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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108810
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】作業管理装置
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/68 20060101AFI20240805BHJP
   G05D 1/43 20240101ALI20240805BHJP
   G05D 1/00 20240101ALI20240805BHJP
   A01D 34/00 20060101ALI20240805BHJP
   A01B 69/00 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
A01D34/68 K
G05D1/02 N
G05D1/00 Z
A01D34/00 Z
A01B69/00 303Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013391
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】小野 航汰
(72)【発明者】
【氏名】内田 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】小川 直秀
【テーマコード(参考)】
2B043
2B083
5H301
【Fターム(参考)】
2B043AA10
2B043AB20
2B043BA09
2B043BB11
2B043DA17
2B043DC03
2B043EA26
2B043EA32
2B043EA40
2B043EB05
2B043EB18
2B043EC02
2B083JA10
5H301AA01
5H301AA06
5H301BB01
5H301CC03
5H301CC04
5H301CC06
5H301CC07
5H301CC10
5H301GG09
(57)【要約】
【課題】作業エリアの状態を示すデータの効率的な取得及び時間の有効活用を実現する作業管理装置を提供すること。
【解決手段】作業管理装置3は、作業エリアWの利用予定を示すスケジュールを取得するスケジュール取得部30と、作業エリアWの状態を示すエリア情報を無人飛行装置2によって計測する計測作業の予定をスケジュールに設定するとともに、計測作業の予定の後であって利用予定が入っていない時間帯に作業機1の作業予定を設定する作業管理部31と、を備え、計測作業の予定については利用予定と重なる時間帯に設定することが可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業エリアの利用予定を示すスケジュールを取得するスケジュール取得部と、
前記作業エリアの状態を示すエリア情報を無人飛行装置によって計測する計測作業の予定を前記スケジュールに設定するとともに、前記計測作業の予定の後であって前記利用予定が入っていない時間帯に作業機の作業予定を設定する作業管理部と、を備え、
前記計測作業の予定については前記利用予定と重なる時間帯に設定することが可能である、作業管理装置。
【請求項2】
前記エリア情報を取得するエリア情報取得部と、
前記エリア情報に基づいて前記作業機の移動経路を生成する作業経路生成部と、を更に備える、請求項1に記載の作業管理装置。
【請求項3】
前記作業機は、芝刈り機であり、
前記無人飛行装置は、芝刈り後の刈芝を移動させる処理装置を備え、
前記作業管理部は、前記作業機の前記作業予定の時間帯に、前記無人飛行装置に前記処理装置を用いた後処理作業を実行させる予定を設定する、請求項1又は2に記載の作業管理装置。
【請求項4】
芝刈り機が刈り取った刈芝の排出方向を示す情報を少なくとも含む機体情報を取得する芝刈り情報取得部と、
前記芝刈り機の移動経路を取得し、前記移動経路と前記刈芝の排出方向とに基づいて、前記無人飛行装置の移動経路を生成する後処理経路生成部と、を備える、請求項3に記載の作業管理装置。
【請求項5】
前記機体情報には、前記芝刈り機の機体のサイズが含まれ、
前記後処理経路生成部は、
前記無人飛行装置の機体サイズを取得し、前記芝刈り機の機体サイズと前記無人飛行装置の機体サイズと前記刈芝の排出方向とに基づいて後処理作業中の前記芝刈り機と前記無人飛行装置の相対距離を算出し、
前記相対距離と前記芝刈り機の移動経路と前記刈芝の排出方向とに基づいて前記無人飛行装置の移動経路を生成する、請求項4に記載の作業管理装置。
【請求項6】
前記後処理経路生成部は、前記刈芝の排出方向が左右方向の一側の場合は、前記芝刈り機の移動経路に対して前記左右方向の一側にずれるように、前記無人飛行装置の移動経路を生成する、請求項4又は5に記載の作業管理装置。
【請求項7】
前記芝刈り情報取得部は、移動経路において芝刈り作業を行っている区間と芝刈り作業を行っていない区間を区別する作業情報を更に取得し、
前記後処理経路生成部は、前記芝刈り作業を行っていない区間を反映して移動距離が短縮されるように前記ドローンの移動経路を生成する、請求項4又は5に記載の作業管理装置。
【請求項8】
前記芝刈り情報取得部は、移動経路において芝刈り作業を行っている区間と芝刈り作業を行っていない区間を区別する作業情報を更に取得し、
前記後処理経路生成部は、前記芝刈り作業を行っていない区間に合わせて前記ドローンの移動経路における後処理作業を行わない区間を設定する、請求項4又は5に記載の作業管理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドローン等の無人飛行装置を利用して所定のエリアの状態を撮像して当該エリアの状態を把握する技術が知られている。この種の技術に関するものとして、例えば、特許文献1がある。
【0003】
特許文献1は、自律走行清掃装置と無人飛行装置を備える清掃システムに関するものである。特許文献1では、自律走行清掃装置が備える制御部が、無人飛行装置の撮像部によって撮像された撮像データを環境地図に関連付けることで、撮像データを環境地図に反映させるデータ反映部として機能することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-162208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、芝刈り作業の現場では、人手が不足しており、作業品質のバラつきが問題となっている。人手不足及び作業品質の担保を行うために自律移動型の芝刈り機を利用することが考えられる。しかしながら、芝刈り対象の作業エリアは、搬送作業やレクリエーション等の他の用途で利用されることも多い。また、自律移動型の芝刈り機の移動経路は、芝地の形状等に応じて決める必要があるため、作業エリアの状態を示すデータを事前に取得しておく必要もある。
【0006】
本発明は、作業エリアの状態を示すデータの効率的な取得及び時間の有効活用を実現する作業管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明に係る作業管理装置は、作業エリアの利用予定を示すスケジュールを取得するスケジュール取得部と、前記作業エリアの状態を示すエリア情報を無人飛行装置によって計測する計測作業の予定を前記スケジュールに設定するとともに、前記計測作業の予定の後であって前記利用予定が入っていない時間帯に作業機の作業予定を設定する作業管理部と、を備え、前記計測作業の予定については前記利用予定と重なる時間帯に設定することが可能である。
【0008】
(2) 上記(1)の作業管理装置において、前記エリア情報を取得するエリア情報取得部と、前記エリア情報に基づいて前記作業機の移動経路を生成する作業経路生成部と、を更に備えてもよい。
【0009】
(3) 上記(1)又は(2)の作業管理装置において、前記作業機は、芝刈り機であり、前記無人飛行装置は、芝刈り後の刈芝を移動させる処理装置を備え、前記作業管理部は、前記作業機の前記作業予定の時間帯に、前記無人飛行装置に前記処理装置を用いた後処理作業を実行させる予定を設定してもよい。
【0010】
(4) 上記(3)の作業管理装置において、芝刈り機が刈り取った刈芝の排出方向を示す情報を少なくとも含む機体情報を取得する芝刈り情報取得部と、前記芝刈り機の移動経路を取得し、前記移動経路と前記刈芝の排出方向とに基づいて、前記無人飛行装置の移動経路を生成する後処理経路生成部と、を備えてもよい。
【0011】
(5) 上記(4)の作業管理装置において、前記機体情報には、前記芝刈り機の機体のサイズが含まれ、前記後処理経路生成部は、前記無人飛行装置の機体サイズを取得し、前記芝刈り機の機体サイズと前記無人飛行装置の機体サイズと前記刈芝の排出方向とに基づいて後処理作業中の前記芝刈り機と前記無人飛行装置の相対距離を算出し、前記相対距離と前記芝刈り機の移動経路と前記刈芝の排出方向とに基づいて前記無人飛行装置の移動経路を生成してもよい。
【0012】
(6) 上記(4)又は(5)の作業管理装置において、前記後処理経路生成部は、前記刈芝の排出方向が左右方向の一側の場合は、前記芝刈り機の移動経路に対して前記左右方向の一側にずれるように、前記無人飛行装置の移動経路を生成してもよい。
【0013】
(7) 上記(4)から(6)いずれかの作業管理装置において、前記芝刈り情報取得部は、移動経路において芝刈り作業を行っている区間と芝刈り作業を行っていない区間を区別する作業情報を更に取得し、前記後処理経路生成部は、前記芝刈り作業を行っていない区間を反映して移動距離が短縮されるように前記無人飛行装置の移動経路を生成してもよい。
【0014】
(8) 上記(4)から(6)いずれかの作業管理装置において、前記芝刈り情報取得部は、移動経路において芝刈り作業を行っている区間と芝刈り作業を行っていない区間を区別する作業情報を更に取得し、前記後処理経路生成部は、前記芝刈り作業を行っていない区間に合わせて前記無人飛行装置の移動経路における後処理作業を行わない区間を設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る作業管理装置としてのサーバが適用される作業管理システムの構成を示す模式図である。
図2】本実施形態の刈芝の排出方向が左右方向の芝刈り機を概略的に示す平面図である。
図3】本実施形態の芝刈り機の機能ブロック図である。
図4】本実施形態のドローンを概略的に示す模式断面図である。
図5】本実施形態のドローンの機能ブロック図である。
図6】本実施形態のサーバの機能ブロック図である。
図7】刈芝の排出方向が左右方向の芝刈り機及びドローンを概略的に示す平面図である。
図8】刈芝の排出方向が後方の芝刈り機及びドローンを概略的に示す平面図である。
図9】芝刈り機の作業情報を反映したドローンの移動経路の一例を示す平面図である。
図10】計測作業から芝刈り作業までの流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る作業管理装置としてのサーバ3が適用される作業管理システム100の構成を示す模式図である。図1に示すように、作業管理システム100は、自律移動型の芝刈り機1と、自律移動型のドローン2と、芝刈り機1とドローン2の作業を管理するサーバ3と、を備える。
【0017】
図1には、サーバ3が取得したスケジュールに基づき、日中にドローン2による作業エリアWの計測作業が実行される様子が示されるとともに、利用されていない時間帯(夜間)に芝刈り機1による芝刈り作業が実行される様子が示されている。
【0018】
芝刈り機1の構成について説明する。図2は、本実施形態の刈芝の排出方向が左右方向の芝刈り機1を概略的に示す平面図である。図3は、本実施形態の芝刈り機1の機能ブロック図である。
【0019】
図2及び図3に示す芝刈り機1は、作業エリアW内の植生200に対して芝刈り作業を実行する自律移動型のロボットである。芝刈り機1は、芝刈り機本体11と、走行装置12と、撮像装置13と、制御装置14と、通信装置19と、を備える。
【0020】
芝刈り機本体11は、芝を刈り取る機構である刈取部15と、刈取部15によって刈り取られた刈芝を芝刈り機本体11の外部に排出する排出部16と、を備える。
【0021】
刈取部15は、芝刈り機本体11の下部に配置される回転式の複数のブレード17a~17cを有する。複数のブレード17a~17cのうちの1つであるブレード17aは芝刈り機本体11下面の中心に配置される。以下の説明において、ブレード17aの回転軸中心が芝刈り機1の中心C1とする。残りの2つのブレード17bとブレード17cは、ブレード17aの左右両側に配置される。ブレード17b及びブレード17cは、何れも、ブレード17aよりも前後方向において後側に位置している。複数のブレード17a~17cの回転により、植生200の芝が切断される。
【0022】
排出部16は、刈取部15が刈り取った刈芝を刈取部15内部から外部に排出する。図2の例の排出部16は、刈芝を左右方向に排出するサイドディスチャージ方式である。この例の芝刈り機1は、右側へ折り返す移動経路91に従って走行する。そのため、図2に示すように、排出部16は芝刈り機1の左側に配置されており、芝刈り機1の左側に刈芝を放出する構成となっている。なお、芝刈り機1の移動経路91が左側に折り返す場合、排出部16は、芝刈り機1の右側に配置されることになり、芝刈り機1の右側に刈芝を放出する構成となる。
【0023】
走行装置12は、芝刈り機本体11を移動させるため手段である。走行装置12は、例えば、左右一対ずつの前輪、後輪及びこれを駆動するモータ、及び進行方向を変更する機構等によって構成される。
【0024】
撮像装置13は、芝刈り機本体11に配置される。撮像装置13が撮像した画像は、自律移動の制御等のために制御装置14に送信される。
【0025】
制御装置14は、芝刈り機1の自律移動、芝刈り動作及びサーバ3との通信処理等の各種制御を実行するコンピュータである。制御装置14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理を行う演算部141、演算部141がブログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納するためのRAM(Random Access Memory)等の主記憶装置142、アプリケーションソフトウェアやOS(Operating System)等の各種の制御用プログラムを格納したHDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置143等によって構成される。また、制御装置14は、芝刈り機1の各部に電力を供給するバッテリ144と、芝刈り機1の位置を特定するための測位装置145と、を備える。測位装置145は、例えば、GPS(Global Positioning System)等のGNSS(Global Navigation Satellite System)の測位衛星からの信号を受信する受信部や加速度センサ等によって構成される。
【0026】
通信装置19は、芝刈り機1が外部機器と通信するためのものである。通信装置19を介して芝刈り機1は、サーバ3又はドローン2と各種情報の送受信を行う。
【0027】
次に、ドローン2について説明する。図4は、本実施形態のドローン2を概略的に示す模式断面図である。図5は、本実施形態のドローン2の機能ブロック図である。図4及び図5に示すドローン2は、作業エリアWの情報を取得するとともに、芝刈り後に芝刈り機1から放出された残置物(刈芝)の後処理(ブロア作業)を実行する自律移動型のロボットである。ドローン2は、ドローン本体21と、撮像装置23と、制御装置24と、通信装置29と、を備える。
【0028】
ドローン本体21は、ドローン本体21を移動させるための飛行手段として気流発生装置22を備える。気流発生装置22は、複数(合計4枚)の回転翼25を有する。複数の回転翼25は、ドローン本体21に内蔵される不図示の走行用モータの駆動によって駆動する。複数の回転翼25のそれぞれの回転方向及び回転速度等が制御されることにより、ドローン本体21の浮上、移動、向きの変更等が実現される。
【0029】
気流発生装置22は、回転翼25の回転によって浮上だけではなく、所定方向に気流AFを発生させることができる。ドローン本体21の下部には開口部26が形成されている。気流発生装置22は、回転翼25によって下向きの気流AFを生じさせるにより、開口部26を通じて作業エリアWの地面Gに空気を吹き付けることができる。ドローン本体21の浮上、移動及び向きを調整することにより、気流AFの向きは、制御(変更)することができる。
【0030】
気流発生装置22は、気流AFの向き(空気の噴出方向)や強さ(空気の噴出量)を調節することにより、作業エリアWの地面Gに存在する刈芝を移動させる(集める)作業を行うブロアとして機能する。気流発生装置22は、ドローン本体21から噴出する気流AFを調節することにより、地面Gに残置された刈芝を効率的に目標位置に移動させることができる。このように、気流発生装置22は、飛行手段兼ブロア装置(処理装置)である。
【0031】
なお、この例では、気流発生装置22を回転翼25によって構成しているが、この構成に限定される訳ではない。回転翼を有する複数のドローンの集合体をドローン本体21の内部に配置し、各ドローンの回転翼を回転させることによって気流を発生させてもよいし、回転翼以外の別途専用のブロア装置を備えるドローンによって気流を発生する構成としてもよい。
【0032】
撮像装置23は、ドローン本体21に配置される。本実施形態の撮像装置23は、3Dカメラである。撮像装置23が撮像した画像は、自律移動の制御や後述する作業エリアWの状態を取得するために制御装置24に送信される。
【0033】
制御装置24は、ドローン2の自律移動、ブロア動作及びサーバ3との通信処理等の各種制御を実行するコンピュータである。制御装置24は、例えば、CPU等の演算処理を行う演算部241、演算部241がブログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納するためのRAM等の主記憶装置242、アプリケーションソフトウェアやOS等の各種の制御用プログラムを格納したHDD等の補助記憶装置243等によって構成される。また、制御装置24は、ドローン2の各部に電力を供給するバッテリ244と、ドローン2の位置を特定するための測位装置245と、を備える。測位装置245は、例えば、GPS等のGNSSの測位衛星からの信号を受信する受信部や加速度センサ等によって構成される。
【0034】
通信装置29は、ドローン2が外部機器と通信するためのものである。通信装置29を介してドローン2は、サーバ3又は芝刈り機1と各種情報の送受信を行う。
【0035】
以上、ドローン2の構成例について説明した。本実施形態のドローン2は、作業エリアWの上空の適切な高度でホバリングを行って撮像装置23によって作業エリアWの撮影を行う計測作業と、刈芝を所定の場所に集めるブロア作業と、を実行できる。計測作業では、ドローン2は、可動体(例:人や動物)か不可動体(例:樹木、花壇、プール、水たまり)を判別するため、時間帯をずらして同じ箇所やエリアを複数回撮影する。これによって、可動体と不可動体を判別できるので、不可動体を障害物とみなして後述する走行エリアを設定できる。ブロア作業では、ドローン2は、芝刈り機1の芝刈り作業に連動しながら当該芝刈り機1から排出される刈芝を所定の箇所に集める動作を実行する。これによって刈芝を自動で収集する構成が実現される。ドローン2による計測作業とブロア作業は、本実施形態では異なるタイミングで実行される。計測作業とブロア作業を行うタイミングは、サーバ3によって決定される。
【0036】
次に、サーバ3について説明する。サーバ3は、芝刈り機1とドローン2の駆動を管理するコンピュータである。図6は、本実施形態のサーバ3の機能ブロック図である。
【0037】
図6に示すように、サーバ3は、例えば、CPU等の演算処理を行う演算部341、演算処理装置がブログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納するためのRAM等の主記憶装置342、アプリケーションソフトウェアやOS等の各種の制御用プログラムを格納したHDD等の補助記憶装置343、外部機器と各種の情報を送受信する通信装置344等によって構成される。
【0038】
補助記憶装置343には、スケジュール情報351と、地図情報352等が記憶される。スケジュール情報351は、作業エリアWに設定される利用予定を示すスケジュールである。作業エリアWの利用は、例えば、バーベキューパーティ等のレクリエーションの開催場所や一時的な資材の搬入場所等の一般利用の他、既に予定が確定している芝刈り機1の芝刈り作業やドローン2の計測作業やブロア作業等の作業利用も含まれる。地図情報352は、芝刈り機1やドローン2に記憶させるための作業エリアWを含む所定範囲の地図情報である。
【0039】
サーバ3は、演算部341によって実行される機能部として、スケジュール取得部30と、作業管理部31と、エリア情報取得部32と、作業経路生成部33と、芝刈り情報取得部34と、後処理経路生成部35と、を備える。
【0040】
スケジュール取得部30は、ユーザによって指定される作業エリアWのスケジュールを取得する。スケジュールの取得は、ユーザによって入力される形式でもよいし、外部のスケジュール管理サービスから取得される形式でもよい。
【0041】
作業管理部31は、作業エリアWのスケジュールに基づいて芝刈り機1やドローン2の作業を管理する。なお、作業エリアWは、スマートフォン等の外部端末を介してユーザによって指定されてもよい。
【0042】
作業管理部31は、芝刈り作業を行う旨の指示を受け付けると、ドローン2による計測作業の予定を計測予定としてスケジュールに設定する。作業管理部31は、一般利用や作業利用が設定されているか否かに関わらず、ドローン2の予定が空いている日中に計測予定を設定する。計測作業は、ドローン2によって実行されるため、ドローン2を利用できる状態であれば、他の予定と同じ時間帯に設定してもよい。例えば、作業エリアWが一般利用されている状態でドローン2による計測作業が実行されてもよいし、芝刈り機1による芝刈り作業が行われている状態でドローン2による計測作業が実行されてもよい。本実施形態の作業管理部31は、ドローン2の撮像装置23は可視光を利用するため、日中の時間帯に計測予定を入れること優先する設定になっている。
【0043】
作業管理部31は、ドローン2による計測作業の予定の後に、芝刈り機1による芝刈り作業の予定を設定する。芝刈り作業は、スケジュールにおいて一般利用の予定や作業予定が入っていない時間帯に設定される。本実施形態の作業管理部31は、日中は一般利用が入る可能性も高いため、芝刈り作業については夜間に予定を入れる設定になっている。例えば、計測作業の予定の直近の夜間であって一般利用の予定や他の作業予定が入っていない時間帯に芝刈り作業の予定が設定される。なお、作業管理部31は、芝刈り作業の予定を設定すると、芝刈り作業の予定を設定した時間帯にドローン2のブロア作業の予定も設定する。これによって、芝刈り機1とドローン2は、芝刈り作業において芝刈り作業及びブロア作業を同時に行うことになる。
【0044】
また、作業管理部31は、芝刈り機1又はドローン2が、充電、雨天又は作業者の指示等によって作業を中断した場合は、作業中断を示す情報とともに、芝刈り機1、ドローン2又はその両方の位置を補助記憶装置343に記憶させる。これによって、中断位置が記憶される。芝刈り機1とドローン2の両方の作業が中断した場合は、それぞれの中断位置に基づいて相対距離が維持された位置関係を再現して作業再開を行うことができる。
【0045】
エリア情報取得部32は、計測作業の予定に従って作業エリアWの状態を示すデータを取得する指示をドローン2に対して送信する。ドローン2は、エリア情報取得部32の指示を受信すると指示内容を補助記憶装置243に記憶する。ドローン2は、予定の時間になると計測作業を実行して作業エリアWの状態を示す情報を取得し、当該情報をサーバ3に送信する。これによって、エリア情報取得部32は、作業エリアWの状態を示す情報を取得することになる。
【0046】
作業経路生成部33は、ドローン2から取得した作業エリアWの状態に基づいて走行可能な走行可能エリアを特定する。まず、作業経路生成部33は、作業エリアWの状態を示すエリア情報を画像解析して、地面の凹凸、勾配、濡れ具合、障害物等の位置(座標)や大きさ(範囲)、色に関するデータを抽出し、作業エリアWの地図情報352の座標に関連付ける。この画像解析により抽出された地面の凹凸、勾配、濡れ具合、障害物等が作業エリアWの状態を示す項目となる。
【0047】
作業エリアWの状態を示す項目のそれぞれには走行可能か否かを判定する基準としての閾値が予め設定されている。例えば、凹凸については高さ閾値、勾配については角度閾値、濡れ具合については水分量閾値等がそれぞれ設定されている。作業経路生成部33は、作業エリアWの状態を示す項目が閾値を越えているか否か判定する。閾値を越えている場合には、その越えた項目に対応する場所を走行不可能と判定する。また、障害物が存在する場所についても走行不可能と判定する。障害物の判定については、セマンティックセグメンテーション技術を活用した教師有り学習によってモデルを構築し、構築したモデルを用いて行ってもよい。これらの処理を地図情報352に基づいて作業エリアWの全ての場所(所定の座標)で行うことにより、作業エリアWにおける走行可能エリアを特定する。
【0048】
作業経路生成部33は、走行可能エリアにおける芝刈り機1の移動経路91を生成する。移動経路91は、例えば、走行可能エリアを網羅する連続する最短経路である。また、作業経路生成部33は、作業エリアWのそれぞれの場所の状態に適した運行情報を移動経路91に関連付ける。運行情報は、例えば、走行速度やブレード17a~17cの回転数等である。例えば、移動経路91において、閾値を越えなかったため走行不可能なエリアではないものの、勾配や濡れ具合の程度が所定の基準を越えている場所では、速度域を下げる等の設定が行われる。運行情報は、移動経路91を所定の範囲で分割した領域ごとに設定することができる。
【0049】
作業経路生成部33は、スケジュールにおける芝刈り作業の予定、移動経路91及び運行情報を含む走行計画を芝刈り機1に送信する。芝刈り機1は、作業経路生成部33から受信する走行計画を補助記憶装置143に記憶し、作業管理部31によって設定されたスケジュールに基づいて芝刈り作業を実行する。例えば、芝刈り機1は、スケジュールにおいて、作業エリアWの空き時間(例えば、夜間)に芝刈り作業を実行する。
【0050】
芝刈り機1の機体情報は、芝刈り機1のサイズ、ブレード17a~17cの個数及び長さ、刈芝の排出方向等である。芝刈り機1の作業情報は、走行速度、回転数等のブレード17a~17cの動作状況、ブレード17a~17cの地上高等である。芝刈り機1の作業情報は、芝刈り作業時に芝刈り機1から直接取得してもよいし、ユーザの入力によって取得されてもよい。芝刈り情報取得部34は、取得した芝刈り機1の機体情報及び作業情報を、移動経路91に関連づけて補助記憶装置343に記憶させる。
【0051】
後処理経路生成部35は、芝刈り機1の移動経路91と、刈芝の排出方向と、芝刈り機1とドローン2の間の相対距離(離間距離)と、に基づいてドローン2の移動経路92を生成する。
【0052】
芝刈り機1とドローン2の間の相対距離は、ドローン2が芝刈り機1に接触しないように設定される。なお、相対距離は、芝刈り機1とドローン2が、Wi-Fi(登録商標)等の近距離無線通信の範囲内とする。
【0053】
まず、図7を参照し、刈芝の排出方向が左右方向の場合について説明する。図7は、刈芝の排出方向が左右方向の芝刈り機1及びドローン2を概略的に示す平面図である。図7には、芝刈り後に芝刈り機1から放出された残置物(刈芝)201の後処理(ブロア作業)を実行するドローン2が示されている。
【0054】
刈芝の排出方向が左右方向の場合、芝刈り機1の移動経路91に対して左右方向(ドローン2の幅方向)にオフセットするように、左右方向における相対距離が設定される。
【0055】
この左右方向のオフセット量d1は、例えば、芝刈り機1の幅方向端部が、ドローン2の吹き出し口となる開口部26の端部と重なるように設定される。芝刈り機1の幅方向端部は、外側に位置するブレード17cの回転軸中心位置からブレード17cの半径の長さを左右方向で加えた位置としてもよい。このオフセット量d1が芝刈り機1の移動経路に加算されることにより、左右方向(ドローン2の幅方向)でのドローン2の相対位置が決まることになる。即ち、ドローン2の移動経路は、芝刈り機1の移動経路に対して左右方向にずれた状態となる。これによって、ドローン2のブロアの開口部26の中心C2の幅方向における位置も決まる。
【0056】
また、相対距離のうち、前後方向(芝刈り機1又はドローン2の進行方向)における距離は、ドローン2によって吹き飛ばされた刈芝が芝刈り機1にかからないように、所定距離d2(例:3m)後方となるように設定される。
【0057】
このように芝刈り機1に対する前後左右の相対距離が設定されることにより、ドローン2の移動経路92が設定される。この例では、ドローン2は、芝刈り作業中の芝刈り機1に対して斜め後方に位置するように当該芝刈り機1に追従する。
【0058】
次に、図8を参照して排出方向が左右方向ではなく後方に設定される場合の相対距離について説明する。図8は、刈芝の排出方向が後方の芝刈り機1a及びドローン2を概略的に示す平面図である。
【0059】
図8に示す芝刈り機1aは、排出部18の構成が異なる以外は図7に示す芝刈り機1と同様の構成である。排出部18以外の構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。図8の例に示す排出部18は、芝刈り機本体11の後方に配置されており、刈芝の排出方向が後方となるリアディスチャージ方式である。
【0060】
刈芝の排出方向が後方の場合、左右方向における相対距離は、0に設定される。従って、ドローン2の移動経路92は、芝刈り機1aの移動経路91に沿うものとなり、同じ位置を走行する場合、芝刈り機1aの中心C1の位置と、ドローン2の幅方向の中心C2の位置と、が一致することになる。
【0061】
一方、前後方向における相対距離は、刈芝の排出方向が後方の場合においても、ドローン2によって吹き飛ばされた刈芝が芝刈り機1aにかからないように、所定距離d3(例:4m)後方となるように設定される。この所定距離d3は、刈芝が後方に排出されるため、排出方向が左右方向の場合の所定距離d2よりも長めに設定される。このように設定される相対距離により、ドローン2は、芝刈り作業中の芝刈り機1aに対して後方に位置しながら芝刈り機1aに追従する。
【0062】
なお、排出方向が左右方向及び後方の何れにおいても、ドローン2の移動経路92に基づくドローン2の移動時の走行速度や気流発生装置22によるブロア作業の有無等の作業情報は、芝刈り機1の作業情報に合わせて設定される。
【0063】
次に、作業情報を移動経路92に反映する処理について説明する。芝刈り機1の移動経路91において、刈取部15のブレード17a~17cが回転動作している場合は芝刈作業が行われているが、ブレード17a~17cが回転動作していない場合は芝刈り作業が行われておらず、刈芝も排出されていないことになる。そこで、ブレード17a~17cの回転動作の情報を含む作業情報をドローン2の移動経路92に反映させることにより、移動経路91における刈芝が排出されていない区間については、ブロア作業を行わないようにしたり、刈芝が排出されていない区間を通過しないように移動経路92を設定したりすることにより、より効率的なブロア作業を実現することができる。
【0064】
図9を参照して刈芝が排出されていない区間を通過しないように移動経路92を設定する処理について説明する。図9は、芝刈り機1の作業情報を反映したドローン2の移動経路92の一例を示す平面図である。
【0065】
図9に示すように、芝刈り機1が作業エリアWからアスファルトR上に出て、Uターンして作業エリアWに戻ってくるような場合において、アスファルトRではブレード17a~17cの回転動作が停止することになる。この情報は、ブレード17a~17cの回転動作の情報を含む作業情報に基づいて把握することができる。そこで、芝刈り機1が作業エリアWに戻ってくるまで作業エリアW内で待機し、芝刈り機1が戻った後にブロア作業を行うように、ドローン2の移動経路92を設定してもよい。即ち、芝刈り機1のブレード17a~17cの回転動作中の経路のみをつなぎ合わせ、そのつなぎ合わせた経路に対して上述の相対距離を保ったドローン2の移動経路92を生成するのである。
【0066】
なお、図9において、作業情報を反映しない場合の移動経路を利用する場合においても、上述の通り、当該区間ではブロア作業を行わない設定とすることができる。このように、移動経路92の生成方法は、事情に合わせて適宜変更することができる。
【0067】
次に、本実施形態のサーバ3によるスケジュール設定から芝刈り作業までの一連の処理の流れについて説明する。図10は、計測作業から芝刈り作業までの流れの一例を示すフローチャートである。
【0068】
ステップS1において、スケジュール取得部30が作業エリアWのスケジュールを取得する。ステップS2において、作業管理部31が、ドローン2の計測予定を設定するとともに、スケジュールの空き時間に芝刈り機1の芝刈り作業及びドローン2のブロア作業の予定を設定する。
【0069】
ステップS4において、エリア情報取得部32が、ドローン2に対して計測予定のスケジュールをドローン2に送信する計測指示を行う。ステップS5において、エリア情報取得部32は、スケジュール通りに実施された計測作業の結果である作業エリアWの状態を示すエリア情報を取得する。
【0070】
ステップS5において、作業経路生成部33は、エリア情報に基づいて走行可能エリアを特定する。ステップS6において、作業経路生成部33は、特定した走行可能エリアの範囲内で芝刈り機1の移動経路91を生成する。
【0071】
ステップS7において、芝刈り情報取得部34は、芝刈り機1の機体情報を取得する。この機体情報には、芝刈り機1の機体のサイズや刈芝の排出方向が含まれる。続いてステップS8において、芝刈り情報取得部34は、芝刈り機1の動作に関する作業情報を取得する。この作業情報には、上述のブレード17a~17cの動作情報が含まれる。
【0072】
ステップS9において、後処理経路生成部35は、芝刈り機1の機体のサイズや刈芝の排出方向に基づいて算出した相対距離と、芝刈り機1の移動経路91と、芝刈り機1の作業情報(ブレード17a~17cの動作情報)と、に基づいてドローン2の移動経路92を設定する。上述の通り、芝刈り機1の移動経路91において、ブレード17a~17cが動作していない区間が含まれる場合は、当該区間を除去してドローン2の移動経路92を設定する。
【0073】
ステップS10において、作業管理部31は、実施するスケジュール、移動経路91、運行情報等を含む走行計画を芝刈り機1に送信するとともに、ドローン2に実施するスケジュール、移動経路92等を含む作業計画を送信する。
【0074】
以上、説明したように、本実施形態の作業管理装置としてのサーバ3は、作業エリアWの利用予定を示すスケジュールを取得するスケジュール取得部30と、作業エリアWの状態を示すエリア情報をドローン2(無人飛行装置)によって計測する計測作業の予定をスケジュールに設定するとともに、計測作業の予定の後であって利用予定が入っていない時間帯に芝刈り機1(作業機)の作業予定を設定する作業管理部31と、を備え、計測作業の予定については利用予定と重なる時間帯に設定することができる。これにより、自律移動型の芝刈り機1により作業品質が平準化できるとともに、疲労等を気にする必要がないため作業時間帯の自由度が広がる。また、ドローン2によって空中で撮像した画像を活用することにより、地形を考慮した芝刈り機の走行経路を容易に生成することができる。また、日中は作業エリアをレクリエーション等の他の一般利用に活用しながら、ドローン2による計測作業を行い、作業エリアWが活用されていない夜間に芝刈り作業を行うことで、作業エリアWの活用度合いを高めることができる。更に、日中に計測作業が実行されるように計測予定を設定することにより、可視光を用いて精度の高い地形情報を得ることができる。
【0075】
また、本実施形態のサーバ3は、エリア情報を取得するエリア情報取得部32と、エリア情報に基づいて芝刈り機1の移動経路を生成する作業経路生成部33と、を更に備える。これにより、計測作業によって取得された作業エリアの状態を反映した移動経路91に基づいてより効率的な芝刈り作業を行うことができる。
【0076】
また、本実施形態では、ドローン2は、芝刈り後の刈芝を移動させる処理装置としての気流発生装置22を備え、作業管理部31は、芝刈り機1の作業予定の時間帯に、ドローン2に気流発生装置22を用いた後処理作業(ブロア作業)を実行させる予定を設定する。これにより、芝刈り作業とともに刈芝を所定の場所に移動させる後処理作業が実施されることになるので、後処理作業の時間を別途確保する必要がなくなる。従って、一般利用等にあてる時間が増え、作業エリアWをより有効に活用できる。
【0077】
また、本実施形態のサーバ3は、芝刈り機1が刈り取った刈芝の排出方向を示す情報を少なくとも含む機体情報を取得する芝刈り情報取得部34と、芝刈り機1の移動経路91を取得し、移動経路91と刈芝の排出方向とに基づいて、ドローン2の移動経路92を生成する後処理経路生成部35と、を備える。これにより、自律移動するドローン2の移動経路92を芝刈り機1の刈芝の排出方向に対応させることができるので、ドローン2による刈芝のブロア作業を効率化することができる。
【0078】
また、本実施形態では、機体情報には、芝刈り機1の機体のサイズが含まれ、後処理経路生成部35は、ドローン2の機体サイズを取得し、芝刈り機1の機体サイズとドローン2の機体サイズと刈芝の排出方向とに基づいて後処理作業中の芝刈り機1とドローン2の相対距離を算出し、相対距離と芝刈り機1の移動経路91と刈芝の排出方向とに基づいてドローン2の移動経路を生成する。これにより、自律移動する芝刈り機に対してドローン2を相対移動させるための移動経路92を複雑な処理を行うことなく生成できる。
【0079】
また、本実施形態では、後処理経路生成部36は、刈芝の排出方向が左右方向の一側の場合は、芝刈り機1の移動経路91に対して左右方向の一側にずれるように、ドローン2の移動経路92を生成する。これにより、芝刈り機1によって左右方向の一側に放出された刈芝の残置位置に対してドローン2の処理位置を正確に合わせることができるので、より一層効率的に刈芝を所定の場所まで移動させることができる。
【0080】
また、本実施形態では、芝刈り情報取得部34は、移動経路91において芝刈り作業を行っている区間と芝刈り作業を行っていない区間を区別する作業情報を更に取得し、後処理経路生成部35は、芝刈り作業を行っていない区間を反映して移動距離が短縮されるようにドローン2の移動経路92を生成する。これにより、芝刈り作業を行っていないため刈芝を後処理する必要がない区間を省略して実際の刈芝の排出に沿った効率的な移動経路92を生成できる。
【0081】
また、本実施形態では、芝刈り情報取得部34は、移動経路91において芝刈り作業を行っている区間と芝刈り作業を行っていない区間を区別する作業情報を更に取得し、後処理経路生成部35は、芝刈り作業を行っていない区間に合わせてドローン2の移動経路92における後処理作業を行わない区間を設定する。これにより、芝刈り作業を行っていないため刈芝を後処理(ブロア作業)する必要がない区間については後処理を行わないように後処理作業が行われることになる。従って、後処理を行うための動作に必要なエネルギーを省力できる。
【0082】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
【0083】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、上記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1,1a 芝刈り機
2 ドローン
3 サーバ(作業管理装置)
30 スケジュール取得部
31 作業管理部
32 エリア情報取得部
33 作業経路生成部
34 芝刈り情報取得部
35 後処理経路生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10