111B,111C,111D…画像判定部、112,112A,112B,112C,112D…識別部、113…制御部、200,200A,200B,200C,200D…機械学習部、300…撮影装置、301…カメラ部、302…通信部、500…空調装置、700,700A,700B,700C,700D…カード、A,B,C,D…学習モデル