(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108718
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】遠隔操作システム、遠隔操作支援方法、及び遠隔オペレータ端末
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240805BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
G08G1/00 A
G08G1/09 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013235
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】521042770
【氏名又は名称】ウーブン・バイ・トヨタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】末廣 優樹
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 敏暢
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA26
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181EE02
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF32
5H181LL07
5H181LL09
5H181MA48
(57)【要約】
【課題】遠隔オペレータによる移動体の遠隔操作の安全性を確保すること。
【解決手段】遠隔オペレータは、移動体の遠隔操作を行う。移動体は、移動体の周囲の状況を認識するための認識センサを備える。認識センサは、画像を取得するカメラを含む。移動体は、認識センサを用いて移動体の周囲の物体を認識し、その認識結果を示す物体情報を取得する。移動体と遠隔オペレータ端末との間の通信の通信速度が閾値未満である場合、移動体は、画像を送信することなく物体情報を遠隔オペレータ端末に送信する。画像を受け取らなかった場合、遠隔オペレータ端末は、物体情報に基づいて、移動体の周囲の物体を表す代替画像を生成し、代替画像を遠隔オペレータに提示する。この代替モードの開始時に移動体が移動している場合、第1処理よりも処理負荷が軽い第2処理によって代替画像が生成される。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔オペレータによる遠隔操作の対象である移動体と、
前記遠隔オペレータ側の遠隔オペレータ端末と
を備え、
前記移動体は、前記移動体の周囲の状況を認識するための認識センサを備え、
前記認識センサは、前記移動体の周囲の前記状況を示す画像を取得するカメラを含み、
前記移動体は、前記認識センサを用いて前記移動体の周囲の物体を認識し、前記物体の認識結果を示す物体情報を取得し、
前記移動体と前記遠隔オペレータ端末との間の通信の通信速度が閾値未満である場合、前記移動体は、前記画像を前記遠隔オペレータ端末に送信することなく、前記物体情報と前記移動体に関する移動体情報を前記遠隔オペレータ端末に送信し、
前記移動体から前記画像を受け取らなかった場合、前記遠隔オペレータ端末は、代替モードで動作し、
前記代替モードにおいて、前記遠隔オペレータ端末は、前記物体情報と前記移動体情報に基づいて、前記移動体の周囲の前記物体を表す代替画像を生成し、前記代替画像を前記遠隔オペレータに提示し、
前記代替モードの開始時、前記遠隔オペレータ端末は、
前記移動体情報に基づいて、前記移動体が停止しているか移動しているかを判定し、
前記移動体が停止している場合、第1処理によって前記代替画像を生成し、
前記移動体が移動している場合、前記第1処理よりも処理負荷が軽い第2処理によって前記代替画像を生成する
ように構成された
遠隔操作システム。
【請求項2】
請求項1に記載の遠隔操作システムであって、
前記第2処理によって前記代替画像を生成した場合、前記遠隔オペレータ端末は、前記遠隔オペレータに対して前記移動体を停止させるよう促す
遠隔操作システム。
【請求項3】
請求項1に記載の遠隔操作システムであって、
前記移動体が停止した後、前記遠隔オペレータが前記移動体の前記遠隔操作を再開する場合、前記遠隔オペレータ端末は、前記第1処理によって前記代替画像を生成する
遠隔操作システム。
【請求項4】
請求項1に記載の遠隔操作システムであって、
前記移動体が停止した後、前記遠隔オペレータが前記移動体の前記遠隔操作を再開する場合、前記遠隔オペレータ端末は、前記第1処理によって前記代替画像を生成し、且つ、前記移動体に対して速度を制限するよう指示する
遠隔操作システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の遠隔操作システムであって、
前記第1処理は、
前記物体情報と前記移動体情報に基づいて、前記物体と前記移動体を含む対象物体のシミュレーションをリアルタイムに行うことと、
前記シミュレーションの結果に基づいて前記代替画像を生成することと
を含む
遠隔操作システム。
【請求項6】
請求項5に記載の遠隔操作システムであって、
前記第1処理は、前記シミュレーションの前記結果に基づいて、前記移動体あるいは前記認識センサから見た前記物体の配置を再現するように前記代替画像を生成することを含む
遠隔操作システム。
【請求項7】
請求項5に記載の遠隔操作システムであって、
前記第1処理は、前記シミュレーションの前記結果に基づいて、前記遠隔オペレータが前記移動体と前記物体を俯瞰することができるように前記代替画像を生成することを含む
遠隔操作システム。
【請求項8】
請求項5に記載の遠隔操作システムであって、
前記第2処理は、前記物体情報に基づいて、前記移動体あるいは前記認識センサから見た前記物体の配置を再現するように前記代替画像を生成することを含む
遠隔操作システム。
【請求項9】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の遠隔操作システムであって、
前記第2処理は、前記物体情報に基づいて、前記移動体あるいは前記認識センサから見た前記物体の配置を再現するように前記代替画像を生成することを含む
遠隔操作システム。
【請求項10】
遠隔オペレータによる移動体の遠隔操作を支援する遠隔操作支援方法であって、
前記移動体は、前記移動体の周囲の状況を認識するための認識センサを備え、
前記認識センサは、前記移動体の周囲の前記状況を示す画像を取得するカメラを含み、
前記移動体は、前記認識センサを用いて前記移動体の周囲の物体を認識し、前記物体の認識結果を示す物体情報を取得し、
前記遠隔操作支援方法は、
前記移動体と前記遠隔オペレータ側の遠隔オペレータ端末との間の通信の通信速度が閾値未満である場合、前記画像を前記移動体から前記遠隔オペレータ端末に送信することなく、前記物体情報と前記移動体に関する移動体情報を前記移動体から前記遠隔オペレータ端末に送信することと、
前記画像が前記移動体から前記遠隔オペレータ端末に送信されなかった場合、代替モードを行うことと
を含み、
前記代替モードを行うことは、前記物体情報と前記移動体情報に基づいて、前記移動体の周囲の前記物体を表す代替画像を生成し、前記代替画像を前記遠隔オペレータに提示することを含み、
前記代替モードの開始時、
前記移動体情報に基づいて、前記移動体が停止しているか移動しているかが判定され、
前記移動体が停止している場合、第1処理によって前記代替画像が生成され、
前記移動体が移動している場合、前記第1処理よりも処理負荷が軽い第2処理によって前記代替画像が生成される
遠隔操作支援方法。
【請求項11】
遠隔オペレータによる遠隔操作の対象である移動体と通信を行う遠隔オペレータ端末であって、
前記移動体は、前記移動体の周囲の状況を認識するための認識センサを備え、
前記認識センサは、前記移動体の周囲の前記状況を示す画像を取得するカメラを含み、
前記移動体は、前記認識センサを用いて前記移動体の周囲の物体を認識し、前記物体の認識結果を示す物体情報を取得し、
前記遠隔オペレータ端末は、1又は複数のプロセッサを備え、
前記移動体と前記遠隔オペレータ端末との間の通信の通信速度が閾値未満である場合、前記1又は複数のプロセッサは、前記画像を前記遠隔オペレータ端末から受け取ることなく、前記物体情報と前記移動体に関する移動体情報を前記遠隔オペレータ端末から受け取り、
前記移動体から前記画像を受け取らなかった場合、前記1又は複数のプロセッサは、代替モードで動作し、
前記代替モードにおいて、前記1又は複数のプロセッサは、前記物体情報と前記移動体情報に基づいて、前記移動体の周囲の前記物体を表す代替画像を生成し、前記代替画像を前記遠隔オペレータに提示し、
前記代替モードの開始時、前記1又は複数のプロセッサは、
前記移動体情報に基づいて、前記移動体が停止しているか移動しているかを判定し、
前記移動体が停止している場合、第1処理によって前記代替画像を生成し、
前記移動体が移動している場合、前記第1処理よりも処理負荷が軽い第2処理によって前記代替画像を生成する
ように構成された
遠隔オペレータ端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遠隔オペレータによる移動体の遠隔操作に関する。特に、本開示は、遠隔オペレータによる移動体の遠隔操作を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両遠隔指示システムを開示している。車両遠隔指示システムは、車両に搭載された外部センサによって検出された検出情報を遠隔オペレータ側に送信する。通信性能が閾値以上である場合、車両遠隔指示システムは、検出情報の全てを送信する。一方、通信性能が閾値未満である場合、車両遠隔指示システムは、全てではなく一部のカメラによって撮影された画像だけを送信する、あるいは、送信する画像サイズを縮小する。
【0003】
また、計測の分野において、カルマンフィルター(Kalman filter)が一般的に知られている。カルマンフィルターは、計測データからシステムの状態を推定する。但し、データ計測タイミングとカルマンフィルターの作動タイミングとの間にはズレが存在し、そのズレが大きくなると推定精度が低下する。
【0004】
非特許文献1及び非特許文献2は、遅延を含む計測データに対しても適用可能な「ディレイドカルマンフィルター(Delayed Kalman Filter)」を開示している。ディレイドカルマンフィルターは、OOSM (Out-of-Sequence Measurement)とも呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Yaakov Bar-Shalom, "Update with Out-of-Sequence Measurements in Tracking: Exact Solution," IEEE Transactions on Aerospace and Electronic Systems, VOL. 38, No.3, pp.769-778, July 2002.
【非特許文献2】Keshu Zhang et al., "Optimal Update with Out-of-Sequence Measurements," IEEE Transactions on Signal Processing, Vol. 53, No.6, pp.19922204, June 2005.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的に、移動体の遠隔操作では、移動体に搭載されたカメラにより撮影される画像が遠隔オペレータ端末に送信される。遠隔オペレータ端末は画像を表示し、遠隔オペレータは表示された画像を見て遠隔操作を行う。但し、通信状態によっては、データサイズの大きい画像を移動体から遠隔オペレータ端末に送信することが困難になる状況も発生し得る。そのような場合、遠隔オペレータは最新の画像を見ることができなくなり、移動体を安全に停止させるための情報を失ってしまう。
【0008】
本開示の1つの目的は、遠隔オペレータによる移動体の遠隔操作の安全性を確保することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の観点は、遠隔操作システムに関連する。
遠隔操作システムは、
遠隔オペレータによる遠隔操作の対象である移動体と、
遠隔オペレータ側の遠隔オペレータ端末と
を備える。
移動体は、移動体の周囲の状況を認識するための認識センサを備える。
認識センサは、移動体の周囲の状況を示す画像を取得するカメラを含む。
移動体は、認識センサを用いて移動体の周囲の物体を認識し、物体の認識結果を示す物体情報を取得する。
移動体と遠隔オペレータ端末との間の通信の通信速度が閾値未満である場合、移動体は、画像を遠隔オペレータ端末に送信することなく、物体情報と移動体に関する移動体情報を遠隔オペレータ端末に送信する。
移動体から画像を受け取らなかった場合、遠隔オペレータ端末は、代替モードで動作する。代替モードにおいて、遠隔オペレータ端末は、物体情報と移動体情報に基づいて、移動体の周囲の物体を表す代替画像を生成し、代替画像を遠隔オペレータに提示する。
代替モードの開始時、遠隔オペレータ端末は、移動体情報に基づいて、移動体が停止しているか移動しているかを判定する。移動体が停止している場合、遠隔オペレータ端末は、第1処理によって代替画像を生成する。移動体が移動している場合、遠隔オペレータ端末は、第1処理よりも処理負荷が軽い第2処理によって代替画像を生成する。
【0010】
第2の観点は、遠隔オペレータによる移動体の遠隔操作を支援する遠隔操作支援方法に関連する。
移動体は、移動体の周囲の状況を認識するための認識センサを備える。
認識センサは、移動体の周囲の状況を示す画像を取得するカメラを含む。
移動体は、認識センサを用いて移動体の周囲の物体を認識し、物体の認識結果を示す物体情報を取得する。
遠隔操作支援方法は、
移動体と遠隔オペレータ側の遠隔オペレータ端末との間の通信の通信速度が閾値未満である場合、画像を移動体から遠隔オペレータ端末に送信することなく、物体情報と移動体に関する移動体情報を移動体から遠隔オペレータ端末に送信することと、
画像が移動体から遠隔オペレータ端末に送信されなかった場合、代替モードを行うこととを含む。
代替モードを行うことは、物体情報と移動体情報に基づいて、移動体の周囲の物体を表す代替画像を生成し、代替画像を遠隔オペレータに提示することを含む。
代替モードの開始時、移動体情報に基づいて、移動体が停止しているか移動しているかが判定される。移動体が停止している場合、第1処理によって代替画像が生成される。移動体が移動している場合、第1処理よりも処理負荷が軽い第2処理によって代替画像が生成される。
【0011】
第3の観点は、遠隔オペレータによる遠隔操作の対象である移動体と通信を行う遠隔オペレータ端末に関連する。
移動体は、移動体の周囲の状況を認識するための認識センサを備える。
認識センサは、移動体の周囲の状況を示す画像を取得するカメラを含む。
移動体は、認識センサを用いて移動体の周囲の物体を認識し、物体の認識結果を示す物体情報を取得する。
遠隔オペレータ端末は、1又は複数のプロセッサを備える。
移動体と遠隔オペレータ端末との間の通信の通信速度が閾値未満である場合、1又は複数のプロセッサは、画像を遠隔オペレータ端末から受け取ることなく、物体情報と移動体に関する移動体情報を遠隔オペレータ端末から受け取る。
移動体から画像を受け取らなかった場合、1又は複数のプロセッサは、代替モードで動作する。代替モードにおいて、1又は複数のプロセッサは、物体情報と移動体情報に基づいて、移動体の周囲の物体を表す代替画像を生成し、代替画像を遠隔オペレータに提示する。
代替モードの開始時、1又は複数のプロセッサは、移動体情報に基づいて、移動体が停止しているか移動しているかを判定する。移動体が停止している場合、1又は複数のプロセッサは、第1処理によって代替画像を生成する。移動体が移動している場合、1又は複数のプロセッサは、第1処理よりも処理負荷が軽い第2処理によって代替画像を生成する。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、通信速度が閾値未満となった場合、データサイズの大きい画像の代わりに、データサイズの小さい物体情報が移動体から遠隔オペレータ端末に送信される。すなわち、通信資源を有効活用することによって、少なくとも物体情報が遠隔オペレータ端末に送信される。遠隔オペレータ端末では、物体情報に基づいて、移動体の周囲の物体を表す代替画像が生成される。そして、画像の代わりに代替画像が遠隔オペレータに提示される。画像の通信が途絶したとしても、遠隔オペレータは、代替画像を見ることによって、移動体の周囲の物体に関する最新情報を得ることができる。従って、遠隔オペレータは、移動体の遠隔操作をある程度安全に継続することができる。すなわち、遠隔操作の安全性が確保される。
【0013】
代替モードの開始時、移動体情報に基づいて、移動体が停止しているか移動しているかが判定される。移動体が移動している場合、第1処理よりも軽い第2処理によって代替画像が生成される。代替画像がスムーズに生成されるため、遠隔オペレータは、車両を素早く停止させることが可能となる。このことも安全性の確保に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態に係る遠隔操作システムの構成例を示す概略図である。
【
図2】実施の形態に係る車両の構成例を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態に係るセンサ検出情報の例を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態に係る遠隔オペレータ端末の構成例を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態に係るモード切替処理を示すフローチャートである。
【
図6】実施の形態に係る通常モードを説明するための概念図である。
【
図7】実施の形態に係る代替モードを説明するための概念図である。
【
図8】実施の形態に係る代替モードの第1の例を説明するための概念図である。
【
図9】実施の形態に係る代替モードの第1の例の場合の代替画像の例を示す概念図である。
【
図10】実施の形態に係る代替モードの第2の例を説明するための概念図である。
【
図11】実施の形態に係る代替モードの第2の例の場合の代替画像の例を示す概念図である。
【
図12】遠隔操作システムにおける遅延を説明するための概念図である。
【
図13】遅延補償処理を説明するための概念図である。
【
図14】遅延補償処理及びアップサンプリング処理を説明するための概念図である。
【
図15】実施の形態に係るシミュレータに関連する機能構成例を示すブロック図である。
【
図16】実施の形態に係る代替モードの第4の例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付図面を参照して、本開示の実施の形態を説明する。
【0016】
1.遠隔操作システムの概要
移動体の遠隔操作(遠隔運転)について考える。遠隔操作の対象である移動体としては、車両、ロボット、飛翔体、等が例示される。車両は、自動運転車両であってもよいし、ドライバが運転する車両であってもよい。ロボットとしては、物流ロボット、作業ロボット、等が例示される。飛翔体としては、飛行機、ドローン、等が例示される。
【0017】
一例として、以下の説明においては、遠隔操作の対象である移動体が車両である場合について考える。一般化する場合には、以下の説明における「車両」を「移動体」で読み替えるものとする。
【0018】
図1は、本実施の形態に係る遠隔操作システム1の構成例を示す概略図である。遠隔操作システム1は、車両100、遠隔オペレータ端末200、及び管理装置300を含んでいる。車両100は、遠隔操作の対象である。遠隔オペレータ端末200は、遠隔オペレータOが車両100を遠隔操作する際に使用する端末装置である。遠隔オペレータ端末200を遠隔操作HMI(Human Machine Interface)と言うこともできる。管理装置300は、遠隔操作システム1の管理を行う。典型的には、管理装置300は、クラウド上の管理サーバである。管理サーバは、分散処理を行う複数のサーバにより構成されていてもよい。
【0019】
車両100、遠隔オペレータ端末200、及び管理装置300は、通信ネットワークを介して互いに通信可能である。車両100と遠隔オペレータ端末200は、管理装置300を介して互いに通信可能である。また、車両100と遠隔オペレータ端末200は、管理装置300を介さずに直接通信を行ってもよい。
【0020】
車両100には、カメラCを含む各種センサが搭載されている。カメラCは、車両100の周囲の状況を示す画像IMGを取得する。センサ検出情報SENは、各種センサにより得られる情報を含む。センサ検出情報SENは、少なくとも、カメラCにより得られる画像IMGを含む。センサ検出情報SENは、車両100の位置及び状態(例:速度、舵角、等)を含んでいてもよい。車両100は、センサ検出情報SENを遠隔オペレータ端末200に送信する。
【0021】
遠隔オペレータ端末200は、車両100から送信されたセンサ検出情報SENを受け取る。遠隔オペレータ端末200は、センサ検出情報SENを遠隔オペレータOに提示する。具体的には、遠隔オペレータ端末200は、表示装置を備えており、画像IMG等を表示装置に表示する。遠隔オペレータOは、表示された情報をみて、車両100の周囲の状況を認識し、車両100の遠隔操作を行う。遠隔操作情報OPEは、遠隔オペレータOによる遠隔操作に関する情報である。例えば、遠隔操作情報OPEは、遠隔オペレータOによる操作量を含む。遠隔オペレータ端末200は、遠隔操作情報OPEを車両100に送信する。
【0022】
車両100は、遠隔オペレータ端末200から送信された遠隔操作情報OPEを受け取る。車両100は、受け取った遠隔操作情報OPEに従って車両走行制御を行う。このようにして、車両100の遠隔操作が実現される。
【0023】
2.車両の例
2-1.構成例
図2は、車両100の構成例を示すブロック図である。車両100は、通信装置101、センサ群102、走行装置103、及び制御装置105を備えている。
【0024】
通信装置101は、車両100の外部と通信を行う。例えば、通信装置101は、遠隔オペレータ端末200や管理装置300と通信を行う。
【0025】
センサ群102は、認識センサ、車両状態センサ、位置センサ、等を含んでいる。認識センサは、車両100の周辺の状況を認識(検出)する。認識センサとしては、カメラC、LIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)、レーダ、等が例示される。車両状態センサは、車両100の状態を検出する。車両状態センサは、速度センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ、舵角センサ、等を含んでいる。位置センサは、車両100の位置及び方位を検出する。例えば、位置センサは、GNSS(Global Navigation Satellite System)を含んでいる。
【0026】
走行装置103は、操舵装置、駆動装置、及び制動装置を含んでいる。操舵装置は、車輪を転舵する。例えば、操舵装置は、パワーステアリング(EPS: Electric Power Steering)装置を含んでいる。駆動装置は、駆動力を発生させる動力源である。駆動装置としては、エンジン、電動機、インホイールモータ、等が例示される。制動装置は、制動力を発生させる。
【0027】
制御装置105は、車両100を制御するコンピュータである。制御装置105は、1又は複数のプロセッサ106(以下、単にプロセッサ106と呼ぶ)と1又は複数の記憶装置107(以下、単に記憶装置107と呼ぶ)を含んでいる。プロセッサ106は、各種処理を実行する。例えば、プロセッサ106は、CPU(Central Processing Unit)を含んでいる。記憶装置107は、プロセッサ106による処理に必要な各種情報を格納する。記憶装置107としては、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、等が例示される。制御装置105は、1又は複数のECU(Electronic Control Unit)を含んでいてもよい。
【0028】
車両制御プログラムPROG1は、プロセッサ106によって実行されるコンピュータプログラムである。プロセッサ106が車両制御プログラムPROG1を実行することにより、制御装置105の機能が実現される。車両制御プログラムPROG1は、記憶装置107に格納される。あるいは、車両制御プログラムPROG1は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。
【0029】
2-2.センサ検出情報
制御装置105は、センサ群102を用いてセンサ検出情報SENを取得する。センサ検出情報SENは、記憶装置107に格納される。
図3は、センサ検出情報SENの例を示すブロック図である。センサ検出情報SENは、画像IMG、物体情報OBJ、車両情報VCL、等を含んでいる。
【0030】
画像IMGは、カメラCによって得られ、車両100の周囲の状況を示す。画像IMGは、ストリームデータであってもよい。
【0031】
物体情報OBJは、車両100の周囲の物体500に関する情報である。車両100の周囲の物体500としては、歩行者、自転車、二輪車、他車両(先行車両、並走車両、後続車両、等)、白線、道路構造物(例:縁石、ガードレール)、ポール、信号、標識、等が例示される。制御装置105は、認識センサを用いることによって車両100の周囲の物体500を認識することができる。例えば、カメラCによって得られた画像IMGを解析することによって、物体500を識別し、その物体500の相対位置を算出することができる。また、LIDARによって得られた点群情報に基づいて、物体500を識別し、その物体500の相対位置と相対速度を取得することもできる。物体情報OBJは、認識センサによる物体500の認識結果を示す。すなわち、物体情報OBJは、少なくとも、車両100あるいは認識センサに対する物体500の相対位置を含む。物体情報OBJは、更に、物体500の相対速度を含んでいてもよい。物体情報OBJは、認識された物体500の種類を含んでいてもよい。物体情報OBJは、認識された物体500を囲むバウンディングボックスの情報を含んでいてもよい。物体情報OBJは、クラスタリング後の点群情報を含んでいてもよい。
【0032】
車両情報VCLは、車両100に関する情報である。車両情報VCLは、車両状態センサによって検出される車両状態を含む。車両状態としては、速度、加速度、ヨーレート、舵角、等が例示される。車両情報VCLは、位置センサにより得られる車両100の位置及び方位を含んでいてもよい。
【0033】
2-3.車両走行制御
制御装置105は、車両100の走行を制御する車両走行制御を実行する。車両走行制御は、操舵制御、駆動制御、及び制動制御を含む。制御装置105は、走行装置103(操舵装置、駆動装置、及び制動装置)を制御することによって車両走行制御を実行する。
【0034】
制御装置105は、センサ検出情報SENに基づいて自動運転制御を行ってもよい。より詳細には、制御装置105は、センサ検出情報SENに基づいて、車両100の走行プランを生成する。更に、制御装置105は、センサ検出情報SENに基づいて、車両100が走行プランに従って走行するために必要な目標トラジェクトリを生成する。目標トラジェクトリは、目標位置及び目標速度を含んでいる。そして、制御装置105は、車両100が目標トラジェクトリに追従するように車両走行制御を行う。
【0035】
2-4.遠隔操作に関連する処理
車両100の遠隔操作が行われる場合、制御装置105は、通信装置101を介して遠隔オペレータ端末200と通信を行う。
【0036】
制御装置105は、センサ検出情報SEN(
図3参照)の少なくとも一部を遠隔オペレータ端末200に送信する。典型的には、制御装置105は、画像IMGを遠隔オペレータ端末200に送信する。制御装置105は、物体情報OBJを遠隔オペレータ端末200に送信してもよい。制御装置105は、車両情報VCLを遠隔オペレータ端末200に送信してもよい。
【0037】
また、制御装置105は、遠隔操作情報OPEを遠隔オペレータ端末200から受信する。遠隔操作情報OPEは、遠隔オペレータOによる遠隔操作に関する情報である。例えば、遠隔操作情報OPEは、遠隔オペレータOによる操作量を含む。制御装置105は、受信した遠隔操作情報OPEに従って車両走行制御を行う。
【0038】
3.遠隔オペレータ端末の例
図4は、遠隔オペレータ端末200の構成例を示すブロック図である。遠隔オペレータ端末200は、通信装置201、表示装置202、遠隔操作部材203、ユーザインタフェース204、及び制御装置205を含んでいる。
【0039】
通信装置201は、車両100及び管理装置300と通信を行う。
【0040】
表示装置202は、各種情報を表示することにより、各種情報を遠隔オペレータOに提示する。
【0041】
遠隔操作部材203は、遠隔オペレータOが車両100を遠隔操作する際に操作する部材である。遠隔操作部材は、ハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダル、方向指示器、等を含んでいる。
【0042】
ユーザインタフェース204は、遠隔オペレータOに各種情報を提示し、また、遠隔オペレータOからの入力を受け付ける。ユーザインタフェース204としては、タッチパネル、スイッチ、スピーカ、等が例示される。
【0043】
制御装置205は、遠隔オペレータ端末200を制御する。制御装置205は、1又は複数のプロセッサ206(以下、単にプロセッサ206と呼ぶ)と1又は複数の記憶装置207(以下、単に記憶装置207と呼ぶ)を含んでいる。プロセッサ206は、各種処理を実行する。例えば、プロセッサ206は、CPUを含んでいる。記憶装置207は、プロセッサ206による処理に必要な各種情報を格納する。記憶装置207としては、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD、SSD、等が例示される。
【0044】
遠隔操作制御プログラムPROG2は、プロセッサ206によって実行されるコンピュータプログラムである。プロセッサ206が遠隔操作制御プログラムPROG2を実行することにより、制御装置205の機能が実現される。遠隔操作制御プログラムPROG2は、記憶装置207に格納される。あるいは、遠隔操作制御プログラムPROG2は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。遠隔操作制御プログラムPROG2は、ネットワーク経由で提供されてもよい。
【0045】
制御装置205は、通信装置201を介して、車両100と通信を行う。制御装置205は、車両100から送信されるセンサ検出情報SENを受信する。制御装置205は、受信したセンサ検出情報SENのうち必要な情報を遠隔オペレータOに提示する。例えば、制御装置205は、画像IMGを表示装置202に表示することによって、画像IMGを遠隔オペレータOに提示する。遠隔オペレータOは、提示された情報に基づいて、車両100の状態や周囲の状況を認識することができる。
【0046】
遠隔オペレータOは、遠隔操作部材203を操作する。遠隔操作部材203の操作量は、遠隔操作部材203に設置されたセンサにより検出される。制御装置205は、遠隔オペレータOによる遠隔操作部材203の操作量を反映した遠隔操作情報OPEを生成する。そして、制御装置205は、その遠隔操作情報OPEを通信装置201を介して車両100に送信する。
【0047】
4.通信状態に応じたモード切り替え
上述の通り、車両100の遠隔操作では、一般的に、カメラCにより撮影される画像IMGが遠隔オペレータ端末200に送信される。但し、通信状態によっては、データサイズの大きい画像IMGを車両100から遠隔オペレータ端末200に送信することが困難になる状況も発生し得る。例えば、通信速度が大きく低下した場合、データサイズの大きい画像IMGを遠隔オペレータ端末200に送信することは困難になる。そのような場合、遠隔オペレータOは最新の画像IMGを見ることができなくなり、車両100を安全に停止させるための情報を失ってしまう。
【0048】
そこで、本実施の形態によれば、遠隔操作の安全性を確保するために、車両100と遠隔オペレータ端末200との間の通信状態に応じて遠隔操作システム1の動作モードが切り替えられる。この処理を、以下、「モード切替処理」と呼ぶ。
【0049】
図5は、モード切替処理を示すフローチャートである。
【0050】
ステップS10において、車両100、遠隔オペレータ端末200、及び管理装置300のうち少なくとも1つは、車両100と遠隔オペレータ端末200との間の通信の通信状態の情報をリアルタイムに取得する。例えば、通信状態は、通信速度(スループット)である。通信状態は、実測値であってもよいし推定値であってもよい。例えば、車両100は、遠隔オペレータ端末200からの遠隔操作情報OPEの受信結果に基づいて、通信状態を把握することができる。他の例として、遠隔オペレータ端末200は、車両100からのセンサ検出情報SENの受信結果に基づいて、通信状態を把握することができる。更に他の例として、管理装置300は、遠隔操作情報OPE及びセンサ検出情報SENの受信結果に基づいて、通信状態を把握することができる。但し、通信状態の取得方法はこれらの例に限定されない。また、通信状態の情報は、車両100、遠隔オペレータ端末200、及び管理装置300によって共有されてもよい。
【0051】
ステップS20において、車両100、遠隔オペレータ端末200、及び管理装置300のうち少なくとも1つは、通信状態が正常であるか否かを判定する。例えば、車両100、遠隔オペレータ端末200、及び管理装置300のうち少なくとも1つは、通信速度を閾値と比較する。閾値は、画像IMGを問題なく送信するために最低限必要な通信速度である。通信速度が閾値以上である場合、通信状態は正常であると判定される。一方、通信速度が閾値未満である場合、通信状態は異常であると判定される。
【0052】
通信状態が正常である場合(ステップS20;Yes)、処理はステップS100に進む。ステップS100において、遠隔操作システム1(車両100、遠隔オペレータ端末200)は「通常モード(第1モード)」で動作する。
【0053】
一方、通信状態が異常である場合(ステップS20;No)、処理はステップS200に進む。ステップS200において、遠隔操作システム1(車両100、遠隔オペレータ端末200)は「代替モード(第2モード)」で動作する。
【0054】
以下、通常モードと代替モードについて更に詳しく説明する。
【0055】
4-1.通常モード(第1モード)
図6は、通常モードを説明するための概念図である。通常モードにおいて、車両100は、少なくとも、カメラCによって得られた画像IMGを遠隔オペレータ端末200に送信する。更に、車両100は、物体情報OBJを送信してもよい。車両100は、車両情報VCLを送信してもよい。
【0056】
遠隔オペレータ端末200は、車両100から少なくとも画像IMGを受け取る。遠隔オペレータ端末200は、画像IMGを表示装置202に表示する。つまり、遠隔オペレータ端末200は、画像IMGを遠隔オペレータOに提示する。遠隔オペレータOは、画像IMGを見ながら遠隔操作部材203を操作して車両100の遠隔操作を行う。
【0057】
4-2.代替モード(第2モード)
図7は、代替モードを説明するための概念図である。代替モードにおいて、車両100は、データサイズの大きい画像IMGを遠隔オペレータ端末200に送信することを禁止する。その代わり、車両100は、少なくとも物体情報OBJを遠隔オペレータ端末200に送信する。更に、車両100は、車両情報VCLを遠隔オペレータ端末200に送信してもよい。物体情報OBJや車両情報VCLのデータサイズは、画像IMGよりもはるかに小さい。
【0058】
遠隔オペレータ端末200は、代替画像生成部220を含んでいる。この代替画像生成部220は、遠隔操作制御プログラムPROG2を実行するプロセッサ206と記憶装置207との協働により実現される。
【0059】
代替モードにおいて、遠隔オペレータ端末200は、車両100から画像IMGを受け取らない。その代わり、遠隔オペレータ端末200は、少なくとも物体情報OBJを受け取る。上述の通り、物体情報OBJは、車両100の周囲の物体500に関する情報である。代替画像生成部220は、その物体情報OBJに基づいて、車両100の周囲の物体500を表す「代替画像IMG-S」を生成する。代替画像IMG-Sの具体例は後述される。
【0060】
そして、遠隔オペレータ端末200は、画像IMGの代わりに代替画像IMG-Sを表示装置202に表示する。つまり、遠隔オペレータ端末200は、画像IMGの代わりに代替画像IMG-Sを遠隔オペレータOに提示する。遠隔オペレータOは、代替画像IMG-Sを見ながら遠隔操作部材203を操作して車両100の遠隔操作を行う。例えば、遠隔オペレータOは、代替画像IMG-Sをみながら車両100を安全な場所(例:路肩)に安全に停止させることができる。
【0061】
4-3.効果
以上に説明されたように、本実施の形態によれば、通信速度が閾値未満となった場合、データサイズの大きい画像IMGは車両100から遠隔オペレータ端末200に送信されない。無理に画像IMGを送信しようとしても、結局は画像IMGは正常には遠隔オペレータ端末200に到達せず、通信資源が無駄に消費されるだけだからである。画像IMGの送信が禁止されるため、通信資源の消費は抑制される。その代わり、データサイズの小さい物体情報OBJが車両100から遠隔オペレータ端末200に送信される。すなわち、通信資源を有効活用することによって、少なくとも物体情報OBJが遠隔オペレータ端末200に送信される。
【0062】
遠隔オペレータ端末200では、物体情報OBJに基づいて、車両100の周囲の物体500を表す代替画像IMG-Sが生成される。そして、画像IMGの代わりに代替画像IMG-Sが遠隔オペレータOに提示される。画像IMGの通信が途絶したとしても、遠隔オペレータOは、代替画像IMG-Sを見ることによって、車両100の周囲の物体500に関する最新情報を得ることができる。従って、遠隔オペレータOは、車両100の遠隔操作をある程度安全に継続することができる。すなわち、遠隔操作の安全性が確保される。
【0063】
また、通信速度が低下したからといって、車両100をその場で緊急停止させる必要がない。例えば、遠隔オペレータOは、代替画像IMG-Sをみながら車両100を安全な場所(例:路肩)に安全に停止させることができる。緊急停止は車両100の安全性の観点から好ましくないが、そのような緊急停止が不要となるため安全性が向上する。また、周辺の交通への影響も抑制される。
【0064】
尚、物体情報OBJは、車両100によって常時取得される一般的な情報である。物体情報OBJは、通信速度が低下したときにだけ特殊な処理によって生成される特殊な情報ではない。従って、車両100側の処理負荷は増加しない。
【0065】
5.代替モードの具体例
以下、代替モードの様々な具体例について説明する。
【0066】
5-1.第1の例
5-1-1.概要
図8は、代替モードの第1の例を説明するための概念図である。代替画像生成部220は、描画部225を含んでいる。描画部225は、物体情報OBJに基づいて代替画像IMG-Sを生成(描画)する。物体情報OBJは、少なくとも、車両100あるいは認識センサに対する物体500の相対位置を含んでいる。よって、描画部225は、車両100あるいは認識センサから見た物体500の配置を再現するように代替画像IMG-Sを生成(描画)することができる。
【0067】
図9は、第1の例の場合の代替画像IMG-Sの例を示す概念図である。代替画像IMG-Sは、車両100あるいは認識センサから見た物体500の配置を示している。例えば、物体500は、図形(例:四角形)で表される。代替画像IMG-Sの中の物体500の位置は、オリジナルの画像IMGの中の物体500を囲むバウンディングボックスの位置に対応している。
【0068】
物体情報OBJは、認識された物体500の種類を含んでいてもよい。この場合、描画部225は、物体500の種類毎に図形の色や種類が異なるように代替画像IMG-Sを生成してもよい。
【0069】
描画部225は、物体500の配置に加えて、車両100の予想経路TRを代替画像IMG-Sに描画してもよい。車両100の予想経路TRは、車両情報VCLに含まれる車両100の操舵角及び車速に基づいて算出可能である。あるいは、車両100の予想経路TRは、遠隔オペレータOによる遠隔操作部材203の操作量に基づいて算出されてもよい。車両100の車幅が既知情報として与えられる場合、描画部225は、車両100の予想経路TRに沿って予想通過領域を描画してもよい。
【0070】
第1の例によれば、簡易な処理によって簡易な代替画像IMG-Sが生成される。このことは、処理負荷の軽減の観点から好ましい。
【0071】
5-1-2.停止要求処理
遠隔オペレータ端末200は、停止要求部230を含んでいてもよい。代替画像IMG-Sが遠隔オペレータOに提示される場合、停止要求部230は、遠隔オペレータOに対して車両100を停止させるよう促す。例えば、停止要求部230は、車両100を停止させることを促す視覚情報を表示装置202あるいはユーザインタフェース204に表示する。他の例として、停止要求部230は、車両100を停止させることを促す音声情報をユーザインタフェース204(スピーカ)から出力してもよい。
【0072】
5-2.第2の例
5-2-1.概要
図10は、代替モードの第2の例を説明するための概念図である。代替画像生成部220は、シミュレータ240を含んでいる。シミュレータ240は、所定空間における物体群のシミュレーションをリアルタイムに行う。
【0073】
シミュレーション対象である物体群を、以下、「対象物体」と呼ぶ。対象物体は、車両100と車両100の周囲の物体500の両方を含む。ここでの物体500は、歩行者、自転車、二輪車、他車両といった非静止物体(移動物体)であってもよい。
【0074】
「対象情報TGT」は、対象物体に関する情報である。すなわち、対象情報TGTは、車両100に関する車両情報VCLと、物体500に関する物体情報OBJを含んでいる。車両100は、車両情報VCLと物体情報OBJを含む対象情報TGTを遠隔オペレータ端末200に送信する。追加的な物体情報OBJが、所定空間に配置されたインフラセンサ400(例:インフラカメラ)によって観測され、インフラセンサ400から遠隔オペレータ端末200に提供されてもよい。シミュレータ240は、対象情報TGTを受け取る。
【0075】
所定空間は、一定エリアの空間である。例えば、所定空間は、スマートシティ等の“1つの街”である。シミュレータ240は、所定空間の3次元構成を示す空間構成情報を保持している。空間構成情報は、所定空間における物体500以外の背景の3次元構成を示していてもよい。背景は、道路、白線、信号機、標識、路側構造物、建物、等を含む。
【0076】
シミュレータ240は、対象情報TGTと空間構成情報に基づいて、所定空間における対象物体のシミュレーションをリアルタイムに行う。シミュレーションにおける対象物体の初期値は、対象情報TGTに基づいて設定される。このようなシミュレータ240は、例えば、デジタルツイン(Digital Twin)技術によって実現される。
【0077】
代替画像生成部220は、シミュレータ240によるシミュレーション結果に基づいて、対象物体を視覚的に表す代替画像IMG-Sを生成する。例えば、代替画像生成部220は、車両100あるいは認識センサから見た物体500の配置を再現するように代替画像IMG-Sを生成する。他の例として、代替画像生成部220は、遠隔オペレータOが車両100と物体500を俯瞰することができるように代替画像IMG-Sを生成してもよい。
【0078】
図11は、第2の例の場合の代替画像IMG-Sの例を示す概念図である。代替画像IMG-Sは、所定空間における対象物体(車両100や物体500)及び背景を3次元的に表している。
図11に示される例において、代替画像IMG-Sは、遠隔オペレータOが車両100と物体500を俯瞰することができるように生成されている。シミュレーション周期毎に代替画像IMG-Sは更新される。
【0079】
遠隔オペレータOは、表示装置202にリアルタイムに表示されるシミュレーション結果(代替画像IMG-S)を見ながら、車両100の遠隔操作を行う。遠隔操作情報OPEは、遠隔オペレータOによる操作量を反映した情報を含んでいる。遠隔操作情報OPEは、車両100に送信されるだけでなく、シミュレータ240にもフィードバックされる。シミュレータ240は、遠隔オペレータOによる操作量をシミュレーションに反映する。すなわち、シミュレータ240は、遠隔オペレータOによる操作量をシミュレーション内の車両情報VCLに反映させながら、シミュレーションを行う。
【0080】
以上に説明されたように、第2の例によれば、シミュレータ240が利用される。シミュレータ240を利用することによって、元の画像IMGにより近い詳細な代替画像IMG-Sを生成することが可能となる。詳細な代替画像IMG-Sが得られるため、遠隔オペレータOは車両100の遠隔操作をより精度良く行うことが可能となる。
【0081】
また、一般的に、車両100と遠隔オペレータ端末200との間の通信には通信遅延が伴う。通信遅延は、遠隔オペレータOの判断遅れ、ぎこちない遠隔操作、等の原因となる。また、車両100から遠隔オペレータ端末200に送信される情報が通信経路上で欠落する可能性もある。通信中の情報欠落も、遠隔オペレータOの判断遅れ、ぎこちない遠隔操作、等の原因となる。
【0082】
この点、シミュレータ240は、車両100と遠隔オペレータ端末200との間の通信状態の影響を受けにくい。よって、遠隔オペレータOは、通信遅延や情報欠落の影響を受けることなく、車両100の遠隔操作を行うことが可能となる。その結果、遠隔オペレータOの判断遅れ、ぎこちない遠隔操作、等が抑制される。すなわち、遠隔オペレータOは、車両100の遠隔操作をより滑らかに、より安全に行うことが可能となる。
【0083】
5-2-2.シミュレーション精度を向上させるための処理
シミュレーション精度を向上させるために、以下に説明される処理が行われてもよい。
【0084】
図12は、遠隔操作システム1における遅延を説明するための概念図である。横軸は時間を表し、縦軸は車両100と遠隔オペレータ端末200との間で通信される「情報X」を表している。
図12中の上段は、送信側の情報Xの時間変化を示している。上段中の丸印は、送信側から送信される情報Xとその送信タイミングを示している。一方、下段は、受信側において用いられる情報Xの時間変化を示している。下段中の丸印は、受信側が受信する情報Xとその受信タイミングを示している。
【0085】
車両100と遠隔オペレータ端末200との間の通信には通信遅延が伴う。その遅延量DLは、一定ではなく、通信状態に応じて変動する。
図12に示されるように、受信側の情報Xは、遅延量DLの分だけ、送信側の情報Xから遅延する。
【0086】
また、一般的には、
図12に示されるように、情報Xの通信周期は、受信側の制御周期よりも長い。言い換えれば、制御周波数は、情報Xの通信周波数よりも高い。そのため、受信側において制御に用いられる情報Xは、送信側における実際の情報Xから乖離する。通信周期と制御周期との差が大きくなるほど、情報Xの乖離は大きくなる。また、通信の遅延量DLが大きくなるほど、情報Xの乖離は大きくなる。
【0087】
図13は、「遅延補償処理」を説明するための概念図である。受信側は、送信側から受信する情報Xの遅延を補償する。この処理が、遅延補償処理である。より詳細には、受信側は、送信側からの情報Xの受信結果に基づいて、通信の遅延量DLの情報を取得する。そして、受信側は、その遅延量DLに基づいて、情報Xの遅延を補償する。
【0088】
図14は、「アップサンプリング処理」を説明するための概念図である。受信側は、サンプリングの無い期間における情報Xを推定(予測)することによって、情報Xのサンプリング周波数(サンプリングレート)を増加させてもよい。この処理が、アップサンプリング処理である。特に、受信側は、情報Xのサンプリング周期(サンプリング周波数)と制御周期(制御周波数)との間の差が、通信周期(通信周波数)と制御周期(制御周波数)との間の差よりも小さくなるように、アップサンプリング処理を行う。例えば、受信側は、情報Xのサンプリング周期(サンプリング周波数)と制御周期(制御周波数)が一致するように、アップサンプリング処理を行う。
【0089】
図15は、シミュレータ240に関連する機能構成例を示すブロック図である。代替画像生成部220は、受信部221、遅延補償部222、同期処理部223、及びシミュレータ240を含んでいる。これら機能ブロックは、通信装置201及び制御装置205により実現される。
【0090】
受信部221は、車両100の遠隔操作の最中、対象情報TGTを受信する。対象情報TGTは、車両100に関する車両情報VCLと、物体500に関する物体情報OBJを含んでいる。受信部221は、対象情報TGTの受信結果に基づいて、車両100と遠隔オペレータ端末200との間の通信状態を把握する。通信状態としては、遅延量DL、通信速度、等が例示される。
【0091】
遅延補償部222は、上述の遅延補償処理を行う(
図13参照)。具体的には、遅延補償部222は、受信部221から、対象情報TGTと遅延量DLの情報を取得する。遅延量DLは、一定ではなく、通信状態に応じて変動する。遅延補償部222は、遅延量DLに基づいて、受信した対象情報TGTの遅延を補償する。
【0092】
遅延補償部222は、アップサンプリング処理を行いつつ遅延補償処理を行うように構成されてもよい(
図14参照)。アップサンプリング処理と遅延補償処理を行う遅延補償部222は、例えば、ディレイドカルマンフィルター(Delayed Kalman Filter)を利用することにより実現可能である。ディレイドカルマンフィルターは、OOSM (Out-of-Sequence Measurement)とも呼ばれる。ディレイドカルマンフィルターの詳細については、非特許文献1、非特許文献2を参照されたい。ディレイドカルマンフィルターは、遅延量DLが変動する対象情報TGTに対しても適用可能である。遅延補償部222は、遅延量DLが変動する対象情報TGTにディレイドカルマンフィルターを適用することによって、アップサンプリング処理及び遅延補償処理を実行する。
【0093】
遅延が補償された対象情報TGTを、以下、「補正対象情報TGT-C」と呼ぶ。遅延補償部222は、遅延量DLに基づいて対象情報TGTの遅延を補償することによって補正対象情報TGT-Cを算出すると言える。
【0094】
シミュレーション対象情報TGT-Sは、シミュレーション内での対象情報TGTである。シミュレータ240は、空間構成情報とシミュレーション対象情報TGT-Sに基づいてシミュレーションを行い、次のサイクルのシミュレーション対象情報TGT-Sを推定する。但し、シミュレータ240によるシミュレーションにはシミュレーション誤差が伴う。そのシミュレーション誤差を補正するために、以下に説明される「同期処理」が行われる。
【0095】
同期処理部223は、シミュレーション対象情報TGT-Sを補正対象情報TGT-Cに基づいて補正する。典型的には、同期処理部223は、補正対象情報TGT-Cに一致(同期)するようにシミュレーション対象情報TGT-Sを補正する。これにより、シミュレーション誤差を解消することができる。
【0096】
シミュレーション対象情報TGT-Sの補正の結果、シミュレーション対象情報TGT-Sが急変する可能性がある。例えば、シミュレーション内における車両100の位置が不連続的にジャンプする可能性がある。他の例として、シミュレーション内における車両100が急加速する可能性がある。このようなシミュレーション対象情報TGT-Sの急変化を抑制するために、フィルタ処理が行われてもよい。具体的には、同期処理部223は、シミュレーション対象情報TGT-Sの急変化を抑えるためのフィルタを含んでいる。フィルタとしては、ローパスフィルタ等の1次遅れフィルタが例示される。同期処理部223は、シミュレーション対象情報TGT-Sにフィルタを適用することによって、補正対象情報TGT-Cに一致するようにシミュレーション対象情報TGT-Sを徐々に変化させる。
【0097】
尚、対象情報TGTの通信周期は、シミュレータ240のシミュレーション周期よりも長い。言い換えれば、シミュレータ240のシミュレーション周波数は、対象情報TGTの通信周波数よりも高い。従って、基本的には、シミュレーション対象情報TGT-Sはシミュレーションだけによって更新される。但し、遠隔オペレータ端末200が対象情報TGTを受信すると、補正対象情報TGT-Cが更新され、最新の補正対象情報TGT-Cに基づいてシミュレーション対象情報TGT-Sが補正される。
【0098】
以上に説明されたように、代替画像生成部220は、シミュレーションの実行と平行して、対象情報TGTを受信する。代替画像生成部220は、受信した対象情報TGTの遅延を補償することによって補正対象情報TGT-Cを取得する。更に、代替画像生成部220は、補正対象情報TGT-Cに基づいてシミュレーション対象情報TGT-Sを補正する同期処理を実行する。これにより、シミュレーション精度が向上し、その結果、遠隔操作の精度も向上する。
【0099】
5-2-3.停止要求処理
上述の第1の例の場合と同様に、遠隔オペレータ端末200は、停止要求部230を含んでいてもよい。代替画像IMG-Sが遠隔オペレータOに提示される場合、停止要求部230は、遠隔オペレータOに対して車両100を停止させるよう促す。
【0100】
5-2-4.速度制限処理
シミュレーション結果に基づく代替画像IMG-Sは、第1の例の場合の簡素な代替画像IMG-Sよりも詳細である。詳細な代替画像IMG-Sが得られるため、遠隔オペレータOは車両100の遠隔操作を継続することを望む可能性もある。但し、その場合であっても、安全性を確保するために車両100の速度を制限することが好ましい。
【0101】
以上の観点から、遠隔オペレータ端末200は、速度制限部250を含んでいてもよい。速度制限部250は、車両100に対して速度を制限するよう指示する。
【0102】
例えば、速度制限部250は、速度制限指示情報を車両100に送信する。車両100は、遠隔オペレータ端末200から受け取る速度制限指示情報に従って速度を制限する。速度を制限するとは、速度の上限値をデフォルト値よりも下げることを意味する。車両100は、速度が上限値を超えないように車両走行制御を行う。これにより安全性が確保される。
【0103】
他の例として、速度制限部250は、遠隔操作情報OPEに含まれるアクセル操作量を予め制限してもよい。アクセル操作量を制限するとは、アクセル操作量を所定量以下になるように補正することを意味する。これによっても、結果的に車両100の速度は制限される。すなわち、速度制限部250は、車両100の速度を間接的に制限してもよい。
【0104】
速度制限部250は、速度制限処理が作動している旨を遠隔オペレータOに通知してもよい。例えば、速度制限部250は、速度制限処理が作動している旨の視覚情報を表示装置202あるいはユーザインタフェース204に表示する。他の例として、速度制限部250は、速度制限処理が作動している旨の音声情報をユーザインタフェース204(スピーカ)から出力してもよい。
【0105】
5-3.第3の例
第3の例は、上記セクション5-1で説明された第1の例の変形例である。第3の例では、代替画像生成部220は、第2の例の場合と同様の受信部221及び遅延補償部222を含んでいる。遅延補償部222は、物体情報OBJに遅延補償処理を適用する。遅延補償部222は、物体情報OBJに遅延補償処理とアップサンプリング処理を適用してもよい。描画部225は、遅延補償処理が適用された物体情報OBJに基づいて、代替画像IMG-Sを生成する。
【0106】
第3の例によれば、第1の例の場合よりも高精度な代替画像IMG-Sが得られる。また、処理負荷は、第2の例の場合よりも低い。
【0107】
5-4.第4の例
図16は、代替モードの第4の例を説明するためのフローチャートである。
【0108】
代替モードの開始時、代替画像生成部220は、車両情報VCLに基づいて、車両100が停止しているか否かを判定する(ステップS210)。代替モードの開始時に車両100が停止している場合(ステップS210;Yes)、処理はステップS220に進む。一方、代替モードの開始時に車両100が移動している場合(ステップS210;No)、処理はステップS230に進む。
【0109】
ステップS220において、代替画像生成部220は、高精度処理(第1処理)によって代替画像IMG-Sを生成する。例えば、高精度処理は、上記セクション5-2で説明された第2の例に係る処理、すなわち、シミュレータ240を利用した処理である。高精度処理によって高精度な代替画像IMG-Sが得られる。
【0110】
一方、ステップS230において、代替画像生成部220は、簡易処理(第2処理)によって代替画像IMG-Sを生成する。簡易処理の処理負荷は、高精度処理の処理負荷よりも軽い。例えば、簡易処理は、上記セクション5-1で説明された第1の例に係る処理である。他の例として、簡易処理は、上記セクション5-3で説明された第3の例に係る処理であってもよい。ステップS230において、停止要求部230は、遠隔オペレータOに対して車両100を停止させるよう促してもよい。ステップS230の後、処理はステップS210に戻る。
【0111】
このように、代替モードの開始時に車両100が移動していれば、軽い簡易処理によって代替画像IMG-Sが生成される。代替画像IMG-Sがスムーズに生成されるため、遠隔オペレータOは、車両100を素早く停止させることが可能となる。このことも安全性の確保に寄与する。
【0112】
車両100が停止すると、高精度処理によって生成される高精度な代替画像IMG-Sが表示装置202に表示される。高精度な代替画像IMG-Sを見た遠隔オペレータOは、車両100の遠隔操作を再開することを検討することができる。
【0113】
遠隔オペレータ端末200は、遠隔操作を再開する意思の有無を遠隔オペレータOに問い合わせてもよい。例えば、遠隔オペレータ端末200は、ユーザインタフェース204を介して遠隔オペレータOの意思を問い合わせる。遠隔オペレータOは、ユーザインタフェース204を用いて、遠隔操作を再開する意思を入力することができる。遠隔操作を再開する意思が入力されると、遠隔オペレータ端末200は、遠隔操作の再開を許可する。あるいは、管理者の許可も合わせてリクエストされてもよい。
【0114】
遠隔オペレータOが車両100の遠隔操作を再開した場合(ステップS240;Yes)、代替画像生成部220は、引き続き高精度処理によって高精度な代替画像IMG-Sを生成する。遠隔オペレータOは、高精度な代替画像IMG-Sを見て車両100の遠隔操作を行う。但し、その場合であっても、安全性を確保するために車両100の速度を制限することが好ましい。よって、好ましくは、速度制限部250は、車両100に対して速度を制限するよう指示する(ステップS250)。
【符号の説明】
【0115】
1 遠隔操作システム
100 車両
200 遠隔オペレータ端末
202 表示装置
203 遠隔操作部材
205 制御装置
206 プロセッサ
207 記憶装置
220 代替画像生成部
222 遅延補償部
225 描画部
230 停止要求部
240 シミュレータ
250 速度制限部
300 管理装置
400 インフラセンサ
500 物体
IMG 画像
IMG-S 代替画像
OBJ 物体情報
OPE 遠隔操作情報
SEN センサ検出情報
TGT 対象情報
TGT-S シミュレーション対象情報
VCL 車両情報