(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108886
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】配線基板及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20240805BHJP
H01L 25/04 20230101ALI20240805BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20240805BHJP
H05K 3/28 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
H01L23/12 Q
H01L23/12 N
H01L25/04 Z
H05K3/46 G
H05K3/46 Q
H05K3/28 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013511
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 基司
【テーマコード(参考)】
5E314
5E316
【Fターム(参考)】
5E314BB03
5E314GG26
5E316AA02
5E316AA42
5E316CC04
5E316CC09
5E316CC32
5E316FF07
5E316HH40
5E316JJ02
(57)【要約】
【課題】長寿命な配線基板及び半導体装置を提供する。
【解決手段】一の実施形態に係る配線基板は、積層方向に交互に積層された複数の配線層及び複数の絶縁層を備える。複数の配線層は、配線基板の積層方向の一方側の面に1番目に近い第1配線層と、この面に2番目に近い第2配線層と、を備える。上記面から第1配線層までの距離は、第1配線層から第2配線層までの距離よりも大きい。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層方向に交互に積層された複数の配線層及び複数の絶縁層を備える配線基板であって、
前記複数の配線層は、
前記配線基板の前記積層方向の一方側の面に1番目に近い第1配線層と、
前記一方側の面に2番目に近い第2配線層と
を備え、
前記一方側の面から前記第1配線層までの前記積層方向の距離が、前記第1配線層から前記第2配線層までの前記積層方向の距離よりも大きい
配線基板。
【請求項2】
前記複数の配線層及び前記複数の絶縁層に対して前記積層方向の前記一方側に設けられたソルダーレジストを更に備え、
前記ソルダーレジストのガラス転移温度は、110℃より大きい
請求項1記載の配線基板。
【請求項3】
前記ソルダーレジストに対して前記積層方向の前記一方側に設けられた防水コートを更に備え、
前記防水コートは、前記一方側の面を備える
請求項2記載の配線基板。
【請求項4】
前記複数の配線層は、
前記配線基板の前記積層方向の他方側の面に1番目に近い第3配線層と、
前記他方側の面に2番目に近い第4配線層と
を更に備え、
前記他方側の面から前記第3配線層までの前記積層方向の距離が、前記第3配線層から前記第4配線層までの前記積層方向の距離よりも大きい
請求項1記載の配線基板。
【請求項5】
前記複数の配線層及び前記複数の絶縁層に対して前記積層方向の前記一方側及び前記他方側に設けられたソルダーレジストを更に備え、
前記ソルダーレジストのガラス転移温度は、110℃より大きい
請求項4記載の配線基板。
【請求項6】
前記複数の配線層、前記複数の絶縁層、及び、前記ソルダーレジストに対して前記積層方向の前記一方側及び前記他方側に設けられた防水コートを更に備え、
前記複数の配線層、前記複数の絶縁層、及び、前記ソルダーレジストに対して前記積層方向の前記一方側に設けられた防水コートは、前記一方側の面を備え、
前記複数の配線層、前記複数の絶縁層、及び、前記ソルダーレジストに対して前記積層方向の前記他方側に設けられた防水コートは、前記他方側の面を備える
請求項5記載の配線基板。
【請求項7】
前記複数の配線層及び前記複数の絶縁層に対して前記積層方向の一方側から他方側にかけて前記積層方向に延伸し、前記積層方向と交差する第1方向、並びに、前記積層方向及び前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ複数の導電性の貫通部材を更に備え、
前記複数の貫通部材は、それぞれ、前記積層方向の一方側及び他方側の少なくとも一方の端部に設けられたランドを備え、
前記第1方向又は前記第2方向に隣り合う2つの前記ランドの間の距離は、0.2mm以上である
請求項1記載の配線基板。
【請求項8】
前記複数の配線層及び前記複数の絶縁層に対して前記積層方向の一方側から他方側にかけて前記積層方向に延伸し、前記積層方向と交差する第1方向、並びに、前記積層方向及び前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ複数の導電性の貫通部材を更に備え、
前記複数の配線層のうちの一つは、第1配線を含み、
前記第1配線は複数の空洞部を含み、
前記複数の空洞部の一部には、前記複数の貫通部材のいずれかが設けられ、
前記複数の空洞部の他の一部には、前記積層方向から見て、前記複数の貫通部材のいずれも設けられていない
請求項1記載の配線基板。
【請求項9】
積層方向に交互に積層された複数の配線層及び複数の絶縁層と、
前記複数の配線層及び前記複数の絶縁層に対して前記積層方向の一方側から他方側にかけて前記積層方向に延伸し、前記積層方向と交差する第1方向、並びに、前記積層方向及び前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ複数の導電性の貫通部材と
を備える配線基板であって、
前記複数の貫通部材は、それぞれ、前記積層方向の一方側及び他方側の少なくとも一方の端部に設けられたランドを備え、
前記第1方向又は前記第2方向に隣り合う2つの前記ランドの間の距離は、0.2mm以上である
配線基板。
【請求項10】
前記複数の配線層及び前記複数の絶縁層に対して前記積層方向の一方側に設けられたソルダーレジストを更に備え、
前記ソルダーレジストのガラス転移温度は、110℃より大きい
請求項9記載の配線基板。
【請求項11】
前記複数の配線層のうちの一つは、第1配線を含み、
前記第1配線は複数の空洞部を含み、
前記複数の空洞部の一部には、前記複数の貫通部材のいずれかが設けられ、
前記複数の空洞部の他の一部には、前記積層方向から見て、前記複数の貫通部材のいずれも設けられていない
請求項9記載の配線基板。
【請求項12】
配線基板と、
前記配線基板に搭載された半導体チップと
を備え、
前記配線基板は、
積層方向に交互に積層された複数の配線層及び複数の絶縁層と、
前記複数の配線層及び前記複数の絶縁層に対して前記積層方向の一方側から他方側にかけて前記積層方向に延伸し、前記積層方向と交差する第1方向、並びに、前記積層方向及び前記第1方向と交差する第2方向に延伸する複数の導電性の貫通部材と
を備え、
前記複数の配線層は、
前記配線基板の前記積層方向の一方側の面に1番目に近い第1配線層と、
前記一方側の面に2番目に近い第2配線層と
を備え、
前記一方側の面から前記第1配線層までの前記積層方向の距離が、前記第1配線層から前記第2配線層までの前記積層方向の距離よりも大きく、
前記複数の貫通部材は、それぞれ、前記積層方向の一方側及び他方側の少なくとも一方に設けられたランドを備え、
前記第1方向又は前記第2方向に隣り合う2つの前記ランドの間の距離は、0.2mm以上である
半導体装置。
【請求項13】
前記配線基板は、前記複数の配線層及び前記複数の絶縁層に対して前記積層方向の一方側に設けられたソルダーレジストを更に備え、
前記ソルダーレジストのガラス転移温度は、110℃より大きい
請求項12記載の半導体装置。
【請求項14】
前記ソルダーレジストに対して前記積層方向の一方側に設けられた防水コートを備え、
前記防水コートは、前記一方側の面を備える
請求項13記載の半導体装置。
【請求項15】
前記複数の配線層は、
前記配線基板の前記積層方向の他方側の面に1番目に近い第3配線層と、
前記他方側の面に2番目に近い第4配線層と
を更に備え、
前記他方側の面から前記第3配線層までの前記積層方向の距離が、前記第3配線層から前記第4配線層までの前記積層方向の距離よりも大きい
請求項12記載の半導体装置。
【請求項16】
前記複数の配線層及び前記複数の絶縁層に対して前記積層方向の前記一方側及び前記他方側に設けられたソルダーレジストを更に備え、
前記ソルダーレジストのガラス転移温度は、110℃より大きい
請求項15記載の半導体装置。
【請求項17】
前記複数の配線層、前記複数の絶縁層、及び、前記ソルダーレジストに対して前記積層方向の前記一方側及び前記他方側に設けられた防水コートを更に備え、
前記複数の配線層、前記複数の絶縁層、及び、前記ソルダーレジストに対して前記積層方向の前記一方側に設けられた防水コートは、前記一方側の面を備え、
前記複数の配線層、前記複数の絶縁層、及び、前記ソルダーレジストに対して前記積層方向の前記他方側に設けられた防水コートは、前記他方側の面を備える
請求項16記載の半導体装置。
【請求項18】
前記複数の配線層のうちの一つは、第1配線を含み、
前記第1配線は複数の空洞部を含み、
前記複数の空洞部の一部には、前記複数の貫通部材のいずれかが設けられ、
前記複数の空洞部の他の一部には、前記積層方向から見て、前記複数の貫通部材のいずれも設けられていない
請求項12記載の半導体装置。
【請求項19】
前記半導体チップは、NANDフラッシュメモリを含む
請求項12記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、配線基板及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
積層方向に交互に積層された複数の配線層及び複数の絶縁層を備える配線基板が知られている。この様な配線基板は、種々の用途で利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5158179号明細書
【特許文献2】特開2004-311527号公報
【特許文献3】特開2002-43723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
長寿命な配線基板及び半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る配線基板は、積層方向に交互に積層された複数の配線層及び複数の絶縁層を備える。複数の配線層は、配線基板の積層方向の一方側の面に1番目に近い第1配線層と、この面に2番目に近い第2配線層と、を備える。上記面から第1配線層までの距離は、第1配線層から第2配線層までの距離よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】半導体デバイス10の構成を示す模式的な斜視図である。
【
図2】半導体デバイス10の裏面12を示す模式的な下面図である。
【
図3】テストボード100の構成を示す模式的な平面図である。
【
図4】テストボード100の構成を示す模式的な斜視図である。
【
図5】テストボード100の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
【
図6】配線基板101の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図7】配線基板201の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図8】第1のサンプルの一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図9】第1のサンプルの一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図10】第1のサンプルの一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図11】第1のサンプルの一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図12】第1のサンプルの一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図18】複数の配線層112の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図19】第2実施形態に係るテストボードの一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図20】第3実施形態に係る半導体記憶装置400の構成を示す模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態に係る配線基板は、種々の用途で利用される。以下の例では、実施形態に係る配線基板を、テストボードに利用する例について説明する。テストボードは、半導体デバイスのテストに用いられる。
【0008】
[半導体デバイス10]
次に、実施形態に係るテストボードによってテストされる半導体デバイス10を例示する。
図1は、半導体デバイス10の構成を示す模式的な斜視図である。
図2は、半導体デバイス10の裏面12を示す模式的な下面図である。
【0009】
半導体デバイス10は、例えば、eMMC(embedded Multimedia Card)であっても良いし、UFS(Universal Flash Storage)であっても良い。尚、
図1及び
図2には、eMMC又はUFSを例示しているが、本明細書で言うところの「半導体デバイス」は、eMMC及びUFSに限られない。
【0010】
図1には、半導体デバイス10の表面11を例示している。
図2には、半導体デバイス10の裏面12を例示している。半導体デバイス10の裏面12には、複数の端子13が設けられている。複数の端子13は、0.5mm程度のピッチで、X方向及びY方向に並んでいる。これら複数の端子13の一部は、半導体デバイス10内部の回路に電源電圧V
CCを供給する、電圧供給用の端子として機能する。また、これら複数の端子13の一部は、半導体デバイス10内部の回路に接地電圧V
SSを供給する、電圧供給用の端子として機能する。また、これら複数の端子13の一部は、半導体デバイス10内部の回路にデータ信号を供給する、信号供給用の端子として機能する。また、これら複数の端子13の一部は、半導体デバイス10内部の回路に制御信号を供給する、信号供給用の端子として機能する。また、これら複数の端子13の一部には、機能が割り当てられていない。
【0011】
[第1実施形態に係るテストボード100]
図3は、第1実施形態に係るテストボード100の構成を示す模式的な平面図である。
図4は、テストボード100の構成を示す模式的な斜視図である。
図5は、テストボード100の一部の構成を示す模式的な斜視図であり、
図4の一部を拡大して示している。
【0012】
図3及び
図4に示す様に、テストボード100は、配線基板101と、配線基板101に搭載された複数のソケット102と、を備える。また、
図5に示す様に、テストボード100は、ソケット102に設けられた複数のコネクタピン103を備える。また、
図3に示す様に、テストボード100は、これら複数のコネクタピン103に電源電圧V
CC又は接地電圧V
SSを供給可能な2つの外部端子104と、複数のコネクタピン103及び外部端子104の間の電流経路に設けられたジャンパブロック105と、を備える。
【0013】
ソケット102は、
図1及び
図2を参照して説明した様な半導体デバイス10を装着可能に構成されている。テストボード100の使用に際しては、例えば
図5に示す様に、半導体デバイス10の裏面12がソケット102側となる様に、半導体デバイス10をソケット102に装着する。
【0014】
コネクタピン103(
図5)は、それぞれ、配線基板101に設けられた複数の配線に電気的に接続されている。コネクタピン103は、例えば
図5に例示する様に、半導体デバイス10の裏面12に設けられた複数の端子13(
図2)の少なくとも一部に対応するパターンで、ソケット102に設けられている。従って、例えば
図5に示す様に半導体デバイス10をソケット102に装着すると、半導体デバイス10の裏面12に設けられた複数の端子13(
図2)の少なくとも一部が、それぞれ、ソケット102に設けられた複数のコネクタピン103と接触する。
【0015】
外部端子104(
図3)は、それぞれ、配線基板101に設けられた配線及びジャンパブロック105を介して、コネクタピン103(
図5)に電気的に接続可能に構成されている。尚、図示の例では、電源電圧V
CCが供給される外部端子104を、外部端子104(V
CC)として示している。また、接地電圧V
SSが供給される外部端子104を、外部端子104(V
SS)として示している。
【0016】
ジャンパブロック105は、複数のコネクタピン103に対応して設けられた複数のジャンパスイッチを備える。例えば、
図5に例示する様に、1つのソケット102に対応して93個のコネクタピン103が設けられる場合、ジャンパブロック105には、少なくとも93個のジャンパスイッチが設けられる。ジャンパスイッチは、それぞれ、複数の(
図3及び
図4の例では35個の)ソケット102に対応して設けられた複数の(例えば35個の)コネクタピン103を、外部端子104(V
CC)に電気的に接続することも出来るし、外部端子104(V
SS)に電気的に接続することも出来る。
【0017】
[配線基板101]
図6は、配線基板101の一部の構成を示す模式的な断面図である。配線基板101は、Z方向に交互に積層された複数のガラスクロス111及び複数の配線層112を備える。これら複数のガラスクロス111及び複数の配線層112の間の領域、最上層のガラスクロス111の上面、及び、最下層のガラスクロス111の下面には、樹脂113が設けられている。また、配線基板101は、複数のガラスクロス111、複数の配線層112及び樹脂113を貫通してZ方向に延伸する導電性の貫通部材121を備える。貫通部材121には、上述したコネクタピン103が挿通されている。また、樹脂113の上面及び下面には、ソルダーレジスト131と、防水コート132と、が設けられている。
【0018】
ガラスクロス111は、ガラス繊維によって構成される、絶縁性の織布である。
【0019】
配線層112は、それぞれ、配線114を備える。配線114は、銅(Cu)を含む。
図6には、Z方向に並ぶ8つの配線層112が例示されている。図示の例では、下から1番目及び5番目の配線層112に、電源電圧V
CCが供給される。即ち、下から1番目及び5番目の配線層112中の配線114が、電源電圧V
CCに対応する外部端子104(
図3)と、電気的に導通している。また、図示の例では、上から1番目の配線層112に、接地電圧V
SSが供給される。即ち、上から1番目の配線層112中の配線114が、接地電圧V
SSに対応する外部端子104(
図3)と、電気的に導通している。
【0020】
尚、
図6には、配線基板101の上面(上方に設けられた防水コート132の上面)から、この上面に1番目に近い配線層112の上面までのZ方向における距離Z
11を示している。また、配線基板101の下面(下方に設けられた防水コート132の下面)から、この下面に1番目に近い配線層112の下面までのZ方向における距離Z
12を示している。また、Z方向に隣り合う2つの配線層112のうち、上方に設けられたものの下面から、下方に設けられたものの上面までのZ方向における距離Z
13を示している。距離Z
11及び距離Z
12は、ソルダーレジスト131及び防水コート132の厚みの分だけ、距離Z
13より大きい。
【0021】
樹脂113は、エポキシ樹脂等の絶縁性の樹脂である。樹脂113の、複数の配線層112の間の領域に設けられた複数の部分は、それぞれ、ガラスクロス111と共に、絶縁層を構成する。また、樹脂113の、最上層の配線層112の上面に設けられた部分、及び、最下層の配線層112の下面に設けられた部分は、それぞれ、ガラスクロス111、ソルダーレジスト131及び防水コート132と共に、絶縁層を構成する。
【0022】
貫通部材121は、複数の(例えば35個の)グループに分かれて配置されている。これら複数のグループは、ソケット102に対応するパターンで、X方向及びY方向に並んでいる。また、これら複数のグループは、それぞれ、複数の(例えば93個の)貫通部材121を含む。これら複数の貫通部材121は、コネクタピン103に対応するパターン(
図5参照)で、X方向及びY方向に並んでいる。貫通部材121は、銅(Cu)を含む。貫通部材121は、Z方向に延伸する略円筒状の円筒部を備える。円筒部の上端には、ランド122が形成されている。円筒部の下端には、ランド123が形成されている。ランド122,123は、略円盤状の形状を備える。ランド123の下面には、半田124が設けられている。貫通部材121及びコネクタピン103は、半田124を介して、電気的に導通している。
【0023】
ランド122,123の直径は、貫通部材121の円筒部の外径よりも大きく、0.3mm以下である。ここで、貫通部材121は、半導体デバイス10の裏面12に設けられた複数の端子13(
図2)に対応して、0.5mm程度のピッチで、X方向及びY方向に並んでいる。従って、X方向又はY方向において隣り合う2つのランド122,123の間の距離は、0.2mm以上である。
【0024】
ソルダーレジスト131は、例えば、テスト実行時の温度よりも高いガラス転移温度を有する。例えば、テストボード100が、後述するHASTに用いられる場合、ソルダーレジスト131のガラス転移温度は、HAST実行時の温度(例えば、110℃)よりも大きい。ソルダーレジスト131は、例えば、116℃のガラス転移温度を有していても良い。ソルダーレジスト131は、例えば、太陽ホールディングス株式会社のPSR-4000 D10MEであっても良い。
【0025】
[比較例に係るテストボード200]
次に、比較例に係るテストボード200について説明する。比較例に係るテストボード200は、配線基板101のかわりに、配線基板201を備える。
【0026】
図7は、配線基板201の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【0027】
配線基板201は、樹脂113の上面及び下面に設けられた配線層213を備える。配線層213は、それぞれ、配線214を含む。配線214は、銅(Cu)を含む。
【0028】
尚、
図7には、配線基板201の上面から、この上面に1番目に近い配線層213の上面までのZ方向における距離Z
21を示している。また、配線基板201の下面から、この下面に1番目に近い配線層213の下面までのZ方向における距離Z
22を示している。また、Z方向に隣り合う2つの配線層112,213のうち、上方に設けられたものの下面から、下方に設けられたものの上面までのZ方向における距離Z
13を示している。距離Z
21及び距離Z
22は、防水コート132の厚みと同程度であり、距離Z
13よりも小さい。
【0029】
尚、図示の例において、配線基板201の上面は、上方に設けられた防水コート132の上面である。また、配線基板201の下面は、下方に設けられた防水コート132の下面である。
【0030】
また、配線基板201は、貫通部材121のかわりに、貫通部材221を備える。貫通部材221は、Z方向に延伸する略円筒状の円筒部を備える。円筒部の上端には、ランド222が形成されている。円筒部の下端には、ランド223が形成されている。
【0031】
ランド222,223の直径は、0.4mmである。ここで、一部の貫通部材221は、半導体デバイス10の裏面12に設けられた複数の端子13(
図2)に対応して、0.5mm程度のピッチで、X方向及びY方向に並んでいる。従って、X方向又はY方向において隣り合う2つのランド222,223の間の距離は、0.1mm程度である。
【0032】
また、配線基板201は、ソルダーレジスト131のかわりに、ソルダーレジスト231を備える。ソルダーレジスト231は、例えば、106℃のガラス転移温度を有する。ソルダーレジスト231は、例えば、太陽ホールディングス株式会社のPSR-4000 SP19であっても良い。
【0033】
[テスト]
テストボード100,200は、半導体デバイス10のテストに使用可能である。この様なテストとしては、例えば、HAST(High Accelerated temperature and humidity Stress Test)が挙げられる。ただし、本明細書で言うところの「テスト」は、HASTに限られない。
【0034】
HASTでは、半導体デバイス10をテストボード100,200にセットして、テストを実行する。HASTでは、半導体デバイス10を高温高湿環境下に置き、この状態で、各端子13(
図2)に、所定時間の間、固定電圧を供給する。この際、半導体デバイス10は、例えば、110℃の環境下に置かれる。次に、半導体デバイス10をテストボード100,200から取り外し、テスタによって半導体デバイス10を測定する。例えば、半導体デバイス10に対してデータの読出や書込を行い、半導体デバイス10が正常に動作するか否かを確認する。
【0035】
[第1の実験]
HASTにおいては、テストボード100,200を比較的長時間、高温高湿環境下に置き、通電を行う。従って、例えば、比較例に係るテストボード200は、数回テストを行うと故障してしまう。より具体的には、リーク電流が発生してしまう。
【0036】
そこで、発明者らは、比較例に係るテストボード200と類似の第1のサンプルを作成し、第1の実験を行って、リーク電流の発生原因について検討した。以下、その検討内容について説明する。
【0037】
図8~
図12は、第1のサンプルの一部の構成を示す模式的な平面図である。
【0038】
第1のサンプルは、基本的には、比較例に係るテストボード200と同様に構成した。
【0039】
ただし、第1のサンプルにおいては、配線層112中に、
図8に示す様なパターンP
1を複数形成した。パターンP
1は、一対の配線114を備える。また、一方の配線114は、複数の貫通部材221に接続されている。また、一方の配線114には電圧V
Lが供給され、他方の配線114には電圧V
Hが供給される。
図8には、一方の配線114に接続された貫通部材221と、他方の配線114との間の距離を、距離X
1として示している。第1のサンプルには、距離X
1を、0.1mm,0.2mm,0.3mm,0.5mmとする、4通りのパターンP
1を形成した。
【0040】
また、第1のサンプルにおいては、配線層112中に、
図9に示す様なパターンP
2を複数作成した。パターンP
2は、一対の配線114を備える。これら2つの配線114は、それぞれ、櫛状の形状を備える。
図9には、X方向に延伸しY方向に隣り合う2つの配線間の距離を、距離Y
2として示している。第1のサンプルには、距離Y
2を、0.1mm,0.2mm,0.5mm,1.0mmとする、4通りのパターンP
2を形成した。
【0041】
また、第1のサンプルにおいては、配線層213中に、
図10に示す様なパターンP
3を複数形成した。パターンP
3は、一対の配線214を備える。また、一方の配線214は、複数の貫通部材221に接続されている。また、一方の配線214には電圧V
Lが供給され、他方の配線214には電圧V
Hが供給される。
図10には、一方の配線214に接続された貫通部材221と、他方の配線214との間の距離を、距離X
3として示している。第1のサンプルには、距離X
3を、0.1mm,0.2mm,0.3mm,0.5mmとする、4通りのパターンP
3を形成した。
【0042】
また、第1のサンプルにおいては、配線層213中に、
図11に示す様なパターンP
4を複数作成した。パターンP
4は、一対の配線214を備える。これら2つの配線214は、それぞれ、櫛状の形状を備える。また、一方の配線214には電圧V
Lが供給され、他方の配線214には電圧V
Hが供給される。
図11には、X方向に延伸しY方向に隣り合う2つの配線間の距離を、距離Y
4として示している。第1のサンプルには、距離Y
4を、0.1mm,0.2mm,0.5mm,1.0mmとする、4通りのパターンP
4を形成した。
【0043】
また、第1のサンプルには、
図12に示す様なパターンP
5を複数作成した。パターンP
5は、X方向及びY方向に並ぶ複数のランド222(複数の貫通部材221)を備える。X方向に並ぶ複数のランド222には、電圧V
L又は電圧V
Hが共通に供給される。Y方向に隣り合う2つのランド222には、異なる電圧が供給される。
図12には、Y方向に隣り合う2つのランド222間の距離を、距離Y
5として示している。第1のサンプルには、距離Y
5を、0.1mmとするパターンP
5を形成した。また、第1のサンプルには、Y方向の一方側から数えて偶数番目のランド222(Y方向の一方側から数えて偶数番目の貫通部材221)を省略し、これによって距離Y
5を、0.6mmとするパターンP
5を形成した。
【0044】
第1の実験においては、第1のサンプルをHASTよりも厳しい条件で高温高湿環境下に置き、電圧VL及び電圧VHを供給して、端子間の抵抗値を測定した。電圧VL及び電圧VHの差は、接地電圧VSS及び電源電圧VCCの差よりも大きい。また、テストの開始から抵抗値の減少(リーク電流の発生)までの時間を計測した。
【0045】
第1の実験において、パターンP
1(
図8)及びパターンP
2(
図9)においては、リーク電流が発生しなかった。
【0046】
次に、
図13を参照して、パターンP
3(
図10)におけるリーク電流の発生率について説明する。
図13は、第1の実験の結果を示すグラフである。
図13の横軸は、実験開始からリーク電流が発生するまでの時間を、対数軸で示している。
図13の縦軸は、累積不良率を示している。
図13に示す様に、
図10を参照して説明した距離X
3が大きくなる程、リーク電流が発生するまでの時間が長くなった。また、距離X
3が0.5mmの場合、リーク電流は発生しなかった。
【0047】
次に、
図14を参照して、パターンP
4(
図11)におけるリーク電流の発生率について説明する。
図14は、第1の実験の結果を示すグラフである。
図14の横軸は、実験開始からリーク電流が発生するまでの時間を、対数軸で示している。
図14の縦軸は、累積不良率を示している。
図14に示す様に、
図11を参照して説明した距離Y
4が大きくなる程、リーク電流が発生するまでの時間が長くなった。また、距離Y
4が0.5mm,1.0mmの場合、リーク電流は発生しなかった。
【0048】
次に、
図15を参照して、パターンP
5(
図12)におけるリーク電流の発生率について説明する。
図15は、第1の実験の結果を示すグラフである。
図15の横軸は、実験開始からリーク電流が発生するまでの時間を、対数軸で示している。
図15の縦軸は、累積不良率を示している。
図15に示す様に、
図12を参照して説明した距離Y
5が0.1mmの場合、リーク電流が発生した。一方、距離Y
5が0.6mmの場合、リーク電流は発生しなかった。
【0049】
第1の実験の実行後、発明者らは、リーク電流の発生個所を観察した。その結果、パターンP
3(
図10)においては、電圧V
Hが供給された配線214中の銅(Cu)がソルダーレジスト231中に拡散し、電圧V
Lが供給されたランド222に達している様子が観察された。同様に、パターンP
4(
図11)においては、電圧V
Hが供給された配線214中の銅(Cu)がソルダーレジスト231中に拡散し、電圧V
Lが供給された配線214に達している様子が観察された。同様に、パターンP
5(
図12)においては、電圧V
Hが供給されたランド222中の銅(Cu)がソルダーレジスト231中に拡散し、電圧V
Lが供給されたランド222に達している様子が観察された。
【0050】
[第2の実験]
第1の実験の結果を考慮すると、テストボード200においてリーク電流が発生する際、ソルダーレジスト231がガラス転移温度に達して軟化し、且つ、銅イオン(Cu2+)が軟化したソルダーレジスト231中にマイグレーションしているものと考えられる。これを考慮すると、ソルダーレジスト231を、ガラス転移温度の高いものに変更することにより、リーク電流の発生を抑制可能と考えられる。
【0051】
そこで、発明者らは、第2のサンプルを作成し、第2の実験を行った。第2のサンプルは、基本的には、第1のサンプルと同様に構成されている。ただし、第2のサンプルでは、比較例に係るソルダーレジスト231のかわりに、第1実施形態に係るソルダーレジスト131を使用している。
【0052】
第2の実験は、第1の実験と同様の条件で行った。
【0053】
図16は、第2の実験の結果を示すグラフである。
図16の横軸は、実験開始からリーク電流が発生するまでの時間を、対数軸で示している。
図16の縦軸は、累積不良率を示している。尚、
図16には、比較のために、第1の実験の結果も示している。第2の実験の結果、ソルダーレジスト231のかわりにソルダーレジスト131を使用することにより、テストの開始から抵抗値の減少(リーク電流の発生)までの時間が10倍以上に延びることがわかった。
【0054】
[第3の実験]
第1の実験の結果では、配線層112中のパターンP1,P2においては不良が発生せず、配線層213中のパターンP3,P4においては不良が発生した。従って、テストボードの長寿命化の観点からは、配線層213(配線214)を省略することも考えられる。
【0055】
ここで、第1の実験の結果では、パターンP5においても不良が発生した。従って、テストボードの長寿命化の観点からは、ランド222,223を省略することも考えられる。しかしながら、ランド222,223は、省略することが困難である。
【0056】
ここで、ランド222,223を省略しない場合であっても、ランド222,223間の距離を広げることが出来れば、テストボードの長寿命化を図ることが可能と考えられる。
【0057】
例えば、
図17は、第1の実験の結果を示すグラフである。
図17のグラフでは、
図13のグラフに対応するデータを、他の観点からプロットしている。
図17の横軸は、配線等の間の電界を、対数軸で示している。
図17の縦軸は、実験開始からリーク電流が発生するまでの時間を、対数軸で示している。
図17に示す様に、配線等の間の電界を小さくすれば、リーク電流が発生するまでの時間を長くすることが可能である。配線等の間の電界を小さくするためには、例えば、配線等の間の距離を広げることが考えられる。従って、ランド222,223間の距離を広げることにより、テストボードの長寿命化を図ることが可能と考えられる。
【0058】
そこで、発明者らは、第3のサンプルを作成し、第3の実験を行った。第3のサンプルは、基本的には、第2のサンプルと同様に構成されている。ただし、第3のサンプルにおいては、
図12を参照して説明した距離Y
5が、0.2mmである。
【0059】
第3の実験は、第1の実験と同様の条件で行った。その結果、第3の実験では、不良が発生しなかった。
【0060】
[第1実施形態に係るテストボード100の効果]
第1実施形態に係るテストボード100では、第1の実験及び第2の実験の結果を考慮して、ソルダーレジスト231ではなく、ソルダーレジスト131を使用している。従って、比較例に係るテストボード200と比較して、長寿命である。
【0061】
また、第1実施形態に係るテストボード100では、第1の実験の結果を考慮して、配線層213を省略している。従って、比較例に係るテストボード200と比較して、長寿命である。
【0062】
尚、第1実施形態に係るテストボード100では、配線層213を省略しているため、
図6を参照して説明した様に、距離Z
11及び距離Z
12が、ソルダーレジスト131及び防水コート132の厚みの分だけ、距離Z
13より大きい。
【0063】
また、第1実施形態に係るテストボード100では、第1の実験及び第3の実験の結果を考慮して、X方向又はY方向において隣り合う2つのランド122,123の間の距離を、0.2mm以上としている。従って、比較例に係るテストボード200と比較して、長寿命である。
【0064】
[第2実施形態に係るテストボード]
図18は、
図6を参照して説明した複数の配線層112の一部の構成を示す模式的な平面図である。
図18に示す様に、複数の配線層112の一部(例えば、電源電圧V
CCが供給される配線層112、及び、接地電圧V
SSが供給される配線層112)は、配線114として、ベタ配線114aを含む。ベタ配線114aは、X方向及びY方向に延伸する略板状の配線である。
【0065】
ベタ配線114aは、複数の貫通部材121に対応してX方向及びY方向に並ぶ複数の空洞部114Vを備える。空洞部114Vは、複数の(例えば35個の)グループに分かれて配置されている。これら複数のグループは、ソケット102に対応するパターンで、X方向及びY方向に並んでいる。また、これら複数のグループは、それぞれ、複数の空洞部114Vを含む。これら複数の空洞部114Vは、例えば
図18に示す様に、コネクタピン103の一部に対応するパターンで、X方向及びY方向に並んでいる。
【0066】
空洞部114V中の貫通部材121は、樹脂113を介して、ベタ配線114aから離間し、ベタ配線114aから絶縁されている。尚、一部の貫通部材121(例えば、電源電圧V
CC又は接地電圧V
SSに対応する外部端子104(
図3)と、電気的に導通する貫通部材121)は、外周面においてベタ配線114aに接し、ベタ配線114aと電気的に導通している。
【0067】
尚、本明細書において配線の「空洞部」と言った場合には、配線を構成する金属部材が含まれていない領域であって、且つ、XY平面において、配線を構成する金属部材によって全周にわたって囲まれている領域を意味することとする。例えば、いずれかの配線層にラインアンドスペースのパターンが形成されており、且つ、このラインアンドスペースのライン部分に対応する複数の配線が電気的に独立である場合、スペース部分の領域には金属部材が含まれていない。しかしながら、このスペース部分の領域は、いずれかの配線を構成する金属部材によって全周にわたって囲まれてはいない。従って、このスペース部分の領域は、本明細書で言う所の「空洞部」には相当しない。
【0068】
ここで、ベタ配線114aは、他の配線層112中の配線114と比較して、金属の体積が大きいため、比較的、エレクトロマイグレーションが生じやすいと考えられる。例えば、エレクトロマイグレーションによって空洞部114V中にヒロックが形成されてしまい、このヒロックが貫通部材121と接してしまうと、リーク電流が発生してしまう。
【0069】
そこで、第2実施形態においては、ベタ配線114aを使用しない。
【0070】
図19は、第2実施形態に係るテストボードの一部の構成を示す模式的な平面図である。第2実施形態に係るテストボードは、基本的には、第1実施形態に係るテストボード100と同様に構成されている。ただし、第2実施形態に係るテストボードにおいては、複数の配線層112の一部(例えば、電源電圧V
CCが供給される配線層112、及び、接地電圧V
SSが供給される配線層112)のかわりに、複数の配線層312が設けられている。
【0071】
配線層312は、基本的には、配線層112と同様に構成されている。ただし、配線層312は、ベタ配線114aのかわりに、配線314を備える。配線314は、基本的には、ベタ配線114aと同様に構成されている。ただし、配線314は、貫通部材121に対応する空洞部114Vに加えて、複数の空洞部314Vを備える。空洞部114Vには、貫通部材121が設けられている。一方、空洞部314Vには、貫通部材121が設けられていない。図示の例において、複数の空洞部314Vは、それぞれ、空洞部114Vよりも大きく、円状に形成されている。
【0072】
上述の通り、空洞部114Vは、複数の(例えば35個の)グループに分かれて配置されている。また、これら複数のグループは、ソケット102に対応するパターンで、X方向及びY方向に並んでいる。ここで、
図19の例において、複数の空洞部314Vは、ソケット102に対応する領域(Z方向から見て、ソケット102と重ならない領域)に設けられている。
【0073】
複数の空洞部314Vは、千鳥状のパターンで設けられている。例えば、
図19では、Y方向に並ぶ複数の空洞部314Vからなる列が、X方向に複数並んでいる。また、X方向に隣り合う2つの列の一方に含まれる空洞部314VのY方向の位置は、他方に含まれる空洞部314VのY方向の位置と異なる。
【0074】
ここで、配線314には、複数の空洞部314Vが形成されている。この様な構成は、配線314を構成する金属原子が逃げられる様な隙間を、数多く含んでいる。従って、空洞部114Vに、上述の様なヒロックが形成されてしまうことを抑制可能である。
【0075】
また、空洞部314Vは、円状に形成されている。これにより、例えば空洞部314Vを矩形に形成する場合と比較して、配線314における電流の阻害を抑制可能であり、空洞部314Vの形成に伴う抵抗値の上昇を抑制可能である。
【0076】
また、空洞部314Vは、千鳥状のパターンで設けられている。これにより、例えば空洞部314Vをマトリクス状のパターンで設ける場合と比較して、配線314における電流の阻害を抑制可能であり、空洞部314Vの形成に伴う抵抗値の上昇を抑制可能である。
【0077】
尚、
図19に示す様なパターンは例示に過ぎず、具体的なパターンは適宜調整可能である。
【0078】
例えば、空洞部314Vの形状は、円状ではなく矩形でも良いし、正六角形、三角形又はその他の多角形でも良いし、それ以外の形状でも良い。
【0079】
また、例えば、
図19に示す様な千鳥状のパターンは、X方向とY方向とを入れ換えても良い。即ち、X方向に並ぶ複数の空洞部314Vからなる列が、Y方向に複数並んでいても良い。また、Y方向に隣り合う2つの列の一方に含まれる空洞部314VのX方向の位置は、他方に含まれる空洞部314VのX方向の位置と異なっていても良い。
【0080】
また、空洞部314VのX方向及びY方向における大きさは、空洞部114VのX方向及びY方向における大きさより、大きくても良いし、小さくても良い。また、これらの大きさは、一致していても良い。尚、空洞部314Vの大きさは、均一でなくても良い。
【0081】
[第3実施形態に係る半導体記憶装置400]
以上、第1実施形態及び第2実施形態に係る配線基板について例示した。しかしながら、以上の構成は例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。例えば、第1実施形態及び第2実施形態に係る配線基板は、テストボード以外の半導体装置に対しても適用可能である。
【0082】
図20は、第3実施形態に係る半導体記憶装置400の構成を示す模式的な斜視図である。半導体記憶装置400は、例えば、SSD(Solid State Drive)であっても良い。半導体記憶装置400は、配線基板410と、配線基板410上に搭載された複数のNANDフラッシュメモリ420と、配線基板410上に搭載されたDRAM(Dynamic Random Access Memory)430と、配線基板410上に搭載されたコントローラ440と、を備える。
【0083】
配線基板410は、例えば、第1実施形態又は第2実施形態に係る配線基板と同様に構成されている。NANDフラッシュメモリ420、DRAM430及びコントローラ440は、集積回路を含むパッケージであり、ピン、BGA又はその他の手段によって、配線基板410内の配線114に電気的に接続されている。
【0084】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
10…半導体デバイス、11…表面、12…裏面、13…端子、100…テストボード、101…配線基板、102…ソケット、103…コネクタピン、104…外部端子、105…ジャンパブロック、111…ガラスクロス、112…配線層、113…樹脂、114…配線、121…貫通部材、122,123…ランド、124…半田、131…ソルダーレジスト、132…防水コート。