(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108805
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】風水力発電装置とその応用システム
(51)【国際特許分類】
F03D 3/04 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
F03D3/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013379
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】591169593
【氏名又は名称】大木 康次
(72)【発明者】
【氏名】大木 康次
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA12
3H178AA34
3H178AA56
3H178BB31
3H178DD22Z
3H178DD26Z
3H178DD54Z
(57)【要約】 (修正有)
【課題】投資効率とエネルギー変換効率が高い風力発電装置を提供する。
【解決手段】洋上、河川上、湖上、地上の風流賦存場所で、間隙率ゼロの形状単位を結合した風流収集制御装置を低い高さに設置し、その集風を混水化し、気水流分離することで、風流機構は縮小化される。その混水化手段で流速は減速するため、その速度維持か増速させるために、混水密度、通流断面縮小制御を数段階行いつつ、気水流分離することで、地上設備縮小化されて、既存の水力発電装置に接続され、発電する。そのため、設備・保守価格は、大幅に低減でき、かつ、高効率な既存の水力発電装置を利用できるので、投資効率とエネルギー変換効率が極めて高くなる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、風流が大きく賦存する地上、湖上、河川上、船上において、
その風流パワーを収集する間隙率ゼロの形状ユニット単位を結合した風流収集制御装置、
その風流を液流に変換する風液混流制御変換装置、
その混流を一時貯蔵する混流貯蔵制御装置、あるいは、
その混流パワーを制御する速度調整制御装置を有する原動機システムに直接接続する方式の動力源を利用するジェット駆動システム、
さらに、その原動機システムに接続する発電システム、
その発電システムとその発電パワーを貯蔵する蓄電システムからなる発電・蓄電システム、およびその発電システムに商用周波連系接続する連系変電所システム、その発電電力を利用する船内化学工業プラント
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力パワーを風混水パワーに変換して、さらに、その風混水パワーを機械パワーに変換する原動機を介して、蓄発電する発電装置とその応用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現行風力発電装置は、通風間隙率が高い集風機能のため、その集風機能と風力パワー変換方式では、極めて変換効率が低く、さらに、風力パワー変換部を機械パワーに変換する原動機機構主部と、その原動機に接続する発電機構の両者が一体構成され、それらが上空にあるため、それら機構に対する風圧のモーメントが大きくなる。そのため、それに耐える基礎構造、本体構造を強固とせざるを得ず、さらに、空気密度が低いため、風および原動機部の設備全体が大型とならざるを得ず、設備コストが高くなるほか、保守コストも高くなるという課題があった。
【0003】
非常に高い位置にある風車ブレードにより発生する風切り音、低周波音が広範囲に及ぶ騒音公害を引き起こす課題があった。
【0004】
回転ブレードが頂点に達したブレード可動部が遠方から見え、動態視点を注視する習性が人にあるので、多くの人に、視覚上の不快感を与えるという課題があった。
【0005】
エネルギー変換効率の悪い多翼型を除き、多数の風力発電の受風は、ブレードの円形可動直径空間であり、かつ、ブレード可動空間占有面積に占めるブレード面積が小さいため、風流間隙率が高い、実際10%以下の空間利用効率であり、空間利用効率が極めて低いという課題があった。
【0006】
ブレード本体面積が大きく、ブレード本体が重いこと、さらに、ブレード中心が高く、かつ、高い位置に重い発電構造を有するため、受風時の回転モーメントが大きくなり、基礎構造を強固にする必要があるため、基礎費用が嵩む問題があった。
【0007】
上空にいくほど風が強くなり、高い位置にあるブレードは、そのブレード強度を高く設計しなくてはならないため、ブレード構造強化のため、建設費用が嵩む問題があった。
【0008】
受風後のブレードの受風効率を上げるため、ブレード角度可変システムを導入することが一般であり、そのため、そのシステム費用が嵩む問題があった。
【0009】
風圧は風流速度の2乗に比例する、一方、風は高い地ほど強くなるため、発電設備、ブレード、その支柱が高い位置にあるので、その最大瞬間風速60m/sに耐える高強度な風力設備としなくてはならず、設備費用が高く、さらに、保守コストが嵩むという課題があった。
【0010】
建設構造物は、建設省告示1458号が適用され、構造物の基礎と構造物本体の強度設計する必要から、と設置地盤調査、基礎構造と設備本体設計、製造、設置はコストが高くなるという課題があった。
【0011】
植林が不向きな岩石山の急斜面、峡谷、山間・海岸崖壁面は最高風速と利用風速の変動幅が大きく、設置が困難な条件のため、風力賦存量があっても、未利用であるという課題があった。
【0012】
太陽電池パネル傾斜設置され、あるいは、傾斜法面に設置され、風を遮る構造を持たないため、風パワーが未利用であるという課題があった。
【0013】
陸上風があたる無窓ビル壁面、工場壁面、道路、鉄道高架橋の壁面など受風に対する強度設計がなされているが、風パワーが未利用であるという課題があった。
【0014】
現状では、風パワーをほとんど利用しないため、その風力パワーがビルなどの間隙に流れ込み、ビル風等を発生させるという課題があり、これを解決すると同時に、未利用集風の課題があった。
【0015】
風力パワーは空気質量流のエネルギー変換であり、質量密度が著しく、液体に比べ低いため、その風力パワー変換装置は、サイズが大きくなる欠点があった。
【0016】
風の速度は一様でなく、その速度は大きく変動する風の息があり、その風の風圧は速度の2乗に比例して、風圧とその速度積である風パワーは、その速度の3乗に比例するため、低い風速でカットオフしてしまうという課題があった。
【0017】
海上風は、遮る障害物がないため、風力パワーが大きく、海上風力パワーの賦存量が大きいにも拘わらず、その海上風があたる船壁面が未利用であるという課題があった。
【0018】
船上帆船、船上風力発電は、ほぼ間隙率をゼロにするような発電手段を採用していないため、受風パワーに対する風変換効率が低くなるという課題があった。
【0019】
海風を受ける断崖は、強風が発生することが知られているが、強風が強過ぎて、その強風に耐える風力発電装置は高価となり、投資効果が低くなるという課題があったため、未利用であった。
【0020】
地上の直立型防風林や防風網は、ほとんど直立に建植され、農作物の育成を妨げる日陰を作るという課題があったため、それら防風林や防風網を撤去する事態に現状発展している場合も散見され、その風パワーが未利用であった。
【0021】
防風林や防風網の高さの20~30倍の範囲が防風範囲とされることから、その高さ×防風効果範囲を超えて、再度、防風林や防風網を設ける必要があった。
【0022】
風力パワーを吸収する風力発電装置は、ブレード高さを高くする場合は、その高さ×防風効果範囲を超えて、一定の風力パワーが回復する間隔を離隔設置するため、設置面積が広範囲になるという課題があった。
【0023】
一般に、風力発電装置の設計設備強度の関係で、運転開始のカットインと運転停止カットオフの風速を定めて、運転している。折角強風があっても風力設備設計基準を上回る場合は、運転を停止してしまう課題があった。
【0024】
さらに、設計設備強度の関係から、首振りヨー制御、ブレードの可変ピッチ制御、停止時のフェザーリング制御など制御機構にコストが高くなるほか、特に、ブレード構造が複雑であるため、材料、製造コストが高くなる課題があった。
【0025】
水平軸風車の場合は、変化する風向きに対し平行であるため、方位制御機構を設ける必要があり、製造コストが高くなる課題があった。
【0026】
受風質量密度は水力質量密度に比べ、約900分の1であるため、受風パワーの変換効率は水力パワー変換効率に比べ、非常に低いという課題があった。
【0027】
高い位置に設置する風力発電装置価格とその保守費は地上設置する水力発電装置価格とその保守費に比べ、設備価格と保守費が高いという課題があった。
【0028】
風力パワーは、その速度の3乗に比例するので、極めて高く変動する。そのため、その変動パワー吸収装置を組み合わせない場合は、風力パワーに対する変換効率が低くなるほか、また、空気の密度が低いため、風流設備が大型化する欠点があった。
【0029】
従来のブレード型風力発電装置は、ブレード間を通流する風は未利用であり、その風力パワーを水力パワーに変換して、エネルギー効率を上げる方法がほとんど提案されず、水流をピストン制御する特許(JP2006549208A)が既にあるが、風流を水流に変換制御することの利用の記載はない。
【0030】
水力発電装置は、水利権問題にかかわることが多いため、その権利調整に時間を要し、投資開発時間が長くなるという課題があったほか、中小水力発電は少ない水量、かつ、水頭が低い、つまり、低落差などから採算性が低いという課題があった。
【0031】
水力発電装置設置建屋など関連施設の受風パワーが未利用である課題があった。
【0032】
船に風力発電装置を搭載する特許が既に出されているが、集風機構と発電機を分離していないため、低空間利用効率、高コストな発電装置となる欠点をもっていた。
【0033】
現行の洋上風力発電は、その発電電力を地上と連携するための高価なメッシュケーブルを敷設しなくてはならないという欠点のほか、故障時のアクセス、保守コストなど多くの問題を抱えていた。
【0034】
現行ウオータ水進ジェット船の駆動用として筒内ターボスクリュー方式があるが、そのターボスクリューは水中回転駆動するため、水力効率が低いという課題があった。
【0035】
工場建設にあたり、その工場用地及びその環境対策など立地条件を整えるため、用地取得建設調査に時間と労力が掛かるという問題があった。現行の洋上風力発電は、その発電電力を地上と連携するための高価なメッシュケーブルを敷設しなくてはならないという欠点のほか、故障時のアクセス、保守コストなど多くの問題を抱えていた。
【0036】
地上の山間地に設置する場合は、建設用、保守用道路整備、植林伐採などの国の基準ほか、地方自治体の条例、厳しい環境基準を満たすため、建設計画から建設許可までの準備期間が長期に及び、投資効率を下げるという課題があった。
【0037】
工場建設にあたり、その工場用地及びその環境対策など立地条件を整えるため、用地取得建設調査に時間と労力が掛かるという問題があった。
【0038】
地上の山間地に設置する場合は、建設用、保守用道路整備、植林伐採などの国の基準ほか、地方自治体の条例、厳しい環境基準を満たすため、建設計画から建設許可までの懐妊が長期に及び、投資効率を下げるという課題があった。
海上沿岸部に設置する洋上風力発電は、国の基準ほか、地方自治体の条例、厳しい環境基準を満たし、魚業交渉などの合意を得るため、建設計画から建設許可までの期間が長期に及び、投資効率を下げるという課題があった。
【0039】
南緯48度と南緯61度の間に南極防風域の風力パワーが未利用である。
【0040】
通風間隙率ゼロの集風機構、風力パワーを混水力パワーに変換する混水パワー変換装置も地上に置くことで、設備全体を小さくするとともに、その設置基礎、設備強度を低減できる。
この混水力パワーを既存の水力発電装置に連結して、風力発電装置より効率的な水力発電装置化することで、(0002)の課題は解消できる。
【0041】
高位置に設置される風車ブレードの無い風力パワー方式とすることで、(0003)の騒音公害課題は解決することができる風水力発電装置。
【0042】
高位置に設置される風車ブレードの無い風力パワー方式とすることで、(0004)の騒音公害課題は解決することができる風水力発電装置。
【0043】
受風構造を間隙率ゼロとするため、形状を矩形単位として、密に左右上下に矩形状を拡張連結し、最終的に、総合的に矩形面を形成させれば、全体的にも空隙率をゼロすることができ、空間利用効率をほぼ100%とすることができるので、(0005)の課題は解決することができる風水力発電装置。
【0044】
集風機構は幅×高さの矩形構造のユニット機構であり、後方の奥行きは、シャワー噴霧の先細り絞りエネルギー変換しながら集風を混水ダクトに導き、水と空気を分離させるほか、発電機は地上に設置するため、高い重心位置となる構造物はないので、回転モーメントは著しく低くできる。そのため、(0006)の課題、基礎構造は簡易化でき、基礎構造費を低減できる風水力発電装置。
【0045】
さらに、集風機構には、現行風力発電の高度にして、強い強度を必要とする回転構成部がなく、原動機と発電機の回転構成部は、地上に設置するため、地上での保守作業のため、保守コストを大幅に削減できるため、この(0007)課題であるコストを低減できる風水力発電装置。
【0046】
集風機構の可動部は、その機構の上下伸縮制御するほか、左右に拡縮制御するような単純構造にでき、極めて低いコストで、設備を設計、製造でき、保守コストも低くできるため、この(0008)の課題を解決することができる風水力発電装置。
【0047】
間隙率ゼロの集風機構は、地上から低い位置に設置するため、最大瞬間風速60m/sに耐える回転モーメント設計と設備構造が簡易にできるため、集風機構の設計、製造、設置、保守等のすべてコスト低減化できるため、その課題(0009)を解決することができる風水力発電装置。
【0048】
建設省告示1458号適用除外部として、13m以下の集風構造とすることが容易であり、13m以下の集風構造であれば、地盤調査、基礎構造と設備本体は、13m以上の風力構造物より、地盤調査、基礎構造と設備本体設備本体設計、製造、設置は、安価にできるため、その課題(0010)を解決することができる風水力発電装置。
【0049】
風力発電装置と受風装置を分離することで、集風装置だけを急斜面や壁面にもコンパクトに設置でき、急斜面や壁面の風力の未利用課題を解決することができるため、その(0011)課題を解決できる風水力発電装置。
【0050】
太陽光パネル面に流れる風流を利用する風力発電装置を太陽光周辺部に設置できるため、その(0012)課題を解決できる風水力発電装置。
【0051】
ベランダ壁面、無窓ビル壁面、工場壁面、道路や鉄道高架橋の壁面を流れる風流を利用する風力発電装置を設置できるため、未利用課題(0013)を解決することができる風水力発電装置。
【0052】
ビル間など風流れを遮蔽する構造物にあたった風流は、ビルの壁面に沿って流れ、側面に風流が集められるので、その風流を利用する風力発電装置を設置できる。つまり、ビルで遮った風を吸収できるため、このビル側面通過風の軽減と未利用課題を解決することができるため、未利用課題(0014)を解決することができる風水力発電装置。
【0053】
質量保存則、圧力保存則、ベルヌーイの定理を前提に、低質量密度の気体を高質量密度の液体に変えれば、変換装置は著しく小型になる結果、装置の小型化は変換装置の設備コスト、設置コスト、保守コストが著しく低減できる。
液体として、安価で安全な水が望ましいが、凍結する場合もあるほか、動粘性係数が低いため、層流通流レベルが低くなる。層流域でのパワー変換のために、漏洩汚損対策を取りやすい環境では、動粘性率が高く、凍結温度が低い油系を使用するため、大きなサイズの設備の課題(0015)を解決することができる風水力発電装置。
【0054】
風パワーが風速の3乗に比例するため、カットオフ風速の上限を上げるため、風パワーを水力パワーに変換する風水混合装置、風液混合装置、風水完全変換装置を利用して、風水力発電装置を設置でき、高い風速までカットオフ上限を上げることで、低いカットオフ課題の(0016)を解決することができる風水力発電装置。
【0055】
船の壁面は船の進行方向とは別に、風流が流れ、進行方向の抵抗を増加させない手段で、その風流を利用する風力発電装置を設置でき、この(0017)課題を解決することができる風水力発電装置。
【0056】
船上に設置する風力装置は、空隙率が必ずしも高くないので、空隙率をゼロにする手段で、その風流を利用する風力発電装置を設置できるため、この(0018)課題を解決することができる風水力発電装置。
【0057】
海風を受ける断崖などに、コンパクト化して、高い空隙率の受風装置を設置して、そこで受風した風パワーを発電パワーとすることができるので、この(0019)課題を解決することができる風水力発電装置。
【0058】
現行の直立型防風林や防風網に対して、その日陰を少なくする傾斜面集風手段、すなわち、そこで間隙率ゼロの集風機構と発電装置を分離設置すれば、野作物への影響を少なく、風力パワーを活用できる集風機構を導入することができるので、その(0020)課題を解決することができる風水力発電装置。
【0059】
提案の間隙率ゼロの集風機構は、地上から高さは高くなくできる、つまり、農作物の受風を防止するための集風機構を低くできるため、その再集風範囲を狭くでき、防風効果を高め、併せて、この(0021)課題を解決することができる風水力発電装置。
【0060】
提案の間隙率ゼロの集風機構では、集風機構の高さを低くできるため、その再集風範囲を狭くでき、風力発電装置を密に設置して、この(0022)課題を解決することができる風水力発電装置。
【0061】
集風機構と発電機構を分離するので、発電機構を地上や地下に設置することで、集風機能が高いためカットイン風速を下げることができ、また、実用上の運転上限であるカットオフを上げることができ、その結果、幅広い風速流を活用できるので、飛躍的に設備稼働率、発電効率が上げることができるので、この(0023)の課題を解決できる風水力発電装置。
【0062】
集風機構と発電機構を分離するため、首振りヨー制御、ブレードの可変ピッチ制御、停止時のフェザーリング制御などの高度な制御機構は不要であり、これにより設備と保守費が安くできるため、この(0024)を解決できる風水力発電装置。
【0063】
複雑なブレード構造を不要とできるため、設備と保守費を低減できるため、この(0025)の課題できる風水力発電装置。
【0064】
風流パワーを水流パワーに変換する装置を導入することで、風力発電装置より実行的に、非常に高いエネルギー変換効率を持つ水力発電装置を利用でき、そのマイクロ水力、小水力、大規模水力装置は、多様であり、広範囲な受風パワーに応じて、投資効果の高い発電装置を選定することができるため、この(0026)の課題を解決できる風水力発電装置。
【0065】
地上設置型の発電装置は、その設備重量を気にせず設計できるため、重量軽減設計、大型工場機械が容易に使用できるため、装置設計・製作価格を低減できるので、この(0027)課題を解決することができる風水力発電装置。
【0066】
風の一般的な特性として、風速変動率が高いため、現行の風力装置は高度な速度調整機が必要となるが、風流パワーを水流パワーに変換する装置を導入することで、速度調整機能は低減でき、さらに、風流機構はコンパクト化できるため、その装置設計製作価格を低減できるので、この(0028)課題を解決することができる風水力発電装置。
【0067】
間隙率ゼロの集風機構を取り付け、その風流パワーを水流パワーに変換する混合風水装置を導入することで、風力と水力パワーを複合化原動機に接続する水力発電装置により、水力発電装置風流を風水混流化し、単一水流後、脱気して、水流による原動機に接続する水力発電装置により、この(0029)の課題を解決できる風水力発電装置。
【0068】
風流パワーを水流パワーに変換し、その水パワーは再循環利用する、あるいは、自らの貯蔵水を活用する。さらに、一時使用する方式とすれば、一時使用・再利用する水力発電装置であるため、水利権等を阻害することなく、水流再利用する原動機に接続する水力発電装置により、この(0030)を解決できる風水力発電装置。
【0069】
既存の水力発電設備、あるいは、今後建設する発電構造物に集風装置を取り付け、集風と水力発電水を混風水化することで、水力発電機能の向上と発電効率を上げることができるため、この(0031)の課題を解決できる風水力発電装置。
【0070】
船上での集風機構と発電機を分離することで、空間利用効率を高め、設備・保守コストの低減を図る原動機に接続する洋上水力発電装置として、活用することができるため、この(0032)課題を解決できる風水力発電装置。
【0071】
保守が困難な水中ケーブルのメッシュ敷設は不要、船上での保守もできるほか、地上へのアプローチも船であるため、洋上の停泊定点から地上の変電設備までの水中ケーブルだけで済むため、ケーブル敷設費は安く済み、船から港までの電力供給も可能な洋上水力発電蓄電装置船として活用できるため、この(0033)の課題を解決できる風水力発電装置。
【0072】
水力推進ジェット船に受風風力装置を設置して、風力パワーを直接、船の水進ジェット推進力装置とするほか、両翼に水力推進ジェット機能を併設すれば素早い方向変更は可能となり、それら水力推進ジェット装置により、推進効率を上げることができるので、洋上船推進装置として活用できるため、この(0034)の課題を解決できる風水力発電装置。
【0073】
集風と発電を分離して、高効率の発電電力を利用した洋上船内に、工場を設置して、できた製品を荷下ろしすることで、工場用地及びその環境対策課題の解消がきる洋上風力発電する洋上船発電装置として活用できるため、この(0035)の課題を解決できる風水力発電装置。
【0074】
本来、必要な砂防ダム、砂防林などの建造物は、本来、風力パワーにも耐える構造である。そのような丈夫な建造物の斜面、法面に簡易な集風機構を設け、その集風パワーを風力発電に接続、あるいは、混水パワーとして水力発電することで、現存の未利用場所に設置可能な風力発電と水力発電のコジェネ発電装置として活用できるため、この(0036)の課題を解決できる風水力発電装置。
【0075】
船上風力発電の場合、上記、間隙率ゼロの集風機構を利用することで、容易にメガワット級以上の発電が容易である。漁業交渉などの不要な沖合で、さらに、風害対策も不要な沖合で、その発電を船内蓄電装置で、蓄電するならば、それらに関する交渉がなくなり、早期の運転開始ができる洋上船発電装置として活用できるため、この(0037)の課題を解決できる風水力発電装置。
【0076】
南緯48度と南緯61度の間に南極防風域において、油田開発用に相当する洋上風水力プラットホームを設置して、風力パワーを凍結防止液で、風力パワー液パワー力に変換した洋上発電蓄電を行うことができるため、この(0038)の課題を解決できる風水力発電装置。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0077】
ラッパ型集風機構を持つ特許が既にある。
【特許文献1】実用新案登録第3238343号(U3238343)集風通路機構を持つ特許が既にある。
【特許文献2】特開2021-119299(P2021-119299A)箱型集風機構を持つ特許が既にある。
【特許文献3】特開2022-66969(P2022-66969A)船上に集風機構を持つ特許が既にある。
【特許文献4】実用新案登録第3236152号(U3236152)
【非特許文献】
【0078】
【非特許文献1】エネルギー変換談話会 編 「エネルギー変換工学」玉貫 滋著「自然エネルギー」 4.5風力エネルギー オーム社 昭和55年
【0079】
【非特許文献2】松島八十男 著、連続体力学、1995年9月25日発行、サイエンス社
【0080】
【非特許文献3】加藤 宏 著、水力学・流体力学、1984年4月29日発行、朝倉書店
【0081】
【非特許文献4】日野 幹夫 著、流体力学、昭和51年2月10日発行、朝倉書店
【0082】
【非特許文献5】大橋 秀雄 著、流体機械、1987年2月25日発行、森北出版株式会社
【0083】
【非特許文献6】弘山 尚直 著 発変電工学、1985年10月20日電気学会発行、オーム社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0084】
解決しようとする問題点の一つは、現行標準的に設置される3ブレード式風力発電装置においては、ブレード間の風流の捕捉率が低い、つまり、ブレード間の風流を風力パワーとして利用できていない点であり、あるいは、ブレード間を狭めた風力発電装置は、エネルギー変換効率が低いという欠点を持っている。
【課題を解決するための手段】
【0085】
本発明は、風流を全面的に捕捉する間隙率ゼロの集風機構で集風すること、この集風では、風力発電サイズが大ききなりすぎるため、その集風パワーを水シャワーで、まず混水状態の混風水パワーに変換によりサイズを縮小制御しつつ、気流と水流を分離制御し、通流断面制御で、最終水流速度維持、または、速度上昇させ、既存の水力発電装置で発電するシステム化したことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0086】
本発明の集風発電分離型風水混水力発電装置は、風力発電の理論効率は最大でも60%であり、実効では30%と言われているのに対して、既存の水力発電装置は最低でも、実行70%と言われているので、混風水力変換効率が、たとえ50%としても、実効風力発電装置より、パワー効率が高い。 さらに、集風効率が高いので、カットイン速度を下げることができ、また、地上設置集風機構であるため、カットオフ速度を大幅に上げることができるので、発電電力量を大幅に改善できる。
また、現行の風力発電装置は、風流の遮蔽性のない高い位置に置かれるため、風圧モーメントによる転倒を防止するため、設置地盤調査、建設コストが高くなるほか、風力発電本体の強い強度設計、製作、導入、保守コストが高くなるが、集風装置と発電装置は、地上に置くため、設備と保守コストが大幅に下げることができる。
その上、集風発電分離型の風水混水力発電装置は洋上、湖上、河川上の船に設置することができ、さらに、あらゆる風流がある建造物壁、自然岸壁、自然災害防止擁壁、道路橋壁、橋梁壁など、あらゆる未利用壁面にコンパクトな集風装置を設置することができ、その捕捉集風を地上風力発電装置、混水力発電装置に導くことができれば、適用範囲が大幅に拡大できるといメッリトがある。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【
図1】
図1は集風発電分離型風水混水力発電装置の実施方法を示した説明図である。
【
図2】
図2は集風発電分離型風水混水力発電装置の実施方法を示した説明図である。
【
図3】
図3は集風発電分離型風水混水力発電装置の複動120度3相3ピストン原動機を示した説明図である。
【
図4】
図4は集風発電分離型風水混水力発電装置の適用を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0088】
間隙率ゼロの連結可能な形状単位として、それらを一体連結し、その単位形状を上下左右に伸縮する集風機能、その集風流を風混水流に多段階変換する風水圧力変換機能、その過程で風水流を分離しつつ、そのリニア混水流をそのまま利用するジェット推進装置、あるいは、そのリニア混水流パワーを回転変流させる原動機機能、その回転原動機に接続して発電させる発電機能を備えて、それぞれを有機的に連結することで発電・蓄電システムを構築し、さらに、既存の陸上連系送配電網に連系するシステムと
上記発電・蓄電システムを船に中に設置し、その電力で化学工業プラントを稼働させ、あるいは、船上から海中、水中ケーブルにより、陸上の連系変電所に連系するシステム構成を構築することで、効率の良い風水力発電システムを実現した。
【実施例0089】
図1は、最も簡単な2つの混水力変換機構を持つ風混水変換機構である。集風機構が地面から低いため、飛来物が想定されることから、飛来物防止スクリーンを前面に設け、直ちに水シャワーで、混水状態を設けて、速度変換を行いつつ、断面縮小で、速度低下を防止ししながら、風流パワーを水流パワーに次第に変換していき、風流と水流が2層に分離させ、その混水パワーを機械変換する原動機まで導き、その原動機と水力発電装置に接続する混水力発電システムである。
なお、本発明の主体は既存の水力発電装置と商用周波送配電網に連系するので、水力発電装置と系統連系システムの説明は省略する。
風力発電および水力発電は、媒体質量密度流の運動エネルギーは、下記の数式1によって求まるということが数学的に既に分かっている。下記の表1に数式の各物理量の実用的な値の例を示す。
他の発電に関する数式は、既存のものを利用するので、関連数式は省略する。
【0090】
媒体密度流の機械パワーP(mech)を数式1に示す。
【数1】
[kW]
ここで、P(mech):原動機パワー[kW]
ρ:媒体容積密度[kg/m
3]、
A:媒体通流断面積[m
2]
v:媒体通流速度 [m/s]
g:重力加速度 [m/s
2]
h:水頭 [m]
η :変換効率
【0091】
ベルヌーイ定理に従う円筒内圧力Preを数式2に示す。この圧力等価変換で混水力変換を各段行い、設計定格速度となるように制御する。
【数2】
ここで、Pre(mech):通流圧力[kPa]
【0092】
原動力機関パワーを電気パワーに変換する変換式を数式3に示す。
【数3】
ここで、P(elec):発電機パワー[kW]
η :機械パワーから電気パワー変換効率[%]
【0093】
水車選定に利用する原動機比回転数を数式4に示す。
【数4】
ここで、Ns:原動機比回転数[kW/m]
N(r):原動機定格回転数[rpm]
【0094】
水が放出するときの損失係数ξを数式5に示す。
【数5】
【0095】
できるだけ管路長Lを短くすることが望ましいので、考慮する関係式として、管路長関係式を数式6に示す。
【数6】
d:管路直径[m]
λ:管路摩擦係数
管路摩擦係数λ=0.03として、できるだけ管路長を短くして、管路損失を少なくする。
【0096】
粘性、動粘性、通流速度、通流管路、媒質密度の関係式は層流条件として、レイノズル数Reを2300以下にすることして知られている。この式から、動粘性が大きな油を使うことが望ましい。
【数7】
Re:レイノズル数、
ν:動粘性係数、
μ:粘性係数
なお、液体層流上限速度は、レイノズル数2300とするとき、以下の数式8を示す。
【数8】
【0097】
質量保存の法則に従う円筒内通流質量速度dm/dtを数式9に示す。この混水質量等価変換式の断面積A、混水密度ρ、混水通流速度vの3者と、数式2の圧力式で混水密度ρ、混水通流速度二乗v
2式で、混水力変換制御を各段行い、さらに、速度が下がった場合は、速度を式9で、断面積縮小制御で補い、設計定格速度となるように制御する。
【数9】
ここで、dm/dt:通流質量速度
A:通流断面積 [m
2]
【0098】
ベルヌーイの定理を数式10に示す。
【数10】
h:通流路中心高さ位置、位置水頭[m]
【0099】
ブレード半径110m、カットオフ速度25m/sによる12.6MW風力発電公開計画を参考に計算結果は、黒枠とした。
本発明では、集風機構と発電装置分離したことにより、カットオフ速度25m/sを超えて発電することができるので、そのカットオフ速度上昇が容易であることから、30m/sから45m/sまで、計算比較し、混水力変換効率50%、水力発電効率を70%と控えめにし、総合効率35%とした場合の計算結果としても、歴然として、本発明の優位性を示し、その混水力発電装置想定比較表を表1に示す。
なお、建築基準法の13m以下建造物については、13m以上に比べて建造構造規定が緩和されること、繁茂する草木を避けるため、下部高さを1.5mとしたため、集風構造物高さを11.5mとし、集風壁全長を333mとして、計算した表を下記表1で示す。
【表1】
【0100】
比回転数から水車選定のための比較表を表2に示す。
【表2】
【0101】
完全に風力パワーを水流パワーに変換したあと、その水力パワーで水力発電する場合は、ハイドロバレー計画ガイドブック平成17年3月、経済産業省 資源エネルギー庁による水車選定図により、水車を選定する。
水量が十分に利用でき、一時変換時に使用するだけで、利用後に流しえる環境にある場合は、水車選定図を利用する。一方、水量を循環利用する場合は、その循環水量を考慮して、水車選定図を利用する。
水車を選定するにあたり、NEDOが公表した水車選定図を
図5として示す。
(
図5)
【0102】
上記に示した機械原動機パワーP(mech)[kW]の数式において、媒体容積密度ρ [kg/m3]、媒体通流断面積A[m2]、媒体通流速度v[m/s]、水力発電に使用する重力加速度g[m/s2]、水頭h[m]である。
これを利用して、表1は、数式1により計算して、求めた計画出力である。
【0103】
質量保存、圧力保存、ベルヌーイの定理に基づき、簡便な風水変換機構の
図1において,可能な限り、受風速度を上回る設計定格速度に達するように、風流混水制御を行い、数式1の水頭計算を行い、水力発電効率を低下させないように制御する。
【0104】
一般に、風力発電および水力発電は、媒体質量密度流の運動エネルギーを機械エネルギーに変換する原動機とその原動機運動エネルギーを電気エネルギーに変換後、商用周波連系変電所に連系する、あるいは、電気化学エネルギー等に蓄積し、インバータを介して、蓄積エネルギーを商用周波波に変電後、連系変電所に連系する。
【0105】
設計にあたっては、風流パワーを水流パワーに変換する装置を導入する場合、その水溜池から、放出する場合は、数式5の放出損失係数ζを考慮して決定する。
【0106】
また、数式9の質量一定の式と数式10のベルヌーイの定理に従い、さらに、断面変更にあたっては、ワイスバッハの実験式を参考に、かつ、断面傾斜角度は30度以下とするが、管路抵抗低減方法をして知られているので、管路損失を少なくするため、管路絞り込みにはその角度以下に制限する。
【0107】
管路長設計にあたっては、数式6の方程式で簡便的に管路摩擦係数λ=0.03として、できるだけ管路長を短くして、管路損失を少なくする。
【0108】
また、流速vは、レイノズル数Re、流体速度v、流体通流ダクト直径d、動粘性係数ν、粘性係数μ、とするとき、数式8と数式9のレイノズル数関係式から、層流を選定して、ダクト内損失を少なくする。
【0109】
そのため、液体であれば、動粘性係数が高い材料を利用することで、層流が容易に得られるので、凍結防止も兼ね、グリセリン、潤滑油などの高動粘性液体を利用する。
【0110】
さらに、風力パワーを気水混合パワー変換する場合は、気水混合パワーの混合比などを考慮して、適当な水車を水車選定図から選定する。
【0111】
集風気流を液流流変換するため、単動・複動3相平衡3ピストン式原動機を利用することで、脈動が平滑化され、その平滑パワーに電力変換することで、電力変換効率を上げることができる。
【0112】
その上、風力パワーは、3乗に変動するため、
図3の単動・複動3相平衡3ピストンを、単動、複動、単相ピストン化に制御することで、その大幅な変動を吸収できる。
【0113】
風力パワーは、数式1に示すように3乗に変動するため、高度な速度調速機が必要となるが、すべて直流変換し、直流蓄電すれば、高度な速度調速機は不要であり、その蓄電装置から、交流にインバートして、交流連系することができる。
【0114】
質量保存の数式9とベルヌーイの定理の数式10に基づき、気流と水流の境界条件を設定する。
【0115】
最初の第一混水率制御ステージは、集風の流れをスタグしないことと気流ダクト面積、容積を縮小するため集風装置と混水率・速度制御する混水機能を一体化させる。
【0116】
次の第二混水率制御ステージは、同様に集風の流れをスタグしないことと、さらなる気流ダクト面積、容積を縮小するため、面積を介した速度制御と混水率制御の両制御しながら、設計最大設計風力を考慮して、多段ステージをカスケードする。
【0117】
最終的には、混水流100%近くまでに達した段階で、初期風流を混水流、水流の運動エネンルギー変換制御する原動機制御装置を介した発電装置に接続する。
【0118】
キャビテーションを避けるため、サージタンクの役割を果たす供給水タンクの水位を最大でも5m以下に抑制する。
【0119】
水供給については、温湿度を測定して、絶対湿度表を参考に、供給水量を決定し、給水量制御するが、1%加水でも約10kg/m3であり、飽和水蒸気量(湿度100%、温度25℃で、23g/m3)を超えているので、すぐに気水分離する混合水状態であるため、水流速度をベースに、水流散布制御する混水制御機構で制御して、定格水流速度を確保するように制御する。
混水機構の別の案は、採口部は3図に同じ、水供給制御付きダクトからの水供給は、A1槽の水がなくなった段階で、水を供給し、水位が一定以上となった段階で、空気流を入れる。A2槽は待機して、A1槽の水がなくなった段階で、A2層が、混水機構が作動する。風流量に応じて、B1槽を設置して、可動はA1と同様、以下省略。
なお、本発明の主体は既存の水力発電装置と商用周波送配電網に連系するので、水力発電装置と系統連系システムの説明は省略する。