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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108876
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/06 20060101AFI20240805BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240805BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20240805BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20240805BHJP
   H01L 21/761 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
H01L27/06 311A
H01L29/78 301B
H01L29/78 301G
H01L29/78 301S
H01L27/06 102A
H01L27/04 H
H01L21/76 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013496
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】田中 貴英
【テーマコード(参考)】
5F032
5F038
5F048
5F140
【Fターム(参考)】
5F032AB02
5F032AB03
5F032CA01
5F032CA03
5F032CA09
5F032CA10
5F032CA11
5F032CA15
5F032CA17
5F032CA24
5F032DA12
5F038AR01
5F038AR07
5F038BH02
5F038BH13
5F038BH18
5F038EZ01
5F038EZ02
5F038EZ20
5F048AA03
5F048AC10
5F048BA01
5F048BA04
5F048BC03
5F048BE02
5F048BH02
5F048BH04
5F048CC01
5F048CC03
5F048CC13
5F048CC18
5F140AA38
5F140AB06
5F140AB10
5F140BA01
5F140BA02
5F140BA04
5F140BA06
5F140BA07
5F140BF54
5F140BH04
5F140BH30
5F140CB07
5F140CD02
(57)【要約】
【課題】ノイズ耐量の低下を防止することができる半導体装置を提供する。
【解決手段】第1導電型の基体1と、基体1に設けられ、ハイサイド回路102が形成される第2導電型の第1ウェル領域2と、第1ウェル領域2の周囲に設けられた、第1ウェル領域2よりも低不純物濃度の第2導電型の第1耐圧領域8と、第1ウェル領域2又は第1耐圧領域8の上部に設けられ、第1ウェル領域2よりも高不純物濃度の第2導電型のコンタクト領域5aと、第1耐圧領域8の外周側に、第1耐圧領域8に接して設けられた第導電型の第2耐圧領域3と、第1耐圧領域8のうち、第2耐圧領域3の外周側に形成されるローサイド回路101に対向する部分である対向部8aを、第1ウェル領域2から電気的に分離する第1導電型の第1分離領域6と、ローサイド回路101とハイサイド回路102との間で信号伝達を行うレベルシフタ10a,10bを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型の基体と、
前記基体に設けられ、ハイサイド回路が形成される第2導電型の第1ウェル領域と、
前記第1ウェル領域の周囲に設けられ、前記第1ウェル領域よりも低不純物濃度の第2導電型の第1耐圧領域と、
前記第1ウェル領域又は前記第1耐圧領域の上部に設けられ、前記第1ウェル領域よりも高不純物濃度の第2導電型のコンタクト領域と、
前記第1耐圧領域の外周側に、前記第1耐圧領域に接して設けられた第2導電型の第2耐圧領域と、
前記第1耐圧領域のうち、前記第2耐圧領域の外周側に形成されるローサイド回路に対向する部分である対向部を、前記第1ウェル領域から電気的に分離する第1導電型の第1分離領域と、
前記ローサイド回路と前記ハイサイド回路との間で信号伝達を行うレベルシフタと、
を備える、半導体装置。
【請求項2】
前記対向部と前記コンタクト領域を接続する抵抗を更に備える
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1ウェル領域の上部に設けられた第1導電型の第2ウェル領域と、
前記第2ウェル領域と前記レベルシフタの担体受領領域との間に接続されたダイオードと、
を更に備える、請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記抵抗がポリシリコン抵抗で構成されている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記抵抗が拡散抵抗で構成されている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記レベルシフタが、前記第2耐圧領域の外周側に設けられている
請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1耐圧領域の平面パターンの外形が矩形であり、
前記対向部が、前記矩形の4つの角部のうち、前記ローサイド回路側の2つの角部を含む
請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記レベルシフタの担体受領領域と前記コンタクト領域の間に接続されたレベルシフト抵抗を更に備える
請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記分離領域の両端が、前記第2耐圧領域に接している
請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記対向部が、前記第1耐圧領域のうちの前記ローサイド回路と対向するすべての部分を含む
請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記対向部が、前記第1耐圧領域のうちの前記ローサイド回路と対向する部分の中央部を少なくとも含む
請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記レベルシフタが、前記第1耐圧領域及び第2耐圧領域の一部に一体的に設けられている
請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1耐圧領域の平面パターンの外形が矩形であり、
前記レベルシフタが、前記矩形の4辺のうちの前記ローサイド回路と対向しない辺に設けられている
請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記レベルシフタのドリフト領域と前記第1耐圧領域との間および前記レベルシフタの担体受領領域と前記コンタクト領域との間を分離する第1導電型の第2分離領域を更に備える
請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第2分離領域と前記第1分離領域とが接続する
請求項14に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記レベルシフタが前記ローサイド回路に対向して設けられ、
前記レベルシフタのドリフト領域が前記第1耐圧領域で構成され、且つ前記対向部を構成し、
前記第1分離領域が、前記レベルシフタを前記第1ウェル領域から分離する
請求項12に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記レベルシフタの担体受領領域が前記コンタクト領域とだけ抵抗で接続されている
請求項16に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記ローサイド回路の幅が前記レベルシフタの幅以下である
請求項16に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、高耐圧半導体装置において、pシリコン基板にn型拡散領域が環状に形成され、n型拡散領域の内側に接してn拡散領域が環状に形成され、更に、n拡散領域の内側に、所定幅のp基板を挟んで島状のn拡散領域を備えた構成を開示する。
【0003】
特許文献2は、半導体装置において、ハイサイド領域を囲むようにn型の半導体領域であるターミネーション領域を配置し、ターミネーション領域のローサイド領域と対向する位置にレベルシフトトランジスタの形成領域を配置した構成を開示する。
【0004】
特許文献3は、3相分のハイサイド回路領域と、2つのローサイド回路領域とを備えるHVICにおいて、ローサイド回路領域を、ハイサイド回路領域のVBピックアップ領域の配置されていない辺に対向するように配置した構成を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-283716号公報(図8
【特許文献2】特開2018-46685号公報(図1
【特許文献3】特許第6798377号公報(図13
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のHVJTにおいて、ハイサイド回路に印加されるVB電位やVS電位が、静電気放電(ESD)等により急峻に持ち上がった時、VB電位やVS電位と同電位となるn型ウェルの電位が持ち上がり、更に変位電流が流れることで、n型ウェル直下の基板電位が持ち上がる現象がある。ローサイド回路がこのn型ウェル領域に近いと、基板電位の変動が伝播し、寄生動作を誘発することで、ESD耐量等のノイズ耐量の低下を引き起こす可能性がある。
【0007】
上記問題に鑑み、本発明は、ノイズ耐量の低下を防止することができる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、第1導電型の基体と、基体に設けられ、ハイサイド回路が形成される第2導電型の第1ウェル領域と、第1ウェル領域の周囲に設けられ、第1ウェル領域よりも低不純物濃度の第2導電型の第1耐圧領域と、第1ウェル領域又は第1耐圧領域に設けられ、第1ウェル領域よりも高不純物濃度の第2導電型のコンタクト領域と、第1耐圧領域の外周側に、第1耐圧領域に接して設けられた第2導電型の第2耐圧領域と、第1耐圧領域のうち、第2耐圧領域の外周側に形成されるローサイド回路に対向する部分である対向部を、第1ウェル領域から電気的に分離する第1導電型の第1分離領域と、ローサイド回路とハイサイド回路との間で信号伝達を行うレベルシフタと、を備える半導体装置であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ノイズ耐量の低下を防止することができる半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る半導体装置の回路図である。
図2】第1実施形態に係る半導体装置の平面図である。
図3A図2のA-A´線で切断した断面図である。
図3B】第1実施形態に係る抵抗がポリシリコン抵抗である場合の抵抗を含む領域の断面図である。
図3C】第1実施形態に係る抵抗が拡散抵抗である場合の抵抗を含む領域の断面図である。
図4】第1実施形態の比較例に係る半導体装置の断面図である。
図5図4のA-A´線で切断した断面図である。
図6】第2実施形態に係る半導体装置の平面図である。
図7図6のB-B´線で切断した断面図である。
図8】第2実施形態の比較例に係る半導体装置の平面図である。
図9】第3実施形態に係る半導体装置の平面図である。
図10】第3実施形態の比較例に係る半導体装置の平面図である。
図11A】第4実施形態に係る半導体装置の平面図である。
図11B】第4実施形態に係る抵抗を含む領域の断面図である。
図12】第5実施形態に係る半導体装置の平面図である。
図13】第5実施形態の比較例に係る半導体装置の平面図である。
図14】第6実施形態に係る半導体装置の平面図である。
図15】第7実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の第1~第7実施形態を説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重複する説明を省略する。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は実際のものとは異なる場合がある。また、図面相互間においても寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。また、以下に示す第1~第7実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。
【0012】
本明細書において、「担体供給領域」とは、電界効果トランジスタ(FET)又は静電誘導トランジスタ(SIT)のソース領域、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)のエミッタ領域等の主電流を構成する多数キャリアを供給する半導体領域を意味する。また、ダイオード、静電誘導(SI)サイリスタ又はゲートターンオフ(GTO)サイリスタにおいてはアノード領域が担体供給領域となる。また、「担体受領領域」とは、FET又はSITのドレイン領域、IGBTのコレクタ領域等の主電流を構成する多数キャリアを受領する半導体領域を意味する。ダイオード、SIサイリスタ又はGTOサイリスタにおいてはカソード領域が担体受領領域として機能する。
【0013】
また、本明細書において、上下等の方向の定義は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。例えば、対象を90°回転して観察すれば上下は左右に変換して読まれ、180°回転して観察すれば上下は反転して読まれることは勿論である。
【0014】
また、本明細書において、第1導電型がp型、第2導電型がn型の場合について例示的に説明する。しかし、導電型を逆の関係に選択して、第1導電型をn型、第2導電型をp型としても構わない。また「n」や「p」に付す「+」や「-」は、「+」及び「-」が付記されていない半導体領域に比して、それぞれ相対的に不純物濃度が高い又は低い半導体領域であることを意味する。ただし同じ「n」と「n」とが付された半導体領域であっても、それぞれの半導体領域の不純物濃度が厳密に同じであることを意味するものではない。更に、以下の説明で「第1導電型」及び「第2導電型」の限定を加えた部材や領域は、特に明示の限定がなくても半導体材料からなる部材や領域を意味する。
【0015】
(第1実施形態)
<半導体装置の回路>
第1実施形態に係る半導体装置として、図1に示すように、高耐圧集積回路(HVIC)100を例示する。HVIC100は、駆動対象として、例えば電力変換用ブリッジ回路の一相分である電力変換部200を駆動する。電力変換部200は、高電位側スイッチング素子T3と、低圧側スイッチング素子T4とを直列に接続してハーフブリッジ回路を構成している。図1では、高電位側スイッチング素子T3及び低圧側スイッチング素子T4としてIGBTを例示するが、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)等の他の電力用スイッチング素子を使用してもよい。
【0016】
高電位側スイッチング素子T3のコレクタには高電位側のHV電位が接続されている。低圧側スイッチング素子T4のエミッタには低電位側の接地電位(GND電位)が接続されている。高電位側スイッチング素子T3のエミッタと低圧側スイッチング素子T4のコレクタの接続点105には、高電位側の電源(高電位側電源)104の負極側のVS電位が接続されている。更に、接続点105には、モータ等の負荷(不図示)が接続されている。
【0017】
HVIC100は、外部のマイコン等からの入力信号INに応じて、高電位側スイッチング素子T3のゲートをオン・オフして駆動する駆動信号を高電位側スイッチング素子T3のゲートに印加する。HVIC100は、低電位側回路(ローサイド回路)101及び高電位側回路(ハイサイド回路)102を備える。ローサイド回路101には、低電位側の電源(低電位側電源)103の正極側のVCC電位と、低電位側電源103の負極側のGND電位が接続されている。更に、ローサイド回路101には、レベルシフト素子(レベルシフタ)T1,T2のゲートが接続されている。
【0018】
ローサイド回路101は、GND電位を基準電位とし、GND電位よりも高いVCC電位を電源電位として動作する。ローサイド回路101は、外部のマイコン等からの入力信号INに応じて、GND電位基準のオン・オフ信号を生成し、レベルシフト素子T1,T2のゲートへ出力する。
【0019】
レベルシフト素子T1,T2は、ローサイド回路101とハイサイド回路102の間で信号伝達を行う。レベルシフト素子T1,T2は、ローサイド回路101からのGND電位を基準とするオン・オフ信号を、VS電位を基準とするオン・オフ信号に変換し、変換したオン・オフ信号をハイサイド回路102へ出力する。レベルシフト素子T1,T2は、例えば高耐圧のnチャネルMOSFETで構成されている。
【0020】
レベルシフト素子T1のソースには、GND電位が接続されている。レベルシフト素子T1のドレインには、ハイサイド回路102及びレベルシフト抵抗R1の一端が接続されている。レベルシフト抵抗R1の他端には、高電位側電源104の正極側のVB電位が接続されている。レベルシフト素子T1のドレイン及びレベルシフト抵抗R1の一端には、ダイオードD1のカソードが接続されている。ダイオードD1のアノードには、ハイサイド回路102及び高電位側電源104の負極側のVS電位が接続されている。ダイオードD1は、レベルシフト素子T1のドレイン電位(Dr電位)の過剰な低下を防止する機能を有する。
【0021】
レベルシフト素子T2のソースには、GND電位が接続されている。レベルシフト素子T2のドレインには、ハイサイド回路102及びレベルシフト抵抗R2の一端が接続されている。レベルシフト抵抗R2の他端には、高電位側電源104の正極側のVB電位が接続されている。レベルシフト素子T2のドレイン及びレベルシフト抵抗R2の一端には、ダイオードD2のカソードが接続されている。ダイオードD2のアノードには、ハイサイド回路102及び高電位側電源104の負極側のVS電位が接続されている。ダイオードD2は、レベルシフト素子T2のドレイン電位(Dr電位)の過剰な低下を防止する機能を有する。
【0022】
レベルシフト抵抗R1,R2の他端と高電位側電源104の正極側のVB電位の間には、耐圧接合終端(HVJT)と呼ばれる高耐圧のダイオードD0のカソードが接続されている。ダイオードD0のアノードにはGND電位が接続されている。
【0023】
ハイサイド回路102は、VS電位を基準電位とし、VS電位よりも高いVB電位を電源電位として動作する。ハイサイド回路102は、レベルシフト素子T1,T2からのオン・オフ信号に応じて、VS電位を基準とする駆動信号を高電位側スイッチング素子T3のゲートへ出力し、高電位側スイッチング素子T3のゲートを駆動する。ハイサイド回路102は、例えばnチャネルMOSFET及びpチャネルMOSFETのCMOS回路を出力段に備える。
【0024】
VB電位は、HVIC100に印加される最高電位であり、ノイズの影響を受けていない通常状態では、VS電位よりも15V程度高く保たれている。VS電位は、高電位側スイッチング素子T3と低圧側スイッチング素子T4とが相補的にオン・オフされることによって、高電位側のHV電位(例えば400V~600V程度)と低電位側のGND電位との間で上昇及び下降を繰り返し、0Vから数百Vまでの間で変動する。なお、VS電位はマイナスの電位になる場合もある。
【0025】
<半導体装置の構造>
図2は、図1に示したHVIC100に対応する第1実施形態に係る半導体装置の平面レイアウトを示す。HVIC100は、第1導電型(p型)の基体(半導体チップ)1を備える。基体1は、例えばシリコン(Si)基板で構成されている。なお、基体1は、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga)、ガリウムヒ素(GaAs)、ダイヤモンド等の半導体基板で構成されていてもよい。また、基体1は、p型の半導体基板と、半導体基板上に設けられたp型のエピタキシャル層とで構成されていてもよい。
【0026】
基体1の上部には、第2導電型(n型)のウェル領域2が設けられている。ウェル領域2は、略矩形の平面パターンを有する。ウェル領域2には、ハイサイド回路(ハイサイド回路領域)102が形成されている。図2では、ハイサイド回路102に含まれる各種素子の図示を省略している。
【0027】
ウェル領域2の上部には、p型のウェル領域7が設けられている。ウェル領域7にはVS電位が印加される。ウェル領域7にはダイオードD1,D2のカソードが接続されている。ダイオードD1,D2は、例えば基体1の上方に設けられたポリシリコンで構成されていてもよく、基体1の内部に設けられた拡散層で構成されていてもよい。なお、ダイオードD1,D2は必ずしも設けていなくてもよい。
【0028】
ウェル領域2の上面側には、パッド18a,18bが設けられている。パッド18aは、レベルシフト抵抗R1を介してコンタクト領域5aのVB電位に接続されている。パッド18aは、ダイオードD1を介してウェル領域2のVS電位に接続されている。パッド18bは、レベルシフト抵抗R2を介してコンタクト領域5aのVB電位に接続されている。パッド18bは、ダイオードD2を介してウェル領域2のVS電位に接続されている。レベルシフト抵抗R1,R2は、例えばウェル領域2上に絶縁膜を介して形成されたポリシリコンで構成されている。
【0029】
ウェル領域2の周囲を囲むように、ウェル領域2に接して、ウェル領域2よりも低不純物濃度のn型の耐圧領域8が設けられている。耐圧領域8は、略環状であり、且つ外形が略矩形の平面パターンを有する。耐圧領域8の外周を囲むように、p型の耐圧領域3が環状に設けられている。耐圧領域3は、略環状であり、且つ外形が略矩形の平面パターンを有する。
【0030】
ウェル領域2の外周側のn型の耐圧領域8の上部には、n型のコンタクト領域(ピックアップ領域)5aが設けられている。コンタクト領域5aは、ハイサイド回路102の周囲を囲むように下側に開口部を有するU字状の平面パターンを有する。コンタクト領域5aにはVB電位が印加される。なお、コンタクト領域5aは、ウェル領域2に設けられていてもよい。即ち、コンタクト領域5aは、ウェル領域2又は耐圧領域8の上部に設けられている。
【0031】
耐圧領域8と耐圧領域3のpn接合により、高耐圧接合終端(HVJT)(3,8)が構成されている。HVJT(3,8)は、図1に示した高耐圧のダイオードD0に対応する。HVJT(3,8)は、略環状であり、且つ外形が略矩形の平面パターンを有する。HVJT(3,8)は、耐圧領域8の内周側のウェル領域2と、耐圧領域8の外周側の基体1に形成されるローサイド回路(ローサイド回路領域)101とを電気的に分離する。HVJT(3,8)により、ハイサイド回路102の電位がローサイド回路101の電位より数百V高くなった場合でも、正常に動作するようになっている。
【0032】
耐圧領域3の上部にはp型のコンタクト領域(ピックアップ領域)4が環状に設けられている。コンタクト領域4にはGND電位が印加される。耐圧領域3の外周は基体1に囲まれている。
【0033】
図2の平面視において、ローサイド回路101は、ハイサイド回路102の下側に、HVJT(3,8)を介して設けられている。図2では、ローサイド回路101を構成する各種の素子の図示を省略している。レベルシフト素子10a,10bは、ローサイド回路101の上側で、且つハイサイド回路102の左側に設けられている。レベルシフト素子10a,10bは、図1に示したレベルシフト素子T1,T2に対応する。
【0034】
ここで、図1に示したレベルシフト素子T1,T2を構成するMOSFETの形成方法は大別すると2つあり、一つはワイヤボンディング方式(WB方式)と呼ばれ、もう一つはセルフシールディング方式(SS方式)と呼ばれる。WB方式は、HVJTと別にMOSFETを形成し、ボンディングワイヤでMOSFETのドレイン電位(Dr電位)とハイサイド回路を接続する方式である。SS方式は、HVJTにMOSFETを一体化して形成する方式である。
【0035】
第1実施形態に係る半導体装置では、図2に示すように、WB方式によりレベルシフト素子10a,10bを形成した場合を例示する。レベルシフト素子10a,10bは、略円形状の平面パターンを有する。レベルシフト素子10a,10bは、高耐圧のnチャネルMOSFETで構成されている。
【0036】
レベルシフト素子10aは、n型の担体供給領域(ソース領域)12a、ゲート電極13a、n型のドリフト領域14a及びn型の担体受領領域(ドレイン領域)15aを備える。ソース領域12aは、環状の平面パターンを有する。ドリフト領域14aは、ソース領域12aの内周側に設けられ、環状の平面パターンを有する。ゲート電極13aは、ソース領域12aとドリフト領域14aに挟まれた環状のp型のベース領域(不図示)の上方に、ゲート絶縁膜(不図示)を介して設けられている。ゲート電極13aは、ベース領域の表面ポテンシャルを制御し、ソース領域12aとドレイン領域15aの間を流れる主電流の流れを制御する。ドレイン領域15aは、ドリフト領域14aの上部に設けられ、円形の平面パターンを有する。
【0037】
ドレイン領域15aの上部には、ドレイン電極16aが設けられている。ドレイン電極16aには、ボンディングワイヤ17aを介してパッド18aが接続されている。ソース領域12aの外周側には、p型のベース領域11aが設けられている。ベース領域11aは、環状の平面パターンを有する。
【0038】
レベルシフト素子10bは、レベルシフト素子10aと同様の構成を有する。レベルシフト素子10bは、n型のソース領域12b、ゲート電極13b、n型のドリフト領域14b及びn型のドレイン領域15bを備える。ソース領域12bは、環状の平面パターンを有する。ドリフト領域14bは、ソース領域12bの内周側に設けられ、環状の平面パターンを有する。ゲート電極13bは、ソース領域12bとドリフト領域14bに挟まれた環状のp型のベース領域(不図示)の上方に、ゲート絶縁膜(不図示)を介して設けられている。ゲート電極13bは、ベース領域の表面ポテンシャルを制御し、ソース領域12bとドレイン領域15bの間を流れる主電流の流れを制御する。ドレイン領域15bは、ドリフト領域14bの上部に設けられ、円形の平面パターンを有する。
【0039】
ドレイン領域15bの上部には、ドレイン電極16bが設けられている。ドレイン電極16bには、ボンディングワイヤ17bを介してパッド18bが接続されている。ソース領域12bの外周側には、p型のベース領域11bが設けられている。ベース領域11bは、環状の平面パターンを有する。
【0040】
第1実施形態に係る半導体装置において、略環状の平面パターンを有する耐圧領域8のローサイド回路101側には、p型の分離領域(スリット領域)6が設けられている。分離領域6は、耐圧領域8のうちのローサイド回路101に対向する部分(対向部)8aを、耐圧領域8の対向部8a以外の部分及びウェル領域2から電気的に分離する。図2では、分離領域6は、上側に開口部を有する略Ω字状の平面パターンを有する。なお、分離領域6は、略直線状の平面パターンを有していてもよく、分離領域6の平面パターン形状は特に限定されない。分離領域6の両端は、耐圧領域3に接している。
【0041】
対向部8aは、U字状の平面パターンを有する。対向部8aは、耐圧領域8のローサイド回路101に対向する部分のうちの中央部を少なくとも含む。対向部8aは、耐圧領域8のローサイド回路101に対向するすべての部分を含むことが好ましい。一方、耐圧領域8に分離領域6を挿入すると、分離領域6の分だけ耐圧領域8を拡張する必要があるため、面積効率の観点から、対向部8aは、耐圧領域8のローサイド回路101に対向する部分のみで構成することが好ましい。
【0042】
図2では、対向部8aは、耐圧領域8の平面パターンがなす矩形の4つの角部のうち、ローサイド回路101側の2つの角部を含む。なお、対向部8aは、耐圧領域8の平面パターンがなす矩形の4つの角部のうち、ローサイド回路101側の2つの角部の一方のみを含むように設けられていてもよい。また、対向部8aは、耐圧領域8の平面パターンがなす矩形の4つの角部のうち、ローサイド回路101側の2つの角部と、ローサイド回路101側とは反対側の2つの角部の一方の合計3つの角部を含むように設けられていてもよい。対向部8aは、耐圧領域8の平面パターンがなす矩形の4つの角部のすべてを含むように設けられていてもよい。
【0043】
対向部8aの上部には、耐圧領域8よりも高不純物濃度のn型のコンタクト領域(ピックアップ領域)5bが設けられている。コンタクト領域5aとは異なり、コンタクト領域5bにはVB電位が直接印加されない。コンタクト領域5bには、抵抗R11,R12を介してコンタクト領域5aのVB電位が接続されている。抵抗R11,R12は、例えば基体1の上方に設けられたポリシリコン抵抗で構成されている。対向部8aは、上側の耐圧領域8とは分離領域6で区切られ、且つ、抵抗R11,R12を介してコンタクト領域5aに接続されているため、VB電位やVS電位に追従し難い状態となる。
【0044】
図3Aは、図2のA-A´線で切断した断面を示す。なお、基体1の下面は、GND電位で固定されてもよい。p型の基体1の上部には、n型のウェル領域2が設けられている。ウェル領域2の上部にはn型のコンタクト領域5aが設けられている。コンタクト領域5aにはVB電位が印加される。
【0045】
ウェル領域2の上部には、コンタクト領域5aから離間して、p型のウェル領域7が設けられている。ウェル領域7の上部には、p型のコンタクト領域7aが設けられている。コンタクト領域7aにはVS電位が印加される。なお、図2では、図3Aに示したコンタクト領域7aの図示を省略している。
【0046】
ウェル領域7の上部には、n型のコンタクト領域5cが設けられている。コンタクト領域5cにはVB電位が印加される。なお、図2では、図3Aに示したコンタクト領域5cの図示を省略している。
【0047】
基体1の上部には、ウェル領域2に接してn型の耐圧領域8が選択的に設けられている。耐圧領域8の深さはウェル領域2の深さよりも浅い。耐圧領域8の上部にはn型のコンタクト領域5bが設けられている。コンタクト領域5bには、抵抗R11,R12を介してコンタクト領域5a,5cが接続されている。
【0048】
基体1の上部には、ウェル領域2の反対側で耐圧領域8に接して、p型の耐圧領域3が選択的に設けられている。耐圧領域3の上部にはp型のコンタクト領域4が選択的に設けられている。コンタクト領域4にはGND電位が印加される。
【0049】
基体1の上部には、耐圧領域8を深さ方向に貫通するようにp型の分離領域6が設けられている。分離領域6の深さは耐圧領域8の深さよりも深い。分離領域6は、耐圧領域8のうちのローサイド回路101と対向する部分である対向部8aを、ウェル領域2から電気的に分離する。
【0050】
耐圧領域8と耐圧領域3のpn接合から広がる空乏層を主に耐圧領域8の耐圧保持領域107に広げることにより耐圧を保持する。耐圧保持領域107は、耐圧領域8と耐圧領域3のpn接合とコンタクト領域5bとの間である。
【0051】
図3Bは、図3Aに示した抵抗R11がポリシリコン抵抗25である場合の、ポリシリコン抵抗25を含む領域の断面を示す。ウェル領域2、コンタクト領域5c、分離領域6、耐圧領域8及びコンタクト領域5bの上面には絶縁膜9aが設けられている。絶縁膜9aの上面にはポリシリコン抵抗25が設けられている。ポリシリコン抵抗25は、p型又はn型の不純物が高濃度に添加されたポリシリコンで構成されている。絶縁膜9aの上面並びにポリシリコン抵抗25の上面及び側面を覆うように絶縁膜9bが設けられている。絶縁膜9bの上面には金属配線層26a,26bが設けられている。金属配線層26aは、絶縁膜9a,9bに設けられた開口部(コンタクトホール)を介して、コンタクト領域5bとポリシリコン抵抗25の一端とを接続する。金属配線層26bは、絶縁膜9a,9bに設けられた開口部(コンタクトホール)を介して、コンタクト領域5cとポリシリコン抵抗25の他端とを接続する。
【0052】
図3Cは、図3Aに示した抵抗R11が拡散抵抗(拡散層)27である場合の、拡散抵抗27を含む領域の断面を示す。ウェル領域2の上部にはp型の拡散抵抗27が設けられている。拡散抵抗27の上部には、拡散抵抗27よりも高不純物濃度のp型のコンタクト領域28a,28bが互いに離間して設けられている。コンタクト領域28a,28bの間に挟まれた拡散抵抗27が抵抗体となる。ウェル領域2、コンタクト領域28a,28b、コンタクト領域5c、分離領域6、耐圧領域8及びコンタクト領域5bの上面には絶縁膜9aが設けられている。絶縁膜9aの上面には金属配線層29a,29bが設けられている。金属配線層29aは、絶縁膜9aに設けられた開口部(コンタクトホール)を介して、コンタクト領域5bとコンタクト領域28aとを接続する。金属配線層29bは、絶縁膜9aに設けられた開口部を介して、コンタクト領域5cとコンタクト領域28bとを接続する。
【0053】
図4に、第1実施形態の比較例に係る半導体装置の平面レイアウトを示し、図5に、図4のA-A´線で切断した断面を示す。図4及び図5に示すように、第1実施形態の比較例に係る半導体装置は、耐圧領域8にp型の分離領域6を有さない点が、図2及び図3に示した第1実施形態に係る半導体装置と異なる。耐圧領域8は環状の平面パターンを有する。耐圧領域8の上部には、環状のコンタクト領域5が設けられている。コンタクト領域5にはVB電位が印加される。
【0054】
第1実施形態の比較例に係る半導体装置では、ESD等によりVB電位やVS電位が急峻に持ち上がった時、VB電位やVS電位と同電位となる耐圧領域8の電位が持ち上がり、さらに変位電流が基体1に流れることで、耐圧領域8直下の基体1の電位(基板電位)が持ち上がる現象がある。特に、基体1の下面の電位(裏面電位)を固定しない場合には、基板電位の変動は顕著である。そして、ローサイド回路101が耐圧領域8に近いと、基板電位の変動が伝播し、寄生動作を誘発することで、ESD耐量等のノイズ耐量の低下を引き起こす可能性がある。
【0055】
これに対して、第1実施形態に係る半導体装置によれば、図2及び図3Aに示すように、耐圧領域8のうち、ローサイド回路101と対向する部分である対向部8aをVB電位やVS電位から分離し、VB電位やVS電位と抵抗R11,R12を介して接続されている状態とする。これにより、対向部8aは、VB電位やVS電位の急峻な持ち上がりに追従し難くなり、対向部8aの周辺の基板電位の持ち上がりを抑制することができる。よって、チップ面積を大きく増やすことなく、基板電位の変動を抑制することができ、ESD耐量等のノイズ耐量を向上させることができる。
【0056】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る半導体装置は、図6に示すように、SS方式によりレベルシフト素子20a,20bが設けられている点が、図2に示した第1実施形態に係る半導体装置と異なる。レベルシフト素子20a,20bは、図1に示したレベルシフト素子T1,T2に対応する。レベルシフト素子20a,20bは、n型の耐圧領域8と、p型の耐圧領域3で構成されるHVJT(3,8)の一部に一体的に形成されている。レベルシフト素子20a,20bは、HVJT(3,8)の平面パターンがなす矩形の対向する辺にそれぞれ設けられている。
【0057】
レベルシフト素子20aは、n型のソース領域21a、ゲート電極22a及びn型のドレイン領域23aを備える。ソース領域21a、ゲート電極22a及びドレイン領域23aは、互いに平行に延伸する直線状の平面パターンを有する。ソース領域21aとドレイン領域23aに挟まれる耐圧領域8の一部が、レベルシフト素子20aのドリフト領域を構成する。ドレイン領域23aには、レベルシフト抵抗R1を介してコンタクト領域5aのVB電位が接続されている。ドレイン領域23aには、ダイオードD1を介してp型のウェル領域7のVS電位が接続されている。
【0058】
図6のレベルシフト素子20aを通過するB-B´線で切断した断面を図7に示す。図7に示すように、レベルシフト素子20aは、p型の分離領域6aによりn型のウェル領域2と分離されている。レベルシフト素子20aのドリフト領域として機能する耐圧領域8の上部にドレイン領域23aが設けられている。レベルシフト素子20aのドリフト領域として機能する耐圧領域8に接するp型の耐圧領域3が、レベルシフト素子20aのベース領域として機能する。耐圧領域3の上部には、ソース領域21a及びコンタクト領域4が設けられている。ソース領域21aと耐圧領域8に挟まれた耐圧領域3の上方には、ゲート絶縁膜(不図示)を介してゲート電極22aが設けられている。
【0059】
図6に示したレベルシフト素子20bは、レベルシフト素子20aと同様の構成を有する。レベルシフト素子20bは、n型のソース領域21b、ゲート電極22b及びn型のドレイン領域23bを備える。ソース領域21b、ゲート電極22b及びドレイン領域23bは、互いに平行に延伸する直線状の平面パターンを有する。ソース領域21bとドレイン領域23bに挟まれる耐圧領域8の一部が、レベルシフト素子20bのドリフト領域を構成する。ドレイン領域23bには、レベルシフト抵抗R2を介してコンタクト領域5bのVB電位が接続されている。ドレイン領域23bには、ダイオードD2を介してp型のウェル領域7のVS電位が接続されている。
【0060】
第2実施形態に係る半導体装置では、図6に示すように、ハイサイド回路102の周囲を囲むようにp型の分離領域(スリット領域)6a~6cが設けられている。分離領域6a~6cの全体は、上側に開口部を有する略U字状の平面パターンを有する。
【0061】
分離領域6aは、ウェル領域2とレベルシフト素子20aの間に設けられ、直線状の平面パターンを有する。分離領域6aは、レベルシフト素子20aをウェル領域2から分離する。分離領域6bは、ウェル領域2とレベルシフト素子20bの間に設けられ、直線状の平面パターンを有する。分離領域6bは、レベルシフト素子20bをウェル領域2から分離する。
【0062】
分離領域6cは、上側に開口部を有する略Ω字状の平面パターンを有する。分離領域6cの両端は、耐圧領域3に接している。分離領域6cの平面パターンがなす段差部には、分離領域6a,6bのそれぞれの一端が接している。分離領域6cは、耐圧領域8のローサイド回路101と対向する部分(対向部)8aを、ウェル領域2から電気的に分離する。
【0063】
対向部8aは、上側に開口部を有する略U字状の平面パターンを有する。対向部8aの上部には、n型のコンタクト領域5bが設けられている。コンタクト領域5aとは異なり、コンタクト領域5bにはVB電位が印加されない。コンタクト領域5bには、抵抗R11,R12を介してコンタクト領域5aのVB電位が接続されている。抵抗R11,R12は、例えば基体1の上方に設けられたポリシリコン抵抗で構成されている。図6のA-A´線で切断した断面は、図3Aに示した第1実施形態に係る半導体装置の断面と同様である。なお、図6のA-A´線で切断した断面では、図3Aに示した第1実施形態に係る半導体装置の断面の分離領域6が分離領域6cとなる。第2実施形態に係る半導体装置の他の構成は、第1実施形態に係る半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0064】
図8は、第2実施形態の比較例に係る半導体装置の平面レイアウトを示す。図8に示すように、第2実施形態の比較例に係る半導体装置は、ハイサイド回路102の周囲を囲み、下側に開口部を有するU字状の平面パターンを有するp型の分離領域6を有する点と、VB電位が印加されるコンタクト領域5aがローサイド回路101側に設けられている点が、図6に示した第2実施形態に係る半導体装置と異なる。分離領域6は、ハイサイド回路102とレベルシフト素子20a,20bとを分離する。耐圧領域8は、略環状の平面パターンを有する。耐圧領域8のローサイド回路101側の領域はウェル領域2と電気的に分離されていない。
【0065】
第2実施形態の比較例に係る半導体装置では、耐圧領域8のローサイド回路101と対向する部分の電位がVB電位やVS電位に追従して持ち上がり易い。ESD等によりVB電位やVS電位が急峻に持ち上がった時、VB電位やVS電位と同電位となる耐圧領域8の電位が持ち上がり、さらに変位電流が流れることで、耐圧領域8直下の基体1の電位(基板電位)が持ち上がる現象がある。そして、ローサイド回路101が耐圧領域8に近いと、基板電位の変動が伝播し、寄生動作を誘発することで、ESD耐量等のノイズ耐量の低下を引き起こす可能性がある。
【0066】
これに対して、第2実施形態に係る半導体装置によれば、図6に示すように、耐圧領域8のうち、ローサイド回路101と対向する部分である対向部8aをVB電位やVS電位から分離し、VB電位やVS電位と抵抗R11,R12を介して接続されている状態とする。これにより、対向部8aは、VB電位やVS電位の急峻な持ち上がりに追従し難くなり、対向部8aの周辺の基板電位の持ち上がりを抑制することができる。よって、チップ面積を大きく増やすことなく、基板電位の変動を抑制することができ、ESD耐量等のノイズ耐量を向上させることができる。
【0067】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る半導体装置は、図9に示すように、SS方式のレベルシフト素子20a,20bの周囲がp型の分離領域(スリット領域)6a,6bにより囲われている点が、図6に示した第2実施形態に係る半導体装置と異なる。
【0068】
分離領域6aは、略U字状の平面パターンを有し、レベルシフト素子20aの周囲を囲む。分離領域6aの両端は耐圧領域3に接している。分離領域6aがレベルシフト素子20aの周囲を囲むことにより、レベルシフト素子20aのドレイン領域23aのDr電位を、コンタクト領域5aのVB電位から電気的に分離すると共に、レベルシフト素子20aのドリフト領域24aを耐圧領域8から電気的に分離する。
【0069】
分離領域6bは、略U字状の平面パターンを有し、レベルシフト素子20bの周囲を囲む。分離領域6bの両端は耐圧領域3に接している。分離領域6bがレベルシフト素子20bの周囲を囲むことにより、レベルシフト素子20bのドレイン領域23bのDr電位を、コンタクト領域5aのVB電位から電気的に分離すると共に、レベルシフト素子20bのドリフト領域24bを耐圧領域8から電気的に分離する。
【0070】
レベルシフト素子20aのドレイン領域23aには、ポリシリコン抵抗等からなるレベルシフト抵抗R1を介してコンタクト領域5aが接続されている。レベルシフト素子20aのドレイン領域23aには、ダイオードD1を介してp型のウェル領域7のVS電位が接続されている。
【0071】
レベルシフト素子20bのドレイン領域23bには、ポリシリコン抵抗等からなるレベルシフト抵抗R2を介してコンタクト領域5aが接続されている。レベルシフト素子20bのドレイン領域23bには、ダイオードD2を介してp型のウェル領域7のVS電位が接続されている。
【0072】
分離領域6cは、ハイサイド回路102の周囲を囲むように上側に開口部を有する略U字状の平面パターンを有する。分離領域6cの一端は分離領域6aに接し、分離領域6cの他端は分離領域6bに接している。分離領域6a~6cにより、耐圧領域8のローサイド回路101と対向する部分(対向部)8aをウェル領域2から分離する。
【0073】
対向部8aは、ハイサイド回路102の周囲を囲むように上側に開口部を有する略U字状の平面パターンを有する。対向部8aの上部にはコンタクト領域5bが設けられている。コンタクト領域5aと異なり、コンタクト領域5bにはVB電位が印加されない。コンタクト領域5bには、抵抗R11,R12を介してコンタクト領域5aが接続されている。第3実施形態に係る半導体装置の他の構成は、第2実施形態に係る半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0074】
図10は、第3実施形態の比較例に係る半導体装置の平面レイアウトを示す。図10に示すように、第3実施形態の比較例に係る半導体装置は、p型の分離領域6c及び抵抗R11,R12を有さない点と、コンタクト領域5bにもVB電位が印加される点が、図9に示した第3実施形態に係る半導体装置と異なる。
【0075】
第3実施形態の比較例に係る半導体装置では、耐圧領域8のローサイド回路101と対向する部分の電位がVB電位やVS電位に追従して持ち上がり易い。ESD等によりVB電位やVS電位が急峻に持ち上がった時、VB電位やVS電位と同電位となる耐圧領域8の電位が持ち上がり、さらに変位電流が流れることで、耐圧領域8直下の基体1の電位(基板電位)が持ち上がる現象がある。そして、ローサイド回路101が耐圧領域8に近いと、基板電位の変動が伝播し、寄生動作を誘発することで、ESD耐量等のノイズ耐量の低下を引き起こす可能性がある。
【0076】
これに対して、第3実施形態に係る半導体装置によれば、図9に示すように、耐圧領域8のうち、ローサイド回路101と対向する部分である対向部8aをVB電位やVS電位から分離し、VB電位やVS電位と抵抗R11,R12を介して接続されている状態とする。これにより、対向部8aは、VB電位やVS電位の急峻な持ち上がりに追従し難くなり、対向部8aの周辺の基板電位の持ち上がりを抑制することができる。よって、チップ面積を大きく増やすことなく、基板電位の変動を抑制することができ、ESD耐量等のノイズ耐量を向上させることができる。
【0077】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る半導体装置は、図11Aに示すように、p型の分離領域6cが、p型の分離領域6a,6bと接しておらず、抵抗R11,R12を拡散抵抗で構成する点が、図9に示した第3実施形態に係る半導体装置と異なる。
【0078】
第4実施形態に係る半導体装置では、分離領域6cは、ハイサイド回路102の周囲を囲むように上側に開口部を有する略U字状の平面パターンを有する。分離領域6cの両端は、分離領域6a,6bに接しておらず、分離領域6a,6bから所定の間隔だけ離間する。
【0079】
対向部8aの上部に設けられたコンタクト領域5bは、ウェル領域2と抵抗R11,R12により電気的に接続されている。抵抗R11,R12は、ウェル領域2の拡散抵抗で構成されている。
【0080】
図11Bは、図11Aに示した抵抗R11を含む領域の断面を示す。ウェル領域2の上部には、ウェル領域2よりも高不純物濃度のn型のコンタクト領域5cが設けられている。ウェル領域2に接してn型の耐圧領域8が設けられている。耐圧領域8の上部には、耐圧領域8よりも高不純物濃度のn型のコンタクト領域5bが設けられている。コンタクト領域5bとコンタクト領域5cの間に挟まれたウェル領域2及び耐圧領域8が抵抗R11を構成する。第4実施形態に係る半導体装置の他の構成は、第3実施形態に係る半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0081】
第4実施形態に係る半導体装置によれば、p型の分離領域6cが、p型の分離領域6a,6bと接しておらず、抵抗R11,R12を拡散抵抗で構成している。このような場合でも、対向部8aは、VB電位やVS電位の急峻な持ち上がりに追従し難くなり、対向部8aの周辺の基板電位の持ち上がりを抑制することができる。よって、チップ面積を大きく増やすことなく、基板電位の変動を抑制することができ、ESD耐量等のノイズ耐量を向上させることができる。
【0082】
(第5実施形態)
第5実施形態に係る半導体装置は、図12に示すように、SS方式のレベルシフト素子20a,20bが、HVJT(3,8)の平面パターンがなす矩形の4つの辺のうち、ローサイド回路101に対向する辺に配置されている点が、図9に示した第3実施形態に係る半導体装置と異なる。
【0083】
レベルシフト素子20a,20bの幅W2は、ローサイド回路101の幅W1よりも狭い。レベルシフト素子20a,20bの周囲を囲むようにp型の分離領域(スリット領域)6a,6bが設けられている。分離領域6a,6bは互いに接している。図12では、レベルシフト素子20a,20bの間に2本の分離領域6a,6bが設けられた場合を例示するが、共通の1本の分離領域が設けられていてもよい。また、分離領域6a,6bが互いに離間している場合には、分離領域6a,6bを接続するp型の分離領域を更に備えていてもよい。
【0084】
ウェル領域2の上部には、n型のコンタクト領域(ピックアップ領域)5aが設けられている。コンタクト領域5aは、ハイサイド回路102の周囲を囲むように下側に開口部を有する略U字状の平面パターンを有する。コンタクト領域5aにはVB電位が印加される。
【0085】
レベルシフト素子20aのドリフト領域24aは、耐圧領域8の一部で構成されている。レベルシフト素子20aのドレイン領域23aには、ポリシリコン抵抗等からなる抵抗R11を介してコンタクト領域5aのVB電位が接続されている。レベルシフト素子20aのドレイン領域23aと、p型のウェル領域7のVS電位との間にはダイオードが接続されていない。
【0086】
レベルシフト素子20bのドリフト領域24bは、耐圧領域8の一部で構成されている。レベルシフト素子20bのドレイン領域23bには、ポリシリコン抵抗等からなる抵抗R12を介してコンタクト領域5aのVB電位が接続されている。レベルシフト素子20bのドレイン領域23bと、p型のウェル領域7のVS電位との間にはダイオードが接続されていない。
【0087】
第5実施形態に係る半導体装置では、レベルシフト素子20a,20bの周囲を囲む分離領域6a,6bが、耐圧領域8から、レベルシフト素子20a,20bのドリフト領域24a,24bを分離している。即ち、ドリフト領域24a,24bが、耐圧領域8のうちのローサイド回路101と対向し、ウェル領域2から分離された対向部となる。ドリフト領域24a,24bは、耐圧領域8のローサイド回路101と対向する部分のうちの少なくとも中央部に対応する。第5実施形態に係る半導体装置の他の構成は、図9に示した第3実施形態に係る半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0088】
図13は、第5実施形態の比較例に係る半導体装置の平面レイアウトを示す。図13に示すように、第5実施形態の比較例に係る半導体装置は、レベルシフト素子20a,20bのドレイン領域23a,23bとp型のウェル領域7との間にダイオードD1,D2が接続されている点が、図12に示した第5実施形態に係る半導体装置と異なる。ダイオードD1,D2は、レベルシフト素子20a,20bのドレイン領域23a,23bのDr電位の過剰な低下を防止する機能を有する。
【0089】
しかし、第5実施形態の比較例に係る半導体装置では、レベルシフト素子20a,20bのドレイン領域23a,23bとp型のウェル領域7との間にダイオードD1,D2が接続されているため、ドレイン領域23a,23bのDr電位は、ウェル領域7に印加されるVS電位に追従して持ち上がり易い。ESD等によりVS電位が急峻に持ち上がった時、ドリフト領域24a,24bの電位が持ち上がり、さらに変位電流が流れることで、ドリフト領域24a,24b直下の基体1の電位(基板電位)が持ち上がり、基板電位の変動が伝播し、寄生動作を誘発することで、ESD耐量等のノイズ耐量の低下を引き起こす可能性がある。
【0090】
これに対して、第5実施形態に係る半導体装置によれば、図12に示すように、耐圧領域8の一部であるレベルシフト素子20a,20bのドリフト領域24a,24bがローサイド回路101に対向する構造において、レベルシフト素子20a,20bのドレイン領域23a,23bは、p型のウェル領域7のVS電位とはダイオードを介して接続されていない。これにより、ドレイン領域23a,23bのDr電位は、コンタクト領域5aのVB電位にのみ抵抗R11,R12を介して接続された状態となる。よって、ドリフト領域24a,24bは、VB電位やVS電位の急峻な持ち上がりに追従し難くなり、ドリフト領域24a,24bの周辺の基板電位の持ち上がりを抑制することができる。よって、チップ面積を大きく増やすことなく、基板電位の変動を抑制することができ、ESD耐量等のノイズ耐量を向上させることができる。
【0091】
(第6実施形態)
第6実施形態に係る半導体装置は、図14に示すように、ローサイド回路101の幅W1が、ローサイド回路101と対向するレベルシフト素子20a,20bの幅W2よりも狭い点が、図12に示した第5実施形態に係る半導体装置と異なる。
【0092】
図14では、ローサイド回路101の幅W1が、レベルシフト素子20a,20bの幅W2よりも狭い場合を例示するが、ローサイド回路101の幅W1が、レベルシフト素子20a,20bの幅W2と一致していてもよい。第6実施形態に係る半導体装置では、レベルシフト素子20a,20bのドリフト領域24a,24bが、耐圧領域8のうちのローサイド回路101と対向する対向部となる。第6実施形態に係る半導体装置の他の構成は、第5実施形態に係る半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0093】
第6実施形態に係る半導体装置によれば、ローサイド回路101の幅W1を、ローサイド回路101と対向するレベルシフト素子20a,20bの幅W2以下とする。これにより、耐圧領域8のうち、ローサイド回路101と対向するすべての領域をVB電位やVS電位から分離し、VB電位やVS電位と抵抗R11,R12を介して接続されている状態とする。これにより、対向部8aは、VB電位やVS電位の急峻な持ち上がりに追従し難くなり、対向部8aの周辺の基板電位の持ち上がりを抑制することができる。よって、チップ面積を大きく増やすことなく、基板電位の変動を抑制することができ、ESD耐量等のノイズ耐量を向上させることができる。
【0094】
(第7実施形態)
第7実施形態に係る半導体装置は、図15に示すように、基体1が、p型の半導体基板1aと、半導体基板1a上に設けられたp型のエピタキシャル層1bとで構成されている点が、図3Aに示した第1実施形態に係る半導体装置と異なる。
【0095】
更に、第7実施形態に係る半導体装置は、ウェル領域2の下面に接して、ウェル領域2よりも高不純物濃度のn型の埋込層13が設けられている点が、図3Aに示した第1実施形態に係る半導体装置と異なる。埋込層13は、ウェル領域2の下面に沿って水平方向に一様に設けられている。埋込層13は、ウェル領域2の内部回路で形成される深さ方向のpnpバイポーラトランジスタの動作を抑制する機能を有する。第7実施形態に係る半導体装置の他の構成は、第1実施形態に係る半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0096】
第7実施形態に係る半導体装置によれば、第1実施形態に係る半導体装置と同様に、耐圧領域8のうち、ローサイド回路101と対向する部分である対向部8aをVB電位やVS電位から分離し、VB電位やVS電位と抵抗R11,R12を介して接続されている状態とする。これにより、対向部8aは、VB電位やVS電位の急峻な持ち上がりに追従し難くなり、対向部8aの周辺の基板電位の持ち上がりを抑制することができる。よって、チップ面積を大きく増やすことなく、基板電位の変動を抑制することができ、ESD耐量等のノイズ耐量を向上させることができる。
【0097】
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は第1~第7実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0098】
例えば、第1~第7実施形態に係る半導体装置として1相分のハイサイド回路102を有する構成を例示したが、これに限定されず、例えば3相分のハイサイド回路を有する構成であってもよい。3相分のハイサイド回路を有する構成である場合には、3相分のハイサイド回路のそれぞれにおいて、p型の分離領域により、n型の耐圧領域のうちのローサイド回路と対向する部分である対向部をVB電位やVS電位から分離してよい。
【0099】
また、第1~第7実施形態がそれぞれ開示する構成を、矛盾の生じない範囲で適宜組み合わせることができる。このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0100】
1…基体(半導体チップ)
1a…半導体基板
1b…エピタキシャル層
2…ウェル領域
3…耐圧領域
4,5,5a,5b…コンタクト領域(ピックアップ領域)
6,6a,6b,6c…分離領域(スリット領域)
7…ウェル領域
7a…コンタクト領域
8…耐圧領域
8a…対向部
9a,9b…絶縁膜
10a,10b…レベルシフト素子
11a,11b…ベース領域
12a,12b…ソース領域
13a,13b…ゲート電極
13…埋込層
14a,14b…ドリフト領域
15a,15b…ドレイン領域
16a,16b…ドレイン電極
17a,17b…ボンディングワイヤ
18a,18b…パッド
20a,20b…レベルシフト素子
21a,21b…ソース領域
22a,22b…ゲート電極
23a,23b…ドレイン領域
24a,24b…ドリフト領域
25…ポリシリコン抵抗
26a,26b…金属配線層
27…拡散抵抗
28a,28b…コンタクト領域
29a,29b…金属配線層
100…HVIC
101…ローサイド回路(ローサイド回路領域)
102…ハイサイド回路(ハイサイド回路領域)
103,104…電源
105…接続点
107…耐圧保持領域
200…電力変換部
D0,D1,D2…ダイオード
R1,R2…レベルシフト抵抗
R11,R12…抵抗
T1,T2…レベルシフト素子(レベルシフタ)
T3…高電位側スイッチング素子
T4…低圧側スイッチング素子
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の一態様は、第1導電型の基体と、基体に設けられ、ハイサイド回路が形成される第2導電型の第1ウェル領域と、第1ウェル領域の周囲に設けられ、第1ウェル領域よりも低不純物濃度の第2導電型の第1耐圧領域と、第1ウェル領域又は第1耐圧領域に設けられ、第1ウェル領域よりも高不純物濃度の第2導電型のコンタクト領域と、第1耐圧領域の外周側に、第1耐圧領域に接して設けられた第導電型の第2耐圧領域と、第1耐圧領域のうち、第2耐圧領域の外周側に形成されるローサイド回路に対向する部分である対向部を、第1ウェル領域から電気的に分離する第1導電型の第1分離領域と、ローサイド回路とハイサイド回路との間で信号伝達を行うレベルシフタと、を備える半導体装置であることを要旨とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
図1】第1実施形態に係る半導体装置の回路図である。
図2】第1実施形態に係る半導体装置の平面図である。
図3A図2のA-A´線で切断した断面図である。
図3B】第1実施形態に係る抵抗がポリシリコン抵抗である場合の抵抗を含む領域の断面図である。
図3C】第1実施形態に係る抵抗が拡散抵抗である場合の抵抗を含む領域の断面図である。
図4】第1実施形態の比較例に係る半導体装置の平面図である。
図5図4のA-A´線で切断した断面図である。
図6】第2実施形態に係る半導体装置の平面図である。
図7図6のB-B´線で切断した断面図である。
図8】第2実施形態の比較例に係る半導体装置の平面図である。
図9】第3実施形態に係る半導体装置の平面図である。
図10】第3実施形態の比較例に係る半導体装置の平面図である。
図11A】第4実施形態に係る半導体装置の平面図である。
図11B】第4実施形態に係る抵抗を含む領域の断面図である。
図12】第5実施形態に係る半導体装置の平面図である。
図13】第5実施形態の比較例に係る半導体装置の平面図である。
図14】第6実施形態に係る半導体装置の平面図である。
図15】第7実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
レベルシフト抵抗R1,R2の他端と高電位側電源104の正極側のVB電位には、耐圧接合終端(HVJT)と呼ばれる高耐圧のダイオードD0のカソードが接続されている。ダイオードD0のアノードにはGND電位が接続されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
耐圧領域8と耐圧領域3のpn接合から広がる空乏層を主に耐圧領域8の耐圧保持領域107に広げることにより耐圧を保持する。耐圧保持領域107は、耐圧領域8と耐圧領域3のpn接合とコンタクト領域5a,5bとの間である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0093】
第6実施形態に係る半導体装置によれば、ローサイド回路101の幅W1を、ローサイド回路101と対向するレベルシフト素子20a,20bの幅W2以下とする。これにより、耐圧領域8のうち、ローサイド回路101と対向するすべての領域をVB電位やVS電位から分離し、VB電位やVS電位と抵抗R11,R12を介して接続されている状態とする。これにより、対向部、VB電位やVS電位の急峻な持ち上がりに追従し難くなり、対向部周辺の基板電位の持ち上がりを抑制することができる。よって、チップ面積を大きく増やすことなく、基板電位の変動を抑制することができ、ESD耐量等のノイズ耐量を向上させることができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
第1導電型の基体と、
前記基体に設けられ、ハイサイド回路が形成される第2導電型の第1ウェル領域と、
前記第1ウェル領域の周囲に設けられ、前記第1ウェル領域よりも低不純物濃度の第2導電型の第1耐圧領域と、
前記第1ウェル領域又は前記第1耐圧領域の上部に設けられ、前記第1ウェル領域よりも高不純物濃度の第2導電型のコンタクト領域と、
前記第1耐圧領域の外周側に、前記第1耐圧領域に接して設けられた第導電型の第2耐圧領域と、
前記第1耐圧領域のうち、前記第2耐圧領域の外周側に形成されるローサイド回路に対向する部分である対向部を、前記第1ウェル領域から電気的に分離する第1導電型の第1分離領域と、
前記ローサイド回路と前記ハイサイド回路との間で信号伝達を行うレベルシフタと、
を備える、半導体装置。