(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108710
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/40 20060101AFI20240805BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240805BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240805BHJP
H10K 59/38 20230101ALI20240805BHJP
H10K 50/86 20230101ALI20240805BHJP
H10K 59/123 20230101ALI20240805BHJP
H10K 59/50 20230101ALI20240805BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20240805BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20240805BHJP
G09F 9/35 20060101ALI20240805BHJP
H10K 50/805 20230101ALI20240805BHJP
G02F 1/1368 20060101ALN20240805BHJP
H10K 102/10 20230101ALN20240805BHJP
H10K 102/20 20230101ALN20240805BHJP
【FI】
G09F9/40 303
G09F9/30 349B
G09F9/30 340
G09F9/00 313
H10K59/38
H10K50/86
H10K59/123
H10K59/50
G02B5/20 101
G02B5/30
G09F9/35
G09F9/30 365
H10K50/805
G02F1/1368
H10K102:10
H10K102:20
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013221
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】椎葉 賢
【テーマコード(参考)】
2H148
2H149
2H192
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H148BD21
2H148BG02
2H148BG06
2H149AA02
2H149AA18
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2H149EA02
2H192AA24
2H192BC31
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2H192CB05
2H192CB37
2H192EA43
2H192GD42
2H192GD43
2H192JA06
2H192JA13
2H192JA53
2H192JA62
2H192JB03
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC31
3K107EE01
3K107EE03
3K107EE22
3K107EE26
3K107EE65
3K107FF15
5C094AA06
5C094BA03
5C094BA08
5C094BA27
5C094BA43
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5C094DA08
5C094DA13
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5C094FA01
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5C094HA01
5C094HA05
5C094JA01
5G435AA02
5G435BB05
5G435BB12
5G435CC09
5G435FF05
5G435LL17
5G435LL19
(57)【要約】
【課題】表示装置における視認性を向上すること。
【解決手段】本開示に係る表示装置は、第1基板、複数の発光画素、第1内部層、第2基板、液晶層及び第1~第4電極を備える。第1,第2基板は、可視光を透過する。複数の発光画素は、それぞれが独立して発光可能に構成されている。液晶層は、第1,第2基板の間に位置する。第1電極は、複数の発光画素の少なくとも1つと、液晶層との間に位置し、可視光を反射する。第2電極は、液晶層と、第1基板との間に位置し、かつ平面視において第1電極と重ならず、可視光を透過する。第3電極は、第1断面において、液晶層と第2基板との間に位置し、かつ平面視において第1電極と重なり、可視光を透過する。第4電極は、第1断面において、液晶層と第2基板との間に位置し、かつ平面視において第2電極と重なり、可視光を透過する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、を有し、前記第1面及び前記第2面に垂直な方向に可視光を透過する第1基板と、
それぞれが独立して発光可能に構成された複数の発光画素と、
前記第1面上に配置され、前記複数の発光画素のそれぞれに電気的に接続される回路構成である第1回路構成を含む第1内部層と、
可視光を透過する第2基板と、
前記第1面に垂直な方向における断面である第1断面において、前記第1基板と前記第2基板との間に位置する液晶層と、
前記第1断面において、前記複数の発光画素の少なくとも1つと、前記液晶層と、の間に位置し、可視光を反射する第1電極と、
前記第1断面において、前記液晶層と、前記第1基板と、の間に位置し、かつ平面視において前記第1電極と重ならず、可視光を透過する第2電極と、
前記第1断面において、前記液晶層と前記第2基板との間に位置し、かつ平面視において前記第1電極と重なり、可視光を透過する第3電極と、
前記第1断面において、前記液晶層と前記第2基板との間に位置し、かつ平面視において前記第2電極と重なり、可視光を透過する第4電極と、
を備える表示装置。
【請求項2】
前記第1断面において、前記第3電極と前記第2基板との間に位置する第1カラーフィルタを備える、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1カラーフィルタは、前記第1断面において、前記第4電極と前記第2基板との間に位置する、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記液晶層は、前記第1電極と前記第3電極との間に位置する第1部分と、前記第2電極と前記第4電極との間に位置する第2部分と、を有し、
前記第2部分の厚みは、前記第1部分の厚みの2倍である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
可視光を偏光する第1偏光層および第2偏光層を備え、
前記第1断面において、前記第1基板は前記第1偏光層と前記第2電極との間に位置し、
前記第1断面において、前記第2基板は前記第2偏光層と前記第3電極との間に位置する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1断面において、前記第1偏光層と前記第1基板との間に位置する第1λ/4位相差板と、
前記第1断面において、前記第2偏光層と前記第2基板との間に位置する第2λ/4位相差板と、
を備える、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第3電極と前記第4電極は一体に形成される、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1断面において、前記複数の発光画素は前記第1内部層と前記第1基板との間に位置する、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
可視光を透過する第3基板を備え、
前記第1断面において、前記複数の発光画素は、前記第1基板と前記第3基板との間に位置する、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
第3面と、前記第3面の反対側の第4面と、を有し、前記第3面及び前記第4面に垂直な方向に可視光を透過する第4基板と、
前記第3面上に配置され、前記第1電極に電気的に接続される回路構成である第2回路構成と、前記第2電極に電気的に接続される回路構成である第3回路構成と、を含む第2内部層と、を備え、
前記第1断面において、前記液晶層は前記第2基板と前記第4基板との間に位置する、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1断面において、前記第1内部層は前記複数の発光画素と前記第1基板との間に位置する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1内部層は、前記第1面に対向して接する第5面と、前記第5面の反対側の第6面と、を有し、
前記第2電極は、前記第6面上に配置される、
請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1内部層は、前記第1電極に電気的に接続される回路構成である第2回路構成と、前記第2電極に電気的に接続される回路構成である第3回路構成と、を含む、
請求項12に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、両面発光型の発光層を有し、発光層からの光に基づき画像や文字情報を両面に表示することが可能で、かつ、一方の表示面側から他方の表示面側へ外光を透過することができる透明ディスプレイとして表示装置を構成する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発光層からの光量に比して外光の光量が大きい場合など、発光層からの光に基づく表示が見づらくなる場合があった。
【0005】
本開示が解決しようとする課題は、表示装置の視認性を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る表示装置は、第1基板と、複数の発光画素と、第1内部層と、第2基板と、液晶層と、第1電極と、第2電極と、第3電極と、第4電極と、を備える。前記第1基板は、第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、を有し、前記第1面及び前記第2面に垂直な方向に可視光を透過する。前記複数の発光画素は、それぞれが独立して発光可能に構成されている。前記第1内部層は、前記第1面上に配置され、前記複数の発光画素のそれぞれに電気的に接続される回路構成である第1回路構成を含む。前記第2基板は、可視光を透過する。前記液晶層は、前記第1面に垂直な方向における断面である第1断面において、前記第1基板と前記第2基板との間に位置する。前記第1電極は、前記第1断面において、前記複数の発光画素の少なくとも1つと、前記液晶層と、の間に位置し、可視光を反射する。前記第2電極は、前記第1断面において、前記液晶層と、前記第1基板と、の間に位置し、かつ平面視において前記第1電極と重ならず、可視光を透過する。前記第3電極は、前記第1断面において、前記液晶層と前記第2基板との間に位置し、かつ平面視において前記第1電極と重なり、可視光を透過する。前記第4電極は、前記第1断面において、前記液晶層と前記第2基板との間に位置し、かつ平面視において前記第2電極と重なり、可視光を透過する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、表示装置の視認性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の構成の一例を模式的に示す断面図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る表示装置の構成の一例を模式的に示す平面図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る表示装置の構成の一例を模式的に示す平面図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る表示装置の「発光/反射/透過」モードについて説明するための図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る表示装置の「反射/透過」モードについて説明するための図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る表示装置の「発光/反射」モード及び「発光/反射/調光」モードについて説明するための図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る表示装置の「発光/反射」モード及び「発光/反射/調光」モードについて説明するための図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る表示装置の「発光/透過」モードについて説明するための図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る表示装置の「発光/透過」モードについて説明するための図である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態に係る表示装置の構成の一例を模式的に示す断面図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態に係る表示装置の「発光/反射/透過」モードについて説明するための図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る表示装置の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)基板の回路構成の一例を模式的に示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る表示装置の調光制御の一例を模式的に示す信号波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る表示装置の実施形態について説明する。なお、本開示の各実施形態に係る表示装置の構成は、一例であり、以下の記載内容に限定されない。
【0010】
なお、本開示の説明において、他の図において記述されるものと同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、説明を適宜省略する場合もある。また、同一又は略同一の部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表されている場合もある。また、例えば図面の視認性を確保する観点から、各図面の説明において主要な構成要素だけに参照符号を付し、他の図において記述されるものと同一又は略同一の機能を有する構成要素であっても参照符号を付していない場合もある。
【0011】
なお、本開示の説明において、参照符号の末尾に英数字等を付して、同一又は類似の機能を有する構成要素を区別する場合がある。また、本実施形態の説明において、参照符号の末尾の英数字等を省略して、同一又は類似の機能を有する複数の構成要素を総称する場合もある。
【0012】
なお、本開示の説明では、説明の簡単のために、表示装置の表面及び裏面は、それぞれx-y平面に平行な面であるとする。また、表示装置の表面から裏面へ向かう方向は、z+方向であるとする。つまり、本開示の説明において、表面側とは、z-側であることを言う。同様に、裏面側とは、z+側であることを言う。
【0013】
なお、本開示の説明において、「透明」とは、「透明または透光性を有する」という概念を含むとする。つまり、「透明」であるとは、透過する光が吸収されないことに限らず、透過する光が吸収される度合いが小さいことを含むとする。また、「不透明」とは、「不透明または透光性が小さい」という概念を含むとする。つまり、「不透明」であるとは、光が透過しない、すなわち遮蔽されることに限らず、透過する光が吸収される度合いが大きいことを含むとする。また、本開示の説明において、「透過率」はパネルに入射される可視光の明るさ又は光量に対する、パネルを通過する可視光の明るさ又は光量の割合を指す。言い換えれば、「透過率」は、可視光に対する透過率である。
【0014】
なお、本開示の説明において、「外光」とは、表示装置の外部、すなわち周囲環境から表示装置の表面又は裏面に入射する照明光や自然光などの環境光である。
【0015】
本開示に係る表示装置は、発光部、反射部及び透過部のうちの少なくとも一つからの光に基づき画像や文字情報を両面に表示することが可能で、かつ、一方の表示面側から他方の表示面側へ外光を透過することができる、両面表示型の透明ディスプレイである。
【0016】
なお、本開示に係る表示装置は、例えば、自動車に搭載される映像再生装置やナビゲーション装置の透明ディスプレイとして利用可能である。一例として、本開示に係る表示装置は、自動車の窓や外板面の一部又は全部、建造物の窓や壁面の一部又は全部など、車外や屋外などの外光の影響が大きい環境と、車内や室内などの外光の影響が小さい環境との境界部に設けられる。ここで、「外光の影響が大きい環境」とは、表示装置の発光部からの光量に比して外光の光量が大きいことである。
【0017】
例えば、本開示に係る表示装置は、一方の表示面が「外光の影響が大きい環境」に面し、他方の表示面が「外光の影響が小さい環境」に面するように配置され得る。一例として、本開示に係る表示装置を自動車の窓や外板面の一部又は全部として用いる場合、表示装置の表面側は、車室の内側を向き、車内から視認可能である。同様に、表示装置の裏面側は、外側を向き、車外から視認可能である。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る表示装置1の構成の一例を模式的に示す断面図である。
図1は、ガラス基板3bの表面側の面に垂直な方向における第1断面を示す。
【0019】
本実施形態に係る表示装置1は、
図1に示すように、有機ELディスプレイ(OLED)1a及び反射型ディスプレイ(RD)1cを有する。
【0020】
OLED1aは、トップエミッション型の透明ディスプレイとして構成されている。トップエミッション型のOLED1aによれば、ボトムエミッション型のOLEDより表示を明るくすることができる。OLED1aは、表示装置1のz-側に設けられる。OLED1aの表示面は、表示装置1のz-側である。
【0021】
RD1cは、表示装置1の裏面側に設けられる。RD1cは、反射型の透明ディスプレイとして構成されている。RD1cとしては、例えば反射型の液晶ディスプレイ(LCD)が利用可能であるが、液晶以外の材料を用いて形成された反射型のディスプレイが利用されてもよい。なお、本開示の説明では、RD1cとして反射型のLCDが適用された場合を例示する。RD1cの表示面は、表示装置1の裏面側である。
【0022】
本実施形態に係る表示装置1は、OLED1aとRD1cとを、接着層2を介して張り合わせることにより形成されている。具体的には、OLED1aの裏面側のガラス基板3bと、RD1cのz-側のガラス基板3cとは、接着層2により貼り合わせられている。接着層2は、可視光に対して透明であり、例えばOCA(Optically Clear Adhesive:光学透明粘着剤)により形成される。
【0023】
(OLEDの構成について)
OLED1aは、
図1に示すように、ガラス基板3a、ガラス基板3b、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)基板5a、偏光板81a、λ/4位相差板83a及び封止層85aを有する。
【0024】
ガラス基板3a及びガラス基板3bは、略平行に離間して配置されている。ガラス基板3aは、表示装置1のz-側、すなわちOLED1aの表示面側に設けられる。ガラス基板3bは、表示装置1の裏面側、すなわちRD1c側に設けられる。ここで、第1の実施形態に係るガラス基板3bは、第1基板の一例である。また、第1の実施形態に係るガラス基板3bの表面側の面は、第1面の一例である。また、第1の実施形態に係るガラス基板3bの裏面側の面は、第2面の一例である。また、第1の実施形態に係るガラス基板3aは、第3基板の一例である。
【0025】
TFT基板5aは、ガラス基板3a及びガラス基板3bの間、例えばガラス基板3bのz-側に設けられる。TFT基板5aには、複数の発光部6が設けられている。複数の発光部6は、それぞれが互いに独立して発光可能に構成されている。複数の発光部6は、
図12を参照して後述するように、TFT基板5aにおいてマトリックス状に配列されている。複数の発光部6のそれぞれは、R発光画素100R_n、G発光画素100G_n及びB発光画素100B_n(nは自然数)のいずれかに対応する。
【0026】
図1は、複数の発光部6のうちの発光部6a及び発光部6bを例示する。発光部6aは、ゲート電極53a、ソース-ドレイン電極54a、透明電極61a、反射電極64a、接続電極63a及び発光層65aを有する。発光部6bは、ゲート電極53b、ソース-ドレイン電極54b、透明電極61b、反射電極64b、接続電極63b及び発光層65bを有する。
【0027】
ここで、ゲート電極53a及びソース-ドレイン電極54aは、
図12の複数のTFT102のうちの発光部6aに対応するTFT102を構成する。また、ゲート電極53b及びソース-ドレイン電極54bは、
図12の複数のTFT102のうちの発光部6bに対応するTFT102を構成する。
【0028】
TFT基板5aにおいて、複数のTFT102のそれぞれは、絶縁部材51aにより覆われている。また、透明電極61a、透明電極61b、反射電極64a、反射電極64b、発光層65a及び発光層65bのそれぞれは、絶縁部材55aにより覆われている。ここで、第1の実施形態に係るTFT基板5a、あるいは、当該TFT基板5aにおいて絶縁部材51aにより覆われた複数のTFT102の層は、第1内部層の一例である。また、第1の実施形態に係る複数のTFT102を含む回路構成は、第1回路構成の一例である。
【0029】
透明電極61a及び透明電極61bは、それぞれ、発光部6a及び発光部6bのz-側に設けられる。
【0030】
反射電極64a及び反射電極64bは、それぞれ、発光部6a及び発光部6bのz+側に設けられる。反射電極64aは、透明電極61aに対して、対向する位置に略平行に離間して設けられている。反射電極64bは、透明電極61bに対して、対向する位置に略平行に離間して設けられる。また、反射電極64a及び反射電極64bは、それぞれ絶縁部材51aを介して対応するTFT102と離間して設けられる。
【0031】
接続電極63a及び接続電極63bのそれぞれは、絶縁部材51aの内部をz方向に延びる。接続電極63aは、反射電極64aと、ソース-ドレイン電極54aとを電気的に接続する。接続電極63bは、反射電極64bと、ソース-ドレイン電極54bとを電気的に接続する。
【0032】
第1の実施形態に係る発光層65a及び発光層65bは、絶縁部材51aにより覆われた複数のTFT102の層と、ガラス基板3bとの間に位置する。つまり、第1の実施形態に係る表示装置1において発光層65a及び発光層65bは、ガラス基板3a及びガラス基板3bの間に位置する。発光層65aは、透明電極61a及び反射電極64aの間に設けられる。発光層65aは、透明電極61a及び反射電極64aの間にしきい値電圧を超える電圧が印加されると発光する。発光層65bは、透明電極61b及び反射電極64bの間に設けられる。発光層65bは、透明電極61b及び反射電極64bの間にしきい値電圧を超える電圧が印加されると発光する。発光層65a及び発光層65bは、
図12を参照して後述するように、複数の発光画素100_n(nは自然数)のうちの対応する発光画素100_nに設けられた発光素子101を構成する。発光層65a及び発光層65bのそれぞれは、有機化合物から成る発光ダイオード(LED)である。
【0033】
偏光板81aは、ガラス基板3aのz-側、すなわちガラス基板3aのガラス基板3bとは反対側に設けられる。つまり、ガラス基板3bは、偏光板81a及び透明電極74eの間に位置する。偏光板81aは、可視光を偏光する。ここで、実施形態に係る偏光板81aは、第1偏光層の一例である。
【0034】
λ/4位相差板83aは、ガラス基板3aと、偏光板81aとの間に設けられる。つまり、λ/4位相差板83aは、偏光板81a及びガラス基板3bの間に位置する。ここで、実施形態に係るλ/4位相差板83aは、第1λ/4位相差板の一例である。
【0035】
封止層85aは、ガラス基板3a及びガラス基板3bの間に設けられる。具体的には、封止層85aは、スペーサ87を有する。スペーサ87は、ガラス基板3a及びTFT基板5aの間にギャップとしての封止層85aを形成する。つまり、OLED1aにおいてガラス基板3a及びTFT基板5aは、スペーサ87のz方向の長さだけ離間して、略平行に設けられている。
【0036】
(反射型ディスプレイの構成について)
RD1cは、
図1に示すように、ガラス基板3c、ガラス基板3d、TFT基板5c、調光層7、フィルタ層8、偏光板81c、λ/4位相差板83c及び透明絶縁層85cを有する。
【0037】
ガラス基板3c及びガラス基板3dは、略平行に離間して配置されている。ガラス基板3cは、表示装置1のz-側、すなわちOLED1a側に設けられる。ガラス基板3dは、表示装置1のz+側、すなわちRD1cの表示面側に設けられる。ここで、実施形態に係るガラス基板3dは、第2基板の一例である。また、第1の実施形態に係るガラス基板3cは、第4基板の一例である。また、第1の実施形態に係るガラス基板3cの裏面側の面は、第3面の一例である。また、第1の実施形態に係るガラス基板3cの表面側の面は、第4面の一例である。
【0038】
RD1cには、複数の反射部4及び複数の透過部9が設けられている。複数の反射部4は、それぞれが互いに独立して反射可能に構成されている。また、複数の透過部9は、それぞれが互いに独立して調光可能に構成されている。複数の反射部4及び複数の透過部9は、
図12を参照して後述するように、TFT基板5cにおいてマトリックス状に配列されている。複数の反射部4のそれぞれは、R反射画素160R_n、G反射画素160G_n及びB反射画素160B_n(nは自然数)のいずれかに対応する。複数の透過部9のそれぞれは、調光画素110_n(nは自然数)に対応する。
【0039】
図1は、複数の反射部4のうちの反射部4a及び反射部4bと、複数の透過部9のうちの透過部9aと、を例示する。反射部4aは、ゲート電極53c、ソース-ドレイン電極54c、透明電極71、反射電極74c、接続電極73c及びカラーフィルタ45aを有する。反射部4bは、ゲート電極53d、ソース-ドレイン電極54d、透明電極71、反射電極74d、接続電極73d及びカラーフィルタ45bを有する。透過部9aは、ゲート電極53e、ソース-ドレイン電極54e、透明電極71、透明電極74e、接続電極73e及び透明絶縁層85cを有する。
【0040】
ここで、ゲート電極53c及びソース-ドレイン電極54cは、
図12の複数のTFT163のうちの反射部4aに対応するTFT163を構成する。また、ゲート電極53d及びソース-ドレイン電極54dは、
図12の複数のTFT163のうちの反射部4bに対応するTFT163を構成する。また、ゲート電極53e及びソース-ドレイン電極54eは、
図12の複数のTFT113のうちの透過部9aに対応するTFT113を構成する。
【0041】
TFT基板5cは、ガラス基板3c及びフィルタ層8の間、例えばガラス基板3cのz+側に設けられる。ここで、第1の実施形態に係るTFT基板5cは、第2内部層の一例である。
【0042】
TFT基板5cには、ゲート電極53c、ゲート電極53d、ゲート電極53e、ソース-ドレイン電極54c、ソース-ドレイン電極54d、ソース-ドレイン電極54e、接続電極73c、接続電極73d及び接続電極73eが設けられる。
【0043】
接続電極73c、接続電極73d及び接続電極73eのそれぞれは、絶縁部材51cの内部をz方向に延びる。接続電極73cは、反射電極74cと、ソース-ドレイン電極54cとを電気的に接続する。接続電極73dは、反射電極74dと、ソース-ドレイン電極54dとを電気的に接続する。接続電極73eは、透明電極74eと、ソース-ドレイン電極54eとを電気的に接続する。
【0044】
TFT基板5cにおいて、複数のTFT113及び複数のTFT163のそれぞれは、絶縁部材51cにより覆われている。TFT基板5cのz+側のうち、反射部4a及び反射部4bのそれぞれに対向する位置には、絶縁部材55cが設けられる。絶縁部材55cのz方向の長さは、調光層7のz方向の長さの1/2倍である。ここで、第1の実施形態に係るTFT基板5c、あるいは、当該TFT基板5cにおいて絶縁部材51cにより覆われた複数のTFT113及び複数のTFT163の層は、第2内部層の一例である。また、第1の実施形態に係るTFT基板5cの複数のTFT163を含む回路構成は、第2回路構成の一例である。また、第1の実施形態に係るTFT基板5cの複数のTFT113を含む回路構成は、第3回路構成の一例である。
【0045】
調光層7は、ガラス基板3bとガラス基板3dとの間に設けられる。第1の実施形態に係る調光層7は、ガラス基板3c及びガラス基板3dの間に位置する。具体的には、調光層7は、フィルタ層8及びTFT基板5cの間に設けられる。ここで、実施形態に係る調光層7は、液晶層の一例である。スペーサ77は、調光層7内に位置する。
【0046】
透明電極71は、ガラス基板3dとフィルタ層8との間に位置する。透明電極71は、フィルタ層8のz-側に設けられる。
【0047】
一例として、透明電極71は、平面視において反射電極74c及び反射電極74dと重なっていてもよい。つまり、透明電極71は、少なくとも一つの反射電極74c及び少なくとも一つの反射電極74dに亘って設けられ、少なくとも一つの反射部4及び少なくとも一つの透過部9により共有されていてもよい。この場合、実施形態に係る透明電極71は、一体に形成された第3電極及び第4電極の一例である。この構成によれば、反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれについて透明電極71を形成する場合と比較して、製造に係る工程を少なくすることができる。
【0048】
一例として、透明電極71は、平面視において反射電極74cと重なる電極と、当該電極とは分離した電極であって、平面視において反射電極74dと重なる電極とを有していてもよい。つまり、実施形態に係る透明電極71は、二つ以上の電極に分割されていてもよい。この場合、実施形態に係る透明電極71の二つ以上の電極のうち、平面視において反射電極74cと重なる電極は、第3電極の一例である。また、実施形態に係る透明電極71の二つ以上の電極のうち、平面視において反射電極74dと重なる電極は、第4電極の一例である。
【0049】
反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれは、複数の発光画素100_nの少なくとも1つと、調光層7との間に位置する。反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれは、TFT基板5cの絶縁部材55cのz+側、すなわち絶縁部材55c及び調光部材75の境界部に設けられる。反射電極74c及び反射電極74dは、それぞれ透明電極71のz-側に設けられる。反射電極74c及び反射電極74dは、それぞれ透明電極71に対して略平行に距離d1だけ離間して設けられている。なお、反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれは、すべての発光画素100_nに対応する位置に設けられていなくてもよい。ここで、実施形態に係る反射電極74c及び反射電極74dは、それぞれ第1電極の一例である。また、実施形態に係る反射電極74c及び反射電極74dと、透明電極71との間に位置する調光部材75の領域は、第1部分の一例である。また、実施形態に係る距離d1は、第1部分の厚みの一例である。
【0050】
透明電極74eは、ガラス基板3bと調光層7との間に位置する。透明電極74eは、平面視において反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれと重ならない。透明電極74eは、TFT基板5cの絶縁部材51cのz+側、すなわち絶縁部材51c及び調光部材75の境界部に設けられる。透明電極74eは、透明電極71のz-側に設けられる。透明電極74eは、透明電極71に対して略平行に距離d2だけ離間して設けられている。距離d2は、距離d1の2倍又は略2倍である。この構成によれば、反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれにより反射される光と、透明電極74eを透過した光との調光層7における光路長を等しくすることができる。ここで、実施形態に係る透明電極74eは、第2電極の一例である。また、実施形態に係る反射電極74c及び反射電極74dと、透明電極71との間に位置する調光部材75の領域は、第2部分の一例である。また、実施形態に係る距離d2は、第2部分の厚みの一例である。
【0051】
スペーサ77は、調光部材75が充填されるギャップを、反射電極74c、反射電極74d及び透明電極74eと、透明電極71との間に形成するための部材である。透明電極71は、スペーサ77を介して、絶縁部材55cのz-側に設けられる。換言すれば、透明電極71は、反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれからスペーサ77のz方向の長さだけ離間して設けられている。
【0052】
調光部材75は、反射電極74c、反射電極74d及び透明電極74eと、透明電極71との間に充填されている。反射電極74c及び透明電極71の間と、反射電極74d及び透明電極71の間と、透明電極74e及び透明電極71の間とのそれぞれにおいて、電圧が印加された状態と、電圧が印加されていない状態とで、調光部材75の状態が変化する。
【0053】
調光部材75としては、ノーマリーホワイト材料及びノーマリーブラック材料を適宜利用可能である。ノーマリーホワイト材料の例としては、TN(Twisted Nematic)液晶及びECB(Electrically Controlled Birefringence)液晶が挙げられる。ノーマリーブラック材料の例としては、VA(Vertical Alignment)液晶、ゲストホスト液晶、PNLC(高分子分散型液晶)、SPD(懸濁粒子)及びエレクトロクロミック材料が挙げられる。なお、調光部材75は、例えば動作電圧や応答速度の特性に応じて適宜選択されればよい。
【0054】
例えば、調光部材75は、反射電極74c及び透明電極71の間と、反射電極74d及び透明電極71の間と、透明電極74e及び透明電極71の間とのそれぞれにおいて、TFT113及びTFT163により印加された電圧に応じて、可視光を透過させる透過モードと可視光を遮光する調光モードとの間で遷移する。換言すれば、調光層7は、TFT113及びTFT163により印加された電圧に応じて可視光に対する透過率が変化する。したがって、調光部材75は、TFT基板5cにより駆動できる程度に、モード遷移に要求される動作電圧が低いことが好ましい。
【0055】
反射電極74c及び透明電極71の間に位置する調光部材75を例に、遷移の詳細について説明する。例えば調光部材75がノーマリーホワイト材料である場合、反射電極74c及び透明電極71の間に電圧が印加されない状態では、偏光板81a及び偏光板81cに挟まれると、調光層7は可視光に対して透明である。一方、反射電極74c及び透明電極71の間にしきい値電圧を超える電圧が印加された状態では、偏光板81a及び偏光板81cに挟まれると、調光層7は可視光に対して不透明となる。偏光板81a及び偏光板81cに挟まれた調光層7が透明あるいは不透明になることを、単に調光層7が透明あるいは不透明になる、と記載することがある。ノーマリーホワイト材料として用いる材料によっては、調光層7自体が透明あるいは不透明になる場合がある。その場合は、偏光板81a及び偏光板81cは用いられなくてよい。
【0056】
例えば調光部材75がTN液晶である場合、反射電極74c及び透明電極71の間に電圧が印加されない状態では、調光部材75が反射電極74c及び透明電極71に対して水平に配列する。このとき、偏光板81a及び偏光板81cに挟まれると、調光層7は可視光に対して透明である。一方、反射電極74c及び透明電極71の間にしきい値電圧を超える電圧が印加された状態では、調光部材75が反射電極74c及び透明電極71に対して垂直に配列する。これにより、偏光板81a及び偏光板81cに挟まれると、調光層7は可視光に対して不透明となる。
【0057】
一方で、例えば調光部材75がノーマリーブラック材料である場合、反射電極74c及び透明電極71の間に電圧が印加されない状態では、偏光板81a及び偏光板81cに挟まれると、調光層7は可視光に対して不透明である。一方、反射電極74c及び透明電極71の間にしきい値電圧を超える電圧が印加された状態では、偏光板81a及び偏光板81cに挟まれると、調光層7は可視光に対して透明となる。ノーマリーブラック材料として用いる材料によっては、調光層7自体が透明あるいは不透明になる場合がある。例えば、ノーマリーブラック材料としてゲストホスト液晶、PNLC、SPD及びエレクトロクロミック材料のいずれかが用いられる場合である。その場合は、偏光板81a及び偏光板81cは用いられなくてよい。
【0058】
フィルタ層8は、透明電極71及びガラス基板3dの間、例えばガラス基板3dのz-側に設けられる。フィルタ層8には、カラーフィルタ45a、カラーフィルタ45b及び透明絶縁層85cが設けられる。
【0059】
カラーフィルタ45aは、ガラス基板3d及び反射電極74cの間に位置する。具体的には、カラーフィルタ45aは、反射部4aにおいて反射電極74cに対向する位置に設けられる。カラーフィルタ45bは、ガラス基板3d及び反射電極74dの間に位置する。具体的には、カラーフィルタ45aは、反射部4bにおいて反射電極74dに対向する位置に設けられる。ここで、実施形態に係るカラーフィルタ45aは、第1カラーフィルタの一例である。また、実施形態に係るカラーフィルタ45bは、第2カラーフィルタの一例である。
【0060】
透明絶縁層85cは、透過部9aにおいて透明電極74eに対向する位置に設けられる。透明絶縁層85cは、可視光に対して透明である。透明絶縁層85cは、例えば絶縁体で構成される。透明絶縁層85cを形成する絶縁体としては、例えば、無機又は有機絶縁膜が利用可能である。一例として、透明絶縁層85cは、無機又は有機絶縁膜を積層して形成することができる。透明絶縁層85cは、カラーフィルタ45a及びカラーフィルタ45bと高さを揃えるために設けられる。カラーフィルタ45a、カラーフィルタ45b及び透明絶縁層85cの高さ、すなわちフィルタ層8の高さが揃うことにより、透明電極71を平坦に形成することができる。
【0061】
なお、ガラス基板3d及び透明電極74eの間、すなわち透過部9aにおいて透明電極74eに対向する位置にカラーフィルタが設けられていてもよい。また、透明絶縁層85cは、必須の構成ではなく、表示装置1に設けられていなくても構わない。つまり、透明絶縁層85cに代えて、あるいは透明絶縁層85cに加えてカラーフィルタが設けられていてもよい。
【0062】
なお、フィルタ層8は、カラーフィルタ45a及びカラーフィルタ45bに対応する二つ以上の波長選択性を有する複数の波長選択領域と、透明絶縁層85cなどの波長選択性を有さない領域とがマトリックス状に配列された一つのカラーフィルタとして形成されていてもよい。あるいは、一つのカラーフィルタとして形成されたフィルタ層8において、波長選択性を有さない領域は、設けられていなくてもよい。
【0063】
偏光板81cは、ガラス基板3dのz-側、すなわちガラス基板3dのガラス基板3cとは反対側に設けられる。つまり、ガラス基板3dは、偏光板81c及び透明電極71の間に位置する。偏光板81cは、可視光を偏光する。ここで、実施形態に係る偏光板81cは、第2偏光層の一例である。
【0064】
λ/4位相差板83cは、ガラス基板3dと、偏光板81cとの間に設けられる。ここで、実施形態に係るλ/4位相差板83cは、第2λ/4位相差板の一例である。
【0065】
なお、ガラス基板3a、ガラス基板3b、ガラス基板3c及びガラス基板3dのそれぞれは、可視光に対して透明な板状部材である。ガラス基板3a、ガラス基板3b、ガラス基板3c及びガラス基板3dのそれぞれは、表面側及び裏面側の面に垂直又は略垂直な方向に可視光を透過する。ガラス基板3a、ガラス基板3b、ガラス基板3c及びガラス基板3dのそれぞれは、例えば矩形の平板状の形状を有する。ガラス基板3a、ガラス基板3b、ガラス基板3c及びガラス基板3dは、例えば同一形状である。
【0066】
なお、TFT基板5a及びTFT基板5cのそれぞれは、可視光に対して透明な材料により形成されればよい。TFT基板5a及びTFT基板5cのそれぞれとしては、a-Si、LTPS(Low Temperature PolySilicon)、IGZO等が適宜利用可能である。TFT基板5a及びTFT基板5cのそれぞれは、例えば板状の部材により形成されるが、フィルム状の部材により形成されていても構わない。
【0067】
なお、絶縁部材51a、絶縁部材55a、絶縁部材51c及び絶縁部材55cのそれぞれは、可視光に対して透明、かつ、電気的な絶縁性を有する材料により形成されればよい。絶縁部材51a、絶縁部材55a、絶縁部材51c及び絶縁部材55cのそれぞれとしては、例えば窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO)が利用可能である。
【0068】
なお、透明電極61a、透明電極61b、透明電極71、接続電極73e及び透明電極74eのそれぞれは、可視光に対して透明である。
【0069】
なお、接続電極63a、接続電極63b、反射電極64a、反射電極64b、接続電極73c、接続電極73d、反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれは、可視光に対して不透明であり、可視光を反射する。接続電極63a、接続電極63b、反射電極64a、反射電極64b、接続電極73c、接続電極73d、反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれとしては、金属、表面に金属層が設けられたガラスや樹脂等が適宜利用可能である。
【0070】
なお、透明電極61a、透明電極61b、反射電極64a、反射電極64b、透明電極71、反射電極74c、反射電極74d及び透明電極74eのそれぞれは、例えば矩形の平板状の形状を有する。透明電極61a及び透明電極61bは、例えば同一形状である。反射電極64a、反射電極64b及び透明電極74eは、例えば同一形状である。
【0071】
なお、偏光板81a及び偏光板81cのそれぞれは、板状の部材により形成されてもよいし、フィルム状の部材により形成されてもよい。
【0072】
なお、λ/4位相差板83a及びλ/4位相差板83cのそれぞれは、板状の部材により形成されてもよいし、フィルム状の部材により形成されてもよい。
【0073】
なお、偏光板81a、偏光板81c、λ/4位相差板83a及びλ/4位相差板83cは、必須の構成ではなく、調光部材75の材料によっては設けられていなくてもよい。例えば、調光部材75としてTN液晶、VA液晶又はECB液晶が適用される場合、表示装置1は、偏光板81a、偏光板81c、λ/4位相差板83a及びλ/4位相差板83cを有する構成とすることができる。一方で、例えば、調光部材75としてゲストホスト液晶、PNLC、SPD又はエレクトロクロミック材料が適用される場合、表示装置1は、偏光板81a、偏光板81c、λ/4位相差板83a及びλ/4位相差板83cを有さない構成とすることができる。
【0074】
なお、例えば調光部材75の材料に応じて、表示装置1において偏光板81a及び偏光板81cが不要である場合、距離d2は、距離d1と等しくすることができる。この場合、透明電極74eは、z方向において反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれと同じ位置に設けられ得る。一例として、透明電極74eの表面側、すなわち透明電極74eと絶縁部材51cとの間には、反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれと同様に絶縁部材55cが設けられていてもよい。一例として、反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれの表面側、すなわち反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれと絶縁部材51cとの間には、透明電極74eと同様に絶縁部材55cが設けられていなくてもよい。
【0075】
なお、封止層85aは、可視光に対して透明である。封止層85aは、OLED1aの劣化を低減するために設けられる。例えば、封止層85aには、不活性ガスが充填される。不活性ガスとしては、例えば窒素ガスが利用可能である。
【0076】
なお、封止層85aは、不活性ガスが充填される態様に限らない。例えば、封止層85aは、内部が真空であってもよい。ここで、本開示において真空とは、例えば酸素ガスや水素ガスなどのOLED1aの劣化に寄与する少なくとも一部のガス濃度が周囲環境より低い状態を意味し、気体分子が存在していてもよく、減圧された状態を含む。また、例えば、封止層85aの内部には、吸湿性のある材料が封入されていてもよい。また、例えば、封止層85aは、無機又は有機絶縁膜を積層して形成されてもよい。
【0077】
なお、封止層85aは、必須の構成ではなく、表示装置1に設けられていなくても構わない。
【0078】
図2及び
図3は、第1の実施形態に係る表示装置1の構成の一例を模式的に示す平面図である。
図2は、OLED1aの表示面側から見た表示装置1の構成を例示する。
図3は、RD1cの表示面側から見た表示装置1の構成を例示する。
【0079】
OLED1aの表示面、すなわち表示装置1の表面側の表示面は、
図2に示すように、発光領域R11と、透明領域R2とを有する。発光領域R11と、透明領域R2とは、平面視において、すなわちx-y平面において互いに異なる領域である。
【0080】
RD1cの表示面、すなわち表示装置1の裏面側の表示面は、
図3に示すように、反射領域R13と、調光領域R3とを有する。反射領域R13と、調光領域R3とは、平面視において互いに異なる領域である。
【0081】
一方、発光領域R11と、反射領域R13とは、平面視において重複する領域である。また、透明領域R2と、調光領域R3とは、平面視において重複する領域である。
【0082】
発光領域R11は、複数の発光部6のそれぞれが配列されている領域である。つまり、発光領域R11は、表示のための光が複数の発光部6から射出される領域R1である。
図2は、発光領域R11にR発光画素、G発光画素及びB発光画素が設けられている場合を例示する。
【0083】
反射領域R13は、複数の反射部4のそれぞれが配列されている領域である。つまり、反射領域R13は、複数の反射部4により表示のための光が射出される領域R1である。
図3は、発光領域R11にR反射画素、G反射画素及びB反射画素が設けられている場合を例示する。
【0084】
透明領域R2は、複数の発光部6の間の領域である。
【0085】
調光領域R3は、複数の反射部4の間の領域、すなわち透明電極71及び透明電極74eの間の領域であり、複数の透過部9のそれぞれが配列されている領域である。
【0086】
次に、実施形態に係る表示装置1の作用について説明する。
【0087】
なお、以下の説明では、複数の発光部6のそれぞれから表示のための光が射出されるモードを「発光」モードと記載する。また、複数の反射部4のそれぞれから表示のための光が射出されるモードを「反射」モードと記載する。また、複数の透過部9のそれぞれから外光が射出されるモードを「透過」モードと記載する。また、複数の透過部9のそれぞれの透過率を制御することにより表示のための光が透過されるモードを「調光」モードと記載する。一例として、複数の発光部6のそれぞれから表示のための光が射出されつつ、複数の反射部4のそれぞれから表示のための光が射出されるモードを「発光/反射」モードと記載する。
【0088】
また、以下の説明では、調光部材75がTN液晶であるとして説明する。
【0089】
図4は、第1の実施形態に係る表示装置1の「発光/反射/透過」モードについて説明するための図である。
【0090】
「発光/反射/透過」モードにおいて、TFT基板5aは、出力する映像に応じた位置に設けられた、透明電極61a及び反射電極64aの間と、透明電極61b及び反射電極64bの間とのそれぞれについて、出力する映像に対応する電流を流す。これにより、複数の発光部6のそれぞれからの光は、
図4に矢印Ag1及び矢印Ar1で示すように、OLED1aの表示面から射出される。つまり、OLED1aは、室内向けの映像を出力可能である。
【0091】
「発光/反射/透過」モードにおいて、TFT基板5cは、出力する映像に応じた位置に設けられた、反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれと、透明電極71との間について、しきい値電圧を超える電圧を印加しない。つまり、調光層7は可視光に対して透明になる。これにより、矢印Acで示すように、偏光板81c、λ/4位相差板83c、ガラス基板3d、カラーフィルタ45a、透明電極71及び調光層7を介して、光が反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれに入射する。そして、反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれによる反射光は、矢印Ag2及び矢印Ar2で示すように、RD1cの表示面から射出される。つまり、RD1cは、室外向けの映像を出力可能である。
【0092】
また、「発光/反射/透過」モードにおいて、TFT基板5cは、すべての透明電極74eと透明電極71との間について、しきい値電圧を超える電圧を印加しない。これにより、複数の透過部9のそれぞれによる透過光は、矢印Ac及び矢印Adで示すように、OLED1aの表示面及びRD1cの表示面のそれぞれから射出される。つまり、表示装置1は、室外の景色及び室内の景色を透過する。
【0093】
したがって、「発光/反射/透過」モードにおいて表示装置1は、OLED1aにより室内向けの映像を室外の景色に重畳して表示することができる。また、表示装置1は、RD1cにより室外向けの映像を室内の景色に重畳して表示することができる。また、室外向けの映像表示を反射型のRD1cにより行う構成によれば、外光が強い環境であっても、表示輝度を上げることなく、外光の反射光を利用して視認性を向上することができる。
【0094】
図5は、第1の実施形態に係る表示装置1の「反射/透過」モードについて説明するための図である。
【0095】
「反射/透過」モードにおいて、TFT基板5aは、すべての透明電極61a及び反射電極64aの間と、透明電極61b及び反射電極64bの間とのそれぞれについて、電流を流さない。これにより、OLED1aから室内向けの映像は出力されない。
【0096】
「反射/透過」モードにおいて、TFT基板5cは、出力する映像に応じた位置に設けられた、反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれと、透明電極71との間について、しきい値電圧を超える電圧を印加しない。これにより、RD1cは、室外向けの映像を出力可能である。
【0097】
また、「反射/透過」モードにおいて、TFT基板5cは、すべての透明電極74eと透明電極71との間について、しきい値電圧を超える電圧を印加しない。これにより、表示装置1は、室外の景色及び室内の景色を透過する。
【0098】
したがって、「反射/透過」モードにおいて表示装置1は、室外の景色及び室内の景色を透過することができる。つまり、ユーザは、表示装置1を窓として室内から室外の景色を見ることができる。また、表示装置1は、RD1cにより室外向けの映像を室内の景色に重畳して表示することもできる。
【0099】
図6及び
図7は、それぞれ第1の実施形態に係る表示装置1の「発光/反射」モード及び「発光/反射/調光」モードについて説明するための図である。
【0100】
図6は、TN液晶などの偏光板81a及び偏光板81cの併用を要する調光部材75を用いる場合を例示する。
図7は、
図6とは異なり、ゲストホスト液晶などの偏光板81a及び偏光板81cの併用が不要な調光部材75を用いる場合を例示する。この場合、
図7に例示するように、透明電極74eと、反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれとは、z方向において同じ又は略同じ位置に設けられる。したがって、距離d2は、
図6の例では距離d1の2倍又は略2倍である一方、
図7の例では距離d1と等しい又は略等しい。
【0101】
「発光/反射」モード及び「発光/反射/調光」モードにおいて、TFT基板5aは、出力する映像に応じた位置に設けられた、透明電極61a及び反射電極64aの間と、透明電極61b及び反射電極64bの間とのそれぞれについて、出力する映像に対応する電流を流す。これにより、
図6及び
図7に示すように、OLED1aは、室内向けの映像を出力可能である。
【0102】
「発光/反射」モード及び「発光/反射/調光」モードにおいて、TFT基板5cは、出力する映像に応じた位置に設けられた、反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれと、透明電極71との間について、しきい値電圧を超える電圧を印加しない。これにより、RD1cは、
図6及び
図7に示すように、室外向けの映像を出力可能である。
【0103】
「発光/反射」モードにおいて、TFT基板5cは、すべての透明電極74eと透明電極71との間について、しきい値電圧を超える電圧を印加する。これにより、偏光板81a及び偏光板81cの併用を要する調光部材75を用いる場合、偏光板81a及び偏光板81cによって挟まれた調光層7は可視光に対して不透明となる。具体的には、
図6に矢印Adで示すように、偏光板81c及び調光層7を介して入射した光は、偏光板81aによって遮光される。また、
図6に矢印Acで示すように、偏光板81a及び調光層7を介して入射した光は、偏光板81cによって遮光される。一方、偏光板81a及び偏光板81cの併用が不要な調光部材75を用いる場合、調光層7は、可視光に対して不透明となる。具体的には、
図7に矢印Ad及び矢印Acで示すように、ガラス基板3a及びガラス基板3cのそれぞれを介して入射した光は、調光層7によってそれぞれ遮光される。これにより、表示装置1は、
図6及び
図7に示すように、室外の景色及び室内の景色を透過しない。
【0104】
したがって、「発光/反射」モードにおいて表示装置1は、室外又は室内からの外光を遮光し、室内向けの映像及び室外向けの映像だけを表示することができる。つまり、「発光/反射」モードの表示装置1によれば、例えば日中の明るい環境など、室外から強い外光がRD1c側へ入射する場合であっても、室内においては外光の影響なく映像をOLED1aにおいて表示することができる。
【0105】
なお、「発光/反射/調光」モードにおいて、TFT基板5cは、出力する映像に応じた位置に設けられた、透明電極74eと透明電極71との間について、透明電極74eと透明電極71との間に出力する映像に対応する電圧を印加することができる。これにより、複数の透過部9のそれぞれを出力する映像に応じて透過状態から遮光状態までの任意の透過率の状態とし、複数の透過部9により映像を出力することができる。
【0106】
例えば、室外が室内より明るい日中などの環境において、「発光/反射/調光」モードの表示装置1は、複数の発光部6と同じ室内向けの映像を、室外側から室内側へ複数の透過部9を透過する外光を用いてさらに表示する。これにより、強い外光入射時のOLED1aの表示面における室内向けの映像の視認性を向上することができる。
【0107】
例えば、室内が室外より明るい夜間の環境などの環境において、「発光/反射/調光」モードの表示装置1は、複数の反射部4と同じ室外向けの映像を、室内側から室外側へ複数の透過部9を透過する外光を用いてさらに表示する。これにより、RD1cの表示面における室外向けの映像の視認性を向上することができる。
【0108】
図8及び
図9は、それぞれ第1の実施形態に係る表示装置1の「発光/透過」モードについて説明するための図である。
【0109】
図8は、TN液晶などの偏光板81a及び偏光板81cの併用を要する調光部材75を用いる場合を例示する。
図9は、
図8とは異なり、ゲストホスト液晶などの偏光板81a及び偏光板81cの併用が不要な調光部材75を用いる場合を例示する。この場合、
図9に例示するように、透明電極74eと、反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれとは、z方向において同じ又は略同じ位置に設けられる。したがって、距離d2は、
図8の例では距離d1の2倍又は略2倍である一方、
図9の例では距離d1と等しい又は略等しい。
【0110】
「発光/透過」モードにおいて、TFT基板5aは、出力する映像に応じた位置に設けられた、透明電極61a及び反射電極64aの間と、透明電極61b及び反射電極64bの間とのそれぞれについて、出力する映像に対応する電流を流す。これにより、OLED1aは、室内向けの映像を出力可能である。
【0111】
「発光/透過」モードにおいて、TFT基板5cは、すべての反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれと、透明電極71との間について、しきい値電圧を超える電圧を印加する。これにより、偏光板81a及び偏光板81cの併用を要する調光部材75を用いる場合、偏光板81c及び調光層7を介して入射した、
図8に矢印Acによって示される光は、反射電極74cによって反射された後、偏光板81cによって遮光される。一方、偏光板81a及び偏光板81cの併用が不要な調光部材75を用いる場合、ガラス基板3cを介して入射した、
図9に矢印Acによって示される光は、調光層7によって遮光される。これにより、
図8及び
図9に示すように、RD1cから室外向けの映像は出力されない。
【0112】
また、「発光/透過」モードにおいて、TFT基板5cは、すべての透明電極74eと透明電極71との間について、しきい値電圧を超える電圧を印加しない。これにより、表示装置1は、室外の景色及び室内の景色を透過する。
【0113】
したがって、「発光/透過」モードにおいて表示装置1は、室外の景色及び室内の景色を透過することができる。つまり、室外のユーザは、表示装置1を窓として室内の景色を見ることができる。また、表示装置1は、OLED1aにより室内向けの映像を室外の景色に重畳して表示することもできる。
【0114】
なお、
図6を参照して説明したように複数の透過部9を透過する外光を用いて映像出力する際、複数の反射部4による映像表示と、複数の発光部6による映像表示との少なくとも一方が行われなくてもよい。つまり、表示装置1は、「発光/反射/調光」モードに限らず、「調光」モード、「発光/調光」モード又は「反射/調光」モードを実現することもできる。
【0115】
なお、調光部材75としてTN液晶が用いられる例について主に説明したが、調光部材75の種類によっては、調光部材を透過モードと調光モードとの間で遷移させる電圧の印加の仕方が異なる。例えば、調光部材75がノーマリーホワイト材料である場合には、TN液晶の場合と同様である。一方、調光部材75がノーマリーブラック材料の場合は、しきい値電圧を超える電圧を印加することで、調光部材を透過モードにし、しきい値電圧を超える電圧を印加しないことで、調光部材を調光モードにすることができる。
【0116】
なお、複数の透過部9のそれぞれには、カラーフィルタ45が設けられていてもよい。例えば、複数の透過部9は、R反射画素と同様のカラーフィルタ45が設けられたR透過画素と、G反射画素と同様のカラーフィルタ45が設けられたG透過画素と、B反射画素と同様のカラーフィルタ45が設けられたB透過画素と、を含んでいてもよい。この構成によれば、複数の透過部9によりカラー映像を出力することができるため、映像の視認性をさらに向上することができる。
【0117】
なお、例えば、室内が室外より明るい夜間の環境などの環境において、複数の反射部4により室外向けの映像を表示する場合、複数の反射部4のそれぞれに照明光を照射してもよい。つまり、表示装置1は、複数の反射部4のそれぞれに照明光を照射可能に構成された照明装置をさらに有していてもよい。
【0118】
以上説明したように、本実施形態に係る表示装置1は、OLED1aと反射及び透過型のRD1cとを貼り合わせて一体に形成された両面型の透明ディスプレイである。また、表示装置1は、複数の透過部9は、反射データに基づく複数の反射部4による映像表示と、映像データに基づく複数の発光部6による映像表示とは独立して、調光データに基づく外光の透過率制御可能に構成されている。
【0119】
この構成によれば、室内ではOLED1aを用いて高精細に、室外では反射型のRD1cを用いて表示輝度を上げて表示することができる。つまり、実施形態に係る表示装置1によれば、表示装置1の視認性を向上することができる。
【0120】
また、RD1cの映像表示のための液晶を調光にも用いる構成であるため、調光素子を別途設ける必要がなく、装置を薄型化及び軽量化を実現することができる。
【0121】
(第2の実施形態)
まず、本実施形態に係る表示装置1の構成について説明する。ここでは、第1の実施形態に係る表示装置1との相違点を主に説明し、重複する説明については適宜省略する。
図10は、第2の実施形態に係る表示装置1の構成の一例を模式的に示す断面図である。
図2は、ガラス基板3aの裏面側の面に垂直な方向における第1断面を示す。
【0122】
本実施形態に係る表示装置1は、ボトムエミッション型の透明ディスプレイとして構成されたOLEDと、反射型の透明ディスプレイとして構成されとして構成されたRDとを組み合わせた構成を有する。具体的には、本実施形態に係る表示装置1は、
図10に示すように、
図1のRD1cにOLED1aの構成要素を組み込んだ構成を有する。
【0123】
表示装置1は、
図10に示すように、ガラス基板3a、ガラス基板3d、TFT基板5、調光層7、フィルタ層8、偏光板81a、偏光板81c、λ/4位相差板83a及びλ/4位相差板83cを有する。
【0124】
ガラス基板3a及びガラス基板3dは、略平行に離間して配置されている。ガラス基板3aは、表示装置1のz-側、すなわち表面側に設けられる。ガラス基板3aの表面側には、
図1の表示装置1と同様に、偏光板81a及びλ/4位相差板83aが設けられる。つまり、本実施形態に係るガラス基板3a、偏光板81a及びλ/4位相差板83aは、
図1のRD1cのガラス基板3cの位置に設けられる。ガラス基板3dは、表示装置1のz+側、すなわち裏面側に設けられる。ガラス基板3dの裏面側には、
図1の表示装置1と同様に、偏光板81c及びλ/4位相差板83cが設けられる。
【0125】
表示装置1には、複数の反射部4、複数の発光部6及び複数の透過部9が設けられている。
図10は、複数の反射部4のうちの反射部4a及び反射部4bと、複数の発光部6のうちの発光部6a及び発光部6bと、複数の透過部9のうちの透過部9aと、を例示する。
【0126】
TFT基板5は、ガラス基板3a及びフィルタ層8の間、例えばガラス基板3aのz+側に設けられる。ここで、第2の実施形態に係るガラス基板3aは、第1基板の一例である。また、第2の実施形態に係るガラス基板3aの裏面側の面は、第1面の一例である。また、第2の実施形態に係るガラス基板3aの表面側の面は、第2面の一例である。
【0127】
TFT基板5には、ゲート電極53a、ゲート電極53b、ゲート電極53c、ゲート電極53d、ゲート電極53e、ソース-ドレイン電極54a、ソース-ドレイン電極54b、ソース-ドレイン電極54c、ソース-ドレイン電極54d、ソース-ドレイン電極54e、接続電極63a、接続電極63b、接続電極73c、接続電極73d及び接続電極73eが設けられる。TFT基板5において、複数のTFT102、複数のTFT113及び複数のTFT163のそれぞれは、
図1の表示装置1と同様に、絶縁部材51により覆われている。また、透明電極61a、透明電極61b、反射電極64a、反射電極64b、発光層65a及び発光層65bのそれぞれは、絶縁部材55により覆われている。つまり、第2の実施形態に係る複数のTFT113及び複数のTFT163は、発光層65a及び発光層65bと、ガラス基板3aとの間に位置する。反射電極64a及び反射電極74cと、反射電極64b及び反射電極74dと、のそれぞれは、絶縁部材55を介して、略平行に離間して設けられる。
【0128】
ここで、本実施形態に係る絶縁部材51は、
図1の表示装置1の絶縁部材51a及び絶縁部材51cに対応する。同様に、本実施形態に係る絶縁部材55は、
図1の表示装置1の絶縁部材55a及び絶縁部材55cに対応する。つまり、本実施形態に係る表示装置1は、
図1の表示装置1の構成において絶縁部材51aに設けられる複数のTFT102が複数のTFT113及び複数のTFT163とともに絶縁部材51cに設けられた構成に相当する。同様に、本実施形態に係る表示装置1は、
図1の表示装置1の構成において絶縁部材55aに設けられる透明電極61a、透明電極61b、反射電極64a、反射電極64b、発光層65a及び発光層65bのそれぞれが、反射電極74c及び絶縁部材51cの間の絶縁部材55cに設けられた構成に相当する。したがって、第2の実施形態に係る表示装置1においてTFT基板5の表面側の面は、ガラス基板3aに対応して接する。また、第2の実施形態に係る表示装置1においてTFT基板5の裏面側の面には、透明電極74eが設けられる。
【0129】
ここで、第2の実施形態に係るTFT基板5、あるいは、当該TFT基板5において絶縁部材51により覆われた複数のTFT102、複数のTFT113及び複数のTFT163の層は、第1内部層の一例である。また、第2の実施形態に係るTFT基板5の表面側の面は、第5面の一例である。また、第2の実施形態に係るTFT基板5の裏面側の面は、第6面の一例である。また、第2の実施形態に係るTFT基板5の複数のTFT102を含む回路構成は、第1回路構成の一例である。また、第2の実施形態に係るTFT基板5の複数のTFT163を含む回路構成は、第2回路構成の一例である。また、第2の実施形態に係るTFT基板5の複数のTFT113を含む回路構成は、第3回路構成の一例である。
【0130】
なお、本実施形態に係る表示装置1には、
図1の表示装置1とは異なり、接着層2、ガラス基板3b、ガラス基板3c及び封止層85aは設けられていない。
【0131】
次に、実施形態に係る表示装置1の作用について説明する。
図11は、第2の実施形態に係る表示装置1の「発光/反射/透過」モードについて説明するための図である。
【0132】
「発光/反射/透過」モードにおいて、TFT基板5は、出力する映像に応じた位置に設けられた、透明電極61a及び反射電極64aの間と、透明電極61b及び反射電極64bの間とのそれぞれについて、しきい値電圧を超える電圧を印加する。これにより、複数の発光部6のそれぞれからの光は、
図11に矢印Ag1及び矢印Ar1で示すように、表面側の表示面から射出される。つまり、表示装置1は、表面側の表示面により室内向けの映像を出力可能である。
【0133】
また、「発光/反射/透過」モードにおいて、TFT基板5は、出力する映像に応じた位置に設けられた、反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれと、透明電極71との間について、しきい値電圧を超える電圧を印加しない。これにより、
図11に矢印Acで示すように、偏光板81c、λ/4位相差板83c、ガラス基板3d、カラーフィルタ45a、透明電極71及び調光部材75を介して、反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれに入射する。そして、反射電極74c及び反射電極74dのそれぞれによる反射光は、
図11に矢印Ag2及び矢印Ar2で示すように、裏面側の表示面から射出される。つまり、表示装置1は、裏面側の表示面により室外向けの映像を出力可能である。
【0134】
また、「発光/反射/透過」モードにおいて、TFT基板5は、すべての透明電極74eと透明電極71との間について、しきい値電圧を超える電圧を印加しない。これにより、複数の透過部9のそれぞれによる透過光は、
図11に矢印Ac及び矢印Adで示すように、両面側の表示面のそれぞれから射出される。つまり、表示装置1は、室外の景色及び室内の景色を透過する。
【0135】
したがって、本実施形態に係る表示装置1は、
図1の表示装置1と同様に、「発光/反射/透過」モードにおいて室内向けの映像を室外の景色に重畳して表示したり、室外向けの映像を室内の景色に重畳して表示したりすることができる。
【0136】
なお、本実施形態に係る表示装置1もまた、
図1の表示装置1と同様に「発光/反射/透過」モードに限らず、「発光」モード、「反射」モード、「透過」モード、「調光」モード、「発光/反射」モード、「発光/透過」モード、「反射/透過」モード、「発光/調光」モード、「反射/調光」モード及び「発光/反射/調光」モードの各モードを実現可能である。
【0137】
以上説明したように、本実施形態に係る表示装置1は、OLED1aと反射及び透過型のRD1cとを組み合わせて一体に形成された両面型の透明ディスプレイである。また、本実施形態に係る表示装置1において、OLED1aに対応する複数の発光部6は、ボトムエミッション型の透明ディスプレイとして構成されている。一般に、ボトムエミッション型は、トップエミッション型より作製が容易である。したがって、本実施形態に係る構成によれば、OLED1a及びRD1cを貼り合わせて形成される場合より製造に係る工程や部品点数を低減し、装置のより一層の薄型化、軽量化及び低コスト化を実現することができる。
【0138】
(表示装置における表示制御)
ここで、上述の各実施形態に係る表示装置1の具体的な回路構成及び表示制御について、図面を参照しつつ、説明する。ここでは、第2の実施形態に係る表示装置1を例として説明する。
【0139】
なお、本開示の説明では、複数のR発光画素100R_n、複数のG発光画素100G_n及び複数のB発光画素100B_n(nは自然数)を区別しない場合には、複数の発光画素100_nと記載する。同様に、複数のR反射画素160R_n、複数のG反射画素160G_n及び複数のB反射画素160B_nを区別しない場合には、複数の反射画素160_nと記載する。
【0140】
図12は、実施形態に係る表示装置1の回路構成の一例を模式的に示す図である。
【0141】
TFT基板5は、
図12に示すように、複数の発光画素100_n、複数の調光画素110_n及び複数の反射画素160_nを有する。複数の発光画素100_n、複数の調光画素110_n及び複数の反射画素160_nは、TFT基板5にマトリックス状に配列された回路構成である。
【0142】
複数の発光画素100_nは、複数の発光部6を構成し、それぞれが独立して発光のオン/オフ可能に構成されている。複数の調光画素110_nは、複数の透過部9を構成し、それぞれが独立して可視光に対する透過のオン/オフ、あるいはその透過率を変更可能に構成されている。複数の反射画素160_nは、複数の反射部4を構成し、それぞれが独立して反射のオン/オフ可能に構成されている。
【0143】
例えば、複数のR発光画素100R_nは、平面視において複数のR反射画素160R_nと重複する位置に配列されている。例えば、複数のG発光画素100G_nは、平面視において複数のG反射画素160G_nと重複する位置に配列されている。例えば、複数のB発光画素100B_nは、平面視において複数のB反射画素160B_nと重複する位置に配列されている。例えば、複数の調光画素110_nは、平面視において複数の反射画素160_nとは異なる位置に配列されている。
【0144】
複数の発光画素100_nのそれぞれは、
図12に示すように、発光素子101、TFT102、TFT105、保持容量106及び保持容量107を有する。
【0145】
発光素子101は、アノードとカソードとの間に流れる電流値に応じた輝度で発光するダイオードである。発光素子101のアノードは、TFT102のドレインに電気的に接続される。例えば、発光層65aに対応する発光素子101のアノードは、透明電極61a及び接続電極63aを介して、ソース-ドレイン電極54aのソース電極に電気的に接続される。例えば、発光層65bに対応する発光素子101のアノードは、透明電極61b及び接続電極63bを介して、ソース-ドレイン電極54bのソース電極に電気的に接続される。発光素子101のカソードは、Vss側の電源配線104に電気的に接続される。例えば、発光層65aに対応する発光素子101のカソードは、反射電極64aを介して、Vss側の電源配線104に電気的に接続される。例えば、発光層65bに対応する発光素子101のカソードは、反射電極64bを介して、Vss側の電源配線104に電気的に接続される。
【0146】
TFT102は、発光素子101の駆動トランジスタである。TFT102は、例えばP型TFTである。例えば、TFT102のソース及びドレインは、ソース-ドレイン電極54a及びソース-ドレイン電極54bに対応する。TFT102のゲートは、ゲート電極53a及びゲート電極53bに対応する。TFT102のソースは、Vdd側の電源配線103に電気的に接続される。TFT102のゲートは、TFT105のドレインに電気的に接続される。また、TFT102のゲートは、保持容量106及び保持容量107を介して、Vdd側の電源配線103に電気的に接続される。TFT102は、保持容量106及び保持容量107に保持された電圧に応じた電流を発光素子101に供給する。
【0147】
TFT105は、発光素子101のスイッチトランジスタである。TFT105は、例えば、P型TFTである。TFT105のソースは、対応する信号線130に電気的に接続される。例えば、R発光画素100R_nにおいてTFT105のソースは、信号線130R_nに電気的に接続される。例えば、G発光画素100G_nにおいてTFT105のソースは、信号線130G_nに電気的に接続される。例えば、B発光画素100B_nにおいてTFT105のソースは、信号線130B_nに電気的に接続される。TFT105のゲートは、対応する走査線Gate_nを介して、走査線駆動回路121に電気的に接続される。TFT105のドレインは、TFT102のゲート、保持容量106の一端及び保持容量107の一端に電気的に接続される。TFT105は、走査線駆動回路121により印加される電圧に応じてオン又はオフする。
【0148】
保持容量106及び保持容量107は、Vdd側の電源配線103とVss側の電源配線104との間に電気的に接続される。具体的には、保持容量106は、TFT105のドレインと、Vdd側の電源配線103との間に電気的に接続される。保持容量107は、TFT105のドレインと、Vss側の電源配線104との間に電気的に接続される。保持容量106及び保持容量107は、TFT105がオフされたときのVdd側の電源配線103の電位と、TFT102のゲートの電位との間の電位差を保持する。つまり、保持容量106及び保持容量107は、信号電圧に対応する電圧を保持する。
【0149】
複数の調光画素110_nのそれぞれは、
図12に示すように、液晶素子111、TFT113、保持容量114及び保持容量115を有する。
【0150】
液晶素子111は、透明電極74eに対応する位置の調光部材75に対応する。液晶素子111の一端は、透明電極71を介して、Vcom側の電源配線112に電気的に接続される。液晶素子111の他の一端は、透明電極74eを介して、TFT113のドレイン、すなわちソース-ドレイン電極54eのドレイン電極に電気的に接続される。液晶素子111の透過率は、透明電極71及び透明電極74eの間に交番電界が印加されることにより、透過状態から遮光状態まで制御される。
【0151】
TFT113は、液晶素子111のスイッチトランジスタである。TFT113は、例えばP型TFTである。例えば、TFT113のソース及びドレインは、ソース-ドレイン電極54eに対応する。TFT113のゲートは、ゲート電極53eに対応する。TFT113のソースは、対応する信号線140T_nに電気的に接続される。TFT113のゲートは、保持容量114の一端及び対応する走査線Gate_nに電気的に接続される。TFT113のドレインは、液晶素子111の一端、保持容量115の一端及び保持容量115の一端に電気的に接続される。TFT113は、走査線駆動回路121により印加される電圧に応じてオン/オフする。
【0152】
保持容量114及び保持容量115は、対応する走査線Gate_n及び走査線Gate_n+1の間に電気的に接続される。具体的には、保持容量114は、TFT113のゲート-ドレイン間に電気的に接続される。保持容量115は、TFT113のドレイン及び対応する走査線Gate_n+1の間に電気的に接続される。保持容量114及び保持容量115は、走査線駆動回路121からの走査信号に対応する電圧を保持する。
【0153】
複数の反射画素160_nのそれぞれは、
図12に示すように、液晶素子161、TFT163、保持容量164及び保持容量165を有する。
【0154】
液晶素子161は、反射電極74c及び反射電極74dに対応する位置の調光部材75に対応する。液晶素子161の一端は、透明電極71を介して、Vcom側の電源配線112に電気的に接続される。液晶素子161の他の一端は、TFT113のドレインに電気的に接続される。例えば、R反射画素160R_nにおいて液晶素子161の他の一端は、反射電極74dを介して、ソース-ドレイン電極54dのドレイン電極に電気的に接続される。例えば、G反射画素160G_nにおいて液晶素子161の他の一端は、反射電極74cを介して、ソース-ドレイン電極54cのドレイン電極に電気的に接続される。液晶素子161の透過率は、透明電極71と反射電極74cとの間及び透明電極71と反射電極74dとの間に交番電界が印加されることにより、透過状態から遮光状態まで制御される。
【0155】
TFT163は、液晶素子161のスイッチトランジスタである。TFT163は、例えばP型TFTである。TFT163のソース及びドレインは、ソース-ドレイン電極54c及びソース-ドレイン電極54dに対応する。TFT163のゲートは、ゲート電極53c及びゲート電極53dに対応する。TFT163のソースは、対応する信号線140に電気的に接続される。例えば、R反射画素160R_nにおいてTFT163のソースは、信号線140R_nに電気的に接続される。例えば、G反射画素160G_nにおいてTFT163のソースは、信号線140G_nに電気的に接続される。例えば、B反射画素160B_nにおいてTFT163のソースは、信号線140B_nに電気的に接続される。TFT163のゲートは、保持容量164の一端及び対応する走査線Gate_nに電気的に接続される。TFT163のドレインは、液晶素子161の一端、保持容量164の一端及び保持容量165の一端に電気的に接続される。TFT163は、走査線駆動回路121により印加される電圧に応じてオン/オフする。
【0156】
保持容量164及び保持容量165は、対応する走査線Gate_n及び走査線Gate_n+1の間に電気的に接続される。具体的には、保持容量164は、TFT163のゲート-ドレイン間に電気的に接続される。保持容量165は、TFT163のドレイン及び対応する走査線Gate_n+1の間に電気的に接続される。保持容量164及び保持容量165は、走査線駆動回路121からの走査信号に対応する電圧を保持する。
【0157】
なお、TFT基板5に設けられる保持容量は、TFTと同じ材料を用いて、TFTと同時に形成される。TFT基板5に設けられる保持容量は、例えば電極、絶縁膜、電極がこの順に積層された構造を有する容量素子である。
【0158】
TFT基板5は、
図12に示すように、走査線Gate_n、走査線Gate_n+1(nは自然数)、走査線駆動回路121、複数の信号線130、OLED駆動回路131、複数の信号線140、LCD駆動回路141及びタイミング制御回路150を有する。
【0159】
走査線駆動回路121は、走査線Gate_n及び走査線Gate_n+1に電気的に接続される。走査線Gate_nは、対応する発光画素100_nのTFT105のゲートと、対応する調光画素110_nのTFT113のゲートと、対応する反射画素160_nのTFT163のゲートとのそれぞれに電気的に接続される。走査線Gate_n+1は、対応する調光画素110_nの保持容量115を介して、それぞれのTFT113のドレインに電気的に接続される。
【0160】
走査線駆動回路121は、走査線Gate_n、走査線Gate_n+1に走査信号を出力することで、複数の発光画素100_nを順に走査する。具体的には、発光画素100_nのTFT105を行単位でオン又はオフする。これにより、走査線駆動回路121は、選択している行の複数の発光画素100_nに、OLED駆動回路131から出力された信号電圧を対応する信号線130により印加し、複数の発光画素100_nのそれぞれの発光素子101を映像データに応じた輝度で発光させる。
【0161】
同様に、走査線駆動回路121は、走査線Gate_n、走査線Gate_n+1に走査信号を出力することで、複数の調光画素110_n及び複数の反射画素160_nを順に走査する。具体的には、調光画素110_nのTFT113と、反射画素160_nのTFT163とを行単位でオン又はオフする。これにより、走査線駆動回路121は、選択している行の複数の調光画素110_n及び複数の反射画素160_nに、LCD駆動回路141から出力された信号電圧を対応する信号線140により印加し、複数の調光画素110_nのそれぞれの液晶素子111の透過率を調光データに応じて変更するとともに、複数の反射画素160_nのそれぞれの液晶素子161の反射率を反射データに応じて変更する。
【0162】
OLED駆動回路131は、複数の信号線130を介して、映像データに対応する信号電圧を複数の発光画素100_nのそれぞれに印加する。信号線130R_nは、R発光画素100R_nのTFT105のソースに電気的に接続される。信号線130R_nは、映像データに対応する映像信号Sig_OLED-R_nをR発光画素100R_nに供給する。信号線130G_nは、G発光画素100G_nのTFT105のソースに電気的に接続される。信号線130G_nは、映像データに対応する映像信号Sig_OLED-G_nをG発光画素100G_nに供給する。信号線130B_nは、B発光画素100B_nのTFT105のソースに電気的に接続される。信号線130B_nは、映像データに対応する映像信号Sig_OLED-B_nをB発光画素100B_nに供給する。ここで、R発光画素100R_nは、赤色光を発光するOLEDの画素である。G発光画素100G_nは、緑色光を発光するOLEDの画素である。B発光画素100B_nは、青色光を発光するOLEDの画素である。
【0163】
LCD駆動回路141は、複数の信号線140を介して、調光データ及び反射データに対応する信号電圧を複数の調光画素110_n及び複数の反射画素160_nのそれぞれに印加する。信号線140T_nは、調光画素110_nのTFT113のソースに電気的に接続される。信号線140T_nは、調光データに対応する調光信号Sig_LCD-T_nを調光画素110_nに供給する。信号線140R_nは、R反射画素160R_nのTFT163のソースに電気的に接続される。信号線140R_nは、反射データに対応する反射信号Sig_LCD-R_nをR反射画素160R_nに供給する。信号線140G_nは、G反射画素160G_nのTFT163のソースに電気的に接続される。信号線140G_nは、反射データに対応する反射信号Sig_LCD-G_nをG反射画素160G_nに供給する。信号線140B_nは、B反射画素160B_nのTFT163のソースに電気的に接続される。信号線140B_nは、反射データに対応する反射信号Sig_LCD-B_nをB反射画素160B_nに供給する。ここで、R反射画素160R_nは、赤色光を透過するカラーフィルタが設けられたLCDの画素である。G反射画素160G_nは、緑色光を透過するカラーフィルタが設けられたLCDの画素である。B反射画素160B_nは、青色光を透過するカラーフィルタが設けられたLCDの画素である。
【0164】
タイミング制御回路150は、走査線駆動回路121、OLED駆動回路131及びLCD駆動回路141のそれぞれに電気的に接続される。タイミング制御回路150は、入力された画像信号に基づいて、走査線駆動回路121、OLED駆動回路131及びLCD駆動回路141の動作タイミングを制御する。ここで、実施形態に係るタイミング制御回路150は、制御回路の一例である。
【0165】
図13は、実施形態に係る表示装置1の調光制御の一例を模式的に示す信号波形図である。
【0166】
タイミング制御回路150は、
図13に示すように、入力された画像信号に応じたタイミングで走査線信号Vgateを立ち上げるように走査線駆動回路121を制御する。走査線駆動回路121は、タイミング制御回路150の制御に従うタイミングで、例えば矩形状のパルス信号を生成し、複数の発光画素100_nを順に走査するとともに、複数の調光画素110_n及び複数の反射画素160_nを順に走査する。したがって、当該パルス信号のパルス幅は、1走査期間に相当する。
【0167】
また、タイミング制御回路150は、入力された画像信号に基づいて、映像データに対応する信号電圧をOLED駆動回路131に供給するとともに、調光データ及び反射データに対応する信号電圧をLCD駆動回路141に供給する。
【0168】
ここで、タイミング制御回路150は、
図12に示すように、入力された画像信号に基づいて、LCD駆動回路141から複数の調光画素110_nのそれぞれに印加される調光信号の振幅をフレームごとに制御する。
【0169】
このように、タイミング制御回路150は、入力された画像信号に基づいて、複数の調光画素110_nのそれぞれに印加される調光信号としてのLCD信号Vsigの振幅をフレームごとに制御する。換言すれば、タイミング制御回路150は、入力された画像信号に基づいて、調光画素110_nの液晶素子111の透過率を透過から遮光までの間で制御する。
【0170】
また、タイミング制御回路150は、入力された画像信号に基づいて、走査線信号Vgateが立ち上がるタイミングを制御することにより、複数の発光画素100_nの発光と、複数の調光画素110の透過率と、複数の反射画素160_nの反射率とを制御することができる。換言すれば、タイミング制御回路150は、1つのゲートパルス信号により、表示装置1における各画素の発光、調光及び反射を制御することができる。この構成によれば、表示画像に応じた画素単位の調光を容易に実現することができる。
【0171】
タイミング制御回路150のハードウェアとしては、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のプロセッサが適宜利用可能である。
【0172】
なお、タイミング制御回路150は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、RAM(Random Access Memory)等のメモリとを有し、メモリにロードされた制御プログラムをプロセッサが実行することにより、上述の制御を実現してもよい。この場合、当該制御プログラムは、例えばROM(Read Only Memory)等に予め組み込まれて提供されてもよい。また、当該制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、当該制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、当該制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0173】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、表示装置の視認性を向上することができる。
【0174】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0175】
(付記)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
(1)
第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、を有し、前記第1面及び前記第2面に垂直な方向に可視光を透過する第1基板と、
それぞれが独立して発光可能に構成された複数の発光画素と、
前記第1面上に配置され、前記複数の発光画素のそれぞれに電気的に接続される回路構成である第1回路構成を含む第1内部層と、
可視光を透過する第2基板と、
前記第1面に垂直な方向における断面である第1断面において、前記第1基板と前記第2基板との間に位置する液晶層と、
前記第1断面において、前記複数の発光画素の少なくとも1つと、前記液晶層と、の間に位置し、可視光を反射する第1電極と、
前記第1断面において、前記液晶層と、前記第1基板と、の間に位置し、かつ平面視において前記第1電極と重ならず、可視光を透過する第2電極と、
前記第1断面において、前記液晶層と前記第2基板との間に位置し、かつ平面視において前記第1電極と重なり、可視光を透過する第3電極と、
前記第1断面において、前記液晶層と前記第2基板との間に位置し、かつ平面視において前記第2電極と重なり、可視光を透過する第4電極と、
を備える表示装置。
(2)
前記第1断面において、前記第3電極と前記第2基板との間に位置する第1カラーフィルタを備える、
上記(1)に記載の表示装置。
(3)
前記第1カラーフィルタは、前記第1断面において、前記第4電極と前記第2基板との間に位置する、
上記(2)に記載の表示装置。
(4)
前記液晶層は、前記第1電極と前記第3電極との間に位置する第1部分と、前記第2電極と前記第4電極との間に位置する第2部分と、を有し、
前記第2部分の厚みは、前記第1部分の厚みの2倍である、
上記(1)から上記(3)のうちのいずれか一項に記載の表示装置。
(5)
可視光を偏光する第1偏光層および第2偏光層を備え、
前記第1断面において、前記第1基板は前記第1偏光層と前記第2電極との間に位置し、
前記第1断面において、前記第2基板は前記第2偏光層と前記第3電極との間に位置する、
上記(1)から上記(4)のうちのいずれか一項に記載の表示装置。
(6)
前記第1断面において、前記第1偏光層と前記第1基板との間に位置する第1λ/4位相差板と、
前記第1断面において、前記第2偏光層と前記第2基板との間に位置する第2λ/4位相差板と、
上記(5)に記載の表示装置。
(7)
前記第3電極と前記第4電極は一体に形成される、
上記(1)から上記(6)のうちのいずれか一項に記載の表示装置。
(8)
前記第1断面において、前記複数の発光画素は前記第1内部層と前記第1基板との間に位置する、
上記(1)から上記(7)のうちのいずれか一項に記載の表示装置。
(9)
可視光を透過する第3基板を備え、
前記第1断面において、前記複数の発光画素は、前記第1基板と前記第3基板との間に位置する、
上記(8)に記載の表示装置。
(10)
第3面と、前記第3面の反対側の第4面と、を有し、前記第3面及び前記第4面に垂直な方向に可視光を透過する第4基板と、
前記第3面上に配置され、前記第1電極に電気的に接続される回路構成である第2回路構成と、前記第2電極に電気的に接続される回路構成である第3回路構成と、を含む第2内部層と、を備え、
前記第1断面において、前記液晶層は前記第2基板と前記第4基板との間に位置する、
上記(9)に記載の表示装置。
(11)
前記第1断面において、前記第1内部層は前記複数の発光画素と前記第1基板との間に位置する、
上記(1)から上記(7)のうちのいずれか一項に記載の表示装置。
(12)
前記第1内部層は、前記第1面に対向して接する第5面と、前記第5面の反対側の第6面と、を有し、
前記第2電極は、前記第6面上に配置される、
上記(11)に記載の表示装置。
(13)
前記第1内部層は、前記第1電極に電気的に接続される回路構成である第2回路構成と、前記第2電極に電気的に接続される回路構成である第3回路構成と、を含む、
上記(12)に記載の表示装置。
【符号の説明】
【0176】
1 表示装置
1a OLED
1c RD
2 接着層
3a,3b,3c,3d ガラス基板
4,4a,4b 反射部
5,5a,5c TFT基板
6,6a,6b 発光部
7 調光層
8 フィルタ層
9,9a 透過部
45,45a,45b カラーフィルタ
51,51a,51c,55,55a,55c 絶縁部材
53a,53b,53c,53d,53e ゲート電極
54a,54b,54c,54d,54e ソース-ドレイン電極
61a,61b,71,74e 透明電極
63a,63b,73c,73d,73e 接続電極
64a,64b,74c,74d 反射電極
65a,65b 発光層
75 調光部材
77,87 スペーサ
81a,81c 偏光板
83a,83c λ/4位相差板
85a 封止層
85c 透明絶縁層
100R_n,100G_n,100B_n 発光画素
101 発光素子
102,105,113,163 TFT
103,104 電源配線
106,107,114,115,164,165 保持容量
110_n 調光画素
111,161 液晶素子
121 走査線駆動回路
131 OLED駆動回路
141 LCD駆動回路
160R_n,160G_n,160B_n 反射画素
Gate_n,Gate_n+1 走査線
R11 発光領域
R13 反射領域
R2 透明領域
R3 調光領域