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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108873
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】化粧料容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
A45D34/04 560
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013490
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】加瀬 舞
(57)【要約】
【課題】液状の化粧料を収容でき操作性に優れ環境に優しい化粧料容器を提供する。
【解決手段】レフィル容器2と本体容器3とを有し、レフィル容器2は、液状の化粧料を吸収する吸収材4と、吸収材4を受ける中皿5とを有し、本体容器3は、開口部6aと開口部6aを包囲する外周部6bとを有する枠体6と、閉鎖位置と開放位置との間で動作できる上蓋9とを有し、枠体6に中皿5が装着された装着状態で上蓋9が閉鎖位置にある閉鎖状態において、上蓋9と中皿5とがそれぞれ枠体6の外周部6bに全周に亘って密接することにより、本体容器3と中皿5とは吸収材4を密封し、装着状態で上蓋9が開放位置にある開放状態において、上蓋9は、枠体6の開口部6aを通した外部からの吸収材4への接触を許容し、装着状態からの前記枠体に対する前記中皿の離脱により、レフィル容器2は本体容器3から離脱できる、化粧料容器1。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レフィル容器と本体容器とを有し、
前記レフィル容器は、液状の化粧料を吸収する吸収材と、前記吸収材を受ける中皿とを有し、
前記本体容器は、開口部と前記開口部を包囲する外周部とを有する枠体と、閉鎖位置と開放位置との間で動作できる上蓋とを有し、
前記枠体に前記中皿が装着された装着状態で前記上蓋が前記閉鎖位置にある閉鎖状態において、前記上蓋と前記中皿とがそれぞれ前記枠体の前記外周部に全周に亘って密接することにより、前記本体容器と前記中皿とは前記吸収材を密封し、
前記装着状態で前記上蓋が前記開放位置にある開放状態において、前記上蓋は、前記枠体の前記開口部を通した外部からの前記吸収材への接触を許容し、
前記装着状態からの前記枠体に対する前記中皿の離脱により、前記レフィル容器は前記本体容器から離脱できる、化粧料容器。
【請求項2】
前記本体容器は、前記枠体に対する装着及び離脱ができる下蓋を有し、
前記下蓋が前記中皿の下面を受け、前記枠体に装着された前記装着状態において、前記下蓋と前記枠体とは前記中皿を保持し、
前記装着状態からの前記枠体に対する前記下蓋の離脱により、前記レフィル容器は前記本体容器から離脱でき、
前記中皿は、底壁と前記底壁に連なる周壁とを有し、
前記枠体の前記外周部における下面側部分は、前記装着状態において前記中皿の前記周壁の上端部に全周に亘って密接する下面側密接部を有し、
前記枠体の前記外周部における上面側部分は、前記閉鎖状態において前記上蓋に全周に亘って密接する上面側密接部を有する、請求項1に記載の化粧料容器。
【請求項3】
前記下蓋は、底壁部と前記底壁部から上側に伸びる嵌合壁部とを有し、
前記枠体は、前記外周部から下側に伸びる被嵌合壁部を有し、
前記底壁部は、前記装着状態において前記中皿の下面の少なくとも一部を覆い、
前記嵌合壁部は、前記装着状態において前記被嵌合壁部に下側への移動を規制されるように嵌合し、
前記嵌合壁部は、第1弾性変形によって前記被嵌合壁部に嵌合し、第2弾性変形によって前記被嵌合壁部から離脱する、請求項2に記載の化粧料容器。
【請求項4】
前記嵌合壁部は、前記装着状態において前記中皿の外周面と前記被嵌合壁部の内周面との間に位置し、
前記下蓋は、前記装着状態において前記被嵌合壁部の外周面に対向するように、前記底壁部から上側に伸びる外周壁部を有し、
前記枠体は、前記被嵌合壁部の前記外周面から突出する庇部を有し、
前記本体容器は、前記装着状態において、前記庇部の下面と前記外周壁部の上面との間にコインを挿入できる隙間を有する、請求項3に記載の化粧料容器。
【請求項5】
前記下蓋は、底壁部と前記底壁部から上側に伸びるねじ結合壁部とを有し、
前記枠体は、前記外周部から下側に伸びる被ねじ結合壁部を有し、
前記底壁部は、前記装着状態において前記中皿の下面の少なくとも一部を覆い、
前記ねじ結合壁部は、前記装着状態において前記被ねじ結合壁部にねじ結合する、請求項2に記載の化粧料容器。
【請求項6】
前記ねじ結合壁部は、前記装着状態において前記中皿の前記周壁の外周面と前記被ねじ結合壁部の内周面との間に位置し、
前記下蓋は、前記装着状態において前記被ねじ結合壁部の外周面に対向するように、前記底壁部から上側に伸びる外周壁部を有する、請求項5に記載の化粧料容器。
【請求項7】
前記枠体は、前記枠体本体と、前記枠体本体よりもヤング率が小さく、前記枠体本体に保持され、前記下面側密接部を構成するパッキンとを有する、請求項2に記載の化粧料容器。
【請求項8】
前記上蓋は、ヒンジ部を介して前記枠体に連なり、前記ヒンジ部によって前記閉鎖位置と前記開放位置との間で回転できる、請求項1又は2に記載の化粧料容器。
【請求項9】
前記化粧料のための塗布具を有し、
前記枠体の前記外周部は、前記閉鎖状態において前記塗布具の外周縁部を載せておける支持部を有する、請求項1又は2に記載の化粧料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
液状の化粧料を吸収する吸収材を収容する化粧料容器であって、外容器と内容器とを有し、外容器が外蓋を有し、内容器が内蓋を有する化粧料容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6887720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の化粧料容器は、化粧料を使用するたびに外蓋だけでなく内蓋も開閉する必要があり、不便である。また、内容器を環境に優しいレフィル容器として構成できれば望ましい。
【0005】
そこで本発明の目的は、液状の化粧料を収容でき操作性に優れ環境に優しい化粧料容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は以下のとおりである。
【0007】
[1]
レフィル容器と本体容器とを有し、
前記レフィル容器は、液状の化粧料を吸収する吸収材と、前記吸収材を受ける中皿とを有し、
前記本体容器は、開口部と前記開口部を包囲する外周部とを有する枠体と、閉鎖位置と開放位置との間で動作できる上蓋とを有し、
前記枠体に前記中皿が装着された装着状態で前記上蓋が前記閉鎖位置にある閉鎖状態において、前記上蓋と前記中皿とがそれぞれ前記枠体の前記外周部に全周に亘って密接することにより、前記本体容器と前記中皿とは前記吸収材を密封し、
前記装着状態で前記上蓋が前記開放位置にある開放状態において、前記上蓋は、前記枠体の前記開口部を通した外部からの前記吸収材への接触を許容し、
前記装着状態からの前記枠体に対する前記中皿の離脱により、前記レフィル容器は前記本体容器から離脱できる、化粧料容器。
【0008】
[2]
前記本体容器は、前記枠体に対する装着及び離脱ができる下蓋を有し、
前記下蓋が前記中皿の下面を受け、前記枠体に装着された前記装着状態において、前記下蓋と前記枠体とは前記中皿を保持し、
前記装着状態からの前記枠体に対する前記下蓋の離脱により、前記レフィル容器は前記本体容器から離脱でき、
前記中皿は、底壁と前記底壁に連なる周壁とを有し、
前記枠体の前記外周部における下面側部分は、前記装着状態において前記中皿の前記周壁の上端部に全周に亘って密接する下面側密接部を有し、
前記枠体の前記外周部における上面側部分は、前記閉鎖状態において前記上蓋に全周に亘って密接する上面側密接部を有する、[1]に記載の化粧料容器。
【0009】
[3]
前記下蓋は、底壁部と前記底壁部から上側に伸びる嵌合壁部とを有し、
前記枠体は、前記外周部から下側に伸びる被嵌合壁部を有し、
前記底壁部は、前記装着状態において前記中皿の下面の少なくとも一部を覆い、
前記嵌合壁部は、前記装着状態において前記被嵌合壁部に下側への移動を規制されるように嵌合し、
前記嵌合壁部は、第1弾性変形によって前記被嵌合壁部に嵌合し、第2弾性変形によって前記被嵌合壁部から離脱する、[2]に記載の化粧料容器。
【0010】
[4]
前記嵌合壁部は、前記装着状態において前記中皿の外周面と前記被嵌合壁部の内周面との間に位置し、
前記下蓋は、前記装着状態において前記被嵌合壁部の外周面に対向するように、前記底壁部から上側に伸びる外周壁部を有し、
前記枠体は、前記被嵌合壁部の前記外周面から突出する庇部を有し、
前記本体容器は、前記装着状態において、前記庇部の下面と前記外周壁部の上面との間にコインを挿入できる隙間を有する、[3]に記載の化粧料容器。
【0011】
[5]
前記下蓋は、底壁部と前記底壁部から上側に伸びるねじ結合壁部とを有し、
前記枠体は、前記外周部から下側に伸びる被ねじ結合壁部を有し、
前記底壁部は、前記装着状態において前記中皿の下面の少なくとも一部を覆い、
前記ねじ結合壁部は、前記装着状態において前記被ねじ結合壁部にねじ結合する、[2]に記載の化粧料容器。
【0012】
[6]
前記ねじ結合壁部は、前記装着状態において前記中皿の前記周壁の外周面と前記被ねじ結合壁部の内周面との間に位置し、
前記下蓋は、前記装着状態において前記被ねじ結合壁部の外周面に対向するように、前記底壁部から上側に伸びる外周壁部を有する、[5]に記載の化粧料容器。
【0013】
[7]
前記枠体は、前記枠体本体と、前記枠体本体よりもヤング率が小さく、前記枠体本体に保持され、前記下面側密接部を構成するパッキンとを有する、[2]~[6]の何れか1項に記載の化粧料容器。
【0014】
[8]
前記上蓋は、ヒンジ部を介して前記枠体に連なり、前記ヒンジ部によって前記閉鎖位置と前記開放位置との間で回転できる、[1]~[7]の何れか1項に記載の化粧料容器。
【0015】
[9]
前記化粧料のための塗布具を有し、
前記枠体の前記外周部は、前記閉鎖状態において前記塗布具の外周縁部を載せておける支持部を有する、[1]~[8]の何れか1項に記載の化粧料容器。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、液状の化粧料を収容でき操作性に優れ環境に優しい化粧料容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態の化粧料容器を閉鎖状態で示す断面図である。
図2図1に示す状態の化粧料容器を90°異なる方向から見た時の断面図である。
図3図2に示す化粧料容器を開放状態で示す断面図である。
図4図2に示す化粧料容器に梃子としてのコインを挿入した時の状態を示す断面図である。
図5図4に示す状態から、下蓋を枠体から離脱させた時の状態を示す断面図である。
図6図5に示す状態から、使用済みのレフィル容器を下蓋から離脱させた時の状態を示す断面図である。
図7図6に示す状態から、未開封のレフィル容器を下蓋に配置する時の状態を示す断面図である。
図8図2に示す化粧料容器の変形例を閉鎖状態で示す断面図である。
図9図8に示す化粧料容器を、下蓋とレフィル容器とその他の部分とを分離した状態で示す断面図である。
図10図2に示す化粧料容器の他の変形例を閉鎖状態で示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0019】
図1図7に示すように、本発明の一実施形態において化粧料容器1は、レフィル容器2と本体容器3とを有し、レフィル容器2は、液状の化粧料(例えばファンデーション)を吸収する吸収材4(例えば、スポンジなどの弾性多孔部材)と、吸収材4を受ける中皿5とを有し、本体容器3は、開口部6aと開口部6aを包囲する外周部6bとを有する枠体6と、閉鎖位置と開放位置との間で動作できる上蓋9とを有し、枠体6に中皿5が装着された装着状態で上蓋9が閉鎖位置にある閉鎖状態において、上蓋9と中皿5とがそれぞれ枠体6の外周部6bに全周に亘って密接することにより、本体容器3と中皿5とは吸収材4を密封し、装着状態で上蓋9が開放位置にある開放状態において、上蓋9は、枠体6の開口部6aを通した外部からの吸収材4への接触を許容し、装着状態からの枠体6に対する中皿5の離脱により、レフィル容器2は本体容器3から離脱できる。
【0020】
上記構成によれば、化粧料容器1を閉鎖状態にすることで、吸収材4に吸収されている液状の化粧料を密封でき、化粧料容器1を開放状態にすることで、液状の化粧料を使用できる。また上記構成によれば、上蓋9の開閉操作だけで閉鎖状態と開放状態とを切り替えることができる。また上記構成によれば、装着状態からの枠体6に対する中皿5の離脱により、レフィル容器2を本体容器3から離脱させ、その後、別のレフィル容器2を枠体6に装着することで、レフィル容器2を交換でき、再び化粧料を使用可能な状態にできる。すなわち、レフィル容器2の交換による再使用を可能にできる。また上記構成によれば、レフィル容器2を少ない材料で形成できる。したがって上記構成によれば、液状の化粧料を収容でき操作性に優れ環境に優しい化粧料容器1を実現できる。
【0021】
本体容器3は、枠体6に対する装着及び離脱ができる下蓋7を有し、下蓋7が中皿5の下面を受け、枠体6に装着された装着状態において、下蓋7と枠体6とは中皿5を保持し、装着状態からの枠体6に対する下蓋7の離脱により、レフィル容器2は本体容器3から離脱できる。上記構成によれば、装着状態から、下蓋7を枠体6から離脱させることで使用済みのレフィル容器2を本体容器3から離脱させることができ、その後、別のレフィル容器2を下蓋7に配置し、下蓋7を枠体6に装着することで、レフィル容器2を交換でき、再び化粧料を使用可能な状態にできる。しかし、化粧料容器1は上記構成に限らず、下蓋7を設けずに、中皿5を枠体6に直接装着する構成としてもよい。
【0022】
中皿5は、底壁5aと底壁5aに連なる周壁5bとを有し、枠体6の外周部6bにおける下面側部分は、装着状態において中皿5の周壁5bの上端部に全周に亘って密接する下面側密接部10を有し、枠体6の外周部6bにおける上面側部分は、閉鎖状態において上蓋9に全周に亘って密接する上面側密接部11を有する。上記構成によれば、閉鎖状態において、下面側密接部10と上面側密接部11とにより、吸収材4に吸収されている液状の化粧料を密封できる。
【0023】
下蓋7は、底壁部7aと底壁部7aから上側に伸びる嵌合壁部7bとを有し、枠体6は、外周部6bから下側に伸びる被嵌合壁部6cを有し、底壁部7aは、装着状態において中皿5の底壁5aの下面の少なくとも一部を覆い、嵌合壁部7bは、装着状態において被嵌合壁部6cに下側への移動を規制されるように嵌合し、嵌合壁部7bは、第1弾性変形によって被嵌合壁部6cに嵌合し、第2弾性変形によって被嵌合壁部6cから離脱する。上記構成によれば、装着状態から嵌合壁部7bを被嵌合壁部6cから離脱させることにより、使用済みのレフィル容器2を本体容器3から離脱させることができ、その後、別のレフィル容器2を下蓋7に配置し、嵌合壁部7bを被嵌合壁部6cに嵌合させることにより、レフィル容器2の交換を完了できる。
【0024】
嵌合壁部7bは、装着状態において中皿5の周壁5bの外周面と被嵌合壁部6cの内周面との間に位置し、下蓋7は、装着状態において被嵌合壁部6cの外周面に対向するように、底壁部7aから上側に伸びる外周壁部7cを有し、枠体6は、被嵌合壁部6cの外周面から突出する庇部6dを有し、本体容器3は、装着状態において、庇部6dの下面と外周壁部7cの上面との間にコイン13を挿入できる隙間12を有する。上記構成によれば、装着状態において、庇部6dの下面と外周壁部7cの上面との間の隙間12にコイン13(図4参照)を挿入し、コイン13を梃子として持ち上げる操作により、容易に第2弾性変形を生じさせ、被嵌合壁部6cから嵌合壁部7bを離脱させることができる。また上記構成によれば、本体容器3の下蓋7の外周壁部7cによって、化粧料容器1の外観を向上できる。コイン13を用いずに離脱させる構成としてもよい。この場合、隙間12は設けなくともよい。
【0025】
上蓋9は、ヒンジ部8を介して枠体6に連なり、ヒンジ部8によって閉鎖位置と開放位置との間で回転できる。上記構成によれば、上蓋9をヒンジ部8によって閉鎖位置と開放位置との間で回転させる簡単な操作によって上蓋9を開閉できる。
【0026】
被嵌合壁部6cは、庇部6dを介してヒンジ部8に連なる。上記構成によれば、庇部6dにより、ヒンジ部8を効率的に設けることができる。
【0027】
枠体6は、枠体本体14と、枠体本体14よりもヤング率が小さく、枠体本体14に保持され、下面側密接部10を構成するパッキン15とを有する。上記構成によれば、閉鎖状態において、パッキン15により、吸収材4に吸収されている液状の化粧料を効率的に密封できる。上記構成は、枠体6に対する下蓋7の装着及び離脱を嵌合壁部7bと被嵌合壁部6cとによって行う本実施形態のような構成の場合に特に有利である。
【0028】
枠体6から下蓋7が離脱した状態において、嵌合壁部7bの内周面は、上側に向けて径方向外側に傾斜し、中皿5の周壁5bの外周面との間にクリアランス16(図5参照)を形成し、装着状態において、嵌合壁部7bの内周面は、中皿5の周壁5bの外周面に下側への移動を規制されるように嵌合する(図2参照)。上記構成によれば、レフィル容器2の交換時にレフィル容器2を下蓋7から容易に離脱させることができる。また上記構成によれば、装着状態において、中皿5を嵌合壁部7bとの嵌合によって良好に保持できる。
【0029】
嵌合壁部7bは、複数のスリット17aからなるスリット群17(図7参照)を有し、スリット17aは、嵌合壁部7bの上端から下側に伸びる。上記構成によれば、スリット群17により、嵌合壁部7bを径方向に弾性変形させ易くできる。
【0030】
レフィル容器2は、本体容器3に取り付けられる前に中皿5から離脱されるシート状の開封部材18(図7参照)を有し、開封部材18と中皿5とは、開封部材18が中皿5から離脱される前の状態において、吸収材4に吸収されている液状の化粧料を密封する。上記構成によれば、レフィル容器2の交換を簡単化できる。
【0031】
下蓋7の底壁部7aは、装着状態において中皿5の底壁5aの一部を露出する切り欠き部19(図2参照)を有する。上記構成によれば、切り欠き部19により、レフィル容器2の交換時に使用済みレフィル容器2を下蓋7から離脱させ易くできる。
【0032】
切り欠き部19は、装着状態において中皿5の底壁5aの中央部を露出する開口からなる。上記構成によれば、切り欠き部19を効率的に形成できる。
【0033】
枠体6の開口部6aは開口からなる。上記構成によれば、開口部6aを効率的に形成できる。
【0034】
上蓋9は、上蓋本体9aと上蓋本体9aの下面に設けられる鏡9bとを有する。上記構成によれば、鏡9bにより、化粧料容器1の使い易さを向上できる。
【0035】
上蓋9は、開放状態から閉鎖状態になる時に第3弾性変形によって枠体6の外周部6bに嵌合し、閉鎖状態から開放状態になる時に第4弾性変形によって枠体6の外周部6bから離脱する嵌合部9cを有する。上記構成によれば、上蓋9の構造を簡単化できる。
【0036】
枠体6の外周部6bは、平らなリングの本体部と、開口部6aよりも外側で全周に亘って本体部から上側に突出する第1環状凸部とを有し、第1環状凸部は上面側密接部11を構成し、上蓋9は、閉鎖状態において第1環状凸部の内周面と外周面とのそれぞれに全周に亘って密接する2重筒状の突出部を有する。上記構成によれば、上面側密接部11の構造を簡単化できる。
【0037】
枠体6の外周部6bは、第1環状凸部よりも外側で全周に亘って本体部から上側に突出する第2環状凸部を有し、第2環状凸部は、上蓋9の筒状の嵌合部9cと嵌合する被嵌合部を構成し、閉鎖状態において嵌合部9cは被嵌合部の外周面に嵌合する。
【0038】
図8図9に示す変形例のように、下蓋7は、底壁部7aと底壁部7aから上側に伸びるねじ結合壁部7dとを有し、枠体6は、外周部6bから下側に伸びる被ねじ結合壁部6eを有し、底壁部7aは、装着状態において中皿5の底壁5aの下面の少なくとも一部を覆い、ねじ結合壁部7dは、装着状態において被ねじ結合壁部6eにねじ結合する構成としてもよい。上記構成によれば、装着状態からねじ結合壁部7dを被ねじ結合壁部6eから離脱させることにより、使用済みのレフィル容器2を本体容器3から離脱させることができ、その後、別のレフィル容器2を下蓋7に配置し、ねじ結合壁部7dを被ねじ結合壁部6eに嵌合させることにより、レフィル容器2の交換を完了できる。枠体6に対する下蓋7の装着及び離脱をねじ結合壁部7dと被ねじ結合壁部6eとによって行う本変形例によれば、パッキン15を用いずに、被ねじ結合壁部6eに対するねじ結合壁部7dのねじ結合による締め付け力によって下面側密接部10での密接を実現できる。しかし、本変形例にパッキン15を設けた構成としてもよい。前述したような、下蓋7を設けずに、中皿5を枠体6に直接装着(嵌合による装着でもよいし、ねじ結合による装着でもよい)する構成とする場合においても、パッキン15を設けた構成としてもよいし、パッキン15を設けない構成としてもよい。
【0039】
本変形例において、ねじ結合壁部7dは、装着状態において中皿5の外周面と被ねじ結合壁部6eの内周面との間に位置し、下蓋7は、装着状態において被ねじ結合壁部6eの外周面に対向するように、底壁部7aから上側に伸びる外周壁部7cを有する。上記構成によれば、本体容器3の下蓋7の外周壁部7cによって、化粧料容器1の外観を向上できる。
【0040】
枠体6は、被ねじ結合壁部6eの外周面から突出する庇部6dを有し、被ねじ結合壁部6eは、庇部6dを介してヒンジ部8に連なる。上記構成によれば、庇部6dにより、ヒンジ部8を効率的に設けることができる。
【0041】
図1図7に示す実施形態及び上記変形例において、上蓋9は、ヒンジ部8において枠体6に装着される。上記構成によれば、化粧料容器1の外観を向上できる。
【0042】
図1図7に示す実施形態及び上記変形例は、図10に示す他の変形例のように、上蓋9は、例えば射出成形により、枠体6と一体に成形され、上蓋9と枠体6との接続部分はヒンジ部8を形成する構成としてもよい。上記構成によれば、本体容器3の構造を簡単化できる。
【0043】
図10に示す変形例において、ねじ結合壁部7dは、装着状態において中皿5の周壁5bの外周面と被ねじ結合壁部6eの内周面との間に位置し、下蓋7は、装着状態において被ねじ結合壁部6eに下側から対向するように、底壁部7aから上側に伸びる外周壁部7cを有し、ヒンジ部8は、枠体6の被ねじ結合壁部6eの上端部と上蓋9の外周壁とを連ね、上蓋9の外周壁の内周面は嵌合部9cを構成する。上記構成によれば、本体容器3の構造を簡単化できる。また上記構成によれば、本体容器3の下蓋7の外周壁部7cによって、化粧料容器1の外観を向上できる。
【0044】
前述した実施形態及び各変形例において、化粧料容器1は、化粧料のための塗布具20(例えばパフ)を有し、枠体6の外周部6bは、閉鎖状態において塗布具20の外周縁部を載せておける支持部21を有する。上記構成によれば、塗布具20による良好な使い易さを実現できる。
【0045】
本発明は前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0046】
したがって、前述した実施形態の化粧料容器1は、レフィル容器2と本体容器3とを有し、レフィル容器2は、液状の化粧料を吸収する吸収材4と、吸収材4を受ける中皿5とを有し、本体容器3は、開口部6aと開口部6aを包囲する外周部6bとを有する枠体6と、閉鎖位置と開放位置との間で動作できる上蓋9とを有し、枠体6に中皿5が装着された装着状態で上蓋9が閉鎖位置にある閉鎖状態において、上蓋9と中皿5とがそれぞれ枠体6の外周部6bに全周に亘って密接することにより、本体容器3と中皿5とは吸収材4を密封し、装着状態で上蓋9が開放位置にある開放状態において、上蓋9は、枠体6の開口部6aを通した外部からの吸収材4への接触を許容し、装着状態からの枠体6に対する中皿5の離脱により、レフィル容器2は本体容器3から離脱できる、化粧料容器1である限り変更可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 化粧料容器
2 レフィル容器
3 本体容器
4 吸収材
5 中皿
5a 底壁
5b 周壁
6 枠体
6a 開口部
6b 外周部
6c 被嵌合壁部
6d 庇部
6e 被ねじ結合壁部
7 下蓋
7a 底壁部
7b 嵌合壁部
7c 外周壁部
7d ねじ結合壁部
8 ヒンジ部
9 上蓋
9a 上蓋本体
9b 鏡
9c 嵌合部
10 下面側密接部
11 上面側密接部
12 隙間
13 コイン
14 枠体本体
15 パッキン
16 クリアランス
17 スリット群
17a スリット
18 開封部材
19 切り欠き部
20 塗布具
21 支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10