(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108715
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】フォトインタラプタ及びフォトインタラプタユニット
(51)【国際特許分類】
H01L 31/12 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
H01L31/12 A
H01L31/12 D
H01L31/12 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013232
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】319006047
【氏名又は名称】シャープセミコンダクターイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】岡野 一昭
【テーマコード(参考)】
5F889
【Fターム(参考)】
5F889BB02
5F889BB06
5F889BC11
5F889CA20
(57)【要約】
【課題】製造コストを安価にする。
【解決手段】フォトインタラプタ(1)は、ケース(10)の外形を構成する壁には、ケース(10)が取り付けられる取付板(2)の取付面(21)に沿う方向に突出するように取付板(2)に形成された突部(23)と係合する凹部(31)を有し、前記壁の厚さ方向において前記壁の外壁面よりケース(10)の内側に位置する係合部(30)が形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付板に取り付け可能なフォトインタラプタであって、
光を照射する発光素子と、
前記発光素子から照射された光を受光する受光素子と、
前記発光素子および前記受光素子が内部に配置され、前記取付板に取り付け可能なケースと、を備え、
前記ケースの外形を構成する壁には、前記ケースが取り付けられる前記取付板の取付面に沿う方向に突出するように前記取付板に形成された突部と係合する凹部を有し、前記壁の厚さ方向において前記壁の外壁面より前記ケースの内側に位置する係合部が形成される、フォトインタラプタ。
【請求項2】
前記係合部は、前記フォトインタラプタを前記取付板に取り付ける際に、前記突部を前記凹部に案内する傾斜面、又は曲面が形成された爪部を更に有する、請求項1に記載のフォトインタラプタ。
【請求項3】
前記爪部の先端は、前記厚さ方向において、前記爪部の基端よりも前記ケースの外側に位置する、請求項2に記載のフォトインタラプタ。
【請求項4】
前記爪部の先端は、前記厚さ方向において、前記爪部の基端よりも前記ケースの内側に位置する、請求項2に記載のフォトインタラプタ。
【請求項5】
前記係合部の前記凹部は、前記壁を貫通する貫通孔である、請求項1に記載のフォトインタラプタ。
【請求項6】
前記係合部は、前記壁に対して複数形成されている、請求項1に記載のフォトインタラプタ。
【請求項7】
前記ケースの前記壁には、前記取付板に形成された制限部と係合することにより、前記取付板に対する前記フォトインタラプタの取り付け位置を決める位置決め部が形成されている、請求項1に記載のフォトインタラプタ。
【請求項8】
前記係合部の前記凹部は、前記取付板に対して前記フォトインタラプタを取り付ける取付方向における前記凹部の孔径が第1孔径と第2孔径となるように段部が形成され、
前記第1孔径は、前記第2孔径よりも小さい、請求項1に記載のフォトインタラプタ。
【請求項9】
前記フォトインタラプタは透過型である、請求項1に記載のフォトインタラプタ。
【請求項10】
前記フォトインタラプタは反射型である、請求項1に記載のフォトインタラプタ。
【請求項11】
前記係合部は、前記係合部が形成される前記壁を前記厚さ方向から見たとき、前記係合部が形成される前記壁の領域内に形成されている、請求項1に記載のフォトインタラプタ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のフォトインタラプタと、
前記取付板と、を備える、フォトインタラプタユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトインタラプタ及びフォトインタラプタユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
光を照射する発光素子と、発光素子からの光を受光する受光素子とを備えるフォトインタラプタが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されたフォトインタラプタは、透過型のフォトインタラプタであり、板状の装着部材に取り付けられている。また、例えば、特許文献2に記載されたフォトインタラプタは、反射型のフォトインタラプタであり、ガイド板に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5549878号公報
【特許文献2】特許第3606547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に記載のフォトインタラプタはいずれにおいても、取付板に対してフォトインタラプタを取り付けるための構造を簡略化することで、製造コスト面において更なる改善を行う余地があった。
【0006】
本発明の一態様は、製造コストを安価にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るフォトインタラプタは、取付板に取り付け可能なフォトインタラプタであって、光を照射する発光素子と、前記発光素子から照射された光を受光する受光素子と、前記発光素子および前記受光素子が内部に配置され、前記取付板に取り付け可能なケースと、を備え、前記ケースの外形を構成する壁には、前記ケースが取り付けられる前記取付板の取付面に沿う方向に突出するように前記取付板に形成された突部と係合する凹部を有し、前記壁の厚さ方向において前記壁の外壁面より前記ケースの内側に位置する係合部が形成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、製造コストを安価にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態1に係るフォトインタラプタユニットの構成を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示すフォトインタラプタが取付板に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【
図4】実施形態1のフォトインタラプタに形成される係合部の第1変形例を示す図である。
【
図5】実施形態1のフォトインタラプタに形成される係合部の第2変形例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態2に係るフォトインタラプタユニットの構成を示す斜視図である。
【
図7】
図6に示すフォトインタラプタが取付板に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態3に係るフォトインタラプタを示す斜視図である。
【
図10】
図9に示すC‐C線に沿った断面図である。
【
図11】本発明の実施形態4に係るフォトインタラプタユニットを示す断面図である。
【
図12】本発明の実施形態5に係るフォトインタラプタを示す斜視図である。
【
図13】本発明の実施形態6に係るフォトインタラプタを示す斜視図である。
【
図14】本発明の実施形態6に係る取付板を示す斜視図である。
【
図15】本発明の実施形態7に係るフォトインタラプタを示す斜視図である。
【
図16】
図15に示すフォトインタラプタの係合部を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1について、
図1~
図3を参照して詳細に説明する。
図1は、実施形態1に係るフォトインタラプタユニット100の構成を示す斜視図である。
図2は、
図1に示すフォトインタラプタ1が取付板2に取り付けられた状態を示す斜視図である。
図3は、
図2に示すA‐A線に沿った断面図である。
【0011】
なお、フォトインタラプタユニット100の各構成の形状および位置関係などを説明するにあたって、便宜上、
図1などに示すような取付板2の短手方向であるX(X1-X2)方向、取付板2の長手方向であるY(Y1-Y2)方向、取付板2の厚さ方向であるZ(Z1-Z2)方向という三方向の座標軸を規定する。また、以下の説明において、フォトインタラプタが取付板に取り付けられた状態のことを、「取付状態」と称して説明する。
【0012】
〔フォトインタラプタユニットの構成〕
図1に示すように、フォトインタラプタユニット100は、フォトインタラプタ1と、取付板2とを備える。
図2に示すように、取付板2にフォトインタラプタ1を取り付けることにより、フォトインタラプタユニット100が構成される。
【0013】
(フォトインタラプタ)
図1に示すフォトインタラプタ1は、発光素子と受光素子との間にて発光素子からの光が遮断されることで物体の有無を検知する透過型のフォトインタラプタである。フォトインタラプタ1は、光を照射する発光素子と、発光素子から照射された光を受光する受光素子と、ケース10と、コネクタ部14と、を備えている。
【0014】
ケース10は、遮光性の樹脂により形成されている。ケース10は、ケース本体11と、発光部12と、受光部13とにより構成される。ケース本体11はZ方向において矩形状に構成されている。ケース本体11の短手方向はX方向であり、ケース本体11の長手方向はY方向である。ケース本体11は、基壁111と、第1側壁112と、第2側壁113(
図3参照)と、第3側壁(不図示)と、第4側壁114とにより構成されている。基壁111、第1側壁112、第2側壁113、第3側壁、及び第4側壁114は、ケース10の外形の一部を構成する。なお、基壁111の厚みの方向はZ方向であり、第1側壁112および第2側壁113の厚み方向はX方向であり、第3側壁および第4側壁114の厚み方向はY方向である。
【0015】
基壁111は、ケース本体11のZ1方向側に位置する壁である。第1側壁112は、基壁111のX1方向側の端部151からZ2方向に伸びる壁である。端部151は、第1側壁112のZ1方向側の端部でもある。第2側壁113は、
図3に示すように、基壁111のX2方向側の端部155からZ2方向に伸びる壁である。端部155は、第2側壁113のZ1方向側の端部でもある。
【0016】
第3側壁(不図示)は、基壁111のY1方向側の端部161からZ2方向に伸びる壁である。端部161は、第3側壁のZ1方向側の端部でもある。第4側壁114は、基壁111のY2方向側の端部(不図示)からZ2方向に伸びる壁である。基壁111のY2方向側の端部は、第4側壁114のZ1方向側の端部でもある。
【0017】
図3に示すように、第2側壁113は、X方向において第1側壁112と対向する。第4側壁114は、Y方向において第3側壁と対向する。なお、ケース本体11は、Z方向において基壁111と対向する底壁を備える構成としてもよい。
【0018】
図1及び
図2に示すように、発光部12は、ケース本体11の基壁111に設けられ、基壁111からZ1方向に伸びる柱状のケースである。発光部12の内部には発光素子が配置されている。発光素子は、一例として、発光ダイオードである。発光部12には第1スリット121が形成され、発光素子からの光は第1スリット121を介して発光部12の外部に照射される。第1スリット121は、発光部12のY2方向を向く面に形成されている。より詳細には、第1スリット121は、発光部12のY2方向を向く面のZ1方向側に形成されている。発光部12の発光素子から照射される光の方向はY2方向である。
【0019】
受光部13は、ケース本体11の基壁111に設けられ、基壁111からZ1方向に伸びる柱状のケースである。受光部13の内部には、受光素子が配置されている。受光素子は、一例として、フォトトランジスタである。受光部13は発光部12と所定の間隔を空けて設けられている。発光部12と受光部13との間の間隔は発光部12から照射される光を遮る物体の厚さに応じて決められる。
【0020】
受光部13には第2スリット131が形成され、受光部13の受光素子は第2スリット131を介して発光素子から照射された光を受光する。第2スリット131は、受光部13のY1方向を向く面に形成されている。より詳細には、第2スリット131は、受光部13のY1方向を向く面のZ1方向側に形成されている。第2スリット131は、発光部12の第1スリット121が形成された面と対向する受光部13の面に形成される。
【0021】
コネクタ部14は、ケース本体11のY2方向側に設けられている。具体的には、コネクタ部14はケース本体11の第4側壁114に設けられている。コネクタ部14は、外部の機器と電気的に接続するためのコネクタ端子141と、外力によるコネクタ端子141の変形を防止する防護壁142とを有している。
図2に示すように、取付状態では、コネクタ部14のコネクタ端子141は、取付板2の取付面21よりもX1方向側に位置する。
【0022】
(取付板)
図1に示すように、取付板2は、フォトインタラプタ1が取り付けられる平板状の板金である。取付板2のZ1方向側の面21が、フォトインタラプタ1のケース10が取り付けられる取付面である。取付面21は、取付状態のとき、Z方向における発光素子及び受光素子が位置する側の面である。取付板2に対してフォトインタラプタ1を取り付ける方向である取付方向は、Z2方向である。一方、取付板2に対してフォトインタラプタ1を取り外す方向である取外方向は、Z1方向である。なお、Z方向は、取付板2の板厚の方向でもある。取付板2には、挿入孔22、及び突部23が形成されている。挿入孔22、及び突部23は、打ち抜き加工により取付板2に形成される。
【0023】
挿入孔22は、取付板2に形成された貫通孔である。挿入孔22にはフォトインタラプタ1のケース本体11が挿入される。挿入孔22には、複数の突部23が形成されている。本実施形態においては、挿入孔22のX1方向側に2つ、挿入孔22のX2方向側に2つ形成されている。突部23は、後述するフォトインタラプタ1の係合部30の位置と係合部30の数に対応して形成されている。突部23は、取付板2の取付面21に沿う方向に突出する部分である。突部23は、X方向に突出している。なお、突部23は、Y方向に突出する構成としてもよい。突部23は上述したように打ち抜き加工により形成されるため、取付板2を折り曲げる曲げ加工を行う必要がない。突部23の厚さは取付板2の厚さと同じ厚さに形成される。
【0024】
(係合部)
フォトインタラプタ1の第1側壁112および第2側壁113には、係合部30がそれぞれ複数形成されている。本実施形態においては、第1側壁112および第2側壁113のそれぞれに、2つの係合部30が形成されている。なお、係合部30は、第1側壁112および第2側壁113のそれぞれに、3つ以上形成されていてもよい。また、第1側壁112に形成される係合部30と、第2側壁113に形成される係合部30の数は異なっていてもよい。また、係合部30は、コネクタ部14が形成されていないケース本体11の第3側壁に形成されてもよい。即ち、係合部30は、コネクタ部14が形成されていないケース本体11の壁に形成されていればよい。
【0025】
図3に示すように、第1側壁112に形成される係合部30は、X方向において、第1側壁112のX1方向側の外壁面112AよりもX2方向側に位置している。即ち、第1側壁112に形成される係合部30は、第1側壁112の外壁面112Aよりもケース10の内側に位置してる。第2側壁113に形成される係合部30は、X方向において、第2側壁113のX2方向側の外壁面113AよりもX1方向側に位置している。即ち、第2側壁113に形成される係合部30は、第2側壁113の外壁面Aよりもケース10の内側に位置している。
【0026】
図1に示すように、第1側壁112に形成される係合部30は、第1側壁112をX2方向から見たとき、第1側壁112の領域内に含まれるように形成されている。換言すれば、第1側壁112に形成される係合部30は、外壁面112Aの領域内に含まれるように形成されている。より詳細には、第1側壁112に形成される係合部30は、Z方向において、第1側壁112のZ1方向側の端部151と、第1側壁112のZ2方向側の端部152と間に形成されている。また、第1側壁112に形成される係合部30は、Y方向において、第1側壁112のY1側の端部153と、第1側壁112のY2方向側の端部154との間に形成されている。
【0027】
第2側壁113に形成される係合部30は、第2側壁113をX1方向から見たとき、第2側壁113に領域内に含まれるように形成されている。換言すれば、第2側壁113に形成される係合部30は、外壁面113Aの領域内に含まれるように形成されている。より詳細には、第2側壁113に形成される係合部30は、Z方向において、第2側壁113のZ1方向側の端部155と、第1側壁112のZ2方向側の端部156と間に形成されている。また、第2側壁113に形成される係合部30は、Y方向において、第2側壁113のY1側の端部と、第2側壁113のY2方向側の端部との間に形成されている。
【0028】
上述したように、係合部30が対応する第1側壁112又は第2側壁113の領域内に形成される構成によれば、第1側壁112又は第2側壁113の領域の外部に係合部30が形成されることがない。例えば、第1側壁112の端部152からZ2に延出して係合部30が形成されることがない。従って、フォトインタラプタ1のケース10の構成を簡略化することができる。これにより、製造コストを安価にすることができる。また、係合部30はケース10を構成する壁の領域内に形成されるため、ケース10の成型時、係合部30を形成するための金型を別途用意する必要がない。
【0029】
係合部30は、凹部31と、爪部32と、により構成されている。凹部31は、第1側壁112又は第2側壁113に対して、X方向に凹んだ部分である。凹部31には、取付板2の突部23が係合する。
【0030】
係合部30の爪部32は、Z方向において、凹部31よりもZ2方向側に位置する。爪部32は、Z1方向側に水平面321が形成されている。水平面321は、X方向及びY方向に水平な面である。水平面321は、凹部31の一部を構成している。
【0031】
爪部32のZ2方向側には傾斜面322が形成されている。傾斜面322は、フォトインタラプタ1を取付板2に取り付ける際に、突部23を凹部31に案内するように構成された傾斜面である。具体的には、傾斜面322は、ケース本体11の内側から外側に向かって凹部31側に傾く面である。より詳細には、第1側壁112に形成される爪部32の傾斜面322は、第1側壁112の内壁面112B側から外壁面112A側に向かってZ1方向に傾斜する。また、第2側壁113に形成される爪部32の傾斜面322は、第2側壁113の内壁面113B側から外壁面113A側に向かってZ1方向に傾斜する。爪部32が傾斜面322を有することにより、取付板2の突部23を係合部30の凹部31に係合し易くすることができる。
【0032】
係合部30の爪部32の先端323は、X方向において、爪部32の基端324よりもケース本体11の外側に位置している。即ち、爪部32の先端323はケース10の外側を向いている。具体的には、第1側壁112に形成される係合部30の爪部32は、X方向において、先端323が基端324よりもX1方向側に位置するように構成されている。また、第2側壁113に形成されている係合部30の爪部32は、X方向において、先端323が基端324よりもX2方向側に位置するように構成されている。
【0033】
(取付板にフォトインタラプタを取り付けるまでの流れ)
フォトインタラプタ1を
図1に示す位置からZ2方向に向けて取付板2に対して押し込むと、取付板2の突部23と爪部32の傾斜面322とが当接する。傾斜面322に当接した突部23は、傾斜面322に沿うようにしてケース本体11と相対移動し凹部31と係合する。突部23と凹部31が係合すると、
図2に示す取付状態となる。
図3に示すように、取付状態のとき、Z方向において、第1側壁112のZ2方向側の端部及び第2側壁113のZ2方向側の端部は、取付板2のZ2方向側の端部よりもZ2方向側に位置している。
【0034】
〔第1変形例〕
図4を参照して、実施形態1のフォトインタラプタ1に形成される係合部30の第1変形例について説明する。
図4は、実施形態1のフォトインタラプタ1に形成される係合部30の第1変形例を示す図である。第1変形例に係る係合部30Aは、実施形態1の係合部30と比較して、爪部32Aの形状が異なる。
【0035】
図4に示すように、係合部30Aの爪部32Aは、Z2方向側に水平面322Aが形成されている。即ち、X方向に沿う方向の爪部32Aの断面は、矩形状である。
【0036】
〔第2変形例〕
図5を参照して、実施形態1のフォトインタラプタ1に形成される係合部30の第2変形例について説明する。
図5は、実施形態1のフォトインタラプタ1に形成される係合部30の第2変形例を示す図である。第2変形例に係る係合部30Bは、実施形態1のフォトインタラプタ1の係合部30と比較して、爪部32Bの形状が異なる。
【0037】
図5に示すように、係合部30Bの爪部32Bは、Z2方向側に曲面322Bが形成されている。曲面322Bは、Z2方向に向かって凸な曲面である。曲面322Bは、フォトインタラプタ1を取付板2に取り付ける際に、突部23を係合部30Bの凹部31に案内するように構成されている。爪部32Bが曲面322Bを有することにより、取付板2の突部23を係合部30Bの凹部31に係合し易くすることができる。
【0038】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、
図6~
図8を参照して以下に説明する。
図6は、実施形態2に係るフォトインタラプタユニット200の構成を示す斜視図である。
図7は、
図6に示すフォトインタラプタ5が取付板2に取り付けられた状態を示す斜視図である。
図8は、
図7に示すB‐B線に沿った断面図である。実施形態2に係るフォトインタラプタ5は、実施形態1に係るフォトインタラプタ1と比較して、反射型のフォトインタラプタである点で異なる。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0039】
(フォトインタラプタ)
図6に示されるフォトインタラプタ5は、発光素子から照射された光が物体により反射され、物体から反射された光を受光素子が受光することにより、物体の有無を検知する反射型のフォトインタラプタである。フォトインタラプタユニット200は、反射型のフォトインタラプタ5と、取付板2とにより構成される。フォトインタラプタ5は、ケース51と、発光部52と、受光部53と、コネクタ部54と、を備えている。
【0040】
ケース51は、遮光性の樹脂により形成され、直方体形状に構成されている。ケース51は、基壁511と、第1側壁512と、第2側壁513と、第3側壁(不図示)と、第4側壁514と、底壁516と、により構成されている。基壁511、第1側壁512、第2側壁513、第3側壁、第4側壁514、及び底壁516は、ケース51の外形を構成する。
【0041】
基壁511は、ケース51のZ1方向側に位置する壁である。第1側壁512は、基壁511のX1方向側の端部551からZ2方向に伸びる壁である。端部551は、第1側壁512のZ1方向側の端部でもある。第2側壁513は、基壁511のX2方向側の端部555からZ2方向に伸びる壁である。端部555は、第2側壁513のZ1方向側の端部でもある。
【0042】
第3側壁は、基壁511のY1側の端部561からZ2方向に伸びる壁である。端部561は、第3側壁のZ1方向側の端部でもある。第4側壁514は、基壁511のY2方向側の端部565からZ2方向に伸びる壁である。端部565は、第4側壁514のZ1方向側の端部でもある。
【0043】
底壁516は、第1側壁512のZ2方向側の端部552、第2側壁513のZ2方向側の端部556(
図8参照)、第3側壁のZ2方向側の端部(不図示)および第4側壁514のZ2方向側の端部566を接続する壁である。
図8に示すように、第2側壁513は、X方向において第1側壁512と対向する。第4側壁514は、Y方向において第3側壁と対向する。底壁516は、Z方向において基壁511と対向する。
【0044】
基壁511には、発光部52及び受光部53が設けられている。発光部52には、発光素子が配置される。発光素子は、一例として、発光ダイオードである。発光素子から照射される光は、Z1方向側に向けて照射される。受光部53には、受光素子が配置される。受光素子は、一例として、フォトトランジスタである。
【0045】
コネクタ部54は、ケース51のY2方向側に設けられている。具体的には、コネクタ部54はケース51の第4側壁514に設けられている。コネクタ部54は、外部の機器と電気的に接続するためのコネクタ端子541と、外力によるコネクタ端子541の変形を防止する防護壁542とを有している。
図7に示すように、取付状態では、コネクタ部54のコネクタ端子541は、取付板2の取付面21よりもX1方向側に位置する。
【0046】
フォトインタラプタ5の第1側壁512および第2側壁513には、係合部30がそれぞれ複数形成されている。本実施形態においては、第1側壁512および第2側壁513のそれぞれに、2つの係合部30が形成されている。
【0047】
図8に示すように、第1側壁512に形成される係合部30は、X方向において、第1側壁512のX1方向側の外壁面512AよりもX2方向側に位置している。即ち、第1側壁512に形成される係合部30は、第1側壁512の外壁面512Aよりもケース51の内側に位置している。第2側壁513に形成される係合部30は、X方向において、第2側壁113のX2方向側の外壁面513AよりもX1方向側に位置している。即ち、第2側壁513に形成される係合部30は、第2側壁513の外壁面513Aよりもケース10の内側に位置している。
【0048】
図6に示すように、第1側壁512に形成される係合部30は、第1側壁512をX2方向から見たとき、第1側壁512の領域内に含まれるように形成されている。換言すれば、第1側壁512に形成される係合部30は、外壁面512Aの領域内に含まれるように形成されている。より詳細には、第1側壁512に形成される係合部30は、Z方向において、第1側壁512のZ1方向側の端部551と、第1側壁512のZ2方向側の端部552との間に形成されている。また、第1側壁512に形成される係合部30は、Y方向において、第1側壁512のY1側の端部553と、第1側壁512のY2方向側の端部との間に形成されている。
【0049】
第2側壁513に形成される係合部30は、第2側壁513をX1方向から見たとき、第2側壁513の領域内に含まれるように形成されている。換言すれば、第2側壁513に形成される係合部30は、外壁面513Aの領域内に含まれるように形成されている。より詳細には、第2側壁513に形成される係合部30は、Z方向において、第2側壁513のZ1方向側の端部555と、第1側壁112のZ2方向側の端部556と間に形成されている。また、第2側壁513に形成される係合部30は、Y方向において、第2側壁513のY1側の端部と、第2側壁113のY2方向側の端部との間に形成されている。
【0050】
なお、以下の実施形態において説明するフォトインタラプタの構成、及びフォトインタラプタユニットの構成は、本実施形態のフォトインタラプタ5及びフォトインタラプタユニット200に対しても適用することができる。
【0051】
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、
図9及び
図10を参照して以下に説明する。
図9は、実施形態3に係るフォトインタラプタ1Cを示す斜視図である。
図10は、
図9に示すC‐C線に沿った断面図である。実施形態3に係るフォトインタラプタ1Cは、実施形態1に係るフォトインタラプタ1と比較して、凹部31Cが第1側壁112および第2側壁113を貫通する貫通孔である点で異なる。
【0052】
なお、説明の便宜上、透過型のフォトインタラプタ1Cを用いて本実施形態の構成について説明するが、発光部12および受光部13が基壁111の柱状ケースに設けられていないフォトインタラプタに対しても本実施形態の構成を適用することが可能である。即ち、本実施形態の構成は、反射型のフォトインタラプタに対しても適用可能である。また、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0053】
図9及び
図10に示すように、フォトインタラプタ1Cの第1側壁112および第2側壁113には、複数の係合部30Cが形成されている。係合部30Cは、凹部31Cと、爪部32Cと、案内溝33とを有している。
図10に示すように、凹部31Cは、第1側壁112又は第2側壁113を貫通する貫通孔である。爪部32Cは、凹部31CのZ2方向側に形成されている。爪部32のZ1方向側の水平面321Cは、凹部31Cの一部を構成している。水平面321Cは、実施形態1の傾斜面322と同様の構成である。凹部31CのZ1方向側には、第1側壁112の端部151からZ2方向に形成され、凹部31Cと接続する溝33が形成されている。
【0054】
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4について、
図11を参照して以下に説明する。
図11は、実施形態4に係るフォトインタラプタユニット100Dを示す断面図である。実施形態4に係るフォトインタラプタ1Dは、実施形態1に係るフォトインタラプタ1と比較して、係合部30Dの爪部32Dの先端323Dがケース10の内側を向いている点で異なる。
【0055】
なお、説明の便宜上、透過型のフォトインタラプタ1Dを用いて本実施形態の構成について説明するが、発光部12および受光部13が基壁111の柱状ケースに設けられていないフォトインタラプタに対しても本実施形態の構成を適用することが可能である。即ち、本実施形態の構成は、反射型のフォトインタラプタに対しても適用可能である。また、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0056】
図11に示すように、係合部30Dの爪部32Dの先端323Dは、X方向において、爪部32の基端324Dよりもケース本体11の内側に位置している。即ち、先端323Dはケース10の内側を向いている。具体的には、第1側壁112に形成される係合部30Dの爪部32Dは、X方向において、先端323Dが基端324DよりもX2方向側に位置するように構成されている。また、第2側壁113に形成されている係合部30Dの爪部32Dは、X方向において、先端323Dが基端324DよりもX1方向側に位置するように構成されている。
【0057】
フォトインタラプタ1Dが取り付けられる取付板2Dには、ケース本体11が挿入される挿入孔22が形成されていなくてもよい。取付板2Dの周縁部に突部23Dが形成され、突部23Dと係合部30Dが係合する構成となっている。即ち、取付板2Dの周縁部にフォトインタラプタ1Dを取り付ける構成とすることができる。
【0058】
〔実施形態5〕
本発明の実施形態5について、
図12を参照して以下に説明する。
図12は、実施形態5に係るフォトインタラプタ1Eを示す斜視図である。実施形態5に係るフォトインタラプタ1Eは、実施形態1に係るフォトインタラプタ1と比較して、ケース本体11を構成する1つの壁に対して係合部30が1つ形成されている点で異なる。
【0059】
なお、説明の便宜上、透過型のフォトインタラプタ1Eを用いて本実施形態の構成について説明するが、発光部12および受光部13が基壁111の柱状ケースに設けられていないフォトインタラプタに対しても本実施形態の構成を適用することが可能である。即ち、本実施形態の構成は、反射型のフォトインタラプタに対しても適用可能である。また、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0060】
図12に示すように、フォトインタラプタ1Eは、ケース本体11を構成する1つの壁に対して係合部30Eが1つ形成されている。係合部30Eは、第1側壁112および第2側壁113に形成されている。なお、第2側壁113に形成される係合部30Eは、図示されていないが、第1側壁112に形成される係合部30Eと同じ構成であるためその説明を省略する。係合部30Eは、Y方向に渡って第1側壁112に形成されている。即ち、係合部30Eの凹部31E及び爪部32Eは、第1側壁112に対して広範に形成されている。凹部31E及び爪部32Eの構成は、実施形態1に係るフォトインタラプタ1に形成された係合部30の凹部31及び爪部32の構成と同様である。
【0061】
フォトインタラプタ1Eが取り付けられる取付板2には、係合部30Eの凹部31Eの形状および係合部30Eの数に対応して突部23が形成される。即ち、取付板2の挿入孔22のX1方向側およびX2方向側には、Y方向に渡って形成される1つの突部23が形成される。なお、取付板2の突部23は、係合部30Eの凹部31Eの形状に対応していなくてもよく、Y方向において係合部30Eの凹部31Eが形成された範囲と対応する範囲内に複数形成されていてもよい。即ち、係合部30Eの凹部31Eに、取付板2に形成された複数の突部23が係合する構成としてもよい。
【0062】
〔実施形態6〕
本発明の実施形態6について、
図13および
図14を参照して以下に説明する。
図13は、実施形態6に係るフォトインタラプタ1Fを示す斜視図である。
図14は、実施形態6に係る取付板2を示す斜視図である。実施形態6に係るフォトインタラプタ1Fは、実施形態1に係るフォトインタラプタ1と比較して、ケース10に位置決め部40が形成されている点で異なる。
【0063】
なお、説明の便宜上、透過型のフォトインタラプタ1Fを用いて本実施形態の構成について説明するが、発光部12および受光部13が基壁111の柱状ケースに設けられていないフォトインタラプタに対しても本実施形態の構成を適用することが可能である。即ち、本実施形態の構成は、反射型のフォトインタラプタに対しても適用可能である。また、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0064】
図13に示すように、ケース本体11の第3側壁115には、位置決め部40が形成されている。位置決め部40は、第3側壁115からY1方向に突出する突部である。
図14に示すように、フォトインタラプタ1Fが取り付けられる取付板2Fには、位置決め部40が係合する制限部24が形成されている。
【0065】
制限部24に対して位置決め部40が係合するようにフォトインタラプタ1Fを取付板2Fに取り付けることで、取付板2Fに対するフォトインタラプタ1Fの向きを特定の向きにすることができる。取付板2Fに対するフォトインタラプタ1Fの向きを特定の向きと異なる向きでは、取付板2Fと位置決め部40とが当接し、取付板2Fにフォトインタラプタ1Fを取り付けることができない。これにより、取付板2Fに対して通常の向きとは異なる向きでフォトインタラプタ1Fが取り付けられてしまうことを防ぐことができる。
【0066】
なお、位置決め部40は、突部である構成に限られない。位置決め部40は、取付板2Fの制限部24と係合する凹部であってもよい。この場合、制限部24は、取付板2Fの取付面21に沿う方向に突出する突部である。また、位置決め部40は、第3側壁115に形成される構成に限られない。その他のケース本体11を構成する壁に形成されてもよい。
【0067】
〔実施形態7〕
本発明の実施形態7について、
図15および
図16を参照して以下に説明する。
図15は、実施形態7に係るフォトインタラプタ1Gを示す斜視図である。
図16は、
図15に示すフォトインタラプタ1Gの係合部30を拡大した図である。実施形態7に係るフォトインタラプタ1Gは、実施形態1に係るフォトインタラプタ1と比較して、係合部30Gの凹部31Gの構成が異なる。
【0068】
なお、説明の便宜上、透過型のフォトインタラプタ1Gを用いて本実施形態の構成について説明するが、発光部12および受光部13が基壁111の柱状ケースに設けられていないフォトインタラプタに対しても本実施形態の構成を適用することが可能である。即ち、本実施形態の構成は、反射型のフォトインタラプタに対しても適用可能である。また、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0069】
図15に示すように、フォトインタラプタ1Gの第1側壁112及び第2側壁113には、複数の係合部30Gが形成されている。なお、第2側壁113に形成される係合部30Gは、図示されていないが、第1側壁112に形成される係合部30Gと同じ構成であるためその説明を省略する。
【0070】
図16に示すように、係合部30Gの凹部31Gは、第1側壁112を貫通する貫通孔である。なお、凹部31Gは、貫通孔に限られるものではない。凹部31Gには、Z方向における凹部31Gの孔径が異なるように段部34が形成されている。段部34は、凹部31GのZ方向における孔径が第1孔径T1である第1凹部35と、凹部31GのZ方向における孔径が第2孔径T2である第2凹部36と、及び凹部31GのZ方向における孔径が第3孔径T3である第3凹部37と、に分けるように形成されている。即ち、1つの凹部31Gは、複数の孔径を有している、
【0071】
第1孔径T1は、第2孔径T2よりも小さくなるように構成されている。また、第2孔径T2は、第3孔径T3よりも小さくなるように構成されている。第1凹部35のY方向の幅は、第2凹部36のY方向の幅よりも広い。また、第2凹部36のY方向の幅は、第3凹部37のY方向の幅よりも広い。
【0072】
第1凹部35には、板厚がT1である取付板2の突部23が係合可能である。第2凹部36には、板厚がT2である取付板2の突部23が係合可能である。第3凹部37には、板厚がT3である取付板2の突部23が係合可能である。フォトインタラプタ1Gの構成によれば、係合部の1つの凹部31Gに対して形成された複数の孔径をそれぞれ異ならせることで、板厚の異なる複数種類の取付板2に対してフォトインタラプタが取り付け可能となる。
【0073】
上述した実施形態に係るフォトインタラプタ1、5によれば、取付板2、2D、2Fの突部23、23Dと係合する係合部30、30A、30B、30C、30D、30E、30Gの構成は簡略化されている。これにより、フォトインタラプタの製造コストを安価にすることができる。また、フォトインタラプタユニット100、100D、200によれば、取付板2、2D、2Fも簡易な構成とすることができる。これにより、トータルの製造コストを安価にすることができる。
【0074】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0075】
1、5 フォトインタラプタ
10、51 ケース
11 ケース本体
12 発光部
13 受光部
14、54 コネクタ部
2、2D、2F 取付板
21 取付面
22 挿入孔
23 突部
30 係合部
31 凹部
32 爪部
100、200 フォトインタラプタユニット