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特開2024-108811業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108811
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/163 20240101AFI20240805BHJP
   G06Q 40/12 20230101ALI20240805BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
G06Q40/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013395
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 駿
(72)【発明者】
【氏名】卯月 法晴
(72)【発明者】
【氏名】大野 仁
【テーマコード(参考)】
5L040
5L049
5L050
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB63
5L049CC29
5L050CC29
5L055BB63
(57)【要約】
【課題】預金口座に対する入出金の管理業務を支援する。
【解決手段】預金口座を特定するための口座情報、預金口座に対する入金を行った振込名義人、及び、入金額、預金口座からの引落による出金理由を示す摘要内容、及び、出金額、入金された日付又は引落された日付を示す取引日、を含む複数の入出金明細データから、記憶部に記憶されている口座情報と同じ口座情報が付されている入出金明細データを取得部が取得する。検出部は、振込名義人、摘要内容、振込名義人及び摘要内容に応じた仕訳パターン及び支払パターンが記憶された記憶部を参照し、取得された各入出金明細データに対応する振込名義人、仕訳パターン、及び、支払パターンを検出する。データ生成部は、検出された仕訳パターンに対応する仕訳データ、支払パターンに対応する支払データ、及び、振込名義人に対応する入金データを生成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、
預金口座を特定するための口座情報、
前記預金口座に対する入金を行った振込名義人、及び、入金額、
前記預金口座からの引落による出金理由を示す摘要内容、及び、出金額、
前記入金された日付又は引落された日付を示す取引日、
を含む複数の入出金明細データから、記憶部に記憶されている口座情報と同じ口座情報が付されている前記入出金明細データを取得する取得部と、
少なくとも前記振込名義人、前記摘要内容、前記振込名義人及び前記摘要内容に応じた仕訳パターン及び支払パターンが記憶された前記記憶部を参照し、取得された各前記入出金明細データに対応する前記振込名義人、前記仕訳パターン、及び、支払パターンを検出する検出部と、
検出された前記仕訳パターンに対応する、各前記入出金明細データの仕訳データ、検出された前記支払パターンに対応する入出金明細データの支払データ、及び、検出された前記振込名義人に対応する入金データを生成するデータ生成部と、
を有する業務支援装置。
【請求項2】
前記データ生成部は、前記検出部で前記仕訳パターンが未検出となった前記入出金明細データに対して、仕訳作業が未処理であることを示す未処理情報を付加した入出金明細データを生成し、未処理情報が付加された前記入出金明細データに対して、操作者により前記仕訳パターンが指定された際に、指定された前記仕訳パターンに対応する仕訳データを生成すること、
を特徴とする請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記預金口座は、所定の不動産物件に対する入出金が行われる預金口座であること、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
少なくとも、
預金口座を特定するための口座情報、
前記預金口座に対する入金を行った振込名義人、及び、入金額、
前記預金口座からの引落による出金理由を示す摘要内容、及び、出金額、
前記入金された日付又は引落された日付を示す取引日、
を含む複数の入出金明細データから、記憶部に記憶されている口座情報と同じ口座情報が付されている前記入出金明細データを取得部が取得する取得ステップと、
少なくとも前記振込名義人、前記摘要内容、前記振込名義人及び前記摘要内容に応じた仕訳パターン及び支払パターンが記憶された前記記憶部を検出部が参照し、取得された各前記入出金明細データに対応する前記振込名義人、前記仕訳パターン、及び、支払パターンを検出する検出ステップと、
データ生成部が、検出された前記仕訳パターンに対応する、各前記入出金明細データの仕訳データ、検出された前記支払パターンに対応する入出金明細データの支払データ、及び、検出された前記振込名義人に対応する入金データを生成するデータ生成ステップと、
を有する業務支援方法。
【請求項5】
コンピュータを、
少なくとも、
預金口座を特定するための口座情報、
前記預金口座に対する入金を行った振込名義人、及び、入金額、
前記預金口座からの引落による出金理由を示す摘要内容、及び、出金額、
前記入金された日付又は引落された日付を示す取引日、
を含む複数の入出金明細データから、記憶部に記憶されている口座情報と同じ口座情報が付されている前記入出金明細データを取得する取得部と、
少なくとも前記振込名義人、前記摘要内容、前記振込名義人及び前記摘要内容に応じた仕訳パターン及び支払パターンが記憶された前記記憶部を参照し、取得された各前記入出金明細データに対応する前記振込名義人、前記仕訳パターン、及び、支払パターンを検出する検出部と、
検出された前記仕訳パターンに対応する、各前記入出金明細データの仕訳データ、検出された前記支払パターンに対応する入出金明細データの支払データ、及び、検出された前記振込名義人に対応する入金データを生成するデータ生成部として機能させること、
を特徴とする業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2021-119476号公報)には、情報処理装置の一例として、サーバ、複数の端末装置、及び、インターネットバンキングサーバを、通信ネットワークを介して情報通信可能に接続して構成される経営支援システムが開示されている。
【0003】
このうち、サーバは、所定の仕訳ルールに基づいて入金明細データ又は出金明細データの勘定科目を推測し、推測された勘定科目による仮仕訳データを端末装置の表示部に表示する。また、表示した仮仕訳データの勘定科目がユーザにより変更されると、変更内容が反映された所定の仕訳ルールに基づいて入金明細データ又は出金明細データの勘定科目を再度推測して生成した仮仕訳データを端末装置の表示部に表示する。これにより、自動仕訳に対する訂正作業の負担を軽減可能とすることができる。
【0004】
ここで、多数の取引先からの入金又は多数の取引先に対する出金が行われる預金口座を管理する場合、預金口座の入出金に合わせて入出金明細データ及び仕訳伝票を生成し、会計システムに登録する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-119476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、入出金明細データ及び仕訳伝票の生成作業は、預金口座に対する入金及び出金が多くなるほど煩雑化する。そして、このような問題は、管理する預金口座の数が多くなるほど、より顕著となる。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、預金口座に対する入出金の管理業務を支援可能とした業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援装置は、少なくとも、預金口座を特定するための口座情報、預金口座に対する入金を行った振込名義人、及び、入金額、預金口座からの引落による出金理由を示す摘要内容、及び、出金額、入金された日付又は引落された日付を示す取引日、を含む複数の入出金明細データから、記憶部に記憶されている口座情報と同じ口座情報が付されている入出金明細データを取得する取得部と、少なくとも振込名義人、摘要内容、振込名義人及び摘要内容に応じた仕訳パターン及び支払パターンが記憶された記憶部を参照し、取得された各入出金明細データに対応する振込名義人、仕訳パターン、及び、支払パターンを検出する検出部と、検出された仕訳パターンに対応する、各入出金明細データの仕訳データ、検出された支払パターンに対応する入出金明細データの支払データ、及び、検出された振込名義人に対応する入金データを生成するデータ生成部と、を有する。
【0009】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援方法は、少なくとも、預金口座を特定するための口座情報、預金口座に対する入金を行った振込名義人、及び、入金額、預金口座からの引落による出金理由を示す摘要内容、及び、出金額、入金された日付又は引落された日付を示す取引日、を含む複数の入出金明細データから、記憶部に記憶されている口座情報と同じ口座情報が付されている入出金明細データを取得部が取得する取得ステップと、検出部が、少なくとも振込名義人、摘要内容、振込名義人及び摘要内容に応じた仕訳パターン及び支払パターンが記憶された記憶部を参照し、取得された各入出金明細データに対応する振込名義人、仕訳パターン、及び、支払パターンを検出する検出ステップと、データ生成部が、検出された仕訳パターンに対応する、各入出金明細データの仕訳データ、検出された支払パターンに対応する入出金明細データの支払データ、及び、検出された振込名義人に対応する入金データを生成するデータ生成ステップと、を有する。
【0010】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援プログラムは、コンピュータを、少なくとも、預金口座を特定するための口座情報、預金口座に対する入金を行った振込名義人、及び、入金額、預金口座からの引落による出金理由を示す摘要内容、及び、出金額、入金された日付又は引落された日付を示す取引日、を含む複数の入出金明細データから、記憶部に記憶されている口座情報と同じ口座情報が付されている入出金明細データを取得する取得部と、少なくとも振込名義人、摘要内容、振込名義人及び摘要内容に応じた仕訳パターン及び支払パターンが記憶された記憶部を参照し、取得された各入出金明細データに対応する振込名義人、仕訳パターン、及び、支払パターンを検出する検出部と、検出された仕訳パターンに対応する、各入出金明細データの仕訳データ、検出された支払パターンに対応する入出金明細データの支払データ、及び、検出された振込名義人に対応する入金データを生成するデータ生成部として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、預金口座に対する入出金の管理業務を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施の形態の業務支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図2は、比較例における預金口座の管理動作を示す図である。
図3図3は、実施の形態の業務支援装置の動作概要を示す図である。
図4図4は、仕訳入力画面の一例を示す図である。
図5図5は、仕訳パターンマスタの一例を示す図である。
図6図6は、支払予定入力画面の一例を示す図である。
図7図7は、支払パターンマスタの一例を示す図である。
図8図8は、マッチングマスタ入力画面の一例を示す図である。
図9図9は、マッチングマスタの一例を示す図である。
図10図10は、入居者マスタ入力画面の一例を示す図である。
図11図11は、入居者マスタの一例を示す図である。
図12図12は、物件口座入力画面の一例を示す図である。
図13図13は、物件口座マスタの一例を示す図である。
図14図14は、入出金明細データの一例を示す図である。
図15図15は、全国原稿協会連合会で規定されている入出金明細データのデータフォーマットを示す図である。
図16図16は、入出金明細取込処理画面の一例を示す図である。
図17図17は、処理ワークテーブルの一例を示す図である。
図18図18は、物件口座マスタに基づく、入出金明細データの物件コード及び預金口座の特定動作を説明するための図である。
図19図19は、特定された物件コード及び預金口座が入力されて処理ワークテーブルを示す図である。
図20図20は、マッチングマスタに基づいて検出された仕訳パターン及び支払パターンが入力された処理ワークテーブルを示す図である。
図21図21は、入居者マスタに基づいて検出された、家賃の振込を行った振込名義人が入力された処理ワークテーブルを示す図である。
図22図22は、仕訳データの生成動作を説明するための図である。
図23図23は、支払データの生成動作を説明するための図である。
図24図24は、入金データの生成動作を説明するための図である。
図25図25は、マッチングマスタ又は入居者マスタで引当ができなかった明細に対して「未処理」の状態入力が行われた処理ワークテーブルを示す図である。
図26図26は、「未処理」の状態入力が行われた処理ワークデータを検出する未処理チェック画面の一例を示す図である。
図27図27は、「未処理」の状態入力が行われた処理ワークデータを示す図である。
図28図28は、入出金明細データ登録画面の一例を示す図である。
図29図29は、入出金明細データ登録画面を介して、「未処理」の状態入力が行われた例を示す図である。
図30図30は、「未処理」の状態入力が「仕訳入力」又は「処理済」とされた入出金明細データに基づいて生成される処理ワークデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した実施の形態となる業務支援装置を、図面に基づいて詳細に説明する。一例ではあるが、この実施の形態は、不動産物件の一例である大型の集合住宅(いわゆるマンション)の賃貸契約者の賃料等の入金、光熱費及び通信料金等の出金が行われる預金口座の管理業務を支援する業務支援装置の例である。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0014】
(ハードウェア構成)
図1に示すように、実施の形態の業務支援装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部、印刷装置、又は、スピーカ装置等が相当する。入力装置6としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。
【0015】
通信インターフェース部4は、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網等のネットワーク50に接続される。ネットワーク50には、仕訳データの会計計上を行うソフトウェアプログラムである会計システム52が設けられた会計サーバ装置51、及び、所定の預金口座に対する入出金を示す入出金明細データを提供する銀行サーバ装置53が接続されている。なお、会計システム52は、図1に点線のブロックで示すように業務支援装置1側に設けてもよい。
【0016】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、預金口座の入出金の管理を行い、仕訳データ、支払データ及び入金データを生成する業務支援プログラムが記憶されている。また、記憶部2には、それぞれ後述する、仕訳パターンマスタ11、支払パターンマスタ12、マッチングマスタ13、入居者マスタ14、物件口座マスタ15、及び、処理ワークテーブル16が記憶されている。また、記憶部2には、業務支援プログラムに基づいて生成された仕訳データ、支払データ及び入金データが記憶される。
【0017】
(業務支援装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムを実行することで、図1に示すように、取得部21、検出部22、データ生成部23、表示制御部25、記憶制御部26及び通信制御部27として機能する。
【0018】
取得部21は、銀行サーバ装置53から提供される、業務支援装置1で管理する預金口座に対する入出金を示す入出金明細データを取得する。入出金明細データは、「預金口座を特定するための口座情報」、「預金口座に対する入金を行った振込名義人、及び、入金額」、「預金口座からの引落による出金理由を示す摘要内容、及び、出金額」、及び、「入金された日付又は引落された日付を示す取引日」を含む。預金口座としては、一例として銀行口座を例に説明を進めるが、郵便局の口座等の他の口座でもよい。
【0019】
検出部22は、少なくとも振込名義人、摘要内容、振込名義人及び摘要内容に応じた仕訳パターン及び支払パターンが記憶された記憶部(マッチングマスタ13等)を参照し、取得された各入出金明細データに対応する振込名義人、仕訳パターン、及び、支払パターンを検出する。
【0020】
データ生成部23は、検出部22で検出された仕訳パターンに対応する、各入出金明細データの仕訳データを生成する。また、データ生成部23は、検出部22で検出された支払パターンに対応する入出金明細データの支払データ、及び、検出された振込名義人に対応する入金データを生成する。
【0021】
表示制御部25は、後述する仕訳入力画面、支払予定入力画面、マッチングマスタ入力画面、入居者マスタ入力画面、物件口座入力画面、入出金明細取込処理画面、未処理チェック画面、入出金明細データ登録画面等を、出力装置7を介して表示する。
【0022】
記憶制御部26は、仕訳データ、支払データ及び入金データの記憶部2に対する記憶及び読み出しを制御する。
【0023】
通信制御部27は、通信インターフェース部4及びネットワーク50を介して、仕訳データを会計サーバ装置51の会計システム52に送信して会計計上する。
【0024】
また、データ生成部23は、検出部22で仕訳パターンが未検出となった入出金明細データに対して、仕訳作業が未処理であることを示す未処理情報を付加した入出金明細データを生成する。そして、未処理情報が付加された入出金明細データに対して、操作者(業務オペレータ)により仕訳パターンが指定された際に、指定された仕訳パターンに対応する仕訳データを生成する。業務オペレータは、仕訳パターンとして所望の仕訳パターンを指定し、又は、過去に用いた仕訳パターンを指定可能となっている。詳しくは後述する。
【0025】
(比較例の預金口座の管理形態)
ここで、比較例における預金口座の管理形態を説明する。例えば、マンション管理会社は、その管理委託業務内で、マンション管理組合の代わりに、組合会計処理を行っている。組合会計処理では、マンション管理組合名義の各口座残高と組合会計の科目残高を一致させる必要がある。預金口座への入金としては、マンション区分所有者からの管理費及び積立金の入金等が、月次の口座引落又は日々の振込としてある。また、預金口座からの支払としては、マンション管理会社への委託費支払、水光熱費等の変動額の支払、インターネット等の通信回線会社への固定額支払等がある。
【0026】
マンション管理会社は、このような預金口座の入出金に合わせて、図2に示すように支払データ、入金データ及び仕訳データを生成すると共に、仕訳データに基づいて会計処理を行いシステム登録する必要がある。
【0027】
しかし、マンションの口座管理は、預金口座管理用の通帳の残高の照合作業、入居者への請求との突合作業、管理組合宛の請求書の確認作業、処理漏れないように伝票処理を行いながらも、ズレが生じた場合は、通帳を一行ずつ確認し直す作業等が必要となる。このため、マンションの口座管理は、マンション管理会社の業務オペレータの大きな負担となっている。そして、管理数が多いマンション管理会社では、例えば1千棟以上のマンションの口座管理を行う必要があり、業務オペレータに対して、より大きな負担が掛かっている。
【0028】
(実施の形態の業務支援装置の動作概要)
このようなことから、実施の形態の業務支援装置1は、図3に示すように、仕訳パターンマスタ11、支払パターンマスタ12、入居者マスタ14、物件口座マスタ15に予め登録されている、仕訳パターン、支払パターン、入居者、及び、物件口座に基づいて、マッチングマスタ13に、管理している預金口座に対応する、物件コード、口座、入出金区分を示す入払区分、振替(出金)又は振込(入金)を示す取引区分、振込名義人、水道料又は電気量等の摘要内容、支払予定入力又は仕訳入力等の処理区分、仕訳パターン番号、及び支払パターン番号等を含むマッチングパターンを記憶させる。そして、銀行サーバ装置53から取得した各入出金明細データを、マッチングマスタ13に登録された各マッチングパターンと照合し、合致するマッチングパターンに基づいて、支払データ又は仕訳データを作成する。また、振込名義人及び摘要内容に基づいて、入金データを作成する。
【0029】
また、銀行サーバ装置53から取得した各入出金明細データのうち、マッチングマスタ13に登録された各マッチングパターンと合致しない入出金明細データに対しては、業務オペレータが所望の仕訳パターン、又は、過去に使用した仕訳パターンを指定して仕訳データを生成する。
【0030】
(各種マスタ設定)
次に、仕訳パターンマスタ11、支払パターンマスタ12、入居者マスタ14、物件口座マスタ15、及び、マッチングマスタ13に対するマスタ設定動作を説明する。
【0031】
(仕訳パターンマスタ)
まず、業務オペレータにより入力装置6を介して仕訳入力画面の表示が指定されると、表示制御部25は、仕訳パターンマスタ11に仕訳パターンを設定するための、図4に例示する仕訳入力画面を、出力装置7を介して表示する。
【0032】
図4に示すように、仕訳入力画面には、仕訳パターン番号の表示欄、所望の不動産物件の物件コードの選択欄、会計区分の選択欄、伝票の摘要内容の入力欄、及び、仕訳データを生成する際の勘定科目の設定欄が設けられている。
【0033】
仕訳パターン番号は、業務オペレータが所望の番号を入力してもよいし、制御部3が自動採番してもよい。物件コードは、図13に示す物件口座マスタ15に記憶されている物件コードがプルダウンメニューで一覧表示される。物件コードの右隣に表示される物件名は、現在、選択されている物件コードの物件名が、物件口座マスタ15に表示される。図4の例は、「0001」の物件コードが選択中であるため、この「0001」の物件コードに対応する「京橋マンション」の物件名が、「0001」の物件コードの右隣に表示される。
【0034】
マンション会計の場合、「一般会計」及び「積立金会計」の2種類の財務諸表を作成する必要がある。このため、「会計区分」としては、作成する財務諸表に応じて、「一般会計」又は「積立金会計」を選択可能となっている。
【0035】
「伝票摘要」としては、その仕訳パターンの摘要内容が指定される。この図4の例の場合、仕訳パターン番号が「0001」の仕訳パターンは、「電気料支払」の仕訳パターンであることを示している。
【0036】
また、この図4の例は、仕訳パターンコードが「0001」の仕訳パターンの仕訳データとしては、借方を「2001:電気料」、貸方を「1000:預金」、貸方補助を「101:京橋支店」とした仕訳データが生成されることを示している。
【0037】
記憶制御部26は、設定された各仕訳パターンの仕訳パターンデータを仕訳パターンマスタ11に記憶制御する。図5は、仕訳パターンマスタ11に記憶された仕訳パターンデータの一例を示す図である。この図5に示すように、仕訳パターンマスタ11には、上述のように仕訳入力画面に基づいて設定された各仕訳パターンの仕訳パターンデータが記憶される。
【0038】
この図5の例は、上述の「電気料支払」の仕訳パターンデータの他、マンションの敷地内の土地をサンカクパークの駐車場として貸し出していることによる賃貸料(駐車場収入)の仕訳パターンデータの例である。また、図5の例は、マンションの敷地内の土地を自動販売機の設置場所として貸し出していることによる賃貸料(自販機設置収入)の仕訳パターンデータの例である。
【0039】
(支払パターンマスタ)
次に、業務オペレータにより入力装置6を介して支払予定入力画面の表示が指定されると、表示制御部25は、支払パターンマスタ12に支払パターンを設定するための、図6に例示する支払予定入力画面を、出力装置7を介して表示する。
【0040】
図6に示すように、支払予定入力画面には、支払パターン番号の表示欄、会計区分の選択欄、所望の不動産物件の物件コードの選択欄、伝票の摘要内容の入力欄、支払予定データを生成する際の費目の入力欄、及び、計上月を示す計上月区分の入力欄等が設けられている。
【0041】
支払パターン番号は、業務オペレータが所望の番号を入力してもよいし、制御部3が自動採番してもよい。「会計区分」は、上述のように、作成する財務諸表に応じて、「一般会計」又は「積立金会計」のうち、いずれかが選択される。物件コードは、図13に示す物件口座マスタ15に記憶されている物件コードがプルダウンメニューで一覧表示された中から、業務オペレータが所望の物件コードを選択する。図6の例は、「0001」の物件コードが選択され、この「0001」の物件コードに対応する「京橋マンション」の物件名が、「0001」の物件コードの右隣に表示された例である。
【0042】
「伝票摘要」としては、その支払パターンを摘要する摘要内容が指定される。この図6の例の場合、支払パターン番号が「200001」の支払パターンは、「水道料支払」の支払パターンであることを示している。また、この図4の例は、この「水道料支払」は、「-1:前月」である前の月に計上されることを示している。
【0043】
記憶制御部26は、設定された各支払パターンの支払パターンデータを支払パターンマスタ12に記憶制御する。図7は、支払パターンマスタ12に記憶された支払パターンデータの一例を示す図である。この図7に示すように、支払パターンマスタ12には、上述のように支払予定入力画面に基づいて設定された各支払パターンの支払パターンデータが記憶される。
【0044】
この図7の例は、上述の「水道料支払」の支払パターンデータ、及び、費目が「20005:通信料」とされた「インターネット回線料」の支払パターンデータの例である。
【0045】
(マッチングマスタ)
次に、業務オペレータは、このような仕訳パターンマスタ11及び支払パターンマスタ12に基づいて、マッチングマスタ13の設定を行う。マッチングマスタ13の設定を行う場合、業務オペレータは、入力装置6を介してマッチングマスタ入力画面の表示を指定する。この指定がされると、表示制御部25は、マッチングマスタ13にマッチングパターンを設定するための、図8に例示するマッチングマスタ入力画面を、出力装置7を介して表示する。
【0046】
図8に示すように、マッチングマスタ入力画面には、物件及び口座の選択欄が設けられている。表示制御部25は、物件及び口座の選択欄に対して、図13に示す物件口座マスタ15に記憶されている物件コード、物件名、口座コード及び口座名をそれぞれプルダウンメニューで表示する。業務オペレータは、表示された物件コード及び口座コードの中から所望の物件コード及び口座コードを選択する。図8の例は、物件コードが「0001」の「京橋マンション」の物件と、「京橋マンション」に対する、口座コードが「01」の「収納口座 岩崎」の口座が選択された例である。
【0047】
また、図8に示すマッチングマスタ入力画面には、入払区分、取引区分、振込名義人、摘要内容(摘要)、処理区分、仕訳パターン番号、仕訳伝票摘要、支払パターン及び支払伝票摘要を含むマッチングパターンデータの設定を行う設定欄が設けられている。業務オペレータは、この設定欄に対して、出金又は入金の入払区分、振替又は振込の取引区分、振込を行う賃貸人又は法人等の振込名義人、水道料又は電気料等の摘要内容、及び、支払予定入力又は仕訳入力等の処理区分を設定する。
【0048】
また、表示制御部25は、図7に示した支払パターンマスタ12に基づいて、各支払パターン番号をプルダウンメニューで表示する。業務オペレータは、各支払パターン番号の中から所望の支払パターンの支払パターン番号を選択する。これにより、表示制御部25は、選択された支払パターン番号に対応する「水道料」等の伝票摘要を、図8に示す設定欄の支払伝票摘要に表示する。
【0049】
同様に、表示制御部25は、図5に示した仕訳パターンマスタ11に基づいて、各仕訳パターン番号をプルダウンメニューで表示する。業務オペレータは、各仕訳パターン番号の中から所望の仕訳パターンの仕訳パターン番号を選択する。これにより、表示制御部25は、選択された仕訳パターン番号に対応する「駐車場収入」又は「電気料支払」等の伝票摘要を、図8に示す設定欄の仕訳伝票摘要に表示する。
【0050】
記憶制御部26は、設定された各マッチングパターンのマッチングパターンデータをマッチングマスタ13に記憶制御する。図9は、マッチングマスタ13に記憶されたマッチングパターンデータの一例を示す図である。この図7に示すように、マッチングマスタ13には、上述のようにマッチングマスタ入力画面に基づいて設定された各マッチングパターンのマッチングパターンデータが記憶される。
【0051】
この図9の例は、京橋マンションの収納口座(岩崎)から引落される「水道料」の支払予定入力用のマッチングパターンとして、「200001:水道料」の支払パターンが設定された例である。また、図9の例は、京橋マンションの収納口座(岩崎)に対して「サンカクパーク株式会社」から入金される「駐車場収入」に対して、「1001:駐車場収入」の仕訳パターンが設定された例である。また、図9の例は、京橋マンションの収納口座(岩崎)から引落される「電気料」に対して、「0001:電気料支払」の仕訳パターンが設定された例である。
【0052】
(入居者マスタ)
次に、業務オペレータは、家賃の口座引落を行う入居者、又は、京橋マンションの預金口座に対して家賃の振込を行う入居者の入居者データを入居者マスタ14に設定する。入居者マスタ14の設定を行う場合、業務オペレータは、入力装置6を介して入居者マスタ入力画面の表示を指定する。この指定がされると、表示制御部25は、入居者マスタ14に入居者データを設定するための、図10に例示する入居者マスタ入力画面を、出力装置7を介して表示する。
【0053】
図10に示すように、入居者マスタ入力画面には、物件の選択欄、入居者が居住している棟の選択欄、部屋番号及び入居者名の入力欄が設けられている。業務オペレータは、この図10に示すように、「京橋マンションのA棟の1001号室」の入居者として「田中太郎(タナカタロウ)」を設定する。
【0054】
記憶制御部26は、設定された入居者データを入居者マスタ14に記憶制御する。図11は、入居者マスタ14に記憶された入居者データの一例を示す図である。この図11に示すように、入居者マスタ14には各入居者が賃貸契約している物件コード、棟、部屋番号、入居者名が記憶される。
【0055】
(物件口座マスタ)
次に、業務オペレータは、管理を行う物件の預金口座の物件口座データを物件口座マスタ15に設定する。物件口座マスタ15の設定を行う場合、業務オペレータは、入力装置6を介して物件口座入力画面の表示を指定する。この指定がされると、表示制御部25は、物件口座マスタ15に物件口座データを設定するための、図12に例示する物件口座入力画面を、出力装置7を介して表示する。
【0056】
図12に示すように、物件口座入力画面には、物件、口座、銀行及び支店の選択欄、口座番号の入力欄、及び、名義人の入力欄が設けられている。業務オペレータは、この図12に示すように、管理を行う京橋マンションの預金口座として、「岩崎銀行の東京営業部」設定すると共に、「1234567」との口座番号及び「マンションカンリクミアイ」との名義人を設定する。
【0057】
記憶制御部26は、設定された物件口座データを物件口座マスタ15に記憶制御する。図13は、物件口座マスタ15に記憶された物件口座データの一例を示す図である。この図13に示すように、物件口座マスタ15には、口座管理を行う京橋マンションの「収納口座」及び「保管口座」の銀行コード、銀行名、支店コード、支店名、口座番号及び名義人が記憶される。
【0058】
(各種データの生成動作)
実施の形態の業務支援装置1は、このように設定した各種マスタに基づいて、仕訳データ、支払データ及び入金データ等の各種データの自動生成を行い、業務オペレータによる口座管理業務の支援を図る。具体的には、業務オペレータにより、入出金明細データの取り込みを指定すると、制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムに基づいて表示制御部25として機能し、図16に例示する入出金明細取込処理画面を、出力装置7に表示する。
【0059】
業務オペレータにより、この入出金明細取込処理画面を介して、管理している預金口座の入出金明細データの取得が指定されると、制御部3は、業務支援プログラムに基づいて取得部21として機能し、図1に示す銀行サーバ装置53から提供されている、管理している預金口座の入出金明細データを取得する。入出金明細データは、図15に示すよう全国銀行協会連合会により規定されたフォーマットに沿ったデータとなっており、図14に例示するように、銀行コード、銀行名、支店コード、支店名、口座番号、口座名義人、取引日、振込名義人、摘要内容、入出金額、及び、口座残高等を含んで構成されている。
【0060】
入出金明細データが取得されると、制御部3は業務支援プログラムに基づいてデータ生成部23として機能し、イメージではあるが、図17に例示するように、取得された入出金明細データを取引日順に並べた処理ワークデータを生成する。制御部3は、記憶制御部26として機能し、生成された処理ワークデータを、図17に示すように処理ワークテーブル16に記憶制御する。
【0061】
処理ワークテーブル16には、物件コード、口座コード、行番号、状態、取引日、入払区分、取引区分、振込名義人、適要内容(適要)、出金額、入金額、残高、仕訳パターン番号、仕訳伝票番号、支払パターン番号、支払伝票番号、入金番号、及び、備考の各入力欄が設けられている。入出金明細データが取得された時点では、処理ワークテーブル16の取引日、入払区分、取引区分、振込名義人、適要内容(適要)、出金額、入金額、残高の各入力欄に対して、データ生成部23が、取得された入出金明細データに基づいて各種データの入力を行う。
【0062】
次に、データ生成部23は、図18に示すように、取得された入出金明細データのヘッダ情報に付加されている口座番号に基づいて、物件口座マスタ15を参照し、その入出金明細データの物件コード、物件名、口座コード及び口座名を検出する。そして、データ生成部23は、検出した物件コード、物件名、口座コード及び口座名を、図19に示すように処理ワークテーブル16の物件コード及び口座コードの入力欄にそれぞれ入力する。図19の例は、取得された入出金明細データのヘッダ情報に基づいて、「京橋マンション」の「0001」の物件コード、及び、「収納口座 岩崎」の「01」の口座コードが検出され、処理ワークテーブル16の各行のレコード(明細)に入力された例である。
【0063】
次に、制御部3は業務支援プログラムに基づいて検出部22として機能し、取得された入出金明細データのヘッダ情報から特定された物件コードに基づいて、図9に示したマッチングマスタ13を参照し、合致する(該当する)仕訳パターン又は支払パターンを検出する。
【0064】
図19の例の場合、検出部22は、処理ワークテーブル16の1行目の「サンカクパーク」からの入金に合致する仕訳パターンとして、図9に示したマッチングマスタ13の2行目に設定された、処理区分が「仕訳入力」で仕訳パターン番号が「1001:駐車場収入」の仕訳パターンを検出する。データ生成部23は、図20に示す処理ワークテーブル16の1行目の「状態」の入力欄に、「2:仕訳入力」の処理区分を入力すると共に、仕訳パターン番号の入力欄に、駐車場収入を示す「1001」の仕訳パターン番号を入力する。これにより、「サンカクパーク」からの駐車場収入に対応する仕訳パターンが関連付けされる。
【0065】
同様に、図19の例の場合、処理ワークテーブル16の2行目の「水道料(スイドウリョウ)」の出金に合致する支払パターンとして、図9に示したマッチングマスタ13の1行目に設定された、処理区分が「支払予定入力」で支払パターン番号が「200001:水道料」の支払パターンを検出する。データ生成部23は、図20に示す処理ワークテーブル16の2行目の「状態」の入力欄に、「1:支払予定入力」の処理区分を入力すると共に、支払パターン番号の入力欄に、水道料の引落を示す「200001」の仕訳パターン番号を入力する。これにより、「水道料」の引落に対応する仕訳パターンが関連付けされる。
【0066】
同様に、図19の例の場合、処理ワークテーブル16の3行目の「電気料(デンキリョウ)」の支払に合致する仕訳パターンとして、図9に示したマッチングマスタ13の3行目に設定された、処理区分が「仕訳入力」で仕訳パターン番号が「0001:電気料支払」の仕訳パターンを検出する。データ生成部23は、図20に示す処理ワークテーブル16の3行目の「状態」の入力欄に、「2:仕訳入力」の処理区分を入力すると共に、仕訳パターン番号の入力欄に、電気料の支払を示す「0001」の仕訳パターン番号を入力する。これにより、「サンカクパーク」からの駐車場収入に対応する仕訳パターンが関連付けされる。
【0067】
次に、検出部22は、上述のように入出金明細データのヘッダ情報に付加されている口座番号から特定した物件コードに基づいて、図11に示した入居者マスタ14を参照し、物件コードの物件(この例の場合、京橋マンション)に賃貸契約している入居者を検出する。
【0068】
図11の例の場合、「田中太郎(タナカタロウ)」及び「佐藤次郎(サトウジロウ)」が検出される。そして、検出部22は、図19に示す処理ワークテーブル16を参照し、入居者が振込名義人となっている入金を検出する。図19の例の場合、5行目のレコードの、「田中太郎(タナカタロウ)」からの賃料の入金が検出される。データ生成部23は、図21に示すように処理ワークテーブル16の5行目のレコードの入力欄に、「3:入金入力」の状態の入力を行う。
【0069】
このように、マッチングマスタ13、入居者マスタ14及び物件口座マスタ15等に基づいて、処理ワークテーブル16の各レコード(各入出金明細データ)の仕訳パターン、支払パターン又は賃料の振込が特定されると、データ生成部23は、下記のように仕訳データ、支払データ及び入金データを生成する。
【0070】
(仕訳データの生成)
まず、仕訳データの生成であるが、この例の場合、図22(a)に示すように「サンカクパーク」からの駐車場収入に対して、「1001」の仕訳パターン番号の仕訳パターンが関連付けされている。また、「電気料(デンキリョウ)」の引落に対して、「0001」の仕訳パターン番号の仕訳パターンが関連付けされている。このため、データ生成部23は、この仕訳パターン番号に基づいて、図5に示す仕訳パターンマスタ11を参照し、「1001」の仕訳パターン番号の仕訳パターン、及び、「0001」の仕訳パターン番号の仕訳パターンに対応する、勘定科目等を検出する。
【0071】
そして、データ生成部23は、図22(b)に示すように、処理ワークテーブル16の取引日を仕訳データの日付とし、処理ワークテーブル16の出金額を仕訳データの借方金額とし、処理ワークテーブル16の入金額を貸方金額とした仕訳データを生成する。これにより、図22(b)に示すように、サンカクパークからの駐車場収入、及び、電気料の引落に対応する仕訳データが生成される。
【0072】
(支払データの生成)
次に、支払データの生成であるが、この例の場合、図23(a)に示すように「水道料(スイドウリョウ)」の支払に対してからの駐車場収入に対して、「200001」の支払パターン番号の支払パターンが関連付けされている。このため、データ生成部23は、この支払パターン番号に基づいて、図7に示す支払パターンマスタ12を参照し、「200001」の支払パターン番号の支払パターンに対応する費目等を検出する。
【0073】
そして、データ生成部23は、図23(b)に示すように、処理ワークテーブル16の取引日を支払データの支払日とし、処理ワークテーブル16の出金額を支払データの金額とした支払データを生成する。これにより、図23(b)に示すように、水道料の支払に対応する支払データが生成される。
【0074】
(入金データの生成)
次に、入金データの生成であるが、この例の場合、図24(a)に示すように「田中太郎(タナカタロウ)」を振込名義人とした賃料の入金が行われている。このため、データ生成部23は、この振込名義人に基づいて、図11に示す入居者マスタ14を参照し、入居している棟の棟コード、棟名、及び、部屋番号等を検出する。
【0075】
そして、データ生成部23は、図24(b)に示すように、処理ワークテーブル16の取引日を賃料の入金日とし、処理ワークテーブル16の入金額を賃料の入金額とした入金データを生成する。これにより、図24(b)に示すように、「田中太郎(タナカタロウ)」を振込名義人とした賃料の入金に対応する入金データが生成される。
【0076】
このような仕訳データ、支払データ及び入金データは、記憶制御部26が記憶部2に記憶制御し、業務オペレータにより計上が指定されたタイミング等の所定のタイミングで、通信制御部27により、図1に示す会計システム52に計上される。
【0077】
(未引当の「状態」の手動入力処理)
ここで、処理ワークテーブル16の各レコードにおいて、上述のように仕訳パターン、支払パターン、又は、振込名義人が特定されたレコードに対しては、「2:仕訳入力」、「1:支払予定入力」又は「入金入力」等の状態の引当が行われる。しかし、処理ワークテーブル16の各レコードのうち、仕訳パターンマスタ11を参照して仕訳パターンの引当を行うことができないレコード、支払パターンマスタ12を参照して支払パターンの引当を行うことができないレコード、及び、入居者マスタ14に入居者データが記憶されていないユーザからの入金のレコードに対しては、データ生成部23は、図25に示すように「0:未処理」の状態入力を行う。
【0078】
この図25の例は、4行目のレコードとして示す「OPQRS商事(OPQRSショウジ)」からの入金のレコード、及び、6行目のレコードとして示す「450万円」の入金のレコードに対して、上述の引当が困難なことから、「0:未処理」の状態入力が行われた例である。このような「0:未処理」の状態入力に対しては、下記に説明する入出金明細登録画面において、手動で所望の状態を入力する。
【0079】
すわなち、「0:未処理」の状態を手動で入力する場合、業務オペレータは、未処理チェック画面の表示を指定操作する。表示制御部25は、この指定操作に応じて、図26に例示する未処理チェック画面を、出力装置7を介して表示する。この未処理チェック画面は、状態が「未処理」のレコードを有する物件の入力欄及び取引日の入力欄を備えている。業務オペレータは、各入力欄に所望の物件の物件コード及び取引日を入力して、状態が「未処理」のレコードの検索を指定操作する。
【0080】
データ生成部23は、処理ワークテーブル16の各レコードのうち、状態が「未処理」のレコードを抽出し、図27に例示する未処理チェックリスト(未処理データ)を生成する。表示制御部25は、この未処理チェックリスト(未処理データ)を、出力装置7を介して表示する。なお、図25の例は、「OPQRS商事(OPQRSショウジ)」からの入金のレコード、及び、「450万円」の入金のレコードが、状態が「未処理」のレコードであったが、この図27の例は別の例であり、「6万5千円」の「電気料(デンキリョウ)」のレコード、及び、「12万円」の入金のレコードが、それぞれ状態が「未処理」のレコードとして抽出された例である。
【0081】
次に、業務オペレータは、入出金明細データ登録画面の表示を指定操作する。これにより、表示制御部25は、図28に示すように、仕訳パターン等の引当が完了しているレコードの入出金明細データと共に、仕訳パターン等の引当が完了していないレコード(状態が「未処理」のレコード)の入出金明細データを、出力装置7に表示する。
【0082】
業務オペレータは、図29に示すように状態が「未処理」の入出金明細データのレコードに対して、所望の仕訳パターンを設定し、その「状態」として「2:仕訳入力」を入力する。または、業務オペレータは、別で処理したレコードの伝票番号を直接入力し、その「状態」として例えば「処理済」を入力する。
【0083】
なお、状態の内訳は以下を想定している。
1:支払予定入力→支払パターンを選択し、支払データを生成する。支払データから仕訳データを生成する。
2:仕訳入力→仕訳パターンを選択し、仕訳データを生成する。
3:入金入力→入金データを作成する。その後、入金消込入力画面より入居者の債権との消込作業を行う。入金データより仕訳データを作成する。
4:処理済→組合会計システム内のその他の処理を通じて、仕訳データを作成済。例えば、入居者への請求を口座引落で行っている場合、既に、組合会計システム内に入金データが生成されているため、この処理で作成する必要がない。
【0084】
このように、入出金明細データの「未処理」の状態の手動入力が行われると、データ生成部23は、図30に示すように手動で入力された各レコードの「状態」を反映させた処理ワークデータ16を生成する。これにより、取得された入出金明細データの仕訳が完了する。
【0085】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の業務支援装置1は、入出金明細データを取得し、各明細行と業務処理データの伝票番号を自動で関連付けすることができる。また、入出金明細データの振込名義人、備考情報、入出金方法より自動的に業務処理を実施することができる。仕訳作成に関しては、マンション管理会計の会計区分にも対応している。このため、マンション等の不動産物件の預金口座に対する入出金の管理業務を支援することができる。
【0086】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0087】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0088】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0089】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0090】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0091】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0092】
また、業務支援装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0093】
例えば、業務支援装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0094】
また、この業務支援装置1の業務支援プログラムは、業務支援装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0095】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための業務支援プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0096】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した業務支援装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0097】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0098】
また、業務支援装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0099】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、一例として不動産業界及びマンション管理業等の、多数の取引先からの入出金が行われる預金口座の管理業務の支援に適用して好適である。
【符号の説明】
【0101】
1 業務支援装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 仕訳パターンマスタ
12 支払パターンマスタ
13 マッチングマスタ
14 入居者マスタ
15 物件口座マスタ
16 処理ワークテーブル
21 取得部
22 検出部
23 データ生成部
24 仕訳データ生成部
25 表示制御部
26 記憶制御部
27 通信制御部
50 ネットワーク
51 会計サーバ装置
52 会計システム
53 銀行サーバ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30