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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108826
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/00 20060101AFI20240805BHJP
   A47L 5/24 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
A47L9/00 103
A47L5/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013418
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 雄士朗
(72)【発明者】
【氏名】田上 寛之
(72)【発明者】
【氏名】一橋 直人
【テーマコード(参考)】
3B006
【Fターム(参考)】
3B006LA09
3B006LA13
(57)【要約】
【課題】駆動部が発生する騒音をハウジングの外部に伝わり難くして、利便性を向上させた作業機を提供する。
【解決手段】ファン44を有する駆動部41と、吸込口および排出口を備えたモータハウジング20およびダストハウジング30と、塵埃を捕捉するフィルタ32と、駆動部41を収容し、内側排出口47dを備えたモータケース47と、モータケース47を収容する収容ケース50と、を有し、収容ケース50は、内側排出口47dから排出された空気が流れる第2~第4空気流路P2~P4と、第2~第4空気流路P2~P4を流れる空気を排出する外側排出口50aと、を備え、第2~第4空気流路P2~P4は、空気の流れを一方側および当該一方側とは反対側の他方側に向けるよう蛇行した形状に形成され、収容ケース50の外部に配置され、外側排出口50aと排出口との間に配置される吸音材54を有する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有するモータおよび、前記回転軸により回転されるファンを備えた駆動部と、
前記ファンの回転により空気を吸い込む吸込口および、吸い込んだ前記空気を排出する排出口を備えたハウジングと、
前記ハウジングの内部に設けられ、吸い込んだ前記空気に含まれる塵埃を捕捉するフィルタと、
前記駆動部を収容し、前記ファンから排出された前記空気を排出する内側排出口を備えた内側ケースと、
前記ハウジングの内部に設けられ、前記内側ケースを収容する外側ケースと、
を有し、
前記外側ケースは、
前記内側排出口から排出された前記空気が流れる排出流路と、
前記排出流路を流れる前記空気を排出する外側排出口と、
を備え、
前記排出流路は、前記空気の流れを一方側および当該一方側とは反対側の他方側に向けるよう蛇行した形状に形成され、
前記外側ケースの外部に配置され、前記外側排出口と前記排出口との間に配置される吸音材を有する、
作業機。
【請求項2】
前記排出流路は、前記内側ケースの径方向外側に向けて折り重なるように設けられる、
請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記排出流路は、
前記内側排出口から排出された前記空気を、前記内側ケースの外周部に沿うように前記一方側に流す第1流路と、
前記第1流路から排出された前記空気を、前記外側ケースの径方向外側に折り返して前記他方側に流す第2流路と、
を含む、
請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記外側ケースの径方向に沿う前記第1流路の幅寸法が、前記外側ケースの径方向に沿う前記第2流路の幅寸法よりも大きい、
請求項3に記載の作業機。
【請求項5】
前記吸音材は環状に形成され、
前記吸音材の内周面が前記外側ケースの外周部に接触し、
前記吸音材の外周面が前記ハウジングの内周部に接触する、
請求項1に記載の作業機。
【請求項6】
前記吸音材は、前記外側排出口が設けられる側と、前記排出口が設けられる側とを連通する連通路を有する、
請求項5に記載の作業機。
【請求項7】
前記ハウジングは、
前記外側ケースを収容する外側ケース収容部と、
作業者が把持するハンドルと、
バッテリが装着されるバッテリ装着部と、
を備え、
前記外側ケース収容部の内径寸法が、
前記ハンドルの内径寸法および前記バッテリ装着部の内径寸法よりも大きい、
請求項1に記載の作業機。
【請求項8】
前記ハンドルの長手方向一側に前記外側ケースが配置され、
前記ハンドルの長手方向他側に前記排出口が配置される、
請求項7に記載の作業機。
【請求項9】
回転軸を有するモータおよび、前記回転軸により回転されるファンを備えた駆動部と、
前記ファンの回転により空気を吸い込む吸込口および、吸い込んだ前記空気を排出する排出口を備えたハウジングと、
前記ハウジングの内部に設けられ、吸い込んだ前記空気に含まれる塵埃を捕捉するフィルタと、
前記駆動部を収容し、前記ファンから排出された前記空気を排出する内側排出口を備えた内側ケースと、
前記ハウジングの内部に設けられ、前記内側ケースを収容する外側ケースと、
を有し、
前記外側ケースに形成される空気流路の上流側には、前記内側排出口から排出された前記空気を折り返し、折り返された前記空気を前記内側ケースと前記外側ケースとの間に流す第1折り返し路が設けられ、
前記外側ケースに形成される空気流路の下流側には、前記第1折り返し路から排出された前記空気を折り返し、折り返された前記空気を前記外側ケースと前記ハウジングとの間に流す第2折り返し路が設けられる、
作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータによって回転されるファンにより空気流を発生させ、塵埃等を吸い込む作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、モータによって回転されるファンにより空気流を発生させ、塵埃等を吸い込むクリーナ(作業機)が記載されている。特許文献1に記載されたクリーナは、ハウジングの内部にファンモータが収容され、当該ファンモータの回転に伴い、集じん部吸気口から空気および塵埃を吸い込む。そして、吸い込んだ塵埃は集じん室に集められ、吸い込んだ空気はフィルタ部材を介してファンモータの内部を通過し、その後、ハウジングの内部から本体排気口を介して外部に排気される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2022/181031号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載された作業機では、ハウジングの内部の空間内に、ファンモータ(駆動部)がむき出しの状態で収容されている。したがって、ファンモータの作動時に発生する騒音がハウジングの外部に伝わり易く、作動音が大きいという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、駆動部が発生する騒音をハウジングの外部に伝わり難くして、利便性を向上させた作業機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一形態の作業機は、回転軸を有するモータおよび、前記回転軸により回転されるファンを備えた駆動部と、前記ファンの回転により空気を吸い込む吸込口および、吸い込んだ前記空気を排出する排出口を備えたハウジングと、前記ハウジングの内部に設けられ、吸い込んだ前記空気に含まれる塵埃を捕捉するフィルタと、前記駆動部を収容し、前記ファンから排出された前記空気を排出する内側排出口を備えた内側ケースと、前記ハウジングの内部に設けられ、前記内側ケースを収容する外側ケースと、を有し、前記外側ケースは、前記内側排出口から排出された前記空気が流れる排出流路と、前記排出流路を流れる前記空気を排出する外側排出口と、を備え、前記排出流路は、前記空気の流れを一方側および当該一方側とは反対側の他方側に向けるよう蛇行した形状に形成され、前記外側ケースの外部に配置され、前記外側排出口と前記排出口との間に配置される吸音材を有する。
【0007】
他の形態の作業機は、回転軸を有するモータおよび、前記回転軸により回転されるファンを備えた駆動部と、前記ファンの回転により空気を吸い込む吸込口および、吸い込んだ前記空気を排出する排出口を備えたハウジングと、前記ハウジングの内部に設けられ、吸い込んだ前記空気に含まれる塵埃を捕捉するフィルタと、前記駆動部を収容し、前記ファンから排出された前記空気を排出する内側排出口を備えた内側ケースと、前記ハウジングの内部に設けられ、前記内側ケースを収容する外側ケースと、を有し、前記外側ケースに形成される空気流路の上流側には、前記内側排出口から排出された前記空気を折り返し、折り返された前記空気を前記内側ケースと前記外側ケースとの間に流す第1折り返し路が設けられ、前記外側ケースに形成される空気流路の下流側には、前記第1折り返し路から排出された前記空気を折り返し、折り返された前記空気を前記外側ケースと前記ハウジングとの間に流す第2折り返し路が設けられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、駆動部が発生する騒音をハウジングの外部に伝わり難くして、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】クリーナを吸込口側から見た斜視図である。
図2図1のA矢視図である。
図3】クリーナの内部構造を示す断面図である。
図4】モータユニットの内部構造を示す断面図である。
図5】モータユニットの分解図である。
図6】モータユニットを吸気口側から見た斜視図である。
図7】モータユニットを吸気口側とは反対側から見た斜視図である。
図8】吸音材を単体で示す正面図である。
図9図3のB-B線に沿う断面図である。
図10図3のC-C線に沿う断面図である。
図11】空気流路を説明する図3に対応した拡大断面図である。
図12】実施の形態2を示す図11に対応した断面図である。
図13】実施の形態3のモータユニットの内部構造を示す断面図である。
図14図13のD-D線に沿う断面図である。
図15】実施の形態4のモータユニットを示す斜視図である。
図16】実施の形態5のモータユニットを吸気口側から見た正面図である。
図17図16のE-E線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1について、図面を用いて詳細に説明する。
【0011】
図1はクリーナを吸込口側から見た斜視図であり、図2図1のA矢視図であり、図3はクリーナの内部構造を示す断面図である。
【0012】
<クリーナの概要>
図1図3に示されるように、作業機としてのクリーナ10は、作業者が片手で持つことができる携帯用クリーナである。クリーナ10は、樹脂製のモータハウジング20と、モータハウジング20に装着される樹脂製のダストハウジング30と、を備えている。モータハウジング20およびダストハウジング30はハウジングの一例である。具体的には、ダストハウジング30はクリーナ10の長手方向一側(図中右側)に配置され、モータハウジング20はクリーナ10の長手方向他側(図中左側)に配置されている。なお、モータハウジング20およびダストハウジング30は、本発明におけるハウジングに相当する。
【0013】
モータハウジング20には、リチウムイオンバッテリ等の二次電池からなるバッテリパック(バッテリ)11が着脱自在に設けられている。また、モータハウジング20の内部には、バッテリパック11からの駆動電流の供給により駆動されるモータユニット40が収容されている。さらに、モータハウジング20には、作業者により操作される操作部12や、クリーナ10の作動時に点灯してダストハウジング30の前方側(吸込口31側)を照らすLEDライト13が設けられている。
【0014】
ダストハウジング30の長手方向一側には、モータユニット40を形成するファン44(図4参照)の回転により空気を吸い込む吸込口31が設けられている。そして、ダストハウジング30の吸込口31が設けられる側とは反対側、つまりダストハウジング30の長手方向他側が、モータハウジング20の長手方向一側に対して着脱自在となっている。
【0015】
また、ダストハウジング30の内部には、フィルタ32が設けられている。フィルタ32は、吸い込んだ空気に含まれる塵埃等を捕捉するものである。つまり、フィルタ32は、吸い込んだ空気を、塵埃等と綺麗な空気とに分離する機能を有している。なお、フィルタ32を境界として、吸込口31側に塵埃等が集められ、モータハウジング20(モータユニット40)側に綺麗な空気が流れる。
【0016】
ここで、ダストハウジング30の内部に集められた塵埃等は、ダストハウジング30をモータハウジング20から取り外し、さらにダストハウジング30からフィルタ32を取り外すことにより、ダストハウジング30の長手方向他側から取り出して廃棄することができる。
【0017】
さらに、図3に示されるように、ダストハウジング30の内部で、かつ吸込口31の近傍には、平板状に形成されたゴム製の開閉体33が設けられている。開閉体33は、モータユニット40の駆動により発生する空気流で開き、モータユニット40を停止させることで閉じる。したがって、ダストハウジング30の内部に集められた塵埃等が、吸込口31から外部に漏れ出ることはない。
【0018】
<モータハウジング>
図1図3に示されるように、モータハウジング20は、第1ハウジング半体20aと第2ハウジング半体20bとを互いに突き合わせて、合計4つの固定ねじS1により両者を一体化させることで中空となっている。具体的には、モータハウジング20は、モータユニット40を収容するモータユニット収容部21と、操作部12およびLEDライト13が設けられ、かつ作業者が把持するハンドル22と、ハンドル22と同じ方向に延び、かつバッテリパック11が装着されるバッテリ装着部23と、を備えている。
【0019】
なお、モータハウジング20を形成するモータユニット収容部21は、モータユニット40の外郭を形成する収容ケース50を収容しており、本発明における外側ケース収容部に相当する。
【0020】
ここで、図3に示されるように、ダストハウジング30およびモータハウジング20の断面全体を見たときに、モータユニット収容部21の内径寸法d1は、ハンドル22の内径寸法d2,バッテリ装着部23の内径寸法d3およびダストハウジング30の内径寸法d4よりも大きい内径寸法となっている(d1>d4>d3>d2)。
【0021】
すなわち、クリーナ10の長手方向における略中央部が最も厚みがあり、かつ当該部分(モータユニット収容部21)に、比較的重量が嵩むモータユニット40が配置されている。これにより、作業者は、比較的重量が嵩むバッテリパック11およびモータユニット40の近傍(重心の近く)を、ハンドル22を介して保持することになる。よって、クリーナ10の操作性は良好となっている。
【0022】
そして、ハンドル22およびバッテリ装着部23は、何れもモータユニット40(回転軸42)の軸方向(図中左右方向)に延びている。ハンドル22およびバッテリ装着部23の長手方向一側は、何れもモータユニット収容部21に接続されている。これに対し、ハンドル22の長手方向他側は、当該ハンドル22の長手方向他側を湾曲形状とすることで、バッテリ装着部23の長手方向他側に接続されている。
【0023】
これにより、モータハウジング20を側方から見ると、当該モータハウジング20は略楕円状に形成され、その内側には作業者の指(人差し指,中指,薬指および小指)を配置可能なスペースSPが形成されている。よって、作業者はハンドル22を容易に把持することができ、かつ親指等により操作部12を容易に操作することができる。
【0024】
なお、ハンドル22の長手方向一側にLEDライト13が配置され、ハンドル22の長手方向中央部に操作部12が配置されている。これにより、LEDライト13によりダストハウジング30の前方側(吸込口31側)が明るく照らされて、ひいてはクリーナ10の夜間等における利便性を向上させている。
【0025】
ここで、図1および図3に示されるように、操作部12には、合計3つのボタン12aおよび単一の警告灯12bが設けられている。そして、ボタン12aの操作に応じて、モータユニット40は、強モード,標準モード,弱モードで駆動され、あるいは停止される。また、警告灯12bは、バッテリパック11の残存容量が少なくなると点灯する。これにより作業者は、クリーナ10の駆動時間が残り少ないことを容易に把握することができる。
【0026】
バッテリ装着部23には、その長手方向に延びるようにレール部(図示せず)が設けられ、バッテリパック11は、当該レール部に沿うようにして移動可能となっている。そして、レール部の長手方向一側に、モータ側端子T(図3参照)が設けられ、当該モータ側端子Tには、バッテリパック11のバッテリ装着部23への固定状態において、バッテリパック11の長手方向一側に設けられたバッテリ側端子(図示せず)が電気的に接続される。
【0027】
ここで、バッテリ装着部23からバッテリパック11を外す場合には、バッテリパック11に設けられたロックフリースイッチ11aを押圧操作しつつ、バッテリパック11をレール部に対して長手方向他側に移動させれば良い。
【0028】
また、バッテリ装着部23の長手方向他側には、複数の排出口23aが設けられている。これらの排出口23aは、バッテリ装着部23の長手方向に並べられ、かつモータ側端子Tよりもバッテリ装着部23の長手方向他側に配置されている。そして、複数の排出口23aは、バッテリ装着部23の内外を連通しており、バッテリ装着部23の内部を流れる空気、つまり吸込口31から吸い込まれてフィルタ32を通過した空気(塵埃等が取り除かれた綺麗な空気)を外部に排出する。
【0029】
このように、ハンドル22の長手方向一側に、収容ケース50を備えたモータユニット40が配置され、ハンドル22の長手方向他側に、バッテリ装着部23の排出口23aが配置されている。
【0030】
さらに、図3に示されるように、モータユニット40を収容するモータユニット収容部21は、クリーナ10の長手方向において、ダストハウジング30とバッテリ装着部23との間に配置されている。そして、モータユニット40の駆動により、モータハウジング20およびダストハウジング30の内部で空気流が発生する。これにより、クリーナ10の吸込口31から塵埃等を含む空気が吸い込まれ、クリーナ10の排出口23aから塵埃等が取り除かれた綺麗な空気が排出される。
【0031】
なお、フィルタ32を通過した綺麗な空気は、その全てがモータユニット40を通過するようになっている。すなわち、モータユニット40は、クリーナ10のモータハウジング20およびダストハウジング30の内部の空気流路上に配置されている。
【0032】
<駆動部>
次に、モータユニット40を形成する駆動部41について、図面を用いて詳細に説明する。
【0033】
図4はモータユニットの内部構造を示す断面図であり、図5はモータユニットの分解図であり、図6はモータユニットを吸気口側から見た斜視図であり、図7はモータユニットを吸気口側とは反対側から見た斜視図であり、図8は吸音材を単体で示す正面図であり、図9図3のB-B線に沿う断面図であり、図10図3のC-C線に沿う断面図である。
【0034】
図4および図5に示されるように、モータユニット40は、駆動部41を備えている。駆動部41は、回転軸42を有するブラシレスモータ43と、回転軸42により回転されるファン44と、ブラシレスモータ43を制御する制御基板45と、を有している。なお、ブラシレスモータ43は本発明におけるモータに相当する。また、図3および図5では、制御基板45の図示を省略している。
【0035】
ファン44は、ブラシレスモータ43の軸方向一側に配置されており、ターボ形の遠心ファンとなっている。すなわち、ファン44は、回転軸42の回転により回転されて、ファン44の中心部分から空気を吸い込んで、吸い込んだ空気を径方向外側に排出する。
【0036】
制御基板45は、ブラシレスモータ43の軸方向他側に設けられた基板ホルダ46に保持されている。制御基板45には、高速でスイッチングするFET等の駆動系電子部品(図示せず)が実装されている。また、図4に示されるように、制御基板45には、ブラシレスモータ43に駆動電流を供給する電源線LN1や、操作部12からの制御信号を制御基板45に供給する信号線LN2が電気的に接続されている。
【0037】
<モータケース>
モータユニット40は、樹脂製のモータケース47を備えている。モータケース47は、略円筒状に形成されており、駆動部41の軸方向一側(ファン44側)の周囲を覆っている。つまり、駆動部41は、モータケース47の内部に収容されている。なお、モータケース47は、本発明における内側ケースに相当する。
【0038】
具体的には、モータケース47は、底壁部47aおよび側壁部47bを備え、底壁部47aの近傍にファン44が配置されている。底壁部47aの中心部分には、回転軸42の軸方向においてファン44の中心部分と対向するようにして、吸入開口部47cが設けられている。これにより、ファン44の回転に伴い、吸入開口部47cを介して、ファン44の中心部分に空気が吸い込まれる。
【0039】
また、モータケース47の側壁部47bと駆動部41との間には、略筒状に形成された第1空気流路P1(図5および図11参照)が形成されている。第1空気流路P1の軸方向一側には、ファン44が配置されており、これによりファン44の径方向外側に排出された空気は、第1空気流路P1の内部を軸方向一側から軸方向他側に向けて流れる。
【0040】
そして、第1空気流路P1の軸方向他側には、略環状に形成された内側排出口47dが設けられ、当該内側排出口47dから軸方向他側に向けて、第1空気流路P1を流れる空気が排出される。このように、モータケース47には、ファン44から排出された空気をモータケース47の外部に排出する内側排出口47dが設けられている。
【0041】
<収容ケース>
さらに、モータケース47の外側には、駆動部41を含むモータケース47を取り囲むようにして、樹脂製の収容ケース50(図4参照)が設けられている。すなわち、収容ケース50は、モータハウジング20の内部に設けられ、駆動部41を含むモータケース47を収容する。なお、収容ケース50は、本発明における外側ケースに相当する。
【0042】
収容ケース50は、モータユニット40の軸方向一側を覆うように設けられる第1ケース体51と、モータユニット40の軸方向他側を覆うように設けられる第2ケース体52と、第2ケース体52の軸方向他側を覆うように設けられる第3ケース体53と、を備えている。
【0043】
<第1ケース体>
図5に示されるように、第1ケース体51は、略カップ状に形成され、第1底壁部51aおよび筒状の第1側壁部51bを備えている。第1底壁部51aの軸方向一側には、フィルタ32(図3参照)を通過した空気をモータユニット40の内部に導く吸気口51cが設けられている。吸気口51cには、クリーナ10に吸い込まれてフィルタ32を通過した全ての空気が通過するようになっており、回転軸42の軸方向において、吸気口51cは吸入開口部47cと対向している。
【0044】
また、第1底壁部51aの軸方向他側には、モータケース47の底壁部47aを支持するモータケース支持部51dが一体に設けられている。具体的には、モータケース支持部51dは、ゴム製の第1クッション部材CS1を介して底壁部47aを支持している。これにより、駆動部41の振動が第1ケース体51(収容ケース50)に伝達されることが防止される。
【0045】
第1側壁部51bは、第1底壁部51aから軸方向他側に延びており、第1側壁部51bの長さ寸法は、駆動部41の側方の殆どの部分を覆い隠す長さとなっている。なお、第1側壁部51bは、基板ホルダ46および制御基板45の側方は覆っていない。
【0046】
また、第1側壁部51bの軸方向における第1底壁部51a寄りの部分には、合計3つのねじ挿通部51e(図5では1つのみ示す)が一体に設けられている。これらのねじ挿通部51eは、第1側壁部51bの周方向に等間隔(120度間隔)で配置されており、ねじ挿通部51eには、第1ケース体51を第2ケース体52に固定するための固定ねじS2(図5では2つのみ示す)が挿通される。
【0047】
<第2ケース体>
図5に示されるように、第2ケース体52は、略カップ状に形成され、第2底壁部52a,筒状の第2内側壁部52bおよび第2外側壁部52cを備えている。
【0048】
第2底壁部52aの軸方向他側には、第3ケース体53を第2ケース体52に固定するための固定ねじS3がねじ結合される第1雌ねじ部52dが一体に設けられている。また、第2底壁部52aの軸方向一側には、駆動部41の基板ホルダ46を支持する筒状の駆動部支持部52eが一体に設けられている。具体的には、駆動部支持部52eは、ゴム製の第2クッション部材CS2を介して基板ホルダ46を支持している。これにより、駆動部41の振動が第2ケース体52(収容ケース50)に伝達されることが防止される。
【0049】
第2内側壁部52bは、駆動部支持部52eに対して軸方向一側に延びており、第2内側壁部52bの長さ寸法は、駆動部41の側方の殆どの部分を覆い隠す長さとなっている。ここで、第2内側壁部52bは、モータユニット40を組み立てた状態において、モータケース47の側壁部47bと、第1ケース体51の第1側壁部51bとの間に配置される(図4参照)。
【0050】
これに対し、第2外側壁部52cは、第2内側壁部52bの径方向外側に配置され、かつ駆動部支持部52eに対して軸方向一側に延びている。ここで、第2外側壁部52cの長さ寸法は、第2内側壁部52bの長さ寸法よりも若干短い長さとなっている。そして、モータユニット40を組み立てた状態において、第2内側壁部52bと第2外側壁部52cとの間に、第1ケース体51の第1側壁部51bが配置される(図4参照)。
【0051】
すなわち、図4に示されるように、モータユニット40の径方向内側から、モータケース47の側壁部47b,第2ケース体52の第2内側壁部52b,第1ケース体51の第1側壁部51bおよび第2ケース体52の第2外側壁部52cが、所定の隙間を介して配置されている。
【0052】
また、第2外側壁部52cの径方向内側には、合計3つの第2雌ねじ部52fが一体に設けられている。これらの第2雌ねじ部52fは、第2内側壁部52bに向けて突出しており、第2外側壁部52cの周方向に等間隔(120度間隔)で配置されている(図9参照)。そして、これらの第2雌ねじ部52fには、第1ケース体51を第2ケース体52に固定するための固定ねじS2がねじ結合される。
【0053】
さらに、図5図7および図10に示されるように、第2内側壁部52bの軸方向他側(駆動部支持部52e側)には、径方向外側に突出された一対の係合凸部52gが一体に設けられている。これらの係合凸部52gは、第2内側壁部52bの周方向に等間隔(180度間隔)で設けられ、互いに対向配置されている(図10参照)。
【0054】
そして、これらの係合凸部52gは、ゴム製の第3クッション部材CS3を介して、モータユニット収容部21の内側に設けられた一対の係合凹部21a(図10参照)に嵌合している。これにより、モータユニット40は、モータハウジング20に対して、相対回転不能かつ軸方向に移動不能に固定される。また、第3クッション部材CS3により、モータユニット40の振動がモータハウジング20に伝わり難くなっている。
【0055】
なお、図6は、係合凸部52gに第3クッション部材CS3を装着していない状態を示し、図7および図10は、係合凸部52gに第3クッション部材CS3を装着した状態を示している。
【0056】
<吸音材>
さらに、図4図8および図9に示されるように、第2外側壁部52cの径方向外側には、略環状に形成された吸音材54が配置されている。つまり、当該吸音材54は、略環状に形成された内部に収容ケース50が挿入されることで収容ケース50の外部に装着されている。そして、吸音材54は、駆動部41の作動音を吸収して、クリーナ10の外部に騒音が伝わるのを抑える役割を果たす。具体的には、吸音材54は、内部に無数の穴を有する多孔質の柔らかい材料(例えば、スポンジ等)により形成されている。
【0057】
吸音材54は、径方向外側に外周面54aが設けられ、当該外周面54aは、モータハウジング20の内周部に接触される。また、吸音材54は、径方向内側に内周面54bが設けられ、当該内周面54bは、収容ケース50(第2外側壁部52c)の外周部に接触される。
【0058】
そして、内側面54bには、吸音材54の軸方向に延びるようにして複数の凹部54cが設けられている。これらの凹部54cは、外側面54aに向けて所定の深さで窪んでおり、吸音材54の周方向に等間隔で配置されている。凹部54cは、吸音材54と第2外側壁部52cとの間に、モータユニット40の軸方向に貫通する貫通路OPを形成している。そして、凹部54cは、収容ケース50の外側排出口50a(図11参照)が設けられる側と、バッテリ装着部23の排出口23a(図3参照)が設けられる側とを連通している。つまり、吸音材54は、外側排出口50aと排出口23aとの間に配置されている。なお、凹部54cは、本発明における連通路に相当し、当該凹部54cには、駆動部41の駆動に伴い空気が流通する。
【0059】
ここで、吸音材54は、第2外側壁部52cの外周部において、第2ケース体52に設けられた係合凸部52gを避けた位置に配置されている。すなわち、モータユニット40を径方向から見たときに、吸音材54は、係合凸部52g(第3クッション部材CS3)と重ならない。
【0060】
<第3ケース体>
図5に示されるように、第3ケース体53は、略皿状に形成され、第3底壁部53aおよび筒状の第3側壁部53bを備えている。そして、図4に示されるように、第3側壁部53bの軸方向一側は、第2ケース体52の軸方向他側に突き当てられている。これにより、第3ケース体53の内側には、電源線LN1および信号線LN2が引き回される配線収容室53cが形成されている。
【0061】
なお、第3底壁部53aには、一対の配線挿通穴53d(図7参照)が設けられ、これらの配線挿通穴53dには、スポンジ等からなるクッションテープCTを介して、電源線LN1および信号線LN2が挿通されている。これにより、電源線LN1および信号線LN2の損傷が防止される。
【0062】
また、モータユニット40を組み立てた状態において、配線収容室53cの内部には、第2ケース体52の第2底壁部52aおよび駆動部支持部52eが収容される。したがって、モータユニット40がその軸方向に大型化されることが抑えられている。
【0063】
そして、駆動部41の軸方向一側に吸気口51cが配置され、駆動部41の軸方向他側に配線収容室53cが配置されている。つまり、吸気口51cは、駆動部41の軸方向における配線収容室53c側とは反対側に配置され、両者は同軸上に設けられている。これにより、モータユニット40の内部に、ファン44の回転に伴い空気が導入される。よって、駆動部41の特にブラシレスモータ43の冷却性を向上させることが可能となっている。
【0064】
また、配線収容室53cは、駆動部41の軸方向に対してブラシレスモータ43のファン44が設けられる側とは反対側に配置され、吸気口51cは、駆動部41の軸方向に対してブラシレスモータ43のファン44が設けられる側に配置されている。これにより、比較的大きな騒音を発生するブラシレスモータ43の近傍に配線収容室53cを配置でき、当該配線収容室53cによりブラシレスモータ43の騒音が効果的に吸収される。
【0065】
このように、配線収容室53cは、駆動部41の軸方向他側の端部(軸方向端部)に配置され、駆動部41の軸方向他側に伝わる騒音を吸収(減衰)する機能を有する。
【0066】
また、配線収容室53cの内径寸法D1は、駆動部41の外径寸法D2よりも大きくなっている(D1>D2)。すなわち、駆動部41を軸方向他側から見たときに、配線収容室53cは駆動部41を覆い隠すように配置されている。これにより、配線収容室53cは、駆動部41の軸方向他側に伝わる騒音を、効果的に吸収(減衰)する。よって、クリーナ10の外部への騒音の伝達が抑えられ、クリーナ10の静粛性が向上する。
【0067】
なお、図7に示されるように、第3ケース体53は、第2ケース体52に対して、合計4つの固定ねじS3により固定されている。また、図6および図7に示されるように、モータユニット40は、組み立てた状態において、略円柱状に形成されており、モータユニット40の軸方向寸法およびモータユニット40の外径寸法は、それぞれ略同じ大きさとなっている。ここで、図6および図7では、吸音材54の図示を省略している。
【0068】
<空気流路の説明>
次に、モータユニット40の内部およびその周囲に形成される空気流路について、図面を用いて詳細に説明する。
【0069】
図11は空気流路を説明する図3に対応した拡大断面図である。なお、図11は、回転軸42を中心として径方向一側(図中下側)のみを示すが、空気流路の形状は、回転軸42を中心として径方向他側も同様となっている。
【0070】
図11に示されるように、クリーナ10を形成するモータハウジング20の内部には、モータユニット40のファン44を境界として、ファン44の上流側に吸込流路INが設けられ、ファン44の下流側に排出流路EXが設けられている。
【0071】
吸込流路INは、第1ケース体51の吸気口51cおよびモータケース47の吸入開口部47cにより形成されている。一方、排出流路EXは、上流側排出流路EX1と下流側排出流路EX2とを備えており、上流側排出流路EX1は、第1~第5空気流路P1~P5および第1~第4折り返し流路C1~C4により形成されている。なお、収容ケース50の内部に設けられ、かつ内側排出口47dから排出された空気が流れる第2~第4空気流路P2~P4が、本発明における排出流路に相当する。
【0072】
ここで、上流側排出流路EX1は、吸気口51cから吸い込んだ空気を、収容ケース50の外部で、かつ収容ケース50の軸方向他側に排出する機能を有する。これに対し、下流側排出流路EX2は、第5空気流路P5の軸方向他側とバッテリ装着部23の排出口23a(図3参照)との間に配置されている。具体的には、下流側排出流路EX2は、モータハウジング20を形成するバッテリ装着部23の内部に形成されている。
【0073】
そして、第1空気流路P1は、駆動部41と側壁部47bとの間に設けられ、駆動部41の軸方向他側(図中左側)に空気を流す。第2空気流路P2は、側壁部47bと第2内側壁部52bとの間に設けられ、駆動部41の軸方向一側(図中右側)に空気を流す。第3空気流路P3は、第2内側壁部52bと第1側壁部51bとの間に設けられ、駆動部41の軸方向他側に空気を流す。第4空気流路P4は、第1側壁部51bと第2外側壁部52cとの間に設けられ、駆動部41の軸方向一側に空気を流す。第5空気流路P5は、第2外側壁部52cとモータハウジング20のモータユニット収容部21との間に設けられ、駆動部41の軸方向他側に空気を流す。
【0074】
このように、第1,第5空気流路P1,P5を含めて、第2~第4空気流路P2~P4は、空気の流れを一方側(軸方向一側)および当該一方側とは反対側の他方側(軸方向他側)に向けるよう、駆動部41の径方向外側において蛇行した形状に形成されている。
【0075】
ここで、駆動部41とモータケース47との間の内側排出口47dから排出された空気は、モータユニット40の径方向外側に配置され、かつ第1側壁部51bと第2外側壁部52cとの間に設けられた外側排出口50aから排出される。すなわち、外側排出口50aは、収容ケース50に設けられ、かつ第2~第4空気流路P2~P4を流れる空気を収容ケース50の外部に排出する機能を有する。
【0076】
そして、内側排出口47dから外側排出口50aに到達するまでに通過する空気流路の幅寸法、すなわち、図11に示されるように、第2~第4空気流路P2~P4のモータユニット40の径方向に沿う幅寸法W1~W3は、モータユニット40の径方向外側に向かうに連れて、徐々に小さくなっている。つまり、「第2空気流路P2の幅寸法W1>第3空気流路P3の幅寸法W2>第4空気流路P4の幅寸法W3」の寸法関係となっており、収容ケース50の径方向に沿う第2空気流路P2の幅寸法W1が、収容ケース50の径方向に沿う第3空気流路P3の幅寸法W2よりも大きくなっている。
【0077】
これにより、上流側排出流路EX1の十分な流路面積が確保されると共に、空気流の圧力損失が抑えられ、しかもモータユニット40が大型化することが防止される。
【0078】
また、第1空気流路P1および第2空気流路P2は、第1折り返し流路C1により接続されている。第2空気流路P2および第3空気流路P3は、第2折り返し流路C2により接続されている。第3空気流路P3および第4空気流路P4は、第3折り返し流路C3により接続されている。第4空気流路P4および第5空気流路P5は、第4折り返し流路C4により接続されている。これらの第1~第4折り返し流路C1~C4は、空気流を滑らかに180度変換する(折り返す)機能を有する。
【0079】
ここで、第2空気流路P2は、内側排出口47dから排出された空気を、モータケース47の外周部に沿うように一方側(軸方向一側)に流しており、本発明における第1流路に相当する。また、第2折り返し流路C2および第3空気流路P3は、第2空気流路P2から排出された空気を、収容ケース50の径方向外側に折り返して他方側(軸方向他側)に流しており、本発明における第2流路に相当する。
【0080】
さらに、図11に示されるように、収容ケース50に形成される空気流路の上流側(内側排出口47d側)に設けられた第1折り返し流路C1および第2空気流路P2は、本発明における第1折り返し路に相当する。具体的には、第1折り返し流路C1および第2空気流路P2は、内側排出口47dから排出された空気を折り返し、折り返された空気をモータケース47と収容ケース50(第2ケース体52)との間で、一方側(軸方向一側)に流す機能を有する。
【0081】
また、収容ケース50に形成される空気流路の下流側(外側排出口50a側)に設けられた第4折り返し流路C4および第5空気流路P5は、本発明における第2折り返し路に相当する。具体的には、第4折り返し流路C4および第5空気流路P5は、第2折り返し流路C2,第3空気流路P3,第3折り返し流路C3および第4空気流路P4を介して、第1折り返し流路C1および第2空気流路P2から排出された空気をさらに折り返し、折り返された空気を収容ケース50(第2ケース体52)とモータハウジング20(モータユニット収容部21)との間で、他方側(軸方向他側)に流す機能を有する。
【0082】
このように、上流側排出流路EX1は、第1~第4折り返し流路C1~C4を含み、駆動部41の軸方向一側および軸方向他側に空気を流すように、蛇行した形状に形成されている。つまり、モータケース47の径方向外側で、かつ収容ケース50の内部には、第2~第4空気流路P2~P4が、第2,第3折り返し流路C2,C3を介して、モータケース47の径方向外側に向けて折り重なるように設けられている。
【0083】
これにより、モータユニット40の外径寸法の増大を抑えつつ、空気流の経路(上流側排出流路EX1)を長くしている。よって、モータユニット40の大型化を抑えつつ、空気流に乗って流れる駆動部41の騒音が効果的に減衰される。したがって、クリーナ10の外部(モータハウジング20の外部)に騒音が伝わることが効果的に抑えられる。
【0084】
さらに、上流側排出流路EX1は、駆動部41の径方向外側に配置され、かつブラシレスモータ43の回転軸42を中心に、駆動部41の周方向全域に亘って設けられている。すなわち、第1~第5空気流路P1~P5は、駆動部41の径方向外側に筒状となるように配置されている。このように、上流側排出流路EX1は、駆動部41の径方向外側の360度の範囲に伝わる騒音を吸収(減衰)する機能を有する。よって、クリーナ10の外部への騒音の伝達が抑えられ、クリーナ10の静粛性が向上する。
【0085】
また、図4および図11に示されるように、配線収容室53cは、駆動部41を軸方向から見たときに、配線収容室53cの径方向外側の一部が、上流側排出流路EX1と重なるように配置されている。また、上流側排出流路EX1は、駆動部41を軸方向と交差する方向(径方向)から見たときに、駆動部41のブラシレスモータ43およびファン44を覆い隠すように配置されている。具体的には、図4に示されるように、駆動部41の軸方向におけるブラシレスモータ43およびファン44の部分の長さ寸法L1は、駆動部41の軸方向における上流側排出流路EX1の長さ寸法L2よりも小さくなっている(L1<L2)。
【0086】
これにより、駆動部41の軸方向におけるファン44側(ダストハウジング30側)の一部分を除いて、駆動部41は配線収容室53cおよび上流側排出流路EX1により包み込まれるようにして包囲されている。これにより、配線収容室53cおよび上流側排出流路EX1は、それぞれ遮音室として機能し、ひいてはクリーナ10の外部への騒音の伝達をより効果的に抑えることが可能となる。
【0087】
なお、配線収容室53cは、排出流路EX(上流側排出流路EX1,下流側排出流路EX2)とは独立した空気室を形成しており、配線収容室53cには、駆動部41の駆動による空気流が生じない。したがって、配線収容室53cによる遮音効果がより高められて、クリーナ10の静粛性がより向上する。
【0088】
<空気流について>
図3に示されるように、駆動部41が駆動されると、矢印M1に示されるように、塵埃等を含んだ空気が、吸込口31からダストハウジング30の内部に吸い込まれる。その後、フィルタ32により塵埃等と綺麗な空気とに分離される。そして、綺麗な空気は、図4の矢印M2に示されるように、モータユニット40の吸気口51cからモータユニット40の内部に吸い込まれる。
【0089】
その後、ファン44に吸い込まれた空気は、ファン44の径方向外側に排出され、図4の矢印M3に示されるように、上流側排出流路EX1を流通する。次いで、上流側排出流路EX1の後半の部分において、図3の矢印M4に示されるように、空気は吸音材54の凹部54c(図9参照)を流通する。
【0090】
その後、複数の凹部54cを通過した空気は、モータユニット40の軸方向他側において配線収容室53cの周囲を流通する。そして、図3の矢印M5に示されるように、下流側排出流路EX2に到達する。次いで、下流側排出流路EX2を流通した空気は、モータ側端子Tの周辺の熱を奪いつつ、図3の矢印M6に示されるように、複数の排出口23aから、モータハウジング20の外部に放出される。
【0091】
このように、クリーナ10に吸い込まれた空気は、クリーナ10の内部の長手方向略全域を流通する。これに加えて、モータユニット40の部分において、径方向に蛇行するように設けられた上流側排出流路EX1を流通する。よって、クリーナ10の内部に形成される空気流路の長さを長くして、当該空気流路の遮音効果、および配線収容室53cの遮音効果により、クリーナ10の外部への騒音の伝達が効果的に抑えられる。
【0092】
より具体的には、配線収容室53c,上流側排出流路EX1および吸音材54を備えないものに対して、配線収容室53cを設けることで「約-2dB」の低騒音化が図れることが判った。また、配線収容室53c,上流側排出流路EX1および吸音材54を備えないものに対して、上流側排出流路EX1を設けることで「約-3dB」の低騒音化が図れることが判った。さらに、配線収容室53c,上流側排出流路EX1および吸音材54を備えないものに対して、吸音材54を設けることで「約-3dB」の低騒音化が図れることが判った。つまり、配線収容室53c,上流側排出流路EX1および吸音材54の全てを備える本実施の形態のクリーナ10は、十分な静粛性を備えている。
【0093】
以上詳述したように、実施の形態1のクリーナ10によれば、回転軸42を有するブラシレスモータ43および、回転軸42により回転されるファン44を備えた駆動部41と、ファン44の回転により空気を吸い込む吸込口31および、吸い込んだ空気を排出する排出口23aを備えたモータハウジング20およびダストハウジング30と、ダストハウジング30の内部に設けられ、吸い込んだ空気に含まれる塵埃を捕捉するフィルタ32と、駆動部41を収容し、ファン44から排出された空気を排出する内側排出口47dを備えたモータケース47と、モータハウジング20の内部に設けられ、モータケース47を収容する収容ケース50と、を有し、収容ケース50は、内側排出口47dから排出された空気が流れる第2~第4空気流路P2~P4と、第2~第4空気流路P2~P4を流れる空気を排出する外側排出口50aと、を備え、第2~第4空気流路P2~P4は、空気の流れを一方側および当該一方側とは反対側の他方側に向けるよう蛇行した形状に形成され、収容ケース50の外部に配置され、外側排出口50aと排出口23aとの間に配置される吸音材54を有する。
【0094】
これにより、駆動部41を覆うように設けられる第2~第4空気流路P2~P4および吸音材54の遮音効果により、駆動部41(ブラシレスモータ43およびファン44)の駆動時に発生する騒音が、クリーナ10の外部に伝達されることを効果的に抑えることができる。よって、クリーナ10を夜間等でも使用可能とし、利便性を向上させることができる。
【0095】
また、実施の形態1のクリーナ10によれば、第2~第4空気流路P2~P4は、モータケース47の径方向外側に向けて折り重なるように設けられる。
【0096】
これにより、モータユニット40が径方向に大型化することを抑えつつ、第2~第4空気流路P2~P4の長さ寸法を長くすることができる。よって、クリーナ10の外部に騒音が伝達されることを、さらに効果的に抑えることができる。この場合、第2~第4空気流路P2~P4を蛇行するように長くできるので、空気流に乗って伝わる駆動部41の騒音についても、効果的に減衰することができる。よって、クリーナ10の静粛性をさらに向上させることができる。
【0097】
さらに、実施の形態1のクリーナ10によれば、排出流路は、内側排出口47dから排出された空気を、モータケース47の外周部に沿うように一方側に流す第2空気流路P2と、第2空気流路P2から排出された空気を、収容ケース50の径方向外側に折り返して他方側に流す第2折り返し流路C2および第3空気流路P3と、を含む。
【0098】
これにより、排出流路を180度折り返すように蛇行した形状にでき、収容ケース50の外径寸法の増大を抑えつつ、空気流路を長くできる。よって、クリーナ10の静粛性をより向上させることができる。
【0099】
また、実施の形態1のクリーナ10によれば、収容ケース50の径方向に沿う第2空気流路P2の幅寸法W1が、収容ケース50の径方向に沿う第3空気流路P3の幅寸法W2よりも大きい。
【0100】
これにより、第2~第4空気流路P2~P4の十分な流路面積が確保されると共に、空気流の圧力損失が抑えられ、しかもモータユニット40が大型化することを防止できる。
【0101】
さらに、実施の形態1のクリーナ10によれば、吸音材54は環状に形成され、吸音材54の内周面54bが収容ケース50の外周部に接触し、吸音材54の外周面54aがモータハウジング20の内周部に接触する。
【0102】
これにより、外側排出口50aから排出された多くの空気を、吸音材54を介して排気口23aに到達させることができる。よって、空気流に乗って伝わる駆動部41の騒音についても、より効果的に減衰することができる。
【0103】
また、実施の形態1のクリーナ10によれば、吸音材54は、外側排出口50aが設けられる側と、排出口23aが設けられる側とを連通する凹部54cを有する。
【0104】
これにより、吸音材54を通過する空気流の圧力損失が抑えられ、ひいてはクリーナ10の吸気効率が低下することを抑制できる。
【0105】
さらに、実施の形態1のクリーナ10によれば、モータハウジング20は、収容ケース50を収容するモータユニット収容部21と、作業者が把持するハンドル22と、バッテリパック11が装着されるバッテリ装着部23と、を備え、モータユニット収容部21の内径寸法d1が、ハンドル22の内径寸法d2およびバッテリ装着部23の内径寸法d3よりも大きい。
【0106】
これにより、ハンドル22の近傍に、比較的重量が嵩むバッテリパック11およびモータユニット40を配置でき、ハンドル22とクリーナ10の重心とを近付けることができる。よって、クリーナ10の重量バランスを良好にして、操作性を向上させることができる。
【0107】
また、実施の形態1のクリーナ10によれば、ハンドル22の長手方向一側に収容ケース50が配置され、ハンドル22の長手方向他側に排出口23aが配置される。
【0108】
これにより、収容ケース50と排出口23aとの間の空気流路を長くすることができ、ひいては空気流に乗って伝わる駆動部41の騒音を、さらに効果的に減衰することが可能となる。
【0109】
さらに、実施の形態1のクリーナ10によれば、収容ケース50に形成される空気流路の上流側には、内側排出口47dから排出された空気を折り返し、折り返された空気をモータケース47と収容ケース50との間に流す第1折り返し流路C1および第2空気流路P2が設けられ、収容ケース50に形成される空気流路の下流側には、第1折り返し流路C1および第2空気流路P2から排出された空気を折り返し、折り返された空気を収容ケース50とモータハウジング20との間に流す第4折り返し流路C4および第5空気流路P5が設けられる。
【0110】
これによっても、駆動部41を覆うように設けられる第1折り返し流路C1および第2空気流路P2や第4折り返し流路C4および第5空気流路P5の遮音効果により、駆動部41(ブラシレスモータ43およびファン44)の駆動時に発生する騒音が、クリーナ10の外部に伝達されることを効果的に抑えることができる。よって、クリーナ10を夜間等でも使用可能とし、利便性を向上させることができる。
【0111】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分について、同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0112】
図12は実施の形態2を示す図11に対応した断面図である。なお、図12では、モータハウジング20およびダストハウジング30の図示を省略している。
【0113】
図12に示されるように、実施の形態2に係るモータユニット60では、実施の形態1に比して、上流側排出流路EX1を形成する第2~第4空気流路P2~P4の幅寸法が異なっている。具体的には、モータユニット60では、当該モータユニット60の径方向に沿う第2~第4空気流路P2~P4の幅寸法は、全てがWで同じ幅寸法となっている。つまり、「第2空気流路P2の幅寸法W=第3空気流路P3の幅寸法W=第4空気流路P4の幅寸法W」の寸法関係となっている。
【0114】
また、実施の形態1に比して、吸音材61の形状も異なっている。具体的には、吸音材61の外周面61aと内周面61bとの間に、モータユニット60の軸方向に延びる複数の丸穴61cが設けられている。これらの丸穴61cは、本発明における連通路に相当し、モータユニット60の軸方向に貫通する貫通路OP2を形成する。なお、丸穴61cには、駆動部41の駆動に伴い空気が流通する。
【0115】
以上のように形成された実施の形態2においても、上述した実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態2では、モータユニット60の外径をそれほど大きくすることなく、内側排出口47dから排出された空気が通過する空気流路の流路面積を、駆動部41から離れるにしたがって大きくすることができる。よって、空気流の圧力損失をより確実に抑えることができ、かつ流路面積が大きくなる分、遮音効果をより高めることが可能となる。
【0116】
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分について、同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0117】
図13は実施の形態3のモータユニットの内部構造を示す断面図であり、図14図13のD-D線に沿う断面図である。なお、図13および図14においても、モータハウジング20およびダストハウジング30の図示を省略している。
【0118】
図13および図14に示されるように、実施の形態3に係るモータユニット70では、実施の形態1に比して、収容ケース(外側ケース)71の形状を変更し、上流側排出流路EX1の蛇行のさせ方を異ならせている。また、実施の形態1に比して、吸音材54(図8参照)を省略している。
【0119】
具体的には、実施の形態1では、図4に示されるように、上流側排出流路EX1は、回転軸42の軸方向と交差する径方向から見たときに、駆動部41の径方向に蛇行するように設けていた。これに対し、実施の形態3では、図14に示されるように、上流側排出流路EX1は、回転軸42の軸方向から見たときに、駆動部41の径方向に蛇行するように設けている。
【0120】
そして、図13および図14に示されるように、内側排出口47dから排出された空気は、第1折り返し流路C1を介して第2空気流路P2に排出され、その後、第2空気流路P2を時計回り方向および反時計回り方向の双方向に流れる。また、第2空気流路P2から第2折り返し流路C2を介して排出された空気は、第3空気流路P3を反時計回り方向に流れる。さらに、第3空気流路P3から第3折り返し流路C3を介して排出された空気は、第4空気流路P4を時計回り方向に流れる。その後、第4折り返し流路C4で折り返され、外側排出口50aから排出された空気は、収容ケース71とモータハウジング20との間の第5空気流路P5を介して、下流側排出流路EX2を流れる。
【0121】
すなわち、収容ケース71に形成される空気流路の上流側(内側排出口47d側)では、内側排出口47dから排出された空気が第1折り返し流路C1で折り返され、折り返された空気はモータケース47と収容ケース71との間の第2空気流路P2を流れる。
【0122】
また、収容ケース71に形成される空気流路の下流側(外側排出口50a側)では、第1折り返し流路C1および第2空気流路P2から排出された空気が、第2折り返し流路C2,第3空気流路P3,第3折り返し流路C3および第4空気流路P4を介して第4折り返し流路C4で折り返され、折り返された空気は収容ケース71とモータハウジング20との間の第5空気流路P5を流れる。
【0123】
以上のように形成された実施の形態3においても、上述した実施の形態1と略同様の作用効果を奏することができる。
【0124】
<実施の形態4>
次に、本発明の実施の形態4について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分について、同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0125】
図15は実施の形態4のモータユニットを示す斜視図である。なお、図15においても、モータハウジング20およびダストハウジング30の図示を省略している。
【0126】
図15に示されるように、実施の形態4に係るモータユニット80では、実施の形態1に比して、収容ケース(外側ケース)81の形状を変更し、上流側排出流路EX1の蛇行のさせ方を異ならせている。また、実施の形態1に比して、吸音材54(図8参照)を省略している。なお、図示はされていないが、収容ケース81の軸方向他側にも、第1遮音室としての配線収容室53cが設けられている。
【0127】
具体的には、実施の形態4では、図15に示されるように、上流側排出流路EX1が、駆動部41の周方向に蛇行するように設けられている。そして、収容ケース81の軸方向他側の内側排出口47dから排出された空気は、駆動部41の周方向に向けて上流側排出流路EX1を流れ、収容ケース81の軸方向一側の外側排出口50aから排出される。その後、外側排出口50aから排出された空気は、軸方向他側の下流側排出流路EX2を流れる。
【0128】
図15の破線矢印を参照しつつ、内側排出口47dから排出された空気は、収容ケース81の内部に設けられた複数の仕切り壁82により、次のような経路を辿る。
【0129】
すなわち、駆動部41の軸方向一側に空気を流す第2空気流路P2を流れ、第2折り返し流路C2を流れ、駆動部41の軸方向他側に空気を流す第3空気流路P3を流れ、…第n折り返し流路Cnを流れ、駆動部41の軸方向他側に空気を流す第(n+1)空気流路P(n+1)を流れ、第(n+1)折り返し流路C(n+1)を流れ、駆動部41の軸方向一側に空気を流す第(n+2)空気流路P(n+2)を流れる。その後、第(n+2)折り返し流路C(n+1)で折り返されて、外側排出口50aから排出された空気は、収容ケース81とモータハウジング20との間の第(n+3)空気流路P(n+3)を介して、下流側排出流路EX2を流れる。
【0130】
すなわち、収容ケース81に形成される空気流路の上流側(内側排出口47d側)では、内側排出口47dから排出された空気が第1折り返し流路C1で折り返され、折り返された空気はモータケース47と収容ケース81との間の第2空気流路P2を流れる。
【0131】
また、収容ケース81に形成される空気流路の下流側(外側排出口50a側)では、第1折り返し流路C1および第2空気流路P2から排出された空気が、第2折り返し流路C2,第3空気流路P3,…第n折り返し流路Cn,第(n+1)空気流路P(n+1),第(n+1)折り返し流路C(n+1),第(n+2)空気流路P(n+2)を介して第(n+2)折り返し流路C(n+2)で折り返され、折り返された空気は収容ケース81とモータハウジング20との間の第(n+3)空気流路P(n+3)を流れる。
【0132】
なお、実施の形態4では、第(n+2)折り返し流路C(n+2)および第(n+3)空気流路P(n+3)が、本発明における第2折り返し路に相当する。
【0133】
以上のように形成された実施の形態4においても、上述した実施の形態1と略同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態4では、収容ケース81の周方向に、上流側排出流路EX1を延ばして設けることができるので、モータユニット80の径方向への寸法増大を抑えることが可能となる。よって、クリーナ10の小型化および軽量化に有利である。
【0134】
<実施の形態5>
次に、本発明の実施の形態5について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分について、同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0135】
図16は実施の形態5のモータユニットを吸気口側から見た正面図であり、図17図16のE-E線に沿う断面図である。なお、図16および図17においても、モータハウジング20およびダストハウジング30の図示を省略している。
【0136】
図16および図17に示されるように、実施の形態5に係るモータユニット90では、実施の形態1に比して、収容ケース(外側ケース)91の形状を変更し、上流側排出流路EX1の蛇行のさせ方を異ならせている。また、実施の形態1に比して、収容ケース91の外部に装着される吸音材92の形状を異ならせている。さらに、遮音室として機能する配線収容室93を、上流側排出流路EX1の一部(上流部分)として利用した点が異なっている。
【0137】
収容ケース91は、図16に示されるように、駆動部41の径方向の一部を出っ張らせることで、回転軸42の軸方向視において略楕円形に形成されている。具体的には、収容ケース91には、駆動部41を収容する駆動部収容部94と、内部に上流側排出流路EX1を形成する流路形成部95とが、駆動部41の径方向に並んで設けられている。なお、駆動部収容部94の軸方向他側に、配線収容室93が設けられている。
【0138】
図17の実線矢印に示されるように、内側排出口47dから排出された空気は、まず、配線収容室93および第1折り返し流路C1を流れる。その後、流路形成部95の内部に設けられた複数の仕切り壁96によって、次のような経路を辿る。
【0139】
すなわち、駆動部41の径方向内側に空気を流す第2空気流路P2を流れ、第2折り返し流路C2を流れ、駆動部41の径方向外側に空気を流す第3空気流路P3を流れ、第3折り返し流路C3を流れ、駆動部41の径方向内側に空気を流す第4空気流路P4を流れ、第4折り返し流路C4を流れ、駆動部41の軸方向他側に空気を流す第5空気流路P5を流れ、外側排出口50aを流れる。
【0140】
このように、実施の形態5の上流側排出流路EX1は、空気の流れを一方側および当該一方側とは反対側の他方側に向けるように、駆動部41の長手方向に蛇行した形状に形成されている。なお、実施の形態5では、収容ケース91の径方向内側が一方側に相当し、収容ケース91の径方向外側が他方側に相当する。
【0141】
その後、外側排出口50aから排出された空気は、略直方体形状に形成された吸音材92の複数の流通穴92a(図17では1つのみ示す)を流れる。ここで、複数の流通穴92aは、モータユニット90の軸方向に貫通する貫通路OP3を形成する。そして、吸音材92を通過した空気は、下流側排出流路EX2を流れ、排出口23a(図1参照)から外部に排出される。
【0142】
以上のように形成された実施の形態5においても、上述した実施の形態1と略同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態5では、収容ケース91の一部を径方向に出っ張らせて、収容ケース91を軸方向視で略楕円形に形成した。これにより、収容ケース91の軸方向視における短手方向の寸法を詰めることが可能となる。よって、クリーナ10の小型化および軽量化に有利である。
【0143】
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上述したクリーナ10は、バッテリパック11からの駆動電流の供給により駆動されるモータユニット40,60,70,80,90を備えたものを示したが、本発明はこれに限らず、商用電源(AC電源)から電源コードを介してモータユニットに駆動電流を供給するものにも適用することができる。
【0144】
その他、上述の各実施の形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数,設置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、上述の各実施の形態に限定されない。
【符号の説明】
【0145】
10…クリーナ(作業機)、11…バッテリパック(バッテリ)、11a…ロックフリースイッチ、12…操作部、12a…ボタン、12b…警告灯、13…LEDライト、20…モータハウジング(ハウジング)、20a…第1ハウジング半体、20b…第2ハウジング半体、21…モータユニット収容部(外側ケース収容部)、21a…係合凹部、22…ハンドル、23…バッテリ装着部、23a…排出口、30…ダストハウジング(ハウジング)、31…吸込口、32…フィルタ、33…開閉体、40…モータユニット、41…駆動部、42…回転軸、43…ブラシレスモータ(モータ)、44…ファン、45…制御基板、46…基板ホルダ、47…モータケース(内側ケース)、47a…底壁部、47b…側壁部、47c…吸入開口部、47d…内側排出口、50…収容ケース(外側ケース)、50a…外側排出口、51…第1ケース体、51a…第1底壁部、51b…第1側壁部、51c…吸気口、51d…モータケース支持部、51e…ねじ挿通部、52…第2ケース体、52a…第2底壁部、52b…第2内側壁部、52c…第2外側壁部、52d…第1雌ねじ部、52e…駆動部支持部、52f…第2雌ねじ部、52g…係合凸部、53…第3ケース体、53a…第3底壁部、53b…第3側壁部、53c…配線収容室、53d…配線挿通穴、54…吸音材、54a…外側面、54b…内側面、54c…凹部(連通路)、60…モータユニット、61…吸音材、61a…外周面、61b…内周面、61c…丸穴(連通路)、70…モータユニット、71…収容ケース(外側ケース)、80…モータユニット、81…収容ケース(外側ケース)、82…仕切り壁、90…モータユニット、91…収容ケース(外側ケース)、92…吸音材、92a…流通穴、93…配線収容室、94…駆動部収容部、95…流路形成部、96…仕切り壁、C1…第1折り返し流路(第1折り返し路)、C2…第2折り返し流路(第2流路)、C3…第3折り返し流路、C4…第4折り返し流路(第2折り返し路)、Cn…第n折り返し流路、C(n+1)…第(n+1)折り返し流路、C(n+2)…第(n+2)折り返し流路(第2折り返し部)、CS1~CS3…第1~第3クッション部材、CT…クッションテープ、EX…排出流路、EX1…上流側排出流路、EX2…下流側排出流路、IN…吸込流路、LN1…電源線、LN2…信号線、OP,OP2,OP3…貫通路、P(n+1)…第(n+1)空気流路、P(n+2)…第(n+2)空気流路、P(n+3)…第(n+3)空気流路(第2折り返し部)、P1…第1空気流路、P2…第2空気流路(排出流路,第1流路,第1折り返し路)、P3…第3空気流路(排出流路,第2流路)、P4…第4空気流路(排出流路)、P5…第5空気流路(第2折り返し路)、S1~S3…固定ねじ、SP…スペース、T…モータ側端子
図1
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