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  • 特開-ドリンクロッカー及び飲料保管方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108758
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】ドリンクロッカー及び飲料保管方法
(51)【国際特許分類】
   A47B 73/00 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
A47B73/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013293
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】504189531
【氏名又は名称】株式会社千代田
(74)【代理人】
【識別番号】100165331
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 智昭
(72)【発明者】
【氏名】家久 修一
(72)【発明者】
【氏名】磯村 法夫
(57)【要約】
【課題】本発明は、ペットボトルなどの飲料を個別に保管するための個室を備え、不特定多数の人による頻繁な出し入れに耐え得る利便性を備えたドリンクロッカーを提供することを目的とする。
【解決手段】容器に入った複数の飲料を個別に保管するドリンクロッカーであって、一対の側壁と、天井部と、飲料を載置する床部とからなるケースと、個々の飲料を収容する個室を区画する仕切り板とからなる。ケースの前面には、個室ごとに、開閉可能に設けられた前面扉を有し、床部は飲料を出し入れする前面側から、奥行き方向に向かって下方に傾斜しており、個室内に、飲料が床部の傾斜方向に滑ることを防止するストッパーが設けられている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に入った複数の飲料を個別に保管するドリンクロッカーであって、
一対の側壁と、天井部と、前記飲料を載置する床部とからなるケースと、
個々の前記飲料を収容する個室を区画する仕切り板と、
前記ケースの前面に、前記個室ごとに、開閉可能に設けられた前面扉と、を有し、
前記床部は、前記飲料を出し入れする前面側から、奥行き方向に向かって下方に傾斜しており、
前記個室内に、前記飲料が前記床部の傾斜方向に滑ることを防止するストッパーが設けられている、
ことを特徴とするドリンクロッカー。
【請求項2】
請求項1に記載のドリンクロッカーにおいて、
前記側壁には、前記ケース内の空気と前記ケース外の空気とを循環させる通気口が設けられている、
ことを特徴とするドリンクロッカー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のドリンクロッカーを、温度のコントロールが可能な温度調節庫に設置し、
前記温度調節庫で温度コントロールされた空気と前記ケース内の空気とを前記通気口を介して循環させることで、前記個室に保管している飲料の温度をコントロールすることを特徴とする、
飲料の保管方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットボトルなどの個人のドリンクを個別に保管することのできるドリンクロッカーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、個人がペットボトルや水筒などに飲料を入れて持ち運ぶケースが増えており、不特定多数の人が集まる場所では、これらの飲料を個別に保管するロッカーの必要性が高まっている。
【0003】
従来、飲料を個別に保管する方法としては、個々の飲料を立てて見えるように置くケースや、横向きに寝かせてストックするケースが知られている。特許文献1には、ワインボトルの見やすい陳列と安定したストックを実現するワイン保冷庫が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016―99042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のワイン保冷庫では、個々のワインボトルが誰の所有物かを識別することが困難であり、また、不特定多数の人が頻繁な出し入れを繰り返すような使い方をすると、他人の飲料と取り違えたり、出し入れの際に他の飲料や側壁等と干渉したりすることが想定される。
【0006】
そこで、本発明は、ペットボトルなどの飲料を個別に保管するための個室を備え、不特定多数の人による頻繁な出し入れに耐え得る利便性を備えたドリンクロッカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0008】
(1)容器に入った複数の飲料を個別に保管するドリンクロッカーであって、一対の側壁と、天井部と、前記飲料を載置する床部とからなるケースと、個々の前記飲料を収容する個室を区画する仕切り板と、前記ケースの前面に、前記個室ごとに、開閉可能に設けられた前面扉と、を有し、前記床部は、前記飲料を出し入れする前面側から、奥行き方向に向かって下方に傾斜しており、前記個室内に、前記飲料が前記床部の傾斜方向に滑ることを防止するストッパーが設けられている、
ことを特徴とするドリンクロッカー。
【0009】
上記構成によれば、個々の飲料は個別に個室に収容され、個々の個室には開閉可能な前面扉が備えられ、飲料は個室内で傾斜をつけて保管される。
【0010】
これにより、個々の飲料を個室に分けて保管・管理することが可能となり、他人の飲料と取り違えることも生じない。また、多くの人が頻繁に出し入れする場合であっても、床部の傾斜により、出し入れしやすい傾きで飲料を保管することが可能となる。
【0011】
(2)上記(1)に記載のドリンクロッカーにおいて、前記側壁には、前記ケース内の空気と前記ケース外の空気とを循環させる通気口が設けられている、ことを特徴とするドリンクロッカー。
【0012】
上記構成によれば、ケースの側壁には、ケース内外で空気を循環させることができる通気口が設けられる。
【0013】
これにより、ケース自体を冷蔵庫や保温庫に入れることで、保管している飲料を冷やしたり、温めたりすることが可能となる。
【0014】
(3)上記(1)又は(2)のドリンクロッカーを、温度のコントロールが可能な温度調節庫に設置し、前記温度調節庫で温度コントロールされた空気と前記ケース内の空気とを前記通気口を介して循環させることで、前記個室に保管している飲料の温度をコントロールすることを特徴とする、飲料の保管方法。
【0015】
上記構成によれば、ドリンクロッカー自体を温度調節庫に設置し、ケースの側壁に設けられた通気口を介して、温度調節庫で温度コントロールされた空気とケース内の空気とを循環させることができる。
【0016】
これにより、個々の個室で飲料を保管しながら、当該飲料を冷やしたり温めたりすることが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、不特定多数の人が個々の飲料を保管する際に、他の飲料と取り違えることなく、個々の飲料を出し入れしやすい構造で保管することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の実施形態に係るドリンクロッカーの斜視図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係るドリンクロッカーの側面図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係るドリンクロッカーの正面図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係るドリンクロッカーの使用状態を示す全体図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係るドリンクロッカーの使用状態を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図を参照しながら、本発明の実施形態の一例を説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
以下の実施形態の説明では、ドリンクロッカーはペットボトルを保管の対象としているが、本発明はペットボトルに限らず、水筒やビンなど、様々な飲料の保管に適用することができる。
【0020】
1.第1の実施形態
図1は、本発明の実施形態に係るドリンクロッカーの斜視図である。ケース1は、対向する一対の側壁11と、側壁11の上部に設けられた天井部12と、ペットボトルを載置する床部13とで構成されている。これらの部材は、透明なアクリルの板で作られており、その板厚は3ミリから5ミリ程度である。透明なアクリルの板を用いることで、外部から保管されているペットボトルを視認しやすくなり、デザイン性も高めることができる。
【0021】
図2及び図3は、本発明の実施形態に係るドリンクロッカーの側面図と正面図である。ケース1の中には仕切り板14が側壁11と並行に設けられており、個々のペットボトルは、当該仕切り板14で区画された個室15に収容される。
【0022】
本実施形態では、床部13は高さ方向に3か所設けられており、縦に3つの個室15を積層している。また、仕切り板14は両側の側壁11の間に2枚設けられており、横方向に3つの個室を並べている。縦方向と横方向のそれぞれにおいて、床部13や仕切り板14の設置間隔と数を調整することで、個室15の数とサイズは任意に設計することが可能である。
【0023】
各個室15には、ペットボトルを出し入れするケース前面側に、前面扉16が設けられている。この前面扉16は個々の個室15ごとに独立して開閉可能であり、開閉可能に固定するヒンジ部161と開け閉めする際に必要となる取手162が設けられている。取手162は、必要に応じて鍵が設けられる構造としてもよい。ヒンジ部161には、用途に応じてダンパーヒンジやトルクヒンジを採用することが可能であり、これにより、利便性や高級感を高めることが可能である。
【0024】
前面扉16は厚さ3ミリから5ミリの透明のアクリルの板で構成される。透明の素材を用いることで、個室15の内容物を外部から視認しやすくなり、他人の飲料と取り違えすることを防止することができる。
【0025】
各個室15の床部13は、ペットボトルを出し入れするケース前面側で高くなっており、ケースの奥行き方向へ向かって下方に傾斜している。この傾斜を設けることで、ケース前面からのペットボトルの出し入れがしやすくなり、また、ペットボトルの蓋に緩みがあったとしても、ペットボトル内の飲料が溢れることを防止することができる。
【0026】
床部13の傾斜角θは、水平面をθ=0度とした場合、0度<θ<10度の範囲が好ましく、3度<θ<7度であれば、より好ましい。本実施形態では床部の傾斜角θは約5度となっており、この角度を中心に10%の角度範囲(4.5度<θ<5.5度)に設定することでより出し入れのしやすい傾斜とすることができる。
【0027】
個々の個室15には、床部13の傾斜によってペットボトルが奥行き方向に滑り落ちないように、ストッパー17が設けられている。図2に示すように、ストッパー17は、床部13に対して直角方向に伸びるアクリルの板で構成されており、床部13、側壁11、仕切り板14のいずれかと接している。ストッパー17を構成するアクリルの板厚は5ミリから10ミリ程度であり、ペットボトルの形状や大きさ、重さに応じて適宜設計することが可能である。
【0028】
ケース1の側壁11には、ケース内の空気とケース外の空気とを循環させる通気口18が設けられている。この通気口18はケース1の内外で温度を均質にすることを目的として設けられている。図4に示すように本実施形態にかかるドリンクロッカーは、温度調節機能を有するショーケースのような温度調節庫19にそのまま入れて使用することができる。ドリンクロッカーを温度調節庫19に入れることで、個々の個室15に収容されている飲料を冷やしたり、温めたりすることが可能となり、取り出した後の飲料を美味しく飲むことが可能となる。
【0029】
本実施形態では、通気口18は円形状をしており、その直径は40mmとなっているが、通気口18の形状は、矩形状でも多角形状でも、さらにデザイン性の高い形状でも構わない。また、通気口18の開口面積は、大きくすると空気の循環が促進され、ケース内外の温度の均質化を早める効果がある。通気口18の形状や大きさは、用途やデザイン性を加味して、適宜設計することが可能である。
【0030】
ケースにおける飲料を出し入れする前面側に対向する背面側は、アクリルの板で覆う構成としても良いが、ケース内外の通気性の確保のため、覆わないままとすることもできる。
【0031】
2.第2の実施形態
図4は、本発明にかかるドリンクロッカーを用いた飲料の保管方法を示している。不特定多数の人が集まる場において、個人が所有するペットボトル等の飲料をこのドリンクロッカーに保管することができる。図4に示すように温度調節機能を有するショーケース(温度調節庫19)の中に本発明にかかるドリンクロッカー自体を入れることで、ケース1の側壁11の通気口18を介してケース内外の空気が循環し、ドリンクロッカーに保管している飲料の温度をコントロールすることが可能となる。
【0032】
かかる飲料の保管方法によると、不特定多数の人が自らの飲料を取り間違えないように注意する必要が生じる。そこで、図5に示すように、個々の前面扉16には、個々の利用者に紐づけられた鍵を利用しないと前面扉16を開閉できないロック機構163を設けることが有効である。これにより利用者は他人の飲料と取り間違えることなく、安心して自らの飲料を出し入れすることができる。
【0033】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0034】
1 ケース
11 側壁
12 天井部
13 床部
14 仕切り板
15 個室
16 前面扉
161 ヒンジ
162 取手
163 ロック機構
17 ストッパー
18 通気口
19 温度調整庫

図1
図2
図3
図4
図5