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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108728
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】リセット装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/028 20060101AFI20240805BHJP
   B65H 1/02 20060101ALI20240805BHJP
   B65H 3/08 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
H01S5/028
B65H1/02 Z
B65H3/08 310E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013252
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】390027960
【氏名又は名称】株式会社ニッケ機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】弁理士法人池内アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】阿多 勝正
(72)【発明者】
【氏名】坂本 英夫
(72)【発明者】
【氏名】平里 和弘
【テーマコード(参考)】
3F343
5F173
【Fターム(参考)】
3F343FA13
3F343FB19
3F343FC17
3F343GA02
3F343GB01
3F343GC05
3F343GD01
3F343GD04
3F343JB02
3F343KB04
3F343MB02
3F343MC04
3F343MC05
5F173AL02
5F173AP78
5F173AP82
5F173AP92
5F173AR68
5F173AR92
(57)【要約】
【課題】レーザーダイオードバーとスペーサーとが積層された状態で側面に形成されたスパッタリング膜を、レーザーダイオードバーを損傷させることなく確実に切断して、レーザーダイオードバーとスペーサーとを個別に所定の収納場所に移載することができるリセット装置を提供する。
【解決手段】搭載治具11に搭載されたレーザーダイオードバー60とスペーサー70との積層体から、吸着コレット21によって前記レーザーダイオードバーおよび前記スペーサーを交互に取り外して所定の収容場所51に移載するリセット装置100であって、前記吸着コレットが、前記積層体の内の最も上に位置する前記レーザーダイオードバーまたは前記スペーサーを吸着してその主面内の方向に移動させることにより、前記積層体の側面に形成されているスパッタリング膜90を切断する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搭載治具に搭載されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体から、吸着コレットによって前記レーザーダイオードバーおよび前記スペーサーを交互に取り外して所定の収容場所に移載するリセット装置であって、
前記吸着コレットが、前記積層体の内の最も上に位置する前記レーザーダイオードバーまたは前記スペーサーを吸着してその主面内の方向に移動させることにより、前記積層体の側面に形成されているスパッタリング膜を切断することを特徴とする、リセット装置。
【請求項2】
前記積層体の内の最も上に位置する前記レーザーダイオードバーまたは前記スペーサー以外の前記レーザーダイオードバーおよび前記スペーサーの、前記搭載治具に対向する側面とは反対側の側面に近接して配置された抑え部材を有する、請求項1に記載のリセット装置。
【請求項3】
前記主面内の方向が、前記レーザーダイオードバーおよび前記スペーサーの幅方向である、請求項1に記載のリセット装置。
【請求項4】
前記主面内の方向が、前記レーザーダイオードバーおよび前記スペーサーの長さ方向である、請求項1に記載のリセット装置。
【請求項5】
前記吸着コレットの先端部に、前記レーザーダイオードバーまたは前記スペーサーの側面に対向する鉤状部分を有している、請求項1に記載のリセット装置。
【請求項6】
前記吸着コレットの先端部に、第1の先端部と前記第1の先端部に対して相対的に移動可能な第2の先端部とを備えている、請求項1に記載のリセット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、レーザーダイオードの製造課程における一形態としてのレーザーダイオードバーとスペーサーとが交互に積載された積層体に対して、側面に一括してスパッタリング処理が施された後に、この積層体から個々のレーザーダイオードバーとスペーサーとを分離して取り外すリセット装置に関し、特に、厚みが薄く脆性が高いレーザーダイオードバーを破損することなく分離することができるリセット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ブルーレイディスク(BD)、DVD、CDなどのディスク型記録媒体や光通信の普及に伴い、これらの記録媒体にデータを書き込んだり読み取ったりする際、また、光通信でのデータ送受信の際に用いられるレーザーダイオードの普及が進んでいる。
【0003】
レーザーダイオードは、pn接合部分に電流を注入して得られた光を発振させることで干渉性が高く強い光を照射させることができるが、レーザー発振させるために端面を劈開面である反射鏡面とするとともに、ウェハから切り出された際の断面にスパッタリング処理を行うことが必要となる。このスパッタリング処理は、製造効率を向上するために、個別に劈開してレーザーチップ化する前の棒状態のレーザーダイオードバーを、側面を揃えて複数本重ねた積層体として、その側面に一括して処理する手法が採用されている。
【0004】
複数本のレーザーダイオードバーとスペーサーとを、交互に、かつ、側面が揃った状態で積載するためのバーホルダーと称される積載治具が用いられ、別々の場所に保管されているレーザーダイオードバーとスペーサーとを吸着コレットによって移載・積載して積層体とした後、積層体の状態で側面にスパッタリング処理が施される。その後、側面にスパッタリング膜が形成されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体から、レーザーダイオードバーとスペーサーとを順次取り外してそれぞれの収納場所へと移載する取り出し装置(リセット装置)を用いて単体のレーザーダイオードバーを得て、このレーザーダイオードバーを劈開して個々のレーザーダイオードを得ている。
【0005】
側面に一括してスパッタ膜が形成された状態のレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体からそれぞれを個々に取り出すリセット装置として、レーザーダイオードバーよりも長いスペーサーの両端部を積層下方側に押圧して湾曲させることで、レーザーダイオードバーとスペーサーとに跨がって形成されているスパッタリング膜を切断し、その後にレーザーダイオードバーとスペーサーとを真空吸着するコレットで交互に取り外すリセット装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-306098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来のリセット装置は、レーザーダイオードバーと比較してスペーサーの長さが長いことを利用してスペーサーの両端部を分離プッシャーによって積層下方側に押圧して湾曲させ、レーザーダイオードバーとスペーサーとの境界面でスパッタリング膜を切断することで、レーザーダイオードバーとスペーサーとを個別に取り出すことができる。
【0008】
しかし、近年、より高い周波数のレーザー光を利用して情報を高密度化する技術が進展するに伴って、使用されるレーザーダイオードの厚みが薄くなり、必然的にレーザーダイオードバーの厚みも従来よりも薄いものが主流となってきている。このような厚みが薄いレーザーダイオードバーでは、スペーサーと交互に積層された際に、レーザーダイオードバーの厚みであるスペーサー同士の積層方向の間隔が狭くなってしまう。その結果、スペーサーの両端部を積層下方側に押し下げた時のスペーサーの湾曲が小さくなり、特に、最上段にレーザーダイオードバーが配置されている状態でレーザーダイオードバーの下側に位置するスペーサーの両端部を下側に押し下げても、スペーサーが十分に湾曲せず、レーザーダイオードバーとスペーサーとの境界部分でスパッタリング膜が切断されない不具合が生じるようになっていた。また、レーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体に対して分離プッシャーから積層下側方向に湾曲させる力が加わることで、厚さが薄いレーザーダイオードバーが損傷してしまう事態も生じていた。
【0009】
本願は上記従来技術の課題を解決するものであり、レーザーダイオードバーとスペーサーとが積層された状態で側面に形成されたスパッタリング膜を、レーザーダイオードバーを損傷させることなく確実に切断して、レーザーダイオードバーとスペーサーとを個別に所定の収納場所に移載することができるリセット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本願で開示するリセット装置は、搭載治具に搭載されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体から、吸着コレットによって前記レーザーダイオードバーおよび前記スペーサーを交互に取り外して所定の収容場所に移載するリセット装置であって、前記吸着コレットが、前記積層体の内の最も上に位置する前記レーザーダイオードバーまたは前記スペーサーを吸着してその主面内の方向に移動させることにより、前記積層体の側面に形成されているスパッタリング膜を切断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上記構成により、本願で開示するリセット装置は、積層体からレーザーダイオードバーとスペーサーとを取り外して収容場所に移載する際に用いられる吸着コレットに吸着した状態で、レーザーダイオードバーとスペーサーとをその主面方向に移動させてスパッタリング膜を切断する。このため、高周波数帯域に対応した厚みが薄いレーザーダイオードバーであっても、スパッタリング膜の切断時に加わる力によって変形が生じてしまうことを効果的に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態にかかるリセット装置の全体構成を説明するための概略平面図である。
図2図2は、本実施形態にかかるリセット装置のバーホルダーの構成を説明するためのイメージ図である。
図3図3は、本実施形態にかかるリセット装置のバーホルダーと吸着コレットと取り外されるレーザーダイオードバーとの位置関係を説明するための図である。
図4図4は、本実施形態にかかるリセット装置において、バーホルダーからレーザーダイオードバーを取り外す工程の第1の状態を説明する側面図である。
図5図5は、本実施形態にかかるリセット装置において、バーホルダーからレーザーダイオードバーを取り外す工程の第2の状態を説明する側面図である。
図6図6は、本実施形態にかかるリセット装置において、バーホルダーからレーザーダイオードバーを取り外す工程の第3の状態を説明する側面図である。
図7図7は、本実施形態にかかるリセット装置において、バーホルダーからレーザーダイオードバーを取り外す工程の第4の状態を説明する側面図である。
図8図8は、本実施形態にかかるリセット装置において、バーホルダーからレーザーダイオードバーを取り外す工程の第5の状態を説明する側面図である。
図9図9は、本実施形態にかかるリセット装置における吸着コレットの先端部分の形状を説明する拡大図である。
図10図10は、変形例のリセット装置における、バーホルダーと吸着コレットと取り外されるレーザーダイオードバーとの位置関係を説明するための図である。
図11図11は、変形例のリセット装置において、バーホルダーからレーザーダイオードバーを取り外す工程の第1の状態を説明する図である。
図12図12は、変形例のリセット装置において、バーホルダーからレーザーダイオードバーを取り外す工程の第2の状態を説明する図である。
図13図13は、変形例のリセット装置において、バーホルダーからレーザーダイオードバーを取り外す工程の第3の状態を説明する図である。
図14図14は、変形例のリセット装置において、バーホルダーからレーザーダイオードバーを取り外す工程の第4の状態を説明する図である。
図15図15は、変形例のリセット装置において、バーホルダーからレーザーダイオードバーを取り外す工程の第5の状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示のリセット装置は、搭載治具に搭載されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体から、吸着コレットによって前記レーザーダイオードバーおよび前記スペーサーを交互に取り外して所定の収容場所に移載するリセット装置であって、前記吸着コレットが、前記積層体の内の最も上に位置する前記レーザーダイオードバーまたは前記スペーサーを吸着してその主面内の方向に移動させることにより、前記積層体の側面に形成されているスパッタリング膜を切断する。
【0014】
このように構成することで、本願で開示するリセット装置では、取り外すレーザーダイオードバーまたはスペーサーを移載する吸着コレットで吸着した状態で、側面に形成されているスパッタリング膜を切断することができる。
【0015】
なお、本明細書において、レーザーダイオードバーまたはスペーサーの主面内の方向とは、レーザーダイオードバーまたはスペーサーの主面、すなわち厚み方向に対して垂直な面の延在する方向を意味する。また、主面内の方向とは、略主面方向であって、主面に対して積層体の上方向に最大10°傾斜した方向までを含むものとする。
【0016】
上記構成のリセット装置において、前記積層体の内の最も上に位置する前記レーザーダイオードバーまたは前記スペーサー以外の前記レーザーダイオードバーおよび前記スペーサーの、前記搭載治具に対向する側面とは反対側の側面に近接して配置された抑え部材を有することが好ましい。このようにすることで、取り外すレーザーダイオードバーまたはスペーサー以外のスペーサーやレーザーダイオードバーが手前側に移動することを防止して、側面に形成されたスパッタリング膜を確実に切断することができる。
【0017】
また、前記主面内の方向が、前記レーザーダイオードバーおよび前記スペーサーの幅方向であるようにすること、または、前記主面内の方向が、前記レーザーダイオードバーおよび前記スペーサーの長さ方向であるようにすることができる。
【0018】
さらに、前記吸着コレットの先端部に、前記レーザーダイオードバーまたは前記スペーサーの側面に対向する鉤状部分を有していることが好ましい。このようにすることで、取り外すレーザーダイオードバーまたはスペーサーの側面を支持することができて、レーザーダイオードバーやスペーサーに所望しない外力が加わって変形させてしまうことを効果的に防止することができる。
【0019】
さらにまた、前記吸着コレットの先端部に、第1の先端部と前記第1の先端部に対して相対的に移動可能な第2の先端部とを備えていることが好ましい。このようにすることで、取り外すレーザーダイオードバーまたはスペーサーを、その主面内の2つの方向に移動させることができ、レーザーダイオードバーやスペーサーに不要な負荷を掛けずにスパッタリング膜を切断することができる。
【0020】
以下、本願で開示するリセット装置について、図面を参照して具体的な実施形態を説明する。
【0021】
(実施の形態)
図1は、本実施形態にかかるリセット装置の全体構成を示す概略平面図である。
【0022】
図1に示すリセット装置100は、交互に積層された積層体の状態で側面にスパッタリング処理が施されたレーザーダイオードバーとスペーサーとを、バーホルダーに搭載された積層体からそれぞれ個別に取り外して、所定の収容場所へと移動させるものである。
【0023】
図1に示すリセット装置100は、中央ステージ10、第1搬送部20、中間ステージ30、第2搬送部40、載置ステージ50を有している。なお、本実施形態にかかるリセット装置100は、第1搬送部20から載置ステージ50までのひとまとまりの移載機構を、中央ステージ10を通る左右方向中心線1に対してほぼ線対称に2組備えている。そして、図中右側の第1の移載機構によってレーザーダイオードバーが中央ステージ10から右側の載置ステージ50へと移載され、図中左側の第2の移載機構によって、バーホルダー内でレーザーダイオードバーと交互に積層されていたスペーサーが中央ステージ10から左側の載置ステージ50’へと移載される。
【0024】
本実施形態にかかるリセット装置100において、レーザーダイオードバーをバーホルダーから取り外して載置ステージへと移動させる第1の移載機構と、スペーサーをバーホルダーから取り外して載置ステージへと移動させる第2の移載機構とは、その構成は同じで取り外して移載する対象部材のみが異なる。このため、本明細書においては、スペーサーを移載する第2の移載機構を構成する部材には、それぞれ第1搬送部20’、中間ステージ30’、第2搬送部40’、載置ステージ50’と第1のレーザーダイオードバーを移載する移載機構の部材と同じ名称を付し、符号に「’」を付けて区別するとともに各部材の詳細な説明を適宜省略する。
【0025】
本実施形態にかかるリセット装置100では、中央ステージ10上に搭載治具であるバーホルダーを2つ(11、12)備えている。このようにすることで、一方のバーホルダー11(12)からレーザーダイオードバーとスペーサーとを取り外して載置ステージ50、50’に移載している間に、スパッタリング工程が終了した別の積層体を他方のバーホルダー12(11)上に搭載することができるので効率が良い。このため、第1送部20、20’の可動範囲を示す矢印Aと矢印A’とは、2つのバーホルダー11、12のいずれもから左右の中間ステージ30、30’へとレーザーダイオードバーとスペーサーとを移載できるように設定されている。
【0026】
また、本実施形態にかかるリセット装置では、レーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体の側面に形成されているスパッタリング膜を、レーザーダイオードバーまたはスペーサーをバーホルダー11、12から中間ステージ30へと移載する第1搬送部20、20’の吸着コレット21、21’で吸着した状態で、レーザーダイオードバーまたはスペーサーの主面内の方向に移動させることで切断する。この吸着コレット21、21’で吸着した状態でのスパッタリング膜の切断と、吸着コレット21、21’によってバーホルダー11、12上に搭載された積層体からレーザーダイオードバーおよびスペーサーを取り外す工程の詳細については追って詳述する。
【0027】
第1搬送部20、20’は、それぞれ図1中に示す矢印A、A’の範囲で図中左右方向に移動する部材で、吸着ヘッド21、21’とレーザーダイオードバーまたはスペーサーの位置を確認するカメラ22、22’とを備えている。吸着ヘッド21、21’は、カメラ22、22’で撮影された画像に基づいて、バーホルダー11、12上のレーザーダイオードバーとスペーサーの位置と角度、吸着ヘッド21、21’の位置を確認しながら、吸着ヘッド21、21’の先端部分が正確に移載対象のレーザーダイオードバーまたはスペーサーを吸着してスパッタリング膜を切断し、さらに中間ステージ30、30’へと移載するように制御される。
【0028】
中間ステージ30は、バーホルダー11、12を備える中央ステージ10と、取り外されたレーザーダイオードバーやスペーサーが収容される回収部材51、51’が載置された載置ステージ50、50’との間に配置されていて、第1搬送部20、20’によってバーホルダー11,12から取り外されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの主面の角度を変化させて、載置ステージ50、50’上に配置されている回収部材51、51’に移載するための中継点としての機能を果たす。
【0029】
後述するように、本実施形態にかかるリセット装置100では、交互に積層されて側面にスパッタリング膜が形成された状態のレーザーダイオードバーとスペーサーとが載置されるバーホルダー11、12は、レーザーダイオードバーとスペーサーとの積層方向(積み上げられている方向)が鉛直軸に対して所定の角度傾斜した状態で中央ステージ10上に配置されている。一方、それぞれ1枚ずつ取り外されたレーザーダイオードバーとスペーサーとを回収するための回収部材51、51’は、配置面が水平となるように載置ステージ50、50’の上面に載置されている。このため、バーホルダー11、12から回収部材51、51’へと移載する間に、レーザーダイオードバーおよびスペーサーの主面の角度を変える必要があるが、移載途中で吸着ヘッドの角度を変化できるようにする方法では吸着ヘッドの構成が複雑となってしまう。このため本実施形態にかかるリセット装置100では、中間ステージ30を設けて、中間ステージ上でレーザーダイオードバーとスペーサーそれぞれの主面の角度を、バーホルダー11、12上の傾斜していた状態から回収部材51、51’に載置する際の水平な状態へと変化させている。
【0030】
具体的には、本実施形態にかかるリセット装置100では、中間ステージ30がガイド機構31から延在した回転軸に取り付けられたバー搭載ステージ32と、この回転軸を回転させるアクチュエーター33、バー搭載ステージ32上に配置されたレーザーダイオードバーを監視するカメラ34を有していて、まず、バー搭載ステージ32の上面がバーホルダー(11、12)上のレーザーダイオードバーおよびスペーサーの主面の傾斜角度と同じ傾斜角度になった状態で、第1搬送部20の吸着コレット21によって、中央ステージ10上のバーホルダー(11、12)からバー搭載ステージ32上にレーザーダイオードバーが移載される。その後、アクチュエーター33によってバー搭載ステージ32の上面が水平となり、第2搬送部40によってレーザーダイオードバーが載置ステージ50上に配置されている回収部材51に移載される。
【0031】
スペーサーについても上記したレーザーダイオードバーと同様に、図1において左側に位置する中間ステージ30’のスペーサーの角度を変更する搭載ステージ32’の上面がバーホルダー(11、12)の傾斜角度と同じ傾斜角度になった状態で、第1搬送部20’の吸着コレット21’によって、中央ステージ10上のバーホルダー(11、12)から搭載ステージ32’上にスペーサーが移載される。その後、アクチュエーター33’によって搭載ステージ32’の上面が水平となり、第2搬送部40’によってスペーサーが載置ステージ50’上に配置されている回収部材51’に移載される。
【0032】
なお、第2搬送部40、40’は、第1搬送部20、20’と同様にレーザーダイオードバーまたはスペーサーを吸着する吸着ヘッド41、41’とレーザーダイオードバーまたはスペーサーの状態を確認するカメラ42、42’とを備えていて、搭載ステージ32、32’上のレーザーダイオードバーまたはスペーサーの位置を確認して吸着ヘッド41、41’で正確に吸着するとともに、回収部材51、51’上の所定の位置に正確に載置することができるように制御されている。
【0033】
載置ステージ50、50’には、積層体から個別に取り外されたダイオードバーまたはスペーサーを回収する回収部材51、51’が搭載されている。本実施形態にかかるリセット装置100では、回収部材51、51’として,ゲル状の特殊ポリマー材などからなる略正方形のゲルパックを複数個(図1の例では6個)配置することができるゲルパックトレイが用いられている。なお、回収部材51、51’としては、上記したゲルパックトレイ以外にも、図1に破線で示したようなシリコンウェハーのようにレーザーダイオードバーまたはスペーサーが複数個整列して配置される円形の回収ステージ52、52’を使用することもできる。
【0034】
なお、図1を用いて上記で説明したリセット装置の構成はあくまでも一例であって、バーホルダー上に搭載された積層体からレーザーダイオードバーとスペーサーとを個別に取り外して、それぞれを所定の回収部材に移載することができる限りにおいて、リセット装置の具体的な構成は様々な形態を採り得ることは言うまでもない。
【0035】
特に、上述したリセット装置100で採用されている、積層体を搭載するためのバーホルダーを2つ備えた構成や、バーホルダーが配置されている中央ステージを中心に中間ステージと載置テープルとを左右に対称に配置する構成については、製造効率を高めるための構成であって本願で開示するリセット装置における必須の構成ではない。
【0036】
次に、本実施形態にかかるリセット装置における、レーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体が搭載されるバーホルダーの構成と、レーザーダイオードバーとスペーサーとを取り外す第1搬送部に備えられた吸着コレットの構成とその動作とについて説明する。なお、上述したとおり、本実施形態におけるリセット装置の2つのバーホルダーと2つの第1の搬送部とはいずれも同じ構成であるため、以下では、図1において一つ目のバーホルダーから第1の搬送部によってレーザーダイオードバーを取り外す工程について例示して説明する。
【0037】
また、以下の説明で使用する図面は、レーザーダイオードバーとスペーサーとをバーホルダーに搭載された積層体からどのように取り外すかをわかりやすく説明するものであるため、レーザーダイオードバーやスペーサーをはじめとする各部材の大きさは、必ずしも現実の大きさをそのまま反映させたものではない。
【0038】
図2、および、図3は、本実施形態にかかるリセット装置において、バーホルダーに踏査得されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体から、レーザーダイオードバーを取り外す状態を示すイメージ図である。
【0039】
図2は、バーホルダーを、レーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体が搭載されている側から見た斜視図を、図3は、レーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体における積層方向から見た図を示している。
【0040】
また、図2図3では、積層体の内の最も上側に位置するレーザーダイオードバーが図中に示す矢印I方向に引き出されている状態が示されている。
【0041】
なお、以下の説明において、バーホルダー11に搭載されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体の積層方向、すなわち、レーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体を形成するときの積み上げ方向(図2中の矢印C方向)を上方(上側)と、また、積層体から順次レーザーダイオードバーとスペーサーとを取り外していく方向(図2中の矢印D方向)を下方(下側)と称することとする。さらに、バーホルダー11の左右方向をレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体の側から見た状態において規定し、図2に示す矢印E方向を左方向(左側)、矢印F方向を右方向(右側)とする。さらに、バーホルダー11において、積層体が搭載される搭載面11aに対して垂直な方向として、レーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体が配置される側である図2における矢印G方向を手間方向(手前側)と、その反対方向、すなわち、図2における矢印H方向を奥方向(奥側)と称する。
【0042】
図2に示すように、本実施形態にかかるリセット装置100のバーホルダー11は、レーザーダイオードバー60とスペーサー70との積層体の側面が接触する搭載面11aが、水平方向に対して所定の角度α傾斜している。また、この搭載面11a上に、搭載面11aに対して直交して、すなわち、水平方向に対して(90°-α)°傾斜するようにして形成され、レーザーダイオードバー60とスペーサー70との積層体の下面を支持する支持面11bを有している。
【0043】
ここで、搭載面11aの傾斜角度αとしては、15°~45°であることが好ましい。傾斜角度αが15゜より小さい場合には、リセット直後の次積層体が剥離している時に手前側に倒れる場合があり、傾斜角度αが45°より大きい場合には積層体の位置決めが不安定となる。なお、傾斜角度αは、レーザーダイオードバー60の形状(長さ、幅、厚さ)や積載枚数に応じて、適宜最適に設定されることが好ましい。
【0044】
本実施形態において説明するリセット装置100に搭載されるレーザーダイオードバー60とスペーサー70(71、72)との積層体は、最も下側に厚みが厚い厚スペーサー72が配置されていて、この厚スペーサー72の上に第1のレーザーダイオードバー60、その上に厚さが薄い第1の薄スペーサー71、以下第2のレーザーダイオードバー60、第2の薄スペーサー71、・・・という順に交互に積層されている。また、図2に示すように、積層体の最も下側に位置する厚スペーサー72が、バーホルダー11の載置面11aから垂直に突出している支持面11b上に配置されている。
【0045】
このように、レーザーダイオードバー60とスペーサー70(71、72)との積層体の最も下側に厚スペーサー72が配置されていることで、交互に積層されているレーザーダイオードバー60と薄スペーサー71とが厚スペーサー72上に形成されることになり、レーザーダイオードバー60とスペーサー70(71、72)との積層体を,積層装置で積層した後のスパッタリング膜を形成する工程への移動や、スパッタリング工程、さらにスパッタリング膜が形成された積層体のリセット装置への移動の際の、積層体の取り扱いが容易に行えるようになる。
【0046】
なお、ここでバーホルダー51に積載されるレーザーダイオードバー60は、一例として幅(W:図3参照)が150μm、長さ(L:図3参照)が20mm、厚さ(図示は省略)が100μmである。また、スペーサー71は、一般的にはシリコン等によって形成され、一例として幅Wが140μm、長さLが25mm、厚さ100μm、厚スペーサー72は、一例として幅Wが140μm、長さLが25mm、厚さが2000μmである。なお、図面が複雑になることを防ぐ観点から、以下の各図では、レーザーダイオードバーとスペーサーとの幅Wと長さLとは全て同じように図示している。
【0047】
また、本実施形態にかかるリセット装置100では、レーザーダイオードバー60とスペーサー70(71、72)との積層体の側面に連続して形成されているスパッタリング膜(図2図3では図示省略)が手前側(G方向)に向くように、すなわちスパッタリング膜が搭載面11aに接触しない向きに、積層体をバーホルダー11上に搭載している。
【0048】
図2図3に示すように、バーホルダー11は、水平面に対して角度α傾いた搭載面11aの左右方向の中間部分に所定幅の凹所11cが形成されていて、バーホルダー11の支持面11b上に載置されたレーザーダイオードバー60とスペーサー70(71、72)の積層体は、その長さL方向の両端部分では側面(スパッタリング膜が形成されていない方の側面)が搭載面11aに当接しているが、長さL方向の中央部分の側面は凹所11cが形成されているため、どこにも当接しない状態となっている。
【0049】
図3に示すように、レーザーダイオードバー60を吸着して移載する第1搬送部20の吸着コレット21の先端部分は、左右方向に2つに分かれているとともに、最先端の部分がレーザーダイオードバー60の幅Wを超えた状態で2つの先端部分それぞれに形成されている吸着口22が、レーザーダイオードバー60の主面部分の幅方向略中央部分を吸着するようになっている。また、吸着コレット21の2つに分かれた最先端部分それぞれには、バーホルダー11の搭載面11aの下方側(D方向)へ延出して、吸着するレーザーダイオードバー60の奥側(H方向側)の側面に当接可能な鉤状部分23が形成されている。
【0050】
吸着コレット21の先端部分の幅は、バーホルダー11の搭載面11aに形成された凹所11cの幅よりも小さいため、吸着コレット21が奥側に進出したときにその先端部分が凹所11c内に入り込み、鉤状部分23を吸着するレーザーダイオードバー60の奥側の側面に当接させることができる。このため、吸着コレット21が図中矢印Iの方向に引き出される際に鉤状部分がレーザーダイオードバー60の奥側の側面を押して、積層体の手前側側面に形成されているスパッタリング膜を切断することができる。
【0051】
なお、本実施形態にかかるバーホルダー11の搭載面11aには、左右のレーザーダイオードバー60とスペーサー70(71、72)との積層体の側面と当接する部分にスリット51dが形成されていて、積層体の奥側の側面を吸着できるようになっている。このため、積層体をバーホルダー11の搭載面11aに搭載したときに手前側に倒れることを防止することができる。
【0052】
また、本実施形態で説明するリセット装置100では、バーホルダー11に載置された積層体の手前側の側面の左右両端部分に当接する上蓋80(図2では積層体の状態を明確に表すために2点鎖線で表示している)を備えている。後述するように、積層体からレーザーダイオードバー60とスペーサー71とが順次取り外されていく際に、積層体と上蓋80との相対的な位置関係が変化して、吸着コレット21によって取り外されているレーザーダイオードバー60またはスペーサー71のすぐ下側に積層されている次のスペーサー71またはレーザーダイオードバー60とさらにその下側に位置する複数のレーザーダイオードバー60とスペーサー71の手前側の側面を上蓋が押さえるようになっている。このため、取り外されるレーザーダイオードバー60またはスペーサー71のみが吸着コレット21によって手前側に引き出されるようになって、次のスペーサー71またはレーザーダイオードバー60との境界部分でスパッタリング膜を確実に切断することができ、積層体の最も上に位置するレーザーダイオードバー60またはスペーサー71の取り外しを確実に行うことができる。
【0053】
次に、図4から図8を用いて、本実施形態にかかるリセット装置100において、積層体からレーザーダイオードバー60とスペーサー71とを順次取り外す工程の詳細について説明する。なお、図4から図7において、取り外されるレーザーダイオードバー60がわかりやすくなるように黒色で示している。
【0054】
図4は、バーホルダーに搭載されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体からレーザーダイオードバーを取り外す工程の第1の状態を示している。
【0055】
図4に示すように、第1の状態では、吸着コレット21の先端部が図4中矢印aで示すように搭載面11aに対して垂直に、先端部に形成された鉤状部分23がバーホルダー11の搭載面11aに形成された凹所11cに入るまで移動する。なお、取り外されるレーザーダイオードバー60の上面の位置(図2における矢印C方向の位置)は、図示しないレーザーセンサなどの光学的センサーにより把握されていて、吸着コレット21の先端部は、この上面の位置Jとの間に一例として0.5mmの所定の間隔Kを隔てた位置に進出してくるように設定されている。
【0056】
なお、バーホルダー11に搭載されたレーザーダイオードバー60とスペーサー70(71、72)との積層体からレーザーダイオードバー60とスペーサー71とを順次取り外す工程中、積層体は搭載面11aに形成されたスリット11dによって緩やかに吸着されている。
【0057】
図5は、バーホルダーに搭載されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体からレーザーダイオードバーを取り外す工程の第2の状態を示している。
【0058】
図5に示す第2の状態では、吸着コレット21の先端部が図中矢印bとして示すように搭載面11aの下方側に移動して、吸着口22がレーザーダイオードバー60の上面に当接する。
【0059】
このとき、吸着コレット21の先端部の鉤状部分23は、バーホルダー11の搭載面11aに形成された凹所11cに入っているため、吸着口22がレーザーダイオードバー60の上面に当接した状態では、鉤状部分23はレーザーダイオードバー60の奥側(図2のH方向)、すなわち、搭載面11a側の側面のさらに奥に位置するようになる。
【0060】
図6は、バーホルダーに搭載されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体からレーザーダイオードバーを取り外す工程の第3の状態を示している。
【0061】
図6に示す第3の状態は、吸着コレット21の吸着口22で取り外すレーザーダイオードバー60を吸着している状態で、吸着コレット21が搭載面11aの手前側(図2のG方向)である矢印cの方向に少し移動する。このとき、矢印c方向への移動量は、取り外すレーザーダイオードバー60の幅の約1/4~1/2程度とすることが好ましい。本実施形態で説明するリセット装置100では、上述したように、取り外すレーザーダイオードバー60の一つ下に積層されているスペーサー71の手前側の側面が上蓋80によって押さえられているため、取り外すレーザーダイオードバー60をその幅W方向に幅Wの1/4~1/2程度スライドさせることで、レーザーダイオードバー60とその下側に位置するスペーサー70との境界部分でスパッタリング膜90を切断することができる。
【0062】
なお、図6は、上述した図3の状態を、搭載面11aの右側方(図2のF方向)から見た図に相当する。
【0063】
図7は、バーホルダーに搭載されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体からレーザーダイオードバーを取り外す工程の第4の状態を示している。
【0064】
図7に示す第4の状態では、取り外すレーザーダイオードバー60を吸着した状態で、吸着コレットの先端部分41が、まず積層体から遠ざかるように図中矢印dで示す方向に移動し、その後、矢印eの方向に移動してバーホルダー11から遠ざかる。
【0065】
このようにして、バーホルダー11の搭載面11a上に積載されたレーザーダイオードバー60とスペーサー70(71、72)との積層体から、一番上に位置するレーザーダイオードバー60を取り外すことができる。
【0066】
図8は、バーホルダーに搭載されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体からレーザーダイオードバーを取り外す工程の第5の状態を示している。
【0067】
積層体の一番上のレーザーダイオードバー60が取り外された後に、図8に矢印fとして示すようにバーホルダー11が搭載面11aに沿って上方側(図2のC方向)に所定の幅Nだけ移動する。この所定の幅Nは、直前に取り外されたレーザーダイオードバー60の幅であり、図示しない光学センサーによって図中矢印Jの位置が積層体の最も上側に位置するスペーサー71の上面の位置となるように制御される。
【0068】
このとき、上蓋80は移動しないため、積層体の最も上に位置するスペーサー71の側面が上蓋80の上端面から露出するようになり、スペーサー71を取り外す際にスペーサー71とその下側に積載されている次のレーザーダイオードバー60の側面との間で、スパッタリング膜90が確実に切断されるようになる。
【0069】
以上、図4から図8で示した動作を繰り返して、積層体の最も上に位置するレーザーダイオードバー60が取り外される。また、積層体に積層されているスペーサー71についても、図1に左側に図示した第2の移載機構の第1搬送部20’によって、上記図4から図8で示したレーザーダイオードバー60の取り外しと同じ工程によって取り外されて回収部材51’に収容される。
【0070】
図9は、吸着コレットの先端部に形成された鉤状部分と吸着されるレーザーダイオードバーとの位置関係を示す拡大図である。
【0071】
図9は、図7中の符号Mとして示した部分を拡大した図であり、図9(a)が、鉤状部分の第1の形状を示し、図9(b)が、鉤状部分の第2の形状を示している。
【0072】
図7における符号Mで示した部分を拡大して示す図9において、鉤状部分23の第1の形状を示す図9(a)では、 鉤状部分23が略矩形状となっている。図9(a)に示すように略矩形状の鉤状部分23を備えることで、取り外すレーザーダイオードバー60の奥側の側面60aと鉤状部分23の側面23aとが当接して、図9(a)および図6に示した矢印c方向に吸着コレットが移動する際に、取り外すレーザーダイオードバー60に手前方向に押す力がしっかりと加わって、スパッタリング膜90を確実に切断することができる。
【0073】
また、図9(b)に示す第2の形状の鉤状部分23’は、取り外すレーザーダイオードバー60の側面60a側がレーザーダイオードバー60の側面60aから遠ざかる方向に傾斜した傾斜面23a’となる形状となっている。このように、鉤状部分23’のレーザーダイオードバー60側の側面を傾斜面23a’とすることで、レーザーダイオードバー60の幅方向の大きさのバラツキなどによってレーザーダイオードバー60の奥側の側面60aの位置がわずかに奥側にずれていた場合でも、吸着コレット21の先端部が図中矢印bで示す方向に移動する際に、吸着コレット21'の先端部に形成された鉤状部分23'が取り外すレーザーダイオードバー60の側面60aの奥側に入ることができる。なお、鉤状部分23’の手前側の側面が傾斜面23a’となっているため、図9(a)に示した鉤状部分23のように,鉤状部分23の側面23aと取り外されるレーザーダイオードバー60の奥側の側面60aとが面同士で接触しないが、吸着口22によって吸着コレット21が取り外されるレーザーダイオードバー60の上面をしっかりと吸着していることで、最も上に位置するレーザーダイオードバー60と次に位置するスペーサー71との境界部分でスパッタ膜90を切断することができる。
【0074】
なお、図6に示したように、本実施形態にかかるリセット装置100では、取り外すレーザーダイオードバー60を吸着コレット21が吸着した状態で、図6中に矢印cとして示した方向に移動することで、スパッタリング膜90を切断する。このため、吸着コレット21の先端部に形成された鉤状部分23の厚さt’は取り外されるレーザーダイオードバー(およびスペーサー71)の厚さtよりも薄く形成されている。
【0075】
以上説明したように、本実施形態に示すリセット装置100では、レーザーダイオードバー60とスペーサー70との積層体から最も上方に位置するレーザーダイオードバー60またはスペーサー70を取り外す吸着コレット21、21’に吸着されたレーザーダイオードバー60またはスペーサー70を、その主面方向のうちの幅方向に移動させることにより側面に形成されたスパッタリング膜90を切断する。このようにすることで、レーザーダイオードバー60やスペーサー70の主面を押圧して湾曲させることでスパッタリング膜を切断していた従来のリセット装置と比較して、レーザーダイオードバー60の変形を生じさせることなく積層体からレーザーダイオードバー60を取り外すことができる。
【0076】
また、積層体の側面の取り外し方向である手前側に上蓋80が配置されていることによって、レーザーダイオードバー60やスペーサー70の移動や変形を効果的に防止してスパッタリング膜90を切断することができる。
【0077】
(変形例)
次に、本願で開示するリセット装置の変形例の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0078】
変形例のリセット装置では、レーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体の側面に形成されているスパッタリング膜を、レーザーダイオードバーおよびスペーサーをその長さ方向に移動させて切断する点で、幅方向に移動させて切断する上述したリセット装置と異なる。
【0079】
なお、以下で変形例として説明するリセット装置は、吸着コレットの先端部の形状とその動作が上述の装置と異なるがバーホルダーやバーホルダーに載置されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体の構成は同じであるため、上記説明したリセット装置と同じ部分には同じ符号を付して、その説明は省略する。
【0080】
図10は、変形例のリセット装置の吸着ヘッドとバーホルダーに搭載されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体との位置関係を示す図である。
【0081】
図10は、バーホルダー11に積載された積層体の最も上に位置するレーザーダイオードバー60の上面に吸着コレットの先端部が接触している状態を、搭載面11aにおける上方(図2に示すC方向)から見た状態を示している。
【0082】
図10に示すように、変形例のリセット装置では、吸着コレットの先端部が、取り外すレーザーダイオードバー60を吸着して移載する第1の先端部121と、取り外すレーザーダイオードバー60と次に位置するスペーサー71との境界部分でスパッタリング膜90を切断する第2の先端部131との2つの先端部を備えている。
【0083】
第1の先端部121は、上述した実施形態にかかるリセット装置100の吸着ヘッド21の先端部と同じ構造であり、先端部が左右方向に2つに分離されていて、そのそれぞれにレーザーダイオードバー60の上面に当接して吸着する吸着口122と、レーザーダイオードバー奥側の側面に当接する鉤状部分123とを備えている。
【0084】
第2の先端部131は、第1の先端部121と同じ吸着コレット21の基礎部分に取り付けられていて、第1の先端部121とは独立して左右方向に動くことができる。第2の先端部131は、レーザーダイオードバー60上面に吸着する吸着口132とレーザーダイオードバー60右側の側面に当接可能な鉤状部分133とを備えている。なお、図10に示すように、吸着コレット21がバーホルダー11側に最も伸延した状態で、第1の先端部121の最先端部分は取り外すレーザーダイオードバー60の幅を超えて奥側に到達している。一方、第2の先端部131の最先端部分は、レーザーダイオードバー60の幅Wを超えて延出していない。このため、第2の先端部131は、バーホルダー11の搭載面11aにおいて凹所11dが形成されていない部分に位置しているが、搭載面11aと干渉することはない。
【0085】
続いて、図11から図15を用いて、変形例のリセット装置における、バーホルダー11に搭載されたレーザーダイオードバー60とスペーサー(71、72)との積層体から最も上に位置しているレーザーダイオードバー60を取り外す工程を説明する。なお、図11から図15においても、取り外されるレーザーダイオードバー60がわかりやすくなるように黒色で示している。
【0086】
図11は、変形例にかかるリセット装置における、バーホルダーに搭載されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体からレーザーダイオードバーを取り外す工程の第1の状態を示している。
【0087】
なお、以下、図11から図15において、各図の(a)は、バーホルダーを右側方から見た図である。各図の(b)は、バーホルダーに搭載されている積層体と吸着コレットの第1の先端部と第2の先端部、および上蓋との位置関係を示す図であり、バーホルダー11の搭載面11aの手前側(図2におけるG方向)から見た図である。また、各図の(b)において、レーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体の左右両端部分の形状が分かるように、上蓋80はその位置を示す二点鎖線で示している。
【0088】
図11に示す第1の状態では、吸着ヘッド21の第1の先端部121と第2の先端部131とが図11中矢印gで示すように搭載面11aに対して垂直方向に、第1の先端部121に形成された鉤状部分123がバーホルダー11の搭載面11aに形成された凹所11cに入るまで移動する。
【0089】
なお、図11(a)に示すように、次に取り外されるレーザーダイオードバー60の上面の位置(図2における矢印C方向の位置)Oは、図示しないレーザーセンサなどの光学的センサーにより把握されていて、吸着ヘッド21の第1の先端部121はこの上面の位置Oとの間に一例として0.5mmの所定の間隔Pを隔てた位置に進出してくるように設定されている。
【0090】
このとき、吸着コレット21の第2の先端部131は、図11(b)に示すように第1の先端部121とは所定の距離を隔てた右側に位置していて、第2の先端部131に形成された鉤状部分133が取り外されるレーザーダイオードバー60の右側の側面の右外側に位置するようになっている。
【0091】
図12は、変形例にかかるリセット装置における、バーホルダーに搭載されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体からレーザーダイオードバーを取り外す工程の第2の状態を示している。
【0092】
図12に示す第2の状態では、吸着ヘッド21の第1の先端部121と第2の先端部131とが図中矢印hとして示すように搭載面11aの下方側に移動して、第1の先端部121の吸着口122と第2の先端部131の吸着口132とがレーザーダイオードバー60の上面に当接する。
【0093】
このとき、吸着コレット21の第1の先端部121の鉤状部分123は、バーホルダー11の搭載面11aに形成された凹所11cに入っているため、吸着口122がレーザーダイオードバー60の上面に当接した状態でレーザーダイオードバー60の奥側(図2のH方向)、すなわち、搭載面11a側の側面のさらに奥に位置するようになる。
【0094】
また、図12(b)に示すように、吸着コレット21の第2の先端部131の鉤状部分133は、レーザーダイオードバー60の右側の側面に近接または当接する。
【0095】
図13は、変形例にかかるリセット装置における、バーホルダーに搭載されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体からレーザーダイオードバーを取り外す工程の第3の状態を示している。
【0096】
図13に示す第3の状態は、図13(b)に矢印iとして示すように、吸着コレット21の第2の先端部131が第1の先端部121に近づくように、すなわち、図2における左方向(E方向)に移動する。このとき吸着コレット21の第1の先端部121の吸着口122ではレーザーダイオードバー60を吸着していないように、第2の先端部131の吸着口132のみがレーザーダイオードバー60の上面を吸着している状態とすることで、取り外すレーザーダイオードバー60のみが積層体全体に対して左側に移動する。なお、この移動量は、0.5mmから1mm程度、レーザーダイオードバー60の長さ方向の5%程度の移動量とすることが好ましい。
【0097】
このように、取り外すレーザーダイオードバー60のみが図11(b)の左方向に移動することで、手前側の側面に形成されているスパッタリング膜90が次のスペーサー71との境界部分で切断される。このとき、図11(b)に示すように、吸着コレット21の第2の先端部131の鉤状部分133が取り外すレーザーダイオードバー60の右側面に近接若しくは当接しているために、取り外すレーザーダイオードバー60を確実に図11(b)における左方向に移動させることができ、スパッタリング膜90の切断を確実に行うことができる。
【0098】
図14は、変形例にかかるリセット装置における、バーホルダーに搭載されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体からレーザーダイオードバーを取り外す工程の第4の状態を示している。
【0099】
図14に示す第4の状態では、取り外すレーザーダイオードバー60を吸着した状態で吸着コレット21の第1の先端部121と第2の先端部131とがともに図14(a)に示す矢印j方向に移動して、レーザーダイオードバー60を積層体から取り外す。このとき、積層体の手前側の側面には次に取り外されるスペーサー71から下方に位置するレーザーダイオードバー60とスペーサー71との手前側の側面に近接して上蓋80が配置されているため、図13を用いて上述した第3の状態で切断しきれずに繋がったままのスパッタリング膜90が残存していた場合でも、確実に切断してレーザーダイオードバー60のみを取り外すことができる。
【0100】
図15は、変形例にかかるリセット装置における、バーホルダーに搭載されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体からレーザーダイオードバーを取り外す工程の第5の状態を示している。
【0101】
図15に示す第5の状態では、取り外すレーザーダイオードバー60を吸着した状態で吸着コレット21の第1の先端部121と第2の先端部131とがともに図15(a)に示す矢印k方向に移動して、レーザーダイオードバー60を積層体から取り外す。このとき、積層体の手前側の側面には次に取り外されるスペーサー71から下方に位置するレーザーダイオードバー60とスペーサー71との手前側の側面に近接して上蓋80が配置されているため、図13を用いて上述した第3の状態で切断しきれずに繋がったままのスパッタリング膜90が残存していた場合でも、確実に切断して積層体の最も上に位置するレーザーダイオードバー60を取り外すことができる。
【0102】
なお、図15に示す第5の状態の後、上記第1の構成例で図8として示したように、バーホルダー11が積層体を搭載した状態で搭載面11aに沿って上方側(図2のC方向)に、直前に取り外されたレーザーダイオードバー60の厚さ分移動する。この移動は、図8に示した矢印Jの位置が積層体の最も上側に位置するスペーサー71の上面の位置となるように光学センサーによって制御される。また、このとき上蓋80は移動しないため、積層体の最も上に位置するスペーサー71の側面が上蓋80の上端面から露出するようになり、スペーサー71を取り外す際にスペーサー71とその下側に積載されている次のレーザーダイオードバー60の側面との間で、スパッタリング膜90が確実に切断されるようになる。
【0103】
また、変形例のリセット装置において、吸着コレット21の第1の先端部121に形成された鉤状部分123の形状は、図10を用いて示した基本的な構成のリセット装置100のものと同じである。さらに、第1の先端部121の鉤状部分123の厚さと、第2の先端部131の鉤状部分133の厚さが、取り外されるレーザーダイオードバー60およびスペーサー71の厚さよりも小さく形成されている点も、上述した基本的な構成のリセット100と同様である。
【0104】
以上、図11から図15に示した動作を繰り返して、変形例のリセット装置において積層体の最も上に位置するレーザーダイオードバー60が取り外される。また、積層体に積層されているスペーサー71についても、図1に左側に図示した第2の移載機構の第1搬送部20’によって、上記図11から図15で示したレーザーダイオードバー60の取り外しと同じ工程によって取り外されて回収部材51’に収容される。
【0105】
以上説明したように、本実施形態に示す変形例のリセット装置では、レーザーダイオードバー60とスペーサー70との積層体のうち最も上方に位置するレーザーダイオードバー60を、その主面方向のうちまず長さ方向に移動させ、さらに、その後に幅方向に移動させることで、積層体の側面に形成されたスパッタリング膜90を切断する。このようにすることで、レーザーダイオードバー60やスペーサー70の主面を押圧して湾曲させることでスパッタリング膜を切断していた従来のリセット装置と比較して、レーザーダイオードバー60の変形を生じさせることなく積層体からレーザーダイオードバー60を取り外すことができる。
【0106】
変形例のリセット装置では、取り外すレーザーダイオードバーをその主面における長さ方向と幅方向との2方向に移動させることで、より確実に積層体の側面に連続して形成されているスパッタリング膜を切断することができる。
【0107】
以上説明したように、本願で開示するリセット装置は、レーザーダイオードバーとスペーサーとが交互に積層された積層体からレーザーダイオードバーまたはスペーサーを交互に取り外す際に、積層体からそれぞれの部材の回収部材へと移載する吸着コレットによってその主面方向に移動させて側面に連続して形成されたスパッタリング膜を切断する。このため、レーザーダイオードバーを湾曲させてスパッタリング膜を切断していた従来のリセット装置と比較して、確実にスパッタリング膜を切断することができるとともに、レーザーダイオードバーが変形してしまう事態を回避することができる。
【0108】
なお、上記実施形態では、側面に形成されたスパッタリング膜を切断するために取り外すレーザーダイオードバーまたはスペーサーを移動させる主面内の方向として、幅方向に移動させる場合と、長さ方向に移動させた後に幅方向に移動させる場合との2つの場合について例示して説明した。しかし、本願で開示するリセット装置において、スパッタリング膜を切断するための主面内の移動方向は上述した2つの場合には限られず、長さ方向にのみ移動させる場合、長さ方向でも幅方向でもない斜め方向に移動させる場合など、主面内のいずれかの方向に移動させることでスパッタリング膜を切断することができる。また、上記変形例として示したように、2つの方向に移動させる場合に限られず、取り外すレーザーダイオードバーおよびスペーサーを3つ以上の方向に移動させることでスパッタリング膜を切断するように設定することもできる。
【0109】
また、上記実施形態において、取り外すレーザーダイオードバーとスペーサーとをその主面内の2つの方向に移動させる例として、吸着コレットの先端部が第1の先端部と第2の先端部との2つを有し、第2の先端部が第1の先端部に対して独立して移動することができる構成を例示した。しかし、本願で開示するリセット装置において、取り外すレーザーダイオードバーとスペーサーを主面方向内の2つの方向に移動させる構成の場合でも、吸着コレットの先端部が1つの構成であっても、また、2つに分かれていても両方が同じ動きをする構成であっても構わない。
【0110】
さらに、上記の実施形態では、吸着コレットの先端部に、取り外すレーザーダイオードバーやスペーサーの側面に当接可能な鉤状部分を備えた構成を例示したが、レーザーダイオードバーとスペーサーとをしっかりと吸着して主面内方向に移動させることで、積層体の側面に形成されたスパッタリング膜を切断できるのであれば、吸着コレットの先端部の鉤状部分を備えていない構成とすることもできる。同様に、確実にスパッタリング膜を切断できる限りにおいて、積層体の手前側側面に当接可能な上蓋を備えていない構成とすることもできる。
【0111】
さらに、薄く脆弱なレーザーダイオードバーと比較して、シリコンや金属材料で構成されてかつ厚みを厚く形成することができるスペーサーは、積層体からの取り外しの際に変形する恐れが小さいと判断することができる場合がある。このような場合には、スペーサーの取り外し条件とレーザーダイオードバーの取り外し条件とを異ならせることができる。例えば、レーザーダイオードバーの取り外し時には、その主面方向の移動を小さく複数回に分けて行うのに対し、スペーサーの取り外し時には主面方向の移動を一度に比較的大きな距離移動させるような設定とすることができる。
【0112】
また、上記実施形態に示したバーホルダーでは、搭載面にスリット状の吸着口が形成されている例を示したが、例えば、搭載面の傾斜角度などの諸条件から、搭載されるレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体が手前側に転倒する恐れがない場合には、スリット状の吸着口が不要な場合も想定することができる。さらに、バーホルダーの構成についても上記したものはあくまでも一例であって、吸着コレットによってレーザーダイオードバーまたはスペーサーをその面方向に移動させてスパッタリング膜を切断し、さらに吸着コレットによって搭載されている積層体からレーザーダイオードバーまたはスペーサーを移載できるように積層体を保持する形状であれば、バーホルダーの形状に特別な制限はない。
【0113】
さらに、上記実施形態では、一番上のレーザーダイオードバーまたはスペーサーが取り外された後に、バーホルダーが所定量だけ上方側に移動する例を示したが、バーホルダーの位置は変更せずに、吸着コレットの高さを変化させる構成とすることもできる。
【0114】
なお、バーホルダーは表面が平坦、清浄でありかつ一定以上の剛性を有する材質であることが必要であるため、ステンレス・鉄系などの金属材料を用いて良好に形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本願で開示するリセット装置は、搭載治具上に配置されたレーザーダイオードバーとスペーサーとの積層体から,側面に連続して形成されたスパッタリング膜を切断してレーザーダイオードバーとスペーサーとを順次取り外すことができる。特に、厚さの薄いレーザーダイオードバーであっても取り外し時に変形するなどの不具合が生じないリセット装置として有用である。
【符号の説明】
【0116】
11 バーホルダー(搭載治具)
21 吸着コレット
51 回収部材(収容場所)
60 レーザーダイオードバー
71 スペーサー
90 スパッタリング膜
100 リセット装置
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