(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108719
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】オペレーションサポート装置、オペレーションサポートシステムおよびオペレーションサポート方法
(51)【国際特許分類】
H04L 41/04 20220101AFI20240805BHJP
【FI】
H04L41/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013236
(22)【出願日】2023-01-31
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和4年度、国立研究開発法人情報通信研究機構「研究開発課題名:Beyond 5G超高速・大容量ネットワークの自律性・超低消費電力を実現するネットワークサービス基盤技術の研究開発研究開発項目1 ネットワークサービス基盤技術 副題:超高速・大容量ネットワークの一元的な制御や電源最適化を実現するネットワークサービス基盤技術の研究開発」産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】江尻 剛
(72)【発明者】
【氏名】高間 望
(57)【要約】
【課題】ドメインに属する装置から相反する要求が発行された場合でも、適切に各装置を制御する。
【解決手段】オペレーションサポート装置(1)は、RAN(2)、TN(3)およびCN(4)を構成し、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置の中の1または2以上の装置から複数の要求を受け付ける受付手段(11)と、複数の要求のそれぞれの要求内容から、予め定められた指標からなるベクトルをそれぞれ生成して演算し、当該演算して得られたベクトルに基づいて複数の装置を制御する制御手段(12)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークのドメインを構成し、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置のオペレーションを支援するオペレーションサポート装置であって、
前記複数の装置の中の1または2以上の装置から複数の要求を受け付ける受付手段と、
前記複数の要求のそれぞれの要求内容から、予め定められた指標からなるベクトルをそれぞれ生成して演算し、当該演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する制御手段と、を備える、
オペレーションサポート装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記複数の要求のそれぞれの要求内容および予め定められた複数の優先度に基づいて、前記複数の要求の優先度をそれぞれ決定し、当該複数の要求の優先度が同じ場合に、前記演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する、
請求項1に記載のオペレーションサポート装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記複数の要求の中の第1の要求と第2の要求とが相反する要求内容の場合、前記第1の要求の要求内容から第1のベクトルを生成し、前記第2の要求の要求内容から第2のベクトルを生成し、当該第1のベクトルと当該第2のベクトルとを加算し、当該加算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する、
請求項1または2に記載のオペレーションサポート装置。
【請求項4】
前記予め定められた指標は、通信速度および消費電力であって、
前記制御手段は、前記複数の要求のそれぞれの要求内容から、前記通信速度および前記消費電力からなるベクトルをそれぞれ生成して演算し、当該演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する、
請求項1または2に記載のオペレーションサポート装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記複数の要求のそれぞれの要求内容および予め定められた複数の優先度に基づいて、前記複数の要求の優先度をそれぞれ決定し、当該複数の要求の優先度が異なる場合に、最も優先度が高い要求に基づいて前記複数の装置を制御し、優先度が低い要求に基づく制御は行わない、
請求項1に記載のオペレーションサポート装置。
【請求項6】
ネットワークのドメインを構成し、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置と、前記複数の装置のオペレーションを支援するオペレーションサポート装置と、を備えるオペレーションサポートシステムであって、
前記オペレーションサポート装置は、
前記複数の装置の中の1または2以上の装置から複数の要求を受け付ける受付手段と、
前記複数の要求のそれぞれの要求内容から、予め定められた指標からなるベクトルをそれぞれ生成して演算し、当該演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する制御手段と、を備える、
オペレーションサポートシステム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記複数の要求のそれぞれの要求内容および予め定められた複数の優先度に基づいて、前記複数の要求の優先度をそれぞれ決定し、当該複数の要求の優先度が同じ場合に、前記演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する、
請求項6に記載のオペレーションサポートシステム。
【請求項8】
ネットワークのドメインを構成し、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置のオペレーションを支援するオペレーションサポート方法であって、
前記複数の装置の中の1または2以上の装置から複数の要求を受け付け、
前記複数の要求のそれぞれの要求内容から、予め定められた指標からなるベクトルをそれぞれ生成して演算し、
前記演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する、
オペレーションサポート方法。
【請求項9】
前記複数の装置を制御する処理において、前記複数の要求のそれぞれの要求内容および予め定められた複数の優先度に基づいて、前記複数の要求の優先度をそれぞれ決定し、当該複数の要求の優先度が同じ場合に、前記演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する、
請求項8に記載のオペレーションサポート方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オペレーションサポート装置、オペレーションサポートシステムおよびオペレーションサポート方法に関する。
【背景技術】
【0002】
4G(第4世代移動通信システム)、5G(第5世代移動通信システム)等のコアネットワーク、RAN(Radio Access Network)における装置設計・収容・障害対策は、各ドメイン(RANドメイン、伝送ドメイン等)において手動または半自動で行われているが、今後、各ドメインおよびE2E(End to End)オーケストレータによる自動化が進むに連れ、同時に大量の自動処理が実施されるものと推測される。これに関連する技術として、下記の特許文献1に開示された発明がある。
【0003】
特許文献1には、判断処理部が、KPI測定結果格納部に格納されているKPIの値に応じて、サーバAやサーバBが提供するサービスAやサービスBに対して、NW帯域情報の現状のNW帯域情報を元に、どのような帯域を割り当てるかを判断することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
各ドメインでの自律動作によって、相互関係の無い処理によるコンフリクト(矛盾した指示)が発生する可能性がある。例えば、特定のドメインに属する装置に対して、エナジーセービングの指示に従って停止要求を出したと同時に、災害が発生してドメイン内のパケット処理負荷が急激に上昇し、スケールアウトの要求も出される、といったケースが有り得る。このように、同一装置に対して矛盾した指示の処理が実行されるといった問題が発生する。しかしながら、上述の特許文献1に開示される発明を用いたとしても、このような問題を解決することはできない。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ドメインに属する装置から相反する要求が発行された場合でも、適切に各装置を制御することが可能な技術を提供することを一目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るオペレーションサポート装置は、ネットワークのドメインを構成し、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置のオペレーションを支援するオペレーションサポート装置であって、前記複数の装置の中の1または2以上の装置から複数の要求を受け付ける受付手段と、前記複数の要求のそれぞれの要求内容から、予め定められた指標からなるベクトルをそれぞれ生成して演算し、当該演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する制御手段と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係るオペレーションサポートシステムは、ネットワークのドメインを構成し、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置と、前記複数の装置のオペレーションを支援するオペレーションサポート装置と、を備えるオペレーションサポートシステムであって、前記オペレーションサポート装置は、前記複数の装置の中の1または2以上の装置から複数の要求を受け付ける受付手段と、前記複数の要求のそれぞれの要求内容から、予め定められた指標からなるベクトルをそれぞれ生成して演算し、当該演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する制御手段と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係るオペレーションサポート方法は、ネットワークのドメインを構成し、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置のオペレーションを支援するオペレーションサポート方法であって、前記複数の装置の中の1または2以上の装置から複数の要求を受け付け、前記複数の要求のそれぞれの要求内容から、予め定められた指標からなるベクトルをそれぞれ生成して演算し、当該演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、ドメインに属する装置から相反する要求が発行された場合でも、適切に各装置を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の例示的実施形態に係るオペレーションサポート装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1の例示的実施形態に係るオペレーションサポート装置の処理方法の流れを示すフロー図である。
【
図3】本発明の第2の例示的実施形態に係るオペレーションサポートシステムの構成例を示すブロック図である。
【
図5】通信速度および消費電力からなるベクトルを説明するための図である。
【
図6】本発明の第2の例示的実施形態に係るオペレーションサポート装置の処理方法の流れを示すフロー図である。
【
図7】各例示的実施形態に係るオペレーションサポート装置、およびオペレーションサポートシステムとして機能するコンピュータの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔例示的実施形態1〕
<例示的実施形態1に係るオペレーションサポート装置1>
本発明の第1の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポート乃至インタフェースを備える構成としてもよいが、これらの構成については図示を省略する。
【0013】
図1は、本発明の第1の例示的実施形態に係るオペレーションサポート装置1を含んだオペレーションサポートシステム100の構成例を示すブロック図である。本例示的実施形態に係るオペレーションサポートシステム100は、オペレーションサポート装置1と、RAN2と、TN(Transport Network)3と、CN(Core Network)4と、を備える。以下、RANを無線アクセスネットワーク、TNをトランスポートネットワーク、CNをコアネットワークとも表記する。
【0014】
オペレーションサポート装置1は、ネットワークのドメインを構成し、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置のオペレーションを支援する。
【0015】
ネットワークのドメインは、RAN2、TN3およびCN4の各ドメインを含んでいる。また、ネットワークのドメインは、それ以外のドメイン、例えば、PRIVATE5Gドメイン等をさらに含んでいてもよい。
【0016】
無線アクセスネットワーク2は、3GPP(第3世代移動通信システムパートナーシッププロジェクト)によって規定される5G(第5世代移動通信システム)、4G(第4世代移動通信システム)等の基地局等によって構成されるネットワークである。無線アクセスネットワーク2は、コアネットワーク4と移動端末との間に位置し、無線レイヤの制御等を行う。なお、無線アクセスネットワーク2を構成する複数の装置を総称して、RANドメインと呼ぶことにする。
【0017】
トランスポートネットワーク3は、無線アクセスネットワーク2とコアネットワーク4とを接続するネットワークであり、それぞれのネットワーク内の装置間を接続するネットワークである。なお、トランスポートネットワーク3を構成する複数の装置を総称して、TNドメインと呼ぶことにする。
【0018】
コアネットワーク4は、パケット転送装置、加入者情報管理装置等で構成されるネットワークである。移動端末は、無線アクセスネットワーク2を経由してコアネットワーク4との通信を行う。なお、コアネットワーク4を構成する複数の装置を総称して、CNドメインと呼ぶことにする。
【0019】
自動化のクローズドループとは、例えば、システムの異常を検出し、その内容を分析し、分析結果に基づいて自動的にシステムに対して措置を行う等、人間による操作が介在しない自動運用を指す。無線アクセスネットワーク、トランスポートネットワークおよびコアネットワークを構成する複数の装置それぞれが、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する。
【0020】
なお、無線アクセスネットワーク、トランスポートネットワークおよびコアネットワークのドメインを構成する複数の装置それぞれが、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する場合について説明するが、それ以外のドメイン、例えば、PRIVATE5Gドメイン等をさらに含んだシステムを構成する複数の装置それぞれが、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する場合にも本発明を適用することができる。
【0021】
また、ネットワークのドメインの1つ、例えば、RANドメインを構成する複数の装置それぞれが、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する場合にも本発明を適用することが可能である。この場合、各ドメイン単体内で相反する要求(コンフリクト)が発生した場合でも、それを解消することができる。
【0022】
オペレーションサポート装置1は、受付手段11と、制御手段12と、を備えている。受付手段11は、複数の装置の中の1または2以上の装置から複数の要求を受け付ける。複数の要求は、例えば、特定のドメインに属する装置がエナジーセービングの指示に従って発行する停止要求、災害が発生してドメイン内のパケット処理負荷が急激に上昇したときに発行されるスケールアウト要求等である。複数の要求は、単一ドメイン(単一の装置)から発行される場合と、複数ドメイン(複数の装置)から発行される場合とがあり得る。
【0023】
制御手段12は、複数の要求のそれぞれの要求内容から、予め定められた指標からなるベクトルをそれぞれ生成して演算し、当該演算して得られたベクトルに基づいて複数の装置を制御する。
【0024】
予め定められた指標が、例えば、通信速度および消費電力であるとすると、制御手段12は、要求内容から、通信速度と消費電力とからなるベクトルを生成する。例えば、イベント等によって通信速度の向上が必要となる場合であって、20Mbyte/secの通信速度の追加要求がある場合、制御手段12は、通信速度が大きくなり、消費電力が増加するような第1のベクトルを生成する。
【0025】
また、エナジーセービングに関連する要求がある場合、制御手段12は、通信速度が小さくなり、消費電力が減少するような第2のベクトルを生成する。そして、制御手段12は、第1のベクトルと第2のベクトルとを演算(加算)し、演算して得られたベクトルに基づいて複数の装置を制御する。
【0026】
なお、ベクトルの一例として、通信速度および消費電力の2次元の場合について説明したが、ベクトルは2次元である必要はなく、3次元以上の多次元であってもよい。また、ベクトルは、1次元のスカラーであっても構わない。例えば、ベクトルは、通信速度および消費電力に費用を含めた3次元であってもよく、さらにクレーム数を含めた4次元であってもよい。
【0027】
<オペレーションサポート装置1の効果>
以上説明したように、本例示的実施形態に係るオペレーションサポート装置1によれば、制御手段12が、複数の要求のそれぞれの要求内容から、予め定められた指標からなるベクトルをそれぞれ生成して演算し、当該演算して得られたベクトルに基づいて複数の装置を制御する。したがって、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置から相反する要求が発行された(コンフリクトが発生した)場合でも、制御手段12は、適切に各装置を制御することができる。
【0028】
<オペレーションサポート装置1による処理方法の流れ>
以上のように構成されたオペレーションサポート装置1が実行する処理方法の流れについて、
図2を参照して説明する。
図2は、第1の例示的実施形態に係るオペレーションサポート装置1の処理方法の流れを示すフロー図である。
図2に示すように、処理方法S1は、ステップS11~S13を含む。
【0029】
まず、オペレーションサポート装置1の受付手段11は、複数の装置の中の1または2以上の装置から複数の要求を受け付ける(S11)。複数の要求は、例えば、特定のドメインに属する装置がエナジーセービングの指示に従って発行する停止要求、災害が発生してドメイン内のパケット処理負荷が急激に上昇したときに発行されるスケールアウト要求等である。
【0030】
次に、制御手段12は、複数の要求のそれぞれの要求内容から、予め定められた指標からなるベクトルをそれぞれ生成して演算する(S12)。予め定められた指標が、例えば、通信速度および消費電力であるとすると、制御手段12は、要求内容から、通信速度と消費電力とからなるベクトルを生成する。
【0031】
最後に、制御手段12は、演算して得られたベクトルに基づいて複数の装置を制御する(S13)。
【0032】
<オペレーションサポート方法の効果>
以上説明したように、本例示的実施形態に係るオペレーションサポート方法によれば、複数の要求のそれぞれの要求内容から、予め定められた指標からなるベクトルをそれぞれ生成して演算し、当該演算して得られたベクトルに基づいて複数の装置を制御する。したがって、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置から相反する要求が発行された(コンフリクトが発生した)場合でも、適切に各装置を制御することができる。
【0033】
〔例示的実施形態2〕
<例示的実施形態2に係るオペレーションサポート装置1Aの構成例>
図3は、本発明の第2の例示的実施形態に係るオペレーションサポート装置1Aを含んだオペレーションサポートシステム100Aの構成を示す図である。本例示的実施形態に係るオペレーションサポートシステム100Aは、E2E、ドメインおよびリソースの3層構造のオーケストレータにより全領域を網羅的に管理する構成を有しており、BSS(Business Support System)21と、E2Eオーケストレータ22と、RANドメイン23と、TNドメイン24と、CNドメイン25とを含む。
【0034】
BSS21は、通信事業者向けの業務支援システムの総称である。E2Eオーケストレータ22は、ネットワークスライスの容量、認証、SLA(Service Level Agreement)、およびヘルスモニタリングを監視、管理する部分であり、本例示的実施形態に係るオペレーションサポート装置1Aと、CSMF(Communication Service Management Function)221と、NSMF(Network Slice Management Function)222とを含む。
【0035】
CSMF221は、通信サービスを管理するため、他のマネジメント機能(MF)が提供するマネジメントサービスを利用する。NSMF222は、NSI(Network Slice Instance)のためのマネジメントサービスを提供するとともに、他マネジメントサービスを利用する。
【0036】
ネットワークスライシングは、単一の物理ネットワークを、異なるサービス要求条件に応じた複数の論理的ネットワーク(スライス)に分けて利用する仮想化技術である。ネットワーク帯域やコンピューティングリソースを動的に割り当てる論理的なネットワークを、ネットワークスライスと呼ぶ。
【0037】
無線アクセスネットワーク、トランスポートネットワーク、コアネットワークのドメイン毎に必要なリソースが、スライス毎に割り当てられる。E2Eのネットワークスライスは、無線アクセスネットワーク、トランスポートネットワーク、コアネットワークのドメイン毎にアサインされたリソースの事を指している。
【0038】
RANドメイン23は、RANオーケストレータ31と、Non Real-time RIC32と、Near Real-time RIC33と、CU(Central Unit)34と、DU(Distributed Unit)35と、RU(Radio Unit)36と、NFVI(Network Functions Virtualization Infrastructure)37と、MEAO(Mobile Edge Application Orchestrator)38と、MEP(MEC Platform)39と、MEPM-V(仮想化MEC Platform Manager)40と、MEC App(MEC Application)41と、VIM(Virtualized Infrastructure Manager)42と、を含む。
【0039】
RANオーケストレータ31は、RANドメイン23全体を監視、管理する部分であり、NSSMF(Network Slice Subnet Management Function)311を含む。NSSMF311は、NSSI(Network Slice Subnets Instance)のためのマネジメントサービスを提供するとともに、他マネジメントサービスを利用する。
【0040】
RANネットワークスライシングにおいては、O-RAN allianceにより定義されたRIC(RAN Intelligent Controller)が、ポリシー適用とリアルタイム制御のためのコンポーネントとして提供される。RICは、AI/ML(Artificial intelligence/Machine Learning)ベースのインテリジェント機能である。
【0041】
Non Real-time RIC32は、RANの制御にかかわるポリシーの生成や通知、Near Real-time RIC33への情報転送を行う。Near Real-time RIC33は、RANデータのリアルタイムの監視と制御とに基づいてスライスの最適化を行う。
【0042】
RANは、無線周波数(RF)を処理するRRH(Remote Radio Head)部と、無線周波数(RF)以外を処理するBBU(Base Band Unit)部とで構成されている。概ね、BBU部の機能がCU34およびDU35に配置され、RRH部の機能がRU36に配置される構成となっている。
【0043】
NFVI37は、ハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントとで構成され、VNFを展開するインフラストラクチャリソースを提供する。VNFは、NFVI37上で動作する仮想化されたネットワーク機能群である。VIM42は、NFVI37のコンピューティング、ストレージ、及びネットワークリソースの制御や管理を行う。
【0044】
MEAO38、MEP39およびMEPM-V40は、MECアプリケーション41の監視、管理等を行う。
【0045】
TNドメイン24は、Front-haul、Mid-haul、Back-haulの異なるトランスポートネットワーク部分毎にスライシング機能を提供する部分であり、TNオーケストレータ241と、SDNC(Software-Defined Networking Controller)243と、WAN(Wide Area Network)244とを含む。
【0046】
TNオーケストレータ241は、TNドメイン24をスライスするためのリソースを管理、制御すると共に、マルチレイヤーパスの計算の最適化を行う部分であり、NSSMF242を含む。NSSMF242は、NSSIのためのマネジメントサービスを提供するとともに、他マネジメントサービスを利用する。
【0047】
SDNC243は、ネットワーク機器を集中的に制御して、ネットワーク構成や設定などを柔軟に動的に変更する。
【0048】
CNドメイン25は、Coreオーケストレータ251と、EM(Element Manager)253と、VNF(Virtual Network Function)254と、NFVO(NFV Orchestrator)255と、NFVI(NFV Infrastructure)256と、VNFM(Virtual Network Function Manager)257と、VIM(Virtualized Infrastructure Manager)258とを含む。
【0049】
Coreオーケストレータ251は、CNドメイン25全体を監視、管理する部分であり、NSSMF252を含む。NSSMF252は、NSSIのためのマネジメントサービスを提供するとともに、他マネジメントサービスを利用する。
【0050】
EM253は、VNF254とPNF(Physical Network Function)のFCAPS管理、及びライフサイクル管理の機能を有する。なお、FCAPSとは、障害管理(Fault)、構成管理(Configuration)、課金管理(Accounting)、性能管理(Performance)、機密管理(Security)を指している。
【0051】
VNF254は、NFVI256上で動作する仮想化されたネットワーク機能群である。NFVO255は、複数のVNF254から構成されるネットワークサービスのライフサイクル管理(生成、管理、運用、削除など)、全体のリソース管理、NFVI256のリソース要求の検証、及び許可を行い、システム全体の統合的な運用管理を行う。
【0052】
NFVI256は、ハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントとで構成され、VNF254を展開するインフラストラクチャリソースを提供する。VNFM257は、VNF254が必要とするリソース要件の管理、VNF254のライフサイクルを管理する。VIM258は、NFVI256のコンピューティング、ストレージ、及びネットワークリソースの制御や管理を行う。
【0053】
このように構成されたオペレーションサポートシステム100Aにおいて、RANドメイン23、TNドメイン24およびCNドメイン25を構成する複数の装置は、自動化のクローズドループ制御方式によって動作しているため、各ドメインに対するネットワークスライスの制御は各ドメインで独立して行われる。このとき、各ドメインで発生する要求は、オペレーションサポート装置1Aに発行される。
【0054】
本例示的実施形態に係るオペレーションサポート装置1Aは、受付手段11と、制御手段12Aと、を備える。なお、例示的実施形態1において説明したオペレーションサポート装置1と同様の構成および機能を有する部分については同一の参照符号を付すこととし、その詳細な説明は繰り返さない。
【0055】
制御手段12Aは、複数の要求のそれぞれの要求内容および予め定められた複数の優先度に基づいて、複数の要求の優先度をそれぞれ決定し、当該複数の要求の優先度が同じ場合に、演算して得られたベクトルに基づいて複数の装置を制御する。
【0056】
図4は、要求の優先度の一例を示す図である。
図4において、プライオリティレベル「5」が最も優先度が高く、プライオリティレベル「1」が最も優先度が低くなっている。プライオリティレベル「5」は、災害に関する要求内容であり、地震・津波・洪水・戦争、その他天変地異の非常用サービスに関する指示等である。災害発生時に、ドメインオーケストレータで通常コンシューマのスライスの割り当てを一旦解除し、各自治体、警察、病院、報道等の事前に災害時に必要だと思われる団体に対して、予め設定されたスライスを割り当てる。そのため、通信速度が高くなると共に、消費電力が大きくなる。
【0057】
プライオリティレベル「4」は、人命優先・救急に関する要求内容であり、救急・警察・捜索等、個々人命に関するサービスに関する指示等である。プライオリティレベル「3」は、公的イベント・要人来日に関する要求内容であり、選挙・海外からの要人来日対応等に関する指示等である。
【0058】
プライオリティレベル「2」は、工事に関する要求内容であり、社内のファイル更新等の工事に関する指示等である。プライオリティレベル「1」は、効率化・市民イベント対応に関する要求内容であり、コンサート・花火大会等の民間イベントや市民イベント、及び、エナジーセービング等の省エネ活動に関する指示等である。なお、プライオリティについては運用によって異なるため、5段階とは限らない。運用に必要なプライオリティレベルが設定されるものとする。
【0059】
制御手段12Aは、複数の要求のそれぞれの要求内容を解析し、複数の要求内容のそれぞれが
図4に示すどの優先度(プライオリティ)に対応するかを判断する。そして、制御手段12Aは、優先度が高い要求を絞り込むが、最も優先度が高い要求が複数ある場合に、演算して得られたベクトルに基づいて複数の装置を制御する。
【0060】
このとき、制御手段12Aは、複数の要求のKPI(Key Performance Indicator)をベクトル化して加算し、加算して得られたベクトルに基づいて、複数の装置を制御する。
【0061】
例えば、制御手段12Aは、複数の要求の中の第1の要求と第2の要求とが相反する要求内容の場合、第1の要求の要求内容から第1のベクトルを生成し、第2の要求の要求内容から第2のベクトルを生成し、当該第1のベクトルと当該第2のベクトルとを加算し、加算して得られたベクトルに基づいて複数の装置を制御する。
【0062】
図5は、通信速度および消費電力からなるベクトルを説明するための図である。
図5においては、KPIの一例として、予め定められた指標である通信速度および消費電力からなるベクトルが記載されている。なお、KPIは、これに限定されるものではない。
【0063】
予め定められた指標は、通信速度および消費電力であって、制御手段12Aは、複数の要求のそれぞれの要求内容から、通信速度および消費電力からなるベクトルをそれぞれ生成して演算し、当該演算して得られたベクトルに基づいて複数の装置を制御する。
【0064】
例えば、要求Aが、優先度「1」に対応するコンサートによる通信速度の向上であり、20Mbyte/Sec追加が必要である場合のベクトルが、
図5の「通信A」に対応している。「通信A」は、通信速度が速くなると共に、消費電力が大きくなるようなベクトルとなっている。
【0065】
また、要求Bが、優先度「1」に対応する花火大会による通信速度の向上であり、20Mbyte/Sec追加が必要である場合のベクトルが、
図5の「通信B」に対応している。「通信B」は、通信速度が速くなると共に、消費電力が大きくなるようなベクトルとなっている。
【0066】
また、要求Cが、優先度「1」に対応する電力過多によるエナジーセービング(電力5%削除)である場合であり、そのベクトルが、
図5の「エナジーセービング」に対応している。「エナジーセービング」は、通信速度が遅くなると共に、消費電力が小さくなるようなベクトルとなっている。
【0067】
通信速度が0の場合でも装置に供給する電力が必要となるため、この電力をベース電力とすると、ベース電力のベクトルに、「通信A」のベクトル、「通信B」のベクトルおよび「エナジーセービング」のベクトルを加算したベクトルが、仮想で設定する実際の性能を示している。したがって、制御手段12Aは、加算によって得られたベクトルによって示される通信速度および消費電力となるように、複数の装置を制御する。
【0068】
制御手段12Aは、一定間隔の時間枠で各要求を取りまとめて、各要求の目標値に沿うように上述のような各ベクトルを算出し、演算して得られたベクトルに基づいて装置リソースの追加処理等を指示する。
【0069】
このように、従来であれば、要求Aのために装置リソースを追加し、さらに要求Bのために装置リソースを追加し、エナジーセービングのために装置リソースを削減する、という矛盾した指示を同時に処理する必要があったが、制御手段12Aが、ベクトルの演算によって得られた実際の性能に基づいて複数の装置を制御することによって、適切に各装置を制御することができる。
【0070】
また、制御手段12Aは、複数の要求のそれぞれの要求内容および予め定められた複数の優先度に基づいて、複数の要求の優先度をそれぞれ決定し、当該複数の要求の優先度が異なる場合に、最も優先度が高い要求に基づいて複数の装置を制御し、優先度が低い要求に基づく制御は行わない。
【0071】
例えば、要求が優先度「5」に対応する災害に関する要求内容であれば、制御手段12Aは、この優先度が最も高い要求に基づいて複数の装置を制御し、他の要求に基づく制御は行わない。
【0072】
また、第1の要求が優先度「3」に対応する公的イベント・要人来日に関する要求内容であり、第2の要求が優先度「2」に対応する工事に関する要求内容であれば、制御手段12Aは、第1の要求に基づいて複数の装置を制御し、第2の要求に基づく制御は行わない。
【0073】
<オペレーションサポート装置1Aの効果>
以上説明したように、本例示的実施形態に係るオペレーションサポート装置1Aによれば、制御手段12Aが、複数の要求のそれぞれの要求内容および予め定められた複数の優先度に基づいて、複数の要求の優先度をそれぞれ決定し、当該複数の要求の優先度が同じ場合に、演算して得られたベクトルに基づいて複数の装置を制御する。したがって、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置から相反する要求が発行された(コンフリクトが発生した)場合でも、制御手段12Aは、適切に各装置を制御することができる。
【0074】
また、制御手段12Aは、複数の要求のそれぞれの要求内容から、通信速度および消費電力からなるベクトルをそれぞれ生成して演算し、当該演算して得られたベクトルに基づいて複数の装置を制御する。したがって、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置から相反する要求が発行された(コンフリクトが発生した)場合でも、制御手段12Aは、さらに適切に各装置を制御することができる。
【0075】
また、制御手段12Aは、複数の要求のそれぞれの要求内容および予め定められた複数の優先度に基づいて、複数の要求の優先度をそれぞれ決定し、当該複数の要求の優先度が異なる場合に、最も優先度が高い要求に基づいて複数の装置を制御し、優先度が低い要求に基づく制御は行わない。したがって、制御手段12Aは、優先度に応じて適切に各装置を制御することができる。
【0076】
〔ソフトウェアによる実現例〕
オペレーションサポート装置1、1A、オペレーションサポートシステム100、100Aの一部又は全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0077】
後者の場合、オペレーションサポート装置1、1A、オペレーションサポートシステム100、100Aは、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を
図7に示す。コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCをオペレーションサポート装置1、1A、オペレーションサポートシステム100、100Aとして動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、オペレーションサポート装置1、1A、オペレーションサポートシステム100、100Aの各機能が実現される。
【0078】
プロセッサC1としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。メモリC2としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0079】
なお、コンピュータCは、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAMを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0080】
また、プログラムPは、コンピュータCが読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体Mに記録することができる。このような記録媒体Mとしては、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータCは、このような記録媒体Mを介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、又は放送波などを用いることができる。コンピュータCは、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0081】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0082】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0083】
(付記1)
ネットワークのドメインを構成し、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置のオペレーションを支援するオペレーションサポート装置であって、
前記複数の装置の中の1または2以上の装置から複数の要求を受け付ける受付手段と、
前記複数の要求のそれぞれの要求内容から、予め定められた指標からなるベクトルをそれぞれ生成して演算し、当該演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する制御手段と、を備える、
オペレーションサポート装置。
【0084】
上記の構成によれば、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置から相反する要求が発行された場合でも、適切に各装置を制御することができる。
【0085】
(付記2)
前記制御手段は、前記複数の要求のそれぞれの要求内容および予め定められた複数の優先度に基づいて、前記複数の要求の優先度をそれぞれ決定し、当該複数の要求の優先度が同じ場合に、前記演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する、
付記1に記載のオペレーションサポート装置。
【0086】
(付記3)
前記制御手段は、前記複数の要求の中の第1の要求と第2の要求とが相反する要求内容の場合、前記第1の要求の要求内容から第1のベクトルを生成し、前記第2の要求の要求内容から第2のベクトルを生成し、当該第1のベクトルと当該第2のベクトルとを加算し、当該加算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する、
請求項1または2に記載のオペレーションサポート装置。
【0087】
(付記4)
前記予め定められた指標は、通信速度および消費電力であって、
前記制御手段は、前記複数の要求のそれぞれの要求内容から、前記通信速度および前記消費電力からなるベクトルをそれぞれ生成して演算し、当該演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する、
付記1または2に記載のオペレーションサポート装置。
【0088】
(付記5)
前記制御手段は、前記複数の要求のそれぞれの要求内容および予め定められた複数の優先度に基づいて、前記複数の要求の優先度をそれぞれ決定し、当該複数の要求の優先度が異なる場合に、最も優先度が高い要求に基づいて前記複数の装置を制御し、優先度が低い要求に基づく制御は行わない、
付記1~4のいずれかに記載のオペレーションサポート装置。
【0089】
上記の構成によれば、制御手段は、優先度に応じて適切に各装置を制御することができる。
【0090】
(付記6)
ネットワークのドメインを構成し、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置と、前記複数の装置のオペレーションを支援するオペレーションサポート装置と、を備えるオペレーションサポートシステムであって、
前記オペレーションサポート装置は、
前記複数の装置の中の1または2以上の装置から複数の要求を受け付ける受付手段と、
前記複数の要求のそれぞれの要求内容から、予め定められた指標からなるベクトルをそれぞれ生成して演算し、当該演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する制御手段と、を備える、
オペレーションサポートシステム。
【0091】
上記の構成によれば、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置から相反する要求が発行された場合でも、適切に各装置を制御することができる。
【0092】
(付記7)
前記制御手段は、前記複数の要求のそれぞれの要求内容および予め定められた複数の優先度に基づいて、前記複数の要求の優先度をそれぞれ決定し、当該複数の要求の優先度が同じ場合に、前記演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する、
付記6に記載のオペレーションサポートシステム。
【0093】
(付記8)
ネットワークのドメインを構成し、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置のオペレーションを支援するオペレーションサポート方法であって、
前記複数の装置の中の1または2以上の装置から複数の要求を受け付け、
前記複数の要求のそれぞれの要求内容から、予め定められた指標からなるベクトルをそれぞれ生成して演算し、
前記演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する、
オペレーションサポート方法。
【0094】
上記の構成によれば、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置から相反する要求が発行された場合でも、適切に各装置を制御することができる。
【0095】
(付記9)
前記複数の装置を制御する処理において、前記複数の要求のそれぞれの要求内容および予め定められた複数の優先度に基づいて、前記複数の要求の優先度をそれぞれ決定し、当該複数の要求の優先度が同じ場合に、前記演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する、
請求項8に記載のオペレーションサポート方法。
【0096】
(付記10)
ネットワークのドメインを構成し、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置のオペレーションを支援するオペレーションサポート装置であって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、
前記複数の装置の中の1または2以上の装置から複数の要求を受け付ける処理と、
前記複数の要求のそれぞれの要求内容から、予め定められた指標からなるベクトルをそれぞれ生成して演算する処理と、
前記演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する処理と、
を実行するオペレーションサポート装置。
【0097】
なお、このオペレーションサポート装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記受け付ける処理と、前記演算する処理と、前記制御する処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【0098】
(付記11)
ネットワークのドメインを構成し、自動化のクローズドループ制御方式によって動作する複数の装置と、前記複数の装置のオペレーションを支援するオペレーションサポート装置と、を備えるオペレーションサポートシステムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、
前記複数の装置の中の1または2以上の装置から複数の要求を受け付ける処理と、
前記複数の要求のそれぞれの要求内容から、予め定められた指標からなるベクトルをそれぞれ生成して演算する処理と、
前記演算して得られたベクトルに基づいて前記複数の装置を制御する処理と、
を実行するオペレーションサポートシステム。
【0099】
なお、このオペレーションサポートシステムは、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記受け付ける処理と、前記演算する処理と、前記制御する処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0100】
1,1A オペレーションサポート装置
2 RAN
3 TN
4 CN
11 受付手段
12,12A 制御手段
21 BSS
22 E2Eオーケストレータ
23 RANドメイン
24 TNドメイン
25 CNドメイン
31 RANオーケストレータ
32 Non Real-time RIC
33 Near Real-time RIC
34 CU
35 DU
36 RU
37 NFVI
38 MEAO
39 MEP
40 MEPM-V
41 MEC App
42 VIM
221 CSMF
222 NSMF
242,252,311 NSSMF
243 SDNC
244 WAN
251 Coreオーケストレータ
253 EM
254 VNF
255 NFVO
256 NFVI
257 VNFM
258 VIM