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特開2024-108729情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108729
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04812 20220101AFI20240805BHJP
【FI】
G06F3/04812
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013254
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】516285984
【氏名又は名称】株式会社アンドパッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【弁理士】
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】山下 大輔
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA26
5E555AA61
5E555BA04
5E555BB04
5E555BC17
5E555BD05
5E555BD06
5E555CA42
5E555DB06
5E555DB53
5E555DB57
5E555DC09
5E555DC25
5E555DC31
5E555DC35
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】画像に重畳して表示したポインタを用いる作業を効率化できる情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】複数の情報処理装置のうち画像を撮影する1台の第1情報処理装置10から送信された画像を、共通画像としてリアルタイムで表示する複数の情報処理装置のそれぞれが実行する情報処理方法は、複数の情報処理装置のうち共通画像に重畳して表示するポインタの座標を指定する少なくとも1台の第2情報処理装置20が、座標を送信するステップと、第1情報処理装置10又は第2情報処理装置20が、共通画像のうちのポインタの周囲画像に基づいてリアルタイムに決定された表示態様で、ポインタを共通画像に重畳して表示するステップとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報処理装置のうち画像を撮影する1台の第1情報処理装置から送信された画像を、共通画像としてリアルタイムで表示する前記複数の情報処理装置のそれぞれが実行する情報処理方法であって、
前記複数の情報処理装置のうち前記共通画像に重畳して表示するポインタの座標を指定する少なくとも1台の第2情報処理装置が、前記座標を送信するステップと、
前記複数の情報処理装置のうち前記共通画像に前記ポインタを重畳して表示する少なくとも1台の前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置が、前記共通画像のうちの前記ポインタの周囲画像に基づいてリアルタイムに決定された表示態様で、前記ポインタを前記共通画像に重畳して表示するステップと
を含む、情報処理方法。
【請求項2】
前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置が、前記共通画像のうちの前記ポインタの周囲画像に基づいてリアルタイムに前記ポインタの表示態様を決定するステップを更に含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記第2情報処理装置が、前記共通画像のうちの前記ポインタの周囲画像に基づいてリアルタイムに前記ポインタの表示態様を決定するステップと、
前記第2情報処理装置が、前記ポインタの表示態様を送信するステップと
を更に含み、
前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置が、前記ポインタを前記共通画像に重畳して表示するステップにおいて、受信した表示態様で前記ポインタを表示する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
第1情報処理装置又は第2情報処理装置が、前記ポインタの表示態様を決定するステップにおいて、前記ポインタの表示態様に含まれる前記ポインタの表示色を、前記周囲画像に含まれる画素の色を表す値の平均値に基づいて決定する、請求項2又は3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
第1情報処理装置又は第2情報処理装置が、前記ポインタの表示態様を決定するステップにおいて、前記ポインタの表示態様に含まれる前記ポインタのパターン、形状又は大きさを、前記周囲画像に含まれるパターンに基づいて決定する、請求項2又は3に記載の情報処理方法。
【請求項6】
第1情報処理装置又は第2情報処理装置が、前記ポインタの表示態様を決定するステップにおいて、前記ポインタの周囲に位置する他のポインタの表示態様に更に基づいて前記ポインタの表示態様を決定する、請求項2又は3に記載の情報処理方法。
【請求項7】
第1情報処理装置又は第2情報処理装置が、前記ポインタの表示態様を決定するステップにおいて、前記ポインタの周囲に映っている物体の形状を強調するように前記ポインタの表示態様を決定する、請求項2又は3に記載の情報処理方法。
【請求項8】
複数の情報処理装置のうち画像を撮影する1台の第1情報処理装置から送信された画像を、共通画像としてリアルタイムで表示する前記複数の情報処理装置のそれぞれに実行させる情報処理プログラムであって、
前記複数の情報処理装置のうち前記共通画像に重畳して表示するポインタの座標を指定する少なくとも1台の第2情報処理装置が、前記座標を送信するステップと、
前記複数の情報処理装置のうち前記共通画像に前記ポインタを重畳して表示する少なくとも1台の前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置が、前記共通画像のうちの前記ポインタの周囲画像に基づいてリアルタイムに決定された表示態様で、前記ポインタを前記共通画像に重畳して表示するステップと
を含む、情報処理プログラム。
【請求項9】
複数の情報処理装置のうち画像を撮影する1台の第1情報処理装置から送信された画像を、共通画像としてリアルタイムで表示するとともに、前記複数の情報処理装置のうち前記共通画像に重畳して表示するポインタの座標を指定する少なくとも1台の第2情報処理装置に対応するポインタを前記共通画像に重畳して表示する、前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記ポインタの座標を受信するステップと、
前記共通画像のうちの前記ポインタの周囲画像に基づいて、リアルタイムに前記ポインタの表示態様を決定するステップと、
受信した座標に、決定した表示態様で、前記ポインタを前記共通画像に重畳して表示するステップと
を含む、情報処理方法。
【請求項10】
複数の情報処理装置のうち画像を撮影する1台の第1情報処理装置から送信された画像を、共通画像としてリアルタイムで表示するとともに、前記複数の情報処理装置のうち前記共通画像に重畳して表示するポインタの座標を指定する少なくとも1台の第2情報処理装置に対応するポインタを前記共通画像に重畳して表示する、前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置に実行させる情報処理プログラムであって、
前記ポインタの座標を受信するステップと、
前記共通画像のうちの前記ポインタの周囲画像に基づいて、リアルタイムに前記ポインタの表示態様を決定するステップと、
受信した座標に、決定した表示態様で、前記ポインタを前記共通画像に重畳して表示するステップと
を含む、情報処理プログラム。
【請求項11】
複数の情報処理装置のうち画像を撮影する1台の第1情報処理装置から送信された画像を、共通画像としてリアルタイムで表示するとともに、前記複数の情報処理装置のうち前記共通画像に重畳して表示するポインタの座標を指定する少なくとも1台の第2情報処理装置に対応するポインタを前記共通画像に重畳して表示する、前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記ポインタの座標と、前記共通画像のうちの前記ポインタの周囲画像に基づいてリアルタイムに決定された前記ポインタの表示態様とを受信するステップと、
受信した座標に、受信した表示態様で、前記ポインタを前記共通画像に重畳して表示するステップと
を含む、情報処理方法。
【請求項12】
複数の情報処理装置のうち画像を撮影する1台の第1情報処理装置から送信された画像を、共通画像としてリアルタイムで表示するとともに、前記複数の情報処理装置のうち前記共通画像に重畳して表示するポインタの座標を指定する少なくとも1台の第2情報処理装置に対応するポインタを前記共通画像に重畳して表示する、前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置に実行させる情報処理プログラムであって、
前記ポインタの座標と、前記共通画像のうちの前記ポインタの周囲画像に基づいてリアルタイムに決定された前記ポインタの表示態様とを受信するステップと、
受信した座標に、受信した表示態様で、前記ポインタを前記共通画像に重畳して表示するステップと
を含む、情報処理プログラム。
【請求項13】
表示部と、通信部と、制御部とを備える情報処理装置であって、
前記通信部は、前記情報処理装置自身又は他の情報処理装置で撮影された共通画像と、前記情報処理装置自身又は前記他の情報処理装置に対応するポインタを前記共通画像に重畳して表示する座標とを受信し、
前記制御部は、前記共通画像のうちの前記ポインタの周囲画像に基づいて、リアルタイムで前記ポインタの表示態様を決定し、
前記表示部は、前記共通画像を表示するとともに、決定した表示態様で、かつ、受信した座標に、前記ポインタを前記共通画像に重畳して表示する、
情報処理装置。
【請求項14】
表示部と、通信部とを備える情報処理装置であって、
前記通信部は、前記情報処理装置自身又は他の情報処理装置で撮影された共通画像と、前記情報処理装置自身又は前記他の情報処理装置に対応するポインタを前記共通画像に重畳して表示する座標と、前記の周囲画像に基づいてリアルタイムに決定された前記ポインタの表示態様とを受信し、
前記表示部は、前記共通画像を表示するとともに、受信した表示態様で、かつ、受信した座標に、前記ポインタを前記共通画像に重畳して表示する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、指示側端末からの指示が被指示側端末のディスプレイで指示画像として撮影動画像に重畳されるシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-135641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像に指示画像として重畳するポインタが視認されにくい場合、ポインタを用いて情報を共有する作業の効率が悪くなる。ポインタの視認性を向上することによって、ポインタを用いて情報を共有する作業の効率化が求められる。
【0005】
本開示の目的は、画像に重畳して表示したポインタを用いる作業を効率化できる情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、
複数の情報処理装置のうち画像を撮影する1台の第1情報処理装置から送信された画像を、共通画像としてリアルタイムで表示する前記複数の情報処理装置のそれぞれが実行する情報処理方法であって、
前記複数の情報処理装置のうち前記共通画像に重畳して表示するポインタの座標を指定する少なくとも1台の第2情報処理装置が、前記座標を送信するステップと、
前記複数の情報処理装置のうち前記共通画像に前記ポインタを重畳して表示する少なくとも1台の前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置が、前記共通画像のうちの前記ポインタの周囲画像に基づいてリアルタイムに決定された表示態様で、前記ポインタを前記共通画像に重畳して表示するステップと
を含む。
【0007】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法は、
前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置が、前記共通画像のうちの前記ポインタの周囲画像に基づいてリアルタイムに前記ポインタの表示態様を決定するステップを更に含んでよい。
【0008】
(3)上記(1)に記載の情報処理方法は、
前記第2情報処理装置が、前記共通画像のうちの前記ポインタの周囲画像に基づいてリアルタイムに前記ポインタの表示態様を決定するステップと、
前記第2情報処理装置が、前記ポインタの表示態様を送信するステップと
を更に含んでよい。
また、前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置が、前記ポインタを前記共通画像に重畳して表示するステップにおいて、受信した表示態様で前記ポインタを表示してよい。
【0009】
(4)上記(2)又は(3)に記載の情報処理方法の前記ポインタの表示態様を決定するステップにおいて、前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置が、前記ポインタの表示態様に含まれる前記ポインタの表示色を、前記周囲画像に含まれる画素の色を表す値の平均値に基づいて決定してよい。
【0010】
(5)上記(2)から(4)までのいずれか1つに記載の情報処理方法の前記ポインタの表示態様を決定するステップにおいて、前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置が、前記ポインタの表示態様に含まれる前記ポインタのパターン、形状又は大きさを、前記周囲画像に含まれるパターンに基づいて決定してよい。
【0011】
(6)上記(2)から(5)までのいずれか1つに記載の情報処理方法の前記ポインタの表示態様を決定するステップにおいて、前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置が、前記ポインタの周囲に位置する他のポインタの表示態様に更に基づいて前記ポインタの表示態様を決定してよい。
【0012】
(7)上記(2)から(6)までのいずれか1つに記載の情報処理方法の前記ポインタの表示態様を決定するステップにおいて、前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置が、前記ポインタの周囲に映っている物体の形状を強調するように前記ポインタの表示態様を決定してよい。
【0013】
(8)本開示の一実施形態に係る情報処理プログラムは、
複数の情報処理装置のうち画像を撮影する1台の第1情報処理装置から送信された画像を、共通画像としてリアルタイムで表示する前記複数の情報処理装置のそれぞれに実行させる情報処理プログラムであって、
前記複数の情報処理装置のうち前記共通画像に重畳して表示するポインタの座標を指定する少なくとも1台の第2情報処理装置が、前記座標を送信するステップと、
前記複数の情報処理装置のうち前記共通画像に前記ポインタを重畳して表示する少なくとも1台の前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置が、前記共通画像のうちの前記ポインタの周囲画像に基づいてリアルタイムに決定された表示態様で、前記ポインタを前記共通画像に重畳して表示するステップと
を含む。
【0014】
(9)本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、
複数の情報処理装置のうち画像を撮影する1台の第1情報処理装置から送信された画像を、共通画像としてリアルタイムで表示するとともに、前記複数の情報処理装置のうち前記共通画像に重畳して表示するポインタの座標を指定する少なくとも1台の第2情報処理装置に対応するポインタを前記共通画像に重畳して表示する、前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記ポインタの座標を受信するステップと、
前記共通画像のうちの前記ポインタの周囲画像に基づいて、リアルタイムに前記ポインタの表示態様を決定するステップと、
受信した座標に、決定した表示態様で、前記ポインタを前記共通画像に重畳して表示するステップと
を含む。
【0015】
(10)本開示の一実施形態に係る情報処理プログラムは、
複数の情報処理装置のうち画像を撮影する1台の第1情報処理装置から送信された画像を、共通画像としてリアルタイムで表示するとともに、前記複数の情報処理装置のうち前記共通画像に重畳して表示するポインタの座標を指定する少なくとも1台の第2情報処理装置に対応するポインタを前記共通画像に重畳して表示する、前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置に実行させる情報処理プログラムであって、
前記ポインタの座標を受信するステップと、
前記共通画像のうちの前記ポインタの周囲画像に基づいて、リアルタイムに前記ポインタの表示態様を決定するステップと、
受信した座標に、決定した表示態様で、前記ポインタを前記共通画像に重畳して表示するステップと
を含む。
【0016】
(11)本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、
複数の情報処理装置のうち画像を撮影する1台の第1情報処理装置から送信された画像を、共通画像としてリアルタイムで表示するとともに、前記複数の情報処理装置のうち前記共通画像に重畳して表示するポインタの座標を指定する少なくとも1台の第2情報処理装置に対応するポインタを前記共通画像に重畳して表示する、前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記ポインタの座標と、前記共通画像のうちの前記ポインタの周囲画像に基づいてリアルタイムに決定された前記ポインタの表示態様とを受信するステップと、
受信した座標に、受信した表示態様で、前記ポインタを前記共通画像に重畳して表示するステップと
を含む。
【0017】
(12)本開示の一実施形態に係る情報処理プログラムは、
複数の情報処理装置のうち画像を撮影する1台の第1情報処理装置から送信された画像を、共通画像としてリアルタイムで表示するとともに、前記複数の情報処理装置のうち前記共通画像に重畳して表示するポインタの座標を指定する少なくとも1台の第2情報処理装置に対応するポインタを前記共通画像に重畳して表示する、前記第1情報処理装置又は前記第2情報処理装置に実行させる情報処理プログラムであって、
前記ポインタの座標と、前記共通画像のうちの前記ポインタの周囲画像に基づいてリアルタイムに決定された前記ポインタの表示態様とを受信するステップと、
受信した座標に、受信した表示態様で、前記ポインタを前記共通画像に重畳して表示するステップと
を含む。
【0018】
(13)本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
表示部と、通信部と、制御部とを備え、
前記通信部は、前記情報処理装置自身又は他の情報処理装置で撮影された共通画像と、前記情報処理装置自身又は前記他の情報処理装置に対応するポインタを前記共通画像に重畳して表示する座標とを受信し、
前記制御部は、前記共通画像のうちの前記ポインタの周囲画像に基づいて、リアルタイムで前記ポインタの表示態様を決定し、
前記表示部は、前記共通画像を表示するとともに、決定した表示態様で、かつ、受信した座標に、前記ポインタを前記共通画像に重畳して表示する。
【0019】
(14)本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
表示部と、通信部とを備え、
前記通信部は、前記情報処理装置自身又は他の情報処理装置で撮影された共通画像と、前記情報処理装置自身又は前記他の情報処理装置に対応するポインタを前記共通画像に重畳して表示する座標と、前記の周囲画像に基づいてリアルタイムに決定された前記ポインタの表示態様とを受信し、
前記表示部は、前記共通画像を表示するとともに、受信した表示態様で、かつ、受信した座標に、前記ポインタを前記共通画像に重畳して表示する。
【発明の効果】
【0020】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理装置によれば、画像に重畳して表示したポインタを用いる作業が効率化される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す模式図である。
図2】本開示の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図3】共有画像の表示例を示す図である。
図4】同一又は類似の色の背景の領域で色を変えずに表示したポインタの例を示す図である。
図5】背景の領域に対して色を変えて表示したポインタの例を示す図である。
図6A】濃い色の背景と区別してポインタを白色で表示する例を示す図である。
図6B】淡い色の背景と区別してポインタを黒色で表示する例を示す図である。
図7A】背景のパターンに同化するポインタの例を示す図である。
図7B】背景のパターンと区別する形状でポインタを表示する例を示す図である。
図8】見えにくいパターンをポインタで強調して表示する例を示す図である。
図9】一実施形態に係る第1情報処理装置及び第2情報処理装置が実行する情報処理装置の手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
工事現場又は建築現場等の作業現場において遠隔臨場が実施されている。遠隔臨場は、現場の立会検査又は確認等の臨場をリモートで実施することである。具体的に、遠隔臨場において、現場にいる作業員が端末を用いて現場を撮影する。現場を撮影した画像は、現場から離れた場所に存在する少なくとも1つの端末に送信され、端末に表示される。現場から離れた場所にいる立会者、監督者又は受発注者等は、現場を撮影した画像を視認することによって、現場の立会検査又は確認等を実施できる。
【0023】
遠隔臨場において、リモートで現場を確認する立会者、監督者又は受発注者等は、現場の検査対象又は確認対象等を、現場を撮影した画像に重畳して表示したポインタで指示する。ポインタが見えにくい場合、遠隔臨場における検査又は確認の効率が悪くなる。以下、現場を撮影した画像に重畳して表示したポインタの視認性を向上することによって、遠隔臨場における検査又は確認を効率化できる情報処理システム1(図1参照)、並びに、情報処理方法及び情報処理プログラムが説明される。
【0024】
(情報処理システム1の概要)
図1に示されるように、一実施形態に係る情報処理システム1は、第1情報処理装置10と、第2情報処理装置20とを備える。第1情報処理装置10と第2情報処理装置20とは、ネットワーク80を介して通信可能に接続される。第1情報処理装置10と第2情報処理装置20とは、ネットワーク80を介さずに専用の通信回線で互いに通信可能に接続されてもよい。
【0025】
第1情報処理装置10は、第1ユーザ81の操作によって遠隔臨場の対象となる現場を撮影し、撮影した現場の画像を第2情報処理装置20に送信する。第2情報処理装置20は、第1情報処理装置10で撮影された現場の画像を受信し、第2ユーザ82が現場の画像を視認できるようにリアルタイムで表示する。このようにすることで、第2情報処理装置20は、第1情報処理装置10で撮影された現場の画像を、第1情報処理装置10とリアルタイムで共有できる。共有された現場の画像は、共有画像とも称される。
【0026】
第2情報処理装置20は、第2ユーザ82が共有画像の特定の座標を第1ユーザ81又は他の第2ユーザ82に指し示すことができるように、共有画像に重畳して表示するポインタの座標を送信してよい。また、第1情報処理装置10は、第1ユーザ81が共有画像の特定の座標を第2ユーザ82に指し示すことができるように、共有画像に重畳して表示するポインタの座標を送信してよい。
【0027】
言い換えれば、情報処理システム1が備える複数の情報処理装置のうち、画像を撮影する1台の第1情報処理装置10から送信された画像を、第1情報処理装置10及び第2情報処理装置20を含む複数の情報処理装置が共通画像としてリアルタイムで表示する。複数の情報処理装置のうち少なくとも1台の第2情報処理装置20が、共通画像に重畳して表示するポインタの座標を指定し、第1情報処理装置10又は他の第2情報処理装置20にポインタの座標を送信する。第1情報処理装置10又は第2情報処理装置20は、共通画像にポインタを重畳して表示する。
【0028】
(情報処理システム1の構成例)
図2に示されるように、第1情報処理装置10は、制御部11と、通信部12と、表示部13と、撮影部14と、出力部15とを備える。第2情報処理装置20は、制御部21と、通信部22と、表示部23と、入力部24とを備える。
【0029】
第1情報処理装置10の制御部11は、第1情報処理装置10の各構成部を制御する。第2情報処理装置20の制御部21は、第2情報処理装置20の各構成部を制御する。制御部11又は21は、1つ以上のプロセッサを含んで構成されてよい。本実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等を含んでよいがこれらに限られない。制御部11又は21は、1つ以上の専用回路を含んで構成されてもよい。専用回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を含んでよい。制御部11又は21は、プロセッサの代わりに専用回路を含んで構成されてもよいし、プロセッサとともに専用回路を含んで構成されてもよい。
【0030】
制御部11は、第1情報処理装置10の各構成部を動作させるための各種情報又はプログラム等を格納する記憶部を備えてよい。制御部21は、第2情報処理装置20の各構成部を動作させるための各種情報又はプログラム等を格納する記憶部を備えてよい。記憶部は、システムプログラム、又はアプリケーションプログラム等を格納してよい。記憶部は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等を含んで構成されてよい。記憶部は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んで構成されてもよい。記憶部は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を含んで構成されてもよい。記憶部は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部は、制御部11又は21のワークメモリとして機能してよい。記憶部は、制御部11又は21と一体に構成されてもよいし、制御部11又は21と別体で構成されてもよい。
【0031】
第1情報処理装置10の通信部12は、第2情報処理装置20等の他の装置とネットワーク80を介して通信可能に構成される通信モジュールを含んで構成されてよい。第2情報処理装置20の通信部22は、第1情報処理装置10等の他の装置とネットワーク80を介して通信可能に構成される通信モジュールを含んで構成されてよい。通信モジュールは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応してよい。通信モジュールは、LAN(Local Area Network)等の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、有線又は無線の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、これらに限られず、種々の通信規格に対応してよい。ネットワーク80は、有線であっても無線であってもよい。ネットワーク80は、インターネット又はイントラネット等の種々の態様で構成されてよい。通信部12は、第2情報処理装置20等の他の装置とネットワーク80を介さずに直接通信するように構成されてもよい。通信部22は、第1情報処理装置10等の他の装置とネットワーク80を介さずに直接通信するように構成されてもよい。
【0032】
第1情報処理装置10の表示部13又は第2情報処理装置20の表示部23は、テキストデータ又は画像データを表示できるように、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)若しくは無機ELディスプレイ、又はLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の種々のディスプレイを含む。
【0033】
第1情報処理装置10の撮影部14は、例えばカメラ又は撮像素子等を含んで構成される。撮影部14は、第1情報処理装置10の筐体に取り付けられてよい。撮影部14が第1情報処理装置10の筐体に取り付けられている場合、第1ユーザ81は、第1情報処理装置10の筐体の姿勢を変化させることによって、撮影部14による撮影方向を設定できる。また、第1ユーザ81は、撮影部14が撮影する対象に第1情報処理装置10を近づけることによって、撮影部14で対象を撮影するときの撮影倍率を大きくできる。つまり、第1ユーザ81は、撮影部14と撮影対象との距離を変更することによって、撮影倍率を設定できる。第1ユーザ81は、撮影部14による撮影方向又は撮影部14が撮影する対象までの距離を変更することによって撮影範囲を設定できる。
【0034】
撮影部14は、撮影倍率を変更可能な光学系を備えてもよい。撮影部14が撮影倍率を変更できる場合、制御部11は、第1ユーザ81の操作入力によって撮影部14の撮影倍率を変更してよい。
【0035】
撮影部14は、撮影方向を変更可能に設置されてよい。撮影方向は、カメラ又は撮像素子等からその撮影範囲の中心に向かう方向であるとする。撮影方向は、カメラ又は撮像素子等の光軸の方向であってもよい。撮影部14は、その撮影方向が第1情報処理装置10の筐体に対して少なくとも1つの軸の周りに変更されるように構成されてよい。撮影部14は、その撮影方向を変更できるように、例えば自動又は手動で姿勢を制御できる雲台に設置されてよい。雲台は、制御部11によって制御されてよい。雲台が制御部11によって制御される場合、制御部11は、第1ユーザ81の操作入力によって撮影部14の撮影方向を変更してよい。雲台は、第1ユーザ81が直接触れて操作できる操作レバー等を備えてもよい。
【0036】
第1情報処理装置10の出力部15は、第1ユーザ81に対して聴覚情報を与えるように音声を出力する音声出力デバイスを含んでよい。音声出力デバイスは、例えば、スピーカ、ヘッドホン又はイヤホン等を含んでよい。出力部15は、第1ユーザ81に対して触覚情報を与えるように所定パターンで振動する振動デバイスを含んで構成されてよい。第1情報処理装置10は、出力部15を備えなくてもよい。
【0037】
第2情報処理装置20の入力部24は、第2ユーザ82から情報又はデータ等の入力を受け付ける入力デバイスを含んでよい。入力デバイスは、例えば、タッチセンサ又はマウス等のポインティングデバイスを含んでよい。入力デバイスは、表示部23と一体化したタッチディスプレイとして構成されてもよい。入力デバイスは、物理キーを含んでもよい。入力デバイスは、マイク等の音声入力デバイスを含んでもよい。
【0038】
第1情報処理装置10は、入力部を更に備えてもよい。入力部は、入力デバイスを含んでよい。入力デバイスは、表示部13と一体化したタッチディスプレイとして構成されてもよい。
【0039】
第1情報処理装置10は、加速度センサ又は角速度センサ等のセンサを更に備えてもよい。第1情報処理装置10は、センサの検出結果に基づいて第1情報処理装置10自身の姿勢を検出してよい。
【0040】
図2に例示される情報処理システム1において、1台の第1情報処理装置10が撮影した現場の画像を2台の第2情報処理装置20のそれぞれに送信する。各第2情報処理装置20は、第1情報処理装置10から受信した現場の画像を表示する。情報処理システム1は、同一又は類似に構成される複数の端末装置を備えてよい。情報処理システム1の複数の端末装置のうち、1台の端末装置が第1情報処理装置10として機能してよい。他の端末装置が第2情報処理装置20として機能してよい。つまり、情報処理システム1は、第1情報処理装置10として機能する1台の端末装置と、第2情報処理装置20として機能する1台又は2台以上の端末装置を備えてよい。情報処理システム1の複数の端末装置のそれぞれは、第1情報処理装置10又は第2情報処理装置20のどちらとしても機能できるように構成されてよい。
【0041】
第1情報処理装置10又は第2情報処理装置20は、例えば、ノートPC(Personal Computer)若しくはタブレットPC等のコンピュータ、又は、スマートフォン等の端末装置として実現されてもよい。第1情報処理装置10又は第2情報処理装置20は、これらの例に限られず、種々の機器を含んでよい。
【0042】
(情報処理システム1の動作例)
以下、情報処理システム1において、第1ユーザ81と1又は複数の第2ユーザ82とが現場の画像を共有できるように、第1情報処理装置10及び1又は複数の第2情報処理装置20のそれぞれが現場を撮影した画像を表示する動作が説明される。
【0043】
<第1情報処理装置10で撮影した画像の共有>
第1情報処理装置10は、第1ユーザ81によって操作される。第1ユーザ81は、撮影部14によって遠隔臨場の対象となる現場の画像を撮影する。第1情報処理装置10の制御部11は、撮影部14で現場を撮影した画像を表示部13に表示するとともに、撮影部14で現場を撮影した画像を共有画像として通信部12で1又は複数の第2情報処理装置20に送信する。
【0044】
1又は複数の第2情報処理装置20は、第1情報処理装置10から送信された現場の画像を共有画像として通信部22で受信し、表示部23に表示する。第1情報処理装置10及び1又は複数の第2情報処理装置20のそれぞれが現場の画像を表示することによって、現場の画像が共有画像として第1ユーザ81と1又は複数の第2ユーザ82とで共有される。
【0045】
第1情報処理装置10の表示部13又は第2情報処理装置20の表示部23は、例えば図3に示されるように、共有画像を画像表示領域30に表示してよい。
【0046】
表示部13又は23は、アイコン表示領域40又は48に各種のアイコンを表示してよい。画面上部のアイコン表示領域40に表示されているユーザアイコン41又は42は、共有画像を共有している第1ユーザ81又は第2ユーザ82を表す。図3の例において、ユーザアイコン41は、「P山」と称される第2ユーザ82を表す。ユーザアイコン42は、「Q川」と称される第2ユーザ82を表す。終了アイコン43は、第1ユーザ81又は第2ユーザ82等の通話者本人の画面共有を終了すること、通話者本人が通話から離脱すること、又は、画面共有に参加している第1ユーザ81及び第2ユーザ82等の通話者全員の通話を強制的に終了すること等のいずれかを実行する機能に対応してよい。終了アイコン43は、通話又は画面共有等の動作の終了を選択して実行する機能に対応してもよい。第1ユーザ81又は第2ユーザ82が終了アイコン43をタップしたりクリックしたりすることによって共有画像の共有が終了される。
【0047】
画面下部のアイコン表示領域48に表示されているメッセージアイコン44は、共有画像を共有している第1ユーザ81又は第2ユーザ82がメッセージを送信する機能に対応する。第1ユーザ81又は第2ユーザ82がメッセージアイコン44をタップしたりクリックしたりすることによって画像表示領域30においてメッセージ枠33が表示される。第1ユーザ81又は第2ユーザ82は、メッセージ枠33にメッセージを入力して他のユーザにメッセージを送信できる。
【0048】
画面下部のアイコン表示領域48に表示されているマイクアイコン45は、第1ユーザ81又は第2ユーザ82が通話中にミュートにするかミュートを解除するかを選択する機能に対応する。第1ユーザ81又は第2ユーザ82がマイクアイコン45をタップしたりクリックしたりすることによって音声による会話が開始される。
【0049】
画面下部のアイコン表示領域48に表示されているカメラアイコン46は、画面共有を開始する機能に対応する。具体的に、ユーザは、カメラアイコン46を操作することによって、その情報処理装置で画面共有を開始できる。
【0050】
ポインタアイコン47は、共有画像に重畳するポインタの表示と非表示とを切り替える機能に対応する。以下、共有画像にポインタを重畳して表示する機能が説明される。
【0051】
<共有画像に重畳したポインタの表示>
第2情報処理装置20は、第2ユーザ82が共有画像の特定の座標を第1ユーザ81又は他の第2ユーザ82に指し示すことができるように、共有画像に重畳して表示するポインタの座標を送信してよい。
【0052】
具体的に、第2情報処理装置20の制御部21は、第2情報処理装置20の入力部24によって第2ユーザ82が共有画像に重畳してポインタを表示したい座標を指定する操作を受け付けてよい。例えばユーザがポインタの座標を指定する機能に対応するアイコン等をタップしたりクリックしたりすることによって、制御部21は、入力部24でポインタの座標を指定する入力を受け付けるモードに遷移してよい。制御部21は、ポインタを表示するモードに切り替えたときに、入力部24でポインタの座標を指定する入力を受け付けるモードに遷移してもよい。制御部21は、入力部24への操作入力によって第2ユーザ82が指定したポインタの座標を、通信部22によって第1情報処理装置10に送信する。第1情報処理装置10は、通信部12によって第2情報処理装置20からポインタの座標を受信し、共有画像に重畳して第2情報処理装置20に対応するポインタを表示する。制御部21は、他の第2情報処理装置20にポインタを表示させるように、ポインタの座標を他の第2情報処理装置20に送信してもよい。
【0053】
第1情報処理装置10の表示部13又は第2情報処理装置20の表示部23は、例えば図3に示されるように、画像表示領域30に表示されている共有画像にポインタ31又は32を重畳して表示してよい。ポインタ31は、「P山」と称される第2ユーザ82が指定した座標に表示されている。ポインタ32は、「Q川」と称される第2ユーザ82が指定した座標に表示されている。図3の例において、2つのポインタが2人の第2ユーザ82のそれぞれが指定した座標に表示されている。ポインタの座標を指定するユーザの数は、2人に限られず、0人又は1人であってもよいし、3人以上であってもよい。つまり、表示されるポインタの数は、2個に限られず、0個又は1個であってもよいし3個以上であってもよい。
【0054】
ポインタは、第1ユーザ81が共有画像の特定の座標を第2ユーザ82に指し示すために表示されてもよい。具体的に、第1情報処理装置10の制御部11は、第1情報処理装置10の入力部によって第1ユーザ81が共有画像に重畳してポインタを表示したい座標を指定する操作を受け付けてよい。制御部11は、第1情報処理装置10の入力部への操作入力によって第1ユーザ81が指定したポインタの座標を、通信部12によって第2情報処理装置20に送信する。第2情報処理装置20は、通信部22によって第1情報処理装置10からポインタの座標を受信し、共有画像に重畳して第1情報処理装置10に対応するポインタを表示する。
【0055】
<ポインタの表示態様の決定>
図3において、ポインタ31は、白色以外の所定の色で塗られており、白色の部分を多く含む周囲画像に対して十分に区別して視認できる態様で表示されている。なお、図3において、ポインタ31の色は、便宜上、網掛けのハッチングとして表現されている。
【0056】
しかし、図4に示されるように、所定の色で塗られているポインタ31が、画像表示領域30の左上に位置する、ポインタ31と同一又は類似の色で塗られている領域35に、色を変えずに表示される場合、ポインタ31は、同一又は類似の色で塗られている領域35を含む周囲画像と区別されにくくなる。つまり、ポインタ31が周囲画像に同化する。なお、図4において、領域35の色は、便宜上、網掛けのハッチングとして表現されている。
【0057】
本実施形態に係る情報処理システム1において、第1情報処理装置10の制御部11又は第2情報処理装置20の制御部21は、ポインタを共有画像に重畳して表示する際に、ポインタを重畳する位置の背景に応じてポインタの表示態様をリアルタイムで決定する。制御部11又は制御部21は、リアルタイムで決定した表示態様でポインタを表示部13又は表示部23に表示する。
【0058】
<<ポインタの表示色の変更>>
制御部11又は制御部21は、ポインタが周囲画像と区別されやすいように、周囲画像の色に応じてポインタの表示色を変更してよい。例えば、制御部11又は制御部21は、画像表示領域30の左上に位置する、所定の色で塗られている領域35を含む周囲画像に応じて、図5に示されるようにポインタ31の色を白色に変更して表示してよい。ポインタの色が周囲画像に応じて変更されることによって、ポインタが周囲画像から区別して視認されやすくなる。
【0059】
制御部11又は制御部21は、ポインタの表示色を、周囲画像に含まれる画素の色を表す値の平均値に基づいて決定してよい。例えば画素の色が256階調のグレースケールで表されるとする。この場合、画素の色は、0から255までのいずれかの値で表される。黒色は0で表されるとする。白色は255で表されるとする。
【0060】
例えば図6Aに示されるように、ポインタ31を重畳して表示する部分の周囲画像に含まれる領域35の画素の色を表す値の平均値が黒色に近い色を表す30であるとする。この場合において、制御部11又は制御部21は、ポインタ31の画素の色が255で表される白色になるようにポインタ31の表示色を決定してよい。
【0061】
また、例えば図6Bに示されるように、ポインタ31を重畳して表示する部分の周囲画像に含まれる領域35の画素の色を表す値の平均値が白色に近い色を表す225であるとする。この場合において、制御部11又は制御部21は、ポインタ31の画素の色が0で表される黒色になるようにポインタ31の表示色を決定してよい。
【0062】
共有画像がRGB画像として表示される場合、画像表示領域30の各画素の色は、RGBのそれぞれの階調を表す値の組み合わせによって表される。制御部11又は制御部21は、周囲画像の画素の色を表すRGBのそれぞれの値の平均値を組み合わせた色に応じてポインタの表示色を決定してよい。制御部11又は制御部21は、例えば、周囲画像の画素の色の補色に該当する色をポインタの表示色として決定してよい。
【0063】
<<ポインタのテクスチャの変更>>
制御部11又は制御部21は、ポインタの表示する位置の周囲画像に含まれるパターンに応じてポインタのテクスチャを所定のパターンに設定してよい。例えば、周囲画像にストライプ又はボーダー等の縞模様のパターンが含まれる場合、制御部11又は制御部21は、ポインタのテクスチャを周囲画像の縞模様に交差する方向の縞模様に設定してよい。このようにすることで、ポインタが周囲画像に対して区別されやすくなる。
【0064】
<<ポインタの形状又は大きさの変更>>
制御部11又は制御部21は、ポインタが周囲画像と区別されやすいように、周囲画像のパターンに応じてポインタの形状を変更してよい。例えば、図7Aに示されるように周囲画像のパターンにポインタ31が同化することがある。この場合、制御部11又は制御部21は、ポインタ31と周囲画像のパターンとが区別されやすくなるように、ポインタ31の形状を図7Bに例示されるように星形に変更してよい。ポインタ31の形状は、星形に限られず、周囲画像のパターンと区別されやすい形状であれば他の種々の形状に変更されてよい。
【0065】
制御部11又は制御部21は、ポインタを表示する位置の周囲画像に応じてポインタの大きさを変更してもよい。例えば、制御部11又は制御部21は、周囲画像に対してポインタが目立つようにポインタを大きく表示してよい。
【0066】
<<他のポインタに応じた表示態様の決定>>
ポインタを表示する位置の周囲に他のユーザが位置を指定するポインタが表示されることがある。他のユーザが位置を指定するポインタは、他のポインタとも称される。制御部11又は制御部21は、ポインタの周囲に位置する他のポインタの表示態様に基づいてポインタの表示態様を決定してよい。言い換えれば、制御部11又は制御部21がポインタの表示態様を決定するために参照する周囲画像は、ポインタの周囲の共有画像だけでなく、ポインタの近傍に表示される他のポインタの画像を含んでよい。
【0067】
<<ポインタによる指示対象の強調>>
第1ユーザ81又は第2ユーザ82がポインタによって指し示そうとしている物体が共有画像において目立たない画像として写っていることがある。例えば、図8に示されるように、共有画像に写っている現場の床に見えにくい穴のパターン36が写っているとする。この場合、制御部11又は制御部21は、見えにくいパターン36の形状を強調するために、ポインタ31に加えて強調ポインタ34を表示してよい。つまり、制御部11又は制御部21は、ポインタの表示態様を、通常のポインタ31と強調ポインタ34とを合わせて表示する態様に決定してよい。制御部11又は制御部21は、ポインタ31自体を強調ポインタ34に置き換えて表示してもよい。
【0068】
ポインタの周囲に映っている物体の形状を強調する他の例として、制御部11又は制御部21は、共有画像に写っている配管又は配線等の線状又は帯状の物体の形状を強調するように、線状又は帯状の物体が延在する方向に沿った形状でポインタを表示してもよい。また、制御部11又は制御部21は、遠隔臨場の現場で検査又は確認の対象になりやすい物体を認識し、その物体の近傍において対象の物体を強調するようにポインタを表示してもよい。
【0069】
<<ポインタの表示態様の小括>>
以上述べてきたように、第1情報処理装置10の制御部11又は第2情報処理装置20の制御部21は、ポインタの表示態様を、ポインタの周囲の共有画像又は他のユーザのポインタを含む周囲画像に基づいてリアルタイムで決定し、変更してよい。言い換えれば、制御部11又は制御部21は、ポインタの表示態様に含まれるポインタの表示色を、周囲画像の色に基づいて決定してよい。制御部11又は制御部21は、ポインタの表示態様に含まれるポインタのパターン、形状又は大きさを、周囲画像に含まれるパターンに基づいて決定してよい。ポインタの表示態様が周囲画像に基づいてリアルタイムで変更されることによって、ポインタは、共有画像に重畳して表示されたときに周囲画像と区別されやすくなりユーザによって視認されやすくなる。ユーザは、ポインタを視認しやすくなることによって、他のユーザと情報を共有しやすくなる。その結果、ポインタを用いて情報を共有する作業の効率が向上する。
【0070】
<ポインタの表示態様を決定する装置>
ポインタの表示態様は、ポインタを表示する装置において決定されてよい。第1情報処理装置10が表示部13において共有画像に重畳してポインタを表示する場合、第1情報処理装置10の制御部11がポインタの表示態様を周囲画像に応じて決定してよい。第2情報処理装置20が表示部23において共有画像に重畳してポインタを表示する場合、第2情報処理装置20の制御部21がポインタの表示態様を周囲画像に応じて決定してよい。
【0071】
ポインタの表示態様は、ポインタの座標を指示する装置において決定されてよい。この場合、ポインタの座標を指示する装置は、ポインタの座標とともに、ポインタの表示態様を送信してよい。第2情報処理装置20が第2ユーザ82の操作入力に基づいてポインタの座標を指示する場合、第2情報処理装置20の制御部21がポインタの表示態様を周囲画像に応じて決定し、ポインタの座標とともにポインタの表示態様を第1情報処理装置10又は他の第2情報処理装置20に送信してよい。第1情報処理装置10が第1ユーザ81の操作入力に基づいてポインタの座標を指示する場合、第1情報処理装置10の制御部11がポインタの表示態様を周囲画像に応じて決定し、ポインタの座標とともにポインタの表示態様を第2情報処理装置20に送信してよい。
【0072】
<情報処理方法のフローチャートの例>
情報処理システム1は、図9に例示されるフローチャートの手順を含む情報処理方法を実行してもよい。情報処理方法は、第1情報処理装置10の制御部11又は第2情報処理装置20の制御部21を構成するプロセッサに実行させる情報処理プログラムとして実現されてもよい。情報処理プログラムは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されてよい。
【0073】
第1情報処理装置10の制御部11は、撮影部14によって共有画像を撮影する(ステップS1)。制御部11は、共有画像を表示部13に表示するとともに、通信部12によって共有画像を第2情報処理装置20に送信する(ステップS2)。
【0074】
第2情報処理装置20の制御部21は、通信部22で第1情報処理装置10から共有画像を受信し、表示部23に共有画像を表示する(ステップS11)。制御部21は、入力部24で第2ユーザ82からのポインタの入力を受け付ける(ステップS12)。制御部21は、第2ユーザ82からの入力に基づいて、通信部22でポインタ座標を第1情報処理装置10に送信する(ステップS13)。制御部21は、ポインタを共有画像に重畳して表示部23に表示する(ステップS14)。
【0075】
第1情報処理装置10の制御部11は、通信部12で第2情報処理装置20からポインタ座標を受信する(ステップS3)。制御部11は、ポインタを共有画像に重畳して表示部13に表示する(ステップS4)。
【0076】
第1情報処理装置10の制御部11は、ステップS4の手順の実行後、図9のフローチャートの手順の実行を終了する。第2情報処理装置20の制御部21は、ステップS14の手順の実行後、図9のフローチャートの手順の実行を終了する。制御部11及び21は、図9のフローチャートの手順をステップS1及びS11から繰り返してもよい。
【0077】
図9のフローチャートの手順において、第2情報処理装置20の制御部21は、ステップS13の手順の前に、ポインタの表示態様を決定する手順を実行してもよい。制御部21は、ステップS13の手順で、ポインタ座標とともにポインタの表示態様を第1情報処理装置10に送信してよい。第2情報処理装置20の制御部21は、ステップS14の手順において、ポインタの表示態様を決定してポインタを表示してもよい。
【0078】
図9のフローチャートの手順において、第1情報処理装置10の制御部11は、ステップS3の手順において、ポインタ座標とともにポインタの表示態様を受信してよい。制御部11は、ステップS4の手順において、ステップS3の手順で受信した表示態様でポインタを表示してよい。第1情報処理装置10の制御部11は、ステップS3の手順においてポインタの表示態様を受信しない場合、ステップS4の手順においてポインタの表示態様を決定してポインタを表示してよい。
【0079】
(まとめ)
以上述べてきたように、本実施形態に係る情報処理システム1において、遠隔臨場の現場を撮影する第1情報処理装置10と現場から離れて配置されている第2情報処理装置20とが遠隔臨場の現場を撮影した画像を共有できる。また、第1情報処理装置10又は第2情報処理装置20は、第2情報処理装置20を用いて遠隔で現場を検査したり確認したりする第2ユーザ82、又は、第1情報処理装置10を用いて現場を撮影する第1ユーザ81が共有画像の特定箇所を指示するポインタを表示する。第1情報処理装置10及び第2情報処理装置20が遠隔臨場の現場を撮影した画像を共有し、ポインタで共有画像の特定箇所を指示できることによって、遠隔での現場の検査又は確認の作業が効率化される。
【0080】
また、第1情報処理装置10又は第2情報処理装置20は、ポインタの表示態様を、ポインタの周囲画像に基づいて決定してリアルタイムで変更できる。ポインタの表示態様が周囲画像に基づいてリアルタイムで変更されることによって、ポインタは、共有画像に重畳して表示されたときに周囲画像と区別されやすくなり第1ユーザ81及び第2ユーザ82によって視認されやすくなる。第1ユーザ81及び第2ユーザ82は、ポインタを視認しやすくなることによって、他のユーザと情報を共有しやすくなる。その結果、ポインタを用いて情報を共有する作業の効率が向上する。
【0081】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。従って、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本開示に係る実施形態について装置を中心に説明してきたが、本開示に係る実施形態は装置の各構成部が実行するステップを含む方法としても実現し得るものである。本開示に係る実施形態は装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【符号の説明】
【0082】
1 情報処理システム
10 第1情報処理装置(11:制御部、12:通信部、13:表示部、14:撮影部、15:出力部)
20 第2情報処理装置(21:制御部、22:通信部、23:表示部、24:入力部)
30 画像表示領域
31、32 ポインタ
33 チャット枠
34 強調ポインタ
35 領域
36 パターン
40、48 アイコン表示領域
41、42 ユーザアイコン
43 終了アイコン
44 チャットアイコン
45 マイクアイコン
46 カメラアイコン
47 ポインタアイコン
80 ネットワーク
81 第1ユーザ
82 第2ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9