(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108843
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013444
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000132747
【氏名又は名称】株式会社ソフイア
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅也
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088BC15
2C333AA11
2C333CA26
2C333CA53
2C333CA77
2C333FA05
2C333GA05
(57)【要約】
【課題】遊技の興趣を向上可能にする遊技機を提供する。
【解決手段】1回の変動表示ゲームは、リーチ前演出、ノーマルリーチ演出、弱リーチ演出、強リーチ演出、図柄昇格演出で構成されている。リーチ前演出、ノーマルリーチ演出、強リーチ演出、および図柄昇格演出は、それぞれ1回の表操作演出を含み、弱リーチ演出は、1回の裏操作演出を含む。表操作演出は、1回限りの期待度報知をおこなう演出であり、各期待度報知演出において独立して期待度を報知し得る発展テーブルを用いる。裏操作演出は、2回以上の期待度報知をおこなう演出であり、1回の期待度報知演出において2回以上の期待度報知演出をおこなうとき、降格報知を禁止した発展テーブルを用いる。
【選択図】
図52
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変動表示ゲームを実行可能な変動表示ゲーム実行手段と、
遊技者操作による操作入力を受付可能な操作手段と、
前記変動表示ゲームが所定結果を導出する期待度を色により示唆する示唆演出を実行可能な期待度演出手段と、
所定の入力操作受付機会において、遊技者操作により操作入力を受付可能にする第1の入力状態、または遊技者操作なしに操作入力を受付可能にする第2の入力状態を設定可能な入力状態設定手段と、
前記第2の入力状態において前記第2の入力状態を案内可能な案内手段と、を含み、
前記案内手段は、前記示唆演出で用いられる色に含まれない色で前記第2の入力状態を案内する、
遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
プッシュボタンのような演出介入用の操作入力手段を有する遊技機がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1つの側面では、本発明は、遊技の興趣を向上可能にする遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、以下に示すような、遊技機が提供される。遊技機は、変動表示ゲームを実行可能な変動表示ゲーム実行手段と、遊技者操作による操作入力を受付可能な操作手段と、変動表示ゲームが所定結果を導出する期待度を色により示唆する示唆演出を実行可能な期待度演出手段と、所定の入力操作受付機会において、遊技者操作により操作入力を受付可能にする第1の入力状態、または遊技者操作なしに操作入力を受付可能にする第2の入力状態を設定可能な入力状態設定手段と、第2の入力状態において第2の入力状態を案内可能な案内手段と、を含む。案内手段は、示唆演出で用いられる色に含まれない色で第2の入力状態を案内する。
【発明の効果】
【0006】
1態様によれば、遊技機において、遊技の興趣を向上可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
【
図2】第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
【
図3】第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。
【
図6】第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。
【
図7】第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。
【
図8】第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。
【
図9】第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。
【
図10】第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。
【
図11】第1の実施形態の遊技制御装置のメモリマップの一例を示す図である。
【
図12】第1の実施形態の安全装置情報初期化処理のフローチャートを示す図である。
【
図13】第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。
【
図14】第1の実施形態の第1エラー監視処理のフローチャートを示す図である。
【
図15】第1の実施形態の第2エラー監視処理のフローチャートを示す図である。
【
図16】第1の実施形態の遊技停止中フラグ設定処理のフローチャートを示す図である。
【
図17】第1の実施形態の外部情報編集処理のフローチャートを示す図(その1)である。
【
図18】第1の実施形態の外部情報編集処理のフローチャートを示す図(その2)である。
【
図19】第1の実施形態の領域外統合処理のフローチャートを示す図である。
【
図20】第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
【
図21】第1の実施形態の遊技性能一覧の一例を示す図である。
【
図22】第1の実施形態の遊技状態遷移の一例を示す図である。
【
図23】第1の実施形態のゲーム表示画面の一例を示す図である。
【
図24】第1の実施形態の外部情報端子板の概観の一例を示す図である。
【
図25】第1の実施形態の外部情報端子基板の概観の一例を示す図である。
【
図26】第1の実施形態の情報出力端子への出力信号の割当の一例を示す図である。
【
図27】第1の実施形態の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その1)を示す図である。
【
図28】第1の実施形態の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その2)を示す図である。
【
図29】第1の実施形態の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その3)を示す図である。
【
図30】第1の実施形態の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その4)を示す図である。
【
図31】第1の実施形態の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その5)を示す図である。
【
図32】第1の実施形態の2列配置の情報出力端子への出力信号の割当の一例を示す図である。
【
図33】第1の実施形態の2列配置の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その1)を示す図である。
【
図34】第1の実施形態の2列配置の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その2)を示す図である。
【
図35】第1の実施形態の2列配置の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その3)を示す図である。
【
図36】第1の実施形態の2列配置の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その4)を示す図である。
【
図37】第1の実施形態の2列配置の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その5)を示す図である。
【
図38】第2の実施形態の操作演出における入力制御の一例を示す図である。
【
図39】第2の実施形態の画面表示の一例(その1)を示す図である。
【
図40】第2の実施形態の画面表示の一例(その2)を示す図である。
【
図41】第2の実施形態の画面表示の一例(その3)を示す図である。
【
図42】第2の実施形態の画面表示の一例(その4)を示す図である。
【
図43】第2の実施形態の画面表示の一例(その5)を示す図である。
【
図44】第2の実施形態の画面表示の一例(その6)を示す図である。
【
図45】第2の実施形態の画面表示の一例(その7)を示す図である。
【
図46】第2の実施形態の入力モードの遷移の一例(その1)を示す図である。
【
図47】第2の実施形態の入力モードの遷移の一例(その2)を示す図である。
【
図48】第2の実施形態の入力モードの遷移の一例(その3)を示す図である。
【
図49】第2の実施形態の期待度報知演出における基準態様の一例(その1)を示す図である。
【
図50】第2の実施形態の1回限りの期待度報知をおこなう演出に設定される発展テーブルの一例を示す図である。
【
図51】第2の実施形態の2回以上の期待度報知をおこなう演出に設定される発展テーブルの一例を示す図である。
【
図52】第2の実施形態の1回の変動表示ゲームで2回以上の表操作演出と1回の裏操作演出とがある場合の手動入力モードにおける期待度報知の一例を示す図である。
【
図53】第2の実施形態の1回の変動表示ゲームで2回以上の表操作演出と1回の裏操作演出とがある場合の自動入力モードにおける期待度報知の一例を示す図である。
【
図54】第2の実施形態の1回の変動表示ゲームで2回以上の表操作演出と1回の裏操作演出とがある場合の自動入力モードから手動入力モードへの遷移時における期待度報知の一例を示す図である。
【
図55】第2の実施形態の期待度報知演出における基準態様の一例(その2)を示す図である。
【
図56】第2の実施形態の裏操作演出期間の区別に手掛かりを与える演出態様の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面にもとづいて説明する。
図1は、第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
【0009】
第1の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)11に正面視で左側を軸着側、右側を開放側にして開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(
図2参照)は、前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明部材保持枠)15が取り付けられている。
【0010】
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED(Light Emitting Diode)等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(たとえば、効果音)を発するスピーカ19(左上スピーカ19a1、右上スピーカ19a2)が設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ19(左下スピーカ19b1、右下スピーカ19b2)が設けられている。また、異常発生時はスピーカ19から音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
【0011】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。また、下皿23には、下皿23から遊技機外に遊技球を抜くための玉抜きレバー23aが設けられている。
【0012】
さらに、上皿21の上縁部には、遊技演出への介入操作等に用いられる演出ボタン25が設けられている。なお、演出ボタン25は、遊技演出への介入操作を受け付ける演出操作受付部として機能するとともに、所要の態様(たとえば、発光態様や振動や突出等の動作態様等)で演出可能な演出部としても機能する。また、上皿21の左縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部29が設けられている。オプション設定部29は、4方向の入力操作を受け付け可能な十字カーソルスイッチと、十字カーソルスイッチの中央部に決定操作等を受け付け可能な中央スイッチと、十字カーソルスイッチの周縁部にあって音量操作等に用いられる2つの付属スイッチとが設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
【0013】
なお、遊技機10は、演出ボタン25(プッシュボタン)の操作(たとえば押下操作)を検出する演出ボタンスイッチ25a(
図4参照)から受け付けた遊技者の操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(
図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。なお、このような遊技者の操作介入には、演出ボタン25のみならずオプション設定部29のスイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちのいずれか一つまたは複数が使用される構成でもよい。後述する
図4では、オプション設定部29の各スイッチをまとめて設定スイッチ29nと表している。
【0014】
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この第1の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(
図2参照)に向かって発射する。また、遊技者がオプション設定部29の前述した設定スイッチ29n(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちのいずれか一つまたは複数を操作することによって、たとえば、スピーカ19から放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさを設定したりすることができる。
【0015】
次に、遊技盤30について
図2を用いて説明する。
図2は、第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
【0016】
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。なお、表示装置41は、LEDによるドットマトリクス表示可能な表示画面を有する装置等、その他の表示装置、あるいは2以上の表示装置の組合せで構成されるものであってもよい。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0017】
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、
図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
【0018】
遊技領域32におけるセンターケース40の下方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(
図3参照)により検出される。
【0019】
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置95の右部には、一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(
図3参照)により検出される。
【0020】
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(
図3参照)により検出される。
【0021】
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、センターケース40よりも下方位置であって、普図始動ゲート34の左部には、第2特図変動表示ゲーム(特
図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口2)は、流入部分となる位置に可動部材37bが設けられる。可動部材37bは、普電ソレノイド37c(
図3参照)によって前後方向にスライド移動して流入部分への遊技球の流入を阻止する阻止状態と、後方へ退避して流入部分への遊技球の流入を許容する許容状態とに変化させられるようになっている。可動部材37bは、常時は閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(
図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしてもよい。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
【0022】
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右側には、特図変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム、および特
図2変動表示ゲーム)の結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口1)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(可動片)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口1ソレノイド38b(
図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口(大入賞口1)を備え、特
図1変動表示ゲーム及び特
図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(特別遊技状態)中、および後述する特定領域96への入賞による大当り遊技状態(特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(
図3参照)が配設されている。
【0023】
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下側には、特図変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム、および特
図2変動表示ゲーム)の結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口2)95が配設されている。特別変動入賞装置95は、開閉部材(開閉扉)95cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材95cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材95cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置95は、駆動装置としての大入賞口2ソレノイド95b(
図3参照)により駆動される開閉部材95cによって開閉される大入賞口(大入賞口2)を備え、特
図1変動表示ゲーム及び特
図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(
図3参照)が配設されている。
【0024】
また、特別変動入賞装置95は、入賞口内に入賞した遊技球を特定領域96に誘導するV流路を備える。特別変動入賞装置95は、特定領域96に流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ38e(
図3参照)が設けられている。なお、特定領域スイッチ38eにおける遊技球の検出(特定領域96への入賞)は、特別変動入賞装置(大入賞口1)38を閉じた状態から開いた状態に変換する大当り遊技状態(特別遊技状態)の発生条件の1つとなっている。
【0025】
また、センターケース40は、ワープ流路を備えないが、ワープ流路を備えるようにしてもよい。たとえば、センターケース40の左側側部にワープ口(ワープ入口)を設け、ワープ口からワープ流路に流入した遊技球をセンターケース40内のステージ上を転動させ、その一部をワープ出口に案内するようにしてもよい。その場合、ワープ出口は、始動入賞口36の直上に位置するようにして、ワープ出口に案内された遊技球を始動入賞口36に入賞しやすくなるようにしてもよい。
【0026】
第1の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(左側遊技領域に位置する)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38,95、一般入賞口35(右側遊技領域に位置する)などへの入賞を狙うことができるようになっている。
【0027】
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
【0028】
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特
図1保留表示部52と、特
図1図柄表示部53と、特
図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57とを備える(
図5参照)。一括表示装置50の詳細は、後述する。
【0029】
遊技機10は、特別変動入賞装置(大入賞口1)38の近傍右側に右打ち案内表示装置91cを備える。右打ち案内表示装置91cは、遊技者に右打ちを案内するときに点灯し、その他の状態で消灯する。なお、右打ち案内表示装置91cは、盤装飾装置46に含まれる。
【0030】
遊技機10は、遊技領域32におけるセンターケース40の右下に特図ゲーム変動表示状態表示装置98を備える。特図ゲーム変動表示状態表示装置98は、いわゆる第4図柄表示装置であって、2つのLEDで構成される。特図ゲーム変動表示状態表示装置98は、左側LEDにより特
図1変動表示ゲームの変動表示状態を表示し、右側LEDにより特
図2変動表示ゲームの変動表示状態を表示する。たとえば、特図ゲーム変動表示状態表示装置98は、点灯により特図変動表示ゲームの図柄停止状態を報知し、点滅により特図変動表示ゲームの図柄変動状態を報知する。なお、特図ゲーム変動表示状態表示装置98は、盤装飾装置46に含まれる。
【0031】
遊技機10は、遊技領域32におけるセンターケース40の右側に普図変動表示装置93と普図保留表示装置94を備える。普図変動表示装置93は、2つのLEDで構成され、交互点滅により普図ゲームの変動表示状態を報知し、点灯または消灯の組合せ態様により普図ゲームの変動表示結果を報知する。また、普図保留表示装置94は、2つのLEDで構成され、消灯、点灯、点滅の組合せ態様により0個から4個までの普図保留数を報知する。なお、普図変動表示装置93と普図保留表示装置94は、盤装飾装置46に含まれる。
【0032】
次に、遊技機の制御システムについて
図3を用いて説明する。
図3は、第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
【0033】
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれる遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Direct Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0034】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(Alternating Current)-DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC-DCコンバータ等を有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部430等を備える。
【0035】
第1の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第1の実施形態のように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0036】
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0037】
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづき遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではないが、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0038】
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能であって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになっている。たとえば、遊技制御装置100は、特
図1変動表示ゲームおよび特
図2変動表示ゲームの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
【0039】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLEDであって基板上に実装される。
【0040】
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができる設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。当然、確率設定値表示装置136は、遊技場の管理者によって確認可能であり、遊技者からは確認不可能になっている。
【0041】
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRAM111Cを備える。
【0042】
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0043】
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
【0044】
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0045】
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
【0046】
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチなし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「スペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0047】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0048】
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
【0049】
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機のカードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御をおこなう。
【0050】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38,95の大入賞口スイッチ38a、特別変動入賞装置95の特定領域スイッチ38eに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V-11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0051】
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、
図3では入賞口スイッチ35aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(n個)の入賞口スイッチ35a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接I/F121に入力されている。また、
図3では大入賞口スイッチ38aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(x個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38aが、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置100(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)という方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気センサ61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方式で遊技制御装置100に接続されていてもよい。
【0052】
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、および特定領域スイッチ38eの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特
図1の始動口スイッチである始動口1スイッチ36a,始動口2スイッチ37aの信号の出力(近接I/F121からの出力)については、
図3では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
【0053】
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キースイッチ127の検出信号、払出制御装置200からのタッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)が入力されるようになっている。
【0054】
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
【0055】
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0056】
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したチップイネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
【0057】
また、入力部120には、RAM初期化スイッチ112の検出信号、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することにもとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したときに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
【0058】
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)とアウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当りの遊技性能(たとえば、ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は性能表示装置135に表示される。なお、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとなる稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、性能表示装置135は、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示することができる。
【0059】
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるようにしてもよい。
【0060】
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0061】
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成されるようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0062】
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
【0063】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0064】
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネーブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0065】
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入賞口1)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口1ソレノイド38bの開閉データ、特別変動入賞装置95(大入賞口2)の開閉部材95cを開閉させる大入賞口2ソレノイド95bの開閉データ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および性能表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている。
【0066】
また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート134dが設けられている。
【0067】
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報をフォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
【0068】
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口ソレノイド38b、特定領域ソレノイド38d、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第1出力ポート134aから出力される性能表示装置135の表示データ信号を受けて性能表示装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。
【0069】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
【0070】
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。また、性能表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと性能表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
【0071】
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
【0072】
次に、演出制御装置300の構成について
図4を用いて説明する。
図4は、第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音等をスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
【0073】
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。また、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コマンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
【0074】
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326が接続されている。
【0075】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
【0076】
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0~nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
【0077】
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
【0078】
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a(左上スピーカ19a1、右上スピーカ19a2)および前面枠12に設けられた下スピーカ19b(左下スピーカ19b1、右下スピーカ19b2)を駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介してスピーカ19から出力される。
【0079】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0080】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
【0081】
さらに、演出制御装置300には、演出ボタン25の演出ボタンスイッチ25aやオプション設定部29の設定スイッチ29nと、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。なお
図4では、オプション設定部29の各スイッチを便宜上まとめて設定スイッチ29nと表しているが、詳細には、前述した各スイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)の状態がスイッチ入力回路336によりそれぞれ個別に検出されるように接続されており、各スイッチの各状態を示す検出信号がそれぞれ主制御用マイコン311へ入力される。
【0082】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカ19を駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0083】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板ともいう)に相当する。
【0084】
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図柄表示部55に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部55に第1当り停止図柄~第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
【0085】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
【0086】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特
図1図柄表示部53や特
図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
【0087】
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、演出状態の設定や、スピーカ19からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
【0088】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特
図1図柄表示部53や特
図2図柄表示部54に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すなわち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、第1特図変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム)あるいは第2特図変動表示ゲーム(特
図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。
【0089】
なお、これら小当り遊技状態でおこなわれる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で4回おこなうといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の特
図1図柄表示部53や特
図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
【0090】
また、第1の実施形態の遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームにおいて確率変動をおこなわないが、図変動表示ゲームにおいて確率変動をおこなうものであってもよい。たとえば、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
【0091】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が「0」に設定されている。
【0092】
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×3回)となるように設定することが可能である。
【0093】
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をおこなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(たとえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、250/251)とすることが可能である。
【0094】
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)と称することもできる。
【0095】
次に、一括表示装置の構成について
図5を用いて説明する。
図5は、第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個のLEDを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこなう。
【0096】
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示部51と、特
図1保留表示部52と、特
図1図柄表示部53と、特
図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特
図2保留表示部58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特
図1保留表示部52は、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特
図1ゲームにおける保留数を表示する。特
図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特
図1ゲームにおける図柄を表示する。特
図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特
図2ゲームにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、およびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示する。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LED_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける遊技状態を表示する。特
図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個のLEDの点灯態様により、特
図2ゲームにおける保留数を表示する。
【0097】
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主にメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこなわれるタイマ割込み処理とからなる。
【0098】
〔メイン処理〕
まず、第1の実施形態の遊技制御装置のメイン処理について
図6から
図10を用いて説明する。
図6は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。
図7は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。
図8は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。
図9は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。
図10は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。
【0099】
メイン処理は、電源が投入されることで制御部(遊技用マイコン111)によって開始される。このメイン処理においては、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をおこなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。RAM111Cのアドレスの範囲は、0000h~01FFhで、上位としては00hか01hをとる。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセットする。
【0100】
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
【0101】
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を第1レジスタ(たとえばBレジスタ)に読み込み(ステップS6)、続けて入力ポート3(第3入力ポート124)の状態を第2レジスタ(たとえばCレジスタ)に読み込む(ステップS7)。
【0102】
ここで、第1レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS8)。たとえば、RAM初期化スイッチ112からの検出信号に対応するBレジスタの第2ビットだけを保持し、第0ビットと第1ビットと、第3ビットから第7ビットをクリアする。そして、第2レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS9)。たとえば、設定キースイッチ127からの検出信号に対応するCレジスタの第4ビットだけを保持し、第0ビットから第3ビットと第5ビットから第7ビットをクリアする。
【0103】
第1レジスタの情報を第2レジスタに統合し、第2レジスタが保持する情報をRAM111Cに頼らない参照用の情報として保持する(ステップS10)。たとえば、BレジスタとCレジスタの論理和をCレジスタに格納し、Cレジスタを状態参照用レジスタとして保持する。
【0104】
たとえば、状態参照用レジスタ(Cレジスタ)の値「00000000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定変更状態を示す。
【0105】
また、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)であるRAM初期化状態を示す。
【0106】
また、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定確認状態を示す。
【0107】
また、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)である復電(停電復旧)状態を示す。
【0108】
これにより、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号とがCレジスタに保持される。なお、RAM初期化スイッチ112からの検出信号のBレジスタにおける格納位置(第2ビット)と設定キースイッチ127からの検出信号のCレジスタにおける格納位置(第4ビット)とが異なるためBレジスタとCレジスタの論理和によっても、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号は、失われずに保存される。
【0109】
その後、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS11)。この処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や演出制御装置300等の従制御装置)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御手段が立ち上がる前にコマンドを従制御手段へ送ってしまい、従制御手段がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
【0110】
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
【0111】
なお、第2レジスタ(Cレジスタ)には、RAM初期化スイッチ112の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、RAM初期化スイッチ112の操作を確実に保存できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
【0112】
また、第2レジスタ(Cレジスタ)には、設定キースイッチ127の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、設定キースイッチ127の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ127の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ127を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ127を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった設定変更操作あるいは設定確認操作が受け付けられないような事態を防止できる。
【0113】
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS11)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS12からS14)をおこなう。なお、電源投入ディレイタイマは、払出制御装置200を含む従制御装置が起動するのに十分な時間が設定される。
【0114】
停電発生である場合(ステップS12;Y)は、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。停電発生は、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んで設定したチェック回数(たとえば2回)分、停電監視信号のオン状態が継続した場合に検出される。すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
【0115】
一方、停電発生でない場合(ステップS12;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを「-1」更新し(ステップS13)、タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS14)。タイマの値が0でない場合(ステップS15;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電発生を監視する処理(ステップS12)に戻される。また、タイマの値が「0」である場合(ステップS14;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM111CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許可をし(ステップS15)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)する(ステップS16)。
【0116】
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS17)。
【0117】
ステップS18では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC回路を起動する処理をおこなう。
【0118】
ステップS19では、RAM異常フラグをセットする処理をおこなう。なお、RAM異常フラグのセットは、暫定的なものであって後で実行されるRAMの異常を検査する処理において更新され得る。
【0119】
ステップS20では、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定する。停電検査領域1の値が正常であれば(ステップS20;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(たとえばA5h)であるか否かを判定し(ステップS21)、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS21;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS22)をおこなう。
【0120】
なお、チェックサム算出処理では、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータを合算したものをチェックサムとして算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータからそれぞれ別々にチェックサムを算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータだけからチェックサムを算出してもよい。遊技制御用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち遊技制御用に使用される作業領域である。状態表示用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち状態表示用に使用される作業領域である。
【0121】
次に、ステップS22で算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定(ステップS23)し、チェックサムが一致する(正常である)と判定された場合(ステップS23;Y)は、ステップS19で暫定的にセットしたRAM異常フラグをクリアする(ステップS24)。
【0122】
なお、チェックサムが一致しない(正常でない)と判定された場合(ステップS23;N)は、ステップS24をパスしてステップS25へ移行することで、ステップS19で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。停電検査領域のチェックデータが正常なデータでない(ステップS20;NまたはステップS21;N)と判定された場合も、ステップS24をパスしてステップS25へ移行することで、ステップS19で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。
【0123】
ステップS25では、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合には、ステップS34に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合には、ステップS26に進む。
【0124】
なお、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを同時に判定することができる。また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、RAMの正当性判定をおこなう以前の設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを判定対象にすることができる。
【0125】
ステップS26では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合(すなわち、RAM異常フラグがセットされている場合)にステップS28に進み、RAM異常フラグがオンでない場合(すなわち、RAM異常フラグがクリアされている場合)にステップS27に進む。
【0126】
ステップS27では、制御部は、設定変更モード中フラグ(確率設定変更中フラグ)がオンか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中フラグがオンである場合にステップS28に進み、設定変更モード中フラグがオンでない場合にステップS49に進む。
【0127】
ステップS28からステップS33は、RAM異常時、あるいは設定中に電源遮断があったときにRAMクリアされずに再起動された時に実行される処理である。ステップS28では、制御部は、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、RAMクリアを伴う再起動を案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19から音出力させたりする。また、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44によりメイン異常エラーを報知する。
【0128】
ステップS29では、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを性能表示装置135に出力する。このとき、制御部は、性能表示装置135にメイン異常エラーに対応するステータスを表示することができる。また、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを確率設定値表示装置136に出力する。このとき、制御部は、確率設定値表示装置136に確率設定値にない数値や文字を表示することができる。なお、制御部は、遊技停止時のLED表示データを含む7セグ表示データを一括表示装置50に出力するようにしてもよい。このとき、制御部は、一括表示装置50を全消灯あるいは全点灯としてもよい。
【0129】
ステップS30では、制御部は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子板71から出力する。このとき、制御部は、外部情報端子板71から出力するその他の信号の出力データをオフにする。
【0130】
ステップS31では、制御部は、停電の発生を監視する処理をおこなう。制御部は、停電発生を待つ間(ステップS31;N)、ステップS29とステップS30とを繰り返し実行して電源遮断を待つ。すなわち、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、性能表示装置135にメイン異常エラーに対応するステータスを表示しながら(ステップS29)、外部情報端子板71からセキュリティ信号を出力する(ステップS30)。また、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号以外の信号を出力しない。なお、電源遮断を待つまでの間に性能表示装置135にメイン異常エラーに対応するステータスを表示しながら、外部情報端子板71からセキュリティ信号を出力する処理(ステップS29とステップS30)は、後述するタイマ処理においておこなうようにしてもよい。
【0131】
停電発生を検出(ステップS31;Y)した場合は、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)し(ステップS32)、RAM111CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセスを禁止して(ステップS33)電源が遮断されるのを待つ。
【0132】
なお、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS29とステップS30の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止していない。これにより、遊技機10は、NMI(Non-Maskable Interrupt)発生時に戻りアドレスをRAMに格納可能にして、プログラム暴走の危険を低減している。このように、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS29とステップS30の繰り返し実行中のRAMの記憶内容をRAMアクセス禁止により保護しないが、再起動時のRAMクリアが遊技制御開始の条件となるため、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にしている。すなわち、遊技機10は、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にして引き受けながら、プログラム暴走の危険低減効果を得る。また、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS29とステップS30の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止しないことにより、ステップS29とステップS30においてサブルーチンを呼出可能にしてプログラム効率の向上を図ることができる。なお、遊技機10は、停電発生の検出以降においてRAMアクセス禁止によりRAMの記憶内容を保護する。
【0133】
ステップS34からステップS37は、設定変更準備に関する処理であり、ステップS27において、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合に実行される処理である。
【0134】
ステップS34では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合にステップS35に進み、RAM異常フラグがオンでない場合にステップS36に進む。
【0135】
ステップS35では、制御部は、RAM異常フラグがオンであることから設定値をクリアする。なお、設定値のクリアは、設定値として無効な値をセットすることによってもよいし、不正対策の観点から遊技者にとって最も不利な値をセットすることによってもよい。
【0136】
ステップS36では、制御部は、設定変更モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定変更モード中フラグは、遊技機10が設定変更中か否かを示すフラグであって、設定変更中であるときに設定変更モード中フラグがセットされ、設定変更中でないときに設定変更モード中フラグがクリア(リセット)される。
【0137】
ステップS37では、制御部は、設定変更中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19から音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
【0138】
ステップS38は、設定変更準備(ステップS34からステップS37)の後、または設定確認準備(ステップS50、ステップS51)の後に実行される処理である。ステップS38では、制御部は、セキュリティ信号制御タイマに128msを設定する。これにより、遊技機10は、少なくともセキュリティ信号制御タイマがタイムアップされるまでの間、セキュリティ信号を出力する。なお、セキュリティ信号制御タイマは、最低出力保障時間(たとえば、50ms)を超えるものであればよく、128msに限らないものであってもよい。
【0139】
ステップS39からステップS41は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理である。遊技機10は、ステップS37でセキュリティ信号を出力セットしていることにより設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理の実行を外部から把握可能にしている。
【0140】
制御部は、割込みを許可(ステップS39)した後、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオフであるか否かを判定する(ステップS40)。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオフである場合にステップS56に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオフでない場合にステップS41に進む。
【0141】
ステップS41では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS42に進み、停電が発生していない場合にステップS40に進む。すなわち、制御部は、ステップS39で割込みを許可した状態で、停電発生までの間、設定キーのオフを待ち受ける。
【0142】
制御部は、停電が発生していると判定した場合、割込みを禁止する処理(ステップS42)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS43)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS44)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS45)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS46)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS47)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS48)をおこなってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することができる。
【0143】
ステップS49は、ステップS27で設定変更モード中フラグがオンであると判定された場合に実行される。ステップS49では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオンである場合にステップS50に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンでない場合にステップS52に進む。
【0144】
ステップS50、ステップS51は、設定確認準備に関する処理である。ステップS50では、制御部は、設定確認モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定確認モード中フラグは、遊技機10が設定確認中か否かを示すフラグであって、設定確認中であるときに設定確認モード中フラグがセットされ、設定確認中でないときに設定確認モード中フラグがクリア(リセット)される。ステップS51では、制御部は、設定確認中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、設定確認中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19から音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により設定確認中であることを報知する。この後、制御部は、ステップS38に進む。
【0145】
一方、制御部は、ステップS49において設定キースイッチ127の検出信号がオンでないと判定した場合に、ステップS52を実行する。ステップS52では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合にステップS53に進み、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合にステップS59に進む。すなわち、遊技機10は、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴う起動検出によりRAM初期化(RAMクリア)に関する処理の実行に進み、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴わない起動検出により停電復旧に関する処理の実行に進む。
【0146】
次に、ステップS53以降でおこなうRAM初期化に関する処理について説明する。RAM初期化に関する処理では、制御部は、設定値以外のRAM領域を0クリア(ゼロクリア)し(ステップS53)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS54)。たとえば、制御部は、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMクリア先頭アドレス2を設定し、RWM(たとえばRAM111C)の記憶領域(アクセス禁止領域を含まない領域)のうちのクリア対象領域(遊技制御用ワーク領域)のデータをゼロクリアする。
【0147】
なお、設定変更モード中フラグ、および設定確認モード中フラグは、クリア対象領域のデータに含まれることから、クリア対象領域のデータのゼロクリアによってクリアされる。
【0148】
ステップS55では、制御部は、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信する。なお、ステップS55では、機種指定コマンド、確率設定値情報コマンド等の複数のコマンドを送信する。これにより、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19から音出力させたりする。また、演出制御装置300は、RAM初期化のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
【0149】
また、制御部は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理(ステップS39からステップS41)の実行後に、設定キースイッチ127の検出信号がオフであることを検出した場合に、ステップS56を実行する。制御部は、割込みを禁止(ステップS56)した後、報知終了のコマンドを演出制御装置300に送信する(ステップS57)。
【0150】
これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドの受信により開始した設定変更中であることの報知、あるいは設定確認中のコマンドの受信により開始した設定確認中であることの報知を終了する。
【0151】
次に、制御部は、設定変更モード中フラグを参照して、設定変更モード中であるか否かを判定する(ステップS58)。制御部は、設定変更モード中である場合にステップS53に進み、RAM初期化に関する処理を実行する。一方、制御部は、設定変更モード中でない場合にステップS59に進み、停電復旧に関する処理を実行する。
【0152】
ステップS59では、制御部は、停電復旧処理を実行する。停電復旧処理は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブし、特図ステータスを参照して特図ゲームが高確率中であるか否かを判定し、特図ゲームが高確率中である場合に高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし、高確率報知LEDのオンデータをセグメント領域にセーブする処理を含む。
【0153】
なお、停電復旧処理における初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域、設定変更モード中フラグ、設定確認モード中フラグ、およびエラー不正監視に係る領域である。なお、停電復旧処理では、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
【0154】
次に、制御部は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS60)、ステップS61へ進む。なお、ステップS60では、機種指定コマンド、特
図1保留数コマンド、特
図2保留数コマンド、確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。なお、画面指定のコマンドとは、特
図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中(第1特別遊技状態)、小当り中(第2特別遊技状態)のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ画面の表示を指令するコマンドであり、それ以外である場合には復旧画面の表示を指令するコマンドである。
【0155】
ステップS61では、制御部は、安全装置が作動中であるか否かを判断する。安全装置は、いわゆるコンプリート機能を実現するもので、所定の稼働量(所定値を超える差玉の発生)の検出を契機に遊技を停止する。制御部は、安全装置が作動中である場合にステップS62に進み、安全装置が作動中でない場合にステップS63に進む。
【0156】
ステップS62では、制御部は、安全装置作動中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し、ステップS63へ進む。なお、ステップS62では、機種指定コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。
【0157】
ステップS63では、制御部は、遊技制御用のスタックポインタをRAMに保存する時にフラグ(ゼロフラグ)が変化することを避けるため、遊技に関係しない処理に移行する前にフラグレジスタを遊技制御用スタック領域に退避する。
【0158】
なお、制御部は、遊技に関係しない処理(安全装置情報初期化処理)を実行する際にスタックポインタを遊技制御用スタック領域(領域内スタック領域)から非遊技制御用スタック領域(領域外スタック領域)に切り替え(遊技に関係しない処理内で実行)、遊技に関係する処理に復帰する際にスタックポインタを非遊技制御用スタック領域(領域外スタック領域)から遊技制御用スタック領域(領域内スタック領域)に切り替える(遊技に関係しない処理内で実行)。これにより、制御部は、遊技に関係しない処理が遊技に関係する記憶領域にアクセスすることがないように処理ごとにアクセス可能な記憶領域を切り分けることができる。なお、遊技制御装置100におけるメモリマップの詳細については後で
図11を用いて説明する。
【0159】
ステップS64では、制御部は、安全装置に関する情報を初期化する安全装置情報初期化処理を実行する。安全装置情報初期化処理の詳細については、後で
図12を用いて説明する。ステップS65では、制御部は、遊技制御用スタック領域に退避したフラグレジスタを復帰する。
【0160】
ステップS66では、制御部は、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう。その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)の値を抽出し、対応する各種乱数(特図当り乱数、特図図柄乱数、普図当り乱数、変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、変動パターン乱数3)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS66)、割込みを禁止する(ステップS67)。
【0161】
ステップS68では、制御部は、遊技停止中であるか否かを判定し、遊技停止中であればステップS72に進み、遊技停止中でなければステップS69に進む。なお、制御部は、磁石、電波、振動、異常排出などの強エラー(不正系エラー)が発生した場合、および安全装置が作動した場合に遊技を停止する。
【0162】
ステップS69では、制御部は、遊技に関係しない処理に移行する前にフラグレジスタを遊技制御用スタック領域に退避する。ステップS70では、制御部は、性能表示装置135に表示される表示内容(遊技性能)を編集する性能表示編集処理を実行する。制御部は、性能表示編集処理の処理負荷が比較的高いため、割込みを禁止してより速やかな処理結果導出を図っている。これにより、遊技機10は、タイマ割込みにより遊技状態が更新されるまでに、性能表示編集処理の処理結果導出を担保する。性能表示編集処理は、アウト球数6万個で区切られた直近4つの期間(直近期間についてはアウト球数が6万個に満たない場合がある)のそれぞれのベース値を性能表示用に算出する処理である。ステップS71では、制御部は、遊技制御用スタック領域に退避したフラグレジスタを復帰する。
【0163】
ステップS72では、制御部は、割込みを許可する。ステップS73では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS42に進み、停電が発生していない場合にステップS67に進む。
【0164】
すなわち、制御部は、停電が発生しない限り、ステップS67からステップS73までの処理を繰り返し実行する。詳しくは、制御部は、停電が発生していない場合には、性能表示編集処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返しおこなう。そして、前に割込みを許可する(ステップS72)ことによって、停電監視中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行される。
【0165】
同様に、性能表示編集処理(ステップS70)の前に割込みを禁止する(ステップS67)ことによって、タイマ割込みに優先して性能表示編集処理が実行されるようになり、性能表示編集処理が圧迫されるのを回避することができる。また、制御部は、遊技制御用スタック領域(領域内スタック領域)と非遊技制御用スタック領域(領域外スタック領域)との頻回な切替を抑制することができる。
【0166】
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
【0167】
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
【0168】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化操作部の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
【0169】
なお、遊技制御装置100は、データ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)と、初期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)とを区別して実行する機能(第1初期化手段、第2初期化手段)を有するため、状況に応じた最適かつ無駄のない初期化の処理が実現できる。
【0170】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な設定操作部(設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、設定操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶された設定値を変更する設定変更手段(遊技制御装置100)とを備えることで設定変更を可能にするとともに、設定表示部(確率設定値表示装置136)を備えることで設定(設定値)を確認可能にしている。また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
【0171】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、RAM(RAM111C)へのアクセスを禁止(ステップS48)してすべての処理の実行停止を待機する停電発生時待機処理(ステップS48の後のループ)と、RAM(RAM111C)へのアクセスを許可(ステップS15)しながらすべての処理の実行停止を待機するRAM異常時待機処理(ステップS29からステップS31のループ)と、を実行可能にしている。
【0172】
ここで、停電発生時待機処理とRAM異常時待機処理について説明する。停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS48でRAMへのアクセスを禁止された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS42で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。ただし、停電発生時待機処理は、停電発生時に実行される処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が小さい。また、停電発生時待機処理は、異常報知を伴わない待機処理である。これにより、遊技機10は、電源遮断までの電力を停電処理に振り向けることができる。なお、遊技機10は、停電発生時待機処理にRAMへのアクセスを禁止することで、不安定な電圧によりRAMの記憶内容が変化する危険を低減している。
【0173】
RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS15でRAM(RWM)へのアクセスを許可された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS1で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。RAM異常時待機処理は、電源遮断を待つ処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が停電発生時待機処理よりも大きい。しかしながら、RAM異常時待機処理は、NMI割込みが発生してもRAMへのアクセスが許可されていることから戻りアドレスをRAMに格納可能であって、NMI割込み発生によるプログラム暴走の危険が小さい。また、遊技機10は、ステップS28においてメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信することから、RAM異常時待機処理の実行中に、演出制御装置300による異常報知を並行しておこなうことができる。これにより、遊技機10は、速やかな再起動が期待できる。
【0174】
次に、RAM111Cのメモリマップについて
図11を用いて説明する。
図11は、第1の実施形態の遊技制御装置のメモリマップの一例を示す図である。メモリマップ111Mは、RAM111Cのメモリマップである。RAM111Cは、メモリの先頭から順に、遊技制御用ワークエリア(領域内ワーク領域)、遊技制御用スタックエリア(領域内スタック領域)、非遊技制御用ワークエリア(領域外ワーク領域)、非遊技制御用スタックエリア(領域外スタック領域)を設定する。
【0175】
非遊技制御用ワークエリアには、性能表示関連の情報と、安全装置関連の情報とが含まれる。また、非遊技制御用ワークエリアには、試験信号に関する情報、エラー監視関連の情報を含むものであってもよい。非遊技制御用ワークエリアでは、各種情報ごとに記憶領域を区分して配置してもよいし、各種情報ごとの区分を不明確にして記憶領域に配置してもよい。非遊技制御用スタックエリアは、遊技に関係しない2以上の処理(たとえば、性能表示に関する処理と安全装置に関する処理)とで共用するが、別途、第1非遊技制御用ワークエリア、第2非遊技制御用ワークエリアのように切り分けて専用にしてもよい。また、遊技に関係しない処理には、試験信号に関する処理やエラー監視に関連する処理を含んでもよく、その場合にあっても非遊技制御用スタックエリアを各処理の間で一部または全部で共用としてもよいし専用としてもよい。
【0176】
遊技制御用ワークエリアは、先頭に確率設定値領域を配置することから、RAMクリア先頭アドレス1は、遊技制御用作業領域のすべて(遊技制御用ワークエリア)と遊技制御用スタック領域をクリア対象とする。また、RAMクリア先頭アドレス2は、確率設定値領域を除く遊技制御用ワークエリアと遊技制御用スタック領域をクリア対象とする。また、RAMクリア先頭アドレス3は、確率設定値領域と変動パターン乱数領域と初期値乱数領域を除く遊技制御用ワークエリアと遊技制御用スタック領域をクリア対象とする。また、RAMクリア先頭アドレス1、RAMクリア先頭アドレス2、およびRAMクリア先頭アドレス3のいずれも、停電検査領域1から停電検査領域2までの領域と、チェックサム領域をクリア対象とする。
【0177】
なお、遊技に関係する処理をおこなう遊技制御用プログラムは、遊技制御用プログラムエリアに格納され、遊技に関係しない処理をおこなう非遊技制御用プログラムは、非遊技制御用プログラムエリアに格納される。なお、たとえば、遊技に関係するとは、遊技結果に影響が及ぶことを言い、遊技に関係しないとは、遊技結果に影響が及ばないことを言う。たとえば、特図ゲームに関する処理は、処理結果が遊技結果に影響を及ぼすことから遊技に関係する処理に相当し、外部情報出力に関する処理は、外部情報出力が遊技結果に影響を及ぼすことがないから遊技に関係しない処理に相当する。
【0178】
〔安全装置情報初期化処理〕
次に、遊技制御装置100の安全装置情報初期化処理について
図12を用いて説明する。
図12は、第1の実施形態の安全装置情報初期化処理のフローチャートを示す図である。安全装置情報初期化処理は、安全装置に関する情報を初期化する処理であり、上述のメイン処理のステップS64においてCPU111Aが実行される処理である。
【0179】
安全装置は、安全装置未作動状態と、安全装置作動予告状態と、安全装置作動警告状態と、安全装置作動状態とを遷移可能である。安全装置未作動状態は、安全装置カウンタの値が0から189999のときの状態であり、安全装置作動予告状態は、安全装置カウンタの値が190000から194999のときの状態である。安全装置作動警告状態は、安全装置カウンタの値が195000に達して遊技停止前の状態であり、安全装置作動状態は、安全装置カウンタの値が195000に達して遊技停止中の状態である。安全装置カウンタの値「195000」は、差玉「95000」に相当する値である。
【0180】
制御部は、安全装置情報初期化処理において安全装置専用に用意された記憶領域にアクセス可能である。安全装置専用に用意された記憶領域は、遊技に関係する処理が読み書き可能で遊技に関係しない処理が読み出し可能な領域内ワーク領域と、遊技に関係しない処理が読み書き可能で遊技に関係する処理が読み出し可能な領域外ワーク領域とがある。たとえば、安全装置専用に用意された領域内ワーク領域には、安全装置作動中フラグ領域と獲得遊技球数領域がある。安全装置作動中フラグ領域は、安全装置が作動中か否かを示す安全装置作動中フラグを格納する領域であり、RAM初期化スイッチ112のオンによる初期化処理(ステップS53)でゼロクリアされる。獲得遊技球数領域は、獲得遊技球数を格納する領域であり、RAM初期化スイッチ112のオンによる初期化処理(ステップS53)でゼロクリアされる。
【0181】
安全装置専用に用意された領域外ワーク領域には、安全装置カウンタ領域と安全装置作動情報領域と旧作動情報領域とがある。安全装置カウンタ領域は、3バイトの大きさがあり、0から195000までの値を格納可能にしている。安全装置カウンタ領域は、遊技に関係する処理によって読み出されることがないが、差玉数をコマンドで送信する場合に当該処理によって参照される。安全装置作動情報領域は、現在の安全装置の作動情報を格納する。旧作動情報領域は、前回(原則として、1割込み前)の安全装置の作動情報を格納する。
【0182】
制御部は、スタックポインタをスタックポインタ保存領域にセーブし(ステップS81)、スタックポインタに領域外スタック領域の値を設定する(ステップS82)。これにより、制御部は、遊技に関係しない処理(安全装置情報初期化処理)を実行する際にスタックポインタを遊技制御用スタック領域(領域内スタック領域)から非遊技制御用スタック領域(領域外スタック領域)に切り替える。
【0183】
制御部は、レジスタを退避する(ステップS83)。退避するレジスタは、保護すべきレジスタ(当該処理内で使用されるレジスタ)に限ってもよいし、
図19を用いて後で説明する領域外統合処理のようにすべての汎用レジスタを退避するものであってもよい。なお、制御部は、レジスタを使用せず、記憶領域に直接書込みをおこなう場合には、レジスタの退避と復帰をおこなわないようにしてもよい。この場合、スタックポインタに関連する処理、フラグレジスタの退避と復帰も不要とすることができる。
【0184】
制御部は、安全装置カウンタ領域に初期値(100000)をセーブし(ステップS84)、安全装置作動情報領域に安全装置未作動情報(0)をセーブし(ステップS85)、旧作動情報領域に安全装置未作動情報(0)をセーブする(ステップS86)。
【0185】
制御部は、レジスタを復帰し(ステップS87)、スタックポインタ保存領域から読み出した値をスタックポインタとして設定し(ステップS88)、安全装置情報初期化処理を終える。
【0186】
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込み処理について
図13を用いて説明する。
図13は、第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるまでの間(ステップS39からステップS42まで、ステップS72からステップS67まで)に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である。
【0187】
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111において、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処理が開始される。
【0188】
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS91)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS92)。ステップS92では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。
【0189】
次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS93)をおこなう。ステップS94では、制御部は、設定変更モード中フラグと設定確認モード中フラグとを参照し、設定変更モード中(確率設定変更中)または設定確認モード中(確率設定確認中)であるか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中である場合にステップS95に進み、確率設定変更/確認処理を実行し、タイマ割込み処理を終了する。一方、制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中のいずれでもない場合にステップS96に進む。
【0190】
ステップS96では、制御部は、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御等をおこなうための出力処理を実行する。
【0191】
なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置100から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。次に、制御部は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS97)を実行する。
【0192】
ステップS98では、制御部は、遊技に関係しない処理に移行する前にフラグレジスタを遊技制御用スタック領域に退避する。ステップS99では、制御部は、遊技に関係しない異常(弱エラー)を監視する第1エラー監視処理を実行する。第1エラー監視処理については、後で
図14を用いて説明する。ステップS100では、制御部は、遊技制御用スタック領域に退避したフラグレジスタを復帰する。ステップS101では、制御部は、遊技に関係する異常(強エラー)を監視する第2エラー監視処理を実行する。第2エラー監視処理については、後で
図15を用いて説明する。ステップS102では、制御部は、遊技停止中フラグ設定処理を実行する。遊技停止中フラグ設定処理については、後で
図16を用いて説明する。
【0193】
次に、制御部は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、特定領域スイッチ38eから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS102)をおこなう。
【0194】
次に、制御部は、遊技停止中フラグを参照して遊技停止中か否かを判定する(ステップS103)。制御部は、遊技停止中でなければ各種ゲーム処理を実行するためにステップS104に進み、遊技停止中であれば各種ゲーム処理をパスしてステップS108に進む。
【0195】
次に、制御部は、特図変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム、特
図2変動表示ゲーム)に関する処理をおこなう特図ゲーム処理(ステップS104)に続いて、いわゆる2種ゲームに関する処理をおこなう2種ゲーム処理(ステップS105)を実行し、その後に普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS106)を実行する。
【0196】
次に、制御部は、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(たとえば、一括表示装置50の特
図1図柄表示部53等のLED)を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS107)をおこなう。
【0197】
ステップS108では、制御部は、安全装置関連処理を実行する。安全装置関連処理は、安全装置の作動予告、作動警告、作動中(遊技停止)を案内する、演出制御装置300に向けのコマンドを編集する処理や、安全装置作動時に安全装置作動中フラグに作動中を示す情報を設定する処理を含む。ステップS109では、制御部は、外部情報編集処理を実行する。外部情報編集処理については、後で
図16と
図17を用いて説明する。
【0198】
ステップS110では、制御部は、遊技に関係しない処理に移行する前にフラグレジスタを遊技制御用スタック領域に退避する。ステップS111では、制御部は、領域外統合処理を実行する。領域外統合処理については、後で
図18を用いて説明する。制御部は、遊技制御用スタック領域に退避したフラグレジスタを復帰(ステップS112)して、タイマ割込み処理を終了する。
【0199】
〔第1エラー監視処理〕
次に、遊技制御装置100の第1エラー監視処理について
図14を用いて説明する。
図14は、第1の実施形態の第1エラー監視処理のフローチャートを示す図である。第1エラー監視処理は、上述のタイマ割込み処理のステップS99においてCPU111Aにより実行される処理である。
【0200】
制御部は、スタックポインタをスタックポインタ保存領域にセーブし(ステップS121)、スタックポインタに領域外スタック領域の値を設定する(ステップS122)。これにより、制御部は、第1エラー監視処理を実行する際にスタックポインタを遊技制御用スタック領域(領域内スタック領域)から非遊技制御用スタック領域(領域外スタック領域)に切り替える。制御部は、レジスタを退避する(ステップS123)。
【0201】
制御部は、特別変動入賞装置(大入賞口1)38への不正を監視する上大入賞口不正監視処理(ステップS124)を実行し、特別変動入賞装置(大入賞口2)95への不正を監視する下大入賞口不正監視処理(ステップS125)を実行し、普通変動入賞装置37への不正を監視する普電不正監視処理(ステップS126)を実行する。
【0202】
制御部は、エラー監視カウンタを更新し(ステップS127)、エラー監視テーブル1を準備し(ステップS128)、エラー状態チェック処理(ステップS129)を実行する。制御部は、エラー監視カウンタを「0」から「3」の範囲でループ更新し、エラー監視テーブル1に規定される複数のエラーのうちの1つをエラー状態チェック処理のチェック対象とする。たとえば、エラー監視テーブル1は、スイッチ異常エラー(コネクタ抜け等)、シュート球切れエラー、オーバーフローエラー、および払出異常エラーを規定する。エラー状態チェック処理(ステップS129)は、エラー監視カウンタ「0」のときにスイッチ異常エラー(コネクタ抜け等)を監視し、エラー監視カウンタ「1」のときにシュート球切れエラーを監視し、エラー監視カウンタ「2」のときにオーバーフローエラーを監視し、エラー監視カウンタ「3」のときに払出異常エラーを監視する。このようにして、制御部は、第1エラー監視処理の4回の実行でスイッチ異常エラー(コネクタ抜け等)、シュート球切れエラー、オーバーフローエラー、および払出異常エラーを1回ずつ監視し、適切な頻度と処理負担でエラー監視をおこなう。
【0203】
制御部は、エラー監視テーブル2を準備し(ステップS130)、エラー状態チェック処理(ステップS131)を実行する。制御部は、ステップS127で更新したエラー監視カウンタを用いて、エラー監視テーブル2に規定される複数のエラーのうちの1つをエラー状態チェック処理のチェック対象とする。たとえば、エラー監視テーブル2は、ガラス枠開放、本体枠開放、および枠電波不正を規定する。エラー状態チェック処理(ステップS131)は、エラー監視カウンタ「0」のときにガラス枠開放を監視し、エラー監視カウンタ「1」のときに本体枠開放を監視し、エラー監視カウンタ「2」のときに枠電波不正を監視する。なお、エラー監視テーブル2には、エラー監視カウンタ「3」に対応するエラーの規定がない。このようにして、制御部は、第1エラー監視処理の4回の実行でガラス枠開放、本体枠開放、および枠電波不正を1回ずつ監視し、適切な頻度と処理負担でエラー監視をおこなう。
【0204】
制御部は、V通過タイミング監視処理(ステップS132)、および残存球監視処理(ステップS133)を順次実行する。このようにして、制御部は、第1エラー監視処理の1回の実行でV通過タイミング、および残存球を1回ずつ監視し、適切な頻度と処理負担でエラー監視をおこなう。なお、V通過タイミング監視は、特定領域スイッチ38eにおける遊技球の検出(特定領域96への入賞)タイミングの異常(V通過タイミングエラー)を検出するものであり、残存球監視は、特別変動入賞装置95の入賞口内に入賞した遊技球と特定領域96において検出された遊技球の数の不一致から特別変動入賞装置95内に残存球ありの異常(残存球エラー)を検出するものである。
【0205】
制御部は、レジスタを復帰し(ステップS134)、スタックポインタ保存領域から読み出した値をスタックポインタとして設定し(ステップS135)、第1エラー監視処理を終える。
【0206】
このように、第1エラー監視処理は、スイッチ異常エラー(コネクタ抜け等)、シュート球切れエラー、オーバーフローエラー、払出異常エラー、V通過タイミングエラー、および残存球エラー等の非不正系エラーが遊技に影響を及ぼさない、あるいは及ぼす程度が小さい弱エラー(強エラーよりも弱いエラー)としてエラー監視をおこなう。第1エラー監視処理は、非遊技制御用プログラムとして、非遊技制御用ワークエリア(領域外ワーク領域)、非遊技制御用スタックエリア(領域外スタック領域)を用いる。
【0207】
〔第2エラー監視処理〕
次に、遊技制御装置100の第2エラー監視処理について
図15を用いて説明する。
図15は、第1の実施形態の第2エラー監視処理のフローチャートを示す図である。第2エラー監視処理は、上述のタイマ割込み処理のステップS101においてCPU111Aにより実行される処理である。
【0208】
制御部は、磁石不正監視処理(ステップS136)、盤電波不正監視処理(ステップS137)、振動不正監視処理(ステップS138)、および異常排出監視処理(ステップS139)を順次実行する。このようにして、制御部は、第2エラー監視処理の1回の実行で磁石不正、盤電波不正、振動不正、および異常排出を1回ずつ監視し、適切な頻度と処理負担でエラー監視をおこなう。
【0209】
このように、第2エラー監視処理は、磁石不正、盤電波不正、振動不正、異常排出等の不正系エラーが遊技に影響を及ぼす強エラーとしてエラー監視をおこなう。第2エラー監視処理は、遊技制御用プログラムとして、遊技制御用ワークエリア(領域内ワーク領域)、遊技制御用スタックエリア(領域内スタック領域)を用いる。
【0210】
なお、第1エラー監視処理と第2エラー監視処理におけるエラー監視の分担は、一例であって、エラーが遊技に関係する関係度に応じた組合せ、あるいは任意の組合せでエラー監視を分担するものであってもよい。また、第1エラー監視処理がすべてのエラー監視をおこなうようにしてもよいし、第2エラー監視処理がすべてのエラー監視をおこなうようにしてもよい。
【0211】
なお、第1エラー監視処理において扱うエラーに対応するエラーフラグ領域は、非遊技制御用ワークエリア(領域外ワーク領域)に確保され、第2エラー監視処理において扱うエラーに対応するエラーフラグ領域は、遊技制御用ワークエリア(領域内ワーク領域)に確保される。
【0212】
〔遊技停止中フラグ設定処理〕
次に、遊技制御装置100の遊技停止中フラグ設定処理について
図16を用いて説明する。
図16は、第1の実施形態の遊技停止中フラグ設定処理のフローチャートを示す図である。遊技停止中フラグ設定処理は、上述のタイマ割込み処理のステップS101においてCPU111Aにより実行される処理である。遊技停止中フラグ設定処理は、磁石不正、盤電波不正、振動不正、異常排出エラー、および安全装置作動の1以上の発生を遊技停止条件として、遊技停止中フラグを制御する処理である。なお、遊技停止中フラグは、遊技制御用ワークエリア(領域内ワーク領域)に格納される。
【0213】
制御部は、ステップS141において磁石不正が発生中であるか否かを判定し、磁石不正発生中であればステップS147に進み、磁石不正発生中でなければステップS142に進む。制御部は、ステップS142において盤電波不正が発生中であるか否かを判定し、盤電波不正発生中であればステップS147に進み、盤電波不正発生中でなければステップS143に進む。制御部は、ステップS143において振動不正が発生中であるか否かを判定し、振動不正発生中であればステップS147に進み、振動不正発生中でなければステップS144に進む。制御部は、ステップS144において異常排出エラーが発生中であるか否かを判定し、異常排出エラー発生中であればステップS147に進み、異常排出エラー発生中でなければステップS145に進む。制御部は、ステップS145において、安全装置作動中フラグを参照して安全装置が作動中であるか否かを判定し、安全装置作動中であればステップS147に進み、安全装置作動中でなければステップS146に進む。
【0214】
制御部は、ステップS146において、磁石不正、盤電波不正、振動不正、異常排出エラー、および安全装置作動がいずれも発生中でないとして遊技停止中フラグ領域をクリアし、遊技停止中フラグ設定処理を終了する。
【0215】
制御部は、ステップS147において、磁石不正、盤電波不正、振動不正、異常排出エラー、および安全装置作動のうちいずれかが発生中であるとして遊技停止中フラグ領域に遊技停止中情報をセーブし、遊技停止中フラグ設定処理を終了する。
【0216】
なお、遊技停止中フラグ設定処理は、第2エラー監視処理が監視対象としたすべてのエラーのうち1以上の発生を遊技停止条件としてもよいし、上記した組合せ(磁石不正、盤電波不正、振動不正、異常排出エラー、および安全装置作動)と異なる組合せのうち1以上の発生を遊技停止条件としてもよい。
【0217】
〔外部情報編集処理〕
次に、遊技制御装置100の外部情報編集処理について
図17と
図18を用いて説明する。
図17は、第1の実施形態の外部情報編集処理のフローチャートを示す図(その1)である。
図18は、第1の実施形態の外部情報編集処理のフローチャートを示す図(その2)である。外部情報編集処理は、上述のタイマ割込み処理のステップS109においてCPU111Aにより実行される処理である。外部情報編集処理は、外部情報端子板71から出力する外部情報を編集する処理である。
【0218】
制御部は、ガラス枠開放エラーフラグをロードし(ステップS151)、続いて本体枠開放エラーフラグをロードしてガラス枠開放エラーフラグと合成する(ステップS152)。たとえば、ガラス枠開放エラーフラグと本体枠開放エラーフラグとの合成は、両フラグの論理和をとることによりおこなう。なお、ガラス枠開放エラーフラグは、ガラス枠開放エラーの発生時にセットされるフラグである。本体枠開放エラーフラグは、本体枠開放エラーの発生時にセットされるフラグである。なお、ガラス枠開放エラーフラグと本体枠開放エラーフラグは、非遊技制御用ワークエリア(領域外ワーク領域)に格納される。
【0219】
制御部は、ガラス枠開放エラーフラグと本体枠開放エラーフラグとの合成が「0」であるか否かを判定し(ステップS153)、「0」であればステップS154に進み、「0」でなければステップS156に進む。
【0220】
制御部は、ガラス枠開放エラーフラグと本体枠開放エラーフラグのいずれもセットされていない場合に、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS154)、続いて遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS155)。なお、外部情報出力データ領域と試験信号出力データ領域は、外部情報編集処理が遊技制御用プログラムに相当するため、遊技制御用ワークエリア(領域内ワーク領域)に確保される。
【0221】
一方、制御部は、ガラス枠開放エラーフラグと本体枠開放エラーフラグの少なくともいずれかがセットされている場合に、扉・枠開放信号(外部情報)のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS156)、続いて遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS157)。
【0222】
制御部は、スイッチ異常1エラーフラグをロードし(ステップS158)、続いてスイッチ異常2エラーフラグをロードしてスイッチ異常1エラーフラグと合成する(ステップS159)。たとえば、スイッチ異常1エラーフラグとスイッチ異常2エラーフラグとの合成は、両フラグの論理和をとることによりおこなう。なお、スイッチ異常1エラーフラグ、およびスイッチ異常2エラーフラグは、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS102)においてコネクタ抜けなどの異常を検出してセットされるフラグである。
【0223】
制御部は、スイッチ異常1エラーフラグとスイッチ異常2エラーフラグとの合成が「0」であるか否かを判定し(ステップS160)、「0」でなければステップS161に進み、「0」であればステップS162に進む。
【0224】
制御部は、スイッチ異常1エラーフラグとスイッチ異常2エラーフラグの少なくともいずれかがセットされている場合に、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS161)。
【0225】
制御部は、セキュリティ信号のオフデータを試験信号出力データ領域に一旦セーブしてから(ステップS162)、セキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ「1」デクリメント更新し(ステップS163)、セキュリティ信号制御タイマが「0」であるか否かを判定する(ステップS164)。
【0226】
なお、セキュリティ信号制御タイマの初期値は、RAM初期化スイッチ112の操作等によりRAMに記憶されたデータが初期化されたときや、設定変更終了時に、所定時間(たとえば256msec)が設定される。そして、セキュリティ信号制御タイマはRAM初期化時や設定変更終了時から計時される。また、セキュリティ信号制御タイマの初期値は、設定キースイッチ127や設定値変更スイッチ126の操作等により設定変更モードや設定確認モードになった場合に設定され、確率設定値変更中フラグや確率設定値確認モード中フラグがセットされている間、セキュリティ信号の出力を継続するようにしてもよい。
【0227】
制御部は、セキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブ(ステップS165)してからステップS166に進み、セキュリティ信号制御タイマが「0」であればステップS165をパスしてステップS166に進む。
【0228】
制御部は、ステップS166からステップS176において外部情報出力の対象となる2以上のエラー(不正監視を含む)を一括して編集する。たとえば、外部情報出力の対象となるエラーは、磁石不正、盤電波不正、枠電波不正、大入賞口不正、普電不正、振動不正、異常排出エラー、V通過タイミングエラー、および残存球エラーがある。
【0229】
制御部は、セキュリティ信号編集テーブルを設定し(ステップS166)、合成値の初期値として「0」を設定し(ステップS167)、繰り返し回数を取得する(ステップS168)。繰り返し回数は、たとえば、磁石不正、盤電波不正、枠電波不正、大入賞口不正、普電不正、振動不正、異常排出エラー、V通過タイミングエラー、および残存球エラーを外部情報出力の対象とするとき、「9」である。
【0230】
制御部は、対象となるエラーフラグ領域のアドレスをセキュリティ信号編集テーブルから取得し(ステップS169)、対象となるエラーフラグ領域のアドレスから読み出した値と合成値を合成し(ステップS170)、セキュリティ信号編集テーブルのアドレスを更新し(ステップS171)、繰り返し回数を「1」デクリメントする(ステップS172)。なお、第1エラー監視処理が監視対象とするエラーに対応するエラーフラグ領域は、非遊技制御用ワークエリア(領域外ワーク領域)に確保され、第2エラー監視処理が監視対象とするエラーに対応するエラーフラグ領域は、遊技制御用ワークエリア(領域内ワーク領域)に確保される。
【0231】
制御部は、繰り返し回数が「0」になるまで(ステップS173)ステップS169からステップS172の処理を繰り返し実行することで、対象となるエラーの合成値を得る。編集対象のエラーのすべてに異常がなければ合成値は「0」となり、編集対象のエラーのうちに1以上の異常があれば合成値は「0」以外の値となる。
【0232】
制御部は、合成値が「0」か否かを判定し(ステップS174)、「0」であればステップS177に進み、「0」でなければステップS175に進む。
制御部は、編集対象のエラーのうちに1以上の異常があることから、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS175)、続いて遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS176)。
【0233】
このように、制御部は、編集対象のエラーのうちの1つから異常を検出しても処理を打ち切ることなく、編集対象のエラーのすべてをチェックする。これにより、制御部は、処理途中の分岐判定(打ち切り判定)を不要として処理効率の向上を図ることができる。また、制御部は、プログラムサイズをコンパクトにできる。また、制御部は、処理速度の向上を図ることができる。また、制御部は、正常時と異常時とで処理量を均一にすることができ、異常の有無による処理時間の変動を抑制することができ、安定した処理時間が割り込み周期のタイムオーバー確認等における検証作業を容易化する。
【0234】
制御部は、安全装置が作動中か否かを判定し(ステップS177)、安全装置が作動中であればステップS178に進んでセキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし、安全装置が作動中でなければステップS179に進む。なお、安全装置が作動中か否かを示す外部情報出力データ領域は、遊技制御用ワークエリア(領域内ワーク領域)に確保される。
【0235】
なお、安全装置が作動するよりも前の所定条件成立(たとえば、差玉90000個以上になったとき)で試験用の信号である「安全装置(コンプリート機能)作動前信号」をオン出力し、遊技進行による所定条件不成立(たとえば、差玉90000個未満になったとき)でオフ出力されるようにしてもよい。「安全装置(コンプリート機能)作動前信号」の出力データは、非遊技制御用ワークエリア(領域外ワーク領域)に格納される。
【0236】
制御部は、始動口に遊技球が入賞したことを報知する始動口信号を編集する始動口信号編集処理(ステップS179)を実行する。制御部は、各入賞口への遊技球の入賞による賞球個数の合計が10個以上になった場合に10個ごとに出力するメイン賞球信号を編集するメイン賞球信号編集処理(ステップS180)を実行する。制御部は、特
図1ゲームまたは特
図2ゲームの変動停止を報知する図柄確定回数信号を編集する図柄確定回数信号編集処理(ステップS181)を実行する。
【0237】
制御部は、アウト球検出スイッチの遊技球の通過数の合計が10個以上になった場合に10個ごとに出力するアウト信号を編集するアウト信号編集処理(ステップS182)を実行する。なお、アウト信号の編集は、遊技制御装置100が担うものであってもよいし、払出制御装置200が担うものであってもよい。
【0238】
また、外部情報には、払出球検出スイッチの遊技球の通過数の合計が10個以上になった場合に10個ごとに出力する賞球信号があるが、賞球信号の編集は、遊技制御装置100が担うものであってもよいし、払出制御装置200が担うものであってもよい。
【0239】
制御部は、呼出しボタンが押下された場合に出力する呼出し信号を編集する呼出し信号編集処理(ステップS183)を実行し、外部情報編集処理を終了する。
また、外部情報には、所定の遊技状態で出力する大当り信号1、大当り信号2、大当り信号3、および大当り信号4があるが、大当り信号1、大当り信号2、大当り信号3、および大当り信号4の編集は、特図ゲーム処理および2種ゲーム処理においておこなうが外部情報編集処理においておこなうものであってもよい。大当り信号1、大当り信号2、大当り信号3、および大当り信号4の編集に係る記憶領域は、遊技制御用ワークエリア(領域内ワーク領域)に確保される。
【0240】
また、外部情報編集処理において編集された外部情報は、タイマ割込み処理の出力処理(ステップS96)において出力される。このとき、制御部は、セキュリティ信号に優先して、扉・枠開放信号を先に出力して、同時の出力開始を避けてセキュリティ信号と扉・枠開放信号の確認を容易にする。また、遊技機10は、遊技制御装置100においてセキュリティ信号の出力に用いる出力ポートと、扉・枠開放信号の出力に用いる出力ポートを異なるもの(たとえば、別IC)として、出力ポート異常によってセキュリティ信号と扉・枠開放信号とがともに出力されない危険を排除する。
【0241】
なお、制御部は、セキュリティ信号に優先して、扉・枠開放信号を先に出力するには、外部情報編集処理を含む処理において処理時間の安定が求められる。上述した編集対象のエラーのうちの1つから異常を検出しても処理を打ち切ることなく、編集対象のエラーのすべてをチェックする処理手順は、同時の出力開始を避けて出力信号の確認を容易にするセキュリティ信号と扉・枠開放信号の信号を出力する処理にも貢献する。
【0242】
〔領域外統合処理〕
次に、遊技制御装置100の領域外統合処理について
図19を用いて説明する。
図19は、第1の実施形態の領域外統合処理のフローチャートを示す図である。領域外統合処理は、上述のタイマ割込み処理のステップS111においてCPU111Aにより実行される処理である。領域外統合処理は、遊技に関係しない処理を統合的に実行する処理である。
【0243】
制御部は、スタックポインタをスタックポインタ保存領域にセーブし(ステップS191)、スタックポインタに領域外スタック領域の値を設定する(ステップS192)。これにより、制御部は、遊技に関係しない処理(領域外統合処理)を実行する際にスタックポインタを遊技制御用スタック領域(領域内スタック領域)から非遊技制御用スタック領域(領域外スタック領域)に切り替える。制御部は、レジスタを退避する(ステップS193)。
【0244】
制御部は、試験信号を出力する試験信号出力処理を実行する(ステップS194)。制御部は、安全装置作動中フラグを参照して遊技停止中か否かを判定する(ステップS195)。制御部は、遊技停止中でなければ遊技に関係しないステップS196からステップS198の処理を実行するためにステップS106に進み、遊技停止中であればステップS196からステップS198の処理をパスしてステップS199に進む。
【0245】
制御部は、遊技停止中でなければ、性能表示装置135の制御を担う性能表示装置制御処理(ステップS196)と、アウト球数と賞球数とから差玉を確認して安全装置カウントを更新する差玉確認処理(ステップS197)と、安全装置の作動状態を監視する安全装置作動監視処理(ステップS198)とを実行する。
【0246】
制御部は、レジスタを復帰し(ステップS199)、スタックポインタ保存領域から読み出した値をスタックポインタとして設定し(ステップS200)、領域外統合処理を終える。
【0247】
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300のメイン処理を
図20を用いて説明する。
図20は、第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
【0248】
メイン処理は、パチンコ機1の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
【0249】
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
【0250】
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。すなわち、制御部は、VDP312内の表示回路(図示省略)がVDP312内のVRAM(図示省略)へアクセスをおこない、表示データを生成することを許可する。
【0251】
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるようにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
【0252】
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセーブする。
【0253】
[ステップD18]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は、演出ボタン25(演出ボタンスイッチ25a)が有効時に操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしないので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなってもよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
【0254】
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である。
【0255】
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばrand関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこなう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづいて乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができる。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウンタを乱数として用いてもよい。
【0256】
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチェック処理は、遊技制御装置100から受信したコマンドを所定数単位で解析する処理である。
【0257】
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、VDP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータの設定をおこなう処理である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてコマンドをテーブル状に設定する。
【0258】
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。描画コマンド準備終了設定は、演出表示編集処理で設定されるVDP312へのすべてのコマンドの準備が終了したことを設定する処理である。
【0259】
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレーム切替タイミングであればステップD26に進み、フレーム切替タイミングでなければフレーム切替タイミングを待つ。ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(Vシンク割込みともいう)の周期(たとえば1/60秒)を基に作成された処理周期(たとえば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングである。なお、Vブランク割込みは、VDP312によって描画のための画面全体の1回の走査が終了する度に発生する。このVブランク割込みの発生周期は、前述したように、たとえば1/60秒である。本実施例の場合、同じ描画が2回繰り返されてVブランク割込みが2回発生するとフレーム切替がおこなわれ、フレーム切替タイミングの周期は、Vブランク割込みの周期(たとえば1/60秒)の2倍(たとえば1/30秒≒33.33ms)になる。但し、この態様に限られず、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、たとえば、1/30秒以上の周期でフレーム切替(画像の更新)をおこなってもよいし、1/30秒未満の周期でフレーム切替をおこなってもよい。
【0260】
フレーム切替タイミングの判定処理によって、これより後の処理(ステップD26乃至ステップD30、およびその後のステップD18乃至ステップD24)は、このフレーム切替タイミングで上記処理周期ごとに実行される。なお、演出内容と同期する必要のある時間管理は、このフレーム単位(即ち、上記処理周期単位)でおこなわれる。上記処理周期が、1/30秒の場合、たとえば3フレームでは100msになる。このことは、主基板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間値管理しているのと同様である。
【0261】
[ステップD26]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP312に画面描画を指示する。たとえば、制御部は、テーブル状に設定したコマンドを順次送信して、VDP312に画面描画を指示する。
【0262】
[ステップD27]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、スピーカ19からの音声の音量制御に関する処理である。
[ステップD28]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置46や枠装飾装置18等の各種LED等を制御する処理である。
【0263】
[ステップD29]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理である。
【0264】
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額分(即ち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこなう処理である。
【0265】
[ステップD31]制御部は、情報開示処理を実行する。情報開示処理は、遊技者に対して遊技性能に関する性能情報を開示する処理である。
制御部は、ステップD31を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD18乃至ステップD31の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップD18乃至ステップD31は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(場合によりメインループ処理という)を構成している。
【0266】
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27乃至ステップD29の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
【0267】
次に、遊技機10の遊技性能について
図21を用いて説明する。
図21は、第1の実施形態の遊技性能一覧の一例を示す図である。
遊技機10は、1種+2種といわれるゲーム性である。遊技機10は、変動表示ゲーム、いわゆる1種ゲームとして、特
図1ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)と特
図2ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)を実行可能であり、これに加えて2種ゲームを実行可能である。遊技機10は、特
図1ゲームと特
図2ゲームのそれぞれで実行権利(待機保留)を4つを上限にして記憶可能である。遊技機10は、特
図1ゲームと特
図2ゲームがともに実行権利を有するとき特
図2ゲームを優先消化する。
【0268】
遊技機10は、特
図1ゲームと特
図2ゲームともに大当り確率(大当り低確率)を1/319とする。なお、遊技機10は、特
図1ゲームと特
図2ゲームにおいて確率変動をおこなわないので大当り高確率の設定はない。また、遊技機10は、特
図1ゲームにおいて小当り確率を1/319とし、特
図2ゲームにおいて小当り確率を240/319とする。このように、遊技機10は、特
図1ゲームと特
図2ゲームともに大当り確率を同じにしながら、小当り確率において特
図1ゲームよりも特
図2ゲームで小当りの導出を容易にしている。
【0269】
遊技機10は、大当り以外の状態として、低価値時短、高価値時短の区別をしなければ時短なし状態と時短あり状態とがある。遊技機10は、時短なし状態において時短あり状態への遷移抽選をおこない、時短あり状態において遷移抽選をおこなわず、時短回数満了で時短なし状態に遷移する。
【0270】
なお、低価値時短は、普電サポート状態の1つであり、普通変動入賞装置37(始動口2)への入賞機会を得るものの十分な大きさがない(実質的に入賞機会を得ない、または小さい、実行権利の獲得期待度が小さい)ことにより価値が低いとされる時短である。低価値時短は、時短回数「100回」、「200回」、「300回」のいずれかに振り分けられる。高価値時短は、普電サポート状態の1つであり、普通変動入賞装置37(始動口2)への十分な入賞機会を得るもの(実質的な入賞機会が大きい、実行権利の獲得期待度が大きい)であり、価値が高いとされる時短である。高価値時短は、時短回数に制限がなく、次回大当りまで継続する。
【0271】
次に、遊技機10の遊技性における遊技状態遷移について
図22を用いて説明する。
図22は、第1の実施形態の遊技状態遷移の一例を示す図である。遊技機10は、RWMクリアを伴う電源投入があった場合に、状態Aを初期状態として遊技制御をおこなう。なお、遊技機10は、RWMクリアを伴わない電源投入があった場合、すなわち電源遮断前の遊技状態に復旧可能な電源投入があった場合、電源遮断時の遊技状態から遊技制御をおこなう。
【0272】
遊技機10の確率状態、時短状態の観点で区別した遊技状態は、状態A、状態B、および状態Cの3つがある。状態Aは、確率状態が低確率であり、時短状態が時短なしである。状態Bは、確率状態が低確率であり、時短状態が低価値時短ありである。状態Cは、確率状態が低確率であり、時短状態が高価値時短ありである。
【0273】
なお、時短なし状態である状態Aは、大当り抽選と同時にc時短抽選をおこなう。状態Aにおいて、大当りに外れた場合、はずれがないので必ずc時短に当選し、低価値時短または高価値時短に振り分けられる。なお、大当り抽選と同時におこなうc時短抽選にはずれがないとしたが、はずれを設けるものであってもよい。
【0274】
状態Aは、遷移条件T10からT14がある。遷移条件T10は、時短なし大当りの発生であり、当該大当りの終了後に状態Aとなる。遷移条件T11は、高価値時短付き大当りの発生であり、当該大当りの終了後に状態Cとなる。遷移条件T12は、高価値時短(c時短)の発生であり、当該大当りの終了後に状態Cとなる。遷移条件T13は、低価値時短付き大当りの発生であり、当該大当りの終了後に状態Bとなる。遷移条件T14は、低価値時短(c時短)の発生であり、当該大当りの終了後に状態Bとなる。
【0275】
状態Bは、遷移条件T20からT23がある。遷移条件T20は、低価値時短付き大当りの発生であり、当該大当りの終了後に状態Bとなる。遷移条件T21は、時短なし大当りの発生であり、当該大当りの終了後に状態Aとなる。遷移条件T22は、低価値時短の規定回数の消化であり、低価値時短の終了をもって状態Aとなる。遷移条件T23は、高価値時短付き大当りの発生であり、当該大当りの終了後に状態Cとなる。
【0276】
状態Bは、遷移条件T30,T31がある。遷移条件T30は、高価値時短付き大当りの発生であり、当該大当りの終了後に状態Cとなる。遷移条件T31は、時短なし大当りの発生であり、当該大当りの終了後に状態Aとなる。
【0277】
このような遊技状態遷移は、遊技機10において状態Cに至った場合に、時短なし大当りが発生するまで状態Cに滞在し続ける遊技性を実現する。また、状態Cの滞在率は、たとえば90%を設定することで、遊技者に負担なく大当りが連続する遊技性を実現する。なお、状態Cは、高価値時短の規定回数の消化をもって状態Aに遷移するものであってもよい。
【0278】
また、遊技場が開店時にRWMクリアを伴う電源投入をおこなう場合に、営業開始時の制御状態を初期状態となる状態Aとすることができる。このような遊技機10は、営業開始時から遊技を開始する遊技者に対して状態Bと状態Cの振分機会を提供し、状態Cへの振分を期待する遊技者による稼働向上を期待できる。
【0279】
次に、ゲーム表示画面について
図23を用いて説明する。
図23は、第1の実施形態のゲーム表示画面の一例を示す図である。
図23(1)に示す表示画面500は、図柄停止中の表示画面であり、特
図1ゲーム(変動表示ゲーム)における変動表示終了後に変動表示ゲームの結果態様である図柄を所定期間停止表示するものである。なお、表示画面500は、状態A(低確時短なし:通常遊技状態)における表示画面の一例である。表示画面500は、飾り図柄である大図柄群501と、同じく飾り図柄である小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、保留待機表示505と、保留消化表示506とを表示する。
【0280】
なお、特
図1ゲームまたは特
図2ゲームにおける本特図は、一括表示装置50の特
図1図柄表示部53または特
図2図柄表示部54に表示される図柄(LEDの点灯態様)であり、大図柄群501と小図柄群502は、本特図に対応した飾り図柄である。また、図示しないが、遊技機10は、特
図1ゲームまたは特
図2ゲームにおける図柄として、変動表示ゲームの結果態様の区別を示すことなしに変動状態と停止状態とを、たとえばLEDの点滅と点灯とによって示す第4図柄を有する。なお、第4図柄を表示装置41に表示する場合には、変動状態と停止状態とを「〇」、「-」等のピクトグラムや異なる色彩の切替表示と停止表示とによって示すものであってもよい。
【0281】
大図柄群501は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群501は、表示装置41の略中央部に変動表示領域を設定して大きく表示される。大図柄群501は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。
【0282】
表示画面500では、左図柄は、図柄が「3」で停止していることを示し、中図柄は、図柄が「5」で停止していることを示し、右図柄は、図柄が「7」で停止していることを示す。すなわち、表示画面500では大図柄群501は、特図変動表示ゲームが停止状態(図柄停止中)であることを示す。
【0283】
なお、大図柄群501と小図柄群502は、同タイミング(変動開始時にあらかじめ定まるタイミング、あるいは変動終了を指示するコマンドの受信にもとづいて定まるタイミング)で停止表示する。
【0284】
小図柄群502は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群502は、大図柄群501による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群502は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面500では、小図柄群502を構成する左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。
【0285】
また、小図柄群502は、変動開始時から所定速度(一定速度)で変動(定速変動表示)し、変動終了時に仮停止することなく停止表示する。なお、小図柄群502は、停止表示から所定速度に達するまでに所定の加速変動期間を設けて表示されてもよいし、設けずに表示されてもよい。また、小図柄群502は、定速変動表示から停止表示するまでに所定の減速変動期間を設けて表示されてもよいし、設けずに表示されてもよい。
【0286】
一般に、大図柄群501は、小図柄群502と比較して大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群502は、大図柄群501と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
【0287】
特
図1保留数表示503は、特
図1ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特
図1保留数表示503は、特
図1ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。特
図2保留数表示504は、特
図2ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特
図2保留数表示504は、特
図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。
【0288】
保留表示(待機保留表示)505は、遊技状態に応じて特
図1ゲームの保留数と特
図2ゲームの保留数のうちいずれか一方の保留数を保留待機アイコン507により表示する。なお、表示画面500は、保留アイコンの表示によって特
図1ゲームの保留数を示す。保留消化表示(消化保留表示)506は、保留消化アイコンの表示によって特図ゲームが変動中であることを示す遊技状態(遊技状態A)の表示画面である。表示画面500は、保留待機表示505によって特
図1ゲームの保留記憶数または特
図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。また、表示画面500は、保留消化表示506によって、特に消化保留台座上に保留消化アイコンがないことによって、特
図1ゲームまたは特
図2ゲームが変動中でないことを示す。
【0289】
図23(2)に示す表示画面510は、変動表示ゲームを開始した後の表示画面である。表示画面510は、表示画面500の後の画面であって、変動表示中(三図柄変動中)の画面を示す。なお、表示画面510は、状態Aにおける表示画面の一例である。表示画面510では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とが変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面510では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とが変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
【0290】
表示画面510では、特
図1保留数表示503は、特
図1ゲームの保留記憶数が「1」であることを示し、特
図2保留数表示504は、特
図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留待機表示505は、特
図1ゲームの保留数を案内する遊技状態であり、特図変動表示ゲーム(特
図1ゲーム)の保留記憶数が「1」であることを示す。また、表示画面510では、保留消化表示506は、消化中の保留記憶表示を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
【0291】
なお、表示画面500や表示画面510は、図示しない背景表示やキャラクタ表示、文字表示等の演出表示要素を含むものであってもよく、演出表示要素もまたアニメーション等により動きを伴った表示を演出可能であってもよい。
【0292】
また、保留待機表示505は、特図ゲームの保留数に対応する保留待機アイコン507が表示される様子を示す。保留消化表示506は、特図ゲームの保留消化に対応する保留消化アイコン508が表示される様子を示す。保留待機アイコン507と保留消化アイコン508は、たとえば、球形状であり、保留待機アイコン507と保留消化アイコン508もまたアニメーション(たとえば、変形、色変化、上下動等)により動きを伴った表示を演出可能である。保留待機アイコン507と保留消化アイコン508は、その表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。なお、保留待機アイコン507と保留消化アイコン508は、大きさを違えてよいし、色彩やデザイン、アクション(発生、待機、シフト、消失、期待値報知)を違えるものであってもよい。なお、保留数または保留記憶数とは、特図の変動表示ゲームが未実行である始動記憶の数を意味する。
【0293】
保留消化表示506は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあるか否かを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。表示画面500では保留消化表示506は、枠内をブランク(空白)にして、特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。この後、遊技機10は、特
図1ゲームの保留記憶数または特
図2ゲームの保留記憶数が1以上になったときに変動表示を開始する。
【0294】
図23(3)に示す表示画面512は、特
図2ゲームにおいて保留記憶数が「1」以上になった後、当該保留記憶にもとづく変動表示が開始された表示画面である。なお、表示画面518は、状態B(低確低価値時短)あるいは状態C(低確高価値時短)に遷移した後の表示画面の一例である。このときの遊技機10は、特
図2ゲームにおいて保留記憶が発生している(たとえば、「4」)ことから、遊技者が右打ちで遊技しているとみなすことができる。
【0295】
表示画面512は、特
図2ゲームの変動表示中の表示画面である。表示画面512は、演出表示513と、打ち方案内表示514と、大図柄群501aと、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504とを表示内容に含む。なお、表示画面512は、保留待機表示505と、保留消化表示506とを非表示として演出表示515による演出効果向上を狙うが、保留待機表示505と保留消化表示506とを常に表示するものとしてもよいし、いずれか一方を表示するものであってもよいし、所定条件成立時に表示するものであってもよい。所定条件成立時には、たとえば、先読み予告演出の実行時や、遊技者による選択操作の受付時等がある。
【0296】
演出表示513は、たとえば時短モードを演出する演出画面であり、遊技者に対して時短モードであることを案内する演出画面である。時短モード演出においては、1回の変動表示ごとに独立した演出を実行するものであってもよいし、複数変動に跨ったムービー演出等を実行するものであってもよい。
【0297】
打ち方案内表示514は、遊技者に打ち方を案内する。打ち方案内表示514は、たとえば右側遊技領域への遊技球の発射を案内する「右打ち」を案内する。また、打ち方案内表示514は、たとえば左側遊技領域への遊技球の発射を案内する「左打ち」を案内する。
【0298】
大図柄群501aは、大図柄群501に代わって表示される飾り図柄であり、演出表示513が演出効果を発揮するようにして、大図柄群501よりも小さな表示領域で表示される。なお、大図柄群501と大図柄群501aは、いずれも飾り図柄の1態様であり、大図柄群501を大飾り図柄、大図柄群501aを小飾り図柄と区別して呼ぶことがある。また、大図柄群501を非ムービー演出中に表示する飾り図柄、大図柄群501aをムービー演出中の飾り図柄として区別して用いることがある。
【0299】
次に、外部情報端子板71について
図24を用いて説明する。
図24は、第1の実施形態の外部情報端子板の概観の一例を示す図である。外部情報端子板71は、遊技機10の裏面に設けられる。外部情報端子板71は、ホールコンピュータ等の外部装置との接続を容易にするとともに、前面枠12の開閉に支障がないように、前面枠12の軸着側上部に設けられる。なお、外部情報端子板71は、遊技盤30の裏面に設けられるものであってもよい。
【0300】
外部情報端子板71は、外部情報端子基板710と、コネクタ711と、情報出力端子712と、フォトカプラ713と、抵抗714を含む。外部情報端子基板710は、1つのコネクタ711と、情報出力数に応じた12組の情報出力端子712とフォトカプラ713と抵抗714とを部品実装面に実装する。外部情報端子板71は、コネクタ711と接続するハーネスを介して遊技制御装置100と接続する。なお、外部情報端子板71は、図示しない中継端子板を介して遊技制御装置100や払出制御装置200、演出制御装置300等のその他制御装置と接続するようにしてもよいし、中継端子板を介することなくその他制御装置と接続するようにしてもよい。
【0301】
情報出力端子712は、ホールコンピュータ等の外部装置に対して情報出力可能な端子である。情報出力端子712は、1対2線の電線を接続可能な2つの端子を有し、2つの端子間を導通させる、いわゆる接点出力により信号出力をおこなう。2つの端子は、常態で、図示しない付勢部(たとえば、ばね)により付勢された蓋体により開口部が閉塞状態にある。2つの端子のうち1つは、短尺操作レバーの押下操作により付勢部による付勢に逆らって蓋体が移動されて、開口部が閉塞状態から開口状態に切り替えられ、短尺操作レバーの押下操作がなくなると、付勢部による付勢により、短尺操作レバーが初期位置に復帰するとともに、蓋体が移動されて開口部が開口状態から閉塞状態に切り替えられる。2つの端子のうちもう1つは、長尺操作レバー755の付勢部による付勢に逆らって蓋体が移動されて、開口部が閉塞状態から開口状態に切り替えられ、長尺操作レバー755の押下操作がなくなると、付勢部による付勢により、長尺操作レバーが初期位置に復帰するとともに、蓋体が移動されて開口部が開口状態から閉塞状態に切り替えられる。
【0302】
外部情報端子板71は、12個の情報出力端子712(CN1からCN12)を1列にして備える。CN1からCN12の12個の情報出力端子712は、遊技機10の設置環境において水平方向の向きで並ぶようにそれぞれ等間隔にして外部情報端子基板710に配置される。また、CN12の情報出力端子712は、CN1からCN11の11個の情報出力端子712に対して遊技機10の設置環境において垂直方向にシフトして設けられる。これにより、遊技機10は、CN12の情報出力端子712が外部情報端子板71の一側端部に位置することを明示する。
【0303】
なお、12個の情報出力端子712(CN1からCN12)は、色彩が付されることで識別容易にされている。12個の情報出力端子712(CN1からCN12)は、異なる色彩(たとえば、12色)により識別容易にされてもよいし、隣接しない情報出力端子712に限り同一色彩(たとえば、6色2組)を許して識別容易にされるものであってもよい。なお、隣接する情報出力端子712は、必ずしも接して設けられることを要せず、所定の間隙を有して設けられるものであってもよく、隣設する情報出力端子712を含む。
【0304】
外部情報端子板71は、12個のフォトカプラ713(PC1からPC12)を1列にして備える。PC1からPC12の12個のフォトカプラ713は、それぞれ情報出力端子712に対応する位置で外部情報端子基板710に配置される。なお、12個のフォトカプラ713は、12個の情報出力端子712のそれぞれに対応しない位置にまとめて配置されるものであってもよいし、1以上の集積回路としてまとめて配置されるものであってもよいし、別途設けられる中継基板等に配置されるものであってもよい。
【0305】
外部情報端子板71は、12個の抵抗714(R1からR12)を1列にして備える。R1からR12の12個の抵抗714は、それぞれ情報出力端子712に対応する位置で外部情報端子基板710に配置される。なお、12個の抵抗714は、12個の情報出力端子712のそれぞれに対応しない位置にまとめて配置されるものであってもよいし、1以上の集積回路としてまとめて配置されるものであってもよいし、別途設けられる中継基板等に配置されるものであってもよい。
【0306】
なお、外部情報端子基板710は、12個のフォトカプラ713と12個の抵抗714を配置したが、アイソレーション手段を構成するその他の受動素子を配置するものであってもよい。
【0307】
次に、外部情報端子基板の概観について
図25を用いて説明する。
図25は、第1の実施形態の外部情報端子基板の概観の一例を示す図である。
図25に示す外部情報端子基板710は、コネクタ711、情報出力端子712、フォトカプラ713、抵抗714等の部品を実装していない状態を示す。外部情報端子基板710は、部品実装面にシルク表示による、部品形状表示715と部品記号表示716と操作部表示717とを含む。なお、外部情報端子基板710は、シルク表示以外の態様(たとえば、導体パターン表示等)で、部品形状表示715と部品記号表示716と操作部表示717を表示するものであってもよい。
【0308】
部品形状表示715は、部品の実装位置を部品のおおよその形状で示す表示である。たとえば、部品形状表示715は、コネクタ711、情報出力端子712、フォトカプラ713、抵抗714等の部品の実装位置を矩形によって示す。
【0309】
部品記号表示716は、部品を一意に特定可能な記号の表示である。たとえば、部品記号表示716の1つである「CN1」は、実装部品が情報出力端子712であることを示し、部品記号表示716の1つである「PC1」は、実装部品がフォトカプラ713であることを示し、部品記号表示716の1つである「CN13」は、実装部品がコネクタ711であることを示し、部品記号表示716の1つである「R1」は、実装部品が抵抗714であることを示す。
【0310】
操作部表示717は、情報出力端子712の操作部(短尺操作レバー、長尺操作レバー)の概形を表示する。操作部表示717は、短尺の矩形表示と長尺の矩形表示を含む。短尺の矩形表示は、短尺操作レバーの概略形状と操作位置を示し、長尺の矩形表示は、長尺操作レバーの概略形状と操作位置を示す。
【0311】
これにより、遊技機10は、操作部表示717により操作案内をおこなうことができる。このような遊技機10は、外部情報端子基板710における操作部(短尺操作レバー、長尺操作レバー)の好適な操作環境を提供する。
【0312】
また、遊技機10は、操作部(短尺操作レバー、長尺操作レバー)と操作部表示717とを比較可能にし、操作部が折損等した場合に異常の検知を容易にすることができる。
なお、外部情報端子基板は、部品実装面にシルク表示による、あるいはシルク表示以外の態様(たとえば、導体パターン表示等)による識別補助表示を設けるようにしてもよい。識別補助表示は、12個の情報出力端子712(CN1からCN12)にそれぞれ付された異なる色彩を文字情報により明示する。たとえば、文字情報「シロ」、「ミドリ」、「ハイ」、「キイロ」、「クロ」、「ピンク」、「アオ」、「アカ」、「ダイ」、「ミズ」等がある。部品形状表示715は、部品搭載により視認困難に表示されるが、部品記号表示716と操作部表示717と識別補助表示とは、部品搭載によっても視認容易に表示される。
【0313】
次に、情報出力端子712(CN1からCN12)への出力信号の割り当てについて
図26を用いて説明する。
図26は、第1の実施形態の情報出力端子への出力信号の割当の一例を示す図である。
【0314】
情報出力端子CN1は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力により賞球信号をパルス出力する。賞球信号は、10個の賞球払出ごとに128ms間オンする1パルスを出力する。なお、連続してパルス出力する場合、2つのパルス間には、64msのオフ時間が設けられる。
【0315】
情報出力端子CN2は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力により扉・枠開放信号を期間出力する。扉・枠開放信号は、ガラス枠開放エラーまたは本体枠開放エラーが発生している期間だけオンする。
【0316】
情報出力端子CN3は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力により図柄確定回数信号をパルス出力する。図柄確定回数信号は、特
図1ゲームまたは特
図2ゲームの変動停止から256ms間オンする1パルスを出力する。
【0317】
情報出力端子CN4は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力により始動口信号をパルス出力する。始動口信号は、始動口(始動入賞口36(始動口1)、普通変動入賞装置37(始動口2))への入賞から128ms間オンする1パルスを出力する。なお、連続してパルス出力する場合、2つのパルス間には、64msのオフ時間が設けられる。
【0318】
情報出力端子CN5は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力により大当り1信号を期間出力する。大当り1信号は、小当り演出の開始から終了までを含む小当り中の期間だけオンする。
【0319】
情報出力端子CN6は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力により大当り2信号を期間出力する。大当り2信号は、小当り演出の開始から終了までを含む小当り中、大当り中、時短中の期間だけオンする。
【0320】
情報出力端子CN7は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力により大当り3信号を期間出力する。大当り3信号は、小当り演出の開始から終了までを含む小当り中、大当り中の期間だけオンする。
【0321】
情報出力端子CN8は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力により大当り4信号を期間出力する。大当り4信号は、大当り中の期間だけオンする。
情報出力端子CN9は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力によりメイン賞球信号をパルス出力する。メイン賞球信号は、10個の賞球発生ごとに128ms間オンする1パルスを出力する。なお、連続してパルス出力する場合、2つのパルス間には、64msのオフ時間が設けられる。
【0322】
情報出力端子CN10は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力によりセキュリティ信号を期間出力する。セキュリティ信号は、電源投入時および停電復旧時に設定キースイッチ127とRAM初期化スイッチ112の状態に対応した期間、所定のエラーが発生している期間だけオンする。
【0323】
情報出力端子CN11は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力によりメインアウト信号をパルス出力する。アウト信号は、10個のアウト球発生ごとに128ms間オンする1パルスを出力する。なお、連続してパルス出力する場合、2つのパルス間には、64msのオフ時間が設けられる。
【0324】
情報出力端子CN12は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力によりメイン呼出し信号をパルス出力する。呼出し信号は、呼出しスイッチの入力を検出するごとに128ms間オンする1パルスを出力する。なお、連続してパルス出力する場合、2つのパルス間には、64msのオフ時間が設けられる。
【0325】
このように、遊技機10は、機種共通信号(賞球信号、扉・枠開放信号、図柄確定回数信号、始動口信号、メイン賞球信号、セキュリティ信号、アウト信号、呼出し信号)を外部情報端子板71の両端部に寄せて配置する。たとえば、遊技機10は、前面枠12の開放端側端部に賞球信号、扉・枠開放信号、図柄確定回数信号、始動口信号を配置し、前面枠12の軸着側端部にメイン賞球信号、セキュリティ信号、アウト信号、呼出し信号を配置する。機種共通信号は、複数機種で共通の信号出力であり、機種ごとの遊技性能に依存しない信号である。
【0326】
また、遊技機10は、機種依存信号(大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、大当り4信号)を外部情報端子板71の中央部に寄せて配置する。たとえば、遊技機10は、機種依存信号を機種共通信号の間に配置する。機種依存信号は、機種固有あるいは必ずしも複数機種で共通とならない信号であり、機種ごとの遊技性能に依存する信号である。
【0327】
なお、機種共通信号は、複数機種で共通の信号出力であるためホールコンピュータとの接続後にデフォルトで信号解釈をおこなえる場合があり、接続作業と確認作業が比較的容易である。機種依存信号は、機種ごとのゲーム性にしたがい出力期間や出力条件が異なるので、ホールコンピュータとの接続後に機種ごとの信号解釈設定が求められる場合があり、接続作業と確認作業が容易ならざることが多い。
【0328】
遊技機10は、機種共通信号を1つにまとめずに、外部情報端子板71において前面枠12の軸着側端部に位置する軸着側機種共通信号と、外部情報端子板71において前面枠12の開放端側端部に位置する開放端側機種共通信号とに分けている。遊技機10は、軸着側機種共通信号と開放端側機種共通信号との間に機種依存信号を配置することで、複数機種で共通の信号に係る配線作業を外部情報端子板71の両端部からおこなうことができる。たとえば、外部情報出力は、機種によっては大当り4信号を有しない場合があり、その場合に情報出力端子CN8は空き端子となる。遊技機10は、機種によって生じる空き端子を外部情報端子板71の中央部に寄せることができ、機種共通の情報出力端子への配線作業を外部情報端子板71への両端からおこなうことができる。これにより、遊技機10は、機種共通信号の配線接続の位置決めを容易にして配線誤りを抑制することができる。
【0329】
また、遊技機10は、機種共通信号のうち不正対策として重要な扉・枠開放信号とセキュリティ信号を開放端側機種共通信号と軸着側機種共通信号とに分けて配置する。これにより、同じ期間信号出力をおこなう扉・枠開放信号とセキュリティ信号の取り違いミスを抑制する。
【0330】
また、セキュリティ信号と扉・枠開放信号を比較すると、扉・枠開放信号は、全面枠12またはガラス枠15を開放するだけで信号出力することから、セキュリティ信号よりも発生容易である。このような扉・枠開放信号を開放端側機種共通信号とすることで、情報出力端子CN1から情報出力端子CN12に向かって配線接続作業をおこなうときに同じ期間信号出力をおこなう扉・枠開放信号とセキュリティ信号の取り違いミスを抑制する。
【0331】
また、開放端側機種共通信号のうちに期間信号出力をおこなう外部情報を扉・枠開放信号ただ1つとすることで配線接続ミスを抑制する。また、軸着側機種共通信号のうちに期間信号出力をおこなう外部情報をセキュリティ信号ただ1つとすることで配線接続ミスを抑制する。
【0332】
また、開放端側機種共通信号のうち機種依存信号と隣接する信号をパルス出力信号とすることで、期間出力信号である機種依存信号との区別を容易にして開放端側機種共通信号と機種依存信号との間の配線接続ミスを抑制する。たとえば、遊技機10は、情報出力端子CN4をパルス出力の始動口信号とし、情報出力端子CN5を期間出力の大当り1信号とすることで信号出力態様から配線接続ミスを抑制する。なお、機種依存信号の期間出力は、出力トリガがゲーム進行に依存するので出力確認が容易でない。一方、始動口信号のパルス出力は、始動口に遊技球を入賞させることで出力確認が容易である。
【0333】
なお、開放端側機種共通信号における期間出力である扉・枠開放信号(情報出力端子CN2)と機種依存信号における期間出力である大当り1信号(情報出力端子CN5)との間には、パルス出力である図柄確定信号(情報出力端子CN3)と始動口信号(情報出力端子CN4)とを配置するので配線接続ミスを一層抑制する。
【0334】
また、開放端側機種共通信号における期間出力である扉・枠開放信号(情報出力端子CN2)は、パルス出力である賞球信号(情報出力端子CN1)と図柄確定信号(情報出力端子CN3)との間に配置されるので配線接続ミスを一層抑制する。
【0335】
また、軸着側機種共通信号のうち機種依存信号と隣接する信号をパルス出力信号とすることで、期間出力信号である機種依存信号との区別を容易にして軸着側機種共通信号と機種依存信号との間の配線接続ミスを抑制する。たとえば、遊技機10は、情報出力端子CN9をパルス出力のメイン賞球信号とし、情報出力端子CN8を期間出力の大当り4信号とすることで信号出力態様から配線接続ミスを抑制する。なお、機種依存信号の期間出力は、出力トリガがゲーム進行に依存するので出力確認が容易でない。一方、メイン賞球信号のパルス出力は、入賞口に遊技球を入賞させることで出力確認が容易である。
【0336】
なお、軸着側機種共通信号における期間出力であるセキュリティ信号(情報出力端子CN10)と機種依存信号における期間出力である大当り4信号(情報出力端子CN8)との間には、パルス出力であるメイン賞球信号(情報出力端子CN9)を配置するので配線接続ミスを一層抑制する。
【0337】
また、軸着側機種共通信号における期間出力であるセキュリティ信号(情報出力端子CN10)は、パルス出力であるメイン賞球信号(情報出力端子CN9)とアウト信号(情報出力端子CN11)との間に配置されるので配線接続ミスを一層抑制する。
【0338】
次に、情報出力端子712への出力信号の割り当ての変形例について
図27から
図31を用いて説明する。
図27は、第1の実施形態の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その1)を示す図である。
図28は、第1の実施形態の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その2)を示す図である。
図29は、第1の実施形態の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その3)を示す図である。
図30は、第1の実施形態の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その4)を示す図である。
図31は、第1の実施形態の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その5)を示す図である。
【0339】
図27において変形例(その1)として示す外部情報端子板は、遊技機10の設置環境において情報出力端子が水平方向に1列に並ぶ。情報出力端子は、本体枠11の軸着側と開放端側に機種共通出力をおこなう2つの情報出力端子群を配置し、その間に機種依存出力をおこなう1つの情報出力端子群を配置する。
【0340】
軸着側機種共通出力は、軸着側から順に情報出力端子群CN1G、情報出力端子CN1S、情報出力端子群CN2Gを配置する。情報出力端子CN1Sは、不正対策1期間出力に相当する信号が割り当てられる。情報出力端子CN1Sは、扉・枠開放信号とセキュリティ信号のうちいずれか一方に相当する不正対策信号を出力する情報出力端子であり、期間出力をおこなう情報出力端子である。情報出力端子群CN1Gは、情報出力端子CN1Sの軸着側に隣接して配置される情報出力端子群であり、パルス出力をおこなう1以上の情報出力端子を含む。情報出力端子群CN1Gに含まれる情報出力端子は、不正対策信号を除く機種共通信号(たとえば、賞球信号、図柄確定回数信号、始動口信号、メイン賞球信号、アウト信号、呼出し信号)のうち他と重複しない信号を出力する。情報出力端子群CN2Gは、情報出力端子CN1Sの開放端側に隣接して配置される情報出力端子群であり、パルス出力をおこなう1以上の情報出力端子を含む。情報出力端子群CN2Gに含まれる情報出力端子は、不正対策信号を除く機種共通信号のうち他と重複しない信号を出力する。
【0341】
機種依存出力は、情報出力端子群CN3Gを配置する。情報出力端子群CN3Gは、情報出力端子群CN2Gの開放端側に隣接して配置される情報出力端子群であり、期間出力をおこなう1以上の情報出力端子を含む。情報出力端子群CN3Gに含まれる情報出力端子は、機種依存信号(たとえば、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、大当り4信号)のうち他と重複しない信号を出力する。
【0342】
開放端側機種共通出力は、軸着側から順に情報出力端子群CN4G、情報出力端子CN2S、情報出力端子群CN5Gを配置する。情報出力端子CN2Sは、不正対策2期間出力に相当する信号が割り当てられる。情報出力端子CN2Sは、扉・枠開放信号とセキュリティ信号のうち情報出力端子CN1Sと重複しない不正対策信号を出力する情報出力端子であり、期間出力をおこなう情報出力端子である。情報出力端子群CN4Gは、情報出力端子CN2Sの軸着側に隣接して配置される情報出力端子群であり、パルス出力をおこなう1以上の情報出力端子を含む。情報出力端子群CN4Gに含まれる情報出力端子は、不正対策信号を除く機種共通信号のうち他と重複しない信号を出力する。情報出力端子群CN5Gは、情報出力端子CN2Sの開放端側に隣接して配置される情報出力端子群であり、パルス出力をおこなう1以上の情報出力端子を含む。情報出力端子群CN5Gに含まれる情報出力端子は、不正対策信号を除く機種共通信号のうち他と重複しない信号を出力する。
【0343】
これにより、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、期間出力をおこなう情報出力端子との隣接配置が回避されるので接続確認が容易である。また、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、相互に十分に離れているので両者を取り違える危険が低減されている。また、機種共通信号は、情報出力端子列の両側に位置するため中央部における配線接続よりも誤接続の危険が低減されている。また、機種依存信号は、ホールコンピュータによっては接続されない場合があり、その場合に空き端子が中央部に位置することとなるので空き端子が端部に位置するよりも誤接続の危険が少ない。
【0344】
図28において変形例(その2)として示す外部情報端子板は、遊技機10の設置環境において情報出力端子が水平方向に1列に並ぶ。情報出力端子は、本体枠11の軸着側と開放端側に機種共通出力をおこなう2つの情報出力端子群を配置し、その間に機種依存出力をおこなう1つの情報出力端子群を配置する。
【0345】
軸着側機種共通出力は、軸着側から順に情報出力端子CN1S、情報出力端子群CN2Gを配置する。機種依存出力は、情報出力端子群CN3Gを配置する。開放端側機種共通出力は、軸着側から順に情報出力端子群CN4G、情報出力端子CN2S、情報出力端子群CN5Gを配置する。
【0346】
これにより、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、期間出力をおこなう情報出力端子との隣接配置が回避されるので接続確認が容易である。また、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、相互に十分に離れているので両者を取り違える危険が低減されている。また、機種共通信号は、情報出力端子列の両側に位置するため中央部における配線接続よりも誤接続の危険が低減されている。また、機種依存信号は、ホールコンピュータによっては接続されない場合があり、その場合に空き端子が中央部に位置することとなるので空き端子が端部に位置するよりも誤接続の危険が少ない。また、情報出力端子CN1Sは、情報出力端子列の一側端部に位置するため位置決めが容易である。また、情報出力端子CN1Sは、情報出力端子列の一側端部に位置するため、情報出力端子列の端部に位置しない情報出力端子CN2Sとの区別が容易である。
【0347】
図29において変形例(その3)として示す外部情報端子板は、遊技機10の設置環境において情報出力端子が水平方向に1列に並ぶ。情報出力端子は、本体枠11の軸着側と開放端側に機種共通出力をおこなう2つの情報出力端子群を配置し、その間に機種依存出力をおこなう1つの情報出力端子群を配置する。
【0348】
軸着側機種共通出力は、軸着側から順に情報出力端子群CN1G、情報出力端子CN1S、情報出力端子群CN2Gを配置する。機種依存出力は、情報出力端子群CN3Gを配置する。開放端側機種共通出力は、軸着側から順に情報出力端子群CN4G、情報出力端子CN2Sを配置する。
【0349】
これにより、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、期間出力をおこなう情報出力端子との隣接配置が回避されるので接続確認が容易である。また、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、相互に十分に離れているので両者を取り違える危険が低減されている。また、機種共通信号は、情報出力端子列の両側に位置するため中央部における配線接続よりも誤接続の危険が低減されている。また、機種依存信号は、ホールコンピュータによっては接続されない場合があり、その場合に空き端子が中央部に位置することとなるので空き端子が端部に位置するよりも誤接続の危険が少ない。また、情報出力端子CN2Sは、情報出力端子列の一側端部に位置するため位置決めが容易である。また、情報出力端子CN2Sは、情報出力端子列の一側端部に位置するため、情報出力端子列の端部に位置しない情報出力端子CN1Sとの区別が容易である。
【0350】
図30において変形例(その4)として示す外部情報端子板は、遊技機10の設置環境において情報出力端子が水平方向に1列に並ぶ。情報出力端子は、本体枠11の軸着側と開放端側に機種共通出力をおこなう2つの情報出力端子群を配置し、その間に機種依存出力をおこなう1つの情報出力端子群を配置する。
【0351】
軸着側機種共通出力は、軸着側から順に情報出力端子CN1S、情報出力端子群CN2Gを配置する。機種依存出力は、情報出力端子群CN3Gを配置する。開放端側機種共通出力は、軸着側から順に情報出力端子群CN4G、情報出力端子CN2Sを配置する。
【0352】
これにより、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、期間出力をおこなう情報出力端子との隣接配置が回避されるので接続確認が容易である。また、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、相互に十分に離れているので両者を取り違える危険が低減されている。また、機種共通信号は、情報出力端子列の両側に位置するため中央部における配線接続よりも誤接続の危険が低減されている。また、機種依存信号は、ホールコンピュータによっては接続されない場合があり、その場合に空き端子が中央部に位置することとなるので空き端子が端部に位置するよりも誤接続の危険が少ない。また、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、情報出力端子列の一側端部に位置するため位置決めが容易である。
【0353】
図31において変形例(その5)として示す外部情報端子板は、遊技機10の設置環境において情報出力端子が垂直方向に1列に並ぶ。情報出力端子は、本体枠11の上側と下側に機種共通出力をおこなう2つの情報出力端子群を配置し、その間に機種依存出力をおこなう1つの情報出力端子群を配置する。
【0354】
上側機種共通出力は、上側から順に情報出力端子群CN1G、情報出力端子CN1S、情報出力端子群CN2Gを配置する。機種依存出力は、情報出力端子群CN3Gを配置する。下側機種共通出力は、上側から順に情報出力端子群CN4G、情報出力端子CN2S、情報出力端子群CN5Gを配置する。
【0355】
これにより、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、期間出力をおこなう情報出力端子との隣接配置が回避されるので接続確認が容易である。また、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、相互に十分に離れているので両者を取り違える危険が低減されている。また、機種共通信号は、情報出力端子列の両側に位置するため中央部における配線接続よりも誤接続の危険が低減されている。また、機種依存信号は、ホールコンピュータによっては接続されない場合があり、その場合に空き端子が中央部に位置することとなるので空き端子が端部に位置するよりも誤接続の危険が少ない。
【0356】
なお、
図27において変形例(その1)として示した外部情報端子板に
図28から
図30を用いて説明した変形例を適用したのと同様に、
図31において変形例(その5)として示した外部情報端子板においても、
図28から
図30を用いて説明した変形例を適用できる。
【0357】
次に、情報出力端子を2列配置する外部情報端子板について説明する。情報出力端子を2列配置する外部情報端子板は、ホールコンピュータ等の外部装置との接続を容易にするとともに、前面枠12の開閉に支障がないように、前面枠12の軸着側上部に設けられる。なお、情報出力端子を2列配置する外部情報端子板は、遊技盤30の裏面に設けられるものであってもよい。
【0358】
情報出力端子を2列配置する外部情報端子板は、12個の情報出力端子712(CN1からCN12)を2列にして備える。CN1からCN6の6個の情報出力端子712とCN7からCN12の6個の情報出力端子712はそれぞれ、遊技機10の設置環境において垂直方向の向きで1列に並ぶようにして外部情報端子基板に配置される。CN1からCN6の6個の情報出力端子712からなる列は、前面枠12の開放端側に位置し、CN7からCN12の6個の情報出力端子722からなる列は、前面枠12の軸着側に位置する。なお、CN1からCN6の6個の情報出力端子712とCN7からCN12の6個の情報出力端子712はそれぞれ、遊技機10の設置環境において水平方向の向きで1列に並ぶようにして外部情報端子基板に配置されるものであってもよい。
【0359】
なお、12個の情報出力端子712(CN1からCN12)は、色彩が付されることで識別容易にされている。12個の情報出力端子712(CN1からCN12)は、異なる色彩(たとえば、12色)により識別容易にされてもよいし、隣接しない情報出力端子712に限り同一色彩(たとえば、6色2組)を許して識別容易にされるものであってもよい。
【0360】
次に、情報出力端子を2列配置する情報出力端子(CN1からCN12)への出力信号の割り当てについて
図32を用いて説明する。
図32は、第1の実施形態の2列配置の情報出力端子への出力信号の割当の一例を示す図である。
【0361】
情報出力端子CN1は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力により賞球信号をパルス出力する。賞球信号は、10個の賞球払出ごとに128ms間オンする1パルスを出力する。なお、連続してパルス出力する場合、2つのパルス間には、64msのオフ時間が設けられる。
【0362】
情報出力端子CN2は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力により扉・枠開放信号を期間出力する。扉・枠開放信号は、ガラス枠開放エラーまたは本体枠開放エラーが発生している期間だけオンする。
【0363】
情報出力端子CN3は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力により図柄確定回数信号をパルス出力する。図柄確定回数信号は、特
図1ゲームまたは特
図2ゲームの変動停止から256ms間オンする1パルスを出力する。
【0364】
情報出力端子CN4は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力により始動口信号をパルス出力する。始動口信号は、始動口(始動入賞口36(始動口1)、普通変動入賞装置37(始動口2))への入賞から128ms間オンする1パルスを出力する。なお、連続してパルス出力する場合、2つのパルス間には、64msのオフ時間が設けられる。
【0365】
情報出力端子CN5は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力により大当り1信号を期間出力する。大当り1信号は、小当り演出の開始から終了までを含む小当り中の期間だけオンする。
【0366】
情報出力端子CN6は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力により大当り2信号を期間出力する。大当り2信号は、小当り演出の開始から終了までを含む小当り中、大当り中、時短中の期間だけオンする。
【0367】
情報出力端子CN7は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力により大当り3信号を期間出力する。大当り3信号は、小当り演出の開始から終了までを含む小当り中、大当り中の期間だけオンする。
【0368】
情報出力端子CN8は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力により大当り4信号を期間出力する。大当り4信号は、大当り中の期間だけオンする。
情報出力端子CN9は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力によりアウト信号をパルス出力する。アウト信号は、10個のアウト球発生ごとに128ms間オンする1パルスを出力する。なお、連続してパルス出力する場合、2つのパルス間には、64msのオフ時間が設けられる。
【0369】
情報出力端子CN10は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力によりメイン賞球信号をパルス出力する。メイン賞球信号は、10個の賞球発生ごとに128ms間オンする1パルスを出力する。なお、連続してパルス出力する場合、2つのパルス間には、64msのオフ時間が設けられる。
【0370】
情報出力端子CN11は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力によりセキュリティ信号を期間出力する。セキュリティ信号は、電源投入時および停電復旧時に設定キースイッチ127とRAM初期化スイッチ112の状態に対応した期間、所定のエラーが発生している期間だけオンする。
【0371】
情報出力端子CN12は、2つの端子(1,2)間を導通させて接点出力により呼出し信号をパルス出力する。呼出し信号は、呼出しスイッチの入力を検出するごとに128ms間オンする1パルスを出力する。なお、連続してパルス出力する場合、2つのパルス間には、64msのオフ時間が設けられる。
【0372】
このように、遊技機10は、複数機種で共通の信号出力である機種共通信号(賞球信号、扉・枠開放信号、図柄確定回数信号、始動口信号、メイン賞球信号、セキュリティ信号、アウト信号、呼出し信号)を外部情報端子板72の2組の対角のうち1組の対角端部に寄せて配置する。たとえば、遊技機10は、前面枠12の開放端側上端部に賞球信号、扉・枠開放信号、図柄確定回数信号、始動口信号を配置し、前面枠12の軸着側下端部にアウト信号、メイン賞球信号、セキュリティ信号、呼出し信号を配置する。
【0373】
また、遊技機10は、機種固有あるいは必ずしも複数機種で共通とならない機種依存信号(大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、大当り4信号)を外部情報端子板72の2組の対角のうちもう1組の対角端部に寄せて配置する。たとえば、遊技機10は、前面枠12の開放端側下端部に大当り1信号、大当り2信号を配置し、前面枠12の軸着側上端部に大当り3信号、大当り4信号を配置する。
【0374】
遊技機10は、機種共通信号を1つにまとめずに、外部情報端子板72において前面枠12の開放端側上端部に位置する開放端側機種共通信号と、外部情報端子板72において前面枠12の軸着側下端部に位置する軸着側機種共通信号とに分けている。遊技機10は、開放端側機種共通信号と軸着側機種共通信号との間に機種依存信号を配置することで、複数機種で共通の信号に係る配線作業を外部情報端子板72の対角端部からおこなうことができる。たとえば、外部情報出力は、機種によっては大当り4信号を有しない場合があり、その場合に情報出力端子CN8は空き端子となる。遊技機10は、機種によって生じる空き端子を外部情報端子板72のもう1組の対角端部に寄せることができ、機種共通の情報出力端子への配線作業を外部情報端子板72への1組の対角端部からおこなうことができる。これにより、遊技機10は、機種共通信号の配線接続の位置決めを容易にして配線誤りを抑制することができる。
【0375】
また、遊技機10は、機種共通信号のうち不正対策として重要な扉・枠開放信号とセキュリティ信号を開放端側機種共通信号と軸着側機種共通信号とに分けて配置する。これにより、同じ期間信号出力をおこなう扉・枠開放信号とセキュリティ信号の取り違いミスを抑制する。
【0376】
また、セキュリティ信号と扉・枠開放信号を比較すると、扉・枠開放信号は、全面枠12またはガラス枠15を開放するだけで信号出力することから、セキュリティ信号よりも発生容易である。このような扉・枠開放信号を開放端側機種共通信号とすることで、情報出力端子CN1から情報出力端子CN12に向かって配線接続作業をおこなうときに同じ期間信号出力をおこなう扉・枠開放信号とセキュリティ信号の取り違いミスを抑制する。
【0377】
また、開放端側機種共通信号のうちに期間信号出力をおこなう外部情報を扉・枠開放信号ただ1つとすることで配線接続ミスを抑制する。また、軸着側機種共通信号のうちに期間信号出力をおこなう外部情報をセキュリティ信号ただ1つとすることで配線接続ミスを抑制する。
【0378】
また、開放端側機種共通信号のうち機種依存信号と隣接する信号をパルス出力信号とすることで、期間出力信号である機種依存信号との区別を容易にして開放端側機種共通信号と機種依存信号との間の配線接続ミスを抑制する。たとえば、遊技機10は、情報出力端子CN4をパルス出力の始動口信号とし、情報出力端子CN5を期間出力の大当り1信号とすることで信号出力態様から配線接続ミスを抑制する。なお、機種依存信号の期間出力は、出力トリガがゲーム進行に依存するので出力確認が容易でない。一方、始動口信号のパルス出力は、始動口に遊技球を入賞させることで出力確認が容易である。
【0379】
なお、開放端側機種共通信号における期間出力である扉・枠開放信号(情報出力端子CN2)と機種依存信号における期間出力である大当り1信号(情報出力端子CN5)との間には、パルス出力である図柄確定回数信号(情報出力端子CN3)と始動口信号(情報出力端子CN4)とを配置するので配線接続ミスを一層抑制する。
【0380】
また、開放端側機種共通信号における期間出力である扉・枠開放信号(情報出力端子CN2)は、パルス出力である賞球信号(情報出力端子CN1)と図柄確定回数信号(情報出力端子CN3)との間に配置されるので配線接続ミスを一層抑制する。
【0381】
また、軸着側機種共通信号のうち機種依存信号と隣接する信号をパルス出力信号とすることで、期間出力信号である機種依存信号との区別を容易にして軸着側機種共通信号と機種依存信号との間の配線接続ミスを抑制する。たとえば、遊技機10は、情報出力端子CN9をパルス出力のアウト信号とし、情報出力端子CN8を期間出力の大当り4信号とすることで信号出力態様から配線接続ミスを抑制する。なお、機種依存信号の期間出力は、出力トリガがゲーム進行に依存するので出力確認が容易でない。一方、アウト信号のパルス出力は、アウト口から遊技球を排出させることで出力確認が容易である。
【0382】
なお、軸着側機種共通信号における期間出力であるセキュリティ信号(情報出力端子CN11)と機種依存信号における期間出力である大当り4信号(情報出力端子CN8)との間には、パルス出力であるアウト信号(情報出力端子CN9)とメイン賞球信号(情報出力端子CN10)を配置するので配線接続ミスを一層抑制する。
【0383】
また、軸着側機種共通信号における期間出力であるセキュリティ信号(情報出力端子CN11)は、パルス出力であるメイン賞球信号(情報出力端子CN10)と呼出し信号(情報出力端子CN12)との間に配置されるので配線接続ミスを一層抑制する。
【0384】
次に、情報出力端子722への出力信号の割り当ての変形例について
図33から
図37を用いて説明する。
図33は、第1の実施形態の2列配置の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その1)を示す図である。
図34は、第1の実施形態の2列配置の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その2)を示す図である。
図35は、第1の実施形態の2列配置の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その3)を示す図である。
図36は、第1の実施形態の2列配置の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その4)を示す図である。
図37は、第1の実施形態の2列配置の情報出力端子への出力信号の割当の変形例(その5)を示す図である。
【0385】
図33において変形例(その1)として示す外部情報端子板は、遊技機10の設置環境において情報出力端子が垂直方向に2列に並ぶ。情報出力端子は、本体枠11の軸着側下端と開放端側上端に機種共通出力をおこなう2つの情報出力端子群を配置し、本体枠11の軸着側上端と開放端側下端に機種依存出力をおこなう2つの情報出力端子群を配置する。
【0386】
下端側機種共通出力(軸着側下端)は、下端側から順に情報出力端子群CN1G、情報出力端子CN1S、情報出力端子群CN2Gを配置する。上端側機種依存出力(軸着側上端)は、情報出力端子群CN3Gを配置する。下端側機種依存出力(開放端側下端)は、情報出力端子群CN6Gを配置する。上端側機種共通出力(開放端側上端)は、下端側から順に情報出力端子群CN4G、情報出力端子CN2S、情報出力端子群CN5Gを配置する。情報出力端子群CN6Gに含まれる情報出力端子は、機種依存信号(たとえば、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、大当り4信号)のうち他と重複しない信号を出力する。
【0387】
これにより、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、期間出力をおこなう情報出力端子との隣接配置が回避されるので接続確認が容易である。また、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、相互に十分に離れているので両者を取り違える危険が低減されている。また、機種共通信号は、2列に並ぶ情報出力端子列の2組の対角のうち1組の対角端部に位置するため中央部における配線接続よりも誤接続の危険が低減されている。また、機種依存信号は、ホールコンピュータによっては接続されない場合があり、その場合に空き端子が2組の対角のうちもう1組の対角端部に位置することとなるので誤接続の危険が少ない。
【0388】
図34において変形例(その2)として示す外部情報端子板は、遊技機10の設置環境において情報出力端子が垂直方向に2列に並ぶ。情報出力端子は、本体枠11の軸着側下端と開放端側上端に機種共通出力をおこなう2つの情報出力端子群を配置し、本体枠11の軸着側上端と開放端側下端に機種依存出力をおこなう2つの情報出力端子群を配置する。
【0389】
下端側機種共通出力(軸着側下端)は、下端側から順に情報出力端子CN1S、情報出力端子群CN2Gを配置する。上端側機種依存出力(軸着側上端)は、情報出力端子群CN3Gを配置する。下端側機種依存出力(開放端側下端)は、情報出力端子群CN6Gを配置する。上端側機種共通出力(開放端側上端)は、下端側から順に情報出力端子群CN4G、情報出力端子CN2S、情報出力端子群CN5Gを配置する。
【0390】
これにより、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、期間出力をおこなう情報出力端子との隣接配置が回避されるので接続確認が容易である。また、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、相互に十分に離れているので両者を取り違える危険が低減されている。また、機種共通信号は、2列に並ぶ情報出力端子列の2組の対角のうち1組の対角端部に位置するため中央部における配線接続よりも誤接続の危険が低減されている。また、機種依存信号は、ホールコンピュータによっては接続されない場合があり、その場合に空き端子が2組の対角のうちもう1組の対角端部に位置することとなるので誤接続の危険が少ない。また、情報出力端子CN1Sは、情報出力端子列の角部に位置するため位置決めが容易である。また、情報出力端子CN1Sは、情報出力端子列の角部に位置するため、情報出力端子列の角部に位置しない情報出力端子CN2Sとの区別が容易である。
【0391】
図35において変形例(その3)として示す外部情報端子板は、遊技機10の設置環境において情報出力端子が垂直方向に2列に並ぶ。情報出力端子は、本体枠11の軸着側下端と開放端側上端に機種共通出力をおこなう2つの情報出力端子群を配置し、本体枠11の軸着側上端と開放端側下端に機種依存出力をおこなう2つの情報出力端子群を配置する。
【0392】
下端側機種共通出力(軸着側下端)は、下端側から順に情報出力端子群CN1G、情報出力端子CN1S、情報出力端子群CN2Gを配置する。上端側機種依存出力(軸着側上端)は、情報出力端子群CN3Gを配置する。下端側機種依存出力(開放端側下端)は、情報出力端子群CN6Gを配置する。上端側機種共通出力(開放端側上端)は、下端側から順に情報出力端子群CN4G、情報出力端子CN2Sを配置する。
【0393】
これにより、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、期間出力をおこなう情報出力端子との隣接配置が回避されるので接続確認が容易である。また、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、相互に十分に離れているので両者を取り違える危険が低減されている。また、機種共通信号は、2列に並ぶ情報出力端子列の2組の対角のうち1組の対角端部に位置するため中央部における配線接続よりも誤接続の危険が低減されている。また、機種依存信号は、ホールコンピュータによっては接続されない場合があり、その場合に空き端子が2組の対角のうちもう1組の対角端部に位置することとなるので誤接続の危険が少ない。また、情報出力端子CN2Sは、情報出力端子列の角部に位置するため位置決めが容易である。また、情報出力端子CN2Sは、情報出力端子列の角部に位置するため、情報出力端子列の角部に位置しない情報出力端子CN1Sとの区別が容易である。
【0394】
図36において変形例(その4)として示す外部情報端子板は、遊技機10の設置環境において情報出力端子が垂直方向に2列に並ぶ。情報出力端子は、本体枠11の軸着側下端と開放端側上端に機種共通出力をおこなう2つの情報出力端子群を配置し、本体枠11の軸着側上端と開放端側下端に機種依存出力をおこなう2つの情報出力端子群を配置する。
【0395】
下端側機種共通出力(軸着側下端)は、下端側から順に情報出力端子CN1S、情報出力端子群CN2Gを配置する。上端側機種依存出力(軸着側上端)は、情報出力端子群CN3Gを配置する。下端側機種依存出力(開放端側下端)は、情報出力端子群CN6Gを配置する。上端側機種共通出力(開放端側上端)は、下端側から順に情報出力端子群CN4G、情報出力端子CN2Sを配置する。
【0396】
これにより、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、期間出力をおこなう情報出力端子との隣接配置が回避されるので接続確認が容易である。また、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、相互に十分に離れているので両者を取り違える危険が低減されている。また、機種共通信号は、2列に並ぶ情報出力端子列の2組の対角のうち1組の対角端部に位置するため中央部における配線接続よりも誤接続の危険が低減されている。また、機種依存信号は、ホールコンピュータによっては接続されない場合があり、その場合に空き端子が2組の対角のうちもう1組の対角端部に位置することとなるので誤接続の危険が少ない。また、情報出力端子CN2Sは、情報出力端子列の角部に位置するため位置決めが容易である。
【0397】
図37において変形例(その5)として示す外部情報端子板は、遊技機10の設置環境において情報出力端子が水平方向に2列に並ぶ。情報出力端子は、本体枠11の開放端側下端と軸着側上端に機種共通出力をおこなう2つの情報出力端子群を配置し、本体枠11の軸着側下端と開放端側上端に機種依存出力をおこなう2つの情報出力端子群を配置する。
【0398】
下端側機種共通出力(開放端側下端)は、開放端側から順に情報出力端子群CN1G、情報出力端子CN1S、情報出力端子群CN2Gを配置する。下端側機種依存出力(軸着側下端)は、情報出力端子群CN3Gを配置する。上端側機種依存出力(開放端側上端)は、情報出力端子群CN6Gを配置する。上端側機種共通出力(軸着側上端)は、開放端側から順に情報出力端子群CN4G、情報出力端子CN2S、情報出力端子群CN5Gを配置する。
【0399】
これにより、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、期間出力をおこなう情報出力端子との隣接配置が回避されるので接続確認が容易である。また、情報出力端子CN1Sと情報出力端子CN2Sは、相互に十分に離れているので両者を取り違える危険が低減されている。また、機種共通信号は、2列に並ぶ情報出力端子列の2組の対角のうち1組の対角端部に位置するため中央部における配線接続よりも誤接続の危険が低減されている。また、機種依存信号は、ホールコンピュータによっては接続されない場合があり、その場合に空き端子が2組の対角のうちもう1組の対角端部に位置することとなるので誤接続の危険が少ない。
【0400】
なお、
図33において変形例(その1)として示した外部情報端子板に
図34から
図36を用いて説明した変形例を適用したのと同様に、
図37において変形例(その5)として示した外部情報端子板においても、
図34から
図36を用いて説明した変形例を適用できる。
【0401】
また、上述した第1の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。なお、従来の遊技機は、外部接続端子(外部情報端子板)における配線接続誤りの発見が容易でない。第1の実施形態の遊技機10は、外部情報端子板における配線接続確認を容易にする。
【0402】
(1)遊技機(たとえば、遊技機10)は、所定条件の成立期間中に出力される期間信号と、所定条件の成立時にパルス出力されるパルス信号とを対応する情報出力端子から出力可能な外部情報端子基板と、外部情報端子基板から出力される信号(外部情報)を編集可能な制御手段と、を備える。期間信号には、遊技性能(機種)に依存しない機種共通信号と、遊技性能(機種)に依存する機種依存信号とがあり、機種共通信号には、第1の不正対策に用いられる第1不正対策信号(たとえば、扉・枠開放信号)と、第1の不正対策と異なる第2の不正対策に用いられる第2不正対策信号(たとえば、セキュリティ信号)とがあり、外部情報端子基板は、第1不正対策信号に対応する第1情報出力端子と、第2不正対策信号に対応する第2情報出力端子と、機種依存信号(たとえば、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、大当り4信号)に対応する第3情報出力端子とがそれぞれ隣設しないようにして配置し、第1情報出力端子と第3情報出力端子との間にパルス信号(たとえば、図柄確定回数信号、始動口信号)を出力する第4情報出力端子を配置し、第2情報出力端子と第3情報出力端子との間にパルス信号(たとえば、メイン賞球信号)を出力する第4情報出力端子と異なる第5情報出力端子を配置し、制御手段は、遊技に関係する制御に用いる遊技制御用記憶領域と、遊技に関係しない制御に用いる非遊技制御用記憶領域とを有し、第1不正対策信号を編集する処理を格納する第1記憶領域と、第1不正対策信号の出力判定に用いる第2記憶領域と、第2不正対策信号を編集する処理を格納する第3記憶領域と、第2不正対策信号の出力判定に用いる第4記憶領域とを遊技制御用記憶領域に配置する(たとえば、
図11、
図16、
図27参照)。
【0403】
(2)遊技機(たとえば、遊技機10)は、所定条件の成立期間中に出力される期間信号と、所定条件の成立時にパルス出力されるパルス信号とを対応する情報出力端子から出力可能な外部情報端子基板と、外部情報端子基板から出力される信号(外部情報)を編集可能な制御手段と、を備える。期間信号には、遊技性能(機種)に依存しない機種共通信号と、遊技性能(機種)に依存する機種依存信号とがあり、機種共通信号には、第1の不正対策に用いられる第1不正対策信号(たとえば、扉・枠開放信号)と、第1の不正対策と異なる第2の不正対策に用いられる第2不正対策信号(たとえば、セキュリティ信号)とがあり、外部情報端子基板は、第1不正対策信号に対応する第1情報出力端子と、第2不正対策信号に対応する第2情報出力端子と、機種依存信号(たとえば、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、大当り4信号)に対応する第3情報出力端子とがそれぞれ隣設しないようにして配置し、第1情報出力端子と第3情報出力端子との間にパルス信号を出力する第4情報出力端子を配置し、第2情報出力端子と第3情報出力端子との間にパルス信号を出力する第4情報出力端子と異なる第5情報出力端子を配置し、制御手段は、第1不正対策信号と第2不正対策信号とを出力するとき、第1不正対策信号と第2不正対策信号のうち一方を先に出力してから他方を遅れて出力する(たとえば、
図3、
図13、
図27参照)。
【0404】
(3)遊技機(たとえば、遊技機10)は、所定条件の成立期間中に出力される期間信号と、所定条件の成立時にパルス出力されるパルス信号とを対応する情報出力端子から出力可能な外部情報端子基板と、外部情報端子基板から出力される信号(外部情報)を編集可能な制御手段と、を備える。期間信号には、遊技性能(機種)に依存しない機種共通信号と、遊技性能(機種)に依存する機種依存信号とがあり、機種共通信号には、第1の不正対策に用いられる第1不正対策信号(たとえば、扉・枠開放信号)と、第1の不正対策と異なる第2の不正対策に用いられる第2不正対策信号(たとえば、セキュリティ信号)とがあり、外部情報端子基板は、第1不正対策信号に対応する第1情報出力端子と、第2不正対策信号に対応する第2情報出力端子と、機種依存信号(たとえば、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、大当り4信号)に対応する第3情報出力端子とがそれぞれ隣設しないようにして配置し、第2情報出力端子と第3情報出力端子との間にパルス信号を出力する第4情報出力端子と異なる第5情報出力端子を配置し、制御手段は、第1条件の成立または第1条件と異なる第2条件の成立により第1不正対策信号を編集(出力、あるいは出力までを含むものであってもよい)するとき、第1条件の成否にかかわらず第1条件の監視の後に第2条件の成立監視をおこない(たとえば、ステップS151、ステップS152参照)、第3条件の成立または第3条件と異なる第4条件の成立により第2不正対策信号を編集(出力、あるいは出力までを含むものであってもよい)するとき、第3条件の成否にかかわらず第3条件の監視の後に第4条件の成立監視をおこなう(たとえば、ステップS166からステップS174参照)(たとえば、
図16、
図17、
図27参照)。
【0405】
(4)遊技機(たとえば、遊技機10)は、所定条件の成立期間中に出力される期間信号と、所定条件の成立時にパルス出力されるパルス信号とを対応する情報出力端子から出力可能な外部情報端子基板と、外部情報端子基板から出力される信号(外部情報)を編集可能な制御手段と、を備える。期間信号には、遊技性能(機種)に依存しない機種共通信号と、遊技性能(機種)に依存する機種依存信号とがあり、機種共通信号には、第1の不正対策に用いられる第1不正対策信号(たとえば、扉・枠開放信号)と、第1の不正対策と異なる第2の不正対策に用いられる第2不正対策信号(たとえば、セキュリティ信号)とがあり、外部情報端子基板は、第1不正対策信号に対応する第1情報出力端子と、第2不正対策信号に対応する第2情報出力端子と、機種依存信号(たとえば、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、大当り4信号)に対応する第3情報出力端子とがそれぞれ隣設しないようにして配置し、第1情報出力端子と第3情報出力端子との間にパルス信号を出力する第4情報出力端子を配置し、第2情報出力端子と第3情報出力端子との間にパルス信号を出力する第4情報出力端子と異なる第5情報出力端子を配置し、制御手段は、第1条件の成立または第1条件と異なる第2条件の成立により第1不正対策信号を編集(出力、あるいは出力までを含むものであってもよい)するとき、第1条件の成立により第2条件の成立監視を打ち切ることなく、また第2条件の成立により第1条件の成立監視を打ち切ることなく、第1条件および第2条件の成立を監視し(たとえば、ステップS151、ステップS152参照)、第3条件の成立または第3条件と異なる第4条件の成立により第2不正対策信号を編集(出力、あるいは出力までを含むものであってもよい)するとき、第3条件の成立により第4条件の成立監視を打ち切ることなく、また第4条件の成立により第3条件の成立監視を打ち切ることなく、第3条件および第4条件の成立を監視する(たとえば、ステップS166からステップS174参照)(たとえば、
図16、
図17、
図27参照)。
【0406】
(5)遊技機(たとえば、遊技機10)は、所定条件の成立期間中に出力される期間信号と、所定条件の成立時にパルス出力されるパルス信号とを対応する情報出力端子から出力可能な外部情報端子基板と、外部情報端子基板から出力される信号(外部情報)を編集可能な制御手段と、を備える。期間信号には、遊技性能(機種)に依存しない機種共通信号と、遊技性能(機種)に依存する機種依存信号とがあり、機種共通信号には、第1の不正対策に用いられる第1不正対策信号(たとえば、扉・枠開放信号)と、第1の不正対策と異なる第2の不正対策に用いられる第2不正対策信号(たとえば、セキュリティ信号)とがあり、外部情報端子基板は、第1不正対策信号に対応する第1情報出力端子と、第2不正対策信号に対応する第2情報出力端子と、機種依存信号(たとえば、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、大当り4信号)に対応する第3情報出力端子とがそれぞれ隣設しないようにして配置し、第2情報出力端子と第3情報出力端子との間にパルス信号を出力する第4情報出力端子と異なる第5情報出力端子を配置する(たとえば、
図27参照)。
【0407】
(6)遊技機(たとえば、遊技機10)は、所定条件の成立期間中に出力される期間信号と、所定条件の成立時にパルス出力されるパルス信号とを対応する情報出力端子から出力可能な外部情報端子基板と、外部情報端子基板から出力される信号(外部情報)を編集可能な外部情報編集手段と、変動表示ゲームを実行制御可能であり、変動表示ゲームの実行権利の獲得期待度が小さい低価値遊技(たとえば、低価値時短、低価値普電サポート等)と、変動表示ゲームの実行権利の獲得期待度が大きい高価値遊技(たとえば、高価値時短、高価値普電サポート等)とを制御可能なゲーム実行制御手段と、を備える。期間信号には、遊技性能(機種)に依存しない機種共通信号と、遊技性能(機種)に依存する機種依存信号とがあり、機種共通信号には、第1の不正対策に用いられる第1不正対策信号と、第1の不正対策と異なる第2の不正対策に用いられる第2不正対策信号とがあり、機種依存信号は、低価値遊技および高価値遊技を区別可能な遊技区別信号を含み、外部情報端子基板は、第1不正対策信号に対応する第1情報出力端子と、第2不正対策信号に対応する第2情報出力端子と、機種依存信号に対応し、遊技区別信号に対応する情報端子を含む第3情報出力端子群とがそれぞれ隣設しないようにして配置し、第1情報出力端子と第3情報出力端子群との間にパルス信号を出力する第4情報出力端子を配置し、第2情報出力端子と第3情報出力端子群との間にパルス信号を出力する第4情報出力端子と異なる第5情報出力端子を配置する。(たとえば、
図21、
図22、
図27参照)。
【0408】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の遊技機10について説明する。第2の実施形態の遊技機10は、操作演出における操作入力を遊技者による手動操作と、遊技者設定による自動操作とを切替可能であり、操作演出における入力状態(手動操作と自動操作)を好適に切り替え可能にする。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する。
【0409】
まず、操作演出における入力制御について
図38を用いて説明する。
図38は、第2の実施形態の操作演出における入力制御の一例を示す図である。遊技機10における操作演出は、遊技者操作を受け付けて演出態様を変更可能にする演出である。遊技者操作は、プッシュボタン25等の操作手段により受付可能な押下操作等がある。なお、操作手段は、プッシュボタン25に限らず、物理的変位により操作入力を受付可能なレバーやハンドル等であってもよいし、物理的変位を伴わずに操作入力を受付可能なタッチパネルやフォトセンサ、撮像装置等であってもよい。以下、操作手段を代表してプッシュボタン25を用いた操作演出について説明するが、プッシュボタン25に代わる操作手段を用いるものであってもよいし、2以上の操作手段を用いるものであってもよい。
【0410】
遊技機10における操作演出制御状態は、操作演出有効状態と操作演出無効状態とがある。操作演出有効状態は、遊技演出に係る遊技者操作を受付可能にする。操作演出無効状態は、遊技者操作を受け付けない状態である。なお、操作演出有効状態は、ゲーム演出を実行可能な遊技状態に限られるが、操作演出無効状態は、ゲーム演出を実行可能な遊技状態に限られない。また、操作演出有効状態は、遊技演出に係る遊技者操作を受付可能にする操作手段について、遊技演出に係らない遊技者操作を受け付けない。一方、操作演出無効状態は、遊技演出に係る遊技者操作を受け付けないが、遊技演出に係らない遊技者操作であれば受付可能にする。たとえば、遊技演出に係らない遊技者操作は、音量調整や輝度調整、演出のカスタマイズ設定、遊技履歴の閲覧、遊技方法の確認に係る操作等(各種操作)がある。
【0411】
遊技機10における操作演出は、表操作演出と裏操作演出とがある。表操作演出は、遊技演出に係る遊技者操作が受付可能であることを明示しておこなう操作演出である。表操作演出は、遊技機10を遊技する遊技者に広く興趣を提供する演出である。裏操作演出は、遊技経験を積んだ遊技者に新たな興趣を提供する演出である。遊技機10は、表操作演出だけでも十分な興趣を提供可能にするが、裏操作演出により新たな興趣の発見機会を遊技者に提供することにより長期の稼働向上を図るものである。
【0412】
裏操作演出は、遊技演出に係る遊技者操作が受付可能であることを明示せずにおこなう操作演出である。なお、遊技演出に係る遊技者操作が受付可能であることを明示せずにおこなうとは、非明示であってもよいし、表操作演出と比較して明示されていないものであってもよい。すなわち、表操作演出は、遊技者が遊技者操作を受付可能であることを容易に認識可能であり、裏操作演出は、遊技者が遊技者操作を受付可能であることを表操作演出と比較して容易に認識できない。
【0413】
また、操作演出制御状態は、遊技演出に係る遊技者操作の受付に、遊技者の手動操作を必要とする手動入力モードと、遊技者の手動操作を必要としない自動入力モードとがある。手動入力モードは、遊技者の手動操作にもとづく入力をもって遊技者操作を受け付ける。一方、自動入力モードは、遊技者の手動操作にもとづく入力なしに所定契機で遊技者操作を受け付ける。手動入力モードは、表操作演出と裏操作演出とを対象にして操作入力を受付可能である。自動入力モードは、表操作演出を対象にして操作入力を受付可能であるが、裏操作演出を対象にした操作入力を受け付けない。したがって、表操作演出は、手動入力モードと自動入力モードとで遊技を演出可能であるが、裏操作演出は、手動入力モードで遊技を演出可能にし、自動入力モードで遊技を演出可能にしない。
【0414】
手動入力モードと自動入力モードは、互いに遷移可能である。手動入力モードは、所定の有効期間において所定期間継続した操作があることを条件にして自動入力モードに遷移する。たとえば、手動入力モードであって裏操作演出期間でないとき、プッシュボタン25の押下操作が7秒間継続した場合に、手動入力モードは、自動入力モードに遷移する。また、自動入力モードであるとき、プッシュボタン25の押下操作があった場合に、自動入力モードは、手動入力モードに遷移する。
【0415】
次に、操作演出における画面表示例について、
図39から
図45を用いて説明する。
図39は、第2の実施形態の画面表示の一例(その1)を示す図である。
図40は、第2の実施形態の画面表示の一例(その2)を示す図である。
図41は、第2の実施形態の画面表示の一例(その3)を示す図である。
図42は、第2の実施形態の画面表示の一例(その4)を示す図である。
図43は、第2の実施形態の画面表示の一例(その5)を示す図である。
図44は、第2の実施形態の画面表示の一例(その6)を示す図である。
図45は、第2の実施形態の画面表示の一例(その7)を示す図である。
【0416】
まず、手動入力モードと自動入力モードにおける入力モードを案内する画面の表示例を
図39を用いて説明する。
図39(1)に示す表示画面520は、手動入力モードにおいて変動表示中(三図柄変動中)の画面を示す。
図39(2)に示す表示画面522は、自動入力モードにおいて変動表示中(三図柄変動中)の画面を示す。
【0417】
表示画面520、522はいずれも、入力モード案内表示521を表示内容に含む。表示画面520における入力モード案内表示521は、メッセージ「自動」を淡色表示して自動入力モードが有効でないこと、すなわち手動入力モードであることを案内する。表示画面522における入力モード案内表示521は、メッセージ「自動」を濃色表示して自動入力モードが有効であること、すなわち自動入力モードであることを案内する。
【0418】
なお、入力モード案内表示521は、所定の遊技状態において常時表示するものであってもよいし、所定の演出状態において表示するものであってもよいし、所定契機から所定時間だけ表示されるものであってもよい。所定の遊技状態は、たとえば変動表示状態や客待ち遊技状態等がある。また、入力モード案内表示521は、所定のエラー中や、大当りのファンファーレ中、エンディング中等の明らかに操作演出が実行されることがないときに非表示にするものであってもよい。また、所定の演出状態は、たとえば表操作演出や裏操作演出の期間中、あるいは表操作演出や裏操作演出に先立つ期間、表操作演出や裏操作演出の後の期間、これら期間の組み合わせからなる期間等がある。また、所定契機は、たとえばプッシュボタン25の押下操作や初期化処理の終了、電源復旧処理の終了、客待ち状態の終了、所定時間経過等がある。
【0419】
また、入力モード案内表示521は、所定の表示位置に表示されるものであってもよいし、表示位置を変更可能にして表示されるものであってもよい。たとえば、入力モード案内表示521は、リーチ状態と非リーチ状態とで表示位置を変更してもよい。また、入力モード案内表示521は、所定の大きさで表示されるものであってもよいし、大きさを変更可能にして表示されるものであってもよい。たとえば、入力モード案内表示521は、リーチ状態と非リーチ状態、あるいは客待ち状態等とで表示サイズを変更してもよい。
【0420】
なお、入力モード案内表示521は、飾り図柄である大図柄群501と重なる場合に大図柄群501に優先して表示される。また、入力モード案内表示521は、同じく飾り図柄である小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、保留待機表示505と、保留消化表示506と重ならない位置に表示される。これにより、遊技機10は、ゲーム進行の案内において遊技者に不利益を与えることなく、入力モードを案内することができる。
【0421】
なお、遊技機10は、入力モードを入力モード案内表示521により案内するとしたが、入力モード案内表示521に代えて、あるいは入力モード案内表示521に加えて音声(効果音を含む)や発光等により案内するものであってもよい。たとえば、遊技機10は、プッシュボタン25の発光態様(手動入力モードで消灯、自動入力モードで黄色点灯等)により入力モードを案内することができる。また、遊技機10は、入力モードに応じてプッシュボタン25の操作音を違えてもよい。
【0422】
次に、手動入力モードと自動入力モードにおける遊技者操作を促す画面の表示例を
図40を用いて説明する。
図40(1)に示す表示画面524は、手動入力モードにおいて遊技者操作を促す画面を示す。
図40(2)に示す表示画面526は、自動入力モードにおいて遊技者操作を促す画面を示す。
【0423】
表示画面524、526はいずれも、入力モード案内表示521と操作促進案内表示525とを表示内容に含む。表示画面524における入力モード案内表示521は、手動入力モードであることを案内する。表示画面526における入力モード案内表示521は、自動入力モードであることを案内する。
【0424】
操作促進案内表示525は、表操作演出において遊技者に遊技者操作を促す表示である。なお、裏操作演出は、遊技者に遊技者操作を促す演出でないので操作促進案内表示525を表示しない。操作促進案内表示525は、プッシュボタン25の概観をイメージ表示して操作対象がプッシュボタン25であることを案内する。また、操作促進案内表示525は、メッセージ「押して!」を表示して操作内容がプッシュボタン25の押下操作であることを案内する。また、操作促進案内表示525は、時間ゲージを表示して操作受付期間の大きさと操作受付開始からの経過時間(あるいは操作受付可能な残り時間)を案内する。
【0425】
なお、遊技機10は、遊技者に遊技者操作を促す際に、プッシュボタン25の概観のイメージ表示を期待度を示す色彩(たとえば、後述する発展規則にしたがった色彩)で装飾するようにして操作入力の受付前に期待度を示唆するようにしてもよい。また、遊技機10は、プッシュボタン25の発光部位を期待度を示す色彩(たとえば、後述する発展規則にしたがった色彩)で発光させて操作入力の受付前に期待度を示唆するようにしてもよい。
【0426】
なお、操作部発光(たとえば、プッシュボタン25の発光)は、操作促進案内表示期間と、自動入力モードであることを案内する期間とが重複した場合に、操作促進案内に対応した表示色での発光が自動入力モードであることを案内する発光に優先する。たとえば、操作部発光は、操作促進案内に対応した表示色として白色、赤色、あるいは虹色で発光しているときに、自動入力モードとなっても黄色発光に切り替えずに白色、赤色、あるいは虹色での発光を継続する。また、操作部発光は、自動入力モードに対応した表示色として黄色で発光しているときに、操作促進案内に対応した表示色とするときには直ちに黄色発光から白色、赤色、あるいは虹色等の対応色での発光に切り替える。また、操作部発光は、操作促進案内表示期間と、自動入力モードであることを案内する期間とが重複した状態から操作促進案内表示期間が終了した場合には、自動入力モードに対応した表示色である黄色に直ちに切り替える。これにより、遊技機10は、操作促進案内と、自動入力モードであることの案内を遊技者にとって理解容易におこなうことができる。
【0427】
次に、表操作演出または裏操作演出の手動入力モードにおける遊技者操作後の画面の表示例を
図41を用いて説明する。
図41(1)に示す表示画面528は、手動入力モードにおいて遊技者操作を受け付けて所定の期待度を報知する画面を示す。
図41(2)に示す表示画面530は、手動入力モードにおいて遊技者操作を受け付けたが所定の期待度を報知しない画面を示す。
【0428】
表示画面528、530はいずれも、入力モード案内表示521と期待度報知表示529とを表示内容に含む。期待度報知表示529は、所定の表示要素の表示態様や色彩により期待度を案内する。表示画面528における期待度報知表示529は、キャラクタの表情により所定の期待度を報知(示唆や案内を含む)し、キャラクタとともに表示するオーラの色彩(吹き出しの背景色や文字色等であってもよい)により所定の期待度を報知する。なお、報知対象となる期待度は、ゲームの結果(当たりの発生、当たりの価値等)であってもよいし、ゲーム演出の発展期待度、遊技性能に係る設定値の期待度等であってもよい。
【0429】
表示画面528における期待度報知表示529は、遊技者操作を受け付けてポジティブな期待度を報知する画面を示す。表示画面528における期待度報知表示529は、笑顔のキャラクタにより相対的に高い期待度を報知し、キャラクタの背景となるオーラはその色彩(たとえば青色)に対応する期待度を報知する。
【0430】
表示画面530における期待度報知表示529は、遊技者操作を受け付けたものの有意な期待度を報知しない画面を示す。表示画面530における期待度報知表示529は、表情のないキャラクタにより有意な期待度を報知せず、キャラクタの背景となる吹き出しはその色彩(たとえば白色)により有意な期待度を報知しない。
【0431】
このように、遊技機10は、遊技者操作の受付により有意な期待度を報知する場合と有意な期待度を報知しない場合とがあってもよい。たとえば、遊技機10は、遊技者操作を受け付けても有意な期待度報知を確率的におこなうことで1回の操作演出で複数回の遊技者操作を促すことができる。
【0432】
なお、表操作演出の自動入力モードにおいて手動操作入力があった後の画面も、手動操作入力により自動入力モードから手動入力モードに遷移するので表示画面528、530と同様となる。また、表操作演出の自動入力モードにおける自動操作入力後の画面は、入力モード案内表示521が濃色表示されることを除いて表示画面528、530と同様となる。また、裏操作演出の自動入力モードにおいては、裏操作演出が自動操作入力の対象とならないことから表示画面528、530に至らない。
【0433】
次に、手動入力モードと自動入力モードにおける裏操作演出の操作受付画面の表示例を
図42を用いて説明する。
図42(1)に示す表示画面532は、手動入力モードにおいて裏操作演出の入力操作を受付可能にする画面を示す。
図42(2)に示す表示画面534は、自動入力モードにおいて裏操作演出の入力操作を受付可能にする画面を示す。
【0434】
表示画面532、534は、特図ゲームの変動表示における所定の演出中に裏操作演出の入力操作を受付可能にする際の表示画面である。所定の演出は、たとえばリーチ演出中や当たり演出中等がある。裏操作演出は、操作促進案内表示525に相当する案内表示をおこなわないが、所定の演出であることを把握可能にする演出識別表示533を表示する。
【0435】
表示画面532、534は、入力モード案内表示521と演出識別表示533とを表示内容に含む。表示画面532における入力モード案内表示521は、手動入力モードであることを案内する。表示画面534における入力モード案内表示521は、自動入力モードであることを案内する。
【0436】
演出識別表示533は、所定の演出であることを案内する。したがって、演出識別表示533は、所定の演出が裏操作演出であることを既知としている遊技者に裏操作演出を案内する機能を有する。一方で、演出識別表示533は、所定の演出が裏操作演出であることを既知としていない遊技者に何も案内しない。
【0437】
演出識別表示533は、所定のキャラクタの出現によって案内されるものであってもよいし、キャラクタによらない所定の演出態様によって案内されるものであってもよい。所定の演出態様は、たとえば表示装置41における所定表示、発光装置の発光態様、所定の音出力、可動部材の可動態様、振動装置の振動態様、その他の演出装置における所定演出態様等)がある。
【0438】
なお、裏操作演出は、自動入力モードで遊技中の遊技者に対しても手動操作をおこなうことで操作入力を受付可能にして、手動入力モードと自動入力モードを問わず興趣獲得機会を提供する。演出識別表示533は、手動入力モードに限らず自動入力モードにおいても表示されるので、手動入力モードと自動入力モードを区別せずに興趣獲得機会の容易化に貢献する。
【0439】
次に、手動入力モードと自動入力モードにおける裏操作演出の終了時画面の表示例を
図43を用いて説明する。
図43(1)に示す表示画面536は、手動入力モードにおいて裏操作演出の入力操作の受付があった画面を示す。
図43(2)に示す表示画面538は、自動入力モードにおいて裏操作演出の入力操作の受付がなかった画面を示す。
【0440】
表示画面536、538は、入力モード案内表示521と演出識別表示533とを表示内容に含む。表示画面536における入力モード案内表示521は、手動入力モードであることを案内する。表示画面538における入力モード案内表示521は、自動入力モードであることを案内する。
【0441】
裏操作演出は、裏操作演出の入力操作の受付終了後にあっても所定期間の間、裏操作演出を継続する。表示画面536は、裏操作演出の入力操作の受付終了後であるが、演出識別表示533の表示態様を違えて、たとえば演出識別表示533に背景を表示して期待度報知をおこなう。なお、裏操作演出の期待度報知は、演出識別表示533の表示態様を違えることによって期待度報知をおこなうことに限らず、その他の演出装置における所定演出態様によって期待度報知をおこなうものであってもよい。
【0442】
表示画面538は、自動入力モードにおいて裏操作演出の入力操作の受付がなかったことから、裏操作演出による期待度報知をおこなわない。したがって、遊技機10は、遊技者に対して今後の遊技における裏操作演出の発見という興趣向上機会を有する。
【0443】
なお、裏操作演出中においては手動入力モードから自動入力モードへの遷移の受付をおこなわない。表示画面536(
図43(1)参照)においては、裏操作演出の終了時画面において入力モード案内表示521を表示するとしたが、手動入力モードから自動入力モードへの遷移が制限されるため、遷移制限状態を遊技者に案内した方が遊技者の便益に応えることができる。
【0444】
そこで、遊技機10は、表示画面536に代えて制限状態を遊技者に案内する表示をおこなうようにしてもよい。入力操作の受付があって自動入力モードから手動入力モードに遷移した裏操作演出の終了時画面の変形例を
図44を用いて説明する。
【0445】
図44(1)に示す表示画面540は、演出識別表示533を表示内容に含むが、入力モード案内表示521を表示内容に含まない。入力モード案内表示521を表示内容に含まない表示画面540は、入力モードを案内しない。これにより、遊技機10は、手動入力モードから自動入力モードへの遷移制限状態を遊技者に案内できる。
【0446】
図44(2)に示す表示画面542は、入力モード案内表示521と演出識別表示533とを表示内容に含む。ただし、表示画面542における入力モード案内表示521は、メッセージ「自動」を淡色によって表示することに代えて、代替メッセージ「無効」を表示する。なお、表示画面542における入力モード案内表示521は、メッセージ「自動」に代わるその他の表示態様、あるいはメッセージ「自動」に加わるその他の表示態様によって遷移制限状態を遊技者に案内するものであってもよい。
【0447】
遷移制限状態の遊技者への案内は、すべての裏操作演出中の遷移制限状態においておこなうものであってもよいし、自動入力モードから手動入力モードへの遷移があった裏操作演出中の遷移制限状態に限っておこなうものであってもよい。自動入力モードから手動入力モードへの遷移をおこなった遊技者であれば、すぐにでも手動入力モードから自動入力モードへの遷移をおこないたいと考える蓋然性が高いので好適に遊技者の便益に応えることができる。また、過度に遷移制限状態の遊技者への案内をおこなうことは、裏操作演出の存在を知らしめることとなるので、案内機会の制限は、裏操作演出の興趣を没却しない。
【0448】
手動入力モードから自動入力モードへの遷移は、裏操作演出に重ならない期間におけるプッシュボタン25の所定時間の押下操作を遷移条件の1つとする。ただし、裏操作演出の期間は、遊技者に明示されないことから、押下操作の時間に裏操作演出の期間が含まれる場合に何の手掛かりもなければ押下操作に要する所定時間が把握できない。
【0449】
そこで、遊技機10は、表示画面536に代えて裏操作演出に重ならない期間を遊技者に案内する表示をおこなうようにしてもよい。手動入力モードにおける裏操作演出の終了時画面の表示例を
図45を用いて説明する。
【0450】
図45(1)に示す表示画面544は、入力モード案内表示521を表示内容に含むが、演出識別表示533を表示内容に含まない。演出識別表示533を表示内容に含まない表示画面544は、裏操作演出の終了を案内可能にして、手動入力モードから自動入力モードへの遷移可能状態を案内する。
【0451】
また、
図45(2)に示す表示画面546は、入力モード案内表示521に代えて入力モード案内表示547を表示内容に含む。なお、表示画面546は、演出識別表示533を表示内容に含まないが含むものであってもよい。入力モード案内表示521は、入力モードを案内するメッセージ表示(たとえば、手動入力モードを案内するメッセージ「自動」の淡色表示)に加えて、プッシュボタン25の押下操作の継続期間を案内する案内表示を含む。案内表示は、プッシュボタン25の押下操作の継続期間、もしくは入力状態遷移条件を満たすまでの残り時間を案内するものであってもよい。案内表示は、たとえば、ゲージ表示でもよいし、具体的な時間表示であってもよい。また、案内表示は、単にプッシュボタン25の押下操作を有効に受け付けていることを案内するだけの表示であってもよい。
【0452】
次に、入力モードの遷移例について
図46から
図48を用いて説明する。
図46は、第2の実施形態の入力モードの遷移の一例(その1)を示す図である。
図47は、第2の実施形態の入力モードの遷移の一例(その2)を示す図である。
図48は、第2の実施形態の入力モードの遷移の一例(その3)を示す図である。
【0453】
図46に示す自動入力切替A(入力モード遷移例1)は、入力モードの遷移を有効に受け付けている状態で、プッシュボタン25の押下操作があったときの手動入力モードから自動入力モードへの遷移例を示す。なお、自動入力(無効)は、手動入力モードを示し、自動入力(有効)は、自動入力モードを示す。また、操作入力(OFF)は、プッシュボタン25の押下操作がないことを示し、操作入力(ON)は、プッシュボタン25の押下操作があることを示す。
【0454】
自動入力(無効)状態においてタイミングtA1から切替監視期間TCWとなるタイミングtA2を超えてタイミングtA3までの操作入力(ON)は、タイミングtA2で自動入力(無効)状態から自動入力(有効)に切り替える。このように、遊技機10は、自動入力(無効)状態において切替監視期間TCWを継続して操作入力(ON)があったときに自動入力(有効)に遷移する。
【0455】
図46に示す自動入力切替B(入力モード遷移例2)は、入力モードの遷移を有効に受け付けている状態で、プッシュボタン25の押下操作があったときの自動入力モードから手動入力モードへの遷移例を示す。自動入力(有効)状態においてタイミングtB1の操作入力(ON)は、継続時間を問わず自動入力(有効)状態から自動入力(無効)に切り替える。このように、遊技機10は、自動入力(有効)状態において操作入力(ON)があったときに自動入力(無効)に遷移する。
【0456】
図46に示す自動入力切替C(入力モード遷移例3)は、入力モードの遷移を有効に受け付けている状態で、プッシュボタン25の押下操作があったときの自動入力モードから手動入力モードへの遷移、続く手動入力モードから自動入力モードへの遷移例を示す。
【0457】
自動入力(有効)状態においてタイミングtC1の操作入力(ON)は、継続時間を問わず自動入力(有効)状態から自動入力(無効)に切り替える。そして、操作入力(ON)が操作入力(OFF)になることなくタイミングtC1からタイミングtC4まで継続した場合、遊技機10は、切替状態無効期間TUCW(タイミングtC1からタイミングtC2)を設けた後、切替状態監視期間TCW(タイミングtC2からタイミングtC3)の操作入力(ON)の継続を待って自動入力(有効)に遷移する。
【0458】
なお、切替状態無効期間TUCWは、裏操作演出期間中にあっては自動入力(無効)への遷移から裏操作演出終了までの期間に相当し、その他の期間にあってはあらかじめ定める所定期間(たとえば、1秒)であってよい。切替状態監視期間TCWは、あらかじめ定める所定期間(たとえば、7秒)であってよい。
【0459】
なお、手動入力モードかつ裏操作演出期間中において、遊技者操作を受け付けた場合に当該操作入力は、裏操作演出の実行トリガとなり裏操作演出が所定期間実行される。切替監視期間TCWは、裏操作演出が実行される所定期間よりも大きなものであることが望ましい。また、切替監視期間TCWは、裏操作演出の実行にもとづいて延長されるものであってもよい。これにより、遊技機10は、遊技者の意図しない入力モード切替を抑制可能にするとともに、連続した裏操作演出に対する操作入力受付機会を用意可能にする。
【0460】
また、自動入力モードかつ裏操作演出期間中において、遊技者操作を受け付けた場合に当該操作入力は、裏操作演出の実行トリガとなり裏操作演出が所定期間実行される。また、当該操作入力は、入力モード切替の実行トリガとなり得て、入力モードを自動から手動に切り替える。これにより、遊技機10は、一の操作入力から2つの操作効果を実現できる。たとえば、遊技機10は、単なる入力モード切替を意図した遊技者の操作に対して、裏操作演出期間中の操作であったことを案内可能にする。
【0461】
なお、遊技機10は、遊技者操作を受け付けて自動入力モードから手動入力モードへの入力モード切替を実行可能にしたが、遊技者操作を促す期間においては遊技者操作の受付を無効にして意図しない入力モード切替を抑止可能にしてもよい。たとえば、遊技者操作の受付無効化は、遊技者操作を促す期間の全部としてもよいし、一部として意図された遊技者操作を受付可能にしてもよい。また、遊技者操作の受付無効化は、遊技者操作を促す期間における最初の操作を含む所定操作に限るものにして意図された遊技者操作を受付可能にしてもよい。
【0462】
また、遊技者操作を促す期間にわたって無効化した遊技者操作は、遊技者操作を促す期間の終了後まで継続したときに継続して無効化されるものであってもよい。また、遊技者操作を促す期間にわたって無効化した遊技者操作は、遊技者操作を促す期間の終了後に有効にされるものであってもよく、継続した遊技者操作により入力モードを自動から手動に切り替える。なお、継続した遊技者操作とは、継続した押下操作(長押し操作)に限らず、所定間隔以内の連続した押下操作(連打操作)を含むものであってよい。
【0463】
図47に示す自動入力切替D(入力モード遷移例4)は、入力モードの遷移を有効に受け付けていない状態で、プッシュボタン25の押下操作があったときの入力モード遷移の無効化例を示す。なお、裏操作(有効)は、裏操作演出期間中であることを示し、裏操作(無効)は、裏操作演出期間中でないことを示す。
【0464】
タイミングtD1からタイミングtD5まで裏操作(有効)であるときに、切替状態監視期間TCW(タイミングtD2からタイミングtD3)を含むタイミングtD2からタイミングtD4までの継続した操作入力(ON)があっても自動入力(無効)状態から自動入力(有効)への切替はない。また、タイミングtD2における操作入力は、裏操作演出の実行トリガとなり、裏操作演出が直ちに、あるいは所定のタイムラグを有して実行される。
【0465】
図47に示す自動入力切替E(入力モード遷移例5)は、裏操作演出期間終了後の入力モードの遷移を有効に受け付けている状態で、プッシュボタン25の押下操作があったときの入力モード遷移例を示す。
【0466】
タイミングtE1における裏操作(有効)から裏操作(無効)への遷移は、自動入力(無効)状態から自動入力(有効)へ遷移条件の監視開始の契機になる。自動入力(無効)状態においてタイミングtE2から切替監視期間TCWとなるタイミングtE3を超えてタイミングtE4までの操作入力(ON)は、タイミングtE3で自動入力(無効)状態から自動入力(有効)に切り替える。このように、遊技機10は、裏操作演出期間と重ならずに、自動入力(無効)状態において切替監視期間TCWを継続して操作入力(ON)があったときに自動入力(有効)に遷移する。
【0467】
ただし、裏操作演出期間と重ならずに切替監視期間TCWを継続することは容易でない。
図48に示す自動入力切替F(入力モード遷移例6)もまた、裏操作演出期間終了後の入力モードの遷移を有効に受け付けている状態で、プッシュボタン25の押下操作があったときの入力モード遷移例を示す。
【0468】
操作入力(ON)は、切替監視期間TCW(タイミングtF1からタイミングtF3)を含む期間(タイミングtF1からタイミングtF4)だけ継続する。しかしながら、切替監視期間TCWは、裏操作(有効)期間を含むため、有効な切替監視期間TCWとなっていない。また、タイミングtF2で裏操作(無効)となってからタイミングtF4までの期間TFは、切替監視期間TCWより小さいため期間TFも有効な切替監視期間TCWとなっていない。
【0469】
したがって、操作入力(ON)は、切替監視期間TCWより大きな期間だけ継続していたにもかかわらず自動入力(有効)に遷移しない。このような操作入力(ON)の継続時間不足は、遊技者に把握しづらく、遊技者を混乱させる。
【0470】
このような操作入力(ON)の継続時間不足に対しては、操作入力(ON)の継続時間を十分に確保することで対応できる。
図48に示す自動入力切替G(入力モード遷移例7)もまた、裏操作演出期間終了後の入力モードの遷移を有効に受け付けている状態で、プッシュボタン25の押下操作があったときの入力モード遷移例を示す。
【0471】
操作入力(ON)は、切替監視期間TCW(タイミングtG2からタイミングtG3)を含む期間(タイミングtG1からタイミングtG4)だけ継続する。操作入力(ON)の継続期間は、裏操作(有効)期間を含むが裏操作(無効)となってからタイミングtG4までの期間TGが有効な切替監視期間TCWを含むものとなっていることから自動入力(無効)状態から自動入力(有効)への切替がおこなわれる。
【0472】
このような切替制御は、切替監視期間TCWを超える操作入力(ON)を求めるため、遊技者を混乱させる場合があるが、操作入力(ON)のやり直しまでを求めるものでないため自動入力(無効)状態から自動入力(有効)への切替が容易である。また、裏操作演出の終了を案内可能にする手当(第45図参照)によれば、遊技者の混乱も軽減可能である。
【0473】
次に、各種の期待度報知演出において共通に使用される基準態様について
図49を用いて説明する。
図49は、第2の実施形態の期待度報知演出における基準態様の一例(その1)を示す図である。
【0474】
各種の期待度報知演出には、保留(待機保留、消化保留)予告演出、カットイン予告演出、背景予告演出、文字予告演出、キャラクタ予告演出、導光板予告演出、発光演出等、色彩表示を伴う演出がある。これら各種の期待度報知演出において異なる基準態様で期待度報知をおこなっては、遊技者が混乱する。そこで、遊技機10は、各種の期待度報知演出が共通で用いる基準態様を設定している。
【0475】
たとえば、期待度は、期待度「1」から期待度「6」の6段階があり、各期待度に対応する表示態様と表示色が設定されている。たとえば、期待度「1」には、第1の表示態様と表示色「白」とが対応し、期待度「2」には、第2の表示態様と表示色「青」とが対応し、期待度「3」には、第3の表示態様と表示色「黄」とが対応し、期待度「4」には、第4の表示態様と表示色「緑」とが対応し、期待度「5」には、第5の表示態様と、表示色「赤」が対応し、期待度「6」には、第6の表示態様と表示色「虹」とが対応する。なお、期待度「1」が最も低い期待度であり、期待度の数が上がるにつれて期待度が高くなり、期待度「6」が最も高い期待度である。
【0476】
表示装置によっては、期待度に対応する表示色の再現が容易でない場合があり、遊技機10は、表示色に代えてあるいは表示色に加えて期待度に対応する表示態様を表示することで期待度の感得を容易にしている。期待度に対応する表示態様は、表示色によらない識別力を有するものであり、たとえば模様、大きさ、明るさ、変化周期等がある。
【0477】
各種の期待度報知演出は、それぞれの個性を演出するために異なる発展テーブルを用いる。なお、発展テーブルには、1回限りの期待度報知をおこなう演出と、2回以上の期待度報知をおこなう演出とがある。
【0478】
まず、1回限りの期待度報知をおこなう演出に設定される発展テーブルについて
図50を用いて説明する。
図50は、第2の実施形態の1回限りの期待度報知をおこなう演出に設定される発展テーブルの一例を示す図である。
【0479】
遊技機10は、1回の変動表示ゲームにおいて2回以上の期待度報知演出をおこなうとき、すなわち1回の変動表示ゲームが導出する同一結果に対して2回以上の期待度報知演出をおこなうときに、各期待度報知演出において異なる発展テーブルを用いる。
【0480】
図50(1)に示す発展テーブルAは、期待度「1」を報知する確率が「PA1」であり、期待度「2」を報知する確率が「PA2」であり、期待度「3」を報知する確率が「PA3」であり、期待度「4」を報知する確率が「PA4」であり、期待度「5」を報知する確率が「PA5」であり、期待度「6」を報知する確率が「PA6」である。なお、PA1からPA6は、それぞれ1以下のあらかじめ設定する値であり、すべての値の合計は「1」である。以下のテーブルについても同様である。
【0481】
図50(2)に示す発展テーブルBは、期待度「1」を報知する確率が「PB1」であり、期待度「2」を報知する確率が「PB2」であり、期待度「3」を報知する確率が「PB3」であり、期待度「4」を報知する確率が「PB4」であり、期待度「5」を報知する確率が「PB5」であり、期待度「6」を報知する確率が「PB6」である。
【0482】
図50(3)に示す発展テーブルCは、期待度「1」を報知する確率が「PC1」であり、期待度「2」を報知する確率が「PC2」であり、期待度「3」を報知する確率が「PC3」であり、期待度「4」を報知する確率が「PC4」であり、期待度「5」を報知する確率が「0」であり、期待度「6」を報知する確率が「0」である。
【0483】
図50(4)に示す発展テーブルDは、期待度「1」を報知する確率が「0」であり、期待度「2」を報知する確率が「0」であり、期待度「3」を報知する確率が「PD3」であり、期待度「4」を報知する確率が「PD4」であり、期待度「5」を報知する確率が「PD5」であり、期待度「6」を報知する確率が「PD6」である。
【0484】
このように、発展テーブルA、発展テーブルB、発展テーブルC、および発展テーブルDは、それぞれ期待度に対する振分確率が異なっている。これにより、遊技機10は、同一結果に対して期待度報知をおこなうとき、期待度報知演出ごとに異なる個性を付与して興趣を演出する。なお、言い換えれば、1回の変動表示ゲームにおいて2回以上の期待度報知演出があるとき、各期待度報知演出は独立して期待度を報知し得る。そのため、遊技機10は、2以上の期待度報知演出で、同じ期待度を報知すること、期待度を昇格報知すること、および期待度を降格報知することがあり得る。また、このような遊技機10は、2回以上の期待度報知演出で共通の振分テーブルを用いる場合よりも、昇格報知あるいは降格報知の実行機会が多くなり興趣が高い。
【0485】
次に、2回以上の期待度報知をおこなう演出に設定される発展テーブルについて
図51を用いて説明する。
図51は、第2の実施形態の2回以上の期待度報知をおこなう演出に設定される発展テーブルの一例を示す図である。
【0486】
遊技機10は、1回の期待度報知演出において2回以上の期待度報知演出をおこなうとき、降格報知を禁止した発展テーブルXを用いる。発展テーブルXは、先におこなった期待度報知(現期待度報知)に応じて次におこなう期待度報知(発展期待度報知)の確率を違える。
【0487】
たとえば、現期待度が「なし」の場合(多くにおいてここを初期値とする)は、発展期待度「なし」を報知する確率が「PX00」であり、発展期待度「1」を報知する確率が「PX01」であり、発展期待度「2」を報知する確率が「PX02」であり、発展期待度「3」を報知する確率が「PX03」であり、発展期待度「4」を報知する確率が「PX04」であり、発展期待度「5」を報知する確率が「PX05」であり、発展期待度「6」を報知する確率が「PX06」である。なお、発展期待度「なし」は、発展なしを意味する。
【0488】
現期待度が「1」の場合は、発展期待度「なし」を報知する確率が「0」であり、発展期待度「1」を報知する確率が「PX11」であり、発展期待度「2」を報知する確率が「PX12」であり、発展期待度「3」を報知する確率が「PX13」であり、発展期待度「4」を報知する確率が「PX14」であり、発展期待度「5」を報知する確率が「PX15」であり、発展期待度「6」を報知する確率が「PX16」である。このように、発展テーブルXは、降格となる発展期待度を選択肢から除外している。
【0489】
現期待度が「2」の場合は、発展期待度「なし」及び「1」を報知する確率が「0」であり、発展期待度「2」を報知する確率が「PX22」であり、発展期待度「3」を報知する確率が「PX23」であり、発展期待度「4」を報知する確率が「PX24」であり、発展期待度「5」を報知する確率が「PX25」であり、発展期待度「6」を報知する確率が「PX26」である。現期待度が「3」の場合は、発展期待度「なし」、「1」及び「2」を報知する確率が「0」であり、発展期待度「3」を報知する確率が「PX33」であり、発展期待度「4」を報知する確率が「PX34」であり、発展期待度「5」を報知する確率が「PX35」であり、発展期待度「6」を報知する確率が「PX36」である。
【0490】
現期待度が「4」の場合は、発展期待度「なし」及び「1」から「3」を報知する確率が「0」であり、発展期待度「4」を報知する確率が「PX44」であり、発展期待度「5」を報知する確率が「PX45」であり、発展期待度「6」を報知する確率が「PX46」である。現期待度が「5」の場合は、発展期待度「なし」及び「1」から「4」を報知する確率が「0」であり、発展期待度「5」を報知する確率が「PX55」であり、発展期待度「6」を報知する確率が「PX56」である。現期待度が「6」の場合は、発展期待度「なし」及び「1」から「5」を報知する確率が「0」であり、発展期待度「6」を報知する確率が「1」である。
【0491】
このようにして、発展テーブルXを用いる期待度報知演出は、複数回の発展機会を与えて、現状維持と発展を繰り返しながら低期待度から高期待度を目指す興趣を提供可能にする。
【0492】
次に、手動入力モードと自動入力モードのそれぞれについて、1回の変動表示ゲームにおいて2回以上の表操作演出と1回の裏操作演出とがある場合の期待度報知例を
図52から
図54を用いて説明する。
図52は、第2の実施形態の1回の変動表示ゲームで2回以上の表操作演出と1回の裏操作演出とがある場合の手動入力モードにおける期待度報知の一例を示す図である。
図53は、第2の実施形態の1回の変動表示ゲームで2回以上の表操作演出と1回の裏操作演出とがある場合の自動入力モードにおける期待度報知の一例を示す図である。
図54は、第2の実施形態の1回の変動表示ゲームで2回以上の表操作演出と1回の裏操作演出とがある場合の自動入力モードから手動入力モードへの遷移時における期待度報知の一例を示す図である。
【0493】
まず、
図52に示す期待度報知例において、1回の変動表示ゲームは、リーチ前演出、ノーマルリーチ演出、弱リーチ演出、強リーチ演出、図柄昇格演出で構成されている。リーチ前演出、ノーマルリーチ演出、強リーチ演出、および図柄昇格演出は、それぞれ1回の表操作演出を含み、弱リーチ演出は、1回の裏操作演出を含む。表操作演出は、1回限りの期待度報知をおこなう演出であり、
図49と
図50に示したタイプの発展テーブルを用いる。裏操作演出は、2回以上の期待度報知をおこなう演出であり、
図51に示したタイプの発展テーブルを用いる。
【0494】
たとえば、リーチ前演出における手動入力モードの操作入力にもとづく期待度報知は、赤色演出で期待度「5」を報知する。ノーマルリーチ演出における手動入力モードの操作入力にもとづく期待度報知は、白色演出で期待度「1」を報知する。強リーチ演出における手動入力モードの操作入力にもとづく期待度報知は、緑色演出で期待度「4」を報知する。図柄昇格演出における手動入力モードの操作入力にもとづく期待度報知は、虹色演出で期待度「6」を報知する。このように、4回(2回以上)の表操作演出は、期待度「5」から始まり、期待度「1」、期待度「4」、期待度「6」を報知することとなる。このような期待度報知は、初期報知(期待度「5」)、降格報知(期待度「5」から「1」)、昇格報知(期待度「1」から「4」)、昇格報知(期待度「4」から「6」)のように起伏のある興趣を演出できる。また、表操作演出は、それぞれ実行機会が分散していることから降格演出に対するネガティブな興趣を超えて次回に期待するポジティブな興趣を演出できる。
【0495】
また、弱リーチ演出における手動入力モードの操作入力にもとづく期待度報知は、複数回の操作入力機会を提供し、表示色を「白」、「青」、「黄」、「緑」、「赤」、「虹」のようにして現状維持を交えながら昇格報知をおこなう。このように、1回の裏操作演出は、期待度「1」から始まり、期待度「2」、期待度「3」、期待度「4」、期待度「5」、期待度「6」を報知することとなる。このような期待度報知は、降格報知のない安定した興趣を演出でき、入力操作を促すでもなく操作介入を楽しむ遊技者に報いることができる。また、裏操作演出は、操作介入機会が集中していることからネガティブな興趣を排除して表操作演出と差別化した興趣を演出できる。
【0496】
なお、プッシュボタン25が備える発光部位(操作部発光)は、所定色の点灯と消灯を制御可能であり、表操作演出の表示色と表示期間に対応した表示色と表示期間で発光する。なお、操作部発光は、その余の期間に消灯して入力モードが手動入力モードであることを案内する。また、操作部発光は、裏操作演出期間において表操作演出の表示色と表示期間に対応して発光態様を変化させず、表操作演出と裏操作演出とを区別可能にしながら裏操作演出期間を明示しない。
【0497】
図53に示す期待度報知例もまた、1回の変動表示ゲームは、リーチ前演出、ノーマルリーチ演出、弱リーチ演出、強リーチ演出、図柄昇格演出で構成されている。リーチ前演出、ノーマルリーチ演出、強リーチ演出、および図柄昇格演出は、それぞれ1回の表操作演出を含み、弱リーチ演出は、1回の裏操作演出を含む。
【0498】
たとえば、リーチ前演出における自動入力モードの操作入力にもとづく期待度報知は、赤色演出で期待度「5」を報知する。ノーマルリーチ演出における自動入力モードの操作入力にもとづく期待度報知は、白色演出で期待度「1」を報知する。強リーチ演出における自動入力モードの操作入力にもとづく期待度報知は、緑色演出で期待度「4」を報知する。図柄昇格演出における自動入力モードの操作入力にもとづく期待度報知は、虹色演出で期待度「6」を報知する。このように、4回(2回以上)の表操作演出は、期待度「5」から始まり、期待度「1」、期待度「4」、期待度「6」を報知することとなる。このような期待度報知は、初期報知(期待度「5」)、降格報知(期待度「5」から「1」)、昇格報知(期待度「1」から「4」)、昇格報知(期待度「4」から「6」)のように起伏のある興趣を演出できる。また、表操作演出は、それぞれ実行機会が分散していることから降格演出に対するネガティブな興趣を超えて次回に期待するポジティブな興趣を演出できる。
【0499】
また、弱リーチ演出における自動入力モードの操作入力は、自動入力モードが裏操作演出を対象としないことからない。したがって、自動入力モードにおいて裏操作演出の期待度報知は、実行されない。
【0500】
なお、操作部発光は、表操作演出の表示色と表示期間に対応した表示色と表示期間で発光する。なお、操作部発光は、その余の期間に所定色(たとえば黄色)で点灯して入力モードが自動入力モードであることを案内する。また、操作部発光は、裏操作演出期間において発光態様を変化させず、裏操作演出期間を明示しない。
【0501】
なお、操作部発光は、表操作演出の表示期間と、自動入力モードであることを案内する期間とが重複した場合に、表操作演出に対応した表示色での発光が自動入力モードであることを案内する発光に優先する。たとえば、操作部発光は、表操作演出に対応した表示色として白色、赤色、あるいは虹色で発光しているときに、自動入力モードとなっても黄色発光に切り替えずに白色、赤色、あるいは虹色での発光を継続する。また、操作部発光は、自動入力モードに対応した表示色として黄色で発光しているときに、表操作演出に対応した表示色とするときには直ちに黄色発光から白色、赤色、あるいは虹色等の対応色での発光に切り替える。また、操作部発光は、表操作演出の表示期間と、自動入力モードであることを案内する期間とが重複した状態から表操作演出の表示期間が終了した場合には、自動入力モードに対応した表示色である黄色に直ちに切り替える。これにより、遊技機10は、表操作演出の案内と、自動入力モードであることの案内を遊技者にとって理解容易におこなうことができる。
【0502】
図54に示す期待度報知例もまた、1回の変動表示ゲームは、リーチ前演出、ノーマルリーチ演出、弱リーチ演出、強リーチ演出、図柄昇格演出で構成されている。リーチ前演出、ノーマルリーチ演出、強リーチ演出、および図柄昇格演出は、それぞれ1回の表操作演出を含み、弱リーチ演出は、1回の裏操作演出を含む。
【0503】
当該報知例は、リーチ前演出、ノーマルリーチ演出を自動入力モードとして、弱リーチ演出を手動入力モードとして裏操作演出をおこなったことから、強リーチ演出、および図柄昇格演出も手動入力モードとする。
【0504】
なお、各期待度報知演出の報知態様は、
図53と
図54で説明したものと同じであるから説明を省略し、ここでは操作部発光の発光態様の変化を説明する。操作部発光は、表操作演出の表示色と表示期間に対応した表示色と表示期間で発光し、裏操作演出の表示色と表示期間に対応した発光変化(色彩変化、明度変化、点灯周期変化を含む)をおこなわない。しかしながら、操作部発光は、入力モードの変化に対応した発光変化をおこなう。たとえば、操作部発光は、自動入力モードにおいて所定色(たとえば黄色)で点灯し、手動入力への変化以降の裏操作演出期間において消灯する。
【0505】
このような操作部発光は、自動入力モードにおける黄色点灯から手動入力モードにおける消灯への切替機会があり、手動入力モードにおける表操作演出の表示色と表示期間に対応した表示色と表示期間の発光変化と区別しがたい。したがって、操作部発光は、入力モードの変化に対応した表示態様の変化が、黄色に対応する期待度「3」の報知から消灯に対応する低期待度の報知となる降格演出のように受け止められかねない。
【0506】
そこで、遊技機10は、このような紛らわしさを排除して、期待度報知演出における基準態様を設定してもよい。次に、期待度報知演出における基準態様設定の変形例を
図55を用いて説明する。
図55は、第2の実施形態の期待度報知演出における基準態様の一例(その2)を示す図である。
【0507】
図55(1)に示す基準態様は、手動入力モードにおける基準態様であり、
図55(2)に示す基準態様は、自動入力モードにおける基準態様である。手動入力モードにおいて操作部発光は、手動入力モードに対応した表示態様が消灯であることから、基準態様に表示色「黄」を含むことを許す。一方で、自動入力モードにおいて操作部発光は、自動入力モードに対応した表示態様が黄色点灯であることから、基準態様に表示色「黄」を含むことを避ける。
【0508】
なお、
図55(1)に示す基準態様は、
図49に示した基準態様と同様である。
図55(2)に示す基準態様は、
図49に示した基準態様と比較して期待度「3」から期待度「6」の表示態様と表示色の組合せを異ならせている。
【0509】
たとえば、期待度「3」には、第3の表示態様(
図55(1)に示す基準態様における第4の表示態様)と表示色「緑」とが対応し、期待度「4」には、第4の表示態様(同第5の表示態様)と表示色「赤」とが対応し、期待度「5」には、第5の表示態様と、表示色「金」が対応し、期待度「6」には、第6の表示態様と表示色「虹」とが対応する。これにより、遊技機10は、入力モードを変更した操作部発光の発光態様変化による紛らわしさを排除可能にする。
【0510】
また、
図55(3)に示す基準態様は、
図55(2)に示す基準態様のさらなる変形例である。
図55(3)に示す基準態様は、
図49に示した基準態様と比較して期待度「3」の表示態様と表示色の組合せだけを異ならせている。たとえば、期待度「3」には、第3の表示態様(
図55(1)に示す基準態様にない表示態様)と表示色「紫」とが対応する。これにより、遊技機10は、入力モードを変更した操作部発光の発光態様変化による紛らわしさを排除可能にする。また、
図55(3)に示す基準態様は、
図55(1)に示す手動入力モードにおける基準態様との相違を最小限に抑えることができる。
【0511】
このように、遊技機10は、操作部発光における発光態様と、基準態様との間で紛れのないように同色を避ける色彩設定をおこなうとしたが、これに限らず発光態様によっては区別困難な類似色(たとえば、黄色と金色)を避ける色彩設定をおこなうようにしてもよい。
【0512】
なお、従来の遊技機は、自動入力モードの案内と期待度報知演出とが混同する場合があったが、遊技機10は、自動入力モードの案内と期待度報知演出とを明確に区別可能にし、遊技者が余計な期待感を得て混乱することを防止できる。また、期待度報知演出における発展規則は、混同しやすい2つの色彩があっても一方を自動入力モードの案内色に割り当て、他方を期待度の報知色に割り当てることで、色彩の有効活用をおこなえるとともに、期待度報知における誤解が生じることを効果的に抑止できる。たとえば、黄色と金色は、一方だけを観察した場合にいずれであるかを特定容易でなく、黄色発光による期待度報知であるにもかかわらず金色発光による期待度報知であると誤解しかねない。しかしながら、遊技機10は、紛らわしい2色を自動入力モードの案内色と期待度の報知色とに分けて割り当てることで、遊技者が誤解を生じないように配慮できる。また、遊技機10は、期待度を示していないことが明確な自動入力モードの案内色との比較を容易にして、期待度の報知色の理解を補助することができる。なお、自動入力モードの案内色と期待度の報知色の区別を一層明確にするために、遊技機10は、自動入力モードの案内色を点灯とし、期待度の報知色を点滅とするようにしてもよい。
【0513】
次に、裏操作演出期間の区別に手掛かりを与える演出態様について
図56を用いて説明する。
図56は、第2の実施形態の裏操作演出期間の区別に手掛かりを与える演出態様の一例を示す図である。
【0514】
裏操作演出期間TAは、裏操作受付期間TBと操作受付終了後演出期間TCとを含む。裏操作受付期間TBは、裏操作演出における操作入力を受付可能な期間である。裏操作受付期間TBは、受け付けた操作入力に応答して演出をおこなうための期間である。
【0515】
裏操作受付期間TBで受け付けた操作入力は、期待度報知を期待度が発展する「発展」または期待度の更新がない「保持」がわかる態様でエフェクト更新をおこなう。たとえば、エフェクト表示は、1回目の操作入力で「白色」(「なし」から「白色」に発展)を表示し、2回目の操作入力で「青色」(「白色」から「青色」に発展)を表示し、3回目の操作入力で「青色」を保持し、4回目の操作入力で「緑色」(「青色」から「緑色」に発展)を表示し、5回目の操作入力で「緑色」を保持し、6回目の操作入力で「赤色」(「緑色」から「赤色」に発展)を表示し、7回目の操作入力で「赤色」を保持する。ここまで、1回目から7回目の操作入力は、操作入力が有効に受け付けられる。また、有効に受け付けられた1回目から7回目の操作入力は、操作音によって操作入力が有効に受け付けられたことが報知される。なお、操作入力の操作音は、「発展」と「保持」とで区別可能に出力されるものであってもよい。
【0516】
また、7回目の操作入力にもとづくエフェクト表示「赤色」は、裏操作受付期間TBを超えて操作受付終了後演出期間TCまでの間で表示される。なお、操作受付終了後演出期間TCの操作入力(8回目と9回目)は、裏操作演出において有効に受け付けられたものとならない。なお、有効に受け付けられなかった操作入力は、操作音によって操作入力が有効に受け付けられなかったことが報知されるようにしてもよい。また、有効に受け付けられなかった操作入力は、操作受付終了後演出期間TCの操作入力(8回目)と、操作受付終了後演出期間TCを超えた操作入力(9回目)とを効果音によって区別可能にしてもよい。
【0517】
また、上述した第2の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。なお、従来の遊技機は、プッシュボタンのような演出介入用の操作入力手段を有するものの、遊技の興趣を向上可能にする余地があった。第2の実施形態の遊技機10は、遊技の興趣を向上可能にする。
【0518】
(1)遊技機(たとえば、遊技機10)は、変動表示ゲームを実行可能な変動表示ゲーム実行手段と、遊技者操作を受付可能な操作手段と、変動表示ゲームが所定結果を導出する期待度を所定態様で発展させる発展演出を実行可能な期待度演出手段(たとえば、表操作演出の実行制御)と、を含む。期待度演出手段は、操作手段から第1の遊技者操作(たとえば、手動入力モード)を受け付けて、第1の発展規則にしたがい期待度を発展させる発展演出を実行可能な第1の期待度演出手段と、操作手段から第1の遊技者操作と異なる第2の遊技者操作(たとえば、自動入力モード)を受け付けて、第1の発展規則と異なる第2の発展規則にしたがい期待度を発展させる発展演出を実行可能な第2の期待度演出手段(たとえば、裏操作演出の実行制御)と、を含む(たとえば、
図49から
図55参照)。
【0519】
(2)遊技機(たとえば、遊技機10)は、変動表示ゲームを実行可能な変動表示ゲーム実行手段と、遊技者操作による操作入力を受付可能な操作手段と、遊技者操作を促す操作促進手段と、変動表示ゲームが所定結果を導出する期待度を示唆する演出を実行可能な期待度演出手段(たとえば、表操作演出の実行制御)と、を含む。期待度演出手段は、色(色彩:色あるいは色とともに模様の変化を含む)により期待度の大きさを示唆可能であり、操作促進手段により遊技者操作を促しながら受け付けた操作入力にもとづいて第1の期待度演出(たとえば、表操作演出)を実行可能であり、操作促進手段により遊技者操作を促すことなく受け付けた操作入力にもとづいて第2の期待度演出(たとえば、裏操作演出)を実行可能であり、1の変動表示ゲームにおいて第1の期待度演出の実行機会を2以上設定可能であり、2以上の第1の期待度演出のうち先に実行する演出が示唆する期待度よりも後に実行する演出が示唆する期待度が小さくなるように色を変化させることを許し(たとえば、昇格演出と降格演出を共に実行可能)、1の変動表示ゲームにおいて第2の期待度演出の実行機会を2以上設定可能であり、2以上の第2の期待度演出のうち先に実行する演出が示唆する期待度よりも後に実行する演出が示唆する期待度が小さくなるように色を変化させることを許さない(たとえば、昇格演出を実行可能にして、降格演出を実行不能にする)(たとえば、
図52、
図54参照)。
【0520】
(3)遊技機(たとえば、遊技機10)は、変動表示ゲームを実行可能な変動表示ゲーム実行手段と、遊技者操作による操作入力を受付可能な操作手段と、遊技者操作を促す操作促進手段と、変動表示ゲームが所定結果を導出する期待度を色(色彩:色あるいは色とともに模様の変化を含む)により示唆する演出を実行可能な期待度演出手段(たとえば、表操作演出の実行制御)と、所定の入力操作受付機会(たとえば、裏操作演出の操作受付機会)において、遊技者操作により操作入力を受付可能にする第1の入力状態(たとえば、手動入力モード)、または遊技者操作なしに操作入力を受付可能にする第2の入力状態(たとえば、自動入力モード)を設定可能な入力状態設定手段と、第2の入力状態において第2の入力状態を案内可能な案内手段と、を含む。期待度演出手段は、遊技者操作による操作入力を受け付けて所定の演出規則(発展規則)にしたがう色で演出を実行可能(たとえば、所定部位(たとえば、操作部位、プッシュボタン25の発光部位等)の発光態様を変化可能)である。案内手段は、所定の演出規則にしたがう色(たとえば、黄色を除く色)に含まれない色(たとえば、黄色)で第2の入力状態を案内する(たとえば、
図52から
図54参照)。
【0521】
(4)遊技機(たとえば、遊技機10)は、変動表示ゲームを実行可能な変動表示ゲーム実行手段と、遊技者操作による操作入力を受付可能な操作手段と、遊技者操作を促す操作促進手段と、変動表示ゲームが所定結果を導出する期待度を色により示唆する演出を実行可能な期待度演出手段と、所定の入力操作受付機会において、遊技者操作により操作入力を受付可能にする第1の入力状態(たとえば、手動入力モード)、または遊技者操作なしに操作入力を受付可能にする第2の入力状態(たとえば、自動入力モード)を設定可能な入力状態設定手段と、第2の入力状態において第2の入力状態を案内可能な案内手段と、を含む。期待度演出手段は、操作促進手段が遊技者操作を促すときに、前記操作手段を所定の発光色(たとえば、黄色を除く発光色)で発光させて期待度を示唆可能である。案内手段は、所定の発光色に含まれない発光色(たとえば、黄色の発光色)で操作手段(たとえば、操作部位、プッシュボタン25の発光部位等)を発光させて第2の入力状態を案内する(たとえば、
図40,
図52から
図54参照)。
【0522】
(5)遊技機(たとえば、遊技機10)は、変動表示ゲームを実行可能な変動表示ゲーム実行手段と、遊技者操作による操作入力を受付可能な操作手段と、遊技者操作を促す操作促進手段と、変動表示ゲームが所定結果を導出する期待度を色(たとえば、黄色を除く色)により示唆する示唆演出(たとえば、保留(待機保留、消化保留)予告演出、カットイン予告演出、背景予告演出、文字予告演出、キャラクタ予告演出、導光板予告演出、発光演出等)を実行可能な期待度演出手段(たとえば、表操作演出の実行制御)と、所定の入力操作受付機会(たとえば、裏操作演出の操作受付機会)において、遊技者操作により操作入力を受付可能にする第1の入力状態(たとえば、手動入力モード)、または遊技者操作なしに操作入力を受付可能にする第2の入力状態(たとえば、自動入力モード)を設定可能な入力状態設定手段と、第2の入力状態において第2の入力状態を案内可能な案内手段と、を含む。案内手段は、示唆演出で用いられる色に含まれない色(たとえば、黄色)で第2の入力状態を案内する(たとえば、
図52から
図54参照)。
【0523】
また、上述した第2の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。なお、従来の遊技機は、操作演出の興趣が十分でない。第2の実施形態の遊技機10は、操作演出の興趣を向上する。また、従来の遊技機は、プッシュボタンのような演出介入用の操作入力手段を有するものの、入力状態の切替が容易でない。第2の実施形態の遊技機10は、入力状態の切替を容易にする。
【0524】
さらに、従来の遊技機は、表操作演出において操作促進画像が表示されるため、遊技者が意図せず、あるいは無意識におこなう遊技者操作により自動入力モードの望まない解除がなされる場合があった。第2の実施形態の遊技機10は、は自動入力モード中であっても、表操作演出中(表操作演出の操作促進中)に、遊技者操作を受け付けても、自動入力モードの望まない解除を抑止可能にすることで、良好な遊技環境の確保や遊技の興趣低下を抑止することができる。
【0525】
(1)遊技機(たとえば、遊技機10)は、遊技者操作による操作入力を受付可能な操作手段と、遊技者操作を促す操作促進手段と、操作促進手段により遊技者操作を促しながら遊技者操作を受付可能にする第1の操作受付状態(たとえば、表操作演出の操作受付状態)、または操作促進手段により遊技者操作を促すことなく遊技者操作を受付可能にする第2の操作受付状態(たとえば、裏操作演出の操作受付状態)を設定可能な受付状態設定手段と、遊技者操作による操作入力を第1の操作受付状態において受付可能な第1の入力状態(たとえば、手動入力モード)、または遊技者操作なしに操作入力を第1の操作受付状態において受付可能な第2の入力状態(たとえば、自動入力モード)を設定可能な入力状態設定手段と、を含む。入力状態設定手段は、第1の入力状態において遊技者操作による操作入力が所定期間継続することにより第1の入力状態に替えて第2の入力状態を設定可能であり、第2の入力状態において遊技者操作による操作入力があったことにより第2の入力状態に替えて第1の入力状態を設定可能であり、第2の操作受付状態かつ第1の入力状態において遊技者操作による操作入力が所定期間継続しても第1の入力状態に替えて第2の入力状態を設定せず、第2の操作受付状態かつ第1の入力状態からの遊技者操作による操作入力が第2の操作受付状態の終了後の所定期間継続することにより第1の入力状態に替えて第2の入力状態を設定可能である(たとえば、
図46参照)。
【0526】
(2)遊技機(たとえば、遊技機10)は、遊技者操作による操作入力を受付可能な操作手段と、遊技者操作を促す操作促進手段と、操作促進手段により遊技者操作を促しながら操作入力を受付可能にする第1の操作受付状態(たとえば、表操作演出の操作受付状態)、または操作促進手段により遊技者操作を促すことなく操作入力を受付可能にする第2の操作受付状態(たとえば、裏操作演出の操作受付状態)を設定可能な受付状態設定手段と、第1の操作受付状態において遊技者操作による操作入力を受付可能な第1の入力状態(たとえば、手動入力モード)、または第1の操作受付状態において遊技者操作なしに操作入力を受付可能な第2の入力状態(たとえば、自動入力モード)を設定可能な入力状態設定手段と、を含む。入力状態設定手段は、第1の入力状態において遊技者操作による操作入力を所定期間継続して受け付けることにより第1の入力状態に替えて第2の入力状態を設定可能であり、第2の入力状態において遊技者操作による操作入力を受け付けることにより第2の入力状態に替えて第1の入力状態を設定可能であり、第1の操作受付状態にある第2の入力状態において遊技者操作による操作入力を受け付けた場合に、第2の入力状態を保持可能にする(たとえば、
図46参照)。
【0527】
(3)遊技機(たとえば、遊技機10)は、遊技者操作による操作入力を受付可能な操作手段と、遊技者操作を促す操作促進手段と、操作促進手段により遊技者操作を促しながら操作入力を受付可能にする第1の操作受付状態(たとえば、表操作演出の操作受付状態)、または操作促進手段により遊技者操作を促すことなく操作入力を受付可能にする第2の操作受付状態(たとえば、裏操作演出の操作受付状態)を設定可能な受付状態設定手段と、第1の操作受付状態において遊技者操作による操作入力を受付可能な第1の入力状態(たとえば、手動入力モード)、または第1の操作受付状態において遊技者操作なしに操作入力を受付可能な第2の入力状態(たとえば、自動入力モード)を設定可能な入力状態設定手段と、を含む。入力状態設定手段は、第1の入力状態において遊技者操作による操作入力を所定期間継続して受け付けることにより第1の入力状態に替えて第2の入力状態を設定可能であり、第2の入力状態において遊技者操作による操作入力を受け付けることにより第2の入力状態に替えて第1の入力状態を設定可能であり、第1の操作受付状態にある第2の入力状態において遊技者操作による操作入力を受け付けた場合に、第2の入力状態を保持し、第1の操作受付状態にない第2の入力状態まで当該遊技者操作による操作入力を継続して受け付けた場合に、第2の入力状態に替えて第1の入力状態を設定可能にする(たとえば、
図46参照)。
【0528】
(4)遊技機(たとえば、遊技機10)は、遊技者操作による操作入力を受付可能な操作手段と、遊技者操作を促す操作促進手段と、操作促進手段により遊技者操作を促しながら操作入力を受付可能にする第1の操作受付状態(たとえば、表操作演出の操作受付状態)、または操作促進手段により遊技者操作を促すことなく操作入力を受付可能にする第2の操作受付状態(たとえば、裏操作演出の操作受付状態)を設定可能な受付状態設定手段と、第1の操作受付状態において遊技者操作による操作入力を受付可能な第1の入力状態(たとえば、手動入力モード)、または第1の操作受付状態において遊技者操作なしに操作入力を受付可能な第2の入力状態(たとえば、自動入力モード)を設定可能な入力状態設定手段と、を含む。入力状態設定手段は、第1の入力状態において遊技者操作による操作入力を所定期間継続して受け付けることにより第1の入力状態に替えて第2の入力状態を設定可能であり、第2の入力状態において遊技者操作による操作入力を受け付けることにより第2の入力状態に替えて第1の入力状態を設定可能であり、第1の操作受付状態にある第2の入力状態において遊技者操作による操作入力を受け付けた場合に、第2の入力状態を保持し、第1の操作受付状態にない第2の入力状態まで当該遊技者操作による操作入力を継続して受け付けても、第2の入力状態を保持する(たとえば、
図46参照)。
【0529】
また、上述した第2の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。なお、従来の遊技機は、操作演出の興趣が十分でない。第2の実施形態の遊技機10は、操作演出の興趣を向上する。また、従来の遊技機は、プッシュボタンのような演出介入用の操作入力手段を有するものの、入力状態の切替が容易でない。第2の実施形態の遊技機10は、入力状態の切替を容易にする。
【0530】
さらに、従来の遊技機は、裏操作演出の操作有効期間が比較的長く、また遊技者による多様な操作入力を受付可能になっていた。そのため、従来の遊技機は、裏操作演出中に自動入力モードが設定できる場合に、遊技者が裏操作演出に対応する操作を意図しているにもかかわらず、意図していない自動入力モードが設定されてしまい遊技の興趣が低下する虞があった。また、従来の遊技機は、裏操作演出中に自動入力モードが解除できない場合、長い裏操作演出の操作有効期間が終了するのを待たなくてはいけない場合があり、遊技の興趣が低下する虞があった。第2の実施形態の遊技機10は、遊技の興趣の低下を防止する。また、第2の実施形態の遊技機10は、自動入力モードを設定する操作、自動入力モードを解除する操作のいずれにおいても、裏操作演出を実行可能にするため、遊技の興趣が向上する。
【0531】
(1)遊技機(たとえば、遊技機10)は、遊技者操作による操作入力を受付可能な操作手段と、遊技者操作を促す操作促進手段と、操作促進手段により遊技者操作を促しながら操作入力を受付可能にする第1の操作受付状態(たとえば、表操作演出の操作受付状態)、または操作促進手段により遊技者操作を促すことなく操作入力を受付可能にする第2の操作受付状態(たとえば、裏操作演出の操作受付状態)を設定可能な受付状態設定手段と、第1の操作受付状態において遊技者操作による操作入力を受付可能な第1の入力状態(たとえば、手動入力モード)、または第1の操作受付状態において遊技者操作なしに操作入力を受付可能な第2の入力状態(たとえば、自動入力モード)を設定可能な入力状態設定手段と、所定演出を実行可能な演出手段と、を含む。入力状態設定手段は、第1の入力状態において遊技者操作による操作入力を所定期間継続して受け付けることにより第1の入力状態に替えて第2の入力状態を設定可能であり、第2の入力状態において遊技者操作による操作入力を受け付けることにより第2の入力状態に替えて第1の入力状態を設定可能である。演出手段は、第1の操作受付状態において遊技者操作による操作入力を受け付けた場合に当該操作入力にもとづく第1演出(たとえば、表操作演出)を実行可能であり、第2の操作受付状態において遊技者操作による操作入力を受け付けた場合に当該操作入力にもとづく第2演出(たとえば、裏操作演出)を実行可能である。第2の操作受付状態かつ第1の入力状態において遊技者操作による操作入力を受け付けた場合に、入力状態設定手段は第1の入力状態に替えて第2の入力状態を設定せず、演出手段は第2演出を実行する。第2の操作受付状態かつ第2の入力状態において遊技者操作による操作入力を受け付けた場合に、入力状態設定手段は第2の入力状態に替えて第1の入力状態を設定し、演出手段は第2演出を実行する(たとえば、
図46、
図47参照)。
【0532】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD-RAM、CD(Compact Disk)-ROM/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
【0533】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0534】
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【0535】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
【0536】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機であるスロットマシンに適用可能である。
【0537】
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0538】
10 遊技機
30 遊技盤
41 表示装置
71,72 外部情報端子板
100 遊技制御装置
300 演出制御装置